患者が標的位置で正確に医療用パッチの位置決めができる留置装置及びその方法
医療用パッチの留置装置は、第1の解剖学的位置合わせマーカーを有する第1の端部及び第2の解剖学的位置合わせマーカーを有する第2の端部を備えるシャフトを有する位置合わせガイドと、シャフトの方へ及びシャフトから離れて揺動ゲートを選択的に旋回させるため、並びにシャフトの両側の間で揺動ゲートを選択的に回転させるために、シャフトの第1の端部と枢動可能かつ回転可能に連結される揺動ゲートと、を含み、揺動ゲートは第1の主な面、第2の主な面、及び第1の主な面と第2の主な面との間で揺動ゲートを通って延びる第1の開口部を有する。留置装置は、ゲートとシャフトの第1の端部との間の間隔を選択的に調節するためのスペーサと、ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性ドームを有する可撓性隔壁と、を含む。可撓性ドーム内で医療用パッチを保持するために、少なくとも1つの磁石が可撓性ドームの中心に位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療用パッチに関し、より具体的には、患者が別の人又は医療関係者の補助なしで、身体の標的位置に一連の医療用パッチを位置合わせして貼ることができる留置装置及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
神経は、人間の体の末梢神経系の一部である。神経は、皮膚及び体器官と中枢神経系との間で感覚信号を伝達する。神経は、損耗、身体的外傷、感染、及び/又は神経を囲む血管の障害が原因で、損傷を受けることがある。このような機能的欠陥は、痛み、しびれ、虚弱、及び場合によっては麻痺を伴うことがある。血管の損傷によって生じる他の問題には、尿及び便の失禁が含まれ得る。
【0003】
上記の問題を扱うために、様々な方策が開発されてきた。例えば、尿失禁の治療は、より高頻度に排尿すること及び保護下着を着用することなどの行動修正を伴うことがある。ある社会的状況においては、しかしながら、人は、頻繁に排尿する又は保護下着を着用するという習慣に従うことができないこともある。別の対処法は、処方薬の服用を含めた薬物療法を伴う。しかしながらこの方法は薬剤の副作用又は相互作用を起こすことがあり、最終的に中断が必要になることがある。
【0004】
上記の状態を扱う別の技法は、標的の神経の近くに配置される電気医療装置を使用して神経を刺激することを伴う。そのような電気医療装置は通常、植込み式パルス発生器(IPG)と呼ばれ、典型的には、1つ以上の電極、電気パルス発生器、電池及びハウジングを含む。電気パルス発生器は、標的の神経を刺激するように適合された電気信号を発生する。電極は発生器から信号を受け取ると、電池からエネルギーを引き出し、標的の神経を刺激するのに好適な強度の電解を発生させる。
【0005】
IPGは、神経を刺激するにはある程度効果的であることが判明しているが、外科的手技の間に患者の体の内部に埋め込まれなければならないため、極めて侵襲的である。IPGはまた、相当な量のエネルギーを消費するが、これは、電極間の電気インピーダンスが増加すること、又は、電極とIPGとの間の電気インピーダンスが増加することに起因し得るものである。電池電力消費の増大は、「刺激の脱感作」と呼ばれる現象によっても引き起こされる。これは、人の身体が、印加された外部電荷に対する抵抗を提供することによって、印加された外部電荷に反応するようになるものである。身体は、標的神経の刺激閾値の増大という形で、印加された外部電荷に抵抗するため、それ以前の刺激レベルは非効果的になる。この問題を克服するために、より強力な電荷が生成されなければならず、それはより多くの電池電力を消費し、電池をより頻繁に取り替える及び/又は充電することが必要とされる。
【0006】
いくつかの神経刺激装置において、発生した電界は広範囲に広がり、標的の神経に沿って、標的でない筋肉及び神経に影響を与えることが観測されている。電界が広範囲に広がることにより、標的の神経における電気信号の強度が相当に低下する。適切に標的の神経を刺激するためには、電気信号の強度が実質的に増加されなければならず、これは装置が電池からより多くの電力を引き出すことが必要とされる。
【0007】
上記の欠点を考慮して、より有効で非侵襲的のやり方で神経を刺激しようとする多くの努力がなされてきた。例えば、非侵襲的選択的神経刺激(SNS)が、本発明の譲受人に譲渡された、2005年6月7日に出願された米国特許出願公開第2005/0277998号、及び2006年1月31日に出願された同第2006/0195153号において開示されており、それらの開示内容は、参照によって本願に組み込まれる。具体的には、それらの1つ以上の実施形態において、米国特許出願公開第2005/0277998号は、非侵襲的経皮神経刺激パッチを教示しており、その装置は、搬送波信号とパルス包絡線とを含んだ、制御された振幅変調波形を発生させ送信する。搬送波形は、組織のインピーダンスに起因する減衰を克服するのに十分な周波数のものとなるように設計される。パルス包絡線は、特定の神経を刺激するように設計された特定のパルス幅、振幅、及び形状の情報を含んでいる。神経を刺激することに加えて、医療用パッチはまた、鎮痛剤、薬品及びホルモン等の薬物の送達に使用され得る。
【0008】
医療用パッチは、パッチの活性部分又は作動部分が患者の標的位置に向けられた状態で患者の皮膚の表面に付着されることが多い。医療用パッチは、ある期間にわたって、治療の有益性を達成するために患者に神経刺激又は薬物を送達する。場合においては一連の医療用パッチが患者に貼られ、医療専門者によって貼られた第1の医療用パッチが患者の皮膚から取り除かれ、第2の医療用パッチと取り替えられる。やがては第2の医療用パッチが取り除かれ、第3の医療用パッチ、更に次へと取り替えられ得る。第2の医療用パッチの貼付、及びそれに続く医療用パッチの貼付は家庭で患者によって行われることが多い。交換用医療用パッチを適切に留置する経験がないため、交換用医療用パッチが患者の標的位置、例えば、神経刺激の標的である特定の神経に適切に位置合わせされない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述を考慮して、一連の医療用パッチが患者の身体の標的位置に効率よく留置され的確に位置合わせされる、医療用パッチの正確かつ反復可能な留置を提供するSNS医療用パッチ留置装置及び方法が求められている。また、標的の神経及び体部位を効果的に刺激する一方で、標的でない神経及び体部位は刺激しない改善された医療用パッチシステムが依然として求められている。更に、より侵襲性が低く、より小さな電力で効果的に動作し、それによって電力源を交換及び/又は再充電する必要を最小限にする神経刺激装置が依然として求められている。
【0010】
鎮痛剤、薬品及びホルモン等の薬物を送達する自己型位置決め及び位置合わせの医療用パッチの改善されたシステム及び方法が依然として求められている。更に、患者が家庭で補助なしで、患者の身体の1つ以上の標的位置に医療用パッチを自分で設置し留置できる留置装置が求められている。更に、特にパッチがユーザーに見えない場合において、患者が触覚を使用してパッチの様々な部品を識別できる医療用パッチシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態では、医療用パッチ留置装置は、患者が補助なしで家庭で医療用パッチの貼付を試みるときに直面する位置合わせ及び位置決めの問題に対処する。一実施形態では、留置装置は患者の身体に医療用パッチを留置するために反復可能かつ正確なシステムを好ましくは提供する。一実施形態では、留置装置は薬物送達又は疼痛管理等の神経刺激以外の医療処置に使用され得る。
【0012】
一実施形態では、的確に医療用パッチを留置する留置装置は、ハンドル、上部腕区分、スプーン状のカップを含む下部湾曲状の区分、及び揺動パッチホルダー又はゲートを含む。一実施形態では、スプーン状のカップは尾骨が起始し内側に曲がる(仙尾骨結合又は尾骨)箇所で仙骨の遠位端の下に嵌合するように設計される。一実施形態では、カップは好ましくはハンドルに取り付けられ、体格が異なる患者に順応するように調節可能であり得る。留置装置は、解剖学的形態の変化(例えば、背が低い又は高い患者)に順応するために垂直調節を行う少なくとも1つの垂直調節機構を含む。
【0013】
一実施形態では、患者は留置装置をハンドルで保持し、ハンドルを使用して留置装置を正確な位置に操作し、医療用パッチを保持するゲートが皮膚の表面に揺動され医療用パッチが皮膚に付着される間その位置を保持する。一実施形態では、ハンドルの上水平部分は、ゲートを保持する垂直の要素が必要に応じて身体から離れて旋回することを可能にするヒンジを含み、留置装置が多様な下背部/臀部の輪郭を有する患者に順応することを可能にする。
【0014】
一実施形態では、留置装置は、ゲート上に医療用パッチを保持するゲートと接続される可撓性隔壁を含む。留置装置は、金属を含む又は磁気特性を有する医療用パッチの一部分を磁気的に引き付けるように適合される可撓性隔壁に取り付けられる少なくとも1つの磁石を好ましくは含む。ゲートはまた、医療用パッチをゲートの中間端部に保持するための少なくとも1つのスロットを好ましくは含む。可撓性隔壁は、脊髄の左側又は右側のパッチ留置に順応するためにゲートのどちらかの側に前後に曲げられ得るドームを好ましくは含む。ゲートが背部に適切に位置決めされると、パッチを押してドーム及び磁石から離すことでパッチはゲートから放出され得る。
【0015】
一実施形態では、医療用パッチを位置決めするための留置装置は、第1の解剖学的位置合わせマーカー及び第2の解剖学的位置合わせマーカーを有する位置合わせガイドと医療用パッチを保持するように適合される、ゲートであって、患者の左側及び右側にパッチを位置決めするために位置合わせガイドの左側と右側との間で揺動するために位置合わせガイドと連結される、ゲートと、を含む留置装置。
【0016】
一実施形態では、位置合わせガイドは、上端部及び下端部を有するハンドルを好ましくは含み、第1の解剖学的位置合わせマーカーはハンドルの上端部に位置し、第2の解剖学的位置合わせマーカーはハンドルの下端部に位置する。一実施形態では、ハンドルはC字型の構成を有し、第1の及び第2の解剖学的位置合わせマーカーはC字型ハンドルの自由端に位置する。一実施形態では、第2の解剖学的位置合わせマーカーは、ハンドルの下端部を尾骨と位置合わせするように尾骨に係合するように適合される突起部を好ましくは含む。一実施形態では、突起部は、尾骨の末尾に係合するように適合される凹形の表面を望ましくは有する仙骨スプーンであり得る。
【0017】
一実施形態では、留置装置は、ハンドルの上端部と枢動可能に連結される上端部、並びにハンドルの方へ及びハンドルから離れて旋回するように適合される下端部を有する旋回するアームを好ましくは含む。一実施形態では、旋回するアームは、ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内で旋回するように好ましくは適合される。一実施形態では、ゲートがハンドルの左側と右側との間で左右に揺動できるように、ゲートは旋回するアームの下端部と望ましくは回転可能に連結される。
【0018】
一実施形態では、ゲートは患者の背部に位置決めされる医療用パッチを保持するように適合される。y一実施形態では、ゲートは、第1の面及び第1の面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、第2の面及び第2の面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、ゲートの第1の面と第2の面との間でゲートを通って延びる第1の開口部と、を好ましくは含む。装置は、ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁を好ましくは含む。可撓性隔壁は、ゲートの第1の面と第2の面との間で選択的に動かされるためにゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを望ましくは含む。一実施形態では、医療用パッチの一部分(例えば、金属の部分)を隔壁に接して保持するために少なくとも1つの磁石が可撓性ドームの中心に位置する。
【0019】
一実施形態では、揺動ゲートの第1の隆起部及び第2の隆起部は、医療用パッチがゲートに装填されるとき、医療用パッチの外周囲を取り囲むように望ましくは適合される。一実施形態では、第1の隆起部及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、医療用パッチの外周囲で少なくとも1つのアクセス可能なタブを受け入れるように適合される少なくとも1つのスロットを含む。
【0020】
一実施形態では、患者に医療用パッチを位置決めするための留置装置は、上端部及び下端部を有するシャフトを含むハンドルを含む。シャフトの上端部は、患者の脊椎と位置合わせするように適合される第1の位置合わせマーカーを望ましくは含み、シャフトの下端部は、患者の尾骨と位置合わせするように適合される第2の位置合わせマーカーを望ましくは含む。留置装置は、医療用パッチを受け入れるように適合されるゲートを好ましくは含み、ゲートはシャフトの方へ及びシャフトから離れて選択的に旋回するようにシャフトの上端部と枢動可能に連結され、かつシャフトの両側の間に延びるアークにわたってゲートを揺動するようにシャフトの上端部と回転可能に連結される。
【0021】
一実施形態では、留置装置は、ゲートとシャフトの上下端部との間の間隔を選択的に調節するための調節可能なスペーサを含み得る。一実施形態では、調節可能なスペーサは、ゲートをシャフトの上端部と好ましくは連結する。一実施形態では、留置装置は、異なる寸法又は身長を有する患者に順応するために多様な長さを有する複数の調節可能なスペーサを含み得る。
【0022】
一実施形態では、揺動ゲートは、第1の主な面と、第2の主な面と、第1の主な面と第2の主な面との間でゲートを通って延びる第1の開口部と、を好ましくは含む。ゲートは、ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁を含み得、可撓性隔壁はゲートの第1の面に面する凹形のカップとゲートの第1の面に面する凸形のドームとの間で可撓性隔壁の形状を変えるためにゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む。可撓性ドーム内で、又は可撓性隔壁に接して、医療用パッチを保持するために、少なくとも1つの磁石が可撓性ドームの中心に位置され得る。
【0023】
一実施形態では、ゲートは、ゲートの第1の主な面から突出する第1の位置合わせ隆起部、及びゲートの第2の主な面から突出する第2の位置合わせ隆起部を望ましくは含む。医療用パッチがゲートの第1の主な面に装填されるとき、第1の位置合わせ隆起部は医療用パッチの外周囲を取り囲むように望ましくは適合され、医療用パッチがゲートの第2の主な面に装填されるとき、第2の位置合わせ隆起部は医療用パッチの外周囲を取り囲むように望ましくは適合される。一実施形態では、第1の隆起部及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、医療用パッチの外周囲でアクセス可能なタブを受け入れるように適合されるスロットを含む。
【0024】
一実施形態では、患者が患者の身体に医療用パッチを自分で設置し位置決めすることを可能にする留置装置であって、第1の解剖学的位置合わせマーカーを備える第1の端部と第2の解剖学的位置合わせマーカーを備える第2の端部とを有するC字型のハンドル又はシャフトを含む位置合わせガイドと、揺動ゲートであって、シャフトの方へ及びシャフトから離れて平面内で揺動ゲートを選択的に旋回させるため、並びにシャフトの両側の間で揺動ゲートを選択的に回転させるために、シャフトの第1の端部と枢動可能かつ回転可能に連結される、揺動ゲートとを、含む。一実施形態では、ゲートは、第1の主な面と、第2の主な面と、第1の主な面と第2の主な面との間でゲートを通って延びる第1の開口部と、を好ましくは含む。留置装置は、ゲートとシャフトの第1の端部との間の間隔を選択的に調節するためにゲートをシャフトの第1の端部と連結させる調節可能なスペーサ、及びゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁を望ましくは含み、可撓性隔壁はゲートの第1の面に面する凹形のカップとゲートの第1の面に面する凸形のドームとの間で可撓性隔壁の形状を変えるためにゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む。留置装置は、可撓性隔壁内で医療用パッチを保持するために可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を望ましくは含む。
【0025】
一実施形態では、揺動ゲートは、患者の左側に医療用パッチを留置することが望ましいときシャフトの左側に好ましくは揺動し、患者の右側に医療用パッチを留置することが望ましいときシャフトの右側に揺動する。単一の留置装置は、患者のどちらかの側に医療用パッチを留置するために好ましくは使用され得る。
【0026】
留置され得る医療用パッチは、神経刺激(例えば、SNSパッチ)、疼痛管理薬、ホルモン、又は薬物を患者の標的位置に送達するように適合される活性領域を有する医療用パッチを含む。
【0027】
一実施形態では、留置装置は、揺動ゲートと連結されるハンドルを好ましくは含む。一実施形態では、ハンドルは、留置装置が脊椎と適切に位置合わせされている触覚フィードバックを与えるために使用され得、それによって横方向の位置決めをもたらす。一実施形態では、留置装置は、患者が屋外に容易に持ち運びできるように持ち運び可能であるように好ましくは設計される。
【0028】
一実施形態では、留置装置は、患者が患者の標的位置に一貫して正確に一連の医療用パッチを留置することを可能にするツールを提供する。一実施形態では、交換用パッチは、家庭で患者によって身体に好ましくは留置され、留置装置は、1つ以上の標的位置上に正確に留置すること及び一貫して留置することの双方を望ましくは確実にする機能を果たす。
【0029】
一実施形態では、医療用パッチは、銀、銀/塩化銀、金、チタン、又は他の導電性材料等の周知の電極材料から構成され得る。医療用パッチはまた、導電性高分子、繊維等で製造され得る。医療用パッチは所有者共通の米国特許出願第11/146,522号で説明するように独立型の構成要素であってもよく、開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。医療用パッチがフレキシブル回路に組み込まれる場合は、フレキシブル回路は刺激する信号の生成に必要な所要電子機器回路のすべてが含まれ得る。フレキシブル回路は電池を受け入れる装着領域が含まれ得る。
【0030】
本発明の一実施形態では、留置装置は、身体上の特定の標的位置に1つ以上の医療用パッチを正確に一貫して留置するために使用される。一実施形態では、留置装置は、医療用パッチを標的位置に的確に留置するために患者の身体の1つ以上の解剖学的な目印を使用するように好ましくは適合される。一実施形態では、留置装置は、上部区分、湾曲状のシャフト、及びスプーン状のカップを有する下部区分を有するハンドル、並びに医療用パッチを保持しパッチを標的位置に正確に位置決めするように適合される揺動ゲートを好ましくは含む。
【0031】
一実施形態では、留置装置のハンドルは、患者のどちらかの手に容易かつ快適に保持されるように好ましくは適合される。一実施形態では、ハンドルは、快適に使用され得、臀部の解剖学的形状の違いに順応し得るように「C」字形をなす。一実施形態では、留置装置は、身長が異なる患者に順応するために1つ以上の垂直調節要素を含む。一実施形態では、ハンドルの上端部は、留置装置が身体の好ましい解剖学的特徴と適切に整列していると患者に触覚フィードバックを与えるために使用される外方に湾曲する部分を好ましくは有し、それによって正確な横方向の位置決めをもたらす。一実施形態では、好ましい解剖学的特徴は患者の脊椎である。
【0032】
一実施形態では、留置装置は、ハンドルの底部分に取り付け可能なカップを好ましくは含む。カップは、尾骨が起始し内側に曲がる箇所(仙尾骨結合又は尾骨)で仙骨の遠位端の下に快適に嵌合するように適合される好ましくはスプーン形状の装置で、医療用パッチの正確な留置の提供を望ましくは助長する。カップの形状は、殿裂を通って仙尾骨結合の下に留置されるように好ましくは適合される。カップは、快適に嵌合するように人間工学的な理由で望ましくは湾曲状をなし、頑丈だが柔らかい材料で製造される。カップの寸法又は配向は多様な体格を有する患者に順応するように調節可能であり得る。
【0033】
本発明の一実施形態では、基板上にある構成部品には、パッチを作動させるための電池などの電力源及びその電力源に結合されるスイッチが含まれる。スイッチは、1回限り作動されるように適合された1回使用型のスイッチであってもよい。構成部品にはまた、パッチが作動されていることを示す光信号を発生させるためのLEDなどの発光素子と、少なくとも1つの神経刺激信号と関連付けられたパラメータを制御するための信号を受信するように適合されるフォトダイオードなどの光センサーとが含まれる。一実施形態では、リモートコントロールはフォトダイオードに光信号を向けるために使用され得、検出される光信号はパッチの神経刺激出力を調節するために使用される。一実施形態では、医療用パッチを活性化するスイッチはフォトダイオードであってもよい。一実施形態では、医療用パッチが活性化されるとき、光学送受信機は医療用パッチとリモートコントロール又は制御器との間で双方向通信を提供するために使用され得る。送受信機は、制御器にデータを伝送するLED、及び制御器から望ましくはコマンドを受信する受信器を含み得る。
【0034】
本発明の一実施形態では、神経刺激パッチは、頂面と底面とを有する回路基板と、少なくとも1つの神経刺激信号を発生させるための回路基板の頂面上にある複数の内蔵構成部品と、内蔵構成部品に通電するための回路基板の頂面上にある電力源と、回路基板内に配置された電極と、を有する。電極は、回路基板の底面にてアクセス可能であり、少なくとも1つの神経刺激信号を印加するための内蔵構成部品と電気的に相互接続される。選択的神経刺激パッチは望ましくは、回路基板を覆う防水通気性カバーと、回路基板に結合され、回路基板を囲む支持フランジであって、支持フランジの外周に向かって下向きに傾斜する頂面を有する支持フランジとを有する。支持フランジは可撓性であってもよく、支持フランジのその傾斜する頂面にてアクセス可能な複数の排出開口部を有してもよく、排出開口部は、水分をパッチから排出するために、防水通気性上部カバーと連通する。
【0035】
一実施形態では、神経刺激パッチは、パッチを表面に固定するための、電極上にある接着性ヒドロゲルパッドなどの導電性接着パッドを有する。導電性接着パッドは交換可能であり、それにより、パッチを一時的に基板から取り外し、次いで交換するかあるいは表面上に再配置することが可能である。
【0036】
本発明の一実施形態では、透明な封入材料が内蔵構成部品の上にあり、支持フランジがその透明な封入材料を囲む。内蔵構成部品は、電源、1回限りの活性化スイッチ(例えば、フォトダイオード)、発光素子、及び光センサー(例えば、発光素子及び光センサーを含む送受信機システム)を含み得る。一実施形態では、防水通気性カバーは、1回型の作動スイッチと位置合わせされる第1の開口部と、発光素子と位置合わせされる第2の開口部と、光センサーと位置合わせされる第3の開口部とを有する。このパッチは、パッチを表面に取り付けるための、電極を被覆する導電性接着パッドと、防水通気性カバーの周囲の裏面部分を被覆する接着層とを有してもよい。接着パッド及び接着層により、パッチを表面から一時的に取り外し、次いで後に表面に再び取り付けることが可能になり得る。一実施形態では、接着パッドは、新しい接着パッドと交換されてもよい。
【0037】
本発明の一実施形態では、選択的神経刺激パッチは、1つ以上の電極と、1つ以上の波形発生器と、1つ以上の変調器と、電池とを有してもよい。波形発生器は好ましくは、標的の神経を選択的に刺激し、かつパッチと標的の神経との間の組織を透過することが可能な波形を発生させる。電池は、神経刺激パッチに好ましい電力源であり、波形発生器は電池から電力を引き出す。モジュレーターは、波形ジェネレーターからの波形を変調し、変調波形を生成し、これを電極に送る。モジュレーターからの電気信号を受け取った電極は、標的神経を刺激するための電界を望ましくは生成する。
【0038】
本発明の一実施形態では、電池は非充電式電池である。本発明の別の実施形態において、電池は充電式電池であり、これは共有磁界を介したエネルギー転送のためのインダクティブカップリングを使用することにより、又は電源を充電するための任意の他の既知技法を使用することにより、高周波信号を使用して充電することができる。
【0039】
本発明の1つ以上の実施形態において、選択的神経刺激パッチは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2005/0277998号(2005年6月7日に出願された米国出願第11/146,522号)及び同第2006/0195153号(2006年1月31日に出願された米国出願第11/343,627号)に記載された装置及び技法を使用して、標的の神経を刺激するための変調波形を発生させるように適合されており、これらの特許出願公開の開示内容は、参照によって本願に組み込まれる。波形は、パルスエンベロープを伴う搬送波形を変調することによって、望ましくは生成される。振幅、周波数等の搬送波形の特性は、組織インピーダンスを超え、標的神経の刺激閾値を超えるように選択される。パルスエンベロープは、標的神経を選択的に刺激するよう設計された、特定のパルス幅、振幅及び形状を有する波形である。この波形は、電気信号の強度の損失を最小限に抑えて、組織を効率的に通り抜けて標的神経に達することができるため、これにより、他の方法では低周波数信号で標的神経を刺激するために何回も行われるであろう電池交換の回数が低減する。更に、標的神経だけが刺激され、非標的神経は刺激されない。
【0040】
本発明の1つ以上の実施形態が、女性における神経刺激及び女性の泌尿器系に関連して記述されているが、本発明は男性、子供、及び成人における神経刺激、並びに男性、子供、及び成人の泌尿器系における使用に容易に構成させることができることが、理解されるべきである。更に、本明細書で開示される本発明の原理、器具及び方法は、例えば冠状動脈又は肺の機能など、他の領域の機能の評価及び治療に対する適用も有し得る。また更に、本明細書で開示されている発明の原理、器具及び方法は、様々な他の神経を刺激するための用途も有することがあり、例えば分娩及び出産時の神経刺激、又は様々な患者状態に選択的に対応するために所定の神経束の分枝を選択的に刺激することがある。更に、本明細書で説明する技術は、腹圧性尿失禁、肛門及び大便失禁、性機能不全、間質性膀胱炎、骨盤痛が挙げられるがこれに限定されない慢性的疼痛、夜間多尿症、並びに胃ペーシングが挙げられるがこれに限定されない胃腸障害の状態に寄与する又は影響を及ぼす神経系の様々な構成成分に適用できる。更に、本発明は、例えばホルモンを分泌する腺、及び大きな筋肉群(例えば理学療法に関連する二頭筋の刺激)など、神経ではなく身体部分を刺激するのにも使用することができる。
