説明

患者用体温測定機器

【課題】
本発明は、体温計の環境における非安定性の問題を解決できるようにする。
【解決するための手段】
体温を測る患者の身体からの赤外線の強度を赤外線体温計(1)を使用して検知し患者の体温を計測するための機器(100)を開示し、前記機器は、室温センサーを前記体温をメモリー(38)に送るために有する。処理部(33)は、入力信号として室温シグナル(B)と赤外線に比例する体温シグナル(A)を受信し、前記室温シグナル(B)は、検出部(7)で検知された前記体温(A)を補正する修正パラメータを前記処理部(33)で決められるようにし、患者の真体温を決定できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体温測定機器に係るものであって、特に患者の体温測定に赤外線を利用するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の体温計の他に、例えば水銀体温計のように患者と接することで体温を計る体温計以外に、対象から放出される赤外線を基に体温を計る赤外線体温計が近年市場で出回っている。
【0003】
特に、赤外線体温計は、赤外線センサーが稼働している読み取り部分を有し、温度検知が必要な患者の体の一部から放出される赤外線を前記センサーに運ぶ。
【0004】
現在市場に出回っている赤外線体温計は、大まかに二つに分けることが出来る。
部分接触式体温計と非接触型体温計である。
【0005】
前者の体温計は、温度計部分もしくはプローブを体温が測定される被験者の耳に入れることによって、その部分の赤外線が検出部に運ばれる。
【0006】
この部分は温度が安定しているため、かなり正確でかつ繰り返し温度測定が可能である。
【0007】
このような利点は一般的に通用するものではあるが、プローブカバーの使用などが必要な衛生的条件下において限界が出てくる。加えて、体温計のプローブは患者の耳に挿入する異物としては、不快なものであってあまり実用的ではない。
【0008】
後者の赤外線体温計である非接触型体温計の体温計の末端は、体温測定が必要な患者から検出部分が接触していても離れていても赤外線を運ぶように設計されている。
【0009】
後者の体温計において、患者から離して使用する場合は、正確な体温測定を行うために、体温計は検知される表面から正確に限定された範囲内の所定位置になくてはならない。
【0010】
赤外線を検知するように設計されたセンサーは、測定される患者からの赤外線の放射が届くことが必要不可欠であり、特に前記患者の所定範囲から放射された場合は必須である。
【0011】
尚、同出願人は、赤外線体温計の検知部分を体温測定される対象に対し、正しい場所に向けてかつ位置設定させる異なった方法を考案している(例えば、国際特許文献 No.PCT/IT98/00379)。
【0012】
さらに、接触型および非接触型の赤外線体温計は、典型的には患者の額もしくは頭部(こめかみ、額の中心部分、首の後ろ、耳付近)の指定部位の温度を検知する。
【0013】
しかしながら、問題の体温は患者のいる室内の温度に明らかに影響される。ある体内温度を持つ患者の額部分の温度は、彼/彼女が暑い環境にいるか寒い環境にいるかによってが異なるのは明白である。
【0014】
当然ながら、赤外線体温計は、間違った体温を測定しないために患者の額部分の体温を測定してから、室温によっては検知された体温を修正する。実際には知りたいのは被験者の真の体内温度であって、それの所定の表面部分の温度ではない(額、顔等)。
【0015】
非接触型の赤外線体温計が持つもっとも重要な課題の一つが、患者のいる室温を考慮する修正パラメータの決定である。
【0016】
この問題を少なくとも部分的に解決するために、一般的な非接触型赤外線体温計は、前記室温を検知することができる内部室温センサーがあり、体温計のロジック制御装置にその数値を送る。
【0017】
検知された室温の数値によっては、処理装置が患者の体温を補正することにより、被験者の正確な体内温度を計測する。
【0018】
簡略に説明した前述の公知の技術は信頼できる体温測定を行う一方で、その技術には限度および/または稼働弱点があることが示されている。
【0019】
体温計が置かれる環境の不安定さは、間違った計測を生じさせることを含むものである。
【0020】
実際には、たとえば、体温計の置かれている環境の室温と被験者が温度測定のために出した環境と違う場合、正確な予測に必要な体温計で検知される室温が違ってしまう。
【0021】
