微細気泡発生装置
【課題】簡単な構成で微細気泡の発生量を大幅に増加させることで、白濁性を向上させることができる微細気泡発生装置および微細気泡発生方法を提供する。
【解決手段】水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段12で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズル30から吐出させる微細気泡生装置であって、前記吐出ノズル30には、気泡発生流路領域部131と、気泡分裂流路領域部133と、気化流路領域部132とを備えている。また、流路狭小形成部材38によって、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積が、気化流路領域部132の他の部分の流路断面積よりも小さくされている。
【解決手段】水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段12で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズル30から吐出させる微細気泡生装置であって、前記吐出ノズル30には、気泡発生流路領域部131と、気泡分裂流路領域部133と、気化流路領域部132とを備えている。また、流路狭小形成部材38によって、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積が、気化流路領域部132の他の部分の流路断面積よりも小さくされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水廻り設備に最適な微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズルから浴槽(水廻り設備の一例)内に吐出させるようにした微細気泡発生装置がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−33071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記のような微細気泡発生装置を水廻り設備である浴槽に適用する場合、浴槽とエプロンとの隙間のような狭いスペースに微細気泡発生装置を設置する必要があるために、大掛かりな装置や長い経路を用いることなく、簡単な構成で微細気泡の発生量を大幅に増加させたいという要望がある。
【0004】
本発明は、前記要望に応えるためになされたもので、簡単な構成で微細気泡の発生量を大幅に増加させることで、白濁性を向上させることができる微細気泡発生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズルから吐出させる微細気泡発生装置であって、前記吐出ノズルに、前記気水溶解流体を流す流路が設けられ、この流路の一部に気化流路領域部を形成して気水溶解流体に溶解した溶解空気の気化を促進する気化促進手段が設けられていることを特徴とする微細気泡発生装置を提供する。
【0006】
請求項2のように、前記気化促進手段は、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めるための流路狭小形成部材を備えたものであることが好ましい。
【0007】
請求項3のように、前記吐出ノズルの前記流路に、前記減圧手段が設けられ、前記流路狭小形成部材は、前記流路における前記減圧手段の下流側に配設されることにより前記減圧手段の下流側に前記気化流路領域部を形成するとともに、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその気化流路領域部の上流側の流路断面積に対して、60%以上〜90%以下にするものであることが好ましい。
【0008】
請求項4のように、前記流路狭小形成部材は、前記気化流路領域部の流路の一部を塞いだ閉塞部と、閉塞部に隣接して設けられた開口部とを有するものから構成され、前記閉塞部における開口部との境界面の下流側端部は、湾曲面に形成されていることが好ましい。
【0009】
請求項5のように、前記閉塞部は、所定幅を有する複数のビームを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、気化促進手段によって形成された気化流路領域部を、空気を過飽和に溶解した気水溶解流体が流れると、気水溶解流体から空気の気化を促進させることができ、気水溶解流体と共に流れる気泡を、成長(径を大きく)させることができる。これにより、例えば径が小さすぎて白濁化に適さない大きさの気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成できる。
【0011】
請求項2の発明によれば、前記気化流路領域部の下流側における流路断面積を、その上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めた流路狭小形成部材によって、気化流路領域部を流れる気水溶解流体の流速を、流路狭小形成部材を設けない場合に比べて遅くでき、気水溶解流体が気化流路領域部を流れている時間を長くできる。これにより、空気を過飽和に溶解した気水溶解流体に、空気を気化させる時間的余裕を与えて気化を促進させることができる。又、その際、流路狭小形成部材によって、気化流路領域部の下流側における流路断面積を、その上流側の流路断面積よりも小さくすれば良く、簡単な構成で良いものにできる。
【0012】
請求項3の発明によれば、流路狭小形成部材によって、流路における前記減圧手段の下流側に気化流路領域部を形成するため、減圧手段によって形成される分裂気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成できる。又、流路狭小形成部材によって、気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積に対して、60%以上〜90%以下にするため、気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に、効率良く形成できる。
【0013】
請求項4の発明によれば、流路狭小形成部材の閉塞部における開口部との境界面の下流側端部が湾曲面であるため、例えば境界面の下流側端部を角部(エッジ)から構成した場合のように下流側端部の角部によって渦流ができて気泡が角部に付着し易くなり2以上の気泡が角部に付着して合一してしまうようなことを抑えることができる。これにより、気化流路領域部で白濁化に必要十分な外径に形成された気泡が、合一によって径が大きくなってしまって白濁化に適さないものになるようなことを防止でき、白濁化に必要十分な外径に形成した状態で吐出ノズルから吐出させることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、閉塞部は、所定幅を有する複数のビームを備えているため、ビームの数を変更し、または、幅の異なるビームを用いることにより、流路の流路断面積を、容易に適宜な大きさのものにできるとともに、容易に形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態の微細気泡発生装置の基本構成図で、本実施形態では、浴槽1に使用されるものとされ浴槽1内の浴水中に微細気泡を発生させるように構成されており、浴槽1の内側面に吸込口2と吐出口3とが設けられ、浴槽1のフランジ部に空気吸込口4が設けられている。
