説明

後方固定システム

【課題】広範囲に亙る多軸脊柱インプラントシステム、特に、脊柱の頚椎領域に有用なシステムを提供する。
【解決手段】後方固定システムは、サドル部材22と、定着部材24と、後頭部板26と、後頭部ロッド36と、クロスリンクコネクタとを備えている。定着部材はサドル部材を骨に定着する。サドル部材は1つの通路を画成する1対の直立部分32を備えている。通路は整形外科用ロッドを受け入れ得るようにされ、サドル部材は定着部材を受け入れる穴を有することができる。サドル部材及び定着部材はこれら部材が多軸方向に移動するのを可能にし得るように結合することができる。1つの実施の形態において、定着部材はサドルの穴に結合されたねじであり、別の実施の形態において、定着部材は鉤状部分である。ロッドの偏心接続を可能にし得るように偏心部材をサドル部材に結合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、脊柱の損傷又は変形を矯正するために使用される整形外科用インプラント、より具体的には、脊柱の矯正又は癒合を可能にし得るように頚脊柱のような脊柱の一部分を固定する装置に関するが、この装置にのみ限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
整形外科手術の分野において、骨の位置を固定するためインプラントを使用することは周知である。このようにして、骨折した骨の癒合を促進させることができ、機能不良又はその他の損傷を矯正することができる。例えば、脊柱の外科手術の分野において、(a)側弯弯曲を含む、脊柱の異常な湾曲を矯正すること、(b)適宜な間隔を保ち且つ骨折し又はその他の損傷した椎骨の支持体を提供すること、(c)脊柱に対しその他の治療を施すことを含む多数の理由のため、かかるインプラントを椎骨内に配置することが周知である。
【0003】
典型的なインプラントシステムは、一般に有用であり、また、特定のその他の部品とのみ関係させることのできる幾つかの部品を有している。インプラントの他の部分と骨との間の接続部として特定の骨に接続し又は継ぐことのできる固定装置として、骨ねじ、鉤状部及びクランプが周知である。特別に製造された板又はロッドが安定化部材及び支持部材として一般に使用されている。このように、一般的な脊柱インプラントシステムにおいて、骨ねじを板に通し且つ2つの椎骨の各々に推進させることにより脊柱板が1つ又は2つ以上の椎骨に沿って埋め込まれる。このように、板によって椎骨は支持され且つ特定の位置に保たれて癒合を促進する。かかる装着システムの一例は、オレラッド(Olerud)への米国特許第5,735,853号に記載されている。
【0004】
これと代替的に、支持及び安定化部材としてロッドを使用することができる。かかるインプラントにおいて、装着すべき2つ又はより多くの椎骨内に2つ又はより多くの一系統のねじを挿入する。次に、ロッドをねじ頭内部に配置し又はねじ頭に接続し又はロッド及びねじ頭を連結する接続装置内に配置し、接続部を締め付ける。このようにして、椎骨の機能不良又は損傷の矯正を促進する支持体を提供するロッドにより硬い支持構造体が椎骨に固定される。
【0005】
多くの型式の骨固定装置(例えば、ねじ及び鉤状部)は、単軸の構造とされている。すなわち、ロッド又は板を貫通する長手方向軸及び固定装置を貫通する長手方向軸が互いに単一の位置しかとることができないように、かかる装置はロッド又は板に接続されている。特定の状況にて有用ではあるが、多くの治療上の状況において、かかる自由度を欠く装置を使用するのに必要とされる精度は実際的ではなく、又は外科手術時間が長くなり、外科医及び患者にとって取り扱い難い角度となる可能性があり、痛みのような付随的な合併症及び(又は)長期間のリハビリテーションが必要となる可能性がある。
【0006】
より最近、多軸性能を有する骨固定装置が登場している。かかる構造の例は、米国特許第5,797,911号、米国特許第5,954,725号及び米国特許第5,810,818号に示されている。固定装置の頭部分は、骨のねじ付き部分すなわち鉤状部分の周りで多軸方向に配置することが可能であるから、これらの装置は、固定装置を配置するときに要求される精度を軽減する。このように、頭部は、ロッドを受け入れ易いように配置し、従来の装置に内在する位置決め時の困難性の多くを制限し又は解消することができる。
【特許文献1】米国特許第5,735,853号明細書
【特許文献2】米国特許第5,797,911号明細書
【特許文献3】米国特許第5,954,725号明細書
【特許文献4】米国特許第5,810,818号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる装置の殆どは、胸骨及び腰椎の位置にて脊柱を固定する設計とされている。従って、広範囲に亙る多軸脊柱インプラントシステム、特に、脊柱の頚椎領域に有用なシステムが当該技術分野にて必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの形態は、独創的な多軸骨取り付け組立体である。その他の形態は、独創的な脊柱インプラントシステム、独創的な整形外科用固定板、独創的なクロスリンクコネクタ、及び別の独創的な多軸骨取り付け組立体に関するものである。
【0009】
本発明の更なる形態は、サドル部材と、骨定着部材と、座金(クラウン部材)とを含む独創的な多軸骨取り付け組立体に関する。サドル部材は、該サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有している。サドル部材は、内壁により境が設定された貫通穴を更に有し、該穴は、サドル部材に下側開口部を形成する。骨定着部材は、開口部を貫通して伸びている。骨定着部材は、頭部分と、定着部分とを有している。座金は、整形外科用ロッドを受け入れる凹状部分を有し、また、半径方向に伸びる突起を有することもできる。座金は、サドル部材の穴内に装着され且つ骨定着部材の頂部にある。
【0010】
更に別の形態は、独創的な脊柱インプラントシステムに関する。サドル部材は、サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有している。該サドル部材は、直立部分に形成されて、通路に対して直交する横穴を更に有している。骨定着部材は、サドル部材を骨に定着させ得るようにサドル部材に結合されている。偏心部材が整形外科用ロッドに結合し得るようにされており、また、偏心部材は、結合部材と、ロッドに結合し得るようにされた本体とを有している。該結合部材は、本体から且つ直立部材の横穴を通って伸びている。
【0011】
