後処理装置及び画像形成装置
【課題】整合部材が移動する際に発生する騒音を低減すること。
【解決手段】積載面(7a)に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、整合部材(12)の重心(12a)に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の被案内部(96a)から重心(12a)までの距離をLとし、伝達部材(99)と被伝達部(97)との接触位置(P1)に伝達部材(99)の駆動時に作用する力の方向に対して一方の被案内部材(96a)と接触位置(P1)との距離をhとし、整合部材(12)の移動時の加速度をaとした場合に、a≦(g×L)/h、を満たす加速度aで、整合部材(12)を移動させる駆動制御手段(C17A)、を備えた後処理装置(U3)。
【解決手段】積載面(7a)に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、整合部材(12)の重心(12a)に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の被案内部(96a)から重心(12a)までの距離をLとし、伝達部材(99)と被伝達部(97)との接触位置(P1)に伝達部材(99)の駆動時に作用する力の方向に対して一方の被案内部材(96a)と接触位置(P1)との距離をhとし、整合部材(12)の移動時の加速度をaとした場合に、a≦(g×L)/h、を満たす加速度aで、整合部材(12)を移動させる駆動制御手段(C17A)、を備えた後処理装置(U3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像が記録された媒体に対して、幅方向の端部を揃える整合や、針で綴じる綴じ処理を行う後処理装置に関し、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2003−2519号公報には、中間トレイ(3)に形成された用紙幅方向に延びるタンパー規制溝(31,32)に、一対のタンパー(21,22)が2つのピン状の部材により移動可能に支持され、各タンパー(21,22)は、ラック(51,52)とピニオン(53,54)を介して、駆動モータ(55,56)により駆動される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−2519号公報(「0018」、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、整合部材が移動する際に発生する騒音を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の後処理装置は、
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとした場合に、a≦(g×L)/h、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の後処理装置は、
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記整合部材を、前記被案内部が前記案内部に接近する方向に付勢する少なくとも1つの付勢部材と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとし、前記付勢部材の付勢力により作用する前記一方の被案内部材回りのモーメントの合計をMtとし、前記整合部材の質量をMとした場合に、a≦(g×L)/h+Mt/(M×h)、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の後処理装置において、
前記幅方向に沿って形成された歯により構成された前記被伝達部と、
前記歯に噛み合う歯車により構成された前記伝達部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像を記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体に後処理を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の後処理装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、2、4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、整合部材が移動する際に発生する騒音を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、歯車を回転させて案内部材を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、排出用クランプローラの上下動を示す説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、サブパドルの上下動を示す説明図である。
【図5】図5は本発明の実施例1の後処理装置の要部拡大図である。
【図6】図6は実施例1のコンパイルトレイの後端部の要部説明図である。
【図7】図7は図6のVII−VII線断面図である。
【図8】図8は実施例1のタンパの説明図であり、図8Aは上方から見た図、図8Bは下方から見た図である。
【図9】図9は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
【図10】図10は前記図9の続きのブロック図である。
【図11】図11は、実施例1のタンパに作用する力やモーメントの説明図である。
【図12】図12は実施例1の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図である。
【図13】図13は実施例1のタンパの作用説明図であり、図13Aは加速度が大きすぎる場合に外側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図、図13Bは加速度が大きすぎる場合に内側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図である。
【図14】図14は実施例1の移動ステープルユニットの作用説明図であり、図14Aは加速度が大きすぎる場合に後側のコロが浮いた状態の説明図、図14Bは加速度が大きすぎる場合に前側のコロが浮いた状態の説明図である。
【図15】図15は実施例2の移動ステープルユニットの説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
【図16】図16は実施例2のタンパの説明図であり、実施例1の図8Bに対応する図である。
【図17】図17は、実施例2のタンパに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図11に対応する図である。
【図18】図18は、実施例2の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図12に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、装置本体の一例としてのプリンタ本体U1を備えている。前記プリンタUに電気的に接続された画像情報の送信装置の一例としての情報処理装置PCから送信された画像情報は、制御部Cに入力される。前記制御部Cに入力された画像情報は、予め設定された時期に潜像形成用のイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換され、潜像形成回路DLに出力される。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成回路DLに入力される。
前記潜像形成回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を、予め設定された時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0013】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図1、図2において、潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、像保持体の一例としての回転する感光体PRy,PRm,PRc,PRkに入射される。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、発光素子の一例としてのLEDが画像の幅方向に沿って線状に配列されたLEDアレイにより構成されている。
各感光体PRy,PRm,PRc,PRkの周囲には、回転方向に沿って、帯電器CRy,CRm,CRc,CRk、潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHk、現像装置Gy,Gm,Gc,Gk、1次転写器T1y,T1m,T1c,T1k、清掃器の一例としての感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
【0014】
図1,図2において、前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光により、その表面に静電潜像が形成される。前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0015】
前記各感光体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
前記Y色の感光体PRy、帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像装置Gy、1次転写器T1y、感光体クリーナCLyにより、可視像の一例としてのトナー像を形成する実施例1のY色の可視像形成装置Uyが構成されている。同様に、各感光体PRm,PRc,PRk、帯電器CRm,CRc,CRk、潜像形成装置LHm,LHc,LHk、現像装置Gm,Gc,Gk、1次転写器T1m,T1c,T1k、感光体クリーナCLm,CLc,CLkにより、前記M,C,K色の可視像形成装置Um,Uc,Ukが構成されている。
【0016】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0017】
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または順次重ねて転写された多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0018】
図1において、前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、ガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録シートSは、搬送部材の一例であって、取出部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体搬送路の一例である給紙路SH1に沿って、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された媒体搬送時期の調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
前記ピックアップロールRp、さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の右方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0に支持された記録シートSは、手差し給紙部材の一例としての手差し給紙ロールRp0により給紙され、手差し搬送路SH0を搬送され、レジロールRrに送られる。
【0019】
レジロールRrは、中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加され、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、中間転写ベルトBから記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0020】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpの接触領域である定着領域Q5に搬送され、定着領域Q5を通過する際に加熱定着される。なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記定着装置Fの搬送方向下流側である上方には、記録シートSを、プリンタ本体U1の排出媒体積載部の一例としての排紙トレイTRhに向けて搬送する搬送路の一例としての排紙路SH3が配置されている。したがって、記録シートSが排紙トレイTRhに向けて搬送される場合には、定着された記録シートSは、排紙路SH3を搬送され、媒体排出口の一例としてのシート排出口SH3aから、プリンタ本体U1の排出部材の一例としての排紙ロールRhにより排出される。
【0021】
図1において、実施例1では、下側の3段分の給紙トレイTR2〜TR4の右方には、上流側開放部材の一例としての下カバーU1aが、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記下カバーU1aには、給紙トレイTR2〜TR4の右方の給紙路SH1の右側の案内、いわゆるガイドや、一対の搬送ロールRaの外側が支持されている。したがって、下カバーU1aを開放位置に移動させることで、給紙路SH1の下部、すなわち、搬送方向上流側の上流側給紙路SH1aが開放され、詰まった媒体を除去することができる。
前記各搬送路SH0〜SH3により実施例1の搬送路SHが構成されており、前記搬送路SH、給紙装置Rp+Rs、シート搬送ロールRa、レジロールRr、排紙ロールRh等により媒体搬送系SH+Ra〜Rhが構成されている。
【0022】
(シート搬送ユニットU2の説明)
図1において、実施例1の前記プリンタUは、前記排紙トレイTRhに着脱可能に装着された媒体搬送ユニットの一例としてのシート搬送ユニットU2を有する。前記シート搬送ユニットU2は、前記プリンタ本体U1のシート排出口SH3aに接続する一側面に、前記排紙ロールRhから排出された記録シートSが搬入される搬入口1が設けられている。前記搬入口1から搬入された記録シートSは、シート搬送ユニットU2内部に配置された媒体搬送部材の一例としての連絡搬送ロールRa2により、搬送路の一例としての連絡搬送路SH5を搬送される。前記連絡搬送路SH5を搬送された記録シートSは、シート搬送ユニットU2の他側面に形成された後処理装置向けの排出口2から排出される。
【0023】
(後処理装置U3の説明)
図3は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、排出用クランプローラの上下動を示す説明図である。
図4は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、サブパドルの上下動を示す説明図である。
図5は本発明の実施例1の後処理装置の要部拡大図である。
図1、図3、図4において、実施例1のプリンタUは、プリンタ本体U1の側面に着脱可能に支持され、且つ、シート搬送ユニットU2に接続され、前記シート排出口2から排出された記録シートSに、端綴じの一例としてのステープルや整合等の後処理を行う後処理装置U3を有する。
【0024】
図1、図3〜図5において、実施例1の後処理装置U3は、プリンタ本体U1の左側壁U1bに対向して配置される画像形成装置本体側壁面の一例としての右側壁U3aを有する。前記右側壁U3aの上部には、シート排出口2に接続される後処理装置搬入口の一例としてのシート搬入口3が形成されている。また、前記右側壁U3aの上下方向中央部には、右方に突出して下方に延びる引掛け部U3a1が前後一対形成されている。前記引掛け部U3a1は、プリンタ本体U1の左側壁U1bに形成された支持孔U1b1に嵌められて、プリンタ本体U1に引っ掛けられる。これにより、後処理装置U3はプリンタ本体U1に支持され、後処理装置U3の右側壁U3aが、プリンタ本体U1の左側壁U1bに沿った状態で保持されて、シート搬入口3は、シート搬送ユニットU2のシート排出口2に接続された状態で保持される。
したがって、記録シートSが、シート搬送ユニットU2のシート排出口2から排出されると、後処理装置U3のシート搬入口3に搬入される。
【0025】
(コンパイル排出ロールの説明)
図1において、シート搬入口3に搬入された記録シートSは、シート搬入口3の下流側に設けられた後処理装置U3の搬送部材の一例としての後処理搬入ロールRa3によって、後処理装置U3内の後処理搬送路SH6を搬送される。前記後処理搬送路SH6を搬送された記録シートSは、後処理搬送路SH6の下流端に設けられた第1の排出部材の一例としてのコンパイル排出ロール4によって、第1の積載部の一例としてのコンパイルトレイ6に排出される。なお、実施例1のコンパイル排出ロール4は、駆動源の一例としてのロール駆動モータMA1からの駆動が伝達されて回転、停止される。実施例1では、後処理搬入ロールRa3やコンパイル排出ロール4を駆動するロール駆動モータMA1として、予め設定された入力信号の一例としてのパルス信号が入力されるたびに予め設定された角度回転するステッピングモータが使用されているが、これに限定されず、例えば、DCモータ等、従来公知のモータを使用することも可能である。
前記コンパイル排出ロール4の上流近傍には、媒体検知部材の一例としてのコンパイル排出センサSN1が配置されており、後処理搬送路SH6内を記録シートSが検知される。
【0026】
(コンパイルトレイの説明)
図1、図3〜図5において、前記コンパイルトレイ6は、第1の積載部本体の一例としてのコンパイルトレイ本体7を有する。図1において、前記コンパイルトレイ本体7は、水平に対し傾斜し且つ左部が右部に比べて高くなるように配置されている。
図3〜図5において、前記コンパイルトレイ本体7の右端には、一端揃え部材の一例として、上方に延びるエンドウォール8が支持されている。したがって、コンパイル排出ロール4から排出されてコンパイルトレイ本体7に積載される記録シートSの一端である右端がエンドウォール8に突き当てられることで、記録シートSの束の右端が揃えられる。
