説明

急速ハンドオフ

【課題】第1のセクタから第2のセクタへハンドオフすることを容易にするシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】第2のセクタと通信するために、第1のセクタへの確立されたリンクが用いられる。無線端末から第2のセクタへのハンドオフ要求と第2のセクタから無線端末への対応するハンドオフ応答の両方が第1のセクタを経由する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記述は、主として無線通信に関し、特に、無線通信におけるアクセスポイント間または基地局間のハンドオフに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの通信を提供するために無線通信システムが広く展開されており、たとえば、音声および/またはデータが、このような無線通信システムを介して提供される。典型的な無線通信システム(またはネットワーク)は、1つまたは複数の共用リソースへのアクセスを複数のユーザに提供する。たとえば、システムは、種々の多重アクセス手法(たとえば、周波数分割多重方式(FDM)、時分割多重方式(TDM)、符号分割多重方式(CDM)など)を用いる。
【0003】
一般的な無線通信システムは、あるカバレージエリアを提供する1つまたは複数の基地局を用いる。典型的な基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス、および/またはユニキャストサービスとして、複数のデータストリームを送信する(ここでのデータストリームとは、無線端末にとって個別受信の関心対象になりうるデータのストリームである)。このような基地局のカバレージエリア内にある無線端末が、複合ストリームによって搬送される1つ、複数、またはすべてのデータストリームを受信するために用いられる。同様に、無線端末は、基地局または別の無線端末にデータを送信する。
【0004】
無線通信システムにおいては、基地局間および/または基地局セクタ間のハンドオフが一般的に発生する。たとえば、無線端末が現在接続されているセクタとは別のセクタからしきい値を超える信号品質(たとえば、信号対雑音比(SNR))の信号を検出した場合には、無線端末は、その別のセクタにアクセスすることを試みるように、ハンドオフは、移動側主導である。多くの場合、検出された別のセクタにアクセスする前に現在のセクタとのリンクを切断するように、メークビフォアブレークハンドオフ(make before break handoff)が利用される。さらに、セクタへのアクセスは、2つ以上の無線端末が共用リソース(たとえば、チャネル)上でほぼ同時にアクセス要求をセクタへ送信するコンテンション方式である。したがって、コンテンション方式を用いると、典型的な無線通信システムにおけるハンドオフは、著しい時間遅延に直面する可能性がある。さらに、異なるセクタが異なるキャリヤに関連付けられるマルチキャリヤ設定において従来のハンドオフを実行する無線端末は、ハンドオフのために他のセクタおよび/またはキャリヤを再チューニング(retuning)によって探索することになり、それによって、現在の接続が失われる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
以下では、1つまたは複数の実施形態の基本的理解を与えるために、このような実施形態の簡略化された概要を説明する。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な、または不可欠な要素を識別するものでもなく、いくつかまたはすべての実施形態の範囲を線引きするものでもない。この概要の唯一の目的は、後述される、より詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を、簡略化された形式で提示することである。
【0006】
1つまたは複数の実施形態ならびに、対応するこれらの開示によれば、第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフを容易にすることに関連して、各種態様が記載されている。第2のセクタと通信するために、第1のセクタへの確立されたリンクが用いられる。無線端末から第2のセクタへのハンドオフ要求と、第2のセクタから無線端末への対応するハンドオフ応答とが、両方とも第1のセクタを横切る。
【0007】
関連する態様によれば、第1のセクタから第2のセクタへハンドオフする方法がここに記載されている。本方法は、第2のセクタから発せられている信号を検出することを備える。本方法はさらに、第1のセクタとの第1のリンクを経由して第2のセクタへハンドオフ要求を送信することを含む。さらに、本方法は、第1のリンクおよび第1のセクタを経由して第2のセクタから、識別情報を含むハンドオフ応答を受信することを含む。さらに、本方法は、識別情報を利用して第2のセクタとの第2のリンクを確立することを備える。
【0008】
別の態様は、第1のセクタから第2のセクタへハンドオフする命令を保持するメモリを含む無線通信装置に関する。さらに、プロセッサが、第2のセクタに関連付けられた信号を検出することと、第1のセクタとの第1のリンクを経由して第2のセクタへハンドオフ要求を送信することと、第1のリンクおよび第1のセクタを経由して第2のセクタからハンドオフ応答を受信することと、ハンドオフ応答に含まれた識別情報に基づいて、第2のセクタとの第2のリンクを作成することとを行う。
【0009】
さらに別の態様は、第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフに伴う遅延を軽減する無線通信装置に関する。本無線装置は、第2のセクタから発せられている信号を検出する手段と、第1のセクタとの第1のリンクを経由して第2のセクタへハンドオフ要求を送信する手段と、第1のリンクおよび第1のセクタを経由して第2のセクタからハンドオフ応答を受信する手段と、第2のセクタとの第2のリンクを確立する手段とを含む。
【0010】
さらに別の態様は、マシン実行可能な命令を記憶しているマシン可読媒体に関し、これらの命令は、第2のセクタに関連付けられたビーコンを受信することと、第1のセクタとの第1のリンクを経由して第2のセクタへハンドオフ要求を送信することとを行う各命令である。さらに、本マシン可読媒体は、第1のリンクおよび第1のセクタを経由して第2のセクタから、識別情報を含むハンドオフ応答を取得する、マシン実行可能な命令を記憶している。さらに、本マシン可読媒体は、識別情報を利用して第2のセクタとの第2のリンクを作成する、マシン実行可能な命令を記憶している。
【0011】
別の態様によれば、プロセッサが本明細書に記載されており、本プロセッサは、第2のセクタに関連する信号を検出する命令を実行することが可能である。さらに、本プロセッサは、第1のセクタとの第1のリンクを経由して第2のセクタへ急速ハンドオフ要求を送信する命令を実行する。本プロセッサはさらに、第1のリンクおよび第1のセクタを経由して第2のセクタから、識別情報を含むハンドオフ応答を受信する命令を実行する。さらに、本プロセッサは、識別情報を利用して第2のセクタとの第2のリンクを確立する命令を実行する。
【0012】
他の態様によれば、ハンドオフ遅延を軽減するために無線端末にリソースを割り当てることを容易にする方法がここに記載されている。本方法は、別のセクタを経由して無線端末からハンドオフ要求を受信することを含む。また、本方法は、無線端末にリソースを割り当てることを含む。本方法はさらに、割り当てられたリソースに関連付けられた識別情報を含むハンドオフ応答を送信することを備える。さらに、本方法は、割り当てられたリソースを用いて無線端末とのリンクを確立することを含む。
【0013】
さらに別の態様は、無線端末に関連付けられた識別子を保持するメモリを含む無線通信装置に関する。さらに、プロセッサが、無線端末からハンドオフ要求を受信することと、無線端末に関連付けられた識別子をハンドオフ要求に組み込むことと、ハンドオフ要求を別のセクタへルーティングすることと、別のセクタからハンドオフ応答を受信することと、このハンドオフ応答を無線端末へ転送することとを行う。
【0014】
別の態様は、ハンドオフに関連する利用のために無線端末にリソースを割り当てる無線通信装置に関する。本無線通信装置は、別のセクタを経由して無線端末からハンドオフ要求を取得する手段と、この無線端末にリソースを割り当てる手段と、割り当てられたリソースに関連付けられた識別情報を、ハンドオフ応答のかたちで、別のセクタを経由して無線端末へ送信する手段と、割り当てられたリソースを利用して無線端末とのリンクを確立する手段とを含む。
【0015】
さらに別の態様は、マシン実行可能な命令を記憶しているマシン可読媒体に関し、これらの命令は、ビーコンに対する応答としてのハンドオフ要求を、別のセクタを経由して無線端末から受信することと、この無線端末にリソースを割り当てることと、このリソースに関連付けられた識別情報を、ハンドオフ応答のかたちで、別のセクタを経由して無線端末へ送信することと、このリソースを用いて無線端末とのリンクを作成することとを行う各命令である。
【0016】
別の態様によれば、プロセッサがここに記載されており、本プロセッサは、別のセクタに対するハンドオフ要求を無線端末から受信することと、この別のセクタへハンドオフ要求をルーティングすることと、この別のセクタから、無線端末に対するハンドオフ応答を受信することと、このハンドオフ応答を無線端末へ送信することとを行う命令を実行する。
【0017】
前述の目的および関連する目的の達成に向けて、1つまたは複数の実施形態は、以下で詳細に説明される特徴であって、特に特許請求の範囲において指摘される特徴を備える。以下の説明ならびに添付図面は、1つまたは複数の実施形態の特定の例示的態様を詳細に示す。しかしながら、これらの態様は、各種実施形態の原理を用いることができる種々の方法のうちのいくつかを示すものに過ぎず、記載の実施形態は、このような態様およびこれらの等価物のすべてを包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本明細書に記載の各種態様による無線通信システムを示す図である。
【図2】図2は、第1のセクタから第2のセクタへの急速ハンドオフを実行することの例示的概略を示す図である。
【図3】図3は、急速ハンドオフに関連して用いられるセクタへの物理レイヤアクセスを実行することの例示的概略を示す図である。
【図4】図4は、急速ハンドオフに関連付けられた最適化物理レイヤアクセスの例示的概略を示す図である。
【図5】図5は、確立されている接続を利用してハンドオフ遅延を軽減するために用いられる通信装置を示す図である。
【図6】図6は、アクセス状態に関連付けられた種々の動作を含むフローチャートである。
【図7】図7は、スリープまたはナル状態にある無線端末(WT)が基地局セクタ(BSS)とのオンまたはホールド状態に移行しようとする場合に実施される、ランダムアクセスに関連付けられた例示的概略を示す図である。
【図8】図8は、種々のチャネルセグメントの例示的描写である。
【図9】図9は、物理レイヤアクセスに関連する例示的タイミング図である。
【図10】図10は、第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフを容易にする方法論を示す図である。
【図11】図11は、急速ハンドオフに関連する利用のためにハンドオフ関連信号のルーティングを容易にすることの方法論を示す図である。
【図12】図12は、ハンドオフ遅延を軽減するために物理レイヤアクセスの前に無線端末へのリソースの割り当てを可能にする方法論を示す図である。
【図13】図13は、各種態様に従って実装された例示的通信システム(たとえば、携帯電話通信ネットワーク)を示す図である。
【図14】図14は、各種態様に関連付けられた例示的エンドノード(たとえば、移動ノード)を示す図である。
【図15】図15は、ここに記載の各種態様に従って実装された例示的アクセスノードを示す図である。
【図16】図16は、第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフに伴う遅延を軽減するシステムを示す図である。
【図17】図17は、ハンドオフに関連する利用のために、無線端末にリソースを割り当てるシステムを示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0019】
以下では、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。図面では、全体を通して、同様の参照符号は同様の要素を指している。以下の記述では、1つまたは複数の実施形態が十分に理解されるように、説明を目的として、多くの具体的な細部が示されている。しかしながら、これらの具体的な細部がなくても、このような1つまたは複数の実施形態を実施することが可能であることは明らかであろう。別の具体例では、1つまたは複数の実施形態の説明を容易にするために、周知の構造および装置がブロック図形式で示されている。
【0020】
