説明

微粉炭吹込速度推定方法

【課題】中間タンクからインジェクションタンクに微粉炭を供給し、インジェクションタンクから微粉炭を連続的に気体輸送する際に、工程によらず、常時、正確に微粉炭の吹込量を推定できるようにする。
【解決手段】インジェクションタンクにおける微粉炭重量の変化量を、中間タンクやインジェクションタンク内の気体重量、中間タンクやインジェクションタンク内の圧力、中間タンクやインジェクションタンクの重量測定結果から選択される2以上の要因を用いて補正して、微粉炭の吹込速度を推定することにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インジェクションタンクと中間タンクとを上下に直列に接続し、中間タンクの圧力調整によって、中間タンクへの微粉炭の受け入れ、および、インジェクションタンクへの微粉炭の投入をくり返し行うと共に、インジェクションタンクの重量測定を行いつつ、インジェクションタンクから微粉炭を連続的に高圧輸送する際における、微粉炭の吹込み速度の推定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、高炉への連続的な微粉炭のガス輸送(気体輸送)において、微粉炭のガス輸送管が接続されるインジェクションタンクと、このインジェクションタンクに微粉炭を投入する中間タンクとを直列に接続してなる設備が知られている。
【0003】
このような2台のタンクを直列に接続した連続供給系においては、それぞれのタンクの重量を計量して微粉炭の単位時間当りの輸送重量を検出し、その検出結果に応じて、微粉炭の吹込速度(微粉炭の輸送)を制御するようにしている(特許文献1および2)。
たとえば、特許文献1には、中間タンク(均圧ホッパ)およびインジェクションタンク(計量ホッパ)に設けたロードセルにより重量の変化量を検知し、この検知結果を用いて輸送ガスの供給量等を制御することで、微粉炭の輸送量を制御することにより、高炉の羽口部を介して炉内に微粉炭を吹き込む技術が開示されている。
【0004】
このような微粉炭の(高圧)連続輸送系の一例を、図1に示す。
図1に示す連続輸送系10は、鉛直方向に配列された、微粉炭ホッパ12、中間タンク14およびインジェクションタンク16(以下、吹込タンク16とする)の3つのタンクを有する。連続輸送系10において、この3つのタンクは、直列に接続されている。
具体的には、微粉炭ホッパ12と中間タンク14とが受入配管18によって接続され、中間タンク14と吹込タンク16とが投入配管20によって接続されている。
また、受入配管18の途中には、受入配管18を開閉する受入弁26、および、微粉炭ホッパ12と中間タンク14との間で、互いに与える影響を軽減するための受入可撓管28が、設けられている。さらに、投入配管20の途中には、投入配管20を開閉する投入弁30、および、中間タンク14と吹込タンク16との間で、互いに与える影響を軽減するための投入可撓管32が設けられている。
【0005】
微粉炭ホッパ12は、微粉炭を貯留するタンクで、内部は大気圧となっている。
【0006】
微粉炭ホッパ12の下には、受入配管18によって接続される、中間タンク14が配置される。
中間タンク14の下部には、中間タンク加圧気体供給管34が接続される。この中間タンク加圧気体供給管34には、中間タンク14にN2ガスや空気などの加圧気体を供給するための、図示しない加圧気体供給源が接続される。
さらに、中間タンク14の上部には、中間タンク14の内部を大気圧に開放するための、開放管36および開放弁38が設けられる。
【0007】
さらに、中間タンク14には、中間タンク14の重さ(中間タンク14内部の微粉炭の重さ)を測定する中間タンクロードセル40、および、中間タンク14の内圧を測定するための中間タンク圧力計42が設けられる。
【0008】
中間タンク14の下には、投入配管20によって接続される、吹込タンク16が配置される。
吹込タンク16の下部には、吹込加圧気体供給管46が接続される。
【0009】
吹込タンク16内には、この吹込加圧気体供給管46によって、図示しない供給源からN2ガスや空気などの加圧気体が供給され、吹込タンク16内の微粉炭を流動(エアレーション)させる。
従って、吹込タンク16の内圧は、常時、所定の加圧状態となっている。
【0010】
また、吹込タンク16の下部には、輸送管48が接続される。この輸送管48は、吹込タンク16の内部まで連通しており、吹込タンク16の内部に、一方の端部(開放端)が配置される。輸送管48のタンク内部の開放端は、漏斗状に拡径して、かつ、下方に向けて開口している。
また、輸送管48の他方の端部は、微粉炭の輸送目的地、例えば、高炉の羽口部に接続される。
この輸送管36には、ブースタ管50が接続される。ブースタ管50には、図示しない供給源から、吹込タンク16内の微粉炭を気体輸送するための、ブースタ気体が供給される。
【0011】
前述のように、吹込タンク16内の微粉炭は、吹込加圧気体供給管46から供給される加圧気体によって流動される。また、流動された吹込タンク16内の微粉炭は、ブースタ管50から輸送管48に供給されるブースタ気体によって、吹込タンク16内の開放端から輸送管48内に吸引され、さらに、輸送管48内を輸送されて、高炉の羽口部に吹き込まれる。
