説明

弾球遊技機

【課題】遊技盤上に遊技領域をより広く確保することが可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤12と、遊技球を遊技盤12側に発射させる発射手段11と、この発射手段11により発射された遊技球を遊技盤12上の遊技領域16の上部側に案内する案内レール66とを備え、案内レール66を遊技盤12の側部外側の例えば遊技盤保持枠13に略鉛直方向に配置し、その下側に発射手段11を配置したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等、遊技球を遊技盤側に発射する発射手段と、この発射手段により発射された遊技球を遊技盤上の遊技領域の上部側に案内する案内レールとを備えた弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やアレンジボール機等の弾球遊技機は、各種の遊技部品が装着された遊技盤と、遊技球を遊技盤側に発射する発射手段と、この発射手段により発射された遊技球を案内する案内レールとを備えており、発射手段で発射された遊技球は案内レールに案内されて遊技盤側の遊技領域の上部側に案内されるようになっている。
【0003】
この種の弾球遊技機では、案内レールは、例えば遊技盤の前側に、遊技盤の下部側から左側部を経て上部側に至る略円弧状に配設されており、例えば遊技盤の右下に配置された発射手段から発射された遊技球は、この案内レールに沿って遊技盤の前側を通って遊技領域に到達するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−263165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の弾球遊技機では、案内レールが遊技盤の前側に配設され、発射球が遊技盤の前側を通って遊技領域に到達するように構成されているため、遊技盤の前側に遊技領域の他にその案内レールに沿った発射球の案内通路の領域を確保する必要があり、遊技領域を十分に広くできない欠点があった。
【0005】
特に近年の弾球遊技機では、遊技領域内に配置される液晶表示装置等の表示画面が大型化する傾向にあり、それに伴って遊技領域を広く確保する必要性が益々高まっている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技盤上に遊技領域をより広く確保することが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技盤12と、遊技球を前記遊技盤12側に発射させる発射手段11と、該発射手段11により発射された遊技球を前記遊技盤12上の遊技領域16の上部側に案内する案内レール66とを備えた弾球遊技機において、前記案内レール66を前記遊技盤12の側部外側に配置したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技盤12と、遊技球を遊技盤12側に発射させる発射手段11と、該発射手段11により発射された遊技球を遊技盤12上の遊技領域16の上部側に案内する案内レール66とを備えた弾球遊技機において、案内レール66を遊技盤12の側部外側に配置しているため、遊技盤12上に遊技領域16をより広く確保することが可能となり、例えば表示画面の大きな液晶表示装置等を採用しても、その他の遊技部品を余裕を持って配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図9は本発明をパチンコ機として具現化した第1の実施形態を例示している。1は矩形状の外枠で、その前側には前枠2が上下一対のヒンジ3を介して開閉自在に枢着されている。
【0010】
4はガラス扉(前扉体)、5は前面開閉扉で、これらは前枠2の窓孔6に対応して上下に配置され、ヒンジ6a(図2,図3)により前枠2に開閉自在に枢支されている。7は発射用の遊技球を貯留する上皿で、前面開閉扉5の前側に装着され、上皿カバー8により覆われている。また、9は余剰球等を貯留する下皿で、前面開閉扉5の下側で前枠2の前側に配置され、下皿カバー10により覆われている。下皿9の一側、例えば右側には、後述する発射手段11を操作するための発射ハンドル11aが、前枠2の前側に突出状に配置されている。
【0011】
12は遊技盤で、前枠2の窓孔6に対応するように、前枠2の裏側の遊技盤装着枠(遊技盤保持枠)13に裏側から着脱自在に装着され、窓孔6の下部側で前枠2の裏側に装着された下部支承板(遊技盤保持枠)14の支持枠41により下側から支持されている。
【0012】
遊技盤12の前側には遊技領域16が形成されており、その遊技領域16内には、中央表示装置17、特別図柄始動手段18、大入賞手段19、普通図柄始動手段20、普通入賞手段21等の各種遊技部品が配置されている。また、遊技領域16の最下部にはアウト口22が設けられている。