ここで使用されている、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」などの用語は、コンピュータ関連エンティティ(ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェア)を意味するものとする。たとえば、コンポーネントは、プロセッサで実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよいが、これらに限定されない。例として、コンピューティング装置で実行されているアプリケーションも、このコンピューティング装置も、コンポーネントであってよい。プロセスおよび/または実行スレッドには、1つまたは複数のコンポーネントが存在可能であり、コンポーネントは、1つのコンピュータに集中配置されること、および/または、2つ以上のコンピュータに分散配置されることが可能である。さらに、これらのコンポーネントは、種々のデータ構造が記憶されている種々のコンピュータ可読媒体から実行されることが可能である。コンポーネント同士は、1つまたは複数のデータパケット(たとえば、ローカルシステムや分散システムにある別のコンポーネントと、および/または、インターネットのようなネットワークを経由して他のシステムと、信号を手段として対話している1つのコンポーネントからのデータ)を有する信号に従うように、ローカルおよび/またはリモートプロセスを手段として通信することが可能である。
【0021】
さらに、ここでは、無線端末に関連して種々の実施形態が記載されている。無線端末とは、音声および/またはデータの接続性をユーザに提供する装置を意味するものであってよい。無線端末は、ラップトップコンピュータやデスクトップコンピュータのようなコンピューティング装置に接続されるものであってよく、または携帯情報端末(PDA)のような、内蔵型の装置であってもよい。無線端末は、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、移動装置、遠隔局、アクセスポイント、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザ装置、またはユーザ機器と呼ばれることもある。無線端末は、加入者局、無線装置、携帯電話、PCS電話、コードレス電話、セッションイニシエーションプロトコル(SIP)電話、無線ローカルループ(WLL:Wireless Local Loop)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド装置、または他の、無線モデムに接続された処理装置であってよい。
【0022】
基地局(たとえば、アクセスポイント)は、アクセスネットワーク内にあって、無線インタフェースにより、1つまたは複数のセクタを経由して無線端末と通信する装置を意味するものであってよい。基地局は、受信された無線インタフェースフレームをIPパケットに変換することにより、無線端末と、アクセスネットワークの(IPネットワークを含んでよい)残りの部分との間のルータとして動作することが可能である。基地局はさらに、無線インタフェースに対する属性の管理を調整する。
【0023】
さらに、ここで記載の各種態様または特徴は、標準的なプログラミング手法および/または設計手法を用いて、方法、装置、または製品として実施されることが可能である。本明細書で使用される「製品」という用語は、任意のコンピュータ可読な装置、キャリヤ、または媒体からのアクセスが可能なコンピュータプログラムを包含するものとする。たとえば、コンピュータ可読媒体としては、磁気記憶装置(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなど)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)など)、スマートカード、フラッシュメモリ装置(たとえば、EPROM、カード、スティック、キードライブなど)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、ここに記載の種々の記憶媒体は、情報を記憶する1つまたは複数の装置および/または他のマシン可読媒体を表すことが可能である。「マシン可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令および/またはデータを記憶、収容、および/または搬送することが可能な無線チャネルおよび他の種々の媒体を含んでよいが、これに限定されない。
【0024】
図1は、ここに記載の種々の実施形態による無線通信システム100を示す。システム100は、無線端末106に対して無線通信信号の受信、送信、再生などを行う任意の数の基地局セクタ(たとえば、基地局セクタ1 102、基地局セクタ2 104など)を備える。基地局セクタ1 102および基地局セクタ2 104は、同じ基地局または別々の基地局に関連付けられる。さらに、システム100は、無線端末106と同等の複数の無線端末を含みうるものとする。当業者であれば理解されるように、基地局セクタ102、104は、送信チェーンおよび受信チェーンを備え、これらのそれぞれが、信号の送信および受信に関連付けられた複数のコンポーネント(たとえば、プロセッサ、変調器、多重化装置、復調器、多重分離装置、アンテナなど)を備える。基地局セクタ102、104は、固定ロケーションに位置し、および/または、移動式である。無線端末106は、たとえば、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信装置、ハンドヘルドコンピューティング装置、衛星無線、全地球測位システム、PDA、および/または、他の任意の、無線通信システム100による通信に適した装置である。無線端末106もまた、固定式であっても移動式であってもよい。
【0025】
無線端末106は、いかなる時点においても、ダウンリンクチャネルおよび/またはアップリンクチャネルで、基地局セクタ102、104(および/または、別の1つまたは複数の基地局セクタ)と通信することが可能である。ダウンリンクは、基地局セクタ102、104から無線端末106への通信リンクを意味し、アップリンクチャネルは、無線端末106から基地局セクタ102、104への通信リンクを意味する。基地局セクタ102、104は、さらに、他の1つまたは複数の基地局セクタ、および/または、(たとえば、無線端末106の認証および権限付与、アカウンティング、課金などのような機能を実行する)任意のまったく異なる装置(たとえば、サーバ)(図示せず)と通信する。「セクタ」という用語は、一般に理解されているように、地理的セクタを意味し、あるいは、アップリンクおよびダウンリンクの送信が搬送される個々のキャリヤ周波数(または、キャリヤ周波数のペア)を意味することに注意されたい。したがって、「基地局セクタ」は、同じ基地局によってカバーされる2つの地理的セクタを意味するか、同じ地理的エリアにおける2つのキャリヤ周波数を意味する。
【0026】
システム100は、第1の基地局セクタ(たとえば、基地局セクタ1 102)から第2の基地局セクタ(たとえば、基地局セクタ2 104)へのハンドオフに伴う遅延を軽減することを可能にする。このような遅延は、無線端末106が第1の基地局セクタにも第2の基地局セクタにも接続されていない時間である。たとえば、無線端末106が基地局セクタ1 102に物理的に接続されるように、現在のリンクが無線端末106と基地局セクタ1 102との間に存在する。この、無線端末106と基地局セクタ1 102との間のリンクは、任意の様式で確立されていてもよい。無線端末106は、基地局セクタ2 104から発せられている信号(たとえば、ビーコン)を検出して、基地局セクタ1 102から基地局セクタ2 104へのハンドオフを開始することを決定する。無線端末106は、無線端末106において受信された信号の評価(たとえば、信号強度、SNR、信号品質など)に基づいて、基地局セクタ2 104へハンドオフすることを決定する。
【0027】
無線端末106は、基地局セクタ1 102との現在のリンクを用いて、基地局セクタ2 104へのハンドオフを実行する。無線端末106と基地局セクタ2 104との間の新しいリンクのセットアップを可能にするために、(たとえば、無線端末106、基地局セクタ2 104などから送信された)種々の信号が基地局セクタ1 102を経由する。このように、基地局セクタ2 104への物理的切り替えに先立って(たとえば、無線端末106と基地局セクタ2 104との間に物理的接続が存在する前に)、初期設定の少なくとも一部が実行される。
【0028】
無線端末106は、基地局セクタ2 104から発せられている信号(たとえば、ビーコン)を検出し、ハンドオフの実行を決定すると、基地局セクタ2 104に関連付けられた接続識別子(connection identifier)(CID)を導出する。無線端末106は、基地局セクタ1 102との現在のリンクを経由して、ハンドオフ要求(たとえば、急速ハンドオフ要求)を送信し、基地局セクタ1 102は、その後、ハンドオフ要求を基地局セクタ2 104にルーティングする。一例によれば、ハンドオフ要求は、基地局セクタ2 104に関連付けられた、導出されたCIDを含む。別の例によれば、ハンドオフ要求は、このハンドオフが、導出されたCIDに関連している基地局セクタに関連付けられていることを示す、レイヤ2メッセージである。
【0029】
このハンドオフ要求に対する応答として、基地局セクタ2 104は、ハンドオフ応答を基地局セクタ1 102へ送信し、その後、ハンドオフ応答は、無線端末106へ送信される。ハンドオフ応答は、基地局セクタ2 104によって提供された、無線端末106と基地局セクタ2 104との間のリンクを確立することに関して利用される識別情報を含む。この識別情報は、たとえば、セッションオンID(session ON ID)、アクティブID、(たとえば、無線端末106のために予約された)割り当てられたアクセススロット、タイミング情報、移行先(destination)媒体アクセス制御(MAC)状態の識別(たとえば、オン状態、ホールド状態、スプリットトーンオン状態など)、割り当てられたID(たとえば、MAC ID、セッションオンID、アクティブIDなど)の有効期間などを含む。
【0030】
無線端末106は、ハンドオフ応答によって得られた識別情報を利用して、基地局セクタ2 104とのリンクを確立する。たとえば、無線端末106は、(たとえば、基地局セクタ1 102と基地局セクタ2 104とが別々のキャリヤに関連付けられている場合には)基地局セクタ2 104とのリンクを確立する前に、基地局セクタ1 102とのリンクを切断する。別の例によれば、基地局セクタ1 102と基地局セクタ2 104とが同じキャリヤを用いている場合、無線端末106は、両基地局セクタ102、104と同時に接続する(そして、無線端末106と基地局セクタ1 102との間のリンクは、切断される必要がない)。
【0031】
ハンドオフ応答に関連付けられた識別情報を利用することにより、無線端末106と基地局セクタ2 104との間の物理的接続を取得する従来の物理(PHY)アクセス動作が修正される。一例示的アクセス方式では、無線端末106および基地局セクタ2 104は、アクセス要求、アクセス許可、およびアクセス交換に関連付けられた情報を転送する。システム100によって実行される何種類かの急速ハンドオフ(たとえば、同じ論理リンクコントローラに対応する急速ハンドオフ)では、タイミングおよび電力の補正を搬送するアクセス要求/アクセス許可シグナリング、および/またはアクセス交換シグナリングを省略することが可能である。一例によれば、基地局セクタ2 104からのハンドオフ応答メッセージの中のNビット(Nは任意の整数であってよい(たとえば、2ビット))が、物理アクセスレイヤ動作のどの部分が実行または省略されるべきかを明示的に示す(たとえば、アクセス交換シグナリングを省略する、アクセス手順全体を省略する、など)。
【0032】
アップリンクチャネル構造のアクセス間隔におけるリソースを、ページング肯定応答(paging acknowledgment)チャネルと専用アクセス要求チャネルとの間で共用する。これらのリソースは、典型的には、ページング肯定応答セグメントの専用であるが、場合によっては、急速ハンドオフの一環として専用(コンテンションフリー)アクセス要求セグメントとして使用されるように動的に再割り当てされる。これらのリソースが専用アクセス要求セグメントとして利用される場合、基地局セクタは、対応するダウンリンクページを省略することが可能であるが、この場合、基地局セクタは、アクセス要求セグメントの同じリソースで肯定応答されることが必要である。基地局セクタが対応するダウンリンクページを送信する場合は、ページングされる無線端末が同じリソースでページ応答信号を送信するために、結果として衝突が起こることに注意されたい。無線リンクリソースを共用し、ページング肯定応答としての使用から専用アップリンクアクセスセグメントとしての使用への動的再割り当てを実行することにより、進行中のページング動作の中断を最小限にして、リソースの効率的な使用を達成する。
【0033】
