弾球遊技機
【課題】興趣性をより一層向上させた弾球遊技機を新規に提供する。
【解決手段】特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段と、移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う移行判定開始抽選手段と、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選である場合に、該開始当選を遊技者に報知する開始当選報知手段と、移行判定の結果が通常遊技へ移行させるとの移行決定である場合に、該移行決定を遊技者に報知する移行決定報知手段とを設ける。これにより遊技者は、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続するように、先ずは開始当選報知手段の報知に神経を集中させて「開始当選にならないで欲しい」と願うこととなる。その後、その移行判定開始抽選が開始当選となってしまった場合には移行決定報知手段の報知に神経を集中させて「移行決定にならないで欲しい」とさらに強く願うこととなる。
【解決手段】特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段と、移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う移行判定開始抽選手段と、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選である場合に、該開始当選を遊技者に報知する開始当選報知手段と、移行判定の結果が通常遊技へ移行させるとの移行決定である場合に、該移行決定を遊技者に報知する移行決定報知手段とを設ける。これにより遊技者は、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続するように、先ずは開始当選報知手段の報知に神経を集中させて「開始当選にならないで欲しい」と願うこととなる。その後、その移行判定開始抽選が開始当選となってしまった場合には移行決定報知手段の報知に神経を集中させて「移行決定にならないで欲しい」とさらに強く願うこととなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に遊技球を発射して遊技が行われる、弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された大当り乱数の値に基づいて、大入賞口を閉鎖した遊技から開放する大当り遊技へ移行させるか否かを判定するように構成された弾球遊技機に関し、大入賞口を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技とが設定されるのが一般的である。
【0003】
この特典遊技は、大当り遊技が終了した後に移行可能な遊技であり、例えば、通常遊技に比べて特別図柄の当否確率を高く設定したり、特別図柄及び普通図柄の変動時間を短く設定したり、普通電動役物の開放時間を長く設定したりすることで、大当り遊技への移行が容易となるように設定されている。そして、特典遊技が終了すれば通常遊技へ移行することとなる。従って、特典遊技は、通常遊技に比べて遊技者にとって非常に有利な遊技であるため、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続されることを願いつつ、遊技者は遊技を行うこととなる。そのため、特典遊技の終了のさせ方が遊技の興趣に大きな影響を与えることとなる。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の弾球遊技機では、特別図柄の変動表示ごとに特典遊技を終了させるか否かの移行判定を行い、該移行判定にて当選する(移行決定がなされる)と特典遊技を終了させる構成とし、移行判定の結果を表示させる構成とすることで、遊技者の「移行判定にて当選しないで欲しい」と願う感情を高めさせ、ひいては「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させることを図ろうとしている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−135676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の弾球遊技機の如く、単に移行判定結果を表示させて「移行判定に当選しないで欲しい」と願う感情を高めさせるだけでは、「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させるには物足りず、近年の弾球遊技機では更なる興趣性向上が求められている。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、興趣性をより一層向上させた弾球遊技機を新規に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された大当り乱数の値に基づいて、遊技盤に設けられた大入賞口を閉鎖した遊技から、前記大入賞口を開放する大当り遊技へ移行させるか否かを判定する大当り判定手段を備え、
前記大入賞口を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技とが設定され、かつ、前記特典遊技は前記大当り遊技が終了した後に移行可能に設定された弾球遊技機において、
前記特典遊技から前記通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段と、
前記移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う移行判定開始抽選手段と、
前記移行判定開始抽選の結果が前記移行判定を開始させるとの開始当選である場合に、該開始当選を遊技者に報知する開始当選報知手段と、
前記移行判定の結果が前記通常遊技へ移行させるとの移行決定である場合に、該移行決定を遊技者に報知する移行決定報知手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機である。
【0009】
なお、本発明に係る「特典遊技」の具体的一例として、特別図柄による大当り確率が通常遊技よりも高く設定された特図の高確率遊技、特別図柄の変動時間を通常遊技よりも短縮させた特図の時短遊技、普通図柄による当り確率が通常遊技よりも高く設定された普図の高確率遊技、普通図柄の変動時間を通常遊技よりも短縮させた普図の時短遊技若しくは普通電動役物の開放時間を通常遊技よりも長く設定した普電の開放延長遊技、又はこれらの遊技を適宜組み合わせてなる遊技等、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる遊技が挙げられる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段と、前記移行判定の結果が前記開始当選である場合に、前記移行判定手段および前記終了条件判定手段のうちいずれの手段を実行させるかを振り分ける振分手段とを備え、前記振分手段により前記終了条件判定手段が実行されるように振り分けられ、前記終了条件判定手段により前記特典遊技終了条件を満たしていると判定された場合には、前記特典遊技を終了させて前記通常遊技へ移行させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、遊技者により選択操作される操作手段を備え、前記振分手段による振り分け先を、前記操作手段による選択操作によって決定することを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記大当り判定手段による判定回数が前記大当り遊技の終了時点から所定の最大回数に達していることを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2または3に記載の弾球遊技機である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記大当り遊技が終了した後に次回の大当りが発生したことを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記移行判定開始抽選には複数の当選確率が設定されており、前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択する当選確率選択手段を備え、前記移行判定開始抽選手段は、前記当選確率選択手段により選択された当選確率に基づいて前記移行判定開始抽選を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、変動表示される複数の特別図柄が所定の組み合わせの図柄で停止表示された後に、前記大当り遊技は開始されるように設定されており、前記当選確率選択手段は、前記停止表示された図柄の種類に応じて、前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の弾球遊技機である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記移行判定開始抽選手段によって連続して行われる前記移行判定開始抽選を、所定の上限回数で終了するように設定したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0017】
本発明の一具体例を以下に説明すると、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から移行判定手段または終了条件判定手段が実行されるように設定する。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記開始当選報知手段による前記開始当選の報知開始時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0019】
請求項10に記載の発明は、
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とし、前記始動口へのn+1回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第2大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の後に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0020】
なお、上記「n回目」および「n+1回目」のnは自然数を表す記号である。
【0021】
請求項11に記載の発明は、
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の前に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0022】
なお、上記「n回目」のnは自然数を表す記号である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定が行われるのみならず、その移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選が行われ、それぞれの抽選結果および判定結果が遊技者に報知される。従って、遊技者は、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続するように、先ずは開始当選報知手段による報知に神経を集中させて「移行判定開始抽選にて開始当選にならないで欲しい」と願うこととなる。その後、その移行判定開始抽選が開始当選となってしまった場合には移行決定報知手段による報知に神経を集中させて「移行判定にて移行決定にならないで欲しい」とさらに強く願うこととなる。
【0024】
このように、本発明によれば、遊技者の願う感情が時間経過とともに段階的に強くなるので、従来の弾球遊技機に比べて「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させることができ、興趣性をより一層向上させた弾球遊技機を新規に提供することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、移行判定の結果が開始当選である場合にて、移行判定手段を実行させる遊技パターンと、終了条件判定手段を実行させる遊技パターンとが設けられるので、遊技性を複雑にすることで興趣性をより一層向上できる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、操作手段を操作することで振分手段による振り分け先を遊技者が任意で選択できるため、遊技者の意にかなった遊技を行うことが可能となる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、移行判定手段における当選確率と終了条件判定手段における所定の最大回数の設定次第によって、移行判定手段および終了条件判定手段のどちらに振り分けられても、遊技者の有利度合いが同じとなるようにできる。よって、振分手段により終了条件の違いのみが振り分けられることになり、遊技者の有利度合いを同じにしつつ遊技性を豊かにすることができる。
【0028】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と異なり、移行判定手段を実行させる遊技パターンに比べて、終了条件判定手段を実行させる遊技パターンの方が遊技者の有利度合いが高くなるので、遊技者は振り分け先に対する関心が高くなる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、移行判定が開始される確率が変化し、遊技の多様性を生じさせることができる。例えば、確定停止した図柄によって確率を設定することが考えられる。このようにすれば、遊技者はどの図柄で確定して大当りを発生するのかにも興趣を持つことができる。
【0030】
請求項7に記載の発明によれば、特別図柄がどの組み合わせで停止表示されるかに興趣が発生する。特に、大当り遊技終了後に100%の確率で特典遊技に移行する構成の弾球遊技機においては、特別図柄がどの組み合わせで停止表示されるかに係る興趣が新たに発生することとなるので、本発明を採用して好適である。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、所定の上限回数が明確設定されているため、遊技者は目標を設定しやすい。例えば、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から移行判定手段が実行されるように設定した場合ならば、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その間は移行判定が行われていない特典遊技の状態を維持することができるため、遊技者はそれを目標に遊技することができる。
【0032】
或いは、請求項5の発明に請求項8の発明を適用させ、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から終了条件判定手段が実行されるように設定した場合ならば、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その後は、より有利な遊技(次回の大当り発生を特典遊技終了条件とした遊技)の状態が得られるため、非常に高い興趣が生じる。よって、大当り遊技を得るといった目標の他に、より有利な遊技の状態を得るという目標を持つことができるので、遊技を豊かにすることができる。
【0033】
請求項9に記載の発明によれば、移行判定開始抽選に当選しても、そこから移行判定待機期間が経過するまでは移行判定が開始されないため、遊技者は移行判定待機期間中に大当りを目指すことができ、遊技の興趣が向上する。
【0034】
請求項10に記載の発明によれば、n回目の第1大当り判定を行う際には移行判定が行われることはなく、次回(n+1回目)の第2大当り判定を行う際に移行判定が行われるようにでき、且つ、次回(n+1回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、事前に遊技者に報知するように構成することも可能となる。また、請求項10に記載の発明を実施するにあたり、移行判定待機期間中に、この移行判定待機期間の残り期間を遊技者に報知するように構成すれば、遊技者は残りの移行判定待機期間を把握しながら遊技を行うことができ、好適である。
【0035】
請求項11に記載の発明によれば、n回目の第1大当り判定を行う際に、移行判定が行われるようにでき、且つ、今回(n回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、遊技者に報知するように構成することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは無論である。
【0037】
(第1実施形態)
以下の説明において、先ず、図1乃至図5を用いて本実施形態の基本的構成を説明し、その説明の後、図6乃至図11を用いて本実施形態の特徴的構成を説明する。
【0038】
図1に示す通り、弾球遊技機としてのパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット4が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15の上面に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット4のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より球が排出される。前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル13が取り付けられている。この発射ハンドル13の外周には、回動リング9が擁され、これを時計方向に回動すれば球を遊技盤22上に発射することができる。上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が球で満杯状態になれば下皿23に球を誘導するよう構成されている。
【0039】
図2はパチンコ機10の裏面図であり、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
【0040】
また、機構盤26には主制御基板39及び払出制御基板40が脱着可能に、前面枠12左下部には発射制御基板51aが、図柄表示装置41の左部に外部接続端子基板24が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
【0041】
次に図3を用いて遊技盤22について説明する。遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置41を構成する、表示手段としてのLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)41a、窓枠装飾表示部41f、図柄表示装置窓枠41k等を有する図柄表示装置41、その下部に特別図柄始動口52、その上に設けた特別図柄に対応した保留記憶表示手段57a〜57d、特別図柄始動口52下部の大入賞口54、普通図柄表示装置89に表示される図柄の変動開始に用いられる大入賞口54の左右の普通図柄作動口55及び56、その他の各種入賞口70及び71、ランプ風車74及び75、風車76及び77、並びに遊技釘78等が備えられている。通過チャッカ91及び92はそれぞれ上方から入球した遊技球を内側斜め方向に方向を変換してから、排出するものである。この構成により、前述した発射ハンドル13の回動リング9を回動すれば発射制御基板51a(図2参照)により駆動される発射装置51(図2参照)が駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口70,71等に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口90を介してアウト球として同様に遊技盤22の盤面裏面に取り込まれる構成である。
【0042】
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図4のブロック図を用いて説明する。パチンコ機10の電気回路は、図示する通り、前述した主制御基板39、払出制御基板40、図柄表示装置41、発射制御基板51a、ランプ制御基板45及び音制御基板46等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継装置などは記載していない。
【0043】
主制御基板39は、遊技制御プログラムを記憶したROM、演算等を行うCPU、演算等の作業領域として働くRAM等を内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類および各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。主制御基板39の入力側には、満タンスイッチ48a、玉切れスイッチ82、第1種始動口スイッチ52a、普通図柄作動口スイッチ55a、56a、Vスイッチ54a、カウントスイッチ54b、賞球センサ83、各種入賞口スイッチ70a、71a等が接続されている。また、主制御基板39の出力側には、大入賞口ソレノイド54c、Vソレノイド54d、普通役物ソレノイド52b、試験信号端子81および盤用外部接続端子87等が接続されている。また、盤用外部接続端子87はホールメインコンピュータ80と接続され、主制御基板39から出力された情報をホールメインコンピュータ80へと出力している。
【0044】
満タンスイッチ48aは下皿23内、玉切れスイッチ82は球タンク27内、第1種始動口スイッチ52aは始動口52内、普通図柄作動口スイッチ55a、56aは普通図柄作動口55、56内、Vスイッチ54aは大入賞口54内、同じくカウントスイッチ54bは大入賞口54内、賞球センサ83は賞球払出装置29内の賞球モータ40bの下方、各種入賞口スイッチ70a、71aは入賞口70,71内に、各々取り付けられている。
【0045】
ここで、満タンスイッチ48aは下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、玉切れスイッチ82は球タンク27内に遊技球が存在しないことを、始動口スイッチ52aは始動口52に入球したことを、普通図柄作動口スイッチ55a、56aは普通図柄作動口55、56に入球したことを、Vスイッチ54aは遊技球が大入賞口54内の特定領域を通過したことを、カウントスイッチ54bは大入賞口54内に入賞する全ての遊技球を、賞球センサ83は賞球モータ40bにより上皿15に排出される遊技球を、各種入賞口スイッチ70a、71aは入賞口70,71に入賞したことを、各々検出するためのものである。
【0046】
また、主制御基板39の出力側に接続された大入賞口ソレノイド54cおよびVソレノイド54dは大入賞口54内、普通役物ソレノイド52bは始動口52内の特定領域の各々の開閉に使用されるものである。
【0047】
払出制御基板40は、出力側に球貸ソレノイド40a、賞球モータ40b、枠用外部接続端子88、発射制御基板51aが接続され、入力側に球貸しセンサー40cが接続されている。またプリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置30が双方向通信可能に接続されている。
【0048】
払出制御基板40は、主制御基板39からの指令コマンドに従って賞球モータ40bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置30等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示装置30は、前述した下皿23の貸出釦16、精算釦17および残高表示部18等と接続されたものである。
【0049】
払出制御基板40は主制御基板39からの指令に従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は主制御基板39で行われる。この遊技球が払い出されているか否かの検知は、主制御基板39および払出制御基板40の双方で行っても良い。
【0050】
枠用外部接続端子88は、出力側にホールメインコンピュータ80および扉開放スイッチ86が接続され、払出制御基板40から出力された情報をホールメインコンピュータ80へ出力している。
【0051】
発射制御基板51aは、遊技者が操作する発射ハンドル13の回動量に応じて発射モータ51bを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ51cを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル13に内蔵されたタッチスイッチ13cがオン状態のときタッチランプを点灯させるためのものである。ここで、タッチスイッチ13cは発射ハンドル13に内蔵され、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するためのもので、検知情報は発射制御基板51aに入力される。
【0052】
図柄表示装置41は、LCD41aを駆動制御する図柄制御基板41b、特別図柄の保留記憶表示手段57a〜57dで構成されている。図柄制御基板41bは、32ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。図柄制御基板41bの出力側にはランプ制御基板45および音制御基板46が接続されている。