【0013】
中央表示装置17は、遊技盤12に前面側から装着された表示ケース23と、この表示ケース23の略中央に配置された例えば液晶式の特別図柄表示手段24と、表示ケース23の例えば上部側に配置された例えば7セグメント式の普通図柄表示手段25とを備えている。
【0014】
普通図柄表示手段25は、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段20が遊技球を検出することを条件に数字図柄等の普通図柄を所定時間変動表示して、予め定められた当たり態様又はそれ以外の外れ態様で停止するようになっている。
【0015】
特別図柄始動手段18は、例えば開閉自在な左右一対の開閉爪18aを備えた電動チューリップ等の開閉入賞手段により構成されており、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が予め定められた当たり態様となったときに、開閉爪18aが所定時間開放するようになっている。
【0016】
特別図柄表示手段24は、表示画面上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄を変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件に、キャラクター画像等の演出画像と共に特別図柄を所定の変動パターンで変動表示して、所定の大当たり態様又はそれ以外の外れ態様で停止させるようになっている。
【0017】
大入賞手段19は、いわゆるアタッカーを構成するもので、例えば下部側の横軸廻りに開閉自在な開閉板19aを備え、特別図柄表示手段24の変動後の停止図柄が予め定められた大当たり態様を表示することを条件に開閉板19aが前側に開放するようになっている。また、大入賞手段19は、開閉板19aの開放後に所定時間(例えば30秒)が経過したとき、又はその所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板19aを閉じると共に、入賞した遊技球が内部の特定領域を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。
【0018】
遊技盤12の裏側には、図9に示すように裏カバー31が装着されている。裏カバー31は、中央表示装置17等の遊技部品の裏側を保護すると共に、大入賞手段19等の入賞手段に入賞して遊技盤12の裏側に案内された遊技球、或いはアウト口22から遊技盤12の裏側に案内された遊技球を、排出口31aを介して遊技機外に排出する機能を有しており、例えば内部が透視可能な透明なプラスチック等により形成されている。また、裏カバー31の裏側には、例えば主制御基板等の各種制御基板を収納する基板ケース(図示省略)が着脱自在に装着されている。
【0019】
遊技盤装着枠13は門形状であって、前枠2の窓孔6に沿って前枠2の裏側に固定され、この遊技盤装着枠13の下端部間に、前面開閉扉5の裏側に対応するように下部支承板14が前枠2の裏側に固定されている。遊技盤装着枠13には、遊技盤12を裏側から押圧して固定するように、裏機構板32が上下一対のヒンジ33により開閉自在に枢着され、締結具34により遊技盤装着枠13に締結されている。
【0020】
裏機構板32には、その略中央部に裏カバー31が嵌合する開口部35が形成され、この開口部35の上側に遊技球タンク36が、左右一側に払い出し手段37が、下側に通路ユニット38及び上皿接続口39が夫々設けられており、遊技球が大入賞手段19等に入賞したとき、或いは図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク36内の遊技球を払い出し手段37により払い出し、その遊技球を通路ユニット38、上皿接続口39等を経て上皿7側に案内するようになっている。
【0021】
下部支承板14は例えば合成樹脂製であって、図7〜図9等に示すように、遊技盤12の下側を支持する支持枠41、遊技盤12の遊技領域16の下部側を規定する下部内レール(内レール)42、払い出し手段37から払い出された遊技球を上皿7側に案内する案内通路43、前面開閉扉5を開いたときに案内通路43から零れた遊技球を下皿9側に案内する零れ球回収通路44、スピーカが装着されるスピーカ装着部45、前枠2の裏側からの遊技球を下皿9側に排出する下皿排出口46等が例えば一体に形成されている。
【0022】
支持枠41は、遊技盤12を下側から支持する下支持板41aと、その下支持板41aの前縁側から上向きに突設され且つ遊技盤12の下端部前面側に当接してその前向きの移動を規制する前支持板41bとを例えば一体に備えている。
【0023】
下部内レール42は、支持枠41の前支持板41bの上縁側から前向きに突設されており、遊技盤12側のアウト口22の前側に対応するアウト口案内部42aと、このアウト口案内部42aの左右両側に設けられた集球案内部42bとを例えば一体に備えている。
