説明

微生物防除組成物

【課題】高い分散性を確保することができ、かつ、長期にわたって優れた貯蔵安定性を維持することのできる、微生物防除組成物を提供すること。
【解決手段】微生物防除組成物として、微生物防除成分と、ショ糖脂肪酸エステルと、20℃での2重量%水溶液の粘度が10000mPa・s未満であるセルロース系増粘剤とを含有させる。本発明の微生物防除組成物は、高い分散性を確保することができ、かつ、長期にわたって優れた貯蔵安定性を維持することができる。そのため、本発明の微生物防除組成物を、容易に調製して、長期にわたって安定して、貯蔵することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物防除組成物、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻を防除する微生物防除組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種の工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような有害微生物の繁殖を防除するために、抗菌、防かび、防腐、防藻効果を発現する種々の微生物防除組成物が広く使用されている。
また、このような微生物防除組成物は、その用途および目的に応じて、種々の剤型に製剤されている。
【0003】
上記した微生物防除組成物として、例えば、ブプロフェジン(有効成分)と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーおよびアルキルベンゼンスルホン酸塩と、キサンタンガムとを含有する水性懸濁製剤が提案されている(例えば、特許文献1参照、実施例3。)。
【特許文献1】特開2004−155672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、特許文献1で提案される水性懸濁製剤からも分かるように、水性懸濁製剤などの水系懸濁剤として調製する場合には、有効成分を水に懸濁させるべく、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのポリオキシエチレン基を含有するノニオン性界面活性剤が必要となる。
しかし、ポリオキシエチレン基を含有するノニオン性界面活性剤は、その分解により、ホルマリンを発生することが知られている。
【0005】
そのため、近年、環境負荷の観点から、ポリオキシエチレン基を有するノニオン性界面活性剤を含有する水系懸濁剤から、ポリオキシエチレン基を有しないノニオン性界面活性剤を含有する水系懸濁剤への転換が、望まれている。
しかし、ポリオキシエチレン基を有しないノニオン性界面活性剤を含有させると、水系懸濁剤の分散性が低下するという不具合がある。
【0006】
また、特許文献1で提案されるようなキサンタンガムを含有させると、キサンタンガムの分子量が高いため、水系懸濁剤として調製すると、水系懸濁剤がハードケーキになったり、水系懸濁剤のハンドリング性が低下するという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、高い分散性を確保することができ、かつ、長期にわたって優れた貯蔵安定性を維持することのできる、微生物防除組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明者らは、微生物防除成分と、ポリオキシエチレン基を含有しないノニオン性界面活性剤とを含有する微生物防除組成物について鋭意検討したところ、低粘度の増粘剤を併用すると、高い分散性を確保することができ、かつ、長期にわたって優れた貯蔵安定性を維持することのできる、微生物防除組成物を調製できる知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)微生物防除成分と、オキシエチレン基を含有しないノニオン性界面活性剤と、20℃での2重量%水溶液の粘度が10000mPa・s未満である増粘剤とを含有することを特徴とする、微生物防除組成物、
(2)前記微生物防除成分として、少なくともヨウ素系化合物を含有していることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除組成物、
(3)前記ノニオン性界面活性剤が、ショ糖脂肪酸エステルであることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の微生物防除組成物、
(4)前記ノニオン性界面活性剤は、そのHLBが10〜20であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の微生物防除組成物、
(5)さらに、アニオン性界面活性剤を含有していることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の微生物防除組成物、
(6)前記増粘剤が、セルロース系増粘剤であることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の微生物防除組成物、
(7)水系懸濁剤であることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の微生物防除組成物
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の微生物防除組成物によれば、高い分散性を確保することができ、かつ、長期にわたって優れた貯蔵安定性を維持することができる。そのため、本発明の微生物防除組成物を、容易に調製して、長期にわたって安定して、貯蔵することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の微生物防除組成物は、微生物防除成分と、オキシエチレン基を含有しないノニオン性界面活性剤と、20℃での2重量%水溶液の粘度が10000mPa・s未満である増粘剤とを含有している。
本発明において、微生物防除成分は、特に限定されず、例えば、防腐、防かび、防藻のうち、少なくともいずれかの効力を有する有効成分が挙げられる。
【0011】
微生物防除成分としては、特に限定されず、例えば、ヨウ素系化合物、トリアゾール系化合物、スルファミド系化合物、ビス四級アンモニウム塩系化合物、四級アンモニウム塩系化合物、フタロニトリル系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物、チオカルバメート系化合物、ニトリル系化合物、フタルイミド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ピリジン系化合物、ピリチオン系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、トリアジン系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物、イミダゾール系化合物、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、フェニルウレア系化合物などが挙げられる。
【0012】
ヨウ素系化合物としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(慣用名:IPBC)、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール(商品名:IF−1000、長瀬産業(株)製)、1−[[(3−ヨード−2−プロピニル)オキシ]メトキシ]−4−メトキシベンゼン、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボネート(商品名:サンプラス、(株)三共製)などが挙げられる。
【0013】
