説明

弾球遊技機

【課題】複数回の変動表示にまたがってストーリーが発展する連続演出を可能とすることで遊技に対する興趣を増す。
【解決手段】1回の変動表示の間で完結する演出である単独演出を表す単独演出パターンが記録された単独演出パターンテーブルと、複数回の変動表示にわたって継続する演出である連続演出を表す連続演出パターンが記録された連続演出パターンテーブルと、現に連続演出が実行されていない場合に当該変動表示より連続演出を開始するか否かを判定する連続演出判定手段と、演出パターンを選択する演出パターン選択手段とを有する。演出パターン選択手段は、現に連続演出手段が実行されている場合又は連続演出が開始される場合には連続演出パターンテーブルから、連続演出は開始されない場合には単独演出パターンテーブルからそれぞれ演出パターンを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大当たり遊技の発生の有無に係る特別図柄の表示を行う弾球遊技機、特にその表示に伴い大当たり遊技発生の可能性を示唆する演出が行われることがある弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機においては、所定の条件が満たされることにより、通常の遊技と比べ大きな利益が遊技者にもたらされる可能性の高いいわゆる「大当たり遊技」が発生するのが通常である。この所定の条件には様々なものがあるが、最も一般的なのが、所定の始動口への入賞を契機に、液晶画面等に表示される図柄が変動を開始し、それが停止した際に、所定の図柄が表示された場合に、この大当たり遊技が発生する、というものである。この変動を経て停止する図柄を特別図柄と称する。特別図柄は、通常3桁の数字等から構成され、各桁ごとに順次停止することで、大当たり遊技発生に対する興趣を高めることとなっている。また、3桁の図柄のうち2桁が停止した段階で残りの1桁の図柄次第では、大当たり遊技の発生に係る特別図柄となるようないわゆる「リーチ」の場合には、図柄の変動に伴って、図柄とは別に大当たり遊技の発生に対する期待感を向上させるようなストーリーを持った映像を演出として表示することがある。この演出として、通常様々なパターンが用意されるが、1パターンのうちでこのストーリーが発展していくものほど大当たり遊技の発生に対する期待度が高いことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−179863号公報(段落「0002」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような演出は、特別図柄の変動表示が1回終了する間に完結することとなっている。したがって、1回の変動表示のうちにストーリーが発展しない場合には、当たりに対する期待感が低いため、遊技に対する興趣を削ぐこととなっていた。
更に、ストーリーが発展するような演出は長時間にわたることが多い。したがって、演出が発展する間に始動口へ入賞することで保留球数が上限に達する可能性が高く、それ以後演出終了までストップボタン等により弾球を中断させるいわゆる「止め打ち」をする遊技者も多い。そのため、演出が発展する間の稼働率が低下することともなっていた。
そこで、第1の発明は、複数回の変動表示にまたがってストーリーが発展する連続演出を、保留球を有している場合にのみ可能とすることで、連続演出が円滑に実行され、遊技に対する興趣を増すことを目的とする。
【0005】
また、第1の参考発明は、複数回の変動表示にまたがってストーリーが発展する連続演出を可能とすることで遊技に対する興趣を増すことを目的とする。
また、第2の参考発明は、第1の参考発明の目的に加え、保留球数が複数の場合にのみ連続演出を可能とすることで、連続演出が円滑に実行されることを目的とする。
更に、第3の参考発明は、第2の参考発明の目的に加え、いわゆる「ハズレ」の場合にのみ当該変動表示から連続演出が実行され得るとすることで、連続演出を適切なタイミングで開始させることを目的とする。
また、第4の参考発明は、第3の参考発明の目的に加え、当該変動表示の後の保留球で大当たり遊技が発生する場合にのみ当該変動表示から連続演出を可能とすることで、連続演出に対する期待感の向上を図ることを目的とする。
【0006】
更に、第5の参考発明は、第3の参考発明の目的に加え、保留球数の当否に応じた連続演出のパターンを選択することで、適切なパターンの選択を目的とする。
また、第6の参考発明は、第3の参考発明の目的に加え、連続演出中でも当たりが発生した場合には当該連続演出を終了することで、連続演出を適正に実行することを目的とする。
更に、第7の参考発明は、第6の参考発明の目的に加え、連続演出中でも当たりが発生した場合、当該連続演出を円滑に終了させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1の発明)
上記の課題に鑑み、第1の発明は、所定の始動口14への1回の遊技球の入賞ごとに、大当たり遊技発生の有無に係る特別図柄の変動表示を1回実行するとともに、その変動表示に伴って、大当たり遊技発生の可能性を示唆する演出が実行される場合がある弾球遊技機10であって、この弾球遊技機10には、特別図柄を変動表示する特別図柄表示手段49により変動表示が現に実行されている際の始動口14への入賞に対し当該入賞に係る当たり判定乱数を保留可能な当たり判定乱数保留手段61を備えるとともに、1回の変動表示の間で行う演出である単独演出と、複数回の変動表示にわたって行う演出である連続演出とを有し、演出を行うか否かを決定するに際して、当たり判定乱数が上記当たり判定乱数保留手段61に保留されていると判定が行われた場合に限り連続演出を開始するか否かの判定をし、連続演出を行うと判定されたときにその演出を実行するものの、連続演出の実行中は連続演出を開始するか否かの判定を行わないことを特徴とする。
【0008】
(第1の参考発明)
第1の参考発明は、所定の始動口14への1回の遊技球の入賞ごとに、大当たり遊技発生の有無に係る特別図柄の変動表示を1回実行するとともに、その変動表示に伴って、大当たり遊技発生の可能性を示唆する演出が実行される場合がある弾球遊技機10であって、1回の変動表示の間で完結する演出である単独演出を表す単独演出パターンが記録された単独演出パターンテーブル71と、複数回の変動表示にわたって継続する演出である連続演出を表す連続演出パターンが記録された連続演出パターンテーブル72と、乱数発生手段31と、前記始動口14への入賞を契機に乱数発生手段31から当たり判定乱数を抽出する当たり判定乱数抽出手段32と、上記当たり判定乱数を用いて大当たり遊技を発生させるか否かを判定する当たり判定手段37と、上記当たり判定手段37による判定結果に応じた特別図柄を抽選により選択する特別図柄選択手段40と、現に連続演出が実行されていることを示す設定状態又は実行されていないことを示す非設定状態のいずれかの状態をとる連続演出フラグ62と、上記連続演出フラグ62の状態を判別するフラグ判別手段34と、上記フラグ判別手段34により前記連続演出フラグ62が非設定状態であると判別された場合に演出を実行するか否かを判定する演出実行判定手段36と、連続演出を開始するか否かの判定に先立って乱数発生手段31から連続演出判定乱数を抽出する連続演出判定乱数抽出手段41と、前記演出実行判定手段36による判定結果が肯定的である場合に前記連続演出判定乱数を用いて当該変動表示より連続演出を開始するか否かを判定する連続演出判定手段42と、上記連続演出判定手段42により肯定的な判定がされた場合には前記連続演出パターンテーブル72から連続演出パターンを選択するとともに否定的な判定がされた場合には前記単独演出パターンテーブル71から単独演出パターンを選択する演出パターン選択手段44と、上記演出パターン選択手段44により連続演出パターンが選択された場合に前記連続演出フラグ62を設定状態に変更するフラグ設定手段45と、前記特別図柄を変動表示する特別図柄表示手段49と、前記フラグ判別手段34により前記連続演出フラグ62が設定状態であると判別された場合には当該連続演出フラグ62が設定状態となった際に選択された連続演出パターンに従った演出を上記特別図柄の変動表示に伴って表示するとともに、前記フラグ判別手段34により前記連続演出フラグ62が非設定状態であると判別された場合でかつ前記演出実行判定手段36による判定が肯定的であった場合には前記演出パターン選択手段44により選択された連続演出パターン若しくは単独演出パターンに従った演出を上記特別図柄の変動表示に伴って表示する演出表示手段50と、前記フラグ判別手段34により前記連続演出フラグ62が設定状態であると判別された場合に当該連続演出が所要の変動表示の回数を消化したか否かを判定する連続演出終了判定手段47と、上記連続演出終了判定手段47による判定が肯定的である場合に前記連続演出フラグ62を非設定状態に変更するフラグ解除手段48とを備えたことを特徴とする。
【0009】
「大当たり遊技」とは、通常の遊技よりも大きな利益が遊技者に与えられる可能性のある遊技をいう。たとえば、通常遊技では閉鎖している入賞口が一定時間及び一定回数開放し、この入賞口に入賞することで通常より多い賞球が与えられるような遊技が大当たり遊技に該当する。
「特別図柄」とは、数字(アラビア数字、漢数字等)、文字(アルファベット等)その他の記号(矢印、星印等)又は具体的な絵柄(チェリー等の果物、漫画のキャラクター等)若しくは抽象的な絵柄(爆発、発光、稲妻等)で表される「図柄」から構成され、大当たり遊技が発生するか否かを直接的に表するものをいう。特別図柄は通常3桁の数字等から構成されることが多く、このうち特定の組合せ、たとえば3桁とも同一の数字等であるようなものが、大当たり遊技が発生する旨を表す「当たり図柄」で、それ以外が「ハズレ図柄」となっている。この特別図柄は、通常は、液晶画面12等に画像として表示される場合が多いが、たとえばスロットマシンのリールのように、現実の物体の表面に描かれるものとしてもよい。
【0010】
「変動表示」とは、ある図柄から別の図柄への移り変わりが行われている状態を経て、最終的にある特別図柄を停止した状態で表示することをいう。ここでいう「停止」とは、必ずしも物理的に完全に停止している状態のみを意味するのではない。したがって、ある図柄自体が拡大及び縮小を繰り返している状態や、図柄が揺れて見えるように表示されるいわゆる「揺れ変動」もこの「停止」に含まれることとなる。そして、遊技球が1個始動口14へ入賞することによって完結する変動表示を「1回の変動表示」と称する。
「演出」とは、大当たり遊技発生の可能性を示唆する映像表現若しくは音声表現又はこれらの結合をいう。ここでいう映像表現とは、画像によるもののみならず、ランプの点滅によるようなものも含んだ、視覚的な表現をいう。
【0011】
上記演出には、1回の変動表示の間で完結する「単独演出」と、複数回の変動表示にわたって継続し完結する「連続演出」とがある。また、複数種類の演出について、その各々を実行するために必要な画像データ及び音声データの組合せを「演出パターン」と称する。そして、単独演出を表す演出パターンを「単独演出パターン」と、また、連続演出を表す演出パターンを「連続演出パターン」とそれぞれ称する。
「単独演出パターンテーブル」とは、複数種類の単独演出パターンをデータとして記憶しているデータテーブルをいう。たとえば、ROM70等の記憶装置に記憶されている弾球遊技機10の遊技データの一部をこの単独演出パターンテーブル71とすることができる。この単独演出パターンテーブル71には、実際に単独演出パターンそのものが記録されていても、また、実際には別の装置(たとえば、ROM70上の別の記憶領域)に記憶されている単独演出パターンを識別する記号(たとえば、メモリ上のアドレス)が記録されていても、いずれでもよい。
【0012】
「連続演出パターンテーブル」とは、複数種類の連続演出パターンをデータとして記憶しているデータテーブルをいう。たとえば、ROM70等の記憶装置に記憶されている弾球遊技機10の遊技データの一部をこの連続演出パターンテーブル72とすることができる。この連続演出パターンテーブル72には、実際に連続演出パターンそのものが記録されていても、また、実際には別の装置(たとえば、ROM70上の別の記憶領域)に記憶されている連続演出パターンを識別する記号(たとえば、メモリ上のアドレス)が記録されていても、いずれでもよい。
