説明

微孔性膜の製造方法及び装置

【課題】濡れ剤の塗布部分からのカビ菌の発生を防止できる微孔性膜の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】微孔性膜44の製造装置10は、イオン交換水を用いて濡れ剤を調製する調製タンク58と、調製した濡れ剤を微孔性膜44に塗布するハケ部材62と、調製前のイオン交換水を加熱して殺菌するためのジャケット79とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微孔性膜の製造方法及び装置に係り、特に製薬工業、食品工業、電子工業、原子力工業などの分野で用いられるポリスルホン系の微孔性膜の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製薬工業、食品工業などの分野では、0.1〜5μm程度の微粒子や菌を除去するために微孔性膜が用いられる。この微孔性膜は一般に、セルロースエステル、脂肪族ポリアミド、ポリフルオロカーボン、ポリスルホン、ポリプロピレン等を原料として製造される。
【0003】
微孔性膜には、微孔の孔径が膜厚方向に均一な対称膜と、孔径が膜厚方向に変化する非対称膜とがある。特許文献1には、膜の内部に最小孔径層を有する微孔性膜を製造する方法が記載されている。この微孔性膜は、膜の表面の孔径が内部の孔径よりも大きいので、濾過抵抗が小さく、且つ、微粒子や菌の補足効率が高い。また、特許文献1の微孔性膜は、その表面を欠損しても濾過性能が劣化せず、常に高い濾過性能を維持することができる。
【0004】
このような微孔性膜は、たとえばカートリッジに組み込まれて使用される(特許文献2参照)。カートリッジは通常、微孔性膜の組み込み後に完全性試験が行われる。この試験は、微孔性膜にピンホールや破れなどの欠陥がないことを確認するためであり、たとえばバブルポイント法、拡散流量法、圧力保持法が用いられる。いずれの方法においても、微孔性膜を濡らした状態で試験が行われる。しかし、カートリッジの組み込まれた微孔性膜は、カートリッジとのシール部、すなわち微孔性膜の幅方向の端部において濡れにくいという問題がある。このため、特許文献2では、幅方向の両端部に濡れ剤を塗布している。
【特許文献1】特開昭63−139930号公報
【特許文献2】特開2002−224539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、濡れ剤にはポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーが用いられるため、そのままではカビ菌が発生しやすいという問題がある。特に微孔性膜を食品製造工場や医薬品製造工場で使用する場合には、濡れ剤や膜の原料に防腐剤を入れることができないため、濡れ剤の塗布部分にカビ菌が発生しやすいという問題がある。
【0006】
このため、従来は、微孔性膜をカートリッジに組み込んだ後に、カートリッジ全体を殺菌処理しなければならなかった。しかしながら、カートリッジに組み込んだ後であるため、微孔性膜の完全な殺菌処理が難しいという問題があり、微孔性膜の製造の段階で、カビ菌の発生しにくい微孔性膜が欲しいという要望がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、濡れ剤の塗布部分からのカビ菌の発生を防止できる微孔性膜を製造する製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、イオン交換水を用いて濡れ剤を調製する濡れ剤調製工程と、前記調製した濡れ剤を微孔性膜の表面に塗布する濡れ剤塗布工程と、を有する微孔性膜の製造方法において、前記濡れ剤調製工程で調製する前の前記イオン交換水を加熱して殺菌する加熱殺菌工程を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は前記目的を達成するために、濡れ剤を調製する濡れ剤調製工程と、前記調製した濡れ剤を微孔性膜の表面に塗布する濡れ剤塗布工程と、を有する微孔性膜の製造方法において、前記濡れ剤調製工程で調製した前記濡れ剤を加熱して殺菌する加熱殺菌工程を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の発明者は、濡れ剤の塗布部でカビ菌が発生する主な原因が、濡れ剤の調製に用いるイオン交換水にあり、このイオン交換水を加熱殺菌するか、あるいは調製後の濡れ剤を加熱殺菌することによって、濡れ剤の塗布部分からカビ菌が発生することを防止できるという知見を得た。
【0011】