図2は、第1のセクタ(たとえば、セクタ1(図1の基地局セクタ1 102))から第2のセクタ(たとえば、セクタ2(図1の基地局セクタ2 104))への急速ハンドオフを実行することの例示的概略200を示す。無線端末(たとえば、図1の無線端末106)は、セクタ1に関連付けられた既に確立されているリンク202(たとえば、物理接続)を有している。無線端末は、セクタ2からの信号204(たとえば、ビーコン)を検出する。たとえば、無線端末は、セクタ1以外の1つまたは複数のセクタ(たとえば、セクタ2)から発せられている信号を連続的に取得し、受信された信号を評価する。無線端末は、信号204の解析(たとえば、強度、信号対雑音比など)に基づいて、ハンドオフを実行することを決定する。たとえば、セクタ1とセクタ2とが同じキャリヤを利用している場合には、無線端末は、信号204の信号品質が、セクタ1に関連付けられた信号品質より劣っている場合でも、ハンドオフを実行することを選択しうる。これは、無線端末が、両方のセクタに同時に接続することが可能なためである。セクタ1とセクタ2とが異なるキャリヤを利用している場合には、無線端末は、セクタ2に関連付けられている、検出された信号204の信号品質が、セクタ1に関連付けられている信号品質より高い場合に、ハンドオフを実行する。これは、(たとえば、無線端末が狭帯域移動体である場合には)リンク202がドロップしているためである。さらに、無線端末は、検出された信号204に基づいて、セクタ2に対応する接続識別子(CID)を導出する。
【0034】
無線端末は、急速ハンドオフメッセージを生成する。たとえば、急速ハンドオフメッセージは、リンクが確立されるセクタ(たとえば、セクタ2)および/またはキャリヤに関連付けられたCIDを含む。それ以外のパラメータ(たとえば、リンク202に加え、別の現在の1つまたは複数の接続に関連付けられたCIDなど)も、急速ハンドオフメッセージに含まれる。このメッセージは、ハンドオフ要求206として、既存のリンクを経由してセクタ1へ送信される。さらに、CIDは、ハンドオフ要求がルーティングされる先の、別のセクタ(たとえば、セクタ2)を、セクタ1に伝える。たとえば、セクタ1は、セクタ2に関連付けられたCIDを翻訳して、ルーティング可能アドレスを生成し、および/または、ハンドオフ要求206を、IPプロトコルに基づいてカプセル化する。さらに、セクタ1は、この無線端末に関連付けられた移動体識別子をハンドオフ要求に組み込む。加えて、または代替として、無線端末は、関連付けられた移動体識別子を、セクタ1に送信されるハンドオフ要求206に含める。
【0035】
セクタ1は、その後、ハンドオフ要求208をセクタ2へ転送する。セクタ2は、ハンドオフ要求208がセクタ1によって送信されたものであって、無線経由ではないことを識別する。セクタ2は、要求を許可するかどうかを決定する。一例によれば、セクタ2は、セクタ1を経由して、無線端末との暗号化鍵の交換(図示せず)を開始する。この例によれば、暗号化鍵の交換に関連する、セクタ2と無線端末との間のダウンリンクおよびアップリンクの通信は、セクタ1を経由してルーティングされる。
【0036】
セクタ2は、無線端末にリソースを割り当て、これらの割り当てられたリソースは、識別情報としてハンドオフ応答210に含められ、ハンドオフ応答210は、セクタ1へ送信される。識別情報は、たとえば、割り当てられたアクセススロット、タイミング情報、1つまたは複数のMACレイヤ識別子(たとえば、セッションオン状態で用いられるセッションオンID、アクティブ状態で用いられるアクティブID)、移行先MAC状態を識別する情報、割り当てられたIDの有効期間などである。セクタ1はさらに、無線端末と通信して、ハンドオフ応答212を渡す。
【0037】
たとえば、無線端末は、受信されたハンドオフ応答212で、コンテンションフリーアクセススロットを取得する。コンテンションフリーアクセススロットは、アクセスチャネルの専用部分にある。コンテンションフリーアクセススロットは、急速ハンドオフ用として静的に予約されておらず、他の目的(たとえば、ページングの肯定応答)に利用される。しかしながら、所与のコンテンションフリーアクセススロットが急速ハンドオフ用としていったん割り当てられると、このスロットは、別のいかなる用途にも利用できなくなる。さらに、たとえば、11.4ミリ秒の時間間隔に、7個のアクセススロットをアクセスに用いる。7個のアクセススロットのうちの6個は任意のアクセス無線端末によって使用されるためにコンテンションにさらされるが、7個目のアクセススロットは、割り当てられた無線端末だけが7個目のアクセススロットを使用することを許可されるという意味で、コンテンションフリーアクセスに利用される。しかしながら、本特許請求対象は、このようには限定されない。コンテンションフリーアクセススロットは、無線端末が、割り当てられた時間の直前までセクタ1に接続されたままであって、その後、割り当てられたコンテンションフリーアクセススロットを用いてセクタ2にアクセスすることを可能にする。衝突の懸念がなければ、無線端末は、ほぼ確実にセクタ2に入ることが可能である。したがって、ハンドオフ遅延は軽減される。これに対し、従来の物理レイヤアクセスは、多くの場合は、アクセスチャネルに関連付けられたコンテンションベースのモデルを利用しており、任意の数の無線端末からの要求が、共用リソースを経由する同時送信のために、アクセスチャネル上で衝突したり、干渉したりする。したがって、通常の手法は、許可されていない無線端末によって送信される1つまたは複数のアクセス要求に基づく、別の無線端末に関連付けられたアクセス要求に伴う衝突、干渉などによる遅延がつきものである。
【0038】
さらに、無線端末とセクタ2との間に、物理レイヤアクセス214を経由するリンクが確立される。たとえば、従来の(たとえば、コンテンションベースのランダムアクセスによる)物理レイヤアクセスが用いられる。代替として、無線端末は、割り当てられたコンテンションフリーアクセススロットを用いてリンクを確立することが可能である。別の例によれば、後述されるように、物理レイヤアクセスに関連付けられた種々のシグナリングを省略することが可能である。図示されていないが、無線端末とセクタ1との間のリンクは、物理レイヤアクセス214に先立って切断されることを理解されたい。したがって、セクタ1とセクタ2とが異なるキャリヤを用いている場合、無線端末とセクタ1との間のこのようなリンクは、物理レイヤアクセス214に先立って切断される。
【0039】
図3は、急速ハンドオフに関連して用いられるセクタ(たとえば、図1の基地局セクタ2 104、図2のセクタ2)への物理レイヤアクセスを実行することの例示的概略300を示す。無線端末(たとえば、図1の無線端末106、図2の無線端末)が、別のセクタ(たとえば、図1の基地局セクタ1 102、図2のセクタ1)との間で現在確立されているリンクを切断してから、物理レイヤアクセスを開始する。別の例によれば、キャリヤ内(intracarrier)ハンドオフを実行する場合には、確立されているリンクを切断することなく物理レイヤアクセスを実行し、したがって、このような場合には、無線端末は、複数のセクタと同時に接続する。
【0040】
無線端末は、アクセス要求302をセクタへ送信することにより、物理レイヤアクセスを開始する。アクセス要求302は、軽量要求であってよい。さらに、無線端末は、アクセス要求302を、専用のコンテンションフリーアクセススロットの間に送信する。たとえば、この専用のアクセススロットはセクタによって割り当てられ、これに関連付けられた指示を、無線端末がリンクを有していた、以前のセクタを経由したハンドオフ応答から、無線端末が取得する。無線端末は、コンテンションフリーアクセス手法を用いることにより、既知の時刻に、別の無線端末との衝突の可能性が軽減された状態で、確立されていたリンクを切断して、新しい物理接続の作成を開始する。別の例によれば、無線端末は、コンテンションベースのアクセスチャネルを経由してアクセス要求302を送信する。
【0041】
アクセス要求302に対する応答として、セクタは、アクセス許可304を無線端末へ送信する。コンテンションベースのモデルでは、アクセス要求302は1つまたは複数の別のアクセス要求と衝突し、これによって、セクタがアクセス許可304を送信することに関して遅延が発生する。しかしながら、この遅延は、アクセス要求302にコンテンションフリーアクセススロットを利用することにより軽減され、そのため、ハンドオフの最適化が向上される。
【0042】
その後、アップリンクアクセス交換306およびダウンリンクアクセス交換308が用いられる。たとえば、アクセス要求302に関連する、検出されていない潜在的な衝突を明らかにするために、無線端末は少量のデータ(たとえば、乱数)をアップリンクアクセス交換306でセクタへ送信し、セクタは、ダウンリンクアクセス交換308でこのデータをエコーする。さらに、セクタは、セッションON ID(SON ID)および/またはアクティブID(actID)のような(たとえば、割り当てられたリソースに関連付けられた)情報を、ダウンリンクアクセス交換308に含める。一例によれば、無線端末は、前述のように、セクタからのハンドオフ応答でSON IDおよび/またはactIDを取得し、したがって、アップリンクアクセス交換306は、セクタがすでにハンドオフ応答を許可しておりこれらのリソースを無線端末に割り当てていることを示す情報を含み、セクタはこのような情報をダウンリンクアクセス交換308で提供する必要がない。さらに、無線端末およびセクタは、無線端末がリンクを有していた、以前のセクタを経由して無線端末とセクタとの間で確立されている暗号化パラメータを使用する。
【0043】
図4は、急速ハンドオフに関連付けられた最適化物理レイヤアクセスの例示的概略400を示す。たとえば、コンテンションフリーアクセスに関連して、アクセス要求402が無線端末からセクタへ送信される。専用リソースを用いることにより、アクセス要求402と、別の無線端末に関連付けられた別のアクセス要求とが衝突する確率を低減する。アクセス要求402に対する応答として、セクタはアクセス許可404を無線端末へ送信する。アクセス要求402およびアクセス許可は、時間同期に利用される。一例によれば、多くの場合、基地局同士は同期していない。したがって、無線端末が第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフを実行する場合には、第2のセクタに関連付けられた物理レイヤアクセス(たとえば、アクセス要求402、アクセス許可404)の間に時間同期を用いる。さらに、割り当てられたコンテンションフリーアクセススロットでアクセス信号を送信することにより、無線端末がリンクを有していた、以前のセクタを経由して無線端末とセクタとの間で確立されていた識別情報(たとえば、1つまたは複数のMACレイヤID)の使用を、無線端末とセクタとが開始できるように、無線端末は、自身をセクタに、有効に識別させる。
【0044】
例示的概略400は、図3で説明され、従来の手法において一般的に用いられている、アップリンクおよびダウンリンクのアクセス交換を省略する。このようなアクセス交換は、多くの場合、衝突を軽減すること、および/または、識別情報(たとえば、1つまたは複数のMACレイヤID)を提供することに利用される。しかしながら、コンテンションフリーアクセスを利用し、このような識別情報を前述のハンドオフ応答から取得することによってアクセス交換シグナリングは省略され、ハンドオフがいっそう最適化される。セクタは、アクセス交換シグナリングが省略されることを示す指示を、(たとえば、ハンドオフ応答、アクセス許可などの一環として)無線端末に与えることを理解されたい。
【0045】
別の例によれば、同じ基地局の2つのセクタが、直交周波数分割多重(OFDM)時間に関して同期される。基地局セクタに関連付けられたOFDM時間は、基地局セクタと1つまたは複数の無線端末との間に時間の共通認識を与えるための、無線端末が基地局セクタにアクセスする際に無線端末が同期するタイミングである。したがって、無線端末が同じ基地局の一方のセクタから他方のセクタへハンドオフする場合、無線端末は、物理レイヤアクセスに関連付けられたアクセス要求402およびアクセス許可404を省略することが可能である。このような場合、無線端末は、(たとえば、所定の時刻に)第1の基地局セクタにおけるあるオン状態から第2の基地局セクタにおける別のオン状態へ直接移行し、その際、ハンドオフ応答の受信後に物理レイヤアクセスを実行することは不要である。この2つのセクタは、同じ基地局内にあり、したがって、時間同期している。したがって、無線端末は、第1のセクタとタイミング同期しており、第2のセクタともタイミング同期している。
【0046】
次に、図5は、確立されている接続を利用してハンドオフ遅延を軽減するために用いられる通信装置500を示す。通信装置500は、(たとえば、無線端末のような)無線通信装置である。加えて、または代替として、通信装置500は、有線ネットワーク内に存在することも可能である。通信装置500は、第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフを実行するハンドオフ要求および/または命令に関係するパラメータに関連付けられた情報を保持することが可能なメモリ502を含む。さらに、通信装置500は、メモリ502内の命令および/または別のネットワーク装置から受信された命令を実行することが可能なプロセッサ504を含む。
【0047】
一例では、通信装置500は、基地局セクタである。このような例では、メモリ502は、ハンドオフ要求を許可するか拒否するかを決定する命令、ハンドオフ要求に対する応答として割り当てるリソースを識別する命令、識別情報をハンドオフ要求に組み込む命令、および/または、無線端末と別の基地局セクタとの間で情報をルーティングする命令を保持する。プロセッサ504は、このような命令を実行することに関連して用いられる。
【0048】
