説明

循環流動層ガス化装置とその空気流量制御方法及び装置

【課題】循環流動層ガス化装置において、燃焼炉の最低流動化空気量と最低循環空気量の両方又は一方を保障する。
【解決手段】最低流動化空気量保障手段22により、燃焼炉2において流動層を形成することが要求される運転状態において、燃焼炉2において流動層を形成するための必要最低限の空気流量である最低流動化空気量下限値を下回らないように燃焼炉2に供給する空気13の流量を制御する。また、最低循環空気量保障手段23により、燃焼炉2の流動媒体を循環させることが要求される運転状態において、燃焼炉2の流動媒体を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように燃焼炉2に供給する空気13の流量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環流動層ガス化装置とその空気流量制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バブリング流動層で、バイオマス、石炭などのガス化を行い、循環流動層で、チャーを燃焼させて流動媒体を加熱し、これを、バブリング流動層に戻す流動層ガス化システムが下記特許文献1において提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された循環流動層ガス化装置は、ガス化効率が悪く、また生成されたガス化ガス中に不活性ガスや燃焼ガスが多量に混入するという問題があり、このような問題を解決するための技術が、下記特許文献2において本出願人により提案されている。
【0004】
図8に、特許文献2に開示された循環流動層ガス化装置100の全体構成を示す。図8において、循環流動層ガス化装置100は、ガス化によって生成されたチャーと流動媒体とを供給された空気によって高速で流動化させつつチャーを燃焼させて流動媒体を加熱する燃焼炉101と、燃焼炉101からの流動媒体を分離する分離器102と、分離器102で分離された流動媒体を導入し、これを水蒸気で流動化しつつ供給された原料(バイオマス、石炭など)をガス化するとともに流動媒体との原料のガス化によって生成されたチャーの一部を燃焼炉101に循環するガス化炉103とを備える。
【0005】
上記構成の循環流動層ガス化装置100において、燃焼炉101内での流動は高速流動であり、チャーは流動化空気で燃焼されながら流動媒体とともに炉体を上昇して分離器102に導入される。分離器102においてチャーと流動媒体が排ガスから分離されてガス化炉103に導入される。ガス化炉103には、原料が供給され、流動媒体の熱と下方から供給される水蒸気により原料から水素、一酸化炭素、メタンなどが混在したガス化ガスが生成される。チャーと流動媒体は、ガス化炉103に接続されたオーバーフロー管104から燃焼炉101に循環され、再度上述のように燃焼と流動化が行われる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−176486号公報
【特許文献2】特許第3933105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2の循環流動層ガス化装置100と異なり、ガス化炉を備えていない従来の典型的な循環流動層炉(流動層ボイラなど)においては、燃焼炉に供給する空気流量には、燃焼炉への燃料供給量に対する燃焼性及び排ガスの酸素濃度を考慮して、空気流量の下限値である「最低燃料空気量下限値」が決められる。そして、プラント運転状態を保護するため、誤操作などによって空気流量が最低燃料空気量下限値を下回ることがないように、空気流量の制御回路上に空気流量指令下限設定回路が設けられている。すなわち、万一、空気流量指令値を不当に低く設定しても、空気流量指令下限設定回路によって、運転継続またはプラント状態保持に必要な最低空気流量が保障される。
【0008】
一方、上述した特許文献2のような循環流動層ガス化装置100では、多くの流動媒体(ベッド材)を保有するガス化炉103を含ために全体の流動媒体の保有量が、ガス化炉を持たない循環流動層炉と比べて多い。このため、循環流動層ガス化装置100では、プラント起動時に燃焼炉101内の流動媒体を流動化して必要な温度まで暖機をする流動化運転と、所定温度まで流動媒体が昇温した後に流動媒体を循環させてガス化炉103の原料にガス化に必要な熱を供給するとともにガス化炉103のチャー及び流動媒体を燃焼炉101に戻す循環運転とを使い分ける必要がある。
