説明

微細泡沫群生成装置及び泡入浴装置

【課題】気泡生成に係る気体及び液体の混合をより省スペースで行うことができる微細泡沫群生成装置及び泡入浴装置を提供する。
【解決手段】筒部75a、筒部75aに設けられた円環状の内側フランジ75c、筒部75aに対して同心円上に内側フランジ75cに突設された複数の固定側周壁75e,75fを有するケーシング75と、中心線Oを中心にケーシング75内に回転自在に配置された円板部、筒部75a及び固定側周壁75e間並びに固定側周壁75e,75f間に配置され筒部75aに対して同心円上に円板部に突設された複数の可動側周壁82d,82eを有するインペラー82と、各可動側周壁82d,82eに対向して筒部75a及び固定側周壁75e,75fにそれぞれ周方向に間隔をおいて突設され中心線Oに沿って延在する複数の整流板76と、ケーシング75及びインペラー82間に形成された混合室C1とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細泡沫群生成装置及び泡入浴装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、泡入浴装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この泡入浴装置は、タンク内に手動投入された湯及び洗剤の混合液に気泡を供給することにより温泡を発生させるものであって、該温泡は、タンクの上部に形成された穴から吐出された後、タンクの前面壁に沿って徐々に浴槽内に移動するようになっている。
【0003】
また、泡入浴装置に適用し得る微細泡沫群生成装置としては、例えば特許文献2に記載されたものが知られている。この微細泡沫群生成装置の備える気液混合用インペラーは、回転軸の回転方向に面を有して放射状に設けられ該回転軸の回転に伴い回転される撹拌フィンと、該撹拌フィンの回転中心に一方端を開口するとともに吸気気体を収納する気体容器に他方端を開口する給気管と、気体容器及び撹拌フィン間に設けられ給気管による吸引量を調整可能な調整器とからなり、微少気泡を多く含んだ気泡を発生させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−321449号公報
【特許文献2】特開2006−88155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、微細な泡沫群からなる泡の生成が不可能である。これは、例えば内径0.5mm以上の穴からのバブリング(気泡供給)では、10mm以上の径を持つ泡沫を大量に含んでしまうためである。あるいは、内径0.5mm未満の穴からのバブリングでは、構造上、穴の目詰まりが発生しやすくなってしまい、メンテナンス性の確保が困難になってしまうためである。ここで泡沫とは、液体がその中に空気などの気体を含んだものであり、気体を包む液体の表面張力により形成されたものである。
【0006】
一方、特許文献2は、微少気泡を多く含んだ気泡を発生させるものであるため、微細な泡沫群の生成効率(エネルギー効率・スペース効率)が悪くなってしまう。これは、以下の理由によるものである。
(1)微細な泡の生成のためには、気液界面に分裂に充分な流速差を与えることが必要であるのに対し、攪拌フィンでは広範囲の流体を回転させてしまって分裂に充分な流速差を与えられず、あるいは充分な流速差を得るために過度なエネルギーを要する。
(2)攪拌フィンで流体を回転させると、気液を分離させる遠心分離作用で、生成した微細泡沫が合体してしまう。
(3)攪拌室及び攪拌フィンの隙間を通過する大気泡の割合が多く、この構造で微細な泡沫群を生成する場合、大気泡の微細化の確率を増すために攪拌フィンを多段化して使用する等の工夫が必要になり、エネルギー効率・スペース効率が著しく悪くなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、気泡生成に係る気体及び液体の混合をより省スペースで行うことができる微細泡沫群生成装置及び泡入浴装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、円筒状の筒部と、該筒部に設けられた円環状の内側フランジと、前記筒部に対して同心円上に前記内側フランジに突設された複数の円筒状の固定側周壁とを有するケーシングと、前記筒部の中心線を中心に前記ケーシング内に回転自在に配置された円板部と、前記筒部及び該筒部に隣り合う前記固定側周壁間並びに隣り合う前記固定側周壁間に配置され前記筒部に対して同心円上に前記円板部に突設された複数の円筒状の可動側周壁とを有するインペラーと、前記各可動側周壁に対向して前記筒部及び前記固定側周壁にそれぞれ周方向に間隔をおいて突設され、前記中心線に沿って延在する複数の整流板と、前記ケーシング及び前記インペラー間に形成され、前記中心線の一側方向及び他側方向に交互に折り返す混合室とを備え、前記インペラーの回転により前記混合室内に導入される気体及び液体を混合して気泡を生成することを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、前記混合室内に導入される気体及び液体は、前記インペラーの回転に伴う周方向の流れが、周方向に間隔をおいて突設された複数の整流板にせん断される態様で混合される。つまり、気泡生成に係る気体及び液体の混合(以下、「気液混合」ともいう)は、前記ケーシング(筒部、内側フランジ、複数の固定側周壁)及び前記インペラー(円板部、複数の可動側周壁)間に形成される、前記中心線の一側方向及び他側方向に交互に折り返す混合室で集約的に行われる。従って、気泡生成に係る気液混合をより省スペースで行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の微細泡沫群生成装置において、前記中心線の方向で前記インペラーに対向する前記内側フランジの端面を平坦に成形してなることを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、前記内側フランジの端面を平坦に成形して整流板等を配置しないことで、気液混合時の前記整流板の影響により生じた流れ方向に対する気液分布の偏りが緩和され、当該整流板の下流側の気液混合をより高効率化することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の微細泡沫群生成装置において、前記混合室の上流側に配置され、該混合室に導入される液体の流れを旋回させる旋回流路と、前記旋回流路の中間部に配置され、前記混合室に導入される気体を供給する給気口とを備えたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、前記混合室への気体及び液体の導入に先立って、前記旋回流路における液体の旋回する流れで、該液体と前記給気口から供給される気体とを初期混合することで、全体として気液混合をより高効率化することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の微細泡沫群生成装置において、前記インペラーの回転方向は、前記旋回流路における液体の旋回する流れ方向の逆方向に設定されていることを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、液体の旋回する