【0024】
左右の集球案内部42bは、共にアウト口案内部42a側が低い傾斜状に形成されており、遊技領域16の上部側から落下してきた遊技球をアウト口案内部42a側に案内するようになっている。また、アウト口案内部42aは、例えば後下がりの傾斜状に形成されており、集球案内部42bにより集められた遊技球を後方のアウト口22側に案内するようになっている。なお、集球案内部42bは図示のように直線状に形成してもよいし、任意の曲線状、例えば円弧状に形成してもよい。
【0025】
また、下部支承板14の前側には、発射手段11が、左右方向一側、例えば左端側近傍に配置されている。発射手段11は、前面開閉扉5の裏側に装着された球送り手段47により上皿7側から1個ずつ供給される遊技球を発射位置で保持する発射球保持手段48と、この発射球保持手段48上の遊技球を略鉛直上向きに打撃する打撃手段(発射部)49等を備えている。
【0026】
発射球保持手段48は、図5,図6,図8等に示すように、下部支承板14の前面側と共に例えば上面側が開放した矩形箱体を構成しており、その底壁50には打撃手段49の打撃槌49aが上下に通過可能で且つ遊技球の直径よりも小さい保持孔50aが、その側壁51には球送り手段47側からの遊技球が通過可能な供給孔51aが夫々設けられており、上皿7側の遊技球は球送り手段47から供給孔51aを介して発射球保持手段48内に供給され、保持孔50a上の発射位置に保持される。
【0027】
なお、底壁50の上面側は、保持孔50aの周辺部分がすり鉢状に形成されており、球送り手段47から供給された遊技球が保持孔50a上の発射位置に確実に保持されるようになっている。
【0028】
打撃手段49は、例えば電磁ソレノイド等により構成されており、その可動鉄心に設けられた打撃槌49aが発射球保持手段48の保持孔50aを介して上向きに突出する際に、保持孔50a上の発射位置に保持された遊技球を略鉛直上向きに打撃するようになっている。打撃手段49の打撃力は、発射ハンドル11aの操作量に応じた所定強さとなるように図示しない発射制御手段により制御される。なお、打撃手段49は、モータ、ロータリーソレノイド等により打撃槌を例えば揺動させて遊技球を打撃する構成としてもよい。
【0029】
また、下部支承板14の後側には、図9に示すように、ファール球を下皿9側に案内するファール球案内通路52、このファール球案内通路52等からの遊技球を受けて下皿排出口46を介して下皿9側に案内する下皿案内受け部53等が設けられている。
【0030】
遊技盤装着枠13は例えば合成樹脂製であって、図8等に示すように、窓孔6の左右両側に沿って上下方向に配置される左右の縦枠部60,61と、窓孔6の上側に沿って左右方向に配置される横枠部62とで門型状に形成されており、その下端側で下部支承板14に連結されている。
【0031】
遊技盤装着枠13の横枠部62には、図7に示すように、その下面側後部に段差状の遊技盤支持部63が形成されており、その遊技盤支持部63の上面部63aが遊技盤12の上面に略当接して上向きの移動を規制すると共に、その前面部63bが遊技盤12の上縁側前面に当接して前向きの移動を規制している。また、横枠部62の下面側前部は、遊技盤12の遊技領域16の上側を規定する上部内レール64となっている。
【0032】
また、左右の縦枠部60,61は、その内面側後部が遊技盤12の側面に略当接してその左右方向の移動を規制するようになっており、更にその内面側前部が遊技盤12の遊技領域16の左右両側を規定する側部内レール(内レール)65となっている。
【0033】
上記のように、側部内レール65、下部内レール42、及び上部内レール64は、夫々遊技領域16の左右側方、下方、及び上方を規定して、その外側の領域と区画すると共に、遊技領域16内の遊技球をアウト口22側、即ち遊技機外部側に案内するようになっている。
【0034】
左右の縦枠部60,61のうち、発射手段11と同じ側の左縦枠部60には、発射手段11により発射された遊技球を遊技領域16側に案内する案内レール66と、遊技領域16に到達することなくこの案内レール66上で失速したファール球を下皿9側に分岐させるファール球分岐通路67とが設けられている。
【0035】
案内レール66は、左縦枠部60の前側、即ち側部内レール65の外側に対応して、左縦枠部60の長手方向に沿って略鉛直方向に配置されており、ガラス扉4に対応する略全体が、左右の側壁部68,69と後壁部70とで前側に開放する断面コの字型に形成され、前面開閉扉5に対応する下端部の一部は、前壁部71により前側が閉鎖された形状となっている。案内レール66の前側が開放している部分については、ガラス扉4を閉鎖したときにそのガラス扉4によって前側が略閉鎖されるようになっている。
【0036】