トリアゾール系化合物としては、例えば、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)などが挙げられる。
【0014】
スルファミド系化合物としては、例えば、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミド(商品名:プリベントールA4/S、バイエル製)、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−4−トリルスルファミド(商品名:プリベントールA5、バイエル製)などが挙げられる。
ビス四級アンモニウム塩系化合物としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(商品名:ダイマー38、イヌイ(株)製)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(商品名:ダイマー38A、イヌイ(株)製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)(商品名:ダイマー136、イヌイ(株)製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムアセテート)(商品名:ダイマー136A、イヌイ(株)製)などが挙げられる。
【0015】
四級アンモニウム塩系化合物としては、例えば、ジ−n−デシル−ジメチルアンモニウムクロライド、1−ヘキサデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、コータミンD10EPR(花王(株)製)などが挙げられる。
フタロニトリル系化合物としては、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(商品名:ノプコサイドN−96、サンノプコ(株)製)などが挙げられる。
【0016】
ジチオール系化合物としては、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンなどが挙げられる。
チオフェン系化合物としては、例えば、3,3,4−トリクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどが挙げられる。
【0017】
チオカルバメート系化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどが挙げられる。
ニトリル系化合物としては、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどが挙げられる。
フタルイミド系化合物としては、例えば、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captafol)、N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captan)、N−ジクロロフルオロメチルチオフタルイミド(Fluorfolpet)、N−トリクロロメチルチオフタルイミド(Folpet)などが挙げられる。
【0018】
ハロアルキルチオ系化合物としては、例えば、N−ジメチルアミノスルホニル−N−トリル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Tolylfluanide)、N−ジメチルアミノスルホニル−N−フェニル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Dichlofluanide)、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−N、N’−ジメチル−N−フェニル−スルファミドなどが挙げられる。
【0019】
ピリジン系化合物としては、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジンなどが挙げられる。
ピリチオン系化合物としては、例えば、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオンなどが挙げられる。
ベンゾチアゾール系化合物としては、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
【0020】
トリアジン系化合物としては、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどが挙げられる。
グアニジン系化合物としては、例えば、1,6−ジ−(4’−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などが挙げられる。
尿素系化合物としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
【0021】
イミダゾール系化合物としては、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート(慣用名:MBC)、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート塩酸塩、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールなどが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
【0022】
ニトロアルコール系化合物としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノールなどが挙げられる。
フェニルウレア系化合物としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
これら微生物防除成分は、単独または併用して用いられる。
【0023】
これら微生物防除成分のうち、好ましくは、ヨウ素系化合物、トリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、微生物防除成分として、少なくともヨウ素系化合物を含有していることが好ましい。このような微生物防除成分を用いれば、より一層高い分散性を確保して、長期にわたって、優れた貯蔵安定性を維持することができる。
本発明において、ノニオン性界面活性剤は、下記式(1)で示されるオキシエチレン基を含有しないノニオン性界面活性剤であれば、特に限定されず、
【0024】
【化1】

【0025】
例えば、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルは、その分子中に8個の水酸基を有するショ糖と、脂肪酸とのモノエステル、ジエステル、トリエステルまたはポリ(テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタまたはオクタ)エステルである。
脂肪酸としては、特に限定されず、長鎖の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸であって、より具体的には、例えば、オクタデカン酸(慣用名:ステアリン酸)、ヘキサデカン酸(慣用名:パルミチン酸)、テトラデカン酸(慣用名:ミリスチン酸)、ドデカン酸(慣用名:ラウリン酸)、ドコサン酸(慣用名:ベヘニン酸)などの長鎖の飽和脂肪酸、オクタデセン酸(慣用名:オレイン酸)、ドコセン酸(慣用名:エルカ酸)などの長鎖の不飽和脂肪酸などが挙げられる。
【0026】
ショ糖脂肪酸エステルは、市販品を用いることができ、このようなショ糖脂肪酸エステルは、そのエステル種類(モノエステル、ジエステル、トリエステルおよびポリエステル)が、1種類、または、2種類以上の混合物である。
ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、DKエステル(第一工業製薬(株)製、以下同じ)SS(HLB19)、DKエステルF−160(HLB15)、DKエステルF−140(HLB13)、DKエステルF−110(HLB11)、DKエステルF−90(HLB9.5)、DKエステルF−70(HLB8)、DKエステルF−50(HLB6)、DKエステルF−20W(HLB2)、DKエステルF−10(HLB1)などが挙げられる。
【0027】
これらショ糖脂肪酸エステルは、単独または併用して用いられる。
本発明において、ノニオン性界面活性剤は、そのHLBが、例えば、10〜20、好ましくは、13〜20である。HLBが、上記した範囲にあれば、分散安定性の効果がある。
HLBは、次式(グリフィンの式)により算出される。
【0028】
HLB=20×{1−(S/A)}
S:多価アルコールエステルのけん化価
A:脂肪酸の中和価(酸価)
本発明において、増粘剤としては、例えば、セルロース系増粘剤などが挙げられ、好ましくは、ノニオン性のセルロース系増粘剤などが挙げられる。
【0029】
ノニオン性のセルロース系増粘剤としては、例えば、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロール(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などが挙げられる。
増粘剤は、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業(株)の「メトローズ」カタログ(1998年9月版、第4頁)に記載されているものが用いられ、より具体的には、メトローズ(信越化学工業(株)製、以下同じ)SMシリーズ(メチルセルロース)、メトローズSHシリーズ(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、メトローズSEシリーズ(ヒドロキシエチルメチルセルロース)などが挙げられる。
【0030】
本発明において、増粘剤は、20℃での2重量%水溶液の粘度が、例えば、10000mPa・s未満、好ましくは、1000mPa・s未満、通常、2mPa・s以上である。増粘剤が、上記した範囲の低粘度であれば、微生物防除組成物を後述する水系懸濁剤に製剤するときに、増粘剤が、微生物防除成分の保護コロイドを形成して、優れた分散性を確保することができ、かつ、長期にわたって優れた貯蔵安定性を維持することができる。
【0031】
20℃での2重量%水溶液の粘度は、例えば、B型粘度計(回転粘度計)により、測定することができる。なお、粘度が、60000Pa・s以上および100Pa・s以下の粘度グレードは、例えば、ウベローデ型粘度計(毛細管粘度計)により測定することができる。
また、本発明の微生物防除組成物は、好ましくは、さらに、アニオン性界面活性剤を含有している。
【0032】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙げられ、金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。好ましくは、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸金属塩のナトリウム塩が挙げられる。
【0033】
アニオン性界面活性剤は、単独または併用して用いられる。
本発明において、微生物防除組成物の配合割合は、微生物防除成分100重量部に対して、ノニオン性界面活性剤が、例えば、0.1〜30重量部、好ましくは、0.2〜20重量部、増粘剤が、例えば、0.1〜100重量部、好ましくは、0.5〜50重量部、必要によりアニオン性界面活性剤が、例えば、0.1〜30重量部、好ましくは、0.1〜20重量部である。
【0034】
さらに、本発明の微生物防除組成物には、その目的および用途などに応じて、公知の添加剤、例えば、消泡剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加してもよい。
消泡剤としては、例えば、鉱物油や疎水性シリカなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0035】
光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
これら添加剤は、単独または併用して用いられる。
これら添加剤の配合割合は、特に限定されず、剤型、目的および用途によって適宜選択され、水系懸濁剤として製剤する場合には、微生物防除成分100重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部である。
【0036】
なお、後述する水系懸濁剤として製剤する場合には、微生物防除成分100重量部に対して、各成分の合計の残余の重量部にて、水が配合される。
そして、この微生物防除組成物は、特に限定されず、その目的および用途に応じて、例えば、水系懸濁剤、液剤(水剤および油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなど、公知の種々の剤型に製剤(調製)することができる。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製することもできる。
【0037】
好ましくは、水系懸濁剤に、製剤する。また、まず、水系懸濁剤に製剤した後、さらに上記した種々の剤型に製剤することもできる。
本発明の微生物防除組成物を水系懸濁剤として製剤するには、例えば、微生物防除成分、ノニオン性界面活性剤、増粘剤、必要によりアニオン性界面活性剤、さらに必要により添加剤など、各成分を、上記した配合割合で、水に配合し、例えば、ビーズミル、ニーダー、リボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムミキサーまたはV字混合機などの公知の混合機を用いて、混合し、微生物防除成分を水中に分散(懸濁)させる。
【0038】
そして、本発明の微生物防除組成物によれば、高い分散性を確保することができ、かつ、長期にわたって高い優れた貯蔵安定性を維持することができる。そのため、本発明の微生物防除組成物を、容易に調製して、長期にわたって安定して、貯蔵することができる。
本発明の微生物防除組成物は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉粉、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤、繊維処理剤、木部処理剤、石膏ボード、軽量コンクリート(ALC)板、天井材、床材などの各種工業製品における微生物防除組成物として好適に用いられる。
【0039】
なお、本発明の微生物防除組成物は、その適用対象に対して適宜選択すればよいが、例えば、適用対象において、約0.005〜5重量%、好ましくは、0.01〜2重量%程度の有効成分濃度となるように、添加される。
【実施例】
【0040】
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC、商品名:プリベントールMP−100、バイエル(株)製、純度99重量%)30.00重量部、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)1.50重量部、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部、鉱油・疎水性シリカ混合物0.20重量部を、水66.70重量部中に加えて撹拌混合した後、さらに、連続式ビーズミルにて150ml/分の流速で混合することにより、水系懸濁剤を得た。
【0041】
実施例2
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0042】
実施例3
