説明

微細気泡発生装置とそれを用いたシャワー装置

【課題】気泡量や気泡径を任意に可変できることにより、洗浄対象物により高い洗浄効果が得られる微細気泡発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】整流管内8に配設した整流体9と、整流体9の下流側に設けた減圧機構2を備え、整流体9は上流側から下流側に貫通する複数の開口部11を設けた複数の同一形状の整流板12を積層した構成とし、各整流板12を周方向にずらせて配設し、最上流側の整流板12の開口部16から最下流側の整流板15の開口部17に至るまでをねじれ通路18として連通させたことにより、整流体9のねじれ通路18のねじれ傾きを任意に変化させることにより、減圧機構2で発生する負圧の強弱を可変とすることができ、気泡量と気泡径を容易に変化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡発生装置、および微細気泡発生装置を備えたシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の微細気泡発生装置は、特許文献1に示すようなものがある。これは、図8、図9に示されているように、ポンプ等で加圧溶解された気液混合流体90を噴出口91から吐出させるもので、噴出口91の入口92と出口93との間に設けられた気体吸込口94と、気体吸込口94を開閉させる開閉弁95と、噴出口91の気体吸込口94と合流する位置よりも上流側に設けられ、噴出口91内に流入する液体に渦流96を発生させるひねり状の貫通孔97が形成された整流体98からなるものであり、その目的とするところは、気泡99を微細気泡と大きな気泡の場合とで開閉弁95によって切替え、開閉弁95が閉状態の場合に微細気泡を発生させ、開閉弁95が開状態の場合に、外気と噴出口91内との間を連通状態にして、気液混合流体90が整流体98のひねり状の貫通孔97から噴出口91内に流入した際に渦流96を発生させるようになっている。ただ、渦流96を発生させて気泡99を発生させることは公知の技術であるが、この渦流が第二の吸込口100との合流点を通過する際には、直流状態で合流点を通過する場合より強い負圧が発生し、外気からより大量の気体を吸引することになり、その結果、気泡99の気泡径や量を増大させることが可能となるとしている。
【特許文献1】特許第3264714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の微細気泡発生装置の場合、整流体98の貫通孔97のひねりの傾きは単一の種類であり、外気からの気体の吸引量や気泡99の気泡径を変更するためには、違ったひねりの傾きの貫通孔を持つ別の整流体に交換する必要がある。したがって、空気の吸引量、ひいては気泡99の気泡径、量そのもの必要仕様に応じて、整流体98が一品一様となってしまい、気泡99の状態を変える際には、整流体98を多種類用意する必要があった。また、整流体98のひねり状の貫通孔97を成型する際には、単一工程でのプレス成型が困難であり、加工が複雑となるという課題もあった。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、整流体の種類を増やすことなく、かつ容易な加工によって、整流体に任意の傾きを持つねじれ通路を形成でき、気泡量や気泡径を任意に可変できる微細気泡発生装置を構成し、さらにそれを用いたシャワー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の微細気泡発生装置は、気体を液体中に溶解させた気液混合流体の流れの下流側に設けた整流管内に配設した整流体と、整流体の下流側に設けたベンチュリー管で構成した減圧機構を備え、整流体は、上流側から下流側に貫通する複数の開口部を設けた複数の同一形状の整流板を積層した構成とし、各整流板を周方向にずらせて配設し、最上流側の整流板の開口部から最下流側の整流板の開口部に至るまでをねじれ通路として連通させたものである。
【0006】
また、この微細気泡発生装置の下流側に複数の噴出孔を設けたシャワーヘッドを配設したものである。
【0007】