【0041】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記に詳しく記述される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態による、ハンドル、仙骨カップ、旋回するアーム、スペーサ、揺動ゲート、及び可撓性隔壁を含む医療用パッチの留置装置の分解図。
【図2A】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図2B】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図2C】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図2D】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図3】図1に示すハンドルの斜視図。
【図4】図1に示す仙骨カップの斜視図。
【図5A】図1に示す旋回するアームのそれぞれの側面図、前方斜視図、及び平面図。
【図5B】図1に示す旋回するアームのそれぞれの側面図、前方斜視図、及び平面図。
【図5C】図1に示す旋回するアームのそれぞれの側面図、前方斜視図、及び平面図。
【図6A】図1に示すスペーサのそれぞれ側面図及び斜視図。
【図6B】図1に示すスペーサのそれぞれ側面図及び斜視図。
【図7A】図1に示す揺動ゲートの第1の面の斜視図。
【図7B】図1に示す揺動ゲートの第2の面の斜視図。
【図8A】図1に示す揺動ゲートの後端図。
【図8B】図8Aに示す揺動ゲートの後端図の斜視図。
【図9A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを係合するように適合される可撓性隔壁。
【図9B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを係合するように適合される可撓性隔壁。
【図9C】本発明の一実施形態による、医療用パッチを係合するように適合される可撓性隔壁。
【図10A】本発明の一実施形態による、図9A〜9Cの可撓性隔壁が揺動ゲートに組み立てられた後の図1の揺動ゲートの第1の面の斜視図。
【図10B】揺動ゲートの第2の面及び図10Aに示す可撓性隔壁の斜視図。
【図11A】本発明の一実施形態による、医療用パッチの平面図。
【図11B】図11Aに示す医療用パッチの底面図。
【図11C】本発明の一実施形態による、ゲルパッドを露出させるために中央シールが取り除かれた後の図11Bに示す医療用パッチの底。
【図12】本発明の一実施形態による、図11A〜11Cに示す医療用パッチと通信し医療用パッチを制御するためのリモートコントロール。
【図13A】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13B】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13C】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13D】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13E】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13F】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13G】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13H】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13I】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13J】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13K】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13L】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13M】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13N】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13O】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13P】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13Q】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14A】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14B】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14C】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14D】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14E】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14F】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14G】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14H】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14I】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14J】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14K】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14L】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14M】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14N】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14O】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14P】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14Q】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図15A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを作動するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図15B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを作動するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図16A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図16B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図16C】本発明の一実施形態による、医療用パッチを活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図17A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを非活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図17B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを非活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図17C】本発明の一実施形態による、医療用パッチを非活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図18A】本発明の一実施形態による、医療用パッチの信号強度を増減するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図18B】本発明の一実施形態による、医療用パッチの信号強度を増減するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図19】本発明の一実施形態による、医療用パッチの状態を確認するためにリモートコントロールを使用する方法。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の一実施形態による、患者への治療の有益性を最大限にするために患者に1つ以上の医療用パッチを正確に位置決めするために用いる留置装置30の分解図を示す。一実施形態では、留置装置30は、患者の後部の右側又は左側等の患者の右側又は左側のどちらかに二者択一的に医療用パッチを位置決めするのに使用できるように、望ましくは両側性である。一実施形態では、留置装置30は上端部34と、下端部36と、上端部と下端部との間に延びるシャフト38と、を有するハンドル32を好ましくは含む。一実施形態では、シャフト38はC字型であり得る。留置装置30は、ハンドル32の下端部36から延びる仙骨カップ40を好ましくは含む。一実施形態では、仙骨カップはハンドルの下端部に固定される別の部品であり得る。一実施形態では、仙骨カップはハンドル32の下端部36と一体成形され得る。
【0044】
一実施形態では、留置装置30は1つ以上の旋回シャフト44A、44Bを介してハンドル32の上端部34と枢動可能に連結される上端部を有する旋回するアーム42を好ましくは含む。一実施形態では、旋回シャフト44A、44Bは、ハンドルの上端部34に設けられる1対の位置合わせした開口部45A、45Bと好ましくは連結される。旋回シャフトは位置合わせした開口部45A、45Bの中にスナップ嵌装され得る。一実施形態では、旋回するアームは、ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内でハンドルの方へ及びハンドルから離れて旋回するように好ましくは適合される。
【0045】
一実施形態では、留置装置30は、上端部を、旋回するアーム42の下端部と連結され得るスペーサ46を好ましくは含む。スペーサ46の長さは患者の寸法次第で変化し得る。一実施形態では、留置装置は、様々な寸法及び/又は身長を有する患者に使用するために装置を変更するための様々な長さを有する複数のスペーサ46を有し得る。
【0046】
図1を参照すると、一実施形態では、旋回するアーム42の下端部はスペーサ46の上端部を受け入れるように適合される。スペーサ46と旋回するアーム42との間に確実な接続を形成するために、スペーサ46の上端部と旋回するアーム42の下端部の開口部との間にOリング54が配置され得る。
【0047】
一実施形態では、スペーサ46は、揺動ゲート48の上端部に設けられるシャフトの開口部等の開口部に嵌装するように適合される下端部を好ましくは有する。本明細書でより詳細に説明されるように、揺動ゲート48は、医療用パッチを保持するように、かつ患者の左側又は右側に医療用パッチを位置決めするために左右に揺動するように望ましくは適合される。一実施形態では、揺動ゲート48は大きい方の開口部56及び小さい方の開口部58を好ましくは含む。ゲート48の大きい方の開口部56は、保持リング60によって大きい方の開口部56に保持される可撓性隔壁50を受け入れ着座させるように適合される。留置装置30は、可撓性隔壁50の中心に位置決めするように適合される磁石組立品52も好ましくは含む。一実施形態では、磁石組立品52は、1対の磁石64A、64Bを保持するように望ましくは適合される磁石ホルダー62を好ましくは含む。一実施形態では、磁石ホルダー62は、可撓性隔壁50の第1の面に第1の磁石64Aを保持し、可撓性隔壁50の第2の面に第2の磁石64Bを保持する。
【0048】
一実施形態では、ゲート48は、スペーサ46の下端部と共に組み立てられるとき約20°〜45°、より好ましくは約30°の角度を形成する長手方向軸線に沿って好ましくは延びる。一実施形態では、スペーサは使用されなくてもよく、ゲート48は旋回するアーム42の下端部に直接連結されてもよい。一実施形態では、ハンドル32は成形品であり得る。一実施形態では、ハンドル32は約25%がガラスで充填されるDelrin(登録商標)材料で好ましくは製造される。仙骨カップ40は、ガラス充填なしのDelrin(登録商標)材料とサントプレーン材料との組み合わせで製造され得る。一実施形態では、スペーサ46は、ガラス充填なしのDelrin(登録商標)材料で製造され得る。可撓性隔壁50はシリコーン材料で製造され得る。
【0049】
図1及び2Aを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48はスペーサ46の下端部に好ましくは固定され、次いで、旋回するアーム42の下端部と連結される。図2Bを参照すると、一実施形態では、ハンドルは平面P1にある長手方向軸線を有し、旋回するアーム42及びスペーサ46は平面P1と位置合わせされ平面P1内で旋回する。
【0050】
図2B及び2Cを参照すると、一実施形態では、旋回するアーム42の上端部は、ハンドル32の上端部34と枢動可能に連結される。一実施形態では、図2Cに示すように、旋回アームの下端部がRP−FPと指定される弧に沿って移動できるように、旋回するアーム42は旋回シャフト44を中心にして旋回するように適合される。一実施形態では、旋回するアーム42は、ハンドル32から離れて(図2Bに示すように平面P1内で)FPと指定される点まで旋回可能である。旋回するアーム42はRPと指定される点までハンドル32の方へ旋回可能である。留置装置30は、旋回するアーム42の前方及び後方の旋回を制限する止めを望ましくは含む。上述したように、旋回するアーム42が前方及び後方に旋回するとき、旋回するアーム及びスペーサ46は、図2Bに示す平面P1内に好ましくはとどまる。本発明はいかなる特定の動作理論に限定されるものではないが、旋回するアーム42の前方及び後方に旋回する機能が異なる寸法を有する患者が留置装置を容易に使用できるようにすると考えられる。例えば、より大きな後方を有するより大きな患者は、患者のより大きな寸法に対応するために旋回するアーム42のより大きな後方への動きを必要とする。より小さい後部を有するより小さい患者は、旋回するアームのより小さい後方への動きを必要とする。
【0051】
図2A〜2Dを参照すると、一実施形態では、ゲート48は、スペーサの下端部に取り付けられる揺動ゲートである。一実施形態では、ゲート48はスペーサ46の長手方向軸線を中心にして回転するように好ましくは適合される。図2Dを参照すると、一実施形態では、ゲート48は少なくとも90度左〜少なくとも90度右に、より好ましくは約170度左〜約170度右に自由に回転する。図2Dで、ゲート48の左の最大範囲はLRと指定され、ゲート48の右の最大範囲はRRと指定される。一実施形態では、揺動ゲート48は、ゲートがハンドルの左側と物理的に接触するまで左に、及びゲートがハンドルの右側と物理的に接触するまで右に、好ましくは回転する。一実施形態では、揺動ゲートを含む留置装置は、患者の左側又は右側のどちらかへの両側性の医療用パッチの位置決めを好ましくは提供する。図2Dに示す特定の構成では、留置装置30は、患者の左側に医療用パッチを留置する位置にある。ゲート48は患者の右側に医療用パッチを位置決めするためにハンドル32の右側に回転し得る。
【0052】
図3を参照すると、一実施形態では、留置装置用のハンドル32は、上端部34、下端部36、及びその間を延びるC字型シャフト38を含む。一実施形態では、ハンドル32は望ましくはスナップ嵌装する2つの成形された半体70A、70Bを含む。ハンドル32はポリマー等の耐久性のある材料で好ましくは製造される。
【0053】
一実施形態では、ハンドル32の上端部34はA1と指定される軸線に沿って延び、ハンドルの下端部36はA2と指定される第2の軸線に沿って延び、第1の軸線A1及び第2の軸線A2は互いに実質的に平行である平面に延びる。
【0054】
一実施形態では、ハンドル32の上端部34は1対の位置合わせした開口部45A、45Bを含み旋回するアームの上端部に設けられる1つ以上の旋回シャフト44A、44Bを受け入れるように適合される(図1)。一実施形態では、ハンドル32の下端部36は、下端部の前端に形成される開口部74を有する。一実施形態では、開口部74は、以下でより詳細に説明するように、好ましくは仙骨カップの後シャフトを受け入れるように適合される十字形の開口部76である。
【0055】
図4を参照すると、一実施形態では、留置装置は前端80及び後端82を有する仙骨カップ40を含む。仙骨カップ40は、患者の尾骨の末尾に係合するように凹形の上面86を有するスプーン84を含む。スプーン84は、凹形の表面86の後端から上方に好ましくは延びる止め88を含む。止め88は、スプーン84が患者の尾骨に当接した後、仙骨カップが更に前進しないように適合される。仙骨カップ40は、仙骨カップをハンドルの下端部と接続するために、ハンドル32の下端部36で開口部74に挿入するように適合される後シャフト90(図3)も好ましくは含む。一実施形態では、シャフト90はハンドル32の下端部36で十字形の開口部76に係合するように適合される十字形を有する。
【0056】
図5A〜5Cを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ留置装置は旋回するアーム42を望ましくは含む。一実施形態では、旋回するアーム42は、上端部92、下端部94、及び上端部92と下端部94との間に延びる中央開口部96を含む。図5Aに示すように、一実施形態では、旋回するアーム42は以下でより詳細に説明するようにスペーサ上に設けられる連結歯を受け入れるように適合される1対の位置合わせしたスリット104を含む。
【0057】
一実施形態では、旋回するアーム42は、旋回するアームの片側から突出する第1の旋回シャフト44A、及び旋回するアームの対向側から突出する第2の旋回シャフト44Bを好ましくは含む。第1の旋回シャフト44A及び第2の旋回シャフト44Bは互いに実質的に位置合わせにあることが好ましい。図3及び5Bを参照すると、一実施形態では、1対の旋回シャフト44A、44Bは、旋回するアーム42がハンドル32の上端部34で枢動可能に接続されるように、ハンドル32の上端部34でそれぞれの開口部45A、45B(図3)に挿入されるように適合される。旋回するアーム42は、旋回するアーム42の後端の方へ下向きに傾斜する傾斜面100も望ましくは含む。傾斜面100は、旋回するアーム42がハンドルの方へ後方に旋回する範囲を制限する旋回止め102まで望ましくは延びる。
【0058】
図6A及び6Bを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ用の留置装置は、上端部110、下端部112、及び上端部と下端部との間に延びる細長いシャフト114を有するスペーサ46を含む。一実施形態では、細長いシャフト114はL1と指定される長手方向軸線に沿って上端部と下端部との間に好ましくは延びる。スペーサ46は、細長いシャフト114の直径より大きな直径を有する外表面を有する円筒形の中央部分116を好ましくは含む。
【0059】
一実施形態では、スペーサ42の上端部はそれぞれ歯120A、120Bを有する1対の上方連結アーム118A、118Bを含む。一実施形態では、スペーサ46のシャフト114の上端部110は、旋回するアーム42を通って延びる中央開口部96(図5C)に挿入できる。スペーサ46を旋回するアーム42と連結するために、連結アーム118A、118Bの歯120A、120Bが位置合わせしたスリット104(図5A)にスナップ嵌装するまで、シャフト114の上端部110は旋回するアームの中央開口部96の中に好ましくは進められる。
【0060】
一実施形態では、スペーサ46の下端部112はそれぞれ連結歯124A、124Bを有する可撓性の下方連結アーム122A、122Bを望ましくは含む。以下でより詳細に説明するように、シャフト114の下端部112は揺動ゲートの上端部に設けられる開口部に挿入されるように適合される。歯142A、142Bは、ゲートに設けられるスリットにスナップ嵌装するように適合される。
【0061】
図7A及び図7Bを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ留置装置の揺動ゲート48は、大きい方の開口部56及び小さい方の開口部58を好ましくは含む。ゲート48は、前端134と、及び図6A及び6Bに示すスペーサ46の下端部に好ましくは取り付けられる後端136と、を好ましくは含む。図7Aは揺動ゲート48の第1の面130の斜視図を示し、図7Bは揺動ゲート48の第2の面132の斜視図を示す。ゲート48の第1の面130は、外周囲、及び第1の面130の上に突出し第1の面の外周囲の周りに延びる、第1の隆起部138を有する。第1の隆起部は、パッチを適所に保持するためにゲートの第1の面に装填される医療用パッチの外周囲を取り囲むように好ましくは適合される。第1の隆起部138は、ゲート48の前端134に設けられるタブ位置合わせ開口部140を好ましくは有する。
【0062】
図7Bを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48は外周囲を有する第2の面132を好ましくは有し、ゲート48は第2の面132の上に延び、第2のゲートの外周囲を取り囲む第2の隆起部142を含む。第2の隆起部は、パッチを適所に保持するためにゲートの第2の面に装填される医療用パッチの外周囲を取り囲むように好ましくは適合される。第2の隆起部142は、ゲート48の前端134に設けられるタブ位置合わせ開口部144を好ましくは有する。
【0063】
図7A及び図7Bを参照すると、一実施形態では、ゲート48の後端136は、後端から上方へ突出するシャフト146を有する。シャフト146は、スペーサ46の下端部112(図6A)を受け入れるように適合される開口部148を望ましくは有する。シャフト146は、スペーサ46の下端部112でアーム122A、122Bに設けられるそれぞれの歯124A、124B(図6A)を受け入れるように適合される位置合わせしたスリット150A、150Bも好ましくは含む。ゲートのシャフト146の開口部148がスペーサシャフト114と連結されると、ゲートシャフト146は、スペーサ46の長手方向軸線L1を中心にして回転するように適合される。
【0064】
図7Bを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48の第2の面132は、可撓性隔壁50(図1)の辺縁部分を受け入れるように適合される第2の面に形成される環状のくぼみ152を望ましくは含む。位置合わせ要素154、156は環状のくぼみ152内に望ましくは設けられる。位置合わせ要素154、156は、環状のくぼみ152内で可撓性隔壁を位置合わせし保持するために、可撓性隔壁の外周縁に形成される開口部又はノッチに係合する、好ましくは突出する要素である。
【0065】
図8A及び8Bを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48の後端136は後端内に形成される1対のタブ位置合わせスリット160A、160Bを好ましくは有する。一実施形態では、ゲート48は、ゲート48の第1の面130の上に突出する第1の位置合わせ隆起部138、及びゲート48の第2の面132の上に突出する第2の位置合わせ隆起部142を望ましくは含む。第1の位置合わせ隆起部138及び第2の位置合わせ隆起部142は、以下でより詳細に説明するように、医療用パッチの後端から突出するタブを受け入れるように好ましくは適合される、タブ位置合わせスリット160A、160Bをそれぞれ望ましくは含む。第1のタブ位置合わせスリット160Aはゲート48の第1の面130と好ましくは実質的に位置合わせされ、第2のタブ位置合わせスリットはゲートの第2の面132と好ましくは実質的に位置合わせされる。
【0066】
図9A〜9Cを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ留置装置の可撓性隔壁50は第1の面162(図9A及び9B)及び対向する第2の面164(図9C)を好ましくは含む。可撓性隔壁50は、中央領域に形成される一連の磁石ホルダー開口部168を有する中央領域166を含む。一実施形態では、中央領域166は実質的に好ましくは平らであり、磁石ホルダー開口部168は磁石ホルダー62(図1)に設けられる突起部を受け入れるように適合される。可撓性隔壁は、可撓性隔壁の中央領域166を取り囲む可撓性ドーム状領域170も望ましくは含む。一実施形態では、可撓性隔壁はドーム状を作り出すために切断される1枚のシリコーンから好ましくは製造される。一実施形態では、シリコーンシートの設計はドームを好ましくは形成し、ドームを押すことによってドームが凹状から凸状に反転可能になることを可能にする。可撓性隔壁50は、ドーム状領域170を取り囲む辺縁領域172も望ましくは含む。辺縁領域172は、ゲート48の第2の面132上の細長い突起部154(図7B)に係合するように適合される複数の細長い開口部174を望ましくは含む。辺縁領域172は、揺動ゲート48(図7B)の第2の面132から突出する三角形状の突起部156に係合するように適合される、複数のV字形の位置合わせ溝又はノッチ176も望ましくは含む。
【0067】
一実施形態では、隔壁50の可撓性ドーム状領域162は、図9Bに示す凹形状から図9Cに示す凸形状に選択的に変換可能であるように適合される。一実施形態では、医療用パッチを患者の右側に位置決めするために留置装置を使用し得るように、可撓性隔壁50は図9Bの凹形状に変換する。一実施形態では、以下でより詳細に説明するように、医療用パッチを患者の左側に位置決めするために留置装置を使用し得るように、可撓性隔壁50は図9Cに示す凸形状に転換され得る。
【0068】
