応力をうける再位置決め可能な荷重を定位置に保持するための装置、ならびにこの装置およびこの荷重で構成されるユニット
本発明は、たとえば重さ等の力、より詳細にはたとえば移動中の気体または液体など流体からの応力を受ける再位置決め可能な荷重を定位置に保持する装置に関する。前記装置は、力がパネルに圧力を加えると、少なくとも1つの弾性取り付け手段(14、15、16、17)が圧縮力を受け、少なくとも1つの弾性取り付け手段(14、15、16、17)が伸張力を受け、その結果、荷重が、前記支持体上の前記移動装置に固設された状態に保持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば重力などの力、より詳細にはたとえば運動中の気体または液体などの流体の応力をうける再位置決め可能な荷重、特に再位置決め可能なパネルをほぼ垂直な定位置に保持する装置に関する。より詳細には本発明は、パネルに対しほぼ直角に応力を与える空気、風、または水の作用を受けるほぼ垂直な位置のパネルを保持することが可能な装置に関する。また、さらに詳細には、本発明は、たとえば、車両のルーフに対し垂直な位置かつ車両の移動方向に対し直角な面にあるパネルのように、パネルに対しほぼ直角に移動する空気の作用を受けるほぼ垂直なパネルの保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に広告または情報機能を有する平面パネルを車両のルーフ上に保持する装置は多数知られている。そのようなパネルは車体を損傷させることなく車両のルーフ上に取り付けたり、取り外したりすることができるものでなければらない。さらに、これらのパネルは車両の移動時にこれらのパネルに働く力に耐えることができるものでなければならない。
【0003】
1933年にF.J.オコナーに対し交付された特許文献1は、車両の移動方向に平行な面内すなわち車両の長手方向面内に設置されたパネルを車両に保持する装置について記述している。この装置の目的は、風の側面圧力に対しパネルを弾性的に堅固に保持することである。この目的のため、パネルは金属製ベルトシステムにより保持される。
【0004】
特許文献2は情報パネルの磁気支持体について記述している。この特許出願はその先行技術についての記述において「磁気的接着により磁気支持体が固定されるあらゆる金属表面上に設置することができるとともに、たとえば情報パネルなど種々の物体に支持体を固設するあらゆる種類の機械的固定具を受け入れる子とができる支持体が存在する。これらのパネルおよびその支持体が屋外にさらされ風の影響を受ける時には、通常、これらの機械的結合は、風の力によりパネルを傾斜させるが磁気支持体を脱落させることのないばねで構成される。」と言及している。このように、この特許出願について記述する先行技術によれば、パネルは風の力を受けて傾斜する。この文献の図1を参照すると、パネルは車両の移動方向に平行な面内すなわち車両の長手方向面内に設置されることがわかる。本技術に最も近いとされているこの特許文献2との間の差異については添付の図面を参照しながら以下で説明する。
【0005】
先行技術によるあらゆる装置は、車のルーフ上でのパネルの保持装置であって、車両上で容易に位置決めができ、車両から容易に取り外すことができ、車体を損傷することがなく、雨、より詳細には風などの悪天候に耐える装置を提供することを目的としている。先行技術によるこれらの装置は、車両の長手方向面内、すなわち車両の移動方向に平行な面内にほぼ平面のパネルを保持することのみを想定している。たとえば情報または広告などの表示を含むことを目的とするこれらのパネルは、基本的に車両の側面にいる人、すなわち車両の移動方向に対して平行な道路上を移動する歩行者から見えるものである。一方、広告パネルを有する車両の前方または後方に位置する他の車両の運転手はパネル上に表示される情報を見ることができない。ところで、パネルによって表示される情報の対象となる消費者の大部分は、個人の乗用車あるいは公共交通用車両の中にいるユーザーである。車両の進行方向に対し直角な面内にある広告パネルの意義と比較すると、車両の長手方向面内、すなわち車両の進行方向にある広告パネルの意義は低い。タクシーなどの車両の所有者の中にはその側面ドア上に広告メッセージを貼っている人もいるのがその証左である。しかしながら、この広告方法は、他の車両の運転手または乗客に対しては広告メッセージを視認性が確保されていないため、個人の乗用者の所有者からは支持されていない。一方、長距離バスまたは市内バス等の大型公共交通車両は、その側面だけでなく後面にも広告メッセージを掲載している。後者の場合、長距離バスまたは市内バスの後方に位置する車両の運転手にとっては後面の広告メッセージははるかに見やすく、広告スペースの貸主にとっては、長距離バスまたは市内バスの側面に設置された広告パネルの位置よりも有利である。
【特許文献1】米国特許第1942444号
【特許文献2】フランス特許出願第2658643号
【発明の開示】
【0006】
よって本発明の目的は、車両の移動方向に対して直角、したがって車両の長手方向面内、すなわち進行方向に対し平行な面内にパネルが設置される場合よりも強い、空気、風および/または雨の力に対して直角なパネルの支持体上に保持装置を提供することである。空気、風および/または雨、雪等の流体の力に対し直角なパネルの支持体上のこの装置はさらに、パネルをほぼ垂直な位置に保持しなければならない。事実、パネルが流体の力をうけて過度に傾斜すると情報または広告メッセージの読み取りができなくなる。
【0007】
したがって本発明の別の目的は、流体の力に対し直角であってほぼ垂直な位置にあるパネルの支持体に保持装置を提供することである。
したがって本発明の別の目的は、流体の力に対し直角であってほぼ垂直な位置にあるパネルの支持体に取り外し可能な方法で支持体に取り付けることができる装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、流体の力に対し直角なパネル支持体上の保持装置とパネルとで構成されるユニットを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、重力を受ける再位置決め可能な荷重をほぼ垂直に維持しつつ移動させることである。
【0008】
この目的のため本発明は、重量としてある力の圧力を受ける再位置決め可能な荷重の移動装置であって、反対端が、荷重上に再位置決め可能な取り外し可能取り付け手段に固設された弾性取り付け手段の一端部に接続された少なくとも1つの保持アームを含み、前記保持アームが駆動手段により移動駆動され、前記装置は、力により荷重に圧力が与えられると、少なくとも1つの弾性手段が圧縮力を受けかつ少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、荷重が一時的に前記移動装置に固設された状態に保持されることを特徴とする装置に関する。