「乱数発生手段」とは、乱数を発生させる手段をいう。ここで、「乱数」とは、数学的な意味の乱数のみならず、その生成は規則的であっても抽出のタイミングがランダムであるために結果的に乱数として機能し得る数値をも含む。たとえば、発振回路を利用して0から16383までの数字を1秒間に七百万回程度繰り返し累積的にカウントする装置をこの乱数発生手段31として用いることができる。また、弾球遊技機10の制御プログラムにおいて、たとえば0から319までの数値をソフトウェアリセットごとに加算するようにした場合に、この数値を乱数として用いることもできる。この場合、弾球遊技機10の制御を司るCPU30等の制御部が、上記乱数発生手段31として機能することとなる。
【0013】
「当たり判定乱数抽出手段」とは、始動口14への入賞を認識した時点以降において乱数発生手段31が示す数値を当たり判定乱数として抽出する手段をいう。また、「当たり判定乱数」とは、大当たり遊技の発生の有無に関する抽選に用いられる乱数をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この当たり判定乱数抽出手段32として機能させることが可能である。
「当たり判定手段」とは、上記当たり判定乱数を用いて大当たり遊技の発生の有無を判定する手段をいう。この当たり判定手段37による判定は、当該乱数をいわゆる確率テーブルと参照することによって実行されるものでも、また、当該乱数が特定の値であるか否かを判断することによって実行されるものでも、いずれでもよい。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この当たり判定手段37として機能させることが可能である。ここで、この当たり判定手段37により、大当たり遊技が発生する旨の判定がされる状態を「当たり」と称し、それ以外の判定がされる状態を「ハズレ」と称する。
【0014】
「特別図柄選択手段」とは、大当たり遊技の発生の有無に応じて、特別図柄の種類を抽選により選択する手段をいう。また、ここでいう「抽選」は、所定の乱数をいわゆる確率テーブルと参照することによる抽選であることが望ましい。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この特別図柄選択手段40として機能させることが可能である。
「連続演出フラグ」とは、現に連続演出が実行されているか否かを示すパラメータをいう。この連続演出フラグ62は、「設定状態」及び「非設定状態」のうちのいずれかの状態をとる。たとえば、設定状態を「1」、非設定状態を「0」とすることができる。この連続演出フラグ62は、たとえば、一時的な記憶装置であるRAM60に記憶されることとなっている。
【0015】
「フラグ判別手段」とは、上記連続演出フラグ62が設定状態であるか非設定状態であるかを判別する手段をいう。たとえば、連続演出フラグ62を、設定状態の値と比較して、これらが等しい場合には、当該連続演出フラグ62は設定状態であると判別される。一方、これらが等しくない場合には、当該連続演出フラグ62は非設定状態であると判別される。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、このフラグ判別手段34として機能させることが可能である。
「演出実行判定手段」とは、演出そのものを実行するか否かを判定する手段をいう。この演出実行判定手段36が行う判定は、上記フラグ判別手段34により連続演出フラグ62が非設定状態であると判別された場合にのみ実行される。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この演出実行判定手段36として機能させることが可能である。
【0016】
「連続演出判定乱数抽出手段」とは、下記の連続演出判定手段42による判定に先立って、乱数発生手段31が示す数値を連続演出判定乱数として抽出する手段をいう。また、「連続演出判定乱数」とは、連続演出を行うか否かを判定するために用いられる乱数をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この連続演出判定乱数抽出手段41として機能させることが可能である。
なお、前記の当たり判定乱数抽出手段32及び連続演出判定乱数抽出手段41は、共通の乱数発生手段31からそれぞれ当たり判定乱数及び連続演出判定乱数を抽出することとしても、また、それぞれ別個の乱数発生手段31から抽出することとしてもいずれでもよい。ただし、共通の乱数発生手段31から乱数を抽出する場合には、それぞれの抽出のタイミングを異なるものとすることが望ましい。更に、連続演出判定乱数は、連続演出の実行の有無の判定が必要な場合にのみ抽出されることとしても、また、その必要の有無にかかわらずたとえば前記始動口14への入賞ごとに抽出されることとしても、いずれでもよい。
【0017】
「連続演出判定手段」とは、前記演出実行判定手段36による判定結果が肯定的である場合、すなわち、演出を実行する旨の判定がなされた場合に、前記連続演出判定乱数を用いた抽選により連続演出を実行するか否かを判定する手段をいう。すなわち、前記連続演出フラグ62が設定状態である場合、現に連続演出が実行されているのであるから、この連続演出判定手段42を作動させる必要はない。また、連続演出フラグ62が非設定状態であっても演出を実行しない場合にはやはりこの連続演出判定手段42を作動させる必要はない。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この連続演出判定手段42として機能させることが可能である。
【0018】
「演出パターン選択手段」とは、連続演出判定手段42による判定結果が肯定的である場合には前記連続演出パターンテーブル72から連続演出パターンを抽選により選択し、また、否定的である場合には前記単独演出パターンテーブル71から単独演出パターンを抽選により選択する手段をいう。ここで、この「抽選」については、前記特別図柄選択手段40と同様である。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この演出パターン選択手段44として機能させることが可能である。
「フラグ設定手段」とは、上記演出パターン選択手段44により、連続演出パターンが選択された場合に、前記連続演出フラグ62を非設定状態から設定状態へ変更する手段をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、このフラグ設定手段45として機能させることが可能である。
【0019】
「特別図柄表示手段」とは、液晶、7セグメント発光ダイオード、ドットマトリクス発光ダイオード等により画像を表示する装置によって、上記特別図柄選択手段40によって選択された特別図柄を変動表示する手段をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この特別図柄表示手段49として機能させることが可能である。
「演出表示手段」とは、液晶、7セグメント発光ダイオード、ドットマトリクス発光ダイオード等により画像を表示する装置によって、上記の特別図柄の変動表示に加えて、一定のストーリーを有する画像である「演出」を表示する手段をいう。この演出表示手段50は、上記特別図柄表示手段49とは別個の装置を使用することとしても、また、共通の装置を使用することとしてもいずれでもよい。共通の装置を使用する場合には、画像を表示する画面を分割して、その一部で特別図柄を変動表示し、また別の一部で同時に演出を表示することが可能である。また、画面の分割は行わず、たとえば特別図柄の変動表示の途中で画面上で演出の表示に切り替える、というように、特別図柄の変動表示と演出の表示とを適宜切り替えて実行することも可能である。
【0020】
この演出表示手段50は、前記フラグ判別手段34により連続演出フラグ62が設定状態であると判別された場合には当該連続演出フラグ62が設定状態となった際に選択された連続演出パターンに従って継続中の連続演出を表示する。一方、前記フラグ判別手段34により連続演出フラグ62が非設定状態であると判別された場合でかつ前記演出実行判定手段36による判定が肯定的であった場合には、前記演出パターン選択手段44により選択された連続演出パターン又は単独演出パターンに従って演出を表示する。ちなみに、前記フラグ判別手段34により連続演出フラグ62が非設定状態であると判別された場合でかつ前記演出実行判定手段36による判定が否定的であった場合には、当然演出を表示することはない。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この演出表示手段50として機能させることが可能である。
【0021】
「連続演出終了判定手段」とは、連続演出フラグ62が設定状態であるとフラグ判別手段34により判別された場合に、所要の変動表示の回数を消化したか否かを判定する手段をいう。たとえば、変動表示の回数をカウントするパラメータを設け、このパラメータと、選択されて連続演出パターンに要する変動表示の回数とを比較し、両者が等しくなったことをもって連続演出が終了した旨の判定とすることが可能となる。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この連続演出終了判定手段47として機能させることが可能である。
「フラグ解除手段」とは、上記連続演出終了判定手段47により連続演出が終了した旨の判定がされた場合に、前記連続演出フラグ62を設定状態から非設定状態へ変更する手段をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、このフラグ解除手段48として機能させることが可能である。
【0022】
以下、本発明に係る弾球遊技機10の作用を、図1のフローチャートを参照しつつ連続演出フラグ62の状態により場合を分けて説明する。
まず、連続演出フラグ62の状態にかかわらず、始動口14への入賞があると(S100)、当たり判定乱数抽出手段32が乱数発生手段31から当たり判定乱数を抽出し(S110)、この当たり判定乱数を用いて当たり判定手段37が「当たり」か「ハズレ」かを判定する(S120)。続いて、この判定の結果に従った特別図柄が、特別図柄選択手段40によって抽選により選択される(S120)。
また、上記当たり判定乱数の抽出とは別に、始動口14への入賞を契機に、連続演出判定乱数抽出手段41が、乱数発生手段31から連続演出判定乱数を抽出する(S110)。なお、この連続演出判定乱数の抽出は必ずしもこのS110に示す段階で行われる必要はなく、後述のS160に示す段階より前に行われていれば足りる。
【0023】
(1)連続演出フラグが非設定状態の場合
現に連続演出は実行されていない場合には、連続演出フラグ62は非設定状態をとっている。この場合、フラグ判別手段34が、連続演出フラグ62は非設定状態であると判別するので(S130)、次に、演出実行判定手段36が作動することとなる。すなわち、演出実行判定手段36は、演出を行うか否かを抽選により判定する(S140)。
(1−1)演出を行わない場合
演出実行判定手段36により、演出は行わない旨の判定がなされた場合は、特別図柄表示手段49は、特別図柄の変動表示を行うが、演出表示手段50は作動しない(S150)。
【0024】
(1−2)演出を行う場合
演出実行判定手段36により、演出を行う旨の判定がなされた場合は、次に、連続演出判定手段42が作動することとなる。すなわち、連続演出判定手段42は、連続演出判定乱数を用いて、当該変動表示から開始される連続演出の実行を行うか否かを抽選により判定する(S160)。
(1−2−1)単独演出を行う場合
連続演出は実行しない旨の判定がされた場合は、演出パターン選択手段44は、単独演出パターンテーブル71から単独演出パターンを抽選により選択することとなる(S165)。そして、特別図柄表示手段49が特別図柄の変動表示を行うのに伴い、演出表示手段50は、単独演出パターンに従った演出を表示する(S170)。
【0025】
(1−2−2)連続演出を行う場合
一方、連続演出を実行する旨の判定がされた場合は、演出パターン選択手段44は、連続演出パターンテーブル72から連続演出パターンを抽選により選択することとなる(S175)。次に、フラグ設定手段45により、連続演出フラグ62が設定される(S180)。そして、特別図柄表示手段49が特別図柄の変動表示を行うのに伴い、演出表示手段50は、連続演出パターンに従った演出を表示する(S185)。