図10Aを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48は、揺動ゲートの後端136から上方へ突出するシャフト146を含む。スペーサの下端部(図6A)で歯124A、124Bがシャフト146に設けられるスロット150A、150Bにスナップ嵌装するように、シャフト146はスペーサ46の下端部と望ましくは連結される。次に、取り付け歯120A、120Bをスペーサ46の上端部110(図6A)で旋回するアーム42(図5A)に設けられるスリット104にスナップ嵌装することで、スペーサ46の上端部は旋回するアーム42の下端部と連結され得る。次に、旋回するアーム42の上端部に設けられる旋回シャフト44A、44Bは、ハンドル(図1)の上端部34の前端に設けられる位置合わせした開口部45A、45Bにスナップ嵌装する。
【0069】
上述したように、揺動ゲート48がハンドルの上端部34と連結された後、旋回するアーム42は、P1と指定される平面(図2B)内でハンドル32のシャフト38の方へ及びシャフト38から離れて旋回するように好ましくは適合される。ゲート48のシャフト146は、スペーサ46の長手方向軸線L1を中心にして回転するように適合される。ゲート48は、ゲートがハンドル32のC字型シャフト38の第1の側すなわち左側に係合するまで左に、及びゲートがハンドル32のC字型シャフト38の第2の側すなわち右側に係合するまで右に、揺動するように適合される。一実施形態では、ゲートを動かすのに最少限の力を使用して、ゲートは左側と右側との間を揺動可能である。旋回するアームの底面とスペーサとの間のOリング54(図1)はゲートの揺動動作にいくらかの抵抗を与え得る。
【0070】
図10Aは、第1の面130に対して凹状を有する可撓性隔壁50を備えるゲート48の第1の面130を示す。磁石組立品52が大きい方の開口部56内に中心に置かれるように、隔壁150はゲート48の大きい方の開口部56と位置合わせされる。
【0071】
図10Bは、図10Aに示す構成で可撓性隔壁50を備えるゲート48の第2の面132を示す。ゲートの第2の面から延びる細長い突起部154は、可撓性隔壁50を大きい方の開口部56と位置合わせするために、可撓性隔壁の細長い開口部174(図9A)を好ましくは通り抜ける。留置装置は、大きい方の開口部56内で可撓性隔壁を保持する可撓性隔壁保持リング60を望ましくは含む。揺動ゲート48の第2の面132から見ると、可撓性隔壁50のドーム状部分162は凸形状を有する。磁石組立品52は、大きい方の開口部56の中心の内側に好ましくは配置される。
【0072】
図11Aを参照すると、一実施形態では、選択的神経刺激(SNS)パッチ等の医療用パッチ200は、パッチに電力を供給する電池202、及びパッチの制御のための通信インタフェースを提供する光学的な目204を含む。医療用パッチ200は、医療用パッチの前端208と後端210との間に延びる外周囲206を好ましくは有する。医療用パッチ200は、保管中及び患者への留置前にパッチを保護する取り除き可能な上シール212を望ましくは含む。一実施形態では、上シール212は、上シール212に係合され上シール212を取り除くために引っ張り得るプルタブ214を含む。
【0073】
図11Bは、図11Aに示す医療用パッチ200の底面を示す。一実施形態では、医療用パッチの底面は、パッチの底面に露出する1つ以上の電極を望ましくは覆う中央シール220、及び医療用パッチ200の底面を覆う下シール222で好ましくは覆われる。一実施形態では、下シール222は、医療用パッチの前端208を覆う第1の区分224、及び医療用パッチ200の後端210を覆う第2の区分226を含む。下シールの第1の区分224は、医療用パッチ200の底面で第1の区分224を取り除き、接着層を露出させるためのプルタブ226を望ましくは含む。下シールの第2の区分228は、第2のシール区分228を取り除くためのプルタブ230を好ましくは含む。本明細書に説明するように、それぞれのプルタブ226、230は、ゲート48を用いる医療用パッチ200の位置合わせを提供する(図7A及び7B)こと、及び医療用パッチ上に設けられる要素(例えば、電極、接着層)を、露出することが望ましいときまで保護すること、を含む複数の機能を好ましくは行う。
【0074】
一実施形態では、第2のプルタブ230は、ゲートの第1の隆起部138(図7A)に形成される位置合わせ開口部140内に受け入れられるように適合される。第1のプルタブ226は、ゲート48(図8B)の後端136に形成される後部位置合わせスロット160A、160Bのうちの1つの中に受け入れられるように適合される。したがって、第1のプルタブ226及び第2のプルタブ230はそれぞれ少なくとも2つの機能を行う。第1の機能は位置合わせ機能であり、タブ226、230はゲート48上の医療用パッチ200の位置合わせを容易にする。プルタブ226、230のそれぞれは、医療用パッチを患者に位置合わせした後、下シールの第1の区分224及び下シールの第2の区分228を取り除くことも好ましくは可能にする。
【0075】
図11B及び11Cを参照すると、一実施形態では、中央シール220は医療用パッチ200の底面でアクセス可能なゲルパッド232、234を露出させるように取り除かれてもよい。一実施形態では、ゲルパッド232、234は、電気信号が電極を通して患者に伝送され得るように電極(図示せず)を好ましくは覆う。一実施形態では、医療用パッチは電気信号を生成し、ゲルパッド232、234は患者の1つ以上の神経を刺激するために1つ以上の神経に電気信号を送るのに役立つように適合される。
【0076】
一実施形態では、中央シール220が取り除かれてゲルパッド232、234が露出した後、下シールの第1の区分224及び第2の区分228は、医療用パッチ200の底面を覆って設けられる接着層(図示せず)を保護するために適所に残る。一実施形態では、接着層は医療用パッチの底面が患者の皮膚の表面に付着するのを好ましくは可能にする。
【0077】
図12を参照すると、一実施形態では、患者に医療用パッチを留置するシステムは、医療用パッチをオン・オフにする、医療用パッチの状態を判断する、及び医療用パッチが膀胱機能等の身体の機能を制御する神経に送る信号の強度を変える、を含む様々な機能を行うために好ましくは利用されるリモートコントロール250を望ましくは含む。一実施形態では、リモートコントロールは、患者が医療用パッチを活性化させる、及び/又は制御することを望むとき、医療用パッチに望ましくは向けられる通信窓254を有する操作可能な端部252を好ましくは含む。一実施形態では、リモートコントロールがパッチと通信するために使用されるとき、通信窓254は、パッチまでクリアな見通し線を望ましくは有さなければならず、医療用パッチからおよそ15.2〜30.5cm(6〜12インチ)、より好ましくは約20.3cm(8インチ)以内でなければならない。一実施形態では、通信窓254は、医療用パッチとクリアな見通し線を有さなければならず、衣類等が通信窓と医療用パッチとの間に一切あってはならない。
【0078】
一実施形態では、リモートコントロール250は、医療用パッチの信号の強度を上げるために連動させてもよい押し下げ可能なプラス(+)ボタン256を望ましくは含む。リモートコントロール250は、リモートコントロール及びパッチが作動していることを確認するために押し得る確認ボタン258を望ましくは含む。確認ボタン258は、信号が医療用パッチから神経まで送られていることを確認するためにも連動させてもよい。一実施形態では、確認ボタン258は医療用パッチをオンにするためにも使用され得る。リモートコントロール250は、医療用パッチの信号の強度を下げるために連動させてもよいマイナス(−)ボタン260も望ましくは含む。一実施形態では、マイナス(−)ボタン260は医療用パッチをオフにするために連動されてもよい。
【0079】
一実施形態では、リモートコントロール250は医療用パッチによって伝達される信号の強度を示す視覚ディスプレイ262を好ましくは含む。一実施形態では、医療用パッチの強度は、「00」(信号なし)〜「44」(最強度の信号)の範囲であり得る。視覚ディスプレイ262は、医療用パッチが適切に作動していない場合エラーコードも表示し得る。一実施形態では、視覚ディスプレイ262に示すエラーコードの意味について患者に通知するユーザーガイド及び/又は故障診断ガイドが備わってもよい。
【0080】
一実施形態では、リモートコントロールは信号ランプ264を含む。信号ランプ264は、医療用パッチが患者の神経に信号を送っていることを確認するために好ましくは黄色に点滅する。他の実施形態では、黄色以外の色が利用されてもよい。更に、他の実施形態では、パッチが適切に機能していることを示すために点滅以外の光パターンが利用されてもよい。
【0081】
一実施形態では、リモートコントロール250は、リモートコントロールが医療用パッチと問題なく「交信している」ことを患者に知らせる状態ランプ266を含む。一実施形態では、リモートコントロール250は、医療用パッチとリモートコントロールとが互いに通信している(すなわち、「交信している」)ことを表示するために振動する又は音を生成してもよい。一実施形態では、状態ランプ266は、医療用パッチの異なる作動状態を示すために異なる色を示してもよい。一実施形態では、状態ランプ266が緑色であると、医療用パッチがオンであることを確認する。一実施形態では、状態ランプ266が赤色であると医療用パッチ又はリモートコントロールにエラーがあることを示す。一実施形態では、状態ランプが黄色であるとリモートコントロールが「休止モード」にあることを示す。一実施形態では、リモートコントロールが休止モードにあるとき、この状態は医療用パッチの設定に影響を及ぼさない。
【0082】
図13A〜13Qは、患者の右側に医療用パッチを位置決めるために留置装置を使用する1つの方法を示す。図13Aを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ200はホイルポーチ等の保管ポーチから好ましくは取り除かれる。一実施形態では、患者は、医療用パッチを患者から取り除くときポーチが必要になるので保管ポーチを好ましくは取っておく。一実施形態では、医療用パッチ200は保管ポーチから取り除かれ曲げられる。医療用パッチ200が曲げられると、患者は上シールの区分212と接続するプルタブ214を好ましくは折り曲げる。図13Aに示すようにタブ214が折り曲げられた後、図13Bに示すように医療用パッチは中央シール220を上に向けて平坦面に置かれる。
【0083】
一実施形態では、留置装置30は、ゲート48をハンドル32のC字型シャフト38にもたせかけるように図13Cに示す位置まで揺動することによって、医療用パッチ200を受け入れるように準備される。ゲート48が所定の位置に適切に揺動されるとき、留置器具30は、文字「e」のような外観を有する。一実施形態では、留置器具30はゲートの第2の面132が平坦面から離れた方向に向いた状態で平坦面上に置かれる。可撓性隔壁50は、カップの形状をとり、上向きかつ平坦面から離れた方向に向く凹形の表面を画定するように好ましくは下方に押される。同じ段階で、隔壁の凸形の表面は下向きかつ平坦面の方に好ましくは向く。
【0084】
図13Dを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ200はパッチの上面をゲート48の第2の面132に接して位置決めすることによってゲート48に装填される。一実施形態では、医療用パッチ200の底面でゲルパッドを覆う中央シール220は、上向きかつ留置器具30及び留置器具を支持している平坦面から離れた方向に向く。一実施形態では、下シールの第1の区分224と接続する第1のプルタブ226をゲート48の後端136でタブ位置合わせスロット160B(図8B)にスライドさせて入れる。医療用パッチの電池部分(すなわち、パッチの盛り上がった区分)は可撓性隔壁の凹形のカップの中に直接置かれる。可撓性隔壁50の中心に配置される磁石組立品(図示せず)は、可撓性隔壁の中心に電池を好ましくは保持する。一実施形態では、後プルタブ230は、第2の位置合わせ隆起部142に形成されるタブ位置合わせスロット144と好ましくは位置合わせされる。図13Eは、第1のプルタブ226がゲートの後端136で位置合わせスロット160B(図8B)を通って延び、ゲートの前端134で第2のプルタブ230が位置合わせスロット144内に座る状態で、医療用パッチ200の外周囲が位置合わせ隆起部142内に位置するようにゲート48に適切に装填された医療用パッチ200を示す。
【0085】
図13E及び13Fを参照すると、一実施形態では、中央シール220は医療用パッチ200の底面に設けられるゲルパッド232、234を露出させるように取り除かれてもよい。一実施形態では、パッチを貼っている患者は不潔な手でゲルパッド232、234に触れないように、又は繊維クズ又はちり等の粒子でゲルパッドを汚染しないように注意すべきである。患者は中央シール220を取り除く際に、ゲート48がハンドル32にもたせかけられたままであることを好ましくは確認する。図13Fは、医療用パッチ200が留置装置30の揺動ゲート48内に適切に装填され位置決めされ、留置装置30が患者の右側に医療用パッチを位置決めするように適切に構成される、本発明の一実施形態を示す。
【0086】
図13Gを参照すると、一実施形態では、患者は左の人差し指が仙骨カップ40の下にあるように左手で留置装置30を保持する。図13Hを参照すると、一実施形態では、患者は引き続き左手で留置器具を保持しながら、右の人差し指で尾骨の末尾を見つける。
【0087】
図13Iを参照すると、一実施形態では、右の人差し指が尾骨に、左手が留置装置30にある状態のままで、患者は留置装置30の下端部から延びる仙骨カップ40を右の人差し指の下に誘導させる。仙骨カップ40のスプーン状の上面を患者の尾骨の末尾の下に置かれるまで進めることが好ましい。この段階で、患者は左手で留置装置30を適所に保持し続けることが好ましい。
【0088】
図13Jを参照すると、一実施形態では、患者は仙骨カップ40が尾骨の末尾に接して置かれるように左手を使って留置装置30に上方の圧力を加え続ける。患者は上端部34が脊椎に触れるのを感じるまで右手及び右の親指を好ましくは用いて留置装置の上端部34を背部に押し付ける。
【0089】
図13Kを参照すると、一実施形態では、留置装置30の上端部34が患者の脊椎に圧接された後、患者は仙骨カップ40が尾骨の末尾にしっかりと圧接されたままであること、及び留置装置30の上端部34がより下部脊椎の中心を触れていることを好ましくは確認する。必要に応じて、留置装置の上端部と下端部とが互いに位置合わせされる、及び患者の脊椎と実質的に位置合わせされるように、患者は留置装置30の位置合わせを好ましくは調節する。一実施形態では、留置装置の上端部と下端部とは、患者の脊椎に沿って延びる垂直軸線と好ましくは位置合わせされる。
【0090】
図13Lを参照すると、一実施形態では、患者は左手で上方の圧力を加えながら、右手を使って医療用パッチの底面が皮膚に当接するようにゲート48を背部の方へ揺動させる。患者はゲート48を図13Lに示す位置に揺動する際に、留置装置の上端部34が脊椎に対して移動しないことを確認すべきである。ゲート48が図13Lに示す位置に揺動されると、患者はゲート48の大きい方の開口部に位置する可撓性隔壁50の凸形の表面を好ましくは掴み、可撓性隔壁を押して医療用パッチの外側端部を隔壁から外す。次に患者は、揺動ゲートの小さい方の開口部58を通して好ましくは押し、医療用パッチの内側の端部を押して小さい方の開口部から離す。
【0091】
図13Mを参照すると、一実施形態では、パッチがゲートから外されると、医療用パッチ200のみが患者の適所に留まるように、患者は留置装置を身体から離して取り除くことが好ましい。医療用パッチ200の底面に設けられるゲルパッド(図13F)は、医療用パッチを患者の皮膚に好ましくは付着させる。一実施形態では、患者は鏡を好ましくは見て医療用パッチの位置を確かめる。図13Mは、本発明の一実施形態により、パッチが適切に患者に位置決めされているのを示す。パッチが患者に適切に位置決めされない場合、患者はパッチが身体に適切に位置決めされるように図13D〜13Lに示す手順を好ましくは繰り返し得る。
【0092】
図13Nを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ200の底面上の接着層を覆う第1の下シール及び第2の下シールは取り除かれなければならない。一実施形態では、患者は右手を使って医療用パッチの隆起した電池部分をしっかりと押さえる。第1の下シールを取り除きシールによって覆われる接着層の部分を露出させるために、医療用パッチの隆起した電池部分を押さえ続けながら、患者は左手を使って第1のプルタブ226を掴み図13Nに示す方向に第1の下シールを引っ張る。患者が第1の下シールを取り除く際に、患者は第1の下シールが取り除かれたばかりのパッチの内側部分を好ましくは押さえる。更に、患者はしわができないようにパッチを好ましくは撫で付ける。
【0093】
図13Oを参照すると、患者は左手を好ましくは使って医療用パッチ200の左側又は内側をしっかりと押さえる。医療用パッチ200の底面で接着層を覆う第2の下シールを取り除くために、パッチ200の左側を押さえ続けながら、患者は右手を望ましくは使って第2のタブ230を掴み図13Oに示す方向に引っ張る。第2の下シールが取り除かれると、患者は医療用パッチの右側又は外側を背部に望ましくは圧接させ、しわができないようにパッチを望ましくは撫で付ける。
【0094】
図13Pを参照すると、一実施形態では、次に患者は、片方の手を好ましくは使ってパッチの隆起した電池の区分202を押さえる。反対の手を使って、患者は好ましくはタブ214を引っ張ってパッチの上面から上シール212を取り除く。医療用パッチ200の上面を露出させるために上シール212を取り除くとき、患者は円運動を用いてもよい。13Qを参照すると、一実施形態では、上シールが取り除かれると、患者はパッチが十分に皮膚に付着するようにパッチを皮膚に好ましくは押さえ付ける。患者は片方の手を使ってパッチを撫で付け得る。一実施形態では、患者は円運動を用いてパッチを撫で付けパッチが皮膚に付着していることを確認し得る。
【0095】
図13A〜13Qは留置装置が背部又は脊椎の低い領域にわたって医療用パッチを留置するために使用されるのを示すが、本明細書に開示する留置装置は、患者の脊椎の任意の箇所に医療用パッチを留置するために使用され得ることが意図される。留置装置は、胸部及び腹部を含む患者の前部の領域に医療用パッチを留置するために変更され得ることも意図される。本発明は、患者の身体の両側にほぼ同じ垂直位置に医療用パッチを留置することが望ましい身体の任意の箇所に使用され得ることも意図される。
【0096】
一実施形態では、図13Qに示すようにパッチが貼られると、患者は本明細書に示し説明するリモートコントロールを使用して医療用パッチ200を制御及び操作し得る。一実施形態では、患者は背部の両側にパッチを交互に留置することが要求される。一実施形態では、パッチの交互の留置が毎週行われる。例えば、一実施形態では、新しいパッチは背部の右側に貼られ7日間着用され得る。7日間の終了時に、患者はリモートコントロールを使用してパッチをオフにし指の爪を使って医療用パッチの周端部を剥離し得る。次に、パッチを皮膚から剥がし取り、皮膚に残っている任意の接着剤を落とし得る。医療用パッチが取り除かれると、パッチは元の保管ポーチに好ましくは戻され、その後の取り扱いのために医療従事者に返される。
【0097】
図14A〜14Qは、患者の背部の左側に交換用医療用パッチを留置する方法を示す。図14Aを参照すると、一実施形態では、第2の交換用医療用パッチ300は、医療用パッチに電力を供給する電池302と、リモートコントロールと通信するための光学的な目304ちと、を含む。医療用パッチは、医療用パッチの前端308と後端310との間に延びる外周縁306を有する。医療用パッチ300は、上シール312によって覆われる上面を好ましくは含む。上シールは、医療用パッチ300の上面から上シール312を取り除くために引っ張り得るプルタブ314を好ましくは含む。
【0098】
一実施形態では、交換用パッチ300は、保管ポーチからパッチを取り出すことによって貼る準備が整う。医療用パッチ300は好ましくは曲げられ、プルタブ314はパッチの上に望ましくは折り曲げられる。パッチの底を覆う中央シール320が露出し平坦面から離れた方向に向くように、交換用医療用パッチ300は平坦面上に望ましくは置かれる。医療用パッチ300の底面の接着層(図示せず)は、医療用パッチの前縁308を覆う第1の下シール324によって好ましくは覆われる。第1の下シール324は、第1の下シールを取り除き第1の下シールの下の接着層を露出させるためにプルタブ326を望ましくは含む。医療用パッチ300の底面は、医療用パッチ300の後端310に隣接して位置する第2のプルタブ330を使用して取り除かれ得る第2の下シール328によっても好ましくは覆われる。所望するとき、第2のプルタブ320を引っ張って、第2の下シール328を取り除き第2の下シールの下の接着層を露出し得る。
【0099】
図14Cを参照すると、一実施形態では、留置装置30のハンドル32は平坦面上に置かれ、ゲート40はハンドル32のC字型シャフト38にもたせかけられるように揺動される。ゲート48が患者の左側に医療用パッチを貼るための適切な位置に揺動されるとき、留置装置30は逆向きになった「e」の文字のように見えるのが好ましい。留置装置が図14Cに示す位置で平坦面上に置かれた状態で、可撓性隔壁50がカップの形状をとるように可撓性隔壁を好ましくは押す。言いかえれば、可撓性隔壁50は、留置装置30を支持する平坦面から離れた方向に向く凹形の表面を画定する。
【0100】
図14Dを参照すると、一実施形態では、中央シール320が上に向いた状態で医療用パッチ300が留置装置30の揺動ゲート48内に装填される。一実施形態では、第1の下シールと接続する第1のプルタブ326はゲートの第1の面130の後端で形成されるスロット160A(図8A)に置かれる。第2の下シールと接続する第2のプルタブ330は、第1の面130の上に突出する位置合わせ隆起部138に形成される位置合わせ間隙140と位置合わせされる。
【0101】
図14Eを参照すると、一実施形態では、交換用パッチ300がゲート48内に適切に装填されると、医療用パッチ300の外周縁306はゲートの第1の面から突出する位置合わせ隆起部138内に好ましくは位置する。第1のプルタブ326はゲートのシャフト146に隣接して形成される位置合わせスロットのうちの1つを通って好ましくは延び、後プルタブ330は位置合わせ隆起部138間で延びる間隙140と好ましくは位置合わせされる。
【0102】
一実施形態では、中央の下シール320はパッチの底面から好ましくは引っ張られ、医療用パッチの底面でアクセス可能な1つ以上のゲルパッドを露出させる。上述したように、患者は不潔な手でゲルパッドに触れないようにすべきで、ゲルパッドが繊維クズ又はちり等で汚染されないように注意すべきである。一実施形態では、患者が中央シール320が引っ張って取る際に、ゲート48はハンドル32に好ましくはもたせかけられる。
【0103】
図14Fは、患者の背部の左側に交換用医療用パッチ300を貼るための適切な構成にある留置装置30を示す。交換用医療用パッチ300の底面でアクセス可能なゲルパッド332、334は、患者の1つ以上の神経を刺激するために電気信号を与えるために露出される。
【0104】
図14Gを参照すると、一実施形態では、患者は右の人差し指を仙骨カップ40の下に添えて右手で留置装置30を保持する。図14Hを参照すると、一実施形態では、患者は左の人差し指を好ましくは使用して尾骨の末尾を見つける。図14Iを参照すると、左の人差し指が尾骨に、右手が留置装置30にある状態のままで、患者は左の人差し指の下の位置まで仙骨カップ40を好ましくは進める。次に、患者は、仙骨カップ40の凹部上面が患者の尾骨の下に快適に好ましくは置かれるように、左の人差し指を好ましくは取り除く。
【0105】
図14Jを参照すると、一実施形態では、患者は、留置装置30を右手で適所に保持し続けながら、左手及び左の親指を使用して上端部34が脊椎に触れるまでハンドル32の上端部34を背部に押し付ける。図14Kを参照すると、一実施形態では、患者は位置合わせの確認を好ましくは行い、仙骨カップ40が尾骨の下にしっかりととどまっていること、及びハンドル32の上端部34が下部脊椎の中心を触れていることを確認する。必要に応じて、患者は留置装置30が脊椎と実質的に垂直に位置合わせされるように留置装置30の位置を調節し得る。
【0106】
図14Lを参照すると、一実施形態では、患者は右手で上方の圧力を加えながら、左手を使って医療用パッチの底面が皮膚に接するまでゲート48を背部の方へ揺動する。患者はゲート48を皮膚の方へ揺動する際に、ハンドル32の上端部34が脊椎から離れて移動しないことを好ましくは確認する。一実施形態では、患者は左手を好ましくは使ってゲート48から医療用パッチの外側端部が外れるように可撓性隔壁50をしっかりと押す。次に、患者は左手の指を好ましくは使って小さい方の開口部58を通って医療用パッチの内側端部をゲート48から外す。
【0107】
図14Mを参照すると、一実施形態では、ゲートの大きい方の開口部及び小さい方の開口部を通して押して医療用パッチ300をゲートから外すと、患者は医療用パッチ300のみが背部と接触して残るように留置装置を臀部から離して移動させてもよい。患者は交換用医療用パッチ300の位置を好ましくは調べて、パッチが正しい位置にあることを確認する。一実施形態では、パッチが図14Mに示す位置にない場合、患者は交換用医療用パッチが適切に位置決めされるように図14A〜14Lで上述した手順を繰り返し得る。
【0108】
図14Mで示す段階で、医療用パッチの底面でアクセス可能な1つ以上のゲルパッド(図示せず)はパッチを患者の皮膚に付着させる。交換用医療用パッチが患者の皮膚によりしっかりと確実に付着するために、パッチの底面の少なくとも一部分を覆う接着層が露出するように第1の下シール及び第2の下シールを取り除かれなければならない。
【0109】
図14Nを参照すると、一実施形態では、患者は左手を使って医療用パッチ300の隆起した電池部分をしっかりと押さえる。左手で押さえ続けながら、患者は右手を使って第1のプルタブ326を掴み図14Nに示す方向に引っ張る。患者が第1のプルタブ326を取り除く際に、第1の下シールは医療用パッチの底面を覆う接着層の少なくとも一部分を露出させるために取り除かれる。第1の下シールが取り除かれると、接着層がパッチを患者の皮膚に付着させるように、患者はパッチを背部に好ましくは押さえ付けるべきである。一実施形態では、患者はまた、しわができないように医療用パッチを好ましくはそっと撫で付ける。
【0110】
図14Oを参照すると、一実施形態では、患者は右手を好ましくは利用して医療用パッチ300の右側又は内側をしっかりと押さえる。患者は、右手で押さえながら、左手を好ましくは使って第2の下シールと接続する第2のタブ330を引っ張る。第2の下シールを取り除くことで、医療用パッチの底面の少なくとも一部分を覆う接着層を好ましくは露出させる。第2の下シールが取り除かれると、患者は右手を望ましくは利用してパッチを背部に押さえ付け、しわができないようにパッチをそっと撫で付けてもよい。一実施形態では、患者はおよそ3〜5分好ましくは待って貼付プロセスの次の段階に進むべきである。