本発明はこのような知見に基づいて成されたものであり、調製前のイオン交換水または調製後の濡れ剤を加熱殺菌するようにしたので、濡れ剤の塗布部分からカビ菌が発生することを防止できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は請求項2の発明において、前記加熱殺菌工程は、前記濡れ剤を40℃以上75℃以下の温度で、5分以上10分以下の時間で加熱殺菌処理することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記微孔性膜は、食品工業用又は製薬工業用であることを特徴とする。食品工業や製薬工業で用いられる微孔性膜は、防腐剤を用いることができないのでカビ菌が発生しやすいが、このような用途の微孔性膜の製造に本発明を適用するとカビ菌の発生を防止でき、効果的である。
【0014】
請求項5に記載の発明は前記目的を達成するために、イオン交換水を用いて濡れ剤を調製する調製タンクと、前記調製タンクで調製した濡れ剤を微孔性膜に塗布する塗布装置と、を備えた微孔性膜の製造装置において、前記調製タンクで調製される前のイオン交換水を加熱して殺菌する加熱殺菌手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は前記目的を達成するために、濡れ剤を調製する調製タンクと、前記調製タンクで調製した濡れ剤を微孔性膜に塗布する塗布装置と、を備えた微孔性膜の製造装置において、前記調製タンクで調製した濡れ剤を加熱して殺菌する加熱殺菌手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調製前のイオン交換水または調製後の濡れ剤を加熱殺菌するようにしたので、濡れ剤の塗布部分からカビ菌が発生することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下添付図面に従って本発明に係る微孔性膜の製造方法及び装置の好ましい実施形態について説明する。
【0018】
図1は本実施の形態における微孔性膜の製造装置の構成を模式的に示している。同図に示す溶解タンク12は、微孔性膜形成用のドープを調製するタンクであり、この溶解タンク12の内部で、膜形成用のポリマーが溶媒に溶解されてドープが調製される。溶解タンク12にはジャケット14が取りつけられており、このジャケット14に熱媒体を循環させることによって、溶解タンク12内のドープが一定温度に保持される。
【0019】
溶解タンク12内のドープは、その温度及び溶解状態が安定した状態で、送液ポンプ16によって塗布装置のダイ18に送られる。そして、ドープは、ダイ18の先端から帯状支持体20に向けて連続的に吐出される。
【0020】
帯状支持体20は、たとえばポリエステルフィルムから成り、ロール状に巻回されて巻戻ローラ22に装着されている。帯状支持体20は、巻戻ローラ22から巻き戻され、ドラム24に巻きかけられて支持される。そして、この帯状支持体20は、後述の凝固槽26内でガイドローラ28、28にガイドされた後、ガイドローラ30、剥離ローラ32を経て、巻取ローラ34によってロール状に巻回される。
【0021】
前述のダイ18から吐出されたドープは、ドラム24に巻きかけ支持された支持体20上に流延塗布される。これにより、帯状支持体20の表面にドープの液膜(後に微孔性膜44となる膜)が形成される。
【0022】
ドープの液膜が形成された帯状支持体20は、まず、調湿ゾーン36を鉛直に下方向に走行する。調湿ゾーン36は、そのケーシング38が、ドラム24から凝固槽26までの帯状支持体20の液膜側表面を覆うように形成されている。また、調湿ゾーン36の内部は、調湿されたエアが帯状支持体20の走行方向に(すなわち下方に向けて)送風されている。具体的には、調湿ゾーン36の上部に調湿エアの給気口36Aが設けられ、調湿ゾーン36の下部に調湿エアの排気口36Bが設けられる。給気口36Aと排気口36Bには、循環ダクト40が接続されており、この循環ダクト40に空調機42が設けられる。空調機42は、排気口36Bからエアを吸引し、このエアの温湿度を調節した後、給気口36Aに送気する。これにより、所定の温室度に調節された調湿エアが調湿ゾーン36に送気され、調湿ゾーン36の内部が所定の温湿度に維持される。
【0023】
なお、調湿エアは、温度15〜60℃で、相対湿度10〜80%、風速0.2〜4m/secの範囲内で調節することが好ましい。また、調湿ゾーン36では、帯状支持体20の表面の液膜が、調湿エアに2〜17秒間、曝されることが好ましい。
【0024】
調湿ゾーン36を通過することによって帯状支持体20上の液膜は、表面から内部に向かってコアセルベーションを起こし、微細なコアセルベーション相を液膜の表面から内部に形成する。すなわち、調湿ゾーン36では、空気中から非溶媒蒸気(たとえば水分)を吸収せしめる一方で溶媒を蒸発させ、表面近傍にのみ相分離状態を作り出すので、後述の凝固槽26で微孔性膜を形成した際に、膜の内部に微細孔を形成し、膜の表面に比較的大きな細孔を形成することができる。
