説明

心線対照用曲げ治具

【課題】 光ファイバ心線を傷つけることなく安全に所定の曲げを付与することができ、しかも製造コストを低減することのできる心線対照用曲げ治具を提供すること。
【解決手段】 雄型2と雌型3とで光ファイバ心線4を挟んで曲げ変形を付与する心線対照用曲げ治具1において、雄型2は、光ファイバ心線4の延在方向に離間して配置された一対の心線押え用フランジ部21,22の間に、先端が所定の曲率の凸曲面24に形成された曲げ用凸部25が隆起形成され、雌型3は、曲げ用凸部25の両側面との間に光ファイバ心線4の外径よりも大きな隙間S1が確保されるように装備された一対の心線押え突起31,32によって、光ファイバ心線4を一対の心線押え用フランジ部21,22に押さえつける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブル内の光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与する心線対照用曲げ治具に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバケーブルは、通常多数の光ファイバ心線を包含し、しかも一本で数kmに及ぶほど長いものであるから、それらを接続したり成端したりするとき、光ファイバ心線を1本ずつ先端と後端とを対照して同一心線であることを確認する心線対照作業が必要となる。
【0003】
この心線対照作業の方法としては、対照すべき光ファイバ心線の一端部から参照光を入射し、且つ、その対照すべき光ファイバ心線には所定の曲げ変形を加えて、その曲げ部からの参照光の漏れ光の測定、あるいは、その光ファイバ心線の他端部における受光レベルの変化を測定することにより、光ファイバ心線の対照を行う方法が知られている。
【0004】
そして、このような心線対照作業時に光ファイバ心線に一定の曲げを加える装置として、従来より、雄型と雌型とで光ファイバ心線を挟むことで光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与する心線対照用曲げ治具が各種提案されている。
【0005】
例えば、光ファイバ心線が押し付けられる雄型の凸曲面と、この凸曲面に光ファイバ心線を押し付ける雌型の凹曲面とを略同じ曲率の湾曲面に形成して、ぞれぞれの凸曲面と凹曲面とで光ファイバ心線を所定の曲げ状態に挟み込むものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、雄型の凸曲面と雌型の凹曲面とで光ファイバ心線を挟むが、凸曲面又は凹曲面のいずれか一方に光ファイバ心線が入るV溝又は平型溝を形成して、挟み込む光ファイバ心線が幅方向に位置ずれすることのないようにしたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、心線対照する箇所の外気温を検出する温度検知手段と、光ファイバ心線を把持する際に雄型又は雌型を昇降移動させるアクチュエータと、温度検出手段の検出温度に基づいてアクチュエータの動作量を制御する制御装置とを備えて、外気温に応じて光ファイバ心線に付与する曲げを調整するようにしたものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2006−235362号公報
【特許文献2】特公平7−78567号公報
【特許文献3】特開平11−304644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1のように雄型の凸曲面と雌型の凹曲面とを同じ曲率の湾曲面に形成する構成の曲げ治具は、雄型と雌型のそれぞれに、高精度な湾曲面を形成しなければならないため、手間のかかる曲面加工量が増えて、雄型及び雌型の製造コストが高額化するという問題があった。
また、雄型の凸曲面及び雌型の凹曲面のそれぞれが高精度に形成されていても、雄型と雌型とが僅かに心線挿通方向に位置ずれして突き合されると、凸曲面と凹曲面との間の隙間が一定でなくなり、基準よりも狭い隙間に挟まれた光ファイバ心線は、大きな圧縮荷重や剪断荷重を受けて損傷する虞があった。
【0010】
また、特許文献2のように凸曲面又は凹曲面のいずれか一方に光ファイバ心線が入るV溝又は平型溝を形成した構成のものは、光ファイバ心線の撓みや弾性により治具内を挿通する光ファイバ心線に心線幅方向への波打ちが生じていると、心線が溝内に収まらずに該光ファイバ心線の一部が溝からはみ出た状態で雄型と雌型とが閉じられて、溝からはみ出た心線が想定外の強い圧縮荷重又は剪断荷重で挟まれて、損傷する虞があった。
【0011】
また、特許文献3のように、雄型及び雌型の開閉するアクチュエータの動作量を、周囲温度に応じて制御する構成のものは、装備する機器構成が複雑になり、高額化すると同時に、治具が重量化・大型化するという問題があった。
心線対照作業は、マンホール等の中の狭い暗所で行うことも少なくないため、治具の軽量化や小型化が重要課題になっている。