すなわち、吹込タンク16から、目的地である高炉羽口部への微粉炭の吹込速度(微粉炭の輸送量)は、主に、ブースタ管50へのブースタ気体の供給量(流量)によって、制御される。
【0012】
さらに、吹込タンク16には、吹込タンク16の重さ(吹込タンク16内部の微粉炭の重さ)を測定するインジェクションタンクロードセル52(以下、吹込タンクロードセル52とする)、および、吹込タンク16の内圧を測定するインジェクションタンク圧力計54(以下、吹込タンク圧力計54とする)が設けられる。
【0013】
このような連続輸送系10において、中間タンク14は、微粉炭ホッパ12の内圧と吹込タンク16の内圧との違いを補償するため設置される。
【0014】
具体的には、中間タンク14が、微粉炭ホッパ12から微粉炭を受け入れる際には、中間タンク14の開放弁36を開放して、中間タンク14の内圧を微粉炭ホッパ12の内圧すなわち大気圧とほぼ等しくなるようにする(中間タンク14を排圧する)。
その後、受入弁18を開放して、中間タンクロードセル40による重量測定の下、所定量の微粉炭を、微粉炭ホッパ12から中間タンク14に供給する。
【0015】
他方、中間タンク14から吹込タンク16に微粉炭を投入する時には、中間タンク加圧気体供給管34から加圧気体を供給して、中間タンク14内の内圧を吹込タンク16の内圧(加圧状態)とほぼ等しくなるようにする(中間タンク14を均圧にする)。
その後、投入弁30を開放して、中間タンク14内の微粉炭を吹込タンク16に投入する。投入中は、中間タンク加圧気体供給管34から加圧気体によって、中間タンク14の内圧は、均一に保たれる。
【0016】
連続輸送系10においては、吹込タンク16から高炉羽口への微粉炭の輸送を連続的に行いつつ、吹込タンクロードセル52によって、吹込タンク16内の微粉炭量が所定量まで減少したことを知見したら、微粉炭ホッパ12から中間タンク14に供給された微粉炭を、吹込タンク16に補給する。すなわち、連続輸送系10においては、吹込タンク16内の微粉炭量の減少に応じて、微粉炭ホッパ12から中間タンク14に供給された微粉炭の吹込タンク16への投入(払い出し)を、間欠的に行う。
また、中間タンク14は、排圧による微粉炭の受け入れと、均圧による微粉炭の投入とを、繰り返し行う(交互に行う)。
【0017】
従来より、図1に示すような連続輸送系10において、吹込タンクロードセル52による計量結果から、吹込タンク16内の微粉炭の重量変化を検出して、吹込タンク16から高炉羽口への微粉炭の吹込速度(吹込量)を算出している。
この重量変化による微粉炭の吹込速度の検出結果を用いて、微粉炭を輸送するためのブースタ気体の供給量を制御する。
【0018】
ここで、このような吹込タンク16(その内部の微粉炭)の重量測定は、各種の要因に影響を受ける。具体的には、
(1)中間タンク14の均圧や排圧操作による圧力状態変化に起因する、中間タンクロードセル40および吹込タンクロードセル52への反力の影響力、
(2)中間タンク14の重量に起因する、吹込タンク16の吹込タンクロードセル52に対する影響力と、その反力による中間タンクロードセル40への影響力、および、
(3)中間タンク14および吹込タンク16内のガス重量の変動による影響力、等が例示される。
【0019】
しかしながら、特許文献1等に示される微粉炭の連続輸送系では、このような要因の影響力を考慮していない。
その結果、中間タンク14の均圧や排圧中、中間タンク14の微粉炭の受け入れ中、および、吹込タンク16への微粉炭の投入中は、吹込タンクロードセル52による重量の測定結果が、前述の各種の要因の影響を受け、正確に吹込速度を算出できない。
【0020】
この課題を解決する方法として、特許文献2には、図1に示すような連続輸送系10において、吹込タンクロードセル52の重量から測定する微粉炭重量の変化量を、中間タンク(均圧タンク)14の内圧と重量、吹込タンク16の内圧と重量、および、吹込タンク16内の気体重量から選ばれる要因の組み合わせによって補正して、微粉炭の吹込速度(吹込量)を制御することが開示されている。
【0021】
具体的には、中間タンク14の均圧および排圧等による圧力状態変化に起因する吹込タンクロードセル52への影響力Fpは、中間タンク14および吹込タンク16が空の状態で各圧力を変化させ、その圧力を検出することで、実験的に求められる。
また、中間タンク14の重量に起因する吹込タンクロードセル52への影響力Fwは、中間タンク14と吹込タンク16とを空の状態として、中間タンク14に重量既知の種々のおもりを吊すことにより、同じく実験的に求められる。
【0022】
さらに、吹込タンクロードセル52のロードセル値をWL; 微粉炭の真の重量をWr; 吹込タンク16の容積をV; 微粉炭の密度をΓPC; 窒素ガスの密度をΓN2; 吹込タンク16内の気体圧力をP; とすると、吹込タンク16内のガスの重量Wgは、下記の関係式(101)を用いて求めることができる。
【数1】

【0023】
前記圧力状態変化による吹込タンクロードセル52への影響力Fp、中間タンク14の重量による吹込タンクロードセル52への影響力Fw、および、吹込タンク16内の加圧ガスの重量Wgを補正量とし、吹込タンクロードセル52の重量読み値WLとすると、これらのパラメータと微粉炭の真の重量Wrとの関係は、関係式(102)で示すことができる。