【0017】
吸込口2は、接続管5を介して電動ポンプ6の吸い込み側に接続され、電動ポンプ6の吐出側は流入管7を介して空気溶解装置8の吸込側の噴射口9に接続されている。空気溶解装置8の吐出側の流出口10は、流出管11を介して圧力開放部となるベンチュリ管12の一端に接続され、ベンチュリ管12の他端は接続管13を介して浴槽1の側面に設置された吐出口3に接続されている。また、空気吸込口4は、電動ポンプ6の入口側近傍の接続管5に接続管14を介して接続され、接続管14には、逆止弁15が設けられている。
【0018】
前記空気溶解装置8は、図2および図3に詳細に示すように、断面円形の直筒状をした側壁部21と、この側壁部21の両側の端部を閉塞する端壁部22とからなるタンク状の筒状体23で構成されて、長手方向すなわち略円筒状をした側壁部21の中心軸イ(図2の一点鎖線参照)が水平方向ロ(図2の矢印参照)に対して10〜45度の傾斜角度θで傾斜する姿勢で配置されている。
【0019】
この傾斜姿勢の筒状体23は、上方側の端部が上流側Aの端部になるとともに、下方側の端部が下流側Bの端部となり、上流側Aに気水混合流体を筒状体23内に噴射するための噴射口9を形成されるとともに、下流側Bに水を筒状体23内から流出する流出口10が形成されている。
【0020】
筒状体23内には、溶質となる例えば空気等の空気と、溶媒となる例えば水とが貯留されるもので、略円筒状をした側壁部21の上下方向の略中央付近には空気と水との界面24が位置し、界面24より上部の上流側Aの部分は、空気が貯留される空気貯留部25になるとともに、界面24より下流側Bの部分は、水が貯留される水貯留部26となる。
【0021】
前記噴射口9は、空気貯留部25の内壁面(界面24より上流側Aの側壁部21または端壁部22の内壁面)か、界面24寄りの位置か、あるいは界面24より若干下側の水貯留部26の内壁面(界面24より下流側Bの側壁部21の内壁面)に形成され、流出口10は、水貯留部26の端部付近の内壁面(界面24より下流側Bの側壁部21または端壁部22の内壁面)に形成される。
【0022】
筒状体23の側壁部21には、弁(図示せず)を設けた空気抜き口27が形成してあり、この空気抜き口27の位置が空気貯留部25に貯留される空気と水貯留部26に貯留される水の界面24のレベルとなる。
【0023】
次に、空気溶解装置8の作用を説明する。噴射口9から筒状体23内に貯留されているのと同じ水および空気が噴射されると、噴射口9と対向する側壁部21の上側の内壁面に衝突し、この内壁面で跳ね返って界面24にて水貯留部26に貯留されている水に衝突して攪拌される。また、水貯留部26に貯留されている水は、気水混合流体が界面24に衝突して攪拌される他に、噴射口9から筒状体23内に噴射される気水混合流体によっても攪拌される。
【0024】
このように、気水混合流体の側壁部21の内壁面との衝突や界面24での衝突による攪拌、噴射される際の水の攪拌等により、筒状体23内に貯留している空気および水、気水混合流体中の空気および水が混合され、空気の水への溶解が促進される。すなわち、混合攪拌によるせん断により、水に混合している気泡(空気)が細分化されて、水と接する総表面積が大きくなるのに加えて、水と空気との界面付近における空気の溶解濃度が混合攪拌による均一化により低減されて、空気の水への溶解速度が上昇するため、空気の水への溶解が促進される。
【0025】
空気の溶解が進行した水は筒状体23の水貯留部26に貯留されるが、貯留されている水には未溶解の気泡も数多く混合し、このような気泡は上方に行くほど密に存在しており、水貯留部26の下端部近傍では気泡はあまり存在せず、大きな気泡は殆ど存在しない。そして、空気の溶解が進行して大きな気泡が殆ど存在しない水貯留部26の下端部の水が流出口10から筒状体23外に流出されるようになる。
【0026】
図4は、前記ベンチュリ管12の基本構成図である。前記流出管11のベンチュリ管12は、中央1個の上流側ベンチュリ管12aと複数個(図4の例では5個)の下流側ベンチュリ管12bとの2段構成となっている。
【0027】
図5および図6は、図1〜図4の基本構成を具体化した微細気泡発生装置であり、基本構成と同一構成は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
浴槽1の側壁1aに吐出ノズル30が取付けられ、この吐出ノズル30に、前述した吸込口2、吐出口3、ベンチュリ管12(12a,12b)等が組み込まれてユニット化されている。
【0029】
吐出ノズル30には、側面視でL字状のノズルケース31が設けられ、ノズルケース31の内部には、外形状に倣ったL字状の流路31aが形成されて、この流路31aの入口側(縦向き部分)には、前記流出管11がOリング32を介して接続される。
【0030】
流路31aは、この実施形態では、気泡発生(発泡)流路領域部131と、この気泡発生流路領域部131の下流側に配設された気泡分裂流路領域部133と、この気泡分裂流路領域部133の下流側に配設された気化流路領域部132とを備えている。
【0031】
気泡発生流路領域部131は、気水溶解流体から気泡を発生させるための流路である。この実施形態の気泡発生流路領域部131は、減圧手段としての上流側ベンチュリ管12aが設けられており、この上流側ベンチュリ管12aの上流側端部から、後述の下流側ベンチュリ管12bまでの領域に形成されている。
【0032】
上流側ベンチュリ管12aは、ノズルケース31の上部に嵌め込まれることによって、気泡発生流路領域部131の入り口側に、図6で縦向きに設けられている。
【0033】
又、気泡発生流路領域部131には、変流生成手段が設けられている。変流生成手段は、上流側ベンチュリ管12aを流れる気水溶解流体の一部又は全体に渦流又は旋回流を起こさせるためのものである。この実施形態の変流生成手段は、上流側ベンチュリ管12a内に設けられた渦流生成用のエッジ12cから構成され、上流側ベンチュリ管12aを流れる気水溶解流体の一部に渦流を起こさせるようになっている。
【0034】
この渦流生成用のエッジ12cは、図7に示すように上流側ベンチュリ管12aの内周壁に、周方向に沿って全周に渡って、径方向の内側(内周側)に突設されている。
【0035】
又、この渦流生成用のエッジ12cにおける上流側の前面12dは、基端12fから突出先端12gにかけて、上流側ベンチュリ管12aの軸方向に直交する平面に対して所定の角度をもって下流側に傾斜するように構成されている。又、下流側の後面12eは、基端12hから突出先端12gにかけて、上流側ベンチュリ管12aの軸方向に直交する平面に対して所定の角度をもって上流側に傾斜するように構成されている。
【0036】
尚、この変流生成手段は、渦流生成手段としての渦流生成用のエッジ12cによる形態のものに限らず、例えば旋回流を生成する旋回流生成手段から構成しても良く、適宜変更し得る。
【0037】
図6に戻って、気泡分裂流路領域部133は、気泡発生流路領域部131で発生させた気泡を分裂させて分裂気泡を生成させる流路である。この実施形態の気泡分裂流路領域部133は、減圧手段としての下流側ベンチュリ管12bが設けられており、下流側ベンチュリ管12bの内部に形成された流路の上流側端部から下流側端部までに至る領域に形成されている。
【0038】