流れ速度分だけ嵩上げされた、より大きな流速差がせん断力として気液界面に与えられるため、気液混合を更に促進することができ、ひいては気液混合を更に省スペースで行うことができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細泡沫群生成装置において、前記混合室の上流側に配置され、前記筒部の開口端を閉塞する蓋体と、前記筒部に対して同心円上に前記蓋体に突設された円筒状の蓋体側周壁と、前記混合室の上流側で前記中心線を中心に前記ケーシング内に回転自在に配置された上流側円板部と、前記筒部及び前記蓋体側周壁間に配置され前記筒部に対して同心円上に前記上流側円板部に突設された円筒状の上流側周壁とを有する上流側インペラーと、前記筒部に対向して前記上流側周壁に周方向に間隔をおいて配設され、前記中心線に沿って延在する複数の液搬送部と、前記ケーシング及び前記上流側インペラー間に形成され、前記中心線の一側方向及び他側方向に折り返して前記混合室に気体及び液体を導入する導入路とを備え、前記上流側インペラーの回転により前記導入路内の気体及び液体を拡散することを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、前記導入路内の気体及び液体は、前記上流側インペラーの回転に伴い、周方向に間隔をおいて配設された複数の液搬送部で液体が搬送される態様で拡散される。つまり、気体及び液体の拡散(以下、「気液分散」ともいう)は、前記蓋体(蓋体側周壁)を備えた前記ケーシング及び前記上流側インペラー(上流側円板部、上流側周壁)間に形成される、前記中心線の一側方向及び他側方向に折り返す導入路で行われる。従って、気体及び液体の流れ方向に対する気液分布の偏りを緩和することができ、且つ、その際のエネルギーを回転を要する領域に存在する気体及び液体のみに伝達することができるため、その下流側である前記混合室での気液混合をより高効率化することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の微細泡沫群生成装置において、前記混合室の下流側に配置されたプレート部材と、前記プレート部材の下流に配置された吐出口を備え、前記プレート部材が前記インペラーの外周側で前記混合室から導出される気泡を、周方向の流れを遮断して前記吐出口へと排出することを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、前記インペラーの外周側で前記混合室から導出される気泡は、前記プレート部材によりその周方向の流れが遮断されることで、前記吐出口への排出時の旋回流を抑制することができる。従って、旋回流に起因する気泡の気液分離を抑制することができ、その泡質を好適に維持することができる。また、旋回流に起因する管損失抵抗を低減することができ、その分、前記混合室内に気体等を導入するコンプレッサの負荷を軽減することができる。さらに、前記プレート部材を配置し得る小さいスペースで旋回流を抑制できるため、その分、前記インペラーを回転駆動する駆動源の負荷を軽減することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、気体としての空気及び液体としての界面活性剤含有液を混合して微細泡沫群からなる泡を生成する請求項1〜6のいずれか一項に記載の微細泡沫群生成装置を備えた泡入浴装置であることを要旨とする。
【0021】
同構成によれば、微細泡沫群からなる泡により、質感の優れた泡入浴をすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、気泡生成に係る気体及び液体の混合をより省スペースで行うことができる微細泡沫群生成装置及び泡入浴装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す断面図。
【図2】同実施形態を示す断面図。
【図3】同実施形態を示す断面図。
【図4】同実施形態を示す縦断面図。
【図5】同実施形態を示す水回路図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す縦断面図。
【図7】同実施形態を示す断面図。
【図8】図6のプレート部材を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図5は、本実施形態が適用される泡入浴装置を示す水回路図である。同図に示されるように、この泡入浴装置が備える浴槽10は、その内部に泡Wを溜めるとともに、該浴槽10内に泡Wを供給するための泡流入部11が設置され、更に浴槽10内の泡Wを排水するための泡流出部12が設置されている。泡流入部11は、浴槽10の上端部に開口しており、泡流出部12は、浴槽10の底部に開口している。また、浴槽10には、その上半分に分散配置された複数のノズル13が配設されている。
【0025】
泡入浴装置は、上水道Cに給水用配管21aを介して接続された第1流量調整弁22を備えるとともに、給湯器Hに給湯用配管21bを介して接続された第2流量調整弁23を備え、更にこれら第1及び第2流量調整弁22,23に給水用配管21c及び給湯用配管21dをそれぞれ介して接続されたミキシング(混合栓)24を備える。ミキシング24は、第1及び第2流量調整弁22,23により流量の調整された水及び湯を混合して所要水温(例えば42°C)の温水を生成する。なお、給水用配管21a及び給湯用配管21bには、使用時(入浴時)に開状態となる開閉弁25,26がそれぞれ設けられている。
【0026】
ミキシング24は、配管21eを介して第3流量調整弁27に接続されるとともに、該第3流量調整弁27は、配管21fを介して攪拌装置31に接続されている。この攪拌装置31は、電動ポンプ32を介して起泡剤タンク33に接続されており、該起泡剤タンク33に溜められた界面活性剤含有液(洗浄剤など)が電動ポンプ32の駆動により供給されるとともに、第3流量調整弁27により流量の調整された温水と攪拌して、いわゆる石鹸水を生成する。
【0027】
攪拌装置31は、配管21gを介してMBF(微細泡沫群)生成装置34の吸入口34aに接続されている。このMBF生成装置34は、その吸入口34bが空気配管35aを介して第4流量調整弁36に接続されるとともに、該第4流量調整弁36は、空気配管35bを介してコンプレッサ37に接続されている。MBF生成装置34は、第3流量調整弁27により流量の調整された攪拌装置31を介した石けん水及び第4流量調整弁36により流量の調整された圧縮空気を混合等して微細泡沫群(例えば150μm径以下、水分量が20〜30%の泡)からなる泡Wを生成するとともに、該泡Wをその吐出口34cから吐出する。この泡Wは、ミキシング24において生成された温水によって温められた温泡となっている。なお、配管21g及び空気配管35aには、使用時(入浴時)に開状態となる開閉弁38及び空気用バルブ39がそれぞれ設けられている。また、MBF生成装置34は、循環する泡Wを吸入するための吸入口34dを併せ備えている。
【0028】