【数2】

【0024】
従って、この関係式(101)および関係式(102)から、吹込タンク16内の微粉炭の真の重量Wrは、下記の関係式(103)で求めることができる。
【数3】

【0025】
特許文献2に開示される方法では、このようにして関係式(103)によって求めた、吹込タンク16内の微粉炭の真の重量Wrを用いて、この真の重量Wrの変化量dWr/dtを算出する。
この変化量dWr/dtから、吹込タンク16から輸送した微粉炭の吹込速度を求め、ブースタ気体の供給量の制御など、吹込タンク16からの微粉体の輸送の制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開昭57−101605号公報
【特許文献2】特開平7−126719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
特許文献2に示される制御方法によれば、吹込タンクロードセル52での測定結果のみから微粉炭の投入速度を算出する方法に比して、高精度に吹込タンク16からの微粉炭の吹込速度を算出できる。
【0028】
しかしながら、図1に示されるような中間タンク14とインジェクタタンク16とを直列で接続した連続輸送系10では、吹込タンクロードセル52による吹込タンク16の重量測定結果(微粉炭の重量測定結果)は、前述の(1)〜(3)の要因以外にも、吹込タンク16の内圧やガス重量、吹込タンク16に微粉炭を補充する中間タンク14の内圧と重量、および、中間タンク14内のガスの重量の影響にも、影響を受ける。
そのため、特許文献2に示される方法でも、中間タンク14の均圧操作や排圧操作中、中間タンク14の微粉炭を受け入れ中、および、吹込タンク16への微粉炭の払い出し中は、十分な精度で微粉炭の吹込速度を検出することができない。
【0029】
また、吹込速度を高精度に計算できない時間は、微粉炭の吹込速度の増加に伴い増加する。しかも、微粉炭の吹込速度が向上すれば、吹込タンク16に微粉炭を補充してから、次に補充するまでの1サイクルの時間は短くなる。
すなわち、吹込速度が高くなるほど、吹込速度を正確に計算できない時間の割合が増加する。言い換えれば、吹込速度を上げるほど、正確に吹込速度を計算可能な時間が、減少するという問題がある。
【0030】
さらに、前述のように、特許文献1や特許文献2に示される従来の方法では、吹込速度を、吹込タンク16(微粉炭)の重量の微分値から計算している。
そのため、中間タンク14から吹込タンク16に微粉炭を投入する工程、すなわち、吹込タンク16の重量が急激に増加する工程では、吹込速度を正確に計算できない。
【0031】
加えて、中間タンクロードセル40(中間タンク14内の微粉炭)の重量測定結果も、中間タンク14の内圧や吹込タンク16の内圧による影響を受ける。
そのため、特許文献2に示される方法では中間タンク14の重量による影響力に誤差が生じてしまい、吹込タンク16の重量を正確に計算できない、という問題もある。
【0032】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、中間タンクとインジェクションタンクとを直列に接続して、高圧気体による気体輸送によってインジェクションタンクから微粉炭を輸送する微粉炭の輸送系において、工程によらず、微粉炭の吹込速度を正確に検出することができ、これにより、常時、高精度に微粉炭の輸送を制御することを可能にする、微粉炭の吹込速度推定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前記目的を達成するために、本発明は、インジェクションタンク内の微粉炭重量の変化を、インジェクションタンクの内圧、内部ガス重量、中間タンクの内圧、内部ガス重量および重量測定結果で補正することで吹込速度計算の精度を向上させる。
また、インジェクションタンクに微粉炭を投入する工程では、インジェクションタンク内の微粉炭の重量が増加するため、インジェクションタンク内の微粉炭の重量変動からは、正確な吹込速度の計算が困難な場合も有る。これに対し、本発明においては、好ましくは、少なくともインジェクションタンクに微粉炭を投入する工程では、インジェクションタンク内のガス重量を補正したインジェクションタンク内の微粉体重量と、中間タンク内のガス重量を補正した中間タンク内の微粉体重量との総重量を求め、その総重量の微分値から吹込速度を計算する。
【0034】
すなわち、本発明の微粉炭の吹込速度推定方法は、直列に接続された中間タンクとインジェクションタンクを用い、前記中間タンクからインジェクションタンクに微粉炭を投入し、前記インジェクションタンクから目的地への前記微粉炭の連続的な気体輸送における、微粉炭の吹込速度の推定方法であって、前記中間タンク内の圧力をインジェクションタンク内の圧力と等しくする均圧による、前記中間タンクからインジェクションタンクへの微粉炭の投入と、前記中間タンク内の圧力を中間タンクへの微粉炭の供給源と等しくする排圧による、前記中間タンクへの微粉炭の受け入れとを繰り返し行うと共に、前記中間タンクおよびインジェクションタンクの重量測定を行って、その測定結果から知見したインジェクションタンク内の微粉炭重量の変化量を用いて、前記微粉体を輸送する気体の吹込速度を推定するものであり、かつ、前記微粉炭重量の変化量を、前記中間タンク内の気体重量、前記インジェクションタンク内の気体重量、前記中間タンク内の圧力、前記インジェクションタンク内の圧力、前記中間タンクの重量測定結果、および、前記インジェクションタンクの重量測定結果の6つの要因から選択される2以上の要因を用いて補正して、微粉炭の吹込速度を算出することを特徴とする微粉炭の吹込速度推定方法を提供する。