【0009】
したがって、循環流動層ガス化装置100では、燃焼炉101への空気流量として、上記の最低燃料空気量のほかに以下の2種類がある。
(1)燃焼炉の流動媒体を流動化させるために必要な最低流動化空気量
(2)燃焼炉の流動媒体を循環させるために必要な最低循環空気量
一般に、流動化空気量と循環空気量を比較すると、後者が前者の数倍〜10倍程度の数値となる。このため各々に対応する最低空気流量下限値も数倍〜10倍程度の違いがある。
【0010】
しかしながら、従来の循環流動層ガス化装置100では、空気流量制御回路上に最低流動化空気量と最低循環空気量の下限値を設定する回路が設けられておらず、それぞれの最低空気量が保障されていない。このため、操作員の誤操作または空気流量設定器の誤指令によって不当に低い空気流量が設定された場合に、流動化運転状態を維持できない、あるいは循環運転状態を維持できなくなり、プラント運転に悪影響を及ぼすことになる。
【0011】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、燃焼炉の最低流動化空気量と最低循環空気量の両方又は一方を保障することができる循環流動層ガス化装置とその空気流量制御方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の技術的手段を採用する。
(1)本発明は、燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの排ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御方法であって、最低流動化空気量保障手段が、前記燃焼炉において流動層を形成することが要求される運転状態において、前記燃焼炉において流動層を形成するための必要最低限の空気流量である最低流動化空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御し、最低循環空気量保障手段が、前記燃焼炉の流動媒体を循環させることが要求される運転状態において、前記燃焼炉の流動媒体を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する、ことを特徴とする。
【0013】
上記の方法によれば、最低流動化空気量保障手段によって燃焼炉への空気流量が最低流動化空気量下限値を下回らない流量に制御され、最低循環空気量保障手段によって燃焼炉への空気量が最低循環空気流量下限値を下回らない流量に制御される。これにより燃焼炉の最低流動化空気量と最低循環空気流量を保障することができる。
【0014】
(2)上記(1)の空気流量制御方法において、前記ガス化炉に原料が供給されていないときは、前記最低流動化空気量保障手段が、最低流動化空気量下限値を下回らないように前記空気流量を制御し、前記ガス化炉に原料が供給されているときは、前記最低循環空気量保障手段が、最低循環空気流量下限値を下回らないように前記空気流量を制御する。
【0015】
上記の方法によれば、ガス化炉に原料が供給されていないときは、最低流動化空気量保障手段により燃焼炉に対する空気流量下限値が最低流動化空気量下限値に設定され、ガス化炉に原料が供給されているときは、最低循環空気量保障手段により燃焼炉に対する空気流量下限値が最低循環空気量下限値に設定される。これにより、ガス化炉への原料の供給開始時及び供給停止時に、自動的に最低流動化空気量下限値と最低循環空気量下限値を切り替えることができる。
【0016】
(3)本発明は、燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御装置であって、前記燃焼炉において流動層を形成することが要求される運転状態において、前記燃焼炉において流動層を形成するための必要最低限の空気流量である最低流動化空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低流動化空気量保障手段と、前記燃焼炉の流動媒体を循環させることが要求される運転状態において、前記燃焼炉の流動媒体を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低循環空気量保障手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0017】