【0053】
ランプ制御基板45は、主として発光素子制御部を含むトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御基板39からの指令を受けて、普通図柄用LED、普通図柄保留記憶用LED、賞球および貸球の払出表示、当り表示、球不足表示およびエラー表示等を行う各種ランプ84、各種LED85等を点灯報知させるためのものである。また、音制御基板46は音源ICおよびアンプ等から構成されており、主制御基板39の指令を受けてスピーカ25を駆動制御するためのものである。
【0054】
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10の主制御基板39内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図5に示すフローチャートに従って説明することにする。
【0055】
図5に示すフローチャートは、主制御基板39のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約4ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。以後、ステップをSと略記することとする。ステップ100〜ステップ200までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるステップ210及びステップ220の処理を「残余処理」と称する。
【0056】
マイコンによるハードウェア割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判定される(S100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判定するためのものである。
【0057】
ステップ100で否定判定なら、前記メモリの所定領域に所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S110)、残余処理に移行する。
【0058】
ステップ100で肯定判定なら、まず初期乱数更新処理が実行される(S120)。この処理は、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1とするが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「329」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「329」までの330個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0059】
ステップ120に続く当否乱数更新処理(S130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理である。なお、特許請求の範囲に記載の大当り乱数は、ここでいう当否乱数に相当する。
【0060】
大当り図柄乱数更新処理(S140)は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。15個の各乱数値「0」〜「14」は、画面上に表示される3桁同一の「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」、「888」、「999」、[AAA]、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」、「FFF」に各々対応する。
【0061】
外れ図柄乱数更新処理(S150)は、左図柄用乱数、中図柄用乱数及び右図柄用乱数から構成され、大当りでないときの外れ図柄として使用される。左図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。中図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、左図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。右図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、中図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。
【0062】
普通図柄乱数更新処理(S160)は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。続く、移行判定開始乱数更新処理(S165)および移行乱数更新処理(S167)でも同様にして、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
【0063】
前述した各乱数更新処理(S120〜S167)により、初期乱数、当否乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数、普通図柄乱数、移行判定開始乱数及び移行乱数が各々更新されるが、続く処理(S170)ではパチンコ機10に設けられ主制御基板39に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。前述した満タンスイッチ48a、玉切れスイッチ82、タッチスイッチ13c、第1種始動口スイッチ52a、普通図柄作動口スイッチ55a、56a、賞球センサ83、カウントスイッチ54b、Vスイッチ54a、その他の入賞口70,71に設けられた各種入賞口スイッチ70a、71a等の各スイッチの作動状況をチェックする処理が実行される。
【0064】
この入力処理(S170)により第1種始動口スイッチ52aに入力がある場合には、始動口52に遊技球が入賞したときであり、この割り込み処理時の前記当否乱数の値が抽出され当否判定値と比較される(S180)。
【0065】
本実施形態のパチンコ機10による遊技は、大入賞口54を閉鎖した遊技と大入賞口54を開放する大当り遊技とに大別され、大入賞口54を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技ととが設定されている。また、特典遊技は大当り遊技が終了した後に移行可能に設定されている。以下、上記通常遊技の状態を通常確率状態、上記特典遊技の状態を確率変動状態と呼ぶこともある。
【0066】
本実施形態のパチンコ機10は確率変動機として構成され、通常確率時では当否判定値は「1」であり、確率変動状態時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」である。抽出された当否乱数の値が当否判定値と一致して大当りとなる確率は、通常確率時には1/330であり、確率変動状態時には1/55(=6/330)となる。この大当りを発生させる確率が通常確率状態から確率変動状態に移行するのは、大当りが発生するときの7/15の確率で確率変動状態に移行する。そして、確率変動状態中において、再び大当りを発生させたときの大当り図柄が確率変動図柄であれば更に確率変動状態が継続する。なお、確率変動状態から通常確率状態への移行については、後に詳述する。
【0067】
前述した図5に示す当否判定処理(S180)が終了すると、主制御基板39から図柄制御基板41bに各種コマンドコードを送信する画像出力処理(S190)が実行される。このコマンドコードは、1.電源投入時、2.客待ちデモ、3.図柄変動中、4.大当り開始時、5.大当り中、6.大当り終了時、7.動作異常時、の7種類に大別でき、以下、各々のコマンドについて説明する。
【0068】
1.電源投入時
電源投入時のコマンドは、パチンコ機10に電源が投入されたとき主制御基板39から図柄制御基板41bに送信されるコマンドコードである。図柄制御基板41bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って図柄表示装置41の画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
【0069】
2.客待ちデモ
客待ちデモのコマンドは、前記電源投入時のデモ画面が終了した後、又は遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル13に触れていないと判断されたときに送信されるコマンドである。図柄制御基板41bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って図柄表示装置41の画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、特別図柄表示領域上に変動表示される特別図柄の変動パターンを全て順番に表示する。このとき、背景画面上には各々の変動パターンに対応した背景画像及びキャラクタが表示される。この客待ちデモ画面は遊技客が発射ハンドル13を操作するまで全ての変動パターンを順番に表示して一巡した後、繰り返し表示する。尚、遊技者が発射ハンドル13に触れているか否かはタッチスイッチ13cの入力により検知することができる。このタッチスイッチ13cの入力を発射制御基板51aに入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22上のアウト口90にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判断する構成としても良い。
【0070】
3.図柄変動中
図柄変動中コマンドは、特別図柄変動時に主制御基板39から図柄制御基板41bへ送信されるコマンドであり、変動タイムコード、左静止図柄指定コード、中静止図柄指定コードおよび右静止図柄指定コードの、4種類のコマンドコード(以下、この4つのコマンドコードを総称して「画像表示コマンド」ということもある。)に分類される。
【0071】
変動タイムコードは、1秒単位の5秒〜35秒の30種類の時間を表している。左静止図柄指定コードは、指定される文字、数字を特別図柄として特別図柄表示領域に表示させるための命令コードである。中静止図柄指定コードは、指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域に表示させるためのものである。右静止図柄指定コードは、指定される文字、数字を特別図柄として特別図柄表示領域に表示させるための命令コードである。
【0072】
これらの変動タイムコード、左、中及び右静止図柄指定コードは、遊技盤22上に発射された遊技球が始動口52に入賞したとき2バイトずつほぼ同時に送信されるコマンドコードであり、その内容は次のようにして決定される。
【0073】
即ち、遊技球が特別図柄始動口52に入賞すると、そのときの当否乱数の値、大当り図柄乱数の値、外れ図柄乱数の値、普通図柄乱数の値が各々抽出される。抽出された当否乱数値は、通常確率時には当否判定値「1」と比較し、確率変動状態時には当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」と比較し一致すれば大当りが発生、一致しなければ外れとなる。一致して大当り発生時には、抽出された大当り図柄乱数値に+1として、この値を左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。即ち、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号は同一となる。それらが一致せず外れとなったときには、抽出された外れ図柄乱数の左図柄用乱数値、中図柄用乱数値及び右図柄用乱数値の各々の値に+1とした値を各々左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。このとき、偶然に3つの識別番号が一致する場合には、右静止図柄指定コードの識別番号の値を「1」だけ異なる値とする処理が為される。前述した変動タイムコードは、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致するときには大きな値とし、全て一致しなくとも左及び中静止図柄指定コードの識別番号が一致するときには中間の値とし、全く一致しないときには小さな値に振り分けられる。
【0074】
この4つのコマンドコードからなる画像表示コマンドを受信したときの図柄制御基板41bが行う処理を説明する。「通常表示ルーチン」は、送信される左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致しない場合、即ち大当りを発生させないときの画像処理に用いられる処理である。図柄制御基板41bのマイコンが前記画像表示コマンドを受信すると、受信した変動タイムと左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とから特別図柄の変動パターンを作成する処理を実行する。図柄制御基板41bのROMには、受信した画像表示コマンドの各値の組み合わせに対応したテーブルが書き込まれている。図柄制御基板41bのマイコンは、受信した画像表示コマンドからROMに書き込まれたテーブルを読み出し特別図柄の変動パターンを作成する。この変動パターンは次のようにして作成される。
【0075】
図柄制御基板41bのマイコンは、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号から左と中との識別番号が一致するか否か(即ち、リーチであるか否か)を判断して通常変動なのか、リーチ変動なのかを判断し、更にリーチ変動でも変動タイムの値が所定値より大きいのか小さいのかによりトリック変動をするのか否かを判断し、これらの判断と変動タイムとにより特別図柄の左、中及び右図柄の変動開始から静止するまでの各々の時間を決定する。作成された特別図柄の変動パターンに従って、背景画面上に表示される背景及びキャラクタの表示データも作成される。こうして変動パターンが作成されると、この変動パターンに従って左、中及び右の各特別図柄の変動を開始し指定された静止図柄で確定表示する変動表示処理を実行すると共に、背景及びキャラクタの表示制御も実行される。
【0076】
4.大当り開始時
大当り開始時コマンドコードは、特別図柄表示領域に表示される左、中及び右特別図柄が同一図柄を表示した後から大当り動作が開始されるまでの間に大当りが発生したということを遊技者にアピールする画像を表示するときに使用されるコマンドであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令コードを図柄制御基板41bが受信すると図柄表示装置41の画面上に「大当り」等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ画像を表示すると共に、音制御基板46により効果音を出力する処理がなされる。
【0077】
5.大当り中
大当り中コマンドは、開放前コード、開放中コード、10カウント入賞コード、V通過コード及びラウンド表示コードの5個のコマンドに分類され、それぞれが命令コードとして機能する。
【0078】
開放前コードが図柄制御基板41bに入力されると、大入賞口54を開放することを遊技者に知らせる画像を背景画面に表示する処理を実行する。開放中コードが図柄制御基板41bに入力されると、大入賞口54が開放中であることを遊技者に知らせる画像を表示する処理を実行する。
【0079】
10カウント入賞コードは、大入賞口54に遊技球が入賞したことをカウントスイッチ54b又はVスイッチ54aにより主制御基板39が検知する毎に送信される。そして、10カウント入賞コードが図柄制御基板41bに入力されると、入力毎にその値をインクリメントしその値を背景画面上に表示する処理を行う。これにより、画面上には、大入賞口54に遊技球が入賞する毎に0から10個までの個数表示がなされる。
【0080】
V通過コードは、大入賞口54内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ54aにより主制御基板39が検知すると送信される。そして、V通過コードが図柄制御基板41bに入力されると、画面に「V」の文字を大きく表示し大入賞口54が閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
【0081】
ラウンド表示コードは、大入賞口54が開放動作終了後に再び開放する毎に主制御基板39により送信される。そして、ラウンド表示コードが図柄制御基板41bに入力されると、入力毎にその値をインクリメントしその値を背景画面上に表示する処理を行う。これにより、遊技者には大入賞口54の開放回数が報知される。
【0082】
6.大当り終了時
大当り終了時コマンドは、大当り終了デモコマンドコードと確率変動移行コマンドコードとからなる。大当り終了デモコマンドコードは、大当り動作が終了したとき、即ち大入賞口54の開放動作を終了したときに送信される命令コードである。図柄制御基板41bがこの命令コードを入力すると大当りが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示する。確率変動移行コマンドコードは、確率変動状態が継続するか否かを指示するものであり、この確率変動移行コマンドコードは、主制御基板39から送信する構成としても良いし、前述した画像表示コマンドの値から図柄制御基板41bが判断する構成としても良い。
【0083】
7.動作異常時
動作異常時コマンドは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドであり、本実施形態では、E1エラーコード、E2エラーコード、E3エラーコードによる3つのエラーコードから構成されている。E1エラーコードは、テンカウント異常エラーであり、大入賞口54が開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラーコードは下皿23が満杯で満タンスイッチ48aがオンしたとき出力され、E3エラーコードは球切れスイッチ82がオンしたとき出力される。これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信されるエラー解除コードにより消去される。
【0084】
続く各出力処理(S200)において、主制御基板39は、遊技の進行に応じて図柄表示装置41、払出制御基板40、発射制御基板51a、ランプ制御基板45、音制御基板46、大入賞口ソレノイド54c等の各種ソレノイドに対して各々出力処理を実行する。即ち、前記各入力処理(S170)により遊技盤22上の各入賞口に球の入賞があることが検知されたときには賞球としての球を払い出すべく払出制御基板40に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音制御基板46に出力する処理を、パチンコ機10に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく図柄制御基板41bにエラー信号を出力する処理を、更には、大当り発生時には大当り処理等を、各々実行する。
【0085】
前述した本処理に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(S210)及び初期乱数更新処理(S220)から構成されるが、各々前述したステップ150及びステップ120と概ね同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。
【0086】
前述したステップ100〜ステップ200までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律では無くなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が当否乱数と同期する可能性は無くなる。尚、実施形態1においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(S160)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0087】
次に、図6に示す保留記憶処理および図7乃至図9に示す図柄変動処理について説明する。これらの各処理は、前述した当否判定処理(S180)、画像出力処理(S190)および各出力処理(S200)の詳細を示すものであり、約4ms毎のリセット信号によるハード割り込みにより、主制御基板39内のマイコンにて定期的に実行される処理である。
【0088】
図6に示す保留記憶処理では、始動口52への入球がありかつ保留記憶が満杯でないことを条件として、当否乱数(大当り乱数)の値を抽出するとともに保留記憶を行う(S300〜S315)。具体的には、先ずステップ300において遊技球が始動口52に入球したか否かを判定し、入球していた場合には(S300:Yes)、保留記憶数が最大値(例えば4個)でないか否かを判定する(S305)。保留記憶数が最大値でなければ(S305:Yes)、始動口52に入球したタイミングで、当否乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数、移行判定開始乱数、および移行乱数をそれぞれ取得する(S310)。続いて、取得した当否乱数の値を主制御基板39に保留記憶として記憶する(S315)。なお、ステップ300にて入球していないと判定した場合(S300:No)或いはステップ305にて保留記憶数が最大値であると判定した場合(S305:No)には、処理はリターンに抜ける。
【0089】
次に、図7乃至図9に示す図柄変動処理について説明する。図7のステップ400乃至ステップ445では特典遊技(確率変動状態による遊技)が実行されない場合の処理を示し、図8のステップ500乃至560では特典遊技が実行され、かつ、後述する移行判定開始抽選にて開始当選でない場合の処理を示し、図9のステップ600乃至650では特典遊技が実行され、かつ、前記開始当選となった場合の処理を示している。
【0090】
はじめに、図7の処理内容を説明すると、先ず、ステップ400において、特別図柄の変動表示が停止中であるか否かを判定する。その後、保留記憶があるか否かを判定(S405)し、特別図柄が変動停止中であり(S400:Yes)、保留記憶がある(S405:Yes)と判定されれば、ステップ410において保留数をデクリメントする保留シフト処理を実行し、ステップ415に進む。特別図柄が変動停止中でない(S400:No)との判定、および保留記憶がない(S405:No)との判定のうち少なくとも1つの判定がなされれば、処理はリターンへと抜ける。
【0091】
続くステップ415では、特典遊技フラグが立てられているか否かの判定が為される。なお、大当り遊技が終了した後に特典遊技に移行させるか否かは、当否判定処理(S180)における当否判定とともに判定される。例えば、大当り図柄のうち予め設定された特定の確変図柄にて大当りになった場合に、特典遊技へ移行させるように決定される。そして、特典遊技への移行が決定されると特典遊技フラグが立てられて1となる。
【0092】
ステップ415にて特典遊技フラグ=0と判定された場合(S415:Yes)には、通常遊技の状態における当否判定(S420)を行い、特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、特典遊技の状態における当否判定(図8のS505または図9のS600)を行う。より具体的に説明すると、ステップ420では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、通常遊技用の当否判定テーブルAにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、これらの当否判定ステップ420,505,600は、特許請求の範囲に記載の大当り判定手段に相当するものである。
【0093】
大当りならば(S420:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S425)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S430)、ステップ445に進む。一方、大当りでなければ(S420:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S435)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れA変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S440)、ステップ445に進む。なお、当り変動パターンおよび外れA変動パターンには、変動表示パターンを規定する情報の他に、変動表示時間を規定する情報も含まれている。
【0094】
そして、ステップ445において、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。なお、これらの図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46と主制御基板39との間に演出統合基板を介在して接続し、前記各種信号を、主制御基板39から演出統合基板を介して図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信するように構成してもよい。
【0095】
変動開始コマンドを受信した図柄制御基板41bは、ステップ435或いはステップ440で選択された変動パターンにて特別図柄が変動表示されるように、LCD41aの駆動を制御する。ランプ制御基板45および音制御基板46は、LCD41aで表示される特別図柄の変動表示に対応した音響、照明となるように、各種ランプ84およびスピーカ25の駆動を制御する。