【0025】
調湿ゾーン36を通過した帯状支持体20は、凝固槽26内のガイドローラ28、28にガイドされて走行することによって、凝固槽26内の凝固液に浸漬される。凝固液としては、ドープのポリマーに対して非溶媒であり、且つ、ポリマーの溶媒に相溶性を有する液(たとえば水)が好ましい。この凝固液に浸漬されることによって、帯状支持体20の表面の液膜は、溶媒が溶けて凝固液に置換され、溶媒置換が行われる。そして、調湿ゾーン36で形成されたコアセルベーション相を微細孔として固定させると同時に、液膜の相分離によって微細孔以外の細孔を形成し、微孔性膜44が形成される。
【0026】
微孔性膜44は帯状支持体20に密着した状態で凝固槽26から導出される。そして、剥離ローラ32によって帯状支持体20が微孔性膜44から剥離され、剥離後の帯状支持体20が巻取ローラ34に巻き取られる。
【0027】
一方、剥離後の微孔性膜44は、フィードローラ46を駆動することによって走行し、水洗槽48に導入される。水洗槽48の内部には、水洗液中にターンバー50、50…が設けられており、このターンバー50、50…によって微孔性膜44がガイドされる。そして、微孔性膜44が水洗槽48内の水洗液中を走行することによって、微孔性膜44に付着した溶媒等が洗い落とされる。
【0028】
水洗後の微孔性膜44は、乾燥室52に送られる。乾燥室52には、乾燥ドラム54、54…が設けられており、この乾燥ドラム54、54…に巻きかけられることによって微孔性膜44が乾燥される。
【0029】
乾燥後の微孔性膜44は、濡れ剤の塗布室56に送られる。塗布室56には、濡れ剤の調製タンク58が設けられており、この調製タンク58によって濡れ剤が調製される。濡れ剤としては、食品や医薬品に混入しても安全であり、且つ、水に容易に洗浄除去可能な材料が好ましい。たとえばポリビニルピロリドン及びその誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びそれらの誘導体、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びそれらの誘導体などの親水性ポリマーは、安全性が高く、濡らし効果が高く、且つ水洗で容易に洗い落とせるので好ましい。同様の理由から、炭素数が6〜24のアルキルスルホン酸塩及び蔗糖高級脂肪酸エステルなどの界面活性剤も好ましい。このアルキルスルホン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩が好ましく、蔗糖脂肪酸エステルの脂肪酸は、炭素数は6〜24が好ましい。
【0030】
調製タンク58内の濡れ剤は、不図示のポンプによってチューブ60を介して送液される。チューブ60の先端には、フェルト等から成るハケ部材62が設けられており、このハケ部材62が、ガイドローラ64、64にガイドされた微孔性膜44の幅方向の両端部に接触するようになっている。これにより、微孔性膜44の幅方向の両端部に濡れ剤が塗布される。
【0031】
濡れ剤の塗布量としては、たとえばポリビニルピロリドン及びその誘導体の場合、1〜6g/mが好ましく、2〜4g/mがより好ましい。メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びそれらの誘導体の場合には0.1〜1g/mが好ましく、0.2〜0.6g/mがより好ましい。界面活性剤の場合には、0.05〜0.1g/mが好ましく、0.1〜0.3g/mがより好ましい。塗布する位置は、膜のそれぞれの端から数ミリメートルだけでよい。
【0032】
なお、濡れ剤の塗布方法は、上記の方法に限定されるものではなく、たとえば、濡れ剤をスポンジや布に染み込ませたものを微孔性膜44に接触させることによって塗布したり、ビードコータ、グラビアコータ、バーコーターなどの既知の塗布方法で塗布したりしてもよい。
【0033】
濡れ剤が塗布された微孔性膜44は、濡れ剤の乾燥室66に送られる。乾燥室66には、無接触搬送ドラム68、68が設けられており、このドラム68、68の外周面には、エアを吹き出す多数の孔が設けられる。微孔性膜44は、このドラム68、68に巻きかけられることによって、無接触で支持されて搬送され、微孔性膜44の表面の濡れ剤が乾燥処理される。
【0034】
濡れ剤が乾燥した微孔性膜44は、所定の温湿度に調節された調整室70内をガイドローラ72、72…にガイドされて走行した後、巻取室74に送られてロール状に巻き取られる。
【0035】
