説明

弾性クローラ

【課題】走行に伴う振動を低減して乗り心地を向上させることができ、ラグの倒れを好適に防止することができる弾性クローラを提供する。
【解決手段】本発明の弾性クローラ14は、無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体17と、クローラ周方向に所定の間隔をおいてクローラ本体17の内部に埋設された複数の芯金18と、クローラ周方向に所定の間隔をおいてクローラ本体17の外周面に設けられた複数のラグ20と、を備えている弾性クローラ14であって、ラグ20は、クローラ周方向の一側部が芯金18の外周側に重合し、かつ同他側部が芯金18からクローラ周方向に外れた位置に配置されており、さらに、ラグ20は、少なくとも芯金18のクローラ幅方向領域において、クローラ周方向の他側部における付け根部35のアール半径R2が、同一側部における付け根部35のアール半径R1よりも大きく形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械や農業機械等の走行装置に利用される弾性クローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
バックホー等の建設機械やコンバイン等の農業機械には、弾性クローラを装着した走行装置が用いられている。この弾性クローラは、例えば、下記特許文献1に記載されているように、無端帯状のゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、クローラ周方向に所定の間隔をおいて前記クローラ本体の内部に埋設された複数の芯金と、クローラ周方向に間隔をおいて前記クローラ本体の外周面に設けられた複数のラグと、を備え、走行装置の駆動輪、従動輪、及び転動輪に巻回されて使用される。
【0003】
また、近年、この種の弾性クローラにおいては、軟弱地等の走行性能に加えて良好な乗り心地が求められている。そのため、弾性クローラのラグの形状や配置に工夫を施すことによって振動の低減が図られている。
例えば、下記特許文献1に記載された弾性クローラは、ラグの接地頂面を芯金のクローラ周方向の中心に対して偏心させるとともに、ラグのクローラ周方向の一方側の付け根部を芯金のクローラ周方向の幅内に配置し、同他方側の付け根部を芯金のクローラ周方向の幅外に配置している。そして、この弾性クローラにおいては、芯金とラグとの重なり部分において最も垂直剛性が高い部分を芯金の幅方向にずらし、かつその剛性を徐々に変化させることによって、転動輪等が通過する際の走行装置の上下振動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−233776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の弾性クローラは、芯金のクローラ周方向の幅内に配置されたラグの付け根部は芯金によってクローラ内周側から支持されるが、同幅外に配置されたラグの付け根部は芯金によって支持されないため、剛性が低下する。そのため、ラグが地面に接地したときに剛性の低い側へラグが倒れやすくなり、これがラグの偏摩耗の原因となっていた。
【0006】
本発明は、上記のような実情に鑑み、走行に伴う振動を低減して乗り心地を向上させるとともに、ラグの倒れを好適に防止することができる弾性クローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の弾性クローラは、ゴム等の弾性材料により無端帯状に形成されたクローラ本体と、クローラ周方向に所定の間隔をおいて前記クローラ本体の内部に埋設された複数の芯金と、クローラ周方向に所定の間隔をおいて前記クローラ本体の外周面に設けられた複数のラグと、を備えている弾性クローラであって、
前記ラグは、クローラ周方向の一側部が前記芯金の外周側に重合されるとともに、同他側部が前記芯金からクローラ周方向に外れた位置に配置されており、
