微細泡沫群生成装置および微細泡沫群入浴システム
【課題】微細泡沫群生成室に残液が残留するおそれを低減させるのに有利な微細泡沫群生成装置および微細泡沫群入浴システムを提供する。
【解決手段】本装置は、微細泡沫群生成室4と原料を微細泡沫群生成室4に供給する供給通路5と微細泡沫群を吐出させる吐出口19とを有する基体1をもつ。本装置は、駆動軸20をもつ駆動源2と、微細泡沫群生成室4において可動するように設けられ可動に共に微細泡沫群生成室4において微細泡沫群を生成させる可動体3とをもつ。基体1は、微細泡沫群生成室4に残留する残液を微細泡沫群生成室4の外部に排出させる残液排出口7を有する。
【解決手段】本装置は、微細泡沫群生成室4と原料を微細泡沫群生成室4に供給する供給通路5と微細泡沫群を吐出させる吐出口19とを有する基体1をもつ。本装置は、駆動軸20をもつ駆動源2と、微細泡沫群生成室4において可動するように設けられ可動に共に微細泡沫群生成室4において微細泡沫群を生成させる可動体3とをもつ。基体1は、微細泡沫群生成室4に残留する残液を微細泡沫群生成室4の外部に排出させる残液排出口7を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多数の気泡を含有する微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成装置および微細泡沫群を用いて入浴させる微細泡沫群入浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
微細泡沫群を生成させる装置として、微細泡沫群を生成するための生成室を有する基体と、基体に回転可能に装備され回転軸をもつモータと、モータの回転可能な回転軸に取り付けられ生成室において可動するように設けられ回転に共に生成室において微細泡沫群を生成させる回転体とを有するものが開発されている(例えば特許文献1)。このものによれば、複数の流体を混合攪拌させることにより、多数の気泡を含有する微細泡沫群を生成室において生成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3086658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した微細泡沫群を生成させる装置によれば、微細泡沫群の生成が終了したときには、生成室に残液が残留するおそれがある。しかし、生成室の耐久性および長寿命化等を考慮すると、生成室に残留する残液をできるだけ生成室の外部に排出させた方が好ましい。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成室において微細泡沫群の生成が終了したときには、微細泡沫群生成室に残液が残留するおそれを低減させるのに有利な微細泡沫群生成装置および微細泡沫群入浴システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る微細泡沫群生成装置は、(i)多数の気泡を有する微細泡沫群を生成するための微細泡沫群生成室と、微細泡沫群となる原料を微細泡沫群生成室に供給する供給通路と、微細泡沫群生成室で生成された微細泡沫群を微細泡沫群生成室から吐出させる吐出口とを有する基体と、(ii)基体に装備され駆動軸をもつ駆動源と、(iii)駆動源の駆動軸に取り付けられ微細泡沫群生成室において可動するように設けられ可動に伴い微細泡沫群生成室において微細泡沫群を生成させる可動体とを具備しており、(iv)基体は、微細泡沫群生成室に残留する残液を微細泡沫群生成室の外部に排出させる残液排出口を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る微細泡沫群入浴システムは、微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成手段と、微細泡沫群生成手段で生成された微細泡沫群を用いて微細泡沫群入浴する微細泡沫群入浴部とを具備する微細泡沫群入浴システムであって、微細泡沫群生成手段は、上記した微細泡沫群生成装置であることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、微細泡沫群の生成が終了したとき、微細泡沫群生成室に残留する残液を、残液排出口を介して、微細泡沫群生成室から微細泡沫群生成室の外部に排出させることができる。このため微細泡沫群生成装置の不使用時において、微細泡沫群生成室に残留する残液の量を減少または消失させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、微細泡沫群生成装置の不使用時において、微細泡沫群生成室に残留する残液を、残液排出口を介して、微細泡沫群生成室から微細泡沫群生成室の外部に排出させることができる。よって、微細泡沫群生成室の内部を清潔に維持させるのに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1に係り、微細泡沫群生成装置の要部を断面にして示す図である。
【図2】実施形態1に係り、図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】実施形態1に係り、微細泡沫群生成装置のうち互いに異なる部位を径方向に沿って切断して断面図である。
【図4】実施形態1に係り、中間部材を示す斜視図である。
【図5】実施形態1に係り、残液排出口付近を示す断面図である。
【図6】実施形態2に係り、残液排出口付近を示す断面図である。
【図7】実施形態4に係り、残液排出口および供給通路をもつ第1ケースを示す断面図である。
【図8】実施形態5に係り、残液排出口付近を示す断面図である。
【図9】実施形態6に係り、微細泡沫群生成装置の要部を断面にして示す図である。
【図10】実施形態6に係り、図9のX−X線に沿った断面図である。
【図11】適用形態に係り、入浴システムを示す図である。
【図12】適用形態に係り、入浴システムの制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る微細泡沫群生成装置は、多数の気泡を有する微細泡沫群を生成するための微細泡沫群生成室と、微細泡沫群となる原料を微細泡沫群生成室に供給する供給通路と、微細泡沫群生成室で生成された微細泡沫群を微細泡沫群生成室から吐出させる吐出口とを有する基体と、基体に装備され駆動軸をもつ駆動源と、駆動源の駆動軸に取り付けられ微細泡沫群生成室において可動するように設けられ可動に伴い微細泡沫群生成室において微細泡沫群を生成させる可動体とを有する。駆動源の駆動軸は回転する方式が好ましい。従って、可動体は微細泡沫群生成室において回転する方式が好ましい。基体は、微細泡沫群生成室に残留する残液を微細泡沫群生成室の外部に排出させる残液排出口を有する。残液排出口を設ける位置および開口断面積は、微細泡沫群生成室の構造などに応じて適宜設定できる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、残液排出口は駆動軸の中心軸線よりも下側に位置しており、微細泡沫群生成室のうち駆動軸の中心軸線よりも下側の室空間と供給通路とを連通させており、残液を微細泡沫群生成室から供給通路に排出させる。この場合、微細泡沫群生成が終了したとき、微細泡沫群生成室に残留する残液を微細泡沫群生成室から供給通路に排出させることができる。好ましい実施形態によれば、微細泡沫群生成室において原料または微細泡沫群が泡化しつつ進行する流路距離を相対表示で100とするとき、微細泡沫群生成室の流路距離100のうち微細泡沫群生成室の始端から50を超えて微細泡沫群の泡化が進行している後半領域において、残液排出口が開口するように形成されている。一般的には、微細泡沫群の泡化が進行すると、重力が作用しても、流動しにくくなる傾向がある。このため、微細泡沫群生成室の流路距離のうち後半領域に残液排出口が開口するように形成されていると、微細泡沫群生成時において、微細泡沫群生成室の微細泡沫群が残液排出口から供給通路に過剰に抜けることが抑制される。好ましい実施形態によれば、駆動軸は横軸型であり、基体は駆動軸の中心軸線のまわりに微細泡沫群生成室を形成するように外筒壁を有しており、残液排出口は駆動軸の中心軸線よりも下側に位置しつつ、駆動軸の径方向において駆動軸と基体の外周壁との間に開口するように配置されている。
【0013】
好ましい実施形態によれば、残液排出口の流路断面積は、供給通路の流路断面積よりも小さく設定されている。微細泡沫群生成時において、微細泡沫群生成室の微細泡沫群が残液排出口から供給通路に抜けることが抑制される。
【0014】
(実施形態1)
図1〜図5は実施形態1の概念を示す。本実施形態に係る微細泡沫群生成装置は、図1および図2に示すように、基体1と、駆動源としての駆動モータ2と、可動体としてのインペラー3とを有する。基体1は、円筒形状をなす第1ケース11と、第1ケース11に先端部にシール部材12sを介して取付具12mで固定された蓋状の第2ケース12とを有する。基体1の第1ケース11は、微細泡沫群を生成するための円筒形状をなす微細泡沫群生成室4と、微細泡沫群となる原料を微細泡沫群生成室4に供給するための供給通路5とを有する。図1に示すように、第1ケース11は、径方向(矢印R方向)に延設された円盤部14と、円盤部14から駆動モータ2の回転軸20の中心軸線22に沿って同軸的に設けられた複数の固定筒部15と、固定筒部15の外周側に位置する筒形状の外周壁17とを有する。図3に示すように、第1ケース11の固定筒部15および外周壁17には、突起18が形成されている。突起18は固定筒部15の筒長方向に沿って延設されていることが好ましい。
【0015】
図1に示すように、第2ケース12は、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群を微細泡沫群生成室4の外部(例えば浴槽内)に向けて吐出させるための吐出口19を有する。吐出口19は吐出筒部19aで区画されている。吐出口19は中間部材6を介して微細泡沫群生成室4の中央側(回転中心側)に対向している。すなわち、泡吐出口19は中間部材6を介して回転軸20の軸長方向の先端部20xに対向しており、回転軸20と同軸的に設けられていることが好ましい。図1に示すように、駆動モータ2は基体1の第1ケース11に装備されており、水平方向に沿った横軸型の回転軸20をもつ。回転軸20の外周壁面20sは微細泡沫群生成室4の予混合室41に対面している。図1に示すように、インペラー3は駆動モータ2の回転軸20に取付具31cにより同軸的に取り付けられており、回転するように微細泡沫群生成室4に配置されている。ここで、回転軸20、インペラー3、第1ケース11、中間部材6、吐出口19は、回転軸20の中心軸線22に対して同軸的に配置されていることが好ましい。但しこれに限定されるものではない。インペラー3は、駆動モータ2の駆動軸としての回転軸20に同軸的に取り付けられる取付筒部31と、取付筒部31から径外方向に延設された内フランジ部32と、内フランジ部32から回転軸20の中心軸線22に沿って同軸的に設けられた内側回転筒部33と、内側回転筒部33から径外方向に延設された外フランジ部34と、外フランジ部34から回転軸20の中心軸線22に沿って設けられた複数の回転筒部35とを有する。