例えば、もし体温計が新しい環境に移されてすぐに測定が行われた場合、温度測定が間違った室温パラメータを基に補正されるため間違った結果を出してしまう。
【0022】
しかし、体温計が種々の温度を持つ環境に置かれていた場合、もしくは被験者がいる場所と体温計が置かれている場所の温度が異なる場合(例えば、体温計が医師のポケットの中にあるため、医師の体と直接接している場合など)は、間違った室温が測定され、結果的に被験者の真の体温も違ってしまう。
【特許文献1】国際特許文献 No.PCT/IT98/00379
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
現状況下において、本発明は前述の弱点を実質的に解決することが目的である。
【0024】
本発明の第一の目的は、体温測定用赤外線機器の体温計が置かれている環境の不安定さと関連する問題を解決できるようにすることである。
【0025】
したがって、室温の不正確な測定による検知エラーを避け、患者の体温のより信頼できる測定を可能にすることも本発明の目的である。
【0026】
赤外線体温計が正確に機能するための全技術的特徴を持つことは、本発明の総括的な目的である。すなわち、正しい接触なしの向け方、無関係な部分からの放射線(例えば、体の他の部分からくる放射線)を除外する赤外線の正しい運び方、同様に額温度と室温の正しい予測と、それによって信頼できる方法で患者の真の体温を得ることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
前述と後述の目的は以下の詳細な説明で明らかになり、実質的に本発明に係る機器と方法において実現される。
【0028】
続く特徴と利点は、好ましいが限定されない温度測定機器の、特に患者用の、実施形態の詳細な説明と本発明に係る計測方法において最もよく理解されるものである。
【0029】
この説明は、以下の添付の図に関するものであるが、非限定的例示である。
図1は、赤外線体温計の概略図である。
図2は、本発明に係わる体温測定機器の概略図である。
図3は、図1と図2で示されている体温計の導波管とセンサーを示している。
図4は、図2で示されている体温測定機器の代替の実施例の概略図を示している。
【0030】
図に関連して、特に患者の体温測定用の体温測定機器は100とされる。
【0031】
図1で示されるように、赤外線体温計1は携帯型でもよく、使用者用に掌握部3を画定する本体2を含む。ハンドグリップ部分には、キーパッド等のような従来のコマンド手段4があってもよく、また一つ以上の体温もしくはその他の測定情報読み取り用のディスプレー5があってもよい。
【0032】
本体の一方の端には、赤外線温度を検知する手段6が設けられており、赤外線を感知する検出部7と、検出部と連動して機能し、検出部に温度を測定される身体9付近から放出された放射線を運ぶ導波管8を少なくとも一つ有する。
【0033】
当然ながら、接触型またはスライド式体温計の場合、どの種類の導波管の使用も選択的に避けることができる。
【0034】
有利には、体温測定機器は体温計で使用される室温数値の正確性/安定性を制御する手段が設けられている。
【0035】
既に述べたように、赤外線体温計1は、患者の表面部9の温度を検出部分7によって検知し、次に患者の真の体内温度を予測できるようにする。
【0036】
前述で強調されたように、真温度を予測するためには、患者がいる室温を知ることが必要である。被験者の表面温度は、一般的に患者のいる室温に影響され、患者の真の体内温度と異なっている。当然ながら、室温をもとに補正パラメータを確定し、検出部7で測定された真の表面温度に作用するように取り込まれることによって、患者の真の体内温度の信頼できる計測ができる。
【0037】
言い換えると、赤外線体温計1それぞれにつき室温の測定が必要で、特に患者がいる室温の測定が必要であり、これは可能な限り信頼できるものでなくてはならない。
【0038】
これに関連しまた、図2に示されているように、体温測定機器は、容器もしくは補助体30を有することも可能で、これは赤外線体温計とは離れてた後者に室温を伝達するように設計されている。
【0039】
このリモートセンサー31の使用目的のために、室温を検知するよう設計された例えばサーミスターが提供される。サーミスター31は、赤外線体温計の外部の回路に内蔵され、主電源もしくは適切なバッテリーから電力が供給される。この同じ回路は、例えばリモートセンサー31で検知された室温が読めるような表示手段の存在を意図することができる。
【0040】
