弾球遊技機
【課題】
弾球遊技機への電源の供給の有無又は弾球遊技機の電源スイッチのON/OFFに関わらず、ホールコンピュータに検出信号又は検出信号に準ずる信号を出力可能とした弾球遊技機を提供する。
【解決手段】
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。
弾球遊技機への電源の供給の有無又は弾球遊技機の電源スイッチのON/OFFに関わらず、ホールコンピュータに検出信号又は検出信号に準ずる信号を出力可能とした弾球遊技機を提供する。
【解決手段】
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面枠又は意匠枠が閉鎖状態であるか否かを遊技施設に設けられるホールコンピュータに出力する弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機の前面枠又は意匠枠が開閉状態を検出する検出スイッチが設けられ、検出スイッチによる検出信号を中継基板を介して遊技施設に設けられるホールコンピュータ(又は島管理コンピュータ)に出力するように構成されて、ホールコンピュータによって不正の監視を行っていた(特開2001−149614号公報)。
その後、枠開放に伴う報知の強化を目的として、遊技を統括して制御する主制御装置でも前面枠又は意匠枠が閉鎖状態にあるか否かを判断する必要性が高まり、枠閉鎖検出スイッチによる検出信号を主制御装置へ出力し、主制御装置内で分岐して一方を主制御装置に搭載されるCPUへ、他方を外部接続端子へと出力する発明もなされている。
【特許文献1】特開2001−149614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記構成を採用しても、弾球遊技機への電源の供給が行われている状態又は弾球遊技機の電源スイッチがONの状態では機能するものの、弾球遊技機への電源の供給が断たれている状態又は弾球遊技機の電源スイッチがOFFの状態では、枠閉鎖検出スイッチ及び主制御装置への電源供給が行われないため、ホールコンピュータに検出信号が出力されず、遊技施設の閉店後から開店までの間に遊技施設内に侵入して前面枠又は意匠枠を開放して不正行為が行われても、ホールコンピュータでは前面枠又は意匠枠の開閉状態を判断できない状態であり、不正対策として万全ではなかった。
【0004】
そこで、弾球遊技機への電源の供給の有無又は弾球遊技機の電源スイッチのON/OFFに関わらず、ホールコンピュータに検出信号又は検出信号に準ずる信号を出力可能とした弾球遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の弾球遊技機は、外枠に開閉自在に蝶着される前面枠又は前面枠に開閉自在に蝶着される意匠枠の閉鎖状態を検出する閉鎖検出手段と、該閉鎖検出手段から出力される検出信号又は該検出信号に準ずる信号を直接又は間接的に受信する外部接続端子装置と、を備えた弾球遊技機において、該弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する通常時供給手段と、前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されていないときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する停電時供給手段と、を設け、前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているか否かに関わらず、前記外部接続端子装置から弾球遊技機の外部装置へと前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態に応じた信号を出力することを特徴とする。
【0006】
ここで、検出信号に準ずる信号とは、検出信号と同様に前面枠又は意匠枠の開閉状態を示す信号であれば何ら差し支えない。
直接又は間接的に受信するとは、閉鎖検出手段と外部接続端子装置との信号伝達経路上に中継基板又は各種制御装置を配置しても問題ないことを示している。
通常時供給手段とは、弾球遊技機に電源が供給され、且つ、電源スイッチがONの状態であるときに閉鎖検出手段に電源を供給する手段であり、弾球遊技機の外部から供給される電源を加工して得られる電源を供給する手段であることを示している。
停電時供給手段とは、弾球遊技機に電源が供給が断たれた状態、又は電源スイッチがOFFの状態であるときに閉鎖検出手段に電源を供給する手段であり、電池(1次電池、2次電池)、コンデンサから閉鎖検出手段に電源を供給する手段としても何ら差し支えない。
【0007】
請求項2記載の弾球遊技機は、請求項1記載の弾球遊技機において、遊技を統括して制御する主制御装置が前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を受信し、前記主制御装置から出力される前記検出信号又は該検出信号に準ずる信号を前記外部接続端子装置に出力するように構成し、前記主制御装置に電源が供給されているときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力する構成とし、前記主制御装置に電源が供給されていないときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに入力されることなく、受信した前記検出信号を外部接続端子装置に出力することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の弾球遊技機は、請求項1記載の弾球遊技機において、前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を振分装置が受信するように構成し、前記振分装置は該振分装置への電源の供給状態に応じて前記検出信号の出力先を振り分ける振分手段を備え、電源が前記振分装置に供給されているときには、遊技を統括して制御する主制御装置に受信した前記検出信号を出力し、電源が前記振分装置に供給されていないときには、外部接続端子装置に受信した前記検出信号を出力する構成とし、前記主制御装置が前記検出信号を受信すると、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の弾球遊技機は、請求項1乃至3記載の弾球遊技機において、前記停電時供給手段は前記閉鎖検出手段に搭載される電池としたことを特徴とする。
【0010】
ここで、電池とは、充電の不可能な一次電池、充電可能で繰り返し使用できる二次電池を含むものであり、いずれの電池を採用しても何ら差し支えない。
【0011】
請求項5記載の弾球遊技機は、請求項1乃至3記載の弾球遊技機において、前記停電時供給手段は前記弾球遊技機に設けられる電源基板に搭載されるコンデンサとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の弾球遊技機によれば、弾球遊技機への電源の供給の有無、弾球遊技機の電源スイッチのON/OFFに関わらず、閉鎖検出手段により前面枠又は意匠枠の閉鎖状態を検出することが可能となり、遊技施設の閉店後から開店までの間に遊技施設内に侵入して前面枠又は意匠枠の開放を伴う不正行為の発生を弾球遊技機の外部装置(ホールコンピュータ等)で判断可能とすることができる。
【0013】
請求項2記載の弾球遊技機によれば、請求項1記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、閉鎖検出手段と外部接続端子装置との信号伝達経路上に主制御装置を配置することで、弾球遊技機に電源が供給され、且つ、電源スイッチがONの状態であるときに前面枠又は意匠枠の開放報知を十分に行うことができる。
【0014】
請求項3記載の弾球遊技機によれば、請求項1記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、閉鎖検出手段と外部接続端子装置との信号伝達経路上に振分装置を配置することで、弾球遊技機に電源が供給され、且つ、電源スイッチがONの状態であるときには前面枠又は意匠枠の開放報知を十分に行うことができる。
【0015】
請求項4記載の弾球遊技機によれば、請求項1乃至3記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、弾球遊技機に電源が供給が断たれた状態、又は電源スイッチがOFFの状態であるときにおける閉鎖検出手段の動作電源として閉鎖検出手段に搭載した電池を用いることに限定したものである。
【0016】
請求項5記載の弾球遊技機によれば、請求項1乃至3記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、弾球遊技機に電源が供給が断たれた状態、又は電源スイッチがOFFの状態であるときにおける閉鎖検出手段の動作電源として電源基板に設けられるコンデンサを用いることに限定したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【実施例1】
【0018】
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。
図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとならなる筐体にて各部を保持する構造である。
【0019】
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成されている。
また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠に対して開閉可能に構成されている。
さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠に対して開閉可能に構成されている。
【0020】
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6(図2参照)が設けられている。
尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えない。
【0021】
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
また、意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。
【0022】
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン19(図4参照)および図示しないタッチ板20が設けられている。
前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。
【0023】
続いて、図2にパチンコ機1の裏面図を示し、詳細に説明する。
図2に示す通り、遊技盤8を着脱可能に取り付けられる前面枠3が外枠2に収納されるような構成となっている。
前面枠3には、上方から球タンク22、タンクレール23および払出装置24が設けられ、遊技盤8に設けられる後述する入賞口に遊技球が入球することに基づいて、払出装置24の払出モータ24aが駆動することによって、球タンク22およびタンクレール23に貯留されている遊技球が、前述した上皿12に払い出されることになる。
【0024】
また、遊技盤8の裏面側には、主制御装置50、サブ統合装置53、演出図柄ユニット54が設けられ、前面枠3の裏面側には、払出制御装置51、発射制御装置52、電源装置55が各々設けられ、電源装置55には電源スイッチ55aおよびRAMクリアスイッチ55b、図示しないバックアップ用電源が設けられている。
尚、図3では発射制御装置52が図示されていないが、払出制御装置51で隠れる位置に配置されている。
【0025】
さらに、前面枠3には、外部接続端子板61が設けられており、この外部接続端子板61から遊技状態、遊技結果、エラー等を示す信号がホールコンピュータ70(図4参照)に送られるように構成されている。
尚、本実施例では外部接続端子板61を盤用、枠用を兼用する構成としているが、盤用、枠用の外部接続端子板を個々に備えるように構成しても何ら差し支えない。
【0026】
続いて、図3に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。
図3に示す通り、遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた着円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。
遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54bのLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方には、7セグメントLED等の発光部材により構成される特別図柄表示装置29および普通図柄表示装置30が設けられている。
【0027】
液晶枠飾り28の左右両側または左側には後述する普通図柄作動スイッチ32a(図4参照)を備える普通図柄作動ゲート32が設けられており、下側には後述する特別図柄始動スイッチ31a(図4参照)を備える普通電動役物31が設けられている。
普通電動役物31の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。
大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される特別図柄保留数表示装置29aが、右側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置30aが、各々設けられている。
また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図4参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
【0028】
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート32に入球(普通図柄作動スイッチ32a(図4参照)にて遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置30で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド31b(図4参照)を駆動させる。