【0009】
一実施形態によれば、本発明は、ほぼ垂直な位置にある流体の圧力に対し直角なパネルを支持体上に保持する装置であって、少なくとも2つの保持アームを含み、各アームが、パネルPに接続された端部と、反対端が支持体上の再位置決め可能および取り外し可能固定手段に固設された弾性取り付け手段の端部に接続された端部とを含み、弾性手段がパネルPの面とは異なる面内にあり、その結果、流体がパネルに圧力を加えると、少なくとも1つの弾性取り付け手段が圧縮力を受け、少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、パネルがその初期位置に保持されることを特徴とする装置に関する。
本発明の一実施形態によれば、装置は少くとも3つの弾性手段を含む。
【0010】
本発明による装置はさらに以下の特徴を含む:
弾性手段がばねである;
弾性手段がピストンシリンダーシステムである;
取り外し可能な固定手段が磁石である;
取り外し可能な固定手段が吸盤である;
保持アームが、一辺がパネルに固設されたほぼ三角形の形状を有するスクエアである;
2つの保持アームが、パネルに固設された辺により付き合わされた前記アームから成る保持プレートの必要不可欠な部分を成す。
パネルが、高さが装置の対称軸であり、両端における底辺が2つの弾性手段に固設され、2つの辺が曲線上であり凹形である台形形状を有する。
本発明による2つの装置は、重量が加えられる再位置決め可能な荷重を垂直方向に移動するために並列に設置することができる。
本発明による装置は、一直線上に設置された多数の弾性手段およびおよび取り外し可能固定手段のシステムを含むことができる。
【0011】
本発明および本発明によりもたらされる長所は、以下の例から明らかになろう。
図1は本発明による支持体上のパネル保持装置の上面概略図である。
図2は180度回転された図1による装置の上面概略図である。
図3は本発明による支持体上のパネル保持装置の別の実施形態の上面概略図である。
図4は文献FR−A−2658643において記述されている先行技術の装置の概略図である。
図5は本発明による装置の第一実施形態の斜視図である。
図6は本発明による装置の第二実施形態の斜視図である。
図7は本発明による装置の第一実施形態の側面図である。
図8は本発明による装置の第一実施形態の正面図である。
図9は本発明による装置の第二実施形態の側面図である。
図10は本発明による装置の第二実施形態の正面図である。
図11は本発明による装置の第三実施形態の斜視図である。
図12は本発明による装置の第四実施形態の正面図である。
図13は本発明による装置の第五実施形態の正面図である。
図14は本発明による装置の第六実施形態の正面図である。
図15は図14に示す装置の第六実施形態の斜視図である。
図16は、並列に設置され垂直な再位置決め可能な荷重を保持することが可能な2つの装置のユニットの正面図である。
図17は図16によるユニットの側面図である。
図18は多数の弾性手段および取り外し可能固定手段のシステムを含む本発明による装置の正面図である。
図19は図18による装置の上面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明による装置の略図であって動作のよりよい理解を可能にするものである。本発明による装置はパネルPを備えるが、その厚みは、長方形とすることができるパネルの主表面よりも薄い。したがってこの主表面は、パネルPの主表面に対しほぼ直角に力を加える流体のように矢印Fの方向に働く流体の作用を受ける。流体はたとえばパネルPの主表面の面に対し斜めな方向にその力を及ぼすことがある。流体は空気のような運動中の気体あるいは水のような液体とすることができる。本発明によれば、パネルPは(図1には示してない)支持体に取り付けられるが、この支持体は水平であっても(図7から図11、図13、図14を参照のこと)、また、図12に示すように少なくとも3つの弾性手段A、BおよびCを介して垂直であってもよい。これらの弾性取り付け手段は、支持体上に固定された端部1、およびパネルPの保持アーム3に固設された反対側端部2を有する。本発明の目的は、矢印F1の方向への流体の力を受けて支持体が外れたり、当初の位置から傾斜しないようにすることである。少なくとも3つの弾性取り付け手段A、BおよびCは、流体が力をパネルに与える時、少なくとも1つの弾性取り付け手段が圧縮力を受け、かつ少なくとも1つの弾性取り付け手段が伸張力を受けるようになっている。図1の場合、2つの弾性取り付け手段A、Bが伸張力を受け、弾性取り付け手段Cが圧縮力を受ける。伸張力を受ける手段はまず流体の力を受ける手段(図1の場合はAEおよびBE)であるが、圧縮力を受ける手段は他の手段の後に流体の力の作用を受ける手段(図1の場合はCC)である。図2の場合、伸張力を受ける弾性取り付け手段は、まずCE等の力F2の作用を受ける手段であり、圧縮力を受ける弾性取り付け手段は他の手段の後に、たとえばBCおよびAC等、矢印F2の方向に流体の力の作用を受ける手段である。矢印F2の方向は矢印F1の方向とは逆である。
【0013】
弾性取り付け手段A、BおよびCはその長さ方向に圧縮および伸張するが、流体の作用がある時S字状に変形することもできるコイルばねとすることができる。また、長さを変えることができるピストン−シリンダーシステムを設けることもできるが、これは変形することはできない。
【0014】
図3では、それぞれがばねを含む4つの保持アーム4、5、6および7を用いてパネルPが保持されることがわかる。2つの保持アーム4、5はパネルPの一方の側に位置し、他の2つの保持アーム6、7はパネルPの反対側の位置する。システムは前出の実施形態における場合と同じように作動する。パネルPが矢印F1の方向に流体の力を受けると、最初に流体の力F1を受けるアーム6、7のばねは伸張力を受けるが、他の手段の後に流体の圧力の作用を受けるアーム4、5のばねは圧縮力を受ける。反対に、アーム4、5のばねは矢印F1の方向とは反対の矢印F2の方向に伸張力を受け、アーム6、7のばねは圧縮力を受ける。
本発明によれば、弾性手段双方の作用によりパネルPは常に垂直面内に保持される。パネルの弾性取り付け手段は、パネルPの主表面の面とは異なる面内、すなわち流体の最も強い圧力を受けるパネルの表面とは異なる面内に少なくとも1つの弾性手段があることに留意されたい。
【0015】