さらに別の例では、通信装置500は無線端末のような端末である。この例では、メモリ502は、第2のセクタからの信号を検出する命令を含む。プロセッサ504は、このような信号検出および解析を実行するように構成される。プロセッサ504はまた、急速ハンドオフ要求を、第1のセクタを経由して、第2のセクタへ送信すること、第1のセクタを経由して、第2のセクタからハンドオフ応答を受信すること、および/または、第2のセクタとのリンクを確立することに利用される。
【0049】
図6から9は、本特許請求対象の各種態様と併せて利用されるアクセス状態に関する。アクセス状態にある無線端末(WT)は、基地局セクタ(BSS)との接続の確立を試みる。アクセス状態は、WTおよびBSSが、一連の動作を経て、正常であれば、オン、ホールド、またはスリープ状態に移行する過渡状態である。
【0050】
アクセス状態と関連して、以下の各チャネルが利用される。
【0051】
DL.BCH.BN、DL.BCH.TS、DL.BCH.BSTチャネル:これらのチャネルのセグメントは、ブロードキャストである。WTは、これらのチャネルのセグメントを受信する。BSSは、これらすべてのチャネルセグメントを送信する。
【0052】
DL.PICHチャネル:DL.PICHチャネルのセグメントは、ブロードキャストである。WTは、DL.PICHセグメントを受信する。BSSは、すべてのDL.PICHセグメントを送信する。
【0053】
UL.ACH.ARチャネル:UL.ACH.ARチャネルのセグメントは、コンテンションベースである。WTは、任意のUL.ACH.ARセグメントを使用する。BSSは、すべてのUL.ACH.ARセグメントを受信する。
【0054】
DL.GXCHチャネル:DL.GXCHチャネルのセグメントは、2つあるシナリオのいずれかで使用される。第1のシナリオでは、DL.GXCHセグメントはブロードキャストである。WTは、アクセス要求のためのUL.ACH.ARセグメントを送信した後、対応するDL.GXCHセグメントを受信して、このセグメントがBSSによって検出されたかどうかを判定する。BSSは、アクセス要求のためのUL.ACH.ARセグメントを検出した場合には、対応するDL.GXCHセグメントの中でアクセス許可メッセージを送信する。第2のシナリオでは、DL.GXCHセグメントは共用される。WTは、アクセス交換のためのUL.AXCHセグメントを送信した後、対応するDL.GXCHセグメントを受信して、BSSからのアクセス交換メッセージを受信する。このケースでは、DL.GXCHセグメントの割り当ては、対応するUL.AXCHセグメントの中で暗黙的に与えられている。WTは、対応するUL.AXCHセグメントを送信した場合には、DL.GXCHセグメントを受信する。BSSは、対応するUL.AXCHセグメントを受信した場合には、DL.GXCHセグメントを送信する。
【0055】
UL.AXCHチャネル:UL.AXCHチャネルのセグメントは、共用されている。UL.AXCHセグメントの割り当ては、対応するDL.GXCHセグメントの中で暗黙的に与えられている。アクセス交換の手順が省略されない動作では、WTは、対応するDL.GXCHの中でアクセス許可メッセージを受信した場合には、UL.AXCHセグメントを送信し、BSSは、対応するDL.GXCHの中でアクセス許可メッセージをWTへ送信した場合には、UL.AXCHセグメントを受信する。
【0056】
図6は、アクセス状態に関連付けられた種々の動作を含むフローチャート600を示す。602では、システム決定が実行される。WTは、DL.BCH.BN、DL.BCH.TS、DL.BCH.BST、およびDL.PICHの各チャネルを用いて、接続が行われる、しかるべきBSSおよびトーンブロックを識別して選択する。トーンブロックは、WTおよびBSSが接続を形成するために利用できる周波数のセットである。604では、開ループ同期が実行される。WTは、選択されたトーンブロックの中で、選択されたBSSのダウンリンク(DL)信号に、自身の受信機を同期させ、取得された受信機同期に基づいて自身の送信パラメータを設定する。606では、アクセス要求およびアクセス許可に関連付けられた動作が実施される。WTは、UL.ACH.ARチャネルを使用してアップリンク(UL)アクセス要求メッセージをBSSへ送信し、DL.GXCHチャネルからDLアクセス許可メッセージを受信する。608では、アクセス交換が実行される。WTは、UL.AXCHチャネルでアクセス交換要求メッセージを送信して、所望のサービスタイプを要求する。BSSは、DL.GXCHチャネルで、アクセス交換応答メッセージにより応答する。後述されるいくつかの動作では、アクセス交換の手順は省略されてもよい。
【0057】
WTは、アクセス状態に入った後に、少なくとも1回のアクセスサイクルを経る。各アクセスサイクルは、システム決定602の動作で始まり、場合によって、開ループ同期604、アクセス要求およびアクセス許可606、および最終的にアクセス交換608の各動作が続く。各アクセスサイクルにおいて実施される動作のセットは、WTによって使用される個々のプロトコルに応じて決まる(これについては後述される)。
【0058】
アクセスサイクルにおける動作がすべて成功した場合、アクセスサイクルは成功であり、BSSおよびWTがオン、ホールド、またはスリープ状態に移行した時点で終了する。いずれかの動作が失敗した場合は、アクセスは失敗となり、WTは、ただちに現在のアクセスサイクルを終了する。一般に、アクセス失敗の後、WTは、一定期間待機してから、新しいアクセスサイクルを試行する。しかしながら、新しいアクセスサイクルは、ただちに開始される。あらかじめ定義された数のアクセスサイクルが失敗に終わると、WTは、アクセス試行を断念して、上位レイヤへのエラーメッセージを生成する。
【0059】
図7は、スリープまたはナル状態にあるWTがBSSとのオンまたはホールド状態に移行しようとする場合に実施されるランダムアクセスに関連付けられた例示的概略700を示す。例示的概略700に関連付けられた動作は、BSSによって割り当てられた有効なwtActiveIDを有しないWTによって行われる。このWTは、別のBSSとの接続を有していたか、いまだ有している。
【0060】
システムの決定および同期702。WTは、DL.BCH.BN、DL.BCH.TS、DL.BCH.BST、およびDL.PICHの各チャネルを受信して、接続を行うべき適切なBSSを識別して選択する。これらのDLチャネルから、WTは、bssSlope、bssSectorID、bssSectorType、wtOpenLoopPowerOffset、dlUltraslotSuperslotIndexなどのシステムパラメータを取得する。BSSおよびWTはさらに、開ループ周波数、タイミング、および電力の各制御手順に従って、開ループ同期動作を実施する。
【0061】
アクセス要求704。WTは、スーパスロットでアクセス要求を送信しようとする場合には、スーパスロット内のUL.ACH.ARセグメントの1つをランダムに選択してBSSへ送信する。BSSは、各スーパスロットのすべてのUL.ACH.ARセグメントを受信して、任意のWTによって送信されたUL.ACH.ARセグメントを検出しようとする。
【0062】
アクセス許可706。WTは、UL.ACH.ARセグメントを送信した後に、対応するDL.GXCHセグメントを受信して、UL.ACH.ARセグメントがBSSによって許可されたかどうかを判定する。BSSは、WTによって送信されたUL.ACH.ARセグメントの存在を検出した後に、対応するDL.GXCHセグメントの中でアクセス許可メッセージを送信して、UL.ACH.ARセグメントを許可する。
【0063】
ULアクセス交換708。WTは、DL.GXCHセグメントによってアクセスを許可された後に、DL.GXCHセグメントに対応するUL.AXCHセグメントを送信する。WTは、BSSのオンまたはホールド状態に移行することを意図し、関連する構成情報を提供することを、UL.AXCHセグメントの中で示す。BSSは、DL.GXCHセグメントの中でアクセス許可メッセージを送信した後に、DL.GXCHセグメントに対応するUL.AXCHセグメントを受信する。
【0064】
DLアクセス交換710。BSSは、UL.AXCHセグメントを受信した後に、UL.AXCHセグメントに対応するDL.GXCHセグメントを送信する。BSSは、DL.GXCHセグメントの中で割り当ておよび構成の情報を明示する。BSSは、WTがアクセス状態の後に移行するMAC状態(オンまたはホールド状態)を割り当てる。WTは、UL.AXCHセグメントを送信した後に、DL.GXCHを受信する。
【0065】
MAC状態移行712。BSSおよびWTは、DLアクセス交換ステップで割り当てられたMAC状態に移行し、移行先の(destinated)MAC状態において、DLアクセス交換メッセージの中で割り当てられたパラメータ(wtActiveID、wtOnID、wtOnMaskなど)を使用する。
【0066】
以下は、アクセス許可706に関する。ULスーパスロットのUL.ACH.ARセグメントに対応するDL.GXCHセグメントは、並行するDLスーパスロットのDL.GXCHセグメント[1]である。BSSは、アクセス要求を許可するために、DL.GXCHセグメントの中で「アクセス許可」フォーマットを使用する。アクセス許可メッセージでは、「許可されたUL.ACH.ARセグメントのインデックス」は、アクセス許可メッセージの送信先のUL.ACH.ARセグメントのインデックスであるように設定される。アクセス許可はまた、閉ループタイミング制御および電力制御の各コマンドを、「タイミング補正」および「電力補正」の各フィールドにそれぞれ収容する。BSSは、許可されたUL.ACH.ARセグメントの受信電力および受信タイミングを測定して、タイミング制御および電力制御の各コマンドを計算する。タイミングおよび電力を調節することにより、WTのUL信号は、適切な電力を有し、かつ、往復の伝搬遅延を補償するように時間的に適正に整合された状態で、BSSに到達することが確実になる。WTからのUL信号は、WTの送信機のタイミング/電力が正確に調節された場合には、トーンブロック内の他の既存のWTとBSSとの接続からのUL信号に干渉しない。
【0067】
アクセス要求をまったく許可しない場合には、BSSは、ULスーパスロットのすべてのUL.ACH.ARセグメントに対応するDL.GXCHセグメントの送信を一時停止する。代替として、BSSは、「許可されたUL.ACH.ARセグメントのインデックス」フィールドが7に設定された状態で、「アクセス許可」フォーマットを用いて、DL.GXCHセグメントを送信する。BSSがアクセス要求をまったく許可しない場合は、UL.ACH.ARセグメント内にアクセス要求があったとしても、それらはまったく許可されない。BSSは、ULスーパスロット内で検出されたものの、対応するDL.GXCHセグメントで許可されていない任意のUL.ACH.ARセグメントの記憶を廃棄する。
【0068】
WTのアクセス要求が許可された場合、WTは、タイミング制御および電力制御の各コマンドを用いて、WTの送信機のタイミングおよび電力を調節することが可能である。UL.ACH.ARセグメントが許可されない場合、WTは、アクセスが失敗したと見なすことが可能である。
【0069】
以下は、ULアクセス交換708に関する。DLスーパスロットkのDL.GXCHセグメント[1]に対応するUL.AXCHセグメントは、ULスーパスロットk+1のUL.AXCHセグメントである。WTは、UL.AXCHセグメントの中で「アクセス初期化」フォーマットを使用する。ULアクセス交換メッセージの中の「移行先MAC状態」フィールドは、WTがアクセス状態の後に移行しようとしている状態がBSSとのオン状態かホールド状態かに応じて、オンまたはホールド状態に設定される。WTがオン状態に移行しようとしている場合、WTは、「オンマスク」フィールドにおいて、WTがUL.DCCHチャネルで使用することを要求する特定のフォーマットをさらに指定する。「アクティブID」フィールドは、0x00に設定される。これは、WTが有効なwtActiveIDを有しないためである。WTは、乱数を生成して、「乱数」フィールドに含める。
【0070】
以下は、DLアクセス交換710に関する。ULスーパスロットk+1のUL.AXCHセグメントに対応するDL.GXCHセグメントは、DLスーパスロットk+2のDL.GXCHセグメント[0]である。BSSがUL.AXCHセグメントの中で有効なULアクセス交換メッセージを検出しない場合、BSSは、「アクティブID」フィールドが0x00に設定された状態で、「初期化応答のためのアクセス交換(access exchange for initialization response)」フォーマットを用いて、DL.GXCHセグメントを送信する。そうでない場合、BSSは、受信されたULアクセス交換メッセージに基づいて、以下のように、DLアクセス交換を送信する。
【0071】
WTをオンまたはホールド状態に移行するために、BSSは、DL.GXCHセグメントの中で「初期化応答のためのアクセス交換」フォーマットを使用して、DLアクセス交換メッセージを送信する。「アクティブID」、「オンID」、および「オンマスク」の各フィールドは、BSSによってWTに割り当てられたwtActiveID、wtOnID、およびwtOnMaskに設定される。BSSがWTをオン状態に割り当てる場合、BSSは、上述の3つのパラメータのすべてに有効な数を割り当てる。BSSがWTをホールド状態に割り当てる場合、BSSは、「オンID」フィールドを0x00に設定する。DLアクセス交換メッセージにおいてBSSによって割り当てられたMAC状態は、ULアクセス交換メッセージにおいてWTによって要求されたMAC状態と同じではない。