また、誤って別の光ファイバ心線に曲げを付与してしまった場合、その光ファイバ心線における通信に障害を招かないためにも、速やかに曲げを解除する必要が生じるが、特許文献3のような複雑な構成では、曲げの解除を速やかにできないという問題もあった。
【0012】
本発明の目的は上記課題を解消することに係り、光ファイバ心線を傷つけることなく安全に所定の曲げを付与することができ、しかも雄型及び雌型における曲面加工量の低減によって製造コストを低減することのできる心線対照用曲げ治具を提供すること、更には、雄型と雌型との開閉機構が簡単で、軽量化・小型化を図ることができ、誤って別の光ファイバ心線に曲げを付与した場合に曲げの解除を速やかに行うことができる心線対照用曲げ治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)上記した課題を解決するために、本発明による心線対照用曲げ治具は、雄型と雌型とで光ファイバ心線を挟むことで光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与する心線対照用曲げ治具であって、
前記雄型は、前記光ファイバ心線の延在方向に離間して配置された一対の心線押え用フランジ部の間に、先端が所定の曲率の凸曲面に形成された曲げ用凸部が隆起形成され、
前記雌型は、前記曲げ用凸部の両側面との間に前記光ファイバ心線の外径よりも大きな隙間が確保されるように前記一対の心線押え用フランジ部に対向配置されて前記心線押え用フランジ部との間に前記光ファイバ心線を挟み込む一対の心線押え突起と、これらの一対の心線押え突起相互の基端を連結して一対の心線押え突起間に前記曲げ用凸部と該曲げ用凸部に押し付けられた光ファイバ心線とを隙間を有して収容する凹部を形成する連結部とを備えていることを特徴とする。
【0014】
(2)また、上記(1)に記載の心線対照用曲げ治具は、前記凹部が、前記曲げ用凸部の両側面と前記心線押え突起との間の隙間より、前記曲げ用凸部の上方に確保される隙間の方が大きくなる矩形断面に設定されていることを特徴としても良い。
【0015】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載の心線対照用曲げ治具は、前記雄型と前記雌型とがピンセット状に基端が連結された2本の板ばねのそれぞれの自由端に結合され、対向する前記雄型と前記雌型との間に光ファイバ心線を挿通して、2本の板ばねを互いに接近する方向に押圧すると、光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与した状態が得られ、各板ばねの押圧を解除すると、前記雄型と前記雌型とが離間して、光ファイバ心線に付与していた曲げ変形が解除されることを特徴としても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明による心線対照用曲げ治具によれば、雄型との間に光ファイバ心線を挟む雌型は、光ファイバ心線の延在方向に離間して設けられた一対の心線押え突起により光ファイバ心線を雄型の凸曲面の両側の一対の心線押え用フランジ部に押さえつけることで、光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与するもので、雄型の凸曲面と同じ曲率の湾曲面を持った構造ではない。
即ち、光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与するための高精度な湾曲面は、雄型の方だけに形成すれば良く、雄型及び雌型における曲面加工量の低減によって製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る心線対照用曲げ治具の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る心線対照用曲げ治具の一実施の形態の側面図、図2(a)は図1のA矢視図、図2(b)は雄型と雌型とが少し押圧されて、雄型と雌型によって光ファイバ心線に曲げを付与している途中の状態を示す図1のA矢視図、図2(c)は雄型と雌型とが最後まで押圧されて、雄型と雌型によって光ファイバ心線に所定の曲げが付与されている状態を示す図1のA矢視図である。
【0018】
この一実施の形態の心線対照用曲げ治具1は、接続作業等を実施する光ファイバケーブル内の光ファイバ心線を対照するために、雄型2と雌型3とで光ファイバ心線4を挟むことで光ファイバ心線4に所定の曲げ変形を付与する。
これらの雄型2と雌型3とを開閉する開閉機構6は、ピンセット状に基端が連結された2本の板ばね61,62のそれぞれの自由端に結合されている。
【0019】
雄型2は、図2(a)に示すように、光ファイバ心線4の延在方向(図2では、左右方向)に離間して配置された一対の心線押え用フランジ部21,22の間に、先端が所定の曲率の凸曲面24に形成された曲げ用凸部25が隆起して形成された構造である。
この雄型2は、凸曲面24と逆側の平坦な底面部2aが、開閉機構6を構成している2本の板ばね61,62の内の下側の板ばね61の自由端に固着されている。
雄型2の曲げ用凸部25及び心線押え用フランジ部21,22は、光ファイバ心線4がその幅方向(図1の左右方向)に波打ちしたり、多少の位置ずれしても、脱落することがないように、十分な幅寸法W1を有している。
