説明

弾性メタクリレート系組成物

弾性が改善された二液型接着剤組成物は、1種もしくは2種以上のアクリレートもしくはメタクリレートエステルモノマー、イオウ含有化合物、好ましくは塩化スルホニル、アミン系硬化促進剤、好ましくはアミン−アルデヒド反応生成物、並びに下記よりなる群から選ばれた熱可塑性ブロックコポリマー成分を含有する:a)線状スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、b)可塑剤と組合わせた放射状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、c)線状もしくは放射状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、およびd)線状もしくは放射状スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンコポリマーモノマー、並びにそれらの混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジカル重合(遊離基重合)により硬化して高強度の可撓性化材料を形成する、ポリマーとアクリレート若しくはメタクリレートモノマーとの混合物からなる液状若しくはペースト状組成物に関する。硬化した組成物は、一般に、接着剤、充填及び補修材料、被覆材等として有用である。
【背景技術】
【0002】
1:1の比率で混合することができ、かつ実用的な貯蔵寿命又は保存寿命を有する市販及び従来のメタクリレート系接着剤組成物は、一般的ではあるが実用性がより低い10:1混合比の接着剤のような弾性又は延性をこれまで有していなかった。これは、特に接着剤が時間経過又は高温で老化した場合に明らかになる。後者の組成物は一般に、主要開始剤種として過酸化ベンゾイルを採用する。初期の、そして最も広く使用されている触媒の組み合わせは、過酸化ベンゾイルと第3級芳香族アミンとからなる。アミンは一般にポリマーとモノマーとの混合物中に配合され、過酸化ベンゾイル(BPO)の方は別に供給されて、使用時にモノマー組成物に添加される。モノマー組成物:過酸化物(ペルオキシド)の混合比は、典型的には、純BPOを使用する場合の100:1から、混合をより便利にするためにそれを可塑剤で希釈した場合の10:1又はそれ以下までである。過酸化物成分中の可塑剤及び他の不活性成分は硬化組成物の特性に悪影響を及ぼすため、モノマー組成物:過酸化物成分の最小の実用的な混合比は4:1である。
【0003】
過酸化ベンゾイルはメタクリレートモノマーと混合されると安定ではなくなる。メタクリレート混合物との混合状態における過酸化物(ペルオキシド)触媒種の安定性は、典型的な1:1混合比処方で使用する前の安全かつ実用的な貯蔵のために必要である。このため、過酸化ベンゾイルは、本発明の組成物の好適態様における触媒成分ではない。
【0004】
1:1混合比の市販の従来のメタクリレート系接着剤は、典型的には、塩化スルホニル開始剤種と、ヒドロペルオキシド若しくは他の安定な非BPO系の共開始剤種と、アミン−アルデヒド活性化剤とを含有する開始剤系を採用する。開始剤種は接着剤部分、即ち、接着剤の成分Aに含有させ、アルデヒド−アミン活性化剤は活性化剤部分、即ち接着剤の成分Bの方に含有させる。塩化スルホニルの一般的な供給源は、デュポン社からハイパロン(Hypalon)として市販されているクロロスルホン化ポリエチレンである。好ましいアルデヒド−アミン系活性化剤は、活性ジヒドロピリジン成分(一般にDHPと呼ばれる)の含有量が高濃度化されているアニリンとブチルアルデヒドとの反応生成物であるレイルキャット (Reillcat) ASY-2である。
【0005】
ヒドロペルオキシド/塩化スルホニル/DHP硬化系は、便利で非臨界的な1:1混合比の接着剤を生産する手段を提供してきたが、得られた処方組成物は、最も要求の厳しい構造用接着剤用途には好まれてこなかった。これは、このような処方組成物がは、BPOと第3級アミンとで硬化させた組成物に比べて、典型的にはより硬質で、老化(エージング)により脆くなることがあるためである。
【特許文献1】米国特許第4,574,142号明細書
【特許文献2】米国特許第5,206,288号明細書
【特許文献3】米国特許第6,989,416号明細書
【発明の開示】
【0006】
従って、便利な1:1の混合比と高度の可撓性(柔軟性)とを持ち、エージング後も可撓性を保持する接着剤が求められていることは明らかである。ここに、スチレン、ブタジエン及びイソプレンの特定のブロックコポリマーを使用することにより、便利な1:1混合比を提供する成分を用いて上記の望ましい特性を備えた接着剤組成物を処方することができることが判明した。さらに、好適態様においては、これらの組成物は過酸化ベンゾイルを使用せずに処方することができる。