【0096】
次に、図8の処理内容を説明すると、先ず、ステップ500において、後述するステップ530による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S500:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S500:Yes)、大当り判定手段としてのステップ505において特典遊技の状態における当否判定を行う。
【0097】
ステップ505では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、ステップ505で用いる当否判定テーブルBは、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されているため、ステップ505における当否判定ではステップ420における当否判定に比べて大当り判定となる確率が高くなっている。これにより、特典遊技では、特別図柄の高確率遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0098】
大当りならば(S505:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S515)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S520)、ステップ560に進む。一方、大当りでなければ(S505:No)、移行判定開始抽選手段としてのステップ525に進み、後述する移行判定手段(図9のS605)による移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0099】
移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S525:Yes)、移行抽選フラグを立てて1とする(S530)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S535)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S540)、ステップ560に進む。
【0100】
一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S525:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S545)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れB変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S550)、ステップ560に進む。
【0101】
なお、移行変動パターンおよび外れB変動パターンには、変動表示パターンを規定する情報の他に、変動表示時間を規定する情報も含まれている。そして、外れB変動パターンにおける平均変動表示時間は、外れA変動パターンにおける平均変動表示時間に比べて短くなるように設定されている。これにより、特典遊技では、特別図柄の時短遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0102】
続くステップ560では、前述のステップ445と同様の処理を行う。すなわち、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ560では、移行判定開始抽選の結果が開始当選である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。すなわち、特許請求の範囲に記載の開始当選報知手段はLCD41aに相当する。
【0103】
次に、図9の処理内容を説明すると、はじめに、大当り判定手段としてのステップ600において、前述のステップ505と同様の処理を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定する。
【0104】
大当りならば(S600:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S610)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S615)、ステップ650に進む。一方、大当りでなければ(S600:No)、移行判定手段としてのステップ605に進み、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0105】
移行判定の結果が通常遊技へ移行させるとの移行決定であれば(S605:Yes)、移行抽選フラグを0にする(S620)とともに、特典遊技フラグを0にする(S625)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S630)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において移行決定である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S635)、ステップ650に進む。
【0106】
一方、移行判定の結果が通常遊技へ移行させないとの外れ決定であれば(S605:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S640)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における移行外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S645)、ステップ650に進む。
【0107】
続くステップ650では、前述のステップ445と同様の処理を行う。すなわち、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ650では、移行判定の結果が移行決定である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。すなわち、特許請求の範囲に記載の移行決定報知手段はLCD41aに相当する。
【0108】
以上の図5乃至図9に示すフローチャートに従った制御によれば、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選である場合に移行判定を行い、その移行判定の結果が移行決定である場合に特典遊技を終了させて通常遊技へ移行させる。そして、これらの開始当選および移行決定はLCD41aにて表示される。以下に、このような遊技の進行を示すタイムチャート図10と、LCD41aの表示態様の変化を示す図11を用いて、より詳細に説明する。
【0109】
図10では、特別図柄の変動表示状況、大当り確率、大当り遊技状態、移行判定開始抽選、および移行判定の変化を示しており、図の左から右に向けて時間が経過するタイムチャートである。t0からt1までは、大当り遊技が実行されておらず通常遊技が実行された状態の期間であり、特別図柄の変動表示と確定停止表示とがLCD41aにて繰り返し表示されている。そして、t1の時点で大当り判定にて当選し、大当り遊技が開始される。
【0110】
次に、t2の時点で大当り遊技が終了するとともに、特別図柄の確定停止表示がなされる毎に、移行判定開始抽選が行われる。t2からt3までは、繰り返し実行される移行判定開始抽選の結果が外れとなっている期間であり、t3の時点で移行判定開始抽選の結果が開始当選となる。図11(a)は、t2からt3までの期間におけるLCD41aの表示態様を示しており、この期間中には、移行判定開始抽選が行われていることは表示されていない。なお、図11(a)中の符号P1は特別図柄を示している。
【0111】
次に、開始当選となったt3の時点からt4までの期間には、開始当選となった旨がLCD41aにて表示される。この表示態様の一例として、図11(b)に示すように、開始当選を想起させる絵(例えば爆弾の絵)P2をLCD41aの周辺から中央に向けて移動するように表示させることが挙げられる。
【0112】
次に、t3からt4までの期間にて開始当選の表示が終了すると、移行判定開始抽選が終了し、特別図柄の確定停止表示がなされる毎に、移行判定が実行される。t4からt5までは、繰り返し実行される移行判定の結果が外れとなっている期間であり、t6の時点で移行判定の結果が移行決定となる。図11(c)は、t4からt5までの期間におけるLCD41aの表示態様を示しており、この期間中には、開始当選を想起させる絵P2を表示させ続けることで移行判定が行われていることを遊技者に報知する。
【0113】
そして、移行決定となったt6以降の所定期間にて、移行決定となった旨がLCD41aにて表示される。この表示態様の一例として、図11(d)に示すように、開始当選を想起させる絵P2が、移行決定を想起させる態様で変化する(例えば爆弾の絵が爆発するように変化する)ように表示させることが挙げられる。
【0114】
因みに、本実施形態にて実行される各種判定をまとめて説明すると、通常遊技を行っている期間(t0〜t1の期間)には、ステップ310にて取得された当否乱数に基づく当否判定と、リーチ決定用乱数に基づくリーチ判定と、大当り図柄乱数および外れ図柄乱数に基づく停止図柄判定と、変動パターン決定用乱数に基づく変動パターン判定とが実行される。
【0115】
そして、特典遊技を行っている期間(t2〜t6の期間)のうち、移行判定開始抽選期間にて開始当選までの期間(t2〜t3の期間)には、前記当否判定、リーチ判定、停止図柄判定および変動パターン判定に加え、移行判定開始乱数に基づく移行判定開始抽選が実行される。また、特典遊技を行っている期間(t2〜t6の期間)のうち、移行判定期間にて移行決定までの期間(t4〜t5の期間)には、前記当否判定、リーチ判定、停止図柄判定および変動パターン判定に加え、移行乱数に基づく移行判定が実行される。
【0116】
以上により、本実施形態によれば、大当り遊技が終了した後において、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定が行われるのみならず、その移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選が行われ、それぞれの抽選結果および判定結果がLCD41aにて表示される。従って、遊技者は、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続するように、先ずは開始当選を想起させる絵P2がLCD41aに表示されるか否かに神経を集中させて「絵P2が出現しないで欲しい」と願うこととなる。その後、その移行判定開始抽選が開始当選となってしまった場合には、絵P2の表示が移行決定を想起させる態様で変化されるか否かに神経を集中させて「絵P2の表示が前記態様で変化しないで欲しい」とさらに強く願うこととなる。従って、遊技者の願う感情が時間経過とともに段階的に強くなるので、「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させることができ、興趣性をより一層向上させた弾球遊技機を新規に提供することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、始動口52へのn回目の入球に起因して抽出された移行判定開始乱数に基づく移行判定開始抽選を第1抽選とし、n回目の入球に起因して抽出された大当り乱数に基づく大当り判定を第1大当り判定とし、始動口52へのn+1回目の入球に起因して抽出された大当り乱数に基づく大当り判定を第2大当り判定とした場合、移行判定開始抽選は、第1大当り判定の後に行われることとなる。すなわち、図8,図9に示すように、移行判定開始抽選手段S525,S605は、大当り判定手段S505,S600の後に実行される。これにより、n回目の第1大当り判定を行う際に、移行判定が行われるようにでき、且つ、今回(n回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、遊技者に報知するように構成することも可能となる。
【0118】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、移行判定開始抽選手段S525,S605を、大当り判定手段S505,S600の後に実行させていたのに対し、本実施形態では、図12に示すように、移行判定開始抽選手段S700を、大当り判定手段S710,S715の前に実行させている。なお、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図8および図9を図12に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。
【0119】
図12をより詳細に説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図12に示す移行判定開始抽選手段としてのステップ700に進み、移行判定手段(S705)による移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。移行判定開始抽選の結果が開始当選であれば(S700:Yes)、移行判定手段としてのステップ705に進み、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0120】
移行判定の結果が通常遊技へ移行させるとの移行決定であれば(S705:Yes)、通常遊技の状態における大当り手段としてのステップ710に進み、当否判定を行う。一方、移行判定の結果が通常遊技へ移行させないとの外れである場合(S705:No)或いは、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果である場合(S700:No)には、特典遊技の状態における大当り判定手段としてのステップ715に進み、当否判定を行う。
【0121】
ステップ710の当否判定では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、通常遊技用の当否判定テーブルAにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。
【0122】
ステップ715の当否判定では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。当否判定テーブルAおよび当否判定テーブルBは第1実施形態と同様に設定されている。
【0123】
ステップ710の当否判定が大当りでなければ(S710:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S720)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S725)、ステップ760に進む。一方、大当りならば(S710:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S730)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S735)、ステップ760に進む。
【0124】
ステップ715の当否判定後の処理についても、ステップ710の当否判定後の処理と同様であり、大当りならば(S715:Yes)、当り確定図柄を選択し(S740)、当り変動パターンを選択し(S745)、ステップ760に進む。大当りでなければ(S715:No)、外れ確定図柄を選択し(S750)、外れ変動パターンを選択し(S755)、ステップ760に進む。
【0125】
続くステップ760では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ760では、移行判定の結果が移行決定である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信し、移行判定開始抽選の結果が開始当選である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0126】
図13は本実施形態に係る遊技進行を示すタイムチャートであり、t7に示す時点までの特別図柄確定停止の期間中にて移行判定開始抽選が開始当選になると、t7に示す時点までの特別図柄確定停止の期間中に移行判定が開始される。そして、開始当選から移行決定までの期間(t7の直前〜t9の直前までの期間)中に、移行判定が行われる旨をLCD41aにて表示する。
【0127】
また、t9に示す時点までの特別図柄確定停止の期間中にて移行判定が当選して移行決定になると、移行決定直後に係る特別図柄の変動表示が開始される時点t9で、特典遊技から通常遊技に移行される。そして、移行決定の時点(t9の直前)からその時点での変動表示が終了するまでの期間(t9の直前〜t10)中に、通常遊技に移行する旨をLCD41aにて表示する。
【0128】
以上により、本実施形態によれば、移行判定開始抽選手段S700を、大当り判定手段S710,S715の前に実行させているので、例えば、始動口52へのn回目の入球に起因して抽出された移行判定開始乱数に基づく移行判定開始抽選を第1抽選とし、n回目の入球に起因して抽出された大当り乱数に基づく大当り判定を第1大当り判定とした場合、n回目の第1大当り判定を行う際に、移行判定が行われるようにでき、且つ、今回(n回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、遊技者に報知するように構成することも可能となる。
【0129】
(第3実施形態)
上記第1および第2実施形態では、特別図柄が変動表示される毎に行われる移行判定開始抽選において、開始当選となる当選確率は変化することなく、毎回行われる抽選毎に、同じ当選確率となるように設定されていたのに対し、本実施形態では、図14に示すように、移行判定開始抽選に複数の当選確率が設定されている。なお、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図8を図14に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。
【0130】
図14をより詳細に説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図14に示すステップ800に進む。ステップ800において、後述するステップ865による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S800:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S800:Yes)、ステップ805に進む。
【0131】
ステップ805,810,815,820は、移行判定開始抽選にて設定された複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択する当選確率選択手段として機能する。そして、ステップ855における移行判定開始抽選は、これらのステップ805〜820にて選択された当選確率に基づいて行われる。具体的には、先ずステップ805において、移行判定開始確率Aフラグが立っているか否かを判定し、ステップ815において、移行判定開始確率Bフラグが立っているか否かを判定する。
【0132】
移行判定開始確率Aフラグが立っている場合(S805:Yes)には、ステップ810にて移行判定開始確率Aテーブルが選択され、移行判定開始確率Bフラグが立っている場合(S805:No,S815:Yes)には、ステップ820にて移行判定開始確率Bテーブルが選択される。移行判定開始確率AフラグおよびBフラグのいずれも立っていない場合(S805:No,S815:No)或いはステップ810,820の処理が実行された後には、大当り判定手段としてのステップ825に進み、特典遊技の状態における当否判定を行う。
【0133】
ステップ825では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。ステップ825で用いる当否判定テーブルBは、第1実施形態の当否判定テーブルBと同様にして、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されている。
【0134】
大当りならば(S825:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S830)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S835)、ステップ840に進む。一方、大当りでなければ(S825:No)、移行判定開始抽選手段としてのステップ855に進む。
【0135】
ステップ840では、特別図柄の当り図柄が奇数であるか否かを判定し、偶数であれば(S840:No)、ステップ845にて移行判定開始確率Bフラグを立てて1とし、奇数であれば(S840:Yes)、ステップ850にて移行判定開始確率Aフラグを立てて1とする。ステップ845,850の処理後にはステップ890に進む。
【0136】
ステップ855では、移行判定手段(図9のS605)による移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0137】
移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S855:Yes)、移行判定開始確率AフラグおよびBフラグを0にする(S860)とともに、移行抽選フラグを立てて1とする(S865)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S870)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S875)、ステップ890に進む。
【0138】
一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S855:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S880)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S885)、ステップ890に進む。
【0139】
続くステップ890では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ890では、移行判定の結果が移行決定である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信し、移行判定開始抽選の結果が開始当選である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0140】
以上により、本実施形態によれば、移行判定開始確率のテーブルが複数設定されているので、移行判定が開始される確率が変化し、遊技の多様性を生じさせることができる。
【0141】
(第4実施形態)
本実施形態のハード構成は、図4を図15に変更したことを除き第1実施形態と同じ構成である。また、本実施形態の制御内容は、図16の処理を追加したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。すなわち、本実施形態では、遊技者により選択操作される開始ボタンを備え、図15に示すように、開始ボタンのスイッチ93によるオンオフ信号が、主制御基板39に送信されるように構成されている。
【0142】
図16に示す本実施形態に係る終了条件選択処理は、大当り遊技終了インターバルを開始させるタイミングで実行される処理であり、主制御基板39内のマイコンにて実行される。なお、大当り遊技終了インターバルとは、大当り遊技が終了する残り僅かの間に「大当り遊技終了後に特典遊技が行えるか否か」を遊技者に報知する期間のことである。
【0143】
先ず、ステップ900において、大当り遊技終了インターバルを開始させ「大当り遊技終了後に特典遊技が行えるか否か」をLCD41aに表示させる。次に、終了条件選択期間の計時を開始させ(ステップ905)、続いて開始ボタンを有効化させる(ステップ910)。次に、大当り遊技終了インターバルが所定時間を経過したか否か、すなわち、前記計時開始から所定時間を経過したか否かを判定し(ステップ915)、所定時間経過していれば(S915:Yes)ステップ940に進み、所定時間経過していなければ(S915:No)ステップ920に進む。
【0144】
ステップ920では、スイッチ93によるオン信号が主制御基板39に入力されたか否かを検出することで、開始ボタンが操作されたか否かを判定する。開始ボタンが操作されていれば(S920:Yes)、転落遊技処理としてのステップ925において、図8および図9に従った処理を行う。開始ボタンが操作されていなければ(S920:No)、開始ボタンが有効化されてから所定時間が経過したか否かを判定し(ステップ930)、所定時間経過していなければ(S930:No)ステップ920に戻り、所定時間経過すれば(S930:Yes)ステップ935にて回数切り遊技処理を行う。回数切り遊技処理とは、移行判定開始抽選の結果が開始当選である場合に、移行判定に換えて、特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段による処理が実行されるようにする処理である。本実施形態では、大当り判定の判定回数が大当り遊技の終了時点から所定の最大回数に達していることを、特典遊技終了条件としている。
【0145】