【0035】
このような本発明の微粉炭の吹込速度推定方法において、前記中間タンクは、何の処理も行わない待機工程、前記均圧を行う均圧工程、前記均圧工程が終了した後のインジェクションタンクへの微粉炭の投入を行う投入工程、前記排圧を行う排圧工程、および、前記排圧工程が終了した後の微粉炭を受け入れる受入工程を繰り返し行うものであり、少なくとも前記投入工程においては、前記6つの要因から選択された2以上の要因を用いて補正された、前記中間タンク内の微粉炭の重量とインジェクションタンク内の微粉炭の重量の総重量の変化から、前記気体の吹込速度の推定を行うのが好ましい。
また、前記6つの要因から選択された2以上の要因に、前記中間タンク内の気体重量およびインジェクションタンク内の気体重量が含まれるのが好ましい。
【発明の効果】
【0036】
上記構成を有する本発明によれば、中間タンクの重量、中間タンクの内圧、中間タンク内のガス重量、インジェクションタンクの内圧、および、インジェクションタンク内のガス重量などの影響に関わらず、吹込速度を高精度に計算できる。また、インジエクションタンクに微粉炭を補充する工程においては、好ましくは、上記要因を用いて補正した中間タンク内の微粉炭重量とインジェクションタンク内の微粉炭重量との和の変化量から、計算するため、この間も吹込速度を計算できる。
従って、本発明によれば、工程によらず、常に吹込速度を正確に計算できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の微粉炭の吹込速度推定方法を実施する、微粉炭の(高圧)連続輸送系の一例を概念的に示す図である。
【図2】図1に示す連続輸送系における各工程、および、各工程における中間タンクの重量、中間タンクの内圧、および、インジェクションタンクの重量の変化を概念的に示すグラフである。
【図3】図1に示す連続輸送系における一操業事例での中間タンクロードセル値、中間タンク内圧、吹込タンクロードセル値、および吹込速度の時間変化を示すグラフである。
【図4】本発明による吹込速度の算出結果の一例と、従来の方法による吹込速度の算出結果の一例とを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付の図面を参照して、本発明の微粉炭の吹込速度推定方法について詳細に説明する。
【0039】
本発明の微粉炭の吹込速度推定方法は、好適な一例として、前述の図1に示す微粉炭の(高圧)連続輸送系10によって、行われる。
前述のように連続輸送系10は、直列に接続された、微粉炭ホッパ12、中間タンク14および吹込タンク(インジェクションタンク)16を有する。微粉炭ホッパ12と中間タンク14とが受入配管18によって接続され、中間タンク14と吹込タンク16とが投入配管20によって接続されている。
【0040】
中間タンク14は、内圧(内部の圧力)が大気圧である微粉炭ホッパ12と内圧が高圧の加圧状態である吹込タンク16との内圧の差を補償するため設置されるもので、微粉炭ホッパ12から微粉炭を受け入れ、受け入れた微粉炭を吹込タンク16に投入する。
連続輸送系10において、中間タンク14が微粉炭ホッパ12から微粉炭を受け入れる際には、開放弁36を開放して、中間タンク14の内圧を微粉炭ホッパ12と同じ大気圧とする、排圧を行う。その後、受入弁18を開放して、微粉炭ホッパ12内の微粉炭を中間タンク14に投入する。
また、連続輸送系10において、中間タンク14から吹込タンク16に微粉炭を投入する際には、中間タンク加圧気体供給管34から中間タンク14内に加圧気体を供給して、中間タンク14の内圧を吹込タンク16の内圧を等しくする、均圧を行う。その後、投入弁30を開放して、中間タンク14内の微粉炭を吹込タンク16に投入する。
【0041】
前述のように、連続輸送系10においては、この排圧による中間タンク14での微粉炭ホッパ12からの微粉炭の受け入れと、均圧による中間タンク14から吹込タンク16への微粉炭の投入とを、交互に、繰り返し行う。
【0042】
吹込タンク16内の微粉炭は、ブースタ管50から輸送管48に供給されるブースタ気体によって、連続的に輸送管48内を輸送されて、高炉の羽口部に吹き込まれる。
すなわち、吹込タンク16から、目的地である高炉羽口部への微粉炭の吹込速度(微粉炭の吹込量(輸送量))は、主に、ブースタ管50へのブースタ気体の供給量(流量)によって、制御される。
【0043】
ここで、中間タンク14には、中間タンクロードセル40および中間タンク圧力計42が配置され、中間タンク14の重量(内部の微粉炭の重量)および中間タンク14の内圧が測定される。
また、吹込タンク16には、吹込(インジェクション)タンクロードセル52および吹込(インジェクション)タンク圧力計54が配置され、吹込タンク16の重量(内部の微粉炭の重量)および吹込タンク16の内圧が測定される。