【0016】
図3に示すように、固定筒部15と回転筒部35とは互いに対面しており、複数の筒状通路を形成する。複数の筒状通路は、複数回屈曲する迷路状のラビリンス通路37を形成している。第1ケース11と第2ケース12とでプレート状の中間部材6が挟持されている。従って、中間部材6はインペラー3および第2ケース12に対面している。中間部材6はインペラー3と第2ケース12との間に介在しており、微細泡沫群生成室4の微細泡沫群が第2ケース12の吐出口19側に過剰に流動することを抑制する。中間部材6は、回転軸20に対向する対向壁部60と、対向壁部60から回転軸20の中心軸線22に沿って延設された筒状の内筒部61および外筒部62と、外筒部62から径外方向に延設されたフランジ状の延設壁63と、延設壁63においてこれの外周側に形成された複数の流通開口64とを有する。流通開口64は微細泡沫群生成室4において生成された微細泡沫群を第2ケース12の吐出口19に向けて流動させる。
【0017】
図1に示すように、上記した微細泡沫群生成室4は、微細泡沫群生成室4のうちこれの上流側に位置する予混合室41と、微細泡沫群生成室4のうちこれの下流側に位置する本混合室42とを有する。本混合室42は予混合室41の下流に位置しており、ラビリンス通路37を収容している。予混合室41は回転軸20の外周壁面20sに対面するように微細泡沫群生成室4において径方向における中央側に形成されており、第1ケース11とインペラー3の内フランジ部32とで仕切られる。図1に示すように、供給通路5は、水(液体)を微細泡沫群生成室4に供給する第1供給通路51と、圧縮空気(圧縮気体)を微細泡沫群生成室4に供給する第2供給通路52とを有する。図2に示すように、第1供給通路51は第1ケース11に沿って延設されており、水源60、ポンプ61、液体流量計62、バルブ63を介して予混合室41に繋がる。図2に示すように、第1供給通路51は後述するように残液排出口7からの残液の排出性等を考慮し、回転軸20の中心軸線22および第2供給通路52よりも重力作用方向における下側に配置されており、L字形状をなしており、ポンプ61に繋がる第1通路としての横通路51aと、第2供給通路52に対向しつつ予混合室41に繋がる第2通路としての縦通路51cとで形成されている。図2から理解できるように、縦通路51cでは水(湯)は回転軸20の外周壁面20sに向けて上向き(矢印U方向)に流れて予混合室41に流入する。
【0018】
図2から理解できるように、第2供給通路52は第1ケース11の径方向(矢印R方向)に沿って延設されており、コンプレッサ65、流量計付きバルブ66を介して予混合室41に繋がる。図2に示すように、第1供給通路51および第2供給通路52は、回転軸20の外周壁面20sに対面しつつ、回転軸20および予混合室41を挟むように互いに対向している。このため第1供給通路51から予混合室41に供給される水(湯)と、第2供給通路52から予混合室41に供給される圧縮空気とを、回転軸20に衝突させつつ予混合室41において効率よく混合できる。これにより水(湯)および空気が混合した流動性を有する混合物を予混合室41において形成できる。この場合、第1供給通路51から供給される水(湯)と、第2供給通路52から供給される圧縮空気とは、回転軸20の外周壁面20sに互いに反対側から衝突し易いため、予混合室41における両者の均一混合性が高まり、予混合室41において両者を衝突させて効率よく混合できる。これにより水(湯)および空気が混合した流動性を有する混合物を予混合室41において良好に形成できる。
【0019】
さて、微細泡沫群が生成されるときには、水搬送源として機能するポンプ61が作動し、水が第1供給通路51から予混合室41に供給される。更に空気搬送源として機能するコンプレッサ65が作動して、圧縮空気が第2供給通路52から予混合室41に供給される。これにより予混合室41において水および空気を含有する流動性をもつ混合物が予混合室41において生成される。混合物は本混合室42に流れ、本混合室42内のラビリンス通路37を複数回屈曲しつつ第1ケース11の外周壁17に向けて流れる。すなわち、微細泡沫群生成室4の径方向(矢印R方向)の中心側から外周側に向けてラビリンス通路37を複数回屈曲しつつ流れる。このとき、駆動モータ2が回転しインペラー3が回転軸20の中心軸線22回りで回転する。このため混合物に剪断力が繰り返して作用し、多数の気泡を含有する微細泡沫群が本混合室42内のラビリンス通路37において形成される。微細泡沫群はラビリンス通路37の径外側の終端37e側を経て、即ち外周壁17の内周側を経て、更に、中間部材6の流通開口64を通過し、吐出口19に至り、吐出口19から微細泡沫群生成室4の外部(例えば浴槽内)に向けて吐出される。ここで、図1から理解できるように、中間部材6が微細泡沫群生成室4のインペラー3に対面するように設けられている。更に流通開口64は中間部材6の中央側ではなく外周側に形成されており、中間部材6は微細泡沫群生成室4の本混合室42の径方向の中央領域を塞いでいる。このため、微細泡沫群が微細泡沫群生成室4の本混合室42に滞在する時間が確保され、微細な気泡をもつ良好な微細泡沫群を生成させるのに有利である。
【0020】
さて、微細泡沫群の生成を終了させるときには、コンプレッサ65の駆動を停止させて圧縮空気を第2供給通路52に供給することを停止させると共に、ポンプ61の駆動を停止させて水(湯)を第1供給通路51に供給することを停止させる。更に駆動モータ2の回転を停止させてインペラー3の回転を停止させる。これにより微細泡沫群の生成が終了する。このように微細泡沫群生成室4における微細泡沫群の生成が終了すると、微細泡沫群は次第に液相状に戻り、流動性を増加させる。従って、微細泡沫群生成室4などにおける残液を、微細泡沫群生成室4の外部に排出させることが好ましい。そこで本実施形態によれば、図1および図2に示すように、基体1の第1ケース11は、微細泡沫群生成室4に残留する残液を微細泡沫群生成室4の外部に排出させる残液排出口7を有する。具体的には、残液排出口7は、駆動モータ2の回転軸20の中心軸線22よりも重力作用方向において下側に位置しており、微細泡沫群生成室4のうち回転軸20の中心軸線22よりも下側の室空間4xoと第1供給通路51とを連通させている。この結果、微細泡沫群の生成が終了したとき、微細泡沫群生成室4に残留している残液を残液排出口7から重力により第1供給通路51に自然に排出させることができる。
【0021】
すなわち、本実施形態によれば、微細泡沫群生成室4において混合物(原料)が泡化しつつ進行する流路距離を相対表示で100とする。このとき、図1から理解できるように、微細泡沫群生成室4の予混合室41の上流端(始端)から、流路距離100のうち50を超えて微細泡沫群の泡化が進行している後半領域において、残液排出口7は開口する。ここで、一般的には、気泡を有しない単なる液相状の水は流動し易いが、微細泡沫群の泡化が進行して多数の気泡が生成されると、微細泡沫群は流動しにくくなる傾向がある。このため、微細泡沫群生成室4における流路のうち、泡化が進行している後半領域において、残液排出口7が開口するように形成されていると、微細泡沫群が微細泡沫群生成室4において生成されるときにおいて、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが抑制される。このため微細泡沫群生成室4において微細泡沫群が良好に生成される。
【0022】
このように微細泡沫群生成室4に残留している残液を残液排出口7から第1供給通路51に排出させるにあたり、インペラー3を停止させていても良いし、あるいは、インペラー3を適宜回転させても良い。図1に示すように、残液排出口7は、インペラー3の径方向においてこれの外周側に対面している。インペラー3の外周側は内周側よりも径が大きいため、インペラー3の外周側の回転速度はインペラー3の内周側の回転速度よりも速い。このため、微細泡沫群生成室4に残留している残液を、インペラー3の回転により、残液排出口7から第1供給通路51に排出させ易いといえる。この場合、微細泡沫群生成時におけるインペラー3の単位時間あたりの回転数(rpm)をN1とし、残液排出時におけるインペラー3の単位時間あたりの回転数(rpm)をN2とするとき、残液排出時には大きなせん断力を発生させずとも良いため、N1>N2にできる。場合によっては、N1=N2、N1<N2にできる。
【0023】
更に本実施形態によれば、駆動モータ2の回転軸20は水平方向に沿って延設された横軸型であり、基体1の第1ケース11は、回転軸20の中心軸線22のまわりに微細泡沫群生成室4の本混合室42を形成するように、外筒壁17を有する。そして、図1に示すように、残液排出口7は、回転軸20の中心軸線22よりも重力作用方向において下側に位置しつつ、回転軸20の径方向(R方向)において回転軸20の中心軸線22と第1ケース11の外周壁17の内周壁面との間において開口するように配置されている。殊に図5に示すように、残液排出口7は、回転軸20の径方向(R方向)において外周壁17の内周壁面17i寄りの位置に開口している。このため図1に示すように、残液排出口7は第1供給通路51に隣接している状態で形成され、第1供給通路51および微細泡沫群生成室4に連通している。
【0024】
図2に示すように、残液排出口7の流路断面積D1は、第1供給通路51の流路断面積D3よりも小さく設定されている(D1<D3)。D1/D3は例えば0.9〜0.05の範囲内、0.7〜0.1の範囲内、0.6〜0.2の範囲内において設定されている。但しこれらに限定されるものではない。この残液排出口7の流路断面積D1が小さくされているため、微細泡沫群生成室4において微細泡沫群を生成させるときにおいて、第1供給通路51を流れる水(湯)が、予混合室41を通過することなく残液排出口7から本混合室42に直接的に流入してしまうことが抑制される。従って、微細泡沫群生成能が損なわれない。更に残液排出口7の流路断面積D1が小さくされているため、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが抑制される。このため微細泡沫群生成室4において微細泡沫群が良好に生成される。