このように、複数の同一の整流板をある一定の割合で周方向にずらせて積層させて整流体を構成することにより、ある一定のねじれ傾きを持ったねじれ通路を形成できる。また、ねじれ傾きを変更した整流体とする場合には、同様に各整流板を周方向にずらせる割合を変化させて再度積層させることによって、同一の整流板でありながら違ったねじれ傾きを持ったねじれ通路を形成した整流体を構成できる。このようにして、整流体のねじれ通路のねじれ傾きを容易に変化させられるため、整流体の下流側で発生する旋回流の旋回状態を変化させ、減圧機構をベンチュリー管で構成したことにより、整流体を気液混合水流が旋回流として流出した後、ベンチュリー管の最狭小部を通過する際に急激に圧縮された後、テーパー部で急激に拡散することで発生する負圧によりキャビテーションを発生させ、その結果、微細気泡を含んだ液体流を生成することができる。
【0008】
このように減圧機構で発生する負圧の強弱を可変でき、減圧機構の下流側で発生する気液混合流体のキャビテーションの状態を可変して、気泡量と気泡径を容易に変化させ得る微細気泡発生装置を提供することができる。
【0009】
また、気体を空気とし、液体を温水とした気液混合流体である場合、この微細気泡発生装置の下流側に複数の噴出孔を設けたシャワーヘッドを配設したことにより、微細気泡を含有したシャワー水流を発生でき、微細気泡が人体の皮膚面などで破裂する際に発生する衝撃波とシャワー水流の水勢の相乗作用により、皮膚面の洗浄効果や保温効果が得られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の微細気泡発生装置は、整流体を複数の同一形状の整流板を周方向に一定の角度でずらせて積層させることにより、整流体のねじれ通路のねじれ傾きを任意に変化させることが可能で、その結果整流体の下流側に設けた減圧機構で発生する負圧の強弱を可変でき、対象物に合わせて、気泡量と気泡径を容易に変化させることができる。また、気体を空気とし、液体を温水とした気液混合流体である場合、この微細気泡発生装置の下流側にシャワーヘッドを配設したことで、微細気泡が人体の皮膚面などで破裂する際に発生する衝撃波とシャワー水流の水勢の相乗作用により、皮膚面の洗浄効果や保温効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、気液混合流体を流通する整流管内に配設した整流体と、整流体の下流側に設けた減圧機構を備え、整流体は上流側から下流側に貫通する複数の開口部を設けた複数の同一形状の整流板を積層した構成とし、各整流板を周方向にずらせて配設し、最上流側の整流板の開口部から最下流側の整流板の開口部に至るまでをねじれ通路として連通させたことにより、整流体のねじれ通路のねじれ傾きを任意に変化させることが可能で、その結果整流体の下流側で発生する旋回流の旋回状態を変化させて、整流体の下流側に設けた減圧機構で発生する負圧の強弱を可変でき、気泡量と気泡径を容易に変化させることができる。さらに、各整流体の複数の開口部の位置を一致させた形で積層させることも可能で、その場合、気液混合流体は整流体内を直線流に近い状態で通過させることができる。
【0012】
第2の発明は、特に第1発明で、整流体は、周方向に一定の角度で配設した複数の複数の凹部、凸部を外周部に設けた複数の同一形状の整流板を、整流配管内で上流側から下流側に至って順次周方向に一定の角度ずらせて積層させて構成したことにより、各整流板の複数の凹部、凸部を周方向にずらせる角度を整数倍し、順次周方向にずらせて積層させるだけで、整流体のねじれ通路のねじれ傾きを容易に変えられ、その結果整流体の下流側で発生する旋回流の旋回状態を変化させて、整流体の下流側に設けた減圧機構で発生する負圧の強弱を可変でき、気泡量と気泡径を容易に変化させることができる。
【0013】
第3の発明は、特に第2の発明で、整流管の内周部に、整流体の複数の凹部、凸部に合致するように、周方向に一定の角度で配設した複数の凸部、凹部を構成したことにより、整流板の外周部に配設した複数の凹部に整流管の複数の凸部が嵌合し、整流板の外周部に配設した複数の凸部に整流管の複数の凹部が嵌合し、各整流板の位置決めおよび固定が確実に行える。
【0014】