MBF生成装置34の吐出口34cは、泡配管41aを介して泡路切替バルブ42に接続されるとともに、該泡路切替バルブ42は、泡配管41bを介して前記泡流入部11に接続され、あるいは泡配管41cを介してドレインDに接続されている。従って、泡路切替バルブ42により泡配管41a,41bが連通するように泡路が切り替えられたとき、MBF生成装置34(吐出口34c)から吐出された泡Wは、泡配管41a,41bを介して泡流入部11から浴槽10内に供給される。一方、泡路切替バルブ42により泡配管41a,41cが連通するように泡路が切り替えられたとき、MBF生成装置34(吐出口34c)から吐出された泡Wは、泡配管41a,41cを介してドレインDから排水される。
【0029】
一方、前記泡流出部12は、浴槽10に設置されたダクト45に接続されるとともに、該ダクト45は、泡配管46aを介して循環ポンプ47の吸入口に接続されている。
循環ポンプ47は、例えばベーンポンプ等の容積形ポンプからなり、その吐出口は泡配管46bを介して泡路切替バルブ48に接続されている。この泡路切替バルブ48は、泡配管46cを介してMBF生成装置34の前記吸入口34dに接続されるとともに、泡配管46dを介してドレインDに接続されている。従って、泡路切替バルブ48により泡配管46b,46cが連通するように泡路が切り替えられたとき、循環ポンプ47により吸引された浴槽10内の泡Wは、泡配管46b,46cを介して吸入口34dに供給される。そして、MBF生成装置34は、循環ポンプ47により循環された浴槽10内の泡Wをその吸入口34dから吸入して微細泡沫群からなる泡Wを生成(再生)する。一方、泡路切替バルブ48により泡配管46b,46dが連通するように泡路が切り替えられたとき、循環ポンプ47により吸引された浴槽10内の泡Wは、泡配管46b,46dを介してドレインDから排水される。
【0030】
なお、循環ポンプ47により浴槽10内の泡Wを循環させる際、MBF生成装置34は、基本的に攪拌装置31からの石けん水等を追加しない。ただし、循環する泡Wの温度が低いときには、該泡Wを温めるべく第3流量調整弁27の開度を変更してミキシング24の生成した温水を追加する。
【0031】
さらに、前記給水用配管21aは、上水道C及び開閉弁25間で配管51aに接続されるとともに、前記給湯用配管21bは、給湯器H及び開閉弁26間で該配管51aに接続されている。そして、この配管51aは、前記複数のノズル13のそれぞれに接続されている。また、配管51aには、使用時(入浴時)に開状態となる開閉弁52が設けられている。これらノズル13は、開閉弁52が開状態にあるときに上水道Cの水及び給湯器Hの湯を混合等した温水が供給されることで、浴槽10内の泡Wに霧状の水(温水)を付加する。これは、水分が抜けてスカスカの状態になった泡Wを循環しやすくするためである。すなわち、泡Wは、水分量が15%を下回ると移送が困難になる傾向を示す。ノズル13は、泡流出部12における泡Wの水分量が15%以上になるように霧状の水を付加する。
【0032】
なお、給水用配管21aには、上水道Cの水温Tcを検知するための温度センサ61が設けられるとともに、給湯用配管21bには、給湯器Hの湯温Thを検知するための温度センサ62が設けられ、更に配管21eには、ミキシング24で生成した温水温度Twを検知するための温度センサ63が設けられている。また、泡配管41aには、泡路切替バルブ42の近傍でMBF生成装置34(吐出口34c)から吐出される泡Wの温度である泡温Tfを検知するための温度センサ64が設けられるとともに、泡配管46cには、泡路切替バルブ48の近傍でMBF生成装置34(吸入口34d)に吸入される泡Wの温度Toを検知するための温度センサ65が設けられている。これら温度センサ61〜65は、制御装置66に電気的に接続されている。制御装置66は、これら温度センサ61〜65の検知結果に基づいて、第1〜第4流量調整弁22、23,27,36、MBF生成装置34、泡路切替バルブ42,48、循環ポンプ47等を駆動制御する。
【0033】
次に、MBF生成装置34について更に説明する。図4は、MBF生成装置34を示す縦断面図である。また、図1、図2及び図3は、図4のA−A線、B−B線及びC−C線に沿った断面図である。これらの図における上下方向は、垂直方向に一致する。
【0034】
図4に示されるように、MBF生成装置34は、前記制御装置66により回転制御される電動モータ71を備えるとともに、水平方向に軸線(以下、「中心線O」ともいう)の延びる該電動モータ71の回転軸71aに一体回転するように連結された中継軸72を備え、更に回転軸71a等の回転と干渉しないようにリング状に成形されて電動モータ71のケース71bに固定されたスペーサ73を備える。
【0035】
また、MBF生成装置34は、中継軸72の軸線方向一側(電動モータ71の反対側)に配置される円盤状の蓋体74aを有する第1ケーシング74を備える。この第1ケーシング74は、前記中継軸72の外周面を内周側に包囲する態様で蓋体74aから略円筒状に突設された本体部74bを有しており、該本体部74bの軸線方向他側(電動モータ71側)の端面がスペーサ73に当接する態様で該スペーサ73に固定されている。
【0036】
図2に示されるように、本体部74bには、上部から中心線Oの径方向に沿って下方に穿設された円形の給水口74cが形成されるとともに、該給水口74cの下端に連通して中心線Oの周方向に図示反時計回転方向に向かう側に延在する円弧状の旋回流路74dが形成され、更に左下部から中心線Oの径方向に沿って斜め上方に穿設されて旋回流路74dの中間部に連通する円形の給気口74eが形成されている。なお、給水口74cは、上端側で前記吸入口34aに連通して石鹸水が供給可能であり、旋回流路74dの中間部に配置された給気口74eは、下端側で前記吸入口34bに連通して圧縮空気が供給可能である。従って、給水口74cに供給された石鹸水は、旋回流路74dにおいてその流れが旋回される。そして、旋回流路74dにおける石鹸水の旋回する流れで、該石鹸水と給気口74eに供給された圧縮空気とが初期混合される。
【0037】
図3及び図4に示されるように、第1ケーシング74は、蓋体74aから軸方向一側に円筒状に突設された第1筒部74fを有するとともに、該第1筒部74fに対して同心円上に蓋体74aから軸方向一側に円筒状に突設された蓋体側周壁74gを有する。第1筒部74f、蓋体74a及び本体部74bは、互いに同等の外径を有して連続する円周面を形成する。また、蓋体側周壁74gは、前記旋回流路74dに連通する内部空間S1を形成する。なお、第1筒部74fの開口端は、拡開されて円環状の取付壁74hを形成する。
【0038】
図1及び図4に示されるように、第1ケーシング74の軸線方向一側に配置される第2ケーシング75は、第1筒部74fの内径と同等の内径を有する円筒状の第2筒部75aを有する。この第2筒部75aの軸線方向他側の先端部は、取付壁74hの内周面に液密的に装着されるとともに、該取付壁74hの先端面に当接する外側フランジ75bにおいて、例えばボルトにより取付壁74hに締結されている。
【0039】
また、第2ケーシング75は、第2筒部75aの軸線方向中央部に設けられた円環状の内側フランジ75cを有するとともに、該内側フランジ75cから軸線方向他側に第2筒部75aに対して同心円上に突設された複数(例えば、2つ)の円筒状の第1固定側周壁75e,75fを有し、更に内側フランジ75cから軸線方向一側に第2筒部75aに対して同心円上に突設された複数(例えば、2つ)の円筒状の第2固定側周壁75g,75hを有する。
【0040】
