説明

心拍モニタ

人間の被験者の体内における胎児心拍をモニタリングするシステムおよび方法を記載する。被験者の臍は被験者の身体に対して直角である臍の軸の長さ方向上の位置を規定する。その軸は被験者の長さ方向に対して直角である臍の平面上に置かれる。システムは被験者の長さ方向および幅方向によって規定される楕円内に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備える。幅方向は臍の平面の最も長いコードである。センサは音響エネルギーを感知し、信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は胎児の心拍モニタリングの技術分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
心拍数のモニタリングおよび解析は、ここ数十年間、心疾患の診断のための有用な技術である。この信号、すなわち波形プロファイルおよび速さの2つの重要な測定が存在する。双方とも臨床診断において有用であり得る。妊娠中、胎児の健全性および状態はその胎児の心拍の両方の性質をモニタリングすることによって評価可能である。例えば、胎児の心拍は不整脈の診断にとってしばしば重要な情報を示し得る。
【0003】
通常、妊娠期間中、妊娠中の女性が新生児の心音を聞く唯一の機会は出産前の健康診断である。しかしながら、流産の経験もしくは以前の妊娠時における合併症の経験がある女性たちはしばしば、より不安を抱いている。このように、彼女たちの新生児の健康状態についての最新の情報のために出産前の予約を待つことは、両親にとってストレスの源である。こうした窮状は、妊娠に伴う合併症がある場合、しばしば強まる。このような状況において、両親はいつのまにかに緊急処置室にしばしば出向くことになるかもしれない。胎児心拍モニタを用いて彼らの新生児の心拍をモニタリングすることで、両親が幾度となく病院へ出向く回数を減らし得る。さらには、胎児心拍モニタは胎児にストレスを与えるものではないので、妊娠中に使用しても安全である。
【0004】
胎児の心拍を追跡するために用いられる現在の技術はドップラー超音波法に基づいている。このドップラー装置は、カップリングゲルを用いて母体の腹部上に配置されて、胎児の心拍を見つける。これは通常、医師または超音波技師によってなされ、ある程度のトレーニングおよび技術を必要とするものである。こうしたタイプのモニタは、自宅での胎児心拍モニタとして、購入または貸与できるものである。双方の選択は極めて高価なものとなり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明の実施形態は、臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするためのシステムであって、上記臍は、上記被験者の身体の長さ(方向)に対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、上記臍の軸は、上記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられるシステムである。上記システムは、下式によって規定される領域に、上記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備え、
領域=π(0.05subject(0.1subject
式中、lsubjectは上記被験者の長さであり、wsubjectは上記被験者の幅である。上記被験者の幅は、上記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、上記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように、楕円を規定し、上記領域の下側のフォーカスは上記臍の軸に沿って向けられている。上記センサは、音響エネルギーを感知し、上記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成される。処理ユニットは、上記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、上記音響エネルギー信号を処理し、下式によって決定されるように、平均胎児心拍数値を決定するように構成され、
【数1】


式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R、R、およびRは、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、10ミリ秒から28日の間の時間であり、
【数2】


は、平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数3】


は、R内の現在の胎児心拍であり、
【数4】


は、R内の現在の胎児心拍であり、
【数5】


は、R内の母体の振幅閾値である、システムに関する。
【0006】
さらなる態様において、実施形態では、本発明は、臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするためのシステムであって、上記臍は、上記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、上記臍の軸は、上記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられるシステムである。上記システムは、下式によって規定される領域に、上記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備え、
領域=π(0.05subject(0.1subject
式中、lsubjectは上記被験者の長さであり、wsubjectは上記被験者の幅であり、上記被験者の幅は、上記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、上記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように、楕円を規定し、上記領域の下側のフォーカスは上記臍の軸に沿って向けられている。上記センサは、音響エネルギーを感知し、上記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成される。処理ユニットは、上記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、上記音響エネルギー信号を処理し、下式によって決定されるように、一態様平均胎児心拍波形プロファイルを決定するように構成され、このプロファイルは立ち上がり部、立ち下り部、および移行部を含み、
【数6】


式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R、R、およびR10は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の間の時間であり、
【数7】


は、上記平均胎児心拍形状プロファイルの立ち上がり部の傾斜であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数8】


は、現在の平均胎児心拍波形プロファイルRであり、
【数9】


は、R内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数10】


は、R10内の母体の振幅閾値平均心拍波形プロファイルである、システムに関する。
【0007】
さらなる態様において、実施形態では、本発明は、臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするためのシステムであって、上記臍は、上記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、上記臍の軸は、上記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられるシステムである。上記システムは、下式によって規定される領域に、上記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備え、
領域=π(0.05subject(0.1subject
式中、lsubjectは上記被験者の長さであり、wsubjectは上記被験者の幅であり、上記被験者の幅は、上記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、上記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように向けられた楕円を規定し、上記領域の下側のフォーカスは上記臍の軸に沿って向けられている。上記センサは、音響エネルギーを感知し、上記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成される。処理ユニットは、上記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、上記音響エネルギー信号を処理し、下式によって決定されるように、平均胎児心拍数値を決定するように構成され、
【数11】