連続輸送系10においては、基本的に、吹込タンクロードセル52による吹込タンク16の重量測定結果から、吹込タンク16内の微粉炭の重量を測定する。さらに測定した吹込タンク16内の微粉炭の重量の変化から、微粉炭の吹込速度(輸送速度)を算出し、この吹込速度を用いて、吹込タンク16からの微粉炭の輸送(ブースタ管50へのブースタ気体の供給量)を制御する。
【0044】
ところが、前述のように、吹込タンク16の重量測定結果は、中間タンク14の重量や内圧、ガス重量、吹込タンク16の内圧など、様々な要因に影響を受ける。
これに対し、本発明においては、吹込タンク16あるいはさらに中間タンク14内の微粉炭の重量の変化量(ロードセルによる重量測定結果)を、中間タンク14内の気体重量、吹込タンク16内の気体重量、中間タンク14の内圧、吹込タンク16の内圧、中間タンク14の重量測定結果、および、吹込タンク16の重量測定結果の6つの要因から選択される2以上の要因を用いて補正して、微粉炭の吹込速度を算出(推定)する。
【0045】
以下の説明では、一例として、
Wgi; 吹込タンク内のガス重量[t]
Vi; 吹込タンクの内容積[m3
Wli; 吹込タンクロードセル値(重量測定結果)[t]
Pi; 吹込タンクの内圧[kPa]
Wgm; 中間タンク内のガス重量[t]
Vm; 中間タンクの内容積[m3
Wlm; 中間タンクロードセル値[t]
Pm; 中間タンクの内圧[kPa]
ρPC; 微粉炭の密度[t/m3
ρN2; 加圧ガス(一例として、N2ガス)の密度[t/m3
とする。
【0046】
基本的に、吹込タンク16内の微粉炭の重量Wiは、下記の関係式(1)で示すことができる。
【数4】

【0047】
本発明では、吹込タンクロードセル値Wli(吹込タンクロードセル52による重量測定結果)や、中間タンクロードセル値Wlm(中間タンクロードセル40による重量測定結果)を、前述のように、中間タンク14および吹込タンク16のガス重量、中間タンク14および吹込タンク16の内圧、中間タンク14および吹込タンク16の重量の1以上によって補正して、微粉炭の吹込速度を算出する。
以下、具体的な一例を示す。
【0048】
吹込タンク16内のガス重量Wgiは、下記の関係式(2)で、中間タンク14内のガス重量Wgmは、下記の関係式(3)で、それぞれ、示すことができる。
【数5】

【数6】

【0049】
これらの吹込タンク16内のガス重量Wgi、および、中間タンク14内のガス重量Wgmに加え、吹込タンク16の内圧による影響力Fpi、中間タンク14の内圧による影響力Fpm、および、中間タンク重量による影響力Fwを補正量として用いることにより、吹込タンク16内の微粉炭の重量、および、中間タンク14内の微粉炭の重量を、高精度に求めることができる。
【0050】
吹込タンク16の内圧Piによる、中間タンクロードセル40への影響力、および、吹込タンクロードセル52への影響力Fpiは、中間タンク14の重量および吹込タンク16の重量が変動しない際における、吹込タンク16の圧力変動時の中間タンク16の重量変動値、および、吹込タンク16の重量変動値から求めることができる。
それぞれの変動値は、絶対値が等しく、符号が逆である。
【0051】
また、中間タンク14の内圧Pmによる、中間タンクロードセル40への影響力、および、吹込タンクロードセル52への影響力Fpmは、中間タンク14の重量が変動しない際における、中間タンク14の圧力変動時の中間タンク14の重量変動値、および、吹込タンク16の重量変動値から求めることができる。
それぞれの変動値は、絶対値が等しく、符号が逆である。
なお、連続輸送系10では、吹込速度が一定に設定されているので、吹込タンク16の重量は、一定速度で減少している。従って、吹込タンク16の重量は、中間タンク14の内圧Pmが変動している状態でも、中間タンク14の圧力変動前の吹込速度(計算可能)で減少している。そのため、吹込タンク16の重量が変動しても、その変動量が分かっていれば、この中間タンク14の内圧Pmによる影響力Fpmを算出できる。
【0052】
さらに、中間タンク14重量による、中間タンクロードセル40への影響力、および、吹込タンクロードセル52への影響力Fwは、中間タンク14の重量変動時の吹込タンク16の重量変動値から求めることができる。
中間タンク14重量による中間タンクロードセル40への影響力は、吹込タンクロードセル52への影響力Fwと絶対値が等しく、符号が逆とする(=−Fw)。
【0053】
前述のように、吹込タンク16内のガス重量Wgiは、前記関係式(2)で、中間タンク14内のガス重量Wgmは、前記関係式(3)で、それぞれ、求められる。
この吹込タンク16内のガス重量Wgi、および、中間タンク14内のガス重量Wgm、ならびに、吹込タンク16の内圧Piによる吹込タンクロードセル52への影響力Fpi、中間タンク14の内圧Pmによる吹込タンクロードセル52への影響力Fpm、および、中間タンク14重量による吹込タンクロードセル52への影響力Fwを補正値として用いて、吹込タンク16内の微粉炭の重量Wiは、関係式(4)により求めることができる。
【数7】

【0054】
本発明の推定方法は、この関係式(4)によって求めた吹込タンク16内の微粉炭の重量Wiの変化量dWi/dtより、微粉炭の吹込速度を求める.