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水65.70重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0043】
実施例4
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード400(20℃における2重量%水溶液粘度450mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0044】
実施例5
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部の代わりに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.45重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水65.85重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0045】
実施例6
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部の代わりに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.30重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水66.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0046】
実施例7
ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)1.50重量部の代わりに、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)0.90重量部を用い、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水66.30重量部用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0047】
実施例8
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水65.70重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0048】
実施例9
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード400(20℃における2重量%水溶液粘度450mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.20重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水66.50重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0049】
実施例10
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード1500(20℃における2重量%水溶液粘度1500mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0050】
実施例11
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード4000(20℃における2重量%水溶液粘度4500mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0051】
実施例12
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード4000(20℃における2重量%水溶液粘度4500mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0052】
実施例13
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシエチルメチルセルロース(メトローズSE、粘度グレード04T(20℃における2重量%水溶液粘度4500mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0053】
実施例14
ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)1.50重量部の代わりに、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)2.10重量部を用い、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムを加えず、水66.70重量部の代わりに、水65.70重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0054】
実施例15
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、鉱油・疎水性シリカ混合物を加えず、水66.70重量部の代わりに、水65.90重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0055】
実施例16
3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC、商品名:プリベントールMP−100、バイエル(株)製、純度99重量%)30.00重量部の代わりに、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC、商品名:プリベントールMP−100、バイエル(株)製、純度99重量%)10.00重量部とメチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート(MBC、商品名:プリベントールBCM、バイエル(株)製、純度99重量%)10.00重量部とを用い、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)1.50重量部の代わりに、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)0.50重量部を用い、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)3.00重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部の代わりに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.40重量部を用い、鉱油・疎水性シリカ混合物0.60重量部の代わりに、鉱油・疎水性シリカ混合物0.40重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水75.70重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0056】
実施例17