【0025】
殊に、図2に示すように、残液排出口7の中心軸線を7xとし、横通路51aの中心軸線を51xとし、縦通路51cの中心軸線を51yとすると、中心軸線7xは、中心軸線51xおよび中心軸線51yに対してそれぞれ異なる方向に指向している。このため第1供給通路51を流れる水(湯)が、残液排出口7から本混合室42に直接的に流入してしまうことが抑制されている。
【0026】
なお、微細泡沫群生成室4において微細泡沫群を生成させているとき、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが、万一、あったとしても、抜けた微細泡沫群は、ポンプ61から予混合室41に送られる原料である水(湯)と共に、第1供給通路51を介して予混合室41ひいては本混合室42に送られるため、別段の支障がない。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏するため、図1〜図5を準用する。本実施形態においても、微細泡沫群生成処理が終了したら、駆動モータ2を停止させインペラー3を停止させる。すると、微細泡沫群は次第に液相状に戻り、流動性を増加させるため、微細泡沫群生成室4から重力により残液排出口7を介して第1供給通路51に排出させることができる。更に、界面活性剤を有しないすすぎ用の水を、ポンプ61により第1供給通路51から予混合室41、ひいては微細泡沫群生成室4の本混合室42に供給して微細泡沫群生成室4を濯ぐすすぎ処理を、微細泡沫群生成室4に対して必要に応じて実行することにしても良い。すすぎ用の水は界面活性剤を含有しておらず、微細泡沫群に比較して泡が少ないか無いため、すすぎ用の水は微細泡沫群に比較して流動性に富み、すすぎ処理を良好に行うことができる。 この結果、微細泡沫群生成室4のすすぎ用の水を、微細泡沫群生成室4から残液排出口7を介して第1供給通路51に良好に排出させることができる。すすぎ処理において、微細泡沫群生成室4内のインペラー3を適宜回転させて微細泡沫群生成室4におけるすすぎ処理を促進させることができる。場合によっては、インペラー3を回転させなくても良い。すすぎ処理の場合には、圧縮空気を微細泡沫群生成室4に供給させ無くても良いし、あるいは、圧縮空気を第2供給通路52から微細泡沫群生成室4に供給させても良い。後者の場合には、空気によりすすぎ水の流量を減少させて節水を図り得る利点が得られる。
【0028】
(実施形態3)
図6は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1,2と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図6に示すように、残液排出口7は微細泡沫群生成室4の本混合室42の底面42bから第1供給通路51の底面51bに向けて下降傾斜している。微細泡沫群生成室4の残液を重力により残液排出口7を介して第1供給通路51に良好に排出させることができる。
【0029】
(実施形態4)
図7は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。残液排出口7の流路断面積D1は、第1供給通路51の横通路51aの流路断面積D3と同程度に設定されている(D1=D3、D1≒D3)。本実施形態においても、残液排出口7は回転軸20の中心軸線22よりも重力作用方向において下側に位置しつつ、回転軸20の径方向(矢印R方向)において回転軸20の中心軸線22と第1ケース11の外周壁17の内周壁面17iとの間に位置するように、開口されている。すなわち、微細泡沫群生成室4のうち泡化が進行している後半領域(微細泡沫群は流れにくくなる)において、残液排出口7が開口するように形成されているため、微細泡沫群が微細泡沫群生成室4において生成されるときにおいて、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが抑制される。このため微細泡沫群生成室4において微細泡沫群が良好に生成される。
【0030】
(実施形態5)
図8は実施形態5の概念を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜4と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図8に示すように、残液排出口7には弁73が設けられている。弁73は残液排出口7のうち第1供給通路51側に位置しており、残液排出口7から第1供給通路51側に向かう残液の流れを許容すると共に、第1供給通路51から残液排出口7に向かう水(湯)の流れを抑制させる。弁73は、第1供給通路51に水が供給されていない初期位置において、残液排出口7と第1供給通路51とを連通させる初期開放部7cをもつことが好ましい。
【0031】
(実施形態6)
図9および図10は実施形態6の概念を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜5と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図9および図10に示すように、残液排出口7および第1供給通路51の横通路51aがより下方に位置して重力により微細泡沫群生成室4の本混合室42の残液を第1供給通路51側に流下させ得るように、回転軸20の中心軸線22は仮想水平線H1に対して角度θ1傾斜している。残液排出口7は微細泡沫群生成室4の本混合室42において一層下方に位置することになる。この結果、微細泡沫群の生成が終了したとき、微細泡沫群生成室4に残留している残液を、残液排出口7から重力によって第1供給通路51の横通路51aに自然に流下させるのに貢献できる。更に図10に示すように、第1供給通路51の横通路51aは仮想水平線H2に対して角度θ2傾斜しており、横通路51aの下流端51dから上流端51uに向けて下降するように傾斜している。このため、重力により横通路51aの残液をポンプ61側に流下させ得る。
【0032】
(適用形態)
図11及び図12は適用形態の概念を示す。図11に示すように、本実施形態に係る微細泡沫群入浴システム100は、浴槽室200aをもつ浴槽200(微細泡沫群入浴部)に据え付けられており、浴槽室200aにおいて微細泡沫群Aを用いて入浴する微細泡沫群モードと、浴槽室200a内の湯を積極的に流動させる循環モードとを実行できる。図11に示すように、微細泡沫群入浴システム100は、水道水等の配管300aの原水を湯として発生させる給湯装置300と、浴槽室200aをもつ浴槽200との間に介在している。微細泡沫群入浴システム100は、ハウジング400と、ハウジング400に収容され浴槽室200aに供給する微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成手段500と、ハウジング400に収容され循環モードにおいて浴槽室200aを介して湯を循環させる循環ポンプ601を有する湯循環手段600と、微細泡沫群生成手段500に湯を供給させる第1流路710と循環モードにおいて浴槽200の浴槽室200aに湯を供給させる第2流路720とを切り替える切替部として機能する切替バルブ800とを有する。図11に示すように、微細泡沫群生成手段500はハウジング400に収容されており、吐出口410をもつ微細泡沫群生成部420と、投入口520cから投入された液状の薬剤520aを収容する薬剤収容部520と、薬剤520aと湯とを混合させて流動性をもつ混合物を形成する攪拌部530と、薬剤収容部520から薬剤520aを攪拌部530に供給する通路540と、通路540に設けられた開閉可能な薬剤バルブ550と、攪拌部530で混合された混合物を微細泡沫群生成部420に供給する第1供給通路560と、開閉可能な空気バルブ570を介して微細泡沫群生成部420にハウジング400内の空気を第2供給通路562を介して供給する空気供給源として機能するコンプレッサ580とを有する。微細泡沫群生成部420は、微細泡沫群を生成させる上記した実施形態に係る微細泡沫群生成装置を有する。
【0033】
湯循環手段600は浴槽200内の湯を循環させるものであり、循環ポンプ601と、循環ポンプ601の下流に位置するように循環ポンプ601と浴槽200との間に設けられた第2流路720とを有する。
【0034】
図11に示すように、第1流路710は、微細泡沫群モードにおいて湯を微細泡沫群生成部420に向けて通過するために使用される。よって、第1流路710の上端部は攪拌部530の底部に連通し、第1流路710の下端部は切替バルブ800の第1ポート810に連通する。第2流路720は、循環モードにおいて湯を浴槽200に向けて通過するために使用される。従って、第2流路720の上端部は切替バルブ800の第2ポート820に連通し、第2流路720の下端部はハウジング400の湯吐出ポート430を介して湯供給口220に連通する。第3流路730の上端部は浴槽200の泡供給口210に連通し、第3流路730の下端部はハウジング400の吐出口410を介して微細泡沫群生成手段500の微細泡沫群生成部420の吐出口410に連通する。
【0035】
図11に示すように、泡供給口210は浴槽200の側壁部に形成されており、微細泡沫群モードにおいて微細泡沫群生成手段500の微細泡沫群生成部420で生成された微細泡沫群Aを浴槽室200aに供給させる。湯供給口220は浴槽200の側壁部に形成されており、循環モードにおいて第2流路720から湯を浴槽室200aに供給させる。更に、浴槽室200aの湯を循環させるための循環口630が浴槽200の側壁部に形成されている。循環口630は、浴槽室200aの外部の循環路640を介して循環ポンプ601の吸込口603に連通している。なお、浴槽200の底部には、浴槽室200aの湯を外部に排出させるための排水口240が形成されている。
【0036】