下流側ベンチュリ管12bは、この実施形態では、ノズル本体29に形成された複数個のものから構成されている。そして、ノズル本体29がOリング33を介してノズルケース31のほぼ中程に嵌め込まれることによって、下流側ベンチュリ管12bは、上流側ベンチュリ管12aの下流側に、図6で横向きに配設されている。
【0039】
詳しくは、ノズル本体29には、図6及び図9に示すように、ノズルケース31の出口側(横向き部分)の部分にOリング33を介して嵌め込むための円筒状嵌め込み部29aと、この嵌め込み部29aから下流側(吐出方向)に突出する円筒状突出部29bと、この円筒状突出部29bと嵌め込み部29aとの間に板状閉塞部29cとが形成され、この閉塞部29cに、内外2重の同心円が設定され、内側の小径円に沿って、円周上等角度間隔で複数個(本例では、6個)の下流側ベンチュリ管12bが形成され、外側の大径円に沿って、円周上等角度間隔で複数個(本例では10個)の下流側ベンチュリ管12bが形成されている(本例では下流側ベンチュリ管12bが合計16個)。複数個のベンチュリ管12bは、ベンチュリ管群と呼ぶことができる。
【0040】
又、これらの下流側ベンチュリ管12bは、上流側の入口部分が外向きラッパ状に形成され、その直ぐ下流側に短い最も径小のストレート部が形成され、その下流側に、上流側から下流側に向かって拡径した長いテーパー部が形成されている。
【0041】
次に、気化流路領域部132について説明する。この気化流路領域部132は、前記分裂気泡を成長(径を大きく)させ、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成するための流路である。
【0042】
この実施形態の気化流路領域部132は、図6に示すように前記ノズル本体29における下流側ベンチュリ管12bの下流側(図6の左側部)に形成されている。この気化流路領域部132は、気水溶解流体に溶解した溶解空気の気化を促進する気化促進手段によって形成されており、前記気水溶解流体と共に前記分裂気泡がこの気化流路領域部132を流れる間に、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成できるようになっている。
【0043】
この実施形態では、気化促進手段を、気化流路領域部132の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めた流路狭小形成部材38を備えたものから構成し、この流路狭小形成部材38によって、流路狭小形成部材38を設けない場合に比べ、気化流路領域部132を流れる気水溶解流体の流速を遅くし、気水溶解流体が気化流路領域部132を流れている時間を長くするようにしている。
【0044】
詳しくは、ノズル本体29の吐出側の端部に、下流側(吐出方向)に延在する円筒状のホルダー37が、ノズル本体29の突出部29bの前端部の雄ねじ29dに、ホルダー37の雌ねじ37aをねじ込むことにより取付けられており、このホルダー37の内周側に、流路狭小形成部材38が設けられている。
【0045】
この実施形態の流路狭小形成部材38は、図6及び図10に示すようにホルダー37の軸にほぼ直交するように配置された閉塞部38aと、この閉塞部38aによって区画形成されて閉塞部38aに隣接して設けられた4つの開口部38bとを有するものから構成されている。そして、このように構成された流路狭小形成部材38によって、ノズル本体29の内側における下流側ベンチュリ管12bの下流側に気化流路領域部132が形成されるとともに、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積が流路狭小形成部材38の全開口部38bに相当する断面積になり、気化流路領域部132における下流側端部の流路が、気化流路領域部132の他の部分に比べて狭められている。
【0046】
この実施形態では、流路狭小形成部材38の閉塞部38aが、ノズル本体29の内側に形成された流路を10%以上〜40%以下になるように、塞いでおり、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積が、気化流路領域部132における他の部分の流路断面積に対して60%以上〜90%以下の範囲に設定されている。
【0047】
又、この実施形態における閉塞部38aにおける開口部38bとの境界面39は、図11に示すように、その下流側端部39a(境界面39と、閉塞部38aにおける図示左側の下流側の端面との交差部分)が、湾曲面(R面)から構成されている。
【0048】
吐出ノズル30の説明を続けると、浴槽1の側壁1aの取付け穴1bには、側面視でU字状断面のパッキン40が嵌め込まれ、浴槽1の外側からノズルケース31の出口側(横向き部分)のフランジ部31bをパッキン40に当てがうとともに、浴槽1の内側から円筒状固定フランジ41の後端部の雄ねじ41aをノズルケース31のフランジ部31bの雌ねじ31cにねじ込むことで、固定フランジ41の前端部のフランジ部41bがパッキン40に水密に密着し、ノズルケース31のフランジ部31bがパッキン40に水密に密着するようになる。これにより、ノズルケース31が固定フランジ41で浴槽1の側壁1aに固定状態で取付けられるようになる。
【0049】
そして、浴槽1の内側から円筒状ノズルカバー42の後端部の雌ねじ42aを固定フランジ41のフランジ部41bの雄ねじ41cにねじ込むことで、ノズルカバー42が固定フランジ41のフランジ部41bに取付けられるようになる。ノズルカバー42には、前記吐出口3が形成されている。
【0050】
固定フランジ41には、図13(a)、図13(b)に示すようにホルダー37の外周面との間を閉塞する板状閉塞部41dが形成され、この閉塞部41dに内外2重の同心円が設定され、内側の小径円に沿って、円周上等角度間隔で多数個の貫通孔41eが形成され、外側の大径円に沿って、内側の小径円の貫通孔41eと半ピッチずらせた状態で、円周上等角度間隔で多数個の貫通孔41eが形成されている。この閉塞部41dの内周面とホルダー37の外周面との間にパッキン(図示せず)を介在させることで、水密性を向上させることができる。
【0051】
ノズルカバー42の外周面には、図6に示したように、円周上等角度間隔で複数個の前記吸込口2が形成されている。
【0052】
前記のように構成した吐出ノズル30であれば、図6に示したように、空気が溶解した気水溶解流体としての湯水は、矢印aのように、流出管11からノズルケース31の上流側ベンチュリ管12aに入る。そして、上流側ベンチュリ管12aを通る際、湯水は、上流側ベンチュリ管12aで減圧され、湯水から気泡100aが発生する。又、図8に示すように、渦流生成用のエッジ12cによって、湯水の一部が渦流を生成し、この渦流の生成に伴い形成される低圧部によって湯水から気泡100aが発生する。
【0053】
従って、上流側ベンチュリ管12aによる減圧と渦流生成用のエッジ12cとの両者によって、気泡を発生させることができ、上流側ベンチュリ管12aの減圧だけで気泡を発生させる場合に比べて、上流側ベンチュリ管12aの上流側端部から下流側ベンチュリ管12bまでの領域に形成させる気泡発生流路領域部131で、より多量の気泡を発生させることができる。
【0054】
その後、発生した気泡100aを含む湯水は、下流側ベンチュリ管12bに入り、下流側ベンチュリ管12aのテーパー部122において、圧力の回復によって気泡100aが、更に分裂して分裂気泡100bが生成される。
【0055】
