説明

徐放性カプセルもしくは錠剤製剤及びその調製方法

【発明の詳細な説明】
本発明は、ドラッグデリバリーシステム(drug delidery system)に使用れる吸着質(adsorbate)の製造方法及びその方法によって得られる吸着質及び薬物製剤(drug formulations)に関する。
生体中で、薬剤の製剤(pharmaceutical formulation)からの活性物質の放出を遅らせることは、しばしば望ましい。例えば、活性物質が特定の標的部位に放出されるようにするために、体内で活性物質の放出を遅らせることが望まれている。耐胃液性を有するが、小腸の更に高いpH環境においてはたやすく溶解する種々のコーティングされた錠剤が利用できる。活性物質の吸収を抑制し、それによってより有効な薬物治療を行なう結果になる特定の溶解パターンを有する、種々の吸収を抑制した薬剤の製剤も利用できる。例えば、経口投与用の後者のタイプの吸収を抑制したペレット剤は、本特許出願人の日本国特許出願689474/1984,81019/1984,269582/1984,270584/1984,及び269504/1986に記載されている。
治療に多くの活性物質を使用することは溶解性の問題によって複雑にされる。そして、これはジヒドロピリジンのグループの薬物の場合特にそうである。ニフェジピン(nifedipine)のような後者のタイプの薬物は水性媒体に非常にわずかしか溶解しない。一方それと一定のポリマーとの共沈物が溶解性を改良することが知られており、前記共沈物は通常敏速な最大値の血中濃度(promet peak blood level)を有する生物学的利用能によって特長づけられる生成物を製造するのに有効なように、3:1を越える活性薬物比までポリマーを必要とする。
クロス−ポビドン(cross−povidone)のような架橋ポリマー内の薬物の吸着質を基礎とする薬剤の製剤も知られている。さらに、ジヒドロピリジン、15,000ないしい55,000の平均分子量を有するポリビニルピロリドン、及び不溶性の架橋(cross−linked)ポリビニルピロリドンよりなる、固体の、たやすく吸収される薬物製剤がEP−A−O 167909(ヨーロッパ特許公開公報167909号)により知られている。このような製剤は速かに吸収されるので、活性成分の有効治療レベルを達成するために、1日に3度或いは4度投与しなければならない。
本発明の目的は、他の方法では生物学的利用性がほとんどない活性物質の生物学的利用能を高め、しかも有効に放出が抑制された前記活性物質の製剤をつくることができる、1日1回投与用の徐放性カプセル或いは錠剤の製剤を提供することである。
よって、本発明は、薬学的に有用なジヒドロピリジン1重量部と55,000以上の平均分子量を有するポリビニルピロリドン0.1ないし10重量部との混合物の吸着質を包含しており、前記混合物は、架橋ポリビニルピロリドンに前記混合物1重量部対架橋ポリビニルピロリドン0.5ないし20重量部の比で吸着されており、その吸着生成物は水の存在下でゲル化するポリマーもしくはポリマーの混合物と混合されており、前記ポリマーもしくはポリマーの混合物の量は、所望の徐放性又は持効性効果(sustained releaseeffect)に生ずるのに有用な量である、1日に1回投薬するのに適した徐放性カプセル剤もしくは錠剤の製造を提供する。
本発明において使用される薬学的に有効なジヒドロピリジンは、一般に、下記化学式に含まれる。


ここで、R1はニトロ基やハロゲン基などの種々の基によって置換されるアリールまたはヘテロアリール(heteroaryl)であり、且つR2,R3,R4,及びR5は同一のもしくは異なるもののいずれであっても良く、それらの各々は、ハロゲン基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、及びアリールアルキルアミノ基などの基によって置換されるアルキル基を示す。
上記一般式(I)に包含される望ましいジヒドロピリジンは、フェロジピン(felodipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ニフェジピン(nefedipine)、ニトレンジピン(nitrendipine)、ニモジピン(nimodipine)、ニソルジピン(nisoldipine)及び4−(2,1,3−ベンズオキサジアゾール−4−イル)−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロ−3−イソプロピルオキシカルボニル−ピリジン−5−カルボン酸メチルエステルである。