図12に示すように、制御装置9は、入力処理回路90と、CPU91と、記憶部として機能するメモリ92と、出力処理回路93と、操作部94とをもつ。操作部94は、ハウジング400に設けられていても良いし、ハウジング400との離間するリモコン式であっても良い。操作部94は、微細泡沫群モードを開始および終了するための泡スイッチ95と、循環モードを開始および終了するための循環スイッチ96とをもつ。泡スイッチ95および循環スイッチ96の信号は入力処理回路90を経て制御装置9に入力される。制御装置9は、出力処理回路93を経て、切替バルブ800、薬剤バルブ550、空気バルブ570、コンプレッサ580、循環ポンプ601等の機器をそれぞれ駆動させる指令信号を出力する。
【0037】
さて、微細泡沫群を用いて入浴する微細泡沫群入浴を行う場合には、浴槽200の浴槽室200aに湯をある程度入れた状態で、微細泡沫群モードを実行させることが好ましい。この場合、微細泡沫群モードを開始すべく使用者が操作部94の泡スイッチ95を操作すると、制御装置9は微細泡沫群モードを開始し、薬剤バルブ550を開放させる。すると、薬剤収容部520の薬剤が薬剤バルブ550を介して攪拌部530の攪拌室に重力により供給される。更に、制御装置9は循環ポンプ601を駆動させて給湯装置300の湯を循環ポンプ601の吸込口603側に吸引させる。この場合、制御装置9により切替バルブ800は微細泡沫群モードに設定され、第1流路710に繋がる第1ポート810と第3ポート830とは連通されると共に、第2流路720に繋がる第2ポート820は閉鎖されている。このため循環ポンプ601の駆動により切替バルブ800の第3ポート830に送られた湯は、切替バルブ800の第1ポート810および第1流路710を介して攪拌部530に供給される。これにより攪拌部530において湯および薬剤が混合され、流動性をもつ混合物となる。混合物は第1供給通路560を介して泡生成部420に供給される。上記したように微細泡沫群モードでは、制御装置9は、コンプレッサ580を駆動させると共に空気バルブ570を開放させることにより、空気を泡生成部420に供給する。これにより泡生成部420の混合物が泡立ち、泡生成部420においてシャボン状の暖かい泡が生成される。泡生成部420において生成されたシャボン状の泡は、泡生成部420の吐出口410、第3流路730を介して泡供給口210から浴槽200の浴槽室200aに供給される。これにより使用者は浴槽室200aにおいて微細泡沫群入浴が可能となる。なお、微細泡沫群モードでは浴槽200に湯を張らず、微細泡沫群のみで入浴することにしても良い。
【0038】
また、使用者が循環モードを実行すべく操作部94の循環スイッチ96を操作すると、制御装置9は循環モードを開始させ、循環ポンプ601の駆動により発生する吸引力により、図略のフィルタを介して浴槽室200aの湯を循環口630から吸引させて循環路640に移動させ、循環ポンプ601の吸込口603に帰還させ、再び、切替バルブ800の第3ポート830,第2ポート820,第2流路720を介して浴槽室200aに供給させる。このとき第1ポート810は閉鎖されていることが好ましい。
【0039】
さて本実施形態によれば、図11から理解できるように、泡供給口210、微細泡沫群生成手段500の微細泡沫群生成部420、切替部としての切替バルブ800、湯供給口220のそれぞれの高さ位置は、この順に、高い側から低い側に向けて設定されている。具体的には、図11から理解できるように、微細泡沫群に関係する流路において、浴槽200の泡供給口210、第3流路730,ハウジング400の吐出口410、ハウジング400内の微細泡沫群生成部420、第1供給通路560、攪拌部530、第1流路710、切替バルブ800、第2流路720、ハウジング400の湯吐出ポート430、浴槽200の湯供給口220について、それぞれの高さ位置は、この順に、高い側から低い側に向けて設定されている。従って、微細泡沫群入浴(微細泡沫群モード)が終了するとき、浴槽200の泡供給口210、第3流路730、ハウジング400の吐出口410、ハウジング400内の微細泡沫群生成部420、第1供給通路560、攪拌部530、第1流路710、切替バルブ800、第2流路720、ハウジング400の湯吐出ポート430、浴槽200の湯供給口220において、泡やその残液が残留していたとしても、これらの部位が切替バルブ800の第1ポート810、第2ポート820および第2流路720を介して浴槽室200aに連通している限り、泡やその残液は、重力によって、切替バルブ800の第1ポート810および第2ポート820および第2流路720を介して、浴槽200の湯供給口220に流下させ、更に浴槽200の浴槽室200aに自然に流下させることができる。この場合、第3ポート830は閉鎖されていることが好ましい。
【0040】
上記した結果、微細泡沫群モードが終了されたときにおいて、システム100のハウジング400内において泡やその残液が残留することが抑制され、システム100のハウジング400内の清掃性が確保される。なお、浴槽200の排水口240を開放させれば、浴槽200に流下した泡やその残液は、重力によって排水口240から浴槽室200aの外部に排出される。このため微細泡沫群モードが終了されたときにおいて、切替バルブ800の第1ポート810および第2ポート820が少なくとも所定時間連通しているように、切替バルブ800を制御させることが好ましい。浴槽室200aにおける水面が高い場合には、ハウジング400内の微細泡沫群生成部420内に残液が貯留されるおそれがあるが、浴槽室200aにおける水面の低下につれて、微細泡沫群生成部420内に残液は、重力により、切替バルブ800の第1ポート810,第2ポート820、第2流路720を介して浴槽室200aに自然に流下させ得る。このとき第3ポート830を閉鎖させておくことが好ましい。なお、微細泡沫群の生成が終了したら、微細泡沫群バルブ550を閉鎖した状態で、薬剤である界面活性剤を有しないすすぎ用の水を微細泡沫群生成部420に供給してすすぎ処理を微細泡沫群生成部420に対して実行することにしても良い。すすぎ用の水は微細泡沫群に比較して泡が少ないか無いため、すすぎ用の水は微細泡沫群に比較して流動性に富む。この結果、微細泡沫群生成部420内のすすぎ用の水を微細泡沫群生成部420から残液排出口7を介して良好に第1供給通路560に排出させることができ、ひいては切替バルブ800の第1ポート810および第2ポート820、更には第2流路720を介して浴槽室200aに自然に流下させ得る。すすぎ処理において、微細泡沫群生成室4内のインペラー3を適宜回転させて微細泡沫群生成室4におけるすすぎ処理を促進させることができる。場合によっては、インペラー3を回転させなくても良い。すすぎ処理においてコンプレッサ580により圧縮空気を微細泡沫群生成部420に供給させても良いし、供給させなくても良い。前者の場合には、空気によってすすぎ水の容積が増加するので、すすぎ水の消費量を低減でき、節水を図り得る利点が得られる。
【0041】
(その他)上記した実施形態1によれば、第1ケース11の固定筒部15には突起18が形成されているが、これに限らず、インペラー3側に突起を形成させても良い。可動体として機能するインペラー3は回転する方式であるが、これに限らず、可動体は前進後退方向に往復移動する方式でも良い。微細泡沫群入浴部としては浴槽200が採用されているが、これに限らず、使用者の腰部が着座部に着座しつつ暖かい微細泡沫群を使用者の身体に接触させて微細泡沫群入浴する入浴ブースでも良い。微細泡沫群入浴部としては、微細泡沫群を放出させるシャワー装置でも良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0042】
1は基体、11は第1ケース、12は第2ケース、2は駆動モータ(駆動源)、20は回転軸(駆動軸)、22は中心軸線、3はインペラー(可動体)、37はラビリンス通路、4は微細泡沫群生成室、41は予混合室、42は本混合室、19は吐出口、5は供給通路、51は第1供給通路、52は第2供給通路、51aは横通路、51cは縦通路、6は中間部材、61はポンプ、64は流通開口、65はコンプレッサ、7は残液排出口、200は浴槽(微細泡沫群入浴部)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は多数の気泡を含有する微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成装置および微細泡沫群を用いて入浴させる微細泡沫群入浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
微細泡沫群を生成させる装置として、微細泡沫群を生成するための生成室を有する基体と、基体に回転可能に装備され回転軸をもつモータと、モータの回転可能な回転軸に取り付けられ生成室において可動するように設けられ回転に共に生成室において微細泡沫群を生成させる回転体とを有するものが開発されている(例えば特許文献1)。このものによれば、複数の流体を混合攪拌させることにより、多数の気泡を含有する微細泡沫群を生成室において生成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3086658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した微細泡沫群を生成させる装置によれば、微細泡沫群の生成が終了したときには、生成室に残液が残留するおそれがある。しかし、生成室の耐久性および長寿命化等を考慮すると、生成室に残留する残液をできるだけ生成室の外部に排出させた方が好ましい。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成室において微細泡沫群の生成が終了したときには、微細泡沫群生成室に残液が残留するおそれを低減させるのに有利な微細泡沫群生成装置および微細泡沫群入浴システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る微細泡沫群生成装置は、(i)多数の気泡を有する微細泡沫群を生成するための微細泡沫群生成室と、微細泡沫群となる原料を微細泡沫群生成室に供給する供給通路と、微細泡沫群生成室で生成された微細泡沫群を微細泡沫群生成室から吐出させる吐出口とを有する基体と、(ii)基体に装備され駆動軸をもつ駆動源と、(iii)駆動源の駆動軸に取り付けられ微細泡沫群生成室において可動するように設けられ可動に伴い微細泡沫群生成室において微細泡沫群を生成させる可動体とを具備しており、(iv)基体は、微細泡沫群生成室に残留する残液を微細泡沫群生成室の外部に排出させる残液排出口を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る微細泡沫群入浴システムは、微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成手段と、微細泡沫群生成手段で生成された微細泡沫群を用いて微細泡沫群入浴する微細泡沫群入浴部とを具備する微細泡沫群入浴システムであって、微細泡沫群生成手段は、上記した微細泡沫群生成装置であることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、微細泡沫群の生成が終了したとき、微細泡沫群生成室に残留する残液を、残液排出口を介して、微細泡沫群生成室から微細泡沫群生成室の外部に排出させることができる。このため微細泡沫群生成装置の不使用時において、微細泡沫群生成室に残留する残液の量を減少または消失させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、微細泡沫群生成装置の不使用時において、微細泡沫群生成室に残留する残液を、残液排出口を介して、微細泡沫群生成室から微細泡沫群生成室の外部に排出させることができる。よって、微細泡沫群生成室の内部を清潔に維持させるのに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1に係り、微細泡沫群生成装置の要部を断面にして示す図である。