第1及び第2固定側周壁75e,75gは、内側フランジ75cを挟んで連続する円筒形状になるように互いに同等の外径及び内径を有している。また、第1及び第2固定側周壁75f,75hは、内側フランジ75cの内径と同等の内径を有して連続する円形の内周面を形成する。そして、この内周面には、内側フランジ75cの軸線方向の位置で中心線Oに向かう径方向に延出する複数(例えば、3つ)のスポーク部75iが形成されている。これらスポーク部75iは等角度(120度)間隔に配置されており(図1参照)、各々の中心線O側の先端は該中心線Oに沿って開口する円環状の支持壁75jに接続されている。そして、第1固定側周壁75fは、前記内部空間S1に連通する内部空間S2を形成するとともに、第2固定側周壁75hは、隣り合うスポーク部75i間の開口を介して内部空間S2に連通する内部空間S3を形成する。なお、第2筒部75aの軸線方向一側の開口端は、拡開されて外側フランジを有する円環状の取付壁75kを形成する。
【0041】
ここで、本実施形態の第2ケーシング75は、第2筒部75aの内周面、第1及び第2固定側周壁75e,75gの外周面及び内周面、並びに第1及び第2固定側周壁75f,75hの外周面に放射状に突設された複数の整流板76を備える。各整流板76は、中心線Oと平行に第2筒部75a、第1固定側周壁75e,75f、第2固定側周壁75g,75hの全長に亘って延在する。図1に示されるように、これら整流板76は、第2筒部75a、第1固定側周壁75e,75f、第2固定側周壁75g,75hに等角度間隔で配設されている。そして、内側フランジ75cは、第2筒部75a及び第1固定側周壁75e間、両第1固定側周壁75e,75f間、第2筒部75a及び第2固定側周壁75g間、並びに両第2固定側周壁75g,75h間に略円形の平坦面77をそれぞれ形成する。
【0042】
図4に示されるように、第2ケーシング75の軸線方向一側に配置される第3ケーシング78は、第2筒部75aの内径と同等の内径を有する円筒状の第3筒部78aを有する。この第3筒部78aの軸線方向他側の先端部は、取付壁75kの内周面に液密的に装着されるとともに、該取付壁75k(外側フランジ)の先端面に当接する外側フランジ78bにおいて、例えばボルトにより取付壁75kに締結されている。第3ケーシング78は、第1及び第2ケーシング74,75とともにケーシングを構成するとともに、第3筒部78aは、第1及び第2筒部74f,75aとともに筒部を構成する。
【0043】
第3ケーシング78は、第3筒部78aの軸線方向一側に設けられた円環状の内側フランジ78cを有するとともに、該内側フランジ78cから軸線方向他側に第3筒部78aに対して同心円上に突設された複数(例えば、2つ)の円筒状の第3固定側周壁78e,78fを有する。なお、内側フランジ78cの内周部は、第3固定側周壁78fよりも内周側に延出するとともにその先端部が軸線方向一側にボス状に突出するように曲成されて、前記吐出口34cを形成する。第3固定側周壁78e,78fは、それぞれ第2固定側周壁75g,75h(及び第1固定側周壁75e,75f)と互いに同等の外径及び内径を有している。そして、第3固定側周壁78fは、内部空間S3及び吐出口34cに連通する内部空間S4を形成する。
【0044】
ここで、本実施形態の第3ケーシング78は、第3筒部78aの内周面、並びに第3固定側周壁78e,78fの外周面及び内周面に放射状に突設された複数の整流板79を備える。各整流板79は、中心線Oと平行に第3筒部78a、第3固定側周壁78e,78fの全長に亘って延在する。これら整流板79は、第3筒部78a、第3固定側周壁78e,78fに等角度間隔で配設されている。そして、内側フランジ78cは、第3筒部78a及び第3固定側周壁78e間、両第3固定側周壁78e,78f間に、略円形の平坦面80をそれぞれ形成する。
【0045】
第1〜第3ケーシング74,75,78(ケーシング)内には、中心線Oに沿って延在する段付き円柱状の回転軸81が配置されている。この回転軸81は、前記支持壁75jを貫通する長手方向中間部において中心線Oを中心に該支持壁75jに回転自在に支持されるとともに、前記蓋体74aを貫通する軸線方向他側端部において中心線Oを中心に該蓋体74aに回転自在に支持されている。そして、回転軸81の蓋体74aから突出する先端部は、前記中継軸72に一体回転するように連結されている。
【0046】
回転軸81には、第1及び第2ケーシング74,75の境界部をなす軸線方向の位置で第1インペラー82が一体回転するように連結されている。この第1インペラー82は、回転軸81に一体回転するように連結される第1円板部82aを有するとともに、該第1円板部82aから軸線方向他側に第1筒部74fに対して同心円上に突設された円筒状の上流側周壁82bを有する。この上流側周壁82bは、第1筒部74f及び蓋体側周壁74g間に配置されている。つまり、第1ケーシング74及び第1インペラー82は、いわゆるラビリンス状に配置されている。そして、上流側周壁82bは、該第1筒部74fに対向する外周面に凹設された複数の液搬送部としての溝部83を備える。各溝部83は、中心線Oと平行に上流側周壁82bの略全長に亘って延在する。図3に示されるように、これら溝部83は、上流側周壁82bに等角度間隔で配設されている。上流側周壁82bは、これら溝部83により凹凸をなすことで、相対的に突出する複数の羽形状を有する。なお、第1円板部82aには、内部空間S1に導入された圧縮空気及び石鹸水(以下、「気液」ともいう)の外周側への移動を促進するためのテーパ82cが形成されている。
【0047】
一方、第1インペラー82は、第1円板部82aから軸線方向一側に第2筒部75aに対して同心円上に突設された円筒状の第1可動側周壁82d,82eを有する。第1可動側周壁82dは、第2筒部75a及び第1固定側周壁75e間に配置されており、第1可動側周壁82eは、第1固定側周壁75e,75f間に配置されている。つまり、第2ケーシング75及び第1インペラー82は、いわゆるラビリンス状に配置されている。
【0048】
ここで、第1及び第2筒部74f,75aの境界部には、それらの内周面から第1円板部82aの対向する径方向外側に凹設された周溝G1が形成されている。そして、第1ケーシング74(第1筒部74f、蓋体側周壁74g等)及び第1インペラー82(上流側周壁82b等)の間には、中心線Oの他側方向及び一側方向に折り返しつつ該中心線Oの径方向外側に変位して周溝G1に連通する導入路Lが形成されており、第2ケーシング75(第2筒部75a、内側フランジ75c、第1固定側周壁75e,75f)及び第1インペラー82(第1円板部82a、第1可動側周壁82d,82e)の間には、周溝G1に連通するとともに中心線Oの一側方向及び他側方向に交互に折り返しつつ該中心線Oの径方向内側に変位して内部空間S2に連通する第1混合室C1が形成されている。つまり、第1インペラー82は、気液混合に係るインペラー及び気液分散に係る上流側インペラーが一体形成された構成となっており、第1円板部82aは、インペラーの円板部及び上流側インペラーの上流側円板部が重ねられてなる。
【0049】
このような構成にあって、第1インペラー82が回転すると、内部空間S1に導入された気液は、導入路Lにおいて下側に滞留しがちな石鹸水が前記溝部83にて上方に搬送される態様で拡散され、周溝G1を介して第1混合室C1に導入される。つまり、上流側周壁82bには、石鹸水等の旋回流を阻害する整流板等の構造はない。そして、第1混合室C1内に導入された気液は、第1インペラー82の回転に伴う周方向の流れが、前記複数の整流板76にせん断される態様で混合される。