普通電役ソレノイド31bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物31の羽根部材が駆動して、普通電動役物31への入球率(特別図柄始動スイッチ31a(図4参照)での検出率)が高まるように構成されている。
【0029】
また、普通電動役物31に入球(特別図柄始動スイッチ31a(図4参照)にて遊技球を検出)すると、特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図4参照)を駆動させる。
大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球率(カウントスイッチ33b(図4参照)での検出率)が高まるように構成されている。
【0030】
続いて、図4にパチンコ機1の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。
尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置55から直接的または間接的に供給される構成となっている(図5参照)。
【0031】
図4に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して普通電動役物31に入球した遊技球を検出する特別図柄始動スイッチ31aと、普通図柄作動ゲート32に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ32aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが、裏配線中継端子板63を介して前面枠3が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠4a・4bが閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
【0032】
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。(図5参照)
また、電池として1次電池を採用する場合には電池の消耗によって交換(電池のみ交換又はリミットスイッチを交換)することとなるが、2次電池を採用する場合には通常時に充電する構成とし、繰り返し利用可能に構成することが望ましい。
【0033】
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物31の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド31bと、図柄表示装置中継端子板64を介して特別図柄を表示する特別図柄表示装置29と、特別図柄の保留数を表示する特図保留数表示装置29aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置30と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置30aと、裏配線中継端子板63および外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
【0034】
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51およびサブ統合装置53に出力する。
また、主制御装置50は、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bから前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態時に出力される検出信号が入力されることで、外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70に前面枠又は意匠枠が閉鎖状態にあることを示す信号(検出信号に準ずる信号)を出力するように構成されている。
ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合装置53への一方向通信回路として構成されている。
【0035】
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク22またはタンクレール23内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22aまたは23aと、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿13への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。
払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
【0036】
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50および発射制御装置52に出力する。
ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
【0037】
発射制御装置52の入力端には、発射を停止するための発射停止スイッチ19aと、発射ハンドル17に遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ20aと、が接続されている。
発射制御装置52の出力端には、遊技球を遊技領域26へ発射するための発射モータ36が接続されている。
発射制御装置52はCPU、ROM、RAMを備えず、IC等で構成されたデジタル回路であり、入力される各種検出信号ならびに払出制御装置51からの入力に基づいて発射モータ36の駆動を制御している。
【0038】
サブ統合装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。
サブ統合装置53の出力端には、意匠枠4a、4bおよび遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠3およびスピーカユニット21に備えられるスピーカ10と、が接続されている。
尚、サブ統合装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
【0039】
サブ統合装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
尚、本実施例では、サブ統合装置53のRAMに記憶された遊技情報を電源断時に保持しない構成としているが、電源装置55からVBB(図5参照)を供給して記憶保持可能とし、復電時に記憶した遊技情報を元に電源断前の遊技を再開する構成としても何ら差し支えない。
RAMの遊技情報を記憶保持する構成とすることで、不正行為を行った際に行われる不正報知を無効化するための様々な条件が発生するため困難となり、不正を容易に発見することが可能となる。
【0040】
また、サブ統合装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
例えば、遊技に伴う演出音声やエラー報知の一部(前面枠3、意匠枠4a、4b等の枠開放/閉鎖報知など)の音声は、音量調節スイッチ10aの状態に応じて変更された音量でスピーカ10から出力され、その他のエラー報知(特殊報知など)は音量調節スイッチ10aの状態に関わらず予め設定された音量でスピーカ10から出力されるように構成することができる。
【0041】
続いて、図5にパチンコ機1の電源供給経路を示すブロック図を示し、詳細に説明する。
尚、このブロック図では、電源装置55と各種制御装置(50、51、52、53、54)を主として記載しており、特別図柄始動スイッチ31a等の遊技球を検出するスイッチに関する記載は省略している。
【0042】
電源装置55には、遊技機外部から(電源中継基板を配置する場合には、電源中継基板を介して)電源としてAC24Vが供給され、このAC24Vから電源装置55内で全波24V、DC5V、DC12V、DC18V、DC24VおよびDC32Vを生成し、各制御装置(50、51)および各端子板(60、65)に必要に応じた電源を供給する構成となっている。
電源装置55には、電源を監視するための給電監視回路および停電監視回路、電源の供給が停止した際に制御装置のRAMに記憶された遊技情報を保持するために必要な電源(VBB)を供給するためのバッテリーバックアップ電源を備えている。
【0043】
給電監視回路および停電監視回路は、電源であるAC24V、電源装置55にて生成される全波24V、DC5V、DC12V、DC18V、DC24VまたはDC32Vの内の少なくとも1つの電圧を監視しており、給電監視回路および停電監視回路は、異なる電圧を監視するように構成しても良いし、同一の電圧を監視するように構成しても何ら差し支えない。
給電監視回路は、監視電圧が所定値以上になった際に電源装置55から主制御装置50および払出制御装置51へ給電開始信号(RST信号)を出力する構成となっている。
停電監視回路は、監視電圧が所定値以下になった際に電源装置55から主制御装置50および払出制御装置51へ停電発生信号(NMI信号)を出力する構成となっている。
【0044】
バッテリーバックアップ電源は、電源スイッチ55aのOFFや停電等によってパチンコ機1に電源が供給できない状態となった際に、主制御装置50および払出制御装置51のRAMに記憶された遊技情報を保持するために必要な電源(VBB)を供給するために用いられている。
ここでは、主制御装置50と払出制御装置51にのみVBBを供給するように構成しているが、RAMに記憶された遊技情報を保持する必要があれば、他の制御装置(例えばサブ統合装置など)にも供給するように構成しても良い。
また、主制御装置50にはDC5V(VBB)を、払出制御装置51にはDC3V(VBB)を供給する構成としているが、RAMに記憶された遊技情報を保持するために必要な電源に合わせてVBBの電圧は適宜変更することが可能であり、電圧を同一としても当然問題ない。
【0045】
さらに、前面枠閉鎖スイッチ38、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに電池を備えない構成であれば、これらスイッチにもVBBを供給するように構成し、電源が遮断されていても前面枠3又は意匠枠4a、4bの開閉状態を出力可能とすることが望ましく、通常時はリミットスイッチにDC12Vを供給しているが、最低動作電圧(ここではDC5V)を供給し、バッテリーバックアップ電源の消耗を極力小さくするように構成することが望ましい。
ここで、DC5V(VBB)は、電源装置55から裏配線中継端子板63を介して前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに供給されるようにしても良いし、電源装置55から主制御装置50及び裏配線中継端子板63を介して前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに供給されるようにしても良い。(図5の括弧内のDC5V(VBB)のいずれかを採用すれば良い。)
【0046】
前面枠3が閉鎖状態にあるときに前面枠閉鎖スイッチ38から出力される検出信号が途絶えることで、ホールコンピュータ70により前面枠3の開放状態への変位又は信号伝達経路の少なくとも一部の断線という状況が生じたと判断することができる。
同様に、意匠枠4a、4bが閉鎖状態にあるときに意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bから出力される検出信号が途絶えることで、ホールコンピュータ70により意匠枠4a、4bの開放状態への変位又は信号伝達経路の少なくとも一部の断線という状況が生じたと判断することができる。
【0047】
演出中継端子板65は、枠の裏面側に設置される電源装置55から遊技盤の裏面側に設置されるサブ統合装置53および演出図柄ユニット54に電源を供給するためのものであり、電源をサブ統合装置53および演出図柄ユニット54に供給すること以外では利用されない。
尚、上記したようにサブ統合装置53および演出図柄ユニット54のRAMに記憶される遊技情報を保持する必要があれば、給電開始信号(RST信号)や停電発生信号(NMI信号)も中継するようにしても何ら差し支えない。
【0048】
その他、様々な制御装置、端子板、スイッチ、モータが記載されているが、本発明の内容と関連性が薄いため、説明を割愛する。
当然、この図に示されていない各種スイッチやアクチュエータ類を備える構成であれば、電源装置55から直接または間接的に供給される構成となっている。
【0049】
続いて、図6及び図7に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと外部出力端子板61との信号伝達経路内に、裏配線中継端子板63及び主制御装置50を介在させる場合の模式図を示し、詳細に説明する。
図6は、主制御装置50に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bによる検出信号を振り分けるためのICを備えている。
主制御装置50に設けられたICは、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が裏配線中継端子板63を介して入力され、その時点での主制御装置50における電源状態(電源装置55から供給される電源が正常であるか否か)によって、信号の出力先を変化する構成となっている。
【0050】
電源が正常に供給されていない状態であれば、主制御装置50に搭載されるCPUに入力することなく、そのまま出力端子へと伝達され、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力され、電源が正常に供給れされている状態であれば、主制御装置50に搭載されるCPUに入力され、該CPUの命令によって裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力される。