ステップ915にて所定時間経過した場合(S915:Yes)、ステップ925にて転落遊技処理が終了した場合、およびステップ935にて回数切り遊技処理が終了した場合には、開始ボタンの操作を無効化し(ステップ940)、大当り終了インターバルを終了させ(S945)、処理はリターンへ抜ける。大当り終了インターバルを終了すると、特別図柄の変動表示が開始される。
【0146】
従って、本実施形態は、特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段(図8および図9の処理における移行判定手段)と、終了条件判定手段と、移行判定手段および終了条件判定手段のうちいずれの手段を実行させるかを振り分ける振分手段としてのステップ920による処理とを備えることとなる。そして、振分手段により終了条件判定手段が実行されるように振り分けられ、終了条件判定手段により特典遊技終了条件を満たしていると判定された場合には、特典遊技を終了させて通常遊技へ移行させるように構成されている。
【0147】
以上により、本実施形態によれば、移行判定の結果が開始当選である場合にて、転落遊技処理を実行させる遊技パターンと、回数切り遊技処理を実行させる遊技パターンとが設けられるので、遊技性を複雑にすることで興趣性をより一層向上できる。しかも、開始ボタンを操作することで振分手段による振り分け先を遊技者が任意で選択できるため、遊技者の意にかなった遊技を行うことが可能となる。
【0148】
(第5実施形態)
本実施形態は、移行判定開始抽選手段によって連続して行われる移行判定開始抽選を、所定の上限回数で終了するように設定したものである。なお、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図8を図17に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。
【0149】
図17をより詳細に説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図17に示すステップ1005に進む。ステップ1005において、後述するステップ1045,1080による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S1005:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S1005:Yes)、ステップ1010に進む。
【0150】
ステップ1010では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、ステップ1010で用いる当否判定テーブルBは、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されているため、ステップ1010における当否判定ではステップ420における当否判定に比べて大当り判定となる確率が高くなっている。これにより、特典遊技では、特別図柄の高確率遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0151】
大当りならば(S1010:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S1015)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1020)、ステップ1095に進む。一方、大当りでなければ(S1010:No)、ステップ1030にてカウンタを所定の上限回数(例えば50回)にセットしてステップ1035に進む。なお、ステップ1025にてカウンタセットが既になされていると判定されれば、ステップ1030の処理を行うことなくステップ1035に進む。
【0152】
移行判定開始抽選手段としてのステップ1035では、移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S1035:Yes)、前記カウンタを0にする(S1040)とともに移行抽選フラグを立てて1とする(S1045)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1050)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1055)、ステップ1095に進む。
【0153】
一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S1035:No)前記カウンタをデクリメントし(S1060)、カウンタの値が0になったか否かを判定する(S1065)。カウンタの値が0になっていない場合(S1065:No)には、移行判定開始抽選手段によって連続して行われる移行判定開始抽選が所定の上限回数(本実施形態では50回)に達していないとみなし、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1070)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1075)、ステップ1095に進む。
【0154】
カウンタの値が0になっている場合(S1065:Yes)には、移行判定開始抽選手段によって連続して行われる移行判定開始抽選が所定の上限回数に達しているとみなし、移行抽選フラグを立てて1とする(S1080)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1085)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1090)、ステップ1095に進む。
【0155】
続くステップ1095では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ1095では、移行判定開始抽選の結果が開始当選である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0156】
以上により、本実施形態によれば、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から移行判定手段が実行されることとなる。よって、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その間は移行判定が行われていない特典遊技の状態を維持することができるため、遊技者はそれを目標に遊技することができる。このように、遊技者は目標を設定しやすくなるといった効果がある。
【0157】
(第6実施形態)
上記第5実施形態では、上限回数までに当選しなければ強制的に移行判定手段が実行されるのに対し、本実施形態では、上限回数までに当選しなければ強制的に終了条件判定手段が実行される。なお、本実施形態のハード構成は第5実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図17を図18および図19に変更したことを除き第5実施形態と同じ制御内容である。
【0158】
図18は、図17にステップ1000の処理を追加した内容であり、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図18に示すステップ1000に進む。ステップ1000では、終了条件変更フラグが立てられているか否かを判定し、終了条件変更フラグ=0(S1000:Yes)であればステップ1005に進み、以下、図17にて説明した処理と同様の処理を行う。終了条件変更フラグ=1(S1000:No)であれば図19のステップ1100に進む。
【0159】
当否判定手段としてのステップ1100では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。当否判定テーブルAおよび当否判定テーブルBは第1実施形態と同様に設定されている。
【0160】
そして、大当りならば(S1100:Yes)、終了条件フラグ=0(S1105)とした後、当り確定図柄を選択し(S1110)、当り変動パターンを選択し(S1115)、ステップ1130に進む。大当りでなければ(S1100:No)、外れ確定図柄を選択し(S1120)、外れ変動パターンを選択し(S1125)、ステップ1130に進む。続くステップ1130では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。
【0161】
以上により、本実施形態によれば、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から終了条件判定手段が実行されることとなる。よって、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その間は移行判定が行われていない特典遊技の状態を維持することができるため、遊技者はそれを目標に遊技することができる。このように、遊技者は目標を設定しやすくなるといった効果がある。
【0162】
(第7実施形態)
上記第1〜第6実施形態では、LCD41aにて開始当選の表示を開始すると同時に移行判定手段による移行判定が行われるように構成されているのに対し、本実施形態では、LCD41aにて開始当選の表示を開始した時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されている。
【0163】
図20は、本実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートであり、図の左から右に向けて時間が経過する。図20に示すように特典遊技の期間は、移行判定開始抽選期間と、移行判定待機期間と、移行判定期間との3つの期間からなる。移行判定開始抽選期間では特別図柄の変動表示回数がn(nは自然数)回行われ、移行判定待機期間では特別図柄の変動表示回数が予め設定された回数(例えば30回)行われ、移行判定期間では特別図柄の変動表示回数がn回行われる。
【0164】
図21は、図20に示す遊技進行を実現するための制御内容を示したフローチャートであり、本実施形態の制御内容は、図8を図21に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。また、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成である。
【0165】
以下に、図21の詳細を説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)に、図21に示すステップ1200に進む。ステップ1200において、後述するステップ1250による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S1200:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S1200:Yes)、ステップ1205に進む。
【0166】
ステップ1205では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、ステップ1205で用いる当否判定テーブルBは、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されているため、ステップ1010における当否判定ではステップ420における当否判定に比べて大当り判定となる確率が高くなっている。これにより、特典遊技では、特別図柄の高確率遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0167】
大当りならば(S1205:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S1210)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1215)、ステップ1275に進む。一方、大当りでなければ(S1205:No)、移行判定開始抽選手段としてのステップ1220に進み、移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0168】
移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S1220:Yes)、予め設定された移行判定待機期間としての変動表示所定回数(例えば30回)をカウンタにセットして(S1230)ステップ1245に進む。なお、ステップ1225にてカウンタセットが既になされていると判定されれば、ステップ1235にて前記カウンタをデクリメントして(S1235)ステップ1245に進む。一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S1220:No)前記カウンタをデクリメントして(S1240)ステップ1245に進む。
【0169】
ステップ1245では、カウンタの値が0になったか否かを判定する。カウンタの値が0になっている場合(S1245:Yes)には、移行判定待機期間が経過したとみなし、移行抽選フラグを立てて1とする(S1250)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1255)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1260)、ステップ1275に進む。
【0170】
カウンタの値が0になっていない場合(S1245:No)には、移行判定待機期間が経過していないとみなし、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1265)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1270)、ステップ1275に進む。
【0171】
続くステップ1275では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ1275では、移行判定開始抽選の結果が開始当選である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0172】
以上の制御を行う本実施形態によれば、図20に示すように移行判定待機期間を設けることにより、遊技者に最低でも32回転の特典遊技を与えることができる。
【0173】
(第8実施形態)
上記第7実施形態では、移行判定待機期間中に再度移行判定開始抽選が行われることがないように制御されているのに対し、本実施形態では、移行判定待機期間中に再度移行判定開始抽選にて開始当選すると、そこから新たに移行判定待機期間が再設定されるように制御されている。
【0174】
図22は、本実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートであり、図の左から右に向けて時間が経過する。図22に示すように特典遊技の期間は、移行判定開始抽選期間と、移行判定待機期間と、移行判定期間との3つの期間からなる。移行判定開始抽選期間および移行判定期間では、特別図柄の変動表示回数がn(nは自然数)回行われ、移行判定待機期間では特別図柄の変動表示回数が予め設定された回数(例えば30回)が最低限行われ、移行判定待機期間中に再度開始当選する毎に移行判定待機期間が加算される。
【0175】
図23は、図22に示す遊技進行を実現するための制御内容を示したフローチャートであり、本実施形態の制御内容は、図21を図23に変更したことを除き第7実施形態と同じ制御内容である。図23は、図21のステップ1235をステップ1236に変更したことを主な特徴点としており、図23中、図21と同じ符号のステップは、第7実施形態と同じ制御を行うステップであるため説明を省略する。また、本実施形態のハード構成は第7実施形態と同じ構成である。
【0176】
本実施形態に係る図23の処理において、ステップ1225にてカウンタセットが既になされていると判定されれば、ステップ1236に進み、移行判定待機期間としての変動表示所定回数(例えば30回)を再度カウンタにセットして、ステップ1265の処理に進む。なお、第7実施形態では、ステップ1230の処理後はステップ1245にて移行判定待機期間が経過したかを判定しているのに対し、本実施形態では、ステップ1230の処理後はステップ1245の判定をすることなくステップ1265に進む。
【0177】
以上の制御を行う本実施形態によれば、図22に示すように移行判定待機期間中に再度開始当選すると、そこから新たに30回転付与することになるので、遊技者に特典遊技を更に長時間与える可能性を付与することができる。従って、初回における開始当選は遊技者にとってはマイナス的な役割であるのが、それ以後の移行判定待機期間中における開始当選は遊技者にプラスの役割を果たすことになる。
【0178】
(第9実施形態)
本実施形態では、LCD41aにて開始当選の表示を開始した時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に移行判定が行われるように構成されている。そして、前記移行判定待機期間中に、この移行判定待機期間の残り期間を、図24の符号P3に示す如くLCD41aにて表示するように構成されている。図24の表示例では、特別図柄の変動表示があと24回行われると移行判定が実行される旨を、遊技者が知ることとなる。このように、移行判定実行開始までの残り変動表示回数を表示することにより、遊技者はその回数と、開始当選を想起させる絵(例えば爆弾の絵)P2がLCD41aにいつ表示されるかに注視することになり、緊張感のある遊技を行うことができるようになる。
【0179】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、始動口52への入球タイミングで移行判定開始乱数および移行乱数を取得しているが、本発明はこのようなタイミングに限られるものではなく、他の入球口への入球タイミングで移行判定開始乱数および移行乱数を取得してもよいし、移行判定開始乱数および移行乱数の取得起因とする専用の入球口を設けるようにしてもよい。
【0180】
また、上記各実施形態では、開始当選報知手段および移行決定報知手段としてLCD41aを採用しているが、本発明のこれらの報知手段は、LCD41aに限定されるものではなく、例えばエレクトロルミネッセンスパネル(ELパネル)、発光ダイオードLED、バルブ等を用いた表示でもよい。また、表示による報知に限らず、音により報知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の第1実施形態に係るパチンコ機10の外観斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機10の背面図である。
【図3】図1に示す遊技盤22の正面図である。
【図4】第1実施形態に係るパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、メインルーチン処理について示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、保留記憶処理について示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態による遊技の進行を示すタイムチャートである。
【図11】第1実施形態によるLCD41aの表示態様の変化を示す図であり、(a)は移行判定開始抽選時における表示態様を示す図、(b)は開始当選時における表示態様を示す図、(c)は移行判定時における表示態様を示す図、(d)は移行決定時における表示態様を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態による遊技の進行を示すタイムチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
【図16】第4実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、終了条件選択処理について示すフローチャートである。
【図17】本発明の第5実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図18】本発明の第6実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図19】第6実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図20】本発明の第7実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートである。
【図21】第7実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図22】本発明の第8実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートである。
【図23】第8実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図24】本発明の第9実施形態に係るLCD41aの表示態様を示す図である。
【符号の説明】
【0182】
41a…LCD(開始当選報知手段,移行決定報知手段)
S420,S505,S600…大当り判定手段
S525…移行判定開始抽選手段
S605…移行判定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に遊技球を発射して遊技が行われる、弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された大当り乱数の値に基づいて、大入賞口を閉鎖した遊技から開放する大当り遊技へ移行させるか否かを判定するように構成された弾球遊技機に関し、大入賞口を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技とが設定されるのが一般的である。
【0003】
この特典遊技は、大当り遊技が終了した後に移行可能な遊技であり、例えば、通常遊技に比べて特別図柄の当否確率を高く設定したり、特別図柄及び普通図柄の変動時間を短く設定したり、普通電動役物の開放時間を長く設定したりすることで、大当り遊技への移行が容易となるように設定されている。そして、特典遊技が終了すれば通常遊技へ移行することとなる。従って、特典遊技は、通常遊技に比べて遊技者にとって非常に有利な遊技であるため、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続されることを願いつつ、遊技者は遊技を行うこととなる。そのため、特典遊技の終了のさせ方が遊技の興趣に大きな影響を与えることとなる。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の弾球遊技機では、特別図柄の変動表示ごとに特典遊技を終了させるか否かの移行判定を行い、該移行判定にて当選する(移行決定がなされる)と特典遊技を終了させる構成とし、移行判定の結果を表示させる構成とすることで、遊技者の「移行判定にて当選しないで欲しい」と願う感情を高めさせ、ひいては「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させることを図ろうとしている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−135676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の弾球遊技機の如く、単に移行判定結果を表示させて「移行判定に当選しないで欲しい」と願う感情を高めさせるだけでは、「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させるには物足りず、近年の弾球遊技機では更なる興趣性向上が求められている。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、興趣性をより一層向上させた弾球遊技機を新規に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された大当り乱数の値に基づいて、遊技盤に設けられた大入賞口を閉鎖した遊技から、前記大入賞口を開放する大当り遊技へ移行させるか否かを判定する大当り判定手段を備え、
前記大入賞口を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技とが設定され、かつ、前記特典遊技は前記大当り遊技が終了した後に移行可能に設定された弾球遊技機において、
前記特典遊技から前記通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段と、
前記移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う移行判定開始抽選手段と、
前記移行判定開始抽選の結果が前記移行判定を開始させるとの開始当選である場合に、該開始当選を遊技者に報知する開始当選報知手段と、
前記移行判定の結果が前記通常遊技へ移行させるとの移行決定である場合に、該移行決定を遊技者に報知する移行決定報知手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機である。
【0009】