別の形態は、独創的なクロス形状の整形外科用板に関するものである。該板は、クロス形状部材を有している。該クロス形状部材は、第一及び第二の長手方向端部を接続する長手方向軸と、第一及び第二の横端部を接続する横方向軸とを有している。クロス形状部材は、複数の貫通穴を有している。少なくとも1つのサドル部材がクロス形状部材に取り付けられ、サドル部材は、サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有している。
【0012】
更なる形態は、独創的なクロスリンクコネクタに関するものである。該コネクタは、その各々が整形外科用ロッドに結合し得るようにされた複数の結合端部を有している。円筒状部材が結合端部に一体に接続されている。該円筒状部材は、該円筒状部材が多軸方向に曲がるのを可能にする円筒状の形状を有している。
【0013】
更に別の形態は、独創的な多軸骨取り付け組立体に関するものである。サドル部材は、該サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有している。サドル部材は内壁により境が設定された貫通穴を更に有しており、また、該穴は、サドル部材に下側開口部を形成する。骨定着部材は、該開口部を貫通して伸びている。骨定着部材は、定着部材及び定着部分が多軸方向に動くのを可能にすべく穴内に設けられた結合部分を有している。膨張部材が定着部材に結合されて、結合部分を膨張させ定着部材を所要位置に係止する。
【0014】
本発明は、外科医が患者に対して多数の治療方法を選択することを可能にし、外科医が特定の患者の身体部位に適した治療を行うことを可能にするモジュラー式固定システムを提供する。本発明の基本的な着想は、頚椎骨を固定すべく特に設計されたものであるが、胸椎、腰椎及び仙骨の固定を含むように拡張させることができる。本発明のその他の有利な点及び目的は、本明細書の以下の説明及び図面を検討することにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の原理の理解を促進する目的のため、図面に図示した実施の形態について説明し、その説明のため、特別な用語を使用する。しかし、これにより本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではなく、図示した装置のかかる変更及び更なる改変、並びに本明細書に示した本発明の原理のかかる更なる転用は、本発明が関係する技術分野の当業者に通常、案出されると考えられることが理解されよう。
【0016】
図1には、本発明による多軸骨アンカー組立体20の1つの実施の形態が図示されている。骨アンカー組立体20は、サドル部材22と、骨定着部材24と、座金(クラウン部材)26とを備えている。幾つかの実施の形態において、組立体20は、以下に更に説明するように、サドル部材22に対して装着されたC字形スナップリング28及び止めねじ30を更に備えている。
【0017】
図1乃至図4に図示するように、サドル部材22は、サドル部材22を貫通して伸びる通路34を画成する2つの直立部分32を有する全体としてU字形の形状をしている。この場合、通路34は、脊柱ロッドのような細長い部材36を受け入れ得るような形態とされている。後方頚椎固定法の場合、ロッド36は多数の所望の長さの1つとすることができる。図1に図示するように、通路34の幅はロッド36の直径よりも僅かに大きく、このことはロッド36を通路34内に容易に挿入し、また、ロッドの湾曲形状を補正することを可能にし、また、同一のサドル部材22に対し広範囲に亙る寸法のロッドを使用することを可能にする。サドル部材22は、貫通する穴38を更に有しており、穴38は、1つの特別な実施の形態において、通路34に対しほぼ垂直であり且つ直立部分32に対しほぼ平行である。
【0018】
図2乃至図5に図示したサドル部材22の1つの特定の実施の形態において、直立部分32の各々が外面40及び内面42を有している。内面42は、サドル部材22の長手方向軸に沿って穴38に対し平行である。外面40は、サドル部材22の内面42及び長手方向軸に対し角度が付けられている。1つの特定の実施の形態において、外面40は、内方テーパー部分43を有しており、このテーパー部分は、サドル部材22の取り扱いを容易にし且つサドル部材22を小型にすることを可能にする。サドル部材22の底部付近にて穴38は壁部分44によって狭小とされている。壁部分44の下方にて、穴38は円錐形壁部分46によって外方に開放している。円錐形壁部分46は、サドル部材22の下側部分が骨定着部材24の軸部分と干渉する程度を少なくすることにより、サドル部材22に対する非限定的な任意の数の角度位置に骨定着部材24を配置することを可能にする。
【0019】
サドル部材22の図示した実施の形態は、穴38の周りを伸びる内側溝48を更に備えている。溝48は、スナップリング28を圧縮した状態にて受け入れ得る形態とされている、すなわち、溝48の外径はスナップリング28の圧縮前の通常の外径よりも少なくとも僅かだけ小さい。サドル組立体22の図示した実施の形態は、直立部分32の各々内を長手方向に伸びる樋状部50を更に備えている。樋状部50は、更に以下に説明するように、座金26を配置することを可能にし、また、座金26を受け入れ得るように丸形(円筒状)、四角形又はその他の適宜な形状とすることができる。直立部分32は、図1及び図3に図示するように、内ねじ付き部分52を更に有している。内ねじ付き部分52は、以下に説明するように、止めねじ30と螺着可能に結合可能な形態とされている。
【0020】
図6乃至図8に図示するように、本発明の骨定着部材24の1つの実施の形態は、ねじ付き部分56及び頭部分58を有している。特定の実施の形態において、ねじ付き部分56は、前側部すなわち先端側部62と、後側部すなわち荷重側部64と、基部面66とを有するねじ部分60を備えており、この場合、荷重側面64及び基部面66は、鋭角な角度を形成する。荷重側面64と基部面66との間のかかる鋭角な角度は「逆角度」ねじ部と称することができる。
【0021】
骨定着部材24の頭部分58は、下側頭部分68及び上側頭部分70を有している。下側頭部分68は、全体として凸型であり、1つの実施の形態において球の一部を形成する。図示した実施の形態において、下側頭部分68は、ねじ付き部分56から離れる方向に向けて軸部分72から伸び、下側頭部分68に対する正接線が骨定着部材24の長手方向軸Lに対し平行となる箇所又はその箇所の前方にて終わる。上側頭部分70はまた全体として凸型であり、図示した実施の形態において、球の一部を形成する。上側頭部分70は、下側頭部分68よりも小径であり、頭部分68、70は、張出し部74によって接続される。工具係合凹状部76が上側頭部分70に形成され且つ下側頭部分68内に伸びることができる。図53に図示した別の実施の形態において、骨定着部材24aの頭部分58aは、張出し部74を備えていない。