なお、案内レール66の全体を前側開放状に形成し、ガラス扉4、前面開閉扉5等によってその前側全体を開閉自在に閉鎖するように構成してもよいし、ガラス扉4に対応する部分の一部分のみを前側開放状に形成してもよい。
【0037】
案内レール66は、その下端側が発射手段11の発射球保持手段48の上端側に連通し、その上端側は遊技盤12側(右側)に緩やかに屈曲して、右側壁部69(側部内レール65)の上部側に設けられた第1発射球出口(発射球出口)72を介して遊技領域16の上部側に連通している。更に、右側壁部69(側部内レール65)の上下方向略中間部分には、第2発射球出口(発射球出口)73が設けられており、案内レール66はその上下方向略中間位置においても第2発射球出口73を介して遊技領域16と連通している。
【0038】
第1発射球出口72の近傍には、図4等に示すように、遊技領域16側からこの第1発射球出口72側への遊技球の戻りを防止する球戻り防止手段74が、例えば右側壁部69に揺動自在に装着されている。
【0039】
また、第2発射球出口73の近傍には発射球案内爪75が設けられている。発射球案内爪75は、図4等に示すように、例えば第2発射球出口73の下側に設けられた前後方向の回転軸75aにより右側壁部69に揺動自在に装着されており、案内レール66内を右下がりの傾斜状に略閉鎖する第1状態(図4に実線で示す)と、右側壁部69に沿って第2発射球出口73を略閉鎖する第2状態(図4に2点鎖線で示す)との間で揺動自在となっている。
【0040】
発射球案内爪75は、通常時はその自重又は図示しない付勢手段により第1状態に保持されており、案内レール66内を遊技球が上向きに移動する際にはその遊技球に押されて一時的に第2状態に移動してその遊技球の通過を許容し、案内レール66内を遊技球が下向きに移動する際にはその遊技球を第2発射球出口73側に案内するようになっている。
【0041】
また、案内レール66の下部側後方には、図6等に示すように、ファール球分岐通路67が案内レール66と略平行に上下方向に配設されており、このファール球分岐通路67の上端側は、後壁部70に設けられたファール球出口76を介して案内レール66側と連通している。ファール球出口76は、案内レール66の下端側よりも上側で且つ少なくとも第2発射球出口73よりも下側に設けられている。
【0042】
また、ファール球出口76の近傍にはファール球案内爪77が設けられている。ファール球案内爪77は、例えばファール球出口76の下側に設けられた左右方向の回転軸77aにより後壁部70に揺動自在に装着されており、案内レール66内を後下がりの傾斜状に略閉鎖する第1状態(図6に実線で示す)と、後壁部70に沿ってファール球出口76を略閉鎖する第2状態(図6に2点鎖線で示す)との間で揺動自在となっている。
【0043】
ファール球案内爪77は、通常時はその自重又は図示しない付勢手段により第1状態に保持されており、案内レール66内を遊技球が上向きに移動する際にはその遊技球に押されて一時的に第2状態に移動してその遊技球の通過を許容し、案内レール66内を遊技球が下向きに移動する際にはその遊技球をファール球出口76側に案内するようになっている。
【0044】
即ち、発射手段11により十分な速度で発射された遊技球は、ファール球案内爪77、発射球案内爪75を蹴り上げながら案内レール66に沿って上向きに案内された後、第1発射球出口72から遊技領域16の上部側に排出されるが、発射手段11による発射速度が十分でなく、遊技球が第1発射球出口72に到達する前に失速してしまった場合には、その失速位置が第1発射球出口72と第2発射球出口73との間であれば、遊技球は第2状態にある発射球案内爪75に案内されて第2発射球出口73から遊技領域16の上下方向中程に排出され、その失速位置が第2発射球出口73とファール球出口76との間であれば、遊技球は第2状態にあるファール球案内爪77に案内されてファール球出口76からファール球分岐通路67側に排出される。なお、ファール球分岐通路67側に排出された遊技球は、ファール球案内通路52、下皿案内受け部53、下皿排出口46を介して下皿9側に排出される。
【0045】
第1発射球出口72の排出側には、第1発射球出口72から排出された遊技球を遊技領域16の右側方向にスムーズに案内するための出口案内レール78が設けられている。出口案内レール78は正面視曲線状、例えば円弧状であって、左縦枠部60の内面側(側部内レール65)と横枠部62の下面側(上部内レール64)との間に例えば一体に設けられ、その上流端側(左端側)は第1発射球出口72の上側で案内レール66の屈曲部66aに滑らかに連結され、その下流端側(右端側)は例えば上部内レール64に滑らかに連結されている。
【0046】
なお、出口案内レール78、側部内レール65、及び上部内レール64で囲まれた領域には、その後縁部側に補強板79が例えば一体に設けられており、この補強板79の裏面側に遊技盤12の前面側が当接するようになっている。