【0055】
ここで、吹込タンク16に微粉炭を投入する工程では、吹込タンク16内の微粉炭の重量が増加するため、前記dWi/dtからでは、正確な吹込速度を計算することができない場合が有る。
そのため、少なくとも、この微粉炭の投入工程では、吹込タンク16内のガス重量Wgiを補正した吹込タンク16内の微粉炭の重量と、中間タンク14内のガス重量Wgmを補正した中間タンク14内の微粉炭の重量との和を取って総重量を求め、この総重量の微分値から吹込速度を計算するのが好ましい。
【0056】
前述のように、吹込タンク内のガス重量、および、中間タンク16内のガス重量は、関係式(2)および関係式(3)によって求めることができる。
従って、ガス重量を補正した吹込タンク16内の微粉炭の重量Wig、および、ガス重量を補正した中間タンク14内の微粉炭の重量Wmgは、下記の関係式(5)および関係式(6)で求めることができる。
【数8】

【数9】

【0057】
なお、正確には、吹込タンク16内の微粉炭の重量Wig、および、中間タンク14内の微粉炭の重量Wmgを算出する際にも、ガス重量以外にも、吹込タンク16の内圧による影響力Fpi、中間タンク14の内圧による影響力Fpm、および、中間タンク重量による影響力Fwを補正値として用いる必要が有る。
しかしながら、前述のとおり、前記影響力Fpi、FpmおよびFwは、中間タンク14と吹込タンク16とで、絶対値が等しく、かつ、符号が逆になる。従って、中間タンク14と吹込タンク16の微粉炭の総重量を取る際には、最終的には、これらの補正値は、相殺され、ゼロになる。
そのため、この関係式(5)および関係式(6)では、両式の簡略化し、かつ、後述する総重量を算出する関係式(7)を簡略化するために、これらの補正値は無視(省略)している。また、計算式の簡略化に対応して、関係式(5)および関係式(6)では、それぞれで算出する微粉炭の重量を、WigおよびWmgと定義している。
【0058】
従って、前記の関係式(5)および関係式(6)から、中間タンク14および吹込タンク16内の微粉炭の総重量Wtは、下記の関係式(7)で求めることができる。
【数10】

【0059】
本発明の推定方法は、少なくとも吹込タンク16に微粉炭を投入する工程では、この関係式(7)によって求めた、中間タンク14および吹込タンク16内の微粉炭の総重量Wtの変化量dWt/dtより、微粉炭の吹込速度を求めるのが好ましい。
これにより、より正確に、微粉炭の吹込速度を推定することができる。
【0060】
本発明の微粉炭の吹込速度推定方法は、基本的に、上述のように、タンク内のガス重量等を用いた補正を行うことにより、タンク内の微粉炭の変化量を求め、吹込速度を推定するものである。
以下に、図2を参照して、本発明の微粉炭の吹込速度推定方法について、より詳細に説明する。なお、図2において、一番上は、時間経過による中間タンク14の重量(ロードセル値)の変化を、真ん中は、同中間タンク14の内圧の変化を、一番下は、同吹込タンク16の重量(ロードセル値)の変化を、それぞれ、概念的に示す
【0061】
前述のように、図1に示す連続輸送系10は、吹込タンク16から高炉羽口に連続的に微粉炭を輸送する。連続輸送系10は、この微粉炭の輸送を行いつつ、吹込タンク16と中間タンク14との内圧を等しくする均圧による中間タンク14から吹込タンク16への間欠的な微粉炭の投入と、微粉炭ホッパ12と中間タンク14との内圧を等しくする排圧による微粉炭ホッパ12から中間タンク14への微粉炭の受け入れとを、交互に、繰り返し行う。
【0062】
このような連続輸送系10は、図2に概念的に示すように、
連続輸送によって吹込タンク16内の微粉炭が所定量まで減少するのを待機している待機工程I;
中間タンク加圧気体供給管34から加圧気体を供給して、中間タンク14の内圧を吹込タンク16と等しくする均圧工程II;
投入弁30を開放して中間タンク14から吹込タンク16に微粉炭を投入する投入工程III;
開放弁38を開放して中間タンク14を大気圧として内圧を微粉炭ホッパ12と等しくする排圧工程IV;
および、受入弁26を開放して、中間タンク14が微粉炭ホッパ12から微粉炭を受け入れる受入工程Vが、繰り返し行われる。
【0063】
図2に示すように、待機工程Iでは、中間タンク14の重量および内圧に変化は無く、吹込タンク16の重量のみが、微粉炭の連続輸送に応じて漸減している。
均圧工程IIでは、中間タンク14の重量は均一で、中間タンク14の内圧が急激に上昇して加圧状態となり、吹込タンク16の重量は同じく漸減を続ける。
投入工程IIIでは、中間タンク14の重量が急減して0になり、中間タンク14の内圧は加圧状態で均一であり、吹込タンク16の重量が急増する。
排圧工程IVでは、中間タンク14の重量は0のままで、中間タンク14の内圧は急減して大気圧となり、吹込タンク16の重量は漸減状態に戻る。