一般的に、補助体30は温度が測定される場所に恒久的に置かれ、リモートセンサー31が 赤外線体温計の置かれている場所と温度変化とは無関係に真の室温を検知できるように置かれる。
【0041】
特に伝達手段32により、リモートセンサー31で検知された室温が赤外線体温計に転送される。
【0042】
センサー31は、検知された温度シグナルを適切なアンテナもしくはトランスミッター42を通して制御部41に送り、無線、赤外線または同等のシステムで測定を対応する受信アンテナまたは体温計1にある受信装置43に伝達する。
【0043】
赤外線体温計は、一般的に処理部33も有していて、検出部で感知した患者から来る赤外線に相当する体温シグナルAを受信するために検出部7と繋がる回路に内臓されている。
【0044】
この処理部33は、リモートセンサー31からの室温シグナルBを入力信号として受信するようにも設計されている。また、処理部33はこの室温シグナルBをすぐに使用するかまたは、その後に使用するときのためにメモリー38に転送する。
【0045】
患者の体温を測定する前、その間もしくは後に、処理部33は入力信号として室温シグナルBと赤外線に相当する体温シグナルAを受信する。室温シグナルBは、処理部33で、正、負、もしくは0パラメータでありうる修正パラメータを判断できるようにして検出部7で検知された温度を修正し、患者の真の体内温度を判断する。
【0046】
これに関して、処理部33は適切なパラメトリック化された修正機能を有し、室温に応じて前記修正パラメータを判断して、患者の真の体内温度の信頼できる測定を得る。
【0047】
図4に示される別の実施形態において、体温測定機器は、有利に室温において赤外線体温計1と区別され知りたい温度の環境に置かれる基準素子36を有する。
【0048】
言い換えると、この基準素子36は、好ましくはプラスチック材のプレートもしくはディスクから出来ていて、冷暖房源や太陽光線から遠く離れた温度を検知する環境の壁の位置に掛けられているか、もしくは取り付けられている。
【0049】
さらに一般的には、基準素子36は、その環境にある壁や家具のようにどんな物からできていてもよいが、十分な時間その場にあり(安定した温度を持つために)、さらに暖房に近すぎず極端に冷たいところになかったということが前提である。言い換えれば、この基準素子36は、体温計が最適に機能するのに必要な正確な室温を持つ。
【0050】
温度を測定するオペレーターが患者のいる部屋に入った時、彼/彼女は彼自身/彼女自身を赤外線体温計付きのプレート36の前に持って行き、基準素子36の中心に前記体温計を向け、適切な室温計測機能を使い、基準素子36自体からくる赤外線を検出部7を使って測定する(それによりその温度を決定する)。
【0051】
この時点で、基準素子36の温度を感知するのに適した装置37は、計測された室温シグナルBをメモリー38に送り、受信された数値は前に保存された室温と置き換えられ、続く全患者の測定の際に使用される。
【0052】
そして、オペレーターは体温計を患者の額部分の温度を計測するのに同じ検出部7を使用することができる。すなわち今回は、前述の処理部33に送られる体温シグナルAを検知する。
【0053】
前記処理部33は、患者の温度シグナルAとメモリー38に保存された室温シグナルBを利用して患者の真の体内温度を決める。
【0054】
例えば、この使用方法は、看護師にとって同室にいる患者の室温が同じで、次の部屋に移動する際には正しい室温にリセットできるような病室での患者の体温測定に有利である。
【0055】
基準素子36の温度検知部37は、体温計に室温シグナルBが検出されることを知らせる所定のボタンをオペレーターが押すことによって、当然ながら起動する。違うボタンもしくは同一のボタンを押すと異なる方法を使って、反対に体温計に検知された温度Aが患者の体温であることを知らせる。
【0056】
さらなる選択肢として、赤外線体温計1は、本体に内蔵されている第一および第二室温センサー39,40をつけることも可能で、どちらも外部環境の温度を検知して処理部33に転送するように設計されていることも指摘するべきところである。
【0057】
処理部33は、入力信号としてセンサー39、40から温度シグナルを受信し、二つの検知作業を基に室温を計算する(なお、3つ以上のセンサーの使用も可能である)。
【0058】
より簡単な実施形態では、処理部33は二つのサーミスターで計測された数値のうち低いほうの室温数値として得る。この実施形態は、不安定な状況のために体温計が熱くなったときの想定(体温計の取り扱い方または体温計がポケットの中にあったため)が基になっていて、これはすべての構造において恒常的に起きるものではない。