前記エンドウォール8の上端には、案内部の一例として、エンドウォール8から離れるに連れてコンパイルトレイ7の積載面7aとの間隔が広くなるガイド壁9が形成されている。前記ガイド壁9は、エンドウォール8に向かって移動する記録シートSの右端、すなわち、媒体が排出される方向である媒体排出方向の上流端が、湾曲、いわゆる、カールした状態の場合に、記録シートSの前記上流端をエンドウォール8に案内する。
【0027】
(メインパドルの説明)
前記ガイド壁9の左斜め上方には、第2の揃え搬送部材の一例としてのメインパドル11が回転可能に支持されている。前記メインパドル11は、駆動源の一例としてのパドル駆動モータMA6から駆動が伝達される回転軸11aと、回転軸11aに沿って予め設定された間隔をあけて複数配置された回転体の一例としての円筒状のロール部11bと、を有する。なお、実施例1のメインパドル11は、コンパイル排出ローラ4と同様に、ステッピングモータにより駆動される。
ロール部11bの外周面には、搬送部材本体の一例として、可撓性を有する板状のパドル本体11cが、予め設定された位相間隔をあけて3つ支持されている。実施例1のパドル本体11cは、記録シートSがエンドウォール8に向けて移動する方向に対して、ロール部11bの外周面から上流側に向かう接線方向に延びており、パドル本体11cの外端がコンパイルトレイ本体7の積載面7aに接触可能な長さに形成されている。
したがって、メインパドル11が回転することで、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSの最上面にパドル本体11cが接触可能である。よって、積載された記録シートSは、メインパドル11によりエンドウォール8に向けて搬送され、記録シートSの右端がエンドウォール8に突き当てられて、揃えられる。
【0028】
(タンパの説明)
前記コンパイルトレイ6の左部には、幅端揃え部材の一例として、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSの幅方向の端に接触して記録シートSの幅方向の端を揃えるタンパ12が前後一対配置されている。
タンパ12の詳細な構成については、後述する。
【0029】
(ステープラの説明)
図3〜図5において、前記コンパイルトレイ6の右斜め下方には、綴じ部材の一例としてのステープラ13が設置されている。ステープラ13は、コンパイルトレイ6に積載されて整合された記録シートSの束を、綴じ針の一例としてのステープル針により綴じる。
なお、ステープラ13の詳細な構成については後述する。
【0030】
(スタッカ排出ロールの説明)
図3〜図5において、前記コンパイルトレイ本体7の媒体排出方向下流側、すなわち、左方には、第2の排出部材の一例としてのスタッカ排出ロール16が配置されている。前記スタッカ排出ロール16は、駆動源の一例としての正逆回転可能なスタッカ排出モータMA2からの駆動が伝達される回転軸16aと、回転軸16aに沿って予め設定された間隔をあけて支持された回転部の一例としてのロール本体16bとを有し、スタッカ排出モータMA2の正逆回転に伴って、正逆回転する。なお、実施例1のスタッカ排出ロール16は、コンパイル排出ロール4等と同様に、ステッピングモータにより駆動される。
したがって、実施例1のスタッカ排出ロール16は、正逆回転時に、コンパイルトレイ6に積載されて整合やステープル等の後処理がされた記録シートSを、第2の積載部の一例としてのスタッカトレイTH1に排出させると共に、逆回転時に、コンパイルトレイ6に排出された記録シートSをエンドウォール8に向けて移動させる。
【0031】
(シェルフの説明)
図5において、スタッカ排出ロール16の近傍には、スタッカ排出ロール16の回転軸16aとコンパイルトレイ本体7の下面との間に、延長部材の一例としてのシェルフ17が配置されている。
図5において、前記シェルフ17は、延長部本体の一例として、円弧状に湾曲した板状のシェルフ本体17aを有し、シェルフ本体17aの下面には、被伝達部の一例としての円弧状のラックギア17bが形成されている。前記ラックギア17bには、スタッカ排出ロール16の回転軸16aの下方に配置されたシェルフ駆動ギア18に噛み合っている。前記シェルフ駆動ギア18には、後述する駆動源の一例としての正逆回転可能なシェルフ駆動モータMA3から駆動が伝達されており、モータの正逆回転に伴って、図5の実線で示す記録シートSの下面を支持可能な延長位置と、図5の破線で示す後処理装置U3内部に収納された収納位置との間でシェルフ17が移動する。
なお、前記排出ロール16やシェルフ17は、従来公知であり、例えば、特開2006−69746号公報や特開2006−69749号公報、特開2011−88682号公報や特開2011−88683号公報等に記載された従来公知の種々の構成を採用可能であるため詳細な説明は省略する。
【0032】
(クランプロール21の説明)
図3において、コンパイルトレイ本体7の上方には、排出従動部材の一例として、スタッカ排出ロール16に対応してクランプロール21が配置されている。前記クランプロール21は、腕部材の一例として、回転軸22aを中心として回転可能に支持されたクランプアーム22の先端部に支持されており、クランプアーム22の回転に伴って、クランプロール21がスタッカ排出ロール16から離間する図3の実線で示す離間位置の一例としての上昇位置と、クランプロール21がスタッカ排出ロール16に接近して記録シートSに接触して記録シートSを挟む図3の破線で示す接触位置の一例としての下降位置との間で移動可能に支持されている。
【0033】
(サブパドル23の説明)
図4において、クランプロール21の前後方向にずれた位置には、第1の揃え搬送部材の一例としてのサブパドル23が配置されている。なお、実施例1のサブパドル23は、前後方向に対して予め設定された間隔をあけて複数配置されており、メインパドル11と同様の構成となっているため、詳細な説明は省略する。サブパドル23は、腕部材の一例として、回転軸24aを中心として回転可能に支持されたパドルアーム24の先端部に支持されており、パドルアーム24の回転に伴って、コンパイルトレイ6の積載面7aからサブパドル23が上昇して離れた図4の実線で示す待機位置と、コンパイルトレイ6の積載面7aにサブパドル23が下降して接近し、コンパイルトレイ6上の記録シートSをエンドウォール8側に引き込む図4の破線で示す引込位置と、の間で移動可能に支持されている。
なお、前記クランプロール21やサブパドル23の昇降機構や、サブパドル23の駆動機構に関しては、従来公知であり、例えば、特開2006−69727号公報や特開2006−69746号公報、特開2006−69749号公報等に記載されているような種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。また、実施例1では、サブパドル23の駆動源は、メインパドル11の駆動源であるパドル駆動モータMA6と共通化されているが、独立して設けることも可能である。
【0034】
(スタッカトレイTH1の説明)
図1、図3〜図5において、前記後処理装置U3の左側壁U3bには、第2の積載部の一例として、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSが排出されるスタッカトレイTH1が支持されている。前記スタッカトレイTH1は、昇降案内部の一例として、前記後処理装置U3の左側壁U3bに沿って上下方向に延びるトレイガイド26を有する。前記トレイガイド26には、排出移動部の一例としてのスライダ27が、トレイガイド26に沿って昇降可能に支持されている。前記スライダ27には、第2の積載部本体の一例としてのスタッカトレイ本体28が、固定支持されている。
前記スタッカトレイTH1は、スタッカトレイ本体28の上面に積載された記録シートSの束の最上面の高さに応じて、下降するように構成されている。なお、このような昇降機構は、従来公知であり、例えば、特開平7−300270号公報、特開2003−089463号公報等に記載の昇降機構等、種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0035】
(ステープラの詳細な説明)
図6は実施例1のコンパイルトレイの後端部の要部説明図である。
図5、図6において、実施例1のエンドウォール8の右下方には、綴じ装置の支持部材の一例としてのステープラ支持部材61が支持されている。実施例1のステープラ支持部材61は、エンドウォール8に沿って記録シートSの幅方向である前後方向に延びていると共に、コンパイルトレイ本体7と同様に右方に行くほど下方に傾斜した板状に形成されている。
前記ステープラ支持部材61には、綴じ装置の案内部材の一例として、前後方向に延び且つ前後両端部では前後方向の内側に円弧状に湾曲するステープラガイド62が上方に突出して形成されている。ステープラガイド62の左右方向中央部には、綴じ装置の案内部材本体の一例として、ステープラガイド62に沿って延び且つステープラガイド62を上下方向に貫通するステープラガイド溝62aが形成されている。前記ステープラガイド溝62aの右側の内面には、平板状の歯車の一例としてのラック歯62bが形成されている。
【0036】
図5、図6において、前記ステープラ支持部材61には、被検知部の一例として、ステープラガイド62の右方に配置された上方に延びる板状の遮光リブ63が配置されている。図6において、実施例1の遮光リブ63は、ステープラ13が停止する位置に応じて配置されており、実施例1のステープラ13が記録シートSの束の綴じ処理を行う前端角部、中央前部、中央後部、後端角部の4箇所に対応して配置されている。すなわち、実施例1のステープラ13は、前端角部を綴じる「前端コーナ綴じ」と、中央前部及び中央後部を綴じる「側端綴じ」と、後端角部を綴じる「後端コーナ綴じ」と、が可能になっている。
なお、図6に示すように、エンドウォール8およびコンパイルトレイ本体7右端の前端部、中央部、及び後部には、ステープラ13で綴じ処理、いわゆるステープル処理が行われる位置に対応して、綴じ用の切欠部6a,6b,6cが形成されている。
【0037】
(移動綴じ装置の説明)
図5、図6において、前記ステープラ支持部材61には、移動綴じ装置の一例としての移動ステープルユニット66が支持されている。図5において、実施例1の移動ステープルユニット66は、移動体の一例として、ステープラガイド62を跨ぐように上方に配置された板状の台車67を有する。前記台車67の左右両端部には、被案内部材の支持部の一例として、下方に延びるコロ支持部68,69が形成されている。左側のコロ支持部68の下端には、左方に延びる駆動連結部68aが形成されている。
前記コロ支持部68,69には、被案内部材の一例として、ステープラ支持部材61の上面に接触するコロ71が回転可能に支持されている。図6において、実施例1のコロ71は、左側のコロ支持部68に1つ支持され、右側のコロ支持部69に、前後方向に対して間隔をあけて一対支持されている。
【0038】
図5において、台車67には、ステープラガイド溝62aに対応して、駆動軸の一例として、下方に延びるシャフト72の上端が回転可能に支持されている。前記シャフト72には、綴じ装置の駆動部材の一例として、ラック歯62bに噛み合うステープラ移動ギア73が支持されている。
前記シャフト72の下端には、駆動源の一例としてのステープラ移動モータ74から駆動が伝達される。実施例1のステープラ移動モータ74は、入力信号の一例としてのパルスが入力される度に予め設定された角度回転する駆動源の一例としてのステッピングモータにより構成されており、正逆回転可能に構成されている。
【0039】
前記ステープラ移動モータ74は、駆動源支持部材の一例としての板状のモータ支持プレート76に支持されており、モータ支持プレート76は、左端部に支持された連結部材の一例としての連結シャフト77を介して、前記駆動連結部68aに支持されている。したがって、ステープラ移動モータ74は、モータ支持プレート76や連結シャフト77を介して、台車67と一体的に移動可能に支持されている。そして、ステープラ移動モータ74が正逆回転駆動されると、ラック歯62bに噛み合うステープラ移動ギア73が正逆回転して、台車67がステープラガイド溝62aに沿って移動する。
【0040】
図5において、前記台車67の下面には、遮光リブ63の位置に対応して、検知部材の一例としての光センサ78が支持されている。実施例1の光センサ78は、光を出力する発光部78aと、光を受光する受光部78bとが対向して配置されており、遮光リブ63が、発光部78aと受光部78bとの間に進入可能に配置されている。したがって、台車67の移動に伴って、遮光リブ63が発光部78aと受光部78bとの間に進入して、光が遮光されると、移動ステープルユニット66が綴じる位置に移動したことが検出可能に構成されている。
【0041】
前記台車67の上面には、綴じ作動装置の一例としてのステープラモータユニット81が支持されており、ステープラモータユニット81の上面にステープラ13が支持されている。
実施例1のステープラ13は、綴じ針の一例としてのステープル針を打ち出す針打ち出し部82aと、針打ち出し部82aに対向して配置されて打ち出されて記録シートSの束を貫通したステープル針の先端を折り曲げる針折り曲げ部82bと、を有する。前記針打ち出し部82aは、針折り曲げ部82bに対して、回転中心82cを中心として回転可能に支持されている。
針打ち出し部82aと針折り曲げ部82bとの間には、綴じ作動部材の一例としてのステープラ作動部材83が支持されている。前記ステープラ作動部材83は、一端83aが針打ち出し部82aに連結されると共に、他端に円環状の被作動部83bが形成されている。
【0042】
被作動部83bには、偏心部材の一例としての偏心カム84が回転可能に支持されている。前記偏心カム84の回転軸84aには、歯車の一例として、図示しない被駆動ギア86が支持されており、被駆動ギア86には、中間歯車の一例としての中間ギア87を介して、ステープラモータユニット81の出力軸81aに支持された出力歯車の一例としての出力ギア88から駆動が伝達される。
したがって、ステープラモータユニット81が作動すると、ギア86〜88を介して偏心カム84が回転し、ステープラ作動部材83の一端83aが上下方向に移動する。したがって、針打ち出し部82aが針折り曲げ部82bに接近して、記録シートSの束が挟まれ、ステープル針が打ち出されて、綴じられる。
【0043】
前記ステープラ13および符号67〜88を付した部材等により、実施例1の移動ステープルユニット66が構成されている。
なお、実施例1の移動ステープルユニット66では、ステープラ支持部材66の上方に配置された台車67上にステープラ13やステープラモータユニット81等が配置されており、全体の重心は、ステープラ支持部材66よりも重力方向で上方になっている。
【0044】
(タンパの詳細な説明)
図7は図6のVII−VII線断面図である。
図8は実施例1のタンパの説明図であり、図8Aは上方から見た図、図8Bは下方から見た図である。
図6、図7において、実施例1のタンパ12は、整合部材の案内部の一例として、コンパイルトレイ本体7に形成された前後方向に延びるタンパガイド溝91に沿って移動可能に支持されている。図6〜図8において、実施例1のタンパ12は、コンパイルトレイ本体7の積載面7aに沿って延びる板状の底板部92を有する。底板部92の前後方向外端には、整合部材本体の一例として、上方に延びる板状のタンパ本体93が形成されている。
【0045】
底板部92の底部には、整合部材の被案内体の一例として、前後方向に延びる板状に形成され且つ前記タンパガイド溝91内に収容される被ガイドロッド94が支持されている。図8Bにおいて、前記被ガイドロッド94の前後方向両端部には、被案内部の一例として、タンパガイド溝91の内面に接触して支持されるコロ状の被ガイドコロ96が一対回転可能に支持されている。また、被ガイドロッド94には、被ガイドコロ96とは反対側の側面に、被伝達部の一例として、被ガイドロッド94の側面に沿ってタンパラック歯97が形成されている。
【0046】
図6、図7において、コンパイルトレイ本体7の下面の前後方向中央部には、整合部材の駆動源の一例としてのタンパ駆動モータ98が、各タンパ12に対応して前後一対配置されている。なお、実施例1のタンパ駆動モータ98は、ステープラ移動モータ74と同様に、ステッピングモータにより構成されており、正逆回転可能に構成されている。
前記タンパ駆動モータ98の回転軸98aには、伝達部材の一例として、タンパラック歯97に噛み合うタンパ駆動ギア99が支持されている。したがって、タンパ駆動モータ98が正逆回転すると、タンパ駆動ギア99およびタンパラック歯97を介して、タンパ12がシート幅方向に移動し、タンパ本体93が積載された記録シートSの幅方向の端に接触して、整合が行われる。
【0047】
(実施例1の制御部の説明)
図9は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図10は前記図9の続きのブロック図である。
図9、図10において、プリンタ本体U1の制御部Cおよび後処理装置U3の制御部CAは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/O、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリ、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置、ならびに発振器等を有する小型情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0048】
(プリンタ本体U1の制御部Cに接続された信号出力要素)
前記プリンタ本体U1の制御部Cは、操作部UI等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
UI:操作部
前記操作部UIは、電源投入部の一例としての電源ボタンUI1、表示部UI2、数字入力部UI3、矢印入力部UI4、等を備えている。
【0049】
(プリンタ本体U1の制御部Cに接続された被制御要素)
プリンタ本体U1の制御部Cは、主駆動源駆動回路D1、電源回路E、給紙装置駆動回路D2、搬送部材駆動回路D3、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
D1:主駆動源駆動回路
主駆動源駆動回路D1は、主駆動源M1を介して感光体PRy〜PRkや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
D2:給紙装置駆動回路
給紙装置駆動回路D2は、給紙用駆動源M2を介して給紙装置Rp+Rsを駆動する。D3:搬送部材駆動回路
搬送部材駆動回路D3は、搬送用駆動源M3を介して搬送ロールRaや排紙ロールRhを駆動する。