【0050】
なお、本実施形態では、第1インペラー82の回転方向は、前記旋回流路74dにおける石鹸水等の旋回する流れ方向の逆方向に設定されており、該石鹸水等の旋回する流れ速度分だけ嵩上げされた、より大きな流速差をせん断力として気液界面に与えるようにしている。従って、導入路Lでは、気液混合の促進が併せ図られている。
【0051】
回転軸81の軸線方向一側端部には、第2インペラー84が一体回転するように連結されている。この第2インペラー84は、回転軸81に一体回転するように連結される第2円板部84aを有するとともに、該第2円板部84aから軸線方向他側に第2筒部75aに対して同心円上に突設された円筒状の第2可動側周壁84b,84cを有する。第2可動側周壁84bは、第2筒部75a及び第2固定側周壁75g間に配置されており、第2可動側周壁84cは、第2固定側周壁75g,75h間に配置されている。つまり、第2ケーシング75及び第2インペラー84は、いわゆるラビリンス状に配置されている。
【0052】
一方、第2インペラー84は、第2円板部84aから軸線方向一側に第3筒部78aに対して同心円上に突設された円筒状の第3可動側周壁84d,84eを有する。第3可動側周壁84dは、第3筒部78a及び第3固定側周壁78e間に配置されており、第3可動側周壁84eは、第3固定側周壁78e,78f間に配置されている。つまり、第3ケーシング78及び第2インペラー84は、いわゆるラビリンス状に配置されている。第2及び第3可動側周壁84b,84dは、第2円板部84aを挟んで連続する円筒形状になるように互いに同等の外径及び内径を有している。また、第2及び第3可動側周壁84c,84eも、第2円板部84aを挟んで連続する円筒形状になるように互いに同等の外径及び内径を有している。
【0053】
ここで、第2及び第3筒部75a,78aの境界部には、それらの内周面から第2円板部84aの対向する径方向外側に凹設された周溝G2が形成されている。そして、第2ケーシング75(第2筒部75a、内側フランジ75c、第2固定側周壁75g,75h)及び第2インペラー84(第2円板部84a、第2可動側周壁84b,84c)の間には、内部空間S3に連通するとともに中心線Oの一側方向及び他側方向に折り返しつつ該中心線Oの径方向外側に変位して周溝G2に連通する第2混合室C2が形成されており、第3ケーシング78(第3筒部78a、内側フランジ78c、第3固定側周壁78e,78f)及び第2インペラー84(第2円板部84a、第3可動側周壁84d,84e)の間には、周溝G2に連通するとともに中心線Oの一側方向及び他側方向に交互に折り返しつつ該中心線Oの径方向内側に変位して内部空間S4(吐出口34c)に連通する第3混合室C3が形成されている。
【0054】
このような構成にあって、第2インペラー84が回転すると、内部空間S2,S3を介して第2混合室C2に導入された気液は、第2インペラー84の回転に伴う周方向の流れが、前記複数の整流板76にせん断される態様で混合される。続いて、周溝G2を介して第3混合室C3に導入された気液は、第2インペラー84の回転に伴う周方向の流れが、前記複数の整流板79にせん断される態様で更に混合される。そして、このように混合された気液が微細泡沫群からなる泡Wとして吐出口34cから吐出される。
【0055】
次に、本実施形態の動作を総括して説明する。
まず、吸入口34aを通じて給水口74cに供給された石鹸水は、旋回流路74dにおいてその流れが旋回される。そして、旋回流路74dにおける石鹸水の旋回する流れで、該石鹸水と給気口74eに供給された圧縮空気とが初期混合され、内部空間S1を介して導入路Lに導入される。導入路Lに導入された気液(石鹸水及び圧縮空気)は、第1インペラー82の回転により、前記溝部83にて、下側に滞留しがちな石鹸水が上方に搬送される態様で拡散され、周溝G1を介して第1混合室C1に導入される。この際、第1インペラー82が前記旋回流路74dにおける石鹸水等の旋回する流れ方向の逆方向に回転することで、より大きな流速差がせん断力として気液界面に与えられ、気液混合の促進が図られる。
【0056】
次いで、第1混合室C1に導入された気液は、第1インペラー82の回転に伴う周方向の流れが複数の整流板76にせん断される態様で混合されて内部空間S2に導入される。この際、内側フランジ75cは、整流板等の凹凸のない平坦面77を形成することで、気液混合時の整流板76の影響により生じた流れ方向に対する気液分布の偏りが緩和される。
【0057】
内部空間S2から内部空間S3に導入された気液は、第2混合室C2に導入されて第2インペラー84の回転により同様に混合等される。そして、この混合等された気液は、周溝G2を介して第3混合室C3に導入されて更に混合される。この際、内側フランジ78cは、整流板等の凹凸のない平坦面80を形成することで、気液混合時の整流板79の影響により生じた流れ方向に対する気液分布の偏りが緩和される。
【0058】
以上の態様で混合等された気液は、微細泡沫群からなる泡Wとして吐出口34cから吐出される。この泡Wが泡配管41a,41b等を介して浴槽10内に供給されることは既述のとおりである。
【0059】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第1〜第3混合室C1〜C3内に導入される気液(圧縮空気及び石鹸水)は、第1及び第2インペラー82,84の回転に伴う周方向の流れが、周方向に間隔をおいて突設された複数の整流板76,79にせん断される態様で混合される。つまり、気泡生成に係る気液混合は、第2ケーシング75及び第1インペラー82間に形成される第1混合室C1、第2ケーシング75及び第2インペラー84間に形成される第2混合室C2、第3ケーシング78及び第2インペラー84間に形成される第3混合室C3でそれぞれ集約的に行われる。従って、気泡生成に係る気液混合をより省スペースで行うことができる。
【0060】
(2)本実施形態では、内側フランジ75c,78cの端面(平坦面77,80)を平坦に成形して整流板等を配置しないことで、気液混合時の整流板76,79の影響により生じた流れ方向に対する気液分布の偏りが緩和され、当該整流板76,79の下流側の気液混合をより高効率化することができる。
【0061】
(3)本実施形態では、混合室(第1混合室C1)への気液の導入に先立って、旋回流路74dにおける石鹸水の旋回する流れで、該石鹸水と給気口74eから供給される圧縮空気とを初期混合することで、全体として気液混合をより高効率化することができる。
【0062】
(4)本実施形態では、インペラー(第1インペラー82)の回転方向は、旋回流路74dにおける石鹸水の旋回する流れ方向の逆方向に設定されている。従って、第1混合室C1において、石鹸水の旋回する流れ速度分だけ嵩上げされた、より大きな流速差がせん断力として気液界面に与えられるため、気液混合を更に促進することができ、ひいては気液混合を更に省スペースで行うことができる。
【0063】