【0059】
代わりとして、ソフトウェアを組み込むことも可能で、マイクロプロセッサが、二サーミスター39,40から得られた温度差を関数にとって計算し、真の室温を予測することができる。
【0060】
さらに別の室温制御と照合の実施形態として、前記温度は、単一の温度センサー39もしくは40で継続的に検知され、処理部33に検知した温度を常に転送することもできる。処理部33は、温度と時間において最後に安定した温度を室温としてメモリー38に保存する。所定の変化閾値内に温度変化が収まる場合、例えば変化が0.2°以内の場合、その温度は安定とされる。時間における安定性は、所定のパラメータを例えば15秒もしくは1分以上計測することで成立する。
【0061】
温度の数値が一定で(変化が0.2°を超えない)さらに、時間においてもも一定(15秒もしくは1分以上変化がない)であった場合、この温度はメモリー38に保存され、患者で検知された温度を補正するための室温として使われる。
【0062】
体温計が違う環境に移されたり、オペレーターのポケットに挿入された場合は、検知された温度変化は無視されることが明白であるため、温度の計測においてエラーが生じるのを避ける。
【0063】
当然ながら装置33は、適切なアルゴリズムを使って、計測された温度をディスプレーに転送するか、または、他の表示システム、例えばプロジェクターシステム、を使って使用者に表示できる。
【0064】
赤外線温度計1の他の部分に関して、導波管8は、温度が検知される身体のほうを向いた第一端部8aと、検出部7のほうを向いた第二端部8bを有している。
【0065】
添付の図面に示されているように(図3)、導波管は、鏡のような内表面10を有する筒状体のように構成されており、筒状体の対向する第一および第二開口部11、12を光学通信でつなぐことが可能な通路をつくっている。
【0066】
導波管の内表面10は、開口部12に向かって収束している。すなわち、第一開口部11から検出部7が実質的に位置している第二開口部に向かって、直径が大幅に小さくなっていく。さらに正確には、導波管の収束は筒状体の第二開口部12に近づくにつれて大幅に著しくなる。
【0067】
言い換えると、本発明に係る導波管は、二つ以上の軸状に連続した断面を有することができ、それに適した収束を有しそれぞれの断面において一定で、 さらに導波管を形づくっている筒状体において一つの断面から第二開口部12方向に次ぎの断面へ移動するにつれ段階的に著しくなる。
【0068】
特に、前述の場合、少なくとも導波管の収束部は、第二開口部12に近づくにつれ、徐々に著しく先細りしている円錐の表面のように見える。
【0069】
また、二つもしくは好ましくは複数の連続した断面でより収束するものの代わりに、段階的かつ継続的にカーブし第一開口部から第二開口部へ向けてより著しく収束する内表面を導波管につけることもできる。
【0070】
いずれの場合においても、本発明に係る導波管は、第二開口部付近への軸方向の動きは同じで、直径の減少は第一開口部から第二開口部にむけてより顕著になるようにできている。
【0071】
実施例で示されている導波管において、導波管の内表面10は、曲線13と14で画定されており、好ましくは曲線の弧の断面の軸と導波管の縦断対称軸Lが交差することで画定されていることがわかり、さらに内表面10の凹面が第一開口部11を向いていることがわかる。
【0072】
図示されているように、これらの放物線の弧は常に第二開口部12に近づくにつれ、収束がより著しい。
【0073】
有利には、本発明に係る導波管の第一開口部には、従来の導波管に付いていた防御マスクをつけないため、周期的に使用者によって機能を保つために清掃されなければならない。防御マスクの欠落は、導波管に入る放射線シグナルの無駄な喪失を避けるために非常に有利である。
【0074】
導波管8の構造とは無関係に、前記導波管と機能的に関連している検出部7は典型的には補助体20に内蔵されていて、金属製好ましくは銅またはZn+Al+Mg合金で出来ており、図3で示されているようにこれらは単一の構造を形成することもできる。
【0075】
本発明に係る赤外線体温計は、本体と関連し、さらに処理装置と共に稼働する制御手段を設けることも可能である。この制御手段は、検温部からの所定距離「D」に対する検出部7の正確な位置決定の状況を判断するように設計され、この正確な位置決定の距離は、精読を行うのに最適と想定され、さらに計測領域を対象とする領域のみに限定する。
【0076】