【0111】
図14Pを参照すると、一実施形態では、患者は片方の手を使って医療用パッチ300の隆起した電池部分を押さえる。患者はもう片方の手を使ってパッチの上面を覆う上シール312と接続するタブ314を掴んでもよい。患者はタブ314を引っ張ってパッチの上面から上シールを取り除いてもよい。一実施形態では、患者は上シール312を取り除くために円運動を用いてもよい。
【0112】
図14Qを参照すると、一実施形態では、患者はパッチを皮膚に望ましくは押し付けて良好な付着を形成させる。一実施形態では、患者は片方の手を使って円運動を使用してパッチのしわを伸ばしてもよい。
【0113】
図15A及び15Bを参照すると、一実施形態では、患者は医療用パッチを活性化させるためにリモートコントロール250を使用し得る。図15Aに示すように、患者は手でリモートコントロール250を望ましくは取り上げる。一実施形態では、リモートコントロール250からの信号は衣類を通り抜けて貫通しない場合がある。そのため、患者はパッチの活性化を試みるとき、パッチが取り付けられる背部の領域を露出させることが必要となり得る。リモートコントロール250の信号を送る端部252の光学窓254は、パッチ200の方へ望ましくは向けられる。一実施形態では、リモートコントロールは、パッチと同じ側の身体に望ましくは保持されパッチから好ましくは15.2〜30.5cm(6〜12インチ)以内に、及びより好ましくは20.3cm(8インチ)以内に保持される。図15Bに示すように、患者がリモートコントロールに設けられる視覚ディスプレイ262がよく見えるように、患者はリモートコントロール250を好ましくは保持する。患者は図15A及び15Bに示す位置にリモートコントロール250を適所に保持しながら、医療用パッチを望ましくは活性化し制御し得る。
【0114】
図16Aを参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロール250の確認ボタン258を押してそのまま押し続けることによってパッチをオンにし得る。一実施形態では、患者はおよそ2秒間確認ボタン258を押し続ける。一実施形態では、患者は確認ボタン258を押し続けると、リモートコントロール250が医療用パッチと交信していることの合図であるリモートコントロール250の振動を感じる。
【0115】
一実施形態では、リモートコントロール250が振動せず信号ランプ264が点灯しない場合、患者は異なる角度からリモートコントロールの作業端部252を医療用パッチに向けてみてもよい。異なる角度が得られると、患者は確認ボタン258を再度押して押し続けてもよい。信号ランプ264がオフのままである場合、又は状態ランプ266が赤色である場合、発生し得る任意の問題を割り出すために患者は故障診断ガイドを参照することができる。
【0116】
図16Bを参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロールの作業端252を医療用パッチに向けた状態を継続させる。一実施形態では、追加の3秒等の時間内に、患者は医療用パッチがオンであることを示すリモートコントロール250の振動を再度感じる。患者はまた、医療用パッチがオンであることの追加の指標を好ましくは提供する、視覚ディスプレイ262を確かめることができる。
【0117】
図16Cを参照すると、一実施形態では、医療用パッチがオンになっていることを確認するために患者はリモートコントロール250の正面を見ることができる。一実施形態では、リモートコントロールの正面の信号ランプ264は好ましくは黄色に点滅して、状態ランプ266は望ましくは緑色である。更に、視覚ディスプレイ262は好ましくは「オン」を示す。
【0118】
図17A〜17Cを参照すると、一実施形態では、リモートコントロール250はまた、医療用パッチをオフにするために使用され得る。図17Aを参照すると、一実施形態では、患者は視覚ディスプレイ262が「00」を示すまでマイナス(−)のボタン260を押してそのまま押し続けることができる。この段階で、医療用パッチは好ましくはオンであるが、身体の神経に電気信号を送っていない。医療用パッチの働きを停止するこの段階で、状態ランプ266は望ましくは緑色に点滅している。図17Bを参照すると、一実施形態では、患者は少なくとも2秒等の間マイナス(−)のボタン260を押し続けてもよい。この段階で、パッチがオフになるのでリモートコントロール250は望ましくは振動する。一実施形態では、マイナス(−)のボタン260を一定時間押し続けた後、リモートコントロール250が振動しない場合、患者は信号ランプ264を好ましくは見るべきである。信号ランプ264がオフである場合、患者は異なる角度からリモートコントロールの250の作業端部252を医療用パッチに好ましくは向けてみるべきである。この時点で、患者は再度確認ボタン258を好ましくは押してそのまま押し続けるべきである。信号ランプ264がオフのままである場合、又は状態ランプ266が赤色である場合、患者は故障診断ガイドを好ましくは参照すべきである。
【0119】
図17Cを参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロール250の正面を好ましくは見て、医療用パッチがオフであることを確認すべきである。一実施形態では、信号ランプ264は好ましくは停止し、状態ランプ266は例えば緑色が点灯するなど、好ましくは点灯する。視覚ディスプレイ262は望ましくは停止しデータを表示しない。
【0120】
図18A及び18Bを参照して、一実施形態では、リモートコントロール250を使用して医療用パッチによって生成される信号強度を増減し得る。一実施形態では、患者はリモートコントロールを取り上げて、医療用パッチの方へ作業端252を向けてもよい。
【0121】
図18Aを参照すると、一実施形態では、医療用パッチによって生成される信号強度を増加させるために、患者はプラス(+)のボタン256を押してそのまま押し続ける。医療用パッチによって生成される信号強度を減少させるために、患者はマイナス(−)のボタン260を押してそのまま押し続けるべきである。一実施形態では、プラス(+)のボタン256又はマイナス(−)のボタン260のどちらかを短く押すことで、視覚ディスプレイ262上の数値1つだけ信号強度を増加又は減少させる。一実施形態では、患者がどちらかのボタンを更に一秒ごとに押し続けると、信号強度は数値2つだけ好ましくは変化する。
【0122】
図18Cを参照すると、一実施形態では、患者は信号強度を18(図18A)から20(図18B)に増加させるためにプラスのボタン256を2回押した。一実施形態では、視覚ディスプレイ262に示される信号強度は最低の「00」から最高の「44」まで変動し得る。
【0123】
図19を参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロール250を利用して、リモートコントロールが医療用パッチと通信しているかどうか、及び/又は医療用パッチが患者の神経に電気信号を送っているかどうかを判断し得る。一実施形態では、患者は確認ボタン258を押して視覚ディスプレイ262に信号強度が示されることで、医療用パッチの状態を確認し得る。状態ランプ266はリモートコントロール250が医療用パッチと通信しているかどうかの判断を好ましくは提供する。状態ランプ266が緑色に点灯する場合、リモートコントロールと医療用パッチとは通信している。状態ランプ266が赤色に点灯する場合、リモートコントロールと医療用パッチとは通信していないことを示しており、患者は故障診断説明書を参照すべきである。
【0124】
一実施形態では、リモートコントロールを使用して医療用パッチを作動するために故障診断ガイドが患者に提供されてもよい。1つの好ましい故障診断ガイドは以下を提供する。
【表1】
【表2】
【0125】
本明細書にて開示する本発明は、その用途又は使用法において、添付の図面及び説明に示す部品の構造及び構成の細部に限定されるものではない。本発明の例示的な実施形態は、他の実施形態、変形物、及び修正物において実践又は組み込まれてもよく、様々な方法で実行又は実施されることができる。例えば、本発明の一実施形態について、女性の神経刺激に関連して説明するが、この実施形態が男性及び小児への使用に容易に適合され得ることは理解されよう。また、本明細書で説明する本発明の原理、機器、及び方法は、分娩及び出産の間の神経の刺激など、様々な他の神経を独立に若しくは同時に刺激すること、又は、所与の神経束の分岐点を選択的に刺激して種々の患者の状態に選択的に対処することへの応用性を有し得るものである。したがって、本発明は、例えば、腹圧性尿失禁、肛門及び大便失禁、疼痛、性機能不全、間質性膀胱炎、骨盤痛、夜間多尿症が挙げられるがこれらに限定されない慢性的疼痛、及び胃ペーシングが挙げられるがこれに限定されない胃腸障害の状態の1つ以上を同時に選択的に治療する、又は影響を及ぼすために使用できる。最終的に、本明細書で説明する本発明はまた、ホルモンを分泌する腺、物理療法に伴う二頭筋刺激などの大きな筋群など、神経以外の体部位を刺激するためにも使用され得る。
【0126】
本明細書で使用する見出しは、単に編集を目的としたものであり、説明又は特許請求の範囲を限定するために使用することを意図したものではない。本出願全体に使用される用語「〜得る(may)」は、許可の意味(即ち、その可能性を有するという意味)で使用されるものであり、命令の意味(即ち、しなければならないという意味)ではない。同様に、「含む(include、including、及びincludes)」は、それらを含むが限定されないことを意味する。理解を促進するために、可能な場合には、図に共通の同様要素を指定するために、同様の参照番号が使用される。
【0127】
本発明の選択的神経刺激パッチは、使用前に長期間にわたって保管されるように設計されている。したがって、パッチが意図的に作動されるまで、電池と回路とが時期尚早に接触しないように、パッチが構成されていることが重要である。したがって、パッチは望ましくは、1回作動式の密封されたスイッチ機構を有している。そのスイッチ機構は、磁石(パッケージに含まれている)の存在下で常時「オフ」となるリードスイッチ、常時オフから常時オン状態に機械的に切り換えられ得るオーバーセンタースイッチ機構、初期の接触が導電性接着剤によって維持される、上述のスイッチに似たスイッチ、又は、エンドユーザーによって意図的に押されるまで、通常の回路の成立を防止する電池接点の構成を含めて、いくつかの設計を有することができる。
【0128】
本発明の1つ以上の実施形態において、選択的神経刺激パッチは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2005/0277998号(2005年6月7日に出願された米国出願第11/146,522号)及び同第2006/0195153号(2006年1月31日に出願された米国出願第11/343,627号)に記載された装置及び技法を使用して、標的の神経を刺激するための変調波形を発生させるように適合されており、これらの特許出願公開の開示内容は、参照によって本願に組み込まれる。波形は、パルスエンベロープを伴う搬送波形を変調することによって、望ましく生成される。振幅、周波数等の搬送波形の特性は、組織インピーダンスを超え、標的神経の刺激閾値を超えるように選択される。パルスエンベロープは、標的神経を選択的に刺激するよう設計された、特定のパルス幅、振幅及び形状を有する波形である。この波形は、電気信号の強度の損失を最小限に抑えて、組織を効率的に通り抜けて標的神経に達することができるため、これにより、他の方法では低周波数信号で標的神経を刺激するために何回も行われるであろう電池交換の回数が低減する。更に、標的神経だけが刺激され、非標的神経は刺激されない。
【0129】
本発明の一実施形態では、動作の基礎原理は、体内の神経が、隣接する神経に影響を与えることなく選択的に刺激の標的にされ得ることである。当業者には周知のように、生物電気電位は、神経系組織内に見られる興奮性細胞の電気化学的活動の結果として生成される。この興奮性細胞は、静止電位と活動電位の2つの電気的状態で存在する。細胞は、適切な刺激が細胞に提供されて活動電位又は閾電位に達するまでは静止電位にある。活動電位又は閾電位に達したとき、神経は「興奮(fire)」し、活動電位が細胞膜に沿って減衰することなく一定の伝導速度で伝搬される。この活動電位の全か無かの反応により、細胞の膜電位が特徴的な繰り返しサイクルとなり、すなわちこのとき、電位がマイナスの静止電位からプラスの活動電位へ移行し、次に再びマイナスの静止電位に戻るまでのすべてが、約1msの間に起こる。この反応は、刺激が閾電位を上回っている限り、刺激の強さを問わず同じである。
【0130】
ヒトの体内にあるニューロンは、直径、長さ及び髄鞘が非常に異なるため、これらニューロンの電気容量及び伝搬速度(作用周波数)も異なる。近隣のニューロンの物理的特性の違いを利用して、近隣のニューロンに影響を与えることなく、選択した神経を刺激の標的にすることができる。すなわち、選択的ニューロン刺激は、近隣のニューロンの周波数応答(電気容量)を特性付け、重なり合わない領域に刺激周波数を合わせることによって、達成することができる。例えば、2つの隣接するニューロンについて、ニューロンAは作用周波数0〜20Hzを有し、ニューロンBは作用周波数20〜30Hzを有するとき、ニューロンAに影響を与えることなく、ニューロンBを選択的に刺激することができる。更に、ニューロンBの絶対不応期中に刺激を印加すれば、この絶対不応期には、上述のように、どんな程度の刺激でもニューロンBを興奮させることがないため、又は、刺激が、相対不応期中に刺激を起こすのに必要な程度よりも低い刺激である場合は、重なり合った周波数領域であっても、ニューロンAを選択的に刺激することができる。本明細書で更に詳しく説明されるように、これらの原理は、体内の2つ以上の選択的刺激を達成するために適用することができる。
【0131】
上述のシステム及び方法によって、変調信号パッケージの個々の構成要素が、標的の別々の神経、別々の分枝、別々の筋肉、又は選択された他の身体部分に選択的に使用され得る。つまり、疼痛管理、過活動膀胱、大便失禁、間質性膀胱炎、及び他の任意の骨盤底障害に伴う症状など、複数の様々な症状を緩和するように設計された刺激信号を、単一の神経刺激パッチで提供することができる。
【0132】
上記説明は本発明の実施形態を関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態も本発明の基本的な概念から逸脱することなく行われることが可能であり、本発明の範囲は、添付の「特許請求の範囲」によってのみ限定される。例えば、本発明は、本明細書で説明する又は参照により本明細書に組み込まれるいかなる実施形態で示すいかなる特徴も、本明細書で説明する又は参照により本明細書に組み込まれるいかなる別の実施形態で示すいかなる特徴と共に組み込まれることができ、本発明の範囲内にやはり含まれることを意図する。
【0133】
〔実施の態様〕
(1) 医療用パッチを位置決めするための留置装置であって、
第1の解剖学的位置合わせマーカーと第2の解剖学的位置合わせマーカーとを有する位置合わせガイドと、
医療用パッチを保持するように適合されるゲートであって、前記位置合わせガイドの左側と右側との間で揺動するために前記位置合わせガイドと連結される、ゲートと、を含む留置装置。
(2) 前記位置合わせガイドは上端部と下端部とを有するハンドルを含み、前記第1の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記上端部に位置し、前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記下端部に位置する、実施態様1に記載の留置装置。
(3) 前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは、前記ハンドルの前記下端部を尾骨と位置合わせするように前記尾骨に係合するように適合される突起部を含み、前記突起部は前記尾骨の末尾に係合するように適合される凹形の表面を有する、実施態様2に記載の留置装置。
(4) 前記ハンドルはC字型を有し、前記第1の解剖学的位置合わせマーカー及び前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記C字型ハンドルの自由端に位置する、実施態様2に記載の留置装置。
(5) 前記ハンドルの前記上端部と枢動可能に連結される上端部と、前記ハンドルの方へ及び前記ハンドルから離れて旋回するように適合される下端部とを有する旋回するアームを更に含む、実施態様2に記載の留置装置。
(6) 前記旋回するアームは、前記ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内で旋回するように適合される、実施態様5に記載の留置装置。
(7) 前記ゲートが前記ハンドルの両側の間で揺動できるように、前記ゲートは前記旋回するアームの前記下端部と回転可能に連結される、実施態様5に記載の留置装置。
(8) 前記ゲートは、
第1の面及び前記第1の面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、
第2の面及び前記第2の面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、
前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁と、を含む、実施態様1に記載の留置装置。
(9) 前記可撓性隔壁は、前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で選択的に動かされるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、実施態様8に記載の留置装置。
(10) 前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を更に含む、実施態様9に記載の留置装置。
【0134】
(11) 前記第1及び前記第2の隆起部は、医療用パッチが前記ゲートに装填されるとき、前記医療用パッチの外周囲を取り囲むように適合され、前記第1の隆起部及び前記第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、前記医療用パッチの前記外周囲でアクセス可能なタブを受け入れるように適合されるスロットを含む、実施態様8に記載の留置装置。
(12) 患者に医療用パッチを位置決めするための留置装置であって、
上端部と下端部とを有するシャフトを含むハンドルであって、前記シャフトの前記上端部は患者の脊椎と位置合わせするように適合される第1の位置合わせマーカーを含み、前記シャフトの前記下端部は、前記患者の尾骨と位置合わせするように適合される第2の位置合わせマーカーを含む、ハンドルと、
医療用パッチを受け入れるように適合されるゲートであって、前記シャフトの方へ及び前記シャフトから離れて選択的に旋回するように前記シャフトの前記上端部と枢動可能に連結され、かつ前記シャフトの両側の間に延びるアークにわたって前記ゲートを揺動するように前記シャフトの前記上端部と回転可能に連結される、ゲートと、を含む留置装置。
(13) 前記ゲートと前記シャフトの前記上下端部との間の間隔を選択的に調節するための調節可能なスペーサを更に含む、実施態様12に記載の留置装置。
(14) 前記調節可能なスペーサは前記ゲートを前記シャフトの前記上端部と連結する、実施態様13に記載の留置装置。
(15) 前記ゲートは、第1の主な面と、第2の主な面と、前記第1の主な面と前記第2の主な面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁であって、前記ゲートの前記第1の面に面する凹形のカップと前記ゲートの前記第1の面に面する凸形のドームとの間で前記可撓性隔壁の形状を変えるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、可撓性隔壁と、を含む、実施態様12に記載の留置装置。
(16) 前記可撓性ドーム内で医療用パッチを保持するために前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を更に含む、実施態様15に記載の留置装置。
(17) 前記ゲートは、前記ゲートの前記第1の主な面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、前記ゲートの前記第2の主な面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、を更に含み、前記第1の位置合わせ隆起部は医療用パッチが前記ゲートの前記第1の主な面に装填されるとき、前記医療用パッチの外周囲を取り囲むように適合され、前記第2の位置合わせ隆起部は医療用パッチが前記ゲートの前記第2の主な面に装填されるとき、前記医療用パッチの外周囲を取り囲むように適合される、実施態様14に記載の留置装置。
(18) 前記第1の隆起部及び前記第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、前記医療用パッチの前記外周囲でアクセス可能なタブを受け入れるように適合されるスロットを含む、実施態様17に記載の留置装置。
(19) 患者が身体に医療用パッチを自分で設置し位置決めすることを可能にする留置装置であって、
第1の解剖学的位置合わせマーカーを備える第1の端部と第2の解剖学的位置合わせマーカーを備える第2の端部とを有するC字型シャフトを含む位置合わせガイドと、
揺動ゲートであって、前記シャフトの方へ及び前記シャフトから離れて平面内で前記揺動ゲートを選択的に旋回させるため、並びに前記シャフトの両側の間で前記揺動ゲートを選択的に回転させるために、前記シャフトの前記第1の端部と枢動可能かつ回転可能に連結され、第1の主な面と、第2の主な面と、前記第1の主な面と前記第2の主な面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、を含む、揺動ゲートと、
前記ゲートと前記シャフトの前記第1の端部との間の間隔を選択的に調節するために前記ゲートを前記シャフトの前記第1の端部と連結させる調節可能なスペーサと、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁であって、前記ゲートの前記第1の面に面する凹形のカップと前記ゲートの前記第1の面に面する凸形のドームとの間で前記可撓性隔壁の形状を変えるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、可撓性隔壁と、
前記可撓性隔壁内で医療用パッチを保持するために前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石と、を含む留置装置。
(20) 前記揺動ゲートは、患者の左側に医療用パッチを留置するために前記シャフトの左側に回転可能で、患者の右側に医療用パッチを留置するために前記シャフトの右側に回転可能である、実施態様19に記載の留置装置。
【0135】
(21) 神経刺激、疼痛管理薬、ホルモン、又は薬物を患者の標的位置に送達するように適合される活性領域を有する医療用パッチを更に含む、実施態様19に記載の留置装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療用パッチに関し、より具体的には、患者が別の人又は医療関係者の補助なしで、身体の標的位置に一連の医療用パッチを位置合わせして貼ることができる留置装置及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
神経は、人間の体の末梢神経系の一部である。神経は、皮膚及び体器官と中枢神経系との間で感覚信号を伝達する。神経は、損耗、身体的外傷、感染、及び/又は神経を囲む血管の障害が原因で、損傷を受けることがある。このような機能的欠陥は、痛み、しびれ、虚弱、及び場合によっては麻痺を伴うことがある。血管の損傷によって生じる他の問題には、尿及び便の失禁が含まれ得る。
【0003】
上記の問題を扱うために、様々な方策が開発されてきた。例えば、尿失禁の治療は、より高頻度に排尿すること及び保護下着を着用することなどの行動修正を伴うことがある。ある社会的状況においては、しかしながら、人は、頻繁に排尿する又は保護下着を着用するという習慣に従うことができないこともある。別の対処法は、処方薬の服用を含めた薬物療法を伴う。しかしながらこの方法は薬剤の副作用又は相互作用を起こすことがあり、最終的に中断が必要になることがある。
【0004】
上記の状態を扱う別の技法は、標的の神経の近くに配置される電気医療装置を使用して神経を刺激することを伴う。そのような電気医療装置は通常、植込み式パルス発生器(IPG)と呼ばれ、典型的には、1つ以上の電極、電気パルス発生器、電池及びハウジングを含む。電気パルス発生器は、標的の神経を刺激するように適合された電気信号を発生する。電極は発生器から信号を受け取ると、電池からエネルギーを引き出し、標的の神経を刺激するのに好適な強度の電解を発生させる。
【0005】
IPGは、神経を刺激するにはある程度効果的であることが判明しているが、外科的手技の間に患者の体の内部に埋め込まれなければならないため、極めて侵襲的である。IPGはまた、相当な量のエネルギーを消費するが、これは、電極間の電気インピーダンスが増加すること、又は、電極とIPGとの間の電気インピーダンスが増加することに起因し得るものである。電池電力消費の増大は、「刺激の脱感作」と呼ばれる現象によっても引き起こされる。これは、人の身体が、印加された外部電荷に対する抵抗を提供することによって、印加された外部電荷に反応するようになるものである。身体は、標的神経の刺激閾値の増大という形で、印加された外部電荷に抵抗するため、それ以前の刺激レベルは非効果的になる。この問題を克服するために、より強力な電荷が生成されなければならず、それはより多くの電池電力を消費し、電池をより頻繁に取り替える及び/又は充電することが必要とされる。
【0006】
いくつかの神経刺激装置において、発生した電界は広範囲に広がり、標的の神経に沿って、標的でない筋肉及び神経に影響を与えることが観測されている。電界が広範囲に広がることにより、標的の神経における電気信号の強度が相当に低下する。適切に標的の神経を刺激するためには、電気信号の強度が実質的に増加されなければならず、これは装置が電池からより多くの電力を引き出すことが必要とされる。
【0007】
上記の欠点を考慮して、より有効で非侵襲的のやり方で神経を刺激しようとする多くの努力がなされてきた。例えば、非侵襲的選択的神経刺激(SNS)が、本発明の譲受人に譲渡された、2005年6月7日に出願された米国特許出願公開第2005/0277998号、及び2006年1月31日に出願された同第2006/0195153号において開示されており、それらの開示内容は、参照によって本願に組み込まれる。具体的には、それらの1つ以上の実施形態において、米国特許出願公開第2005/0277998号は、非侵襲的経皮神経刺激パッチを教示しており、その装置は、搬送波信号とパルス包絡線とを含んだ、制御された振幅変調波形を発生させ送信する。搬送波形は、組織のインピーダンスに起因する減衰を克服するのに十分な周波数のものとなるように設計される。パルス包絡線は、特定の神経を刺激するように設計された特定のパルス幅、振幅、及び形状の情報を含んでいる。神経を刺激することに加えて、医療用パッチはまた、鎮痛剤、薬品及びホルモン等の薬物の送達に使用され得る。