次に、下流側ベンチュリ管12bを出た分裂気泡100bを含む湯水は、気化流路領域部132に入る。気化流路領域部132の下流側端部の流路がその上流側よりも狭められているため、この気化流路領域部132に分裂気泡100bと共に入った湯水は、湯水から空気の気化を促進させる程度にゆっくり流される。その結果、分裂気泡100bが成長し(大きくなり)、白濁化に必要十分な外径の微細気泡100cに形成できる。従って、微細気泡100cを含む湯水は、十分に白濁した状態になっている。
【0056】
又、流路狭小形成部材38の閉塞部38aにおける開口部38bとの境界面39の下流側端部39aが湾曲面であるため、例えば境界面の下流側端部を角部(エッジ)から構成した場合のように下流側端部の角部によって渦流ができて気泡が角部に付着し易くなり2以上の気泡が角部に付着して合一してしまうようなことを抑えることができる。
【0057】
これにより、気化流路領域部132で白濁化に必要十分な外径に形成された気泡が、合一によって白濁化に適さない大きさのものになるようなことを防止でき、白濁化に必要十分な外径に形成した状態で吐出ノズルから吐出させることができる。そして、微細気泡100cを含む湯水は、この状態で吐出口3から浴槽1に吐出される。
【0058】
また、浴槽1内の浴水は、図6に示す矢印bのように、ノズルカバー42の吸込口2からノズルカバー42内に吸い込まれ、固定フランジ41の閉塞部41dの貫通孔41eを通って、図5のように、ノズルケース31の外側部に接続された接続管5から電動ポンプ6に吸い込まれるようになる。
【0059】
尚、上記実施形態では、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積を、気化流路領域部132の他の部分の流路断面積に対して60%以上〜90%以下としているが、この範囲に限らず、適宜変更し得る。ただし、上記範囲であれば分裂気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に、効率良く形成できる点で好ましく、より好ましくは略75%である。
【0060】
又、上記実施形態では、流路狭小形成部材38を、十字状の閉塞部38aと、4つの開口部38bとを有するものから構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更し得る。例えば、図12(a)に示すように、流路狭小形成部材380を、縦横に並べた複数(4本)の棒状のビーム380cから構成した閉塞部380aと、ビーム380cに隣接して設けられて形成された複数(9個)の開口部380bとを有するものから構成する。
【0061】
または、図12(b)に示すように、流路狭小形成部材381を、図12(a)で示したビーム380cより細幅の棒状のビーム381cであって、縦横に並べた複数(6本)のものからなる閉塞部381aと、ビーム381cに設けられた複数(16個)の開口部381bとを有するものから構成する。
【0062】
このようにしてビームの数、あるいは、ビームの幅を変更して流路狭小形成部材を構成することにより、簡単な構成で、しかも、容易に開口率を調整しながら流路狭小形成部材を形成できる。
【0063】
又、図12(c)に示すように、流路狭小形成部材382の閉塞部382aを、リング状のビーム382cと、リング状のビーム382cを支持した棒状のビーム382dとから構成するとともに、開口部382bを、リング状のビーム382cの内部及びリング状のビーム382cと棒状のビーム382dとに隣接して形成された部分から構成するようにしても良い。
【0064】
また、流路狭小形成部材38は、ホルダー37と別体のものから構成し、ホルダー37に取り付けるようにしても良いが、ホルダー37と一体的に形成しても良く、適宜変更して実施できる。
【0065】
又、流路狭小形成部材38は、ホルダー37に設けるものに限らず、ノズル本体29に設けるようにしても良い。又、流路狭小形成部材38を、ホルダー37に設ける場合においても、流路狭小形成部材38を、ホルダー37と一体的に設け、あるいは、流路狭小形成部材38を、ホルダー37と別体のものから構成して、ホルダー37に取り付けるようにしてもよく、適宜変更できる。
【0066】
前記実施形態は、水廻り設備として、白濁化のために微細気泡を吐出させる浴槽用のものであったが、ボウル洗浄のために微細気泡を噴射させる水洗便器等にも本発明を適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る微細気泡発生装置の基本構成図である。
【図2】図1の空気溶解装置の斜視図である。
【図3】図1の空気溶解装置であり、(a)は断面図、(b)は(a)のI―I線断面図である。
【図4】図1のベンチュリ管の断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る微細気泡発生装置を具体化した斜視図である。
【図6】ベンチュリ管を有する吐出ノズルの断面図である。
【図7】上流側ベンチュリ管の要部拡大断面図である。
【図8】渦流生成用のエッジにより渦流が生成される際の説明図である。
【図9】ノズル本体とホルダーとを組み立てた斜視図である。
【図10】ホルダーの正面図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面説明図である。
【図12】流路狭小形成部材の他の実施形態の説明図に係り、(a)は他の実施形態の流路狭小形成部材を有するホルダーの正面図、(b)は更に他の実施形態の流路狭小形成部材を有するホルダーの正面図、(c)は更に別の他の実施形態の流路狭小形成部材を有するホルダーの正面図である。
【図13】固定フランジであり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 浴槽
2 吸込口
3 吐出口
8 空気溶解装置
12a 上流側ベンチュリ管(減圧手段)
12b 下流側ベンチュリ管(減圧手段)
12c 渦流生成用のエッジ(変流生成手段)
30 吐出ノズル
37 ホルダー
38、380、381、382 流路狭小形成部材(気化促進手段)
38a、380a、381a、382a 閉塞部
38b、380b、381b、382b 開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、水廻り設備に最適な微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズルから浴槽(水廻り設備の一例)内に吐出させるようにした微細気泡発生装置がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−33071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記のような微細気泡発生装置を水廻り設備である浴槽に適用する場合、浴槽とエプロンとの隙間のような狭いスペースに微細気泡発生装置を設置する必要があるために、大掛かりな装置や長い経路を用いることなく、簡単な構成で微細気泡の発生量を大幅に増加させたいという要望がある。
【0004】
本発明は、前記要望に応えるためになされたもので、簡単な構成で微細気泡の発生量を大幅に増加させることで、白濁性を向上させることができる微細気泡発生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズルから吐出させる微細気泡発生装置であって、前記吐出ノズルに、前記気水溶解流体を流す流路が設けられ、この流路の一部に気化流路領域部を形成して気水溶解流体に溶解した溶解空気の気化を促進する気化促進手段が設けられていることを特徴とする微細気泡発生装置を提供する。