式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R11、R12、およびR13は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、0.01分から28日の間の時間であり、
【数12】


は、平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数13】


は、R11内の現在の胎児心拍であり、
【数14】


は、R12内の現在の胎児心拍であり、
【数15】


は、R12内の母体の振幅閾値であり、
処理ユニットは、上記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、上記音響エネルギー信号を処理し、下式によって決定されるように、平均胎児心拍形状プロファイルを決定するように構成され、
【数16】


式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R14、R15、およびR16は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、0.01分から28日の間の時間であり、
【数17】


は、R14内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数18】


は、R15内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数19】


は、R16内の母体の振幅閾値平均心拍波形プロファイルである、システムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は胎児および臍に沿ったセンサの設置のための本発明に係る実施形態を示す。
【図2】図2は被験者の臍の面の平面視の本発明に係る一実施形態を示す。
【図3】図3は本発明の一実施形態に係る胎児の心拍決定のための信号フローを示す。
【図4】図4は本発明の一実施形態に係る胎児の心拍決定のための別の信号フローを示す。
【図5】図5は本発明の一実施形態に係る胎児の心拍決定のための別の信号フローを示す。
【図6】図6は本発明の一実施形態に係る胎児の心拍波形プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で詳細に検討するように、本発明の胎児の心拍モニタリングシステムは、概して、被験者上に搭載した少なくとも1つのセンサを含み、センサは音響エネルギーを感知し、少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成されている。この音響エネルギー信号は、音響エネルギー信号を処理し、少なくとも平均の胎児心拍数値(frequency)を決定するように構成された処理ユニットによって次いで受信される。
【0010】
当業者に理解されるように、本発明の処理ユニットは、複数のセンサと連動して容易に利用することができ、複数のパラメータを決定することができる。従って潜在的な用途としては、例えば、以下:胎児頻脈;胎児徐脈;跳躍性変動;異常パターンに関連する変動性徐脈;保たれた(preserved)心拍間隔の変動を有する晩発性徐脈が挙げられる。
【0011】
本明細書および図面における参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一または類似する特徴または要素を示すことを意図されている。
【0012】
本発明は、特定的に例示された材料、方法、または構造に限定されず、またそれ自体は当然のことながら可変であってもよいことは理解されるべきである。従って、本明細書において記載された材料および方法に類似または等価の多数の材料および方法が本発明の実施において用いられることができる。
【0013】
本明細書において用いられる用語は、本発明の特定の実施形態を記載することを目的としているのみであり、限定を意図するものではないこともまた理解されるべきである。
【0014】
他に規定されない場合、本明細書において用いられるあらゆる技術的および科学的用語は、本発明に関連した当業者によって通常理解されるものと同様の意味を有する。さらに、本明細書において引用されるあらゆる刊行物、特許および特許出願は、その前後を問わず、その全体において参照することにより本明細書において援用される。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数の形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「1つの(the)」は、その文脈が明らかに別の事柄を指し示していないのであれば、複数の指示対象物を含む。
【0016】
本明細書において記載されるように、本発明の実施形態の方法およびシステムの実施は、選択されたタスクまたは肯定を、手動で、自動的に、あるいはそれらの組み合わせで、実行または完了することを含むことができる。本発明の一部の実施形態において、いくつかの選択された工程は、任意のオペレーティングシステム上のソフトウェア、または任意のファームウェア、あるいはそれらの組み合わせにより実施され得る。例えば、ハードウェアとして、本発明の実施形態の選択された工程が、チップまたは回路として実施可能である。ソフトウェアとして、本発明の実施形態の選択された工程は、任意の適切なオペレーティングシステムを用いるコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実施され得る。いずれの場合においても、本発明の方法およびシステムの選択された工程は、本発明の方法およびシステムの選択された工程は、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォーム等のデータプロセッサによって実行されるものとして記載され得る。
【0017】
ここで本明細書の実施形態を詳細に参照し、それらの実施形態の1つ以上の例は添付の図面に示される。
【0018】
図1は、胎児(101)の胎児心拍をモニタリングするためのセンサ(100)を図示する。センサ(100)は、被験者の身体(103)上の臍(102)付近に配置される。
【0019】
図2は、人間の被験者(203)を図示する。臍(202)は、被験者の身体(205)の長さ方向に対して直角に向けられた(配置された)臍の軸(umbilicus axis)上の位置を規定する。臍の軸は、被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面(umbilicus plane)(204)上に向けられる(配置される)(orient)。
【0020】
胎児心拍システムは以下で規定される領域内において、被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備える:
領域=π(0.05subject(0.1subject
ここで、lsubjectは被験者の長さ(すなわち背丈)であり、wsubjectは被験者の幅である。被験者の幅は、臍の平面によって出される(sweep out)最も長いコード(chord)(206)に等しい。もたらされる領域は、主軸(major axis)が臍の軸に対して直角となるように楕円(207)を規定する。領域の下側のフォーカス(focus)(209)は臍の軸に沿って向けられており、上側のフォーカス(208)は被験者の身体(205)の方向に沿って位置する(lie)。
【0021】
センサ(100)は音響エネルギーを感知し、図3に示すように、音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成される。処理ユニット(309)は、音響エネルギー信号(308)を処理するようにさらに構成されつつ、音響エネルギー信号(308)を受信するように構成される。処理ユニット(309)は、複数の胎児心拍パラメータ(301−305、309)を決定することができる。一実施形態において、処理ユニット(309)は、以下によって決定されるように、平均胎児心拍数値(心拍周波数)(309)を決定する。
【数20】