【図2】実施形態1に係り、図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】実施形態1に係り、微細泡沫群生成装置のうち互いに異なる部位を径方向に沿って切断して断面図である。
【図4】実施形態1に係り、中間部材を示す斜視図である。
【図5】実施形態1に係り、残液排出口付近を示す断面図である。
【図6】実施形態2に係り、残液排出口付近を示す断面図である。
【図7】実施形態4に係り、残液排出口および供給通路をもつ第1ケースを示す断面図である。
【図8】実施形態5に係り、残液排出口付近を示す断面図である。
【図9】実施形態6に係り、微細泡沫群生成装置の要部を断面にして示す図である。
【図10】実施形態6に係り、図9のX−X線に沿った断面図である。
【図11】適用形態に係り、入浴システムを示す図である。
【図12】適用形態に係り、入浴システムの制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る微細泡沫群生成装置は、多数の気泡を有する微細泡沫群を生成するための微細泡沫群生成室と、微細泡沫群となる原料を微細泡沫群生成室に供給する供給通路と、微細泡沫群生成室で生成された微細泡沫群を微細泡沫群生成室から吐出させる吐出口とを有する基体と、基体に装備され駆動軸をもつ駆動源と、駆動源の駆動軸に取り付けられ微細泡沫群生成室において可動するように設けられ可動に伴い微細泡沫群生成室において微細泡沫群を生成させる可動体とを有する。駆動源の駆動軸は回転する方式が好ましい。従って、可動体は微細泡沫群生成室において回転する方式が好ましい。基体は、微細泡沫群生成室に残留する残液を微細泡沫群生成室の外部に排出させる残液排出口を有する。残液排出口を設ける位置および開口断面積は、微細泡沫群生成室の構造などに応じて適宜設定できる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、残液排出口は駆動軸の中心軸線よりも下側に位置しており、微細泡沫群生成室のうち駆動軸の中心軸線よりも下側の室空間と供給通路とを連通させており、残液を微細泡沫群生成室から供給通路に排出させる。この場合、微細泡沫群生成が終了したとき、微細泡沫群生成室に残留する残液を微細泡沫群生成室から供給通路に排出させることができる。好ましい実施形態によれば、微細泡沫群生成室において原料または微細泡沫群が泡化しつつ進行する流路距離を相対表示で100とするとき、微細泡沫群生成室の流路距離100のうち微細泡沫群生成室の始端から50を超えて微細泡沫群の泡化が進行している後半領域において、残液排出口が開口するように形成されている。一般的には、微細泡沫群の泡化が進行すると、重力が作用しても、流動しにくくなる傾向がある。このため、微細泡沫群生成室の流路距離のうち後半領域に残液排出口が開口するように形成されていると、微細泡沫群生成時において、微細泡沫群生成室の微細泡沫群が残液排出口から供給通路に過剰に抜けることが抑制される。好ましい実施形態によれば、駆動軸は横軸型であり、基体は駆動軸の中心軸線のまわりに微細泡沫群生成室を形成するように外筒壁を有しており、残液排出口は駆動軸の中心軸線よりも下側に位置しつつ、駆動軸の径方向において駆動軸と基体の外周壁との間に開口するように配置されている。
【0013】
好ましい実施形態によれば、残液排出口の流路断面積は、供給通路の流路断面積よりも小さく設定されている。微細泡沫群生成時において、微細泡沫群生成室の微細泡沫群が残液排出口から供給通路に抜けることが抑制される。
【0014】
(実施形態1)
図1〜図5は実施形態1の概念を示す。本実施形態に係る微細泡沫群生成装置は、図1および図2に示すように、基体1と、駆動源としての駆動モータ2と、可動体としてのインペラー3とを有する。基体1は、円筒形状をなす第1ケース11と、第1ケース11に先端部にシール部材12sを介して取付具12mで固定された蓋状の第2ケース12とを有する。基体1の第1ケース11は、微細泡沫群を生成するための円筒形状をなす微細泡沫群生成室4と、微細泡沫群となる原料を微細泡沫群生成室4に供給するための供給通路5とを有する。図1に示すように、第1ケース11は、径方向(矢印R方向)に延設された円盤部14と、円盤部14から駆動モータ2の回転軸20の中心軸線22に沿って同軸的に設けられた複数の固定筒部15と、固定筒部15の外周側に位置する筒形状の外周壁17とを有する。図3に示すように、第1ケース11の固定筒部15および外周壁17には、突起18が形成されている。突起18は固定筒部15の筒長方向に沿って延設されていることが好ましい。
【0015】
図1に示すように、第2ケース12は、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群を微細泡沫群生成室4の外部(例えば浴槽内)に向けて吐出させるための吐出口19を有する。吐出口19は吐出筒部19aで区画されている。吐出口19は中間部材6を介して微細泡沫群生成室4の中央側(回転中心側)に対向している。すなわち、泡吐出口19は中間部材6を介して回転軸20の軸長方向の先端部20xに対向しており、回転軸20と同軸的に設けられていることが好ましい。図1に示すように、駆動モータ2は基体1の第1ケース11に装備されており、水平方向に沿った横軸型の回転軸20をもつ。回転軸20の外周壁面20sは微細泡沫群生成室4の予混合室41に対面している。図1に示すように、インペラー3は駆動モータ2の回転軸20に取付具31cにより同軸的に取り付けられており、回転するように微細泡沫群生成室4に配置されている。ここで、回転軸20、インペラー3、第1ケース11、中間部材6、吐出口19は、回転軸20の中心軸線22に対して同軸的に配置されていることが好ましい。但しこれに限定されるものではない。インペラー3は、駆動モータ2の駆動軸としての回転軸20に同軸的に取り付けられる取付筒部31と、取付筒部31から径外方向に延設された内フランジ部32と、内フランジ部32から回転軸20の中心軸線22に沿って同軸的に設けられた内側回転筒部33と、内側回転筒部33から径外方向に延設された外フランジ部34と、外フランジ部34から回転軸20の中心軸線22に沿って設けられた複数の回転筒部35とを有する。
【0016】
図3に示すように、固定筒部15と回転筒部35とは互いに対面しており、複数の筒状通路を形成する。複数の筒状通路は、複数回屈曲する迷路状のラビリンス通路37を形成している。第1ケース11と第2ケース12とでプレート状の中間部材6が挟持されている。従って、中間部材6はインペラー3および第2ケース12に対面している。中間部材6はインペラー3と第2ケース12との間に介在しており、微細泡沫群生成室4の微細泡沫群が第2ケース12の吐出口19側に過剰に流動することを抑制する。中間部材6は、回転軸20に対向する対向壁部60と、対向壁部60から回転軸20の中心軸線22に沿って延設された筒状の内筒部61および外筒部62と、外筒部62から径外方向に延設されたフランジ状の延設壁63と、延設壁63においてこれの外周側に形成された複数の流通開口64とを有する。流通開口64は微細泡沫群生成室4において生成された微細泡沫群を第2ケース12の吐出口19に向けて流動させる。
【0017】
図1に示すように、上記した微細泡沫群生成室4は、微細泡沫群生成室4のうちこれの上流側に位置する予混合室41と、微細泡沫群生成室4のうちこれの下流側に位置する本混合室42とを有する。本混合室42は予混合室41の下流に位置しており、ラビリンス通路37を収容している。予混合室41は回転軸20の外周壁面20sに対面するように微細泡沫群生成室4において径方向における中央側に形成されており、第1ケース11とインペラー3の内フランジ部32とで仕切られる。図1に示すように、供給通路5は、水(液体)を微細泡沫群生成室4に供給する第1供給通路51と、圧縮空気(圧縮気体)を微細泡沫群生成室4に供給する第2供給通路52とを有する。図2に示すように、第1供給通路51は第1ケース11に沿って延設されており、水源60、ポンプ61、液体流量計62、バルブ63を介して予混合室41に繋がる。図2に示すように、第1供給通路51は後述するように残液排出口7からの残液の排出性等を考慮し、回転軸20の中心軸線22および第2供給通路52よりも重力作用方向における下側に配置されており、L字形状をなしており、ポンプ61に繋がる第1通路としての横通路51aと、第2供給通路52に対向しつつ予混合室41に繋がる第2通路としての縦通路51cとで形成されている。図2から理解できるように、縦通路51cでは水(湯)は回転軸20の外周壁面20sに向けて上向き(矢印U方向)に流れて予混合室41に流入する。
【0018】