【0047】
以上のように、遊技盤12の遊技領域16は、その左右両側が遊技球装着枠13側の側部内レール65により、下側が下部支承板14側の下部内レール42により、上側が遊技球装着枠13側の出口案内レール78及び上部内レール64により、夫々規定されているため、遊技盤12上に遊技領域16を広く確保することができ、大型の特別図柄表示手段24を採用した場合でもその他の遊技部品を余裕を持って配置することができる。
【0048】
これは、案内レール66を遊技盤12の側部外側に略鉛直方向に配置し、且つ発射手段11をその下側に配置することにより、遊技盤12の前側の例えば側部及び下部に発射球の案内通路の領域を確保する必要がなくなり、特に遊技領域16を左右両側及び下部側に広げることが可能となったことによるものである。
【0049】
ガラス扉4は、図3,図6,図7等に示すように、矩形状の扉枠81と、この扉枠81の前面側に装着された合成樹脂製の扉カバー82と、扉枠81の裏側に固定された左右一対のガラス保持レール83,84と、このガラス保持レール83,84の下端部間で扉枠81の裏側に固定されたガラス受けレール85と、左右のガラス保持レール83,84間に上側から挿入された例えば2枚のガラス板86とを備えている。
【0050】
扉枠81は、例えば板金製であって、例えば遊技領域16に対応する開口部87が形成され、左右一側、例えば左側にヒンジ6aが設けられている。
【0051】
ガラス保持レール83,84及びガラス受けレール85は、板金材を折り曲げることにより、2枚のガラス板86に対応する2個の嵌合溝が形成されており、ガラス扉4を閉じたときには、後側のガラス板86の裏面側が遊技盤装着枠13の前面側に当接若しくは近接して、遊技領域16の前側及び案内レール66の前側を略閉鎖すると共に、ガラス扉4を開放したときには、遊技領域16の前側及び案内レール66の前側が開放されるように、ガラス板86を保持するようになっている。なお、左側のガラス保持レール83は、案内レール66の前側を覆わないように案内レール66よりも外側に配置されている。
【0052】
扉カバー82は、扉枠81を前側から覆うもので、合成樹脂材料により一体成形されており、扉枠81の裏面側から例えばネジ止め等により着脱自在に固定されている。扉カバー82の内周には、扉枠81の開口部87に内側から嵌合する額縁部88が一体に形成されている。額縁部88は、扉枠81が内側から見えないように覆っており、その後端はガラス板86に近接する位置まで延設されている。
【0053】
更に、扉枠81及び扉カバー82には、図3に示すように、案内レール66の前側に対応して例えばスリット状の透視窓81a,82aが、案内レール66の長手方向、即ち上下方向に設けられており、案内レール66内を前側から透視可能となっている。なお、扉カバー82側の透視窓82aは、異物の進入を防止するために透明な合成樹脂等を装着することが望ましい。
【0054】
前面開閉扉5は、図6,図7等に示すように、前枠2に開閉自在に枢着された板金製の開閉板91を備えており、この開閉板91の前側に、上皿7と上皿カバー8とが装着されている。上皿7は、図2等に示すように、払い出し手段37から通路ユニット38、上皿接続口39、案内通路43を介して払い出された遊技球を貯留する貯留部92を例えば発射手段11とは反対側の一側、例えば右側に、この貯留部92の遊技球を一列状に整列させながら発射手段11側に案内する整列部93を発射手段11側の一側、例えば左側に夫々備えている。
【0055】
また、開閉板91の裏側には、打撃手段49の動作と連動して、上皿7の整列部93側の遊技球を発射球保持手段48上に1個ずつ供給する球送り手段47が装着されている。開閉板91の上縁部には、ガラス扉4の扉枠81の下縁側折り曲げリブ81bが前側から嵌合する嵌合受け部91aが一体に形成されており、ガラス扉4を開いた状態でなければ前面開閉扉5を開くことができないようになっている。
【0056】
上記構成のパチンコ機において、遊技者が図外の自動球貸し機を操作すると、島側から供給されて遊技球タンク36内に貯留されている遊技球が払い出し手段37により払い出され、通路ユニット38を経て上皿7に排出される。上皿7内の遊技球は、貯留部92から整列部93側に順次流下しつつ横一列状に整列する。遊技者が発射ハンドル11aを操作すると、打撃手段49の打撃槌49aがその発射ハンドル11aの操作量に対応する所定の強さで間欠的に上下動を繰り返すと共に、これと連動して球送り手段47により整列部93側の遊技球が遊技球保持手段48上の発射位置に1個ずつ供給され、これによって遊技球が略鉛直上向きに順次発射される。
【0057】