文献FR−A−2658643において記述されている先行技術の装置の概略を示す図4を参照すると、パネルPはパネルPの面内に位置する2つのばね8、9により保持されることがわかる。パネルPの主表面が、主表面の面に対しほぼ直角な矢印Fの方向の流体の圧力を受けると、パネルPが傾斜し、文献FR−A−2658643において説明するように、パネルは支持体上すなわち車両のルーフの表面に伏臥する。本発明は特にこの現象を防止し、反対にパネルをほぼ垂直に保持することをねらいとする。
【0016】
ここまで本発明の原理について説明してきたので、以下では本発明の種々の実施形態について詳細に説明する。
図5は本発明による装置の第一実施形態の斜視図である。本発明によるパネルPの支持装置は、パネルPを垂直に保持することができる4つの保持アーム10、11、12、13を含む。これらのアームは、それぞれが支持体Sへの取り外し可能な固定手段18、19、20、21を含む弾性手段14、15、16、17を一端に有するスクエアの形態を有する。各スクエアは、その辺のうちの一辺上にパネルPを支承し、対向する辺の対向端に弾性手段を支承するほぼ三角形を成す本発明の主要な特徴によれば、弾性手段はパネルPの面とは異なる面内にあることに留意しなければならない。図7においてより詳細にわかるように、流体が矢印F1に従いパネルPに対し直角な方向に圧力を加えると、矢印F1の方向の流体の圧力を最初に受ける弾性取り付け手段14、16は伸張力を受けるが、矢印F1の方向の流体の圧力を次に受ける弾性取り付け手段15、17はは圧縮力を受ける。弾性取り付け手段14、15、16、17は前後方向であり、したがって支持体Sのパネルの下縁から遠ざかる。よって流体は下縁22の下を通過することができ、したがって力が分割される。
【0017】
再位置決め可能な取り外し可能固定手段18、19、20、21はたとえば磁石であるが、図6に示すように吸盤とすることもできる。磁石は電気誘導磁石とすることができ、電流が磁石に作用した時オンになり、電流が切られた時オフになるようにすることができる。それぞれが取り外し可能固定手段を含む任意の数の弾性手段を使用することができる。弾性手段−固定手段システムの数が多くなればなるほど、引き抜きに対する抗力も高くなる。
【0018】
本発明の可能な一実施形態を図9に示した。パネルPは2つのアングル32(たとえばアルミニウム製)をボルト締め31することにより固定される。パネルPの両側の4つのスクエア33(たとえば鋼製)はパネルに載架するようになり、ボルト締め31により相互に固定され、ボルト締め31により、全体が2つのアングル内に嵌込される。ばね34の上部は、ピン38上のボルト37によりパネルPとは反対側のスクエア33の端部の下部に固定される。ばね34の下部はボルト締め39により磁石35に固定される。
【0019】
図14には本発明の改良型装置を示したが、これは本発明の最良の実施形態でもある。パネルP’は前出の場合と同様、平面パネルではなく、前面および後面が装置の対称軸XXを通る垂直面から離れているパネルである。パネルP’は図5に示すスクエア10、11、12、13の形状にほぼ従う、すなわち垂直面41および水平面42の直角三角形の形状を有するが、第三の辺43は直線ではなく曲がっている、すなわち凹形である。パネルのこの形により流体の力を逸らすことが可能になり、この力は前出の実施例における場合のようにパネルの面に直接当たるのではなく、曲がった三角形の辺に触れ、図14上の矢印F3により示すように上方に逸れる。そのような装置はさらに流体の力の捕捉力が小さくなるので、さらに堅固に支持体Sに固定され、脱落する傾向は減少する。
【0020】
図5から図10および図14、図15に示す装置は、180km/時およびそれ以上の高速で移動する車のルーフ上に取り外し可能な方法で固定されるようになっている。したがって、車両の停止時に4つの磁石を使用して装置を取り付けるが、この装置はいったん取り付ければ、たとえ車両が180km/時以上になっても外れない。
【0021】
図11は、不動である地面に設置するようになっているパネルPを示す図である。
図12は、不動垂直壁上に4つの保持アーム51、52、53、54を有するパネルPを示す図である。アーム52、54は垂直パネルPの面より前の面内に位置するが、アーム51、53はパネルPの垂直面内に位置する。この装置は図3に示す略図に合致している。風が吹いてパネルPに当たると、それぞれアーム51および53の端部に設置されているばね55および57は圧縮状態にあるが、それぞれアーム52および54の端部に設置されているばね56および58は伸張状態にある。もし風が反対方向に吹くと、ばね54および56が伸張状態になり、ばね55が圧縮状態になる。このように風向きの如何にかかわらずパネルは垂直のままである。
【0022】
図13に示す装置は、パネルPが平面ではなく円筒形であるため、前出の装置とは若干異なっている。この装置は、4つの吸盤69、70、71、72により地面に固定された4つのばね65、66、67、68に固設された4つのアーム61、62、63および64により地面に固定されるようになっている。任意の方向に風が吹くと、その風によりシリンダーに圧力がかかり、上で説明したように2つのばねが圧縮状態になり、他の2つのばねが伸張状態になり、その結果パネルPを垂直に保持する。
上で記述したいずれの装置においても、ばねはさらにパネルの下縁部を支持体から離れた位置に保持するという機能を有し、それにより、流体の流路の一部を偏向させ、パネルへの衝撃力を低減させることも可能になる。
【0023】
図16および図17に示すユニットは本発明による2つの装置で構成される。この装置は1つの保持アーム80と、保持アーム80の各端部に位置する2つの弾性取り付け手段81、82を有することがわかる。各弾性手段81、82の端部は再位置決め可能および取り外し可能な固定手段83、84に固設され、この手段は磁石であることが好ましいが吸盤であってもよい。これらの固定手段83、84は、重量がアームに対し力F5を及ぼす荷重Cの壁部に設置され、この力は荷重への重量の作用に相当し、したがって荷重の重さによって加えられるものとみなすことができる。装置の下部に設置された弾性手段82は伸張力F6を受け、弾性手段82よりも高いところに設置された弾性手段83は収縮力F7を受ける。こうして装置により荷重は保持される。たとえばケーブル85を使用して保持アーム80が上方に移動される場合、荷重は本発明による保持装置により駆動される。図16には、1つの保持アームと、再位置決めおよび取り外し可能な固定手段を端部に具備する少なくとも2つの弾性手段とでそれぞれ構成される、本発明による2つの装置を示した。これら2つの装置は並列に設置され、荷重Cを保持および移動することができるユニットを形成する。好ましくは、2つの装置が、装置の変形および荷重分布の向上を可能にする連接部86、87を含む。
【0024】
図18には、位置決めおよび取り外し可能な固定手段96、97、98、99、100をそれぞれ端部に具備する多数の弾性手段91、92、93、94、95を有する装置を示した。