第4の発明は、気体を液体中に溶解させる気液混合装置と、その下流側に第1から3のうちいずれか一つの発明に記載の微細気泡発生装置の下流側に、複数の噴出孔を設けたシャワーヘッドを配設したことにより、微細気泡が対象物の表面などで破裂する際に発生する衝撃波とシャワーの流勢の相乗作用により、対象物に対する高い洗浄効果が得られる。
【0015】
第5の発明は、特に第4の発明のシャワー装置において、シャワーヘッドを微細気泡発生装置の出口側に直結したことにより、シャワーヘッドと微細気泡発生装置との間の配管長さが長い場合に比べ、発生した微細気泡の自然消滅を極少にして気泡量を保持できるため、結果として対象物の表面の洗浄効果を高めることができる。
【0016】
第6の発明は、特に第4または5の発明のシャワー装置において、気液混合装置に供給する液体として温水を供給することにより、例えば気体が空気である場合、微細気泡が人体の皮膚面などで破裂する際に発生する衝撃波とシャワー温水流の水勢の相乗作用で、皮膚面の高い洗浄効果や保温効果が得られる。また、シャワーヘッドと微細気泡発生装置との間をホースなどで接続することで、市販のシャワーセットを応用でき、汎用性が拡大する。
【0017】
第7の発明は、特に第4から6のいずれか一つの発明のシャワー装置において、気液混合装置の上流側に酸素富化装置を設け、気体として空気中の酸素濃度より高濃度の酸素を含有する空気を気液混合装置に供給することにより、人体の皮膚面の高い洗浄効果や保温効果が得られるだけでなく、浴室などでシャワーを使用する際に浴室内に比較的高濃度の酸素を放出できるため、浴室内に充満する水蒸気などによる不快感を緩和することができる。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における微細気泡発生装置の要部縦断面図、図2は、同実施の形態における整流体を上流側から見た正面図、図3は、同実施の形態における整流体の整流板の一定の積層状態を示す正面拡大図、図4は、同実施の形態における整流体の他の積層状態を示す正面拡大図である。
【0019】
図1、図2、図3、図4において、微細気泡発生装置1は、黄銅、ステンレスなどの金属、または硬質樹脂からなる減圧機構2と、減圧機構2の上流側に接続した同様の材質からなる整流部3で構成している。
【0020】
このうち減圧機構2は、上流側より徐々に内径が狭小化するテーパー部4、中間部に最狭小部5、下流側に内径が徐々に拡大化するテーパー部6を配設したベンチュリー管7で構成している。また整流部3は、外郭を形成する整流管8と、整流管8内に設けた整流体9と、整流体9を整流管8の下流側とベンチュリー管7の上流側に固定するための固定管10で構成している。
【0021】
また、整流体9は、周方向に一定の角度A°(本実施の形態においては90°)で配設した4箇所の円孔で構成した開口部11を設けた、黄銅、ステンレスなどの金属、または硬質樹脂からなる4枚の略円板状の整流板12、13、14、15を、周方向に一定の角度B°(本実施の形態においては5°)ずらせて積層させると共に、最上流側の整流板1
2の開口部16から、最下流側の整流板15の開口部17に至るまでを、4箇所のねじれ通路18として連通させたものである。
【0022】
さらに、整流板12、13、14、15の外周部には、周方向に一定の角度B°(本実施の形態においては5°)で配設した複数の整流体の凹部19、整流体の凸部20を構成し、整流管8の下流側の内周部には、周方向に一定の角度B°(本実施の形態においては5°)で配設した複数の整流管の凸部21、整流管の凹部22を構成し、整流板8の外周部に配設した複数の整流体の凹部19に整流管の凸部21が嵌合し、整流板8の外周部に配設した複数の整流体の凸部20に整流管の凹部22が嵌合している。この時、整流板12、13、14、15は周方向に一定の角度C°(本実施の形態においては5°)ずらせて積層させている。このように構成した4枚の整流板8は、整流管8内に設けた固定管6と、ベンチュリー管2の上流側に設けた弾性を有する固定環23とにより、確実に積層固定された状態で整流体9を構成している。
【0023】
以上のように構成された微細気泡発生装置について、以下動作、作用について説明する。
【0024】