変動表示及び連続演出の際、連続演出終了判定手段47により、当該変動表示で連続演出が終了するか否かが判断されるが(S190)、この場合は連続演出が開始されたばかりなので、フラグ解除手段48の作動はない。
【0026】
(2)連続演出フラグが設定状態の場合
現に連続演出が実行されている場合には、連続演出フラグ62は設定状態をとっている。この場合、フラグ判別手段34が、連続演出フラグ62は設定状態であると判別するので(S130)、連続演出判定手段42は作動しない。すなわち、連続演出判定乱数は抽出されていても使用されないこととなる。
そして、特別図柄表示手段49が特別図柄の変動表示を行うのに伴い、演出表示手段50は、前回以前の入賞時に選択されている連続演出パターン(S175参照)に従った演出を表示する(S185)。
【0027】
次に、連続演出終了判定手段47により、当該変動表示で連続演出が終了するか否かが判断される(S190)。終了しない場合はフラグ解除手段48の作動はない。一方、終了する場合は、フラグ解除手段48により、連続演出フラグ62が非設定状態へ変更される(S195)。
上記により、複数回の特別図柄の変動表示にわたる連続演出が可能となっている。
(第2の参考発明)
また、第2の参考発明は、第1の参考発明の特徴に加え、前記特別図柄表示手段49により変動表示が現に実行されている際の始動口14への入賞に対し当該入賞に係る当たり判定乱数を保留可能な当たり判定乱数保留手段61と、上記当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数の個数を判定する保留乱数判定手段33とを備えるとともに、前記連続演出判定手段42は、保留された当たり判定乱数を用いた前記当たり判定手段37による判定の際に、上記保留乱数判定手段33により更に少なくとも一の当たり判定乱数が上記当たり判定乱数保留手段61に保留されていると判定された場合に限り連続演出を開始するか否かの判定をすることを特徴とする。
【0028】
「保留」とは、特別図柄の変動表示中における始動口14への入賞に対し、当該入賞を契機に抽出された当たり判定乱数を保存することをいう。すなわち、当該変動表示終了後にその保留に係る当たり判定乱数に基づいて再び特別図柄の変動表示が実行されることとなる。なお、この保留には、通常、上限(たとえば4個)が設定されている。
「当たり判定乱数保留手段」とは、上記の、特別図柄の変動表示中に抽出された当たり判定乱数を保留する手段をいう。この当たり判定乱数保留手段61には、上記の上限個数までの当たり判定乱数が、その抽出の順番が認識可能な形式で保留されることとなっている。たとえば、遊技データを一時的に記憶するRAM60をこの当たり判定乱数保留手段61とすることが可能である。
【0029】
「保留乱数判定手段」とは、上記の当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数の個数を判定する手段をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この保留乱数判定手段33として機能させることが可能である。
本発明に係る弾球遊技機10の作用は、前記第1の参考発明に係る弾球遊技機10のそれと多くの部分が共通であるが、相違点についてのみ説明する。
なお、本発明に係る弾球遊技機10においては、図1のS100及びS110に示す段階は、実際にはS120以降に示す段階とは別個独立の処理として実行される。また、S120に示す段階においては、当たり判定乱数保留手段61に保留されている最先の当たり判定乱数が使用されるとともに、使用された当たり判定乱数はその後削除されることとなっている。
【0030】
本発明に係る弾球遊技機10に作用の一例を示すフローチャート(図2)においては、図1のフローチャートにおけるS140とS160との間に、S155に示す段階が介在することとなっている。すなわち、S140に示す段階において、演出実行判定手段36により演出を行う旨の判定がされた場合には、S155に示す段階へ進み、この段階で当たり判定乱数保留手段61に当該当たり判定乱数以外の当たり判定乱数が保留されているか否かが保留乱数判定手段33により判定される。そして、この判定が肯定的な場合(すなわち、当たり判定乱数が更に保留されている場合)にはS160に示す段階へ進んで、連続演出判定手段42により連続演出を実行するか否かが判定されることとなっている。一方、否定的な場合(すなわち、当たり判定乱数はそれ以上保留されていない場合)にはS165に示す段階へ進んで演出パターン選択手段44により単独演出パターンが選択されることとなっている。
【0031】
上記により、保留球数が複数の場合にのみ連続演出を可能とすることで、連続演出が円滑に実行されることとなっている。
(第3の参考発明)
更に、第3の参考発明は、第2の参考発明の特徴に加え、前記連続演出判定手段42は、前記当たり判定手段37により否定的な判定がされた場合に限り連続演出を開始するか否かの判定をすることを特徴とする。
すなわち、当該変動表示で「当たり」となる場合には、それ以後大当たり遊技が発生するため、その大当たり遊技の間は、特別図柄の変動表示がなされないのが普通である。したがって、本発明に係る弾球遊技機10においては、「ハズレ」の場合にのみ当該変動表示から連続変動が開始され得ることとした。
【0032】
本発明に係る弾球遊技機10の作用は、前記第2の参考発明に係る弾球遊技機10のそれと多くの部分が共通であるが、相違点についてのみ説明する。
本発明に係る弾球遊技機10の作用の一例を示すフローチャート(図3)においては、図2のフローチャートにおけるS140とS155との間に、S152に示す段階が介在することとなっている。すなわち、S140に示す段階において、演出実行判定手段36により演出を行う旨の判定がされた場合には、S152に示す段階へ進み、先のS120に示す段階における当たり判定の結果が連続演出判定手段42により参照される。そして、「ハズレ」の判定がなされていた場合にはS155に示す段階へ進んで、保留乱数判定手段33により保留に係る当たり判定乱数の有無が判定されることとなる。一方、「当たり」の場合にはS165に示す段階へ進んで演出パターン選択手段44により単独演出パターンが選択されることとなっている。
【0033】
上記により、当たり判定手段37により、当該入賞で「ハズレ」と判定された場合にのみ当該変動から連続演出が実行され得るとすることで、連続演出を適切なタイミングで開始させることとなっている。
(第4の参考発明)
また、第4の参考発明は、第3の参考発明の特徴に加え、前記当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち、いまだ前記当たり判定手段37による判定に供されていないものについて、それが大当たり遊技発生に係るものであるか否かについて判定する保留当たり判定手段51を備えるとともに、前記連続演出判定手段42は、上記保留当たり判定手段51による判定が肯定的である場合に限り連続演出を開始するか否かの判定をすることを特徴とする。
【0034】
「保留当たり判定手段」とは、当たり判定手段37による判定を待つ当たり判定乱数について、あらかじめ当たり判定手段37と同様の判定を実行する手段をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この保留当たり判定手段51として機能させることが可能である。また、前記当たり判定手段37に、この保留当たり判定手段51としての機能を兼ねさせることも可能である。
本発明に係る弾球遊技機10の作用は、前記第3の参考発明に係る弾球遊技機10のそれと多くの部分が共通であるが、相違点についてのみ説明する。
本発明に係る弾球遊技機10の作用の一例を示すフローチャート(図4)においては、図3のフローチャートにおけるS155とS160との間に、S157に示す段階が介在することとなっている。すなわち、S155に示す段階において、保留乱数判定手段33により当たり判定乱数が更に保留されている旨の判定がされた場合には、S157に示す段階へ進み、この段階で保留当たり判定手段51により、当該保留に係る当たり判定乱数が「当たり」に係るものか又は「ハズレ」に係るものかが判定される。そして、この判定が肯定的な場合(当該保留に係る当たり判定乱数で「当たり」の場合)にはS160に示す段階へ進み、連続演出判定手段42による判定が実行される。一方、否定的な場合(当該保留に係る当たり判定乱数で「ハズレ」の場合)にはS165に示す段階へ進み、演出パターン選択手段44により単独演出パターンが選択される。
【0035】
上記により、当該変動表示の後の変動表示において「当たり」の場合にのみ当該変動表示から連続演出が開始され得ることとなり、連続演出に対する期待感の向上が図られることとなっている。
(第5の参考発明)
更に、第5の参考発明は、第3の参考発明の特徴に加え、前記当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち、いまだ前記当たり判定手段37による判定に供されていないものについて、それが大当たり遊技発生に係るものであるか否かについて判定する保留当たり判定手段51を備えるとともに、前記連続演出判定手段42により肯定的な判定がされた場合、前記演出パターン選択手段44は、上記保留当たり判定手段51による判定結果に応じた連続演出パターンを前記連続演出パターンテーブル72から選択することを特徴とする。
【0036】
「保留当たり判定手段」とは、当たり判定手段37による判定を待つ当たり判定乱数について、あらかじめ当たり判定手段37と同様の判定を実行する手段をいう。なお、弾球遊技機10の制御を司るCPU30に制御プログラムの所定の一部を実行させることで、この保留当たり判定手段51として機能させることが可能である。また、前記当たり判定手段37に、この保留当たり判定手段51としての機能を兼ねさせることも可能である。
本発明に係る弾球遊技機10の作用は、前記第3の参考発明に係る弾球遊技機10のそれと多くの部分が共通であるが、相違点についてのみ説明する。
本発明に係る弾球遊技機10の作用の一例を示すフローチャート(図5)においては、図3のフローチャートにおけるS160とS175との間に、S172に示す段階が介在することとなっている。すなわち、S160に示す段階において、演出実行判定手段36により連続演出を実行する旨の判定がされた場合には、S172に示す段階へ進み、この段階で保留当たり判定手段51により、当該保留に係る当たり判定乱数の全てについて「当たり」に係るものか又は「ハズレ」に係るものかが判定される。そして、S175に示す段階において、その「当たり」及び「ハズレ」の組合せに従って、演出パターン選択手段44によって連続演出パターンが選択されることとなっている。
【0037】
ここで、本発明に係る弾球遊技機10においては連続演出の実行の有無は、保留に係る当たり判定乱数で「当たり」となるか否かには左右されない。したがって、たとえば4個まで当たり判定乱数の保留が可能な場合を想定すると、先述の通り「当たり」の場合以降は連続演出が継続されないため、可能な連続演出パターンは、「ハズレ、ハズレ」、「ハズレ、当たり」、「ハズレ、ハズレ、ハズレ」、「ハズレ、ハズレ、当たり」、「ハズレ、ハズレ、ハズレ、ハズレ」及び「ハズレ、ハズレ、ハズレ、当たり」となる。保留当たり判定手段51は、保留に係る当たり判定乱数がこれらのいずれのパターンに該当するかを判定し、演出パターン選択手段44はこの判定に従って連続演出パターンを選択することとなっている。
【0038】
上記により、保留に係る当たり判定乱数が「当たり」か「ハズレ」かに応じた連続演出パターンを選択することで、以後の遊技の状況に応じた適切な演出パターンの選択が可能となっている。
(第6の参考発明)
また、第6の参考発明は、第3、第4又は第5の参考発明の特徴に加え、前記連続演出終了判定手段47は、前記当たり判定手段37により大当たり遊技発生の旨の判定がされた場合にも肯定的な判定をすることを特徴とする。
本発明に係る弾球遊技機10の作用は、前記第3の参考発明に係る弾球遊技機10のそれと多くの部分が共通であるが、相違点についてのみ説明する。
【0039】