【0020】
雌型3は、曲げ用凸部25の略垂直な両側面との間に光ファイバ心線4の外径よりも大きな隙間S1が確保されるように一対の心線押え用フランジ部21,22に対向配置された一対の心線押え突起31,32と、これらの心線押え突起31,32の基端を連結する連結部36とを備えている。
隙間S1は、光ファイバ心線4の外径をd、雄型2及び雌型3の光ファイバ心線4の挿通方向への取付誤差をfとすると、S1>d+fとなるように、設定されている。
【0021】
一対の心線押え突起31,32は、図2(c)に示すように、その先端で、心線押え用フランジ部21,22との間に対照すべき光ファイバ心線4を拘束する。この心線押え突起31,32の先端の内側の角部には、図2(a)に示すように、接触する光ファイバ心線4に緩やかな曲げを付与する円弧面状の面取りR1が付与されている。ここで、光ファイバ心線4に曲げを付与することができれば、光ファイバ心線4を、心線押え用フランジ部21,22と心線押え突起31,32で挟み込む必要はない。
【0022】
連結部36は、図2(c)に示すように、一対の心線押え突起31,32相互の基端を連結して、一対の心線押え突起31,32間に、曲げ用凸部25と該曲げ用凸部25に押し付けられた光ファイバ心線4とを隙間を空けて収容する凹部34を形成している。
凹部34は、図2(c)に示すように、心線押え突起31,32が光ファイバ心線4を心線押え用フランジ部21,22上に押さえつけた時に、凸曲面24に押し付けられた光ファイバ心線4の上方と連結部36との間に隙間S2が確保される矩形断面に設定されている。
本実施の形態の場合、隙間S2は、光ファイバ心線4を挟まないように曲げ用凸部25の両側に確保される隙間S1よりも大きく設定されている。
【0023】
また、雌型3の心線押え突起31,32は、光ファイバ心線4がその幅方向(図1の左右方向)に波打ちしたり、多少の位置ずれしても、脱落することがないように、十分な幅寸法W2を有している。本実施の形態の場合、心線押え突起31,32の幅寸法W2は、心線押え用フランジ部21,22及び凸曲面24の幅寸法W1に略等しく設定されている。
【0024】
雌型3は、連結部36の外面が、開閉機構6を構成している2本の板ばね61,62の内の上側の板ばね62の自由端に固着されている。
【0025】
本実施の形態の心線対照用曲げ治具1の場合、雄型2、雌型3、板ばね61,62は、いずれも金属板で形成されている。そして、雄型2と板ばね61との固着、一対の板ばね61,62の基端部の固着、雌型3と板ばね62との固着は、いずれも、スポット溶接により達成されている。
【0026】
以上に説明した心線対照用曲げ治具1は、図1及び図2(a)に示すように、対向する雄型2と雌型3との間に光ファイバ心線4を挿通して、その後、2本の板ばね61,62を互いに接近する方向に押圧すると、図2(b),(c)に示すように、雄型2と雌型3とが光ファイバ心線4を挟み込んで、光ファイバ心線4に所定の曲げ変形を付与した状態が得られる。また、図2(c)の状態から、各板ばね61,62の押圧を解除すると、各板ばね61,62の復元力によって、図2(a)に示した状態に雄型2と雌型3とが離間して、光ファイバ心線4に付与していた曲げ変形が解除される。
【0027】
なお、本実施の形態の場合、開閉機構6を構成する一対の板ばね61,62の対向する一方の内面には、図1に示すように、光ファイバ心線4を挟む直前に光ファイバ心線4が雄型2、雌型3から外れて板ばね61,62によって挟まれるのを防止するスポンジストッパ71が装備されている。
【0028】
以上に説明した心線対照用曲げ治具1によれば、雄型2との間に光ファイバ心線4を挟む雌型3は、光ファイバ心線4の延在方向に離間して設けられた一対の心線押え突起31,32により光ファイバ心線4を雄型2の凸曲面24の両側の一対の心線押え用フランジ部21,22に押さえつけることで、光ファイバ心線4に所定の曲げ変形を付与するもので、雄型2の凸曲面24と同じ曲率の湾曲面を持った構造ではない。
即ち、光ファイバ心線4に所定の曲げ変形を付与するための高精度な湾曲面は、雄型2の方だけに形成すれば良く、雄型2及び雌型3における曲面加工量の低減によって製造コストを低減することができる。
【0029】
また、光ファイバ心線4を挟む部位は、曲げ用凸部25に装備される所定の曲率の凸曲面24の部位ではなく、該曲げ用凸部25の両側に離間して配置された心線押え用フランジ部21,22の位置であり、しかも、一対の心線押え用フランジ部21,22に当接する雌型3の一対の心線押え突起31,32間は、曲げ用凸部25と該曲げ用凸部25に押し付けられた光ファイバ心線4とを隙間を有して収容する凹部34になっているため、雄型2と雌型3とが僅かに心線挿通方向に位置ずれして突き合されても、曲げ用凸部25に押し付けられた光ファイバ心線4の一部が雌型3に接触することが無く、光ファイバ心線4の一部に損傷を招く大きな圧縮荷重や剪断荷重がかかる虞がない。