ここで、
【数21】


は平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数22】


はR内の現在の胎児心拍であり、
【数23】


はR内の現在の胎児心拍であり、
【数24】


はR内の母体の振幅閾値である。
【0022】
一部の実施形態において、Rは、50〜250Hzの周波数(frequency)であり、R、RおよびRは、独立に、Rがその中におさまる周波数範囲である。他の実施形態において、Rは、80〜230Hzの周波数であり、R、R、およびRは、独立に、Rがその中におさまる周波数範囲である。さらなる実施形態において、Rは90〜200Hzの周波数であり、R、R、およびRは、独立に、Rがその中におさまる周波数範囲である。
【0023】
一部の実施形態において、TはTであり、10ミリ秒から28日の時間である。他の実施形態において、TはTであり、12時間から14日の時間である。さらなる実施形態において、TはTであり、5分から24時間の時間である。
【0024】
様々なセンサが例えば、米国特許第6,512,830号において開示されているように、本発明の範囲内で用いられ得ることを当業者は理解する。
【0025】
一実施形態において、胎児心拍システムは、臍と同じ横断面において、側面に沿って(laterally)搭載可能な少なくとも1つのセンサを用いる。
【0026】
一実施形態において、少なくとも1つのセンサは、臍の反対側の横断面において、側面に沿って(側方に)載可能である。
【0027】
一実施形態において、センサは、音響エネルギーを示す複数の音響エネルギー信号を生成する。複数とは、複数の胎児心拍を示す、2、3、4、5、6、またはそれ以上の音響エネルギー信号であってよい。
【0028】
一実施形態において、処理ユニットは、以下で決定される平均胎児心拍(303)等の複数のさらなる胎児心拍パラメータを決定するようにさらに構成される。
【数25】

【0029】

平均胎児心拍の一部の実施形態において、Tは、10ミリ秒から28日の時間である。平均胎児心拍の他の実施形態において、Tは、12時間から14日の時間である。平均胎児心拍のさらなる実施形態において、Tは、5分から24時間の時間である。
【0030】
一実施形態において、処理ユニットは、以下により、遷延一過性頻脈(prolonged rapid heart rate)(305)等の複数のさらなる胎児心拍パラメータを決定するようにさらに構成される。
【数26】


ここで、
【数27】


は、以下を用いて計算される:
【数28】

【0031】

一部の実施形態において、Tは、10ミリ秒から28日の時間である。他の実施形態において、Tは、12時間から14日の時間である。さらなる実施形態において、Tは5分から24時間の時間である。
【0032】
一実施形態において、処理ユニットは、処理ユニットは、以下により、遷延一過性徐脈(prolonged slow heart rate)(304)等の複数のさらなる胎児心拍パラメータを決定するようにさらに構成される。
【数29】


ここで、
【数30】


は、以下を用いて計算される:
【数31】

【0033】

一部の実施形態において、Tは、10ミリ秒から28日の時間である。他の実施形態において、Tは、12時間から14日の時間である。さらなる実施形態において、Tは5分から24時間の時間である。
【0034】
一実施形態において、処理ユニットは、下記式に基づく長期変動(long term variability)(302)等の複数のさらなる胎児心拍パラメータを決定するようにさらに構成される。
【数32】


ここで、
【数33】


は、以下を用いて計算される:
【数34】

【0035】

一部の実施形態において、Tは、10ミリ秒から48日の時間である。他の実施形態において、Tは、1秒から60分の時間である。さらなる実施形態において、Tは1秒から10分の時間である。さらなる実施形態において、Tは1秒から3分である。
【0036】
一実施形態において、処理ユニットは、一過性頻脈(accelerated heart rate)(301)等の複数のさらなる胎児心拍パラメータを決定するようにさらに構成され、以下により決定される:
【数35】