本発明に係る弾球遊技機10の作用の一例を示すフローチャート(図6)においては、図1のフローチャートにおけるS190の後に、S192に示す段階が設けられている。すなわち、S190に示す段階において、連続演出終了判定手段47により所要の変動表示の回数は消化していない旨の判定がされた場合には、S192に示す段階へ進むこととなっている。この段階においては、連続演出終了判定手段47は、更に当該変動表示で「当たり」であったか否かを判定する。そして、「当たり」の場合には、S195へ進んでフラグ解除手段48が作動する。一方、「ハズレ」の場合には連続演出フラグ62は設定状態を保つこととなっている。なお、このフラグ解除手段48の作動は、上記S190又はS192に示す段階における判定の直後に実行される必要はなく、当該「当たり」に伴う大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示が開始される前であればどの時点で実行されることとしてもよい。
【0040】
なお、図3のS152に示す段階において連続演出は「ハズレ」の場合にのみ開始されることから、上記S192に示す段階で肯定的な判断が示される可能性があるのは、図1のS130に示す段階で肯定的な判断が示された場合(すなわち、連続演出フラグ62が設定状態である場合)に限られることとなっている。
上記より、連続演出中でも「当たり」の場合には当該連続演出を終了することで、連続演出が適正に実行されることとなっている。
(第7の参考発明)
更に、第7の参考発明は、第6の参考発明の特徴に加え、連続演出パターンは各回の変動表示ごとの演出単位から構成されているとともに、各演出単位には大当たり遊技が発生する旨の特別図柄に対応した当たり演出単位及び大当たり遊技は発生しない旨の特別図柄に対応したハズレ演出単位とが用意され、上記当たり演出単位は当該連続演出パターンを終了させるものであるとともに、上記ハズレ演出単位のうち最終回の変動表示に係るものは当該連続演出パターンを終了させ、上記ハズレ演出単位のうち最終回の変動表示に係るもの以外は次回の演出単位に継続するものであることを特徴とする。
【0041】
「演出単位」とは、一の連続演出パターンにおいて、個々の変動表示の回数ごとに実行される演出を表す遊技データをいう。たとえば、ある連続演出パターンが3回の変動表示を要する場合には、当該連続演出パターンは、「1回目の演出単位」、「2回目の演出単位」及び「3回目の演出単位」から構成されることとなる。
「当たり演出単位」とは、個々の演出単位のうち、当たり図柄が変動表示される際に表示される演出を表す遊技データをいう。
「ハズレ演出単位」とは、個々の演出単位のうち、ハズレ図柄が変動表示される際に表示される演出を表す遊技データをいう。
【0042】
すなわち、個々の演出単位においては、それぞれ当たり演出単位とハズレ演出単位とが用意され、当該当たり判定の結果に従っていずれかが選択されることとなっている。
また、各連続演出パターンには一定のストーリーがあり、そのストーリーは、各演出単位により構成されることとなっている。たとえば、ある連続演出パターンが前記の如く3回の変動表示を要する場合には、1回目の演出単位でストーリーの発端が提示され、2回目の演出単位でそのストーリーが発展し、そして3回目の演出単位でそのストーリーが完結することとなる。
更に、「ハズレ演出単位」は、最終の演出単位に係るものについてはストーリーを完結するものであるが、それ以外の演出単位に係るものについては、ストーリーの発端を提示し、又は、ストーリーを発展させるものとなっている。一方、「当たり演出単位」は、当該連続演出パターンの要する変動表示回数にかかわらず、ストーリーを完結させるものとなっている。
【0043】
なお、前記第3の参考発明に係る弾球遊技機10においては、連続演出は「ハズレ」の場合から開始されることから、1回目の演出単位はハズレ演出単位のみで足り、当たり演出単位を用意する必要はない。
本発明に係る弾球遊技機10では、前記S175に示す段階において、演出パターン選択手段44は、選択した連続演出パターンにおいて、当該変動表示が何回目かを参照するとともに、当該当たり判定で「当たり」か「ハズレ」かを参照して、該当する回数の演出単位から「当たり演出単位」又は「ハズレ演出単位」を選択することとなっている。
上記により、連続演出中に「当たり」となった場合でも、連続演出を円滑に終了させることが可能となる。
【発明の効果】
【0044】
上記の構成により、各発明は以下に記す効果を奏する。
すなわち、第1の発明の説明によると、複数回の変動表示にまたがってストーリーが発展する連続演出を、保留球を有している場合にのみ可能とすることで、連続演出が円滑に実行され、遊技に対する興趣を増すことが可能となる。
また、第1の参考発明の説明によると、複数回の変動表示にまたがってストーリーが発展する連続演出を可能とすることで遊技に対する興趣を増すことが可能となる。
また、第2の参考発明の説明によると、第1の参考発明の効果に加え、保留球数が複数の場合にのみ連続演出を可能とすることで、連続演出が円滑に実行されることが可能となる。
【0045】
更に、第3の参考発明の説明によると、第2の参考発明の効果に加え、いわゆる「ハズレ」の場合にのみ当該変動から連続演出が実行され得るとすることで、連続演出を適切なタイミングで開始させることが可能となる。
また、第4の参考発明の説明によると、第3の参考発明の効果に加え、当該変動の後の保留球で大当たり遊技が発生する場合にのみ当該変動から連続演出を可能とすることで、連続演出に対する期待感の向上を図ることが可能となる。
更に、第5の参考発明の説明によると、第3の参考発明の効果に加え、保留球数の当否に応じた連続演出のパターンを選択することで、適切なパターンの選択が可能となる。
【0046】
また、第6の参考発明の説明によると、第3の参考発明の効果に加え、連続演出中でも当たりが発生した場合には当該連続演出を終了することで、連続演出を適正に実行することが可能となる。
更に、第7の参考発明の説明によると、第6の参考発明の効果に加え、連続演出中でも当たりが発生した場合、当該連続演出を円滑に終了させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1の参考発明の作用の一例をフローチャートで示したものである。
【図2】第2の参考発明の作用の一例をフローチャートで示したものである。
【図3】第3の参考発明の作用の一例をフローチャートで示したものである。
【図4】第4の参考発明の作用の一例をフローチャートで示したものである。
【図5】第5の参考発明の作用の一例をフローチャートで示したものである。
【図6】第6の参考発明の作用の一例をフローチャートで示したものである。
【図7】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る弾球遊技機の盤面を正面図で示したものである。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る弾球遊技機の機能をブロック図で示したものである。
【図9】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る弾球遊技機における保留球数の加算処理をフローチャートで示したものである。
【図10】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る弾球遊技機における当たり判定、特別図柄の選択及び演出パターンの選択に関する処理の一部をフローチャートで示したものである。
【図11】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る弾球遊技機における当たり判定、特別図柄の選択及び演出パターンの選択に関する処理の一部をフローチャートで示したものである。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る弾球遊技機の機能をブロック図で示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(1)第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態においては、連続演出パターンにおける各変動回数ごとに、当たり演出単位及びハズレ演出単位が用意されている。ただし、後述するように、1回目の変動時についてはハズレ演出単位のみとなっている。
(1−1)盤面外観
第1の実施の形態に係る弾球遊技機10は、図7に正面図で示すような盤面11を有する。
盤面11のほぼ中央には、液晶画面12が設けられている。この液晶画面12は、3桁の図柄(各図柄は、0から9までの10種類の数字から選ばれる)の組合せ(「特別図柄」と称する)を変動表示する特別図柄表示手段49として機能する。また、特別図柄の変動表示に伴う演出を表示する演出表示手段50としても機能する。その上方には4個の特別図柄保留ランプ13、13、13、13が設けられている。
【0049】
上記特別図柄表示装置の下方には、遊技球が入賞可能な始動口14が設けられている。この始動口14の開口部には、当該始動口14における遊技球の通過路の幅を拡大する拡大装置15が設けられる。この拡大装置15は、通常は遊技球1個は通過し得るが2個は同時に通過し得ない程度の幅を保つが、これが拡大すると、落下する遊技球を拾うような形となり、結果として始動口14への入賞が容易となる。
上記始動口14の下方には、アタッカーユニット16が取り付けられており、その正面ほぼ中央には、後述の大当たり遊技の際に開放する大入賞口17が設けられている。また、このアタッカーユニット16の左右両端には、上方に開口した入賞口21、21が設けられている。更に、このアタッカーユニット16の前面には、7セグメント発光ダイオードによる普通図柄表示装置18が設けられるとともに、その周囲には4個の普通図柄保留ランプ19、19、19、19が設けられている。この普通図柄表示装置18には、「5」、「6」及び「7」から成る「普通図柄」が表示される。
【0050】
前記液晶画面12の左側には、遊技球が通過可能な変動開始ゲート20が設けられる。この変動開始ゲート20には、遊技球の通過を検知する図示しないセンサーが設けられている。
また、前記始動口14の左方及び右方にも上方に開口した入賞口21、21が設けられる。更に、盤面11下端には、上記始動口14、大入賞口17、及び各入賞口21、21、21、21のいずれにも入賞し得なかった遊技球が排出されるアウト口22が設けられている。
盤面11には、上記以外にも、遊技球の落下方向に変化を付けるための風車及び釘(図示せず)が設けられている。また、盤面11の前面は、図示しないガラス板で覆われている。更に、盤面11の下方には図示しない弾球ハンドル、賞球払出口、球受け皿等が位置している。
【0051】
(1−2)遊技の概要
この弾球遊技機10における遊技の概要は、以下の通りである。
まず、前記弾球ハンドルを遊技者が操作することで、盤面11に遊技球が弾球される。この遊技球は、前記風車や釘等に接触しながら、盤面11を落下する。そして、落下の過程で各入賞口21、21、21、21のいずれかに入賞すると、前記賞球払出口から5球の賞球が遊技者に払い出される。
遊技球が変動開始ゲート20を通過すると、その通過信号を契機に普通図柄表示装置18において普通図柄が変動表示を開始する。そして、通常の場合、変動表示が開始してから30秒が経過すると、変動表示の開始時点で決定されている所定の普通図柄が停止表示される。この停止表示される普通図柄が「7」であるときには、拡大装置15が0.5秒間作動し、始動口14の幅が拡大することで、始動口14への入賞が容易となる。また、停止表示される普通図柄が「5」又は「6」のときには拡大装置15は作動しないが、この場合でも、始動口14への入賞は可能である。
【0052】
なお、上記普通図柄表示装置18において普通図柄の変動表示が実行されている際に遊技球が変動開始ゲート20を通過すると、当該通過に係る普通図柄の変動表示は現に実行されている普通図柄の変動表示の終了又は拡大装置15の作動の終了まで保留される。そして、普通図柄の変動表示が保留がされていることを表示するために、普通図柄保留ランプ19が1個点灯することとなっている。この普通図柄保留ランプ19は上述の通り4個まで点灯可能である。すなわち、変動開始ゲート20への通過に係る普通図柄の変動表示は、最大4個まで保留可能となっている。