次に本発明の特徴部分である濡れ剤の塗布工程について説明する。図2は、濡れ剤調製工程及び塗布工程の第1の実施形態を模式的に示したものである。以下、濡れ剤として、ポリビニルピロリドンとイオン交換水とを混合して調製する例で説明する。
【0036】
図2に示すように、調製タンク58は、配管75を介してイオン交換水のタンク76に接続されており、このタンク76内のイオン交換水が不図示の送液手段によって送液され、配管75を介して調製タンク58に供給される。また、調製タンク58は、配管77を介してポリビニルピロリドンのタンク78に接続されており、このタンク78内のポリビニルピロリドンが不図示の送液手段によって送液され、配管77を介して調製タンク58に供給される。
【0037】
タンク76には、イオン交換水の加熱殺菌手段として、ジャケット79が装着されている。このジャケット79には、熱媒体(蒸気や温水など)の循環ライン(不図示)が接続されており、所望の温度に制御した熱媒体がジャケット79に供給されるようになっている。したがって、タンク76を加熱することができ、タンク76内のイオン交換水を加熱殺菌することができる。
【0038】
調製タンク58には、加熱殺菌されたイオン交換水と、タンク78内のポリビニルピロリドンが計量されて送液される。これにより、濡れ剤として、所定濃度(たとえば5%)のポリビニルピロリドン溶液が調製される。調製された濡れ剤は、チューブ60を介してハケ部材62に送液され、ハケ部材62によって微孔性膜44の幅方向の両端部に塗布される。
【0039】
上述したように、本実施の形態では、加熱殺菌したイオン交換水を用いて濡れ剤を調製している。このように調製前のイオン交換水を加熱殺菌すると、調製後の濡れ剤からはカビ菌が発生しにくい。したがって、微孔性膜44に塗布された濡れ剤からカビ菌が発生することを防止できる。
【0040】
なお、上述した第1の実施形態は、タンク76内のイオン交換水を加熱して殺菌するようにしたが、調製前のイオン交換水を加熱して殺菌するのであればよく、たとえば配管75にジャケットを装着することによって配管75内のイオン交換水を加熱して殺菌するようにしてもよい。
【0041】
また、上述した第1の実施形態は、ジャケット79によってイオン交換水を加熱殺菌するようにしたが、加熱殺菌手段はこれに限定するものではなく、ヒーターや熱交換器などの他の加熱手段を用いてもよい。
【0042】
図3は、濡れ剤調製工程及び塗布工程の第2の実施形態を模式的に示している。同図に示すように、第2の実施形態は、濡れ剤の加熱殺菌手段として、調製タンク58にジャケット59が装着されている。このジャケット59には、熱媒体(蒸気や温水など)の循環ライン(不図示)が接続されており、所望の温度に制御した熱媒体がジャケット59に供給されるようになっている。したがって、調製タンク58を所望の温度に加熱することができ、調製タンク58内の濡れ剤を加熱殺菌することができる。調製タンク58の加熱温度は、40℃以上75℃以下が好ましく、加熱時間は5分以上10分以下が好ましい。これは加熱温度が高くなったり加熱時間が長くなったりすると、濡れ剤の成分に影響を及ぼす可能性があり、逆に加熱温度が低くなったり加熱時間が短くなったりすると、加熱殺菌の効果が低くなるためである。
【0043】
上記の如く構成された第2の実施形態によれば、調製後の濡れ剤を加熱殺菌するようにしたので、濡れ剤からカビ菌を除去することができ、微孔性膜44に塗布された濡れ剤からカビ菌が発生することを防止できる。
【0044】
なお、上述した第2の実施形態は、調製タンク58内の濡れ剤を加熱して殺菌するようにしたが、調製後の濡れ剤を加熱して殺菌するのであればよく、たとえば、チューブ60にジャケットを装着することによってチューブ60内の濡れ剤を加熱殺菌するようにしてもよい。
【0045】
また、上述した第2の実施形態は、ジャケット59によって濡れ剤を加熱殺菌するようにしたが、加熱殺菌手段はこれに限定するものではなく、ヒーターや熱交換器などの他の加熱手段を用いてもよい。
【0046】
また、上述した第2の実施の形態において、第1の実施形態と同様に、タンク76にジャケット79を装着してイオン交換水を加熱殺菌するようにしてもよい。すなわち、調製前のイオン交換水と、調製後の濡れ剤の両方を加熱殺菌するようにしてもよい。これにより、濡れ剤の塗布部分からカビ菌が発生することをさらに確実に防止することができる。
【0047】
なお、上述した第1、第2の実施形態において、濡れ剤が接触する部分とその原料が接触する部分(すなわち、調製タンク58、タンク76、78、配管75、77、チューブ60及びハケ部材62)を、使用前に殺菌処理することが好ましい。殺菌処理方法は特に限定するものではないが、たとえば、エタノール溶液(エタノール70%以上が好ましい)によって殺菌処理することが好ましい。また、沸騰水によって加熱殺菌するようにしてもよい。