【0051】
図6(a)では、ホールコンピュータ70によって信号A又はA’(信号Aに準ずる信号)が入力されているか否か、及び信号B又はB’(信号Bに準ずる信号)が入力されているか否かの判定を行うことは可能であるため、その役割を十分に発揮すると共に、配線の煩雑さが軽減するという効果を奏する。
また、図6(b)では、主制御装置50への電源供給の有無についても入力端子のピンの位置によって判断することが可能であり、より緻密な情報をホールコンピュータ70に提供することができると共に、主制御装置50への電源の供給状態をホールコンピュータ70で把握することが可能となるため、有効である。
【0052】
図7は、裏配線中継端子板63に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bによる検出信号を振り分けるためのICを備えている。
裏配線中継端子板63に設けられたICは、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が入力され、その時点での前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bの電源状態(電源装置55から供給される電源が正常であるか否か)によって、信号の出力先を変化する構成となっている。
【0053】
電源が正常に供給されていない状態であれば、主制御装置50に出力するとなく、そのまま出力端子へと伝達され、外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力され、電源が正常に供給れされている状態であれば、主制御装置50に搭載されるCPUに入力され、該CPUの命令によって裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力される。
【0054】
図7(a)では、ホールコンピュータ70によって信号A又はA’(信号Aに準ずる信号)が入力されているか否か、及び信号B又はB’(信号Bに準ずる信号)が入力されているか否かの判定を行うことは可能であるため、その役割を十分に発揮すると共に、配線の煩雑さが軽減するという効果を奏する。
また、図7(b)は、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bへの電源供給の有無についても入力端子のピンの位置によって判断することが可能であり、より緻密な情報をホールコンピュータ70に提供することができると共に、主制御装置50への電源の供給状態をホールコンピュータ70で把握することが可能となるため、有効である。
【0055】
ここで、図6又は図7における信号A及び信号Bは電圧の変化により状態を知らせる信号であるが、信号A’及び信号B’も同様な信号として構成しても良い。
また、信号A’及び信号B’はパチンコ機1が正常動作中に出力される信号であるため、より詳細な状態を知らせることが可能な構成としても良く、より詳細な状態を知らせるために電圧の変化ではなく、コマンドコードを送信する構成としても良い。
その際、電圧の変化とコマンドコードとを同一出力ピンからは出力できないため、その際は図6(b)又は図7(b)を採用することは言うまでもない。
【0056】
従って、図6又は図7のように構成することで、遊技施設の営業時間中に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに何らかの処置を施して検出信号が途絶えないように前面枠3又は意匠枠4a、4bを開放したとしても、主制御装置50と細工を施した他の制御装置とを交換する不正行為を行った際に、信号伝達経路の一部が断線することになるため、ホールコンピュータ70の監視によって判断が可能となる。
同様に、遊技施設の営業時間中に電源スイッチ55aをOFFにして上記不正行為を行った場合には、営業中にも関わらず信号A、A’、信号B、B’がホールコンピュータ70に入力されないため、ホールコンピュータ70の監視によって判断が可能となる。
【0057】
図6(b)又は図7(b)のように構成することで、遊技施設の営業時間外であっても、主制御装置50と細工を施した他の制御装置とを交換する不正行為を行われた可能性があることをホールコンピュータ70の監視によって判断可能となる。
同様に、電源供給の有無に関わらず、信号A、A’、信号B、B’が出力される構成としているため、遊技施設の営業時間外であっても電源スイッチ55aをON/OFFや信号伝達経路の破断などをホールコンピュータ70の監視によって判断でき、主制御装置50と細工を施した他の制御装置とを交換する不正行為が行われた可能性あるか否かの判断も可能となる。
【0058】
尚、図6(a)又は図7(a)では、信号A系統(信号AとA’)、信号B系統(BとB’)とをホールコンピュータに出力する構成としているが、この限りではなく、前面枠3及び意匠枠4a、4bのいずれかが開放状態となっているときには信号を出力せず、前面枠3及び意匠枠4a、4bの全てが閉鎖状態になっているときには信号を出力する構成としても何ら差し支えない。
その際、ホールコンピュータへの入力がなされないことで、どの枠が開放しているかの判断はできなくなるが、前面枠3又は/及び意匠枠4a、4bのいずれかが開放状態にあることを指しているため、不正が行われている可能性があると判断することができる。
【0059】
同様に、図6(b)又は図7(b)では、信号A、信号A’、信号B及び信号B’とを各々ホールコンピュータに出力する構成としているが、この限りではなく、停電時信号系統(信号Aと信号B)のいずれか(又は正常時信号系統(信号A’と信号B’)のいずれか)が開放状態となっているときには信号を出力せず、信号Aと信号B(又は信号A’と信号B’)が共に閉鎖状態となっているときに信号を出力出力する構成としても何ら差し支えない。
その際、ホールコンピュータへの入力がなされないことで、どの枠が開放しているかの判断はできなくなるが、前面枠3又は/及び意匠枠4a、4bのいずれかが開放状態にあることを指しているため、不正が行われている可能性があると判断することができる。
【0060】
次に、図8ないし図11にパチンコ機1の主制御装置50が実行する処理を示すフローチャートを示し、詳細に説明する。
図8は、パチンコ機1の電源装置55に設けられる電源スイッチ55aを操作することにより電源が各制御装置に供給され、主制御装置50に電源が供給された際に実行される電源投入時処理である。
尚、電源投入時処理は、主制御装置50に備えられるCPUにより電源投入直後に実行される図示しないセキュリティーチェック後に行われる処理である。
【0061】
まず、主制御装置50に電源が供給されるとリセット信号が入力され、上述したようにセキュリティーチェックが実行された後に、RAM初期値設定処理が行われる(S10)。
その後、RAMクリアスイッチ55bが操作されているか否かの判定を行い(S20)、操作されていなければ(S20:no)、RAM保証値が1であるか否かを判断する(S30)。
RAM保証値が1であれば(S30:yes)、SUM値作成処理を実行し(S40)、SUM値が0であるか否かを判断する(S50)。
SUM値が0であれば(S50:yes)、電源復帰処理を実行し(S60)、電源遮断時の遊技情報に基づいて遊技を再開することとなる(リターンへ)。
【0062】
RAMクリアスイッチ55bが操作されていれば(S20:yes)、RAM保証値が1でなければ(S30:no)、SUM値が0でなければ(S50:no)のいずれかの条件を満たしていれば、RAMに記憶された遊技情報をクリアするRAM消去処理を実行し(S70)、リターンへと抜ける。
【0063】
図9は、図8で説明した電源投入時処理が終了した後に、主制御装置50にて実行される基本処理である。
まず、通常割込信号(INT信号)の受信を禁止する割込禁止処理を実行し(S110)、強制割込信号(NMI信号)が入力されたか否かを示すNMIフラグが0であるかを判断し(S120)、NMIフラグが0であれば(S120:yes)、初期値乱数更新処理1(S130)、初期値乱数更新処理2(S140)および初期値乱数更新処理3(S150)を順次実行し、通常割込信号(INT信号)の受信を許可する割込許可処理を実行(S160)した後、S110へ処理を戻し、INT信号またはNMI信号を受信しない限り、上記処理を繰り返し実行する。
【0064】
S120によりNMIフラグが0でなければ(S120:no)、遊技情報をRAMに記憶する遊技情報記憶処理を実行し(S170)、RAMに記憶したSUM値を作成するSUM値作成処理を実行し(S180)、RAM保証値を正常にバックアップが行われたことを示す1にセットし(S190)、RAMに記憶された遊技情報が破壊されないためにRAMライトプロテクト処理を実行し(S200)、電源が供給されなくなるまで無限ループ処理を実行する。
また、S160によりINT信号の受信を許可されたときにINT信号を受信していると、図10に示す割込(INT)処理へと移行する。
【0065】
図10は、図9でINT信号を受信していた際に、主制御装置50にて実行される割込(INT)処理である。
ここで、INT信号は、CPUの内または外に設けられたクロック回路により所定時間毎(2msまたは4ms毎)に定期的に入力される信号である。
尚、CPU内部にクロック回路が形成されている場合は、入力や受信という表現ではなくなるが、ここではCPUの内外問わず、入力や受信という表現を用いることとする。
【0066】
INT信号を受信していると、各種乱数値を更新するための乱数更新処理(S210)、INT割込の回数を計数するタイマ更新処理(S220)、各種スイッチ等から入力される信号または払出制御装置51から入力されるコマンドを処理する各種入力処理(S230)、特別図柄に関する表示制御や各種選択等をするための特別図柄遊技処理(S240)、普通図柄に関する表示制御や各種選択等をするための普通図柄遊技処理(S250)、演出中継端子板65を介してサブ統合装置53へ各種コマンドを送信するための演出制御コマンド送信処理(S260)、払出制御装置51へ各種コマンドを送信するための払出制御コマンド送信処理(S270)、普通電役ソレノイド31bや大入賞口ソレノイド33cの駆動や裏配線中継端子板63および外部中継端子板61を介してのホールコンピュータ70への情報出力等をするための各種出力処理(S280)を順次実行し、リターンへと抜ける。(図9のS110へとジャンプする。)
【0067】
図11は、図9または図10の各処理を実行中にNMI信号を受信した際に、主制御装置50にて実行される割込(NMI)処理である。
NMI信号を受信すると、実行しているプログラムのアドレスをRAMに記憶するレジスタ退避処理を実行し(S310)、NMIフラグをNMI信号を受信したことを示す1にセットし(S320)、S310でRAMに記憶したアドレスに復帰するレジスタ復帰処理を実行し(S330)、リターンへと抜ける。(NMI信号を受信したときに実行していたプログラムを継続して行う。)
【0068】
図8ないし図11のような処理を主制御装置50で実行するように構成したことで、パチンコ機1に供給される電源電圧(AC24V)または電源電圧から生成される供給電圧(全波24V、DC32V、DC24V、DC18V、DC12V、DC5V)の少なくとも1つの電圧を監視し、監視電圧が所定値以下になった際に電源装置55から主制御装置50へ停電発生信号(NMI信号)が出力され、停電発生信号(NMI信号)を主制御装置50が受信することで、RAMへの遊技情報の記憶を確実に行うことができる。
停電発生信号(NMI信号)を受信した際に、即座にバックアップ処理(S170〜S200)を行うことなく、NMIフラグを1にセットする構成としたことで、電源遮断後に電源が復帰した際のプログラムの開始位置をS130からに固定することができ、遊技を再開する際の処理を軽減することが可能となる。
【0069】
続いて、各種入力処理(図10のS230)の一部である枠状態監視処理を図12に示し、前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの入力状態を監視する処理について詳細に説明する。
まず、意匠枠閉鎖信号を受信しているか否かを判断する(S410)。
意匠枠閉鎖信号を受信していれば(S410:yes)、意匠枠閉鎖フラグを1にセット(S420)し、前面枠閉鎖信号を受信しているか否かを判断する(S440)。
意匠枠閉鎖信号を受信していなければ(S420:no)、意匠枠閉鎖フラグを0にセット(S430)し、前面枠閉鎖信号を受信しているか否かを判断する(S440)。
前面枠閉鎖信号を受信していれば(S440:yes)、前面枠閉鎖フラグを1にセット(S450)し、リターンへと抜ける。
前面枠閉鎖信号を受信していなければ(S440:no)、前面枠閉鎖フラグを0にセット(S460)し、リターンへと抜ける。
【0070】
続いて、各種出力処理(図10のS280)の一部である枠状態出力処理を図13に示し、前面枠閉鎖スイッチ38及意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力に準ずる信号を出力する処理について詳細に説明する。
意匠枠閉鎖フラグが1にセットされているか否かを判断する(S510)。
意匠枠閉鎖フラグが1であれば(S510:yes)、意匠枠閉鎖信号A’を出力(S520)し、前面枠閉鎖フラグが1であるか否かを判断する(S540)。
意匠枠閉鎖フラグが0であれば(S510:no)、意匠枠の開放報知を指示する意匠枠開放報知コマンドをサブ統合装置53へ送信(S530)し、前面枠閉鎖フラグが1にセットされているか否かを判断する(S540)。
前面枠閉鎖フラグが1であれば(S540:yes)、前面枠閉鎖信号B’を出力(S550)し、リターンへと抜ける。
前面枠閉鎖フラグが0であれば(S540:no)、前面枠の開放報知を指示する前面枠開放報知コマンドをサブ統合装置53へ送信(S560)し、リターンへと抜ける。
【0071】
意匠枠閉鎖信号A及び前面枠閉鎖信号Bは、上述したようにICに電源が供給されているとき、即ちパチンコ機1に電源が供給され、且つ、電源装置55の電源スイッチ55aがON状態であるときに、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bから主制御装置50のCPUに入力されるものである。