そして、始動口14への入賞があると、前記賞球払出口から5球の賞球が遊技者に払い出されるのに加え、液晶画面12が特別図柄表示手段49として機能し、図柄の変動表示が開始される。この変動表示と同時に、当該液晶画面12が演出表示手段50としても機能し、演出を表示する場合もある。この変動表示の結果、停止表示される特別図柄が3桁とも同一の図柄に係る組合せ(「当たり図柄」と称する。)である場合、「大当たり遊技」となり、普段は閉鎖している大入賞口17が開放する。大入賞口17への入賞があると、前記賞球払出口から15球の賞球が遊技者に払い出される。この大入賞口17は、開放して30秒経過するか、又は10球の入賞があるかのいずれかにより一旦閉鎖する。そして、この大入賞口17が開放していた間に、この大入賞口17の内部に設けられている図示しないVゾーンへの入賞があったときには、再度開放することとなっている。これにより、大入賞口17の開放は、最大16回連続することが可能となっている。また、大入賞口17が16回開放し終えるか、又は大入賞口17の開放中に上記Vゾーンへの入賞がなかった場合には、この大当たり遊技は終了する。
【0053】
一方、始動口14への入賞に伴う変動表示の結果、停止表示される特別図柄が上記当たり図柄以外の組合せ(「ハズレ図柄」と称する。)である場合は、大当たり遊技は発生せず、次の入賞に係る変動表示が再び実行される。
なお、上記特別図柄表示手段49としての液晶画面12において特別図柄の変動表示が実行されている際に遊技球が始動口14に入賞すると、当該入賞に係る特別図柄の変動表示は現に実行されている特別図柄の変動表示の終了まで(又は、現に実行されている特別図柄の変動表示の終了の結果大当たり図柄が表示される場合にはその大当たり図柄による大当たり遊技の終了まで)保留される。そして、特別図柄の変動表示が保留されていることを表示するために、特別図柄保留ランプ13が1個点灯することとなっている。この特別図柄保留ランプ13は上述の通り4個まで点灯可能である。すなわち、始動口14への通過に係る特別図柄の変動表示は、最大4個まで保留可能となっている。
【0054】
さて、上記大当たり図柄が、特定の図柄(たとえば、「7」など)に係るものである場合には、上記大当たり遊技の終了後、いわゆる「確率変動遊技」が発生する。この確率変動遊技の間は、前記普通図柄表示装置18における変動時間が6秒に短縮されるとともに、前記拡大装置15の作動時間が2秒に延長されることとなっている。更に、この確率変動遊技の間は、大当たりの発生確率自体も上昇することとなっている。
(1−3)機能ブロック
本実施の形態に係る弾球遊技機10の、当たり判定、特別図柄選択及び演出パターン選択に関する機能を、図8のブロック図を参照しつつ説明する。
【0055】
本実施の形態に係る弾球遊技機10においては、処理手段としてのCPU30が、記憶手段としてのROM70に記録された制御プログラムを実行することで、弾球遊技機10の制御を司る。これによりCPU30は乱数発生手段31、当たり判定乱数抽出手段32、保留乱数判定手段33、フラグ判別手段34、演出実行判定乱数抽出手段35、演出実行判定手段36、当たり判定手段37、当たり図柄乱数抽出手段38、ハズレ図柄乱数抽出手段39、特別図柄選択手段40、連続演出判定乱数抽出手段41、連続演出判定手段42、演出乱数抽出手段43、演出パターン選択手段44、フラグ設定手段45、演出単位選択手段46、連続演出終了判定手段47、フラグ解除手段48、特別図柄表示手段49及び演出表示手段50として機能する。ROM70にはまた、CPU30による制御の過程で必要とされる様々な遊技情報も記録されている。この遊技情報の一部として、単独演出パターンテーブル71及び連続演出パターンテーブル72が設けられている。また、RAM60は、CPU30による制御の過程で生じたデータを一時的に記憶することで、当たり判定乱数保留手段61及び連続演出フラグ62として機能する。
【0056】
(1−3−1)単独演出パターンテーブル
単独演出パターンテーブル71には、下記の表1に示すように、「当たり」の場合の単独演出パターンが10通り及び「ハズレ」の場合の演出パターンが2通り記憶されている。
【0057】
【表1】

上記表1中の単独演出パターンに係る演出はいずれも1回の変動表示の間に終了することとなっている。ただし、各単独演出パターンに係る演出に要する時間は必ずしも同一ではない。したがって、その時間の差異は、変動表示を延長又は短縮することで調整される。
(1−3−2)連続演出パターンテーブル
連続演出パターンテーブル72には、下記の表2に示すように、2回の変動表示を要する連続変動パターンが4通り、3回の変動表示を要する連続変動パターンが4通り及び4回の変動表示を要する連続変動パターンが2通り記憶されている。
【0058】
【表2】

上記表2に示すように、各連続演出パターンはその所要変動表示回数に応じた数の演出単位から構成される。また、各演出単位には、「当たり」の場合に対応する当たり演出単位及び「ハズレ」の場合に対応する演出単位が用意されている。ただし、後述するように連続演出は「ハズレ」の場合からのみ開始されるので、各連続演出パターンの第1回の演出単位には当たり演出単位は存在しない。
各連続演出パターンは、それぞれ異なったストーリーに基づくものである。そのストーリーの具体的な内容は詳述しないが、各演出単位におけるストーリーの傾向は概ね以下のようになっている。
【0059】
(1−3−2−1)連続演出パターン1
(1-1B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。(1-2A)又は(1-2B)へ続く。
(1-2A):当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(1-1B)の発端部分に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
(1-2B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(1-1B)の発端部分に続き、失敗に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
なお、連続演出パターン2、3及び4についても概ね上記と同様である。
【0060】
すなわち、連続演出パターン1から4までについては、可能なストーリー展開はそれぞれ2通り存在することとなっている。
(1−3−2−2)連続演出パターン5
(5-1B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。(5-2A)又は(5-2B)へ続く。
(5-2A):当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(5-1B)の発端部分に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
(5-2B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(5-1B)の発端部分に続き、これを展開させるような内容が提示される。(5-3A)又は(5-3B)へ続く。
【0061】
(5-3A):当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(5-2B)の展開に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
(5-3B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(5-2B)の展開に続き、失敗に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
なお、連続演出パターン6、7及び8についても概ね上記と同様である。
すなわち、連続演出パターン5から8までについては、可能なストーリー展開はそれぞれ3通り存在することとなっている。
(1−3−2−3)連続演出パターン9
(9-1B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。(9-2A)又は(9-2B)へ続く。
【0062】
(9-2A):当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(9-1B)の発端部分に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
(9-2B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(9-1B)の発端部分に続き、これを展開させるような内容が提示される。(9-3A)又は(9-3B)へ続く。
(9-3A):当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(9-2B)の展開に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
(9-3B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(9-2B)の発端部分に続き、これを更に展開させるような内容が提示される。(9-4A)又は(9-4B)へ続く。
【0063】
(9-4A):当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(9-3B)の展開に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
(9-4B):ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。(9-3B)の展開に続き、失敗に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
なお、連続演出パターン10についても概ね上記と同様である。
すなわち、連続演出パターン9及び10については、可能なストーリー展開はそれぞれ4通り存在することとなっている。
(1−3−3)乱数発生手段
乱数発生手段31は、0から319までの数値を、制御プログラムのソフトウェアリセットごとに1ずつ加算する。ただし、319の次は、再び0になるものとする。そして、所定の時点(たとえば、始動口14への入賞を検知した時点)における値が、乱数として抽出されることとなっている。すなわち、この乱数発生手段31で生成される数値は厳密に数学的な意味での「乱数」ではないが、その抽出のタイミングがほぼランダムと考えられるので、この乱数発生手段31によって生成される数値は実質的に「乱数」として機能し得ると考えられる。
【0064】
(1−3−4)当たり判定乱数抽出手段
当たり判定乱数抽出手段32は、始動口14への遊技球の入賞を検知した時点において乱数発生手段31が示す数値を、当たり判定乱数として抽出する。
(1−3−5)当たり判定乱数保留手段
当たり判定乱数保留手段61には、当たり判定乱数抽出手段32により抽出される当たり判定乱数が最大4個、その抽出の順序を認識可能な形式で保留される。また、後述の当たりの判定には最先に保留された当たり判定乱数から使用されるとともに、使用された当たり判定乱数はまた順次削除される。
【0065】
(1−3−6)保留乱数判定手段
保留乱数判定手段33は、上記当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数の個数を判定する。この当たり判定乱数の個数は、特別図柄保留ランプ13にその点灯個数として表示される。
(1−3−7)連続演出フラグ
連続演出フラグ62は、RAM60に一時的に記憶されるパラメータで、0から4までの整数値をとる。ここで、値が0である連続演出フラグ62は、現に連続演出は実行されていないことを示す。また、値が1から4までである連続演出フラグ62は、現に実行されている連続演出のうち、何回目の変動表示に該当するかを示す。
【0066】
(1−3−8)フラグ判別手段
フラグ判別手段34は、RAM60に記憶されている連続演出フラグ62の値を「0」と比較し、等しいか否かを判別する。
(1−3−9)演出実行判定乱数抽出手段
演出実行判定乱数抽出手段35は、下記の演出実行判定手段36による判定前の所定の時点において乱数発生手段31が示す数値を、演出実行判定乱数として抽出する。
(1−3−10)演出実行判定手段
演出実行判定手段36は、演出を実行するか否かを、上記演出実行判定乱数抽出手段35が抽出した演出実行判定乱数の値によって判定する。