【0050】
E:電源回路
前記電源回路Eは現像用電源回路Ea、帯電用電源回路Eb、転写用電源回路Ec、定着用電源回路Ed等を有している。
Ea:現像用電源回路
現像用電源回路Eaは、現像装置Gy〜Gkの現像ロールに現像電圧を印加する。
Eb:帯電用電源回路
帯電用電源回路Ebは、帯電器CRy〜CRkそれぞれに感光体PRy〜PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Ec:転写用電源回路
転写用電源回路Ecは、1次転写器T1y〜T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
Ed:定着用電源回路
定着用電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電源を供給する。
【0051】
(プリンタ本体U1の制御部Cの機能)
プリンタ本体U1の制御部Cは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、制御部Cは次の機能を有している。
C1:画像形成制御手段
画像形成制御手段C1は、情報処理装置PCから入力された画像情報に応じて、プリンタUの各部材の駆動や各電圧の印加時期等を制御して、画像形成動作であるジョブを実行する。なお、実施例1の前記画像情報には、「後処理なし」、「綴じ無し(整合のみ)」、「綴じ有り」の後処理設定情報や、後処理実行枚数情報、使用するトレイTR0〜TR4についての使用給紙部情報等が含まれている。
C2:主駆動源制御手段
主駆動源制御手段C2は、主駆動源駆動回路D1を介して主駆動源M1の駆動を制御し、感光体PRy〜PRk等の駆動を制御する。
【0052】
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、現像用電源回路制御手段C3Aと、帯電用電源回路制御手段C3Bと、転写用電源回路制御手段C3Cと、定着用電源回路制御手段C3Dとを有し、電源回路Eの作動を制御して、各部材への電圧印加や電源供給を制御する。
C3A:現像用電源回路制御手段
現像用電源回路制御手段C3Aは、現像用電源回路Eaを制御して現像装置Gy〜Gkの現像ロールに印加する現像電圧を制御する。
C3B:帯電用電源回路制御手段
帯電用電源回路制御手段C3Bは、帯電用電源回路Ebを制御して、帯電器CRy〜CRkに印加する帯電電圧を制御する。
【0053】
C3C:転写用電源回路制御手段
転写用電源回路制御手段C3Cは、転写用電源回路Ecを制御して、1次転写器T1y〜T1kに印加する1次転写電圧や、2次転写ロールT2bに印加する2次転写電圧を制御する。
C3D:定着用電源回路制御手段
定着用電源回路制御手段C3Dは、定着用電源回路Edを制御して、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータの温度制御、すなわち、定着温度の制御を行う。
【0054】
(後処理装置U3の制御部CAに接続された信号出力要素)
前記後処理装置U3の制御部CAは、コンパイル排出センサSN1、光センサ78等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
コンパイル排出センサSN1は、コンパイルトレイ6に搬入される記録シートSを検知する。
光センサ78は、遮光リブ63を検出する。
【0055】
(後処理装置U3の制御部CAに接続された被制御要素)
また、前記後処理装置U3の制御部CAは、コンパイル排出ロール駆動回路DA1、スタッカ排出ロール駆動回路DA2、シェルフ作動回路DA3、クランプロール昇降回路DA4、サブパドル昇降回路DA5、パドル駆動回路DA6、タンパ駆動回路DA7、ステープル作動回路DA8、スタッカ昇降回路DA9、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
DA1:コンパイル排出ロール駆動回路
第1の排出部材の駆動回路の一例としてのコンパイル搬送ロール駆動回路DA1は、後処理装置U3のロール駆動モータMA1を制御して、コンパイル排出ロール4や後処理搬入ロールRa3を駆動する。
【0056】
DA2:スタッカ排出ロール駆動回路
第2の排出部材の駆動回路の一例としてのスタッカ排出ロール駆動回路DA2は、排出モータMA2の回転駆動を制御して、スタッカ排出ロール16を駆動する。
DA3:シェルフ作動回路
延長部材の作動回路の一例としてのシェルフ作動回路DA3は、シェルフ作動モータMA3の正逆回転駆動を制御して、シェルフ17を、収納位置と延長位置との間で移動させる。
DA4:クランプロール昇降回路
排出対向部材の昇降回路の一例としてのクランプロール昇降回路DA4は、クランプロール昇降用の昇降モータMA4の正逆回転を制御して、クランプロール21を上昇位置と下降位置との間で移動させる。
【0057】
DA5:サブパドル昇降回路
第1の揃え搬送部材の昇降回路の一例としてのサブパドル昇降回路DA5は、サブパドル昇降用のソレノイドMA5のオン・オフを制御して、サブパドル23を、待機位置と引込位置との間で移動させる。
DA6:パドル駆動回路
第2の揃え搬送部材の駆動回路の一例としてのパドル駆動回路DA6は、パドル駆動モータMA6の回転駆動を制御して、メインパドル11及びサブパドル23を回転させたり、停止させたりする。
DA7:タンパ駆動回路
整合部材の駆動回路の一例としてのタンパ駆動回路DA7は、タンパ駆動モータ98の正逆回転駆動を制御して、タンパ12を記録シートSの幅方向の端部に接触する整合位置と、幅方向の外端に退避した退避位置との間で移動させる。
【0058】
DA8:ステープル作動回路
綴じ部材の作動回路の一例としてのステープル作動回路DA8は、ステープラ移動モータ74やステープラモータユニット81を制御して、ステープラ13を綴じ位置に移動させた後、ステープル針で綴じる作業を行う。
DA9:スタッカ昇降回路
第2の積載部の昇降回路の一例としてのスタッカ昇降回路DA9は、トレイ昇降モータMA9を制御して、スタッカトレイTH1を昇降させる。
【0059】
(後処理装置U3の制御部CAの機能)
また、前記後処理装置U3の制御部CAは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、制御部CAは次の機能を有している。
C11:後処理判別手段
後処理判別手段C11は、画像形成制御手段C1で受信された前記画像情報に基づいて、前記後処理装置U3で実行される後処理が、「後処理なし」、「綴じ無し(整合のみ)」、「綴じ有り」のいずれであるかを判別する。
C12:後処理制御手段
後処理制御手段C12は、後処理装置U3の各部材を制御して、記録シートSに対する後処理を行って、スタッカトレイTH1上に記録シートSを排出、積載する。
実施例1の後処理制御手段C12は、後処理判別手段C11により判別された後処理が、「後処理なし」であった場合、すなわち、後処理が実行されない場合には、シェルフ17を収納位置に移動させた状態でコンパイル排出ロール4およびスタッカ排出ロール16を回転駆動させて、スタッカトレイTH1上に記録シートSを排出、積載する。
また、実施例1の後処理制御手段C12は、後処理判別手段C11により判別された後処理が、「綴じ無し(整合のみ)」、「綴じ有り」であった場合には、コンパイルトレイ6上に記録シートSを積載して整合やステープル等の後処理をしてから、スタッカトレイTH1上に後処理された記録シートSの束を排出、積載する。
【0060】
C13:コンパイル排出ロールの制御手段
第1の排出部材の制御手段の一例としてのコンパイル排出ロールの制御手段C13は、コンパイル排出ロール駆動回路DA1を介して、コンパイル排出ロール4等の駆動を制御して、記録シートSをコンパイルトレイ6に排出する。
C14:シェルフ制御手段
延長部材の制御手段の一例としてのシェルフ制御手段C14は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、シェルフ作動回路DA3を介して、シェルフ17を延長位置と収納位置との間で移動させる。実施例1のシェルフ制御手段C14は、「後処理なし」と判別された場合には、シェルフ17を収納位置に移動させる。また、実施例1のシェルフ制御手段C14は、後処理有りと判別された場合には、シェルフ17を延長位置に移動させて、コンパイル排出ロール4によって搬送された記録シートSの下面を支持させる。そして、前記シェルフ制御手段C14は、積載された記録シートSへの後処理が終了すると、スタッカトレイTH1に排出される前にシェルフ17を収納位置に移動させる。
【0061】
C15:パドルの回転制御手段
揃え搬送部材の回転制御手段の一例としてのパドルの回転制御手段C15は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、パドル駆動回路DA6を介して、メインパドル11及びサブパドル23を回転、停止させる。実施例1のパドルの回転制御手段C15は、「後処理なし」と判別された場合には、メインパドル11及びサブパドル23の回転を停止させる。また、実施例1のパドルの回転制御手段C15は、後処理有りと判別された場合には、メインパドル11及びサブパドル23を回転させて、コンパイルトレイ6に排出された記録シートSをエンドウォール8側に引き込む。そして、実施例1のパドルの回転制御手段C15は、予め設定された枚数の記録シート束S1の積載、整合が終了すると、メインパドル11及び引き込みパドル22の回転を停止させる。
【0062】
C16:サブパドルの昇降制御手段
第1の揃え搬送部材の昇降制御手段の一例としてのサブパドルの昇降制御手段C16は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、サブパドル昇降回路DA5を介して、コンパイルトレイ6に記録シートSが搬入される時期に対応させて、サブパドル23を待機位置と引込位置との間で移動させる。実施例1のサブパドルの昇降制御手段C16は、「後処理なし」と判別された場合には、サブパドル23を待機位置に移動させて保持する。また、実施例1のサブパドルの昇降制御手段C16は、後処理有りと判別された場合には、記録シートSがコンパイルトレイ6に搬入されて、記録シートSの後端がコンパイル排出センサSN1を通過する度に、サブパドル23を引込位置に移動させて、記録シートSをコンパイルトレイ6のエンドウォール8側に引き込み可能とする。そして、サブパドルの昇降制御手段C16は、引込位置に下降してから予め設定された時間が経過して、記録シートSのコンパイルトレイ6への引き込みが終了すると、クランプロール22を待機位置に上昇させて記録シート束S1から離間させる。
【0063】
C17:タンパ制御手段
整合制御手段の一例としてのタンパ制御手段C17は、整合部材の駆動制御手段の一例としてのタンパの駆動制御手段C17Aを有し、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、タンパ駆動回路DA7を介して、タンパ12を整合位置と退避位置との間で移動させる。実施例1のタンパ制御手段C17は、画像形成動作が開始されると、初期位置としての退避位置にタンパ12を移動させ、「後処理なし」と判別された場合には、タンパ12を退避位置に保持する。また、実施例1のタンパ制御手段C17は、後処理有りと判別された場合には、記録シートSがコンパイルトレイ6に搬入される度に、タンパ12を整合位置に移動させて、記録シートSの幅方向の端部を揃えた後、退避位置に戻す。
【0064】
図11は、実施例1のタンパに作用する力やモーメントの説明図である。
なお、図11において力等の説明に不用な部分の図示は適宜省略している。
C17A:タンパの駆動制御手段
タンパの駆動制御手段C17Aは、タンパ駆動回路DA7を介してタンパ駆動モータ98の正逆回転を制御して、タンパ12を移動させる。実施例1のタンパ駆動制御手段C17Aは、タンパ12が移動する場合に加減速される際の加速度を、予め設定された加速度a1以下の加速度となるようにタンパ駆動モータ98を制御する。実施例1では、タンパ12の移動時の加速度a1は、以下のように設定される。図11において、実施例1のタンパ12では、タンパ12が移動する際に、タンパ12の重心12aに作用する重力と、タンパ駆動ギア99からタンパラック歯97が受ける力と、が作用する。
【0065】
したがって、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の加速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の減速時に、外側の被ガイドコロ96bがタンパガイド溝91の内面から離間すること、すなわち、被ガイドコロ96bが浮いてしまうことを抑制するためには、タンパ12の内側の被ガイドコロ96a回りに作用するモーメントMo1に関し、以下の式(1)を満足する必要がある。すなわち、積載面7aに沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、タンパ12の重心12aに作用する重力M1×gの方向に直交する方向に対して内側の被ガイドコロ96aから重心12aまでの距離をL1とし、タンパ駆動ギア99とタンパラック歯97との接触位置P1にタンパ駆動ギア99の駆動時に作用する力F1の方向に対して内側の被ガイドコロ96aと接触位置P1との距離をh1とし、タンパ12の移動時の加速度をa1とした場合に、以下の式(1)を満足する必要がある。
F1×h1≦M1×g×L1 …式(1)
式(1)において、F1=M1×a1より、以下の式(2)が成立する。
a1≦(g×L1)/h1 …式(2)
【0066】
なお、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の減速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の加速時に、内側の被ガイドコロ96aがタンパガイド溝91の内面から離間することが抑制されるためには、タンパ12の外側の被ガイドコロ96b回りに作用するモーメントMo1′に関し、以下の式(1′)が満足する必要がある。すなわち、タンパ12の重心12aに作用する重力M1×gの方向に直交する方向に対して外側の被ガイドコロ96bから重心12aまでの距離をL1′とした場合に、以下の式(1′)を満足する必要がある。
F1′×h1≦M1×g×L1′ …式(1′)
なお、力F1′は、力の向きが前記力F1とは逆方向となる。そして、式(1′)において、F1′=M1×a1より、以下の式(2′)が成立する。
a1≦(g×L1′)/h1 …式(2′)
したがって、実施例1のタンパの駆動制御手段C17Aでは、タンパ12を移動させる際の加減速時に、上記式(2)、(2′)を満足する加速度a1となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0067】
C18:ステープラ制御手段
綴じ制御手段の一例としてのステープラ制御手段C18は、位置判別手段C18Aと、綴じ装置の駆動制御手段の一例としてのステープラの移動制御手段C18Bと、綴じ装置の作動制御手段の一例としてのステープラの作動制御手段C18Cと、を有し、後処理判別手段C11により判別された後処理が、「綴じ有り」であった場合に、画像情報に含まれる後処理実行枚数の記録シートSがコンパイルトレイ6上に積載されて、記録シート束S1の整合が終了すると、ステープラ13を作動させて記録シート束S1を綴じる。
C18A:位置判別手段
位置判別手段C18Aは、光センサ78の検出結果に基づいて、移動ステープルユニット66の位置を判別する。
【0068】
図12は実施例1の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図である。
なお、図12において力等の説明に不用な部分の図示は適宜省略している。
C18B:ステープラの移動制御手段
ステープラの移動制御手段C18Bは、ステープル作動回路DA8を介してステープラ移動モータ74を作動させて、位置判別手段C18Aの判別結果に応じて、移動ステープルユニット67の移動、停止を制御する。実施例1のステープラの移動制御手段C18Bは、移動ステープルユニット66が移動する場合に加減速される際の加速度を、予め設定された加速度a2以下の加速度となるようにステープラ移動モータ74を制御する。実施例1では、移動ステープルユニット66の移動時の加速度a2は、以下のように設定される。図12において、実施例1の移動ステープルユニット66では、移動ステープルユニット66が移動する際に、移動ステープルユニット66の重心66aに作用する重力と、ステープラ移動ギア73からラック歯62bが受ける力と、が作用する。
【0069】
したがって、移動ステープルユニット66がステープラガイド62に沿って後方に移動する場合の加速時または前方に移動する場合の減速時に、後側のコロ71aがステープラ支持部材61の上面から離間すること、すなわち、浮いてしまうことを抑制するためには、移動ステープルユニット66の前側のコロ71b回りに作用するモーメントMo2に関し、以下の式(3)を満足する必要がある。すなわち、前記ステープラガイド62の延びる方向およびステープラ支持部材61の上面に垂直な方向を含む図12に示す面内において、重力加速度の成分をgとし、移動ステープルユニット66の重心66aに作用する重力M2×gの方向に直交する方向に対して前側のコロ71bから重心66aまで距離をL2とし、ステープラ移動ギア73とラック歯62bとの接触位置P2にステープラ移動ギア73の駆動時に作用する力F2の方向に対して後側のコロ71bと接触位置P2との距離をh2とし、移動ステープルユニット66の移動時の加速度をa2とした場合に、以下の式(3)を満足する必要がある。
F2×h2≦M2×g×L2 …式(3)
式(3)において、F2=M2×a2より、以下の式(4)が成立する。
a2≦(g×L2)/h2 …式(4)
【0070】
なお、移動ステープルユニット66が前方に移動する場合の減速時または後方に移動する場合の加速時に、前側のコロ71bがステープラ支持部材61の上面から浮いてしまうことを抑制するためには、移動ステープルユニット66の後側のコロ71a回りに作用するモーメントMo2′に関し、以下の式(3′)を満足する必要がある。すなわち、移動ステープルユニット66の重心66aに作用する重力M2×gの方向に直交する方向に対して後側のコロ71aから重心66aまでの距離をL2′とした場合に、以下の式(3′)を満足する必要がある。
F2′×h2≦M2×g×L2′ …式(3′)
