説明

患者の冷却用封入体

【課題】患者に熱を制御する装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1の開口部2510−4〜2506−6を規定する面を有する頸部部材2503を具えており、この開口部が、患者の頸部から間隔を空けて配置されている。頸部部材は、空気供給源から冷気を受け入れる吸気口2512を有している。少なくとも1の開口部が、吸気口と流体連通しており、空気供給源から患者の頸部に向けて冷気を向けて患者に熱制御を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年11月8日に出願され「Patient Coooling System」と題される係属中の米国特許出願番号第10/290,938号の一部継続出願である、2004年2月24日に出願され「Patient Coooling System」と題される係属中の米国特許出願番号第10/785,547号の一部継続出願である、2005年6月16日に出願され「Patient Coooling System」と題される係属中の米国特許出願番号第11/154,321号の一部継続出願である。また、本出願は、2003年3月25日に出願され「Patient Cooling Enclosure」と題される係属中の米国特許出願番号第10/398,338号の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号第10/398,338号は、1999年11月5日に出願された国際出願番号PCT/GB/99/03688の優先権を主張し、1998年11月6日に出願された英国特許出願GB9824431の優先権を主張するものである。上記の出願は、参照することにより本書に盛り込まれており、本出願が優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に、治療目的で人間を冷やすためのシステムに関する。特に、本発明は、平熱を下回る体温に冷やすべき又は平熱を超える体温に暖めるべき患者のための封入体又はテント及び支持システムに関する。
【背景技術】
【0003】
WO97/42919及びWO00/27323に基づいて公開され、参照することにより大筋で本書に盛り込まれている国際特許出願が、通常の血液温度よりも数度程度下回る温度、例えば、摂氏約32度乃至34度に患者を迅速に冷やすためのシステムを説明している。このような臨床診断法を使って心疾患又は脳梗塞の患者の脳の損傷を減らすことに成功した例がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、改良した患者冷却システムを提供し、本発明の第1の形態によれば、本システムは、空気冷却システムに結合した入口、及び排気を冷却システムの入口に戻して再循環させるために結合した出口を有する封入体又はテントを具えており、エネルギ損失を最小限にする。好適には、本封入体は、冷気の適切な供給源を具えた救急車に取り付けられている支持具を含むマットレスといった様々な患者支持具に使用し得るよう構成されている。
【0005】
好適には、本封入体は、周囲空気の入口と、冷却装置の冷却部を介して封入体に空気を供給するメインブロワと、及びエアテントからメインブロワの吸気側に出口を結合する再循環ダクトとを有する冷却システムに結合されている。
【0006】
好適には、患者は、複数の膨張可能な区画を具えるマットレスシステムに支持されており、このマットレスシステムに冷気を供給することもできる。好適には、この区画は、マットレスの幅方向に横切って延びる細長部材を具えており、交互に膨張させることで患者の体の特定の部分に連続的に高圧がかかるのを防止し得る。
【0007】
本発明のさらなる形態によれば、横方向に延びた複数の膨張可能な区画を具えた患者支持マットレスが設けられており、患者を冷やすのを補助しつつ比較的緩やかな支持を与える比較的低圧な冷気又は患者を支持するよう機能しつつ比較的小さい冷却効果を与える高圧の空気で各区画が交互に与圧され得るよう配置されている。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、制御された環境で患者を包むためのエアテント又は封入体が設けられており、エアテント又は封入体が、柔軟性を有する材料でできた複数のパネルを具えており、患者を包み得る解除可能な留め手段を具えた開口部を有し、少なくとも1のパネルが開口部又は複数の開口部を有しており、封入体の内部に連通するようダクト又はパイプを通すことができ、この開口部が、管路を導入するためのパネルの別の割れ部と連通する半径方向に潰すことのできるスリーブの側面に沿った割れ部を有するスリーブ状の開口部を具えており、スリーブが柔軟性を有して管路の周りを締め付けるよう構成されている。
【0009】
好適には、スリーブの外縁に、フック又はループで覆った取付材のリングが設けられており、このリングが相互に係合可能なスリーブの基部の周りのパネル上のループ又はフック材と協働するよう構成されており、これにより、管路の周りでスリーブを捻ってリング材をパネル上の協働する材料に押し付けることによって、所定の位置に管路を配置した後に管路の周りにスリーブをきつく固定し得る。
【0010】
本開示は、エアテントのいくつかの異なる実施例を含んでいる。いくつかの実施例は、患者を完全に包むテントを有している。他の実施例は、患者の頭部が封入体から突き出ることができるテントを有している。一実施例では、エアテントがテント内部の空気圧によって支持されている。別の実施例では、テントが、テントの棒状のフレーム構造又はこれに相当する構造的支持部材によって支持されている。さらに別の現状で好適な実施例では、テントが膨張可能な潰すことのできるフレーム構造によって支持されている。棒状のフレーム構造及び膨張可能なチューブのいずれにおいても、フレーム構造は、好適には、エアテントの長手軸に平行なラインに沿って分岐しており、分岐ラインに沿ってテントを裂くことができる。また、フレーム構造は、好適には、横方向に2又はそれ以上の部分に分かれており、病院のベッドフレームの関節に合わせてテントを曲げることができる。
【0011】
本開示の別の形態によれば、中央の空気流システムが、マットレスと一体形成されており、熱制御ユニット(「TCU」)に結合されている。このような方法では、空気がTCUで冷却され除湿される。その後で、空気が、多方向に構成され必要に応じて180度の方向に空気流システムをユニバーサルに結合するよう構成された1又はそれ以上のインタフェースユニットを介して、TCUと中央マニホールドシステムとの間を移動する。
【0012】
そして、治療サイクルに応じて、フローバルブによって2つの回路にうちの一方に中央マニホールドシステムを介して空気流を分ける。第1の回路により、空気が中央マニホールドを通過して2つの外側流路のうちの一方に流れてマットレスのエアセルに流れ、その後、対向する中央マニホールドを通って戻ることが可能である。第1の回路から戻ってきた流れは、出口ダクトの第2の回路の空気流と合流し、空気が、冷却/加熱及び除湿のためのインタフェースユニットを介してTCUに戻るよう移動し得る。
【0013】
第2の回路により、空気を中央流路を介して排出ホース又は排気管に導くことができ、これにより、空気が排出ホースを通って患者の頸部に向けて流れ、患者を熱的に冷却又は加熱することが可能となる。そして、空気がテント封入体を通ってマットレスの足側端部に流れ、空気が再循環ダクトの中に引き込まれる。還流が、上記と同じ方法で出口ダクトの第1の回路の空気流と合流する。
【0014】
本開示の別の態様によれば、頸部部材が、中央空気流システム及びTCUの中に盛り込まれている。頸部部材が、暖気又は冷気を流すことができる開口部を規定する面を有している。この開口部は、暖気又は冷気を患者の頸部に向けて患者に熱制御を与えるように設けられている。
【0015】
本開示のこれら及び他の態様は、本発明を示す付属の図面とともに以下の詳細な説明から当業者にとって容易に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】図1Aは、本発明に係る患者の冷却システムの概略図である。
【図1B】図1Bは、本発明に係る同軸のホースセットの部分断面図である。
【図2】図2は、空気流制御システムを有する患者支持マットレスの概略図である。
【図3A】図3Aは、患者の封入体の一実施例の側面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの患者の封入体の平面図である。
【図3C】図3Cは、図3Aの封入体の端面図である。
【図3D】図3Dは、図3Aの封入体の端面図である。