【0008】
医療用パッチは、パッチの活性部分又は作動部分が患者の標的位置に向けられた状態で患者の皮膚の表面に付着されることが多い。医療用パッチは、ある期間にわたって、治療の有益性を達成するために患者に神経刺激又は薬物を送達する。場合においては一連の医療用パッチが患者に貼られ、医療専門者によって貼られた第1の医療用パッチが患者の皮膚から取り除かれ、第2の医療用パッチと取り替えられる。やがては第2の医療用パッチが取り除かれ、第3の医療用パッチ、更に次へと取り替えられ得る。第2の医療用パッチの貼付、及びそれに続く医療用パッチの貼付は家庭で患者によって行われることが多い。交換用医療用パッチを適切に留置する経験がないため、交換用医療用パッチが患者の標的位置、例えば、神経刺激の標的である特定の神経に適切に位置合わせされない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述を考慮して、一連の医療用パッチが患者の身体の標的位置に効率よく留置され的確に位置合わせされる、医療用パッチの正確かつ反復可能な留置を提供するSNS医療用パッチ留置装置及び方法が求められている。また、標的の神経及び体部位を効果的に刺激する一方で、標的でない神経及び体部位は刺激しない改善された医療用パッチシステムが依然として求められている。更に、より侵襲性が低く、より小さな電力で効果的に動作し、それによって電力源を交換及び/又は再充電する必要を最小限にする神経刺激装置が依然として求められている。
【0010】
鎮痛剤、薬品及びホルモン等の薬物を送達する自己型位置決め及び位置合わせの医療用パッチの改善されたシステム及び方法が依然として求められている。更に、患者が家庭で補助なしで、患者の身体の1つ以上の標的位置に医療用パッチを自分で設置し留置できる留置装置が求められている。更に、特にパッチがユーザーに見えない場合において、患者が触覚を使用してパッチの様々な部品を識別できる医療用パッチシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態では、医療用パッチ留置装置は、患者が補助なしで家庭で医療用パッチの貼付を試みるときに直面する位置合わせ及び位置決めの問題に対処する。一実施形態では、留置装置は患者の身体に医療用パッチを留置するために反復可能かつ正確なシステムを好ましくは提供する。一実施形態では、留置装置は薬物送達又は疼痛管理等の神経刺激以外の医療処置に使用され得る。
【0012】
一実施形態では、的確に医療用パッチを留置する留置装置は、ハンドル、上部腕区分、スプーン状のカップを含む下部湾曲状の区分、及び揺動パッチホルダー又はゲートを含む。一実施形態では、スプーン状のカップは尾骨が起始し内側に曲がる(仙尾骨結合又は尾骨)箇所で仙骨の遠位端の下に嵌合するように設計される。一実施形態では、カップは好ましくはハンドルに取り付けられ、体格が異なる患者に順応するように調節可能であり得る。留置装置は、解剖学的形態の変化(例えば、背が低い又は高い患者)に順応するために垂直調節を行う少なくとも1つの垂直調節機構を含む。
【0013】
一実施形態では、患者は留置装置をハンドルで保持し、ハンドルを使用して留置装置を正確な位置に操作し、医療用パッチを保持するゲートが皮膚の表面に揺動され医療用パッチが皮膚に付着される間その位置を保持する。一実施形態では、ハンドルの上水平部分は、ゲートを保持する垂直の要素が必要に応じて身体から離れて旋回することを可能にするヒンジを含み、留置装置が多様な下背部/臀部の輪郭を有する患者に順応することを可能にする。
【0014】
一実施形態では、留置装置は、ゲート上に医療用パッチを保持するゲートと接続される可撓性隔壁を含む。留置装置は、金属を含む又は磁気特性を有する医療用パッチの一部分を磁気的に引き付けるように適合される可撓性隔壁に取り付けられる少なくとも1つの磁石を好ましくは含む。ゲートはまた、医療用パッチをゲートの中間端部に保持するための少なくとも1つのスロットを好ましくは含む。可撓性隔壁は、脊髄の左側又は右側のパッチ留置に順応するためにゲートのどちらかの側に前後に曲げられ得るドームを好ましくは含む。ゲートが背部に適切に位置決めされると、パッチを押してドーム及び磁石から離すことでパッチはゲートから放出され得る。
【0015】
一実施形態では、医療用パッチを位置決めするための留置装置は、第1の解剖学的位置合わせマーカー及び第2の解剖学的位置合わせマーカーを有する位置合わせガイドと医療用パッチを保持するように適合される、ゲートであって、患者の左側及び右側にパッチを位置決めするために位置合わせガイドの左側と右側との間で揺動するために位置合わせガイドと連結される、ゲートと、を含む留置装置。
【0016】
一実施形態では、位置合わせガイドは、上端部及び下端部を有するハンドルを好ましくは含み、第1の解剖学的位置合わせマーカーはハンドルの上端部に位置し、第2の解剖学的位置合わせマーカーはハンドルの下端部に位置する。一実施形態では、ハンドルはC字型の構成を有し、第1の及び第2の解剖学的位置合わせマーカーはC字型ハンドルの自由端に位置する。一実施形態では、第2の解剖学的位置合わせマーカーは、ハンドルの下端部を尾骨と位置合わせするように尾骨に係合するように適合される突起部を好ましくは含む。一実施形態では、突起部は、尾骨の末尾に係合するように適合される凹形の表面を望ましくは有する仙骨スプーンであり得る。
【0017】
一実施形態では、留置装置は、ハンドルの上端部と枢動可能に連結される上端部、並びにハンドルの方へ及びハンドルから離れて旋回するように適合される下端部を有する旋回するアームを好ましくは含む。一実施形態では、旋回するアームは、ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内で旋回するように好ましくは適合される。一実施形態では、ゲートがハンドルの左側と右側との間で左右に揺動できるように、ゲートは旋回するアームの下端部と望ましくは回転可能に連結される。
【0018】
一実施形態では、ゲートは患者の背部に位置決めされる医療用パッチを保持するように適合される。y一実施形態では、ゲートは、第1の面及び第1の面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、第2の面及び第2の面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、ゲートの第1の面と第2の面との間でゲートを通って延びる第1の開口部と、を好ましくは含む。装置は、ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁を好ましくは含む。可撓性隔壁は、ゲートの第1の面と第2の面との間で選択的に動かされるためにゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを望ましくは含む。一実施形態では、医療用パッチの一部分(例えば、金属の部分)を隔壁に接して保持するために少なくとも1つの磁石が可撓性ドームの中心に位置する。
【0019】
一実施形態では、揺動ゲートの第1の隆起部及び第2の隆起部は、医療用パッチがゲートに装填されるとき、医療用パッチの外周囲を取り囲むように望ましくは適合される。一実施形態では、第1の隆起部及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、医療用パッチの外周囲で少なくとも1つのアクセス可能なタブを受け入れるように適合される少なくとも1つのスロットを含む。
【0020】
一実施形態では、患者に医療用パッチを位置決めするための留置装置は、上端部及び下端部を有するシャフトを含むハンドルを含む。シャフトの上端部は、患者の脊椎と位置合わせするように適合される第1の位置合わせマーカーを望ましくは含み、シャフトの下端部は、患者の尾骨と位置合わせするように適合される第2の位置合わせマーカーを望ましくは含む。留置装置は、医療用パッチを受け入れるように適合されるゲートを好ましくは含み、ゲートはシャフトの方へ及びシャフトから離れて選択的に旋回するようにシャフトの上端部と枢動可能に連結され、かつシャフトの両側の間に延びるアークにわたってゲートを揺動するようにシャフトの上端部と回転可能に連結される。
【0021】
一実施形態では、留置装置は、ゲートとシャフトの上下端部との間の間隔を選択的に調節するための調節可能なスペーサを含み得る。一実施形態では、調節可能なスペーサは、ゲートをシャフトの上端部と好ましくは連結する。一実施形態では、留置装置は、異なる寸法又は身長を有する患者に順応するために多様な長さを有する複数の調節可能なスペーサを含み得る。
【0022】
一実施形態では、揺動ゲートは、第1の主な面と、第2の主な面と、第1の主な面と第2の主な面との間でゲートを通って延びる第1の開口部と、を好ましくは含む。ゲートは、ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁を含み得、可撓性隔壁はゲートの第1の面に面する凹形のカップとゲートの第1の面に面する凸形のドームとの間で可撓性隔壁の形状を変えるためにゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む。可撓性ドーム内で、又は可撓性隔壁に接して、医療用パッチを保持するために、少なくとも1つの磁石が可撓性ドームの中心に位置され得る。
【0023】
一実施形態では、ゲートは、ゲートの第1の主な面から突出する第1の位置合わせ隆起部、及びゲートの第2の主な面から突出する第2の位置合わせ隆起部を望ましくは含む。医療用パッチがゲートの第1の主な面に装填されるとき、第1の位置合わせ隆起部は医療用パッチの外周囲を取り囲むように望ましくは適合され、医療用パッチがゲートの第2の主な面に装填されるとき、第2の位置合わせ隆起部は医療用パッチの外周囲を取り囲むように望ましくは適合される。一実施形態では、第1の隆起部及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、医療用パッチの外周囲でアクセス可能なタブを受け入れるように適合されるスロットを含む。
【0024】
一実施形態では、患者が患者の身体に医療用パッチを自分で設置し位置決めすることを可能にする留置装置であって、第1の解剖学的位置合わせマーカーを備える第1の端部と第2の解剖学的位置合わせマーカーを備える第2の端部とを有するC字型のハンドル又はシャフトを含む位置合わせガイドと、揺動ゲートであって、シャフトの方へ及びシャフトから離れて平面内で揺動ゲートを選択的に旋回させるため、並びにシャフトの両側の間で揺動ゲートを選択的に回転させるために、シャフトの第1の端部と枢動可能かつ回転可能に連結される、揺動ゲートとを、含む。一実施形態では、ゲートは、第1の主な面と、第2の主な面と、第1の主な面と第2の主な面との間でゲートを通って延びる第1の開口部と、を好ましくは含む。留置装置は、ゲートとシャフトの第1の端部との間の間隔を選択的に調節するためにゲートをシャフトの第1の端部と連結させる調節可能なスペーサ、及びゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁を望ましくは含み、可撓性隔壁はゲートの第1の面に面する凹形のカップとゲートの第1の面に面する凸形のドームとの間で可撓性隔壁の形状を変えるためにゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む。留置装置は、可撓性隔壁内で医療用パッチを保持するために可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を望ましくは含む。
【0025】
一実施形態では、揺動ゲートは、患者の左側に医療用パッチを留置することが望ましいときシャフトの左側に好ましくは揺動し、患者の右側に医療用パッチを留置することが望ましいときシャフトの右側に揺動する。単一の留置装置は、患者のどちらかの側に医療用パッチを留置するために好ましくは使用され得る。
【0026】
留置され得る医療用パッチは、神経刺激(例えば、SNSパッチ)、疼痛管理薬、ホルモン、又は薬物を患者の標的位置に送達するように適合される活性領域を有する医療用パッチを含む。
【0027】
一実施形態では、留置装置は、揺動ゲートと連結されるハンドルを好ましくは含む。一実施形態では、ハンドルは、留置装置が脊椎と適切に位置合わせされている触覚フィードバックを与えるために使用され得、それによって横方向の位置決めをもたらす。一実施形態では、留置装置は、患者が屋外に容易に持ち運びできるように持ち運び可能であるように好ましくは設計される。
【0028】
一実施形態では、留置装置は、患者が患者の標的位置に一貫して正確に一連の医療用パッチを留置することを可能にするツールを提供する。一実施形態では、交換用パッチは、家庭で患者によって身体に好ましくは留置され、留置装置は、1つ以上の標的位置上に正確に留置すること及び一貫して留置することの双方を望ましくは確実にする機能を果たす。
【0029】
一実施形態では、医療用パッチは、銀、銀/塩化銀、金、チタン、又は他の導電性材料等の周知の電極材料から構成され得る。医療用パッチはまた、導電性高分子、繊維等で製造され得る。医療用パッチは所有者共通の米国特許出願第11/146,522号で説明するように独立型の構成要素であってもよく、開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。医療用パッチがフレキシブル回路に組み込まれる場合は、フレキシブル回路は刺激する信号の生成に必要な所要電子機器回路のすべてが含まれ得る。フレキシブル回路は電池を受け入れる装着領域が含まれ得る。
【0030】
本発明の一実施形態では、留置装置は、身体上の特定の標的位置に1つ以上の医療用パッチを正確に一貫して留置するために使用される。一実施形態では、留置装置は、医療用パッチを標的位置に的確に留置するために患者の身体の1つ以上の解剖学的な目印を使用するように好ましくは適合される。一実施形態では、留置装置は、上部区分、湾曲状のシャフト、及びスプーン状のカップを有する下部区分を有するハンドル、並びに医療用パッチを保持しパッチを標的位置に正確に位置決めするように適合される揺動ゲートを好ましくは含む。
【0031】
一実施形態では、留置装置のハンドルは、患者のどちらかの手に容易かつ快適に保持されるように好ましくは適合される。一実施形態では、ハンドルは、快適に使用され得、臀部の解剖学的形状の違いに順応し得るように「C」字形をなす。一実施形態では、留置装置は、身長が異なる患者に順応するために1つ以上の垂直調節要素を含む。一実施形態では、ハンドルの上端部は、留置装置が身体の好ましい解剖学的特徴と適切に整列していると患者に触覚フィードバックを与えるために使用される外方に湾曲する部分を好ましくは有し、それによって正確な横方向の位置決めをもたらす。一実施形態では、好ましい解剖学的特徴は患者の脊椎である。
【0032】
一実施形態では、留置装置は、ハンドルの底部分に取り付け可能なカップを好ましくは含む。カップは、尾骨が起始し内側に曲がる箇所(仙尾骨結合又は尾骨)で仙骨の遠位端の下に快適に嵌合するように適合される好ましくはスプーン形状の装置で、医療用パッチの正確な留置の提供を望ましくは助長する。カップの形状は、殿裂を通って仙尾骨結合の下に留置されるように好ましくは適合される。カップは、快適に嵌合するように人間工学的な理由で望ましくは湾曲状をなし、頑丈だが柔らかい材料で製造される。カップの寸法又は配向は多様な体格を有する患者に順応するように調節可能であり得る。
【0033】
本発明の一実施形態では、基板上にある構成部品には、パッチを作動させるための電池などの電力源及びその電力源に結合されるスイッチが含まれる。スイッチは、1回限り作動されるように適合された1回使用型のスイッチであってもよい。構成部品にはまた、パッチが作動されていることを示す光信号を発生させるためのLEDなどの発光素子と、少なくとも1つの神経刺激信号と関連付けられたパラメータを制御するための信号を受信するように適合されるフォトダイオードなどの光センサーとが含まれる。一実施形態では、リモートコントロールはフォトダイオードに光信号を向けるために使用され得、検出される光信号はパッチの神経刺激出力を調節するために使用される。一実施形態では、医療用パッチを活性化するスイッチはフォトダイオードであってもよい。一実施形態では、医療用パッチが活性化されるとき、光学送受信機は医療用パッチとリモートコントロール又は制御器との間で双方向通信を提供するために使用され得る。送受信機は、制御器にデータを伝送するLED、及び制御器から望ましくはコマンドを受信する受信器を含み得る。
【0034】
本発明の一実施形態では、神経刺激パッチは、頂面と底面とを有する回路基板と、少なくとも1つの神経刺激信号を発生させるための回路基板の頂面上にある複数の内蔵構成部品と、内蔵構成部品に通電するための回路基板の頂面上にある電力源と、回路基板内に配置された電極と、を有する。電極は、回路基板の底面にてアクセス可能であり、少なくとも1つの神経刺激信号を印加するための内蔵構成部品と電気的に相互接続される。選択的神経刺激パッチは望ましくは、回路基板を覆う防水通気性カバーと、回路基板に結合され、回路基板を囲む支持フランジであって、支持フランジの外周に向かって下向きに傾斜する頂面を有する支持フランジとを有する。支持フランジは可撓性であってもよく、支持フランジのその傾斜する頂面にてアクセス可能な複数の排出開口部を有してもよく、排出開口部は、水分をパッチから排出するために、防水通気性上部カバーと連通する。
【0035】
一実施形態では、神経刺激パッチは、パッチを表面に固定するための、電極上にある接着性ヒドロゲルパッドなどの導電性接着パッドを有する。導電性接着パッドは交換可能であり、それにより、パッチを一時的に基板から取り外し、次いで交換するかあるいは表面上に再配置することが可能である。
【0036】
本発明の一実施形態では、透明な封入材料が内蔵構成部品の上にあり、支持フランジがその透明な封入材料を囲む。内蔵構成部品は、電源、1回限りの活性化スイッチ(例えば、フォトダイオード)、発光素子、及び光センサー(例えば、発光素子及び光センサーを含む送受信機システム)を含み得る。一実施形態では、防水通気性カバーは、1回型の作動スイッチと位置合わせされる第1の開口部と、発光素子と位置合わせされる第2の開口部と、光センサーと位置合わせされる第3の開口部とを有する。このパッチは、パッチを表面に取り付けるための、電極を被覆する導電性接着パッドと、防水通気性カバーの周囲の裏面部分を被覆する接着層とを有してもよい。接着パッド及び接着層により、パッチを表面から一時的に取り外し、次いで後に表面に再び取り付けることが可能になり得る。一実施形態では、接着パッドは、新しい接着パッドと交換されてもよい。
【0037】
本発明の一実施形態では、選択的神経刺激パッチは、1つ以上の電極と、1つ以上の波形発生器と、1つ以上の変調器と、電池とを有してもよい。波形発生器は好ましくは、標的の神経を選択的に刺激し、かつパッチと標的の神経との間の組織を透過することが可能な波形を発生させる。電池は、神経刺激パッチに好ましい電力源であり、波形発生器は電池から電力を引き出す。モジュレーターは、波形ジェネレーターからの波形を変調し、変調波形を生成し、これを電極に送る。モジュレーターからの電気信号を受け取った電極は、標的神経を刺激するための電界を望ましくは生成する。
【0038】
本発明の一実施形態では、電池は非充電式電池である。本発明の別の実施形態において、電池は充電式電池であり、これは共有磁界を介したエネルギー転送のためのインダクティブカップリングを使用することにより、又は電源を充電するための任意の他の既知技法を使用することにより、高周波信号を使用して充電することができる。
【0039】
本発明の1つ以上の実施形態において、選択的神経刺激パッチは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2005/0277998号(2005年6月7日に出願された米国出願第11/146,522号)及び同第2006/0195153号(2006年1月31日に出願された米国出願第11/343,627号)に記載された装置及び技法を使用して、標的の神経を刺激するための変調波形を発生させるように適合されており、これらの特許出願公開の開示内容は、参照によって本願に組み込まれる。波形は、パルスエンベロープを伴う搬送波形を変調することによって、望ましくは生成される。振幅、周波数等の搬送波形の特性は、組織インピーダンスを超え、標的神経の刺激閾値を超えるように選択される。パルスエンベロープは、標的神経を選択的に刺激するよう設計された、特定のパルス幅、振幅及び形状を有する波形である。この波形は、電気信号の強度の損失を最小限に抑えて、組織を効率的に通り抜けて標的神経に達することができるため、これにより、他の方法では低周波数信号で標的神経を刺激するために何回も行われるであろう電池交換の回数が低減する。更に、標的神経だけが刺激され、非標的神経は刺激されない。
【0040】
本発明の1つ以上の実施形態が、女性における神経刺激及び女性の泌尿器系に関連して記述されているが、本発明は男性、子供、及び成人における神経刺激、並びに男性、子供、及び成人の泌尿器系における使用に容易に構成させることができることが、理解されるべきである。更に、本明細書で開示される本発明の原理、器具及び方法は、例えば冠状動脈又は肺の機能など、他の領域の機能の評価及び治療に対する適用も有し得る。また更に、本明細書で開示されている発明の原理、器具及び方法は、様々な他の神経を刺激するための用途も有することがあり、例えば分娩及び出産時の神経刺激、又は様々な患者状態に選択的に対応するために所定の神経束の分枝を選択的に刺激することがある。更に、本明細書で説明する技術は、腹圧性尿失禁、肛門及び大便失禁、性機能不全、間質性膀胱炎、骨盤痛が挙げられるがこれに限定されない慢性的疼痛、夜間多尿症、並びに胃ペーシングが挙げられるがこれに限定されない胃腸障害の状態に寄与する又は影響を及ぼす神経系の様々な構成成分に適用できる。更に、本発明は、例えばホルモンを分泌する腺、及び大きな筋肉群(例えば理学療法に関連する二頭筋の刺激)など、神経ではなく身体部分を刺激するのにも使用することができる。
【0041】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記に詳しく記述される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態による、ハンドル、仙骨カップ、旋回するアーム、スペーサ、揺動ゲート、及び可撓性隔壁を含む医療用パッチの留置装置の分解図。
【図2A】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図2B】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図2C】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図2D】本発明の一実施形態による、医療用パッチの留置装置。
【図3】図1に示すハンドルの斜視図。
【図4】図1に示す仙骨カップの斜視図。
【図5A】図1に示す旋回するアームのそれぞれの側面図、前方斜視図、及び平面図。
【図5B】図1に示す旋回するアームのそれぞれの側面図、前方斜視図、及び平面図。
【図5C】図1に示す旋回するアームのそれぞれの側面図、前方斜視図、及び平面図。
【図6A】図1に示すスペーサのそれぞれ側面図及び斜視図。
【図6B】図1に示すスペーサのそれぞれ側面図及び斜視図。
【図7A】図1に示す揺動ゲートの第1の面の斜視図。
【図7B】図1に示す揺動ゲートの第2の面の斜視図。
【図8A】図1に示す揺動ゲートの後端図。
【図8B】図8Aに示す揺動ゲートの後端図の斜視図。
【図9A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを係合するように適合される可撓性隔壁。
【図9B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを係合するように適合される可撓性隔壁。
【図9C】本発明の一実施形態による、医療用パッチを係合するように適合される可撓性隔壁。
【図10A】本発明の一実施形態による、図9A〜9Cの可撓性隔壁が揺動ゲートに組み立てられた後の図1の揺動ゲートの第1の面の斜視図。
【図10B】揺動ゲートの第2の面及び図10Aに示す可撓性隔壁の斜視図。
【図11A】本発明の一実施形態による、医療用パッチの平面図。
【図11B】図11Aに示す医療用パッチの底面図。
【図11C】本発明の一実施形態による、ゲルパッドを露出させるために中央シールが取り除かれた後の図11Bに示す医療用パッチの底。
【図12】本発明の一実施形態による、図11A〜11Cに示す医療用パッチと通信し医療用パッチを制御するためのリモートコントロール。