ここで、
【数36】


は、以下を用いて計算される:
【数37】

【0037】

一部の実施形態において、Tは、10ミリ秒から60分の時間である。他の実施形態において、Tは、1秒から30分の時間である。さらなる実施形態において、Tは1秒から3分の時間である。
【0038】
他の実施形態において、処理ユニットは、変数を表示し、アラームを鳴らすようにさらに構成される。当業者によって理解されるように、ディスプレイおよびアラームは処理ユニットの一体化した構成要素または特徴であってもよい。
【0039】
図3は、例えば条件がアラートを必要としている場合に、アラームを起動する(306)か、またはメッセージを表示する(307)ように構成された処理ユニット(309)を図示する。図3に示すように、これらのアラート条件は、一過性頻脈(301)、心拍の長期変動(302)、胎児心拍平均(303)、遷延一過性徐脈(304)、および遷延一過性頻脈(305)を含むが、しかしながら、このアラート条件が上述の1つ以上を含むことができることを当業者は理解する。
【0040】
一実施形態において、処理ユニットは、複数の音響エネルギー信号を受信および処理し、かつそこから少なくとも1つの平均胎児心拍数値(周波数、頻度)を決定するように構成される。別の実施形態において、処理ユニットは、複数の音響エネルギー信号を受信および処理し、かつ以下により決定されるように、2つの平均胎児心拍数値を決定するように構成される。
【数38】


および
【数39】


ここで、
【数40】


は、第1の平均胎児心拍数値であり、
【数41】


は、第2の平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数42】


は、第1の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数43】


は、第2の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数44】


は、第1の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数45】


は、第2の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数46】


は、母体の振幅閾値数値であり、R内であり、
【数47】


は、母体の振幅閾値数値であり、R内である。
【0041】
一部の実施形態において、Rは、50〜250Hzの周波数であり、R、R、R、R、R、およびRは、独立に、Rにおさまる周波数範囲である。一部の実施形態において、Tp1およびTp2は、独立に、10ミリ秒から28日の時間である。他の実施形態において、Tp1およびTp2は、独立に、12時間から14日の時間である。さらなる実施形態において、Tp1およびTp2は、独立に、5分から24時間の時間である。
【0042】
処理ユニットは、複数の音響エネルギー信号を受信および処理し、かつ3、4、5、6、またはそれ以上の平均胎児心拍数値を決定するように構成され得ることは当業者によって理解される。
【0043】
一実施形態において、人間の被験者での胎児心拍をモニタリングするためのシステムは、音響エネルギー信号を受信するように構成され得、処理ユニットは、音響エネルギー信号を処理し、かつ一態様(aspect)平均胎児心拍波形プロファイルを決定するようにさらに構成される。波形プロファイルは以下によって決定されるように、立ち上がり部(601)、立ち下り部(603)、および移行部(translational edge)(602)を含む。
【数48】


ここで、
【数49】


は、平均胎児心拍波形プロファイルの立ち上がり部の傾きであり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数50】


は、現在の平均胎児心拍波形プロファイルRであり、
【数51】


は、現在の平均胎児心拍波形プロファイルRであり、
【数52】


は、R10内の、母体の振幅閾値平均心拍波形プロファイルである。
【0044】
一部の実施形態において、Rは、50〜250Hzの周波数であり、R、RおよびR10は、独立に、Rがその中におさまる周波数範囲である。一部の実施形態において、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の時間である。
【0045】
図4は、音響エネルギー信号(410)を受信するように構成された処理ユニット(411)を図示し、処理ユニット(411)は、音響エネルギー信号(410)を処理するようにさらに構成されている。処理ユニット(411)は、複数の胎児心拍パラメータ(401および402)を決定することができる。当業者はまた、処理ユニット(411)が、条件がアラートを必要としている場合に、アラームを起動する(408)か、またはメッセージを表示する(409)ように構成され得ることを認識する。
【0046】
一実施形態において、処理ユニット(411)は、以下によって、胎児心拍波形偏差を決定するようにさらに構成され得る:
【数53】

【0047】

一実施形態において、
【数54】


は以下により計算される:
【数55】

【0048】

さらなる実施形態において、Tは10ミリ秒から60分の時間である。他の実施形態において、Tは、1秒から10分の時間である。さらに他の実施形態において、Tは1秒から3分の時間である。さらに他の実施形態において、Tは1秒から1分の時間である。
【0049】
一実施形態において、処理ユニット(411)は、複数の音声エネルギー信号を受信および処理し、かつ以下の式から決定されるように、2つの胎児心拍形状プロファイル(402)を決定するように構成され得る:
【数56】