上記の構成によれば、最低流動化空気量保障手段によって燃焼炉への空気流量が最低流動化空気量下限値を下回らない流量に制御され、最低循環空気量保障手段によって燃焼炉への空気量が最低循環空気流量下限値を下回らない流量に制御される。これにより燃焼炉の最低流動化空気量と最低循環空気流量を保障することができる。
【0018】
(4)上記(3)の空気流量制御装置において、最低流動化空気量保障手段は、前記ガス化炉に原料が供給されていないときは、最低流動化空気量下限値を下回らないように前記空気流量を制御し、最低循環空気量保障手段は、前記ガス化炉に原料が供給されているときは、最低循環空気流量下限値を下回らないように前記空気流量を制御する。
【0019】
上記の構成によれば、ガス化炉に原料が供給されていないときは、最低流動化空気量保障手段により燃焼炉への空気流量下限値が最低流動化空気量下限値に設定され、ガス化炉に原料が供給されているときは、最低循環空気量保障手段により燃焼炉への空気流量下限値が最低循環空気量下限値に設定される。これにより、ガス化炉への原料の供給開始時及び供給停止時に、自動的に最低流動化空気量下限値と最低循環空気量下限値を切り替えることができる。
【0020】
(5)本発明は、燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御装置であって、前記燃焼炉において流動層を形成することが要求される運転状態において、前記燃焼炉において流動層を形成するための必要最低限の空気流量である最低流動化空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低流動化空気量保障手段を備える、ことを特徴とする。
【0021】
上記の構成によれば、最低流動化空気量保障手段によって燃焼炉への空気流量が最低流動化空気量下限値を下回らない流量に制御される。これにより燃焼炉の最低流動化空気量を保障することができる。
【0022】
(6)本発明は、燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御装置であって、前記燃焼炉の流動媒体を循環させることが要求される運転状態において、前記燃焼炉の流動媒体を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低循環空気量保障手段を備える、ことを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、最低循環空気量保障手段によって燃焼炉への空気量が最低循環空気流量下限値を下回らない流量に制御される。これにより燃焼炉の最低循環空気流量を保障することができる。
【0024】
(7)上記(3)乃至(5)のいずれかの空気流量制御装置において、前記最低流動化空気量下限値は、前記燃焼炉内の流動媒体の温度と相関を持つ質量流量である。
【0025】
上記の構成によれば、燃焼炉の最低流動化空気量下限値を燃焼炉の流動媒体の温度と相関をもたせることで、より正確な最低流動化空気量下限値を設定することができる。
【0026】
(8)上記(3)、(4)又は(6)の空気流量制御装置において、前記最低循環空気量下限値は、前記燃焼炉内の流動媒体の温度と相関を持つ質量流量である。
【0027】
上記の構成によれば、燃焼炉の最低循環空気量下限値を燃焼炉の流動媒体の温度と相関をもたせることで、より正確な最低循環空気量下限値を設定することができる。
【0028】
(9)上記(3)乃至(8)のいずれかの空気流量制御装置において、前記ガス化炉に供給される原料と前記燃焼炉に供給される燃料の両方又は一方の供給量に基づいて、前記燃焼炉において所望の燃焼状態を維持するための必要最低限の空気流量である最低燃焼空気量下限値を算出し、該最低燃焼空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低燃焼空気量保障手段を備える。
【0029】
上記の構成によれば、最低燃料空気量保障手段によって燃焼炉への空気流量が最低燃焼空気量下限値を下回らない流量に制御される。これにより燃焼炉の最低燃焼空気量を保障し、燃焼空気不足になる事態を防止することができる。
【0030】
(10)本発明は、燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において、上記(3)乃至(10)のいずれかの空気流量制御装置を備えることを特徴とする。
【0031】