なお、力F2′は、力の向きが前記力F2とは逆方向となる。そして、式(3′)において、F2′=M2×a2より、以下の式(4′)が成立する。
a2≦(g×L2′)/h2 …式(4′)
したがって、実施例1のステープラの駆動制御手段C18Bでは、移動ステープルユニット66を移動させる際の加減速時に、上記式(4)、(4′)を満足する加速度a2となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0071】
C18C:ステープラの作動制御手段
ステープラの作動制御手段C18Cは、ステープラの移動制御手段C18Bにより移動ステープルユニット66がステープルを行う位置に移動した場合に、ステープル作動回路DA8を介してステープラモータユニット81を制御して、ステープラ13を作動させて、ステープル処理を行う。
【0072】
C19:スタッカ排出ロールの制御手段
第2の排出部材の制御手段の一例としてのスタッカ排出ロールの制御手段C19は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、スタッカ排出ロール駆動回路DA2を介して、スタッカ排出ロール16の駆動を制御して、コンパイル排出ロール4から排出された記録シートSをスタッカトレイTH1に排出したり、コンパイルトレイ6で整合またはステープルされた記録シート束S1をスタッカトレイTH1に排出したりする。実施例1のスタッカ排出ロールの制御手段C19は、「後処理なし」と判別された場合には、スタッカ排出ロール16を正回転駆動させて、コンパイル排出ロール4によって搬送された記録シートSを、そのまま、スタッカトレイTH1に排出する。また、実施例1のスタッカ排出ロールの制御手段C19は、「綴じ無し(整合のみ)」又は「綴じ有り」と判別された場合、すなわち、後処理有りと判別された場合には、記録シートSの束の最初の記録シートSがコンパイルトレイ6に搬入される場合に、逆回転駆動して、記録シートSをエンドウォール8側に搬送すると共に、2枚目以降の記録シートSが積載されている間はスタッカ排出ロール16の駆動を停止する。そして、スタッカ排出ロールの制御手段C19は、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSへの後処理が終了すると、スタッカ排出ロール16を正回転駆動させて、コンパイルトレイ6上の記録シート束S1をスタッカトレイTH1に排出させる。
【0073】
C20:クランプロールの昇降制御手段
搬送部材の移動制御手段の一例としてのクランプロールの昇降制御手段C20は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、クランプロール昇降回路DA4を介して、クランプロール21を上昇位置と下降位置との間で移動させる。実施例1のクランプロールの昇降制御手段C20は、画像形成動作が開始されると初期位置としての上昇位置にクランプロール21を移動させる初期化処理を行い、「後処理なし」と判別された場合には、クランプロール21を下降位置に移動させて、スタッカ排出ロール16と共に、コンパイル排出ロール4によって排出された記録シートSを挟んで、スタッカトレイTH1に排出させる。また、実施例1のクランプロールの昇降制御手段C20は、後処理有りと判別された場合には、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSへの後処理が終了すると、クランプロール21を下降位置に移動させて、スタッカ排出ロール16との間で後処理後の記録シート束S1を挟んで、スタッカトレイTH1に排出させる。
【0074】
C21:スタッカ昇降制御手段
第2の積載部の昇降制御手段の一例としてのスタッカ昇降制御手段C21は、スタッカトレイTH1に積載される記録シートSの量に応じて、前記スタッカトレイTH1の昇降を制御する。
【0075】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、ジョブが開始されると、プリンタ本体U1で記録シートSに画像が形成され、整合やステープル等の後処理の設定がされている場合は、パドル11,23でコンパイルトレイ6に引き込まれ、整合、ステープル等の処理がされて、スタッカトレイTH1に排出され、後処理の設定がされていない場合は、コンパイルトレイ6に引き込まれずにスタッカトレイTH1に排出される。
ここで、実施例1のタンパ12は、前記式(2)、(2′)を満足する加速度a1で移動が制御され、移動ステープルユニット66は、前記式(4)、(4′)を満足する加速度a2で移動が制御される。
【0076】
図13は実施例1のタンパの作用説明図であり、図13Aは加速度が大きすぎる場合に外側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図、図13Bは加速度が大きすぎる場合に内側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図である。
図13Aにおいて、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の加速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の減速時に、前記式(2)を満足しない加速度でタンパ12を移動させた場合、力F1に伴って作用するモーメントMo1が大きくなる。ここで、被ガイドロッド94とタンパガイド溝91との間や、タンパ駆動ギア99とタンパラック歯97との間に、ある程度の隙間、いわゆるガタが存在しない場合、摩擦が大きくなったり、製造誤差や組み立て誤差で密着する等して、拘束条件が厳しくなり、移動できなくなることがあり、一般的に、ある程度のガタが設けられている。
【0077】
したがって、ガタ分だけ移動が可能なタンパ12では、大きなモーメントMo1が作用すると、外側の被ガイドコロ96bがタンパガイド溝91から浮いてしまい、被ガイドロッド94がタンパガイド溝91の内面に接触して、騒音が発生したり、摩擦抵抗の増大に伴う摩耗や発熱、あるいは、タンパ駆動モータ98の負荷の増大といった問題が発生する。また、浮き上がった外側の被ガイドコロ96bがタンパガイド溝91に再度接触する際にも、騒音が発生する問題がある。
同様に、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の減速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の加速時に、式(2′)を満足しない加速度でタンパ12を移動させた場合、図13Bに示すように、内側の被ガイドコロ96aがタンパガイド溝91から浮いてしまう問題がある。
これらに対して、実施例1では、タンパ12が、式(2)、(2′)を満足する加速度a1で制御されており、図13に示す場合に比べて、騒音の発生や摩耗、タンパ駆動モータ98の負荷の増大等が低減されている。
【0078】
図14は実施例1の移動ステープルユニットの作用説明図であり、図14Aは加速度が大きすぎる場合に後側のコロが浮いた状態の説明図、図14Bは加速度が大きすぎる場合に前側のコロが浮いた状態の説明図である。
図14Aにおいて、移動ステープルユニット66がステープラガイド62に沿って後方に移動する場合の加速時または前方に移動する場合の減速時に、前記式(4)を満足しない加速度で移動ステープルユニット66を移動させた場合、力F2に伴って作用するモーメントMo2が大きくなる。ここで、台車67とステープラ支持部材61との間やステープラ移動ギア73とラック歯62bとの間には、前述の被ガイドロッド94とタンパガイド溝91との間等の場合と同様に、一般的に、ある程度のガタが設けられている。
【0079】
したがって、ガタ分だけ移動が可能な移動ステープルユニット66では、大きなモーメントMo2が作用すると、図14Aに示すように、後側のコロ71aがステープラ支持部材61の上面から浮いてしまい、移動ステープルユニット66の各部とステープラ支持部材61の各部との接触時に騒音や摩耗等が発生したり、浮き上がった後側コロ71aがステープラ支持部材61に再度接触する際にも、騒音が発生する問題がある。
同様に、移動ステープルユニット66が前方に移動する場合の減速時または後方に移動する場合の加速時に、式(4′)を満足しない加速度で移動ステープルユニット66を移動させた場合、図14Bに示すように、前側のコロ71bがステープラ支持部材61の上面から浮いてしまう問題がある。
これらに対して、実施例1では、移動ステープルユニット66が、式(4)、(4′)を満足する加速度a2で制御されており、図14に示す場合に比べて、騒音の発生や摩耗、ステープラ移動モータ74の負荷の増大等が低減されている。
【実施例2】
【0080】
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0081】
図15は実施例2の移動ステープルユニットの説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図15において、実施例2の移動ステープルユニット66では、モータ支持プレート76には、付勢部材の一例としての板バネ101の基端が支持されており、板バネ101の先端は、ステープラ支持部材61の下面に接触している。なお、実施例2の板バネ101は、移動ステープルユニット66の重心66aの位置に対応する位置に配置されている。
したがって、板バネ101の弾性力により、実施例2の移動ステープルユニット66は、コロ71がステープラ支持部材61の上面に接近する方向である下方に付勢されている。
【0082】
図16は実施例2のタンパの説明図であり、実施例1の図8Bに対応する図である。
図16において、実施例2のタンパ12では、被ガイドロッド94の外端部には、タンパラック歯97よりも幅方向外側の位置に、付勢部材の一例としての板バネ102の基端が支持されており、板バネ102の先端は、タンパガイド溝91の内面に接触される。なお、タンパ12の板バネ102も、移動ステープルユニット66の板バネ101と同様に、タンパ12の重心12aの位置に対応して配置されている。
したがって、板バネ102の弾性力により、実施例2のタンパ12は、被ガイドコロ96がタンパガイド溝91の内面に押し付けられる方向に付勢されている。
【0083】
(加速度a1の説明)
図17は、実施例2のタンパに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図11に対応する図である。
したがって、実施例2では、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の加速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の減速時に、外側の被ガイドコロ96bの浮き上がり防止のためには、以下の式(5)を満足する必要がある。すなわち、図17において、板バネ102の付勢力により作用するモーメントをMt1とした場合に、以下の式(5)を満足する必要がある。
F1×h1≦M1×g×L1+Mt1 …式(5)
式(5)において、F1=M1×a1より、以下の式(6)が成立する。
a1≦(g×L1)/h1+Mt1/(M1×h1) …式(6)
なお、実施例2では、板バネ102の付勢力Fk1が作用する方向に直交する方向に対して内側の被ガイドコロ96aから板バネ102の接触位置P3までの距離をL4とした場合に、Mt1=Fk1×L4となり、式(6)は、以下の式(7)とも表せる。
a1≦(g×L1)/h1+(Fk1×L4)/(M1×h1) …式(7)
【0084】
なお、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の減速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の加速時に、内側の被ガイドコロ96aがタンパガイド溝91の内面から離間することが抑制されるためには、タンパ12の外側の被ガイドコロ96b回りに作用するモーメントに関し、板バネ102により作用するモーメントをMt1′とした場合に、以下の式(5′)が満足する必要がある。
F1′×h1≦M1×g×L1′+Mt1′ …式(5′)
そして、式(5′)において、F1′=M1×a1より、以下の式(6′)が成立する。
a1≦(g×L1′)/h1+Mt1′/(M1×h1) …式(6′)
なお、板バネ102の付勢力Fk1が作用する方向に直交する方向に対して外側の被ガイドコロ96bから板バネ102の接触位置P3までの距離をL4′とした場合に、Mt1′=Fk1×L4′となり、式(6′)は、以下の式(7′)とも表せる。
a1≦(g×L1′)/h1+(Fk1×L4′)/(M1×h1) …式(7′)
したがって、実施例2のタンパの駆動制御手段C17Aでは、タンパ12を移動させる際の加減速時に、上記式(6)、(6′)または式(7)、(7′)を満足する加速度a1となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0085】
(加速度a2の説明)
図18は、実施例2の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図12に対応する図である。
また、実施例2では、移動ステープルユニット66がステープラガイド62に沿って後方に移動する場合の加速時または前方に移動する場合の減速時に、後側のコロ71aの浮き上がり防止のためには、移動ステープルユニット66の前側のコロ71b回りに作用するモーメントに関し、以下の式(8)を満足する必要がある。すなわち、板バネ101の付勢力により作用するモーメントをMt2とした場合に、以下の式(8)を満足する必要がある。
F2×h2≦M2×g×L2+Mt2 …式(8)
式(8)において、F2=M2×a2より、以下の式(9)が成立する。
a2≦(g×L2)/h2+Mt2/(M2×h2) …式(9)
なお、実施例2では、板バネ101の付勢力Fk2が作用する方向に直交する方向に対して前側のコロ71bから板バネ101の接触位置P4までの距離をL5とした場合に、Mt2=Fk2×L5となり、式(9)は、以下の式(10)とも表せる。
a2≦(g×L2)/h1+(Fk2×L5)/(M2×h2) …式(10)
【0086】
なお、移動ステープルユニット66が前方に移動する場合の減速時または後方に移動する場合の加速時に、前側のコロ71bの浮き上がり防止のためには、移動ステープルユニット66の後側のコロ71a回りに作用するモーメントに関し、板バネ101により作用するモーメントをMt2′とした場合に、以下の式(8′)を満足する必要がある。
F2′×h2≦M2×g×L2′+Mt2′ …式(8′)
そして、式(8′)において、F2′=M2×a2より、以下の式(9′)が成立する。
a2≦(g×L2′)/h2+Mt2′/(M2×h2) …式(9′)
なお、実施例2では、板バネ101の付勢力Fk2が作用する方向に直交する方向に対して後側のコロ71aから板バネ101の接触位置P4までの距離をL5′とした場合に、Mt2′=Fk2×L5′となり、式(9′)は、以下の式(10′)とも表せる。
a2≦(g×L2′)/h1+(Fk2×L5′)/(M2×h2) …式(10)
したがって、実施例2のステープラの駆動制御手段C18Bでは、移動ステープルユニット66を移動させる際の加減速時に、上記式(9)、(9′)または式(10)、(10′)を満足する加速度a2となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0087】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、実施例1と同様に、騒音を低減しつつ、浮き上がり防止用の板バネ101,102が設けられており、設けられていない場合に比べて、式(6)、(6′)、(7)、(7′)、(9)、(9′)、(10)、(10′)の右辺第2項の分、加速度a1,a2を大きくすることが可能になっており、タンパ12や移動ステープルユニット66の速やかな加減速が可能になるとともに、最高速度を上昇させる時間的な余裕も作ることが可能になっている。
【0088】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。
(H02)前記実施例2において、板バネ101,102は、それぞれ1つずつ配置する構成を例示したが、これに限定されず、2つ以上配置することも可能である。なお、この場合、式(5)等で使用されるモーメントは、モーメントの合計を使用することとなる。
【0089】
(H03)前記実施例2において、付勢部材の一例としての板バネ101,102を例示したが、これに限定されず、付勢可能な任意の構成を採用可能であり、付勢する位置も、設計や仕様等に応じて、適宜変更可能である。
(H04)前記実施例において、被ガイドコロ96やコロ71の数や位置は、実施例に例示した構成に限定されず、設計等に応じて変更可能である。
【0090】
(H05)前記実施例において、重心12a、66aの位置は、実施例に例示した位置に限定されず、異なる位置の場合でも成立する。
(H06)前記実施例において、移動ステープルユニット66の浮き上がりが問題にならない場合は、浮き上がり防止の構成を省略可能である。
【符号の説明】
【0091】
6…積載部、
7a…積載面、
12…整合部材、
12a…重心、
91…案内部、
96…被案内部、
96a,96b…一方の被案内部材、
97…被伝達部、
98…駆動源、
99…伝達部材,歯車、
102…付勢部材、
C17A…駆動制御手段、
S…媒体、
U…画像形成装置、
U3…後処理装置、
Uy〜Uk+T1+T2+B…画像記録部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像が記録された媒体に対して、幅方向の端部を揃える整合や、針で綴じる綴じ処理を行う後処理装置に関し、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2003−2519号公報には、中間トレイ(3)に形成された用紙幅方向に延びるタンパー規制溝(31,32)に、一対のタンパー(21,22)が2つのピン状の部材により移動可能に支持され、各タンパー(21,22)は、ラック(51,52)とピニオン(53,54)を介して、駆動モータ(55,56)により駆動される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−2519号公報(「0018」、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、整合部材が移動する際に発生する騒音を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の後処理装置は、