図19では、位置決めおよび取り外し可能な固定手段96、97、98、99、100が一列に並んでいることがわかる。前出の実施形態の場合と同様、弾性手段は、ケーブル102により駆動される保持アーム101に固設される。ケーブル102により保持アーム101が上昇すると、ばね91は伸張力を受けるが、最も下のばねから最も離れたばね100は圧縮力を受ける。そのような装置により荷重を保持し駆動することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による支持体上のパネル保持装置の上面概略図である。
【図2】180度回転された本発明による装置の上面概略図である。
【図3】本発明による支持体上のパネル保持装置の別の実施形態の上面概略図である。
【図4】文献FR−A−2658643において記述されている先行技術の装置の概略図である。
【図5】本発明による装置の第一実施形態の斜視図である。
【図6】本発明による装置の第二実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による装置の第一実施形態の側面図である。
【図8】本発明による装置の第一実施形態の正面図である。
【図9】本発明による装置の第二実施形態の側面図である。
【図10】本発明による装置の第二実施形態の正面図である。
【図11】本発明による装置の第三実施形態の斜視図である。
【図12】本発明による装置の第四実施形態の正面図である。
【図13】本発明による装置の第五実施形態の正面図である。
【図14】本発明による装置の第六実施形態の正面図である。
【図15】図14に示す装置の第六実施形態の斜視図である。
【図16】並列に設置され垂直な再位置決め可能な荷重を保持することが可能な2つの装置のユニットの正面図である。
【図17】図16によるユニットの側面図である。
【図18】多数の弾性手段および取り外し可能固定手段のシステムを含む本発明による装置の正面図である。
【図19】図16による装置の上面図である。
【符号の説明】
【0026】
2 反対側端部
3、4、5、6、7 保持アーム
10、11、12、13 保持アーム
14、15、16、17 弾性取り付け手段
18、19、20、21 取り外し可能な固定手段
33 スクエア
34 ばね
35 磁石
51、52、53、54 保持アーム
54、55、56、57 ばね
65、66、67、68 ばね
69、70、71、72 吸盤
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば重力などの力、より詳細にはたとえば運動中の気体または液体などの流体の応力をうける再位置決め可能な荷重、特に再位置決め可能なパネルをほぼ垂直な定位置に保持する装置に関する。より詳細には本発明は、パネルに対しほぼ直角に応力を与える空気、風、または水の作用を受けるほぼ垂直な位置のパネルを保持することが可能な装置に関する。また、さらに詳細には、本発明は、たとえば、車両のルーフに対し垂直な位置かつ車両の移動方向に対し直角な面にあるパネルのように、パネルに対しほぼ直角に移動する空気の作用を受けるほぼ垂直なパネルの保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に広告または情報機能を有する平面パネルを車両のルーフ上に保持する装置は多数知られている。そのようなパネルは車体を損傷させることなく車両のルーフ上に取り付けたり、取り外したりすることができるものでなければらない。さらに、これらのパネルは車両の移動時にこれらのパネルに働く力に耐えることができるものでなければならない。
【0003】
1933年にF.J.オコナーに対し交付された特許文献1は、車両の移動方向に平行な面内すなわち車両の長手方向面内に設置されたパネルを車両に保持する装置について記述している。この装置の目的は、風の側面圧力に対しパネルを弾性的に堅固に保持することである。この目的のため、パネルは金属製ベルトシステムにより保持される。
【0004】
特許文献2は情報パネルの磁気支持体について記述している。この特許出願はその先行技術についての記述において「磁気的接着により磁気支持体が固定されるあらゆる金属表面上に設置することができるとともに、たとえば情報パネルなど種々の物体に支持体を固設するあらゆる種類の機械的固定具を受け入れる子とができる支持体が存在する。これらのパネルおよびその支持体が屋外にさらされ風の影響を受ける時には、通常、これらの機械的結合は、風の力によりパネルを傾斜させるが磁気支持体を脱落させることのないばねで構成される。」と言及している。このように、この特許出願について記述する先行技術によれば、パネルは風の力を受けて傾斜する。この文献の図1を参照すると、パネルは車両の移動方向に平行な面内すなわち車両の長手方向面内に設置されることがわかる。本技術に最も近いとされているこの特許文献2との間の差異については添付の図面を参照しながら以下で説明する。
【0005】
先行技術によるあらゆる装置は、車のルーフ上でのパネルの保持装置であって、車両上で容易に位置決めができ、車両から容易に取り外すことができ、車体を損傷することがなく、雨、より詳細には風などの悪天候に耐える装置を提供することを目的としている。先行技術によるこれらの装置は、車両の長手方向面内、すなわち車両の移動方向に平行な面内にほぼ平面のパネルを保持することのみを想定している。たとえば情報または広告などの表示を含むことを目的とするこれらのパネルは、基本的に車両の側面にいる人、すなわち車両の移動方向に対して平行な道路上を移動する歩行者から見えるものである。一方、広告パネルを有する車両の前方または後方に位置する他の車両の運転手はパネル上に表示される情報を見ることができない。ところで、パネルによって表示される情報の対象となる消費者の大部分は、個人の乗用車あるいは公共交通用車両の中にいるユーザーである。車両の進行方向に対し直角な面内にある広告パネルの意義と比較すると、車両の長手方向面内、すなわち車両の進行方向にある広告パネルの意義は低い。タクシーなどの車両の所有者の中にはその側面ドア上に広告メッセージを貼っている人もいるのがその証左である。しかしながら、この広告方法は、他の車両の運転手または乗客に対しては広告メッセージを視認性が確保されていないため、個人の乗用者の所有者からは支持されていない。一方、長距離バスまたは市内バス等の大型公共交通車両は、その側面だけでなく後面にも広告メッセージを掲載している。後者の場合、長距離バスまたは市内バスの後方に位置する車両の運転手にとっては後面の広告メッセージははるかに見やすく、広告スペースの貸主にとっては、長距離バスまたは市内バスの側面に設置された広告パネルの位置よりも有利である。