複数の同一形状の整流板12、13、14、15を、周方向に一定の角度C°(C°=5°)でずらせて積層させ整流体9を構成することにより、一定のねじれ傾きを持った4箇所のねじれ通路18を形成できる。なお、本実施の形態では、A°を90°、B°を5°にしているが、整流板12、13、14、15の開口部11の配設個数を含め、任意に変化させることが可能である。
【0025】
この状態で、気体として空気を、液体として水を用い、水中に空気を加圧溶解して形成された気液混合流体24が整流管8の上流側から流入し、整流体9の4箇所のねじれ通路18を通過することによって、ねじれ通路18のねじれ傾きに沿って流出した気液混合流体24がそれぞれ干渉しあうことによって旋回流状態を形成し、整流体9の下流側からベンチュリー管7の上流側に流出する。
【0026】
さらに、旋回流状態の気液混合流体23は、ベンチュリー管7の最狭小部5を通過する際に急激に圧縮された後、テーパー部6以降で急激に拡散することで発生する負圧により、気液混合流体23に溶解していた空気の一部が過飽和となって大量の微細気泡25に変化する。したがって、気液混合流体24は、ベンチュリー管7の下流側では、大量の微細気泡25が混入して乳白色に白濁した状態で流出する。
【0027】
一方、図4に示すように、各整流板12、13、14、15を、周方向に一定の角度D°(D°=10°)でずらせて積層させ、整流体26を構成することにより、他のねじれ傾きを持った4箇所のねじれ通路27を形成できる。この場合、ねじれ通路27のねじれ傾きは、図1に示した場合のねじれ通路18のねじれ傾きよりも大きくなり、気液混合流体24の旋回の程度を強くすることができ、結果としてベンチュリー管7のテーパー部6以降で発生する負圧を変化させて異なったキャビテーション状態を形成することによって、微細気泡25の気泡径や気泡量を変化させることができる。
【0028】
このように、同一の整流板12、13、14、15の積層状態を周方向にずらせて積層させる状態を用いながら、ねじれ傾きの異なった減圧機構2で発生する負圧の強弱を可変でき、減圧機構2の下流側で発生する気液混合流体24のように、そのキャビテーションの状態を可変して、微細気泡25の気泡径およぴ気泡量を、容易に変化させ得る微細気泡発生装置1を提供することができる。
【0029】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態1における微細気泡発生装置1をガス給湯機30に内蔵したシャワー装置31の概念図である。
【0030】
図5において、ガス給湯機30は、ガスバーナ32と、ガスバーナ32の上方に、多数の曲部33を構成した給水管34と多数の集熱フィン35とを一体構成にした熱交換部36と、熱交換部36の下流側に設けた気液混合装置37と、気液混合装置37の下流側に接続した本発明による微細気泡発生装置1と、気液混合装置37に加圧空気を送入するエアポンプ38とを、本体ケース39内に内蔵したものである。また、気液混合装置37には水中に溶解しきれなかった過剰空気を排出する排気管40が設けられ、本体ケース39から外気中に臨んでいる。
【0031】
一方、微細気泡発生装置1の下流側に接続された給湯管41の先端側には、複数の噴出孔42を穿設したシャワーヘッド43が構成されている。
【0032】
以上の構成を包含したものをシャワー装置31としている。
【0033】
また、本実施の形態においては加熱源としてガスバーナ32を用いたが、石油バーナであっても電気ヒータであっても差支えなく、加熱に使用するエネルギーの種類は多様に選択可能である。
【0034】
なお実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0035】
以上のように構成されたシャワー装置31について、以下その動作、作用について説明する。
【0036】
図5に示すように、給水管34内に液体流43として水をを供給すると、ガスバーナ32にガスが供給されてガスバーナ32に点火され、集熱フィン35を介してガスバーナ32の燃焼熱が給水管34内の液体流44に吸収される。一定温度に昇温された液体流44は熱交換部36の下流側に設けた気液混合装置37内に流入する。
【0037】