【0007】
Charnockによる米国特許第4,574,142号明細書は、スチレン−ブタジエン(SBS)ブロックコポリマーゴムを用いた、高靱性化二液型アクリルモノマー系接着剤組成物を開示している。スチレンとブタジエンのブロックコポリマーだけが開示され、ブタジエン又はスチレンの相対的比率についての好適範囲やポリマーの構造については開示がない。アルデヒド−アミン成分が硬化触媒系の一部として使用される。しかし、その組成物は有機塩化スルホニルを含まないラジカル(遊離基)触媒系を含むことが明記されている。塩化スルホニル、及びクロロスルホン化ポリエチレンのような塩化スルホニルを含有するポリマー(それは従来の接着剤に対する好ましい促進剤である)は組成物から特定的に排除されている。従来の組成物に使用されている別の塩素化ポリマーであるポリクロロプレンも開示されているが、それは望ましくない効果を有する。従って、Charnockは、組成物中における塩素含有種、特に塩化スルホニルを排除するか、あるいはそれを使用しないことを教えている。
【0008】
米国特許第5,206,288号明細書は、ガラス転移温度Tgの低いエラストマーとコア−シェル型耐衝撃性改良剤とを組合わせた組成物による低温可撓性結合特性の改善を開示している。約1:1混合比で混合された処方組成物においてKratonを用いた1態様では、触媒系は、モノマー成分中の一方のポリマーにおける添加剤としてのBPOペーストと、他方における第3級アミンのN,N−ジメチル−p−トルイジンとから構成される。BPOはその好適態様の組成物の好ましい成分ではない。
【0009】
米国特許第6,989,416号明細書は、スチレンとブタジエンとのブロックコポリマーに基づいて可撓性が改善されたメタクリレート系接着剤を開示する。この接着剤はペルオキシドと第3級アミン開始剤とを含有するが、塩化スルホニルまたは他のイオウ含有成分またはDHP成分を全く含有しない。さらに、それらは好ましくは混合比が10:1の触媒成分として過酸化ベンゾイルペーストを利用する。
【0010】
本発明の好ましい態様は、改善された弾性および弾性保持性を示す二液型構造用接着剤組成物を提供する。この接着剤組成物は、下記成分を含む、アクリレートもしくはメタクリレートモノマーとポリマーとの混合物である:
A.1種もしくは2種以上のアクリレートもしくはメタクリレートエステルモノマー;
B.イオウ含有化合物、好ましくは塩化スルホニル;
C.アミン系硬化促進剤、好ましくはアミン−アルデヒド反応生成物;
D.下記よりなる群から選ばれた熱可塑性ブロックコポリマー成分:
a.線状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
b.放射状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー+可塑剤、
c.線状もしくは放射状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、および
d.線状もしくは放射状スチレン−ブタジエン−インプレン−スチレンブロックコポリマー;ならびに
E.場合により(任意成分の)、接着促進性ポリマー、好ましくは塩素化ポリマー。
【0011】
本組成物は、便利な混合比1:1の室温硬化性接着剤として処方するのに特によく適している。組成物が本発明の利点を享受するのに1:1の混合比で混合することは必要ではないが、商業製品(市販品)にとってこのことは非常に好ましい実用的な側面となる。さらに、これらの態様は過酸化ベンゾイルの存在を必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
より便利な1:1の混合比で混合することができる処方組成物において、改善された恒久的な弾性をうるのに有用な重要な因子が、熱可塑性ブロックコポリマー成分をある種の遊離基(ラジカル)開始剤系と組合わせて利用することであることがここに判明した。好ましい熱可塑性ブロックコポリマー成分は、下記よりなる群から選択される:
a.スチレン含有量が20〜45%の線状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
b.スチレン含有量が20〜45%の放射状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー+可塑剤、
c.スチレン含有量が10〜45%の線状もしくは放射状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、および
d.スチレン含有量が10〜45%の線状もしくは放射状スチレン−ブタジエン−インプレン−スチレンブロックコポリマー。