そのため、主制御装置50に搭載されるCPUが正常に作動しているにもかかわらず、意匠枠閉鎖信号A及び前面枠閉鎖信号Bを受信しないということは、前面枠3又は意匠枠4a,4bが開放していることを示し、前面枠開放報知や意匠枠開放報知を指示するコマンドを送信する構成としている。
【0072】
ホールコンピュータ70からの視点で捉えれば、意匠枠閉鎖信号A又は意匠枠閉鎖信号A’は、意匠枠4a、4bが閉鎖状態にあるときにのみ入力される信号であり、いずれかの信号を受信することで、意匠枠4a、4bが閉鎖状態にあることを判断できる。
また、意匠枠閉鎖信号Aが入力されるということは電源がパチンコ機1へ正常に供給されていない状態又は電源スイッチ55aがOFFの状態であることを判断でき、意匠枠閉鎖信号A’が入力されるということは電源がパチンコ機1へ正常に供給されている状態であり、且つ、電源スイッチ55aがONの状態であることを判断することができる。
【0073】
さらに、遊技施設の営業時間外に意匠枠閉鎖信号A又はA’がいずれも入力されないことで、意匠枠4a、4bの開放だけではなく、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bの故障、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからホールコンピュータ70に至る信号伝達経路上が断線(コネクタの接触不良を含む)、制御装置や中継端子板の取り外しなどの異常がパチンコ機1に生じている可能性があることを判断することもできる。
このホールコンピュータ70からの視点は、前面枠閉鎖信号B又は前面枠閉鎖信号B’にも同様に置き換えることが可能であり、単にICによって信号伝達経路を変更するだけでなく、受信する信号によりパチンコ機1の電源の供給状態を把握することができる。
【0074】
尚、意匠枠閉鎖信号Aと意匠枠閉鎖信号A’、前面枠閉鎖信号Bと前面枠閉鎖信号B’を、電圧の変化によって枠の状態を示す信号としているが、意匠枠閉鎖信号A’、前面枠閉鎖信号B’をコマンドコードの送信としても何ら差し支えない。
この場合、図6(b)、図7(b)のように構成することが望ましく、より詳細な情報をホールコンピュータ70に提供することが可能となり、不正対策としての効果がより一層大きくなる。
【0075】
続いて、枠状態出力処理によって出力される信号A、A’、B、B’に応じてホールコンピュータ70で実行される監視処理について図14及び図15を用いて詳細に説明する。
図14は、意匠枠閉鎖信号A、A’を監視し、意匠枠4a、4bの状態を確認するための意匠枠監視処理であり、ホールコンピュータ70によって遊技施設の営業中、非営業中問わず常時実行される処理である。
尚、ここでは、意匠枠閉鎖信号A’はコマンドコードであり、意匠枠4a、4bの状態を示すものとしている。
【0076】
まず、意匠枠閉鎖信号A’を受信しているか否かを判断し(S610)、受信していなければ(S610:no)、意匠枠閉鎖信号Aを受信しているか否かを判断する(S625)。
意匠枠閉鎖信号A’を受信していれば(S610:yes)、電源ONフラグをパチンコ機1の電源が正常に供給されていることを示す1にセットし(S615)、意匠枠閉鎖信号A’が意匠枠の開放状態を示す信号であるか否かを判断する(S620)。
【0077】
意匠枠閉鎖信号A’が意匠枠4a、4bの開放状態を示す信号であれば(S620:yes)、意匠枠閉鎖フラグを意匠枠4a、4bが閉鎖していないことを示す0にセットし(S635)、前面枠閉鎖信号B’を受信しているか否かを判断する(S645)。
意匠枠閉鎖信号A’が意匠枠4a、4bの開放状態を示す信号でなければ(S620:no)、意匠枠閉鎖フラグを意匠枠4a、4bが閉鎖していることを示す1にセットし(S640)、前面枠閉鎖信号B’を受信しているか否かを判断する(S645)。
意匠枠閉鎖信号Aを受信していれば(S625:yes)、電源ONフラグをパチンコ機1の電源が正常に供給されていないことを示す0にセットし(S630)、意匠枠閉鎖フラグを意匠枠4a、4bが閉鎖していることを示す1にセットし(S640)、前面枠閉鎖信号B’を受信しているか否かを判断する(S645)。
【0078】
前面枠閉鎖信号B’を受信していなければ(S645:no)、前面枠閉鎖信号Bを受信しているか否かを判断する(S660)。
前面枠閉鎖信号B’を受信していれば(S645:yes)、電源フラグを1にセットし(S650)、前面枠閉鎖信号B’が前面枠の開放状態を示す信号であるか否かを判断する(S655)。
前面枠閉鎖信号B’が前面枠3の開放状態を示す信号であれば(S655:yes)、前面枠閉鎖フラグを前面枠3が閉鎖していないことを示す0にセットし(S670)、リターンへと抜ける。
前面枠閉鎖信号B’が前面枠3の開放状態を示す信号でなければ(S655:no)、前面枠閉鎖フラグを前面枠3が閉鎖していることを示す1にセットし(S675)、リターンへと抜ける。
【0079】
前面枠閉鎖信号Bを受信していれば(S660:yes)、電源ONフラグをパチンコ機1の電源が正常に供給されていないことを示す0にセットし(S665)、前面枠閉鎖フラグを前面枠3が閉鎖していることを示す1にセットし(S667)、リターンへと抜ける。
意匠枠閉鎖信号Aを受信していない状態(S625:no)、又は前面枠閉鎖信号Bを受信していない状態(S660:no)のいずれかであれば、異常発生フラグを不正行為が行われている可能性があることを示す1にセットし(S680)、リターンへと抜ける。
【0080】
上述したように、ホールコンピュータ70はパチンコ機1の電源供給状態や、主制御装置50が正常に作動している(接続されている)か否かや、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bの接続状態などを把握することができ、営業時間中であるか否かに応じて的確な判断をすることが可能となる。
ここでは、判断することにより各種フラグをセットするように記載しているが、ホールコンピュータ70では各種フラグの状態に応じて、様々な報知をすることが可能であることがいうまでもない。
また、各種フラグの持つ意味合いも遊技施設の営業時間中であるとき、営業時間中でないときによって変化するため、その報知態様も変化することが想定される。
【0081】
このように、本実施例に記載されたパチンコ機1は、裏配線中継端子板63又は主制御装置50に設けられたICによって信号伝達経路を変化させることで、パチンコ機1の状態を外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70に出力することができ、パチンコ機1に不正が行われていることを的確に判断することが可能となる。
また、電源が正常に供給されているときには、主制御装置50のCPUへ前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が入力される構成であるため、パチンコ機1に備えられる演出図柄表示装置54bでの表示や、各種LED・ランプ37での発光や、スピーカ10での音出力などで報知すると共に、ホールコンピュータへの出力を行われ、電源が正常に供給されていないときは、主制御装置50のCPUへ入力されることなくホールコンピュータ70へ前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が入力される構成であるため、状況に応じた信号伝達経路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係るパチンコ機1の正面図である。
【図2】本発明に係るパチンコ機1の背面図である。
【図3】本発明に係るパチンコ機1の遊技盤8の正面図である。
【図4】本発明に係るパチンコ機1の信号を伝達経路を示す電気配線ブロック図である。
【図5】本発明に係るパチンコ機1の電源の供給経路を示す電気配線ブロック図である。
【図6】本発明に係る振分ICを主制御基板50に設けた場合の前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからホールコンピュータ70への信号伝達経路を示す電気配線ブロック図である。
【図7】本発明に係る振分ICを裏配線中継端子板63に設けた場合の前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからホールコンピュータ70への信号伝達経路を示す電気配線ブロック図である。
【図8】本発明に係る主制御装置50が実行する電源投入時処理である。
【図9】本発明に係る主制御装置50が実行する基本処理である。
【図10】本発明に係る主制御装置50が実行する割込(INT)処理である。
【図11】本発明に係る主制御装置50が実行する割込(NMI)処理である。
【図12】本発明に係る主制御装置50が実行する枠状態入力処理である。
【図13】本発明に係る主制御装置50が実行する枠状態出力処理である。
【図14】本発明に係るパチンコ機1からの出力に応じてホールコンピュータ70が実行する枠監視処理である。
【符号の説明】
【0083】
1 :パチンコ機 2 :外枠
3 :前面枠 4a :意匠枠
4b :意匠枠 5a :金具
5b :金具 5c :金具
6 :スライド錠 6a :鍵穴
7 :CRプリペイドカードユニット 8 :遊技盤
9 :窓部 10 :スピーカ
10a:音量調節スイッチ 11 :保護音通部
12 :上皿 13 :下皿
13a:満杯スイッチ 14 :遊技ボタン
14a:遊技スイッチ 15 :精算表示装置
16 :球貸ボタン 16a:球貸スイッチ
17 :精算ボタン 17a:精算スイッチ
18 :発射ハンドル 19 :発射停止ボタン
19a:発射停止スイッチ 20 :タッチ板
20a:タッチスイッチ 21 :スピーカユニット
22 :球タンク 22a:球切れスイッチ
23 :タンクレール 23a:球切れスイッチ
24 :払出装置 24a:払出モータ
24b:払出スイッチ 25a:ガイドレール
25b:ガイドレール 26 :遊技領域
27 :遊技釘 28 :液晶枠飾り
28a:窓部 29 :特別図柄表示装置
29a:特図保留数表示装置 30 :普通図柄表示装置
30a:普図保留数表示装置 31 :普通電動役物
31a:特別図柄始動スイッチ 31b:普通電役ソレノイド
32 :普通図柄作動ゲート 32a:普通図柄作動スイッチ
33 :大入賞口ユニット 33a:大入賞口
33b:カウントスイッチ 33c:大入賞口ソレノイド
34 :アウト口 35 :入賞口ユニット
35a:一般入賞口 35b:一般入賞口スイッチ
36 :発射モータ 37 :各種LED・ランプ
38 :前面枠開放スイッチ 39a:意匠枠開放スイッチ
39b:意匠枠開放スイッチ 50 :主制御装置
51 :払出制御装置 52 :発射制御装置
53 :サブ統合装置 54 :演出図柄ユニット
54a:演出図柄制御装置 54b:演出図柄表示装置
55 :電源装置 55a:電源スイッチ
55b:RAMクリアスイッチ 60 :CRユニット端子板
61 :外部接続端子板 62 :遊技盤中継端子板
63 :裏配線中継端子板 64 :図柄表示装置中継端子板
65 :演出中継端子板 66 :払出中継端子板
70 :ホールコンピュータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面枠又は意匠枠が閉鎖状態であるか否かを遊技施設に設けられるホールコンピュータに出力する弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機の前面枠又は意匠枠が開閉状態を検出する検出スイッチが設けられ、検出スイッチによる検出信号を中継基板を介して遊技施設に設けられるホールコンピュータ(又は島管理コンピュータ)に出力するように構成されて、ホールコンピュータによって不正の監視を行っていた(特開2001−149614号公報)。
その後、枠開放に伴う報知の強化を目的として、遊技を統括して制御する主制御装置でも前面枠又は意匠枠が閉鎖状態にあるか否かを判断する必要性が高まり、枠閉鎖検出スイッチによる検出信号を主制御装置へ出力し、主制御装置内で分岐して一方を主制御装置に搭載されるCPUへ、他方を外部接続端子へと出力する発明もなされている。
【特許文献1】特開2001−149614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記構成を採用しても、弾球遊技機への電源の供給が行われている状態又は弾球遊技機の電源スイッチがONの状態では機能するものの、弾球遊技機への電源の供給が断たれている状態又は弾球遊技機の電源スイッチがOFFの状態では、枠閉鎖検出スイッチ及び主制御装置への電源供給が行われないため、ホールコンピュータに検出信号が出力されず、遊技施設の閉店後から開店までの間に遊技施設内に侵入して前面枠又は意匠枠を開放して不正行為が行われても、ホールコンピュータでは前面枠又は意匠枠の開閉状態を判断できない状態であり、不正対策として万全ではなかった。
【0004】
そこで、弾球遊技機への電源の供給の有無又は弾球遊技機の電源スイッチのON/OFFに関わらず、ホールコンピュータに検出信号又は検出信号に準ずる信号を出力可能とした弾球遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の弾球遊技機は、外枠に開閉自在に蝶着される前面枠又は前面枠に開閉自在に蝶着される意匠枠の閉鎖状態を検出する閉鎖検出手段と、該閉鎖検出手段から出力される検出信号又は該検出信号に準ずる信号を直接又は間接的に受信する外部接続端子装置と、を備えた弾球遊技機において、該弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する通常時供給手段と、前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されていないときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する停電時供給手段と、を設け、前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているか否かに関わらず、前記外部接続端子装置から弾球遊技機の外部装置へと前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態に応じた信号を出力することを特徴とする。