【0048】
また、上述した第1、第2の実施形態において、調製前のイオン交換水や調製後の濡れ剤を濾過してカビ菌を捕集除去する構成にすると、濡れ剤の塗布部分からのカビ菌が発生することをさらに確実に防止することができる。たとえば、孔径0.1〜0.7μmのフィルタを有する濾過装置を、配管75又はチューブ60に配設することによって、カビ菌の発生を確実に防止することができる。
【0049】
また、上述した第1、第2の実施形態で示した濡れ剤調製工程及び塗布工程に対して、図4に示す濡れ剤乾燥工程を組み合わせると、塗布後の濡れ剤からのカビ菌の発生をさらに効果的に防止することができる。図4に示す濡れ剤乾燥室66には、無接触搬送ドラム68、68とガイドローラ69、69が設けられている。濡れ剤乾燥室66の内部において微孔性膜44は、その表面側(濡れ剤の塗布面側)がドラム68、68によって無接触でガイドされ、裏面側がガイドローラ69、69によって直接接触してガイドされて搬送される。なお、ドラム68とガイドローラ69の個数及び配置は図4に限定されるものではなく、たとえば一個又は三個以上のドラム68を設けてもよい。
【0050】
ドラム68は、図5に示すように円筒状に形成される。ドラム68の一方の側面(不図示)は封止され、もう一方の側面は給気口68Aが設けられており、この給気口68Aからドラム68の内部にエアが給気される。また、ドラム68の外周面には、多数の貫通孔68B、68B…が形成されており、ドラム68の内部に給気されたエアを貫通孔68B、68B…から外部に向けて噴射できるようになっている。貫通孔68B、68B…は、ドラム68の外周面のうち、微孔性膜44がラップする範囲において(すなわち、微孔性膜44が対向する範囲において)、均等な間隔で千鳥状に配置されている。これにより、ドラム68にラップされた微孔性膜44を、貫通孔68Bから噴射したエアによって安定して浮上支持することができる。なお、ドラム68の内部にその内部空間を幅方向に区切る規制板(不図示)を幅方向に移動自在に設け、この規制板を微孔性膜44の幅方向の端部位置に合わせるとよい。この場合、規制板の内側にエアを供給することによって、微孔性膜44に対向する孔68B、68B…のみからエアが噴射されるので、微孔性膜44をより安定して浮上支持することができる。
【0051】
図4に示すように、ドラム68、68の給気口68A、68Aには、送気ライン82、82が接続される。この送気ライン82、82は、ヒータユニット88、フィルタユニット86を介して、ファン84の送風口に接続されており、ファン84の吸気口は吸気ライン83を介して乾燥室66に連通される。したがって、ファン84を駆動することによって乾燥室66内のエアが吸気ライン83に吸い込まれ、送気ライン82を介してドラム68、68の給気口68A、68Aに送気される。
【0052】
送気ライン82に配設されたヒータユニット88は、送気ライン82内のエアを所望の温度に加熱する装置である。このヒータユニット88によって、エアが乾燥に適した温度に調節される。
【0053】
フィルタユニット86は、その内部にHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air)が設けられている。HEPAフィルタは、0.3μmの微粒子を99.97%捕
集除去できる集塵力を有しており、このHEPAフィルタにエアを通過させることによって、送気ライン82内からカビ菌を捕集除去することができる。したがって、除菌したエアをドラム68に供給することができる。
【0054】
上記の如く構成された濡れ剤乾燥工程によれば、除菌したエアがドラム68に供給され、このエアがドラム68の貫通孔68Bから噴射されて濡れ剤の塗布面に吹きつけられるので、未乾燥の濡れ剤にカビ菌が付着することを防止できる。したがって、上述した濡れ剤の調製工程や塗布工程と組み合わせることによって、塗布後の濡れ剤にカビ菌が発生することをより確実に防止できる。
【0055】
なお、HEPAフィルタにヒノキチオール等の抗菌成分を含有させると、除菌性能をさらに向上させることができる。
【0056】
以下に、本発明で用いられる微孔性膜形成用のドープについて説明する。ドープには、膜形成用ポリマーが含まれており、このポリマーを、良溶媒、または良溶媒と非溶媒の混合溶媒、若しくはポリマーに対する溶解性の異なる複数種の溶媒の混合液に溶解することによって作製される。
【0057】