【0072】
BSSはまた、DLアクセス交換メッセージの「乱数」フィールドを、受信したULアクセス交換メッセージの「乱数」フィールドと同じになるように設定する。
【0073】
WTは、以下のアクセス失敗条件のいずれかが発生しない限り、アクセスを成功と見なす。第1に、DLおよびULのアクセス交換メッセージの「アクセス交換タイプ」フィールドが同じではない。第2に、DLおよびULのアクセス交換メッセージの「乱数」フィールドが同じではない。第3に、「アクティブID」フィールドが、0x00に設定されている。
【0074】
以下は、MAC状態移行712に関する。WTは、アクセス交換メッセージの受信に成功し、アクセスを成功と見なした後、ただちに、割り当てられたMAC状態に移行し、これを、DLアクセス交換メッセージを受信した後のスーパスロットにおいて確実に行う。BSは、DLアクセス交換メッセージを送信した後、ただちに、割り当てられたMAC状態に移行する。
【0075】
図8は、種々のチャネルセグメントの例示的描写800を示す。図8は、対応するUL.ACH、UL.AXCH、およびDL.GXCHの各チャネルセグメントの間の関係を示している。この図は、DL信号およびUL信号を示しており、タイミングは、BSSアンテナコネクタにおいて測定されたものである。ULスーパスロットkにあるUL.ACH.ARセグメントは、対応するDL.GXCHセグメントを有し、これは、DLスーパスロットkにあるDL.GXCHセグメント[1]である。DL.GXCHセグメントは、対応するUL.AXCHセグメントを有し、これは、ULスーパスロットk+1にある。UL.AXCHセグメントは、対応するDL.GXCHセグメントを有し、これは、DLスーパスロットk+2にあるDL.GXCHセグメント[0]である。最後のアクセス交換がDLスーパスロットk+2で送信された場合、BSSは、DLスーパスロットk+2の途中で、割り当てられたMAC状態に移行し、WTは、アクセス交換メッセージの受信に成功した後、ULスーパスロットk+2でMAC状態に移行する。WTは、ULスーパスロットk+3でMAC状態に移行する。
【0076】
WTがオン状態に移行するシナリオでは、ULスーパスロットk+2は、WTが移行先のオン状態にある第1のULスーパスロットと見なされる。
【0077】
アクティブ接続の要求−あらかじめ割り当てられたMAC識別子によるランダムアクセス。このセクションでは、ランダムアクセスの動作について詳述する。このランダムアクセスは、上位レイヤハンドオフ要求および応答プロトコルにおいて、WTが、BSSによって割り当てられた有効なwtActiveIDを有する場合に実施される。WTは、以下の2つのシナリオのいずれかにおいて、現在のBSSによってwtActiveIDを割り当てられる。第1のシナリオでは、BSSおよびWTは、既に接続を有しており、これは、現在のトーンブロックと異なるトーンブロックにおける接続である。現在のBSSは、現在のトーンブロックにおいて接続を確立するために使用されるwtActiveIDをWTに割り当てている。第2のシナリオでは、WTは、別のBSS(第2のBSSと称する)との接続を有している。現在のBSSは、現在のトーンブロックにおいて現在のBSSとの接続を確立するためのwtActiveIDを、第2のBSSを介して、WTに割り当てている。この動作は、以下の変更点以外は、前述(たとえば、図7)の動作と同様であってよい。ULアクセス交換のステップでは、「アクティブID」フィールドは、BSSによって割り当てられた有効なwtActiveIDに設定される。DLアクセス交換のステップでは、DLアクセス交換メッセージの「アクティブID」フィールドは、ULアクセス交換メッセージの「アクティブID」フィールドと必ずしも同じでなくてもよい。
【0078】
アクティブ接続の要求−あらかじめ割り当てられたMAC識別子による予約アクセス。このセクションで詳述されるアクセスの動作は、上位レイヤハンドオフ要求および応答プロトコルにおいて、WTが、BSSによって割り当てられた、有効なwtActiveIDおよび予約されたUL.ACH.PAセグメントを有する場合に実施される。WTは、前述の2つのシナリオのいずれかにおいて、現在のBSSによってwtActiveIDおよびUL.ACH.PAセグメントを割り当てられる。さらに、現在のBSSは、移行先のMAC状態(オンまたはホールド)を既にWTに割り当てている。移行先MAC状態がオン状態の場合、現在のBSSは、wtOnIDおよびwtOnMaskの有効なペアを既にWTに割り当てており、これらは、WTがオン状態への移行に成功した後に使用される。UL.ACH.PAセグメントがWTにあらかじめ割り当てられている場合は、対応するDL.PCHにおいて、ページングメッセージは送信されない。この動作は、以下の変更点以外は、前述(たとえば、図7)の動作と同様である。アクセス要求のステップでは、WTは、予約されたUL.ACH.PAセグメントを送信する。アクセス許可のステップでは、BSSは、UL.ACH.PAセグメントによって送信されたアクセス要求を許可しようとする場合には、「許可されたUL.ACH.ARセグメントのインデックス」を6に設定する。アクセス交換のステップは、WTとBSSとの間の上位レイヤハンドオフ要求および応答プロトコル交換に応じて省略される。BSSが、予約されたUL.ACH.PAセグメントをWTに割り当てた場合、BSSは、アクセス交換のステップが省略可能かどうかを、WTに通知する。アクセス交換のステップが省略可能でない場合、WTおよびBSSは、前述の「アクティブ接続の要求−あらかじめ割り当てられたMAC識別子によるランダムアクセス」に関連する手順に従ってアクセス交換を完了する。アクセス交換のステップが省略可能である場合、WTは、アクセス許可メッセージの受信に成功し、アクセスを成功と見なした後、ただちに、あらかじめ割り当てられたMAC識別子を用いて、あらかじめ割り当てられたMAC状態に移行し、これを、DLアクセス許可メッセージを受信した後のスーパスロットにおいて行う。BSは、DLアクセス許可メッセージを送信した後、ただちに、割り当てられたMAC状態に移行する。WTがオン状態に移行するシナリオでは、図8に示されたULスーパスロットkは、WTが移行先のオン状態にある第1のULスーパスロットと見なされる。これは、ULスーパスロットk=1において、UL.AXCHセグメントの送信が省略されるためである。
【0079】
図9は、物理レイヤアクセスに関連する例示的タイミング図900を示す。たとえば、無線端末が急速ハンドオフを実行している(たとえば、ハンドオフ要求を送信し、ハンドオフ応答を取得している)。無線端末は、ハンドオフ応答に含まれた識別情報を取得する。識別情報はさらに、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および/または、割り当てられたIDの有効期間を備える。
【0080】
一例によれば、無線端末は時刻tにハンドオフ応答を取得する。このハンドオフ応答に関連付けられた識別情報は、割り当てられたID(たとえば、MAC ID、セッションオンID、アクティブIDなど)の有効期間(たとえば、時刻tから時刻tまでの有効期間)を示す。この有効期間は、時刻tとほぼ同じである時刻tから始まる。代替として、時刻tは時刻tより後でもよい。
【0081】
ハンドオフ応答はさらに、割り当てられたアクセススロット902に関連付けられた識別情報を含む。割り当てられたアクセススロット902は、有効期間内の一時点である。さらに、割り当てられたアクセススロット902は、無線端末によるコンテンションフリーの物理レイヤアクセスの実行を可能とする。これは、割り当てられたアクセススロット902に関連付けられたリソースが、ハンドオフ応答を取得している無線端末のために予約されるからである。
【0082】
無線端末は、物理レイヤアクセスを複数の異なる時点で実行する。たとえば、無線端末は、物理レイヤアクセスを、割り当てられたアクセススロット902に対応するA 904において開始する。したがって、無線端末は、専用の時刻(たとえば、t)にアクセス要求を送信してアクセス許可を取得することによって、リンクを確立するために予約されたリソースを利用する。さらに、A 904において物理レイヤアクセスを実行することにより、アップリンクおよびダウンリンクのアクセス交換シグナリングが省略される。さらに、時刻A 904に関連して暗号化および/または認証が省略される。
【0083】
B 906またはB 908における有効期間の間にも物理レイヤアクセスが実行される。時刻B 906は、割り当てられたアクセススロット902に関連付けられた時刻より前であり、時刻B 908は、割り当てられたアクセススロット902に関連付けられた時刻より後である。無線端末は、B 906〜908においてランダムアクセスを実行する。このようなランダムアクセスは、コンテンションベースであり、アップリンクおよびダウンリンクのアクセス交換シグナリングを利用する。しかしながら、暗号化および/または認証は省略される。
【0084】
さらに、有効期間以外の時刻(たとえば、時刻C 910)に、物理レイヤアクセスが実行される。C 910ではランダムアクセスが実行される。さらに、アップリンクおよびダウンリンクのアクセス交換シグナリングが利用される。さらに、(たとえば、ハンドオフ応答において与えられたMAC IDがもはや有効でないために)暗号化および認証が実行される。
【0085】
図10から12は、第1のセクタから第2のセクタへ効率的にハンドオフすることによりハンドオフ遅延を軽減することに関する方法論を示す。説明を簡単にするために、本方法論は、一続きの動作として図示および記述されているが、1つまたは複数の実施形態によれば、いくつかの動作は、本明細書で図示および記述されている順序と異なる順序で行われ、および/または、他の動作と同時に行われるため、本方法論は、図示および記述されている動作順序に限定されないことを理解されたい。たとえば、当業者であれば理解されるように、代替として、方法論は、一続きの相互に関連する状態またはイベントとして(たとえば、状態図で)表される。さらに、1つまたは複数の実施形態による方法論を実施するために、例示されたすべての動作が必要とされるわけではない。
【0086】
図10は、第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフを容易にする方法論1000を示す。1002では、第2のセクタから発せられている信号が検出される。たとえば、この信号はビーコンである。さらに、検出された信号の解析が実行され、この信号に関連付けられたセクタ(たとえば、第2のセクタ)にハンドオフすべきかどうかが識別される。この解析は、信号品質、信号強度、キャリヤ間ハンドオフかキャリヤ内(intracarrier)ハンドオフか、などに基づく。別の例によれば、検出された信号に基づいて、接続識別子(CID)が導出される。1004では、ハンドオフ要求が、第1のセクタとの第1のリンクを経由して第2のセクタへ送信される。ハンドオフ要求は、たとえば、第2のセクタ、特定のキャリヤなどを識別するCIDを含む。ハンドオフ要求は、無線端末識別子(WT ID)を含み、および/または、WT IDは、送信後に挿入される。
【0087】
1006では、ハンドオフ応答が、第1のリンクおよび第1のセクタを経由して第2のセクタから受信される。たとえば、ハンドオフ応答は、識別情報を含む。識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、割り当てられたID(たとえば、MAC ID、セッションオンID、アクティブIDなど)の有効期間などに関連する。一例によれば、識別情報は、専用アクセスチャネルを用意することによりコンテンションフリーアクセスに関連付けられたアクセススロットを含む。1008では、第2のセクタとの第2のリンクが確立される。このリンクは、識別情報を利用して確立される。たとえば、第2のセクタとのリンクを確立する前に、第1のセクタとのリンクが切断される。代替として、第1のセクタとのリンクは、第2のセクタとのリンクが確立されている間、そのまま残る。リンクは、物理レイヤアクセスを用いることにより取得される。識別情報は、物理レイヤアクセスの一部または全体を省略できるようにすることが可能である。たとえば、第2のセクタとのリンクを確立するために、アクセス要求が(たとえば、割り当てられたアクセススロットの中で)第2のセクタへ送信され、(たとえば、タイミング同期を有効化するために)アクセス許可が受信される。たとえば、アクセス許可メッセージは、タイミング補正コマンドを含む。さらに、タイミング補正コマンドに少なくとも部分的に基づいて、送信機シンボルタイミングが調節され、この送信機シンボルタイミングを用いて信号が第2のセクタへ送信される。別の例によれば、アクセス要求は送信され、アクセス許可は受信され、アップリンクおよびダウンリンクのアクセス交換シグナリングは実行される。この例によれば、アップリンクアクセス交換および/またはダウンリンクアクセス交換は、第2のリンクが確立された後に第2のリンクと関連して利用される識別子を搬送する。さらなる例によれば、ランダムアクセススロットが選択され、このランダムアクセススロットでアクセス信号が第2のセクタへ送信される。応答として、少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージが、第2のセクタから受信される。タイミング補正コマンドに応じて送信機シンボルタイミングが調節され、この送信機シンボルタイミングを用いて、アップリンクアクセス交換が第2のセクタへ送信される。たとえば、アップリンクアクセス交換は、ハンドオフ応答に関連して受信された識別情報の少なくとも一部を搬送する。さらに、ダウンリンクアクセス交換が第2のセクタから受信される。