なお、本発明に係る「特典遊技」の具体的一例として、特別図柄による大当り確率が通常遊技よりも高く設定された特図の高確率遊技、特別図柄の変動時間を通常遊技よりも短縮させた特図の時短遊技、普通図柄による当り確率が通常遊技よりも高く設定された普図の高確率遊技、普通図柄の変動時間を通常遊技よりも短縮させた普図の時短遊技若しくは普通電動役物の開放時間を通常遊技よりも長く設定した普電の開放延長遊技、又はこれらの遊技を適宜組み合わせてなる遊技等、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる遊技が挙げられる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段と、前記移行判定の結果が前記開始当選である場合に、前記移行判定手段および前記終了条件判定手段のうちいずれの手段を実行させるかを振り分ける振分手段とを備え、前記振分手段により前記終了条件判定手段が実行されるように振り分けられ、前記終了条件判定手段により前記特典遊技終了条件を満たしていると判定された場合には、前記特典遊技を終了させて前記通常遊技へ移行させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、遊技者により選択操作される操作手段を備え、前記振分手段による振り分け先を、前記操作手段による選択操作によって決定することを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記大当り判定手段による判定回数が前記大当り遊技の終了時点から所定の最大回数に達していることを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2または3に記載の弾球遊技機である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記大当り遊技が終了した後に次回の大当りが発生したことを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記移行判定開始抽選には複数の当選確率が設定されており、前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択する当選確率選択手段を備え、前記移行判定開始抽選手段は、前記当選確率選択手段により選択された当選確率に基づいて前記移行判定開始抽選を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、変動表示される複数の特別図柄が所定の組み合わせの図柄で停止表示された後に、前記大当り遊技は開始されるように設定されており、前記当選確率選択手段は、前記停止表示された図柄の種類に応じて、前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の弾球遊技機である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記移行判定開始抽選手段によって連続して行われる前記移行判定開始抽選を、所定の上限回数で終了するように設定したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0017】
本発明の一具体例を以下に説明すると、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から移行判定手段または終了条件判定手段が実行されるように設定する。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記開始当選報知手段による前記開始当選の報知開始時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0019】
請求項10に記載の発明は、
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とし、前記始動口へのn+1回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第2大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の後に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0020】
なお、上記「n回目」および「n+1回目」のnは自然数を表す記号である。
【0021】
請求項11に記載の発明は、
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の前に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の弾球遊技機である。
【0022】
なお、上記「n回目」のnは自然数を表す記号である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定が行われるのみならず、その移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選が行われ、それぞれの抽選結果および判定結果が遊技者に報知される。従って、遊技者は、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続するように、先ずは開始当選報知手段による報知に神経を集中させて「移行判定開始抽選にて開始当選にならないで欲しい」と願うこととなる。その後、その移行判定開始抽選が開始当選となってしまった場合には移行決定報知手段による報知に神経を集中させて「移行判定にて移行決定にならないで欲しい」とさらに強く願うこととなる。
【0024】
このように、本発明によれば、遊技者の願う感情が時間経過とともに段階的に強くなるので、従来の弾球遊技機に比べて「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させることができ、興趣性をより一層向上させた弾球遊技機を新規に提供することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、移行判定の結果が開始当選である場合にて、移行判定手段を実行させる遊技パターンと、終了条件判定手段を実行させる遊技パターンとが設けられるので、遊技性を複雑にすることで興趣性をより一層向上できる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、操作手段を操作することで振分手段による振り分け先を遊技者が任意で選択できるため、遊技者の意にかなった遊技を行うことが可能となる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、移行判定手段における当選確率と終了条件判定手段における所定の最大回数の設定次第によって、移行判定手段および終了条件判定手段のどちらに振り分けられても、遊技者の有利度合いが同じとなるようにできる。よって、振分手段により終了条件の違いのみが振り分けられることになり、遊技者の有利度合いを同じにしつつ遊技性を豊かにすることができる。
【0028】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と異なり、移行判定手段を実行させる遊技パターンに比べて、終了条件判定手段を実行させる遊技パターンの方が遊技者の有利度合いが高くなるので、遊技者は振り分け先に対する関心が高くなる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、移行判定が開始される確率が変化し、遊技の多様性を生じさせることができる。例えば、確定停止した図柄によって確率を設定することが考えられる。このようにすれば、遊技者はどの図柄で確定して大当りを発生するのかにも興趣を持つことができる。
【0030】
請求項7に記載の発明によれば、特別図柄がどの組み合わせで停止表示されるかに興趣が発生する。特に、大当り遊技終了後に100%の確率で特典遊技に移行する構成の弾球遊技機においては、特別図柄がどの組み合わせで停止表示されるかに係る興趣が新たに発生することとなるので、本発明を採用して好適である。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、所定の上限回数が明確設定されているため、遊技者は目標を設定しやすい。例えば、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から移行判定手段が実行されるように設定した場合ならば、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その間は移行判定が行われていない特典遊技の状態を維持することができるため、遊技者はそれを目標に遊技することができる。
【0032】
或いは、請求項5の発明に請求項8の発明を適用させ、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から終了条件判定手段が実行されるように設定した場合ならば、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その後は、より有利な遊技(次回の大当り発生を特典遊技終了条件とした遊技)の状態が得られるため、非常に高い興趣が生じる。よって、大当り遊技を得るといった目標の他に、より有利な遊技の状態を得るという目標を持つことができるので、遊技を豊かにすることができる。
【0033】
請求項9に記載の発明によれば、移行判定開始抽選に当選しても、そこから移行判定待機期間が経過するまでは移行判定が開始されないため、遊技者は移行判定待機期間中に大当りを目指すことができ、遊技の興趣が向上する。
【0034】
請求項10に記載の発明によれば、n回目の第1大当り判定を行う際には移行判定が行われることはなく、次回(n+1回目)の第2大当り判定を行う際に移行判定が行われるようにでき、且つ、次回(n+1回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、事前に遊技者に報知するように構成することも可能となる。また、請求項10に記載の発明を実施するにあたり、移行判定待機期間中に、この移行判定待機期間の残り期間を遊技者に報知するように構成すれば、遊技者は残りの移行判定待機期間を把握しながら遊技を行うことができ、好適である。
【0035】
請求項11に記載の発明によれば、n回目の第1大当り判定を行う際に、移行判定が行われるようにでき、且つ、今回(n回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、遊技者に報知するように構成することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは無論である。
【0037】
(第1実施形態)
以下の説明において、先ず、図1乃至図5を用いて本実施形態の基本的構成を説明し、その説明の後、図6乃至図11を用いて本実施形態の特徴的構成を説明する。
【0038】
図1に示す通り、弾球遊技機としてのパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット4が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15の上面に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット4のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より球が排出される。前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル13が取り付けられている。この発射ハンドル13の外周には、回動リング9が擁され、これを時計方向に回動すれば球を遊技盤22上に発射することができる。上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が球で満杯状態になれば下皿23に球を誘導するよう構成されている。
【0039】
図2はパチンコ機10の裏面図であり、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
【0040】
また、機構盤26には主制御基板39及び払出制御基板40が脱着可能に、前面枠12左下部には発射制御基板51aが、図柄表示装置41の左部に外部接続端子基板24が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
【0041】
次に図3を用いて遊技盤22について説明する。遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置41を構成する、表示手段としてのLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)41a、窓枠装飾表示部41f、図柄表示装置窓枠41k等を有する図柄表示装置41、その下部に特別図柄始動口52、その上に設けた特別図柄に対応した保留記憶表示手段57a〜57d、特別図柄始動口52下部の大入賞口54、普通図柄表示装置89に表示される図柄の変動開始に用いられる大入賞口54の左右の普通図柄作動口55及び56、その他の各種入賞口70及び71、ランプ風車74及び75、風車76及び77、並びに遊技釘78等が備えられている。通過チャッカ91及び92はそれぞれ上方から入球した遊技球を内側斜め方向に方向を変換してから、排出するものである。この構成により、前述した発射ハンドル13の回動リング9を回動すれば発射制御基板51a(図2参照)により駆動される発射装置51(図2参照)が駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口70,71等に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口90を介してアウト球として同様に遊技盤22の盤面裏面に取り込まれる構成である。
【0042】
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図4のブロック図を用いて説明する。パチンコ機10の電気回路は、図示する通り、前述した主制御基板39、払出制御基板40、図柄表示装置41、発射制御基板51a、ランプ制御基板45及び音制御基板46等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継装置などは記載していない。
【0043】
主制御基板39は、遊技制御プログラムを記憶したROM、演算等を行うCPU、演算等の作業領域として働くRAM等を内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類および各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。主制御基板39の入力側には、満タンスイッチ48a、玉切れスイッチ82、第1種始動口スイッチ52a、普通図柄作動口スイッチ55a、56a、Vスイッチ54a、カウントスイッチ54b、賞球センサ83、各種入賞口スイッチ70a、71a等が接続されている。また、主制御基板39の出力側には、大入賞口ソレノイド54c、Vソレノイド54d、普通役物ソレノイド52b、試験信号端子81および盤用外部接続端子87等が接続されている。また、盤用外部接続端子87はホールメインコンピュータ80と接続され、主制御基板39から出力された情報をホールメインコンピュータ80へと出力している。
【0044】
満タンスイッチ48aは下皿23内、玉切れスイッチ82は球タンク27内、第1種始動口スイッチ52aは始動口52内、普通図柄作動口スイッチ55a、56aは普通図柄作動口55、56内、Vスイッチ54aは大入賞口54内、同じくカウントスイッチ54bは大入賞口54内、賞球センサ83は賞球払出装置29内の賞球モータ40bの下方、各種入賞口スイッチ70a、71aは入賞口70,71内に、各々取り付けられている。
【0045】
ここで、満タンスイッチ48aは下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、玉切れスイッチ82は球タンク27内に遊技球が存在しないことを、始動口スイッチ52aは始動口52に入球したことを、普通図柄作動口スイッチ55a、56aは普通図柄作動口55、56に入球したことを、Vスイッチ54aは遊技球が大入賞口54内の特定領域を通過したことを、カウントスイッチ54bは大入賞口54内に入賞する全ての遊技球を、賞球センサ83は賞球モータ40bにより上皿15に排出される遊技球を、各種入賞口スイッチ70a、71aは入賞口70,71に入賞したことを、各々検出するためのものである。
【0046】
また、主制御基板39の出力側に接続された大入賞口ソレノイド54cおよびVソレノイド54dは大入賞口54内、普通役物ソレノイド52bは始動口52内の特定領域の各々の開閉に使用されるものである。
【0047】
払出制御基板40は、出力側に球貸ソレノイド40a、賞球モータ40b、枠用外部接続端子88、発射制御基板51aが接続され、入力側に球貸しセンサー40cが接続されている。またプリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置30が双方向通信可能に接続されている。
【0048】
払出制御基板40は、主制御基板39からの指令コマンドに従って賞球モータ40bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置30等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示装置30は、前述した下皿23の貸出釦16、精算釦17および残高表示部18等と接続されたものである。
【0049】
払出制御基板40は主制御基板39からの指令に従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は主制御基板39で行われる。この遊技球が払い出されているか否かの検知は、主制御基板39および払出制御基板40の双方で行っても良い。
【0050】
枠用外部接続端子88は、出力側にホールメインコンピュータ80および扉開放スイッチ86が接続され、払出制御基板40から出力された情報をホールメインコンピュータ80へ出力している。
【0051】
発射制御基板51aは、遊技者が操作する発射ハンドル13の回動量に応じて発射モータ51bを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ51cを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル13に内蔵されたタッチスイッチ13cがオン状態のときタッチランプを点灯させるためのものである。ここで、タッチスイッチ13cは発射ハンドル13に内蔵され、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するためのもので、検知情報は発射制御基板51aに入力される。
【0052】
図柄表示装置41は、LCD41aを駆動制御する図柄制御基板41b、特別図柄の保留記憶表示手段57a〜57dで構成されている。図柄制御基板41bは、32ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。図柄制御基板41bの出力側にはランプ制御基板45および音制御基板46が接続されている。
【0053】
ランプ制御基板45は、主として発光素子制御部を含むトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御基板39からの指令を受けて、普通図柄用LED、普通図柄保留記憶用LED、賞球および貸球の払出表示、当り表示、球不足表示およびエラー表示等を行う各種ランプ84、各種LED85等を点灯報知させるためのものである。また、音制御基板46は音源ICおよびアンプ等から構成されており、主制御基板39の指令を受けてスピーカ25を駆動制御するためのものである。
【0054】
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10の主制御基板39内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図5に示すフローチャートに従って説明することにする。
【0055】
図5に示すフローチャートは、主制御基板39のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約4ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。以後、ステップをSと略記することとする。ステップ100〜ステップ200までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるステップ210及びステップ220の処理を「残余処理」と称する。
【0056】
マイコンによるハードウェア割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判定される(S100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判定するためのものである。
【0057】
ステップ100で否定判定なら、前記メモリの所定領域に所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S110)、残余処理に移行する。
【0058】
ステップ100で肯定判定なら、まず初期乱数更新処理が実行される(S120)。この処理は、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1とするが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「329」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「329」までの330個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0059】
ステップ120に続く当否乱数更新処理(S130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理である。なお、特許請求の範囲に記載の大当り乱数は、ここでいう当否乱数に相当する。
【0060】
大当り図柄乱数更新処理(S140)は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。15個の各乱数値「0」〜「14」は、画面上に表示される3桁同一の「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」、「888」、「999」、[AAA]、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」、「FFF」に各々対応する。
【0061】
外れ図柄乱数更新処理(S150)は、左図柄用乱数、中図柄用乱数及び右図柄用乱数から構成され、大当りでないときの外れ図柄として使用される。左図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。中図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、左図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。右図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、中図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。
【0062】
普通図柄乱数更新処理(S160)は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。続く、移行判定開始乱数更新処理(S165)および移行乱数更新処理(S167)でも同様にして、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
【0063】
前述した各乱数更新処理(S120〜S167)により、初期乱数、当否乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数、普通図柄乱数、移行判定開始乱数及び移行乱数が各々更新されるが、続く処理(S170)ではパチンコ機10に設けられ主制御基板39に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。前述した満タンスイッチ48a、玉切れスイッチ82、タッチスイッチ13c、第1種始動口スイッチ52a、普通図柄作動口スイッチ55a、56a、賞球センサ83、カウントスイッチ54b、Vスイッチ54a、その他の入賞口70,71に設けられた各種入賞口スイッチ70a、71a等の各スイッチの作動状況をチェックする処理が実行される。
【0064】
この入力処理(S170)により第1種始動口スイッチ52aに入力がある場合には、始動口52に遊技球が入賞したときであり、この割り込み処理時の前記当否乱数の値が抽出され当否判定値と比較される(S180)。
【0065】
本実施形態のパチンコ機10による遊技は、大入賞口54を閉鎖した遊技と大入賞口54を開放する大当り遊技とに大別され、大入賞口54を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技ととが設定されている。また、特典遊技は大当り遊技が終了した後に移行可能に設定されている。以下、上記通常遊技の状態を通常確率状態、上記特典遊技の状態を確率変動状態と呼ぶこともある。
【0066】