上記の構成によれば、燃焼炉の最低流動化空気量と最低循環空気流量の両方又は一方を保障することで、流動化運転状態又は循環運転状態を維持できなくなる事態を防止することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、循環流動層ガス化装置において、燃焼炉の最低流動化空気量と最低循環空気量の両方又は一方を保障することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0034】
図1は、本発明の実施形態にかかる循環流動層ガス化装置1の全体概略構成を示す図である。図1において、循環流動層ガス化装置1は、流動媒体12と原料15から生成されたチャーとを供給された空気13によって流動化させるとともにチャーを燃焼させる燃焼炉2と、燃焼炉2からの排ガス14から流動媒体12を分離する分離器4と、分離された流動媒体12を導入して流動化させるとともに供給された原料15を流動層によりガス化するガス化炉7とを備える。
【0035】
燃焼炉2の内部には流動媒体12とチャーが収容されている。燃焼炉2内の下部からは、散気板あるいは散気ノズルを介して空気13が供給され、燃焼炉2内の流動媒体12が流動化されとともにチャーの燃焼が行われる。空気13は送風ファン19によって燃焼炉2に供給される。燃焼炉2には補助燃料供給管11が接続されており、起動時やガス化炉7から供給されるチャーの量が少ないときに燃焼炉2に燃料18が供給されるようになっている。
【0036】
燃焼炉2内での流動は高速流動であり、チャーは流動化空気13で燃焼されながら流動媒体12とともに燃焼炉2内を上昇し、燃焼炉2の上部に設けられた移送管3により分離器4に移送される。分離器4に導入された排ガス14とチャーと流動媒体12は、遠心分離により気体成分と固体成分に分離され、排ガス14は分離器4に設けられた内筒5より排気され、チャーと流動媒体12は分離器4の下部に接続された降下管6を通って降下し、ガス化炉7に導入される。
【0037】
ガス化炉7の下部からは、散気板あるいは散気ノズルを介して水蒸気16が供給され、水蒸気16によって流動媒体12とチャーが流動化されて流動層が形成されている。ガス化炉7には原料供給管8が接続されており、原料供給管8によりガス化炉7に原料15が供給される。原料15は、熱分解及び水蒸気16との反応により可燃性ガスであるガス化ガス17を生成可能な石炭、バイオマスなどである。ガス化炉7内の流動層における流動媒体12の温度は高温(水蒸気ガス化反応が起こり得る温度程度)であり、この流動層において原料15が下記(1)のように熱分解し、熱分解で生成されたチャーを水蒸気16により下記(2)のように水性ガス化し、さらに下記(3)のように水性ガス化によって生成されたCOと水蒸気16とのシフト反応が行われて、ガス化ガス17が生成される。
【0038】
(1)熱分解
原料 → 揮発分(CO、H、炭化水素)+C(チャー)
(2)水性ガス化
C(チャーの一部)+H0(水蒸気)→CO+H
(3)シフト反応
CO+H0(水蒸気)→CO+H
【0039】
生成されたガス化ガス17は、ガス化炉7に設けられた排出管9から排出され、例えば、発電用ガスタービン等の利用系装置に供給される。
ガス化炉7において原料15のガス化によって生成されたチャーと、流動媒体12は、オーバーフロー管10を通って燃焼炉2に循環され、再度上述のように燃焼と流動化が行われる。
【0040】
ガス化炉7におけるガス化ガス17の生成においては、燃焼炉2におけるチャーの燃焼によってガス化炉7へ必要な熱量を供給できるだけのチャーが燃焼炉2に供給されるように、ガス化ガス17となる分と、チャーとして残る固形分との比率が調整される。なお、ガス化炉7から燃焼炉2に循環されるチャーの量が少なく、燃焼炉2内の燃焼が不足する場合には、補助燃料供給管11より燃料が供給されるようになっている。
【0041】
図1において、循環流動層ガス化装置1は、さらに、燃焼炉2に供給する空気流量を制御する空気流量制御装置20を備えている。空気流量制御装置20は、循環流動層ガス化装置1において要求される運転状態(流動化運転または循環運転)に応じた空気流量指令値に対応する指令信号を送風ファン19に向けて出力することにより、燃焼炉2に供給する空気流量を制御する。
【0042】
図2は、循環流動層ガス化装置1の起動時の動作を説明する模式図である。また、図3は、循環流動層ガス化装置1の燃焼炉2に供給する空気流量及びガス化炉7に供給する原料流量の時間変化を示したものである。図3における(A)〜(D)の期間は、図2の(A)〜(D)に対応している。
【0043】