更に、光ファイバ心線4を挟む部位では光ファイバ心線4の幅方向の位置を規制する溝を備えていないため、光ファイバ心線4の撓みや弾性により治具内を挿通する光ファイバ心線4に心線幅方向への波打ちが生じていても、想定外の強い圧縮荷重又は剪断荷重で挟んで損傷させることが無い。
従って、光ファイバ心線4を傷つけることなく安全に所定の曲げを付与することができる。
【0030】
また、本実施の形態の心線対照用曲げ治具1は、凹部34が、曲げ用凸部25の両側面と心線押え突起31,32との間の隙間S1より、曲げ用凸部25の凸曲面24の上方に確保される隙間S2の方が大きくなる矩形断面に設定されている。
そのため、雌型3は、図示例のようにコ字状断面の単純構造とすることができ、雌型の凹部を雄型の凸曲面に対応する高精度な凹曲面に形成する従来構造の場合と比較すると、雌型3の加工コストを安価に抑えて、製造コストの低減を図ることができる。
【0031】
また、本実施の形態の心線対照用曲げ治具1では、雄型2と雌型3との開閉機構6は、ピンセット状に形成された2本の板ばね61,62により構成される極めて単純な機構となるため、雄型と雌型とを昇降させるアクチュエータやその制御装置を備える従来のものと比較すると、心線対照用曲げ治具1の軽量化・小型化を図ることができ、更に、誤って別の光ファイバ心線4に曲げを付与した場合に曲げの解除を速やかに行うことができる。
【0032】
また、本実施の形態の場合、開閉機構6を構成する一対の板ばね61,62の対向する一方の内面には、光ファイバ心線4を挟む直前に光ファイバ心線4が雄型2、雌型3から外れて板ばね61,62によって挟まれるのを防止するスポンジストッパ71が雄型2と雌型3に近接する位置に装備されたため、光ファイバ心線4を誤って板ばね61,62で挟み込むことがなく、かつ作業者が誤って板ばね61,62を強く押圧しても、光ファイバ心線4が衝撃的に挟まれることがなく、光ファイバ心線4の傷つきを防止することができ、安全に光ファイバ心線4に曲げを付与することができる。
【0033】
なお、本実施の形態の心線対照用曲げ治具の場合、雄型2や雌型3や開閉機構6としての板ばね61,62はいずれも金属板製で、スポット溶接により一体化したが、全てを樹脂により一体成形するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る心線対照用曲げ治具の一実施の形態の側面図である。
【図2】(a)は図1のA矢視図、(b)は光ファイバ心線に曲げを付与している途中の状態を示す図1のA矢視図、(c)は図1に示した状態から雄型と雌型とを支持している各板ばねが最後まで押圧されて、雄型と雌型によって光ファイバ心線に所定の曲げが付与されている状態を示す図1のA矢視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 心線対照用曲げ治具
2 雄型
3 雌型
4 光ファイバ心線
6 開閉機構
21,22 心線押え用フランジ部
24 凸曲面
25 曲げ用凸部
31,32 心線押え突起
34 凹部
36 連結部
61,62 板ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄型と雌型とで光ファイバ心線を挟むことで光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与する心線対照用曲げ治具であって、
前記雄型は、前記光ファイバ心線の延在方向に離間して配置された一対の心線押え用フランジ部の間に、先端が所定の曲率の凸曲面に形成された曲げ用凸部が隆起形成され、
前記雌型は、前記曲げ用凸部の両側面との間に前記光ファイバ心線の外径よりも大きな隙間が確保されるように前記一対の心線押え用フランジ部に対向配置されて前記心線押え用フランジ部との間に前記光ファイバ心線を挟み込む一対の心線押え突起と、これらの一対の心線押え突起相互の基端を連結して一対の心線押え突起間に前記曲げ用凸部と該曲げ用凸部に押し付けられた光ファイバ心線とを隙間を有して収容する凹部を形成する連結部とを備えていることを特徴とする心線対照用曲げ治具。
【請求項2】
前記凹部が、前記曲げ用凸部の両側面と前記心線押え突起との間の隙間より、前記曲げ用凸部の上方に確保される隙間の方が大きくなる矩形断面に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の心線対照用曲げ治具。
【請求項3】
前記雄型と前記雌型とがピンセット状に基端が連結された2本の板ばねのそれぞれの自由端に結合され、対向する前記雄型と前記雌型との間に光ファイバ心線を挿通して、2本の板ばねを互いに接近する方向に押圧すると、光ファイバ心線に所定の曲げ変形を付与した状態が得られ、各板ばねの押圧を解除すると、前記雄型と前記雌型とが離間して、光ファイバ心線に付与していた曲げ変形が解除されることを特徴とする請求項1又は2に記載の心線対照用曲げ治具。

【図1】
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【図2】
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