本実施形態のパチンコ機10は確率変動機として構成され、通常確率時では当否判定値は「1」であり、確率変動状態時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」である。抽出された当否乱数の値が当否判定値と一致して大当りとなる確率は、通常確率時には1/330であり、確率変動状態時には1/55(=6/330)となる。この大当りを発生させる確率が通常確率状態から確率変動状態に移行するのは、大当りが発生するときの7/15の確率で確率変動状態に移行する。そして、確率変動状態中において、再び大当りを発生させたときの大当り図柄が確率変動図柄であれば更に確率変動状態が継続する。なお、確率変動状態から通常確率状態への移行については、後に詳述する。
【0067】
前述した図5に示す当否判定処理(S180)が終了すると、主制御基板39から図柄制御基板41bに各種コマンドコードを送信する画像出力処理(S190)が実行される。このコマンドコードは、1.電源投入時、2.客待ちデモ、3.図柄変動中、4.大当り開始時、5.大当り中、6.大当り終了時、7.動作異常時、の7種類に大別でき、以下、各々のコマンドについて説明する。
【0068】
1.電源投入時
電源投入時のコマンドは、パチンコ機10に電源が投入されたとき主制御基板39から図柄制御基板41bに送信されるコマンドコードである。図柄制御基板41bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って図柄表示装置41の画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
【0069】
2.客待ちデモ
客待ちデモのコマンドは、前記電源投入時のデモ画面が終了した後、又は遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル13に触れていないと判断されたときに送信されるコマンドである。図柄制御基板41bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って図柄表示装置41の画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、特別図柄表示領域上に変動表示される特別図柄の変動パターンを全て順番に表示する。このとき、背景画面上には各々の変動パターンに対応した背景画像及びキャラクタが表示される。この客待ちデモ画面は遊技客が発射ハンドル13を操作するまで全ての変動パターンを順番に表示して一巡した後、繰り返し表示する。尚、遊技者が発射ハンドル13に触れているか否かはタッチスイッチ13cの入力により検知することができる。このタッチスイッチ13cの入力を発射制御基板51aに入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22上のアウト口90にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判断する構成としても良い。
【0070】
3.図柄変動中
図柄変動中コマンドは、特別図柄変動時に主制御基板39から図柄制御基板41bへ送信されるコマンドであり、変動タイムコード、左静止図柄指定コード、中静止図柄指定コードおよび右静止図柄指定コードの、4種類のコマンドコード(以下、この4つのコマンドコードを総称して「画像表示コマンド」ということもある。)に分類される。
【0071】
変動タイムコードは、1秒単位の5秒〜35秒の30種類の時間を表している。左静止図柄指定コードは、指定される文字、数字を特別図柄として特別図柄表示領域に表示させるための命令コードである。中静止図柄指定コードは、指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域に表示させるためのものである。右静止図柄指定コードは、指定される文字、数字を特別図柄として特別図柄表示領域に表示させるための命令コードである。
【0072】
これらの変動タイムコード、左、中及び右静止図柄指定コードは、遊技盤22上に発射された遊技球が始動口52に入賞したとき2バイトずつほぼ同時に送信されるコマンドコードであり、その内容は次のようにして決定される。
【0073】
即ち、遊技球が特別図柄始動口52に入賞すると、そのときの当否乱数の値、大当り図柄乱数の値、外れ図柄乱数の値、普通図柄乱数の値が各々抽出される。抽出された当否乱数値は、通常確率時には当否判定値「1」と比較し、確率変動状態時には当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」と比較し一致すれば大当りが発生、一致しなければ外れとなる。一致して大当り発生時には、抽出された大当り図柄乱数値に+1として、この値を左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。即ち、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号は同一となる。それらが一致せず外れとなったときには、抽出された外れ図柄乱数の左図柄用乱数値、中図柄用乱数値及び右図柄用乱数値の各々の値に+1とした値を各々左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。このとき、偶然に3つの識別番号が一致する場合には、右静止図柄指定コードの識別番号の値を「1」だけ異なる値とする処理が為される。前述した変動タイムコードは、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致するときには大きな値とし、全て一致しなくとも左及び中静止図柄指定コードの識別番号が一致するときには中間の値とし、全く一致しないときには小さな値に振り分けられる。
【0074】
この4つのコマンドコードからなる画像表示コマンドを受信したときの図柄制御基板41bが行う処理を説明する。「通常表示ルーチン」は、送信される左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致しない場合、即ち大当りを発生させないときの画像処理に用いられる処理である。図柄制御基板41bのマイコンが前記画像表示コマンドを受信すると、受信した変動タイムと左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とから特別図柄の変動パターンを作成する処理を実行する。図柄制御基板41bのROMには、受信した画像表示コマンドの各値の組み合わせに対応したテーブルが書き込まれている。図柄制御基板41bのマイコンは、受信した画像表示コマンドからROMに書き込まれたテーブルを読み出し特別図柄の変動パターンを作成する。この変動パターンは次のようにして作成される。
【0075】
図柄制御基板41bのマイコンは、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号から左と中との識別番号が一致するか否か(即ち、リーチであるか否か)を判断して通常変動なのか、リーチ変動なのかを判断し、更にリーチ変動でも変動タイムの値が所定値より大きいのか小さいのかによりトリック変動をするのか否かを判断し、これらの判断と変動タイムとにより特別図柄の左、中及び右図柄の変動開始から静止するまでの各々の時間を決定する。作成された特別図柄の変動パターンに従って、背景画面上に表示される背景及びキャラクタの表示データも作成される。こうして変動パターンが作成されると、この変動パターンに従って左、中及び右の各特別図柄の変動を開始し指定された静止図柄で確定表示する変動表示処理を実行すると共に、背景及びキャラクタの表示制御も実行される。
【0076】
4.大当り開始時
大当り開始時コマンドコードは、特別図柄表示領域に表示される左、中及び右特別図柄が同一図柄を表示した後から大当り動作が開始されるまでの間に大当りが発生したということを遊技者にアピールする画像を表示するときに使用されるコマンドであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令コードを図柄制御基板41bが受信すると図柄表示装置41の画面上に「大当り」等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ画像を表示すると共に、音制御基板46により効果音を出力する処理がなされる。
【0077】
5.大当り中
大当り中コマンドは、開放前コード、開放中コード、10カウント入賞コード、V通過コード及びラウンド表示コードの5個のコマンドに分類され、それぞれが命令コードとして機能する。
【0078】
開放前コードが図柄制御基板41bに入力されると、大入賞口54を開放することを遊技者に知らせる画像を背景画面に表示する処理を実行する。開放中コードが図柄制御基板41bに入力されると、大入賞口54が開放中であることを遊技者に知らせる画像を表示する処理を実行する。
【0079】
10カウント入賞コードは、大入賞口54に遊技球が入賞したことをカウントスイッチ54b又はVスイッチ54aにより主制御基板39が検知する毎に送信される。そして、10カウント入賞コードが図柄制御基板41bに入力されると、入力毎にその値をインクリメントしその値を背景画面上に表示する処理を行う。これにより、画面上には、大入賞口54に遊技球が入賞する毎に0から10個までの個数表示がなされる。
【0080】
V通過コードは、大入賞口54内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ54aにより主制御基板39が検知すると送信される。そして、V通過コードが図柄制御基板41bに入力されると、画面に「V」の文字を大きく表示し大入賞口54が閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
【0081】
ラウンド表示コードは、大入賞口54が開放動作終了後に再び開放する毎に主制御基板39により送信される。そして、ラウンド表示コードが図柄制御基板41bに入力されると、入力毎にその値をインクリメントしその値を背景画面上に表示する処理を行う。これにより、遊技者には大入賞口54の開放回数が報知される。
【0082】
6.大当り終了時
大当り終了時コマンドは、大当り終了デモコマンドコードと確率変動移行コマンドコードとからなる。大当り終了デモコマンドコードは、大当り動作が終了したとき、即ち大入賞口54の開放動作を終了したときに送信される命令コードである。図柄制御基板41bがこの命令コードを入力すると大当りが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示する。確率変動移行コマンドコードは、確率変動状態が継続するか否かを指示するものであり、この確率変動移行コマンドコードは、主制御基板39から送信する構成としても良いし、前述した画像表示コマンドの値から図柄制御基板41bが判断する構成としても良い。
【0083】
7.動作異常時
動作異常時コマンドは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドであり、本実施形態では、E1エラーコード、E2エラーコード、E3エラーコードによる3つのエラーコードから構成されている。E1エラーコードは、テンカウント異常エラーであり、大入賞口54が開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラーコードは下皿23が満杯で満タンスイッチ48aがオンしたとき出力され、E3エラーコードは球切れスイッチ82がオンしたとき出力される。これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信されるエラー解除コードにより消去される。
【0084】
続く各出力処理(S200)において、主制御基板39は、遊技の進行に応じて図柄表示装置41、払出制御基板40、発射制御基板51a、ランプ制御基板45、音制御基板46、大入賞口ソレノイド54c等の各種ソレノイドに対して各々出力処理を実行する。即ち、前記各入力処理(S170)により遊技盤22上の各入賞口に球の入賞があることが検知されたときには賞球としての球を払い出すべく払出制御基板40に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音制御基板46に出力する処理を、パチンコ機10に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく図柄制御基板41bにエラー信号を出力する処理を、更には、大当り発生時には大当り処理等を、各々実行する。
【0085】
前述した本処理に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(S210)及び初期乱数更新処理(S220)から構成されるが、各々前述したステップ150及びステップ120と概ね同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。
【0086】
前述したステップ100〜ステップ200までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律では無くなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が当否乱数と同期する可能性は無くなる。尚、実施形態1においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(S160)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0087】
次に、図6に示す保留記憶処理および図7乃至図9に示す図柄変動処理について説明する。これらの各処理は、前述した当否判定処理(S180)、画像出力処理(S190)および各出力処理(S200)の詳細を示すものであり、約4ms毎のリセット信号によるハード割り込みにより、主制御基板39内のマイコンにて定期的に実行される処理である。
【0088】
図6に示す保留記憶処理では、始動口52への入球がありかつ保留記憶が満杯でないことを条件として、当否乱数(大当り乱数)の値を抽出するとともに保留記憶を行う(S300〜S315)。具体的には、先ずステップ300において遊技球が始動口52に入球したか否かを判定し、入球していた場合には(S300:Yes)、保留記憶数が最大値(例えば4個)でないか否かを判定する(S305)。保留記憶数が最大値でなければ(S305:Yes)、始動口52に入球したタイミングで、当否乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数、移行判定開始乱数、および移行乱数をそれぞれ取得する(S310)。続いて、取得した当否乱数の値を主制御基板39に保留記憶として記憶する(S315)。なお、ステップ300にて入球していないと判定した場合(S300:No)或いはステップ305にて保留記憶数が最大値であると判定した場合(S305:No)には、処理はリターンに抜ける。
【0089】
次に、図7乃至図9に示す図柄変動処理について説明する。図7のステップ400乃至ステップ445では特典遊技(確率変動状態による遊技)が実行されない場合の処理を示し、図8のステップ500乃至560では特典遊技が実行され、かつ、後述する移行判定開始抽選にて開始当選でない場合の処理を示し、図9のステップ600乃至650では特典遊技が実行され、かつ、前記開始当選となった場合の処理を示している。
【0090】
はじめに、図7の処理内容を説明すると、先ず、ステップ400において、特別図柄の変動表示が停止中であるか否かを判定する。その後、保留記憶があるか否かを判定(S405)し、特別図柄が変動停止中であり(S400:Yes)、保留記憶がある(S405:Yes)と判定されれば、ステップ410において保留数をデクリメントする保留シフト処理を実行し、ステップ415に進む。特別図柄が変動停止中でない(S400:No)との判定、および保留記憶がない(S405:No)との判定のうち少なくとも1つの判定がなされれば、処理はリターンへと抜ける。
【0091】
続くステップ415では、特典遊技フラグが立てられているか否かの判定が為される。なお、大当り遊技が終了した後に特典遊技に移行させるか否かは、当否判定処理(S180)における当否判定とともに判定される。例えば、大当り図柄のうち予め設定された特定の確変図柄にて大当りになった場合に、特典遊技へ移行させるように決定される。そして、特典遊技への移行が決定されると特典遊技フラグが立てられて1となる。
【0092】
ステップ415にて特典遊技フラグ=0と判定された場合(S415:Yes)には、通常遊技の状態における当否判定(S420)を行い、特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、特典遊技の状態における当否判定(図8のS505または図9のS600)を行う。より具体的に説明すると、ステップ420では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、通常遊技用の当否判定テーブルAにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、これらの当否判定ステップ420,505,600は、特許請求の範囲に記載の大当り判定手段に相当するものである。
【0093】
大当りならば(S420:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S425)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S430)、ステップ445に進む。一方、大当りでなければ(S420:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S435)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れA変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S440)、ステップ445に進む。なお、当り変動パターンおよび外れA変動パターンには、変動表示パターンを規定する情報の他に、変動表示時間を規定する情報も含まれている。
【0094】
そして、ステップ445において、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。なお、これらの図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46と主制御基板39との間に演出統合基板を介在して接続し、前記各種信号を、主制御基板39から演出統合基板を介して図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信するように構成してもよい。
【0095】
変動開始コマンドを受信した図柄制御基板41bは、ステップ435或いはステップ440で選択された変動パターンにて特別図柄が変動表示されるように、LCD41aの駆動を制御する。ランプ制御基板45および音制御基板46は、LCD41aで表示される特別図柄の変動表示に対応した音響、照明となるように、各種ランプ84およびスピーカ25の駆動を制御する。
【0096】
次に、図8の処理内容を説明すると、先ず、ステップ500において、後述するステップ530による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S500:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S500:Yes)、大当り判定手段としてのステップ505において特典遊技の状態における当否判定を行う。
【0097】
ステップ505では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、ステップ505で用いる当否判定テーブルBは、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されているため、ステップ505における当否判定ではステップ420における当否判定に比べて大当り判定となる確率が高くなっている。これにより、特典遊技では、特別図柄の高確率遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0098】
大当りならば(S505:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S515)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S520)、ステップ560に進む。一方、大当りでなければ(S505:No)、移行判定開始抽選手段としてのステップ525に進み、後述する移行判定手段(図9のS605)による移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0099】
移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S525:Yes)、移行抽選フラグを立てて1とする(S530)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S535)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S540)、ステップ560に進む。
【0100】
一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S525:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S545)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れB変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S550)、ステップ560に進む。
【0101】
なお、移行変動パターンおよび外れB変動パターンには、変動表示パターンを規定する情報の他に、変動表示時間を規定する情報も含まれている。そして、外れB変動パターンにおける平均変動表示時間は、外れA変動パターンにおける平均変動表示時間に比べて短くなるように設定されている。これにより、特典遊技では、特別図柄の時短遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0102】
続くステップ560では、前述のステップ445と同様の処理を行う。すなわち、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ560では、移行判定開始抽選の結果が開始当選である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。すなわち、特許請求の範囲に記載の開始当選報知手段はLCD41aに相当する。
【0103】
次に、図9の処理内容を説明すると、はじめに、大当り判定手段としてのステップ600において、前述のステップ505と同様の処理を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定する。
【0104】
大当りならば(S600:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S610)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S615)、ステップ650に進む。一方、大当りでなければ(S600:No)、移行判定手段としてのステップ605に進み、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0105】
移行判定の結果が通常遊技へ移行させるとの移行決定であれば(S605:Yes)、移行抽選フラグを0にする(S620)とともに、特典遊技フラグを0にする(S625)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S630)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において移行決定である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S635)、ステップ650に進む。
【0106】
一方、移行判定の結果が通常遊技へ移行させないとの外れ決定であれば(S605:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S640)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における移行外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S645)、ステップ650に進む。
【0107】
続くステップ650では、前述のステップ445と同様の処理を行う。すなわち、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ650では、移行判定の結果が移行決定である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。すなわち、特許請求の範囲に記載の移行決定報知手段はLCD41aに相当する。
【0108】
以上の図5乃至図9に示すフローチャートに従った制御によれば、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選である場合に移行判定を行い、その移行判定の結果が移行決定である場合に特典遊技を終了させて通常遊技へ移行させる。そして、これらの開始当選および移行決定はLCD41aにて表示される。以下に、このような遊技の進行を示すタイムチャート図10と、LCD41aの表示態様の変化を示す図11を用いて、より詳細に説明する。