当然ながら、上述のシステムは接触型および/またはスライド式体温計においても使用することが可能である。
【0077】
本発明に係る上述の特有な導波管の形状に加えて、検出部を検知表面から適切な距離Dに正しく配置することは、非常に正確な温度測定を得るのに役立つ。
【0078】
前記制御手段を得るために、単一の異なる技術的解決策もしくはそれらの組み合わせを採用することが出来る。
【0079】
特に、発光素子、もしくはポインター21などを設けることができる(図1を参照)。特に、二つもしくは三つの可視光線を設けることができ、好ましくは同一平面上ではなく収束するものでなければならない。
【0080】
体温測定機器の一部として赤外線体温計についてその構造の観点から説明してきたが、それらの使用方法は以下の通りである。
【0081】
まず初めに、室温Bが検知される。この計測は上述の方法の一つ以上に従って実行することができる。
【0082】
一般に、赤外線を使用した温度測定機器は、上述の4つの解決方法の全てを意図することができ、設定された優先順位に応じてオペレーターもしくは自動で適宜起動することができる。
【0083】
例えば、4つの全ての室温検知方法が組み込まれていた場合、リモートセンサー31で温度を転送するシステムを優先するようにできる。
【0084】
前記リモートセンサーがない場合(もしくは故障している場合)、基準素子36を利用して手動で室温を設定できる。この方法が行われなかったとしても、室温センサー39,40で検知された温度に応じて計算され、さらにこの選択肢も動作不能な場合、時間と数値において一定なメモリー38に保存された最後の温度を基に室温が計算される。
【0085】
例えば、室温の計算を完了してメモリー38に保存した後、導波管8を通してくる患者の検温部9から出た赤外線を伝達して患者の体温の計測を行う。
【0086】
検出部に近づくにつれより段階的に収束する導波管の内表面の形状に起因して、以下の効果が実質的に存在する。導波管の長手軸に平行もしくは前記軸に対して少し傾いて放出された放射線は、導波管によって伝達され、導波管の内表面と接触する場所とは無関係に実質的に検出部に焦点が合わされている。
【0087】
反対に、大幅に傾いていて患者の対象ではない表面部位からくる光線は、温度検知の妨げになりえるもので、複数の反射によって導波管の入光部分に戻される(特に、各反射において、図3の臨界光線(rc)で示されているように、導波管軸に対して90°を超えるまで光線の傾きが大きくなる。)
【0088】
一般的に、導波管の内表面の構造上、傾斜が小さい光線は到達することができる(検出部に当たる)が、導波管の長手軸よりも大きな傾斜をもつ光線は導波管の第二開口部に到達することが出来なく、もしくは傾斜によっては吸収体に吸収され(もしあれば)、または導波管の端部に反射されるか、本体の検出部の内壁もしくは外壁に屈折してしまう。
【0089】
ここで説明された異なる実施形態の導波管と検出部の構造に起因して、放射線の真の検知領域を大幅に限定することができ、なによりも真の検知領域を計測することができる。つまり、導波管は、導波管自身の長手軸に対して傾斜しすぎている放射線の光学フィルターのような役目を果たしている。
【0090】
当然ながら、検温部9からの距離Dに対する検出部7の正しい操作状態を判断するように設計された導波管8と制御手段は、患者の表面温度の計測を最適にする。
【0091】
一般的視点からは、異なる構造と機能的特徴を有する上述の機器は、それぞれ組み合わせることもでき(例えば、付属の請求の範囲に記載されているように)、また別々の独立した方法で併存することも可能で、本発明の別の実施形態となる。
【0092】
特に、機能的に体温計1内で構成されるため赤外線体温計1の内表面とは別に定義することができ、特定の場合に応じて、以下のサブアッセンブリをそれぞれ別に、もしくは組み合わせて有することができる。
【0093】
赤外線体温計から離れていてリモート温度センサーを有する能動的な補助体30とリモートセンサーで検知した温度を転送する適切な伝達装置および/または、
本体2から離れていて室温における受動的な基準素子36と基準素子36の温度Bを検知して赤外線体温計1の室温を設定するための装置37。
【0094】
次に、本発明に係る赤外線体温計は以下のサブアッセンブリをそれぞれ組み合わせもしくは別々に有することが可能である。
【0095】
単一の室温センサー39および/または、
第一室温センサー39とは独立して室温Bを検知することが可能な第二室温センサー40および/または、