一方、気液混合装置37内には、エアポンプ38からの加圧空気が圧送され、加圧空気は気液混合装置37内に流入した液体流44内に強制溶解し、液体流44は気液混合流体45として微細気泡発生装置1内に至る。また、液体流44内に溶解しきれなかった過剰空気は、排気管40から外気中に放出される。
【0038】
このようにして微細気泡発生装置1内に流入した気液混合流体45は、実施の形態1で説明した作用により、一定量かつ一定範囲の気泡径分布を持つ微細気泡(図示せず)を含んだものとなり、給湯管41内を流通してその先端側に設けられたシャワーヘッド43の噴出孔42からシャワー水流46として噴出し、シャワー水流46中の微細気泡が、対象物の表面に衝突して破裂する際に発生する衝撃波とシャワーの流勢の相乗作用により、対象物に対する高い洗浄効果が得られる。特に、対象物が人体の皮膚面である場合、高い洗浄効果だけでなく、比較的長時間の保温効果が得られる。
【0039】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態1における微細気泡発生装置1を、ガス給湯機50に接続されたシャワーヘッド51の直前に配設したシャワー装置52の概念図である。
【0040】
図6において、ガス給湯機50は、実施の形態2とほぼ同様に、ガスバーナ53と、ガスバーナ53の上方に、多数の曲部54を構成した給水管55と多数の集熱フィン56とを一体構成にした熱交換部57と、熱交換部57の下流側に設けた気液混合装置58と、
気液混合装置58に加圧空気を送入するエアポンプ59とを、本体ケース60内に内蔵したものである。
【0041】
さらに、気液混合装置58の下流側に接続した給湯管61を延長した先端部に、複数の噴出孔62を穿設したシャワーヘッド51が構成されており、シャワーヘッド51の直前に、本発明による微細気泡発生装置1を直結している。
【0042】
以上の構成を包含したものをシャワー装置52としている。
【0043】
なお実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0044】
以上のように構成されたシャワー装置52について、以下その動作、作用について説明する。
【0045】
図6に示すように、ガス給湯機50で加熱された温水は、気液混合装置58内に至り、空気を加圧溶解された気液混合流体63として給湯管61内を通過して、シャワーヘッド51に直結された微細気泡発生装置1内に流入する。
【0046】
この時、微細気泡発生装置1内に流入した気液混合流体63は、実施の形態1で説明した作用により、シャワーヘッド51の噴出孔62から、一定量かつ一定範囲の気泡径分布を持つ微細気泡(図示せず)を含んだシャワー水流64として噴出する。
【0047】
この時、発生した微細気泡(図示せず)は、シャワーヘッド51と微細気泡発生装置1との間の配管長が長い場合に比べ、自然消滅が極少で必要な気泡量を維持できる。したがって、対象物の表面で微細気泡(図示せず)が破裂する際に発生する衝撃波とシャワー水流64の流勢との高い相乗作用が得られ、対象物に対するより高い洗浄効果が得られる。特に、対象物が人体の皮膚面である場合、高い洗浄効果だけでなく、さらに長時間の保温効果が得られる。
【0048】
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態2におけるシャワー装置70の概念図である。
【0049】
図7において、実施の形態2と異なる点は、気液混合装置37に加圧空気を送入するエアポンプ38の上流側に酸素富化装置71を配設したところである。
【0050】
なお実施の形態1、2と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0051】
以上のように構成されたシャワー装置70について、以下その動作、作用について説明する。
【0052】