起動動作においては、図2(A)に示すように、まず、燃焼炉2の流動媒体12を流動化させ且つ循環させない程度の流量(以下、「流動化流量」という)の空気を燃焼炉2に供給して、燃焼炉2の流動媒体12を流動化させるとともに、起動用燃料25(プロパンガス、灯油、軽油など)を燃焼炉2に供給して燃焼させ、燃焼炉2の予熱を行う(図3では(A)の期間)。
【0044】
起動用燃料25の燃焼によって燃焼炉2の流動媒体12が燃料18の着火温度程度まで昇温したら、図2(B)に示すように、起動用燃料25の供給を停止し、流動化流量の空気13を供給しながら、石炭などの燃料を供給しさらに昇温する(図3では(B)の期間)。次いで、燃焼炉2の流動媒体12の温度が水蒸気ガス化反応が起こり得る温度程度まで昇温したら、図2(C)に示すように、燃焼炉2の流動媒体12を循環させることが可能な流量(以下、「循環流量」という)の空気13を燃焼炉2に供給するともに、ガス化炉7の下部から空気を供給してガス化炉7内の流動媒体12を流動化させることにより、流動媒体12を循環させる(図3では(C)の期間)。
【0045】
ガス化炉7の流動媒体12の温度が水蒸気ガス化反応が起こり得る温度程度になったら、燃焼炉2への燃料の供給を停止し、図2(D)に示すように、燃焼炉2への循環流量の空気13の供給を維持しながら、ガス化炉7の下部に供給している空気を水蒸気16と切り替えて水蒸気16によって流動媒体12を流動化させるとともに、ガス化炉7への原料15の供給を開始し、上述したように原料15からガス化ガス17を生成する(図3では(D)の期間)。
【0046】
ガス化ガス17の生成を停止する場合は、ガス化炉7への原料15の供給を停止するとともに、燃焼炉2への空気流量を流動化流量まで下げ、循環流動層ガス化装置1を流動化運転の状態にする。さらに、循環流動層ガス化装置1の運転を停止する場合には、燃焼炉2への空気13の供給を停止する。
【0047】
次に、上記の空気流量制御装置20について、より詳細に説明する。図1において、空気流量制御装置20は、最低燃焼空気量保障手段21と、最低流動化空気量保障手段22と、最低循環空気量保障手段23とを備える。
【0048】
上記の最低燃焼空気量保障手段21は、ガス化炉7に供給される原料15と燃焼炉2に供給される燃料18の両方又は一方の供給量に基づいて、燃焼炉2において所望の燃焼状態を維持するための必要最低限の空気流量である最低燃焼空気量下限値を算出し、最低燃焼空気量下限値を下回らないように燃焼炉2に供給する空気流量を制御する。
【0049】
すなわち、循環流動層ガス化装置1の起動時においては、補助燃料供給管11より石炭などの燃料18が燃焼炉2に供給されるが、ガス化炉7からのチャーは燃焼炉2に供給されないため、最低燃焼空気量保障手段21は、燃焼炉2に供給される燃料18の供給量に基づいて、最低燃焼空気量下限値を算出する。
【0050】
また、循環流動層ガス化装置1のガス化ガス生成時において、ガス化炉7に原料15が供給されかつ燃焼炉2へのチャーの供給量も十分であるときは、燃焼炉2に燃料18が供給されないため、最低燃焼空気量保障手段21は、ガス化炉7に供給される原料15の供給量に基づいて、最低燃焼空気量下限値を算出する。
【0051】
また、循環流動層ガス化装置1のガス化ガス生成時において、ガス化炉7に原料15が供給されているが燃焼炉2へのチャーの供給量が足りていないときは、燃焼炉2に補助的に燃料18が供給されるため、最低燃焼空気量保障手段21は、ガス化炉7に供給される原料15と燃焼炉2に供給される燃料18の両方の供給量に基づいて、最低燃焼空気量下限値を算出する。
【0052】
このように、最低燃焼空気量保障手段21によって燃焼炉2への空気流量が最低燃焼空気量下限値を下回らない流量に制御される。これにより燃焼炉2の最低燃焼空気量を保障し、燃焼空気不足になる事態を防止することができる。
【0053】
上記の最低流動化空気量保障手段22は、燃焼炉2において流動層を形成することが要求される運転状態において、燃焼炉2において流動層を形成するための必要最低限の空気量である最低流動化空気量下限値を下回らないように燃焼炉2に供給する空気流量を制御する。
【0054】
本実施形態では、図3に示すように、ガス化炉7への原料15の供給が開始されるまでは、空気流量下限値が最低流動化空気量下限値Ffminに設定される。したがって、ガス化炉7に原料15が供給されるまでの間で、操作員の誤操作または空気流量設定器の誤指令によって不当に低い空気流量が設定された場合であっても、燃焼炉2への空気流量が最低流動化空気量下限値Ffminを下回ることがなく、最低流動化空気量を保障することができる。