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとした場合に、a≦(g×L)/h、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の後処理装置は、
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記整合部材を、前記被案内部が前記案内部に接近する方向に付勢する少なくとも1つの付勢部材と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとし、前記付勢部材の付勢力により作用する前記一方の被案内部材回りのモーメントの合計をMtとし、前記整合部材の質量をMとした場合に、a≦(g×L)/h+Mt/(M×h)、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の後処理装置において、
前記幅方向に沿って形成された歯により構成された前記被伝達部と、
前記歯に噛み合う歯車により構成された前記伝達部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像を記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体に後処理を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の後処理装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、2、4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、整合部材が移動する際に発生する騒音を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、歯車を回転させて案内部材を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、排出用クランプローラの上下動を示す説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、サブパドルの上下動を示す説明図である。
【図5】図5は本発明の実施例1の後処理装置の要部拡大図である。
【図6】図6は実施例1のコンパイルトレイの後端部の要部説明図である。
【図7】図7は図6のVII−VII線断面図である。
【図8】図8は実施例1のタンパの説明図であり、図8Aは上方から見た図、図8Bは下方から見た図である。
【図9】図9は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
【図10】図10は前記図9の続きのブロック図である。
【図11】図11は、実施例1のタンパに作用する力やモーメントの説明図である。
【図12】図12は実施例1の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図である。
【図13】図13は実施例1のタンパの作用説明図であり、図13Aは加速度が大きすぎる場合に外側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図、図13Bは加速度が大きすぎる場合に内側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図である。
【図14】図14は実施例1の移動ステープルユニットの作用説明図であり、図14Aは加速度が大きすぎる場合に後側のコロが浮いた状態の説明図、図14Bは加速度が大きすぎる場合に前側のコロが浮いた状態の説明図である。
【図15】図15は実施例2の移動ステープルユニットの説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
【図16】図16は実施例2のタンパの説明図であり、実施例1の図8Bに対応する図である。
【図17】図17は、実施例2のタンパに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図11に対応する図である。
【図18】図18は、実施例2の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図12に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、装置本体の一例としてのプリンタ本体U1を備えている。前記プリンタUに電気的に接続された画像情報の送信装置の一例としての情報処理装置PCから送信された画像情報は、制御部Cに入力される。前記制御部Cに入力された画像情報は、予め設定された時期に潜像形成用のイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換され、潜像形成回路DLに出力される。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成回路DLに入力される。
前記潜像形成回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を、予め設定された時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0013】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図1、図2において、潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、像保持体の一例としての回転する感光体PRy,PRm,PRc,PRkに入射される。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、発光素子の一例としてのLEDが画像の幅方向に沿って線状に配列されたLEDアレイにより構成されている。
各感光体PRy,PRm,PRc,PRkの周囲には、回転方向に沿って、帯電器CRy,CRm,CRc,CRk、潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHk、現像装置Gy,Gm,Gc,Gk、1次転写器T1y,T1m,T1c,T1k、清掃器の一例としての感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
【0014】
図1,図2において、前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光により、その表面に静電潜像が形成される。前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0015】
前記各感光体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
前記Y色の感光体PRy、帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像装置Gy、1次転写器T1y、感光体クリーナCLyにより、可視像の一例としてのトナー像を形成する実施例1のY色の可視像形成装置Uyが構成されている。同様に、各感光体PRm,PRc,PRk、帯電器CRm,CRc,CRk、潜像形成装置LHm,LHc,LHk、現像装置Gm,Gc,Gk、1次転写器T1m,T1c,T1k、感光体クリーナCLm,CLc,CLkにより、前記M,C,K色の可視像形成装置Um,Uc,Ukが構成されている。
【0016】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0017】
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または順次重ねて転写された多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0018】
図1において、前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、ガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録シートSは、搬送部材の一例であって、取出部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体搬送路の一例である給紙路SH1に沿って、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された媒体搬送時期の調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
前記ピックアップロールRp、さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の右方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0に支持された記録シートSは、手差し給紙部材の一例としての手差し給紙ロールRp0により給紙され、手差し搬送路SH0を搬送され、レジロールRrに送られる。
【0019】
レジロールRrは、中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加され、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、中間転写ベルトBから記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0020】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpの接触領域である定着領域Q5に搬送され、定着領域Q5を通過する際に加熱定着される。なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記定着装置Fの搬送方向下流側である上方には、記録シートSを、プリンタ本体U1の排出媒体積載部の一例としての排紙トレイTRhに向けて搬送する搬送路の一例としての排紙路SH3が配置されている。したがって、記録シートSが排紙トレイTRhに向けて搬送される場合には、定着された記録シートSは、排紙路SH3を搬送され、媒体排出口の一例としてのシート排出口SH3aから、プリンタ本体U1の排出部材の一例としての排紙ロールRhにより排出される。
【0021】
図1において、実施例1では、下側の3段分の給紙トレイTR2〜TR4の右方には、上流側開放部材の一例としての下カバーU1aが、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記下カバーU1aには、給紙トレイTR2〜TR4の右方の給紙路SH1の右側の案内、いわゆるガイドや、一対の搬送ロールRaの外側が支持されている。したがって、下カバーU1aを開放位置に移動させることで、給紙路SH1の下部、すなわち、搬送方向上流側の上流側給紙路SH1aが開放され、詰まった媒体を除去することができる。
前記各搬送路SH0〜SH3により実施例1の搬送路SHが構成されており、前記搬送路SH、給紙装置Rp+Rs、シート搬送ロールRa、レジロールRr、排紙ロールRh等により媒体搬送系SH+Ra〜Rhが構成されている。
【0022】
(シート搬送ユニットU2の説明)
図1において、実施例1の前記プリンタUは、前記排紙トレイTRhに着脱可能に装着された媒体搬送ユニットの一例としてのシート搬送ユニットU2を有する。前記シート搬送ユニットU2は、前記プリンタ本体U1のシート排出口SH3aに接続する一側面に、前記排紙ロールRhから排出された記録シートSが搬入される搬入口1が設けられている。前記搬入口1から搬入された記録シートSは、シート搬送ユニットU2内部に配置された媒体搬送部材の一例としての連絡搬送ロールRa2により、搬送路の一例としての連絡搬送路SH5を搬送される。前記連絡搬送路SH5を搬送された記録シートSは、シート搬送ユニットU2の他側面に形成された後処理装置向けの排出口2から排出される。
【0023】
(後処理装置U3の説明)
図3は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、排出用クランプローラの上下動を示す説明図である。
図4は本発明の実施例1の後処理装置の拡大図であり、サブパドルの上下動を示す説明図である。
図5は本発明の実施例1の後処理装置の要部拡大図である。
図1、図3、図4において、実施例1のプリンタUは、プリンタ本体U1の側面に着脱可能に支持され、且つ、シート搬送ユニットU2に接続され、前記シート排出口2から排出された記録シートSに、端綴じの一例としてのステープルや整合等の後処理を行う後処理装置U3を有する。
【0024】
図1、図3〜図5において、実施例1の後処理装置U3は、プリンタ本体U1の左側壁U1bに対向して配置される画像形成装置本体側壁面の一例としての右側壁U3aを有する。前記右側壁U3aの上部には、シート排出口2に接続される後処理装置搬入口の一例としてのシート搬入口3が形成されている。また、前記右側壁U3aの上下方向中央部には、右方に突出して下方に延びる引掛け部U3a1が前後一対形成されている。前記引掛け部U3a1は、プリンタ本体U1の左側壁U1bに形成された支持孔U1b1に嵌められて、プリンタ本体U1に引っ掛けられる。これにより、後処理装置U3はプリンタ本体U1に支持され、後処理装置U3の右側壁U3aが、プリンタ本体U1の左側壁U1bに沿った状態で保持されて、シート搬入口3は、シート搬送ユニットU2のシート排出口2に接続された状態で保持される。
したがって、記録シートSが、シート搬送ユニットU2のシート排出口2から排出されると、後処理装置U3のシート搬入口3に搬入される。
【0025】
(コンパイル排出ロールの説明)
図1において、シート搬入口3に搬入された記録シートSは、シート搬入口3の下流側に設けられた後処理装置U3の搬送部材の一例としての後処理搬入ロールRa3によって、後処理装置U3内の後処理搬送路SH6を搬送される。前記後処理搬送路SH6を搬送された記録シートSは、後処理搬送路SH6の下流端に設けられた第1の排出部材の一例としてのコンパイル排出ロール4によって、第1の積載部の一例としてのコンパイルトレイ6に排出される。なお、実施例1のコンパイル排出ロール4は、駆動源の一例としてのロール駆動モータMA1からの駆動が伝達されて回転、停止される。実施例1では、後処理搬入ロールRa3やコンパイル排出ロール4を駆動するロール駆動モータMA1として、予め設定された入力信号の一例としてのパルス信号が入力されるたびに予め設定された角度回転するステッピングモータが使用されているが、これに限定されず、例えば、DCモータ等、従来公知のモータを使用することも可能である。
前記コンパイル排出ロール4の上流近傍には、媒体検知部材の一例としてのコンパイル排出センサSN1が配置されており、後処理搬送路SH6内を記録シートSが検知される。
【0026】
(コンパイルトレイの説明)
図1、図3〜図5において、前記コンパイルトレイ6は、第1の積載部本体の一例としてのコンパイルトレイ本体7を有する。図1において、前記コンパイルトレイ本体7は、水平に対し傾斜し且つ左部が右部に比べて高くなるように配置されている。
図3〜図5において、前記コンパイルトレイ本体7の右端には、一端揃え部材の一例として、上方に延びるエンドウォール8が支持されている。したがって、コンパイル排出ロール4から排出されてコンパイルトレイ本体7に積載される記録シートSの一端である右端がエンドウォール8に突き当てられることで、記録シートSの束の右端が揃えられる。
前記エンドウォール8の上端には、案内部の一例として、エンドウォール8から離れるに連れてコンパイルトレイ7の積載面7aとの間隔が広くなるガイド壁9が形成されている。前記ガイド壁9は、エンドウォール8に向かって移動する記録シートSの右端、すなわち、媒体が排出される方向である媒体排出方向の上流端が、湾曲、いわゆる、カールした状態の場合に、記録シートSの前記上流端をエンドウォール8に案内する。
【0027】
(メインパドルの説明)
前記ガイド壁9の左斜め上方には、第2の揃え搬送部材の一例としてのメインパドル11が回転可能に支持されている。前記メインパドル11は、駆動源の一例としてのパドル駆動モータMA6から駆動が伝達される回転軸11aと、回転軸11aに沿って予め設定された間隔をあけて複数配置された回転体の一例としての円筒状のロール部11bと、を有する。なお、実施例1のメインパドル11は、コンパイル排出ローラ4と同様に、ステッピングモータにより駆動される。
ロール部11bの外周面には、搬送部材本体の一例として、可撓性を有する板状のパドル本体11cが、予め設定された位相間隔をあけて3つ支持されている。実施例1のパドル本体11cは、記録シートSがエンドウォール8に向けて移動する方向に対して、ロール部11bの外周面から上流側に向かう接線方向に延びており、パドル本体11cの外端がコンパイルトレイ本体7の積載面7aに接触可能な長さに形成されている。
したがって、メインパドル11が回転することで、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSの最上面にパドル本体11cが接触可能である。よって、積載された記録シートSは、メインパドル11によりエンドウォール8に向けて搬送され、記録シートSの右端がエンドウォール8に突き当てられて、揃えられる。
【0028】
(タンパの説明)
前記コンパイルトレイ6の左部には、幅端揃え部材の一例として、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSの幅方向の端に接触して記録シートSの幅方向の端を揃えるタンパ12が前後一対配置されている。
タンパ12の詳細な構成については、後述する。
【0029】
(ステープラの説明)
図3〜図5において、前記コンパイルトレイ6の右斜め下方には、綴じ部材の一例としてのステープラ13が設置されている。ステープラ13は、コンパイルトレイ6に積載されて整合された記録シートSの束を、綴じ針の一例としてのステープル針により綴じる。
なお、ステープラ13の詳細な構成については後述する。
【0030】
(スタッカ排出ロールの説明)