【特許文献1】米国特許第1942444号
【特許文献2】フランス特許出願第2658643号
【発明の開示】
【0006】
よって本発明の目的は、車両の移動方向に対して直角、したがって車両の長手方向面内、すなわち進行方向に対し平行な面内にパネルが設置される場合よりも強い、空気、風および/または雨の力に対して直角なパネルの支持体上に保持装置を提供することである。空気、風および/または雨、雪等の流体の力に対し直角なパネルの支持体上のこの装置はさらに、パネルをほぼ垂直な位置に保持しなければならない。事実、パネルが流体の力をうけて過度に傾斜すると情報または広告メッセージの読み取りができなくなる。
【0007】
したがって本発明の別の目的は、流体の力に対し直角であってほぼ垂直な位置にあるパネルの支持体に保持装置を提供することである。
したがって本発明の別の目的は、流体の力に対し直角であってほぼ垂直な位置にあるパネルの支持体に取り外し可能な方法で支持体に取り付けることができる装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、流体の力に対し直角なパネル支持体上の保持装置とパネルとで構成されるユニットを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、重力を受ける再位置決め可能な荷重をほぼ垂直に維持しつつ移動させることである。
【0008】
この目的のため本発明は、重量としてある力の圧力を受ける再位置決め可能な荷重の移動装置であって、反対端が、荷重上に再位置決め可能な取り外し可能取り付け手段に固設された弾性取り付け手段の一端部に接続された少なくとも1つの保持アームを含み、前記保持アームが駆動手段により移動駆動され、前記装置は、力により荷重に圧力が与えられると、少なくとも1つの弾性手段が圧縮力を受けかつ少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、荷重が一時的に前記移動装置に固設された状態に保持されることを特徴とする装置に関する。
【0009】
一実施形態によれば、本発明は、ほぼ垂直な位置にある流体の圧力に対し直角なパネルを支持体上に保持する装置であって、少なくとも2つの保持アームを含み、各アームが、パネルPに接続された端部と、反対端が支持体上の再位置決め可能および取り外し可能固定手段に固設された弾性取り付け手段の端部に接続された端部とを含み、弾性手段がパネルPの面とは異なる面内にあり、その結果、流体がパネルに圧力を加えると、少なくとも1つの弾性取り付け手段が圧縮力を受け、少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、パネルがその初期位置に保持されることを特徴とする装置に関する。
本発明の一実施形態によれば、装置は少くとも3つの弾性手段を含む。
【0010】
本発明による装置はさらに以下の特徴を含む:
弾性手段がばねである;
弾性手段がピストンシリンダーシステムである;
取り外し可能な固定手段が磁石である;
取り外し可能な固定手段が吸盤である;
保持アームが、一辺がパネルに固設されたほぼ三角形の形状を有するスクエアである;
2つの保持アームが、パネルに固設された辺により付き合わされた前記アームから成る保持プレートの必要不可欠な部分を成す。
パネルが、高さが装置の対称軸であり、両端における底辺が2つの弾性手段に固設され、2つの辺が曲線上であり凹形である台形形状を有する。
本発明による2つの装置は、重量が加えられる再位置決め可能な荷重を垂直方向に移動するために並列に設置することができる。
本発明による装置は、一直線上に設置された多数の弾性手段およびおよび取り外し可能固定手段のシステムを含むことができる。
【0011】
本発明および本発明によりもたらされる長所は、以下の例から明らかになろう。
図1は本発明による支持体上のパネル保持装置の上面概略図である。
図2は180度回転された図1による装置の上面概略図である。
図3は本発明による支持体上のパネル保持装置の別の実施形態の上面概略図である。
図4は文献FR−A−2658643において記述されている先行技術の装置の概略図である。
図5は本発明による装置の第一実施形態の斜視図である。
図6は本発明による装置の第二実施形態の斜視図である。
図7は本発明による装置の第一実施形態の側面図である。
図8は本発明による装置の第一実施形態の正面図である。
図9は本発明による装置の第二実施形態の側面図である。
図10は本発明による装置の第二実施形態の正面図である。
図11は本発明による装置の第三実施形態の斜視図である。
図12は本発明による装置の第四実施形態の正面図である。
図13は本発明による装置の第五実施形態の正面図である。
図14は本発明による装置の第六実施形態の正面図である。
図15は図14に示す装置の第六実施形態の斜視図である。
図16は、並列に設置され垂直な再位置決め可能な荷重を保持することが可能な2つの装置のユニットの正面図である。
図17は図16によるユニットの側面図である。
図18は多数の弾性手段および取り外し可能固定手段のシステムを含む本発明による装置の正面図である。
図19は図18による装置の上面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明による装置の略図であって動作のよりよい理解を可能にするものである。本発明による装置はパネルPを備えるが、その厚みは、長方形とすることができるパネルの主表面よりも薄い。したがってこの主表面は、パネルPの主表面に対しほぼ直角に力を加える流体のように矢印Fの方向に働く流体の作用を受ける。流体はたとえばパネルPの主表面の面に対し斜めな方向にその力を及ぼすことがある。流体は空気のような運動中の気体あるいは水のような液体とすることができる。本発明によれば、パネルPは(図1には示してない)支持体に取り付けられるが、この支持体は水平であっても(図7から図11、図13、図14を参照のこと)、また、図12に示すように少なくとも3つの弾性手段A、BおよびCを介して垂直であってもよい。これらの弾性取り付け手段は、支持体上に固定された端部1、およびパネルPの保持アーム3に固設された反対側端部2を有する。本発明の目的は、矢印F1の方向への流体の力を受けて支持体が外れたり、当初の位置から傾斜しないようにすることである。少なくとも3つの弾性取り付け手段A、BおよびCは、流体が力をパネルに与える時、少なくとも1つの弾性取り付け手段が圧縮力を受け、かつ少なくとも1つの弾性取り付け手段が伸張力を受けるようになっている。図1の場合、2つの弾性取り付け手段A、Bが伸張力を受け、弾性取り付け手段Cが圧縮力を受ける。伸張力を受ける手段はまず流体の力を受ける手段(図1の場合はAEおよびBE)であるが、圧縮力を受ける手段は他の手段の後に流体の力の作用を受ける手段(図1の場合はCC)である。図2の場合、伸張力を受ける弾性取り付け手段は、まずCE等の力F2の作用を受ける手段であり、圧縮力を受ける弾性取り付け手段は他の手段の後に、たとえばBCおよびAC等、矢印F2の方向に流体の力の作用を受ける手段である。矢印F2の方向は矢印F1の方向とは逆である。