【0055】
また、仮に、ガス化炉7への原料15の供給開始前における流動媒体12の循環中に、誤操作等の原因で空気流量設定値が最低流動化空気量下限値Ffminを下回る値に設定されたとしても、最低流動化空気量が保障されており、原料15も供給されていない状態なので、プラントへの影響は少ない。
【0056】
上記の最低循環空気量保障手段23は、燃焼炉2の流動媒体12を循環させることが要求される運転状態において、燃焼炉2の流動媒体12を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように燃焼炉2に供給する空気流量を制御する。
【0057】
本実施形態では、図3に示すように、ガス化炉7への原料15の供給が開始されるタイミングで、空気流量下限値が最低循環空気量下限値Fcminに設定される。したがって、ガス化炉7に原料15が供給されている間で、操作員の誤操作または空気流量設定器の誤指令によって不当に低い空気流量が設定された場合であっても、燃焼炉2への空気流量が最低循環空気量下限値Fcminを下回ることがなく、最低循環空気量を保障して流動媒体12の循環を維持することができる。
【0058】
また、2つの空気量下限値をガス化炉7への原料15の供給の有無に応じて設定するようにしたので、図3に示すように、ガス化炉7への原料15の供給開始時及び供給停止時に、自動的に最低流動化空気量下限値Ffminと最低循環空気量下限値Fcminを切り替えることができる。
【0059】
図4は、上述した空気流量制御装置20の制御ロジック図である。
【0060】
図4に示すように、最低燃焼空気量保障手段21においては、ガス化炉7への原料流量と燃焼炉2への燃料流量が、それぞれ関数器26,27に入力され、それぞれに基づく空気流量下限値が算出され、これらが加算器31によって加算されて最低燃焼空気量下限値として出力され、高値選択器32において、操作員または空気流量設定器により設定された空気流量設定値と最低燃焼空気量下限値のうち大きい方が選択され出力される。
【0061】
図4に示された最低流動化空気量保障手段22においては、燃焼炉2の流動媒体12の温度が関数器28に入力されて当該温度と相関をもつ最低流動化空気量下限値が算出及び出力され、高値選択器34において、高値選択器33からの出力値と最低流動化空気量下限値のうち大きい方が選択されて、空気流量指令値として出力される。
【0062】
このとき、高値選択器33からの出力値が、そのときの運転状態の空気流量設定値として適正であれば、最低流動化空気量下限値よりも大きいはずなので、高値選択器33からの出力値がそのまま空気流量指令値となる。逆に、高値選択器33からの出力値が、そのときの運転状態の空気流量設定値としては不当に低いときは、高値選択器34において最低流動化空気量下限値が選択される。
【0063】
ここで、最低流動化空気量下限値は質量流量(t/h)であり、固定値であってもよいが、本実施形態のように、燃焼炉2の流動媒体12の温度と相関をもつのがよい。図5は、燃焼炉2の流動媒体12の温度と、最低流動化空気量下限値との相関関係を示す図である。図5に示すように、最低流動化空気流量下限値は、温度変化があっても体積流量が一定となるように、燃焼炉2の流動媒体12の温度が高くなるにつれて少なく設定される。
【0064】
このように、燃焼炉2の最低流動化空気量下限値を燃焼炉2の流動媒体12の温度と相関をもたせることで、より正確な最低流動化空気量下限値を設定することができる。なお、図5において、Cは流動媒体12を流動化させるために必要な送風ファン19の容量、t1は下限値曲線上の容量Cでの温度、t2は流動媒体12の昇温完了時の温度である。また、ハッチングが施された領域は、流動化運転時の空気流量設定可能範囲を示す。
【0065】
図4に示された最低循環空気量保障手段23においては、燃焼炉2の流動媒体12の温度が関数器29に入力されて当該温度と相関をもつ最低循環空気流量下限値が算出される。ここで、最低循環空気量下限値は質量流量(t/h)であり、固定値であってもよいが、本実施形態のように、燃焼炉2の流動媒体12の温度と相関をもつのがよい。
【0066】