吸着質の形成は、X線回析と、また加えて示差走査熱分析(differential seanning calorimetery)によって証明できる無定形の状態にあるジヒドロピリジンをもたらす結果となり、この無定形の状態は後述する徐放性製剤において好ましく保持される。
このポリビニルピロリドンは、ジヒドロピリジン1重量部に対し0.25〜2重量部の量で前記吸着質内に好ましく存在する。
さらに前記製剤は架橋ポリビニルピロリドン1〜10重量部に対して前記混合物1重量部を好ましく含む。
本発明はまた、ジヒドロピリジンとポリビニルピロリドンを共通の溶媒に溶解し、それによって得られた溶液と所定量の架橋ポリビニルピロリドンを、前記ジヒドロピリジンと前記ポリビニルピロリドンを前記架橋ポリビニルピロリドンへ吸着させるように、混合し、溶媒を除去し、その結果得られる生成物は、水の存在下でゲル化するポリマー或いはポリマーの混合物と混合し、及びその結果得られる混合物をカプセル封入もしくは錠剤化することを包含する、上に限定された徐放性製剤(sustained release formulation)の調製方法を提供する。
使用される溶媒はジヒドロピリジンとポリビニルピロリドンの補助溶媒(co−solvent)であって、薬学的に適したものであればいかなるものでも良い。
使用される溶媒は、水、アルコール類、ケトン類、ハロゲン化脂肪族化合物、ハロゲン化芳香族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、及び環状エーテル類、或いはそれらの混合物から適宜選択される。
特に望ましい溶媒は、水、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、キシレン及びテトラヒドロフランを包含する。
ポリビニルピロリドンは、架橋ポリビニルピロリドンからのジヒドロリジン(dihydropyridine)の溶解を修正するように選択され、また、溶解中に、吸着質の高分子のマトリックス構造内におけるジヒドロピリジンのいかなる結晶化も防止するのに役立つものである。主に、ポリビニルピロリドンは、本発明に係るカプセル或いは錠剤投薬方式の持続放出メカニズムを助けるのに役立つものである。
ポリビニルピロリドンは好ましくは、55,000ないし75,000の範囲の平均分子量を有する。55,000以上の平均分子量を有するポリビニルピロリドンは投与後のカプセル或いは錠剤の製剤からの活性成分の放出を持続させるのに役立つ粘度を有する。使用されるポリビニルピロリドンの粘度が高ければ高い程、活性成分の放出はより遅くなる。
特に好ましい架橋ポリビニルピロリドンはクロス−ポビドン(cross−povidone)〔ポルプラスドン(商標polplasdone)XL(GAF)及びコリドン(商標kollidon)CL(BASF)の下に販売されている。〕である。
本発明に係るカプセル或いは錠剤を形成するために、架橋ポリビニルピロリドンに吸着された、上に限定された吸着質は粒状にされる。次いで水の存在下でゲル化するポリマーもしくはポリマーの混合物と混合され、且つ任意に他の成分と混合される。それによって得られた混合物は常用の方法によって錠剤化もしくはカプセル封入され、その結果改良された薬物吸収性を示す持続性マトリックスシステムを生じる。続く錠剤化或いはカプセル封入のために吸着質と混合するのに適したポリマーは、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースのようなアルキルセルロース類、シェラック、ユウドウギット(商標Eudragit)の下に販売されているポリマー類、ポリエチレングリコール、アルギン酸ナトリウム、ガラクトマンノン(galactomannone)或いはカルボキシポリメチレン、或いはそれらの混合物のような水溶性及び非水溶性ポリマーを含む不活性なポリマーである。
ユウドラギット(Eudragit)ポリマー類は、アクリレート類及び/またはメタクリレート類に基く高分子ラッカー物質である。本発明に係るカプセル或いは錠剤における水でゲル化するポリマーとして使用するのに特に適したユウドラギット(Eudragit)は水と活性成分に対する種々の浸透性を有するアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルのコポリマーを含む。
特に適したグループのポリマーはメトセル(商標Methocel)の下に販売されているポリマー類である。