3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC、商品名:プリベントールMP−100、バイエル(株)製、純度99重量%)30.00重量部の代わりに、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC、商品名:プリベントールMP−100、バイエル(株)製、純度99重量%)5.00重量部とメチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート(MBC、商品名:プリベントールBCM、バイエル(株)製、純度99重量%)6.00重量部とを用い、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)1.50重量部の代わりに、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)0.22重量部を用い、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)3.00重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部の代わりに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.40重量部を用い、鉱油・疎水性シリカ混合物0.60重量部の代わりに、鉱油・疎水性シリカ混合物0.40重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水84.98重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0057】
比較例1
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード10000(20℃における2重量%水溶液粘度10000mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0058】
比較例2
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード15000(20℃における2重量%水溶液粘度15000mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0059】
比較例3
ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160、HLB15、第一工業製薬(株)製)を加えず、メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)2.00重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部の代わりに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム2.10重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水65.70重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0060】
比較例4
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、キサンタンガム(20℃における2重量%水溶液粘度10000mPa・s)1.00重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部の代わりに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.45重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水66.85重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0061】
比較例5
メチルセルロース(メトローズSM、粘度グレード100(20℃における2重量%水溶液粘度100mPa・s)、信越化学工業(株)製)1.00重量部の代わりに、ポリアクリル酸系増粘剤(20℃における2重量%水溶液粘度23000mPa・s)0.50重量部を用い、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.60重量部の代わりに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.30重量部を用い、水66.70重量部の代わりに、水67.50重量部を用いた以外は、実施例1と同様の成分および操作により、水系懸濁剤を得た。
【0062】
(評価)
(貯蔵安定性)
各実施例および各比較例で得られた水系懸濁剤を、密封容器に移し、常温で1週間、放置した。放置後の分散状態を目視により観察して、貯蔵安定性を評価した。その結果を、表1に示す。
【0063】
なお、水系懸濁剤の貯蔵安定性は、下記の基準で評価した。
○:ケーキングしなかった
△:若干ケーキングしたが、容易に再分散した
×:ハードケーキングし、再分散しなかった
【0064】
【表1】

【0065】
なお、表1中、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートは、IPBCの略号、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメートは、MBCの略号で示す。また、表1中、各成分の欄の数値は、各成分の配合重量部数(重量部)を示す。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の微生物防除組成物は、各種の工業製品に使用することができ、とりわけ、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすい各種の工業製品に使用することができ、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉粉、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤、繊維処理剤、木部処理剤、石膏ボード、軽量コンクリート(ALC)板、天井材、床材などの各種工業製品に好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物防除成分と、オキシエチレン基を含有しないノニオン性界面活性剤と、20℃での2重量%水溶液の粘度が10000mPa・s未満である増粘剤とを含有することを特徴とする、微生物防除組成物。
【請求項2】
前記微生物防除成分として、少なくともヨウ素系化合物を含有していることを特徴とする、請求項1に記載の微生物防除組成物。
【請求項3】
前記ノニオン性界面活性剤が、ショ糖脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1または2に記載の微生物防除組成物。
【請求項4】
前記ノニオン性界面活性剤は、そのHLBが10〜20であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の微生物防除組成物。
【請求項5】
さらに、アニオン性界面活性剤を含有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の微生物防除組成物。
【請求項6】
前記増粘剤が、セルロース系増粘剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の微生物防除組成物。
【請求項7】
水系懸濁剤であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の微生物防除組成物。

【公開番号】特開2007−204441(P2007−204441A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26734(P2006−26734)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【特許番号】特許第3950154号(P3950154)
【特許公報発行日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(503140056)日本エンバイロケミカルズ株式会社 (95)
【Fターム(参考)】