【0006】
請求項2のように、前記気化促進手段は、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めるための流路狭小形成部材を備えたものであることが好ましい。
【0007】
請求項3のように、前記吐出ノズルの前記流路に、前記減圧手段が設けられ、前記流路狭小形成部材は、前記流路における前記減圧手段の下流側に配設されることにより前記減圧手段の下流側に前記気化流路領域部を形成するとともに、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその気化流路領域部の上流側の流路断面積に対して、60%以上〜90%以下にするものであることが好ましい。
【0008】
請求項4のように、前記流路狭小形成部材は、前記気化流路領域部の流路の一部を塞いだ閉塞部と、閉塞部に隣接して設けられた開口部とを有するものから構成され、前記閉塞部における開口部との境界面の下流側端部は、湾曲面に形成されていることが好ましい。
【0009】
請求項5のように、前記閉塞部は、所定幅を有する複数のビームを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、気化促進手段によって形成された気化流路領域部を、空気を過飽和に溶解した気水溶解流体が流れると、気水溶解流体から空気の気化を促進させることができ、気水溶解流体と共に流れる気泡を、成長(径を大きく)させることができる。これにより、例えば径が小さすぎて白濁化に適さない大きさの気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成できる。
【0011】
請求項2の発明によれば、前記気化流路領域部の下流側における流路断面積を、その上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めた流路狭小形成部材によって、気化流路領域部を流れる気水溶解流体の流速を、流路狭小形成部材を設けない場合に比べて遅くでき、気水溶解流体が気化流路領域部を流れている時間を長くできる。これにより、空気を過飽和に溶解した気水溶解流体に、空気を気化させる時間的余裕を与えて気化を促進させることができる。又、その際、流路狭小形成部材によって、気化流路領域部の下流側における流路断面積を、その上流側の流路断面積よりも小さくすれば良く、簡単な構成で良いものにできる。
【0012】
請求項3の発明によれば、流路狭小形成部材によって、流路における前記減圧手段の下流側に気化流路領域部を形成するため、減圧手段によって形成される分裂気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成できる。又、流路狭小形成部材によって、気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積に対して、60%以上〜90%以下にするため、気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に、効率良く形成できる。
【0013】
請求項4の発明によれば、流路狭小形成部材の閉塞部における開口部との境界面の下流側端部が湾曲面であるため、例えば境界面の下流側端部を角部(エッジ)から構成した場合のように下流側端部の角部によって渦流ができて気泡が角部に付着し易くなり2以上の気泡が角部に付着して合一してしまうようなことを抑えることができる。これにより、気化流路領域部で白濁化に必要十分な外径に形成された気泡が、合一によって径が大きくなってしまって白濁化に適さないものになるようなことを防止でき、白濁化に必要十分な外径に形成した状態で吐出ノズルから吐出させることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、閉塞部は、所定幅を有する複数のビームを備えているため、ビームの数を変更し、または、幅の異なるビームを用いることにより、流路の流路断面積を、容易に適宜な大きさのものにできるとともに、容易に形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態の微細気泡発生装置の基本構成図で、本実施形態では、浴槽1に使用されるものとされ浴槽1内の浴水中に微細気泡を発生させるように構成されており、浴槽1の内側面に吸込口2と吐出口3とが設けられ、浴槽1のフランジ部に空気吸込口4が設けられている。
【0017】
吸込口2は、接続管5を介して電動ポンプ6の吸い込み側に接続され、電動ポンプ6の吐出側は流入管7を介して空気溶解装置8の吸込側の噴射口9に接続されている。空気溶解装置8の吐出側の流出口10は、流出管11を介して圧力開放部となるベンチュリ管12の一端に接続され、ベンチュリ管12の他端は接続管13を介して浴槽1の側面に設置された吐出口3に接続されている。また、空気吸込口4は、電動ポンプ6の入口側近傍の接続管5に接続管14を介して接続され、接続管14には、逆止弁15が設けられている。
【0018】
前記空気溶解装置8は、図2および図3に詳細に示すように、断面円形の直筒状をした側壁部21と、この側壁部21の両側の端部を閉塞する端壁部22とからなるタンク状の筒状体23で構成されて、長手方向すなわち略円筒状をした側壁部21の中心軸イ(図2の一点鎖線参照)が水平方向ロ(図2の矢印参照)に対して10〜45度の傾斜角度θで傾斜する姿勢で配置されている。
【0019】
この傾斜姿勢の筒状体23は、上方側の端部が上流側Aの端部になるとともに、下方側の端部が下流側Bの端部となり、上流側Aに気水混合流体を筒状体23内に噴射するための噴射口9を形成されるとともに、下流側Bに水を筒状体23内から流出する流出口10が形成されている。
【0020】
筒状体23内には、溶質となる例えば空気等の空気と、溶媒となる例えば水とが貯留されるもので、略円筒状をした側壁部21の上下方向の略中央付近には空気と水との界面24が位置し、界面24より上部の上流側Aの部分は、空気が貯留される空気貯留部25になるとともに、界面24より下流側Bの部分は、水が貯留される水貯留部26となる。
【0021】
前記噴射口9は、空気貯留部25の内壁面(界面24より上流側Aの側壁部21または端壁部22の内壁面)か、界面24寄りの位置か、あるいは界面24より若干下側の水貯留部26の内壁面(界面24より下流側Bの側壁部21の内壁面)に形成され、流出口10は、水貯留部26の端部付近の内壁面(界面24より下流側Bの側壁部21または端壁部22の内壁面)に形成される。
【0022】
筒状体23の側壁部21には、弁(図示せず)を設けた空気抜き口27が形成してあり、この空気抜き口27の位置が空気貯留部25に貯留される空気と水貯留部26に貯留される水の界面24のレベルとなる。
【0023】
次に、空気溶解装置8の作用を説明する。噴射口9から筒状体23内に貯留されているのと同じ水および空気が噴射されると、噴射口9と対向する側壁部21の上側の内壁面に衝突し、この内壁面で跳ね返って界面24にて水貯留部26に貯留されている水に衝突して攪拌される。また、水貯留部26に貯留されている水は、気水混合流体が界面24に衝突して攪拌される他に、噴射口9から筒状体23内に噴射される気水混合流体によっても攪拌される。
【0024】