【図4A】図4Aは、患者の封入体の別の実施例の側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの封入体の平面図である。
【図4C】図4Cは、図4Aの封入体の端面図である。
【図5A】図5Aは、図4Cの端面パネルの拡大図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの端面パネルの平面図である。
【図5C】図5Cは、図5Aの構造の部分を通る断面の詳細図である。
【図6】図6は、トラス又は棒状の患者の封入体の支持フレーム構造の一実施例の斜視図である。
【図7】図7は、膨張可能なチューブから成る患者の封入体の支持フレーム構造の一実施例の斜視図である。
【図8】図8は、フレーム構造のパーツを取り外し可能に結合するための膨張可能な結合手段の3次元図である。
【図9】図9は、図7の患者の封入体のフレーム構造を覆うよう構成されたテントの一実施例のレイアウトを示す。
【図10】図10は、病院の連結式ベッドフレームに取り付けられた患者を支持する封入体の一実施例の斜視図である。
【図11】図11は、一方の側を折って展開した図10の患者を支持する封入体の側面図である。
【図12】図12は、一方の側を折って展開した図10の患者を支持する封入体の頭部側の図である。
【図13A】図13Aは、本開示の一実施例に係るマットレスの平面図である。
【図13B】図13Bは、図13Aのマットレスの側面図である。
【図13C】図13Cは、本開示の一実施例に係るテントに結合した図13Aのマットレスの分解図である。
【図14A】図14Aは、本開示の一実施例に係る空気流システムの斜視図である。
【図14B】図14Bは、本開示の一実施例に係る空気流システムの斜視図である。
【図15】図15は、本開示の一実施例に係る再循環ダクトの分解図である。
【図16A】図16Aは、図13Aのマットレスの中に組み込まれたL字形アッセンブリの斜視図である。
【図16B】図16Bは、本開示の一実施例に係る排出ホースアッセンブリの斜視図である。
【図17A】図17Aは、様々な結合段階における図16A−Bの排出ホース及びL字形アッセンブリの側面図である。
【図17B】図17Bは、様々な結合段階における図16A−Bの排出ホース及びL字形アッセンブリの側面図である。
【図17C】図17Cは、様々な結合段階における図16A−Bの排出ホース及びL字形アッセンブリの側面図である。
【図17D】図17Dは、様々な結合段階における図16A−Bの排出ホース及びL字形アッセンブリの側面図である。
【図18】図18は、熱制御ユニットに結合された図13Aのマットレスを部分的に組み立てた斜視図である。
【図19】図19は、エアシステムを覆うカバーを有する図13Aのマットレスを部分的に組み立てた別の斜視図である。
【図20】図20は、図19の熱制御ユニットに結合された図13Aのマットレスを組み立てた斜視図である。
【図21A】図21Aは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21B】図21Bは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21C】図21Cは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21D】図21Dは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21E】図21Eは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21F】図21Fは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21G】図21Gは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21H】図21Hは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図21I】図21Iは、様々な方向におけるマットレス/熱制御ユニットの平面図である。
【図22】図22は、本開示の一実施例に係る高圧の空気流の概略図である。
【図23】図23は、本開示の一実施例に係る低圧の空気流の概略図である。
【図24】図24は、本発明の一実施例に係る患者の冷却システムの概略図である。
【図25A】図25Aは、本開示の一実施例に係る頸部部材の正面図を与えている。
【図25B】図25Bは、本開示の頸部部材の別の実施例を示す。
【図25C】図25Cは、本開示の頸部部材の別の実施例を示す。
【図25D】図25Dは、本開示の頸部部材の別の実施例を示す。
【図25E】図25Eは、患者に実施している状態の頸部部材の一実施例を示す。
【図26A】図26Aは、本開示のシステムの一実施例を示す。
【図26B】図26Bは、本開示のシステムの一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本書に与えられた説明及び図示に基づいて、発明された構成及び使用方法によって提供される多くの利点が明らかとなる。記載されたこれらの利点は、当業者にとって当然であることとともに、本書に添付した特許請求の範囲のみによって限定される本願発明の範囲内に含まれる。
【0018】
図面を参照すると、図1Aは、本発明に係る患者の冷却システムの概略的な配置図をしており、本発明は、吸気ダクト4及び排気ダクト6を具えた封入体を形成するエアテント2を具えている。エアテント2は、以下に詳細に説明するように、好適にはパネル状の繊維質材料で構成されている。
【0019】
エアテント2には、システム吸気フィルタ10と、吸気流量センサ9と、可動ベーンを具えてメインブロワ14に連通する吸気バルブ12とを有する吸気ダクト4を通して冷気が供給される。これにより空気を与圧し、その後で空気が冷却回路の蒸発機を具えた熱交換器16を通過する。冷却回路は、さらに、圧縮機18及び凝縮機24を具えており、凝縮吸気フィルタ20を有する凝縮ファン22、蒸発機から排出される復水を吸収するための芯部26、及び空気排出口28とともに従来の方法で設けられている。
【0020】
熱交換器16を通過することで冷却されると、空気は吸気ダクト4を介してエアテント2の封入体の中に入り、患者のそばを循環し、排気ダクト6を介して封入体から出る。排気ダクト6は、再循環フィルタ30によって、再循環流量センサ32及び再循環する空気の割合を制御するよう可動なベーンを具えた再循環バルブ34に結合されている。
【0021】
また、エアテント2には、エアテント2の中の圧力を独立して制御し得るベーン型の排気バルブ36が設けられている。このような方法により、再循環する空気の割合及びエアテント2の内部温度を、封入体内部の全圧を極度に増加又は減少させないように制御し得る。
【0022】
また、本装置は、図1Aの符号42で概略示される患者支持マットレスを有しており、このマットレスは、別のブロワ48を具えた管路46によって冷却回路に接続されたサーボバルブ44の配列を介して空気が供給される複数の膨張可能な区画又はセルを具えている。図1A及び図1Bに示すように、管路46を通過する空気が吸気ダクト4及び排気ダクト6を具える外側の同軸のホースセットの通路によって周囲温度から断熱されるように、管路46が同軸のホースセットに組み込まれておりホースセットの中央のコアを形成する。
【0023】
図2は、交互に並んだセルを連続サイクルで高圧及び低圧の空気によって与圧するように、どのように空気がマットレス42に供給されるかについて、詳細を示している。図示するように、セル又は区画の2つの交互配置されたセットA及びBがあり、それらはいずれも、それぞれバルブ54及び56によって低圧の冷気供給源に連続的に結合されている。図1Aの概略的な構成では、これらは、通常、ライン52を介してエアテント2に供給する吸気ダクト4に結合されているため、(低圧では)患者に対してあまり支持効果を与えないが、十分に大きな冷却能力を有している。
【0024】
ブロワ48によって作動される管路46を介した高圧空気の供給が、各サーボバルブ44によって(図1Aを参照して上述したように)セルA又はBの各セットに与えられ、これらのサーボバルブ44は、1サイクルの間に、セルBが再循環のために排出ダクト6に接続される一方で全てのセルAが高圧状態に膨張して患者を支持するように、交互に作動する。(図1A及び図2に示すように)高圧空気が逆止弁54,56を介して逃げることができないため、当然ながら、矢印Cで示すように、各セルの繊維を通した制御された量の漏れが許容される。管路46を介した高圧空気の供給が大きな与圧を受けているため、当然ながら、高圧空気の供給は、低圧空気の供給よりもやや高い温度で行われ、これにより患者の体に対する冷却機能ではなく支持機能を主に行う。