発射された遊技球は、ファール球案内爪77、発射球案内爪75を蹴り上げながら案内レール66に沿って上向きに案内された後、第1発射球出口72から出口案内レール78に沿って遊技領域16の上部側に排出される。発射手段11による発射速度が十分でなく、遊技球が第1発射球出口72に到達する前に失速してしまった場合には、その失速位置が第1発射球出口72と第2発射球出口73との間であれば、遊技球は発射球案内爪75に案内されて第2発射球出口73から遊技領域16の上下方向中程に排出される。
【0058】
また、発射球が第2発射球出口73よりも下側で失速した場合には、ファール球案内爪77に案内されてファール球出口76からファール球分岐通路67側に排出され、ファール球案内通路52、下皿案内受け部53、下皿排出口46を介して下皿9側に排出される。
【0059】
なお、遊技者は、ガラス扉4のガラス板86及び透視窓81a,82aを介して、案内レール66内を案内される遊技球の様子を遊技機の前側から確認することができる。
【0060】
遊技領域16内に案内された遊技球は、遊技釘等に衝突しながら遊技盤12に沿って落下する間に普通入賞手段21等に入賞するか、或いは側部内レール65、下部内レール42に案内されてアウト口22に入り、共に遊技盤12の裏側に案内されて裏カバー31の下部で集められ、裏機構板32側の回収通路を経て島側に回収される。
【0061】
案内レール66内で例えば球詰まりが発生した場合や、案内レール66内を清掃する場合には、ガラス扉4を開放すれば、案内レール66の前側を開放することができ、案内レール66内の遊技球の除去や案内レール66内の清掃を容易に行うことができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、発射手段11により発射された遊技球を遊技盤12上の遊技領域16の上部側に案内する案内レール66を遊技盤12の側部外側に配置しているため、少なくとも遊技盤12の側部前側に案内レール66に沿った発射球の案内通路の領域を確保する必要がなく、遊技領域を左右方向に広く確保することが可能となる。これにより、例えば表示画面の大きな液晶表示装置等を採用しても、その他の遊技部品を余裕を持って配置することができる。
【0063】
また、案内レール66を遊技盤12の側部外側に沿って略鉛直方向に配置し、更に発射手段11の打撃手段(発射部)49を案内レール66の下側に配置して遊技球を案内レール66に沿って略鉛直上向きに発射するように構成しているため、遊技盤12の側部だけでなく下部前側についても案内レール66に沿った発射球の案内通路の領域を確保する必要がなく、遊技領域を上下方向にもより広く確保することが可能となる。
【0064】
更に、案内レール66を遊技盤12を保持する遊技盤装着枠(遊技盤保持枠)13に設けているため、スペースを有効に活用でき、また例えば遊技盤12の交換による機種変更等の際のコストを低く抑えることができる。
【0065】
遊技盤12上の遊技領域16の左右側方を規定する側部内レール65及び下方を規定する下部内レール42を遊技盤12を保持する遊技盤装着枠13及び下部支承板14(遊技盤保持枠)に設けているため、遊技盤12側にそれら内レールを配置する必要がなく、遊技盤12側の構成を簡略化でき、例えば遊技盤12の交換による機種変更等の際のコストを低く抑えることができる。
【0066】
また、案内レール66はその前側の少なくとも一部が開放状に形成され、ガラス扉(前扉体)4によりその案内レール66の前側を開閉自在に覆うように構成しているため、案内レール66内で球詰まりが生じた場合や案内レール66内の清掃を行う場合の作業を容易に行うことができると共に、案内レール66の開閉専用の前扉体を設ける場合と比べて構成を簡略化できる。
【0067】
更に、ガラス扉(前扉体)4に、前記案内レール66内を前側から透視可能な透視窓81a,82aを設けているため、遊技者は案内レール66内を案内される遊技球の様子を遊技機の前側から確認することができる。
【0068】
案内レール66に、複数の発射球出口72,73を設けているため、例えば遊技者が発射ハンドル11aの操作量を調節することにより異なる発射球出口から遊技領域16内に遊技球を打ち込むことが可能となり、より一層変化に富んだ遊技が可能となる。
【0069】
図10は、本発明の第2の実施形態を例示し、案内レール66をユニット構造として遊技盤装着枠13に着脱可能に構成した例を示している。
【0070】
レールユニット101は、左側壁部68、右側壁部69、後壁部70、前壁部71、第1発射球出口72、第2発射球出口73、ファール球出口76、球戻り防止手段74、発射球案内爪75、ファール球案内爪77等を含む案内レール66の略全体をユニット化したもので、遊技盤装着枠13の左縦枠部60の前側に設けられた取り付け凹部102に対して取り付けネジ103や係脱可能な係合爪等により着脱自在に装着されている。
【0071】