および
【数57】


ここで、
【数58】


は、第1の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数59】


は、第2の平均心拍波形プロファイルであり、mは0または1、nは0または1、m+nは少なくとも1であり、
【数60】


は、第1の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数61】


は、第2の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数62】


は、第1の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数63】


は、第2の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数64】


は、母体の振幅閾値数値であり、R内であり、
【数65】


は、母体の振幅閾値数値であり、R内である。
【0050】
一実施形態において、Rは、50〜250Hzの間の周波数であり、R、R、R、R、R、およびRは、独立に、Rがおさまる周波数範囲である。
【0051】
一部の実施形態において、Tp1およびTp2は、独立に、10ミリ秒から28日の時間である。他の実施形態において、Tp1およびTp2は、独立に、12時間から14日の時間である。さらなる実施形態において、Tp1およびTp2は、独立に、5分から24時間の時間である。
【0052】
図5は、音響エネルギー信号(510)を受信するように構成された処理ユニット(511)を図示し、処理ユニット(511)は、音響エネルギー信号(510)を処理するようにさらに構成されている。処理ユニット(511)は、複数の胎児心拍パラメータ(501〜507)を決定することができる。当業者はまた、処理ユニット(511)が、条件がアラートを必要としている場合に、アラームを起動する(508)か、またはメッセージを表示する(509)ように構成され得ることを認識する。
【0053】
これらの条件は、一過性頻脈プロファイル(501)、心拍プロファイルの長期変動(502)、胎児心拍平均プロファイル(503)、胎児心拍形状プロファイル(shape profile)(504)、胎児心拍プロファイル偏差(profile deviation)、(505)、遷延一過性徐脈プロファイル(506)、および遷延一過性頻脈プロファイル(507)を含み得るものであり、それらの各々は、図3および図4に関連して上述したものに類似する方法を用いて決定され得ることを当業者は理解する。このような条件は、「Fetal heart rate patterns:monitoring,interpretation,and management(胎児心拍パターン:モニタリング、解釈、および管理)」(American College of Obstetricians and Gynecologists technical bulletin no. 207 Washington,D.C.:ACOG,1995年)において検討されている。アラート条件は、前述の1つ以上を含み得ることを当業者は理解する。
【0054】
当業者によって理解されるように、前述の実施形態のディスプレイおよびアラームは処理ユニットの一体化した構成要素または特徴であってもよく、処理ユニットの分離した、または遠隔に位置する構成要素であってもよく、あるいはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0055】
一実施形態において、人間の被験者の胎児の心拍をモニタリングするためのシステムは、以下によって規定される領域において、被験者(103)上に搭載可能な少なくとも1つのセンサ(100)を含む:
領域=π(0.05subject(0.1subject
別の実施形態において、女性の人間の被験者における胎児の心拍をモニタリングするためのシステムは、音響エネルギー信号(308)を受信するように構成された処理ユニット(309)を含む。さらなる実施形態において、処理ユニット(309)は、音響エネルギー信号(308)を処理し、かつ以下によって決定されるように、平均胎児心拍数値を決定するようにさらに構成される:
【数66】


ここで、
【数67】


は、平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数68】


は、R11内である第1の現在の胎児心拍であり、
【数69】


は、R12内である第1の現在の胎児心拍であり、
【数70】


は、R13内である第1の現在の胎児心拍である。
【0056】
一実施形態において、Rは、50〜250Hzの周波数であり、R11、R12、およびR13は、独立に、Rにおさまる周波数範囲である。
【0057】
さらなる実施形態において、TはTであり、Tは0.01分から28日の時間である。
【0058】
一実施形態において、女性の人間の被験者における胎児の心拍をモニタリングするためのシステムはまた、音響エネルギー信号(308)を受信するように構成された処理ユニット(309)を含み、処理ユニット(309)は、音響エネルギー信号(308)を処理し、かつ以下によって決定されるように、平均胎児心拍波形プロファイルを決定するようにさらに構成される:
【数71】


ここで
【数72】


は、平均胎児心拍波形プロファイルの立ち上がり部の傾きであり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数73】