【0025】
しかしながら、同時に、セルBはライン52を介して比較的低圧の冷気の供給を受けるため、これらのセルは、主に支持機能よりも冷却機能を与える。
【0026】
次のサイクルで、各サーボバルブ44を作動させることによって、セルAへの高圧空気の供給が遮断され、その代わりに、今度はセルAが主に冷却を与えるようにセルAが再循環のために排気ダクト6に接続される。同時に、患者支持機能を引き継ぐために、前のサイクルでセルAについて上述したのと同じような方法で、セルBが高圧供給に接続される。
【0027】
このような方式では、患者の体の各部分は、連続的に高圧を受けるのではなく、高圧による支持又は冷却が交互に行われる。
【0028】
図3Aから図3Dは、エアテント2の一実施例を示している。図示するように、エアテントは、図2を参照して上述したような種類のマットレス構造を囲むマットレスカバー62に支持された基部(図面上に見えない)を有する略半円筒形のフレーム構造を具えている。半円筒形が都合良く且つ有益であるが、他のテント形状もまた適しており、範囲外であると特定されなければ特許請求の範囲の範囲内であることに留意されたい。
【0029】
図3Bの平面図に示すように、封入体の上部又はカバー部が、Velcro.RTM.型のシール(すなわち、剥がすことのできる相補的なマジックテープ(登録商標))又はこれと同じようなシール66で隣接端部を結合し得る1対の細長いフラップ64を具えており、各フラップが柔軟性のある透明な点検パネル68を具えて形成されている。前端パネル70(図3C)は、患者の頸部用の開口部72を具えて形成されており、患者の頭部が封入体から突き出ることができ、この開口部72は、患者の頸部の位置決め行為をし易くするためのスリット74によって、前端パネル70の丸い縁部に繋がっている。また、このスリットには、後で閉じるためにその隣接端部に沿ってVelcro型又は同じような型のシール66が設けられている。
【0030】
また、エアテント2には、以下に詳細に説明するように、様々な管路及びコネクタを入れるために特別に適応する一連の開口部76が設けられている一方、後端部60(図3D)には、再循環及び圧力リリーフ弁のための再循環開口部80とともに、吸気ダクト用の一対の吸気ポート61が設けられている。
【0031】
図4A,4B及び4Cは、図3A,3B,3C及び3Dのエアテント2の「完全に封入する」バージョンを示しており、図4A及び図4Bに示すように、封入体は患者の頭部を囲むように長くなっている。このバージョンは、前部に別の透明な点検パネル68を有しており、外から患者を見ることができる。このようなケースでは、当然ながら、前端パネル70は、頸部開口部を含んでいない。
【0032】
図3Aから図3D及び図4Aから図4Cに示す実施例では、内部の空気圧によってエアテント2が支持されており、吸気ダクト4を通って供給される空気によって空気圧が維持される。以下にさらに示す代替的な実施例では、ポール、棒、梁、膨張可能な空気チューブ、又は相当する支持構造を使用してエアテント2を支持してもよい。
【0033】
図5A及び5Bは、空気漏れが最小限になるようパイプ及び管路がエアテント2の壁部を貫通する形態を示している。各管路の開口部76には、繊維といった柔軟性のある材料で作製された半径方向に潰すことのできる管状のスリーブ78が設けられている。管状のスリーブ78は、図5Aに示すような形態で前端パネル70に縫い込まれ、図5Bに示すように壁部から突出している。管状スリーブ78の外縁は、管状スリーブ78の周りに縫い合わされたVelcro型の材料94のカバーを有する割れているアルミ製のアンカーリング92(図5C)で拘束されている。図5Bに示すようなこのようなVelcro型のカバーリングは、拘束されたスリーブの縁部82をチューブの外端に形成し、カバーリングが管路の周りを覆うと略円形に管状スリーブ78を保持する。管状のスリーブ78そのものとともに、このような拘束されたスリーブの縁部82は、以下に詳細に説明するように、管状スリーブが管路の周りを閉じることができる対応する割れ部84を具えて形成されている。
【0034】
図5Aを続けて説明すると、エアテント2の前端パネル70に縫い込まれた4つのVelcro型の「ループ」パッド86が、管状スリーブ78を囲んでいる。パネルそのものは、管状スリーブ78の割れ部84からパネルの外縁部90に延びるスリット88を有している。このような形式では、パイプ又は管路(例えば既に患者に結合していてもよい)が、それぞれの端部を外すことなしに、スリーブ78を通ってその外に出るように、封入体の中に貫通し得る。
【0035】
管路を適切に配置した後に、拘束されたスリーブの縁部82を捻って管路(図示せず)にネジ込まれるよう係合させ、Velcro型のパッド86に押し付ける。そして、縁部82をパッドに取り付けて、所定の位置に管路をきつく設置する。このような閉止システムが、広範囲にわたる管路の大きさに同じように良好に使えることに留意されたい。さらに、特定の開口部76を必要としない場合、スリーブ78をよりきつく捻って(図3A,3B,3C,3D及び図4A,4B,及び4Cに概略的に示すように)開口部を完全に閉じることができる。
【0036】
また、(図5Aに示す)スリット88には、完全に閉鎖することで実質的に漏れに耐え得るような、Velcro型又は同じような型の適切な閉鎖手段がその隣接端部に沿って設けられており、これにより、再循環によるシステム全体の損失を顕著に減らす。
【0037】
上述のように、ある実施例では、エアテント2がその内部の空気の圧力によって支持される。しかしながら、代替的な実施例では、エアテント2がフレーム構造によって支持される。図6は、エアテント2用の三角形状の支持フレーム構造100の実施例を示すが、より大きな寸法を具えたフレーム構造が好適であることに留意されたい。支持フレーム構造100は、複数のポール、棒、支柱、又はこれらに相当する構造の支持部材を具えており、テント2のカバー部である患者の上方の細長いフラップ64(図4B)を持ち上げて保持する。特に、フレーム構造100は、いくつかのベース部材106、結合部材132、垂木部材116、棟部材118、母屋部材128、及び斜め部材102を具えている。
【0038】
好適には、フレーム構造100は、全体的ではないにせよ少なくとも部分的に、その長手方向A−Aに沿って分かれており、垂木部材116が回動ジョイント124を介して(又は代替的に分離可能なジョイントを介して)ベース部材106に結合している。このような方法では、フレーム構造100の1又はそれ以上の分かれた部分が離れるよう回動することで(又は分離可能なジョイントを使用する場合、完全に取り外すことで)、患者に近付けるようになる。さらなる実施例では、フレーム構造100がその横断方向に沿って2又はそれ以上の部分にさらに分かれて、連結式ベッドフレームにエアテント100を連結し易くなっている。図6は、上半身部110、下半身部120、及び頭部開口フレーム部120にフレーム構造100が分かれている様子を示す。このような方法では、上半身部110及び下半身部120を、連結するベッドフレームの連結部と互いに一致する角度で配置し得る。
【0039】
図7は、エアテント2用の管状の支持フレーム構造200の別の実施例を示す。この管状の支持フレーム構造200は、患者の上方にあるテント2のカバー部の細長いフラップ64(図4B)を支持するための複数の膨張可能なチューブを具えている。特に、フレーム構造200は、支線チューブ206、結合チューブ232、鉛直支持チューブ214,垂木チューブ216、棟木チューブ218、棟木チューブ228、及びクロスチューブ202を具えている。好適には、管状の支持フレーム構造200に、高圧の膨張源が設けられている。吸気ポート204を吸気供給管路46(図2)と結合することにより、患者支持マットレス42(図2)の個別のセルに空気を供給する独立したサーブバルブを介して又はサーボバルブ44列(図2)を介して、管状支持フレーム構造200に空気を供給してもよい。
【0040】
好適には、フレーム構造200は、全体的ではないにせよ少なくとも部分的にその長手方向に沿って、フレーム構造200の1又はそれ以上の割れた部分が離れるよう回動して患者に近付けるように、左半分250及び右半分252に分かれている。さらに別の実施例では、フレーム構造200がその横断方向に沿って2又はそれ以上の部分にさらに分かれて、患者への選択的アクセス及び連結式ベッドフレームへのエアテント100の連結がし易くなっている。図7では、フレーム構造200が上半身部210、下半身部220、及び頭部開口フレーム部230に分かれている。上半身部210のいずれかの半体を、患者から離すよう回動させて患者の上半身に近付けることができる。同様に、下半身部220のいずれかの半体を、患者から離すよう回動させて患者の下半身に近付けることができる。