【図13A】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13B】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13C】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13D】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13E】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13F】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13G】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13H】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13I】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13J】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13K】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13L】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13M】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13N】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13O】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13P】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図13Q】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置ツールを使用して、患者の右側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14A】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14B】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14C】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14D】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14E】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14F】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14G】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14H】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14I】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14J】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14K】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14L】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14M】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14N】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14O】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14P】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図14Q】本発明の一実施形態による、図2A〜2Dに示す留置器具を使用して、患者の左側に医療用パッチを貼付する方法。
【図15A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを作動するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図15B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを作動するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図16A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図16B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図16C】本発明の一実施形態による、医療用パッチを活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図17A】本発明の一実施形態による、医療用パッチを非活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図17B】本発明の一実施形態による、医療用パッチを非活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図17C】本発明の一実施形態による、医療用パッチを非活性化するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図18A】本発明の一実施形態による、医療用パッチの信号強度を増減するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図18B】本発明の一実施形態による、医療用パッチの信号強度を増減するためにリモートコントロールを使用する方法。
【図19】本発明の一実施形態による、医療用パッチの状態を確認するためにリモートコントロールを使用する方法。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の一実施形態による、患者への治療の有益性を最大限にするために患者に1つ以上の医療用パッチを正確に位置決めするために用いる留置装置30の分解図を示す。一実施形態では、留置装置30は、患者の後部の右側又は左側等の患者の右側又は左側のどちらかに二者択一的に医療用パッチを位置決めするのに使用できるように、望ましくは両側性である。一実施形態では、留置装置30は上端部34と、下端部36と、上端部と下端部との間に延びるシャフト38と、を有するハンドル32を好ましくは含む。一実施形態では、シャフト38はC字型であり得る。留置装置30は、ハンドル32の下端部36から延びる仙骨カップ40を好ましくは含む。一実施形態では、仙骨カップはハンドルの下端部に固定される別の部品であり得る。一実施形態では、仙骨カップはハンドル32の下端部36と一体成形され得る。
【0044】
一実施形態では、留置装置30は1つ以上の旋回シャフト44A、44Bを介してハンドル32の上端部34と枢動可能に連結される上端部を有する旋回するアーム42を好ましくは含む。一実施形態では、旋回シャフト44A、44Bは、ハンドルの上端部34に設けられる1対の位置合わせした開口部45A、45Bと好ましくは連結される。旋回シャフトは位置合わせした開口部45A、45Bの中にスナップ嵌装され得る。一実施形態では、旋回するアームは、ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内でハンドルの方へ及びハンドルから離れて旋回するように好ましくは適合される。
【0045】
一実施形態では、留置装置30は、上端部を、旋回するアーム42の下端部と連結され得るスペーサ46を好ましくは含む。スペーサ46の長さは患者の寸法次第で変化し得る。一実施形態では、留置装置は、様々な寸法及び/又は身長を有する患者に使用するために装置を変更するための様々な長さを有する複数のスペーサ46を有し得る。
【0046】
図1を参照すると、一実施形態では、旋回するアーム42の下端部はスペーサ46の上端部を受け入れるように適合される。スペーサ46と旋回するアーム42との間に確実な接続を形成するために、スペーサ46の上端部と旋回するアーム42の下端部の開口部との間にOリング54が配置され得る。
【0047】
一実施形態では、スペーサ46は、揺動ゲート48の上端部に設けられるシャフトの開口部等の開口部に嵌装するように適合される下端部を好ましくは有する。本明細書でより詳細に説明されるように、揺動ゲート48は、医療用パッチを保持するように、かつ患者の左側又は右側に医療用パッチを位置決めするために左右に揺動するように望ましくは適合される。一実施形態では、揺動ゲート48は大きい方の開口部56及び小さい方の開口部58を好ましくは含む。ゲート48の大きい方の開口部56は、保持リング60によって大きい方の開口部56に保持される可撓性隔壁50を受け入れ着座させるように適合される。留置装置30は、可撓性隔壁50の中心に位置決めするように適合される磁石組立品52も好ましくは含む。一実施形態では、磁石組立品52は、1対の磁石64A、64Bを保持するように望ましくは適合される磁石ホルダー62を好ましくは含む。一実施形態では、磁石ホルダー62は、可撓性隔壁50の第1の面に第1の磁石64Aを保持し、可撓性隔壁50の第2の面に第2の磁石64Bを保持する。
【0048】
一実施形態では、ゲート48は、スペーサ46の下端部と共に組み立てられるとき約20°〜45°、より好ましくは約30°の角度を形成する長手方向軸線に沿って好ましくは延びる。一実施形態では、スペーサは使用されなくてもよく、ゲート48は旋回するアーム42の下端部に直接連結されてもよい。一実施形態では、ハンドル32は成形品であり得る。一実施形態では、ハンドル32は約25%がガラスで充填されるDelrin(登録商標)材料で好ましくは製造される。仙骨カップ40は、ガラス充填なしのDelrin(登録商標)材料とサントプレーン材料との組み合わせで製造され得る。一実施形態では、スペーサ46は、ガラス充填なしのDelrin(登録商標)材料で製造され得る。可撓性隔壁50はシリコーン材料で製造され得る。
【0049】
図1及び2Aを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48はスペーサ46の下端部に好ましくは固定され、次いで、旋回するアーム42の下端部と連結される。図2Bを参照すると、一実施形態では、ハンドルは平面P1にある長手方向軸線を有し、旋回するアーム42及びスペーサ46は平面P1と位置合わせされ平面P1内で旋回する。
【0050】
図2B及び2Cを参照すると、一実施形態では、旋回するアーム42の上端部は、ハンドル32の上端部34と枢動可能に連結される。一実施形態では、図2Cに示すように、旋回アームの下端部がRP−FPと指定される弧に沿って移動できるように、旋回するアーム42は旋回シャフト44を中心にして旋回するように適合される。一実施形態では、旋回するアーム42は、ハンドル32から離れて(図2Bに示すように平面P1内で)FPと指定される点まで旋回可能である。旋回するアーム42はRPと指定される点までハンドル32の方へ旋回可能である。留置装置30は、旋回するアーム42の前方及び後方の旋回を制限する止めを望ましくは含む。上述したように、旋回するアーム42が前方及び後方に旋回するとき、旋回するアーム及びスペーサ46は、図2Bに示す平面P1内に好ましくはとどまる。本発明はいかなる特定の動作理論に限定されるものではないが、旋回するアーム42の前方及び後方に旋回する機能が異なる寸法を有する患者が留置装置を容易に使用できるようにすると考えられる。例えば、より大きな後方を有するより大きな患者は、患者のより大きな寸法に対応するために旋回するアーム42のより大きな後方への動きを必要とする。より小さい後部を有するより小さい患者は、旋回するアームのより小さい後方への動きを必要とする。
【0051】
図2A〜2Dを参照すると、一実施形態では、ゲート48は、スペーサの下端部に取り付けられる揺動ゲートである。一実施形態では、ゲート48はスペーサ46の長手方向軸線を中心にして回転するように好ましくは適合される。図2Dを参照すると、一実施形態では、ゲート48は少なくとも90度左〜少なくとも90度右に、より好ましくは約170度左〜約170度右に自由に回転する。図2Dで、ゲート48の左の最大範囲はLRと指定され、ゲート48の右の最大範囲はRRと指定される。一実施形態では、揺動ゲート48は、ゲートがハンドルの左側と物理的に接触するまで左に、及びゲートがハンドルの右側と物理的に接触するまで右に、好ましくは回転する。一実施形態では、揺動ゲートを含む留置装置は、患者の左側又は右側のどちらかへの両側性の医療用パッチの位置決めを好ましくは提供する。図2Dに示す特定の構成では、留置装置30は、患者の左側に医療用パッチを留置する位置にある。ゲート48は患者の右側に医療用パッチを位置決めするためにハンドル32の右側に回転し得る。
【0052】
図3を参照すると、一実施形態では、留置装置用のハンドル32は、上端部34、下端部36、及びその間を延びるC字型シャフト38を含む。一実施形態では、ハンドル32は望ましくはスナップ嵌装する2つの成形された半体70A、70Bを含む。ハンドル32はポリマー等の耐久性のある材料で好ましくは製造される。
【0053】
一実施形態では、ハンドル32の上端部34はA1と指定される軸線に沿って延び、ハンドルの下端部36はA2と指定される第2の軸線に沿って延び、第1の軸線A1及び第2の軸線A2は互いに実質的に平行である平面に延びる。
【0054】
一実施形態では、ハンドル32の上端部34は1対の位置合わせした開口部45A、45Bを含み旋回するアームの上端部に設けられる1つ以上の旋回シャフト44A、44Bを受け入れるように適合される(図1)。一実施形態では、ハンドル32の下端部36は、下端部の前端に形成される開口部74を有する。一実施形態では、開口部74は、以下でより詳細に説明するように、好ましくは仙骨カップの後シャフトを受け入れるように適合される十字形の開口部76である。
【0055】
図4を参照すると、一実施形態では、留置装置は前端80及び後端82を有する仙骨カップ40を含む。仙骨カップ40は、患者の尾骨の末尾に係合するように凹形の上面86を有するスプーン84を含む。スプーン84は、凹形の表面86の後端から上方に好ましくは延びる止め88を含む。止め88は、スプーン84が患者の尾骨に当接した後、仙骨カップが更に前進しないように適合される。仙骨カップ40は、仙骨カップをハンドルの下端部と接続するために、ハンドル32の下端部36で開口部74に挿入するように適合される後シャフト90(図3)も好ましくは含む。一実施形態では、シャフト90はハンドル32の下端部36で十字形の開口部76に係合するように適合される十字形を有する。
【0056】
図5A〜5Cを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ留置装置は旋回するアーム42を望ましくは含む。一実施形態では、旋回するアーム42は、上端部92、下端部94、及び上端部92と下端部94との間に延びる中央開口部96を含む。図5Aに示すように、一実施形態では、旋回するアーム42は以下でより詳細に説明するようにスペーサ上に設けられる連結歯を受け入れるように適合される1対の位置合わせしたスリット104を含む。
【0057】
一実施形態では、旋回するアーム42は、旋回するアームの片側から突出する第1の旋回シャフト44A、及び旋回するアームの対向側から突出する第2の旋回シャフト44Bを好ましくは含む。第1の旋回シャフト44A及び第2の旋回シャフト44Bは互いに実質的に位置合わせにあることが好ましい。図3及び5Bを参照すると、一実施形態では、1対の旋回シャフト44A、44Bは、旋回するアーム42がハンドル32の上端部34で枢動可能に接続されるように、ハンドル32の上端部34でそれぞれの開口部45A、45B(図3)に挿入されるように適合される。旋回するアーム42は、旋回するアーム42の後端の方へ下向きに傾斜する傾斜面100も望ましくは含む。傾斜面100は、旋回するアーム42がハンドルの方へ後方に旋回する範囲を制限する旋回止め102まで望ましくは延びる。
【0058】
図6A及び6Bを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ用の留置装置は、上端部110、下端部112、及び上端部と下端部との間に延びる細長いシャフト114を有するスペーサ46を含む。一実施形態では、細長いシャフト114はL1と指定される長手方向軸線に沿って上端部と下端部との間に好ましくは延びる。スペーサ46は、細長いシャフト114の直径より大きな直径を有する外表面を有する円筒形の中央部分116を好ましくは含む。
【0059】
一実施形態では、スペーサ42の上端部はそれぞれ歯120A、120Bを有する1対の上方連結アーム118A、118Bを含む。一実施形態では、スペーサ46のシャフト114の上端部110は、旋回するアーム42を通って延びる中央開口部96(図5C)に挿入できる。スペーサ46を旋回するアーム42と連結するために、連結アーム118A、118Bの歯120A、120Bが位置合わせしたスリット104(図5A)にスナップ嵌装するまで、シャフト114の上端部110は旋回するアームの中央開口部96の中に好ましくは進められる。
【0060】
一実施形態では、スペーサ46の下端部112はそれぞれ連結歯124A、124Bを有する可撓性の下方連結アーム122A、122Bを望ましくは含む。以下でより詳細に説明するように、シャフト114の下端部112は揺動ゲートの上端部に設けられる開口部に挿入されるように適合される。歯142A、142Bは、ゲートに設けられるスリットにスナップ嵌装するように適合される。
【0061】
図7A及び図7Bを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ留置装置の揺動ゲート48は、大きい方の開口部56及び小さい方の開口部58を好ましくは含む。ゲート48は、前端134と、及び図6A及び6Bに示すスペーサ46の下端部に好ましくは取り付けられる後端136と、を好ましくは含む。図7Aは揺動ゲート48の第1の面130の斜視図を示し、図7Bは揺動ゲート48の第2の面132の斜視図を示す。ゲート48の第1の面130は、外周囲、及び第1の面130の上に突出し第1の面の外周囲の周りに延びる、第1の隆起部138を有する。第1の隆起部は、パッチを適所に保持するためにゲートの第1の面に装填される医療用パッチの外周囲を取り囲むように好ましくは適合される。第1の隆起部138は、ゲート48の前端134に設けられるタブ位置合わせ開口部140を好ましくは有する。
【0062】
図7Bを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48は外周囲を有する第2の面132を好ましくは有し、ゲート48は第2の面132の上に延び、第2のゲートの外周囲を取り囲む第2の隆起部142を含む。第2の隆起部は、パッチを適所に保持するためにゲートの第2の面に装填される医療用パッチの外周囲を取り囲むように好ましくは適合される。第2の隆起部142は、ゲート48の前端134に設けられるタブ位置合わせ開口部144を好ましくは有する。
【0063】
図7A及び図7Bを参照すると、一実施形態では、ゲート48の後端136は、後端から上方へ突出するシャフト146を有する。シャフト146は、スペーサ46の下端部112(図6A)を受け入れるように適合される開口部148を望ましくは有する。シャフト146は、スペーサ46の下端部112でアーム122A、122Bに設けられるそれぞれの歯124A、124B(図6A)を受け入れるように適合される位置合わせしたスリット150A、150Bも好ましくは含む。ゲートのシャフト146の開口部148がスペーサシャフト114と連結されると、ゲートシャフト146は、スペーサ46の長手方向軸線L1を中心にして回転するように適合される。
【0064】
図7Bを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48の第2の面132は、可撓性隔壁50(図1)の辺縁部分を受け入れるように適合される第2の面に形成される環状のくぼみ152を望ましくは含む。位置合わせ要素154、156は環状のくぼみ152内に望ましくは設けられる。位置合わせ要素154、156は、環状のくぼみ152内で可撓性隔壁を位置合わせし保持するために、可撓性隔壁の外周縁に形成される開口部又はノッチに係合する、好ましくは突出する要素である。
【0065】
図8A及び8Bを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48の後端136は後端内に形成される1対のタブ位置合わせスリット160A、160Bを好ましくは有する。一実施形態では、ゲート48は、ゲート48の第1の面130の上に突出する第1の位置合わせ隆起部138、及びゲート48の第2の面132の上に突出する第2の位置合わせ隆起部142を望ましくは含む。第1の位置合わせ隆起部138及び第2の位置合わせ隆起部142は、以下でより詳細に説明するように、医療用パッチの後端から突出するタブを受け入れるように好ましくは適合される、タブ位置合わせスリット160A、160Bをそれぞれ望ましくは含む。第1のタブ位置合わせスリット160Aはゲート48の第1の面130と好ましくは実質的に位置合わせされ、第2のタブ位置合わせスリットはゲートの第2の面132と好ましくは実質的に位置合わせされる。
【0066】
図9A〜9Cを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ留置装置の可撓性隔壁50は第1の面162(図9A及び9B)及び対向する第2の面164(図9C)を好ましくは含む。可撓性隔壁50は、中央領域に形成される一連の磁石ホルダー開口部168を有する中央領域166を含む。一実施形態では、中央領域166は実質的に好ましくは平らであり、磁石ホルダー開口部168は磁石ホルダー62(図1)に設けられる突起部を受け入れるように適合される。可撓性隔壁は、可撓性隔壁の中央領域166を取り囲む可撓性ドーム状領域170も望ましくは含む。一実施形態では、可撓性隔壁はドーム状を作り出すために切断される1枚のシリコーンから好ましくは製造される。一実施形態では、シリコーンシートの設計はドームを好ましくは形成し、ドームを押すことによってドームが凹状から凸状に反転可能になることを可能にする。可撓性隔壁50は、ドーム状領域170を取り囲む辺縁領域172も望ましくは含む。辺縁領域172は、ゲート48の第2の面132上の細長い突起部154(図7B)に係合するように適合される複数の細長い開口部174を望ましくは含む。辺縁領域172は、揺動ゲート48(図7B)の第2の面132から突出する三角形状の突起部156に係合するように適合される、複数のV字形の位置合わせ溝又はノッチ176も望ましくは含む。
【0067】
一実施形態では、隔壁50の可撓性ドーム状領域162は、図9Bに示す凹形状から図9Cに示す凸形状に選択的に変換可能であるように適合される。一実施形態では、医療用パッチを患者の右側に位置決めするために留置装置を使用し得るように、可撓性隔壁50は図9Bの凹形状に変換する。一実施形態では、以下でより詳細に説明するように、医療用パッチを患者の左側に位置決めするために留置装置を使用し得るように、可撓性隔壁50は図9Cに示す凸形状に転換され得る。
【0068】
図10Aを参照すると、一実施形態では、揺動ゲート48は、揺動ゲートの後端136から上方へ突出するシャフト146を含む。スペーサの下端部(図6A)で歯124A、124Bがシャフト146に設けられるスロット150A、150Bにスナップ嵌装するように、シャフト146はスペーサ46の下端部と望ましくは連結される。次に、取り付け歯120A、120Bをスペーサ46の上端部110(図6A)で旋回するアーム42(図5A)に設けられるスリット104にスナップ嵌装することで、スペーサ46の上端部は旋回するアーム42の下端部と連結され得る。次に、旋回するアーム42の上端部に設けられる旋回シャフト44A、44Bは、ハンドル(図1)の上端部34の前端に設けられる位置合わせした開口部45A、45Bにスナップ嵌装する。
【0069】
上述したように、揺動ゲート48がハンドルの上端部34と連結された後、旋回するアーム42は、P1と指定される平面(図2B)内でハンドル32のシャフト38の方へ及びシャフト38から離れて旋回するように好ましくは適合される。ゲート48のシャフト146は、スペーサ46の長手方向軸線L1を中心にして回転するように適合される。ゲート48は、ゲートがハンドル32のC字型シャフト38の第1の側すなわち左側に係合するまで左に、及びゲートがハンドル32のC字型シャフト38の第2の側すなわち右側に係合するまで右に、揺動するように適合される。一実施形態では、ゲートを動かすのに最少限の力を使用して、ゲートは左側と右側との間を揺動可能である。旋回するアームの底面とスペーサとの間のOリング54(図1)はゲートの揺動動作にいくらかの抵抗を与え得る。
【0070】
図10Aは、第1の面130に対して凹状を有する可撓性隔壁50を備えるゲート48の第1の面130を示す。磁石組立品52が大きい方の開口部56内に中心に置かれるように、隔壁150はゲート48の大きい方の開口部56と位置合わせされる。
【0071】
図10Bは、図10Aに示す構成で可撓性隔壁50を備えるゲート48の第2の面132を示す。ゲートの第2の面から延びる細長い突起部154は、可撓性隔壁50を大きい方の開口部56と位置合わせするために、可撓性隔壁の細長い開口部174(図9A)を好ましくは通り抜ける。留置装置は、大きい方の開口部56内で可撓性隔壁を保持する可撓性隔壁保持リング60を望ましくは含む。揺動ゲート48の第2の面132から見ると、可撓性隔壁50のドーム状部分162は凸形状を有する。磁石組立品52は、大きい方の開口部56の中心の内側に好ましくは配置される。
【0072】
図11Aを参照すると、一実施形態では、選択的神経刺激(SNS)パッチ等の医療用パッチ200は、パッチに電力を供給する電池202、及びパッチの制御のための通信インタフェースを提供する光学的な目204を含む。医療用パッチ200は、医療用パッチの前端208と後端210との間に延びる外周囲206を好ましくは有する。医療用パッチ200は、保管中及び患者への留置前にパッチを保護する取り除き可能な上シール212を望ましくは含む。一実施形態では、上シール212は、上シール212に係合され上シール212を取り除くために引っ張り得るプルタブ214を含む。
【0073】
図11Bは、図11Aに示す医療用パッチ200の底面を示す。一実施形態では、医療用パッチの底面は、パッチの底面に露出する1つ以上の電極を望ましくは覆う中央シール220、及び医療用パッチ200の底面を覆う下シール222で好ましくは覆われる。一実施形態では、下シール222は、医療用パッチの前端208を覆う第1の区分224、及び医療用パッチ200の後端210を覆う第2の区分226を含む。下シールの第1の区分224は、医療用パッチ200の底面で第1の区分224を取り除き、接着層を露出させるためのプルタブ226を望ましくは含む。下シールの第2の区分228は、第2のシール区分228を取り除くためのプルタブ230を好ましくは含む。本明細書に説明するように、それぞれのプルタブ226、230は、ゲート48を用いる医療用パッチ200の位置合わせを提供する(図7A及び7B)こと、及び医療用パッチ上に設けられる要素(例えば、電極、接着層)を、露出することが望ましいときまで保護すること、を含む複数の機能を好ましくは行う。
【0074】
一実施形態では、第2のプルタブ230は、ゲートの第1の隆起部138(図7A)に形成される位置合わせ開口部140内に受け入れられるように適合される。第1のプルタブ226は、ゲート48(図8B)の後端136に形成される後部位置合わせスロット160A、160Bのうちの1つの中に受け入れられるように適合される。したがって、第1のプルタブ226及び第2のプルタブ230はそれぞれ少なくとも2つの機能を行う。第1の機能は位置合わせ機能であり、タブ226、230はゲート48上の医療用パッチ200の位置合わせを容易にする。プルタブ226、230のそれぞれは、医療用パッチを患者に位置合わせした後、下シールの第1の区分224及び下シールの第2の区分228を取り除くことも好ましくは可能にする。
【0075】