室温シグナルBを時間経過ごとに保存することができ、所定の時間間隔内において実質的に一定であった温度と室温を参照できるようになっている処理部33。
【0096】
上述の異なった構成に起因して、患者の体温測定の方法は有利には、
室温を測定する工程と、
赤外線体温計1で、患者の対象となる検温部9からの赤外線の強度を測定する(対象となる前記領域の体温を計測する目的のため)工程と、
室温に応じて検知された前記対象領域の温度を修正する(患者の真の内部温度を決定するため)工程とを含む。
【0097】
有利には、この方法は、検温部の温度修正に使われた室温の安定性/正確性を制御する工程をさらに含む。
【0098】
さらに詳細にこの方法を説明すると、前記制御工程は、計測が行われる環境もしくは計測が行われる環境と同じ室温の環境に固定されたリモートセンサー31から室温を得る工程を含む。
【0099】
現在の必要条件に応じて、前記室温を得る工程は、無線、赤外線、接続、ジャックプラグ、ケーブル、電磁誘導、電磁波、高周波、極超短波、トランスポンダーもしくは類似の遠隔伝達手段を使って行われる。
【0100】
同様に、前記室温を得る工程は、自動および/または使用者の命令で行うことが可能である。例えば、離れた機器もしくはその他の温度センサー(これは電子のものではなく一般的な水銀温度計でもよいが、本発明の機器と完全に独立したものである)で表示された数値を使用者が打ち込むことで得られる。使用者がこの温度を引き出し、キーパッド、もしくは類似した手段で赤外線体温計1に伝達する。
【0101】
本方法によると、得られた室温はメモリー38に保存され、患者の真の内部体温を決めるための検温部の温度を修正すために取り入れられる修正パラメータの処理に利用される。加えて、制御工程は、室温における基準素子36から出る赤外線の強度を検知して室温の計測する工程を有する。
【0102】
都合よく、得られた室温値はメモリー38に保存され、患者の真の内部体温を決める対象領域の温度を修正するために取り入れられる修正パラメータの処理に利用される。
【0103】
さらに、本方法に係る制御工程は、少なくとも二つの異なる室温センサー39,40で室温を計測する工程を有することともできる。この方法では、保存される室温はセンサー39、40で検知された二つの温度の関数である。
【0104】
有利には、保存された室温は検知された室温よりも低く、こうすることによって本方法に係る修正の最適な信頼性と一貫性を得ることができる。特に、真の室温の予測は、センサー39、40から供給された温度の差を参考にする修正から得られる。
【0105】
制御工程は、検知された室温が数値と時間において一定であるかを、最後に検知された保存されている一定温度の値である検温部で検知された温度を修正するために用いられる室温と確認するサブ工程を含むこともできる。
【0106】
本方法の特に好ましい実施形態において、例えば変化が0.2°以内のように、所定の修正閾値内に数値があると、室温は一定とみなされ、例えば少なくとも1分もしくは5分のように、同時に所定の修正閾値内に一定時間内あれば、室温は時間においても一定とみなされる。
【0107】
上述の方法で生成された温度結果は(請求項に記載されているように)、現在の必要条件に応じて最適な方法でオペレーターに表示される。例えば、制御工程は、ディスプレイに表示された室温を赤外線体温計についているキーパッドのようなもので書き込んで直接的に取得する工程を有することもできる。
【0108】
本方法のさらに有利な特徴において、室温を予測する工程を組み込むことも可能である。さらに詳細には、この予測工程は、所定の時間内にセンサー39、40で検知された温度数値の補外法で得ることができる(必要であれば、補間法でもよい)。
【0109】
言い換えると、典型的には漸近値に近づく「時間曲線」を作成するために予測工程は異なる温度数値のサンプリングを有することができる(これは、代わって、一定時間後に体温計により安定された室温とみなされる)。さらに、物理数学的式(既知のもの)の少なくとも部分的な使用は、時間および/または室温の安定化を計算で決定するのに取り入れることができる。
【0110】
都合よく、この予測工程は、両温度センサー39,40の同一の温度上昇率または下降率の記録をすることを確認する作業に条件的に取り入れることができる。実際には、この対応条件では、赤外線体温計1が室温の変化要因(例えばオペレーターの手の中にあったり、または体に近い衣類のポケットに収められているような場合)に左右されず、さらに患者のいる環境の真の温度に実質的にさらされていることが必要である。
【0111】