【0041】
図8は、フレーム構造200の左半分及び右半分の棟木チューブ218といったフレーム構造200のパーツを取り外し可能に結合するための、膨張可能である着脱容易な継ぎ手による閉止手段の3次元図面である。膨張可能なチューブコネクタ240は、フレーム構造200の左側250又は右側252の棟木チューブ218の外に突出する。棟木チューブ218のフレーム構造200に対して反対側は、膨張可能なチューブコネクタ240を受容するための孔248を有している。チューブコネクタ240は、ステム(stem)244と、突起部242と、孔248を通してコネクタ240を引くための引き手246とを具えている。膨張すると、突起部の外径が孔248の直径を超えるように突起部が拡張することで、外れないようになる。図7に示すように、いくつかのコネクタ240が、フレーム構造200の左側250又は右側252を閉塞するようになっている。
【0042】
コネクタ240は、コネクタ240を引き出すことによって、対応する孔248から容易に取り外し可能である。まず(コネクタ自身を有する)フレーム構造を収縮させる場合、取り外しはさらに容易となる。コネクタ240のステム244及び突起部242は、好適には、膨張可能であるが、代替的な実施例では、発泡体、緩衝材、又は他の圧縮可能な物体を充填してもよい。
【0043】
動作時に、管状の支持フレーム構造200に高圧空気を供給することによって、エアテント2が膨張する。患者に近づくために、医療提供者が(スイッチ又はコンピュータに入力する命令といった)ユーザインタフェースを動かして空気の供給を止めるか又はバルブを動かしてフレーム構造200を収縮させると考えられる。収縮すると、フレーム構造200は軟らかくなり、姿勢に容易に折り畳むことができる。代替的に、医療提供者が管状の支持フレーム構造を膨張させたままにしてもよい。チューブは、好適には、柔軟性のある繊維材料又はプラスチック材料で構成されているため、膨張する際にそれらを容易に折り畳める。
【0044】
図9は、患者の封入体のフレーム構造を覆うよう構成されたテント300の一実施例のレイアウトを示す。テント300は、下部シート310と、左側部分320と、右側部分322と、頭部布325と、足布326とを具えている。頭部布325は、患者の頭を通すための開口部328を与える。また、頭部布325は、頭部開口部328の大きさを調整し易くし、患者の配置及び移動をし易くするスリット330を与え、患者にケアラインを提供する。また、他のスリット及びフラップ(図示せず)を、左側部分320、右側部分322、及び足布324に設けて、患者のケアライン、空気供給ホース等の挿入及び取り出しがし易くなる。
【0045】
プラスチックの半透明の窓334,336,338,340,342,346,348,及び350により、医療提供者が患者を見ることができ、患者が医療提供者を見ることができる。複数のチューブ取り付けコネクタ352が、管状の支持フレーム構造200にテント300を取り付けるよう与えられている。図9に示していないが、テント300に、吸気ポート61、管路開口部76、及び循環開口部80を含むこれらに限定されない図3A−図5Cに関連して示す多くの同じような態様を設けてもよい。
【0046】
また、一実施例では、テントに複数のVelcro型のマジックテープ(登録商標)354,356を設けており、より良好に気密し易くなっている。代替的な実施例では、十分な数の着脱容易なコネクタ240(図7)を使用し、十分な量の冷気をテントの中に引き込んでVelcro型のファスナーを使用する必要性を無くす。
【0047】
図10から図12は、管状の支持フレーム構造200(図7)が連結式ベッドフレーム400に取り付けられ、図9のエアテント300を具えた患者冷却用封入体の実施例を示す。図10は、連結位置にあるフレームに取り付けられた閉止位置にあるエアテント300を示す。図11及び図12は、開放位置にあるエアテント300を示しており、患者から膨張したままのフレーム構造200の長手方向左側の半体250を折り畳んで患者に近付き易くなっている。
【0048】
ここで、図13A及び13Bを参照すると、本開示の一実施例に係るマットレス1300の平面図及び側面図をそれぞれ示す。マットレス1300は、頭側端部1302と足側端部1304とを有している。熱制御された空気を患者に向けるよう構成された複数の柔軟性のある排出ホース1306が、頭側端部1302の近位に対向するよう取り付けられている。好適には、ホース1306が患者の頸部に向けられているが、患者の胴部、体肢、又は頭部といった他の方向が本発明の範囲内であると考えられる。上記のように、マットレスは、空気が供給される複数の膨張可能な区画又はセル1307を有している。
【0049】
2つの循環ポート1308が、マットレス1300の足側端部1304の隅部に設けられている。この循環ポート1308は、熱制御ユニット(図示せず)及び再循環ダクト1310の双方にユニバーサルに結合するよう構成されている。熱制御ユニット及び再循環ダクト1310の向きは、以下に十分に説明するように使用者の裁量に任されている。循環ポート1308は、空気がマットレスを膨張させて患者を冷やせるよう機能し、上述したようにテントの外に空気を引き出す。
【0050】
図13Cを参照すると、典型的なテント1312に結合されたマットレス1300の分解図を示す。マットレス1300は、エアシステムカバー1318の上方に配置された発泡体体ベース1316の上に配置された別体の膨張可能な下部1314を有している。エアシステムカバー1318は、マットレス1300及びテント1312を併せた空気流がマットレス1300の中でマニホールドによって集配されるよう、以下に説明するようにエアシステムを収容する。
【0051】
図14A及び図14Bを組み合わせて参照すると、マットレス1300(図13)の中に組み込まれるよう構成されたエアシステム1400の斜視図を示す。図14A及び図14Bとともに図13A乃至図13Cを参照すると、循環ポート1308が、それぞれ2つの排気ダクト1402、中央ダクト1404、及び複数の高圧ダクト1406を有している。さらに、エアシステム1400は、マニホールドコネクタ1408を有しており、このマニホールドコネクタ1408が、上述したように中央マニホールド(図示せず)を介して、マットレス1300のセル1307(図13)、排出ホース1306又はテント1312自身の膨張可能な支持部材に流れを導く。循環ポート1308は、熱制御ユニット(図示せず)から空気を取り入れ、中央ダクト1404及び高圧ダクト1406を介してマットレス又はテントの所望の部分に分流する。これは、中央ダクト1404に結合されるエアシステムの吸気ダクト1410を介して、又はバルブ1412a,1412bを介して生じる。
【0052】
バルブ1412aは、2つの位置の間、すなわち、低圧開放及び高圧開放の間で作動する。バルブ1412aが低圧開放に設定されると、バルブ1412aは中央マニホールド(図示せず)の外に且つ吸気ダクト1410の下方に配置された中央排気ダクト(図14Bの1413)の中に低圧の大流量の空気を流し得る。バルブ1412aが高圧開放に設定されると、バルブ1412aは高圧の低流量の空気を中央マニホールドの中に流し得る。吸気ダクト1410の下方に配置された排気ダクトが、バルブ1412aから低圧の大流量の空気を且つテント1312(図3)の内部から空気を取り込み、熱制御ユニットにそれを戻す。
【0053】
バルブ1412bは、2つの位置すなわち全開及び全閉位置の間で作動する複合バルブである。バルブ1412bが全開に設定されると、バルブ1412bは低圧の大流量の空気を流し得る。バルブ1412bが全閉に設定されると、高圧の低流量の空気がエアシステム1400を通して流れる。図14bは、図14とは別の角度を示し上記の各部品に結合された流路1414を有するエアシステム1400の別の斜視図である。
【0054】
ここで図15を参照すると、再循環ダクト1310の分解図を示す。再循環ダクト1310は、上部1502、下部1504、及び上部1502及び下部1504間に配置された再循環フィルタ1506を有している。上部1502は、再循環ダクト1310を通ってテントからの空気流が流れるよう構成された開口部1507を有している。空気が再循環ダクト1310を通って流れると、空気の中の粒子が再循環フィルタ1506を介して除去され、再循環ダクト1310の下部1504に配置されたフィルタ支持トレイ1508に残る。フィルタ支持トレイ1508は、それに複数の開口部1510を有しており、空気がそれを通して自由に流れ得る。再循環フィルタ1506は、医学的環境において空気流を効果的にろ過し得る適切なフィルタである。