【0067】
(1−3−11)当たり判定手段
当たり判定手段37は、前記当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち最先のものを用いて、「当たり」か「ハズレ」かを判定する。すなわち、当該当たり判定乱数を7と比較し、等しい場合には「当たり」と判定し、一方、異なる場合には「ハズレ」と判定する。
(1−3−12)当たり図柄乱数抽出手段
当たり図柄乱数抽出手段38は、上記当たり判定手段37により「当たり」の判定がされてから、後述の特別図柄選択手段40による特別図柄の選択までの所定の時点において乱数発生手段31が示す数値を、当たり図柄乱数抽出手段38として抽出する。具体的には、乱数発生手段31から抽出した0から319までの数値を0から9までの数値に変換し、これを当たり図柄乱数抽出手段38とする。
【0068】
(1−3−13)ハズレ図柄乱数抽出手段
ハズレ図柄乱数抽出手段39は、前記当たり判定手段37により「ハズレ」の判定がされてから、下記の特別図柄選択手段40による特別図柄の選択までの所定の時点において乱数発生手段31が示す数値を、ハズレ図柄乱数抽出手段39として抽出する。具体的には、乱数発生手段31から適宜異なるタイミングで抽出した0から319までの数値3個をそれぞれ0から9までの数値に変換する。そして、これらの3個の数値が3個とも相等しい場合には、そのうちの1個を他の数値に置き換えて得られた3個の数値の組合せをハズレ図柄乱数とする。一方、当該変換で得られた3個の数値のうち少なくとも1個が他の数値と異なる場合には、それらの3個の数値の組合せをそのままハズレ図柄乱数とする。
【0069】
(1−3−14)特別図柄選択手段
特別図柄選択手段40は、前記当たり判定手段37の判定結果に応じて、特別図柄の種類を選択する。たとえば、上記の判定結果が「当たり」であれば、前記当たり図柄乱数抽出手段38によって抽出された乱数の数値を3桁のいずれにも有する「当たり図柄」(たとえば、「777」)を特別図柄として選択する。一方、判定結果が「ハズレ」であれば、上記ハズレ図柄乱数抽出手段39によって抽出された乱数の数値を各桁に有する「ハズレ図柄」(たとえば、「765」、「787」等)を特別図柄として選択する。
(1−3−15)連続演出判定乱数抽出手段
連続演出判定乱数抽出手段41は、下記の連続演出判定手段42による判定までの所定の時点において乱数発生手段31が示す数値を、連続演出判定乱数として抽出する。
【0070】
(1−3−16)連続演出判定手段
連続演出判定手段42は、連続演出を実行するか否かを、連続演出判定乱数抽出手段41が抽出した連続演出判定乱数の数値により判定する。
(1−3−17)演出乱数抽出手段
演出乱数抽出手段43は、下記の演出パターン選択手段44による演出パターンの選択までの所定の時点において乱数発生手段31が示す数値を、演出乱数として抽出する。
(1−3−18)演出パターン選択手段
演出パターン選択手段44は、前記当たり判定手段37による判定結果及び上記連続演出判定手段42による判定結果に応じた適切な単独演出パターン又は連続演出パターンを、上記演出乱数抽出手段43が抽出した演出乱数の数値によりそれぞれ単独演出パターンテーブル71又は連続演出パターンテーブル72から選択する。
【0071】
(1−3−19)フラグ設定手段
フラグ設定手段45は、前記連続演出判定手段42による判定結果が肯定的な場合に連続演出フラグ62の値を1にする。
(1−3−20)演出単位選択手段
演出単位選択手段46は、連続演出パターンが選択されている場合に、当たり判定手段37による判定結果及び連続変動の回数に応じて、適切な演出単位を選択する。
(1−3−21)連続演出終了判定手段
連続演出終了判定手段47は、当該連続演出が所要の変動表示回数を消化したか否かを判定する。具体的には、当該時点の連続演出フラグ62の値を参照して、その値と、所要の変動表示回数の値とを比較して、これらが等しいか否かを判断するか、又は、当該変動表示で当たり演出単位に係る演出が表示されたか否かを判断するかのいずれかにより判定される。
【0072】
(1−3−22)フラグ解除手段
フラグ解除手段48は、上記連続演出終了判定手段47による判定結果が肯定的な場合に連続演出フラグ62の値を「0」にする。
(1−3−23)特別図柄表示手段
特別図柄表示手段49は、前記特別図柄選択手段40が選択した特別図柄を、液晶画面12上に変動表示を経て停止表示させる。
(1−3−24)演出表示手段
演出表示手段50は、前記演出パターン選択手段44が選択した演出パターン、及び、連続演出パターンが選択されている場合には前記演出単位選択手段46が選択した演出単位に従った演出を、液晶画面12上に表示する。
【0073】
以下、本実施の形態に係る弾球遊技機10における処理手順を、図9、図10及び図11のフローチャートを参照しつつ説明する。本実施の形態に係る弾球遊技機10における処理手順は図9のフローチャートで示される当たり判定乱数の保留処理と、図10及び図11のフローチャートで示される特別図柄及び演出に関する処理に分けられる。両処理は、同時に並行して実行されるが、保留された当たり判定乱数の個数(K)は、両処理で共通するパラメータである。このKが一方の処理で変化した際には、その変化は他方の処理にも影響を与えることとなっている。
(1−4−1)当たり判定乱数の保留処理
本処理においては、まず、図9のS200に示す段階において、始動口14への入賞をCPU30が認識したか否かが判断される。認識しない場合は、本処理は終了するが、ソフトウェアリセットを経て直ちに本段階から本処理は再開される。一方、認識した場合は、 S210に示す段階へ進む。
【0074】
S210に示す段階においては、当たり判定乱数抽出手段32が、当該入賞を認識した時点において乱数発生手段31が示す数値を当たり判定乱数として抽出する。そして、S220に示す段階へ進む。
S220に示す段階においては、保留乱数判定手段33によって、当たり判定乱数保留手段61において現に保留されている当たり判定乱数(図9及び図10中の「K」。以下、「保留球数」とする。)が4個に達しているか否かが判定される。達している場合には、S210に示す段階において抽出された当たり判定乱数は保留されることなく、S250に進んで所定の賞球払出処理が実行された後、本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS200に示す段階から本処理は再開される。一方、保留球数が4に達していない場合には、S230に示す段階へ進む。
【0075】
S230に示す段階においては、保留乱数判定手段33によって、保留球数に1が加算される。そして、S240に示す段階へ進む。
S240に示す段階においては、当該当たり判定乱数が、当たり判定乱数保留手段61に、当該時点における順番が最下位となるようにして保存される。そして、S250に進んで所定の賞球払出処理が実行された後、S250に進んで所定の賞球払出処理が実行された後、本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS200に示す段階から本処理は再開される。
(1−4−2)特別図柄及び演出に関する処理
本処理においては、まず、図10のS300に示す段階において、保留乱数判定手段33によって、保留球数が1以上であるか否かが判断される。すなわち、本段階では、特別図柄の変動表示が実行可能な状態であるか否かが判断されることとなっている。この判断が否定的な場合、すなわち保留球数が0の場合は、本処理は終了するが、ソフトウェアリセットを経て直ちに本段階から本処理は再開される。一方、この判断が肯定的な場合には、S310に示す段階へ進む。
【0076】
S310に示す段階においては、フラグ判別手段34によって、連続演出フラグ62(図10中の「M」)が1以上であるか否かが判断される。
(1−4−2−1)連続演出中でない場合
S310に示す段階において、否定的な判断がされる場合、すなわち、連続演出フラグ62が0である場合とは、現に連続演出は実行されていない場合を意味する。この場合は、S320に示す段階へ進む。
S320に示す段階においては、保留乱数判定手段33により、当該時点の保留球数が、変動所要回数(図10中の「N」)として保存された後、1減算される。そして、S330に示す段階へ進む。
【0077】
S330に示す段階においては、まず、演出実行判定乱数抽出手段35によって、当該時点における乱数発生手段31が示す数値が、演出実行判定乱数として抽出される。次いで、演出実行判定手段36が、この演出実行判定乱数によって、演出そのものを実行するか否かを判定する。
(1−4−2−1−1)演出を実行しない場合
S330に示す段階における判断が否定的な場合、すなわち、演出を実行しない場合には、図11のS332に示す段階へ進む。この段階においては、当たり判定手段37が、当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち、最先に保留されたものを参照し、「当たり」か否かを判定する。
【0078】
「当たり」の場合には、S334に示す段階へ進み、当たり図柄乱数抽出手段38により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が当たり図柄乱数として抽出される。そして、特別図柄選択手段40が、この当たり図柄乱数に該当する当たり図柄を特別図柄として決定する。
一方、「ハズレ」の場合には、S336に示す段階へ進み、ハズレ図柄乱数抽出手段39により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値がハズレ図柄乱数として抽出される。そして、特別図柄選択手段40が、このハズレ図柄乱数に該当するハズレ図柄を特別図柄として決定する。
【0079】
いずれの場合もS338へ進み、前記S332に示す段階で判定に供された当たり判定乱数が当たり判定乱数保留手段61から削除される。次いで、特別図柄表示手段49が、特別図柄選択手段40が決定した特別図柄を液晶画面12上において変動表示させた後、停止表示させる。そして、本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちに図10のS300に示す段階から、連続演出フラグ62の値は0のまま本処理は再開される。
(1−4−2−1−2)演出を実行する場合
図10のS330に示す段階における判断が肯定的な場合、すなわち、演出を実行する場合には、S340に示す段階へ進む。この段階においては、当たり判定手段37が、当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち、最先に保留されたものを参照し、「当たり」か否かを判定する。
【0080】
(1−4−2−1−2−1)当たりの場合
S340に示す段階において「当たり」と判定された場合には、S350に示す段階へ進み、当たり図柄乱数抽出手段38により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が当たり図柄乱数として抽出される。そして、特別図柄選択手段40が、この当たり図柄乱数に該当する当たり図柄を特別図柄として決定する。そして、S360に示す段階へ進む。
S360に示す段階においては、演出乱数抽出手段43により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が演出乱数として抽出される。次いで、この演出乱数により、演出パターン選択手段44が、単独演出パターン1から10までのうちからいずれか1つを選択する。そして、S520に示す段階へ進む。
【0081】
S520に示す段階においては、前記S340に示す段階で判定に供された当たり判定乱数が当たり判定乱数保留手段61から削除される。次いで、特別図柄表示手段49が、特別図柄選択手段40が決定した当たり図柄を液晶画面12上において変動表示させた後、停止表示させる。また、この変動表示に伴って、演出表示手段50が、演出パターン選択手段44が決定した単独演出パターンに従って、同液晶画面12上に演出を表示する。そして、本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS300に示す段階から、連続演出フラグ62は0のまま本処理は再開される。
(1−4−2−1−2−2)ハズレの場合