さらに、前記ラグは、少なくとも前記芯金のクローラ幅方向領域において、クローラ周方向の他側部における付け根部のアール半径が、同一側部における付け根部のアール半径よりも大きい寸法に形成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、クローラ本体の外周面に設けられたラグは、クローラ周方向の一側部が芯金の外周側に重合し、同他側部が芯金からクローラ周方向に外れた位置に配置されているので、走行の際に芯金間への転動輪の落ち込みが抑制され、振動を低減することができる。また、ラグは、芯金によって支持されていないクローラ周方向の他側部における付け根部のアール半径が、同一側部における付け根部のアール半径よりも大きい寸法に形成されているので、ラグのクローラ周方向の他側部における付け根部の剛性が、同一側部における付け根部の剛性よりも高められる。そのため、ラグの同他側部側への倒れを好適に防止することができ、ラグの偏摩耗を抑制することができる。
【0009】
(2)前記各ラグは、少なくとも前記芯金の幅方向領域において、クローラ周方向の一側部における側面よりも、同他側部における側面の方が緩やかな傾斜面に形成されていることが好ましい。
このような構成によっても、ラグのクローラ周方向の他側部における剛性が高められる。したがって、ラグの同他側部側への倒れをより確実に防止することができる。
【0010】
(3)前記ラグは、その接地頂面におけるクローラ周方向の中心位置が、前記芯金からクローラ周方向に外れた位置に配置されていることが好ましい。
このような構成によって、走行時に芯金間を通過する転動輪からの荷重がラグの接地頂面を介して地面によって支持されるため、転動輪の落ち込みを抑制し、振動をより低減することができる。
【0011】
(4)前記ラグは、前記クローラ本体の幅方向両側に振り分けて形成されており、
クローラ幅方向の一方側に配置された前記ラグと、他方側に配置された前記ラグとは、互いにクローラ周方向に関して反対側に位置する前記芯金の側部に重合していることが好ましい。
このような構成によって、周方向に隣接する芯金の間に配置されたクローラ幅方向の一方側のラグの一部と、同他方側のラグの一部とによって転動輪の落ち込みを確実に防止し、振動を低減することができる。
【0012】
(5)前記ラグは、クローラ周方向の他側部における付け根部のアール半径が、前記芯金から当該付け根部までのクローラ周方向の距離に応じて変化していてもよい。
芯金から当該付け根部までのクローラ周方向の距離によってラグの倒れやすさが変わるため、この距離に応じて当該付け根部のアール半径を変化させることによりラグの付け根部における剛性を適切に設定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の弾性クローラによれば、走行に伴う振動を低減して乗り心地を向上させることができるとともに、ラグの倒れを好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る弾性クローラを適用した走行装置を示す側面図である。
【図2】弾性クローラの外周面を示す平面図である。
【図3】図2におけるIII−III断面図である。
【図4】図2におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る弾性クローラの外周面を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る弾性クローラ14を適用した走行装置10を示す側面図である。この走行装置10は、油圧モータ等によって駆動される駆動輪11と、従動輪12とを前後に離間して配置し、この駆動輪11及び従動輪12の間に複数の転動輪13を配置し、これら駆動輪11、従動輪12、及び転動輪13に弾性クローラ14を巻き掛けることによって構成されている。なお、本実施の形態の弾性クローラ14は、コンバイン等の農業機械や、各種運搬車、建設機械等に採用することが可能である。
【0016】
図2は、弾性クローラの外周面を示す平面図、図3は、図2におけるIII−III断面図、図4は、図2におけるIV−IV断面図である。なお、以下の説明において、弾性クローラ14の接地側を「外周側」といい、接地側の反対側を「内周側」という。また、走行装置10が走行する際に弾性クローラ14が循環する方向を「クローラ周方向」(又は、単に「周方向」)といい、このクローラ周方向に直交し、駆動輪等の回転軸に平行な方向を「クローラ幅方向」(又は、単に「幅方向」)という。また、弾性クローラ14の外周側から内周側へ向く方向を「クローラ厚さ方向」(又は、単に「厚さ方向」)という。また、図2及び図4には、前進走行の際の弾性クローラ14の回転方向を矢印Xで示している。
【0017】