予測工程は、一定時間においてセンサー39、40の温度が正か負の変化であることを判断するサブ工程を含み、続いてこの変化(言い換えると、「時間曲線の」)を判断し、予測工程において補間および/または補外法で修正パラメータを特定することが有利に可能である。この修正パラメータが決定された後(これは実験式を基に計算されてもよく、もしくは統計解析後に適切な方法で保存されたものでもよい)、本発明の方法は前記修正パラメータを計測された体温に取り入れることができる。
【0112】
室温の予測工程は、それ故平衡状態における室温の「予測」数値を定義することができ、これは非常に短時間で計算されて保存され(従って、体温計1をすぐに使用できる)、もしくは体温計の安定時間を計算する工程を開始するのに使える。最後に述べた工程の代替えとして、前述の時間曲線の漸近温度を確立する代わりに、漸近温度に達する時間を確立してから、カウントダウンを構成することができ(例えば、体温計ディスプレーの適切な表示によって)、それが終了すると、体温計は室温に安定され、最も正確および/または精密に使用できる状態になる。
【0113】
本発明の他の顕著な特徴として、ここで記載された方法は、体温が計測される身体の他の部分にも適用できることが挙げられる。例えば、患者の検温部9から出る赤外線の強度の検知は、有利には患者の耳付近からくる赤外線の検知のサブ工程を含むことができる。
【0114】
耳にプローブを挿入して温度を検知する既知の方法のようではなく、本発明の別の方法では、耳にプローブを挿入せず、逆に計測機器を前記耳から遠ざけるので、患者に対する非挿入性において有利である。
【0115】
通常患者の額は耳よりも冷たいこと(額は外気によりさらされているため)を考慮するために、本方法は、追加の修正パラメータを含むことも可能である。この追加の修正パラメータは、患者の額部分の表面温度と同一の患者の耳の温度の差と関連し、当然ながら、本方法は前記パラメータの適用を耳で計測された温度に取り入れることが出来る。
【0116】
温度確認を耳で解析することは、患者の額の状態が直接的計測を行うのに最適でない場合、たとえば汗などがある場合などまたは赤外線の特徴を変えることができる全ての場合などに有利である。
【0117】
本発明は重要な利点を実現している。
【0118】
第一に、この適用された方法は体温計の環境の不安定さによる問題を解決している。
【0119】
説明された方法と機器それぞれは、より正確な室温測定もしくはその制御を行えるようになっている。
【0120】
真の実際の室温を導入することは、より信頼できる測定を可能にし、突発的な外部要因、たとえば温度計の室温変化と体温測定が行われる被験者がいる環境の室温変化が対応しない等に左右されない。本発明は、体温計の間違った位置設定または使用(たとえば、医師のポケットにある場合、または体温計を扱いすぎた場合、または患者の汗ばんだ額など)に関連する温度測定を無効にする問題点を解決している。
【0121】
上記の、検温部に部位を縮小することができ、さらに体温計を正しい距離に持って行く手段を有した適切な導波管は、繰り返し使えてさらに実質的に最小限もしくはエラーがゼロである正確な計測を可能にする。
【0122】
いずれの場合においても、室温の安定化/制御のための全システムと導波管は、接触型もしくはスライド式体温計にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】図1は、赤外線体温計の概略図である。
【図2】図2は、本発明に係わる体温測定機器の概略図である。
【図3】図3は、図1と図2で示されている体温計の導波管とセンサーを示している。
【図4】図4は、図2で示されている体温測定機器の代替の実施例の概略図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に患者の体温を計測する方法であって、
室温を測定する工程と、
患者の検温部(9)からくる赤外線の強度を赤外線体温計を介して検知し、前記検温部(9)の温度を決定する工程と、
患者の真の内部体温を得るために検温部(9)で検知された前記温度を室温に応じて修正する工程とを有し、
さらに前記検温部の前記温度を是正するのに使用される室温の安定性、正確性を制御する工程とを有することを特徴とする体温計測方法。
【請求項2】