【0006】
ここで、検出信号に準ずる信号とは、検出信号と同様に前面枠又は意匠枠の開閉状態を示す信号であれば何ら差し支えない。
直接又は間接的に受信するとは、閉鎖検出手段と外部接続端子装置との信号伝達経路上に中継基板又は各種制御装置を配置しても問題ないことを示している。
通常時供給手段とは、弾球遊技機に電源が供給され、且つ、電源スイッチがONの状態であるときに閉鎖検出手段に電源を供給する手段であり、弾球遊技機の外部から供給される電源を加工して得られる電源を供給する手段であることを示している。
停電時供給手段とは、弾球遊技機に電源が供給が断たれた状態、又は電源スイッチがOFFの状態であるときに閉鎖検出手段に電源を供給する手段であり、電池(1次電池、2次電池)、コンデンサから閉鎖検出手段に電源を供給する手段としても何ら差し支えない。
【0007】
請求項2記載の弾球遊技機は、請求項1記載の弾球遊技機において、遊技を統括して制御する主制御装置が前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を受信し、前記主制御装置から出力される前記検出信号又は該検出信号に準ずる信号を前記外部接続端子装置に出力するように構成し、前記主制御装置に電源が供給されているときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力する構成とし、前記主制御装置に電源が供給されていないときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに入力されることなく、受信した前記検出信号を外部接続端子装置に出力することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の弾球遊技機は、請求項1記載の弾球遊技機において、前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を振分装置が受信するように構成し、前記振分装置は該振分装置への電源の供給状態に応じて前記検出信号の出力先を振り分ける振分手段を備え、電源が前記振分装置に供給されているときには、遊技を統括して制御する主制御装置に受信した前記検出信号を出力し、電源が前記振分装置に供給されていないときには、外部接続端子装置に受信した前記検出信号を出力する構成とし、前記主制御装置が前記検出信号を受信すると、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の弾球遊技機は、請求項1乃至3記載の弾球遊技機において、前記停電時供給手段は前記閉鎖検出手段に搭載される電池としたことを特徴とする。
【0010】
ここで、電池とは、充電の不可能な一次電池、充電可能で繰り返し使用できる二次電池を含むものであり、いずれの電池を採用しても何ら差し支えない。
【0011】
請求項5記載の弾球遊技機は、請求項1乃至3記載の弾球遊技機において、前記停電時供給手段は前記弾球遊技機に設けられる電源基板に搭載されるコンデンサとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の弾球遊技機によれば、弾球遊技機への電源の供給の有無、弾球遊技機の電源スイッチのON/OFFに関わらず、閉鎖検出手段により前面枠又は意匠枠の閉鎖状態を検出することが可能となり、遊技施設の閉店後から開店までの間に遊技施設内に侵入して前面枠又は意匠枠の開放を伴う不正行為の発生を弾球遊技機の外部装置(ホールコンピュータ等)で判断可能とすることができる。
【0013】
請求項2記載の弾球遊技機によれば、請求項1記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、閉鎖検出手段と外部接続端子装置との信号伝達経路上に主制御装置を配置することで、弾球遊技機に電源が供給され、且つ、電源スイッチがONの状態であるときに前面枠又は意匠枠の開放報知を十分に行うことができる。
【0014】
請求項3記載の弾球遊技機によれば、請求項1記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、閉鎖検出手段と外部接続端子装置との信号伝達経路上に振分装置を配置することで、弾球遊技機に電源が供給され、且つ、電源スイッチがONの状態であるときには前面枠又は意匠枠の開放報知を十分に行うことができる。
【0015】
請求項4記載の弾球遊技機によれば、請求項1乃至3記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、弾球遊技機に電源が供給が断たれた状態、又は電源スイッチがOFFの状態であるときにおける閉鎖検出手段の動作電源として閉鎖検出手段に搭載した電池を用いることに限定したものである。
【0016】
請求項5記載の弾球遊技機によれば、請求項1乃至3記載の弾球遊技機と同様の効果を奏すると共に、弾球遊技機に電源が供給が断たれた状態、又は電源スイッチがOFFの状態であるときにおける閉鎖検出手段の動作電源として電源基板に設けられるコンデンサを用いることに限定したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【実施例1】
【0018】
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。
図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとならなる筐体にて各部を保持する構造である。
【0019】
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成されている。
また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠に対して開閉可能に構成されている。
さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠に対して開閉可能に構成されている。
【0020】
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6(図2参照)が設けられている。
尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えない。
【0021】
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
また、意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。
【0022】
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン19(図4参照)および図示しないタッチ板20が設けられている。
前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。
【0023】
続いて、図2にパチンコ機1の裏面図を示し、詳細に説明する。
図2に示す通り、遊技盤8を着脱可能に取り付けられる前面枠3が外枠2に収納されるような構成となっている。
前面枠3には、上方から球タンク22、タンクレール23および払出装置24が設けられ、遊技盤8に設けられる後述する入賞口に遊技球が入球することに基づいて、払出装置24の払出モータ24aが駆動することによって、球タンク22およびタンクレール23に貯留されている遊技球が、前述した上皿12に払い出されることになる。
【0024】
また、遊技盤8の裏面側には、主制御装置50、サブ統合装置53、演出図柄ユニット54が設けられ、前面枠3の裏面側には、払出制御装置51、発射制御装置52、電源装置55が各々設けられ、電源装置55には電源スイッチ55aおよびRAMクリアスイッチ55b、図示しないバックアップ用電源が設けられている。
尚、図3では発射制御装置52が図示されていないが、払出制御装置51で隠れる位置に配置されている。
【0025】
さらに、前面枠3には、外部接続端子板61が設けられており、この外部接続端子板61から遊技状態、遊技結果、エラー等を示す信号がホールコンピュータ70(図4参照)に送られるように構成されている。
尚、本実施例では外部接続端子板61を盤用、枠用を兼用する構成としているが、盤用、枠用の外部接続端子板を個々に備えるように構成しても何ら差し支えない。
【0026】
続いて、図3に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。
図3に示す通り、遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた着円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。
遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54bのLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方には、7セグメントLED等の発光部材により構成される特別図柄表示装置29および普通図柄表示装置30が設けられている。
【0027】
液晶枠飾り28の左右両側または左側には後述する普通図柄作動スイッチ32a(図4参照)を備える普通図柄作動ゲート32が設けられており、下側には後述する特別図柄始動スイッチ31a(図4参照)を備える普通電動役物31が設けられている。
普通電動役物31の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。
大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される特別図柄保留数表示装置29aが、右側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置30aが、各々設けられている。
また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図4参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
【0028】
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート32に入球(普通図柄作動スイッチ32a(図4参照)にて遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置30で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド31b(図4参照)を駆動させる。
普通電役ソレノイド31bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物31の羽根部材が駆動して、普通電動役物31への入球率(特別図柄始動スイッチ31a(図4参照)での検出率)が高まるように構成されている。
【0029】
また、普通電動役物31に入球(特別図柄始動スイッチ31a(図4参照)にて遊技球を検出)すると、特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図4参照)を駆動させる。
大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球率(カウントスイッチ33b(図4参照)での検出率)が高まるように構成されている。
【0030】
続いて、図4にパチンコ機1の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。
尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置55から直接的または間接的に供給される構成となっている(図5参照)。
【0031】
図4に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して普通電動役物31に入球した遊技球を検出する特別図柄始動スイッチ31aと、普通図柄作動ゲート32に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ32aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが、裏配線中継端子板63を介して前面枠3が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠4a・4bが閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
【0032】
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。(図5参照)
また、電池として1次電池を採用する場合には電池の消耗によって交換(電池のみ交換又はリミットスイッチを交換)することとなるが、2次電池を採用する場合には通常時に充電する構成とし、繰り返し利用可能に構成することが望ましい。
【0033】
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物31の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド31bと、図柄表示装置中継端子板64を介して特別図柄を表示する特別図柄表示装置29と、特別図柄の保留数を表示する特図保留数表示装置29aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置30と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置30aと、裏配線中継端子板63および外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
【0034】
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51およびサブ統合装置53に出力する。