は、R14内である現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数74】


は、R15内である現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数75】


は、R16内の母体振幅閾値平均心拍波形プロファイルである。
【0059】
一実施形態において、Rは、50〜250Hzの周波数であり、R14、R15、およびR16は、独立に、Rにおさまる周波数範囲である。一実施形態において、当該の周波数は、R11がR14に等しいところのものである。別の実施形態において、当該の周波数は、R12がR15に等しいところのものである。別の実施形態において、当該の周波数は、R13がR16に等しいところのものである。さらなる実施形態において、当該の周波数は、R11がR14に等しいところのものであり、R12がR15に等しいところのものであり、R13がR16に等しいところのものである。
【0060】
さらなる実施形態において、TはTであり、Tは0.01分から28日の時間である。
【0061】
本発明の方法およびシステムは、従って、多くの用途、応用において効果的に用いられ得る。それらの用途、応用は、限定を付さず、妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍をモニタすること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍波形プロファイルをモニタすること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍および胎児の心拍波形プロファイルをモニタすること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍および胎児の心拍波形プロファイルをモニタすることおよび胎児ジストレスを検出すること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍および胎児の心拍波形プロファイルをモニタすることおよび胎児ジストレスを検出すること、ならびに、電気的出力を提供すること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍および胎児の心拍波形プロファイルをモニタすることおよび胎児ジストレスを検出すること、ならびに、音響、視覚的、機械的、電気的インジケータ、そしてそれらの組み合わせからなる電気的出力を提供すること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍および胎児の心拍波形プロファイルをモニタするシステムを、地点Aから地点Bへの少なくとも5マイル(約8キロメートル)の距離を運搬すること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍および胎児の心拍波形プロファイルをモニタするシステムを、地点Aから地点Bへの少なくとも5マイル(約8キロメートル)の距離を、陸を横断して移動するか、水上を移動するか、および/または空輸することによって、運搬すること;妊娠中、労働中および/または分娩中の胎児の心拍および胎児の心拍波形プロファイルをモニタするシステムを、地点Aから地点Bへの少なくとも5マイル(約8キロメートル)の距離を、異なる国々において、運搬すること、を含む。
【0062】
本発明の特定の実施形態が本明細書において図示され、かつ詳細に記載されているが、本発明はそれらに限定されない。上で詳述した記載は本発明の一例として提供されているものであり、本発明の任意の限定を構成するものとして解釈されるべきではない。修正、変更は当業者にとって明らかであり、本発明から逸脱しない全ての修正、変更は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものであることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするためのシステムであって、前記臍は、前記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、前記臍の軸は、前記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられ、前記システムは、
式(1)によって規定される領域に、前記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備え、
領域=π(0.05subject(0.1subject) (1)
式中、lsubjectは前記被験者の長さであり、wsubjectは前記被験者の幅であり、前記被験者の幅は、前記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、前記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように、楕円を規定し、前記領域の下側のフォーカスは前記臍の軸に沿って向けられており、
前記センサは、音響エネルギーを感知し、前記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成され、
処理ユニットは、前記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、前記音響エネルギー信号を処理し、式(2)によって決定されるように、平均胎児心拍数値を決定するように構成され、
【数1】

式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R、R、およびRは、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、10ミリ秒から28日の間の時間であり、
【数2】

は、平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数3】

は、R内の現在の胎児心拍であり、
【数4】

は、R内の現在の胎児心拍であり、
【数5】

は、R内の母体の振幅閾値である、システム。
【請求項2】
前記処理ユニットは、式(3)により、平均胎児心拍を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【数6】

【請求項3】
前記処理ユニットは、式(4)により、遷延一過性頻脈を決定するようにさらに構成され、
【数7】

式中、
【数8】

は、式(2)を用いて計算され、式中、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の間の時間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理ユニットは、式(5)により、遷延一過性徐脈を決定するようにさらに構成され、
【数9】

式中、
【数10】

は、式(2)を用いて計算され、式中、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の間の時間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理ユニットは、式(6)により、長期変動を決定するようにさらに構成され、
【数11】

式中、
【数12】

は、式(2)を用いて計算され、式中、TはTであり、Tは、10ミリ秒から48日の間の時間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
一過性頻脈は式(7)によって決定され、
【数13】

式中、
【数14】

は、式(2)を用いて計算され、式中、TはTであり、Tは、10ミリ秒から60分の間の時間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
は12時間から14日の間である、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
は5分から24時間の間である、請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
は12時間から28日の間である、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
は5分から24時間の間である、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
は1秒から60分の間である、請求項5に記載のシステム。
【請求項12】
は1秒から10分の間である、請求項5に記載のシステム。
【請求項13】
は1秒から3分の間である、請求項5に記載のシステム。
【請求項14】
は1秒から30分の間である、請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
は1秒から3分の間である、請求項5に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサは、前記臍と同じ横断面において側面に沿って搭載可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサは、前記臍の反対側の同じ横断面において側面に沿って搭載可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記センサは、前記音響エネルギーを示す複数の音響エネルギー信号を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記処理ユニットは、前記複数の音響エネルギー信号を受信および処理し、かつ、前記音響エネルギー信号から、少なくとも1つの平均胎児心拍数値を決定するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記処理ユニットは、前記複数の音響エネルギー信号を受信および処理し、かつ、式(2)および(8)から決定されるように、2つの平均胎児心拍数値を決定するように構成され、
【数15】

式中、Rは、50〜250Hzの間の周波数であり、R、R、R、R、R、およびRは、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、TはTp2であり、TおよびTp2は、10ミリ秒から28日の間の独立した時間であり、
【数16】