【0088】
図11は、急速ハンドオフに関連する利用のためにハンドオフ関連信号をルーティングすることを容易にすることの方法論1100を示す。1102では、ハンドオフ要求が無線端末から受信される。たとえば、ハンドオフ要求は別のセクタに関連付けられたCIDを含む。さらに、ハンドオフ要求が受信された時点では、無線端末関連情報(たとえば、無線端末識別子(WT ID))がハンドオフ要求に含まれる。さらに、ハンドオフ要求はIPプロトコルに従ってカプセル化される。1104では、ハンドオフ要求は別のセクタへルーティングされる。このルーティングは、たとえば、CIDに基づく。一例によれば、ハンドオフ要求のルーティングの後に、暗号化鍵関連情報がこの別のセクタから取得されて、無線端末に転送される。この例によれば、暗号化鍵関連情報に関連する応答が無線端末から受信されて、この別のセクタへルーティングされる。1106では、ハンドオフ応答がこの別のセクタから受信される。1108では、ハンドオフ応答は無線端末へ転送される。その後、無線端末へのリンクが切断されるが、本特許請求対象はそのように限定されない。
【0089】
図12は、ハンドオフ遅延を軽減するために物理レイヤアクセスの前に無線端末にリソースを割り当てることを可能にする、基地局セクタによって用いられる方法論1200を示す。1202では、ハンドオフ要求が無線端末から別のセクタを経由して受信される。たとえば、このハンドオフ要求は無線経由で取得されたハンドオフ要求と区別される。さらに、このハンドオフ要求は無線端末に固有の識別子(たとえば、WT ID)を含む。さらに、このハンドオフ要求を許可するか拒否するかについての決定が行われる。別の例によれば、暗号化鍵シグナリング情報が別のセクタを経由して無線端末へ送信され、また、別のセクタを経由して無線端末から受信される。
【0090】
1204では、リソースが無線端末に割り当てられる。たとえば、リソースは、専用アクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態などに関連するものである。1206では、リソースに関連付けられた情報を含むハンドオフ応答が、別のセクタを経由して、無線端末へ送信される。
【0091】
1208では、割り当てられたリソースを用いて無線端末とのリンクが確立される。たとえば、リンクを確立するために、コンテンションフリーの物理レイヤアクセスが利用される。したがって、アクセス要求が取得され、アクセス許可が送信される。さらに、アクセス要求およびアクセス許可は、無線端末を特定の時間に同期できるようにする。基地局セクタは、無線端末が割り当てられたコンテンションフリーアクセス信号を送信することを期待する。割り当てられたリソースに従って無線端末からのアクセス信号が到着すると、基地局セクタは、ただちに、無線端末を認識し、確立されたパラメータ(たとえば、暗号化パラメータまたはMAC識別子)を新しいリンクに使用することを開始する。しかしながら、無線端末がコンテンションベースのアクセス信号を用いている場合は、基地局セクタが無線端末を認識し、確立されたパラメータ(たとえば、暗号化パラメータまたはMAC識別子)を新しいリンクに使用することを開始するように、無線端末は(たとえば、アクセス交換により)名乗り出なければならない。
【0092】
ここに記載の1つまたは複数の態様によれば、物理レイヤアクセスに関連して利用されるべきシグナリングの識別、第2のセクタへのハンドオフを可能にするために第1のセクタとの確立済みリンクを切断する時刻の決定などに関して、推論を行うことが可能であることが理解されるであろう。ここで用いられる用語「推論(する)」(「infer」 or 「inference」)は、主に、システム、環境、および/またはユーザの状態を、イベントおよび/またはデータのかたちでキャプチャされた一連の観測結果から推論するプロセスを意味する。たとえば、推論は、特定のコンテキストまたはアクションを識別するために用いられ、あるいは、状態の確率分布を生成する。推論は確率的であってよい。すなわち、データおよびイベントの考察に基づく、関心対象状態の確率分布の計算である。推論はまた、一連のイベントおよび/またはデータから上位イベントを構成することに用いられる手法を意味する。このような推論の結果として、これらのイベントが時間的近傍において相互に関連しているかどうか、ならびに、これらのイベントおよびデータが1つまたは複数のイベントソースおよびデータソースから発生しているかどうかにかかわらず、一連の観測されたイベントおよび/または記憶されたイベントデータから、新しいイベントまたはアクションが構成される。
【0093】
一例によれば、前述の1つまたは複数の方法が、物理レイヤアクセスに関連して実行されるべきシグナリングを決定することに関して推論を行うことを含む。一例によれば、無線端末とセクタとの間の新しいリンクを確立することを容易にするために、従来の手法に関連して一般的に利用されている種々のシグナリングを利用すべきかどうかについて、推論が行われる。さらに、新しいリンクを作成する物理レイヤアクセスを開始するために、セクタとの確立済みリンクを切断するタイミングについて推論が行われる。上述の各例は、本質的に例示であって、行われる推論の数やこのような推論がここに記載の種々の実施形態および/または方法と併せて行われる際の様式を限定するものではないことが理解されるであろう。
【0094】
図13は、各種態様に従って実装された例示的通信システム1300(たとえば、携帯電話通信ネットワーク)を示しており、このシステムは、通信リンクによって相互接続された複数のノードを備えている。例示的通信システム1300内の各ノードは、通信プロトコル(たとえば、インターネットプロトコル(IP))に基づく信号(たとえば、メッセージ)を用いて情報を交換する。システム1300の通信リンクは、たとえば、ワイヤ、光ファイバケーブル、および/または無線通信技術を用いて実装される。例示的通信システム1300は、複数のエンドノード1344、1346、1344’、1346’、1344”、1346”を含み、これらは、複数のアクセスノード1340、1340’、および1340”を経由して通信システム1300にアクセスする。エンドノード1344、1346、1344’、1346’、1344”、1346”は、たとえば、無線通信装置または端末であり、アクセスノード1340、1340’、および1340”は、たとえば、無線アクセスルータまたは基地局である。例示的通信システム1300はさらに、いくつかの他のノード1304、1306、1309、1310、および1312を含み、これらは、相互接続性を提供したり、具体的なサービスや機能を提供したりするために用いられる。具体的には、例示的通信システム1300は、エンドノードに関連する状態の転送および記憶をサポートするために用いられるサーバ1304を含む。サーバノード1304は、AAAサーバ、コンテキスト転送サーバ(Context Transfer Server)、AAAサーバ機能性およびコンテキスト転送サーバ機能性の両方を含むサーバである。
【0095】
例示的通信システム1300に示されたネットワーク1302は、サーバ1304、ノード1306、およびホームエージェントノード1309を含み、これらは、それぞれ対応するネットワークリンク1305、1307、および1308により、中間ネットワークノード1310に接続されている。ネットワーク1302の中間ネットワークノード1310はさらに、ネットワーク1302から見て外部にあるネットワークノードとの相互接続性を、ネットワークリンク1311によって提供する。ネットワークリンク1311は、別の中間ネットワークノード1312に接続されており、中間ネットワークノード1312は、それぞれネットワークリンク1341、1341’、1341”による、複数のアクセスノード1340、1340’、1340”へのさらなる接続性を提供する。
【0096】
各アクセスノード1340、1340’、1340”は、それぞれ複数(N個)のエンドノード(1344、1346)、(1344’、1346’)、(1344”、1346”)への接続性を、それぞれ対応するアクセスリンク(1345、1347)、(1345’、1347’)、(1345”、1347”)により提供するものとして示されている。例示的通信システム1300では、各アクセスノード1340、1340’、1340”は、無線技術(たとえば、無線アクセスリンク)を用いてアクセスを提供するものとして示されている。各アクセスノード1340、1340’、1340”の無線カバレージエリア(たとえば、それぞれ、通信セル1348、1348’、および1348”)は、対応するアクセスノードを囲む円で示されている。
【0097】
例示的通信システム1300は、ここに記載の各種態様の説明の土台として提示されている。さらに、種々の異なるネットワークトポロジが本特許請求対象の範囲に含まれるものとし、それらのネットワークトポロジにおいては、ネットワークノードの数およびタイプ、アクセスノードの数およびタイプ、エンドノードの数およびタイプ、サーバおよび他のエージェントの数およびタイプ、リンクの数およびタイプ、ならびにノード間の相互接続性は、図13に示された例示的通信システム1300と異なっていてもよい。さらに、例示的通信システム100に示された各機能エンティティが、省略されることも、組み合わされることも可能である。また、これらの機能エンティティの、ネットワークにおける場所または配置は、様々であってよい。
【0098】
図14は、各種態様に関連付けられた例示的エンドノード1400(たとえば、移動ノード、無線端末など)を示す。例示的エンドノード1400は、図13に示されたエンドノード1344、1346、1344’、1346’、1344”、1346”のうちの任意の1つとして使用される装置である。図に示されるように、エンドノード1400は、バス1406によって1つに結合されている、プロセッサ1404、無線通信インタフェース1430、ユーザ入出力インタフェース1440、およびメモリ1410を含む。したがって、エンドノード1400の各種コンポーネントは、バス1406を介して、情報、信号、およびデータを交換する。エンドノード1400のコンポーネント1404、1406、1410、1430、1440は、ハウジング1402の内部に位置してよい。
【0099】
無線通信インタフェース1430は、エンドノード1400の内部コンポーネントが、外部装置およびネットワークノード(たとえば、アクセスノード)への/からの信号を送受信するためのメカニズムを提供する。無線通信インタフェース1430は、たとえば、エンドノード1400を他のネットワークノードと(たとえば、無線通信チャネルを介して)結合するために使用される(対応する受信アンテナ1436を有する)受信モジュール1432および(対応する送信アンテナ1438を有する)送信モジュール1434を含む。
【0100】
例示的エンドノード1400はさらに、ユーザ入出力インタフェース1440を介してバス1406と結合されているユーザ入力装置1442(たとえば、キーパッド)およびユーザ出力装置1444(たとえば、ディスプレイ)を含む。したがって、ユーザ入力装置1442およびユーザ出力装置1444は、ユーザ入出力インタフェース1440およびバス1406を介して、エンドノード1400の他のコンポーネントと、情報、信号、およびデータを交換する。ユーザ入出力インタフェース1440および関連装置(たとえば、ユーザ入力装置1442、ユーザ出力装置1444)は、ユーザが各種タスクを遂行すべくエンドノード1400を操作するためのメカニズムを提供する。具体的には、ユーザ入力装置1442およびユーザ出力装置1444は、エンドノード1400およびエンドノード1400のメモリ1410内で実行されるアプリケーション(たとえば、モジュール、プログラム、ルーチン、関数など)をユーザが制御することを可能にする機能性を提供する。
【0101】
プロセッサ1404は、メモリ1410に含まれる各種モジュール(たとえば、ルーチン)の制御下にあり、ここに記載の種々のシグナリングおよび処理を実行するようにエンドノード1400の動作を制御する。メモリ1410に含まれるモジュールは、起動時、または他のモジュールによって呼び出されたときに実行される。モジュール同士は、実行時に、データ、情報、および信号を交換する。モジュール同士はまた、実行時にデータおよび情報を共用する。エンドノード1400のメモリ1410は、シグナリング/制御モジュール1412およびシグナリング/制御データ1414を含む。
【0102】
シグナリング/制御モジュール1412は、状態情報の記憶、取り出し、および処理の管理のための信号(たとえば、メッセージ)を送受信することに関連する処理を制御する。シグナリング/制御データ1414は、(たとえば、パラメータ、ステータス、および/または他の、エンドノードの動作に関連する情報のような)状態情報を含む。具体的には、シグナリング/制御データ1414は、構成情報1416(たとえば、エンドノード識別情報)および動作情報1418(たとえば、現在の処理状態に関する情報、保留中の応答のステータスなど)を含む。シグナリング/制御モジュール1412は、シグナリング/制御データ1414に対するアクセスおよび/または修正(たとえば、構成情報1416および/または動作情報1418の更新)を行う。