カプセル或いは錠剤の形で、生体内で活性成分の放出を遅延させることが望まれるときは、水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーを併用し(combi−nation)、或いはこのようなポリマーの混合物を使用し、水溶性ポリマー対非水溶性ポリマーの比を変えて所望の放出率を与えることができる。同様に、ユウドラギット(Eudragit)のような種々の浸透性のポリマー/コポリマーの場合、ポリマー/コポリマーにより特長づけられる透過性(permeability)を、所望の放出率を与えるように選択することができる。
本発明に係る製剤の吸着質は、生体内で活性薬物の放出を遅延もしくは持続させ、且つ活性物質の吸収を良くしたマトリックスシステムを生じるので、本発明に係る吸着質は、結果として架橋ポリマー中の既知の活性薬物吸着質に対してドラッグデリバリーシステムを改良する。
下記の実施例を参照して、本発明につき、さらに説明する。
実施例1 平均分子量60,000のポリビニルピロリドン(0.75kg)を塩化メチレン(8kg)に溶解した。次いでこの溶液にニフェジピ(1kg)を添加し、溶解させた。次にこれによって得られた溶液をクロス−ポビドン(cross−povidone)(2.3kg)に吸着させ、次いで溶媒を蒸発させた。次いでその結果得られた粉末をオシレーティンググラニュレータ(oscillating granulator)に通して微細な粒度を得た。このようにして得た粉末についてX線回折及び示差走査熱分析の調査をおこない、ニフェジピン(nifedipine)が無定形の形態にあることを証明した。次にこの粉末の50%を次の成分と共に上錠剤化し、活性成分20mgを含む錠剤を得た。
メトセルK100LV(Methocel K100LV)(商標) 8.0% アビセルpH101(Avicel pH101)(商標) 41.5% ステアリン酸マグネシウム 0.5% ニフェジピン(nifedipine)の無定形の性質を証明する、錠剤のX線回折パターンが得られた。
上記の実施例において、ニフェジピン(nifedipine)、ポリビニルピロリドン、及びクロス−ポビドン(cross−povidone)の比は、薬物の無定形の性質を維持する限界内で変えることができる。これは以下の実施例にも適合することである。
さらに、使用されるメトセルは、所望の薬物の放出特性にしたがって、メトセル4KM,K15M,K100M、或いはE.J.Fのグレードであっても良い。
ゲルを形成するポリマーは、使用される吸着質のパーセンテージに比例して3〜50%の量で使用することができる。これは以下の実施例にも適合することである。
実施例2 平均分子量60,000のポリビニルピロリドン(0.65kg)をイソプロピルアルコール(10kg)に溶解した。次にこの溶液にニカルジピン(1kg)を添加し、溶解させた。それによって得られた溶液をクロス−ポビドン(cross−povidone)(3kg)に吸着させ、溶媒を蒸発させた。その結果得られた粉末をオシレーティンググラニュレータに通して微細な粒度を得た。次にその粉末の60%を次の成分と共に錠剤化し、活性成分60mgを含む錠剤を得た。
メトセルK100M(Methocel K100M)(商標) 8.0% アビセルpH101(Avicel pH101)(商標) 31.5% ステアリン酸マグネシウム 0.5%実施例3 ニフェジピン(nifedipine)を等量(1kg)の4−(2,1,3−ベンズオキサジアゾール−4−イル)−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロ−3−イソプロピルオキシカルボニル−ピリジン−5−カルボン酸エステル(PN200)と置き換えた点を除いてそれ以外は実施例1と同様な手順をおこなって活性成分10mgを含む錠剤をつくった。
実施例4 平均分子量55,000のポリビニルピロリドン(0.75kg)を塩化メチレン(12kg)に溶解し、次にこの溶液にニフェジピン(nifedipine)(1kg)を添加し、溶解させた。次にそれによって得た溶液をクロス−ポビドン(cross−povidone)(3kg)に吸着させ、次いで溶媒を蒸発させた。次いでその結果得られた粉末をオシレーティンググラニュレータに通して微細な粒度を得た。X線回折、及び示差走査熱分析の調査は、薬物が吸着質内で無定形の形態にあることを証明した。前記粉末(30%)を次の成分と共に錠剤化し、活性成分20mgを含む錠剤を得た。
メトセルK100LV(Methocel K100LV)(商標) 10% アビセルpH101(Avicel pH101)(商標) 59.5% ステアリン酸マグネシウム 0.5% 同様にX線回折と示差走査熱分析の調査はこの生成物が無定形であることを示す。