ポリマーの種類は特に限定するものではなく、微孔性膜の用途等に合わせて選択される。たとえば、ポリマーとして、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマーのケン化物、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、オルガノシロキサン−ポリカーボネートコポリマー、ポリエステルカーボネート、オルガノポリシロキサン、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズィミダゾール等をあげることができる。
【0058】
また、溶媒は、ポリマーの種類等によって異なるが、凝固液に速やかに置換されるものが好ましい。多くの場合、凝固液として、水及び/又は水に相溶する有機溶媒が使用されるので、凝固液と相溶性のある極性溶媒を使用することが好ましい。たとえば、膜形成用ポリマーがポリスルホンの場合、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、或いはこれらの混合溶媒が用いられる。また、ポリマーがポリアクリロニトリルの場合には、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が好ましく、ポリマーがポリアミドの場合には、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等が好ましく、ポリマーがセルロースアセテートの場合には、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等が好ましい。
【0059】
非溶媒を混合する場合の非溶媒としては、水、セルソルブ類、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ポリエチレングリコール、グリセリン等があげられる。非溶媒の良溶媒に対する割合は、混合液が均一状態を保てる範囲ならば如何なる範囲でもよいが、5〜50重量%が好ましい。
【0060】
ポリマー溶液には、多孔質構造を制御するものとして、膨潤剤と称される無機電解質、有機電解質、または、高分子、あるいは、その電解質ポリマーを加えることが好ましい。膨潤剤としては、食塩、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム等の有機酸の金属塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の高分子、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の高分子電解質、ジオクチルスルホンコハク酸ナトリウム、アルキルメチルタウリン酸ナトリウム等のイオン系界面活性剤等が用いられる。これらの膨潤剤は、単独で溶液にくわえてもよいが、水溶液として添加することによって顕著な効果を示す。また、膨潤剤の添加量は、その添加によって溶液の均一性が損なわれない範囲であれば特に限定はないが、通常、溶媒に対して0.5容量%〜10容量%である。さらに、膨潤剤の濃度についても特に制限はなく、濃度の大きい方が大きな効果が得られ、通常は1重量%〜60重量%が好ましい。
【0061】
ポリマー溶液の濃度は、5〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。これは、35重量%を超えると、得られる微孔性膜の透水性が実用的な意味を持たないほど小さくなり、反対に5重量%未満になると十分な分離能を持った微孔性膜が得られないためである。
【実施例】
【0062】
(実施例1−1)
精密ろ過膜の製造ポリスルホン(アモコ社製 P−3500)15部、N−メチル−2−ピロリドン70部、ポリビニルピロリドン15部、塩化リチウム2部、水1.3部を均一に溶解して製膜原液を作成した。これを用いて、製品厚さが180μmになるように流延し、温度25℃、相対湿度50%、風速1.0m/秒の空気を8秒間流延した液膜表面に当て、直ちに25℃の水を満たした凝固浴中へ浸漬し微孔性膜を得た。そして、微孔性膜の幅方向両端部の各10mm幅に濡れ剤を塗布した。濡れ剤は、濡れ剤調製用のイオン交換水を60℃で5分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。また、濡れ剤の塗布はビニルチューブの先端に細長いフェルトを挿入し、フェルトの先端部をチューブから約1cmを出して微孔性膜に軽く接触させ、無脈動ポンプでフェルトに毎分2.5mlの流量で濡れ剤を送った。この膜を乾燥したのち、塗布位置のほぼ中央位置で膜の両端部を裁断し、膜幅240mmで巻き取った。
【0063】
(実施例1−2)
濡れ剤調製用のイオン交換水を60℃で10分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0064】
(実施例1−3)