は、第1の平均胎児心拍数値であり、
【数17】

は、第2の平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数18】

は、第1の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数19】

は、第2の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数20】

は、第1の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数21】

は、第2の現在の胎児心拍であり、R内であり、
【数22】

は、母体の振幅閾値数値であり、R内であり、
【数23】

は、母体の振幅閾値数値であり、R7内である、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするためのシステムであって、前記臍は、前記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、前記臍の軸は、前記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられ、前記システムは、
式(9)によって規定される領域に、前記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備え、
領域=π(0.05subject(0.1subject) (9)
式中、lsubjectは前記被験者の長さであり、wsubjectは前記被験者の幅であり、前記被験者の幅は、前記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、前記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように、楕円を規定し、前記領域の下側のフォーカスは前記臍の軸に沿って向けられており、
前記センサは、音響エネルギーを感知し、前記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成され、
処理ユニットは、前記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、前記音響エネルギー信号を処理し、式(10)によって決定されるように、一態様平均胎児心拍波形プロファイルを決定するように構成され、このプロファイルは立ち上がり部、立ち下り部、および移行部を含み、
【数24】

式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R、R、およびR10は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の間の時間であり、
【数25】

は、前記平均胎児心拍形状プロファイルの立ち上がり部の傾斜であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数26】

は、現在の平均胎児心拍波形プロファイルRであり、
【数27】

は、R内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数28】

は、R10内の母体の振幅閾値平均心拍波形プロファイルである、システム。
【請求項22】
前記処理ユニットは、式(11)によって決定される、胎児心拍波形偏差を決定するようにさらに構成され、
【数29】

式中、
【数30】

は、式(10)によって計算され、式中、TはTであり、Tは、10ミリ秒から60分の間の時間である、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
は1秒から10分の間である、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
は、1秒から3分の間である、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
は、1秒から1分の間である、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記センサは、前記音響エネルギーを示す複数の音響エネルギー信号を生成する、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記処理ユニットは、前記複数の音響エネルギー信号を受信および処理し、かつ、前記音響エネルギー信号から、少なくとも1つの胎児心拍形状プロファイルを決定するように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記処理ユニットは、前記複数の音響エネルギー信号を受信および処理し、かつ、式(10)および(12)から決定されるように、2つの胎児心拍形状プロファイルを決定するように構成され、
【数31】

式中、Rは、50〜250Hzの間の周波数であり、R、R、R、R、R、およびRは、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、TはTp2であり、TおよびTp2は、10ミリ秒から28日の間の独立した時間であり、
【数32】

は、第1の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数33】

は、第2の平均胎児心拍波形プロファイルであり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数34】

は、第1の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数35】

は、第2の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数36】

は、第1の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数37】

は、第2の現在の胎児心拍波形プロファイルであり、R内であり、
【数38】

は、母体の振幅閾値数値であり、R内であり、
【数39】

は、母体の振幅閾値数値であり、R内である、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするためのシステムであって、前記臍は、前記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、前記臍の軸は、前記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられ、前記システムは、
式(13)によって規定される領域に、前記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを備え、
領域=π(0.05subject(0.1subject) (13)
式中、lsubjectは前記被験者の長さであり、wsubjectは前記被験者の幅であり、前記被験者の幅は、前記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、前記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように向けられた楕円を規定し、前記領域の下側のフォーカスは前記臍の軸に沿って向けられており、
前記センサは、音響エネルギーを感知し、前記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するように構成され、
処理ユニットは、前記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、前記音響エネルギー信号を処理し、式(14)によって決定されるように、平均胎児心拍数値を決定するように構成され、
【数40】

式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R11、R12、およびR13は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、0.01分から28日の間の時間であり、
【数41】

は、平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数42】

は、R11内の現在の胎児心拍であり、
【数43】

は、R12内の現在の胎児心拍であり、
【数44】

は、R13内の母体の振幅閾値であり、
処理ユニットは、前記音響エネルギー信号を受信するように構成され、かつさらに、前記音響エネルギー信号を処理し、式(15)によって決定されるように、平均胎児心拍形状プロファイルを決定するように構成され、
【数45】

式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R14、R15、およびR16は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、0.01分から28日の間の時間であり、
【数46】

は、R14内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数47】

は、R15内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数48】

は、R16内の母体の振幅閾値平均心拍波形プロファイルである、システム。
【請求項30】
11はR14と等しい、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
12はR15と等しい、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
13はR16と等しい、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
11はR14と等しく、R12はR15と等しく、R13はR16と等しい、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするための方法であって、前記臍は、前記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、前記臍の軸は、前記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられ、前記方法は、
式(16)によって規定される領域に、前記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを搭載するステップであって、
領域=π(0.05subject(0.1subject) (16)
式中、lsubjectは前記被験者の長さであり、wsubjectは前記被験者の幅であり、前記被験者の幅は、前記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、前記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように、楕円を規定し、前記領域の下側のフォーカスは前記臍の軸に沿って向けられているステップと、
音響エネルギーを感知するステップと、
前記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するステップと、
前記音響エネルギー信号を処理するステップと、
式(17)によって決定されるように、平均胎児心拍数値を決定するステップであって、
【数49】