(5)本実施形態では、導入路L内の気液は、第1インペラー82の回転に伴い、周方向に間隔をおいて配設された複数の溝部83で石鹸水が搬送される態様で拡散される。つまり、気液分散は、蓋体74a(蓋体側周壁74g)を備えた第1ケーシング74及び第1インペラー82(第1円板部82a、上流側周壁82b)間に形成される導入路Lで行われる。従って、気液の流れ方向に対する気液分布の偏りを緩和することができ、且つ、その際のエネルギーを回転を要する領域に存在する気液のみに伝達することができるため、その下流側である第1混合室C1等での気液混合をより高効率化することができる。
【0064】
(6)本実施形態では、MBF生成装置34により生成される微細泡沫群からなる泡Wにより、質感の優れた泡入浴をすることができる。
(7)本実施形態では、第1インペラー82に、気液混合の機能及び気液分散の機能を併せ持たせたことで、例えばこれらの機能を2つのインペラー(インペラー、上流側インペラー)に個別に持たせる場合に比べて部品点数を削減することができる。
【0065】
(8)本実施形態では、複数段の混合室(第1〜第3混合室C1〜C3)により、気液混合(及び平坦面77,80における気液分散)を繰り返すことで、よりきめ細かな微細泡沫群(泡W)を生成することができる。
【0066】
(9)本実施形態では、気液混合及び気液分散等の機能をMBF生成装置34に集約的に内蔵したことで、微細泡沫群を高効率・省スペースでワンパスの連続生成が可能である。
【0067】
(10)本実施形態では、循環ポンプ47の吐出口に接続されたMBF生成装置34により、循環に伴って消失又は劣化した泡Wが生成又は再生されることで、質感の優れた泡入浴を継続することができる。すなわち、循環される泡Wの加熱及び生成(再生)によって、微細泡沫群からなる温かい泡Wで入浴し続けることができる。また、微細泡沫群からなる泡Wは、水分量が多くて熱容量も大きいことから、溜めている最中や入浴中の泡Wの温度低下も抑制することができる。
【0068】
(11)本実施形態では、循環される泡Wが水分が抜けてスカスカの状態になっても、MBF生成装置34において若干の水分(温水)を付加するのみで高品質な泡Wを再生できるため、例えば泡Wを一から発生させる場合に比べて効率的に泡Wを生成(再生)することができる。すなわち、泡Wを一から発生させる場合、泡W全体に占める水分量を例えば0%から25%にする必要があるのに対し、循環によって泡Wを再生させる場合、泡W全体に占める水分量を例えば15%から25%にするのみでよい。
【0069】
また、循環される泡Wがある程度の熱量を有しているため、例えば泡Wを一から発生させる場合に比べて泡Wを効率的に温めて生成(再生)することができる。すなわち、泡Wを一から発生させる場合、泡Wを例えば23°Cから43°Cまで温める必要があるのに対し、循環によって泡Wを再生させる場合、泡Wを例えば38°Cから43°Cまで温めるのみでよい。以上により、全体として泡入浴におけるエネルギー消費量を削減することができる。
【0070】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、MBF生成装置の混合室の下流側にプレート部材を配置して混合室から導出される気泡(泡W)を、周方向の流れを遮断して吐出口34cへと排出するようにしたことが前記第1の実施形態と異なる構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0071】
図6は、本実施形態のMBF生成装置90を示す縦断面図であり、図7は、図6のD−D線に沿った断面図である。
図6に示されるように、MBF生成装置90は、前記制御装置66により回転制御される電動モータ91を備えるとともに、水平方向に軸線の延びる該電動モータ91の回転軸(図示略)に一体回転するように連結された回転軸92を備え、更に電動モータ91のケース91aに固定されたケーシングとしての第1ケーシング93を備える。この第1ケーシング93は、回転軸92等の回転と干渉しないように内周側に内部空間S11を形成する内側フランジとしての円環状の蓋体93aを有するとともに、該蓋体93aの下部から中心線Oの径方向に沿って上方に穿設されて内部空間S11に連通する円形の給水口93bを有し、更に蓋体93aの上部から中心線Oの径方向に沿って下方に穿設されて内部空間S11に連通する円形の給気口93cを有する。なお、給水口93bは、下端側で前記吸入口34a(図5参照)に連通して石鹸水が供給可能であり、給気口93cは、上端側で前記吸入口34b(図5参照)に連通して圧縮空気が供給可能である。従って、給水口93bに供給された石鹸水と、給気口93cに供給された圧縮空気とが内部空間S11において初期混合される。
【0072】
また、第1ケーシング93は、蓋体93aの外周端から軸方向一側に円筒状に突設された筒部としての第1筒部93dを有するとともに、蓋体93aから軸方向一側に第1筒部93dに対して同心円上に突設された複数(例えば、2つ)の円筒状の固定側周壁93e,93fを有する。そして、固定側周壁93fは、前記内部空間S11に連通する内部空間S12を形成する。なお、第1筒部93dの開口端は、拡開されて円環状の取付壁93gを形成する。
【0073】
ここで、本実施形態の第1ケーシング93は、第1筒部93dの内周面、固定側周壁93eの外周面及び内周面、並びに固定側周壁93fの外周面に放射状に突設された複数の整流板94を備える。各整流板94は、中心線Oと平行に第1筒部93d、固定側周壁93e,93fの全長に亘って延在する。図7に示されるように、これら整流板94は、第1筒部93d、固定側周壁93e,93fに等角度間隔で配設されている。また、図6に示されるように、蓋体93aは、第1筒部93d及び固定側周壁93e間、両固定側周壁93e,93f間に略円形の平坦面95をそれぞれ形成する。
【0074】
第1ケーシング93の軸線方向一側に配置される第2ケーシング96は、当該方向に拡開される段付き円筒状の第2筒部96aを有する。この第2筒部96aは、その軸線方向他側の先端部が取付壁93gの内周面に液密的に装着されて、該取付壁93gに固定されている。また、第2ケーシング96は、第2筒部96aの軸線方向一側に設けられた円環状の蓋壁96bを有する。なお、蓋壁96bの内周側の先端部は、軸線方向一側にボス状に突出するように曲成されて、前記吐出口34cを形成する。第2筒部96aは、内部空間S12及び吐出口34cに連通する内部空間S13を形成する。
【0075】
第1ケーシング93内に配置された前記回転軸92の先端部には、インペラー100が一体回転するように連結されている。このインペラー100は、回転軸92の軸線方向一側の先端部が嵌合する有底筒状の取付部100aを有するとともに、該取付部100aの開口端から径方向外側に延出するリング状のフランジ部100bを有し、更に該フランジ部100bの外周端に接続されて前記取付部100aに対して同心円上に配置された円筒状の支持壁100cを有する。支持壁100cは、その軸線方向一側端が当該方向において取付壁93gの近傍まで延出しており、径方向外側に延出するリング状の円板部100dに連続する。この円板部100dは、前記固定側周壁93e,93fの軸線方向一側端に対向する。
【0076】