【0055】
下部1504は、エアシステム1400(図14a)の出口ポート1402と整合するよう構成された出口ポート1510と、エアシステム1400の入口ポート1404と整合するよう構成された入口ポート1512と、エアシステム1400の対応する高圧ポート1406と整合するよう構成された高圧ポート1514とを有している。再循環ダクト1310は、エアシステム1400の各端部でエアシステム1400に結合されるよう構成されている。
【0056】
ここで図16Aを参照すると、L字形アッセンブリ1600の斜視図を示しており、このアッセンブリは、ここで説明するようなマットレスのフレームに結合されるよう構成されている。L字形アッセンブリ1600は、マニホールド結合部1602と、マニホールド結合部1602に結合された排出部1604とを有している。排出部1604は、中央マニホールド(図示せず)からマニホールド結合部1602を通る空気流の方向を変えるよう構成されている。排出部1604は、排出部1604に配置された蝶形フラップ1608に結合されているバネ1606を有している。蝶形フラップ1608は、閉止位置に付勢されているが、比較的容易に開放するよう構成されている。フープバー(hoop bar)1609が蝶形フラップ1608の上面に結合されており、蝶形フラップ1608の開放及び閉止をし易くなっている。また、留めリブ1610が蝶形フラップ1608に設けられており、蝶形フラップ1608が所定の位置を越えて移動するのを防止することで、L字形アッセンブリ1600を閉止し得る。さらに、留めリブ1610は、蝶形フラップ1608が閉止位置にあるときにL字形アッセンブリ1600に何らかの部品が取り付けられないようにする。
【0057】
図16Bを参照すると、排出ホース1612の斜視図を示す。排出ホース1612は、L字形アッセンブリ1600に結合されるよう構成されており、使用者が排出ホース1612を、例えば、患者の頸部、動態、他の体の部分、又は必要があれば患者から離すよう位置決めするように、柔軟性を有している。溝部1614が、排出ホース1612の基部に加工されており、L字形アッセンブリ1600に排出ホース1612を結合し易くしている。
【0058】
ここで図17A乃至図17Dを参照すると、図16A及び図16Bの排出ホース1612及びL字形アッセンブリ1600の様々な結合段階における側面図を示す。特に図17Aを参照すると、排出ホース1612に取り付ける前の閉止位置にあるL字形アッセンブリ1600を示す。図17Bで、フープバー1609に圧力を加えて開放形態に蝶形フラップ1608を付勢するために、排出ホース1612を使用する。図17Cは、L字形アッセンブリ/排出ホースの一部を切り取った側面図であり、L字形アッセンブリ/排出ホースを結合した後に開放位置にある蝶形フラップ1608を示す。図17Dは、結合した後のL字形アッセンブリ/排出ホースの側面図である。L字形アッセンブリ1600の穴の外に排出ホース1612を引き出すことによって、取り外しが容易に行われる。排出ホース1612をL字形アッセンブリ1600から外すと、蝶形フラップ1608がバネ1606の力により閉じる。また、バネを使用して排出ホース1612を保持したまま、L字形アッセンブリ1600の穴の中で排出ホース1612を回転させ得る。安全機能として、蝶形フラップ1608を開けずに排出ホース1612を挿入しようとすると、止めリブ1610によって完全係合が防止される。
【0059】
ここで図18を参照すると、部分的に組み立てたマットレス及びフローシステム1800の一実施例の斜視図を示す。フローシステム1800は、熱制御ユニット(TCU)1802を有しており、結合インタフェース1803を介して2つの中央マニホールド1806に繋がるエアシステム1804に結合している。中央マニホールド1806は、マットレスの長さ方向に沿って延びており、エアセル1808及びL字形アッセンブリ1810に結合している。L字形アッセンブリは、空気をテント(図示せず)の中に導く排出ホース1812に結合している。フローシステム1800の足部の近くのマットレスの隅部にある再循環ダクト1813を示している。エアシステム1814に結合された別の隅部には、45度及び90度のコネクタ1814,1816をそれぞれ具えている結合インタフェース1803を介してTCU1802が結合している。
【0060】
TCU1802は、中央マニホールド1806を介してエアセル1808に、そして排出ホース1812を介してテント(図示せず)に冷気又は暖気の双方を提供するよう機能する。また、TCU1802は、再循環ダクト1813を介してテントから空気を除去するよう機能する。さらに、TCU1802は、テント(図示せず)に空気を提供して動作の間にテント構造を保持する。45度及び90度のコネクタ1814,1816をエアシステム1804のいずれかの端部に結合することで、以下に詳細に説明するように、エアシステム1804に対するTCU1802の多くの様々な方向的機能を与えることに留意することが重要である。さらに、空間的制限に応じて1つのコネクタのみを要し、コネクタのモジュールの性質及び互換性が多くの方向を与えることに留意されたい。
【0061】
ここで図19を参照すると、部分的に組み立てたマットレス1900の別の斜視図を示す。部分的に組み立てたマットレス1900は、完全に組み立てたマットレス(図20)の長さ方向に延びる中央マニホールド1902を有しており、中央マニホールド1902の一端がL字形アッセンブリ1904及び排出ホース1906にそれぞれ結合しており、他端がエアシステム(図示せず)に結合している。エアシステムは、使用中にエアシステムの部品を保護する保護カバー1908によって収容されている。上記と同じような方法で機能する再循環ダクト1910がハウジングの1つの隅部に結合されている。
【0062】
中央マニホールド1902の上部は、出口ポート1912a,1912bを有しており、それらは交互に並ぶエアセル(図18)に結合するよう構成されている。交互に並ぶエアセルを、対向する中央マニホールド1902の交互に並ぶ出口ポート1912に結合して、上述したような独立した膨張/収縮を与えてもよい。さらに、出口ポート1912は、必要があれば緊急事態の際にエアセルが迅速に収縮するための手段を与えている。
【0063】
図20は、熱制御ユニット2002に結合されて組み立てられたマットレス2000の斜視図である。マットレス2000は、マットレスフレーム2004を有しており、このフレームがエアシステム(図示せず)及びマットレス2000を横断するエアセル2006を収容する。エアセル2006は、排出ホース2008を通して使用者の所望の態様に配置し得る開口部(特に図示せず)を有している。再循環ダクト2010は、マットレス2000の1つの隅部に取り付けられている。別の隅部には、TCU2002が45度のコネクタ2012及び90度のコネクタ2014を介して結合されているが、コネクタの数及びコネクタの角度方向は、このような図面によって限定することを意図するものではない。複数の押下げ式ボタン2015がマットレスのフレーム2004の周囲に沿って設けられており、例えば図12に示すようなテントに結合し得る。
【0064】
TCU2002は、キャスタホイール等といった車輪2016を有しており、TCU2002を周囲に容易に移動させ得る。車輪2016に安全ロック2018を設けて、マットレス2000に対して所定の位置にTCU2002を固定してもよい。対話型ディスプレイ2020がTCU2002に設けられており、マットレス/テントの組み合わせによって提供される治療の周囲の環境を使用者が制御及び監視し得る。また、ディスプレイ2020は、有害事象が生じたことを示すアラーム表示部を有している。また、ディスプレイ2020は、好適にはタッチパネル式であるが、必要があればテント及びマットレス2000を迅速に膨張/収縮させることが可能である。
【0065】
ここで、図21Aから図21Iを参照すると、マットレス2104に対するTCU2102の典型的な向きを表す様々な向きのマットレス/熱制御ユニットアッセンブリ2100の平面図を示す。図12に示すようなエアテントがマットレスに結合されて患者の熱制御のための環境を与えていることに留意されたい。さらに、これらの向きは典型例であり、可能な結合のバリエーションは、具体例としてこれらの図面に図示されたものを超えるため、限定されないことが理解されよう。
【0066】