【0013】
弾性取り付け手段A、BおよびCはその長さ方向に圧縮および伸張するが、流体の作用がある時S字状に変形することもできるコイルばねとすることができる。また、長さを変えることができるピストン−シリンダーシステムを設けることもできるが、これは変形することはできない。
【0014】
図3では、それぞれがばねを含む4つの保持アーム4、5、6および7を用いてパネルPが保持されることがわかる。2つの保持アーム4、5はパネルPの一方の側に位置し、他の2つの保持アーム6、7はパネルPの反対側の位置する。システムは前出の実施形態における場合と同じように作動する。パネルPが矢印F1の方向に流体の力を受けると、最初に流体の力F1を受けるアーム6、7のばねは伸張力を受けるが、他の手段の後に流体の圧力の作用を受けるアーム4、5のばねは圧縮力を受ける。反対に、アーム4、5のばねは矢印F1の方向とは反対の矢印F2の方向に伸張力を受け、アーム6、7のばねは圧縮力を受ける。
本発明によれば、弾性手段双方の作用によりパネルPは常に垂直面内に保持される。パネルの弾性取り付け手段は、パネルPの主表面の面とは異なる面内、すなわち流体の最も強い圧力を受けるパネルの表面とは異なる面内に少なくとも1つの弾性手段があることに留意されたい。
【0015】
文献FR−A−2658643において記述されている先行技術の装置の概略を示す図4を参照すると、パネルPはパネルPの面内に位置する2つのばね8、9により保持されることがわかる。パネルPの主表面が、主表面の面に対しほぼ直角な矢印Fの方向の流体の圧力を受けると、パネルPが傾斜し、文献FR−A−2658643において説明するように、パネルは支持体上すなわち車両のルーフの表面に伏臥する。本発明は特にこの現象を防止し、反対にパネルをほぼ垂直に保持することをねらいとする。
【0016】
ここまで本発明の原理について説明してきたので、以下では本発明の種々の実施形態について詳細に説明する。
図5は本発明による装置の第一実施形態の斜視図である。本発明によるパネルPの支持装置は、パネルPを垂直に保持することができる4つの保持アーム10、11、12、13を含む。これらのアームは、それぞれが支持体Sへの取り外し可能な固定手段18、19、20、21を含む弾性手段14、15、16、17を一端に有するスクエアの形態を有する。各スクエアは、その辺のうちの一辺上にパネルPを支承し、対向する辺の対向端に弾性手段を支承するほぼ三角形を成す本発明の主要な特徴によれば、弾性手段はパネルPの面とは異なる面内にあることに留意しなければならない。図7においてより詳細にわかるように、流体が矢印F1に従いパネルPに対し直角な方向に圧力を加えると、矢印F1の方向の流体の圧力を最初に受ける弾性取り付け手段14、16は伸張力を受けるが、矢印F1の方向の流体の圧力を次に受ける弾性取り付け手段15、17はは圧縮力を受ける。弾性取り付け手段14、15、16、17は前後方向であり、したがって支持体Sのパネルの下縁から遠ざかる。よって流体は下縁22の下を通過することができ、したがって力が分割される。
【0017】
再位置決め可能な取り外し可能固定手段18、19、20、21はたとえば磁石であるが、図6に示すように吸盤とすることもできる。磁石は電気誘導磁石とすることができ、電流が磁石に作用した時オンになり、電流が切られた時オフになるようにすることができる。それぞれが取り外し可能固定手段を含む任意の数の弾性手段を使用することができる。弾性手段−固定手段システムの数が多くなればなるほど、引き抜きに対する抗力も高くなる。
【0018】
本発明の可能な一実施形態を図9に示した。パネルPは2つのアングル32(たとえばアルミニウム製)をボルト締め31することにより固定される。パネルPの両側の4つのスクエア33(たとえば鋼製)はパネルに載架するようになり、ボルト締め31により相互に固定され、ボルト締め31により、全体が2つのアングル内に嵌込される。ばね34の上部は、ピン38上のボルト37によりパネルPとは反対側のスクエア33の端部の下部に固定される。ばね34の下部はボルト締め39により磁石35に固定される。
【0019】
図14には本発明の改良型装置を示したが、これは本発明の最良の実施形態でもある。パネルP’は前出の場合と同様、平面パネルではなく、前面および後面が装置の対称軸XXを通る垂直面から離れているパネルである。パネルP’は図5に示すスクエア10、11、12、13の形状にほぼ従う、すなわち垂直面41および水平面42の直角三角形の形状を有するが、第三の辺43は直線ではなく曲がっている、すなわち凹形である。パネルのこの形により流体の力を逸らすことが可能になり、この力は前出の実施例における場合のようにパネルの面に直接当たるのではなく、曲がった三角形の辺に触れ、図14上の矢印F3により示すように上方に逸れる。そのような装置はさらに流体の力の捕捉力が小さくなるので、さらに堅固に支持体Sに固定され、脱落する傾向は減少する。
【0020】
図5から図10および図14、図15に示す装置は、180km/時およびそれ以上の高速で移動する車のルーフ上に取り外し可能な方法で固定されるようになっている。したがって、車両の停止時に4つの磁石を使用して装置を取り付けるが、この装置はいったん取り付ければ、たとえ車両が180km/時以上になっても外れない。
【0021】
図11は、不動である地面に設置するようになっているパネルPを示す図である。
図12は、不動垂直壁上に4つの保持アーム51、52、53、54を有するパネルPを示す図である。アーム52、54は垂直パネルPの面より前の面内に位置するが、アーム51、53はパネルPの垂直面内に位置する。この装置は図3に示す略図に合致している。風が吹いてパネルPに当たると、それぞれアーム51および53の端部に設置されているばね55および57は圧縮状態にあるが、それぞれアーム52および54の端部に設置されているばね56および58は伸張状態にある。もし風が反対方向に吹くと、ばね54および56が伸張状態になり、ばね55が圧縮状態になる。このように風向きの如何にかかわらずパネルは垂直のままである。
【0022】