インペラー100は、円板部100dから軸線方向他側に支持壁100c(第1筒部93d)に対して同心円上に突設された複数(例えば、2つ)の可動側周壁100e,100fを有する。可動側周壁100eは、第1筒部93d及び固定側周壁93e間に配置されており、可動側周壁100fは、可動側周壁100e,100f間に配置されている。つまり、第1ケーシング93及びインペラー100は、いわゆるラビリンス状に配置されている。なお、インペラー100は、中心線O周りに、取付部100a、フランジ部100b及び支持壁100cで区画される断面略W字状の空間S14を形成する。また、第1ケーシング93(蓋体93a、第1筒部93d、固定側周壁93e,93f)及びインペラー100(円板部100d、可動側周壁100e,100f)の間には、内部空間S12に連通するとともに中心線Oの一側方向及び他側方向に折り返しつつ該中心線Oの径方向外側に変位してインペラー100の外周側で第1筒部93dの開口端部に連通する混合室C11が形成されている。
【0077】
第1ケーシング93の開口端部には、取付壁93gの段差及び第2筒部96aの軸線方向他側端面に挟持される態様で、爪歯車状に成形されたプレート部材101が配置されている。このプレート部材101は、中心線O周りに、前記空間S14に合わせて凹凸する断面略W字状の蓋部101aを有するとともに、該蓋部101aの外周側の軸線方向一側端に連続して径方向外側に延出するリング状のフランジ部101bを有する。このフランジ部101bは、前記円板部100dの外径よりも小さい外径を有して該円板部100dから軸線方向一側に離隔配置されている。また、図8に示すように、プレート部材101は、フランジ部101bから径方向外側に等角度間隔で延出する複数(6つ)の円弧状の取付片101cを有するとともに、これら取付片101cの外周寄りの周方向中央部で軸線方向にそれぞれ突設された複数(6つ)の突起101dを有する。取付片101cの外径は、取付壁93gの内径と同等に設定されている。プレート部材101は、各取付片101cの外周縁部において、取付壁93gの段差及び第2筒部96aの軸線方向他側端面に挟持される際、各突起101dが圧潰されることで堅固に保持される。
【0078】
そして、取付壁93gに取着されたプレート部材101は、各隣り合う取付片101c間に、複数(6つ)の円弧状の排出流路102を形成する。図6に示すように、各排出流路102は、インペラー100の外周側で前記混合室C11に連通するとともに、内部空間S13(吐出口34c)に連通する。
【0079】
このような構成にあって、インペラー100が回転すると、内部空間S11において初期混合された気液が内部空間S12を経て混合室C11に導入される。そして、混合室C11内に導入された気液は、インペラー100の回転に伴う周方向の流れが、前記複数の整流板94にせん断される態様で混合される。この際、蓋体93aは、整流板等の凹凸のない平坦面95を形成することで、気液混合時の整流板94の影響により生じた流れ方向に対する気液分布の偏りが緩和される。そして、混合室C11で混合された気液が微細泡沫群からなる泡Wとして各排出流路102を通じて内部空間S13(吐出口34c)に排出される。このとき、各排出流路102から排出される泡Wは、隣り合う取付片101cにより周方向の流れが遮断される。これにより、各排出流路102から排出される泡Wの旋回流が抑制され、ひいては泡Wの気液分離が抑制される。また、空間S14の容積は、該空間S14内に突出するプレート部材101の蓋部101a分だけ低減されることで、空間S14でインペラー100に付着する泡量が低減される。これにより、インペラー100の回転に要するエネルギー消費量が低減される。
【0080】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)(2)(6)(9)〜(11)と同様の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、インペラー100の外周側で混合室C11から導出される泡Wは、プレート部材101(取付片101c)によりその周方向の流れが遮断されることで、吐出口34cへの排出時の旋回流を抑制することができる。従って、旋回流に起因する泡Wの気液分離を抑制することができ、その泡質を好適に維持することができる。また、旋回流に起因する管損失抵抗を低減することができ、その分、圧縮空気の吸気圧及び石鹸水の給水圧を低減することができる。これにより、例えば混合室C11内に圧縮空気を導入するコンプレッサ37の負荷を軽減することができ、ひいては該コンプレッサ37の低スペック化・低コスト化が可能となる。さらに、プレート部材101を配置し得る小さいスペースで旋回流を抑制できるため、その分、インペラー100を回転駆動する電動モータ91の負荷を軽減することができ、ひいては該電動モータ91の低スペック化・低コスト化が可能となる。
【0081】
(2)本実施形態では、空間S14の容積をプレート部材101(蓋部101a)によって低減してインペラー100に付着する泡量を低減したことで、インペラー100の回転に要するエネルギー消費量を低減することができる。これにより、インペラー100を回転駆動する電動モータ91の低スペック化・低コスト化が可能となる。
【0082】
(3)本実施形態では、1段の混合室C11のみで、気液混合(及び平坦面95における気液分散)を行う。これにより、流入流体を円筒93f内側にて全周に分散させた後、インペラー100の内側(中心側)である表面移動速度の小さい領域を通過後にインペラー100の外側(外周側)である表面移動速度の大きい領域を通過させ、その後は吐出させる構成を備えることが可能となる。即ち、流入流体を気液界面に与える流速差の小さい領域を通過後に流速差の大きい領域を通過させ、その後は吐出させる構成を備えることとなる。これに対し、たとえば流入流体がインペラー100の表面移動速度の大きい領域を通過後に表面移動速度の小さい領域を通過する場合、即ち流入流体が流速差の大きい領域を通過後に流速差の小さい領域を通過する場合、流速差の小さい領域では、流速差の大きい領域に比べて泡の微細化効果を十分に得ることができない。このため、流速差の小さい領域では、主に泡の粘性抵抗を受けながらインペラー100を回転させることとなり、エネルギーが過度に消費されてしまうことになる。よって、同構成にすることにより、気液混合に要するエネルギー効率を上げることができるので、よりコンパクトな構成で微細泡沫群(泡W)を生成することができる。また、インペラー100を回転駆動する電動モータ91の負荷を軽減することができ、ひいては該電動モータ91の低スペック化・低コスト化が可能となる。
【0083】
(4)本実施形態では、プレート部材101は、中心線O周りに方向性のない対称構造を有することで、その組付性を向上することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0084】
・前記第1の実施形態において、溝部83は、半円や三角形等の溝形状に成形すればよい。
・前記第1の実施形態において、液搬送部としての溝部83に代えて、例えば羽根板を採用してもよい。
【0085】
・前記第1の実施形態において、溝部83は、中心線Oと必ずしも平行である必要はなく、該中心線Oに対して直線状又は螺旋状に傾斜していてもよい。
・前記第1の実施形態において、第2筒部75a、第1固定側周壁75e,75f、第2固定側周壁75g,75h、第3筒部78a、第3固定側周壁78e,78f、第1可動側周壁82d,82e、第2可動側周壁84b,84c、第3可動側周壁84d,84eの外周面及び内周面は、いわゆる真円である必要はなく、第1及び第2インペラー82,84の回転を阻害しない範囲で扁平していてもよい。