弾性クローラ14は、ゴムや樹脂等の弾性材料(ゴム様弾性体)によって無端帯状に形成されたクローラ本体17と、このクローラ本体17の内部にクローラ周方向に所定の間隔をおいて埋設された複数の芯金18と、この芯金18の外周側に埋設された幅方向一対の抗張体19と、クローラ本体17の外周面に当該クローラ本体17と一体に形成され、クローラ周方向に所定の間隔をおいて形成された複数のラグ20と、を備えている。
【0018】
図2に示されるように、クローラ本体17の幅方向中央部であって、周方向に隣接する芯金18の間にはクローラ厚さ方向に貫通するか、又はクローラ本体17の内周面から外周側へ凹設された係合孔22が形成されており、この係合孔22に駆動輪11を構成するスプロケットの歯が挿入され、芯金18を介してクローラ本体17に回転動力が伝達される。
【0019】
図3に示されるように、芯金18は、クローラ幅方向の中央部に設けられ、駆動輪11の歯が係合する係合部24と、この係合部24から幅方向両側へ延伸する一対の翼部25と、係合部24の幅方向両側から内周側に突出する一対のガイド突起26とを備えている。芯金18の翼部25は、クローラ本体17の幅方向両側の剛性を高め、クローラ本体17の幅方向両側の曲げ変形を抑制している。一対のガイド突起26は、当該ガイド突起26を跨いで転動する転動輪(図1参照)をガイドし、当該転動輪からの弾性クローラ14の離脱(脱輪)を防止する機能を有している。抗張体19は、スチールコードや繊維コード等から形成されており、芯金18の幅方向一対の翼部25の外周側にクローラ本体17の全周にわたって設けられている。この抗張体19は、クローラ本体17の伸張を規制する機能を有している。
【0020】
ラグ20は、地面に接地して牽引力を発生するためのものであり、本実施の形態では、図2及び図3に示されるように、クローラ幅方向の両側に振り分けて形成されている。また、幅方向両側のラグ20は、互いに周方向に位置ずれした状態、いわゆる千鳥状に配置されている。また、ラグ20は、係合孔22の側縁部からクローラ本体17の幅方向外端部に到る範囲に形成された長ラグ28と、係合孔22の側縁部からクローラ本体17の幅方向外端部に到る手前までの範囲に形成された短ラグ29とからなり、この長ラグ28と短ラグ29とは、クローラ幅方向の各側において、周方向交互に配設されている。
【0021】
図2に示されるように、短ラグ29は、その全体がクローラ幅方向に対して傾斜して配置されている。具体的に、短ラグ29は、クローラ本体17の幅方向外側ほど回転方向Xの後方側に位置するように傾斜している。また、長ラグ28は、クローラ本体17の幅方向中央側の部分28Aが短ラグ29と同様に傾斜し、クローラ本体17の幅方向外側の部分28Bが、クローラ幅方向と略平行に延びている。また、長ラグ28及び短ラグ29は、いずれも芯金18の幅方向領域Wにおいてはクローラ幅方向に対して傾斜して配置されている。
【0022】
また、ラグ20は、芯金18に対してクローラ周方向に偏心した位置に配置されている。すなわち、ラグ20は、そのクローラ周方向の一側部が芯金18の外周側に重合するように配置され、クローラ周方向の他側部が芯金18からクローラ周方向に外れた位置に配置されている。また、クローラ幅方向の一方側に配置されたラグ20と、クローラ幅方向の他方側に配置されたラグ20とは、芯金18に対して互いにクローラ周方向の反対側に偏心して配置されている。例えば、図2の記載を例に説明すると、クローラ本体17の左右方向(幅方向)中央よりも左側に配置されたラグ20は、芯金18に対して図2の下側に偏心して配置され、同右側に配置されたラグ20は、芯金18に対して図2の上側に偏心して配置されている。また、1つの芯金18の幅方向両側には、同種類のラグ(長ラグ又は短ラグ)が配置されている。
【0023】
図4に示されるように、ラグ20は、クローラ周方向の両側面33a,33bと、地面に接地する頂面(接地頂面)34とを有する断面略台形状に形成されている。したがって、クローラ周方向の両側面33a,33bは互いに逆向きに傾斜する傾斜面とされている。また、ラグ20の接地頂面34のクローラ周方向の中心αは、芯金18に対してクローラ周方向に外れた位置に配置されている。
【0024】