【0022】
次に、図9乃至図11を参照すると、本発明の座金26の1つの実施の形態が図示されている。座金26は、上側部分80と、下側部分82と、貫通穴84とを有している。上側部分80及び下側部分82は、一体的な構造とし又は別個の構造とし且つ任意の既知の仕方にて互いに取り付けることができる。上側部分80の上面86は、図示した実施の形態にて凹状部分88を有しており、該凹状部分88は、細長い部材(図1のロッド31のような)を内部に受け入れ得る寸法及び形態とされた円筒体の一部を形成する。下側部分82は、スナップリング28に面する上面83を更に有している。
【0023】
次に、図11を参照すると、座金26は上側部分80及び下側部分82の双方に形成された穴84を有している。穴84は、凹状下面96と、円筒状面98とを有している。1つの特定の実施の形態における凹状面96は、定着部材24の上側頭部分70の一部分とほぼ一致し得るよう球状の形状を有する。下側部分82は、全体として円形円板の形状をしており、該部分から半径方向に伸びる2つの突起90を有している。突起20は、樋状部50と関係して座金26の凹状部分88を通路34と整合させ且つ座金26の回転を防止してロッド36と凹状部分88との間の整合外れを最小にする。
【0024】
図9及び図10に図示した1つの実施の形態において、突起90の各々は、ほぼ平面状の2つの側面92と、円形とされ且つ円筒体の一部を形成することのできる端面94とを有している。突起90は、サドル部材22の直立部分32と嵌まり且つ該直立部分を樋状部50内で容易に摺動させ得るような寸法及び形状とされている。図12に図示した別の実施の形態において、突起90aの各々は、丸味を付けた端面100を有している。
【0025】
多軸骨アンカー組立体20は、止めねじ30を更に有することができる。図13乃至図16に図示するように、止めねじ30は、全体として円筒状であり、外ねじ部102を有している。外ねじ部102は、1つの実施の形態において、控え壁ねじである。別の実施の形態において、ねじ部102は2つの直立部材32の間の広がりを最小にし得るよう逆角度ねじ部とすることができる。かかる逆角度ねじ部の一例は、その内容を参考として引用し本明細書に含めた米国特許出願第09/188,825号に開示されている。
【0026】
図13及び図14に図示した実施の形態において、止めねじ30は一端に工具係合部分104を有している。工具係合部分104は、丸味を付けた端面106と、ほぼ平面状の工具係合面108とを有している。端面106は丸味が付けられているため、患者の内部創傷を減少させることができる。工具係合面108は、1つの実施の形態において、六角形の形態の配向状態とされている。一度び止めねじ30がサドル部材22に固着されたならば、工具係合部分104をせん断し又はその他の方法で除去して組立体20のプロフィールを更に縮小させることができる。図15及び図16に図示するように、止めねじ30aの別の実施の形態は、組立体20のプロフィールを最小にし得るようほぼ平坦な端面110を有している。止めねじ30aは、工具係合穴112を更に有している。止めねじ30aをサドル部材22内に導入するため、工具と関係して工具係合穴112が使用される。
【0027】
特定の実施の形態において、多軸骨アンカー組立体20は、座金20を定着部材24に対し固着し得るようにスナップリング28を備えている。かかるスナップリング28の1つの実施の形態が図17及び図18に図示されている。スナップリング28は、中央開口部114と、内部に画成された圧縮スロット116とを有している。スナップリング28は、第一の面118と、反対側の第二の面120と、開口部114を画成する横方向内面122と、横方向外面124とを更に有している。圧縮スロット116は、スナップリング28が圧縮し且つサドル部材22の内側溝48の溝内に嵌まるのを可能にする。溝48の入口の直径は、圧縮前のスナップリング28の外径126よりも少なくとも僅かだけ小さい。スナップリング28の開口部114は、スナップリング28が座金26の上側部分80の周りに装着するのを可能にする内径を有している。面118、120の1つは、下側部分82の上面83に係合し座金26を固着する。スナップリング28は、図1に図示するような四角形の断面を有し又は円形又はその他の適宜な形状の断面を有し、1つの特別な実施の形態において、ニチノールのような形状記憶合金で出来ている。
【0028】
スナップリング28´の別の実施の形態が図17aに図示されている。スナップリング28´は、非平面状であり、1つの実施の形態において、相対的な頂部129a及び相対的な樋状部129bを形成する一連の波状部分を有している。これと代替的に、非平面状のスナップリング28´はその他の湾曲した形状を有し又は該リングに沿って伸びる指ばね要素を有するようにしてもよい。組立体20(すなわち以下に説明する組立体262)が組み立てられたとき、非平面状のスナップリング28´は、サドル部材22の溝48のより大きい部分を充填するから、非平面状のスナップリング28´は、サドル部材22、定着部材24及び座金26(又は以下に説明する、組立体262の同様の部品)との間の広がりをより小さくすることを可能にする。
【0029】
本発明による整形外科用固定板130の1つの実施の形態が図19乃至図23に図示されている。1つの形態において、整形外科用板130は、頭蓋の後頭部骨に固着されている。しかし、板130は、その他の骨に固着することが可能であることを理解すべきである。整形外科用板130は、長手方向軸に沿って第二の長手方向アーム(端部)136まで伸びる第一の長手方向アーム(端部)134を有するクロス形状部材132を備えている。クロス形状部材132は、長手方向軸に対し直角の軸に沿って共に接続された第一の横方向アーム(端部)138と、第二の横方向アーム(端部)140とを更に有している。整形外科用板130は、長手方向アーム134、136と一体に形成され又は長手方向アーム134、136に接続された1対のサドル部材22aを更に有している。サドル部材22は、より大きい位置決め自由度を提供し得るようクロス形状部材132に枢動可能に結合することも可能であることを理解すべきである。図22に図示するように、サドル部材22aの各々は、1対の直立部材32aと、直立部材32aの間に画成された通路34aとを有している。直立部材32aは、上述した仕方にて止めねじ30に螺着可能に結合し得る形態とされたねじ付き部分52aを有している。