【0086】
・前記第1の実施形態において、第1筒部74f、蓋体側周壁74g、上流側周壁82bの外周面及び内周面は、いわゆる真円である必要はなく、第1インペラー82の回転を阻害しない範囲で扁平していてもよい。
【0087】
・前記第2の実施形態において、第1筒部93d、固定側周壁93e,93f、可動側周壁100e,100fの外周面及び内周面は、いわゆる真円である必要はなく、インペラー100の回転を阻害しない範囲で扁平していてもよい。
【0088】
・前記第2の実施形態において、プレート部材は、取付壁93gの内径と同等の外径を有し、周縁部に等角度間隔で形成された複数の孔(排出流路)を有する円盤状であってもよい。
【0089】
・前記各実施形態において、整流板76,79,94は、中心線Oと必ずしも平行である必要はなく、該中心線Oに対して直線状又は螺旋状に傾斜していてもよい。
・本発明は、泡入浴以外の用途、例えば手洗い等の洗浄のために微細泡沫群を生成するものであってもよい。
【0090】
・本発明は、浴槽10と独立した、循環ポンプ、泡流入部及び泡流出部を一体的に備えた構成であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
【0091】
(イ)請求項5に記載の微細泡沫群生成装置において、
前記上流側インペラーは、前記上流側円板部及び前記円板部が重なるように前記インペラーに一体形成されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。同構成によれば、部品点数を削減することができる。
【0092】
(ロ) 請求項1〜5及び上記(イ)のいずれか一項に記載の微細泡沫群生成装置において、
前記混合室は、前記中心線の方向に複数段並設されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。同構成によれば、複数段の前記混合室により、気液混合を繰り返すことで、よりきめ細かな微細泡沫群を生成することができる。
【符号の説明】
【0093】
C1…第1混合室(混合室)、C2…第2混合室(混合室)、C3…第3混合室(混合室)、C11…混合室、L…導入路、O…中心線、W…泡、34c…吐出口、74,93…第1ケーシング(ケーシング)、74a…蓋体、74d…旋回流路、74e…給気口、74f…第1筒部(筒部)、74g…蓋体側周壁、75…第2ケーシング(ケーシング)、75a…第2筒部(筒部)、75c,78c…内側フランジ、75e,75f…第1固定側周壁(固定側周壁)、75g,75h…第2固定側周壁(固定側周壁)、76,79,94…整流板、77,80,95…平坦面、78…第3ケーシング(ケーシング)、78a…第3筒部(筒部)、78e,78f…第3固定側周壁(固定側周壁)、82…第1インペラー(インペラー、上流側インペラー)、82a…第1円板部(円板部、上流側円板部)、82b…上流側周壁、82d,82e…第1可動側周壁(可動側周壁)、83…溝部(液搬送部)、84…第2インペラー(インペラー)、84a…第2円板部(円板部)、84b,84c…第2可動側周壁(可動側周壁)、84d,84e…第3可動側周壁(可動側周壁)93a…蓋体(内側フランジ)、93d…第1筒部(筒部)、93e,93f…固定側周壁、100…インペラー、100d…円板部、100e,100f…可動側周壁、101…プレート部材、102…排出流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の筒部と、該筒部に設けられた円環状の内側フランジと、前記筒部に対して同心円上に前記内側フランジに突設された複数の円筒状の固定側周壁とを有するケーシングと、
前記筒部の中心線を中心に前記ケーシング内に回転自在に配置された円板部と、前記筒部及び該筒部に隣り合う前記固定側周壁間並びに隣り合う前記固定側周壁間に配置され前記筒部に対して同心円上に前記円板部に突設された複数の円筒状の可動側周壁とを有するインペラーと、
前記各可動側周壁に対向して前記筒部及び前記固定側周壁にそれぞれ周方向に間隔をおいて突設され、前記中心線に沿って延在する複数の整流板と、
前記ケーシング及び前記インペラー間に形成され、前記中心線の一側方向及び他側方向に交互に折り返す混合室とを備え、
前記インペラーの回転により前記混合室内に導入される気体及び液体を混合して気泡を生成することを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の微細泡沫群生成装置において、
前記中心線の方向で前記インペラーに対向する前記内側フランジの端面を平坦に成形してなることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の微細泡沫群生成装置において、
前記混合室の上流側に配置され、該混合室に導入される液体の流れを旋回させる旋回流路と、
前記旋回流路の中間部に配置され、前記混合室に導入される気体を供給する給気口とを備えたことを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の微細泡沫群生成装置において、
前記インペラーの回転方向は、前記旋回流路における液体の旋回する流れ方向の逆方向に設定されていることを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細泡沫群生成装置において、
前記混合室の上流側に配置され、前記筒部の開口端を閉塞する蓋体と、
前記筒部に対して同心円上に前記蓋体に突設された円筒状の蓋体側周壁と、
前記混合室の上流側で前記中心線を中心に前記ケーシング内に回転自在に配置された上流側円板部と、前記筒部及び前記蓋体側周壁間に配置され前記筒部に対して同心円上に前記上流側円板部に突設された円筒状の上流側周壁とを有する上流側インペラーと、
前記筒部に対向して前記上流側周壁に周方向に間隔をおいて配設され、前記中心線に沿って延在する複数の液搬送部と、
前記ケーシング及び前記上流側インペラー間に形成され、前記中心線の一側方向及び他側方向に折り返して前記混合室に気体及び液体を導入する導入路とを備え、
前記上流側インペラーの回転により前記導入路内の気体及び液体を拡散することを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の微細泡沫群生成装置において、
前記混合室の下流側に配置されたプレート部材と、前記プレート部材の下流に配置された吐出口を備え、前記プレート部材が前記インペラーの外周側で前記混合室から導出される気泡を、周方向の流れを遮断して前記吐出口へと排出することを特徴とする微細泡沫群生成装置。
【請求項7】
気体としての空気及び液体としての界面活性剤含有液を混合して微細泡沫群からなる泡を生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の微細泡沫群生成装置を備えた泡入浴装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−46660(P2010−46660A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173299(P2009−173299)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】