図11B及び11Cを参照すると、一実施形態では、中央シール220は医療用パッチ200の底面でアクセス可能なゲルパッド232、234を露出させるように取り除かれてもよい。一実施形態では、ゲルパッド232、234は、電気信号が電極を通して患者に伝送され得るように電極(図示せず)を好ましくは覆う。一実施形態では、医療用パッチは電気信号を生成し、ゲルパッド232、234は患者の1つ以上の神経を刺激するために1つ以上の神経に電気信号を送るのに役立つように適合される。
【0076】
一実施形態では、中央シール220が取り除かれてゲルパッド232、234が露出した後、下シールの第1の区分224及び第2の区分228は、医療用パッチ200の底面を覆って設けられる接着層(図示せず)を保護するために適所に残る。一実施形態では、接着層は医療用パッチの底面が患者の皮膚の表面に付着するのを好ましくは可能にする。
【0077】
図12を参照すると、一実施形態では、患者に医療用パッチを留置するシステムは、医療用パッチをオン・オフにする、医療用パッチの状態を判断する、及び医療用パッチが膀胱機能等の身体の機能を制御する神経に送る信号の強度を変える、を含む様々な機能を行うために好ましくは利用されるリモートコントロール250を望ましくは含む。一実施形態では、リモートコントロールは、患者が医療用パッチを活性化させる、及び/又は制御することを望むとき、医療用パッチに望ましくは向けられる通信窓254を有する操作可能な端部252を好ましくは含む。一実施形態では、リモートコントロールがパッチと通信するために使用されるとき、通信窓254は、パッチまでクリアな見通し線を望ましくは有さなければならず、医療用パッチからおよそ15.2〜30.5cm(6〜12インチ)、より好ましくは約20.3cm(8インチ)以内でなければならない。一実施形態では、通信窓254は、医療用パッチとクリアな見通し線を有さなければならず、衣類等が通信窓と医療用パッチとの間に一切あってはならない。
【0078】
一実施形態では、リモートコントロール250は、医療用パッチの信号の強度を上げるために連動させてもよい押し下げ可能なプラス(+)ボタン256を望ましくは含む。リモートコントロール250は、リモートコントロール及びパッチが作動していることを確認するために押し得る確認ボタン258を望ましくは含む。確認ボタン258は、信号が医療用パッチから神経まで送られていることを確認するためにも連動させてもよい。一実施形態では、確認ボタン258は医療用パッチをオンにするためにも使用され得る。リモートコントロール250は、医療用パッチの信号の強度を下げるために連動させてもよいマイナス(−)ボタン260も望ましくは含む。一実施形態では、マイナス(−)ボタン260は医療用パッチをオフにするために連動されてもよい。
【0079】
一実施形態では、リモートコントロール250は医療用パッチによって伝達される信号の強度を示す視覚ディスプレイ262を好ましくは含む。一実施形態では、医療用パッチの強度は、「00」(信号なし)〜「44」(最強度の信号)の範囲であり得る。視覚ディスプレイ262は、医療用パッチが適切に作動していない場合エラーコードも表示し得る。一実施形態では、視覚ディスプレイ262に示すエラーコードの意味について患者に通知するユーザーガイド及び/又は故障診断ガイドが備わってもよい。
【0080】
一実施形態では、リモートコントロールは信号ランプ264を含む。信号ランプ264は、医療用パッチが患者の神経に信号を送っていることを確認するために好ましくは黄色に点滅する。他の実施形態では、黄色以外の色が利用されてもよい。更に、他の実施形態では、パッチが適切に機能していることを示すために点滅以外の光パターンが利用されてもよい。
【0081】
一実施形態では、リモートコントロール250は、リモートコントロールが医療用パッチと問題なく「交信している」ことを患者に知らせる状態ランプ266を含む。一実施形態では、リモートコントロール250は、医療用パッチとリモートコントロールとが互いに通信している(すなわち、「交信している」)ことを表示するために振動する又は音を生成してもよい。一実施形態では、状態ランプ266は、医療用パッチの異なる作動状態を示すために異なる色を示してもよい。一実施形態では、状態ランプ266が緑色であると、医療用パッチがオンであることを確認する。一実施形態では、状態ランプ266が赤色であると医療用パッチ又はリモートコントロールにエラーがあることを示す。一実施形態では、状態ランプが黄色であるとリモートコントロールが「休止モード」にあることを示す。一実施形態では、リモートコントロールが休止モードにあるとき、この状態は医療用パッチの設定に影響を及ぼさない。
【0082】
図13A〜13Qは、患者の右側に医療用パッチを位置決めるために留置装置を使用する1つの方法を示す。図13Aを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ200はホイルポーチ等の保管ポーチから好ましくは取り除かれる。一実施形態では、患者は、医療用パッチを患者から取り除くときポーチが必要になるので保管ポーチを好ましくは取っておく。一実施形態では、医療用パッチ200は保管ポーチから取り除かれ曲げられる。医療用パッチ200が曲げられると、患者は上シールの区分212と接続するプルタブ214を好ましくは折り曲げる。図13Aに示すようにタブ214が折り曲げられた後、図13Bに示すように医療用パッチは中央シール220を上に向けて平坦面に置かれる。
【0083】
一実施形態では、留置装置30は、ゲート48をハンドル32のC字型シャフト38にもたせかけるように図13Cに示す位置まで揺動することによって、医療用パッチ200を受け入れるように準備される。ゲート48が所定の位置に適切に揺動されるとき、留置器具30は、文字「e」のような外観を有する。一実施形態では、留置器具30はゲートの第2の面132が平坦面から離れた方向に向いた状態で平坦面上に置かれる。可撓性隔壁50は、カップの形状をとり、上向きかつ平坦面から離れた方向に向く凹形の表面を画定するように好ましくは下方に押される。同じ段階で、隔壁の凸形の表面は下向きかつ平坦面の方に好ましくは向く。
【0084】
図13Dを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ200はパッチの上面をゲート48の第2の面132に接して位置決めすることによってゲート48に装填される。一実施形態では、医療用パッチ200の底面でゲルパッドを覆う中央シール220は、上向きかつ留置器具30及び留置器具を支持している平坦面から離れた方向に向く。一実施形態では、下シールの第1の区分224と接続する第1のプルタブ226をゲート48の後端136でタブ位置合わせスロット160B(図8B)にスライドさせて入れる。医療用パッチの電池部分(すなわち、パッチの盛り上がった区分)は可撓性隔壁の凹形のカップの中に直接置かれる。可撓性隔壁50の中心に配置される磁石組立品(図示せず)は、可撓性隔壁の中心に電池を好ましくは保持する。一実施形態では、後プルタブ230は、第2の位置合わせ隆起部142に形成されるタブ位置合わせスロット144と好ましくは位置合わせされる。図13Eは、第1のプルタブ226がゲートの後端136で位置合わせスロット160B(図8B)を通って延び、ゲートの前端134で第2のプルタブ230が位置合わせスロット144内に座る状態で、医療用パッチ200の外周囲が位置合わせ隆起部142内に位置するようにゲート48に適切に装填された医療用パッチ200を示す。
【0085】
図13E及び13Fを参照すると、一実施形態では、中央シール220は医療用パッチ200の底面に設けられるゲルパッド232、234を露出させるように取り除かれてもよい。一実施形態では、パッチを貼っている患者は不潔な手でゲルパッド232、234に触れないように、又は繊維クズ又はちり等の粒子でゲルパッドを汚染しないように注意すべきである。患者は中央シール220を取り除く際に、ゲート48がハンドル32にもたせかけられたままであることを好ましくは確認する。図13Fは、医療用パッチ200が留置装置30の揺動ゲート48内に適切に装填され位置決めされ、留置装置30が患者の右側に医療用パッチを位置決めするように適切に構成される、本発明の一実施形態を示す。
【0086】
図13Gを参照すると、一実施形態では、患者は左の人差し指が仙骨カップ40の下にあるように左手で留置装置30を保持する。図13Hを参照すると、一実施形態では、患者は引き続き左手で留置器具を保持しながら、右の人差し指で尾骨の末尾を見つける。
【0087】
図13Iを参照すると、一実施形態では、右の人差し指が尾骨に、左手が留置装置30にある状態のままで、患者は留置装置30の下端部から延びる仙骨カップ40を右の人差し指の下に誘導させる。仙骨カップ40のスプーン状の上面を患者の尾骨の末尾の下に置かれるまで進めることが好ましい。この段階で、患者は左手で留置装置30を適所に保持し続けることが好ましい。
【0088】
図13Jを参照すると、一実施形態では、患者は仙骨カップ40が尾骨の末尾に接して置かれるように左手を使って留置装置30に上方の圧力を加え続ける。患者は上端部34が脊椎に触れるのを感じるまで右手及び右の親指を好ましくは用いて留置装置の上端部34を背部に押し付ける。
【0089】
図13Kを参照すると、一実施形態では、留置装置30の上端部34が患者の脊椎に圧接された後、患者は仙骨カップ40が尾骨の末尾にしっかりと圧接されたままであること、及び留置装置30の上端部34がより下部脊椎の中心を触れていることを好ましくは確認する。必要に応じて、留置装置の上端部と下端部とが互いに位置合わせされる、及び患者の脊椎と実質的に位置合わせされるように、患者は留置装置30の位置合わせを好ましくは調節する。一実施形態では、留置装置の上端部と下端部とは、患者の脊椎に沿って延びる垂直軸線と好ましくは位置合わせされる。
【0090】
図13Lを参照すると、一実施形態では、患者は左手で上方の圧力を加えながら、右手を使って医療用パッチの底面が皮膚に当接するようにゲート48を背部の方へ揺動させる。患者はゲート48を図13Lに示す位置に揺動する際に、留置装置の上端部34が脊椎に対して移動しないことを確認すべきである。ゲート48が図13Lに示す位置に揺動されると、患者はゲート48の大きい方の開口部に位置する可撓性隔壁50の凸形の表面を好ましくは掴み、可撓性隔壁を押して医療用パッチの外側端部を隔壁から外す。次に患者は、揺動ゲートの小さい方の開口部58を通して好ましくは押し、医療用パッチの内側の端部を押して小さい方の開口部から離す。
【0091】
図13Mを参照すると、一実施形態では、パッチがゲートから外されると、医療用パッチ200のみが患者の適所に留まるように、患者は留置装置を身体から離して取り除くことが好ましい。医療用パッチ200の底面に設けられるゲルパッド(図13F)は、医療用パッチを患者の皮膚に好ましくは付着させる。一実施形態では、患者は鏡を好ましくは見て医療用パッチの位置を確かめる。図13Mは、本発明の一実施形態により、パッチが適切に患者に位置決めされているのを示す。パッチが患者に適切に位置決めされない場合、患者はパッチが身体に適切に位置決めされるように図13D〜13Lに示す手順を好ましくは繰り返し得る。
【0092】
図13Nを参照すると、一実施形態では、医療用パッチ200の底面上の接着層を覆う第1の下シール及び第2の下シールは取り除かれなければならない。一実施形態では、患者は右手を使って医療用パッチの隆起した電池部分をしっかりと押さえる。第1の下シールを取り除きシールによって覆われる接着層の部分を露出させるために、医療用パッチの隆起した電池部分を押さえ続けながら、患者は左手を使って第1のプルタブ226を掴み図13Nに示す方向に第1の下シールを引っ張る。患者が第1の下シールを取り除く際に、患者は第1の下シールが取り除かれたばかりのパッチの内側部分を好ましくは押さえる。更に、患者はしわができないようにパッチを好ましくは撫で付ける。
【0093】
図13Oを参照すると、患者は左手を好ましくは使って医療用パッチ200の左側又は内側をしっかりと押さえる。医療用パッチ200の底面で接着層を覆う第2の下シールを取り除くために、パッチ200の左側を押さえ続けながら、患者は右手を望ましくは使って第2のタブ230を掴み図13Oに示す方向に引っ張る。第2の下シールが取り除かれると、患者は医療用パッチの右側又は外側を背部に望ましくは圧接させ、しわができないようにパッチを望ましくは撫で付ける。
【0094】
図13Pを参照すると、一実施形態では、次に患者は、片方の手を好ましくは使ってパッチの隆起した電池の区分202を押さえる。反対の手を使って、患者は好ましくはタブ214を引っ張ってパッチの上面から上シール212を取り除く。医療用パッチ200の上面を露出させるために上シール212を取り除くとき、患者は円運動を用いてもよい。13Qを参照すると、一実施形態では、上シールが取り除かれると、患者はパッチが十分に皮膚に付着するようにパッチを皮膚に好ましくは押さえ付ける。患者は片方の手を使ってパッチを撫で付け得る。一実施形態では、患者は円運動を用いてパッチを撫で付けパッチが皮膚に付着していることを確認し得る。
【0095】
図13A〜13Qは留置装置が背部又は脊椎の低い領域にわたって医療用パッチを留置するために使用されるのを示すが、本明細書に開示する留置装置は、患者の脊椎の任意の箇所に医療用パッチを留置するために使用され得ることが意図される。留置装置は、胸部及び腹部を含む患者の前部の領域に医療用パッチを留置するために変更され得ることも意図される。本発明は、患者の身体の両側にほぼ同じ垂直位置に医療用パッチを留置することが望ましい身体の任意の箇所に使用され得ることも意図される。
【0096】
一実施形態では、図13Qに示すようにパッチが貼られると、患者は本明細書に示し説明するリモートコントロールを使用して医療用パッチ200を制御及び操作し得る。一実施形態では、患者は背部の両側にパッチを交互に留置することが要求される。一実施形態では、パッチの交互の留置が毎週行われる。例えば、一実施形態では、新しいパッチは背部の右側に貼られ7日間着用され得る。7日間の終了時に、患者はリモートコントロールを使用してパッチをオフにし指の爪を使って医療用パッチの周端部を剥離し得る。次に、パッチを皮膚から剥がし取り、皮膚に残っている任意の接着剤を落とし得る。医療用パッチが取り除かれると、パッチは元の保管ポーチに好ましくは戻され、その後の取り扱いのために医療従事者に返される。
【0097】
図14A〜14Qは、患者の背部の左側に交換用医療用パッチを留置する方法を示す。図14Aを参照すると、一実施形態では、第2の交換用医療用パッチ300は、医療用パッチに電力を供給する電池302と、リモートコントロールと通信するための光学的な目304ちと、を含む。医療用パッチは、医療用パッチの前端308と後端310との間に延びる外周縁306を有する。医療用パッチ300は、上シール312によって覆われる上面を好ましくは含む。上シールは、医療用パッチ300の上面から上シール312を取り除くために引っ張り得るプルタブ314を好ましくは含む。
【0098】
一実施形態では、交換用パッチ300は、保管ポーチからパッチを取り出すことによって貼る準備が整う。医療用パッチ300は好ましくは曲げられ、プルタブ314はパッチの上に望ましくは折り曲げられる。パッチの底を覆う中央シール320が露出し平坦面から離れた方向に向くように、交換用医療用パッチ300は平坦面上に望ましくは置かれる。医療用パッチ300の底面の接着層(図示せず)は、医療用パッチの前縁308を覆う第1の下シール324によって好ましくは覆われる。第1の下シール324は、第1の下シールを取り除き第1の下シールの下の接着層を露出させるためにプルタブ326を望ましくは含む。医療用パッチ300の底面は、医療用パッチ300の後端310に隣接して位置する第2のプルタブ330を使用して取り除かれ得る第2の下シール328によっても好ましくは覆われる。所望するとき、第2のプルタブ320を引っ張って、第2の下シール328を取り除き第2の下シールの下の接着層を露出し得る。
【0099】
図14Cを参照すると、一実施形態では、留置装置30のハンドル32は平坦面上に置かれ、ゲート40はハンドル32のC字型シャフト38にもたせかけられるように揺動される。ゲート48が患者の左側に医療用パッチを貼るための適切な位置に揺動されるとき、留置装置30は逆向きになった「e」の文字のように見えるのが好ましい。留置装置が図14Cに示す位置で平坦面上に置かれた状態で、可撓性隔壁50がカップの形状をとるように可撓性隔壁を好ましくは押す。言いかえれば、可撓性隔壁50は、留置装置30を支持する平坦面から離れた方向に向く凹形の表面を画定する。
【0100】
図14Dを参照すると、一実施形態では、中央シール320が上に向いた状態で医療用パッチ300が留置装置30の揺動ゲート48内に装填される。一実施形態では、第1の下シールと接続する第1のプルタブ326はゲートの第1の面130の後端で形成されるスロット160A(図8A)に置かれる。第2の下シールと接続する第2のプルタブ330は、第1の面130の上に突出する位置合わせ隆起部138に形成される位置合わせ間隙140と位置合わせされる。
【0101】
図14Eを参照すると、一実施形態では、交換用パッチ300がゲート48内に適切に装填されると、医療用パッチ300の外周縁306はゲートの第1の面から突出する位置合わせ隆起部138内に好ましくは位置する。第1のプルタブ326はゲートのシャフト146に隣接して形成される位置合わせスロットのうちの1つを通って好ましくは延び、後プルタブ330は位置合わせ隆起部138間で延びる間隙140と好ましくは位置合わせされる。
【0102】
一実施形態では、中央の下シール320はパッチの底面から好ましくは引っ張られ、医療用パッチの底面でアクセス可能な1つ以上のゲルパッドを露出させる。上述したように、患者は不潔な手でゲルパッドに触れないようにすべきで、ゲルパッドが繊維クズ又はちり等で汚染されないように注意すべきである。一実施形態では、患者が中央シール320が引っ張って取る際に、ゲート48はハンドル32に好ましくはもたせかけられる。
【0103】
図14Fは、患者の背部の左側に交換用医療用パッチ300を貼るための適切な構成にある留置装置30を示す。交換用医療用パッチ300の底面でアクセス可能なゲルパッド332、334は、患者の1つ以上の神経を刺激するために電気信号を与えるために露出される。
【0104】
図14Gを参照すると、一実施形態では、患者は右の人差し指を仙骨カップ40の下に添えて右手で留置装置30を保持する。図14Hを参照すると、一実施形態では、患者は左の人差し指を好ましくは使用して尾骨の末尾を見つける。図14Iを参照すると、左の人差し指が尾骨に、右手が留置装置30にある状態のままで、患者は左の人差し指の下の位置まで仙骨カップ40を好ましくは進める。次に、患者は、仙骨カップ40の凹部上面が患者の尾骨の下に快適に好ましくは置かれるように、左の人差し指を好ましくは取り除く。
【0105】
図14Jを参照すると、一実施形態では、患者は、留置装置30を右手で適所に保持し続けながら、左手及び左の親指を使用して上端部34が脊椎に触れるまでハンドル32の上端部34を背部に押し付ける。図14Kを参照すると、一実施形態では、患者は位置合わせの確認を好ましくは行い、仙骨カップ40が尾骨の下にしっかりととどまっていること、及びハンドル32の上端部34が下部脊椎の中心を触れていることを確認する。必要に応じて、患者は留置装置30が脊椎と実質的に垂直に位置合わせされるように留置装置30の位置を調節し得る。
【0106】
図14Lを参照すると、一実施形態では、患者は右手で上方の圧力を加えながら、左手を使って医療用パッチの底面が皮膚に接するまでゲート48を背部の方へ揺動する。患者はゲート48を皮膚の方へ揺動する際に、ハンドル32の上端部34が脊椎から離れて移動しないことを好ましくは確認する。一実施形態では、患者は左手を好ましくは使ってゲート48から医療用パッチの外側端部が外れるように可撓性隔壁50をしっかりと押す。次に、患者は左手の指を好ましくは使って小さい方の開口部58を通って医療用パッチの内側端部をゲート48から外す。
【0107】
図14Mを参照すると、一実施形態では、ゲートの大きい方の開口部及び小さい方の開口部を通して押して医療用パッチ300をゲートから外すと、患者は医療用パッチ300のみが背部と接触して残るように留置装置を臀部から離して移動させてもよい。患者は交換用医療用パッチ300の位置を好ましくは調べて、パッチが正しい位置にあることを確認する。一実施形態では、パッチが図14Mに示す位置にない場合、患者は交換用医療用パッチが適切に位置決めされるように図14A〜14Lで上述した手順を繰り返し得る。
【0108】
図14Mで示す段階で、医療用パッチの底面でアクセス可能な1つ以上のゲルパッド(図示せず)はパッチを患者の皮膚に付着させる。交換用医療用パッチが患者の皮膚によりしっかりと確実に付着するために、パッチの底面の少なくとも一部分を覆う接着層が露出するように第1の下シール及び第2の下シールを取り除かれなければならない。
【0109】
図14Nを参照すると、一実施形態では、患者は左手を使って医療用パッチ300の隆起した電池部分をしっかりと押さえる。左手で押さえ続けながら、患者は右手を使って第1のプルタブ326を掴み図14Nに示す方向に引っ張る。患者が第1のプルタブ326を取り除く際に、第1の下シールは医療用パッチの底面を覆う接着層の少なくとも一部分を露出させるために取り除かれる。第1の下シールが取り除かれると、接着層がパッチを患者の皮膚に付着させるように、患者はパッチを背部に好ましくは押さえ付けるべきである。一実施形態では、患者はまた、しわができないように医療用パッチを好ましくはそっと撫で付ける。
【0110】
図14Oを参照すると、一実施形態では、患者は右手を好ましくは利用して医療用パッチ300の右側又は内側をしっかりと押さえる。患者は、右手で押さえながら、左手を好ましくは使って第2の下シールと接続する第2のタブ330を引っ張る。第2の下シールを取り除くことで、医療用パッチの底面の少なくとも一部分を覆う接着層を好ましくは露出させる。第2の下シールが取り除かれると、患者は右手を望ましくは利用してパッチを背部に押さえ付け、しわができないようにパッチをそっと撫で付けてもよい。一実施形態では、患者はおよそ3〜5分好ましくは待って貼付プロセスの次の段階に進むべきである。
【0111】
図14Pを参照すると、一実施形態では、患者は片方の手を使って医療用パッチ300の隆起した電池部分を押さえる。患者はもう片方の手を使ってパッチの上面を覆う上シール312と接続するタブ314を掴んでもよい。患者はタブ314を引っ張ってパッチの上面から上シールを取り除いてもよい。一実施形態では、患者は上シール312を取り除くために円運動を用いてもよい。
【0112】
図14Qを参照すると、一実施形態では、患者はパッチを皮膚に望ましくは押し付けて良好な付着を形成させる。一実施形態では、患者は片方の手を使って円運動を使用してパッチのしわを伸ばしてもよい。
【0113】
図15A及び15Bを参照すると、一実施形態では、患者は医療用パッチを活性化させるためにリモートコントロール250を使用し得る。図15Aに示すように、患者は手でリモートコントロール250を望ましくは取り上げる。一実施形態では、リモートコントロール250からの信号は衣類を通り抜けて貫通しない場合がある。そのため、患者はパッチの活性化を試みるとき、パッチが取り付けられる背部の領域を露出させることが必要となり得る。リモートコントロール250の信号を送る端部252の光学窓254は、パッチ200の方へ望ましくは向けられる。一実施形態では、リモートコントロールは、パッチと同じ側の身体に望ましくは保持されパッチから好ましくは15.2〜30.5cm(6〜12インチ)以内に、及びより好ましくは20.3cm(8インチ)以内に保持される。図15Bに示すように、患者がリモートコントロールに設けられる視覚ディスプレイ262がよく見えるように、患者はリモートコントロール250を好ましくは保持する。患者は図15A及び15Bに示す位置にリモートコントロール250を適所に保持しながら、医療用パッチを望ましくは活性化し制御し得る。
【0114】
図16Aを参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロール250の確認ボタン258を押してそのまま押し続けることによってパッチをオンにし得る。一実施形態では、患者はおよそ2秒間確認ボタン258を押し続ける。一実施形態では、患者は確認ボタン258を押し続けると、リモートコントロール250が医療用パッチと交信していることの合図であるリモートコントロール250の振動を感じる。
【0115】
一実施形態では、リモートコントロール250が振動せず信号ランプ264が点灯しない場合、患者は異なる角度からリモートコントロールの作業端部252を医療用パッチに向けてみてもよい。異なる角度が得られると、患者は確認ボタン258を再度押して押し続けてもよい。信号ランプ264がオフのままである場合、又は状態ランプ266が赤色である場合、発生し得る任意の問題を割り出すために患者は故障診断ガイドを参照することができる。
【0116】
図16Bを参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロールの作業端252を医療用パッチに向けた状態を継続させる。一実施形態では、追加の3秒等の時間内に、患者は医療用パッチがオンであることを示すリモートコントロール250の振動を再度感じる。患者はまた、医療用パッチがオンであることの追加の指標を好ましくは提供する、視覚ディスプレイ262を確かめることができる。
【0117】
図16Cを参照すると、一実施形態では、医療用パッチがオンになっていることを確認するために患者はリモートコントロール250の正面を見ることができる。一実施形態では、リモートコントロールの正面の信号ランプ264は好ましくは黄色に点滅して、状態ランプ266は望ましくは緑色である。更に、視覚ディスプレイ262は好ましくは「オン」を示す。
【0118】
図17A〜17Cを参照すると、一実施形態では、リモートコントロール250はまた、医療用パッチをオフにするために使用され得る。図17Aを参照すると、一実施形態では、患者は視覚ディスプレイ262が「00」を示すまでマイナス(−)のボタン260を押してそのまま押し続けることができる。この段階で、医療用パッチは好ましくはオンであるが、身体の神経に電気信号を送っていない。医療用パッチの働きを停止するこの段階で、状態ランプ266は望ましくは緑色に点滅している。図17Bを参照すると、一実施形態では、患者は少なくとも2秒等の間マイナス(−)のボタン260を押し続けてもよい。この段階で、パッチがオフになるのでリモートコントロール250は望ましくは振動する。一実施形態では、マイナス(−)のボタン260を一定時間押し続けた後、リモートコントロール250が振動しない場合、患者は信号ランプ264を好ましくは見るべきである。信号ランプ264がオフである場合、患者は異なる角度からリモートコントロールの250の作業端部252を医療用パッチに好ましくは向けてみるべきである。この時点で、患者は再度確認ボタン258を好ましくは押してそのまま押し続けるべきである。信号ランプ264がオフのままである場合、又は状態ランプ266が赤色である場合、患者は故障診断ガイドを好ましくは参照すべきである。