実施の形態2における作用とほぼ同様に、シャワーヘッド43の噴出孔42から、一定量かつ一定範囲の気泡径分布を持つ微細気泡(図示せず)を含んだシャワー水流72が噴出する。この時、シャワー水流72中には、酸素富化装置71の作用によって、空気中の酸素濃度よりも高濃度(例えば25〜35%)の酸素濃度を有する空気が微細気泡(図示せず)となって含有されているため、シャワーヘッド43が浴室などに設けられている場合、人体の皮膚面の高い洗浄効果や保温効果が得られるだけでなく、シャワー水流72を使用する際に浴室内に比較的高濃度の酸素を放出することになり、浴室内に充満する水蒸気などによる不快感を緩和することができ、浴室内環境の快適化が図れる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明にかかる微細気泡発生装置は、対象物に合わせて気泡量と気泡径を容易に変化させることができるので、気体と液体の組合せを適正に選択することで、人体だけでなく多様な対象物の洗浄などに応用でき、シャワー装置だけでなく、食器洗浄機、洗濯機、工業用洗浄機など多くの用途に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態1における微細気泡発生装置の要部縦断面図
【図2】本発明の実施の形態1における整流体を上流側から見た正面図
【図3】本発明の実施の形態1における整流板の一定の積層状態を示す詳細正面図
【図4】本発明の実施の形態1における整流板の他の積層状態を示す詳細正面図
【図5】本発明の実施の形態2におけるシャワー装置の概念図
【図6】本発明の実施の形態3におけるシャワー装置の概念図
【図7】本発明の実施の形態4におけるシャワー装置の概念図
【図8】従来の微細気泡発生装置の要部縦断面図
【図9】従来の微細気泡発生装置における整流体を上流側から見た正面図
【符号の説明】
【0055】
1 微細気泡発生装置
2 減圧機構
7 ベンチュリー管
8 整流管
9、25 整流体
11 開口部
12、13、14、15 整流板
16 最上流側の整流板の開口部
17 最下流側の整流板の開口部
18、26 ねじれ通路
19 整流体の凹部
20 整流体の凸部
21 整流管の凸部
22 整流管の凹部
24、45、63 気液混合流体
31、52、70 シャワー装置
37、58 気液混合装置
42、62 噴出孔
43、51 シャワーヘッド
71 酸素富化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合流体が流通する整流管内に配設した整流体と、整流体の下流側に設けたベンチュリー管で構成した減圧機構を備え、整流体は上流側から下流側に貫通する複数の開口部を設けた複数の同一形状の整流板を積層した構成とし、各整流板を周方向にずらせて配設し、最上流側の整流板の開口部から最下流側の整流板の開口部に至るまでをねじれ通路として連通させた微細気泡発生装置。
【請求項2】
整流体は、周方向に一定の角度で配設した複数の凹部、凸部を外周部に設けた複数の同一形状の整流板を、整流管内で上流側から下流側に至って順次周方向に一定の角度ずらせて積層させて構成した請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
整流管の内周部は、整流体の複数の凹部、凸部に合致するように、周方向に一定の角度で配設した複数の凸部、凹部を構成した請求項2に記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
気体を液体中に溶解させる気液混合装置と、その下流側に設けた請求項1から3のいずれか1項に記載の微細気泡発生装置と、該微細気泡発生装置の下流側に複数の噴出孔を設けたシャワーヘッドを備えたシャワー装置。
【請求項5】
シャワーヘッドを微細気泡発生装置の出口側に直結した請求項4に記載のシャワー装置。
【請求項6】
気液混合装置に供給する液体として温水を供給する請求項4または5に記載のシャワー装置。
【請求項7】
気液混合装置の上流側に酸素富化装置を設け、空気中の酸素濃度より高濃度の酸素を含有する空気を気液混合装置に供給する請求項4から6のいずれか1項に記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−50341(P2007−50341A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237149(P2005−237149)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】