図21Aは、コネクタ無しにマットレス2104に直接的に結合されたTCU2102を示す。図21Bは、45度のコネクタ2106によってマットレス2104に結合されたTCU2102を示す。同様に図21Cは、45度のコネクタ2106を介してマットレス2104に45度結合したTCU2102を示す。図21Dは、様々な形態でTCU2102を配置するための45度コネクタ2106及び90度コネクタ2108の使用を示す。図21Eから図21Iは、マットレス2104に対するTCU2102の様々な典型的な形態を示す。医用室のスペースが限られているため、本発明によって提供されるモジュール式の結合がこのような制約に適合することに留意されたい。
【0067】
ここで、図22を参照すると、本開示の一実施例に係る高圧空気流サイクル2200の概略図を示す。まず、空気が、作動時にTCUの騒音を減少させ得るサイレンサ2202を介してTCU(図示せず)の中に引き込まれる。次に、ブロワ2204によって空気が圧縮される。そして、空気流が、直接的に又は1又はそれ以上のコネクタ2206を介してTCU及びマットレス間を移動する。そして、空気流がエアシステムの中に入り、そこで中央マニホールド2208の1つの流路を介して流れをマットレスのエアセルに分流するバルブ2206の中に空気流が分流される。バルブ2210は、空気流がマットレスのエアセルの中で圧力を維持するよう空気流を遮断するが、流れのサイクルが変化するときに開放して、TCU又は環境に戻るよう空気を排出し得る。本書で説明する中央マニホールド2208は複数の流路を有しており、様々な流れの要求を提供し得る。
【0068】
ここで図23を参照すると、本開示の一実施例に係る循環を具えた低圧空気流サイクル2300の概略図を示す。空気流がTCU2302の中に導入され、そこで空気流が冷却又は加熱されて除湿される。次に、空気流が、コネクタ2304を使用するTCU2302とマットレスとの間を直接的に移送される。空気流が、吸気ダクト2306を介してマットレス流及び排出ホース流に分かれる。
【0069】
排出ホース流に関しては、中央マニホールド2310の中央流路を用いて空気流が排出ホースに導かれる。そして、空気流が患者に向けられ排出ホース/L字形アッセンブリ2312を介して患者を熱制御する。空気流は、テントの環境の中をマットレスの足側端部に向けて移動し、そこで空気流が再循環ダクト2314の中に引き込まれる。
【0070】
マットレス流に関しては、セルの膨張のサイクルに応じて、バルブ2308が中央マニホールド2310の適切な外側流路及びマットレスのエアセルに空気流を分流する。そして、空気流が、再循環ダクト2314から排気ダクト2316に再循環した空気と合流する中央マニホールド2310の反対側の外側流路を通って戻る。そして、空気流が、直接的に又はコネクタ2304を介してマットレスとTCU2302との間を移送される。そして、空気はTCU2302で熱制御され、サイクルが繰り返される。
【0071】
図24は、本発明に係る患者の冷却システム2400の概要図である。空気流がテント用ポンプ2404を介してエアテント2402の中に引き込まれ、再循環フィルタ2406を通過した後で空気が再循環する。新たな患者用に新たなテント2402を使用する場合に、フィルタ2406を別々に交換する処置を無くすように、再循環フィルタ2406をテント2402と一体形成してもよいことに留意することが重要である。空気を再循環させるか又は排出するかどうかをバルブ2408が制御する。再循環については、その次に空気が第1のブロワ2410を通って移動し、その後で空気が蒸発器コイル2412を通して冷却又は加熱されるよう熱処理される。蒸発器コイル2412は、トレイ2414がいっぱいになったときに使用者に警告するアラームシステムを有する取り外し可能な凝縮トレイ2414を有している。そして、空気は、サイクルに応じてマットレスのセル2420,2422を通る流れを分流し、又は排出ホース2424を介してテントの中に戻すバルブ2416,2418をそれぞれ通って導かれる。高圧ポンプ2426が、システム2400の中に高圧の空気を与えるよう提供されている。
【0072】
図25Aから図25Dは、本開示に係る頸部部材の様々な実施例を示す。頸部部材の様々な実施例は、患者に熱制御を与えるための改良された方法を提供する。患者に熱制御を与える方法は、平熱を下回る温度に患者の体温を下げることを有している。また、患者に熱制御を与える方法は、平熱を超える温度に患者の体温を上げることを有している。そして、患者に熱制御を与える方法は、例えば、患者に熱制御を与える前に人体が平熱よりも高い場合又は低い場合に、平熱に患者の体温を上げたり下げたりすることを有している。
【0073】
頸部部材の態様により、患者に使用するために頸部部材を位置決めし、暖気又は冷気といった熱制御された空気を患者の頸部に向けるための制御された十分な方法を提供する。例えば、回動ポイントといった機構が、本開示の他の部品とともに動作して、様々な方向に移動するための能力を頸部部材に与える。ある実施例では、頸部部材が、患者の支持体に患者を位置決めしている間に患者の頭部から離れるよう回動し得る。患者が適切に位置決めされると、本書で説明されているように、頸部部材が患者の頸部に向かって回動して患者に使用するために頸部部材を位置決めし得る。他の形態が、頸部部材の面によって規定される開口部を有しており、この開口部が、熱制御された空気(例えば、冷気)を患者の頸部;すなわち熱伝達(例えば、熱損失)が速い人体の部分に向けて保持する。例えば、様々な実施例では、頸部部材が、多くの部分を含めることができる。頸部部材のこれら及び他の形態が、図25A乃至図26Bに示されている。
【0074】
図25Aを参照すると、頸部部材2501の正面図を示す。図25Aに示すように、頸部部材2501は、第1の部材2502を有している。様々な実施例では、第1の部材2502が膨張可能であり、様々な形状及び大きさを有し得る。図25Aに示す実施例では、第1の膨張可能な部材2502が、多くの平らな面及び湾曲面又はアーチ形の面を有する不規則な形を有している。本書で説明するように、第1の膨張可能な部材の1又はそれ以上の面は、開口部を規定できる。
【0075】
第1の膨張可能な部材2502の内部は、第1の膨張可能な部材が膨張するときに伸長し得る小室(図示せず)を有している。様々な実施例では、第1の膨張可能な部材が、少なくとも1のバッフル2508を有して、第1の膨張可能な部材が膨張するときに第1の膨張可能な部材の形状を支持し得る。図25Aに示す実施例で図示するように、第1の膨張可能な部材は、4つのバッフル2508−1から2508−4を有している。また、ある実施例では、本書で説明するように、バッフルが第1の膨張可能な部材の開口部を通して空気を導くよう機能し得る。
【0076】
様々な実施例では、第1の膨張可能な部材が、少なくとも1の開口部を規定する面を有することができる。様々な実施例では、第1の膨張可能な部材の面が、様々な形状及び大きさを有することができる。例えば、図25Aに示す実施例では、面2506がアーチ形の形状を有しており3つの開口部2510−1乃至2501−3を規定する。ここでより詳細に説明するように、開口部2510は、熱制御される空気の供給源(例えば、図18の熱制御ユニット(TCU)1802又は図20の熱制御ユニット2002)と流体連通しており、第1の膨張可能な部材2502の内部から開口部2510の外に空気(例えば、暖気、冷気及び/又は与圧空気)を導くよう機能する。様々な実施例では、少なくとも1の開口部2510を通過する熱制御された空気流が患者の頸部の皮膚に向けられるように、少なくとも1の開口部2510を、患者の頸部の近くに配置することができる。ある実施例では、熱制御された空気流が冷気であり、平熱を下回る体温に患者を冷やす。
【0077】
第1の膨張可能な部材2502は、少なくとも1の吸気口2512を有しており、第1の膨張可能な部材2502に熱制御された空気を与える。様々な実施例では、吸気口2512が、熱制御された空気の供給源(図示せず)に結合し得る管腔(図示せず)を規定する細長部材2514を有している。細長部材2514は、多くの方法で構成し得る。例えば、ある実施例では、細長部材2514が、細長部材2514を空気の供給源を含む本開示の他の部品に結合するよう使用し得る特にクリップ、糸、伸縮バンドといった締結具を有する硬質、半硬質、又は弾力性のあるホースとすることができる。例えば、ある実施例では、吸気口が、図16Aに示すL字形アッセンブリ1604の排出部1604に嵌合し、クランプ及び/又は1又はそれ以上の弾性バンドを用いて排出部1604に固定し得る半硬質の柔軟性のあるホースである。このような実施例では、本書で説明するように、TCUといった供給源からの冷気又は暖気を、吸気口2512の細長部材2514を介して第1の膨張可能な部材に導入し得る。
【0078】