受入工程Vでは、中間タンク14の重量は急増し、中間タンク14の内圧は大気圧のままで、吹込タンク16の重量は漸減状態を維持する。
【0064】
このような待機工程I〜受入工程Vの繰り返しにおいて、
中間タンク14を加圧する均圧工程II、および、中間タンク14を大気開放して排圧する排圧工程IVでは、中間タンク14の内圧の変化による影響力Fpmを受ける。その結果、この影響力Fpmに応じて、中間タンクロードセル40の計測値である中間タンクロードセル値Wlm、および、吹込タンク16の計測値である吹込タンクロードセル値Wliが変化する。
また、吹込タンク16の内圧が変化すると、この内圧の変化による影響力Fpiを受ける。その結果、同様に、影響力Fpiに応じて、中間タンクロードセル40の計測値である中間タンクロードセル値Wlm、および、吹込タンク16の計測値である吹込タンクロードセル値Wliが変化する。
【0065】
中間タンク14に微粉炭が入っている状態、すなわち、待機工程Iや均圧工程IIなどでは、中間タンク14の重量が、投入配管20を通して吹込タンクロードセル52に伝わり、その影響力Fwを受ける。その結果、この影響力Fwに応じて、吹込タンク16の計測値である吹込タンクロードセル値Wliが変化する。
また、中間タンク14の重量を受けた吹込タンク16からの反力を受けて、中間タンクロードセル40の計測値である中間タンクロードセル値Wlmが変化する。
【0066】
中間タンク14が加圧状態となる均圧工程IIや投入工程IIIなどでは、中間タンク14の内圧を所定値に維持するために必要な加圧気体の重量Wgmの変化によって、中間タンクロードセル40の計測値である中間タンクロードセル値Wlmが変化する。
さらに、ほぼ全ての工程で、吹込タンク16の内圧を所定値に維持するために必要な加圧気体の重量Wgiの変化によって、吹込タンクロードセル52の計測値である吹込タンクロードセル値Wliが変化する。
【0067】
前述のように、本発明では、吹込タンクロードセル52の計測値である吹込タンクロードセル値Wliを、中間タンク14や吹込タンクの内圧による影響力Fpmや影響力Fpi、中間タンク14の重量による影響力Fw、中間タンク14およびインジェクションタンク16内のガス重量WgmおよびWgiなどの要因を採り込んで補正し、例えば、前述の関係式(4)によって、吹込タンク16内の微粉炭の重量Wiを算出して、その変化量から、微粉炭の吹込速度を求める。
あるいは、好ましくは、少なくとも投入工程IIIでは、吹込タンクロードセル52の計測値である吹込タンクロードセル値Wliおよび中間タンクロードセル40の計測値である中間タンクロードセル値Wlmを、同様の要因を取り込んで補正し、例えば、前述の関係式(7)によって、中間タンク14および吹込タンク16内の微粉炭の総重量Wtを算出して、その変化量から、微粉炭の吹込速度を求める。
従って、本発明によれば、工程によらず、常に吹込速度を正確に計算できる。
【0068】
図3に、図1に示す連続輸送系10での一操業事例における、時間経過と、中間タンクロードセル40による中間タンクロードセル値Wlm、中間タンクの内圧Pm、および、吹込タンクロードセル52による吹込タンクロードセル値Wli、および、算出した吹込速度との関係を示す。
前記の影響力Fpm、Fpi、および、Fwのために均庄工程II、排圧工程IVおよび受入工程Vにおいて、吹込タンクロードセル値Wliが、不確定に変動している。
ここで、図3において、吹込速度は吹込タンクロードセル52が計測した吹込タンクロードセル値Wliの変化量dWli/dtから算出した値である。そのため、吹込タンクロードセル値Wliが不確定に変動する、均庄工程II、投入工程III、排圧工程IVおよび受入工程Vでは、吹込速度を、均圧工程II直前の待機工程Iの値の一定値として保持している。
【0069】
ここで、この事例において、受入工程Vにおいては,前記関係式(4)で求めた吹込タンク16内の微粉炭の重量Wiの変化量dWi/dtより求めた吹込速度を求め、その他の工程においては、前記関係式(7)から求めた吹込タンク16および中間タンク14内の微粉炭の総和の重量Wtの変化量dWt/dtより求めた吹込速度を示したものを図4に示す。
前述のように、吹込タンクロードセル値Wliの変化量dWli/dtから吹込速度を計算する場合、均庄工程II、投入工程III、排圧工程IVおよび受入工程Vでは、吹込速度を正しく計算することができず、その聞は吹込速度を一定値保持していた。それに対し、本発明においては全工程で吹込速度を計算することが可能となっている。
【0070】
ところで、本事例では、受入工程Vは、関係式(4)で求めた吹込タンク16内の微粉炭の重量Wiから吹込速度を求め、その他の工程においては、関係式(7)で求めた総和の重量Wtから吹込速度を求めている。