さらに、ラグ20は、クローラ本体17に対するクローラ周方向両側の付け根部35a,35bがアール状の曲面に形成されている。そして、本実施の形態のラグ20は、芯金18に重合するクローラ周方向の一側部における付け根部35aのアール半径Raよりも、芯金18に重合しないクローラ周方向の他側部における付け根部35bのアール半径Rbの方が大きい寸法に設定されている。また、ラグ20のクローラ周方向の両側面33a,33bのうち、芯金18に重合するクローラ周方向の一側部における側面33aの傾斜角度θaは、芯金18に重合しないクローラ周方向の他側部における側面33bの傾斜角度θbよりも大きい寸法に設定されている。すなわち、芯金18に重合しないクローラ周方向の他側部におけるラグ20の側面33bの方が、一側部におけるラグ20の側面33aよりもクローラ本体17の外周面に対して緩やかに傾斜している。
【0025】
以上のように、本実施の形態の弾性クローラ14は、ラグ20が芯金18に対してクローラ周方向に偏心して配置されているので、走行の際に周方向に隣接する芯金18間への転動輪13の落ち込みが抑制され、走行装置10の振動の発生を低減することができる。また、本実施の形態では、ラグ20の接地頂面34の中心αが芯金18に対してクローラ周方向に外れた位置に配置されているので、クローラ周方向に隣接する芯金18間で転動輪13の荷重が接地頂面34を介して地面によって支持され、転動輪13の落ち込みがより抑制される。
【0026】
しかしながら、ラグ20が芯金18に対してクローラ周方向に偏心して配置されていると、クローラ周方向の一側部のみが芯金18によって内周側から支持されるため、図4に矢印Aで示すように、芯金18による支持のないクローラ周方向の他側部側へラグ20が倒れやすくなり、ラグ20に偏摩耗が生じる。
そのため、本実施の形態の弾性クローラ14は、芯金18による支持のないラグ20のクローラ周方向の他側部における付け根部35bのアール半径Rbが、同一側部における付け根部35aのアール半径Raよりも大きい寸法とされており、これによって、同他側部におけるラグ20の体積が増大し剛性が高められている。したがって、矢印A方向へのラグ20の倒れが好適に抑制される。また、芯金18による支持のないラグ20のクローラ周方向の他側部における側面33bが、同一側部における側面33aよりも緩やかに傾斜していることによっても、同他側部におけるラグ20の体積が増大し剛性が高められている。したがって、ラグ20の倒れをより確実に抑制することができる。
【0027】
図2に示されるように、クローラ周方向に隣接する芯金18の間には、クローラ幅方向の一方側に配置されたラグ20と、同他方側に配置されたラグ20とが共に芯金18からクローラ周方向に張り出した状態で配置されている。このようなラグ20の配置によって、クローラ周方向に隣接する芯金18の間を転動する転動輪13の荷重が両ラグ20によって適切に受け止められ、当該転動輪13の落ち込みが好適に抑制される。
【0028】
また、一つの芯金18の幅方向両側には同じ種類のラグ20(長ラグ28又は短ラグ29)が配置されている。そのため、芯金18上を転動輪13が転動したときにクローラ幅方向両側のラグ20に対してバランスよく転動輪13からの荷重が付与され、クローラ幅方向に関するラグ20の偏摩耗をも防止することができる。
【0029】
図2に示されるように、ラグ20は、芯金18の幅方向領域Wにおいてはクローラ幅方向に対して傾斜して配置されているので、芯金18に重合しない側のラグ20の付け根部35bと芯金18との距離はクローラ幅方向で変化している。このような構成の場合、当該距離に応じてラグ20の付け根部35bのアール半径Rbやラグ20の側面33bの傾斜角度θbを変化させることができる。
【0030】
例えば、図4に示されるように、芯金18に重合していないクローラ周方向の他側部におけるラグ20の側面33bとクローラ本体17の外周面との交点βをラグ20の付け根部35の位置と仮定し、この交点βが芯金18間に設定された区画γ1〜γ3のうちのどの位置に配置されているかによってアール半径Rbや傾斜角度θbを設定することができる。ここでγ1は、ラグ20が重合している芯金18の端縁から芯金18間の中央位置までの区画であり、γ2及びγ3は、芯金18間の中央位置から隣接する他の芯金18までの距離を2等分した区画である。交点βが、区画γ1に位置づけられている場合、ラグ20は芯金18に対する重合範囲が広くなるため、矢印A方向への倒れが少なくなる。そのため、アール半径Rbや傾斜角度θbを比較的小さくすることができる。また、交点βが、区画γ2に位置づけられている場合、ラグ20はもっとも矢印A方向へ倒れやすくなるので、アール半径Rbや傾斜角度θbを最も大きくすることが望まれる。また、交点βが区画γ3の領域に配置されている場合、ラグ20のクローラ周方向の他側部が、隣接する他の芯金18に近づくことによって剛性が高まり、ラグ20の倒れが抑制される。したがって、この場合のアール半径Rbや傾斜角度θbは、交点βが区画γ2に配置されている場合よりも小さくすることができる。