また、吸気口2512の様々な部分が、吸気口2512を吸気の供給源に結合した場合に、第1の膨張可能な部材2502の回動ポイント2515として機能し得る。回動ポイントにより、第1の膨張可能な部材が様々な方向に回動し得る。例えば、第1の膨張可能な部材2502の回動ポイント2515により、本書で説明するように、患者が患者支持面に置かれたときに、第1の膨張可能な部材を扱う者が、患者の頭部の邪魔にならない所に第1の膨張可能な部材を回動又は移動させることが可能となる。
【0079】
図25Bは、患者に熱制御を提供するための頸部部材2503の別の実施例を示す。図25Bに示すように、頸部部材2503は、第1及び第2の部材を有している。図25B示す実施例では、第1及び第2の部材2502及び2512が膨張可能である。様々な実施例では、第2の膨張可能な部材2512が、第1の膨張可能な部材2502の全ての機構、構造、構成、及び機能を含んでおり、第1の膨張可能な部材2502と左右対称である。例えば、様々な実施例では、第2の膨張可能な部材2512が、第2の膨張可能な部材が膨張したときに第2の膨張可能な部材の形状を支持するための少なくとも1のバッフルを有している。図25Bに示す実施例では、頸部部材2503が、合計で8個のバッフル2508−1乃至2508−8を有している。様々な実施例では、頸部部材2503を、任意の数のバッフルを含めるよう形成し得る。
【0080】
図25Aに示す実施例と同様に、図25Bに示す第2の膨張可能な部材は、熱制御された空気の供給源に流体連通する少なくとも1の開口部を規定する面を含んでいる。図25Bに示すように、面2507はアーチ形を有しており、3つの開口部2510−4乃至2506−6を規定する。様々な実施例では、第1の膨張可能な部材2502の開口部2510−1乃至2506−3及び第2の膨張可能な部材2512の開口部2510−4乃至2510−6を、それらが等間隔になるように配置でき又はそれらの距離が変わるように配置できる。様々な実施例では、開口部2510−1乃至2510−6を、患者の頸部及びその周りに放射状に空気を向けるよう(図25Eで矢印2530で示す)配置できる。第2の膨張可能な部材2512を、第1の膨張可能な部材2502と同一又は類似する方法で、第2の膨張可能な部材2512を通って開口部2510−4乃至2510−6の外に熱制御された空気(例えば、空気)を流れ易くするよう構成できる。
【0081】
様々な実施例では、多くの開口部を規定する第1及び第2の膨張可能な部材が、可逆的に結合又は連結された場合にカバーをも規定する。このような実施例では、頸部部材が患者の頸部を覆うよう配置された場合に、頸部部材のカバーが患者の頸部の一部及びその周りから間隔を空けて配置される。例えば、様々な実施例では、第1の膨張可能な部材2502及び第2の膨張可能な部材2512の双方の少なくとも1の開口部2510を規定する面2506が、図25Bに示すように、一緒にした場合に、アーチ形の形状を有するカバー2524を形成するアーチ形の形状を有する。ここで説明するように、第1の膨張可能な部材2502を第2の膨張可能な部材2512に結合した場合に、カバー2524を、患者の頸部の一部及びその周りから間隔を空けて配置できる。様々な実施例では、面が可逆的に結合又は連結された場合に、カバーが図25Dに示すような正方形の半分といった多角形の形状を形成するように、多くの開口部を規定する面が、例えば、平面状といった他の形状を含めることができる。また、カバーの他の形状が考えられ、半六角形、八角形、アーチ形及び多角的を組み合わせた形状又は多角形の面を有するが、これらに限定されない。
【0082】
頸部部材2503は、第1の膨張可能な部材2502の第1の端部2520を第2の膨張可能な部材2512の第1の端部2522に結合するよう構成された頸部部材2518を含めることができる。様々な実施例では、第1及び第2の膨張可能な部材2502及び2512の第1の端部2520及び2520を、第1及び第2の膨張可能な部材2502及び2512を結合した場合に、患者の喉頭隆起の近くに配置することができる。頸部部材のコネクタ2518は安定性を与え、頸部部材が動いている間に(すなわち、空気が頸部部材を通って流れている場合に)第1及び第2の膨張可能な部材が結合された場合に、頸部部材2503を制御する。頸部部材用コネクタ2518を第1及び/又は第2の膨張可能な部材2502及び2512から外すことによって、第1及び第2の膨張可能な部材を離すと、これらの部材をその回動ポイントに沿って互いに引き離すことができ、ここで説明するように、患者の頭部の適切な位置決めを与える。患者の頭部が適切に位置決めされると、頸部部材用コネクタ2518を用いて第1及び第2の膨張可能な部材2502及び2512を結合し得る。様々な実施例では、特にマジックテープ(登録商標)、クランプ、フック、及びボタンといったこれらに限定されない多くの材質、部品等で頸部部材用コネクタ2518を形成できる。
【0083】
図25Aに示す実施例と同じように、第1及び第2の膨張可能な部材2502及び2512が、第1及び第2の膨張可能な部材2502及び2512に熱制御された空気(例えば、暖気又は冷気)を与える吸気口2512をそれぞれ有し得る。
【0084】
図25Dは、本開示に係る頸部部材2505の別の実施例を示す。図25Dに示すように、頸部部材2503は、頸部部材2501及び2503の機構、構造、及び機能のうちの全部又はいくつかを含めることができる。例えば、頸部部材25Dは膨張可能であり、少なくとも1のバッフル2508、吸気口2512、少なくとも1の開口部2510、及びカバー2524を規定するアーチ形の面2506を有し得る。図25Dに示す実施例では、頸部部材2505が、図25Bに示すような頸部部材用コネクタ2518といったコネクタを有していない。このような実施例では、吸気口2512が、頸部部材2505に熱制御された空気を与えることができ、各吸気口が回動ポイントとして機能する。ここで説明するように、頸部部材の回動により、第1の膨張可能な部材を扱う者が、頸部部材を移動させて患者を位置決めし、患者支持面から患者を出すことができる。
【0085】
ここで説明するように、図25Aから図25Eの様々な実施例では、頸部部材2501,2503,及び2505が、例えば、図25Aの第1の膨張可能な部材2502及び図25Bの第1及び第2の膨張可能な部材2502及び2512といった1又はそれ以上の膨張可能な部材をそれぞれ有している。図25Aから図25Eのいくつかの実施例では、頸部部材2501,2503、及び2505を、膨張しない材料とすることができる。このような実施例では、頸部部材2501,2503及び2505に対して構造的な支持を与える発泡体といった硬質又は半硬質材料で頸部部材を形成できる。空気を患者の頸部に向けるために、頸部部材の面によって規定された開口部は、開口部から発泡体又は他の硬質又は半硬質材料を通って吸気口に延びる1又はそれ以上の流路(図示せず)と流体連通している。このような方法では、流路が、熱制御された空気の供給源から頸部部材を通って開口部から出る冷気の移送をし易くする。
【0086】
図26A及び図26Bは、本開示に係るシステム2600の様々な実施例を示す。図26A及び図26Bに示す実施例では、システム2600の中で空気を循環させ易くする様々な部品が与えられており、平熱を下回る温度に患者を冷やすといった熱制御を患者に提供する。様々な実施例では、システム2600が、患者支持面2602を有している。本システムに与えられた患者支持面は、様々な形状、大きさ、及び材質を有している。例えば、ある実施例では、患者支持面2602が、図26B及び図13Aから図13Cにそれぞれ示されているように、患者支持面を横切って延びる多くの膨張可能なエアセル2604及び1307を有している。
【0087】
システム2600は、患者支持面2602に取り付けられた膨張可能なチューブ2606のフレーム構造を有している。様々な実施例では、膨張可能なチューブのフレーム構造が、図7に示すような管状の支持フレーム構造200と同一又は類似している。様々な実施例では、膨張可能なチューブのフレーム構造の患者支持面への取り付けが、本システムの他の部品に膨張可能なチューブのフレーム構造の様々な部分を結合することを含んでおり、例えば、患者支持面、マニホールドシステム、又は様々なバルブといった本書で説明するようなものに、膨張可能なチューブのフレーム構造を結合することを含んでいる。ある実施例では、膨張可能なチューブのフレーム構造の患者の支持面への取り付けが、患者支持面の1つの面へのフレーム構造の配置を有している。
【0088】