【0119】
図17Cを参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロール250の正面を好ましくは見て、医療用パッチがオフであることを確認すべきである。一実施形態では、信号ランプ264は好ましくは停止し、状態ランプ266は例えば緑色が点灯するなど、好ましくは点灯する。視覚ディスプレイ262は望ましくは停止しデータを表示しない。
【0120】
図18A及び18Bを参照して、一実施形態では、リモートコントロール250を使用して医療用パッチによって生成される信号強度を増減し得る。一実施形態では、患者はリモートコントロールを取り上げて、医療用パッチの方へ作業端252を向けてもよい。
【0121】
図18Aを参照すると、一実施形態では、医療用パッチによって生成される信号強度を増加させるために、患者はプラス(+)のボタン256を押してそのまま押し続ける。医療用パッチによって生成される信号強度を減少させるために、患者はマイナス(−)のボタン260を押してそのまま押し続けるべきである。一実施形態では、プラス(+)のボタン256又はマイナス(−)のボタン260のどちらかを短く押すことで、視覚ディスプレイ262上の数値1つだけ信号強度を増加又は減少させる。一実施形態では、患者がどちらかのボタンを更に一秒ごとに押し続けると、信号強度は数値2つだけ好ましくは変化する。
【0122】
図18Cを参照すると、一実施形態では、患者は信号強度を18(図18A)から20(図18B)に増加させるためにプラスのボタン256を2回押した。一実施形態では、視覚ディスプレイ262に示される信号強度は最低の「00」から最高の「44」まで変動し得る。
【0123】
図19を参照すると、一実施形態では、患者はリモートコントロール250を利用して、リモートコントロールが医療用パッチと通信しているかどうか、及び/又は医療用パッチが患者の神経に電気信号を送っているかどうかを判断し得る。一実施形態では、患者は確認ボタン258を押して視覚ディスプレイ262に信号強度が示されることで、医療用パッチの状態を確認し得る。状態ランプ266はリモートコントロール250が医療用パッチと通信しているかどうかの判断を好ましくは提供する。状態ランプ266が緑色に点灯する場合、リモートコントロールと医療用パッチとは通信している。状態ランプ266が赤色に点灯する場合、リモートコントロールと医療用パッチとは通信していないことを示しており、患者は故障診断説明書を参照すべきである。
【0124】
一実施形態では、リモートコントロールを使用して医療用パッチを作動するために故障診断ガイドが患者に提供されてもよい。1つの好ましい故障診断ガイドは以下を提供する。
【表1】
【表2】
【0125】
本明細書にて開示する本発明は、その用途又は使用法において、添付の図面及び説明に示す部品の構造及び構成の細部に限定されるものではない。本発明の例示的な実施形態は、他の実施形態、変形物、及び修正物において実践又は組み込まれてもよく、様々な方法で実行又は実施されることができる。例えば、本発明の一実施形態について、女性の神経刺激に関連して説明するが、この実施形態が男性及び小児への使用に容易に適合され得ることは理解されよう。また、本明細書で説明する本発明の原理、機器、及び方法は、分娩及び出産の間の神経の刺激など、様々な他の神経を独立に若しくは同時に刺激すること、又は、所与の神経束の分岐点を選択的に刺激して種々の患者の状態に選択的に対処することへの応用性を有し得るものである。したがって、本発明は、例えば、腹圧性尿失禁、肛門及び大便失禁、疼痛、性機能不全、間質性膀胱炎、骨盤痛、夜間多尿症が挙げられるがこれらに限定されない慢性的疼痛、及び胃ペーシングが挙げられるがこれに限定されない胃腸障害の状態の1つ以上を同時に選択的に治療する、又は影響を及ぼすために使用できる。最終的に、本明細書で説明する本発明はまた、ホルモンを分泌する腺、物理療法に伴う二頭筋刺激などの大きな筋群など、神経以外の体部位を刺激するためにも使用され得る。
【0126】
本明細書で使用する見出しは、単に編集を目的としたものであり、説明又は特許請求の範囲を限定するために使用することを意図したものではない。本出願全体に使用される用語「〜得る(may)」は、許可の意味(即ち、その可能性を有するという意味)で使用されるものであり、命令の意味(即ち、しなければならないという意味)ではない。同様に、「含む(include、including、及びincludes)」は、それらを含むが限定されないことを意味する。理解を促進するために、可能な場合には、図に共通の同様要素を指定するために、同様の参照番号が使用される。
【0127】
本発明の選択的神経刺激パッチは、使用前に長期間にわたって保管されるように設計されている。したがって、パッチが意図的に作動されるまで、電池と回路とが時期尚早に接触しないように、パッチが構成されていることが重要である。したがって、パッチは望ましくは、1回作動式の密封されたスイッチ機構を有している。そのスイッチ機構は、磁石(パッケージに含まれている)の存在下で常時「オフ」となるリードスイッチ、常時オフから常時オン状態に機械的に切り換えられ得るオーバーセンタースイッチ機構、初期の接触が導電性接着剤によって維持される、上述のスイッチに似たスイッチ、又は、エンドユーザーによって意図的に押されるまで、通常の回路の成立を防止する電池接点の構成を含めて、いくつかの設計を有することができる。
【0128】
本発明の1つ以上の実施形態において、選択的神経刺激パッチは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2005/0277998号(2005年6月7日に出願された米国出願第11/146,522号)及び同第2006/0195153号(2006年1月31日に出願された米国出願第11/343,627号)に記載された装置及び技法を使用して、標的の神経を刺激するための変調波形を発生させるように適合されており、これらの特許出願公開の開示内容は、参照によって本願に組み込まれる。波形は、パルスエンベロープを伴う搬送波形を変調することによって、望ましく生成される。振幅、周波数等の搬送波形の特性は、組織インピーダンスを超え、標的神経の刺激閾値を超えるように選択される。パルスエンベロープは、標的神経を選択的に刺激するよう設計された、特定のパルス幅、振幅及び形状を有する波形である。この波形は、電気信号の強度の損失を最小限に抑えて、組織を効率的に通り抜けて標的神経に達することができるため、これにより、他の方法では低周波数信号で標的神経を刺激するために何回も行われるであろう電池交換の回数が低減する。更に、標的神経だけが刺激され、非標的神経は刺激されない。
【0129】
本発明の一実施形態では、動作の基礎原理は、体内の神経が、隣接する神経に影響を与えることなく選択的に刺激の標的にされ得ることである。当業者には周知のように、生物電気電位は、神経系組織内に見られる興奮性細胞の電気化学的活動の結果として生成される。この興奮性細胞は、静止電位と活動電位の2つの電気的状態で存在する。細胞は、適切な刺激が細胞に提供されて活動電位又は閾電位に達するまでは静止電位にある。活動電位又は閾電位に達したとき、神経は「興奮(fire)」し、活動電位が細胞膜に沿って減衰することなく一定の伝導速度で伝搬される。この活動電位の全か無かの反応により、細胞の膜電位が特徴的な繰り返しサイクルとなり、すなわちこのとき、電位がマイナスの静止電位からプラスの活動電位へ移行し、次に再びマイナスの静止電位に戻るまでのすべてが、約1msの間に起こる。この反応は、刺激が閾電位を上回っている限り、刺激の強さを問わず同じである。
【0130】
ヒトの体内にあるニューロンは、直径、長さ及び髄鞘が非常に異なるため、これらニューロンの電気容量及び伝搬速度(作用周波数)も異なる。近隣のニューロンの物理的特性の違いを利用して、近隣のニューロンに影響を与えることなく、選択した神経を刺激の標的にすることができる。すなわち、選択的ニューロン刺激は、近隣のニューロンの周波数応答(電気容量)を特性付け、重なり合わない領域に刺激周波数を合わせることによって、達成することができる。例えば、2つの隣接するニューロンについて、ニューロンAは作用周波数0〜20Hzを有し、ニューロンBは作用周波数20〜30Hzを有するとき、ニューロンAに影響を与えることなく、ニューロンBを選択的に刺激することができる。更に、ニューロンBの絶対不応期中に刺激を印加すれば、この絶対不応期には、上述のように、どんな程度の刺激でもニューロンBを興奮させることがないため、又は、刺激が、相対不応期中に刺激を起こすのに必要な程度よりも低い刺激である場合は、重なり合った周波数領域であっても、ニューロンAを選択的に刺激することができる。本明細書で更に詳しく説明されるように、これらの原理は、体内の2つ以上の選択的刺激を達成するために適用することができる。
【0131】
上述のシステム及び方法によって、変調信号パッケージの個々の構成要素が、標的の別々の神経、別々の分枝、別々の筋肉、又は選択された他の身体部分に選択的に使用され得る。つまり、疼痛管理、過活動膀胱、大便失禁、間質性膀胱炎、及び他の任意の骨盤底障害に伴う症状など、複数の様々な症状を緩和するように設計された刺激信号を、単一の神経刺激パッチで提供することができる。
【0132】
上記説明は本発明の実施形態を関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態も本発明の基本的な概念から逸脱することなく行われることが可能であり、本発明の範囲は、添付の「特許請求の範囲」によってのみ限定される。例えば、本発明は、本明細書で説明する又は参照により本明細書に組み込まれるいかなる実施形態で示すいかなる特徴も、本明細書で説明する又は参照により本明細書に組み込まれるいかなる別の実施形態で示すいかなる特徴と共に組み込まれることができ、本発明の範囲内にやはり含まれることを意図する。
【0133】
〔実施の態様〕
(1) 医療用パッチを位置決めするための留置装置であって、
第1の解剖学的位置合わせマーカーと第2の解剖学的位置合わせマーカーとを有する位置合わせガイドと、
医療用パッチを保持するように適合されるゲートであって、前記位置合わせガイドの左側と右側との間で揺動するために前記位置合わせガイドと連結される、ゲートと、を含む留置装置。
(2) 前記位置合わせガイドは上端部と下端部とを有するハンドルを含み、前記第1の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記上端部に位置し、前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記下端部に位置する、実施態様1に記載の留置装置。
(3) 前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは、前記ハンドルの前記下端部を尾骨と位置合わせするように前記尾骨に係合するように適合される突起部を含み、前記突起部は前記尾骨の末尾に係合するように適合される凹形の表面を有する、実施態様2に記載の留置装置。
(4) 前記ハンドルはC字型を有し、前記第1の解剖学的位置合わせマーカー及び前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記C字型ハンドルの自由端に位置する、実施態様2に記載の留置装置。
(5) 前記ハンドルの前記上端部と枢動可能に連結される上端部と、前記ハンドルの方へ及び前記ハンドルから離れて旋回するように適合される下端部とを有する旋回するアームを更に含む、実施態様2に記載の留置装置。
(6) 前記旋回するアームは、前記ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内で旋回するように適合される、実施態様5に記載の留置装置。
(7) 前記ゲートが前記ハンドルの両側の間で揺動できるように、前記ゲートは前記旋回するアームの前記下端部と回転可能に連結される、実施態様5に記載の留置装置。
(8) 前記ゲートは、
第1の面及び前記第1の面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、
第2の面及び前記第2の面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、
前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁と、を含む、実施態様1に記載の留置装置。
(9) 前記可撓性隔壁は、前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で選択的に動かされるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、実施態様8に記載の留置装置。
(10) 前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を更に含む、実施態様9に記載の留置装置。
【0134】
(11) 前記第1及び前記第2の隆起部は、医療用パッチが前記ゲートに装填されるとき、前記医療用パッチの外周囲を取り囲むように適合され、前記第1の隆起部及び前記第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、前記医療用パッチの前記外周囲でアクセス可能なタブを受け入れるように適合されるスロットを含む、実施態様8に記載の留置装置。
(12) 患者に医療用パッチを位置決めするための留置装置であって、
上端部と下端部とを有するシャフトを含むハンドルであって、前記シャフトの前記上端部は患者の脊椎と位置合わせするように適合される第1の位置合わせマーカーを含み、前記シャフトの前記下端部は、前記患者の尾骨と位置合わせするように適合される第2の位置合わせマーカーを含む、ハンドルと、
医療用パッチを受け入れるように適合されるゲートであって、前記シャフトの方へ及び前記シャフトから離れて選択的に旋回するように前記シャフトの前記上端部と枢動可能に連結され、かつ前記シャフトの両側の間に延びるアークにわたって前記ゲートを揺動するように前記シャフトの前記上端部と回転可能に連結される、ゲートと、を含む留置装置。
(13) 前記ゲートと前記シャフトの前記上下端部との間の間隔を選択的に調節するための調節可能なスペーサを更に含む、実施態様12に記載の留置装置。
(14) 前記調節可能なスペーサは前記ゲートを前記シャフトの前記上端部と連結する、実施態様13に記載の留置装置。
(15) 前記ゲートは、第1の主な面と、第2の主な面と、前記第1の主な面と前記第2の主な面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁であって、前記ゲートの前記第1の面に面する凹形のカップと前記ゲートの前記第1の面に面する凸形のドームとの間で前記可撓性隔壁の形状を変えるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、可撓性隔壁と、を含む、実施態様12に記載の留置装置。
(16) 前記可撓性ドーム内で医療用パッチを保持するために前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を更に含む、実施態様15に記載の留置装置。
(17) 前記ゲートは、前記ゲートの前記第1の主な面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、前記ゲートの前記第2の主な面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、を更に含み、前記第1の位置合わせ隆起部は医療用パッチが前記ゲートの前記第1の主な面に装填されるとき、前記医療用パッチの外周囲を取り囲むように適合され、前記第2の位置合わせ隆起部は医療用パッチが前記ゲートの前記第2の主な面に装填されるとき、前記医療用パッチの外周囲を取り囲むように適合される、実施態様14に記載の留置装置。
(18) 前記第1の隆起部及び前記第2の隆起部のうちの少なくとも1つは、前記医療用パッチの前記外周囲でアクセス可能なタブを受け入れるように適合されるスロットを含む、実施態様17に記載の留置装置。
(19) 患者が身体に医療用パッチを自分で設置し位置決めすることを可能にする留置装置であって、
第1の解剖学的位置合わせマーカーを備える第1の端部と第2の解剖学的位置合わせマーカーを備える第2の端部とを有するC字型シャフトを含む位置合わせガイドと、
揺動ゲートであって、前記シャフトの方へ及び前記シャフトから離れて平面内で前記揺動ゲートを選択的に旋回させるため、並びに前記シャフトの両側の間で前記揺動ゲートを選択的に回転させるために、前記シャフトの前記第1の端部と枢動可能かつ回転可能に連結され、第1の主な面と、第2の主な面と、前記第1の主な面と前記第2の主な面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、を含む、揺動ゲートと、
前記ゲートと前記シャフトの前記第1の端部との間の間隔を選択的に調節するために前記ゲートを前記シャフトの前記第1の端部と連結させる調節可能なスペーサと、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁であって、前記ゲートの前記第1の面に面する凹形のカップと前記ゲートの前記第1の面に面する凸形のドームとの間で前記可撓性隔壁の形状を変えるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、可撓性隔壁と、
前記可撓性隔壁内で医療用パッチを保持するために前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石と、を含む留置装置。
(20) 前記揺動ゲートは、患者の左側に医療用パッチを留置するために前記シャフトの左側に回転可能で、患者の右側に医療用パッチを留置するために前記シャフトの右側に回転可能である、実施態様19に記載の留置装置。
【0135】
(21) 神経刺激、疼痛管理薬、ホルモン、又は薬物を患者の標的位置に送達するように適合される活性領域を有する医療用パッチを更に含む、実施態様19に記載の留置装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用パッチを位置決めするための留置装置であって、
第1の解剖学的位置合わせマーカーと第2の解剖学的位置合わせマーカーとを有する位置合わせガイドと、
医療用パッチを保持するように適合されるゲートであって、前記位置合わせガイドの左側と右側との間で揺動するために前記位置合わせガイドと連結される、ゲートと、を含む留置装置。
【請求項2】
前記位置合わせガイドは上端部と下端部とを有するハンドルを含み、前記第1の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記上端部に位置し、前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記下端部に位置する、請求項1に記載の留置装置。
【請求項3】
前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは、前記ハンドルの前記下端部を尾骨と位置合わせするように前記尾骨に係合するように適合される突起部を含み、前記突起部は前記尾骨の末尾に係合するように適合される凹形の表面を有する、請求項2に記載の留置装置。
【請求項4】
前記ハンドルはC字型を有し、前記第1の解剖学的位置合わせマーカー及び前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記C字型ハンドルの自由端に位置する、請求項2に記載の留置装置。
【請求項5】
前記ハンドルの前記上端部と枢動可能に連結される上端部と、前記ハンドルの方へ及び前記ハンドルから離れて旋回するように適合される下端部とを有する旋回するアームを更に含む、請求項2に記載の留置装置。
【請求項6】
前記旋回するアームは、前記ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内で旋回するように適合される、請求項5に記載の留置装置。
【請求項7】
前記ゲートが前記ハンドルの両側の間で揺動できるように、前記ゲートは前記旋回するアームの前記下端部と回転可能に連結される、請求項5に記載の留置装置。
【請求項8】
前記ゲートは、
第1の面及び前記第1の面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、
第2の面及び前記第2の面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、
前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁と、を含む、請求項1に記載の留置装置。
【請求項9】
前記可撓性隔壁は、前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で選択的に動かされるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、請求項8に記載の留置装置。
【請求項10】
前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を更に含む、請求項9に記載の留置装置。
【請求項1】
医療用パッチを位置決めするための留置装置であって、
第1の解剖学的位置合わせマーカーと第2の解剖学的位置合わせマーカーとを有する位置合わせガイドと、
医療用パッチを保持するように適合されるゲートであって、前記位置合わせガイドの左側と右側との間で揺動するために前記位置合わせガイドと連結される、ゲートと、を含む留置装置。
【請求項2】
前記位置合わせガイドは上端部と下端部とを有するハンドルを含み、前記第1の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記上端部に位置し、前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記ハンドルの前記下端部に位置する、請求項1に記載の留置装置。
【請求項3】
前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは、前記ハンドルの前記下端部を尾骨と位置合わせするように前記尾骨に係合するように適合される突起部を含み、前記突起部は前記尾骨の末尾に係合するように適合される凹形の表面を有する、請求項2に記載の留置装置。
【請求項4】
前記ハンドルはC字型を有し、前記第1の解剖学的位置合わせマーカー及び前記第2の解剖学的位置合わせマーカーは前記C字型ハンドルの自由端に位置する、請求項2に記載の留置装置。
【請求項5】
前記ハンドルの前記上端部と枢動可能に連結される上端部と、前記ハンドルの方へ及び前記ハンドルから離れて旋回するように適合される下端部とを有する旋回するアームを更に含む、請求項2に記載の留置装置。
【請求項6】
前記旋回するアームは、前記ハンドルの長手方向軸線によって画定される平面内で旋回するように適合される、請求項5に記載の留置装置。
【請求項7】
前記ゲートが前記ハンドルの両側の間で揺動できるように、前記ゲートは前記旋回するアームの前記下端部と回転可能に連結される、請求項5に記載の留置装置。
【請求項8】
前記ゲートは、
第1の面及び前記第1の面から突出する第1の位置合わせ隆起部と、
第2の面及び前記第2の面から突出する第2の位置合わせ隆起部と、
前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で前記ゲートを通って延びる第1の開口部と、
前記ゲートの第1の開口部内に配置される可撓性隔壁と、を含む、請求項1に記載の留置装置。
【請求項9】
前記可撓性隔壁は、前記ゲートの前記第1の面と前記第2の面との間で選択的に動かされるために前記ゲートの第1の開口部を通して選択的に押されるように適合される可撓性ドームを含む、請求項8に記載の留置装置。
【請求項10】
前記可撓性ドームの中心に位置する少なくとも1つの磁石を更に含む、請求項9に記載の留置装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図13G】
【図13H】
【図13I】
【図13J】
【図13K】
【図13L】
【図13M】
【図13N】
【図13O】
【図13P】
【図13Q】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図14G】
【図14H】
【図14I】
【図14J】
【図14K】
【図14L】
【図14M】
【図14N】
【図14O】
【図14P】
【図14Q】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図13G】
【図13H】
【図13I】
【図13J】
【図13K】
【図13L】
【図13M】
【図13N】
【図13O】
【図13P】
【図13Q】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図14G】
【図14H】
【図14I】
【図14J】
【図14K】
【図14L】
【図14M】
【図14N】
【図14O】
【図14P】
【図14Q】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【公表番号】特表2013−514143(P2013−514143A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544644(P2012−544644)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059687
【国際公開番号】WO2011/075389
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512080321)エシコン・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
【住所又は居所原語表記】P.O. Box 151, U.S. Route 22, Somerville, NJ 08876, United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059687
【国際公開番号】WO2011/075389
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512080321)エシコン・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
【住所又は居所原語表記】P.O. Box 151, U.S. Route 22, Somerville, NJ 08876, United States of America
【Fターム(参考)】
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