【0030】
整形外科用板130は、1つの実施の形態において、1組みの開口142を有している。骨アンカー24b(図6a)が開口142内で固着され、板130を頭蓋の後頭部骨に固着する。図6aに図示するように、アンカー24bは、球状とすることができる凸型下側部59aと、工具係合リセス部59cの周りの斜角面付き頂部59bとを有する頭部分58bを備えている。特定の実施の形態に関して図19乃至図23に図示した開口142が長手方向アーム134、136及び横方向アーム138、140の双方にクロス形態にて形成されてより大きい安定性を提供する。図23に図示するように、開口142は下側円錐形部分144と、上側円錐形部分146とを有している。下側円錐形部分144は、整形外科用板130の下面148に向けて幅が拡がり、また、上側円錐形部分146は、整形外科用板130の上面150に向けて幅が拡がる。上側及び下側円錐形部分144、146は、骨ねじを整形外科用板130に対する異なる角度位置に容易に配置することを可能にする。1つの実施の形態において、下側円錐形部分146の対向する壁は互いに約60゜にて配向され、上側円錐形部分144の対向する壁は互いに約45゜にて配向されている。クロス部材130は、下面148と上面150との間に斜角付き外周面152を更に有している。
【0031】
1つの特定の実施の形態において、クロス部材132は、長手方向アーム134、136の間で長手方向軸に沿って湾曲しており、また、横方向軸に沿っても僅かに湾曲させてある。このようにクロス部材132が湾曲していることは、整形外科用板130が頭蓋の後頭部骨の輪郭に一層良く適合することを可能にする。クロス部材132はまた軸の一方に沿ってのみ湾曲させるか又は双方の軸に沿ってほぼ平坦であるようにし、或いは特定の患者の解剖学的形態に適合し得るよう外科手術の前又は外科手術の間、その他の湾曲外形となるようにすることができる。
【0032】
図24には、本発明による多軸骨アンカー組立体160の別の実施の形態が図示されている。アンカー組立体は、サドル部材162と、サドル部材162に結合された偏心コネクタ164とを備えている。図25及び図26に図示するように、サドル部材162は、基本的に、サドル部材22に関して上述したものと同一の作用部分を有している。サドル部材162は、通路34bを画成する2つの直立部分32bを有している。通路34bは、細長い部材36bを受け入れ得る形態とされている。直立部分32bの各々は、内面42bに対し角度を付けた外面40bを有している。直立部分32bは、内ねじ付き部分52bを更に有している。内ねじ付き部分52bは、止めねじ30により螺着可能に結合し得る形態とされている。
【0033】
更に、サドル部材162は、双方の直立部分32bに画成された横穴166を有している。横穴166は、通路34bに対し直角に配向されており、横穴166は、ロッド(図1のロッド36のような)又は偏心コネクタ164を受け入れ得るようにされている。通路34bと横穴166との間のこの形態は、偏心コネクタ164をサドル部材162に対し異なる角度で配向することができるから、外科手術中、外科医に対し一層の自由度を与えることになる。横穴166は直立部分32を貫通するから、偏心コネクタ164は、サドル部材162から更に
非限定的な任意の距離の位置に横方向に配置することができる。更に、ロッド(図1のロッド36のような)又は偏心コネクタ164を通路34b又は横穴166の何れと結合することも可能であるから、サドル部材162は二重に有用である。
【0034】
1つの実施の形態において、サドル部材162は、全体として既知の仕方にて骨に係合する鉤状部材168を更に備えている。鉤状部材168は、直立部分32から伸びる湾曲部分170と、湾曲部分170から伸びるほぼ直線状部分172とを有している。直線状部分174は、鉤状部材168を取り付けたときの創傷を少なくする斜角付き底面174を有している。鉤状部材168は、定着部材24又は24a(図6の参照番号53)のような別の定着部材と置換し、サドル部材162を骨に取り付けることもできることも理解すべきである。
【0035】
次に、全体として図27乃至図32を参照すると、偏心コネクタ164は、本体178と一体に形成され又は本体178に接続された結合部材176を有している。1つの形態において、結合部材176は円筒状ロッドである。本体178は、ロッド36を受け入れ得るようにされたロッド受け入れ穴180と、ロッド受け入れ穴180と交差するねじ付き穴182とを有している。ロッド36を偏心コネクタ164に固着し得るように止めねじ30がねじ付き穴182内にねじ込まれている。本体178は、患者への創傷を最小にし得るように斜角付き外端縁184(図27)を更に有することができる。図28乃至図32に示した別の実施の形態において、ロッド受け入れ穴180は該穴に画成されたスロット186を有している。スロット186とロッド受け入れ穴180との間には端縁187が形成されている。端縁187は、止めねじ30と共に、接続部を強化し得るように偏心コネクタ164と結合されたロッド36との3本の接触線を提供する。図28aに図示した更に別の実施の形態において、偏心コネクタ164aは、ロッドを受け入れ得るようにされた通路34cを画成する1対の直立部分32cを有している。直立部分32cは、止めねじ30に係合する内ねじ付き部分52cを有している。
【0036】
次に、図27を参照すると、結合部材176を方向Aに向けて横穴166内に挿入することにより、偏心コネクタ164はサドル部材162に結合される。結合部材176をサドル160に固着するため止めねじ30が使用される。偏心コネクタ164は、結合部材176を横穴166内で移動させることにより偏心コネクタ164をサドル部材162に対し横方向に配置することができる。
【0037】
偏心コネクタ188は、本発明の更に別の実施の形態による止めねじ189と共に、図33乃至図39に図示されている。図33乃至図36に図示するように、偏心コネクタ188は、結合部材176と、横方向に配向させた1対の本体部材190、192とを備えている。本体部材190、192の間に通路194が画成されており、通路194はロッド36を受け入れ得るようにされている。本体部材192の1つは、他方よりも僅かに大きく、その内部に画成されたねじ付き穴196を有している。ロッドRを偏心コネクタ188に固着し得るように止めねじ189が穴196内にねじ込まれている。図37乃至図39に図示するように、止めねじ189は、全体として円筒状であり且つねじ部198を有している。止めねじ189は、一端に画成された工具係合穴と、他端の鋭角な端縁202とを更に有している。鋭角な端縁202は、ロッド36が偏心コネクタ188に結合されたとき、ロッド36に係合する。