図13に示す装置は、パネルPが平面ではなく円筒形であるため、前出の装置とは若干異なっている。この装置は、4つの吸盤69、70、71、72により地面に固定された4つのばね65、66、67、68に固設された4つのアーム61、62、63および64により地面に固定されるようになっている。任意の方向に風が吹くと、その風によりシリンダーに圧力がかかり、上で説明したように2つのばねが圧縮状態になり、他の2つのばねが伸張状態になり、その結果パネルPを垂直に保持する。
上で記述したいずれの装置においても、ばねはさらにパネルの下縁部を支持体から離れた位置に保持するという機能を有し、それにより、流体の流路の一部を偏向させ、パネルへの衝撃力を低減させることも可能になる。
【0023】
図16および図17に示すユニットは本発明による2つの装置で構成される。この装置は1つの保持アーム80と、保持アーム80の各端部に位置する2つの弾性取り付け手段81、82を有することがわかる。各弾性手段81、82の端部は再位置決め可能および取り外し可能な固定手段83、84に固設され、この手段は磁石であることが好ましいが吸盤であってもよい。これらの固定手段83、84は、重量がアームに対し力F5を及ぼす荷重Cの壁部に設置され、この力は荷重への重量の作用に相当し、したがって荷重の重さによって加えられるものとみなすことができる。装置の下部に設置された弾性手段82は伸張力F6を受け、弾性手段82よりも高いところに設置された弾性手段83は収縮力F7を受ける。こうして装置により荷重は保持される。たとえばケーブル85を使用して保持アーム80が上方に移動される場合、荷重は本発明による保持装置により駆動される。図16には、1つの保持アームと、再位置決めおよび取り外し可能な固定手段を端部に具備する少なくとも2つの弾性手段とでそれぞれ構成される、本発明による2つの装置を示した。これら2つの装置は並列に設置され、荷重Cを保持および移動することができるユニットを形成する。好ましくは、2つの装置が、装置の変形および荷重分布の向上を可能にする連接部86、87を含む。
【0024】
図18には、位置決めおよび取り外し可能な固定手段96、97、98、99、100をそれぞれ端部に具備する多数の弾性手段91、92、93、94、95を有する装置を示した。
図19では、位置決めおよび取り外し可能な固定手段96、97、98、99、100が一列に並んでいることがわかる。前出の実施形態の場合と同様、弾性手段は、ケーブル102により駆動される保持アーム101に固設される。ケーブル102により保持アーム101が上昇すると、ばね91は伸張力を受けるが、最も下のばねから最も離れたばね100は圧縮力を受ける。そのような装置により荷重を保持し駆動することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による支持体上のパネル保持装置の上面概略図である。
【図2】180度回転された本発明による装置の上面概略図である。
【図3】本発明による支持体上のパネル保持装置の別の実施形態の上面概略図である。
【図4】文献FR−A−2658643において記述されている先行技術の装置の概略図である。
【図5】本発明による装置の第一実施形態の斜視図である。
【図6】本発明による装置の第二実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による装置の第一実施形態の側面図である。
【図8】本発明による装置の第一実施形態の正面図である。
【図9】本発明による装置の第二実施形態の側面図である。
【図10】本発明による装置の第二実施形態の正面図である。
【図11】本発明による装置の第三実施形態の斜視図である。
【図12】本発明による装置の第四実施形態の正面図である。
【図13】本発明による装置の第五実施形態の正面図である。
【図14】本発明による装置の第六実施形態の正面図である。
【図15】図14に示す装置の第六実施形態の斜視図である。
【図16】並列に設置され垂直な再位置決め可能な荷重を保持することが可能な2つの装置のユニットの正面図である。
【図17】図16によるユニットの側面図である。
【図18】多数の弾性手段および取り外し可能固定手段のシステムを含む本発明による装置の正面図である。
【図19】図16による装置の上面図である。
【符号の説明】
【0026】
2 反対側端部
3、4、5、6、7 保持アーム
10、11、12、13 保持アーム
14、15、16、17 弾性取り付け手段
18、19、20、21 取り外し可能な固定手段
33 スクエア
34 ばね
35 磁石
51、52、53、54 保持アーム
54、55、56、57 ばね
65、66、67、68 ばね
69、70、71、72 吸盤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量としてある力の圧力を受ける再位置決め可能な荷重の移動装置であって、反対端が、荷重上に再位置決め可能な取り外し可能取り付け手段に固設された弾性取り付け手段の一端部に接続された少なくとも1つの保持アームを含み、前記保持アームが駆動手段により移動駆動され、前記装置は、力により荷重に圧力が与えられると、少なくとも1つの弾性手段が圧縮力を受けかつ少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、荷重が一時的に前記移動装置に固設された状態に保持されることを特徴とする装置。
【請求項2】
ほぼ垂直な位置にある流体の圧力に対し直角なパネルを支持体上に保持する装置であって、少なくとも2つの保持アームを含み、各アームが、パネルPに接続された端部と、反対端が支持体上の再位置決め可能および取り外し可能固定手段に固設された弾性取り付け手段の端部に接続された端部とを含み、弾性手段がパネルPの面とは異なる面内にあり、その結果、流体がパネルに圧力を加えると、少なくとも1つの弾性取り付け手段が圧縮力を受け、少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、パネルがその初期位置に保持されることを特徴とする装置。
【請求項3】
少くとも3つの弾性手段を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性手段がばねであることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性手段がピストンシリンダーシステムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項6】
前記再位置決めおよび取り外し可能な固定手段が磁石であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記再位置決めおよび取り外し可能な固定手段が吸盤であることを特徴とする、請求項1から6の請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記保持アームが、一辺がパネルに固設されたほぼ三角形の形状を有するスクエアであることを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