図3〜図5において、前記コンパイルトレイ本体7の媒体排出方向下流側、すなわち、左方には、第2の排出部材の一例としてのスタッカ排出ロール16が配置されている。前記スタッカ排出ロール16は、駆動源の一例としての正逆回転可能なスタッカ排出モータMA2からの駆動が伝達される回転軸16aと、回転軸16aに沿って予め設定された間隔をあけて支持された回転部の一例としてのロール本体16bとを有し、スタッカ排出モータMA2の正逆回転に伴って、正逆回転する。なお、実施例1のスタッカ排出ロール16は、コンパイル排出ロール4等と同様に、ステッピングモータにより駆動される。
したがって、実施例1のスタッカ排出ロール16は、正逆回転時に、コンパイルトレイ6に積載されて整合やステープル等の後処理がされた記録シートSを、第2の積載部の一例としてのスタッカトレイTH1に排出させると共に、逆回転時に、コンパイルトレイ6に排出された記録シートSをエンドウォール8に向けて移動させる。
【0031】
(シェルフの説明)
図5において、スタッカ排出ロール16の近傍には、スタッカ排出ロール16の回転軸16aとコンパイルトレイ本体7の下面との間に、延長部材の一例としてのシェルフ17が配置されている。
図5において、前記シェルフ17は、延長部本体の一例として、円弧状に湾曲した板状のシェルフ本体17aを有し、シェルフ本体17aの下面には、被伝達部の一例としての円弧状のラックギア17bが形成されている。前記ラックギア17bには、スタッカ排出ロール16の回転軸16aの下方に配置されたシェルフ駆動ギア18に噛み合っている。前記シェルフ駆動ギア18には、後述する駆動源の一例としての正逆回転可能なシェルフ駆動モータMA3から駆動が伝達されており、モータの正逆回転に伴って、図5の実線で示す記録シートSの下面を支持可能な延長位置と、図5の破線で示す後処理装置U3内部に収納された収納位置との間でシェルフ17が移動する。
なお、前記排出ロール16やシェルフ17は、従来公知であり、例えば、特開2006−69746号公報や特開2006−69749号公報、特開2011−88682号公報や特開2011−88683号公報等に記載された従来公知の種々の構成を採用可能であるため詳細な説明は省略する。
【0032】
(クランプロール21の説明)
図3において、コンパイルトレイ本体7の上方には、排出従動部材の一例として、スタッカ排出ロール16に対応してクランプロール21が配置されている。前記クランプロール21は、腕部材の一例として、回転軸22aを中心として回転可能に支持されたクランプアーム22の先端部に支持されており、クランプアーム22の回転に伴って、クランプロール21がスタッカ排出ロール16から離間する図3の実線で示す離間位置の一例としての上昇位置と、クランプロール21がスタッカ排出ロール16に接近して記録シートSに接触して記録シートSを挟む図3の破線で示す接触位置の一例としての下降位置との間で移動可能に支持されている。
【0033】
(サブパドル23の説明)
図4において、クランプロール21の前後方向にずれた位置には、第1の揃え搬送部材の一例としてのサブパドル23が配置されている。なお、実施例1のサブパドル23は、前後方向に対して予め設定された間隔をあけて複数配置されており、メインパドル11と同様の構成となっているため、詳細な説明は省略する。サブパドル23は、腕部材の一例として、回転軸24aを中心として回転可能に支持されたパドルアーム24の先端部に支持されており、パドルアーム24の回転に伴って、コンパイルトレイ6の積載面7aからサブパドル23が上昇して離れた図4の実線で示す待機位置と、コンパイルトレイ6の積載面7aにサブパドル23が下降して接近し、コンパイルトレイ6上の記録シートSをエンドウォール8側に引き込む図4の破線で示す引込位置と、の間で移動可能に支持されている。
なお、前記クランプロール21やサブパドル23の昇降機構や、サブパドル23の駆動機構に関しては、従来公知であり、例えば、特開2006−69727号公報や特開2006−69746号公報、特開2006−69749号公報等に記載されているような種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。また、実施例1では、サブパドル23の駆動源は、メインパドル11の駆動源であるパドル駆動モータMA6と共通化されているが、独立して設けることも可能である。
【0034】
(スタッカトレイTH1の説明)
図1、図3〜図5において、前記後処理装置U3の左側壁U3bには、第2の積載部の一例として、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSが排出されるスタッカトレイTH1が支持されている。前記スタッカトレイTH1は、昇降案内部の一例として、前記後処理装置U3の左側壁U3bに沿って上下方向に延びるトレイガイド26を有する。前記トレイガイド26には、排出移動部の一例としてのスライダ27が、トレイガイド26に沿って昇降可能に支持されている。前記スライダ27には、第2の積載部本体の一例としてのスタッカトレイ本体28が、固定支持されている。
前記スタッカトレイTH1は、スタッカトレイ本体28の上面に積載された記録シートSの束の最上面の高さに応じて、下降するように構成されている。なお、このような昇降機構は、従来公知であり、例えば、特開平7−300270号公報、特開2003−089463号公報等に記載の昇降機構等、種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0035】
(ステープラの詳細な説明)
図6は実施例1のコンパイルトレイの後端部の要部説明図である。
図5、図6において、実施例1のエンドウォール8の右下方には、綴じ装置の支持部材の一例としてのステープラ支持部材61が支持されている。実施例1のステープラ支持部材61は、エンドウォール8に沿って記録シートSの幅方向である前後方向に延びていると共に、コンパイルトレイ本体7と同様に右方に行くほど下方に傾斜した板状に形成されている。
前記ステープラ支持部材61には、綴じ装置の案内部材の一例として、前後方向に延び且つ前後両端部では前後方向の内側に円弧状に湾曲するステープラガイド62が上方に突出して形成されている。ステープラガイド62の左右方向中央部には、綴じ装置の案内部材本体の一例として、ステープラガイド62に沿って延び且つステープラガイド62を上下方向に貫通するステープラガイド溝62aが形成されている。前記ステープラガイド溝62aの右側の内面には、平板状の歯車の一例としてのラック歯62bが形成されている。
【0036】
図5、図6において、前記ステープラ支持部材61には、被検知部の一例として、ステープラガイド62の右方に配置された上方に延びる板状の遮光リブ63が配置されている。図6において、実施例1の遮光リブ63は、ステープラ13が停止する位置に応じて配置されており、実施例1のステープラ13が記録シートSの束の綴じ処理を行う前端角部、中央前部、中央後部、後端角部の4箇所に対応して配置されている。すなわち、実施例1のステープラ13は、前端角部を綴じる「前端コーナ綴じ」と、中央前部及び中央後部を綴じる「側端綴じ」と、後端角部を綴じる「後端コーナ綴じ」と、が可能になっている。
なお、図6に示すように、エンドウォール8およびコンパイルトレイ本体7右端の前端部、中央部、及び後部には、ステープラ13で綴じ処理、いわゆるステープル処理が行われる位置に対応して、綴じ用の切欠部6a,6b,6cが形成されている。
【0037】
(移動綴じ装置の説明)
図5、図6において、前記ステープラ支持部材61には、移動綴じ装置の一例としての移動ステープルユニット66が支持されている。図5において、実施例1の移動ステープルユニット66は、移動体の一例として、ステープラガイド62を跨ぐように上方に配置された板状の台車67を有する。前記台車67の左右両端部には、被案内部材の支持部の一例として、下方に延びるコロ支持部68,69が形成されている。左側のコロ支持部68の下端には、左方に延びる駆動連結部68aが形成されている。
前記コロ支持部68,69には、被案内部材の一例として、ステープラ支持部材61の上面に接触するコロ71が回転可能に支持されている。図6において、実施例1のコロ71は、左側のコロ支持部68に1つ支持され、右側のコロ支持部69に、前後方向に対して間隔をあけて一対支持されている。
【0038】
図5において、台車67には、ステープラガイド溝62aに対応して、駆動軸の一例として、下方に延びるシャフト72の上端が回転可能に支持されている。前記シャフト72には、綴じ装置の駆動部材の一例として、ラック歯62bに噛み合うステープラ移動ギア73が支持されている。
前記シャフト72の下端には、駆動源の一例としてのステープラ移動モータ74から駆動が伝達される。実施例1のステープラ移動モータ74は、入力信号の一例としてのパルスが入力される度に予め設定された角度回転する駆動源の一例としてのステッピングモータにより構成されており、正逆回転可能に構成されている。
【0039】
前記ステープラ移動モータ74は、駆動源支持部材の一例としての板状のモータ支持プレート76に支持されており、モータ支持プレート76は、左端部に支持された連結部材の一例としての連結シャフト77を介して、前記駆動連結部68aに支持されている。したがって、ステープラ移動モータ74は、モータ支持プレート76や連結シャフト77を介して、台車67と一体的に移動可能に支持されている。そして、ステープラ移動モータ74が正逆回転駆動されると、ラック歯62bに噛み合うステープラ移動ギア73が正逆回転して、台車67がステープラガイド溝62aに沿って移動する。
【0040】
図5において、前記台車67の下面には、遮光リブ63の位置に対応して、検知部材の一例としての光センサ78が支持されている。実施例1の光センサ78は、光を出力する発光部78aと、光を受光する受光部78bとが対向して配置されており、遮光リブ63が、発光部78aと受光部78bとの間に進入可能に配置されている。したがって、台車67の移動に伴って、遮光リブ63が発光部78aと受光部78bとの間に進入して、光が遮光されると、移動ステープルユニット66が綴じる位置に移動したことが検出可能に構成されている。
【0041】
前記台車67の上面には、綴じ作動装置の一例としてのステープラモータユニット81が支持されており、ステープラモータユニット81の上面にステープラ13が支持されている。
実施例1のステープラ13は、綴じ針の一例としてのステープル針を打ち出す針打ち出し部82aと、針打ち出し部82aに対向して配置されて打ち出されて記録シートSの束を貫通したステープル針の先端を折り曲げる針折り曲げ部82bと、を有する。前記針打ち出し部82aは、針折り曲げ部82bに対して、回転中心82cを中心として回転可能に支持されている。
針打ち出し部82aと針折り曲げ部82bとの間には、綴じ作動部材の一例としてのステープラ作動部材83が支持されている。前記ステープラ作動部材83は、一端83aが針打ち出し部82aに連結されると共に、他端に円環状の被作動部83bが形成されている。
【0042】
被作動部83bには、偏心部材の一例としての偏心カム84が回転可能に支持されている。前記偏心カム84の回転軸84aには、歯車の一例として、図示しない被駆動ギア86が支持されており、被駆動ギア86には、中間歯車の一例としての中間ギア87を介して、ステープラモータユニット81の出力軸81aに支持された出力歯車の一例としての出力ギア88から駆動が伝達される。
したがって、ステープラモータユニット81が作動すると、ギア86〜88を介して偏心カム84が回転し、ステープラ作動部材83の一端83aが上下方向に移動する。したがって、針打ち出し部82aが針折り曲げ部82bに接近して、記録シートSの束が挟まれ、ステープル針が打ち出されて、綴じられる。
【0043】
前記ステープラ13および符号67〜88を付した部材等により、実施例1の移動ステープルユニット66が構成されている。
なお、実施例1の移動ステープルユニット66では、ステープラ支持部材66の上方に配置された台車67上にステープラ13やステープラモータユニット81等が配置されており、全体の重心は、ステープラ支持部材66よりも重力方向で上方になっている。
【0044】
(タンパの詳細な説明)
図7は図6のVII−VII線断面図である。
図8は実施例1のタンパの説明図であり、図8Aは上方から見た図、図8Bは下方から見た図である。
図6、図7において、実施例1のタンパ12は、整合部材の案内部の一例として、コンパイルトレイ本体7に形成された前後方向に延びるタンパガイド溝91に沿って移動可能に支持されている。図6〜図8において、実施例1のタンパ12は、コンパイルトレイ本体7の積載面7aに沿って延びる板状の底板部92を有する。底板部92の前後方向外端には、整合部材本体の一例として、上方に延びる板状のタンパ本体93が形成されている。
【0045】
底板部92の底部には、整合部材の被案内体の一例として、前後方向に延びる板状に形成され且つ前記タンパガイド溝91内に収容される被ガイドロッド94が支持されている。図8Bにおいて、前記被ガイドロッド94の前後方向両端部には、被案内部の一例として、タンパガイド溝91の内面に接触して支持されるコロ状の被ガイドコロ96が一対回転可能に支持されている。また、被ガイドロッド94には、被ガイドコロ96とは反対側の側面に、被伝達部の一例として、被ガイドロッド94の側面に沿ってタンパラック歯97が形成されている。
【0046】
図6、図7において、コンパイルトレイ本体7の下面の前後方向中央部には、整合部材の駆動源の一例としてのタンパ駆動モータ98が、各タンパ12に対応して前後一対配置されている。なお、実施例1のタンパ駆動モータ98は、ステープラ移動モータ74と同様に、ステッピングモータにより構成されており、正逆回転可能に構成されている。
前記タンパ駆動モータ98の回転軸98aには、伝達部材の一例として、タンパラック歯97に噛み合うタンパ駆動ギア99が支持されている。したがって、タンパ駆動モータ98が正逆回転すると、タンパ駆動ギア99およびタンパラック歯97を介して、タンパ12がシート幅方向に移動し、タンパ本体93が積載された記録シートSの幅方向の端に接触して、整合が行われる。
【0047】
(実施例1の制御部の説明)
図9は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図10は前記図9の続きのブロック図である。
図9、図10において、プリンタ本体U1の制御部Cおよび後処理装置U3の制御部CAは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/O、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリ、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置、ならびに発振器等を有する小型情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0048】
(プリンタ本体U1の制御部Cに接続された信号出力要素)
前記プリンタ本体U1の制御部Cは、操作部UI等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
UI:操作部
前記操作部UIは、電源投入部の一例としての電源ボタンUI1、表示部UI2、数字入力部UI3、矢印入力部UI4、等を備えている。
【0049】
(プリンタ本体U1の制御部Cに接続された被制御要素)
プリンタ本体U1の制御部Cは、主駆動源駆動回路D1、電源回路E、給紙装置駆動回路D2、搬送部材駆動回路D3、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
D1:主駆動源駆動回路
主駆動源駆動回路D1は、主駆動源M1を介して感光体PRy〜PRkや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
D2:給紙装置駆動回路
給紙装置駆動回路D2は、給紙用駆動源M2を介して給紙装置Rp+Rsを駆動する。D3:搬送部材駆動回路
搬送部材駆動回路D3は、搬送用駆動源M3を介して搬送ロールRaや排紙ロールRhを駆動する。
【0050】
E:電源回路
前記電源回路Eは現像用電源回路Ea、帯電用電源回路Eb、転写用電源回路Ec、定着用電源回路Ed等を有している。
Ea:現像用電源回路
現像用電源回路Eaは、現像装置Gy〜Gkの現像ロールに現像電圧を印加する。
Eb:帯電用電源回路
帯電用電源回路Ebは、帯電器CRy〜CRkそれぞれに感光体PRy〜PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Ec:転写用電源回路
転写用電源回路Ecは、1次転写器T1y〜T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
Ed:定着用電源回路
定着用電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電源を供給する。
【0051】
(プリンタ本体U1の制御部Cの機能)
プリンタ本体U1の制御部Cは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、制御部Cは次の機能を有している。
C1:画像形成制御手段
画像形成制御手段C1は、情報処理装置PCから入力された画像情報に応じて、プリンタUの各部材の駆動や各電圧の印加時期等を制御して、画像形成動作であるジョブを実行する。なお、実施例1の前記画像情報には、「後処理なし」、「綴じ無し(整合のみ)」、「綴じ有り」の後処理設定情報や、後処理実行枚数情報、使用するトレイTR0〜TR4についての使用給紙部情報等が含まれている。
C2:主駆動源制御手段
主駆動源制御手段C2は、主駆動源駆動回路D1を介して主駆動源M1の駆動を制御し、感光体PRy〜PRk等の駆動を制御する。
【0052】
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、現像用電源回路制御手段C3Aと、帯電用電源回路制御手段C3Bと、転写用電源回路制御手段C3Cと、定着用電源回路制御手段C3Dとを有し、電源回路Eの作動を制御して、各部材への電圧印加や電源供給を制御する。
C3A:現像用電源回路制御手段
現像用電源回路制御手段C3Aは、現像用電源回路Eaを制御して現像装置Gy〜Gkの現像ロールに印加する現像電圧を制御する。
C3B:帯電用電源回路制御手段
帯電用電源回路制御手段C3Bは、帯電用電源回路Ebを制御して、帯電器CRy〜CRkに印加する帯電電圧を制御する。
【0053】
C3C:転写用電源回路制御手段
転写用電源回路制御手段C3Cは、転写用電源回路Ecを制御して、1次転写器T1y〜T1kに印加する1次転写電圧や、2次転写ロールT2bに印加する2次転写電圧を制御する。
C3D:定着用電源回路制御手段