【0109】
図10では、特別図柄の変動表示状況、大当り確率、大当り遊技状態、移行判定開始抽選、および移行判定の変化を示しており、図の左から右に向けて時間が経過するタイムチャートである。t0からt1までは、大当り遊技が実行されておらず通常遊技が実行された状態の期間であり、特別図柄の変動表示と確定停止表示とがLCD41aにて繰り返し表示されている。そして、t1の時点で大当り判定にて当選し、大当り遊技が開始される。
【0110】
次に、t2の時点で大当り遊技が終了するとともに、特別図柄の確定停止表示がなされる毎に、移行判定開始抽選が行われる。t2からt3までは、繰り返し実行される移行判定開始抽選の結果が外れとなっている期間であり、t3の時点で移行判定開始抽選の結果が開始当選となる。図11(a)は、t2からt3までの期間におけるLCD41aの表示態様を示しており、この期間中には、移行判定開始抽選が行われていることは表示されていない。なお、図11(a)中の符号P1は特別図柄を示している。
【0111】
次に、開始当選となったt3の時点からt4までの期間には、開始当選となった旨がLCD41aにて表示される。この表示態様の一例として、図11(b)に示すように、開始当選を想起させる絵(例えば爆弾の絵)P2をLCD41aの周辺から中央に向けて移動するように表示させることが挙げられる。
【0112】
次に、t3からt4までの期間にて開始当選の表示が終了すると、移行判定開始抽選が終了し、特別図柄の確定停止表示がなされる毎に、移行判定が実行される。t4からt5までは、繰り返し実行される移行判定の結果が外れとなっている期間であり、t6の時点で移行判定の結果が移行決定となる。図11(c)は、t4からt5までの期間におけるLCD41aの表示態様を示しており、この期間中には、開始当選を想起させる絵P2を表示させ続けることで移行判定が行われていることを遊技者に報知する。
【0113】
そして、移行決定となったt6以降の所定期間にて、移行決定となった旨がLCD41aにて表示される。この表示態様の一例として、図11(d)に示すように、開始当選を想起させる絵P2が、移行決定を想起させる態様で変化する(例えば爆弾の絵が爆発するように変化する)ように表示させることが挙げられる。
【0114】
因みに、本実施形態にて実行される各種判定をまとめて説明すると、通常遊技を行っている期間(t0〜t1の期間)には、ステップ310にて取得された当否乱数に基づく当否判定と、リーチ決定用乱数に基づくリーチ判定と、大当り図柄乱数および外れ図柄乱数に基づく停止図柄判定と、変動パターン決定用乱数に基づく変動パターン判定とが実行される。
【0115】
そして、特典遊技を行っている期間(t2〜t6の期間)のうち、移行判定開始抽選期間にて開始当選までの期間(t2〜t3の期間)には、前記当否判定、リーチ判定、停止図柄判定および変動パターン判定に加え、移行判定開始乱数に基づく移行判定開始抽選が実行される。また、特典遊技を行っている期間(t2〜t6の期間)のうち、移行判定期間にて移行決定までの期間(t4〜t5の期間)には、前記当否判定、リーチ判定、停止図柄判定および変動パターン判定に加え、移行乱数に基づく移行判定が実行される。
【0116】
以上により、本実施形態によれば、大当り遊技が終了した後において、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定が行われるのみならず、その移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選が行われ、それぞれの抽選結果および判定結果がLCD41aにて表示される。従って、遊技者は、大当り遊技が終了した後に特典遊技が長く継続するように、先ずは開始当選を想起させる絵P2がLCD41aに表示されるか否かに神経を集中させて「絵P2が出現しないで欲しい」と願うこととなる。その後、その移行判定開始抽選が開始当選となってしまった場合には、絵P2の表示が移行決定を想起させる態様で変化されるか否かに神経を集中させて「絵P2の表示が前記態様で変化しないで欲しい」とさらに強く願うこととなる。従って、遊技者の願う感情が時間経過とともに段階的に強くなるので、「特典遊技が長く継続して欲しい」と願う感情を高揚させることができ、興趣性をより一層向上させた弾球遊技機を新規に提供することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、始動口52へのn回目の入球に起因して抽出された移行判定開始乱数に基づく移行判定開始抽選を第1抽選とし、n回目の入球に起因して抽出された大当り乱数に基づく大当り判定を第1大当り判定とし、始動口52へのn+1回目の入球に起因して抽出された大当り乱数に基づく大当り判定を第2大当り判定とした場合、移行判定開始抽選は、第1大当り判定の後に行われることとなる。すなわち、図8,図9に示すように、移行判定開始抽選手段S525,S605は、大当り判定手段S505,S600の後に実行される。これにより、n回目の第1大当り判定を行う際に、移行判定が行われるようにでき、且つ、今回(n回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、遊技者に報知するように構成することも可能となる。
【0118】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、移行判定開始抽選手段S525,S605を、大当り判定手段S505,S600の後に実行させていたのに対し、本実施形態では、図12に示すように、移行判定開始抽選手段S700を、大当り判定手段S710,S715の前に実行させている。なお、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図8および図9を図12に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。
【0119】
図12をより詳細に説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図12に示す移行判定開始抽選手段としてのステップ700に進み、移行判定手段(S705)による移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。移行判定開始抽選の結果が開始当選であれば(S700:Yes)、移行判定手段としてのステップ705に進み、特典遊技から通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0120】
移行判定の結果が通常遊技へ移行させるとの移行決定であれば(S705:Yes)、通常遊技の状態における大当り手段としてのステップ710に進み、当否判定を行う。一方、移行判定の結果が通常遊技へ移行させないとの外れである場合(S705:No)或いは、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果である場合(S700:No)には、特典遊技の状態における大当り判定手段としてのステップ715に進み、当否判定を行う。
【0121】
ステップ710の当否判定では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、通常遊技用の当否判定テーブルAにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。
【0122】
ステップ715の当否判定では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。当否判定テーブルAおよび当否判定テーブルBは第1実施形態と同様に設定されている。
【0123】
ステップ710の当否判定が大当りでなければ(S710:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S720)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S725)、ステップ760に進む。一方、大当りならば(S710:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S730)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S735)、ステップ760に進む。
【0124】
ステップ715の当否判定後の処理についても、ステップ710の当否判定後の処理と同様であり、大当りならば(S715:Yes)、当り確定図柄を選択し(S740)、当り変動パターンを選択し(S745)、ステップ760に進む。大当りでなければ(S715:No)、外れ確定図柄を選択し(S750)、外れ変動パターンを選択し(S755)、ステップ760に進む。
【0125】
続くステップ760では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ760では、移行判定の結果が移行決定である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信し、移行判定開始抽選の結果が開始当選である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0126】
図13は本実施形態に係る遊技進行を示すタイムチャートであり、t7に示す時点までの特別図柄確定停止の期間中にて移行判定開始抽選が開始当選になると、t7に示す時点までの特別図柄確定停止の期間中に移行判定が開始される。そして、開始当選から移行決定までの期間(t7の直前〜t9の直前までの期間)中に、移行判定が行われる旨をLCD41aにて表示する。
【0127】
また、t9に示す時点までの特別図柄確定停止の期間中にて移行判定が当選して移行決定になると、移行決定直後に係る特別図柄の変動表示が開始される時点t9で、特典遊技から通常遊技に移行される。そして、移行決定の時点(t9の直前)からその時点での変動表示が終了するまでの期間(t9の直前〜t10)中に、通常遊技に移行する旨をLCD41aにて表示する。
【0128】
以上により、本実施形態によれば、移行判定開始抽選手段S700を、大当り判定手段S710,S715の前に実行させているので、例えば、始動口52へのn回目の入球に起因して抽出された移行判定開始乱数に基づく移行判定開始抽選を第1抽選とし、n回目の入球に起因して抽出された大当り乱数に基づく大当り判定を第1大当り判定とした場合、n回目の第1大当り判定を行う際に、移行判定が行われるようにでき、且つ、今回(n回目)の大当り判定から移行判定が行われる旨を、遊技者に報知するように構成することも可能となる。
【0129】
(第3実施形態)
上記第1および第2実施形態では、特別図柄が変動表示される毎に行われる移行判定開始抽選において、開始当選となる当選確率は変化することなく、毎回行われる抽選毎に、同じ当選確率となるように設定されていたのに対し、本実施形態では、図14に示すように、移行判定開始抽選に複数の当選確率が設定されている。なお、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図8を図14に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。
【0130】
図14をより詳細に説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図14に示すステップ800に進む。ステップ800において、後述するステップ865による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S800:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S800:Yes)、ステップ805に進む。
【0131】
ステップ805,810,815,820は、移行判定開始抽選にて設定された複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択する当選確率選択手段として機能する。そして、ステップ855における移行判定開始抽選は、これらのステップ805〜820にて選択された当選確率に基づいて行われる。具体的には、先ずステップ805において、移行判定開始確率Aフラグが立っているか否かを判定し、ステップ815において、移行判定開始確率Bフラグが立っているか否かを判定する。
【0132】
移行判定開始確率Aフラグが立っている場合(S805:Yes)には、ステップ810にて移行判定開始確率Aテーブルが選択され、移行判定開始確率Bフラグが立っている場合(S805:No,S815:Yes)には、ステップ820にて移行判定開始確率Bテーブルが選択される。移行判定開始確率AフラグおよびBフラグのいずれも立っていない場合(S805:No,S815:No)或いはステップ810,820の処理が実行された後には、大当り判定手段としてのステップ825に進み、特典遊技の状態における当否判定を行う。
【0133】
ステップ825では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。ステップ825で用いる当否判定テーブルBは、第1実施形態の当否判定テーブルBと同様にして、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されている。
【0134】
大当りならば(S825:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S830)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S835)、ステップ840に進む。一方、大当りでなければ(S825:No)、移行判定開始抽選手段としてのステップ855に進む。
【0135】
ステップ840では、特別図柄の当り図柄が奇数であるか否かを判定し、偶数であれば(S840:No)、ステップ845にて移行判定開始確率Bフラグを立てて1とし、奇数であれば(S840:Yes)、ステップ850にて移行判定開始確率Aフラグを立てて1とする。ステップ845,850の処理後にはステップ890に進む。
【0136】
ステップ855では、移行判定手段(図9のS605)による移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0137】
移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S855:Yes)、移行判定開始確率AフラグおよびBフラグを0にする(S860)とともに、移行抽選フラグを立てて1とする(S865)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S870)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S875)、ステップ890に進む。
【0138】
一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S855:No)、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S880)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S885)、ステップ890に進む。
【0139】
続くステップ890では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ890では、移行判定の結果が移行決定である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信し、移行判定開始抽選の結果が開始当選である場合にはその旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0140】
以上により、本実施形態によれば、移行判定開始確率のテーブルが複数設定されているので、移行判定が開始される確率が変化し、遊技の多様性を生じさせることができる。
【0141】
(第4実施形態)
本実施形態のハード構成は、図4を図15に変更したことを除き第1実施形態と同じ構成である。また、本実施形態の制御内容は、図16の処理を追加したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。すなわち、本実施形態では、遊技者により選択操作される開始ボタンを備え、図15に示すように、開始ボタンのスイッチ93によるオンオフ信号が、主制御基板39に送信されるように構成されている。
【0142】
図16に示す本実施形態に係る終了条件選択処理は、大当り遊技終了インターバルを開始させるタイミングで実行される処理であり、主制御基板39内のマイコンにて実行される。なお、大当り遊技終了インターバルとは、大当り遊技が終了する残り僅かの間に「大当り遊技終了後に特典遊技が行えるか否か」を遊技者に報知する期間のことである。
【0143】
先ず、ステップ900において、大当り遊技終了インターバルを開始させ「大当り遊技終了後に特典遊技が行えるか否か」をLCD41aに表示させる。次に、終了条件選択期間の計時を開始させ(ステップ905)、続いて開始ボタンを有効化させる(ステップ910)。次に、大当り遊技終了インターバルが所定時間を経過したか否か、すなわち、前記計時開始から所定時間を経過したか否かを判定し(ステップ915)、所定時間経過していれば(S915:Yes)ステップ940に進み、所定時間経過していなければ(S915:No)ステップ920に進む。
【0144】
ステップ920では、スイッチ93によるオン信号が主制御基板39に入力されたか否かを検出することで、開始ボタンが操作されたか否かを判定する。開始ボタンが操作されていれば(S920:Yes)、転落遊技処理としてのステップ925において、図8および図9に従った処理を行う。開始ボタンが操作されていなければ(S920:No)、開始ボタンが有効化されてから所定時間が経過したか否かを判定し(ステップ930)、所定時間経過していなければ(S930:No)ステップ920に戻り、所定時間経過すれば(S930:Yes)ステップ935にて回数切り遊技処理を行う。回数切り遊技処理とは、移行判定開始抽選の結果が開始当選である場合に、移行判定に換えて、特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段による処理が実行されるようにする処理である。本実施形態では、大当り判定の判定回数が大当り遊技の終了時点から所定の最大回数に達していることを、特典遊技終了条件としている。
【0145】
ステップ915にて所定時間経過した場合(S915:Yes)、ステップ925にて転落遊技処理が終了した場合、およびステップ935にて回数切り遊技処理が終了した場合には、開始ボタンの操作を無効化し(ステップ940)、大当り終了インターバルを終了させ(S945)、処理はリターンへ抜ける。大当り終了インターバルを終了すると、特別図柄の変動表示が開始される。
【0146】
従って、本実施形態は、特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段(図8および図9の処理における移行判定手段)と、終了条件判定手段と、移行判定手段および終了条件判定手段のうちいずれの手段を実行させるかを振り分ける振分手段としてのステップ920による処理とを備えることとなる。そして、振分手段により終了条件判定手段が実行されるように振り分けられ、終了条件判定手段により特典遊技終了条件を満たしていると判定された場合には、特典遊技を終了させて通常遊技へ移行させるように構成されている。
【0147】
以上により、本実施形態によれば、移行判定の結果が開始当選である場合にて、転落遊技処理を実行させる遊技パターンと、回数切り遊技処理を実行させる遊技パターンとが設けられるので、遊技性を複雑にすることで興趣性をより一層向上できる。しかも、開始ボタンを操作することで振分手段による振り分け先を遊技者が任意で選択できるため、遊技者の意にかなった遊技を行うことが可能となる。
【0148】
(第5実施形態)
本実施形態は、移行判定開始抽選手段によって連続して行われる移行判定開始抽選を、所定の上限回数で終了するように設定したものである。なお、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図8を図17に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。
【0149】
図17をより詳細に説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図17に示すステップ1005に進む。ステップ1005において、後述するステップ1045,1080による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S1005:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S1005:Yes)、ステップ1010に進む。
【0150】
ステップ1010では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、ステップ1010で用いる当否判定テーブルBは、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されているため、ステップ1010における当否判定ではステップ420における当否判定に比べて大当り判定となる確率が高くなっている。これにより、特典遊技では、特別図柄の高確率遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0151】
大当りならば(S1010:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S1015)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1020)、ステップ1095に進む。一方、大当りでなければ(S1010:No)、ステップ1030にてカウンタを所定の上限回数(例えば50回)にセットしてステップ1035に進む。なお、ステップ1025にてカウンタセットが既になされていると判定されれば、ステップ1030の処理を行うことなくステップ1035に進む。
【0152】
移行判定開始抽選手段としてのステップ1035では、移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S1035:Yes)、前記カウンタを0にする(S1040)とともに移行抽選フラグを立てて1とする(S1045)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1050)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1055)、ステップ1095に進む。
【0153】
一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S1035:No)前記カウンタをデクリメントし(S1060)、カウンタの値が0になったか否かを判定する(S1065)。カウンタの値が0になっていない場合(S1065:No)には、移行判定開始抽選手段によって連続して行われる移行判定開始抽選が所定の上限回数(本実施形態では50回)に達していないとみなし、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1070)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1075)、ステップ1095に進む。
【0154】
カウンタの値が0になっている場合(S1065:Yes)には、移行判定開始抽選手段によって連続して行われる移行判定開始抽選が所定の上限回数に達しているとみなし、移行抽選フラグを立てて1とする(S1080)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1085)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1090)、ステップ1095に進む。
【0155】
続くステップ1095では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ1095では、移行判定開始抽選の結果が開始当選である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0156】
以上により、本実施形態によれば、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から移行判定手段が実行されることとなる。よって、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その間は移行判定が行われていない特典遊技の状態を維持することができるため、遊技者はそれを目標に遊技することができる。このように、遊技者は目標を設定しやすくなるといった効果がある。
【0157】
(第6実施形態)