案内レール66は他の部分に比べて遊技球の擦れによる摩耗等が生じやすいと考えられるため、このようにユニット化して容易に着脱可能に構成することで、最小限のコストで遊技機本体を長く利用することができる。
【0072】
また、図10の例では、下部内レール42の中央部分に下向きのアウト口22を設け、更にそのアウト口22の下側に連通するアウト球案内通路104を例えば前支持板41bに沿って設けている。このように、アウト口22及びアウト球案内通路104を下部支承板14側に設けることで、遊技盤12側にアウト口22の排出経路を設ける必要がなく、遊技盤12側の構成を更に簡略化することができる。なお、このようなアウト口22の構成は、この第2の実施形態の場合に限って採用できるものではなく、第1の実施形態等においても同様に採用することができる。また、第2の実施形態において第1の実施形態と同様のアウト口22の構成を採用してもよいことは言うまでもない。
【0073】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、案内レール66を遊技盤装着枠13の右縦枠部61側に設け、遊技球を遊技領域16の右側上部に案内するようにしてもよい。この場合、発射手段11はその下側、即ち前枠2の右下部に設ければよい。
【0074】
案内レール66の前側はその全体が開放状であってもよいし、その一部分のみが開放状であってもよい。案内レール66の前側を開閉可能な前扉体を、ガラス扉4とは別に例えば遊技盤装着枠13側に設けてもよい。この場合、前扉体には案内レール66の内部を前側から透視可能な透視窓を設けることが望ましい。この透視窓は、前扉体の少なくとも一部分を透明としたものであってもよいし、その一部にスリット状等の透視孔を設けたものであってもよい。また、透視窓を設けなくてもよい。ガラス扉4の透視窓81a,82aも省略することができる。
【0075】
ガラス扉4を、前枠3の前側で且つ前面開閉扉5よりも上側の略全体を開閉自在に覆うように設けてもよい。
【0076】
案内レール66には、発射球出口を3カ所以上設けてもよいし、1カ所のみ設けてもよい。第1発射球出口72だけでなく、他の発射球出口にも球戻り防止手段を設けることが望ましい。球戻り防止部は、遊技盤装着枠13側に設けてもよいし、遊技盤12側に設けてもよい。
【0077】
出口案内レール78をガラス扉4側に設け、ガラス扉4を閉じたときに所定位置に位置決めされるように構成してもよい。また、出口案内レール78は遊技盤12側に設けてもよい。案内レール66をレールユニット101としてユニット化する場合には、そのレールユニット101側に出口案内レール78を設けてもよい。出口案内レール78は遊技盤装着枠13、ガラス扉4、遊技盤12、レールユニット101等に対して着脱可能としてもよい。第1発射球出口72の球戻り防止手段74は、出口案内レール78側に設けてもよい。
【0078】
下部内レール42、側部内レール65の少なくとも一部を遊技盤12側に設けてもよい。下部内レール42は下部支承板14に対して着脱可能としてもよい。また、側部内レール65についても遊技盤装着枠13に対して着脱可能としてもよい。
【0079】
発射球案内爪75、ファール球案内爪77等については、発射方向に通過する遊技球は当接し難く、発射方向とは逆方向の遊技球のみを所定方向に案内するように構成することが望ましい。例えば、それら案内爪75、77をソレノイド等により揺動駆動可能な構成とし、遊技球の通過方向に応じてその揺動位置を自動的に切り換えるようにしてもよい。また、例えば案内レール66を前後方向及び/又は左右方向に若干傾斜させて配置し、遊技球の通過経路を発射方向に移動する場合と反発射方向に移動する場合とで異ならせ、反発射方向の通過経路上に案内爪75、77を設けてもよい。この場合、発射方向の通過経路側には案内爪75、77との間に遊技球1個分以上の隙間を設けることが望ましい。また、このように遊技球の通過経路を発射方向に移動する場合と反発射方向に移動する場合とで異ならせる場合には、揺動可能な案内爪75、77を省略することも可能である。
【0080】
また、例えば案内レール66の内側の壁面には、遊技球を案内する例えばV字形の案内溝等を設けてもよい。
【0081】
発射手段11をユニット化して、例えば発射球保持手段48、打撃手段49等を一体で前枠2側に着脱自在に装着してもよい。球送り手段47等をこの発射手段11のユニット側に設けてもよい。
【0082】
アウト口22は、遊技領域16の左右一端側にずらした位置に設けてもよい。下部内レール42の下側に配置されている構成部分を避けてアウト口22を設けることにより、遊技領域16を更に広くすることも可能である。また、アウト口22を複数設けてもよい。
【0083】
払い出し手段37は、裏機構板32の開口部35の左側に設けてもよいし、下側等に設けてもよい。もちろん、裏機構板32以外の場所に設けてもよい。
【0084】