このように、気水混合流体の側壁部21の内壁面との衝突や界面24での衝突による攪拌、噴射される際の水の攪拌等により、筒状体23内に貯留している空気および水、気水混合流体中の空気および水が混合され、空気の水への溶解が促進される。すなわち、混合攪拌によるせん断により、水に混合している気泡(空気)が細分化されて、水と接する総表面積が大きくなるのに加えて、水と空気との界面付近における空気の溶解濃度が混合攪拌による均一化により低減されて、空気の水への溶解速度が上昇するため、空気の水への溶解が促進される。
【0025】
空気の溶解が進行した水は筒状体23の水貯留部26に貯留されるが、貯留されている水には未溶解の気泡も数多く混合し、このような気泡は上方に行くほど密に存在しており、水貯留部26の下端部近傍では気泡はあまり存在せず、大きな気泡は殆ど存在しない。そして、空気の溶解が進行して大きな気泡が殆ど存在しない水貯留部26の下端部の水が流出口10から筒状体23外に流出されるようになる。
【0026】
図4は、前記ベンチュリ管12の基本構成図である。前記流出管11のベンチュリ管12は、中央1個の上流側ベンチュリ管12aと複数個(図4の例では5個)の下流側ベンチュリ管12bとの2段構成となっている。
【0027】
図5および図6は、図1〜図4の基本構成を具体化した微細気泡発生装置であり、基本構成と同一構成は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
浴槽1の側壁1aに吐出ノズル30が取付けられ、この吐出ノズル30に、前述した吸込口2、吐出口3、ベンチュリ管12(12a,12b)等が組み込まれてユニット化されている。
【0029】
吐出ノズル30には、側面視でL字状のノズルケース31が設けられ、ノズルケース31の内部には、外形状に倣ったL字状の流路31aが形成されて、この流路31aの入口側(縦向き部分)には、前記流出管11がOリング32を介して接続される。
【0030】
流路31aは、この実施形態では、気泡発生(発泡)流路領域部131と、この気泡発生流路領域部131の下流側に配設された気泡分裂流路領域部133と、この気泡分裂流路領域部133の下流側に配設された気化流路領域部132とを備えている。
【0031】
気泡発生流路領域部131は、気水溶解流体から気泡を発生させるための流路である。この実施形態の気泡発生流路領域部131は、減圧手段としての上流側ベンチュリ管12aが設けられており、この上流側ベンチュリ管12aの上流側端部から、後述の下流側ベンチュリ管12bまでの領域に形成されている。
【0032】
上流側ベンチュリ管12aは、ノズルケース31の上部に嵌め込まれることによって、気泡発生流路領域部131の入り口側に、図6で縦向きに設けられている。
【0033】
又、気泡発生流路領域部131には、変流生成手段が設けられている。変流生成手段は、上流側ベンチュリ管12aを流れる気水溶解流体の一部又は全体に渦流又は旋回流を起こさせるためのものである。この実施形態の変流生成手段は、上流側ベンチュリ管12a内に設けられた渦流生成用のエッジ12cから構成され、上流側ベンチュリ管12aを流れる気水溶解流体の一部に渦流を起こさせるようになっている。
【0034】
この渦流生成用のエッジ12cは、図7に示すように上流側ベンチュリ管12aの内周壁に、周方向に沿って全周に渡って、径方向の内側(内周側)に突設されている。
【0035】
又、この渦流生成用のエッジ12cにおける上流側の前面12dは、基端12fから突出先端12gにかけて、上流側ベンチュリ管12aの軸方向に直交する平面に対して所定の角度をもって下流側に傾斜するように構成されている。又、下流側の後面12eは、基端12hから突出先端12gにかけて、上流側ベンチュリ管12aの軸方向に直交する平面に対して所定の角度をもって上流側に傾斜するように構成されている。
【0036】
尚、この変流生成手段は、渦流生成手段としての渦流生成用のエッジ12cによる形態のものに限らず、例えば旋回流を生成する旋回流生成手段から構成しても良く、適宜変更し得る。
【0037】
図6に戻って、気泡分裂流路領域部133は、気泡発生流路領域部131で発生させた気泡を分裂させて分裂気泡を生成させる流路である。この実施形態の気泡分裂流路領域部133は、減圧手段としての下流側ベンチュリ管12bが設けられており、下流側ベンチュリ管12bの内部に形成された流路の上流側端部から下流側端部までに至る領域に形成されている。
【0038】
下流側ベンチュリ管12bは、この実施形態では、ノズル本体29に形成された複数個のものから構成されている。そして、ノズル本体29がOリング33を介してノズルケース31のほぼ中程に嵌め込まれることによって、下流側ベンチュリ管12bは、上流側ベンチュリ管12aの下流側に、図6で横向きに配設されている。
【0039】
詳しくは、ノズル本体29には、図6及び図9に示すように、ノズルケース31の出口側(横向き部分)の部分にOリング33を介して嵌め込むための円筒状嵌め込み部29aと、この嵌め込み部29aから下流側(吐出方向)に突出する円筒状突出部29bと、この円筒状突出部29bと嵌め込み部29aとの間に板状閉塞部29cとが形成され、この閉塞部29cに、内外2重の同心円が設定され、内側の小径円に沿って、円周上等角度間隔で複数個(本例では、6個)の下流側ベンチュリ管12bが形成され、外側の大径円に沿って、円周上等角度間隔で複数個(本例では10個)の下流側ベンチュリ管12bが形成されている(本例では下流側ベンチュリ管12bが合計16個)。複数個のベンチュリ管12bは、ベンチュリ管群と呼ぶことができる。
【0040】
又、これらの下流側ベンチュリ管12bは、上流側の入口部分が外向きラッパ状に形成され、その直ぐ下流側に短い最も径小のストレート部が形成され、その下流側に、上流側から下流側に向かって拡径した長いテーパー部が形成されている。
【0041】
次に、気化流路領域部132について説明する。この気化流路領域部132は、前記分裂気泡を成長(径を大きく)させ、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成するための流路である。
【0042】
この実施形態の気化流路領域部132は、図6に示すように前記ノズル本体29における下流側ベンチュリ管12bの下流側(図6の左側部)に形成されている。この気化流路領域部132は、気水溶解流体に溶解した溶解空気の気化を促進する気化促進手段によって形成されており、前記気水溶解流体と共に前記分裂気泡がこの気化流路領域部132を流れる間に、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に形成できるようになっている。
【0043】
この実施形態では、気化促進手段を、気化流路領域部132の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めた流路狭小形成部材38を備えたものから構成し、この流路狭小形成部材38によって、流路狭小形成部材38を設けない場合に比べ、気化流路領域部132を流れる気水溶解流体の流速を遅くし、気水溶解流体が気化流路領域部132を流れている時間を長くするようにしている。
【0044】
詳しくは、ノズル本体29の吐出側の端部に、下流側(吐出方向)に延在する円筒状のホルダー37が、ノズル本体29の突出部29bの前端部の雄ねじ29dに、ホルダー37の雌ねじ37aをねじ込むことにより取付けられており、このホルダー37の内周側に、流路狭小形成部材38が設けられている。