【0103】
エンドノード1400のメモリ1410はさらに、検出モジュール1446、要求モジュール1448、および/またはリンク確立モジュール1450を含む。さらに、図示されていないが、検出モジュール1446、要求モジュール1448、および/またはリンク確立モジュール1450は、メモリ1410内に保持される関連データの記憶および/または取り出しを行うことを理解されたい。検出モジュール1446は、基地局セクタから発せられている1つまたは複数の信号を検出することに利用される。さらに、要求モジュール1448は、基地局セクタへのハンドオフ要求の送信を、別の基地局セクタに関連付けられたリンクを経由して行えるようにする。さらに、リンク確立モジュール1450は、1つまたは複数の基地局セクタとのリンクの確立を、要求モジュール1448によって送信されたハンドオフ要求に対する応答として受信された情報に基づいて行えるようにする。
【0104】
図15は、ここに記載の各種態様に従って実装された例示的アクセスノード1500を示す。例示的アクセスノード1500は、図13に示されたアクセスノード1340、1340’、1340”のうちの任意の1つとして利用される装置である。アクセスノード1500は、バス1506によって1つに結合されている、プロセッサ1504、メモリ1510、ネットワーク/ネットワーク間インタフェース1520、および無線通信インタフェース1530を含む。したがって、アクセスノード1500の各種コンポーネントは、バス1506を介して、情報、信号、およびデータを交換する。アクセスノード1500のコンポーネント1504、1506、1510、1520、1530は、ハウジング1502の内部に位置する。
【0105】
ネットワーク/ネットワーク間インタフェース1520は、アクセスノード1500の内部コンポーネントが、外部装置およびネットワークノードへの/からの信号を送受信するためのメカニズムを提供する。ネットワーク/ネットワーク間インタフェース1520は、アクセスノード1500を他のネットワークノードと(たとえば、銅線または光ファイバ線を介して)結合するために使用される受信モジュール1522および送信モジュール1524を含む。無線通信インタフェース1530も、アクセスノード1500の内部コンポーネントが、外部装置およびネットワークノード(たとえば、エンドノード)への/からの信号を送受信するためのメカニズムを提供する。無線通信インタフェース1530は、たとえば、(対応する受信アンテナ1536を有する)受信モジュール1532および(対応する送信アンテナ1538を有する)送信モジュール1534を含む。無線通信インタフェース1530は、アクセスノード1500を他のネットワークノードと(たとえば、無線通信チャネルを介して)結合するために使用される。
【0106】
メモリ1510に含まれる各種モジュール(たとえば、ルーチン)の制御下にあるプロセッサ1504が、種々のシグナリングおよび処理を実行するようにアクセスノード1500の動作を制御する。メモリ1510に含まれるモジュールは、起動時、またはメモリ1510内に存在可能な他のモジュールによって呼び出されたときに実行される。モジュール同士は、実行時に、データ、情報、および信号を交換する。モジュール同士はまた、実行時に、データおよび情報を共用する。たとえば、アクセスノード1500のメモリ1510は、状態管理モジュール1512およびシグナリング/制御モジュール1514を含む。これらのモジュールのそれぞれに対応して、メモリ1510はさらに、状態管理データ1513およびシグナリング/制御データ1515を含む。
【0107】
状態管理モジュール1512は、エンドノードまたは他のネットワークノードから受信された、状態の記憶および取り出しに関する信号の処理を制御する。状態管理データ1513は、たとえば、エンドノード関連情報(状態または状態の一部など)、あるいは、(他の何らかのネットワークノードに記憶されている場合には)現在のエンドノード状態の場所を含む。状態管理モジュール1512は、状態管理データ1513に対するアクセスおよび/または修正を行う。
【0108】
シグナリング/制御モジュール1514は、無線通信インタフェース1530上で、エンドノードへの/からの信号の処理を制御し、必要に応じて、基本的無線機能、ネットワーク管理などのような他の動作のために、ネットワーク/ネットワーク間インタフェース1520上で、他のネットワークノードへの/からの信号の処理を制御する。シグナリング/制御データ1515は、たとえば、基本的動作のための無線チャネル割り当てに関するエンドノード関連データ、および、他のネットワーク関連データ(サポート/管理サーバのアドレスや基本的ネットワーク通信用構成情報など)を含む。シグナリング/制御モジュール1514は、シグナリング/制御データ1515に対するアクセスおよび/または修正を行う。
【0109】
メモリ1510はさらに、または代替として、リソース割り当てモジュール1540、ハンドオフ応答モジュール1542、リンク確立モジュール1544、および/またはルーティングモジュール1546を含む。図示されていないが、リソース割り当てモジュール1540、ハンドオフ応答モジュール1542、リンク確立モジュール1544、および/またはルーティングモジュールは、メモリ1510内に保持されるデータの記憶および/または取り出しを行うことを理解されたい。リソース割り当てモジュール1540は、(たとえば、受信されたハンドオフ要求に対する応答として)無線端末への上述のリソース割り当てができるようにする。ハンドオフ応答モジュール1542は、割り当てられたリソースに関連付けられた識別情報を含むハンドオフ応答の送信を容易にする。リンク確立モジュール1544は、無線端末とのリンクを確立できるようにする。さらに、ルーティングモジュール1546は、無線端末からデータを受信し、このデータを適切な基地局セクタにルーティングすること、および/または、基地局セクタからデータを受信し、このデータを適切な無線端末にルーティングすることができるようにする。
【0110】
図16は、第1のセクタから第2のセクタへのハンドオフに伴う遅延を軽減するシステム1600を示す。システム1600は、機能ブロックを含むものとして表されており、各機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックであることを理解されたい。システム1600は、無線端末内に実装され、第2のセクタから発せられている信号を検出する論理モジュール1602を含む。たとえば、この信号は、信号品質測定値が得られるビーコンである。さらに、システム1600は、第1のセクタとの第1のリンクを経由して第2のセクタへハンドオフ要求を送信する論理モジュール1604を備える。システム1600はさらに、第1のリンクおよび第1のセクタを経由して第2のセクタからハンドオフ応答を受信する論理モジュール1606を含む。一例によれば、ハンドオフ応答は、識別情報を含む。識別情報は、第2のセクタによって割り当てられたリソースに関するものであり、たとえば、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、割り当てられたID(たとえば、MAC ID、セッションオンID、アクティブIDなど)の有効期間などを含む。システム1600はさらに、第2のセクタとの第2のリンクを確立する論理モジュール1608を備える。たとえば、ハンドオフ応答に関連付けられた識別情報は、このようなリンクを確立することに関連して利用される。
【0111】
図17は、ハンドオフに関連する利用のために無線端末にリソースを割り当てるシステム1700を示す。システム1700は、機能ブロックを含むものとして表されており、各機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す。システム1700は基地局内に実装され、別のセクタを経由して無線端末からハンドオフ要求を取得する論理モジュール1702を含む。システム1700はまた、無線端末にリソースを割り当てる論理モジュール1704を備える。たとえば、このような割り当ては、取得されたハンドオフ要求に対する応答として行われる。さらに、システム1700は、割り当てられたリソースに関連付けられた識別情報を、ハンドオフ応答の中で別のセクタを経由して無線端末へ送信する論理モジュール1706を含む。識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および/または、割り当てられたIDの有効期間を含む。システム1700はさらに、割り当てられたリソースを利用して無線端末とのリンクを確立する論理モジュール1708を含む。たとえば、このリンクは、割り当てられたアクセススロットを物理レイヤアクセスに関連して利用して、確立される。さらなる例によれば、このリンクは、割り当てられたIDの有効期間の間に確立され、したがって、認証および/または暗号化は省略される。
【0112】
ソフトウェア実装の場合、ここに記載の手法は、本明細書に記載の各機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数、その他)を用いて実装される。これらのソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって実行される。メモリユニットはプロセッサ内に実装されてもよく、あるいはプロセッサの外部に実装されてもよい。プロセッサの外部に実装される場合、メモリユニットは、当該技術分野において周知の種々の手段により、プロセッサと通信可能に結合される。
【0113】
以上の記載内容は1つまたは複数の実施形態の例を含む。前述の諸実施形態を記述する目的のために、構成要素または方法論の考えられるあらゆる組み合わせを記述することはもちろん不可能であるが、当業者であれば理解されるように、種々の実施形態のさらなる多数の組み合わせおよび順列が可能である。したがって、記述された諸実施形態は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱しない、このようなすべての変更、修正、および変形形態を包含するものとする。さらに、詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで用語「含む(includes)」が使用されている限り、このような用語は、用語「備える(comprising)」と同様に包含的であるものとする。これは、「備える(comprising)」が、特許請求の範囲において移行句として用いられた場合になされる解釈のとおりである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセクタから第2のセクタへハンドオフする方法であって、
前記第2のセクタから発せられている信号を検出することと、
前記第1のセクタとの第1のリンクを経由して前記第2のセクタへハンドオフ要求を送信することと、
前記第1のリンクおよび前記第1のセクタを経由して前記第2のセクタから、識別情報を含むハンドオフ応答を受信することと、
前記識別情報を利用して前記第2のセクタとの第2のリンクを確立することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロットのインデックスを含み、
前記方法はさらに、
前記アクセススロットでアクセス信号を前記第2のセクタへ送信することと、
前記第2のセクタから、少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージを受信することと、
前記タイミング補正コマンドに応じて送信機シンボルタイミングを調節することと、
前記送信機シンボルタイミングを使用して前記第2のセクタへ信号を送信することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アクセススロットは専用アクセスリソースであって、別のアクセス端末によって使用されることができない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のセクタへアップリンクアクセス交換を送信することと、
前記第2のセクタからダウンリンクアクセス交換を受信することと、
をさらに備える方法であって、
前記アップリンクアクセス交換および前記ダウンリンクアクセス交換のうちの少なくとも一方が識別子を搬送し、
前記第2のリンクにおいて前記識別子を使用することをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記識別情報は識別子を含み、
前記方法はさらに、前記第2のリンクにおいて前記識別子を使用することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のセクタとの前記第2のリンクを確立する前に、前記第1のセクタとの前記第1のリンクを切断することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ランダムアクセススロットを選択することと、