濡れ剤調製用のイオン交換水を50℃で5分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0065】
(実施例1−4)
濡れ剤調製用のイオン交換水を70℃で5分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0066】
(実施例1−5)
濡れ剤調製用のイオン交換水を75℃で5分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0067】
(実施例1−6)
濡れ剤調製用のイオン交換水を40℃で5分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0068】
(実施例1−7)
濡れ剤調製用のイオン交換水を30℃で5分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0069】
(実施例1−8)
濡れ剤調製用のイオン交換水を60℃で15分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0070】
(実施例1−9)
濡れ剤調製用イオン交換水を40℃で3分加熱後、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0071】
(比較例1−1)
濡れ剤調製用のイオン交換水を加熱せず、ポリビニルピロリドンを添加し、ビニルピロリドン3.5%溶液を調製した。それ以外は実施例1−1と同条件で実施した。
【0072】
上記の条件で製膜された微孔性膜の評価を行った。評価は、1)濡れ剤の塗布液を1万倍に希釈し、培地で35℃1日培養し、発生した菌数をカウントした。また、2)塗布部の腐敗性:膜端部濡れ剤を塗布した膜を25℃、70%RH、14日放置後、巾10mm長さ50cmの範囲でカビ発生数をカウントした。さらに、生産性:加熱時間が10分を超えるかどうかを評価した。以下にその結果を示す。
【0073】
【表1】

表1から分かるように、加熱殺菌なしの比較例1−1は、濡れ剤塗布液から多量の菌が発生し、微孔性膜の端部からカビ菌が発生した。これに対し、イオン交換水を加熱殺菌した実施例1−1〜9は、濡れ剤塗布液の菌発生を抑制することができ、微孔性膜のカビ菌の発生を抑制することができた。
【0074】
また、実施例1−1〜9のうち、加熱温度が40℃未満である実施例1−6や加熱温度が5分未満である1−9では、菌の発生を抑制する効果が小さかった。これに対して、40℃以上の加熱温度で5分以上の加熱処理を行った実施例1〜5は、濡れ剤塗布液の菌発生と、微孔性膜のカビ菌の発生を完全に防止できた。したがって、加熱温度は40℃以上、加熱時間は5分以上が好ましい。なお、加熱時間が10分超になると生産性が低下するので、加熱時間は10分以下が好ましい。
【0075】
(実施例2−1)
実施例1−1においてイオン交換水を加熱処理せずにポリビニルピロリドンを添加してビニルピロリドン3.5%溶液を調製し、その調製液を60℃で5分加熱した。それ以外は、実施例1−1と同条件で実施した。
【0076】
(実施例2−2)
ビニルピロリドン3.5%溶液を60℃で10分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0077】
(実施例2−3)
ビニルピロリドン3.5%溶液を50℃で5分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0078】
(実施例2−4)
ビニルピロリドン3.5%溶液を70℃で5分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0079】
(実施例2−5)
ビニルピロリドン3.5%溶液を75℃で5分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0080】
(実施例2−6)
ビニルピロリドン3.5%溶液を40℃で5分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0081】
(実施例2−7)
ビニルピロリドン3.5%溶液を30℃で5分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0082】
(実施例2−8)
ビニルピロリドン3.5%溶液を60℃で15分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0083】
(実施例2−9)
ビニルピロリドン3.5%溶液を40℃で3分加熱した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0084】