また、主制御装置50は、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bから前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態時に出力される検出信号が入力されることで、外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70に前面枠又は意匠枠が閉鎖状態にあることを示す信号(検出信号に準ずる信号)を出力するように構成されている。
ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合装置53への一方向通信回路として構成されている。
【0035】
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク22またはタンクレール23内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22aまたは23aと、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿13への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。
払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
【0036】
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50および発射制御装置52に出力する。
ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
【0037】
発射制御装置52の入力端には、発射を停止するための発射停止スイッチ19aと、発射ハンドル17に遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ20aと、が接続されている。
発射制御装置52の出力端には、遊技球を遊技領域26へ発射するための発射モータ36が接続されている。
発射制御装置52はCPU、ROM、RAMを備えず、IC等で構成されたデジタル回路であり、入力される各種検出信号ならびに払出制御装置51からの入力に基づいて発射モータ36の駆動を制御している。
【0038】
サブ統合装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。
サブ統合装置53の出力端には、意匠枠4a、4bおよび遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠3およびスピーカユニット21に備えられるスピーカ10と、が接続されている。
尚、サブ統合装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
【0039】
サブ統合装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
尚、本実施例では、サブ統合装置53のRAMに記憶された遊技情報を電源断時に保持しない構成としているが、電源装置55からVBB(図5参照)を供給して記憶保持可能とし、復電時に記憶した遊技情報を元に電源断前の遊技を再開する構成としても何ら差し支えない。
RAMの遊技情報を記憶保持する構成とすることで、不正行為を行った際に行われる不正報知を無効化するための様々な条件が発生するため困難となり、不正を容易に発見することが可能となる。
【0040】
また、サブ統合装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
例えば、遊技に伴う演出音声やエラー報知の一部(前面枠3、意匠枠4a、4b等の枠開放/閉鎖報知など)の音声は、音量調節スイッチ10aの状態に応じて変更された音量でスピーカ10から出力され、その他のエラー報知(特殊報知など)は音量調節スイッチ10aの状態に関わらず予め設定された音量でスピーカ10から出力されるように構成することができる。
【0041】
続いて、図5にパチンコ機1の電源供給経路を示すブロック図を示し、詳細に説明する。
尚、このブロック図では、電源装置55と各種制御装置(50、51、52、53、54)を主として記載しており、特別図柄始動スイッチ31a等の遊技球を検出するスイッチに関する記載は省略している。
【0042】
電源装置55には、遊技機外部から(電源中継基板を配置する場合には、電源中継基板を介して)電源としてAC24Vが供給され、このAC24Vから電源装置55内で全波24V、DC5V、DC12V、DC18V、DC24VおよびDC32Vを生成し、各制御装置(50、51)および各端子板(60、65)に必要に応じた電源を供給する構成となっている。
電源装置55には、電源を監視するための給電監視回路および停電監視回路、電源の供給が停止した際に制御装置のRAMに記憶された遊技情報を保持するために必要な電源(VBB)を供給するためのバッテリーバックアップ電源を備えている。
【0043】
給電監視回路および停電監視回路は、電源であるAC24V、電源装置55にて生成される全波24V、DC5V、DC12V、DC18V、DC24VまたはDC32Vの内の少なくとも1つの電圧を監視しており、給電監視回路および停電監視回路は、異なる電圧を監視するように構成しても良いし、同一の電圧を監視するように構成しても何ら差し支えない。
給電監視回路は、監視電圧が所定値以上になった際に電源装置55から主制御装置50および払出制御装置51へ給電開始信号(RST信号)を出力する構成となっている。
停電監視回路は、監視電圧が所定値以下になった際に電源装置55から主制御装置50および払出制御装置51へ停電発生信号(NMI信号)を出力する構成となっている。
【0044】
バッテリーバックアップ電源は、電源スイッチ55aのOFFや停電等によってパチンコ機1に電源が供給できない状態となった際に、主制御装置50および払出制御装置51のRAMに記憶された遊技情報を保持するために必要な電源(VBB)を供給するために用いられている。
ここでは、主制御装置50と払出制御装置51にのみVBBを供給するように構成しているが、RAMに記憶された遊技情報を保持する必要があれば、他の制御装置(例えばサブ統合装置など)にも供給するように構成しても良い。
また、主制御装置50にはDC5V(VBB)を、払出制御装置51にはDC3V(VBB)を供給する構成としているが、RAMに記憶された遊技情報を保持するために必要な電源に合わせてVBBの電圧は適宜変更することが可能であり、電圧を同一としても当然問題ない。
【0045】
さらに、前面枠閉鎖スイッチ38、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに電池を備えない構成であれば、これらスイッチにもVBBを供給するように構成し、電源が遮断されていても前面枠3又は意匠枠4a、4bの開閉状態を出力可能とすることが望ましく、通常時はリミットスイッチにDC12Vを供給しているが、最低動作電圧(ここではDC5V)を供給し、バッテリーバックアップ電源の消耗を極力小さくするように構成することが望ましい。
ここで、DC5V(VBB)は、電源装置55から裏配線中継端子板63を介して前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに供給されるようにしても良いし、電源装置55から主制御装置50及び裏配線中継端子板63を介して前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに供給されるようにしても良い。(図5の括弧内のDC5V(VBB)のいずれかを採用すれば良い。)
【0046】
前面枠3が閉鎖状態にあるときに前面枠閉鎖スイッチ38から出力される検出信号が途絶えることで、ホールコンピュータ70により前面枠3の開放状態への変位又は信号伝達経路の少なくとも一部の断線という状況が生じたと判断することができる。
同様に、意匠枠4a、4bが閉鎖状態にあるときに意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bから出力される検出信号が途絶えることで、ホールコンピュータ70により意匠枠4a、4bの開放状態への変位又は信号伝達経路の少なくとも一部の断線という状況が生じたと判断することができる。
【0047】
演出中継端子板65は、枠の裏面側に設置される電源装置55から遊技盤の裏面側に設置されるサブ統合装置53および演出図柄ユニット54に電源を供給するためのものであり、電源をサブ統合装置53および演出図柄ユニット54に供給すること以外では利用されない。
尚、上記したようにサブ統合装置53および演出図柄ユニット54のRAMに記憶される遊技情報を保持する必要があれば、給電開始信号(RST信号)や停電発生信号(NMI信号)も中継するようにしても何ら差し支えない。
【0048】
その他、様々な制御装置、端子板、スイッチ、モータが記載されているが、本発明の内容と関連性が薄いため、説明を割愛する。
当然、この図に示されていない各種スイッチやアクチュエータ類を備える構成であれば、電源装置55から直接または間接的に供給される構成となっている。
【0049】
続いて、図6及び図7に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと外部出力端子板61との信号伝達経路内に、裏配線中継端子板63及び主制御装置50を介在させる場合の模式図を示し、詳細に説明する。
図6は、主制御装置50に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bによる検出信号を振り分けるためのICを備えている。
主制御装置50に設けられたICは、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が裏配線中継端子板63を介して入力され、その時点での主制御装置50における電源状態(電源装置55から供給される電源が正常であるか否か)によって、信号の出力先を変化する構成となっている。
【0050】
電源が正常に供給されていない状態であれば、主制御装置50に搭載されるCPUに入力することなく、そのまま出力端子へと伝達され、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力され、電源が正常に供給れされている状態であれば、主制御装置50に搭載されるCPUに入力され、該CPUの命令によって裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力される。
【0051】
図6(a)では、ホールコンピュータ70によって信号A又はA’(信号Aに準ずる信号)が入力されているか否か、及び信号B又はB’(信号Bに準ずる信号)が入力されているか否かの判定を行うことは可能であるため、その役割を十分に発揮すると共に、配線の煩雑さが軽減するという効果を奏する。
また、図6(b)では、主制御装置50への電源供給の有無についても入力端子のピンの位置によって判断することが可能であり、より緻密な情報をホールコンピュータ70に提供することができると共に、主制御装置50への電源の供給状態をホールコンピュータ70で把握することが可能となるため、有効である。
【0052】
図7は、裏配線中継端子板63に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bによる検出信号を振り分けるためのICを備えている。
裏配線中継端子板63に設けられたICは、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が入力され、その時点での前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bの電源状態(電源装置55から供給される電源が正常であるか否か)によって、信号の出力先を変化する構成となっている。
【0053】
電源が正常に供給されていない状態であれば、主制御装置50に出力するとなく、そのまま出力端子へと伝達され、外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力され、電源が正常に供給れされている状態であれば、主制御装置50に搭載されるCPUに入力され、該CPUの命令によって裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70へと出力される。
【0054】
図7(a)では、ホールコンピュータ70によって信号A又はA’(信号Aに準ずる信号)が入力されているか否か、及び信号B又はB’(信号Bに準ずる信号)が入力されているか否かの判定を行うことは可能であるため、その役割を十分に発揮すると共に、配線の煩雑さが軽減するという効果を奏する。
また、図7(b)は、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bへの電源供給の有無についても入力端子のピンの位置によって判断することが可能であり、より緻密な情報をホールコンピュータ70に提供することができると共に、主制御装置50への電源の供給状態をホールコンピュータ70で把握することが可能となるため、有効である。
【0055】
ここで、図6又は図7における信号A及び信号Bは電圧の変化により状態を知らせる信号であるが、信号A’及び信号B’も同様な信号として構成しても良い。
また、信号A’及び信号B’はパチンコ機1が正常動作中に出力される信号であるため、より詳細な状態を知らせることが可能な構成としても良く、より詳細な状態を知らせるために電圧の変化ではなく、コマンドコードを送信する構成としても良い。
その際、電圧の変化とコマンドコードとを同一出力ピンからは出力できないため、その際は図6(b)又は図7(b)を採用することは言うまでもない。
【0056】
従って、図6又は図7のように構成することで、遊技施設の営業時間中に前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bに何らかの処置を施して検出信号が途絶えないように前面枠3又は意匠枠4a、4bを開放したとしても、主制御装置50と細工を施した他の制御装置とを交換する不正行為を行った際に、信号伝達経路の一部が断線することになるため、ホールコンピュータ70の監視によって判断が可能となる。