【0038】
図40乃至図42に図示した1つの実施の形態によるクロスリンクコネクタ204は、多数の軸の周りで曲がり得るようにされている。クロスリンクコネクタ204は、円筒状部材208と共に一体に接続された1対の結合端部206を有している。円筒状部材208が円筒状の形状であることは、クロスリンクコネクタ204が非限定的な数の任意の方向に曲がることを可能にする。図43に図示した1つの特定の実施の形態において、円筒状部材208aは、2つの端部206の間での全ての妨害を回避し得るようにアーチ部分を備えて予め形成されている。結合端部206の各々は、止めねじ30が螺着される開口部211を有するねじ付き穴210と、ロッドRを受け入れ得るようにされたキャビティ214を画成する湾曲部材212とを有している。ねじ付き穴210の開口部211と反対側のクロスリンクコネクタ204の側部には、キャビティ214の開口部215が画成されている。この形態は、隣接するロッドを患者の体内に配置した後、クロスリンクコネクタ204を隣接するロッドに固着することを可能にする。1つの実施の形態において、ねじ付き穴210は端部206の間を伸びる長手方向軸に対し約55゜の角度に配置されている。クロスリンクコネクタは、患者の体内で隣接するロッドを連結するために使用される。障害物(別のロッド又は骨のような)が典型的なクロスリンクコネクタを隣接するロッドと共に連結するのを妨げる可能性がある。本発明のクロスリンクコネクタ204は、多数の軸に沿って曲がり得るようにすることによりこの問題点を解決する。
【0039】
ねじ付き穴210内にねじ込み得るようにされた止めねじ216の1つの実施の形態が図44及び図45に図示されている。止めねじ216は、一端に工具係合穴218を有し、また、ロッド係合端部222と、両端の間に設けられたねじ付き部分220とを有している。ロッド係合端部222は、ねじ付き部分220に隣接する截頭円錐形部分224と、平坦部分226とを有しており、截頭円錐形部分224はロッド36に接触する。1つの形態において、截頭円錐形部分224は、約40゜の角度228を有している。
【0040】
図46には、本発明の別の実施の形態による多軸骨アンカー組立体230が図示されている。組立体230は、鉤状アンカー部材168aに結合された、図2乃至図5に関して上述した全体としてU字形のサドル部材22を有している。この実施の形態において、サドル部材22を溝48無しで形成することができる。上述したように、サドル部材22は、通路34を画成する1対の直立部分32を有している。ロッド36をサドル部材22に固着し得るように止めねじ30がサドル部材22のねじ付き部分52に螺着可能に固着されている。図47及び図48に図示するように、鉤状部材168aは、湾曲部分170aと、ほぼ直線状部分172aとを有している。この実施の形態において、鉤状部材168aは、サドル部材22に結合された結合(頭部)部分232を更に有している。結合部分232は、結合部材234と、膨張部材238を受け入れ得るようにされたねじ付き穴236とを有している。1つの形態において、結合部分232は、部分球状の外面を有する4つの部材234を有し、膨張部材238は止めねじである。1つの形態において、膨張部材238は、一端に工具係合部分240を有し、他端に膨張部材238を穴236内に固着するねじ付き部分242を有している。膨張部材238は、工具係合部分240とねじ付き部分242との間に配置された膨張部分244を更に有している。膨張部分244は、半球状部材234に接触し且つ該半球状部材を膨張させてサドル部材22を鉤状部材168に定着し且つ更なる回転を防止する。1つの形態において、膨張部分224は、円錐形の形状を有している。
【0041】
使用時、結合部分232をサドル部材22の底部を通じて穴38内に挿入する。サドル部材22が鉤状部材168aに結合されたとき、半球状部材234の間に形成された球状の形状はサドル部材22が多数の軸の周りで回転するのを可能にする。膨張部材238は、一度び穴236内に固着されたならば、結合部材234が広がってサドル部材22と接触し、これによりサドル部材22と鉤状部材168との間の相対的な位置を固定する。
【0042】
上述した組立体に取り付けることのできる後頭部−頚椎ロッド246の1つの実施の形態が図49乃至図52に図示されている。後頭部−頚椎ロッド246は、複数の開口248が形成された板部分246aと、ロッド部分246bとを有している。開口248は、楕円形の形状とすることができる。上面250と、湾曲した下面252と、上面250と下面252との間の1対の斜角付き側面254とが板部分246aに沿って画成されている。開口248の各々は、上面250に向けて幅が拡がる上側部分256と、下面252に向けて幅が拡がる下側部分258とを有している。後頭部−頚椎ロッド246の板部分246aの周りで且つ隣接する開口248の間に溝260が画成されている。骨ねじ24b(図6a)が開口248内に挿入されて板部分246aを患者の後頭部骨に固着する。ロッド部分246bは、脊柱に沿って伸びて且つ上述したコネクタ又はその他のコネクタを使用して脊柱に取り付けることができる。これと代替的に、板部分246aを骨ねじ24b(図6a)を使用して1つ又は2つ以上の椎骨に取り付けることができ、ロッド部分246bは、上方に伸びて且つねじ、鉤状部、ケーブル又はその他の取り付け部材を使用して後頭部骨に取り付けることができる。
【0043】
図53には、本発明による多軸骨アンカー組立体262の別の実施の形態が図示されている。骨アンカー組立体262は、サドル部材22dと、骨定着部材24aと、座金26dとを有している。骨定着部材24aは、張出し部74を備えていない。幾つかの実施の形態において、組立体262は、以下に説明する仕方にてサドル部材22dに装着されるC字形スナップリング28と、止めねじ30とを更に有している。
【0044】
図54及び図55に図示するように、サドル部材22dは、サドル部材22dを貫通して伸びる通路34dを画成する2つの直立部分32dを有する全体としてU字形の形状をしている。この場合、通路34dは細長い部材36(上述したように)を受け入れ得る形態とされている。サドル部材22dは、貫通穴38dを更に有しており、該穴38dは、1つの特定の実施の形態において、通路34dに対しほぼ垂直であり且つ直立部分32dに対しほぼ平行である。直立部分32dは、図2及び図3に関して上述したものと同様の仕方にて角度が付けられている。サドル部材22dの底部付近にて、穴38dは壁部分44dによって狭小とされている。壁部分44dの下方にて、穴38dは壁部分46dによって外方に開放している。壁部分46dは、サドル部材22dの下側部分が骨定着部材24aの軸部分と干渉する程度を減少させることにより、サドル部材22dに対する非限定的な数の任意の角度位置に骨定着部材24aを配置することを可能にする。