図6は、燃焼炉2の流動媒体12の温度と、最低循環空気流量下限値との相関関係を示す図である。このように、最低循環空気流量下限値は、温度変化があっても体積流量が一定となるように、燃焼炉2の流動媒体12の温度が高くなるにつれて少なく設定される。このように、燃焼炉2の最低循環空気量下限値を燃焼炉2の流動媒体12の温度と相関をもたせることで、より正確な最低循環空気量下限値を設定することができる。なお、図6において、Cは流動媒体12を循環させるために必要な送風ファン19の容量、t1、t2は、それぞれ、図5における同一の符号と同じ意味をもつ。また、ハッチングが施された領域は、循環運転時の空気流量設定可能範囲を示す。
【0067】
図4に戻って、乗算器35において、最低循環空気量下限値に0〜1の比率が乗じられる。ここで、乗算器35に入力される0〜1の比率は、関数器30においてガス化炉7への原料15の流量に応じて設定される。図7は、原料流量指令値と上記の比率との関係を示す図である。図7において、W1は最低負荷運転時の原料流量指令値、W2は定格負荷運転時の原料流量指令値を示す。ガス化炉7におけるガス化運転時には、通常はW1〜W2の間の流量で原料15が供給される。
【0068】
また、図7において、原料流量が0で比率が0となり、原料流量がW1〜W2の間で比率が1となり、原料15流量が0〜W1の間で原料流量の増減に比例して比率が変化するようになっている。これにより、ガス化炉7に原料15が供給されていないときは、図4において、関数器30により比率が0に設定されることで、乗算器35からの出力は0となり、最低循環空気量下限値は無効化される。この結果、ガス化炉7に原料15が供給されていないときは、図3に示すように、最低流動化空気量下限値Ffminが、その運転状態における空気流量下限値として設定される。
【0069】
逆に、ガス化炉7に原料15がW1〜W2で供給されているときは、図4において、関数器により比率が1に設定されるので、乗算器35からは最低循環空気量下限値がそのまま出力される。この結果、ガス化炉7に原料15がW1〜W2で供給されているときは、図3に示すように、最低循環空気量下限値Fcminが、その運転状態における空気流量下限値として設定される。なお、図7の例では、原料供給の開始時及び停止時における空気量下限値の急激な変化を避けるため、原料流量が0からW1の間で比率の変化に勾配を有するが、原料流量が0のときに比率が0となり、原料15流量が0以外のときに比率が1となるように、ステップ状に変化させもよい。
【0070】
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態にかかる循環流動層ガス化装置の全体概略構成を示す図である。
【図2】循環流動層ガス化装置の起動時の動作を説明する模式図である。
【図3】循環流動層ガス化装置の燃焼炉に供給する空気流量及びガス化炉に供給する原料流量の時間変化を示した図である。
【図4】空気流量制御装置の制御ロジック図である。
【図5】燃焼炉の流動媒体の温度と、最低流動化空気流量下限値との相関関係を示す図である。
【図6】燃焼炉の流動媒体の温度と、最低循環空気流量下限値との相関関係を示す図である。
【図7】最低循環空気量下限値に乗じる比率と原料流量指令値との関係を示す図である。
【図8】特許文献2に開示された循環流動層ガス化装置の全体構成を示す図である。。
【符号の説明】
【0072】
1 循環流動層ガス化炉
2 燃焼炉
3 移動管
4 分離器
5 内筒
6 降下管
7 ガス化炉
8 原料供給管
9 排出管
10 オーバーフロー管
11 補助燃料供給管
12 流動媒体
13 空気
14 排ガス
15 原料
16 水蒸気
17 ガス化ガス
18 燃料
19 送風ファン
20 空気流量制御装置
21 最低燃焼空気量保障手段
22 最低流動化空気量保障手段
23 最低循環気量保障手段
26〜30 関数器
31 加算器
32〜34 高値選択器
35 乗算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの排ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御方法であって、
最低流動化空気量保障手段が、前記燃焼炉において流動層を形成することが要求される運転状態において、前記燃焼炉において流動層を形成するための必要最低限の空気流量である最低流動化空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御し、