図2から理解できるように、第2供給通路52は第1ケース11の径方向(矢印R方向)に沿って延設されており、コンプレッサ65、流量計付きバルブ66を介して予混合室41に繋がる。図2に示すように、第1供給通路51および第2供給通路52は、回転軸20の外周壁面20sに対面しつつ、回転軸20および予混合室41を挟むように互いに対向している。このため第1供給通路51から予混合室41に供給される水(湯)と、第2供給通路52から予混合室41に供給される圧縮空気とを、回転軸20に衝突させつつ予混合室41において効率よく混合できる。これにより水(湯)および空気が混合した流動性を有する混合物を予混合室41において形成できる。この場合、第1供給通路51から供給される水(湯)と、第2供給通路52から供給される圧縮空気とは、回転軸20の外周壁面20sに互いに反対側から衝突し易いため、予混合室41における両者の均一混合性が高まり、予混合室41において両者を衝突させて効率よく混合できる。これにより水(湯)および空気が混合した流動性を有する混合物を予混合室41において良好に形成できる。
【0019】
さて、微細泡沫群が生成されるときには、水搬送源として機能するポンプ61が作動し、水が第1供給通路51から予混合室41に供給される。更に空気搬送源として機能するコンプレッサ65が作動して、圧縮空気が第2供給通路52から予混合室41に供給される。これにより予混合室41において水および空気を含有する流動性をもつ混合物が予混合室41において生成される。混合物は本混合室42に流れ、本混合室42内のラビリンス通路37を複数回屈曲しつつ第1ケース11の外周壁17に向けて流れる。すなわち、微細泡沫群生成室4の径方向(矢印R方向)の中心側から外周側に向けてラビリンス通路37を複数回屈曲しつつ流れる。このとき、駆動モータ2が回転しインペラー3が回転軸20の中心軸線22回りで回転する。このため混合物に剪断力が繰り返して作用し、多数の気泡を含有する微細泡沫群が本混合室42内のラビリンス通路37において形成される。微細泡沫群はラビリンス通路37の径外側の終端37e側を経て、即ち外周壁17の内周側を経て、更に、中間部材6の流通開口64を通過し、吐出口19に至り、吐出口19から微細泡沫群生成室4の外部(例えば浴槽内)に向けて吐出される。ここで、図1から理解できるように、中間部材6が微細泡沫群生成室4のインペラー3に対面するように設けられている。更に流通開口64は中間部材6の中央側ではなく外周側に形成されており、中間部材6は微細泡沫群生成室4の本混合室42の径方向の中央領域を塞いでいる。このため、微細泡沫群が微細泡沫群生成室4の本混合室42に滞在する時間が確保され、微細な気泡をもつ良好な微細泡沫群を生成させるのに有利である。
【0020】
さて、微細泡沫群の生成を終了させるときには、コンプレッサ65の駆動を停止させて圧縮空気を第2供給通路52に供給することを停止させると共に、ポンプ61の駆動を停止させて水(湯)を第1供給通路51に供給することを停止させる。更に駆動モータ2の回転を停止させてインペラー3の回転を停止させる。これにより微細泡沫群の生成が終了する。このように微細泡沫群生成室4における微細泡沫群の生成が終了すると、微細泡沫群は次第に液相状に戻り、流動性を増加させる。従って、微細泡沫群生成室4などにおける残液を、微細泡沫群生成室4の外部に排出させることが好ましい。そこで本実施形態によれば、図1および図2に示すように、基体1の第1ケース11は、微細泡沫群生成室4に残留する残液を微細泡沫群生成室4の外部に排出させる残液排出口7を有する。具体的には、残液排出口7は、駆動モータ2の回転軸20の中心軸線22よりも重力作用方向において下側に位置しており、微細泡沫群生成室4のうち回転軸20の中心軸線22よりも下側の室空間4xoと第1供給通路51とを連通させている。この結果、微細泡沫群の生成が終了したとき、微細泡沫群生成室4に残留している残液を残液排出口7から重力により第1供給通路51に自然に排出させることができる。
【0021】
すなわち、本実施形態によれば、微細泡沫群生成室4において混合物(原料)が泡化しつつ進行する流路距離を相対表示で100とする。このとき、図1から理解できるように、微細泡沫群生成室4の予混合室41の上流端(始端)から、流路距離100のうち50を超えて微細泡沫群の泡化が進行している後半領域において、残液排出口7は開口する。ここで、一般的には、気泡を有しない単なる液相状の水は流動し易いが、微細泡沫群の泡化が進行して多数の気泡が生成されると、微細泡沫群は流動しにくくなる傾向がある。このため、微細泡沫群生成室4における流路のうち、泡化が進行している後半領域において、残液排出口7が開口するように形成されていると、微細泡沫群が微細泡沫群生成室4において生成されるときにおいて、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが抑制される。このため微細泡沫群生成室4において微細泡沫群が良好に生成される。
【0022】
このように微細泡沫群生成室4に残留している残液を残液排出口7から第1供給通路51に排出させるにあたり、インペラー3を停止させていても良いし、あるいは、インペラー3を適宜回転させても良い。図1に示すように、残液排出口7は、インペラー3の径方向においてこれの外周側に対面している。インペラー3の外周側は内周側よりも径が大きいため、インペラー3の外周側の回転速度はインペラー3の内周側の回転速度よりも速い。このため、微細泡沫群生成室4に残留している残液を、インペラー3の回転により、残液排出口7から第1供給通路51に排出させ易いといえる。この場合、微細泡沫群生成時におけるインペラー3の単位時間あたりの回転数(rpm)をN1とし、残液排出時におけるインペラー3の単位時間あたりの回転数(rpm)をN2とするとき、残液排出時には大きなせん断力を発生させずとも良いため、N1>N2にできる。場合によっては、N1=N2、N1<N2にできる。
【0023】
更に本実施形態によれば、駆動モータ2の回転軸20は水平方向に沿って延設された横軸型であり、基体1の第1ケース11は、回転軸20の中心軸線22のまわりに微細泡沫群生成室4の本混合室42を形成するように、外筒壁17を有する。そして、図1に示すように、残液排出口7は、回転軸20の中心軸線22よりも重力作用方向において下側に位置しつつ、回転軸20の径方向(R方向)において回転軸20の中心軸線22と第1ケース11の外周壁17の内周壁面との間において開口するように配置されている。殊に図5に示すように、残液排出口7は、回転軸20の径方向(R方向)において外周壁17の内周壁面17i寄りの位置に開口している。このため図1に示すように、残液排出口7は第1供給通路51に隣接している状態で形成され、第1供給通路51および微細泡沫群生成室4に連通している。
【0024】
図2に示すように、残液排出口7の流路断面積D1は、第1供給通路51の流路断面積D3よりも小さく設定されている(D1<D3)。D1/D3は例えば0.9〜0.05の範囲内、0.7〜0.1の範囲内、0.6〜0.2の範囲内において設定されている。但しこれらに限定されるものではない。この残液排出口7の流路断面積D1が小さくされているため、微細泡沫群生成室4において微細泡沫群を生成させるときにおいて、第1供給通路51を流れる水(湯)が、予混合室41を通過することなく残液排出口7から本混合室42に直接的に流入してしまうことが抑制される。従って、微細泡沫群生成能が損なわれない。更に残液排出口7の流路断面積D1が小さくされているため、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが抑制される。このため微細泡沫群生成室4において微細泡沫群が良好に生成される。
【0025】
殊に、図2に示すように、残液排出口7の中心軸線を7xとし、横通路51aの中心軸線を51xとし、縦通路51cの中心軸線を51yとすると、中心軸線7xは、中心軸線51xおよび中心軸線51yに対してそれぞれ異なる方向に指向している。このため第1供給通路51を流れる水(湯)が、残液排出口7から本混合室42に直接的に流入してしまうことが抑制されている。
【0026】
なお、微細泡沫群生成室4において微細泡沫群を生成させているとき、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが、万一、あったとしても、抜けた微細泡沫群は、ポンプ61から予混合室41に送られる原料である水(湯)と共に、第1供給通路51を介して予混合室41ひいては本混合室42に送られるため、別段の支障がない。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏するため、図1〜図5を準用する。本実施形態においても、微細泡沫群生成処理が終了したら、駆動モータ2を停止させインペラー3を停止させる。すると、微細泡沫群は次第に液相状に戻り、流動性を増加させるため、微細泡沫群生成室4から重力により残液排出口7を介して第1供給通路51に排出させることができる。更に、界面活性剤を有しないすすぎ用の水を、ポンプ61により第1供給通路51から予混合室41、ひいては微細泡沫群生成室4の本混合室42に供給して微細泡沫群生成室4を濯ぐすすぎ処理を、微細泡沫群生成室4に対して必要に応じて実行することにしても良い。すすぎ用の水は界面活性剤を含有しておらず、微細泡沫群に比較して泡が少ないか無いため、すすぎ用の水は微細泡沫群に比較して流動性に富み、すすぎ処理を良好に行うことができる。 この結果、微細泡沫群生成室4のすすぎ用の水を、微細泡沫群生成室4から残液排出口7を介して第1供給通路51に良好に排出させることができる。すすぎ処理において、微細泡沫群生成室4内のインペラー3を適宜回転させて微細泡沫群生成室4におけるすすぎ処理を促進させることができる。場合によっては、インペラー3を回転させなくても良い。すすぎ処理の場合には、圧縮空気を微細泡沫群生成室4に供給させ無くても良いし、あるいは、圧縮空気を第2供給通路52から微細泡沫群生成室4に供給させても良い。後者の場合には、空気によりすすぎ水の流量を減少させて節水を図り得る利点が得られる。
【0028】
(実施形態3)
図6は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1,2と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図6に示すように、残液排出口7は微細泡沫群生成室4の本混合室42の底面42bから第1供給通路51の底面51bに向けて下降傾斜している。微細泡沫群生成室4の残液を重力により残液排出口7を介して第1供給通路51に良好に排出させることができる。
【0029】
(実施形態4)