同様に、遊技施設の営業時間中に電源スイッチ55aをOFFにして上記不正行為を行った場合には、営業中にも関わらず信号A、A’、信号B、B’がホールコンピュータ70に入力されないため、ホールコンピュータ70の監視によって判断が可能となる。
【0057】
図6(b)又は図7(b)のように構成することで、遊技施設の営業時間外であっても、主制御装置50と細工を施した他の制御装置とを交換する不正行為を行われた可能性があることをホールコンピュータ70の監視によって判断可能となる。
同様に、電源供給の有無に関わらず、信号A、A’、信号B、B’が出力される構成としているため、遊技施設の営業時間外であっても電源スイッチ55aをON/OFFや信号伝達経路の破断などをホールコンピュータ70の監視によって判断でき、主制御装置50と細工を施した他の制御装置とを交換する不正行為が行われた可能性あるか否かの判断も可能となる。
【0058】
尚、図6(a)又は図7(a)では、信号A系統(信号AとA’)、信号B系統(BとB’)とをホールコンピュータに出力する構成としているが、この限りではなく、前面枠3及び意匠枠4a、4bのいずれかが開放状態となっているときには信号を出力せず、前面枠3及び意匠枠4a、4bの全てが閉鎖状態になっているときには信号を出力する構成としても何ら差し支えない。
その際、ホールコンピュータへの入力がなされないことで、どの枠が開放しているかの判断はできなくなるが、前面枠3又は/及び意匠枠4a、4bのいずれかが開放状態にあることを指しているため、不正が行われている可能性があると判断することができる。
【0059】
同様に、図6(b)又は図7(b)では、信号A、信号A’、信号B及び信号B’とを各々ホールコンピュータに出力する構成としているが、この限りではなく、停電時信号系統(信号Aと信号B)のいずれか(又は正常時信号系統(信号A’と信号B’)のいずれか)が開放状態となっているときには信号を出力せず、信号Aと信号B(又は信号A’と信号B’)が共に閉鎖状態となっているときに信号を出力出力する構成としても何ら差し支えない。
その際、ホールコンピュータへの入力がなされないことで、どの枠が開放しているかの判断はできなくなるが、前面枠3又は/及び意匠枠4a、4bのいずれかが開放状態にあることを指しているため、不正が行われている可能性があると判断することができる。
【0060】
次に、図8ないし図11にパチンコ機1の主制御装置50が実行する処理を示すフローチャートを示し、詳細に説明する。
図8は、パチンコ機1の電源装置55に設けられる電源スイッチ55aを操作することにより電源が各制御装置に供給され、主制御装置50に電源が供給された際に実行される電源投入時処理である。
尚、電源投入時処理は、主制御装置50に備えられるCPUにより電源投入直後に実行される図示しないセキュリティーチェック後に行われる処理である。
【0061】
まず、主制御装置50に電源が供給されるとリセット信号が入力され、上述したようにセキュリティーチェックが実行された後に、RAM初期値設定処理が行われる(S10)。
その後、RAMクリアスイッチ55bが操作されているか否かの判定を行い(S20)、操作されていなければ(S20:no)、RAM保証値が1であるか否かを判断する(S30)。
RAM保証値が1であれば(S30:yes)、SUM値作成処理を実行し(S40)、SUM値が0であるか否かを判断する(S50)。
SUM値が0であれば(S50:yes)、電源復帰処理を実行し(S60)、電源遮断時の遊技情報に基づいて遊技を再開することとなる(リターンへ)。
【0062】
RAMクリアスイッチ55bが操作されていれば(S20:yes)、RAM保証値が1でなければ(S30:no)、SUM値が0でなければ(S50:no)のいずれかの条件を満たしていれば、RAMに記憶された遊技情報をクリアするRAM消去処理を実行し(S70)、リターンへと抜ける。
【0063】
図9は、図8で説明した電源投入時処理が終了した後に、主制御装置50にて実行される基本処理である。
まず、通常割込信号(INT信号)の受信を禁止する割込禁止処理を実行し(S110)、強制割込信号(NMI信号)が入力されたか否かを示すNMIフラグが0であるかを判断し(S120)、NMIフラグが0であれば(S120:yes)、初期値乱数更新処理1(S130)、初期値乱数更新処理2(S140)および初期値乱数更新処理3(S150)を順次実行し、通常割込信号(INT信号)の受信を許可する割込許可処理を実行(S160)した後、S110へ処理を戻し、INT信号またはNMI信号を受信しない限り、上記処理を繰り返し実行する。
【0064】
S120によりNMIフラグが0でなければ(S120:no)、遊技情報をRAMに記憶する遊技情報記憶処理を実行し(S170)、RAMに記憶したSUM値を作成するSUM値作成処理を実行し(S180)、RAM保証値を正常にバックアップが行われたことを示す1にセットし(S190)、RAMに記憶された遊技情報が破壊されないためにRAMライトプロテクト処理を実行し(S200)、電源が供給されなくなるまで無限ループ処理を実行する。
また、S160によりINT信号の受信を許可されたときにINT信号を受信していると、図10に示す割込(INT)処理へと移行する。
【0065】
図10は、図9でINT信号を受信していた際に、主制御装置50にて実行される割込(INT)処理である。
ここで、INT信号は、CPUの内または外に設けられたクロック回路により所定時間毎(2msまたは4ms毎)に定期的に入力される信号である。
尚、CPU内部にクロック回路が形成されている場合は、入力や受信という表現ではなくなるが、ここではCPUの内外問わず、入力や受信という表現を用いることとする。
【0066】
INT信号を受信していると、各種乱数値を更新するための乱数更新処理(S210)、INT割込の回数を計数するタイマ更新処理(S220)、各種スイッチ等から入力される信号または払出制御装置51から入力されるコマンドを処理する各種入力処理(S230)、特別図柄に関する表示制御や各種選択等をするための特別図柄遊技処理(S240)、普通図柄に関する表示制御や各種選択等をするための普通図柄遊技処理(S250)、演出中継端子板65を介してサブ統合装置53へ各種コマンドを送信するための演出制御コマンド送信処理(S260)、払出制御装置51へ各種コマンドを送信するための払出制御コマンド送信処理(S270)、普通電役ソレノイド31bや大入賞口ソレノイド33cの駆動や裏配線中継端子板63および外部中継端子板61を介してのホールコンピュータ70への情報出力等をするための各種出力処理(S280)を順次実行し、リターンへと抜ける。(図9のS110へとジャンプする。)
【0067】
図11は、図9または図10の各処理を実行中にNMI信号を受信した際に、主制御装置50にて実行される割込(NMI)処理である。
NMI信号を受信すると、実行しているプログラムのアドレスをRAMに記憶するレジスタ退避処理を実行し(S310)、NMIフラグをNMI信号を受信したことを示す1にセットし(S320)、S310でRAMに記憶したアドレスに復帰するレジスタ復帰処理を実行し(S330)、リターンへと抜ける。(NMI信号を受信したときに実行していたプログラムを継続して行う。)
【0068】
図8ないし図11のような処理を主制御装置50で実行するように構成したことで、パチンコ機1に供給される電源電圧(AC24V)または電源電圧から生成される供給電圧(全波24V、DC32V、DC24V、DC18V、DC12V、DC5V)の少なくとも1つの電圧を監視し、監視電圧が所定値以下になった際に電源装置55から主制御装置50へ停電発生信号(NMI信号)が出力され、停電発生信号(NMI信号)を主制御装置50が受信することで、RAMへの遊技情報の記憶を確実に行うことができる。
停電発生信号(NMI信号)を受信した際に、即座にバックアップ処理(S170〜S200)を行うことなく、NMIフラグを1にセットする構成としたことで、電源遮断後に電源が復帰した際のプログラムの開始位置をS130からに固定することができ、遊技を再開する際の処理を軽減することが可能となる。
【0069】
続いて、各種入力処理(図10のS230)の一部である枠状態監視処理を図12に示し、前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの入力状態を監視する処理について詳細に説明する。
まず、意匠枠閉鎖信号を受信しているか否かを判断する(S410)。
意匠枠閉鎖信号を受信していれば(S410:yes)、意匠枠閉鎖フラグを1にセット(S420)し、前面枠閉鎖信号を受信しているか否かを判断する(S440)。
意匠枠閉鎖信号を受信していなければ(S420:no)、意匠枠閉鎖フラグを0にセット(S430)し、前面枠閉鎖信号を受信しているか否かを判断する(S440)。
前面枠閉鎖信号を受信していれば(S440:yes)、前面枠閉鎖フラグを1にセット(S450)し、リターンへと抜ける。
前面枠閉鎖信号を受信していなければ(S440:no)、前面枠閉鎖フラグを0にセット(S460)し、リターンへと抜ける。
【0070】
続いて、各種出力処理(図10のS280)の一部である枠状態出力処理を図13に示し、前面枠閉鎖スイッチ38及意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力に準ずる信号を出力する処理について詳細に説明する。
意匠枠閉鎖フラグが1にセットされているか否かを判断する(S510)。
意匠枠閉鎖フラグが1であれば(S510:yes)、意匠枠閉鎖信号A’を出力(S520)し、前面枠閉鎖フラグが1であるか否かを判断する(S540)。
意匠枠閉鎖フラグが0であれば(S510:no)、意匠枠の開放報知を指示する意匠枠開放報知コマンドをサブ統合装置53へ送信(S530)し、前面枠閉鎖フラグが1にセットされているか否かを判断する(S540)。
前面枠閉鎖フラグが1であれば(S540:yes)、前面枠閉鎖信号B’を出力(S550)し、リターンへと抜ける。
前面枠閉鎖フラグが0であれば(S540:no)、前面枠の開放報知を指示する前面枠開放報知コマンドをサブ統合装置53へ送信(S560)し、リターンへと抜ける。
【0071】
意匠枠閉鎖信号A及び前面枠閉鎖信号Bは、上述したようにICに電源が供給されているとき、即ちパチンコ機1に電源が供給され、且つ、電源装置55の電源スイッチ55aがON状態であるときに、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bから主制御装置50のCPUに入力されるものである。
そのため、主制御装置50に搭載されるCPUが正常に作動しているにもかかわらず、意匠枠閉鎖信号A及び前面枠閉鎖信号Bを受信しないということは、前面枠3又は意匠枠4a,4bが開放していることを示し、前面枠開放報知や意匠枠開放報知を指示するコマンドを送信する構成としている。
【0072】
ホールコンピュータ70からの視点で捉えれば、意匠枠閉鎖信号A又は意匠枠閉鎖信号A’は、意匠枠4a、4bが閉鎖状態にあるときにのみ入力される信号であり、いずれかの信号を受信することで、意匠枠4a、4bが閉鎖状態にあることを判断できる。
また、意匠枠閉鎖信号Aが入力されるということは電源がパチンコ機1へ正常に供給されていない状態又は電源スイッチ55aがOFFの状態であることを判断でき、意匠枠閉鎖信号A’が入力されるということは電源がパチンコ機1へ正常に供給されている状態であり、且つ、電源スイッチ55aがONの状態であることを判断することができる。
【0073】
さらに、遊技施設の営業時間外に意匠枠閉鎖信号A又はA’がいずれも入力されないことで、意匠枠4a、4bの開放だけではなく、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bの故障、意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからホールコンピュータ70に至る信号伝達経路上が断線(コネクタの接触不良を含む)、制御装置や中継端子板の取り外しなどの異常がパチンコ機1に生じている可能性があることを判断することもできる。
このホールコンピュータ70からの視点は、前面枠閉鎖信号B又は前面枠閉鎖信号B’にも同様に置き換えることが可能であり、単にICによって信号伝達経路を変更するだけでなく、受信する信号によりパチンコ機1の電源の供給状態を把握することができる。
【0074】
尚、意匠枠閉鎖信号Aと意匠枠閉鎖信号A’、前面枠閉鎖信号Bと前面枠閉鎖信号B’を、電圧の変化によって枠の状態を示す信号としているが、意匠枠閉鎖信号A’、前面枠閉鎖信号B’をコマンドコードの送信としても何ら差し支えない。
この場合、図6(b)、図7(b)のように構成することが望ましく、より詳細な情報をホールコンピュータ70に提供することが可能となり、不正対策としての効果がより一層大きくなる。
【0075】
続いて、枠状態出力処理によって出力される信号A、A’、B、B’に応じてホールコンピュータ70で実行される監視処理について図14及び図15を用いて詳細に説明する。
図14は、意匠枠閉鎖信号A、A’を監視し、意匠枠4a、4bの状態を確認するための意匠枠監視処理であり、ホールコンピュータ70によって遊技施設の営業中、非営業中問わず常時実行される処理である。
尚、ここでは、意匠枠閉鎖信号A’はコマンドコードであり、意匠枠4a、4bの状態を示すものとしている。
【0076】
まず、意匠枠閉鎖信号A’を受信しているか否かを判断し(S610)、受信していなければ(S610:no)、意匠枠閉鎖信号Aを受信しているか否かを判断する(S625)。
意匠枠閉鎖信号A’を受信していれば(S610:yes)、電源ONフラグをパチンコ機1の電源が正常に供給されていることを示す1にセットし(S615)、意匠枠閉鎖信号A’が意匠枠の開放状態を示す信号であるか否かを判断する(S620)。
【0077】
意匠枠閉鎖信号A’が意匠枠4a、4bの開放状態を示す信号であれば(S620:yes)、意匠枠閉鎖フラグを意匠枠4a、4bが閉鎖していないことを示す0にセットし(S635)、前面枠閉鎖信号B’を受信しているか否かを判断する(S645)。