【0045】
この実施形態の流路狭小形成部材38は、図6及び図10に示すようにホルダー37の軸にほぼ直交するように配置された閉塞部38aと、この閉塞部38aによって区画形成されて閉塞部38aに隣接して設けられた4つの開口部38bとを有するものから構成されている。そして、このように構成された流路狭小形成部材38によって、ノズル本体29の内側における下流側ベンチュリ管12bの下流側に気化流路領域部132が形成されるとともに、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積が流路狭小形成部材38の全開口部38bに相当する断面積になり、気化流路領域部132における下流側端部の流路が、気化流路領域部132の他の部分に比べて狭められている。
【0046】
この実施形態では、流路狭小形成部材38の閉塞部38aが、ノズル本体29の内側に形成された流路を10%以上〜40%以下になるように、塞いでおり、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積が、気化流路領域部132における他の部分の流路断面積に対して60%以上〜90%以下の範囲に設定されている。
【0047】
又、この実施形態における閉塞部38aにおける開口部38bとの境界面39は、図11に示すように、その下流側端部39a(境界面39と、閉塞部38aにおける図示左側の下流側の端面との交差部分)が、湾曲面(R面)から構成されている。
【0048】
吐出ノズル30の説明を続けると、浴槽1の側壁1aの取付け穴1bには、側面視でU字状断面のパッキン40が嵌め込まれ、浴槽1の外側からノズルケース31の出口側(横向き部分)のフランジ部31bをパッキン40に当てがうとともに、浴槽1の内側から円筒状固定フランジ41の後端部の雄ねじ41aをノズルケース31のフランジ部31bの雌ねじ31cにねじ込むことで、固定フランジ41の前端部のフランジ部41bがパッキン40に水密に密着し、ノズルケース31のフランジ部31bがパッキン40に水密に密着するようになる。これにより、ノズルケース31が固定フランジ41で浴槽1の側壁1aに固定状態で取付けられるようになる。
【0049】
そして、浴槽1の内側から円筒状ノズルカバー42の後端部の雌ねじ42aを固定フランジ41のフランジ部41bの雄ねじ41cにねじ込むことで、ノズルカバー42が固定フランジ41のフランジ部41bに取付けられるようになる。ノズルカバー42には、前記吐出口3が形成されている。
【0050】
固定フランジ41には、図13(a)、図13(b)に示すようにホルダー37の外周面との間を閉塞する板状閉塞部41dが形成され、この閉塞部41dに内外2重の同心円が設定され、内側の小径円に沿って、円周上等角度間隔で多数個の貫通孔41eが形成され、外側の大径円に沿って、内側の小径円の貫通孔41eと半ピッチずらせた状態で、円周上等角度間隔で多数個の貫通孔41eが形成されている。この閉塞部41dの内周面とホルダー37の外周面との間にパッキン(図示せず)を介在させることで、水密性を向上させることができる。
【0051】
ノズルカバー42の外周面には、図6に示したように、円周上等角度間隔で複数個の前記吸込口2が形成されている。
【0052】
前記のように構成した吐出ノズル30であれば、図6に示したように、空気が溶解した気水溶解流体としての湯水は、矢印aのように、流出管11からノズルケース31の上流側ベンチュリ管12aに入る。そして、上流側ベンチュリ管12aを通る際、湯水は、上流側ベンチュリ管12aで減圧され、湯水から気泡100aが発生する。又、図8に示すように、渦流生成用のエッジ12cによって、湯水の一部が渦流を生成し、この渦流の生成に伴い形成される低圧部によって湯水から気泡100aが発生する。
【0053】
従って、上流側ベンチュリ管12aによる減圧と渦流生成用のエッジ12cとの両者によって、気泡を発生させることができ、上流側ベンチュリ管12aの減圧だけで気泡を発生させる場合に比べて、上流側ベンチュリ管12aの上流側端部から下流側ベンチュリ管12bまでの領域に形成させる気泡発生流路領域部131で、より多量の気泡を発生させることができる。
【0054】
その後、発生した気泡100aを含む湯水は、下流側ベンチュリ管12bに入り、下流側ベンチュリ管12aのテーパー部122において、圧力の回復によって気泡100aが、更に分裂して分裂気泡100bが生成される。
【0055】
次に、下流側ベンチュリ管12bを出た分裂気泡100bを含む湯水は、気化流路領域部132に入る。気化流路領域部132の下流側端部の流路がその上流側よりも狭められているため、この気化流路領域部132に分裂気泡100bと共に入った湯水は、湯水から空気の気化を促進させる程度にゆっくり流される。その結果、分裂気泡100bが成長し(大きくなり)、白濁化に必要十分な外径の微細気泡100cに形成できる。従って、微細気泡100cを含む湯水は、十分に白濁した状態になっている。
【0056】
又、流路狭小形成部材38の閉塞部38aにおける開口部38bとの境界面39の下流側端部39aが湾曲面であるため、例えば境界面の下流側端部を角部(エッジ)から構成した場合のように下流側端部の角部によって渦流ができて気泡が角部に付着し易くなり2以上の気泡が角部に付着して合一してしまうようなことを抑えることができる。
【0057】
これにより、気化流路領域部132で白濁化に必要十分な外径に形成された気泡が、合一によって白濁化に適さない大きさのものになるようなことを防止でき、白濁化に必要十分な外径に形成した状態で吐出ノズルから吐出させることができる。そして、微細気泡100cを含む湯水は、この状態で吐出口3から浴槽1に吐出される。
【0058】
また、浴槽1内の浴水は、図6に示す矢印bのように、ノズルカバー42の吸込口2からノズルカバー42内に吸い込まれ、固定フランジ41の閉塞部41dの貫通孔41eを通って、図5のように、ノズルケース31の外側部に接続された接続管5から電動ポンプ6に吸い込まれるようになる。
【0059】
尚、上記実施形態では、気化流路領域部132における下流側端部の流路断面積を、気化流路領域部132の他の部分の流路断面積に対して60%以上〜90%以下としているが、この範囲に限らず、適宜変更し得る。ただし、上記範囲であれば分裂気泡を、白濁化に必要十分な外径の微細気泡に、効率良く形成できる点で好ましく、より好ましくは略75%である。
【0060】
又、上記実施形態では、流路狭小形成部材38を、十字状の閉塞部38aと、4つの開口部38bとを有するものから構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更し得る。例えば、図12(a)に示すように、流路狭小形成部材380を、縦横に並べた複数(4本)の棒状のビーム380cから構成した閉塞部380aと、ビーム380cに隣接して設けられて形成された複数(9個)の開口部380bとを有するものから構成する。
【0061】
または、図12(b)に示すように、流路狭小形成部材381を、図12(a)で示したビーム380cより細幅の棒状のビーム381cであって、縦横に並べた複数(6本)のものからなる閉塞部381aと、ビーム381cに設けられた複数(16個)の開口部381bとを有するものから構成する。
【0062】
このようにしてビームの数、あるいは、ビームの幅を変更して流路狭小形成部材を構成することにより、簡単な構成で、しかも、容易に開口率を調整しながら流路狭小形成部材を形成できる。