図7は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。残液排出口7の流路断面積D1は、第1供給通路51の横通路51aの流路断面積D3と同程度に設定されている(D1=D3、D1≒D3)。本実施形態においても、残液排出口7は回転軸20の中心軸線22よりも重力作用方向において下側に位置しつつ、回転軸20の径方向(矢印R方向)において回転軸20の中心軸線22と第1ケース11の外周壁17の内周壁面17iとの間に位置するように、開口されている。すなわち、微細泡沫群生成室4のうち泡化が進行している後半領域(微細泡沫群は流れにくくなる)において、残液排出口7が開口するように形成されているため、微細泡沫群が微細泡沫群生成室4において生成されるときにおいて、微細泡沫群生成室4で生成された微細泡沫群が残液排出口7から第1供給通路51に抜けることが抑制される。このため微細泡沫群生成室4において微細泡沫群が良好に生成される。
【0030】
(実施形態5)
図8は実施形態5の概念を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜4と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図8に示すように、残液排出口7には弁73が設けられている。弁73は残液排出口7のうち第1供給通路51側に位置しており、残液排出口7から第1供給通路51側に向かう残液の流れを許容すると共に、第1供給通路51から残液排出口7に向かう水(湯)の流れを抑制させる。弁73は、第1供給通路51に水が供給されていない初期位置において、残液排出口7と第1供給通路51とを連通させる初期開放部7cをもつことが好ましい。
【0031】
(実施形態6)
図9および図10は実施形態6の概念を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜5と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図9および図10に示すように、残液排出口7および第1供給通路51の横通路51aがより下方に位置して重力により微細泡沫群生成室4の本混合室42の残液を第1供給通路51側に流下させ得るように、回転軸20の中心軸線22は仮想水平線H1に対して角度θ1傾斜している。残液排出口7は微細泡沫群生成室4の本混合室42において一層下方に位置することになる。この結果、微細泡沫群の生成が終了したとき、微細泡沫群生成室4に残留している残液を、残液排出口7から重力によって第1供給通路51の横通路51aに自然に流下させるのに貢献できる。更に図10に示すように、第1供給通路51の横通路51aは仮想水平線H2に対して角度θ2傾斜しており、横通路51aの下流端51dから上流端51uに向けて下降するように傾斜している。このため、重力により横通路51aの残液をポンプ61側に流下させ得る。
【0032】
(適用形態)
図11及び図12は適用形態の概念を示す。図11に示すように、本実施形態に係る微細泡沫群入浴システム100は、浴槽室200aをもつ浴槽200(微細泡沫群入浴部)に据え付けられており、浴槽室200aにおいて微細泡沫群Aを用いて入浴する微細泡沫群モードと、浴槽室200a内の湯を積極的に流動させる循環モードとを実行できる。図11に示すように、微細泡沫群入浴システム100は、水道水等の配管300aの原水を湯として発生させる給湯装置300と、浴槽室200aをもつ浴槽200との間に介在している。微細泡沫群入浴システム100は、ハウジング400と、ハウジング400に収容され浴槽室200aに供給する微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成手段500と、ハウジング400に収容され循環モードにおいて浴槽室200aを介して湯を循環させる循環ポンプ601を有する湯循環手段600と、微細泡沫群生成手段500に湯を供給させる第1流路710と循環モードにおいて浴槽200の浴槽室200aに湯を供給させる第2流路720とを切り替える切替部として機能する切替バルブ800とを有する。図11に示すように、微細泡沫群生成手段500はハウジング400に収容されており、吐出口410をもつ微細泡沫群生成部420と、投入口520cから投入された液状の薬剤520aを収容する薬剤収容部520と、薬剤520aと湯とを混合させて流動性をもつ混合物を形成する攪拌部530と、薬剤収容部520から薬剤520aを攪拌部530に供給する通路540と、通路540に設けられた開閉可能な薬剤バルブ550と、攪拌部530で混合された混合物を微細泡沫群生成部420に供給する第1供給通路560と、開閉可能な空気バルブ570を介して微細泡沫群生成部420にハウジング400内の空気を第2供給通路562を介して供給する空気供給源として機能するコンプレッサ580とを有する。微細泡沫群生成部420は、微細泡沫群を生成させる上記した実施形態に係る微細泡沫群生成装置を有する。
【0033】
湯循環手段600は浴槽200内の湯を循環させるものであり、循環ポンプ601と、循環ポンプ601の下流に位置するように循環ポンプ601と浴槽200との間に設けられた第2流路720とを有する。
【0034】
図11に示すように、第1流路710は、微細泡沫群モードにおいて湯を微細泡沫群生成部420に向けて通過するために使用される。よって、第1流路710の上端部は攪拌部530の底部に連通し、第1流路710の下端部は切替バルブ800の第1ポート810に連通する。第2流路720は、循環モードにおいて湯を浴槽200に向けて通過するために使用される。従って、第2流路720の上端部は切替バルブ800の第2ポート820に連通し、第2流路720の下端部はハウジング400の湯吐出ポート430を介して湯供給口220に連通する。第3流路730の上端部は浴槽200の泡供給口210に連通し、第3流路730の下端部はハウジング400の吐出口410を介して微細泡沫群生成手段500の微細泡沫群生成部420の吐出口410に連通する。
【0035】
図11に示すように、泡供給口210は浴槽200の側壁部に形成されており、微細泡沫群モードにおいて微細泡沫群生成手段500の微細泡沫群生成部420で生成された微細泡沫群Aを浴槽室200aに供給させる。湯供給口220は浴槽200の側壁部に形成されており、循環モードにおいて第2流路720から湯を浴槽室200aに供給させる。更に、浴槽室200aの湯を循環させるための循環口630が浴槽200の側壁部に形成されている。循環口630は、浴槽室200aの外部の循環路640を介して循環ポンプ601の吸込口603に連通している。なお、浴槽200の底部には、浴槽室200aの湯を外部に排出させるための排水口240が形成されている。
【0036】
図12に示すように、制御装置9は、入力処理回路90と、CPU91と、記憶部として機能するメモリ92と、出力処理回路93と、操作部94とをもつ。操作部94は、ハウジング400に設けられていても良いし、ハウジング400との離間するリモコン式であっても良い。操作部94は、微細泡沫群モードを開始および終了するための泡スイッチ95と、循環モードを開始および終了するための循環スイッチ96とをもつ。泡スイッチ95および循環スイッチ96の信号は入力処理回路90を経て制御装置9に入力される。制御装置9は、出力処理回路93を経て、切替バルブ800、薬剤バルブ550、空気バルブ570、コンプレッサ580、循環ポンプ601等の機器をそれぞれ駆動させる指令信号を出力する。
【0037】
さて、微細泡沫群を用いて入浴する微細泡沫群入浴を行う場合には、浴槽200の浴槽室200aに湯をある程度入れた状態で、微細泡沫群モードを実行させることが好ましい。この場合、微細泡沫群モードを開始すべく使用者が操作部94の泡スイッチ95を操作すると、制御装置9は微細泡沫群モードを開始し、薬剤バルブ550を開放させる。すると、薬剤収容部520の薬剤が薬剤バルブ550を介して攪拌部530の攪拌室に重力により供給される。更に、制御装置9は循環ポンプ601を駆動させて給湯装置300の湯を循環ポンプ601の吸込口603側に吸引させる。この場合、制御装置9により切替バルブ800は微細泡沫群モードに設定され、第1流路710に繋がる第1ポート810と第3ポート830とは連通されると共に、第2流路720に繋がる第2ポート820は閉鎖されている。このため循環ポンプ601の駆動により切替バルブ800の第3ポート830に送られた湯は、切替バルブ800の第1ポート810および第1流路710を介して攪拌部530に供給される。これにより攪拌部530において湯および薬剤が混合され、流動性をもつ混合物となる。混合物は第1供給通路560を介して泡生成部420に供給される。上記したように微細泡沫群モードでは、制御装置9は、コンプレッサ580を駆動させると共に空気バルブ570を開放させることにより、空気を泡生成部420に供給する。これにより泡生成部420の混合物が泡立ち、泡生成部420においてシャボン状の暖かい泡が生成される。泡生成部420において生成されたシャボン状の泡は、泡生成部420の吐出口410、第3流路730を介して泡供給口210から浴槽200の浴槽室200aに供給される。これにより使用者は浴槽室200aにおいて微細泡沫群入浴が可能となる。なお、微細泡沫群モードでは浴槽200に湯を張らず、微細泡沫群のみで入浴することにしても良い。
【0038】
また、使用者が循環モードを実行すべく操作部94の循環スイッチ96を操作すると、制御装置9は循環モードを開始させ、循環ポンプ601の駆動により発生する吸引力により、図略のフィルタを介して浴槽室200aの湯を循環口630から吸引させて循環路640に移動させ、循環ポンプ601の吸込口603に帰還させ、再び、切替バルブ800の第3ポート830,第2ポート820,第2流路720を介して浴槽室200aに供給させる。このとき第1ポート810は閉鎖されていることが好ましい。
【0039】