【0045】
サドル部材22dの図示した特別な実施の形態は、内側溝48dを更に有している。図示するように、溝48dは穴38dの周りを伸びており、この特定の実施の形態において、溝48dは溝48dの頂部分とその底部分との間にて均一である。溝48dは、スナップリング28を圧縮状態にて受け入れ得る形態とされている。溝48dは、1つの形態において、スナップリング28よりも厚い厚さ264を有している。更に、図54及び図55に図示したサドル部材22dの実施の形態は、直立部分32dの各々内にて長手方向に伸びる樋状部50を備えていない。直立部分32dは、止めねじ30により螺着可能に結合し得る形態とされた内ねじ付き部分52dを更に有している。
【0046】
次に、図56を参照すると、本発明による座金26dの別の実施の形態が図示されている。座金26dは、上側部分80dと、下側部分82dと、スナップリング凹所266と、貫通穴84dとを有している。上側部分80d、下側部分82d及びスナップリング凹所266は、一体の構造とするか又は別個の構造とし且つ任意の既知の仕方にて共に取り付けることができる。スナップリング28が凹所266内に嵌まって座金26dをサドル部材22d内に固着する。1つの実施の形態において、定着部材24aをサドル部材22dの穴38dを通じて挿入することにより組立体262が組み立てられる。次に、スナップリング28が凹所266の少なくとも一部分内にある状態で座金26dを穴38d内に挿入する。座金26dがサドル部材22dを通って進むとき、スナップリング28が凹所266内に後退し、また、溝48d内に膨張して座金26dをサドル部材22d内に保持する。次に、細長い部材を通路34d内に挿入し、止めねじ(上述したもののような)をサドル部材22dの内ねじ付き部分52d内にねじ込んで細長い部材、座金26d及び定着部材24aを共に係止する。
【0047】
座金26dは、上側部分80d及び下側部分82dの双方に形成された穴84dを有している。穴84dは、凹状下面96dと、円筒状面98dとを有している。凹状下面96dは、アンカー部材24aの頭部分58aを受け入れ得るようにされている。図56に図示した特定の実施の形態において、下側部分82dは全体として円板の形状をしている。この特定の実施の形態において、下側部分82dは突起90を備えていない。
【0048】
図面及び上記の説明にて本発明を図示し且つ詳細に説明したが、これは単に説明のためであり、特徴を限定するものではないと見なすべきである。好ましい実施の形態のみを示し且つ説明したものであり、本発明の精神に属する全ての変更及び改変例が保護されることを望むものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の1つの実施の形態による骨アンカー組立体の部分断面図である。
【図2】図1に図示した実施の形態によるサドル部材の側面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿ったサドル部材の断面図である。
【図4】図2のサドル部材の頂面図である。
【図5】図3の線V−Vに沿ったサドル部材の拡大断面図である。
【図6】1つの実施の形態によるアンカー部材の側面図である。
【図6a】6aは、別の実施の形態によるアンカー部材の側面図である。
【図7】図6に図示したアンカー部材の実施の形態のねじ部の拡大断面図である。
【図8】図6に図示したアンカー部材の頂面図である。
【図9】本発明の1つの実施の形態による座金の斜視図である。
【図10】図9の座金の頂面図である。
【図11】図9の座金の断面図である。
【図12】本発明による座金の別の実施の形態の頂面図である。
【図13】本発明の1つの実施の形態による止めねじの側面図である。
【図14】図13の止めねじの頂面図である。
【図15】本発明の別の実施の形態による止めねじの側面図である。
【図16】図15の止めねじの頂面図である。
【図17】本発明にて使用されるスナップリングの斜視図である。
【図17a】本発明にて使用されるスナップリングの1つの代替的な実施の形態の側面図である。
【図18】図17のスナップリングの頂面図である。
【図19】1つの実施の形態による整形外科用板の頂面図である。
【図20】図19の整形外科用板の側面図である。
【図21】図19の線XXI−XXIに沿った整形外科用板の断面図である。
【図22】図19の線XXII−XXIIに沿った整形外科用板の一部分の断面図である。
【図23】図20の線XXIII−XXIIIに沿った整形外科用板の一部分の断面図である。
【図24】本発明の別の実施の形態による骨アンカー組立体の斜視図である。
【図25】図24の組立体の鉤状部材の1つの実施の形態の斜視図である。
【図26】図25の鉤状部材の正面図である。
【図27】組み立てる前の図24の骨アンカー組立体の斜視図である。
【図28】本発明の別の実施の形態による偏心部材の部分断面図である。
【図28a】本発明の更なる実施の形態による偏心部材の部分断面図である。
【図29】図28の偏心部材の側面図である。
【図30】図28の偏心部材の頂面図である。
【図31】図28の偏心部材の端面図である。
【図32】図28の偏心部材の断面図である。
【図33】本発明の、更なる実施の形態による偏心部材及び止めねじの側面図である。
【図34】図33の偏心部材の断面図である。
【図35】図33の偏心部材の頂面図である。
【図36】図33の偏心部材の端面図である。
【図37】図33の止めねじの端面図である。
【図38】図37の線XXXVIII−XXXVIIIに沿った止めねじの断面図である。
【図39】図37の止めねじの断面図である。
【図40】本発明の別の実施の形態によるクロスリンクコネクタの側面図である。
【図41】図40のクロスリンクコネクタの頂面図である。
【図42】図40のクロスリンクコネクタの一部分の拡大図である。
【図43】アーチ形円筒状部材を有するクロスリンクコネクタの図である。
【図44】本発明の別の実施の形態による止めねじの端面図である。
【図45】図44の線XLV−XLVに沿った止めねじの断面図である。
【図46】本発明の更なる実施の形態による骨アンカー組立体の斜視図である。
【図47】図46の骨アンカー組立体の分解図である。