2つの保持アームが、パネルに固設された辺により付き合わされた前記アームから成る保持プレートの必要不可欠な部分を成すことを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
二面パネル、円筒形パネルの中から前記パネルが選択されることを特徴とする、請求項2から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記パネルが、高さが装置の対称軸であり、両端における底辺が2つの弾性手段に固設され、2つの辺が曲線上であり凹形である台形形状を有することを特徴とする、請求項2から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持体が不動であることを特徴とする、請求項2から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記支持体が可動であり、好ましくは自動車のルーフであることを特徴とする、請求項2から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
並列に設置された請求項1に記載の少なくとも2つの装置に相当する重量が加えられる再位置決め可能な荷重を垂直方向に移動するためのユニット。
【請求項15】
一直線上に設置された多数の弾性手段およびおよび取り外し可能固定手段のシステムを具備する請求項1に記載の装置を含む重量が加えられる再位置決め可能な荷重を垂直方向に移動するためのユニット。
【請求項1】
重量としてある力の圧力を受ける再位置決め可能な荷重の移動装置であって、反対端が、荷重上に再位置決め可能な取り外し可能取り付け手段に固設された弾性取り付け手段の一端部に接続された少なくとも1つの保持アームを含み、前記保持アームが駆動手段により移動駆動され、前記装置は、力により荷重に圧力が与えられると、少なくとも1つの弾性手段が圧縮力を受けかつ少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、荷重が一時的に前記移動装置に固設された状態に保持されることを特徴とする装置。
【請求項2】
ほぼ垂直な位置にある流体の圧力に対し直角なパネルを支持体上に保持する装置であって、少なくとも2つの保持アームを含み、各アームが、パネルPに接続された端部と、反対端が支持体上の再位置決め可能および取り外し可能固定手段に固設された弾性取り付け手段の端部に接続された端部とを含み、弾性手段がパネルPの面とは異なる面内にあり、その結果、流体がパネルに圧力を加えると、少なくとも1つの弾性取り付け手段が圧縮力を受け、少なくとも1つの弾性手段が伸張力を受け、その結果、パネルがその初期位置に保持されることを特徴とする装置。
【請求項3】
少くとも3つの弾性手段を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性手段がばねであることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性手段がピストンシリンダーシステムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項6】
前記再位置決めおよび取り外し可能な固定手段が磁石であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記再位置決めおよび取り外し可能な固定手段が吸盤であることを特徴とする、請求項1から6の請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記保持アームが、一辺がパネルに固設されたほぼ三角形の形状を有するスクエアであることを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
2つの保持アームが、パネルに固設された辺により付き合わされた前記アームから成る保持プレートの必要不可欠な部分を成すことを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
二面パネル、円筒形パネルの中から前記パネルが選択されることを特徴とする、請求項2から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記パネルが、高さが装置の対称軸であり、両端における底辺が2つの弾性手段に固設され、2つの辺が曲線上であり凹形である台形形状を有することを特徴とする、請求項2から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持体が不動であることを特徴とする、請求項2から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記支持体が可動であり、好ましくは自動車のルーフであることを特徴とする、請求項2から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
並列に設置された請求項1に記載の少なくとも2つの装置に相当する重量が加えられる再位置決め可能な荷重を垂直方向に移動するためのユニット。
【請求項15】
一直線上に設置された多数の弾性手段およびおよび取り外し可能固定手段のシステムを具備する請求項1に記載の装置を含む重量が加えられる再位置決め可能な荷重を垂直方向に移動するためのユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2007−517175(P2007−517175A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546226(P2006−546226)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003197
【国際公開番号】WO2005/071642
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506218170)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003197
【国際公開番号】WO2005/071642
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506218170)
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