【0013】
許容される熱可塑性ブロックコポリマーの例は、市販品としてKraton Polymers, Inc.からKraton (登録商標) なる商品名のもの、Dexco PolymersからVector (登録商標) なる商品名のものなどである。好ましいラジカル開始剤系としては、イオウ含有化合物、好ましくは塩化スルホニルまたはスルフィミド類をジヒドロピジン化合物と組合わせたものが挙げられる。
【0014】
本発明の組成物を接着剤として処方する場合、好ましくは接着促進性ポリマーを用いて、プラスチック、金属、セラミック、木材もしくは他の材料または複数材料の組合わせといった多様な材料上での硬化組成物の接合強度を改善することが好ましい。接着促進性ポリマーの選択は、接合される材料の性質や硬化した接着剤組成物の必要な物理的性質に依存する。
【0015】
好ましい接着促進性ポリマーは、メタクリレートモノマー中に可溶性または分散性の熱可塑性樹脂及びエラストマーである。この目的に対して好ましいポリマーは、米国特許第4,182,644号に開示されており、この米国特許を参考のためにここに援用する。より好ましい接着促進性ポリマーは塩素化ポリマーであり、特に好ましいポリマーは、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、およびポリクロロプレンポリマーを包含する、塩素化エラストマー類である。これらの好ましいポリマーのいずれかまたはすべての混合物も有利に使用できる。
【0016】
本発明の処方組成物に有利に使用しうる他のポリマーは、耐衝撃性改良剤、好ましくはコア−シェル型耐衝撃性改良剤である。ある種の材料に改善された接着性を付与することに加えて、この種のポリマーはレオロジーもしくは取り扱い特性のさらなる向上と、硬化組成物の延性もしくは靱性のさらなる向上とを付与することができる。耐衝撃性改良剤、特にコア−シェル型耐衝撃性改良剤の利点は、米国特許第4,536,546号に開示されており、この米国特許を参考のために援用する。
【0017】
本処方組成物の好適態様に使用されるアクリレートおよびメタクリレートモノマーは、当業者には周知であり、例えば、上に挙げた米国特許第4,182,644号に開示されている。最も好ましいモノマーは、メチルメタクリレートモノマーと、モノマーのアルコール部分がC6以上の炭化水素部分に基づくより高分子量のモノマーである。後者の種類の特に好ましいモノマーはラウリルメタクリレートである。スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどといった非メタクリレート系不飽和またはビニルモノマーも、必要に応じて、硬化速度の制御といった特定の利益を得るために使用しうる。
【0018】
本発明の組成物の好適態様の開始剤種としては、イオウ含有化合物および過酸化物が挙げられる。本発明の好適態様の活性化剤としては、第3級芳香族アミン、アミン−アルデヒド系活性化剤および活性金属種が挙げられる。好ましいイオウ含有化合物としては、塩化スルホニルもしくはクロロスルホン化ポリエチレンなどのクロロスルホン化ポリマー、ならびにベンゾイックスルフィミド(benzoic sulfimide)もしくはサッカリンを含むスルフィミド類が挙げられる。好ましい過酸化物としては、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類、またはメチルエチルケトンペルオキシド、t−ブチル過安息香酸をはじめとする過安息香酸エステル類、および当業者には周知の他の過酸化物種が挙げられる。過酸化ベンゾイルは好ましくない。
【0019】
好ましい活性化剤はブチルアルデヒドとアニリンとの付加生成物であり、これは、Reillcat ASY-2として市販されている、活性ジヒドロピリジン(DHP)成分が高濃度化されている製品も包含する。本組成物は、接着剤の反応性および硬化速度を増大させることができる有機金属化合物種を含有していてもよい。好ましい活性金属化合物種は遷移金属化合物であり、特に好ましくはナフテン酸銅、オクタン酸銅のような長鎖カルボン酸の誘導体、または当業者が熟知している類似の有機金属化合物である。
【0020】
本発明の好適態様の重要な側面は、完全に硬化した時に、混合比1:1の接着剤製品として処方することができる従来の組成物に比べて、機械的特性の著しい改善を示す組成物が提供されることである。ASTM法D638に従ってバルク機械的特性を試験すると、従来の完全硬化メタクリレート系接着剤組成物は、熱可塑性、粘弾性および弾性挙動の広く混じり合った範囲の特性を示す。これらの現象は、米国特許出願公開2005/0004303号(これも参考のためにここに援用する)に説明されている。この点に関して、本発明の好適態様の好ましい組成物における著しい機械的特性の改善は、高い引張強度および破断点伸びが、高度の直線弾性、降伏前の回復可能な変形、および好ましくは破断前の顕著な歪み硬化と一緒に示されることからなる。