前述のように、微粉炭の吹込速度は、タンクの重量変化を捉えて計算する。一例として、1分間に減少した重量=吹込速度[kg/min]とする。ここで、受入工程Vでは、中間タンク14の重量が増加するため、中間タンク14と吹込タンク16との総重量も増加する。これにより、『1分間に減少した重量』に、中間タンク14が受け入れた微粉炭の重量という外乱が加わる。従って、受入工程Vでは、中間タンク14と吹込タンク16との総和からでは、正確に吹込速度を計算することができない。そのため、受入工程Vでは、前述の関係式(4)を用いて、吹込タンク16のみを用いて吹込速度を算出するのが好ましい。
他方、先にも述べたが、投入工程IIIでは、吹込タンク16の重量が増加(変動)するので、吹込タンク16の重量のみからでは、正確に吹込速度を算出できない。そのため、投入工程IIIでは、関係式(7)を用いて、中間タンク14と吹込タンク16との総和の重量Wtから吹込速度を求めるのが好ましい。
なお、受入工程Vおよび投入工程III以外の工程、すなわち、待機工程I、均庄工程II、および、排圧工程IVにおいては、何れの関係式を用いても、従来に比して高精度に吹込速度を求めることができる。しかしながら、上記と同様の理由により、これらの工程でも、関係式(7)を用いて、中間タンク14と吹込タンク16との総和の重量Wtから吹込速度を求めるのが好ましい。
【0071】
以上、本発明の微粉炭の吹込速度推定方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更等を行ってもよいのは、もちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の微粉炭の吹込速度推定方法は、製鉄における高炉への微粉炭の気体輸送における吹込速度の制御等に、好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 (微粉炭)の連続輸送系
12 微粉炭ホッパ
14 中間タンク
16 吹込タンク(インジェクションタンク)
18 受入配管
20 投入配管
26 受入弁
28 受入可撓管
30 投入弁
32 投入可撓管
34 中間タンク加圧気体供給管
36 開放管
38 開放弁
40 中間タンクロードセル
42 中間タンク圧力計
46 吹込タンク(インジェクションタンク)加圧気体供給管
48 輸送管
50 ブースタ管
52 吹込タンク(インジェクションタンク)ロードセル
54 吹込タンク(インジェクションタンク)圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された中間タンクとインジェクションタンクを用い、前記中間タンクからインジェクションタンクに微粉炭を投入し、前記インジェクションタンクから目的地への前記微粉炭の連続的な気体輸送における、微粉炭の吹込速度の推定方法であって、
前記中間タンク内の圧力をインジェクションタンク内の圧力と等しくする均圧による、前記中間タンクからインジェクションタンクへの微粉炭の投入と、前記中間タンク内の圧力を中間タンクへの微粉炭の供給源と等しくする排圧による、前記中間タンクへの微粉炭の受け入れとを繰り返し行うと共に、
前記中間タンクおよびインジェクションタンクの重量測定を行って、その測定結果から知見したインジェクションタンク内の微粉炭重量の変化量を用いて、前記微粉体を輸送する気体の吹込速度を推定するものであり、
かつ、前記微粉炭重量の変化量を、前記中間タンク内の気体重量、前記インジェクションタンク内の気体重量、前記中間タンク内の圧力、前記インジェクションタンク内の圧力、前記中間タンクの重量測定結果、および、前記インジェクションタンクの重量測定結果の6つの要因から選択される2以上の要因を用いて補正して、微粉炭の吹込速度を算出することを特徴とする微粉炭の吹込速度推定方法。
【請求項2】
前記中間タンクは、何の処理も行わない待機工程、前記均圧を行う均圧工程、前記均圧工程が終了した後のインジェクションタンクへの微粉炭の投入を行う投入工程、前記排圧を行う排圧工程、および、前記排圧工程が終了した後の微粉炭を受け入れる受入工程を繰り返し行うものであり、
少なくとも前記投入工程においては、前記6つの要因から選択された2以上の要因を用いて補正された、前記中間タンク内の微粉炭の重量とインジェクションタンク内の微粉炭の重量の総重量の変化から、前記気体の吹込速度の推定を行う請求項1に記載の微粉炭の吹込速度推定方法。
【請求項3】
前記6つの要因から選択された2以上の要因に、前記中間タンク内の気体重量およびインジェクションタンク内の気体重量が含まれる請求項1または2に記載の微粉炭の吹込速度推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−108101(P2013−108101A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251371(P2011−251371)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】