【図48】鉤状部材の断面図である。
【図49】後頭部−頚椎ロッドの頂面図である。
【図50】後頭部−頚椎ロッドの側面図である。
【図51】図49の線LI−LIに沿った後頭部−頚椎ロッドの断面図である。
【図52】図49の線LII−LIIに沿った、後頭部−頚椎ロッドの断面図である。
【図53】本発明の別の実施の形態による骨アンカー組立体の部分断面図である。
【図54】図53に図示したサドル部材の1つの実施の形態の断面図である。
【図55】図54のサドル部材の頂面図である。
【図56】図53に示した座金の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸骨取り付け組立体において、
サドル部材であって、該サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有し、内壁により境が設定された貫通穴を更に有し、該穴が該サドル部材に下側開口部を形成する前記サドル部材と、
前記開口部を貫通して伸びて、頭部分と、定着部分とを有する骨定着部材と、
整形外科用ロッドを受け入れる凹状部分と、半径方向に伸びる突起とを有し、前記サドル部材の前記穴内に且つ前記骨定着部材の頂部に装着される座金とを備える、多軸骨取り付け組立体。
【請求項2】
請求項1の組立体において、前記内壁が溝を有し、前記穴内で且つ前記座金の上方で装着され前記座金を前記サドル部材の前記穴内に保持するスナップリングを更に備える、組立体。
【請求項3】
請求項2の組立体において、前記直立部分が、ねじ付き部分を有し、該ねじ付き部分と係合するねじ付き部材を更に備える、組立体。
【請求項4】
請求項3の組立体において、前記直立部分が内ねじ付きであり、前記ねじ付き部材が外ねじ付きの止めねじである、組立体。
【請求項5】
請求項4の組立体において、前記止めねじが凸状に丸味を付けた上面を有する、組立体。
【請求項6】
請求項3の組立体において、前記ねじ付き部分が逆角度ねじ部を有する、組立体。
【請求項7】
請求項1の組立体において、前記座金が上側部分及び下側部分を有し、前記凹状部分が前記上側部分の一部であり、前記突起が前記下側部分の一部である、組立体。
【請求項8】
請求項7の組立体において、前記内壁が溝を有し、前記溝内で且つ前記座金の前記下側部分の上方で装着され前記座金を前記サドル部材の前記穴内に保持するスナップリングを更に備える、組立体。
【請求項9】
請求項7の組立体において、前記座金の前記上側部分が複数の凹状部分を有する、組立体。
【請求項10】
請求項7の組立体において、前記座金の前記下側部分が複数の突起を有する、組立体。
【請求項11】
請求項1の組立体において、前記上側部分がねじ付き部分を有し、該ねじ付き部分と係合するねじ付き部材を更に備える、組立体。
【請求項12】
請求項1の組立体において、前記定着部材が骨ねじである、組立体。
【請求項13】
請求項12の組立体において、前記骨ねじが凸型下側部を有する頭部分を備える、組立体。
【請求項14】
請求項13の組立体において、前記凸型下側部が球状である、組立体。
【請求項15】
請求項14の組立体において、前記骨ねじが荷重側面と、基部面とを持つねじ部を有する一部分を備え、前記荷重側面と前記基部面との間の角度が鋭角である、組立体。
【請求項16】
請求項15の組立体において、前記角度が約86゜である、組立体。
【請求項17】
請求項1の組立体において、前記定着部材が鉤状部材である、組立体。
【請求項18】
請求項17の組立体において、前記定着部分が前記頭部分に接続された湾曲部分と、該湾曲部分に接続された直線状部分とを有し、前記頭部分が前記定着部材を前記サドル部材に結合する複数の球状部分を有する、組立体。
【請求項19】
請求項1の組立体において、
前記直立部分の各々が、該直立部分に画成された樋状部を有し、
前記座金が、各々前記樋状部の1つに提供される複数の突起を有する、組立体。
【請求項20】
請求項1の組立体において、前記下側開口部が、前記骨定着部材が斜め方向に移動するのを可能にする凹型壁部分と、円錐形壁部分とを有する、組立体。
【請求項21】
脊柱インプラントシステムにおいて、
サドル部材であって、該サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有し、前記直立部分に画成され、前記通路に対して直角の横穴を更に有する前記サドル部材と、
前記サドル部材を骨に定着し得るように前記サドル部材と結合された骨定着部材と、
整形外科用ロッドに結合し得るようにされた偏心部材であって、前記ロッドに結合し得るようにされた本体と、該本体から前記直立部分の前記横穴を通って伸びる結合部材とを有する前記偏心部材とを備える、脊柱インプラントシステム。
【請求項22】
請求項21のシステムにおいて、前記直立部分がねじ付き部分を備え、該ねじ付き部分と係合するねじ付き部材を更に備える、システム。
【請求項23】
請求項22のシステムにおいて、前記直立部分が内ねじ付きであり、前記ねじ付き部材が外ねじ付きの止めねじを有する、システム。
【請求項24】
請求項22のシステムにおいて、前記ねじ付き部分が逆角度ねじ部を有する、システム。
【請求項25】
請求項21のシステムにおいて、前記定着部材が鉤状部材を有する、システム。
【請求項26】
請求項21のシステムにおいて、前記偏心部材が、前記ロッドを受け入れ得るように前記本体に画成されたロッド受け入れ通路を有する、システム。
【請求項27】
請求項26のシステムにおいて、前記偏心部材が、前記ロッド受け入れ通路に直交するねじ付き穴と、該ねじ付き穴内に設けられたねじ付き止めねじとを有する、システム。
【請求項28】
請求項26のシステムにおいて、前記ロッド受け入れ通路に画成されたスロットを更に備える、システム。
【請求項29】
請求項21のシステムにおいて、前記本体が、前記ロッドを受け入れ得るように前記本体に通路を画成する1対の本体部材を有する、システム。
【請求項30】
請求項29のシステムにおいて、前記偏心部材が、前記結合部材に沿って伸びる長手方向軸を有し、前記本体部材が該長手方向軸に対し平行に伸びる、システム。
【請求項31】
請求項29のシステムにおいて、前記偏心部材が、前記結合部材に沿って伸びる長手方向軸を有し、前記本体部材が該長手方向軸に対し垂直に伸びる、システム。
【請求項32】
請求項29のシステムにおいて、前記本体部材の1つが内部に画成されたねじ付き穴と、該ねじ付き穴内に設けられたねじ付き止めねじとを有する、システム。
【請求項33】
請求項21のシステムにおいて、前記整形外科用ロッドを受け入れ得るようにされた凹状部分と、半径方向に伸びる突起とを有する座金を更に備え、該座金が前記サドル部材内に装着される、システム。