(比較例2−1)
ビニルピロリドン3.5%溶液を加熱せずに塗布した。それ以外は実施例2−1と同条件で実施した。
【0085】
上記の条件で製膜された微孔性膜の評価を行った。評価は、1)濡れ剤の塗布液を1万倍に希釈し、培地で35℃1日培養し、発生した菌数をカウントした。また、2)塗布部の腐敗性:膜端部濡れ剤を塗布した膜を25℃、70%RH、14日放置後、巾10mm長さ50cmの範囲でカビ発生数をカウントした。さらに、生産性:加熱時間が10分を超えるかどうかを評価した。以下にその結果を示す。
【0086】
【表2】

表2から分かるように、表1で示した結果と同様の結果が得られた。すなわち、加熱殺菌なしの比較例2−1は、濡れ剤塗布液から多量の菌が発生し、微孔性膜の端部からカビ菌が発生した。これに対し、イオン交換水を加熱殺菌した実施例2−1〜9は、濡れ剤塗布液の菌発生を抑制することができ、微孔性膜のカビ菌の発生を抑制することができた。
【0087】
また、実施例2−1〜9のうち、加熱温度が40℃未満である実施例2−6や加熱温度が5分未満である2−9では、菌の発生を抑制する効果が小さかった。これに対して、40℃以上の加熱温度で5分以上の加熱処理を行った実施例2〜5は、濡れ剤塗布液の菌発生と、微孔性膜のカビ菌の発生を完全に防止できた。したがって、加熱温度は40℃以上、加熱時間は5分以上が好ましい。また、加熱時間が10分超になると生産性が低下するので、加熱時間は10分以下が好ましい。
【0088】
なお、加熱温度を80℃とした場合でも試験を行ったが、この場合には、濡れ剤の成分によって菌の発生にバラツキがあった。したがって、加熱温度は75℃以下とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る微孔性膜の製造装置を示す構成図
【図2】第1の実施形態の濡れ剤調製工程及び塗布工程を示す構成図
【図3】第2の実施形態の濡れ剤調製工程及び塗布工程を示す構成図
【図4】好ましい濡れ剤乾燥工程を示す構成図
【図5】図4のドラムを示す斜視図
【符号の説明】
【0090】
10…微孔性膜の製造装置、12…溶解タンク、18…ダイ、20…帯状支持体、24…ドラム、26…凝固槽、36…調湿ゾーン、44…微孔性膜、48…水洗槽、50…ターンバー、52…乾燥室、56…濡れ剤の塗布室、58…調製タンク、59…ジャケット、66…濡れ剤の乾燥室、68…ドラム、80…濾過装置、76…タンク、79…ジャケット、86…フィルタユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換水を用いて濡れ剤を調製する濡れ剤調製工程と、前記調製した濡れ剤を微孔性膜の表面に塗布する濡れ剤塗布工程と、を有する微孔性膜の製造方法において、
前記濡れ剤調製工程で調製する前の前記イオン交換水を加熱して殺菌する加熱殺菌工程を有することを特徴とする微孔性膜の製造方法。
【請求項2】
濡れ剤を調製する濡れ剤調製工程と、前記調製した濡れ剤を微孔性膜の表面に塗布する濡れ剤塗布工程と、を有する微孔性膜の製造方法において、
前記濡れ剤調製工程で調製した前記濡れ剤を加熱して殺菌する加熱殺菌工程を有することを特徴とする微孔性膜の製造方法。
【請求項3】
前記加熱殺菌工程は、前記濡れ剤を40℃以上75℃以下の温度で、5分以上10分以下の時間で加熱殺菌処理することを特徴とする請求項2に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項4】
前記微孔性膜は、食品工業用又は製薬工業用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の微孔性膜の製造方法。
【請求項5】
イオン交換水を用いて濡れ剤を調製する調製タンクと、前記調製タンクで調製した濡れ剤を微孔性膜に塗布する塗布装置と、を備えた微孔性膜の製造装置において、
前記調製タンクで調製される前のイオン交換水を加熱して殺菌する加熱殺菌手段を備えたことを特徴とする微孔性膜の製造装置。
【請求項6】
濡れ剤を調製する調製タンクと、前記調製タンクで調製した濡れ剤を微孔性膜に塗布する塗布装置と、を備えた微孔性膜の製造装置において、
前記調製タンクで調製した濡れ剤を加熱して殺菌する加熱殺菌手段を備えたことを特徴とする微孔性膜の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−289936(P2007−289936A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79897(P2007−79897)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】