最低循環空気量保障手段が、前記燃焼炉の流動媒体を循環させることが要求される運転状態において、前記燃焼炉の流動媒体を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する、ことを特徴とする循環流動層ガス化装置の空気流量制御方法。
【請求項2】
前記ガス化炉に原料が供給されていないときは、前記最低流動化空気量保障手段が、最低流動化空気量下限値を下回らないように前記空気流量を制御し、
前記ガス化炉に原料が供給されているときは、前記最低循環空気量保障手段が、最低循環空気流量下限値を下回らないように前記空気流量を制御する、請求項1記載の空気流量制御方法。
【請求項3】
燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御装置であって、
前記燃焼炉において流動層を形成することが要求される運転状態において、前記燃焼炉において流動層を形成するための必要最低限の空気流量である最低流動化空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低流動化空気量保障手段と、
前記燃焼炉の流動媒体を循環させることが要求される運転状態において、前記燃焼炉の流動媒体を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低循環空気量保障手段と、
を備える、ことを特徴とする空気流量制御装置。
【請求項4】
最低流動化空気量保障手段は、前記ガス化炉に原料が供給されていないときは、最低流動化空気量下限値を下回らないように前記空気流量を制御し、
最低循環空気量保障手段は、前記ガス化炉に原料が供給されているときは、最低循環空気流量下限値を下回らないように前記空気流量を制御する、請求項3記載の空気流量制御装置。
【請求項5】
燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御装置であって、
前記燃焼炉において流動層を形成することが要求される運転状態において、前記燃焼炉において流動層を形成するための必要最低限の空気流量である最低流動化空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低流動化空気量保障手段を備える、ことを特徴とする空気流量制御装置。
【請求項6】
燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する空気流量制御装置であって、
前記燃焼炉の流動媒体を循環させることが要求される運転状態において、前記燃焼炉の流動媒体を循環させるための必要最低限の空気流量である最低循環空気流量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低循環空気量保障手段を備える、ことを特徴とする空気流量制御装置。
【請求項7】
前記最低流動化空気量下限値は、前記燃焼炉内の流動媒体の温度と相関を持つ質量流量である請求項3乃至5のいずれか記載の空気流量制御装置。
【請求項8】
前記最低循環空気量下限値は、前記燃焼炉内の流動媒体の温度と相関を持つ質量流量である請求項3,4又は6記載の空気流量制御装置。
【請求項9】
前記ガス化炉に供給される原料と前記燃焼炉に供給される燃料の両方又は一方の供給量に基づいて、前記燃焼炉において所望の燃焼状態を維持するための必要最低限の空気流量である最低燃焼空気量下限値を算出し、該最低燃焼空気量下限値を下回らないように前記燃焼炉に供給する空気流量を制御する最低燃焼空気量保障手段を備える請求項1乃至8のいずれか記載の空気流量制御装置。
【請求項10】
燃焼炉において、流動媒体と原料から生成されたチャーとを供給された空気によって流動化させるとともにチャーを燃焼させ、前記燃焼炉からの燃焼ガスから流動媒体を分離し、ガス化炉において、分離された前記流動媒体を導入して該流動媒体を流動化させるとともに供給された原料を流動層によりガス化し、前記ガス化炉から前記燃焼炉に前記流動媒体と前記チャーを戻すように構成した循環流動層ガス化装置において、請求項3乃至10のいずれか記載の空気流量制御装置を備えることを特徴とする循環流動層ガス化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−229042(P2009−229042A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78398(P2008−78398)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】