定着用電源回路制御手段C3Dは、定着用電源回路Edを制御して、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータの温度制御、すなわち、定着温度の制御を行う。
【0054】
(後処理装置U3の制御部CAに接続された信号出力要素)
前記後処理装置U3の制御部CAは、コンパイル排出センサSN1、光センサ78等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
コンパイル排出センサSN1は、コンパイルトレイ6に搬入される記録シートSを検知する。
光センサ78は、遮光リブ63を検出する。
【0055】
(後処理装置U3の制御部CAに接続された被制御要素)
また、前記後処理装置U3の制御部CAは、コンパイル排出ロール駆動回路DA1、スタッカ排出ロール駆動回路DA2、シェルフ作動回路DA3、クランプロール昇降回路DA4、サブパドル昇降回路DA5、パドル駆動回路DA6、タンパ駆動回路DA7、ステープル作動回路DA8、スタッカ昇降回路DA9、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
DA1:コンパイル排出ロール駆動回路
第1の排出部材の駆動回路の一例としてのコンパイル搬送ロール駆動回路DA1は、後処理装置U3のロール駆動モータMA1を制御して、コンパイル排出ロール4や後処理搬入ロールRa3を駆動する。
【0056】
DA2:スタッカ排出ロール駆動回路
第2の排出部材の駆動回路の一例としてのスタッカ排出ロール駆動回路DA2は、排出モータMA2の回転駆動を制御して、スタッカ排出ロール16を駆動する。
DA3:シェルフ作動回路
延長部材の作動回路の一例としてのシェルフ作動回路DA3は、シェルフ作動モータMA3の正逆回転駆動を制御して、シェルフ17を、収納位置と延長位置との間で移動させる。
DA4:クランプロール昇降回路
排出対向部材の昇降回路の一例としてのクランプロール昇降回路DA4は、クランプロール昇降用の昇降モータMA4の正逆回転を制御して、クランプロール21を上昇位置と下降位置との間で移動させる。
【0057】
DA5:サブパドル昇降回路
第1の揃え搬送部材の昇降回路の一例としてのサブパドル昇降回路DA5は、サブパドル昇降用のソレノイドMA5のオン・オフを制御して、サブパドル23を、待機位置と引込位置との間で移動させる。
DA6:パドル駆動回路
第2の揃え搬送部材の駆動回路の一例としてのパドル駆動回路DA6は、パドル駆動モータMA6の回転駆動を制御して、メインパドル11及びサブパドル23を回転させたり、停止させたりする。
DA7:タンパ駆動回路
整合部材の駆動回路の一例としてのタンパ駆動回路DA7は、タンパ駆動モータ98の正逆回転駆動を制御して、タンパ12を記録シートSの幅方向の端部に接触する整合位置と、幅方向の外端に退避した退避位置との間で移動させる。
【0058】
DA8:ステープル作動回路
綴じ部材の作動回路の一例としてのステープル作動回路DA8は、ステープラ移動モータ74やステープラモータユニット81を制御して、ステープラ13を綴じ位置に移動させた後、ステープル針で綴じる作業を行う。
DA9:スタッカ昇降回路
第2の積載部の昇降回路の一例としてのスタッカ昇降回路DA9は、トレイ昇降モータMA9を制御して、スタッカトレイTH1を昇降させる。
【0059】
(後処理装置U3の制御部CAの機能)
また、前記後処理装置U3の制御部CAは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、制御部CAは次の機能を有している。
C11:後処理判別手段
後処理判別手段C11は、画像形成制御手段C1で受信された前記画像情報に基づいて、前記後処理装置U3で実行される後処理が、「後処理なし」、「綴じ無し(整合のみ)」、「綴じ有り」のいずれであるかを判別する。
C12:後処理制御手段
後処理制御手段C12は、後処理装置U3の各部材を制御して、記録シートSに対する後処理を行って、スタッカトレイTH1上に記録シートSを排出、積載する。
実施例1の後処理制御手段C12は、後処理判別手段C11により判別された後処理が、「後処理なし」であった場合、すなわち、後処理が実行されない場合には、シェルフ17を収納位置に移動させた状態でコンパイル排出ロール4およびスタッカ排出ロール16を回転駆動させて、スタッカトレイTH1上に記録シートSを排出、積載する。
また、実施例1の後処理制御手段C12は、後処理判別手段C11により判別された後処理が、「綴じ無し(整合のみ)」、「綴じ有り」であった場合には、コンパイルトレイ6上に記録シートSを積載して整合やステープル等の後処理をしてから、スタッカトレイTH1上に後処理された記録シートSの束を排出、積載する。
【0060】
C13:コンパイル排出ロールの制御手段
第1の排出部材の制御手段の一例としてのコンパイル排出ロールの制御手段C13は、コンパイル排出ロール駆動回路DA1を介して、コンパイル排出ロール4等の駆動を制御して、記録シートSをコンパイルトレイ6に排出する。
C14:シェルフ制御手段
延長部材の制御手段の一例としてのシェルフ制御手段C14は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、シェルフ作動回路DA3を介して、シェルフ17を延長位置と収納位置との間で移動させる。実施例1のシェルフ制御手段C14は、「後処理なし」と判別された場合には、シェルフ17を収納位置に移動させる。また、実施例1のシェルフ制御手段C14は、後処理有りと判別された場合には、シェルフ17を延長位置に移動させて、コンパイル排出ロール4によって搬送された記録シートSの下面を支持させる。そして、前記シェルフ制御手段C14は、積載された記録シートSへの後処理が終了すると、スタッカトレイTH1に排出される前にシェルフ17を収納位置に移動させる。
【0061】
C15:パドルの回転制御手段
揃え搬送部材の回転制御手段の一例としてのパドルの回転制御手段C15は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、パドル駆動回路DA6を介して、メインパドル11及びサブパドル23を回転、停止させる。実施例1のパドルの回転制御手段C15は、「後処理なし」と判別された場合には、メインパドル11及びサブパドル23の回転を停止させる。また、実施例1のパドルの回転制御手段C15は、後処理有りと判別された場合には、メインパドル11及びサブパドル23を回転させて、コンパイルトレイ6に排出された記録シートSをエンドウォール8側に引き込む。そして、実施例1のパドルの回転制御手段C15は、予め設定された枚数の記録シート束S1の積載、整合が終了すると、メインパドル11及び引き込みパドル22の回転を停止させる。
【0062】
C16:サブパドルの昇降制御手段
第1の揃え搬送部材の昇降制御手段の一例としてのサブパドルの昇降制御手段C16は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、サブパドル昇降回路DA5を介して、コンパイルトレイ6に記録シートSが搬入される時期に対応させて、サブパドル23を待機位置と引込位置との間で移動させる。実施例1のサブパドルの昇降制御手段C16は、「後処理なし」と判別された場合には、サブパドル23を待機位置に移動させて保持する。また、実施例1のサブパドルの昇降制御手段C16は、後処理有りと判別された場合には、記録シートSがコンパイルトレイ6に搬入されて、記録シートSの後端がコンパイル排出センサSN1を通過する度に、サブパドル23を引込位置に移動させて、記録シートSをコンパイルトレイ6のエンドウォール8側に引き込み可能とする。そして、サブパドルの昇降制御手段C16は、引込位置に下降してから予め設定された時間が経過して、記録シートSのコンパイルトレイ6への引き込みが終了すると、クランプロール22を待機位置に上昇させて記録シート束S1から離間させる。
【0063】
C17:タンパ制御手段
整合制御手段の一例としてのタンパ制御手段C17は、整合部材の駆動制御手段の一例としてのタンパの駆動制御手段C17Aを有し、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、タンパ駆動回路DA7を介して、タンパ12を整合位置と退避位置との間で移動させる。実施例1のタンパ制御手段C17は、画像形成動作が開始されると、初期位置としての退避位置にタンパ12を移動させ、「後処理なし」と判別された場合には、タンパ12を退避位置に保持する。また、実施例1のタンパ制御手段C17は、後処理有りと判別された場合には、記録シートSがコンパイルトレイ6に搬入される度に、タンパ12を整合位置に移動させて、記録シートSの幅方向の端部を揃えた後、退避位置に戻す。
【0064】
図11は、実施例1のタンパに作用する力やモーメントの説明図である。
なお、図11において力等の説明に不用な部分の図示は適宜省略している。
C17A:タンパの駆動制御手段
タンパの駆動制御手段C17Aは、タンパ駆動回路DA7を介してタンパ駆動モータ98の正逆回転を制御して、タンパ12を移動させる。実施例1のタンパ駆動制御手段C17Aは、タンパ12が移動する場合に加減速される際の加速度を、予め設定された加速度a1以下の加速度となるようにタンパ駆動モータ98を制御する。実施例1では、タンパ12の移動時の加速度a1は、以下のように設定される。図11において、実施例1のタンパ12では、タンパ12が移動する際に、タンパ12の重心12aに作用する重力と、タンパ駆動ギア99からタンパラック歯97が受ける力と、が作用する。
【0065】
したがって、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の加速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の減速時に、外側の被ガイドコロ96bがタンパガイド溝91の内面から離間すること、すなわち、被ガイドコロ96bが浮いてしまうことを抑制するためには、タンパ12の内側の被ガイドコロ96a回りに作用するモーメントMo1に関し、以下の式(1)を満足する必要がある。すなわち、積載面7aに沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、タンパ12の重心12aに作用する重力M1×gの方向に直交する方向に対して内側の被ガイドコロ96aから重心12aまでの距離をL1とし、タンパ駆動ギア99とタンパラック歯97との接触位置P1にタンパ駆動ギア99の駆動時に作用する力F1の方向に対して内側の被ガイドコロ96aと接触位置P1との距離をh1とし、タンパ12の移動時の加速度をa1とした場合に、以下の式(1)を満足する必要がある。
F1×h1≦M1×g×L1 …式(1)
式(1)において、F1=M1×a1より、以下の式(2)が成立する。
a1≦(g×L1)/h1 …式(2)
【0066】
なお、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の減速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の加速時に、内側の被ガイドコロ96aがタンパガイド溝91の内面から離間することが抑制されるためには、タンパ12の外側の被ガイドコロ96b回りに作用するモーメントMo1′に関し、以下の式(1′)が満足する必要がある。すなわち、タンパ12の重心12aに作用する重力M1×gの方向に直交する方向に対して外側の被ガイドコロ96bから重心12aまでの距離をL1′とした場合に、以下の式(1′)を満足する必要がある。
F1′×h1≦M1×g×L1′ …式(1′)
なお、力F1′は、力の向きが前記力F1とは逆方向となる。そして、式(1′)において、F1′=M1×a1より、以下の式(2′)が成立する。
a1≦(g×L1′)/h1 …式(2′)
したがって、実施例1のタンパの駆動制御手段C17Aでは、タンパ12を移動させる際の加減速時に、上記式(2)、(2′)を満足する加速度a1となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0067】
C18:ステープラ制御手段
綴じ制御手段の一例としてのステープラ制御手段C18は、位置判別手段C18Aと、綴じ装置の駆動制御手段の一例としてのステープラの移動制御手段C18Bと、綴じ装置の作動制御手段の一例としてのステープラの作動制御手段C18Cと、を有し、後処理判別手段C11により判別された後処理が、「綴じ有り」であった場合に、画像情報に含まれる後処理実行枚数の記録シートSがコンパイルトレイ6上に積載されて、記録シート束S1の整合が終了すると、ステープラ13を作動させて記録シート束S1を綴じる。
C18A:位置判別手段
位置判別手段C18Aは、光センサ78の検出結果に基づいて、移動ステープルユニット66の位置を判別する。
【0068】
図12は実施例1の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図である。
なお、図12において力等の説明に不用な部分の図示は適宜省略している。
C18B:ステープラの移動制御手段
ステープラの移動制御手段C18Bは、ステープル作動回路DA8を介してステープラ移動モータ74を作動させて、位置判別手段C18Aの判別結果に応じて、移動ステープルユニット67の移動、停止を制御する。実施例1のステープラの移動制御手段C18Bは、移動ステープルユニット66が移動する場合に加減速される際の加速度を、予め設定された加速度a2以下の加速度となるようにステープラ移動モータ74を制御する。実施例1では、移動ステープルユニット66の移動時の加速度a2は、以下のように設定される。図12において、実施例1の移動ステープルユニット66では、移動ステープルユニット66が移動する際に、移動ステープルユニット66の重心66aに作用する重力と、ステープラ移動ギア73からラック歯62bが受ける力と、が作用する。
【0069】
したがって、移動ステープルユニット66がステープラガイド62に沿って後方に移動する場合の加速時または前方に移動する場合の減速時に、後側のコロ71aがステープラ支持部材61の上面から離間すること、すなわち、浮いてしまうことを抑制するためには、移動ステープルユニット66の前側のコロ71b回りに作用するモーメントMo2に関し、以下の式(3)を満足する必要がある。すなわち、前記ステープラガイド62の延びる方向およびステープラ支持部材61の上面に垂直な方向を含む図12に示す面内において、重力加速度の成分をgとし、移動ステープルユニット66の重心66aに作用する重力M2×gの方向に直交する方向に対して前側のコロ71bから重心66aまで距離をL2とし、ステープラ移動ギア73とラック歯62bとの接触位置P2にステープラ移動ギア73の駆動時に作用する力F2の方向に対して後側のコロ71bと接触位置P2との距離をh2とし、移動ステープルユニット66の移動時の加速度をa2とした場合に、以下の式(3)を満足する必要がある。
F2×h2≦M2×g×L2 …式(3)
式(3)において、F2=M2×a2より、以下の式(4)が成立する。
a2≦(g×L2)/h2 …式(4)
【0070】
なお、移動ステープルユニット66が前方に移動する場合の減速時または後方に移動する場合の加速時に、前側のコロ71bがステープラ支持部材61の上面から浮いてしまうことを抑制するためには、移動ステープルユニット66の後側のコロ71a回りに作用するモーメントMo2′に関し、以下の式(3′)を満足する必要がある。すなわち、移動ステープルユニット66の重心66aに作用する重力M2×gの方向に直交する方向に対して後側のコロ71aから重心66aまでの距離をL2′とした場合に、以下の式(3′)を満足する必要がある。
F2′×h2≦M2×g×L2′ …式(3′)
なお、力F2′は、力の向きが前記力F2とは逆方向となる。そして、式(3′)において、F2′=M2×a2より、以下の式(4′)が成立する。
a2≦(g×L2′)/h2 …式(4′)
したがって、実施例1のステープラの駆動制御手段C18Bでは、移動ステープルユニット66を移動させる際の加減速時に、上記式(4)、(4′)を満足する加速度a2となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0071】
C18C:ステープラの作動制御手段
ステープラの作動制御手段C18Cは、ステープラの移動制御手段C18Bにより移動ステープルユニット66がステープルを行う位置に移動した場合に、ステープル作動回路DA8を介してステープラモータユニット81を制御して、ステープラ13を作動させて、ステープル処理を行う。
【0072】
C19:スタッカ排出ロールの制御手段
第2の排出部材の制御手段の一例としてのスタッカ排出ロールの制御手段C19は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、スタッカ排出ロール駆動回路DA2を介して、スタッカ排出ロール16の駆動を制御して、コンパイル排出ロール4から排出された記録シートSをスタッカトレイTH1に排出したり、コンパイルトレイ6で整合またはステープルされた記録シート束S1をスタッカトレイTH1に排出したりする。実施例1のスタッカ排出ロールの制御手段C19は、「後処理なし」と判別された場合には、スタッカ排出ロール16を正回転駆動させて、コンパイル排出ロール4によって搬送された記録シートSを、そのまま、スタッカトレイTH1に排出する。また、実施例1のスタッカ排出ロールの制御手段C19は、「綴じ無し(整合のみ)」又は「綴じ有り」と判別された場合、すなわち、後処理有りと判別された場合には、記録シートSの束の最初の記録シートSがコンパイルトレイ6に搬入される場合に、逆回転駆動して、記録シートSをエンドウォール8側に搬送すると共に、2枚目以降の記録シートSが積載されている間はスタッカ排出ロール16の駆動を停止する。そして、スタッカ排出ロールの制御手段C19は、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSへの後処理が終了すると、スタッカ排出ロール16を正回転駆動させて、コンパイルトレイ6上の記録シート束S1をスタッカトレイTH1に排出させる。
【0073】
C20:クランプロールの昇降制御手段