意匠枠閉鎖信号A’が意匠枠4a、4bの開放状態を示す信号でなければ(S620:no)、意匠枠閉鎖フラグを意匠枠4a、4bが閉鎖していることを示す1にセットし(S640)、前面枠閉鎖信号B’を受信しているか否かを判断する(S645)。
意匠枠閉鎖信号Aを受信していれば(S625:yes)、電源ONフラグをパチンコ機1の電源が正常に供給されていないことを示す0にセットし(S630)、意匠枠閉鎖フラグを意匠枠4a、4bが閉鎖していることを示す1にセットし(S640)、前面枠閉鎖信号B’を受信しているか否かを判断する(S645)。
【0078】
前面枠閉鎖信号B’を受信していなければ(S645:no)、前面枠閉鎖信号Bを受信しているか否かを判断する(S660)。
前面枠閉鎖信号B’を受信していれば(S645:yes)、電源フラグを1にセットし(S650)、前面枠閉鎖信号B’が前面枠の開放状態を示す信号であるか否かを判断する(S655)。
前面枠閉鎖信号B’が前面枠3の開放状態を示す信号であれば(S655:yes)、前面枠閉鎖フラグを前面枠3が閉鎖していないことを示す0にセットし(S670)、リターンへと抜ける。
前面枠閉鎖信号B’が前面枠3の開放状態を示す信号でなければ(S655:no)、前面枠閉鎖フラグを前面枠3が閉鎖していることを示す1にセットし(S675)、リターンへと抜ける。
【0079】
前面枠閉鎖信号Bを受信していれば(S660:yes)、電源ONフラグをパチンコ機1の電源が正常に供給されていないことを示す0にセットし(S665)、前面枠閉鎖フラグを前面枠3が閉鎖していることを示す1にセットし(S667)、リターンへと抜ける。
意匠枠閉鎖信号Aを受信していない状態(S625:no)、又は前面枠閉鎖信号Bを受信していない状態(S660:no)のいずれかであれば、異常発生フラグを不正行為が行われている可能性があることを示す1にセットし(S680)、リターンへと抜ける。
【0080】
上述したように、ホールコンピュータ70はパチンコ機1の電源供給状態や、主制御装置50が正常に作動している(接続されている)か否かや、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bの接続状態などを把握することができ、営業時間中であるか否かに応じて的確な判断をすることが可能となる。
ここでは、判断することにより各種フラグをセットするように記載しているが、ホールコンピュータ70では各種フラグの状態に応じて、様々な報知をすることが可能であることがいうまでもない。
また、各種フラグの持つ意味合いも遊技施設の営業時間中であるとき、営業時間中でないときによって変化するため、その報知態様も変化することが想定される。
【0081】
このように、本実施例に記載されたパチンコ機1は、裏配線中継端子板63又は主制御装置50に設けられたICによって信号伝達経路を変化させることで、パチンコ機1の状態を外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70に出力することができ、パチンコ機1に不正が行われていることを的確に判断することが可能となる。
また、電源が正常に供給されているときには、主制御装置50のCPUへ前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が入力される構成であるため、パチンコ機1に備えられる演出図柄表示装置54bでの表示や、各種LED・ランプ37での発光や、スピーカ10での音出力などで報知すると共に、ホールコンピュータへの出力を行われ、電源が正常に供給されていないときは、主制御装置50のCPUへ入力されることなくホールコンピュータ70へ前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからの出力が入力される構成であるため、状況に応じた信号伝達経路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係るパチンコ機1の正面図である。
【図2】本発明に係るパチンコ機1の背面図である。
【図3】本発明に係るパチンコ機1の遊技盤8の正面図である。
【図4】本発明に係るパチンコ機1の信号を伝達経路を示す電気配線ブロック図である。
【図5】本発明に係るパチンコ機1の電源の供給経路を示す電気配線ブロック図である。
【図6】本発明に係る振分ICを主制御基板50に設けた場合の前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからホールコンピュータ70への信号伝達経路を示す電気配線ブロック図である。
【図7】本発明に係る振分ICを裏配線中継端子板63に設けた場合の前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bからホールコンピュータ70への信号伝達経路を示す電気配線ブロック図である。
【図8】本発明に係る主制御装置50が実行する電源投入時処理である。
【図9】本発明に係る主制御装置50が実行する基本処理である。
【図10】本発明に係る主制御装置50が実行する割込(INT)処理である。
【図11】本発明に係る主制御装置50が実行する割込(NMI)処理である。
【図12】本発明に係る主制御装置50が実行する枠状態入力処理である。
【図13】本発明に係る主制御装置50が実行する枠状態出力処理である。
【図14】本発明に係るパチンコ機1からの出力に応じてホールコンピュータ70が実行する枠監視処理である。
【符号の説明】
【0083】
1 :パチンコ機 2 :外枠
3 :前面枠 4a :意匠枠
4b :意匠枠 5a :金具
5b :金具 5c :金具
6 :スライド錠 6a :鍵穴
7 :CRプリペイドカードユニット 8 :遊技盤
9 :窓部 10 :スピーカ
10a:音量調節スイッチ 11 :保護音通部
12 :上皿 13 :下皿
13a:満杯スイッチ 14 :遊技ボタン
14a:遊技スイッチ 15 :精算表示装置
16 :球貸ボタン 16a:球貸スイッチ
17 :精算ボタン 17a:精算スイッチ
18 :発射ハンドル 19 :発射停止ボタン
19a:発射停止スイッチ 20 :タッチ板
20a:タッチスイッチ 21 :スピーカユニット
22 :球タンク 22a:球切れスイッチ
23 :タンクレール 23a:球切れスイッチ
24 :払出装置 24a:払出モータ
24b:払出スイッチ 25a:ガイドレール
25b:ガイドレール 26 :遊技領域
27 :遊技釘 28 :液晶枠飾り
28a:窓部 29 :特別図柄表示装置
29a:特図保留数表示装置 30 :普通図柄表示装置
30a:普図保留数表示装置 31 :普通電動役物
31a:特別図柄始動スイッチ 31b:普通電役ソレノイド
32 :普通図柄作動ゲート 32a:普通図柄作動スイッチ
33 :大入賞口ユニット 33a:大入賞口
33b:カウントスイッチ 33c:大入賞口ソレノイド
34 :アウト口 35 :入賞口ユニット
35a:一般入賞口 35b:一般入賞口スイッチ
36 :発射モータ 37 :各種LED・ランプ
38 :前面枠開放スイッチ 39a:意匠枠開放スイッチ
39b:意匠枠開放スイッチ 50 :主制御装置
51 :払出制御装置 52 :発射制御装置
53 :サブ統合装置 54 :演出図柄ユニット
54a:演出図柄制御装置 54b:演出図柄表示装置
55 :電源装置 55a:電源スイッチ
55b:RAMクリアスイッチ 60 :CRユニット端子板
61 :外部接続端子板 62 :遊技盤中継端子板
63 :裏配線中継端子板 64 :図柄表示装置中継端子板
65 :演出中継端子板 66 :払出中継端子板
70 :ホールコンピュータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠に開閉自在に蝶着される前面枠又は前面枠に開閉自在に蝶着される意匠枠の閉鎖状態を検出する閉鎖検出手段と、
該閉鎖検出手段から出力される検出信号又は該検出信号に準ずる信号を直接又は間接的に受信する外部接続端子装置と、
を備えた弾球遊技機において、
該弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する通常時供給手段と、
前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されていないときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する停電時供給手段と、
を設け、
前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているか否かに関わらず、前記外部接続端子装置から弾球遊技機の外部装置へと前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態に応じた信号を出力することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技を統括して制御する主制御装置が前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を受信し、前記主制御装置から出力される前記検出信号又は該検出信号に準ずる信号を前記外部接続端子装置に出力するように構成し、
前記主制御装置に電源が供給されているときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力する構成とし、
前記主制御装置に電源が供給されていないときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに入力されることなく、受信した前記検出信号を外部接続端子装置に出力することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を振分装置が受信するように構成し、
前記振分装置は該振分装置への電源の供給状態に応じて前記検出信号の出力先を振り分ける振分手段を備え、
電源が前記振分装置に供給されているときには、遊技を統括して制御する主制御装置に受信した前記検出信号を出力し、
電源が前記振分装置に供給されていないときには、外部接続端子装置に受信した前記検出信号を出力する構成とし、
前記主制御装置が前記検出信号を受信すると、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記停電時供給手段は前記閉鎖検出手段に搭載される電池としたことを特徴とする請求項1乃至3記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記停電時供給手段は前記弾球遊技機に設けられる電源基板に搭載されるコンデンサとしたことを特徴とする請求項1乃至3記載の弾球遊技機。
【請求項1】
外枠に開閉自在に蝶着される前面枠又は前面枠に開閉自在に蝶着される意匠枠の閉鎖状態を検出する閉鎖検出手段と、
該閉鎖検出手段から出力される検出信号又は該検出信号に準ずる信号を直接又は間接的に受信する外部接続端子装置と、
を備えた弾球遊技機において、
該弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する通常時供給手段と、
前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されていないときに、前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態を検出可能とするための電源を前記閉鎖検出手段に供給する停電時供給手段と、
を設け、
前記弾球遊技機に設けられる各種装置へと電源が供給されているか否かに関わらず、前記外部接続端子装置から弾球遊技機の外部装置へと前記前面枠又は前記意匠枠の閉鎖状態に応じた信号を出力することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技を統括して制御する主制御装置が前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を受信し、前記主制御装置から出力される前記検出信号又は該検出信号に準ずる信号を前記外部接続端子装置に出力するように構成し、
前記主制御装置に電源が供給されているときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力する構成とし、
前記主制御装置に電源が供給されていないときには、前記主制御装置に搭載されるCPUに入力されることなく、受信した前記検出信号を外部接続端子装置に出力することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記閉鎖検出手段から出力される検出信号を振分装置が受信するように構成し、
前記振分装置は該振分装置への電源の供給状態に応じて前記検出信号の出力先を振り分ける振分手段を備え、
電源が前記振分装置に供給されているときには、遊技を統括して制御する主制御装置に受信した前記検出信号を出力し、
電源が前記振分装置に供給されていないときには、外部接続端子装置に受信した前記検出信号を出力する構成とし、
前記主制御装置が前記検出信号を受信すると、前記主制御装置に搭載されるCPUに前記検出信号が入力され、前記CPUの命令によって前記検出信号に準ずる信号を外部設側端子装置に出力することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記停電時供給手段は前記閉鎖検出手段に搭載される電池としたことを特徴とする請求項1乃至3記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記停電時供給手段は前記弾球遊技機に設けられる電源基板に搭載されるコンデンサとしたことを特徴とする請求項1乃至3記載の弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−264208(P2008−264208A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111374(P2007−111374)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】
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