前記ランダムアクセススロットでアクセス信号を前記第2のセクタへ送信することと、
前記第2のセクタから、少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージを受信することと、
前記タイミング補正コマンドに応じて送信機シンボルタイミングを調節することと、
前記送信機シンボルタイミングを使用して前記第2のセクタへ、前記識別情報の少なくとも一部を搬送するアップリンクアクセス交換を送信することと、
前記第2のセクタからダウンリンクアクセス交換を受信することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記識別情報は、割り当てられたIDの有効期間を含み、前記ランダムアクセススロットは、前記割り当てられたIDの前記有効期間の終わりより前の時刻に関連付けられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のリンクに関連付けられた送信機シンボルタイミングを記録することと、
前記第2のリンクにおいて前記送信機シンボルタイミングを使用することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記検出された信号に基づいて、第2のセクタに関連付けられた接続識別子(CID)を導出することと、
前記ハンドオフ要求の一部として前記CIDを送信することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1のセクタから第2のセクタへハンドオフするための命令を保持するメモリと、
第2のセクタに関連付けられた信号を検出し、前記第1のセクタとの第1のリンクを経由して前記第2のセクタへハンドオフ要求を送信し、前記第1のリンクおよび前記第1のセクタを経由して前記第2のセクタからハンドオフ応答を受信し、前記ハンドオフ応答に含まれた識別情報に基づいて前記第2のセクタとの第2のリンクを作成するプロセッサと、
を備える無線通信装置。
【請求項13】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つである、請求項12に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記プロセッサはさらに、割り当てられたアクセススロットでアクセス信号を前記第2のセクタへ送信し、前記第2のセクタから、少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージを受信し、前記タイミング補正コマンドに少なくとも部分的に基づいて送信機シンボルタイミングを変更し、前記送信機シンボルタイミングを使用して前記第2のセクタへ信号を送信し、前記識別情報は、割り当てられたアクセススロットのインデックスを含む、請求項12に記載の無線通信装置。
【請求項15】
第1のセクタから第2のセクタへハンドオフすることに伴う遅延を軽減する無線通信装置であって、
前記第2のセクタから発せられている信号を検出する手段と、
前記第1のセクタとの第1のリンクを経由して前記第2のセクタへハンドオフ要求を送信する手段と、
前記第1のリンクおよび前記第1のセクタを経由して前記第2のセクタからハンドオフ応答を受信する手段と、
前記第2のセクタとの第2のリンクを確立する手段とを備える、無線通信装置。
【請求項16】
コンテンションフリーアクセスにより、前記第2のセクタとの前記第2のリンクを確立する手段とをさらに備える、請求項15に記載の無線通信装置。
【請求項17】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つである、請求項15に記載の無線通信装置。
【請求項18】
専用アクセススロットでアクセス信号を前記第2のセクタへ送信する手段と、なお、前記識別情報は、前記割り当てられたアクセススロットのインデックスを含む;
前記第2のセクタから、少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージを取得する手段と;
前記タイミング補正コマンドに応じて送信機シンボルタイミングを調節する手段と;
前記送信機シンボルタイミングを使用して前記第2のセクタへ信号を送信する手段と;
をさらに備える、請求項15に記載の無線通信装置。
【請求項19】
第2のセクタに関連付けられたビーコンを受信することと、
第1のセクタとの第1のリンクを経由して前記第2のセクタへハンドオフ要求を送信することと、
前記第1のリンクおよび前記第1のセクタを経由して前記第2のセクタから、識別情報を含むハンドオフ応答を取得することと、
前記識別情報を利用して前記第2のセクタとの第2のリンクを作成することと、
を実行するためのマシン実行可能な命令を記憶しているマシン可読媒体。
【請求項20】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つである、請求項19に記載のマシン可読媒体。
【請求項21】
前記割り当てられたアクセススロットは専用アクセスリソースであって、別の無線端末は前記割り当てられたアクセススロットを利用することを禁じられている、請求項20に記載のマシン可読媒体。
【請求項22】
第2のセクタに関連付けられた信号を検出することと、
第1のセクタとの第1のリンクを経由して前記第2のセクタへ急速ハンドオフ要求を送信することと、
前記第1のリンクおよび前記第1のセクタを経由して前記第2のセクタから、識別情報を含むハンドオフ応答を受信することと、
前記識別情報を利用して前記第2のセクタとの第2のリンクを確立することと、
を行う命令を実行するプロセッサ。
【請求項23】
インデックスが前記識別情報に含まれているアクセススロットで、アクセス要求を前記第2のセクタへ送信することと、
前記第2のセクタから、少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可を受信することと、
前記タイミング補正コマンドに少なくとも部分的に基づいて送信機シンボルタイミングを修正することと、
前記送信機シンボルタイミングを使用して前記第2のセクタへ信号を送信することと、
を行う命令をさらに実行する、請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項24】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つである、請求項22に記載のプロセッサ。
【請求項25】
ハンドオフ遅延を軽減するために無線端末にリソースを割り当てることを容易にする方法であって、
別のセクタを経由して無線端末からハンドオフ要求を受信することと、
前記無線端末にリソースを割り当てることと、
前記割り当てられたリソースに関連付けられた識別情報を含むハンドオフ応答を送信することと、
前記割り当てられたリソースを用いて前記無線端末とのリンクを確立することと、
を備える方法。
【請求項26】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記無線端末との前記リンクを確立することは、
インデックスが前記識別情報に含まれている、割り当てられたアクセススロットで、前記無線端末からアクセス要求メッセージを受信することと、
少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージを前記無線端末へ送信することと、
前記タイミング補正コマンドに基づいて調節された前記無線端末から信号を受信することと、
をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記割り当てられたアクセススロットは前記無線端末の専用である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記無線端末からアップリンクアクセス交換を受信することと;
前記無線端末へダウンリンクアクセス交換を送信することと、なお、前記アップリンクアクセス交換および前記ダウンリンクアクセス交換のうちの少なくとも一方が識別子を含む;
をさらに備える、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記リンクを確立する間に前記無線端末を同期させることをさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
ランダムアクセススロットでアクセス信号を受信することと、
少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージを前記無線端末へ送信することと、
前記タイミング補正コマンドに基づいて同期されていて、前記識別情報の少なくとも一部を含んでいるアップリンクアクセス交換を、前記無線端末から受信することと、
前記無線端末へダウンリンクアクセス交換を送信することと、
をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロットのインデックスを含み、前記ランダムアクセススロットは、前記割り当てられたアクセススロットより前にある、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
無線端末に関連付けられた識別子を保持するメモリと、
前記無線端末からハンドオフ要求を受信し、前記無線端末に関連付けられた前記識別子を前記ハンドオフ要求に組み込み、前記ハンドオフ要求を別のセクタへルーティングし、前記別のセクタからハンドオフ応答を受信し、前記ハンドオフ応答を前記無線端末へ転送するプロセッサと、
を備える無線通信装置。
【請求項34】
前記プロセッサはさらに、前記別のセクタに関連付けられた接続識別子(CID)を前記ハンドオフ要求の一部として受信し、前記CIDに少なくとも部分的に基づいて前記ハンドオフ要求をルーティングする、請求項33に記載の無線通信装置。
【請求項35】
ハンドオフに関連する利用のために無線端末にリソースを割り当てる無線通信装置であって、
別のセクタを経由して無線端末からハンドオフ要求を取得する手段と、
前記無線端末にリソースを割り当てる手段と、
前記割り当てられたリソースに関連付けられた識別情報を、ハンドオフ応答の中で前記別のセクタを経由して前記無線端末へ送信する手段と、
前記割り当てられたリソースを利用して前記無線端末とのリンクを確立する手段と、
を備える無線通信装置。
【請求項36】
インデックスが前記識別情報に含まれている、割り当てられたアクセススロットで、前記無線端末からアクセス信号を受信する手段と、
少なくともタイミング補正コマンドを含むアクセス許可メッセージを前記無線端末へ送信する手段と、
前記タイミング補正コマンドに基づいて修正された信号を、前記無線端末から受信する手段と、
をさらに備える、請求項35に記載の無線通信装置。
【請求項37】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つを含む、請求項35に記載の無線通信装置。
【請求項38】
ビーコンに対する応答としてのハンドオフ要求を、別のセクタを経由して無線端末から受信することと、
前記無線端末にリソースを割り当てることと、
前記リソースに関連付けられた識別情報を、ハンドオフ応答の中で前記別のセクタを経由して前記無線端末へ送信することと、
前記リソースを用いて前記無線端末とのリンクを作成することと、
を実行するためのマシン実行可能な各命令を記憶しているマシン可読媒体。
【請求項39】
前記識別情報は、割り当てられたアクセススロット、タイミング関連情報、セッションオンID、アクティブID、移行先MAC状態、および、割り当てられたIDの有効期間のうちの少なくとも1つを含む、請求項38に記載のマシン可読媒体。
【請求項40】
前記割り当てられたアクセススロットは前記無線端末の専用である、請求項39に記載のマシン可読媒体。
【請求項41】
別のセクタに対するハンドオフ要求を無線端末から受信することと、
前記別のセクタへハンドオフ要求をルーティングすることと、
前記別のセクタから、前記無線端末に対するハンドオフ応答を受信することと、
前記ハンドオフ応答を前記無線端末へ送信することと、
を行う命令を実行するプロセッサ。
【請求項42】
前記ハンドオフ要求の一部として接続識別子(CID)を受信することと、
前記CIDに少なくとも部分的に基づいて前記別のセクタを識別することと、
前記CIDに基づいて前記別のセクタへ前記ハンドオフ要求をルーティングすることと、
をさらに実行する、請求項41に記載のプロセッサ。
【請求項43】
前記無線端末に関連付けられた識別子を決定することと、
前記別のセクタへルーティングされる前記ハンドオフ要求に前記識別子を組み込むことと、
をさらに実行する、請求項41に記載のプロセッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−147449(P2012−147449A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−37445(P2012−37445)
【出願日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【分割の表示】特願2009−520933(P2009−520933)の分割
【原出願日】平成19年7月14日(2007.7.14)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】