【0021】
上に列挙したポリマー成分に加えて、当業者には周知の任意の数の追加成分を本発明の好適態様の接着剤組成物を処方するのに使用することができる。そのような成分としては、非重合体である接着促進剤(例えば、重合性カルボン酸ならびにアクリル化もしくはメタクリル化リン酸エステル)、亜鉛およびモリブデン酸塩化合物を含む腐食抑制剤、エポキシ樹脂、充填剤、可塑剤、防湿ワックスなどが挙げられる。それらはさらにポリエステル樹脂およびアセチレン性アルコールも包含する。
【0022】
好ましい組成物は、(A)メタクリレートモノマー20〜90%、(B)イオウ含有化合物またはクロロスルホン化ポリマー0.02〜30%、(C)アミン系促進剤、好ましくはジヒドロピリジン0.05〜10%、および(D)熱可塑性ブロックコポリマー成分5〜50%を含む。追加の促進剤、特に接着促進剤を必要に応じて添加しうる。過酸化ベンゾイルの使用は好ましくない。
【0023】
好適態様についてはさらに下記の実施例の検討から理解することができる。ただし、実施例は本発明の範囲をいかなる意味でも制限する意図はない。
実験手順:
メタクリレート溶液の調製
熱可塑性ブロックコポリマーの原液溶液を1ガロンのガラス瓶(ジャー)内で、ジャー・ローラーを用いて30〜45%の範囲内の濃度の溶液とするのに十分な量のポリマーをメチルメタクリレート中に溶解させることにより調製する。個々の実施例について、追加の処方成分を添加した後で追加のMMAを添加することによって最終粘度を調整する。試験片を作製する直前にDHP成分またはBPO成分を最終添加成分として添加し、重合を開始させる。
【0024】
試験片の作製
接着剤のバルク(体積)応力−歪み特性をASTM試験法D638に従って測定する。試験片を調製するために、直径約6〜7インチ、厚さ約0.125インチの均一に平たいフィルムを作るのに十分な量の接着剤を混合する。接着剤成分を所定の比率でビーカー内での単純な手動混合によって混合する。接着剤を十分に混合したら、ビーカーを真空室に入れ、最後の1〜2回の真空の適用がさらなる泡立ちまたは膨張を生じなくなるまで、真空を間欠的に適用して接着剤から空気を除去する。その後、接着剤を、似たサイズのマイラ(Mylar)剥離フィルムの層で上面が覆われている直径約12インチの2枚のガラスまたはプラスチックプレートの1枚の上に移す。接着剤はマイラフィルムの中心に置き、もう一方のマイラフィルムとプレートを接着剤の上に載せ、均一に下向きに押しつけて接着剤をフィルム状に広げる。所望のフィルム厚みを得るように、金属シム(スペーサ)がプレートの周囲に配置されている。
【0025】
接着剤フィルムが硬化した後、プレートを取り外す。得られたフィルムから、試験法に明記されているダンベル型試験片を切り出すが、その時に皮膜のボイドを最も含まない部分から試験片を切り出すように注意する。ダンベル型試験片を切り出す前に、フィルムは室温で一晩硬化させた後、82℃で1時間の加熱後硬化を行う。各試験値は5個の個別試験片の平均値である。
【0026】
例1〜5は、好ましい処方組成物(2〜4)を従来の処方組成物(5)と比較するものである。例1と2との比較から、熱可塑性ブロックコポリマーが放射性SBSブロックコポリマーである場合に所望特性を得るための可塑剤添加の効果が例証される。
【0027】
【表1】

【0028】
特に好ましい組成物が例2、3および4に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分を含む、1:1の比率で混合して弾性又は延性の接着剤を形成することができる二液型接着剤組成物:
1種若しくは2種以上のアクリレート若しくはメタクリレートエステルモノマー、好ましくは、メチルメタクリレートモノマー、及びモノマーのアルコール部分がC6以上の炭化水素部分からなるより高分子量のアクリレート及びメタクリレートモノマー並びにそれらの混合物よりなる群から選ばれ、より好ましくはラウリルメタクリレート;イオウ含有化合物、好ましくは塩化スルホニル;アミン系硬化促進剤、好ましくはアミン−アルデヒド反応生成物若しくはジヒドロピリジン;並びに下記よりなる群から選ばれた熱可塑性ブロックコポリマー成分:
a.線状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
b.可塑剤と組合わせた放射状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
c.線状若しくは放射状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、