【0063】
又、図12(c)に示すように、流路狭小形成部材382の閉塞部382aを、リング状のビーム382cと、リング状のビーム382cを支持した棒状のビーム382dとから構成するとともに、開口部382bを、リング状のビーム382cの内部及びリング状のビーム382cと棒状のビーム382dとに隣接して形成された部分から構成するようにしても良い。
【0064】
また、流路狭小形成部材38は、ホルダー37と別体のものから構成し、ホルダー37に取り付けるようにしても良いが、ホルダー37と一体的に形成しても良く、適宜変更して実施できる。
【0065】
又、流路狭小形成部材38は、ホルダー37に設けるものに限らず、ノズル本体29に設けるようにしても良い。又、流路狭小形成部材38を、ホルダー37に設ける場合においても、流路狭小形成部材38を、ホルダー37と一体的に設け、あるいは、流路狭小形成部材38を、ホルダー37と別体のものから構成して、ホルダー37に取り付けるようにしてもよく、適宜変更できる。
【0066】
前記実施形態は、水廻り設備として、白濁化のために微細気泡を吐出させる浴槽用のものであったが、ボウル洗浄のために微細気泡を噴射させる水洗便器等にも本発明を適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る微細気泡発生装置の基本構成図である。
【図2】図1の空気溶解装置の斜視図である。
【図3】図1の空気溶解装置であり、(a)は断面図、(b)は(a)のI―I線断面図である。
【図4】図1のベンチュリ管の断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る微細気泡発生装置を具体化した斜視図である。
【図6】ベンチュリ管を有する吐出ノズルの断面図である。
【図7】上流側ベンチュリ管の要部拡大断面図である。
【図8】渦流生成用のエッジにより渦流が生成される際の説明図である。
【図9】ノズル本体とホルダーとを組み立てた斜視図である。
【図10】ホルダーの正面図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面説明図である。
【図12】流路狭小形成部材の他の実施形態の説明図に係り、(a)は他の実施形態の流路狭小形成部材を有するホルダーの正面図、(b)は更に他の実施形態の流路狭小形成部材を有するホルダーの正面図、(c)は更に別の他の実施形態の流路狭小形成部材を有するホルダーの正面図である。
【図13】固定フランジであり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 浴槽
2 吸込口
3 吐出口
8 空気溶解装置
12a 上流側ベンチュリ管(減圧手段)
12b 下流側ベンチュリ管(減圧手段)
12c 渦流生成用のエッジ(変流生成手段)
30 吐出ノズル
37 ホルダー
38、380、381、382 流路狭小形成部材(気化促進手段)
38a、380a、381a、382a 閉塞部
38b、380b、381b、382b 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズルから吐出させる微細気泡発生装置であって、
前記吐出ノズルに、前記気水溶解流体を流す流路が設けられ、この流路の一部に気化流路領域部を形成して気水溶解流体に溶解した溶解空気の気化を促進する気化促進手段が設けられていることを特徴とする微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記気化促進手段は、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めるための流路狭小形成部材を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
前記吐出ノズルの前記流路に、前記減圧手段が設けられ、
前記流路狭小形成部材は、前記流路における前記減圧手段の下流側に配設されることにより前記減圧手段の下流側に前記気化流路領域部を形成するとともに、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその気化流路領域部の上流側の流路断面積に対して、60%以上〜90%以下にするものであることを特徴とする請求項2記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
前記流路狭小形成部材は、前記気化流路領域部の流路の一部を塞いだ閉塞部と、閉塞部に隣接して設けられた開口部とを有するものから構成され、
前記閉塞部における開口部との境界面の下流側端部は、湾曲面に形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の微細気泡発生装置。
【請求項5】
前記閉塞部は、所定幅を有する複数のビームを備えていることを特徴とする請求項4記載の微細気泡発生装置。
【請求項1】
水中に空気が加圧溶解された気水溶解流体を減圧手段で圧力開放して、微細気泡を発生させながら吐出ノズルから吐出させる微細気泡発生装置であって、
前記吐出ノズルに、前記気水溶解流体を流す流路が設けられ、この流路の一部に気化流路領域部を形成して気水溶解流体に溶解した溶解空気の気化を促進する気化促進手段が設けられていることを特徴とする微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記気化促進手段は、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその上流側の流路断面積よりも小さくして流路を狭めるための流路狭小形成部材を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
前記吐出ノズルの前記流路に、前記減圧手段が設けられ、
前記流路狭小形成部材は、前記流路における前記減圧手段の下流側に配設されることにより前記減圧手段の下流側に前記気化流路領域部を形成するとともに、前記気化流路領域部の下流側端部における流路断面積をその気化流路領域部の上流側の流路断面積に対して、60%以上〜90%以下にするものであることを特徴とする請求項2記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
前記流路狭小形成部材は、前記気化流路領域部の流路の一部を塞いだ閉塞部と、閉塞部に隣接して設けられた開口部とを有するものから構成され、
前記閉塞部における開口部との境界面の下流側端部は、湾曲面に形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の微細気泡発生装置。
【請求項5】
前記閉塞部は、所定幅を有する複数のビームを備えていることを特徴とする請求項4記載の微細気泡発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−307511(P2008−307511A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160427(P2007−160427)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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