【請求項34】
請求項33のシステムにおいて、前記座金を前記サドル部材内に固着し得るように前記サドル内に設けられたスナップリングを更に備える、システム。
【請求項35】
請求項21のシステムにおいて、前記偏心部材に結合された前記整形外科用ロッドを更に備える、システム。
【請求項36】
請求項35のシステムにおいて、前記整形外科用ロッドが後頭部ロッドを有する、システム。
【請求項37】
請求項35のシステムにおいて、前記ロッドに結合された後頭部板を更に備え、該板が、
第一及び第二の長手方向端部を接続する長手方向軸と、第一及び第二の横端部を接続する横方向軸と、複数の貫通開口とを有するクロス形状部材と、
該クロス形状部材に結合された板サドル部材であって、該板サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有し、前記ロッドが前記通路内に結合された前記板サドル部材とを備える、システム。
【請求項38】
請求項37のシステムにおいて、各々がロッドに結合し得るようにされた1対の結合端部と、前記結合端部の間に設けられた円筒状部材とを有するクロスリンクコネクタを更に備え、前記結合端部の一方が前記ロッドに結合される、システム。
【請求項39】
整形外科用固定板において、
第一及び第二の長手方向端部を接続する長手方向軸と、第一及び第二の横端部を接続する横方向軸と、複数の貫通開口とを有するクロス形状部材と、
該クロス形状部材に結合されたサドル部材であって、該サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分を有する前記サドル部材とを備える、整形外科用固定板。
【請求項40】
請求項39の板において、前記クロス形状部材に取り付けられた複数のサドル部材を備え、該サドル部材の各々が該サドル部材を貫通するそれぞれの通路を画成する複数の直立部分を有する、板。
【請求項41】
請求項39の板において、前記サドル部材が前記クロス部材と一体である、板。
【請求項42】
請求項39の板において、前記サドル部材が前記クロス部材と枢動可能に結合される、板。
【請求項43】
請求項39の板において、前記サドル部材が前記第一及び第二の長手方向端部の一方に配置される、板。
【請求項44】
請求項39の板において、前記サドル部材の前記通路が軸を有し、該通路の軸が前記クロス形状部材の前記長手方向軸に対しほぼ垂直である、板。
【請求項45】
請求項39の板において、前記クロス部材が、該クロス部材の前記第一及び第二の横端部の各々に前記開口の少なくとも1つを有する、板。
【請求項46】
請求項39の板において、前記開口が円錐形部分を有する1つの面により境が設定される、板。
【請求項47】
請求項46の板において、前記面が円錐形上側部分と円錐形下側部分とを有する、板。
【請求項48】
請求項39の板において、前記クロス形状部材が湾曲している、板。
【請求項49】
請求項39の板において、前記クロス形状部材が湾曲しており、前記長手方向軸が湾曲部分を有し、前記横方向軸がほぼ直線状である、板。
【請求項50】
クロスリンクコネクタにおいて、
各々が整形外科用ロッドに結合し得るようにされた複数の結合端部と、
該結合端部に一体に接続された円筒状部材であって、該円筒状部材が多軸方向に曲がるのを可能にする円筒状の形状を有する前記円筒状部材とを備える、クロスリンクコネクタ。
【請求項51】
請求項50のクロスリンクコネクタにおいて、前記結合端部の各々が、前記ロッドを受け入れ得るようにされたキャビティを画成する湾曲部材を有する、クロスリンクコネクタ。
【請求項52】
請求項51のクロスリンクコネクタにおいて、前記結合端部の各々が、ねじ付き穴と、前記ロッドを固着すべく該穴内に受け入れられた止めねじとを有する、クロスリンクコネクタ。
【請求項53】
請求項50のクロスリンクコネクタにおいて、前記円筒状部材が前記結合端部の間でアーチ状に形成される、クロスリンクコネクタ。
【請求項54】
多軸骨取り付け組立体において、
サドル部材であって、該サドル部材を貫通する通路を画成する複数の直立部分と、内壁により境が設定された貫通穴とを更に有し、該穴が前記サドル部材に下側開口部を形成する前記サドル部材と、
前記開口部を貫通して伸びる骨定着部材であって、該定着部材が多軸方向に移動するのを可能にし得るように前記穴内に形成された結合部分及び定着部分を有する前記骨定着部材と、
前記結合部分を膨張させ、前記定着部材を所要位置に係止すべく前記定着部材に結合された膨張部材とを備える、多軸骨取り付け組立体。
【請求項55】
請求項54の組立体において、前記定着部分が鉤状部材を備える、組立体。
【請求項56】
請求項54の組立体において、前記結合部分がほぼ球状の形状を有する、組立体。
【請求項57】
請求項54の組立体において、前記結合部分が複数の部分球状部材を有する、組立体。
【請求項58】
請求項57の組立体において、前記膨張部材が前記部分球状部材の間で前記定着部材に結合される、組立体。
【請求項59】
請求項54の組立体において、前記膨張部材が止めねじを有する、組立体。
【請求項60】
請求項54の組立体において、前記膨張部材が、工具係合部分と、前記結合部材と係合されたねじ付き部分と、前記工具係合部分と前記ねじ付き部分との間に設けられた円錐形状の膨張部分とを有する、組立体。
【請求項61】
請求項54の組立体において、前記直立部分がねじ付き部分を有し、該ねじ付き部分と係合するねじ付き部材を更に備える、組立体。
【請求項62】
請求項61の組立体において、前記ねじ付き部分が逆角度のねじ部を有する、組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図17a】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図28a】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2011−235124(P2011−235124A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−151690(P2011−151690)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【分割の表示】特願2006−253855(P2006−253855)の分割
【原出願日】平成13年9月17日(2001.9.17)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】