d.線状若しくは放射状スチレン−ブタジエン−インプレン−スチレンブロックコポリマー、
及びこれらの混合物。
【請求項2】
接着促進ポリマー、好ましくは塩素化ポリマー、より好ましくはクロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレンポリマー及びこれらの混合物よりなる群から選ばれた塩素化ポリマーをさらに含有する請求項1に記載の二液型接着剤組成物。
【請求項3】
耐衝撃性改良剤、好ましくはコアシェル型耐衝撃性改良剤をさらに含有する、請求項1に記載の二液型接着剤組成物。
【請求項4】
イオウ含有化合物、ペルオキシド、及びそれらの混合物よりなる群から選ばれた開始剤をさらに含有し、ここでペルオキシドは好ましくはクメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、過安息香酸t−ブチルをはじめとする安息香酸エステル、並びにそれらの混合物よりなる群から選ばれ、より好ましくは開始剤は塩化ベンゾイルを含んでいない、請求項1に記載の二液型接着剤組成物。
【請求項5】
ブチルアルデヒドとアニリンの付加生成物からなる活性化剤をさらに含有する、請求項1に記載の二液型接着剤組成物。
【請求項6】
下記成分を含む、1:1の比率で混合して弾性又は延性の接着剤を形成することができる二液型接着剤組成物:
1種若しくは2種以上のアクリレート若しくはメタクリレートエステルモノマー20〜90重量%、これは好ましくはメチルメタクリレートモノマー、及びモノマーのアルコール部分がC6以上の炭化水素部分からなるより高分子量のアクリレート及びメタクリレートモノマー並びにそれらの混合物よりなる群から選ばれ、より好ましくはラウリルメタクリレートである;イオウ含有化合物、好ましくは塩化スルホニル0.02〜30重量%;アミン系硬化促進剤、好ましくはアミン−アルデヒド反応生成物若しくはジヒドロピリジン0.05〜10重量%;並びに下記よりなる群から選ばれた熱可塑性ブロックコポリマー成分5〜50重量%:
a.線状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
b.可塑剤と組合わせた放射状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
c.線状若しくは放射状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、
d.線状若しくは放射状スチレン−ブタジエン−インプレン−スチレンブロックコポリマー、
及びこれらの混合物、ただし、過酸化ベンゾイルを使用しない。
【請求項7】
下記工程を含む、1:1の比率の接着剤の形成方法:
1種若しくは2種以上のメタクリレート若しくはアクリレートエステルモノマーとイオウ含有化合物とを含む成分Aを調製し、
1種もしくは2種以上のアクリレート若しくはメタクリレートエステルモノマーとアミン系促進剤若しくは活性化剤とを含む成分Bを調製し、
ここで成分A若しくは成分B又はその両者は、下記よりなる群から選ばれた熱可塑性ブロックコポリマー成分を含み:
a.線状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
b.可塑剤と組合わせた放射状スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
c.線状若しくは放射状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、
d.線状若しくは放射状スチレン−ブタジエン−インプレン−スチレンブロックコポリマー、
及びこれらの混合物、
ここで、成分A:成分Bの比率は1:1であり、
成分Aと成分Bとを混合して接着剤組成物を形成する、そして
ここで、好ましくは過酸化ベンゾイルは成分A又は成分Bのいずれにも使用されていない。
【請求項8】
成分A若しくは成分B又はその両者に接着促進剤を添加することをさらに含む、請求項7に記載の方法。

【公表番号】特表2009−521573(P2009−521573A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547555(P2008−547555)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/048825
【国際公開番号】WO2007/075909
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(504009491)アイピーエス・コーポレイション (3)
【氏名又は名称原語表記】IPS CORPORATION
【Fターム(参考)】