式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R、R、およびRは、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の間の時間であり、
【数50】

は、平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数51】

は、R内の現在の胎児心拍であり、
【数52】

は、R内の現在の胎児心拍であり、
【数53】

は、R内の母体の振幅閾値であるステップと、を含む、方法。
【請求項35】
臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするための方法であって、前記臍は、前記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、前記臍の軸は、前記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられ、前記方法は、
式(18)によって規定される領域に、前記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを搭載するステップであって、
領域=π(0.05subject(0.1subject) (18)
式中、lsubjectは前記被験者の長さであり、wsubjectは前記被験者の幅であり、前記被験者の幅は、前記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、前記領域は、主軸が臍の軸に対して直角であるように、楕円を規定し、前記領域の下側のフォーカスは前記臍の軸に沿って向けられているステップと、
音響エネルギーを感知するステップと、
前記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するステップと、
前記音響エネルギー信号を処理するステップと、
式(19)によって決定されるように、一態様平均胎児心拍波形プロファイルを決定するステップであって、このプロファイルは立ち上がり部、立ち下り部、および移行部を含み、
【数54】

式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R、R、およびR10は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の間の時間であり、
【数55】

は、平均胎児心拍波形プロファイルの立ち上がり部の傾斜であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数56】

は、R内の現在の平均胎児心拍波形であり、
【数57】

は、R内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数58】

は、R10内の母体の振幅閾値平均心拍波形プロファイルであるステップと、を含む、方法。
【請求項36】
臍を有する人間の女性の被験者体内の胎児の心拍をモニタリングするための方法であって、前記臍は、前記被験者の身体の長さに対して直角に向けられた臍の軸上の位置を規定し、前記臍の軸は、前記被験者の身体の長さに対して直角である臍の平面上に向けられ、前記方法は、
式(20)によって規定される領域に、前記被験者上に搭載可能な少なくとも1つのセンサを搭載するステップであって、
領域=π(0.05subject(0.1subject) (20)
式中、lsubjectは前記被験者の長さであり、wsubjectは前記被験者の幅であり、前記被験者の幅は、前記臍の平面によって出される最も長いコードに等しく、前記領域は、主軸が臍の軸に対して直角となるように、楕円を規定し、前記領域の下側のフォーカスは前記臍の軸に沿って向けられているステップと、
音響エネルギーを感知するステップと、
前記音響エネルギーを示す少なくとも1つの音響エネルギー信号を生成するステップと、
前記音響エネルギー信号を処理するステップと、
式(21)によって決定されるように、平均胎児心拍数値を決定するステップであって、
【数59】

式中、Rは50〜250Hzの周波数であり、R11、R12、R13、R14、R15、およびR16は、独立に、Rがおさまる周波数範囲であり、TはTであり、Tは、10ミリ秒から28日の間の時間であり、
【数60】

は、平均胎児心拍数値であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数61】

は、R11内の現在の胎児心拍であり、
【数62】

は、R12内の現在の胎児心拍であり、
【数63】

は、R13内の母体の振幅閾値である、ステップと、
式(22)によって決定されるように、一態様平均胎児心拍波形プロファイルを決定するステップであって、このプロファイルは立ち上がり部、立ち下り部、および移行部を含み、
【数64】

式中、TはTであり、Tは、0.01分から28日の間の時間であり、
【数65】

は、平均胎児心拍波形プロファイルの立ち上がり部の傾斜であり、mは0または1であり、nは0または1であり、m+nは少なくとも1であり、
【数66】

は、R内の現在の平均胎児心拍波形であり、
【数67】

は、R内の現在の平均胎児心拍波形プロファイルであり、
【数68】

は、R10内の母体の振幅閾値平均心拍波形プロファイルであるステップと、を含む、方法。
【請求項37】
前記胎児心拍数値は、胎児心拍に関連付けられたイベントを含み、前記胎児心拍は、分毎の基準脈拍、遷延一過性頻脈、遷延一過性徐脈、基準からの一過性および持続的変動からなる群より選択される、請求項34、35、および36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記処理ユニットは、胎児ジストレスを検出し、前記胎児ジストレスを検出した後、電気的な出力を提供するようにさらに構成されている、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記電気的な出力は、音響、視覚的、機械的、電気的インジケータ、およびそれらの組み合わせからなる、人間が感知可能な出力である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、前記システムを、地点Aから地点Bへの少なくとも5マイル(約8キロメートル)の距離を移動させるステップを含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記移動させるステップは、陸を横断して移動するステップと、水上を移動するステップと、および空輸するステップからなる群からの運搬の少なくとも1つの態様と、を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
地点Aはある国内であり、地点Bは他の国内である、請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−509956(P2013−509956A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537992(P2012−537992)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/055450
【国際公開番号】WO2011/056974
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】