さて本実施形態によれば、図11から理解できるように、泡供給口210、微細泡沫群生成手段500の微細泡沫群生成部420、切替部としての切替バルブ800、湯供給口220のそれぞれの高さ位置は、この順に、高い側から低い側に向けて設定されている。具体的には、図11から理解できるように、微細泡沫群に関係する流路において、浴槽200の泡供給口210、第3流路730,ハウジング400の吐出口410、ハウジング400内の微細泡沫群生成部420、第1供給通路560、攪拌部530、第1流路710、切替バルブ800、第2流路720、ハウジング400の湯吐出ポート430、浴槽200の湯供給口220について、それぞれの高さ位置は、この順に、高い側から低い側に向けて設定されている。従って、微細泡沫群入浴(微細泡沫群モード)が終了するとき、浴槽200の泡供給口210、第3流路730、ハウジング400の吐出口410、ハウジング400内の微細泡沫群生成部420、第1供給通路560、攪拌部530、第1流路710、切替バルブ800、第2流路720、ハウジング400の湯吐出ポート430、浴槽200の湯供給口220において、泡やその残液が残留していたとしても、これらの部位が切替バルブ800の第1ポート810、第2ポート820および第2流路720を介して浴槽室200aに連通している限り、泡やその残液は、重力によって、切替バルブ800の第1ポート810および第2ポート820および第2流路720を介して、浴槽200の湯供給口220に流下させ、更に浴槽200の浴槽室200aに自然に流下させることができる。この場合、第3ポート830は閉鎖されていることが好ましい。
【0040】
上記した結果、微細泡沫群モードが終了されたときにおいて、システム100のハウジング400内において泡やその残液が残留することが抑制され、システム100のハウジング400内の清掃性が確保される。なお、浴槽200の排水口240を開放させれば、浴槽200に流下した泡やその残液は、重力によって排水口240から浴槽室200aの外部に排出される。このため微細泡沫群モードが終了されたときにおいて、切替バルブ800の第1ポート810および第2ポート820が少なくとも所定時間連通しているように、切替バルブ800を制御させることが好ましい。浴槽室200aにおける水面が高い場合には、ハウジング400内の微細泡沫群生成部420内に残液が貯留されるおそれがあるが、浴槽室200aにおける水面の低下につれて、微細泡沫群生成部420内に残液は、重力により、切替バルブ800の第1ポート810,第2ポート820、第2流路720を介して浴槽室200aに自然に流下させ得る。このとき第3ポート830を閉鎖させておくことが好ましい。なお、微細泡沫群の生成が終了したら、微細泡沫群バルブ550を閉鎖した状態で、薬剤である界面活性剤を有しないすすぎ用の水を微細泡沫群生成部420に供給してすすぎ処理を微細泡沫群生成部420に対して実行することにしても良い。すすぎ用の水は微細泡沫群に比較して泡が少ないか無いため、すすぎ用の水は微細泡沫群に比較して流動性に富む。この結果、微細泡沫群生成部420内のすすぎ用の水を微細泡沫群生成部420から残液排出口7を介して良好に第1供給通路560に排出させることができ、ひいては切替バルブ800の第1ポート810および第2ポート820、更には第2流路720を介して浴槽室200aに自然に流下させ得る。すすぎ処理において、微細泡沫群生成室4内のインペラー3を適宜回転させて微細泡沫群生成室4におけるすすぎ処理を促進させることができる。場合によっては、インペラー3を回転させなくても良い。すすぎ処理においてコンプレッサ580により圧縮空気を微細泡沫群生成部420に供給させても良いし、供給させなくても良い。前者の場合には、空気によってすすぎ水の容積が増加するので、すすぎ水の消費量を低減でき、節水を図り得る利点が得られる。
【0041】
(その他)上記した実施形態1によれば、第1ケース11の固定筒部15には突起18が形成されているが、これに限らず、インペラー3側に突起を形成させても良い。可動体として機能するインペラー3は回転する方式であるが、これに限らず、可動体は前進後退方向に往復移動する方式でも良い。微細泡沫群入浴部としては浴槽200が採用されているが、これに限らず、使用者の腰部が着座部に着座しつつ暖かい微細泡沫群を使用者の身体に接触させて微細泡沫群入浴する入浴ブースでも良い。微細泡沫群入浴部としては、微細泡沫群を放出させるシャワー装置でも良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0042】
1は基体、11は第1ケース、12は第2ケース、2は駆動モータ(駆動源)、20は回転軸(駆動軸)、22は中心軸線、3はインペラー(可動体)、37はラビリンス通路、4は微細泡沫群生成室、41は予混合室、42は本混合室、19は吐出口、5は供給通路、51は第1供給通路、52は第2供給通路、51aは横通路、51cは縦通路、6は中間部材、61はポンプ、64は流通開口、65はコンプレッサ、7は残液排出口、200は浴槽(微細泡沫群入浴部)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の気泡を有する微細泡沫群を生成するための微細泡沫群生成室と、前記微細泡沫群となる原料を前記微細泡沫群生成室に供給する供給通路と、前記微細泡沫群生成室で生成された前記微細泡沫群を記微細泡沫群生成室から吐出させる吐出口とを有する基体と、
前記基体に装備され駆動軸をもつ駆動源と、
前記駆動源の前記駆動軸に取り付けられ前記微細泡沫群生成室において可動するように設けられ可動に伴い前記微細泡沫群生成室において前記微細泡沫群を生成させる可動体とを具備しており、
前記基体は、前記微細泡沫群生成室に残留する残液を前記微細泡沫群生成室の外部に排出させる残液排出口を有することを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項2】
請求項1において、前記残液排出口は前記駆動軸の中心軸線よりも下側に位置しており、前記微細泡沫群生成室のうち前記駆動軸の前記中心軸線よりも下側の室空間と前記供給通路とを連通させており、前記微細泡沫群生成室の前記残液を前記微細泡沫群生成室から前記供給通路に排出させることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記微細泡沫群生成室において原料または微細泡沫群が泡化しつつ進行する流路距離を相対表示で100とするとき、前記微細泡沫群生成室の流路距離100のうち前記微細泡沫群生成室の始端から50を超えて前記微細泡沫群の泡化が進行している後半領域において、前記残液排出口が開口するように形成されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記駆動軸は横軸型であり、前記基体は前記駆動軸の前記中心軸線のまわりに前記微細泡沫群生成室を形成するように外筒壁を有しており、
前記残液排出口は前記駆動軸の前記中心軸線よりも下側に位置しつつ、前記駆動軸の径方向において前記駆動軸と前記外周壁との間に開口するように配置されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記残液排出口の流路断面積は、前記供給通路の流路断面積よりも小さく設定されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項6】
微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成手段と、前記微細泡沫群生成手段で生成された微細泡沫群を用いて微細泡沫群入浴する微細泡沫群入浴部とを具備する微細泡沫群入浴システムであって、前記微細泡沫群生成手段は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載されている微細泡沫群生成装置であることを特徴とする微細泡沫群入浴システム。
【請求項1】
多数の気泡を有する微細泡沫群を生成するための微細泡沫群生成室と、前記微細泡沫群となる原料を前記微細泡沫群生成室に供給する供給通路と、前記微細泡沫群生成室で生成された前記微細泡沫群を記微細泡沫群生成室から吐出させる吐出口とを有する基体と、
前記基体に装備され駆動軸をもつ駆動源と、
前記駆動源の前記駆動軸に取り付けられ前記微細泡沫群生成室において可動するように設けられ可動に伴い前記微細泡沫群生成室において前記微細泡沫群を生成させる可動体とを具備しており、
前記基体は、前記微細泡沫群生成室に残留する残液を前記微細泡沫群生成室の外部に排出させる残液排出口を有することを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項2】
請求項1において、前記残液排出口は前記駆動軸の中心軸線よりも下側に位置しており、前記微細泡沫群生成室のうち前記駆動軸の前記中心軸線よりも下側の室空間と前記供給通路とを連通させており、前記微細泡沫群生成室の前記残液を前記微細泡沫群生成室から前記供給通路に排出させることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記微細泡沫群生成室において原料または微細泡沫群が泡化しつつ進行する流路距離を相対表示で100とするとき、前記微細泡沫群生成室の流路距離100のうち前記微細泡沫群生成室の始端から50を超えて前記微細泡沫群の泡化が進行している後半領域において、前記残液排出口が開口するように形成されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記駆動軸は横軸型であり、前記基体は前記駆動軸の前記中心軸線のまわりに前記微細泡沫群生成室を形成するように外筒壁を有しており、
前記残液排出口は前記駆動軸の前記中心軸線よりも下側に位置しつつ、前記駆動軸の径方向において前記駆動軸と前記外周壁との間に開口するように配置されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記残液排出口の流路断面積は、前記供給通路の流路断面積よりも小さく設定されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項6】
微細泡沫群を生成させる微細泡沫群生成手段と、前記微細泡沫群生成手段で生成された微細泡沫群を用いて微細泡沫群入浴する微細泡沫群入浴部とを具備する微細泡沫群入浴システムであって、前記微細泡沫群生成手段は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載されている微細泡沫群生成装置であることを特徴とする微細泡沫群入浴システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−240265(P2011−240265A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115179(P2010−115179)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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