S340に示す段階において「ハズレ」と判定された場合には、S370に示す段階へ進み、ハズレ図柄乱数抽出手段39により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値がハズレ図柄乱数として抽出される。そして、特別図柄選択手段40が、このハズレ図柄乱数に該当するハズレ図柄を特別図柄として決定する。そして、S380に示す段階へ進む。
【0082】
S380に示す段階においては、保留乱数判定手段33により、変動所要回数が2以上であるか否かが判断される。2以上でない場合、すなわち、変動所要回数が1である場合には、連続演出は開始されない。したがって、この場合はS400に示す段階へ進む。
一方、2以上である場合には、連続演出が開始される可能性がある。したがって、この場合はS390に示す段階へ進む。
S390に示す段階においては、連続演出判定乱数抽出手段41により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が連続演出判定乱数として抽出される。次いで、連続演出判定手段42が、この連続演出判定乱数によって、連続演出を開始するか否かを判定する。連続演出は開始されない場合はS400に示す段階へ、また、連続演出が開始される場合はS410に示す段階へそれぞれ進む。
【0083】
(1−4−2−1−2−2−1)連続演出は開始されない場合
S380に示す段階において否定的な判断がされた場合又はS390に示す段階において否定的な判定がされた場合には、連続演出は開始されない。したがって、S400に示す段階へ進み、演出乱数抽出手段43により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が演出乱数として抽出される。次いで、この演出乱数により、演出パターン選択手段44が、単独演出パターン11及び12のうちからいずれか1つを選択する。そして、S520に示す段階へ進む。
S520に示す段階においては、前記S340に示す段階で判定に供された当たり判定乱数が当たり判定乱数保留手段61から削除される。次いで、特別図柄表示手段49が、特別図柄選択手段40が決定したハズレ図柄を液晶画面12上において変動表示させた後、停止表示させる。また、この変動表示に伴って、演出表示手段50が、演出パターン選択手段44が決定した単独演出パターンに従って、同液晶画面12上に演出を表示する。そして、本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS300に示す段階から、連続演出フラグ62は0のまま本処理は再開される。
【0084】
(1−4−2−1−2−2−2)連続演出が開始される場合
S390に示す段階において肯定的な判定がされた場合には、連続演出が開始される。したがって、S410に示す段階へ進み、演出乱数抽出手段43により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が演出乱数として抽出される。次いで、この演出乱数により、演出パターン選択手段44が、変動所要回数に応じた連続演出パターンを1つ選択する。すなわち、変動所要回数が2であれば連続演出パターン1から4までの中から、変動所要回数が3であれば連続演出パターン5から8までの中から、変動所要回数が4であれば連続演出パターン9及び10のうちからそれぞれ連続演出パターンが選択される。そして、S420に示す段階へ進む。
【0085】
S420に示す段階においては、フラグ設定手段45により、連続演出フラグ62が1とされる。そして、S490に示す段階へ進む。
S490に示す段階においては、演出単位選択手段46により、当該連続演出パターンを構成する演出単位の中から、この場合は1回目のハズレ演出単位が選択される。そして、S500に示す段階へ進む。
S500に示す段階においては、連続演出終了判定手段47により、当該時点の連続演出フラグ62が当該変動所要回数と等しいか否かが判定される。この場合は連続演出フラグ62は1で、変動所要回数は少なくとも2であるので、S520に示す段階へ進む。
【0086】
S520に示す段階においては、前記S340に示す段階で判定に供された当たり判定乱数が当たり判定乱数保留手段61から削除される。次いで、特別図柄表示手段49が、特別図柄選択手段40が決定したハズレ図柄を液晶画面12上において変動表示させた後、停止表示させる。また、この変動表示に伴って、演出表示手段50が、演出単位選択手段46が選択したハズレ演出単位に従って、同液晶画面12上に演出を表示する。そして、連続演出が継続した状態で本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS300に示す段階から、連続演出フラグ62が1の状態で本処理は再開される。
(1−4−2−2)連続演出中である場合
S310に示す段階において、肯定的な判断がされる場合、すなわち、連続演出フラグ62が1以上である場合とは、現に連続演出が実行されている場合を意味する。この場合は、S430に示す段階へ進む。
【0087】
S430に示す段階においては、保留乱数判定手段33により、当該時点の保留球数が1減算される。そして、S440に示す段階へ進む。
S440に示す段階においては、フラグ設定手段45により、連続演出フラグ62に1加算される。これにより、変動表示の回数が1回分進むことになる。そして、S450に示す段階へ進む。
S450に示す段階においては、当たり判定手段37が、当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち、最先に保留されたものを参照し、「当たり」か否かを判定する。
【0088】
(1−4−2−2−1)当たりの場合
S450に示す段階において「当たり」と判断された場合には、S460に示す段階へ進み、当たり図柄乱数抽出手段38により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が当たり図柄乱数として抽出される。そして、特別図柄選択手段40が、この当たり図柄乱数に該当する当たり図柄を特別図柄として決定する。そして、S470に示す段階へ進む。
S470に示す段階においては、演出単位選択手段46により、前回以前の変動表示に際して選択された連続演出パターン(S410参照)を構成する演出単位の中から、連続演出フラグ62の数値で示される回数に該当する当たり演出単位が選択される。更に、この段階で、当該連続演出を終了する旨の判定が連続演出終了判定手段47によってなされ、S510に示す段階へ進む。
【0089】
S510に示す段階においては、フラグ解除手段48により、連続演出フラグ62が0とされる。そして、S520に示す段階へ進む。
S520に示す段階においては、前記S450に示す段階で判定に供された当たり判定乱数が当たり判定乱数保留手段61から削除される。次いで、特別図柄表示手段49が、特別図柄選択手段40が決定した当たり図柄を液晶画面12上において変動表示させた後、停止表示させる。また、この変動表示に伴って、演出表示手段50が、演出単位選択手段46が決定した当たり演出単位に従って、同液晶画面12上に演出を表示する。そして、連続演出が終了した状態で本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS300に示す段階から、連続演出フラグ62が0の状態で本処理は再開される。
【0090】
(1−4−2−2−2)ハズレの場合
一方、S450に示す段階において「ハズレ」と判断された場合には、S480に示す段階へ進み、ハズレ図柄乱数抽出手段39により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値がハズレ図柄乱数として抽出される。そして、特別図柄選択手段40が、このハズレ図柄乱数に該当するハズレ図柄を特別図柄として決定する。そして、S490に示す段階へ進む。
S490に示す段階においては、演出単位選択手段46により、前回以前の変動表示に際して選択された連続演出パターン(S410参照)を構成する演出単位の中から、連続演出フラグ62の数値で示される回数に該当するハズレ演出単位が選択される。そして、S500に示す段階へ進む。
【0091】
S500に示す段階においては、連続演出終了判定手段47により、当該時点の連続演出フラグ62が当該変動所要回数と等しいか否かが判定される。
(1−4−2−2−2−1)連続演出を終了する場合
S500に示す段階における判定が肯定的であるということは、当該変動回数が当該連続演出パターンにおける最終の変動回数に該当することとなる。したがってこの場合はS510に示す段階へ進み、フラグ解除手段48により、連続演出フラグ62が0とされる。そして、S520に示す段階へ進む。
S520に示す段階においては、前記S450に示す段階で判定に供された当たり判定乱数が当たり判定乱数保留手段61から削除される。次いで、特別図柄表示手段49が、特別図柄選択手段40が決定したハズレ図柄を液晶画面12上において変動表示させた後、停止表示させる。また、この変動表示に伴って、演出表示手段50が、演出単位選択手段46が選択したハズレ演出単位に従って、同液晶画面12上に演出を表示する。そして、連続演出が終了した状態で本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS300に示す段階から、連続演出フラグ62が0の状態で本処理は再開される。
【0092】
(1−4−2−2−2−2)連続演出を継続する場合
一方、S500に示す段階における判定が否定的であるということは、当該変動回数は当該連続演出パターンにおける最終の変動回数には達していないこととなる。したがってこの場合にはS520に示す段階へ進む。
S520に示す段階においては、前記S450に示す段階で判定に供された当たり判定乱数が当たり判定乱数保留手段61から削除される。次いで、特別図柄表示手段49が、特別図柄選択手段40が決定したハズレ図柄を液晶画面12上において変動表示させた後、停止表示させる。また、この変動表示に伴って、演出表示手段50が、演出単位選択手段46が選択したハズレ演出単位に従って、同液晶画面12上に演出を表示する。そして、連続演出が継続した状態で本処理は終了する。なお、本処理の終了後ソフトウェアリセットを経て直ちにS300に示す段階から、連続演出フラグ62がS440に示す段階において加算された状態のまま本処理は再開される。
【0093】
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態においては、保留に係る「当たり」及び「ハズレ」の組合せごとに連続演出パターンが用意されている。
(2−1)盤面外観
第2の実施の形態に係る弾球遊技機10の盤面11は、第1の実施の形態に係るものと同様である。したがって、その説明は前記(1−1)の記載を参照されたい。
(2−2)遊技の概要
本実施の形態に係る弾球遊技機10における遊技の概要は、第1の実施の形態に係るものと同様である。したがって、その説明は前記(1−2)の記載を参照されたい。
【0094】
(2−3)機能ブロック
本実施の形態に係る弾球遊技機10の、当たり判定、特別図柄選択及び演出パターン選択に関する機能は、第1の実施の形態と同様、図8の機能ブロック図で示される。そして、本実施の形態においては、連続演出パターンテーブル72の構成が第1の実施の形態における同名の構成要素とは相異なっている。また、処理手段としてのCPU30が、新たな構成要素としての保留当たり判定手段51としても機能することとなっている。したがって、これらの構成要素については以下に説明する。なお、それら以外の各構成要素の機能は第1の実施の形態における同名の構成要素と同様であるため、その説明は前記(1−3)の各構成要素の記載を参照されたい。
【0095】
(2−3−1)連続演出パターンテーブル
連続演出パターンテーブル72には、下記の表3に示すように、2回の変動表示を要する連続変動パターンのうち、最終的に当たり演出単位で終わるもの及びハズレ演出単位で終わるものがそれぞれ4通り、3回の変動表示を要する連続変動パターンのうち、最終的に当たり演出単位で終わるもの及びハズレ演出単位で終わるものがそれぞれ4通り及び4回の変動表示を要する連続変動パターンのうち、最終的に当たり演出単位で終わるもの及びハズレ演出単位で終わるものがそれぞれ2通り記憶されている。
【0096】