上記第5実施形態では、上限回数までに当選しなければ強制的に移行判定手段が実行されるのに対し、本実施形態では、上限回数までに当選しなければ強制的に終了条件判定手段が実行される。なお、本実施形態のハード構成は第5実施形態と同じ構成であり、本実施形態の制御内容は、図17を図18および図19に変更したことを除き第5実施形態と同じ制御内容である。
【0158】
図18は、図17にステップ1000の処理を追加した内容であり、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)には、図18に示すステップ1000に進む。ステップ1000では、終了条件変更フラグが立てられているか否かを判定し、終了条件変更フラグ=0(S1000:Yes)であればステップ1005に進み、以下、図17にて説明した処理と同様の処理を行う。終了条件変更フラグ=1(S1000:No)であれば図19のステップ1100に進む。
【0159】
当否判定手段としてのステップ1100では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。当否判定テーブルAおよび当否判定テーブルBは第1実施形態と同様に設定されている。
【0160】
そして、大当りならば(S1100:Yes)、終了条件フラグ=0(S1105)とした後、当り確定図柄を選択し(S1110)、当り変動パターンを選択し(S1115)、ステップ1130に進む。大当りでなければ(S1100:No)、外れ確定図柄を選択し(S1120)、外れ変動パターンを選択し(S1125)、ステップ1130に進む。続くステップ1130では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。
【0161】
以上により、本実施形態によれば、大当り終了後に特別図柄が1〜50回転変動表示される間にのみ移行判定開始抽選を実行し、50回転目までに当選しなければ強制的に51回転目から終了条件判定手段が実行されることとなる。よって、遊技者は1〜50回転変動表示される間に移行判定開始抽選に当選しなければ、その間は移行判定が行われていない特典遊技の状態を維持することができるため、遊技者はそれを目標に遊技することができる。このように、遊技者は目標を設定しやすくなるといった効果がある。
【0162】
(第7実施形態)
上記第1〜第6実施形態では、LCD41aにて開始当選の表示を開始すると同時に移行判定手段による移行判定が行われるように構成されているのに対し、本実施形態では、LCD41aにて開始当選の表示を開始した時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されている。
【0163】
図20は、本実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートであり、図の左から右に向けて時間が経過する。図20に示すように特典遊技の期間は、移行判定開始抽選期間と、移行判定待機期間と、移行判定期間との3つの期間からなる。移行判定開始抽選期間では特別図柄の変動表示回数がn(nは自然数)回行われ、移行判定待機期間では特別図柄の変動表示回数が予め設定された回数(例えば30回)行われ、移行判定期間では特別図柄の変動表示回数がn回行われる。
【0164】
図21は、図20に示す遊技進行を実現するための制御内容を示したフローチャートであり、本実施形態の制御内容は、図8を図21に変更したことを除き第1実施形態と同じ制御内容である。また、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同じ構成である。
【0165】
以下に、図21の詳細を説明すると、図7のステップ415にて特典遊技フラグ=1と判定された場合(S415:No)に、図21に示すステップ1200に進む。ステップ1200において、後述するステップ1250による移行抽選フラグが立てられているか否かを判定する。移行抽選フラグが立てられていれば(S1200:No)大当り判定手段としてのステップ600(図9参照)において特典遊技の状態における当否判定を行い、移行抽選フラグが立てられていなければ(S1200:Yes)、ステップ1205に進む。
【0166】
ステップ1205では、ステップ310にて抽出された当否乱数の値が、特典遊技用の当否判定テーブルBにて予め設定された値と一致するか否かを判定し、これら両値が一致した場合には大当りであると判定し、大当りフラグを1にする。一致しない場合には、外れであると判定する。なお、ステップ1205で用いる当否判定テーブルBは、ステップ420で用いる当否判定テーブルAに比べて多くの判定値が設定されているため、ステップ1010における当否判定ではステップ420における当否判定に比べて大当り判定となる確率が高くなっている。これにより、特典遊技では、特別図柄の高確率遊技となるため、通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる。
【0167】
大当りならば(S1205:Yes)、当り確定図柄としての図柄を複数の当り図柄の中から選択し(S1210)、続いて、当り確定図柄に至るまでの変動表示における当り変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1215)、ステップ1275に進む。一方、大当りでなければ(S1205:No)、移行判定開始抽選手段としてのステップ1220に進み、移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う。すなわち、ステップ310にて抽出された移行判定開始乱数の値が予め設定された所定値と一致するか否かを判定する。
【0168】
移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させるとの開始当選であれば(S1220:Yes)、予め設定された移行判定待機期間としての変動表示所定回数(例えば30回)をカウンタにセットして(S1230)ステップ1245に進む。なお、ステップ1225にてカウンタセットが既になされていると判定されれば、ステップ1235にて前記カウンタをデクリメントして(S1235)ステップ1245に進む。一方、移行判定開始抽選の結果が移行判定を開始させないとの外れ結果であれば(S1220:No)前記カウンタをデクリメントして(S1240)ステップ1245に進む。
【0169】
ステップ1245では、カウンタの値が0になったか否かを判定する。カウンタの値が0になっている場合(S1245:Yes)には、移行判定待機期間が経過したとみなし、移行抽選フラグを立てて1とする(S1250)。その後、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1255)、続いて、特典遊技から通常遊技への移行に至るまでの変動表示において開始当選である旨を表示する移行変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1260)、ステップ1275に進む。
【0170】
カウンタの値が0になっていない場合(S1245:No)には、移行判定待機期間が経過していないとみなし、外れ確定図柄としての図柄を複数の外れ図柄の中から選択し(S1265)、続いて、外れ確定図柄に至るまでの変動表示における外れ変動パターンを、複数の変動パターンの中から選択し(S1270)、ステップ1275に進む。
【0171】
続くステップ1275では、それ以前の処理として選択された変動開始コマンド、停止図柄に至るまでの変動パターン等の情報を含む各種信号を、図柄制御基板41b、ランプ制御基板45および音制御基板46に送信する。そして、該ステップ1275では、移行判定開始抽選の結果が開始当選である旨をLCD41aにて表示させるように、主制御基板39から図柄制御基板41bへコマンドを送信する。
【0172】
以上の制御を行う本実施形態によれば、図20に示すように移行判定待機期間を設けることにより、遊技者に最低でも32回転の特典遊技を与えることができる。
【0173】
(第8実施形態)
上記第7実施形態では、移行判定待機期間中に再度移行判定開始抽選が行われることがないように制御されているのに対し、本実施形態では、移行判定待機期間中に再度移行判定開始抽選にて開始当選すると、そこから新たに移行判定待機期間が再設定されるように制御されている。
【0174】
図22は、本実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートであり、図の左から右に向けて時間が経過する。図22に示すように特典遊技の期間は、移行判定開始抽選期間と、移行判定待機期間と、移行判定期間との3つの期間からなる。移行判定開始抽選期間および移行判定期間では、特別図柄の変動表示回数がn(nは自然数)回行われ、移行判定待機期間では特別図柄の変動表示回数が予め設定された回数(例えば30回)が最低限行われ、移行判定待機期間中に再度開始当選する毎に移行判定待機期間が加算される。
【0175】
図23は、図22に示す遊技進行を実現するための制御内容を示したフローチャートであり、本実施形態の制御内容は、図21を図23に変更したことを除き第7実施形態と同じ制御内容である。図23は、図21のステップ1235をステップ1236に変更したことを主な特徴点としており、図23中、図21と同じ符号のステップは、第7実施形態と同じ制御を行うステップであるため説明を省略する。また、本実施形態のハード構成は第7実施形態と同じ構成である。
【0176】
本実施形態に係る図23の処理において、ステップ1225にてカウンタセットが既になされていると判定されれば、ステップ1236に進み、移行判定待機期間としての変動表示所定回数(例えば30回)を再度カウンタにセットして、ステップ1265の処理に進む。なお、第7実施形態では、ステップ1230の処理後はステップ1245にて移行判定待機期間が経過したかを判定しているのに対し、本実施形態では、ステップ1230の処理後はステップ1245の判定をすることなくステップ1265に進む。
【0177】
以上の制御を行う本実施形態によれば、図22に示すように移行判定待機期間中に再度開始当選すると、そこから新たに30回転付与することになるので、遊技者に特典遊技を更に長時間与える可能性を付与することができる。従って、初回における開始当選は遊技者にとってはマイナス的な役割であるのが、それ以後の移行判定待機期間中における開始当選は遊技者にプラスの役割を果たすことになる。
【0178】
(第9実施形態)
本実施形態では、LCD41aにて開始当選の表示を開始した時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に移行判定が行われるように構成されている。そして、前記移行判定待機期間中に、この移行判定待機期間の残り期間を、図24の符号P3に示す如くLCD41aにて表示するように構成されている。図24の表示例では、特別図柄の変動表示があと24回行われると移行判定が実行される旨を、遊技者が知ることとなる。このように、移行判定実行開始までの残り変動表示回数を表示することにより、遊技者はその回数と、開始当選を想起させる絵(例えば爆弾の絵)P2がLCD41aにいつ表示されるかに注視することになり、緊張感のある遊技を行うことができるようになる。
【0179】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、始動口52への入球タイミングで移行判定開始乱数および移行乱数を取得しているが、本発明はこのようなタイミングに限られるものではなく、他の入球口への入球タイミングで移行判定開始乱数および移行乱数を取得してもよいし、移行判定開始乱数および移行乱数の取得起因とする専用の入球口を設けるようにしてもよい。
【0180】
また、上記各実施形態では、開始当選報知手段および移行決定報知手段としてLCD41aを採用しているが、本発明のこれらの報知手段は、LCD41aに限定されるものではなく、例えばエレクトロルミネッセンスパネル(ELパネル)、発光ダイオードLED、バルブ等を用いた表示でもよい。また、表示による報知に限らず、音により報知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の第1実施形態に係るパチンコ機10の外観斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機10の背面図である。
【図3】図1に示す遊技盤22の正面図である。
【図4】第1実施形態に係るパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、メインルーチン処理について示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、保留記憶処理について示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態における主制御基板39で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態による遊技の進行を示すタイムチャートである。
【図11】第1実施形態によるLCD41aの表示態様の変化を示す図であり、(a)は移行判定開始抽選時における表示態様を示す図、(b)は開始当選時における表示態様を示す図、(c)は移行判定時における表示態様を示す図、(d)は移行決定時における表示態様を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態による遊技の進行を示すタイムチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
【図16】第4実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、終了条件選択処理について示すフローチャートである。
【図17】本発明の第5実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図18】本発明の第6実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図19】第6実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図20】本発明の第7実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートである。
【図21】第7実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図22】本発明の第8実施形態に係る特典遊技期間中の遊技進行を示すタイムチャートである。
【図23】第8実施形態における主制御基板で実行される処理のうち、図柄変動処理について示すフローチャートである。
【図24】本発明の第9実施形態に係るLCD41aの表示態様を示す図である。
【符号の説明】
【0182】
41a…LCD(開始当選報知手段,移行決定報知手段)
S420,S505,S600…大当り判定手段
S525…移行判定開始抽選手段
S605…移行判定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された大当り乱数の値に基づいて、遊技盤に設けられた大入賞口を閉鎖した遊技から、前記大入賞口を開放する大当り遊技へ移行させるか否かを判定する大当り判定手段を備え、
前記大入賞口を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技とが設定され、かつ、前記特典遊技は前記大当り遊技が終了した後に移行可能に設定された弾球遊技機において、
前記特典遊技から前記通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段と、
前記移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う移行判定開始抽選手段と、
前記移行判定開始抽選の結果が前記移行判定を開始させるとの開始当選である場合に、該開始当選を遊技者に報知する開始当選報知手段と、
前記移行判定の結果が前記通常遊技へ移行させるとの移行決定である場合に、該移行決定を遊技者に報知する移行決定報知手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段と、
前記移行判定の結果が前記開始当選である場合に、前記移行判定手段および前記終了条件判定手段のうちいずれの手段を実行させるかを振り分ける振分手段とを備え、
前記振分手段により前記終了条件判定手段が実行されるように振り分けられ、前記終了条件判定手段により前記特典遊技終了条件を満たしていると判定された場合には、前記特典遊技を終了させて前記通常遊技へ移行させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
遊技者により選択操作される操作手段を備え、
前記振分手段による振り分け先を、前記操作手段による選択操作によって決定することを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記大当り判定手段による判定回数が前記大当り遊技の終了時点から所定の最大回数に達していることを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2または3に記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記大当り遊技が終了した後に次回の大当りが発生したことを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記移行判定開始抽選には複数の当選確率が設定されており、
前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択する当選確率選択手段を備え、
前記移行判定開始抽選手段は、前記当選確率選択手段により選択された当選確率に基づいて前記移行判定開始抽選を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項7】
変動表示される複数の特別図柄が所定の組み合わせの図柄で停止表示された後に、前記大当り遊技は開始されるように設定されており、
前記当選確率選択手段は、前記停止表示された図柄の種類に応じて、前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記移行判定開始抽選手段によって連続して行われる前記移行判定開始抽選を、所定の上限回数で終了するように設定したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項9】
前記開始当選報知手段による前記開始当選の報知開始時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項10】
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とし、前記始動口へのn+1回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第2大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の後に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項11】
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の前に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項1】
遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された大当り乱数の値に基づいて、遊技盤に設けられた大入賞口を閉鎖した遊技から、前記大入賞口を開放する大当り遊技へ移行させるか否かを判定する大当り判定手段を備え、
前記大入賞口を閉鎖した遊技には、通常遊技と、該通常遊技に比べて大当り遊技への移行が容易となる特典遊技とが設定され、かつ、前記特典遊技は前記大当り遊技が終了した後に移行可能に設定された弾球遊技機において、
前記特典遊技から前記通常遊技へ移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段と、
前記移行判定を開始させるか否かの移行判定開始抽選を行う移行判定開始抽選手段と、
前記移行判定開始抽選の結果が前記移行判定を開始させるとの開始当選である場合に、該開始当選を遊技者に報知する開始当選報知手段と、
前記移行判定の結果が前記通常遊技へ移行させるとの移行決定である場合に、該移行決定を遊技者に報知する移行決定報知手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
特典遊技終了条件を満たしているか否かを判定する終了条件判定手段と、
前記移行判定の結果が前記開始当選である場合に、前記移行判定手段および前記終了条件判定手段のうちいずれの手段を実行させるかを振り分ける振分手段とを備え、
前記振分手段により前記終了条件判定手段が実行されるように振り分けられ、前記終了条件判定手段により前記特典遊技終了条件を満たしていると判定された場合には、前記特典遊技を終了させて前記通常遊技へ移行させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
遊技者により選択操作される操作手段を備え、
前記振分手段による振り分け先を、前記操作手段による選択操作によって決定することを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記大当り判定手段による判定回数が前記大当り遊技の終了時点から所定の最大回数に達していることを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2または3に記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記大当り遊技が終了した後に次回の大当りが発生したことを、前記特典遊技終了条件として設定したことを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記移行判定開始抽選には複数の当選確率が設定されており、
前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択する当選確率選択手段を備え、
前記移行判定開始抽選手段は、前記当選確率選択手段により選択された当選確率に基づいて前記移行判定開始抽選を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項7】
変動表示される複数の特別図柄が所定の組み合わせの図柄で停止表示された後に、前記大当り遊技は開始されるように設定されており、
前記当選確率選択手段は、前記停止表示された図柄の種類に応じて、前記複数の当選確率の中から1つの当選確率を選択するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記移行判定開始抽選手段によって連続して行われる前記移行判定開始抽選を、所定の上限回数で終了するように設定したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項9】
前記開始当選報知手段による前記開始当選の報知開始時点から、予め設定された移行判定待機期間が経過した後に、前記移行判定手段による前記移行判定が行われるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項10】
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とし、前記始動口へのn+1回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第2大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の後に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【請求項11】
前記移行判定開始抽選手段は、前記始動口に遊技球が入球したことを起因として抽出された移行判定開始乱数の値に基づいて前記移行判定開始抽選を行うように構成されており、
前記始動口へのn回目の入球に起因して抽出された前記移行判定開始乱数に基づく前記移行判定開始抽選を第1抽選とし、前記n回目の入球に起因して抽出された前記大当り乱数に基づく前記大当り判定手段による判定を第1大当り判定とした場合、
前記移行判定開始抽選手段は、前記第1大当り判定の前に前記第1抽選を行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図15】
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【図19】
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【図21】
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【図23】
【図24】
【公開番号】特開2006−243(P2006−243A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177677(P2004−177677)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
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