また、システム2600は、例えば、図26Aに示すように、膨張可能なチューブ2606に取り付けられたエアテント2608を有している。様々な実施例では、エアテント2608を、例えば、図26A及び図26Bに示すような患者支持面に配置し得る。エアテント2608は、多くの様々な形態を取ることができる。例えば、エアテント2608は、図3Aから図5Aに示すようなエアテント2、図6のようなエアテント100、図9のようなエアテント300、又は図13Cのようなエアテント1312と同一又は類似である。
【0089】
様々な実施例は、システム2600が、患者支持面2602に流体連通する冷気又は暖気といった熱処理される空気の(図26A及び図26Bに図示しない)供給源を有している。ある実施例では、患者の体温を測定して空気の熱的特性を調節するよう使用できる。熱制御される空気の供給源は、例えば、図18に示す熱制御ユニット(TCU)1802又は図20に示す熱制御ユニット2002を有している。熱制御される空気の供給源は、患者支持面2602、膨張可能なチューブ2606のフレーム構造、及びエアテントの内部に流体連通する。
【0090】
また、システム2600は、(図18の符号1800で示すような)フローシステムを有している。ここで説明するように、フローシステムは、TCU、マニホールドシステム、及び他の部品を有している。このような実施例では、フローシステムのTCUが、ここで説明するように、患者支持面、エアテントの膨張可能な部分、及び膨張可能な支持面の上方のエアテントによって規定される囲まれた領域の中に、熱制御される与圧空気をマニホールドシステムを通して分配し得る。ある実施例では、患者支持面、エアテントの膨張可能な部分、及び前記囲まれた領域から、マニホールドシステムを通して空気を再循環させ、エネルギを節約する。
【0091】
システム2600の様々な実施例では、ここで説明するように、患者支持面の中にマニホールドシステムを配置して、患者支持面2602、膨張可能なチューブのフレーム構造2608、エアテントの内部、及び頸部部材2607に空気を分配できる。フローシステムは、膨張するときに患者の上方のエアテントを支持し、収縮するときに患者から離れるようなエアテントのための性能を与える。
【0092】
また、システム2600は、頸部部材2607を有している。様々な実施例では、頸部部材2607を患者支持面2602及び/又はここで説明するような様々な部品に結合し得る。ここで説明するように、頸部部材は、例えば、図26Bに示すように、少なくとも1の開口部2610を規定する面を有することができる。様々な実施例では、頸部部材2607が、ここに記載又は図示された、例えば、図25Aの頸部部材2501、図25Bの頸部部材2503、又は図25Cの頸部部材2505といった、頸部部材の1つである。
【0093】
上述のように本開示を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱せずに変更及び改良してもよいことが、当業者にとって明らかである。上記の記載及び添付図面の範囲内にあるものは、限定するのではなく具体例として与えられている。本発明の実際の範囲は、特許請求の範囲に付与されるものに相当するあらゆる範囲とともに、以下の特許請求の範囲によって規定されることを意図するものである。
【0094】
さらに、当業者は、本開示を読んで理解すると、ここに記載された本発明の他のバリエーションを本発明の範囲内に含めることができることを認識するであろう。
【0095】
上記の記載において、本開示を簡単にする目的で様々な態様がいくつかの実施例で一緒にされている。本方法は、本発明の実施例が各請求項で明確に挙げられたものよりも多くの態様を要するという意図を示すものと解釈すべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示するように、独創的な発明は1つの開示された実施例の全ての態様にはない。このため、以下の特許請求の範囲は詳細な説明の中に盛り込まれており、各請求項は別々に実施例としてそれ自身に基づいている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に熱制御を提供するための装置であって、当該装置が、
少なくとも1の開口部を規定する面であって、前記患者の頸部から間隔を空けて配置されるよう構成された面を有する頸部部材を具えており、
前記頸部部材が、空気の供給源から熱処理された空気を取り入れるための吸気口を有しており、
前記少なくとも1の開口部が、前記吸気口に流体連通しており、前記空気の供給源から前記患者の頸部に熱処理された空気を向け、
前記吸気口が、前記頸部部材の回動点として構成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記面が、前記患者の頸部から間隔を空けて且つその周りに配置されるよう構成されたアーチ形を規定することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が内部バッフルを具えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が膨張可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記頸部部材が、硬質材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記頸部部材が、半硬質材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
さらに、前記患者の頸部に放射状に空気を向けるよう構成された更なる開口部を具えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、前記患者の頸部の第1の側に配置されるよう構成された第1の部材と、前記患者の頸部の第2の側に配置されるよう構成された第2の部材と、を具えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記回動点が、前記第1の部材が前記第2の部材に対して回動し得るよう構成されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の部材が、前記患者の頸部の周りにアーチ形を形成するよう構成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
さらに、前記第1の部材を前記第2の部材に結合するためのコネクタを具えていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
さらに、前記頸部部材に流体連通する患者支持面を具えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
開口部を規定する前記面が、アーチ形の面であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の装置。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図21F】
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【図21G】
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【図21H】
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【図21I】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図25E】
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【図26A】
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【図26B】
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【公開番号】特開2013−48926(P2013−48926A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245997(P2012−245997)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2009−527583(P2009−527583)の分割
【原出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(501394620)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (25)
【Fターム(参考)】