【表3】

上記表3に示すように、各連続演出パターンにおいては、各変動表示回数ごとに当たり演出単位であるか又はハズレ演出単位であるかがあらかじめ決定されている。
各連続演出パターンは、それぞれ異なったストーリーに基づくものである。そのストーリーの具体的な内容は詳述しないが、各演出単位におけるストーリーの傾向は概ね以下のようになっている。
(2−3−1−1)連続演出パターン1
第1回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。第2回へ続く。
【0097】
第2回:当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第1回の発端部分に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
なお、連続演出パターン2、3及び4についても概ね上記と同様である。
(2−3−1−2)連続演出パターン5
第1回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。第2回へ続く。
第2回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第1回の発端部分に続き、失敗に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
【0098】
なお、連続演出パターン6、7及び8についても概ね上記と同様である。
(2−3−1−3)連続演出パターン9
第1回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。第2回へ続く
第2回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第1回の発端部分に続き、これを展開させるような内容が提示される。第3回へ続く。
第3回:当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第2回の展開に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
【0099】
なお、連続演出パターン10、11及び12についても概ね上記と同様である。
(2−3−1−4)連続演出パターン13
第1回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。第2回へ続く
第2回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第1回の発端部分に続き、これを展開させるような内容が提示される。第3回へ続く。
第3回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第2回の展開に続き、失敗に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
【0100】
なお、連続演出パターン14、15及び16についても概ね上記と同様である。
(2−3−1−5)連続演出パターン17
第1回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。第2回へ続く
第2回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第1回の発端部分に続き、これを展開させるような内容が提示される。第3回へ続く。
第3回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第2回の展開に続き、これを更に展開させるような内容が提示される。第4回へ続く。
【0101】
第4回:当たり図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第3回の展開に続き、成功裡に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
なお、連続演出パターン18についても概ね上記と同様である。
(2−3−1−6)連続演出パターン19
第1回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。ストーリーの発端部分が提示される。第2回へ続く
第2回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第1回の発端部分に続き、これを展開させるような内容が提示される。第3回へ続く。
【0102】
第3回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第2回の展開に続き、これを更に展開させるような内容が提示される。第4回へ続く。
第4回:ハズレ図柄が変動表示されるのに伴い表示される。第3回の展開に続き、失敗に終わる結末が提示される。本演出単位で連続演出は終了する。
なお、連続演出パターン20についても概ね上記と同様である。
(2−3−2)保留当たり判定手段
保留当たり判定手段51は、当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち、いまだ当たり判定手段37による当たり判定に供されていないものについて、当たり判定手段37と同様の判定を実行する。
【0103】
(2−4)処理手順
以下、本実施の形態に係る弾球遊技機10における処理手順を、図9、図10及び図11のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、本実施の形態に係る弾球遊技機10における処理手順は、概ね前記第1の実施の形態のそれと同様である。したがって、相異なる処理段階についてのみ以下で説明し、その他の処理段階については前記(1−4)の該当個所を参照されたい。
(2−4−1)当たり判定乱数の保留処理
本処理については、前記(1−4−1)と同様である。
【0104】
(2−4−2)特別図柄及び演出に関する処理
図10のS300及びS310に示す段階については、前記(1−4−2)と同様である。
(2−4−2−1)連続演出中でない場合
S320及びS330に示す段階については、前記(1−4−2−1)と同様である。
(2−4−2−1−1)演出を実行しない場合
この場合については、前記(1−4−2−1−1)と同様である。
(2−4−2−1−2)演出を実行する場合
S340に示す段階については、前記(1−4−2−1−2)と同様である。
【0105】
(2−4−2−1−2−1)当たりの場合
この場合については、前記(1−4−2−1−2−1)と同様である。
(2−4−2−1−2−2)ハズレの場合
S370、S380及びS390に示す段階については、前記(1−4−2−1−2−2)と同様である。
(2−4−2−1−2−2−1)連続演出は開始されない場合
この場合については、前記(1−4−2−1−2−2−1)と同様である。
(2−4−2−1−2−2−2)連続演出が開始される場合
S390に示す段階において肯定的な判定がされた場合には、連続演出が開始される。したがって、S410に示す段階へ進み、演出乱数抽出手段43により、当該時点において乱数発生手段31が示す数値が演出乱数として抽出される。同時に、保留当たり判定手段51により、現時点で当たり判定乱数保留手段61に保留されている当たり判定乱数のうち、最先のものから数えてN個目までについて「当たり」か又は「ハズレ」かが判定される。次いで、前記演出乱数により、演出パターン選択手段44が、変動所要回数並びに「当たり」及び「ハズレ」のパターンに応じた連続演出パターンを1つ選択する。ただし、N個目に至る前に「当たり」となる場合には、そこまでの連続演出パターンが選択される。すなわち、変動所要回数が2であれば連続演出パターン1から4まで(2回目に「当たり」の場合)又は連続演出パターン5から8まで(2回目まで全て「ハズレ」の場合)の中から連続演出パターンが選択される。また、変動所要回数が3であれば連続演出パターン9から12まで(3回目に「当たり」の場合)又は連続演出パターン13から16まで(3回目まで全て「ハズレ」の場合)の中から連続演出パターンが選択される。更に、変動所要回数が4であれば連続演出パターン17若しくは18(4回目に「当たり」の場合)又は連続演出パターン19若しくは20(4回目まで全て「ハズレ」の場合)から連続演出パターンが選択される。そして、S420に示す段階へ進む。
【0106】
S420、S490、S500及びS520に示す段階については、前記(1−4−2−1−2−2−2)と同様である。
(2−4−2−2)連続演出中である場合
この場合については、前記(1−4−2−2)と同様である。
(3)その他
当たり判定乱数以外の各乱数は、いずれも必ずしも毎回の変動表示に際して必要となるわけではない。したがって、上記の各実施の形態においては、判定又は判断に必要となる直前に各乱数を抽出することとしている。しかし、判定又は判断の前に抽出されていればその抽出のタイミングは問わない。また、必要の有無にかかわらず、当たり判定乱数と同様に、各乱数又はその一部を始動口14への入賞を契機に一括して抽出することとしてもよい。ただし、この場合は、乱数の抽出のタイミングが同じになることで各乱数が同一となることを避けるため、各乱数の抽出手段について専用の乱数発生手段31を設けることが望ましい。
【0107】
更に、上記の各実施の形態においては、当たり判定乱数保留手段61に保留される当たり判定乱数の数に上限を設けている。しかし、本発明の構成上この上限は設けなくとも差し支えないが、連続演出に要する変動表示回数の上限は適宜定める必要がある。
【符号の説明】
【0108】
10 弾球遊技機
11 盤面 12 液晶画面
13 特別図柄保留ランプ 14 始動口
15 拡大装置 16 アタッカーユニット
17 大入賞口 18 普通図柄表示装置
19 普通図柄保留ランプ 20 変動開始ゲート
21 入賞口 22 アウト口
30 CPU
31 乱数発生手段
32 当たり判定乱数抽出手段
33 保留乱数判定手段 34 フラグ判別手段
35 演出実行判定乱数抽出手段
36 演出実行判定手段 37 当たり判定手段
38 当たり図柄乱数抽出手段
39 ハズレ図柄乱数抽出手段
40 特別図柄選択手段
41 連続演出判定乱数抽出手段
42 連続演出判定手段 43 演出乱数抽出手段
44 演出パターン選択手段
45 フラグ設定手段 46 演出単位選択手段
47 連続演出終了判定手段
48 フラグ解除手段 49 特別図柄表示手段
50 演出表示手段 51 保留当たり判定手段
60 RAM
61 当たり判定乱数保留手段
62 連続演出フラグ
70 ROM
71 単独演出パターンテーブル
72 連続演出パターンテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の始動口への1回の遊技球の入賞ごとに、大当たり遊技発生の有無に係る特別図柄の変動表示を1回実行するとともに、その変動表示に伴って、大当たり遊技発生の可能性を示唆する演出が実行される場合がある弾球遊技機であって、
この弾球遊技機には、
特別図柄を変動表示する特別図柄表示手段により変動表示が現に実行されている際の始動口への入賞に対し当該入賞に係る当たり判定乱数を保留可能な当たり判定乱数保留手段を備えるとともに、
1回の変動表示の間で行う演出である単独演出と、
複数回の変動表示にわたって行う演出である連続演出とを有し、
演出を行うか否かを決定するに際して、当たり判定乱数が上記当たり判定乱数保留手段に保留されていると判定が行われた場合に限り連続演出を開始するか否かの判定をし、
連続演出を行うと判定されたときにその演出を実行するものの、連続演出の実行中は連続演出を開始するか否かの判定を行わないことを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−246967(P2010−246967A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153241(P2010−153241)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【分割の表示】特願2009−152016(P2009−152016)の分割
【原出願日】平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】