搬送部材の移動制御手段の一例としてのクランプロールの昇降制御手段C20は、後処理判別手段C11の判別結果に基づいて、クランプロール昇降回路DA4を介して、クランプロール21を上昇位置と下降位置との間で移動させる。実施例1のクランプロールの昇降制御手段C20は、画像形成動作が開始されると初期位置としての上昇位置にクランプロール21を移動させる初期化処理を行い、「後処理なし」と判別された場合には、クランプロール21を下降位置に移動させて、スタッカ排出ロール16と共に、コンパイル排出ロール4によって排出された記録シートSを挟んで、スタッカトレイTH1に排出させる。また、実施例1のクランプロールの昇降制御手段C20は、後処理有りと判別された場合には、コンパイルトレイ6に積載された記録シートSへの後処理が終了すると、クランプロール21を下降位置に移動させて、スタッカ排出ロール16との間で後処理後の記録シート束S1を挟んで、スタッカトレイTH1に排出させる。
【0074】
C21:スタッカ昇降制御手段
第2の積載部の昇降制御手段の一例としてのスタッカ昇降制御手段C21は、スタッカトレイTH1に積載される記録シートSの量に応じて、前記スタッカトレイTH1の昇降を制御する。
【0075】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、ジョブが開始されると、プリンタ本体U1で記録シートSに画像が形成され、整合やステープル等の後処理の設定がされている場合は、パドル11,23でコンパイルトレイ6に引き込まれ、整合、ステープル等の処理がされて、スタッカトレイTH1に排出され、後処理の設定がされていない場合は、コンパイルトレイ6に引き込まれずにスタッカトレイTH1に排出される。
ここで、実施例1のタンパ12は、前記式(2)、(2′)を満足する加速度a1で移動が制御され、移動ステープルユニット66は、前記式(4)、(4′)を満足する加速度a2で移動が制御される。
【0076】
図13は実施例1のタンパの作用説明図であり、図13Aは加速度が大きすぎる場合に外側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図、図13Bは加速度が大きすぎる場合に内側の被ガイドコロが浮いた状態の説明図である。
図13Aにおいて、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の加速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の減速時に、前記式(2)を満足しない加速度でタンパ12を移動させた場合、力F1に伴って作用するモーメントMo1が大きくなる。ここで、被ガイドロッド94とタンパガイド溝91との間や、タンパ駆動ギア99とタンパラック歯97との間に、ある程度の隙間、いわゆるガタが存在しない場合、摩擦が大きくなったり、製造誤差や組み立て誤差で密着する等して、拘束条件が厳しくなり、移動できなくなることがあり、一般的に、ある程度のガタが設けられている。
【0077】
したがって、ガタ分だけ移動が可能なタンパ12では、大きなモーメントMo1が作用すると、外側の被ガイドコロ96bがタンパガイド溝91から浮いてしまい、被ガイドロッド94がタンパガイド溝91の内面に接触して、騒音が発生したり、摩擦抵抗の増大に伴う摩耗や発熱、あるいは、タンパ駆動モータ98の負荷の増大といった問題が発生する。また、浮き上がった外側の被ガイドコロ96bがタンパガイド溝91に再度接触する際にも、騒音が発生する問題がある。
同様に、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の減速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の加速時に、式(2′)を満足しない加速度でタンパ12を移動させた場合、図13Bに示すように、内側の被ガイドコロ96aがタンパガイド溝91から浮いてしまう問題がある。
これらに対して、実施例1では、タンパ12が、式(2)、(2′)を満足する加速度a1で制御されており、図13に示す場合に比べて、騒音の発生や摩耗、タンパ駆動モータ98の負荷の増大等が低減されている。
【0078】
図14は実施例1の移動ステープルユニットの作用説明図であり、図14Aは加速度が大きすぎる場合に後側のコロが浮いた状態の説明図、図14Bは加速度が大きすぎる場合に前側のコロが浮いた状態の説明図である。
図14Aにおいて、移動ステープルユニット66がステープラガイド62に沿って後方に移動する場合の加速時または前方に移動する場合の減速時に、前記式(4)を満足しない加速度で移動ステープルユニット66を移動させた場合、力F2に伴って作用するモーメントMo2が大きくなる。ここで、台車67とステープラ支持部材61との間やステープラ移動ギア73とラック歯62bとの間には、前述の被ガイドロッド94とタンパガイド溝91との間等の場合と同様に、一般的に、ある程度のガタが設けられている。
【0079】
したがって、ガタ分だけ移動が可能な移動ステープルユニット66では、大きなモーメントMo2が作用すると、図14Aに示すように、後側のコロ71aがステープラ支持部材61の上面から浮いてしまい、移動ステープルユニット66の各部とステープラ支持部材61の各部との接触時に騒音や摩耗等が発生したり、浮き上がった後側コロ71aがステープラ支持部材61に再度接触する際にも、騒音が発生する問題がある。
同様に、移動ステープルユニット66が前方に移動する場合の減速時または後方に移動する場合の加速時に、式(4′)を満足しない加速度で移動ステープルユニット66を移動させた場合、図14Bに示すように、前側のコロ71bがステープラ支持部材61の上面から浮いてしまう問題がある。
これらに対して、実施例1では、移動ステープルユニット66が、式(4)、(4′)を満足する加速度a2で制御されており、図14に示す場合に比べて、騒音の発生や摩耗、ステープラ移動モータ74の負荷の増大等が低減されている。
【実施例2】
【0080】
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0081】
図15は実施例2の移動ステープルユニットの説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図15において、実施例2の移動ステープルユニット66では、モータ支持プレート76には、付勢部材の一例としての板バネ101の基端が支持されており、板バネ101の先端は、ステープラ支持部材61の下面に接触している。なお、実施例2の板バネ101は、移動ステープルユニット66の重心66aの位置に対応する位置に配置されている。
したがって、板バネ101の弾性力により、実施例2の移動ステープルユニット66は、コロ71がステープラ支持部材61の上面に接近する方向である下方に付勢されている。
【0082】
図16は実施例2のタンパの説明図であり、実施例1の図8Bに対応する図である。
図16において、実施例2のタンパ12では、被ガイドロッド94の外端部には、タンパラック歯97よりも幅方向外側の位置に、付勢部材の一例としての板バネ102の基端が支持されており、板バネ102の先端は、タンパガイド溝91の内面に接触される。なお、タンパ12の板バネ102も、移動ステープルユニット66の板バネ101と同様に、タンパ12の重心12aの位置に対応して配置されている。
したがって、板バネ102の弾性力により、実施例2のタンパ12は、被ガイドコロ96がタンパガイド溝91の内面に押し付けられる方向に付勢されている。
【0083】
(加速度a1の説明)
図17は、実施例2のタンパに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図11に対応する図である。
したがって、実施例2では、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の加速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の減速時に、外側の被ガイドコロ96bの浮き上がり防止のためには、以下の式(5)を満足する必要がある。すなわち、図17において、板バネ102の付勢力により作用するモーメントをMt1とした場合に、以下の式(5)を満足する必要がある。
F1×h1≦M1×g×L1+Mt1 …式(5)
式(5)において、F1=M1×a1より、以下の式(6)が成立する。
a1≦(g×L1)/h1+Mt1/(M1×h1) …式(6)
なお、実施例2では、板バネ102の付勢力Fk1が作用する方向に直交する方向に対して内側の被ガイドコロ96aから板バネ102の接触位置P3までの距離をL4とした場合に、Mt1=Fk1×L4となり、式(6)は、以下の式(7)とも表せる。
a1≦(g×L1)/h1+(Fk1×L4)/(M1×h1) …式(7)
【0084】
なお、タンパ12が幅方向内側に移動する場合の減速時またはタンパ1が幅方向外側に移動する場合の加速時に、内側の被ガイドコロ96aがタンパガイド溝91の内面から離間することが抑制されるためには、タンパ12の外側の被ガイドコロ96b回りに作用するモーメントに関し、板バネ102により作用するモーメントをMt1′とした場合に、以下の式(5′)が満足する必要がある。
F1′×h1≦M1×g×L1′+Mt1′ …式(5′)
そして、式(5′)において、F1′=M1×a1より、以下の式(6′)が成立する。
a1≦(g×L1′)/h1+Mt1′/(M1×h1) …式(6′)
なお、板バネ102の付勢力Fk1が作用する方向に直交する方向に対して外側の被ガイドコロ96bから板バネ102の接触位置P3までの距離をL4′とした場合に、Mt1′=Fk1×L4′となり、式(6′)は、以下の式(7′)とも表せる。
a1≦(g×L1′)/h1+(Fk1×L4′)/(M1×h1) …式(7′)
したがって、実施例2のタンパの駆動制御手段C17Aでは、タンパ12を移動させる際の加減速時に、上記式(6)、(6′)または式(7)、(7′)を満足する加速度a1となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0085】
(加速度a2の説明)
図18は、実施例2の移動ステープルユニットに作用する力やモーメントの説明図であり、実施例1の図12に対応する図である。
また、実施例2では、移動ステープルユニット66がステープラガイド62に沿って後方に移動する場合の加速時または前方に移動する場合の減速時に、後側のコロ71aの浮き上がり防止のためには、移動ステープルユニット66の前側のコロ71b回りに作用するモーメントに関し、以下の式(8)を満足する必要がある。すなわち、板バネ101の付勢力により作用するモーメントをMt2とした場合に、以下の式(8)を満足する必要がある。
F2×h2≦M2×g×L2+Mt2 …式(8)
式(8)において、F2=M2×a2より、以下の式(9)が成立する。
a2≦(g×L2)/h2+Mt2/(M2×h2) …式(9)
なお、実施例2では、板バネ101の付勢力Fk2が作用する方向に直交する方向に対して前側のコロ71bから板バネ101の接触位置P4までの距離をL5とした場合に、Mt2=Fk2×L5となり、式(9)は、以下の式(10)とも表せる。
a2≦(g×L2)/h1+(Fk2×L5)/(M2×h2) …式(10)
【0086】
なお、移動ステープルユニット66が前方に移動する場合の減速時または後方に移動する場合の加速時に、前側のコロ71bの浮き上がり防止のためには、移動ステープルユニット66の後側のコロ71a回りに作用するモーメントに関し、板バネ101により作用するモーメントをMt2′とした場合に、以下の式(8′)を満足する必要がある。
F2′×h2≦M2×g×L2′+Mt2′ …式(8′)
そして、式(8′)において、F2′=M2×a2より、以下の式(9′)が成立する。
a2≦(g×L2′)/h2+Mt2′/(M2×h2) …式(9′)
なお、実施例2では、板バネ101の付勢力Fk2が作用する方向に直交する方向に対して後側のコロ71aから板バネ101の接触位置P4までの距離をL5′とした場合に、Mt2′=Fk2×L5′となり、式(9′)は、以下の式(10′)とも表せる。
a2≦(g×L2′)/h1+(Fk2×L5′)/(M2×h2) …式(10)
したがって、実施例2のステープラの駆動制御手段C18Bでは、移動ステープルユニット66を移動させる際の加減速時に、上記式(9)、(9′)または式(10)、(10′)を満足する加速度a2となるように、タンパ駆動モータ98を制御する。
【0087】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、実施例1と同様に、騒音を低減しつつ、浮き上がり防止用の板バネ101,102が設けられており、設けられていない場合に比べて、式(6)、(6′)、(7)、(7′)、(9)、(9′)、(10)、(10′)の右辺第2項の分、加速度a1,a2を大きくすることが可能になっており、タンパ12や移動ステープルユニット66の速やかな加減速が可能になるとともに、最高速度を上昇させる時間的な余裕も作ることが可能になっている。
【0088】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。
(H02)前記実施例2において、板バネ101,102は、それぞれ1つずつ配置する構成を例示したが、これに限定されず、2つ以上配置することも可能である。なお、この場合、式(5)等で使用されるモーメントは、モーメントの合計を使用することとなる。
【0089】
(H03)前記実施例2において、付勢部材の一例としての板バネ101,102を例示したが、これに限定されず、付勢可能な任意の構成を採用可能であり、付勢する位置も、設計や仕様等に応じて、適宜変更可能である。
(H04)前記実施例において、被ガイドコロ96やコロ71の数や位置は、実施例に例示した構成に限定されず、設計等に応じて変更可能である。
【0090】
(H05)前記実施例において、重心12a、66aの位置は、実施例に例示した位置に限定されず、異なる位置の場合でも成立する。
(H06)前記実施例において、移動ステープルユニット66の浮き上がりが問題にならない場合は、浮き上がり防止の構成を省略可能である。
【符号の説明】
【0091】
6…積載部、
7a…積載面、
12…整合部材、
12a…重心、
91…案内部、
96…被案内部、
96a,96b…一方の被案内部材、
97…被伝達部、
98…駆動源、
99…伝達部材,歯車、
102…付勢部材、
C17A…駆動制御手段、
S…媒体、
U…画像形成装置、
U3…後処理装置、
Uy〜Uk+T1+T2+B…画像記録部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとした場合に、a≦(g×L)/h、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記整合部材を、前記被案内部が前記案内部に接近する方向に付勢する少なくとも1つの付勢部材と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとし、前記付勢部材の付勢力により作用する前記一方の被案内部材回りのモーメントの合計をMtとし、前記整合部材の質量をMとした場合に、a≦(g×L)/h+Mt/(M×h)、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
【請求項3】
前記幅方向に沿って形成された歯により構成された前記被伝達部と、
前記歯に噛み合う歯車により構成された前記伝達部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
【請求項4】
媒体に画像を記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体に後処理を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の後処理装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとした場合に、a≦(g×L)/h、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
一端側が他端側に対して重力方向で下方に傾斜する積載面を有し、媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載される媒体の幅方向の端部に配置され、前記幅方向に沿って移動可能に支持されて、前記媒体の幅方向の端部に接触して媒体を整合する整合部材と、
前記整合部材を前記幅方向に沿って案内する案内部と、
前記整合部材に設けられて前記案内部に接触して案内される被案内部と、
前記整合部材に設けられ且つ前記整合部材を前記幅方向に移動させる移動力が伝達される被伝達部と、
前記被伝達部に駆動を伝達する伝達部材と、
前記伝達部材を駆動する駆動源と、
前記整合部材を、前記被案内部が前記案内部に接近する方向に付勢する少なくとも1つの付勢部材と、
前記駆動源を制御する駆動制御手段であって、前記積載面に沿った面内において、重力加速度の成分をgとし、前記整合部材の重心に作用する重力の方向に直交する方向に対して一方の前記被案内部から前記重心までの距離をLとし、前記伝達部材と前記被伝達部との接触位置に前記伝達部材の駆動時に作用する力の方向に対して前記一方の被案内部材と前記接触位置との距離をhとし、前記整合部材の移動時の加速度をaとし、前記付勢部材の付勢力により作用する前記一方の被案内部材回りのモーメントの合計をMtとし、前記整合部材の質量をMとした場合に、a≦(g×L)/h+Mt/(M×h)、を満たす加速度aで、前記整合部材を移動させる前記駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
【請求項3】
前記幅方向に沿って形成された歯により構成された前記被伝達部と、
前記歯に噛み合う歯車により構成された前記伝達部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
【請求項4】
媒体に画像を記録する画像記録部と、
画像が記録された前記媒体に後処理を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の後処理装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−63832(P2013−63832A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204193(P2011−204193)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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