【0031】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上記各実施の形態においては、ラグ20の接地頂面34のクローラ周方向の中心αが芯金18からクローラ周方向に外れた位置に配置されていたが、当該芯金18に重合する配置とされていてもよい。また、第1の実施の形態において、ラグ20が、長ラグ28と短ラグ29とから構成されていたが、例えば、図5に示されるように、全てのラグ20が係合孔22の側縁からクローラ本体17の幅方向端部に到る長さに形成されていてもよい。また、図5に示されるように、ラグ20は、全体がクローラ幅方向に対して傾斜して配置されていてもよいし、クローラ幅方向に対して略平行に配置されていてもよい。また、クローラ幅方向両側のラグ20は、千鳥状ではなく、クローラ周方向に関して同位置に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態において、芯金18の幅方向領域Wよりもクローラ幅方向の外側においては、ラグ20の付け根部35a,35bにおけるアール半径Ra,Rbや側面33a,33bの傾斜角度θa,θbは同一寸法とされていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 走行装置
14 弾性クローラ
17 クローラ本体
18 芯金
20 ラグ
33a,33b 側面
35a,35b 付け根部
Ra,Rb アール半径
θa,θb 傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム等の弾性材料により無端帯状に形成されたクローラ本体と、クローラ周方向に所定の間隔をおいて前記クローラ本体の内部に埋設された複数の芯金と、クローラ周方向に間隔をおいて前記クローラ本体の外周面に設けられた複数のラグと、を備えている弾性クローラであって、
前記ラグは、クローラ周方向の一側部が前記芯金の外周側に重合され、同他側部が前記芯金からクローラ周方向に外れた位置に配置されており、
さらに、前記ラグは、少なくとも前記芯金のクローラ幅方向領域において、クローラ周方向の他側部における付け根部のアール半径が、同一側部における付け根部のアール半径よりも大きく形成されていることを特徴とする弾性クローラ。
【請求項2】
前記各ラグは、少なくとも前記芯金の幅方向領域において、クローラ周方向の一側部における側面よりも、同他側部における側面の方が緩やかな傾斜面に形成されている、請求項1に記載の弾性クローラ。
【請求項3】
前記ラグは、その接地頂面におけるクローラ周方向の中心位置が、前記芯金からクローラ周方向に外れた位置に配置されている、請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
【請求項4】
前記ラグは、前記クローラ本体の幅方向両側に振り分けて形成されており、
クローラ幅方向の一方側に配置された前記ラグと、同他方側に配置された前記ラグとは、互いにクローラ周方向に関して反対側に位置する前記芯金の側部に重合している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
【請求項5】
前記ラグは、クローラ周方向の他側部における付け根部のアール半径が、前記芯金から当該付け根部までのクローラ周方向の距離に応じて変化している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性クローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−86727(P2013−86727A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230977(P2011−230977)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)