更に、実施形態ではパチンコ機を例に挙げて説明したが、アレンジボール機、雀球遊技機、その他の各種の弾球遊技機においても同様に実施可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の全体正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の横断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の横断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の案内レール近傍の部分断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の発射手段近傍の部分断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の縦断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の縦断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤装着枠及び下部支承板の斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤装着枠、下部支承板、裏機構板、及び遊技盤の分解斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示す遊技盤装着枠及び下部支承板の斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
4 ガラス扉(前扉体)
11 発射手段
12 遊技盤
13 遊技盤装着枠(遊技盤保持枠)
14 下部支承板(遊技盤保持枠)
16 遊技領域
42 下部内レール(内レール)
49 打撃手段(発射部)
65 側部内レール(内レール)
66 案内レール
81a 透視窓
82a 透視窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤(12)と、遊技球を前記遊技盤(12)側に発射させる発射手段(11)と、該発射手段(11)により発射された遊技球を前記遊技盤(12)上の遊技領域(16)の上部側に案内する案内レール(66)とを備えた弾球遊技機において、前記案内レール(66)を前記遊技盤(12)の側部外側に配置したことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記案内レール(66)を前記遊技盤(12)の側部外側に沿って略鉛直方向に配置したことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記発射手段(11)の発射部(49)を前記案内レール(66)の下側に配置し、遊技球を前記案内レール(66)に沿って略鉛直上向きに発射するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記案内レール(66)を前記遊技盤(12)を保持する遊技盤保持枠(13)に設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記案内レール(66)を前記遊技盤保持枠(13)に着脱自在に装着したことを特徴とする請求項4に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記遊技盤(12)上の遊技領域(16)の少なくとも左右側方及び下方を規定する内レール(42)(65)を前記遊技盤(12)を保持する遊技盤保持枠(13)(14)に設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記案内レール(66)はその前側の少なくとも一部が開放状に形成され、その案内レール(66)の前側を開閉自在に覆う前扉体(4)を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記前扉体(4)に、前記案内レール(66)内を前側から透視可能な透視窓(81a)(82a)を設けたことを特徴とする請求項7に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−200529(P2008−200529A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139148(P2008−139148)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【分割の表示】特願2002−275265(P2002−275265)の分割
【原出願日】平成14年9月20日(2002.9.20)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】