実施例5 ニフェジピン(nifedipine)吸着質を実施例4の場合と同様に調製した。次にこのように調製した粉末(50%)を、次の成分と混合し、次いでカプセル封入して活性成分20mgを含むカプセルを供給した。
メトセル100M(Methocel K100M)(商標) 44.5% アビセルpH101(Avicel pH101)(商標) 5.0% ステアリン酸マグネシウム 0.5%実施例6 平均分子量65,000のポリビニルピロリドン(1kg)を塩化メチレン10kgに溶解した。この溶液にフェロジピン(felodipine)(1.5kg)を添加し、溶解させた。得られた溶液をクロス−ポビドン(corss−povidone)(5kg)に吸着させ、次いで溶媒を蒸発させた。次にその結果得られる粉末をオシレーティンググラニュレータに通して微細な粒度を得た。X線回折と示差走査熱分析の調査は薬物が前記吸着質内で無定形の形態にあることを示した。次いでこの粉末(30%)の次の成分と共に錠剤化し、活性成分10mgを含む錠剤を得た。
メトセルK15M(Methocel K15M)(商標) 30.0% アビセルpH101(Avicel pH101)(商標) 39.5% ステアリン酸マグネシウム 0.5%実施例7 クロス−ポビドン(cross−povidone)(50%)に吸着される混合物を下記の成分と共に錠剤化することを除いて、それ以外は実施例1と同様なことを行ない、活性成分50mgを含む錠剤を得た。
アルギン酸ナトリウム 15.0% 予膠化されたスターチ 33.5% タルク 1.5%実施例8 クロス−ポビドン(cross−povidone)に吸着される混合物がニトレンジピンを含むことを除いて、それ以外は実施例1と同様なことを行なった。また、最終錠剤は活性成分20mgを含んでいた。
実施例9 混合物がニモジピン(nimodipine)を含み、且つ次の成分と共に錠剤化することを除いて、それ以外は実施例2を繰り返して、ニモジピン50mgを含む錠剤を形成した。
ラクトーズ V.S.P.(Lactose V.S.P.) 10.0% ユウドラギット R.S.(Eudragit R.S.) 10.0% ユウドラギット R.L.(Eudragit R.L.) 29.25% ステアリン酸カルシウム 0.75%実施例10 クロス−ポビドン(cross−povidone)に吸着された混合物を次の成分と共に錠剤化することを除いて、それ以外は実施例1と同様に行なった 二塩基性リン酸カルシウム二水和物 N.F. 15.0% エチルセルロース100c.p.s. 15.0% ポリエチレングリコール 6000 5.0% ヒドロキシエチルセルロース 29.0% ステアリン酸カルシウム 1.0%

【特許請求の範囲】
1.下記(a)、(b)および(c)の成分:(a)薬学的に有効なジヒドロピリジン1重量部と、55,000以上の平均分子量を有するポリビニルピロリドン0.1〜10重量部との均質混合物からなる吸着質;
(b)上記吸着質1重量部当たり0.5〜20重量部の架橋ポリビニルピロリドン(PVP)粒子;および(c)下記カプセル剤または錠剤に1日1回以下の頻度での投与を可能ならしめる徐放性を与えるに十分な量の、水の存在下でゲル化するポリマーもしくはポリマーの混合物;
の混合物をカプセルまたは錠剤中に含んでなり、該(a)、(b)および(c)成分の混合物中において、吸着質(a)は架橋PVP粒子(b)上に吸着されており、そしてポリマーもしくはポリマー混合物(c)は、吸着質を吸着した上記架橋PVP粒子と混合されてなることを特徴とする、1日1回以下の頻度で投与するために適する、徐放性ジヒドロピリジン製剤。
2.前記ゲルを生成するポリマーが製剤の3ないし50重量%の間の量で存在することを特徴とする請求項1の徐放性製剤。
3.ジヒドロピリジンが次の一般式(I):

(式中、R1は置換もしくは未置換のアリールまたはヘテロアリール基であり、R2、R3、R4およびR5は同一または異なって、各々置換もしくは未置換のアルキル基である)で表されるものである、請求項1または2の徐放性製剤。
4.ジヒドロピリジンが、一般式(I)中、R1がハロゲン原子またはニトロ基によって場合により置換されているアリールまたはヘテロアリール基であり、R2、R3、R4およびR5は同一または異なって、各々ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基またはアラルキルアミノ基によって場合により置換されているアルキル基であるものである、請求項3の徐放性製剤。
5.ジヒドロピリジンがフェロジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニトレンジピン、ニモジピン、ニソルジピン、および4−(2,1,3−ベンズオキサジアゾール−4−イル)−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロ−3−イソプロピルオキシカルボニル−ピリジン−5−カルボン酸メチルエステルから選択される、請求項3または4の徐放性製剤。
6.ポリビニルピロリドンがジヒドロピリジン1重量部に対して0.25〜2重量部の量で前記吸着質内に存在する請求項1ないし5のいずれか1項の徐放性製剤。
7.架橋ポリビニルピロリドン1〜10重量部に対して前記吸着質1重量部を含む請求項1ないし6のいずれか1項の徐放性製剤。
8.ポリビニルピロリドンが55,000ないし75,000の範囲の平均分子量を有する請求項1ないし7のいずれか1項の徐放性製剤。
9.水の存在下でゲル化するポリマーがポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルキルセルロース類、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルのコポリマー類、ポリエチレングリコール、アルギン酸ナトリウム、ガラクトマンノンおよびカルボキシポリメチレンまたはそれらの混合物から選択される請求項1ないし8のいずれか1項の徐放性製剤。
10.ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項9の徐放性製剤。
11.下記(a)、(b)および(c)の成分:(a)薬学的に有効なジヒドロピリジン1重量部と、55,000以上の平均分子量を有するポリビニルピロリドン0.1〜10重量部との均質混合物からなる吸着質;
(b)上記吸着質1重量部当たり0.5〜20重量部の架橋ポリビニルピロリドン(PVP)粒子;および(c)下記カプセル剤または錠剤に1日1回以下の頻度での投与を可能ならしめる徐放性を与えるに十分な量の、水の存在下でゲル化するポリマーもしくはポリマーの混合物;
の混合物をカプセルまたは錠剤中に含んでなり、該(a)、(b)および(c)成分の混合物中において、吸着質(a)は架橋PVP粒子(b)上に吸着されており、そしてポリマーもしくはポリマー混合物(c)は、吸着質を吸着した上記架橋PVP粒子と混合されてなることを特徴とする、1日1回以下の頻度で投与するために適する、徐放性ジヒドロピリジン製剤を調製する方法であって、該ジヒドロピリジンと該ポリビニルピロリドンを共通の溶媒に溶解し、それによって得られた溶液を所定量の架橋ポリビニルピロリドンと混合し、前記ジヒドロピリジンと前記ポリビニルピロリドンを前記架橋ポリビニルピロリドンに吸着させ、溶媒を除去し、その結果得られる生成物を水の存在下でゲル化するポリマーもしくはポリマーの混合物と混合し、その結果得られる混合物をカプセル封入しもしくは錠剤化することを特徴とする、徐放性ジヒドロピリジン製剤の調製方法。
12.用いられる溶媒がジヒドロピリジンおよびポリビニルピロリドン用の薬学的に適する任意の共通溶媒である請求項11の製造方法。
13.溶媒が、水、アルコール類、ケトン類、ハロゲン化脂肪族化合物類、ハロゲン化芳香属炭化水素化合物類、芳香属炭化水素化合物類、および環状エーテル類、或いはそれらの混合から選択される、請求項12の調製方法。
14.溶媒が、水、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トルエン、キシレン、およびテトラヒドロフランから選択される、請求項11または12の調製方法。

【特許番号】第2763879号
【登録日】平成10年(1998)3月27日
【発行日】平成10年(1998)6月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭62−22275
【出願日】昭和62年(1987)2月2日
【公開番号】特開昭63−174929
【公開日】昭和63年(1988)7月19日
【審査請求日】平成3年(1991)11月30日
【出願人】(999999999)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−18725(JP,A)
【文献】特開 昭54−46837(JP,A)
【文献】特開 昭52−64420(JP,A)
【文献】特開 昭61−15829(JP,A)
【文献】特開 昭61−17510(JP,A)
【文献】特開 昭61−8(JP,A)
【文献】特開 昭61−44816(JP,A)