前記制御工程は、計測が行われる環境、または計測が行われる環境と同じ室温を有する環境に静的に置かれたリモートセンサー(31)から室温を得る工程を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記室温を得る工程は、無線、赤外線、接続、ジャックプラグ、ケーブル、電磁誘導、電磁波、高周波、極超短波、トランスポンダーもしくは類似した遠隔伝達手段を使って行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記室温を得る工程は、自動もしくは使用者の命令で行われ、前記室温を得る工程が他の温度計で検知された室温データを書き込むことで行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
得られた前記室温数値は、メモリー(38)に保存され、患者の真の内部体温を知るために検温部を補正するのに適用される修正パラメータの処理に使われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記制御工程は、室温における基準素子(36)からの赤外線放射の強度検知によって行われる室温計測を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
得られた前記室温数値は、メモリー(38)に保存され、患者の真の内部体温を知るために検温部を補正するのに適用される修正パラメータの処理に使われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記制御工程は、室温を少なくとも二つの室温センサー(39,40)で計測する工程を有し、保存された室温が前記センサー(39,40)で検知された二つの室温の関数であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
保存された室温は、検知された二つの室温よりも低いことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
真の室温の予測が、前記センサー(39,40)で提供された前記温度の差を参照して修正されることで得られることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記制御工程は、検知された室温が数値と時間において一定であるかを確認するサブ工程を有し、検温部で検知された温度を是正するために使われる室温は、保存された一定な温度の最後の数値であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記室温は、所定修正閾値を超えなければ、例えば0.2°の変化範囲内にあれば一定とみなすことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記室温は、所定修正閾値内に一定の時間、例えば少なくとも1分から5分の時間において変化しなければ一定とみなす請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御工程が、ディスプレーから室温を読み取り、赤外線体温計にキーパッドもしくは音声指示で書き込むことを通じて室温を直接に得る工程を有する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
室温の予測工程を含み、好ましくは前記予測工程は、連続して行われる所定の時間間隔においてセンサー(39,40)で検知された温度数値の補間法および/または補外法により行われ、さらに好ましくは前記予測工程は、両室温センサー(39,40)が同じ温度上昇率または下降率の記録を照合する条件で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記予測工程は、時間において一定な前記センサー(39,40)の正もしくは負の温度変化を決定するサブ工程を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記予測工程は、その予測工程内で室温の補間計算もしくは補外計算される室温の関数として修正パラメータを特定するサブ工程を有し、好ましくは、前記修正パラメータを検知された室温に適用する工程を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
患者の検温部(9)から出る赤外線の強度を検知する前記工程は、耳付近からくる赤外線を検知するサブ工程を有する前述の請求項1から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記予測工程は、体温計の安定までにかかる時間をカウントするサブ工程を有し、前記カウント工程は好ましくは前記安定までにかかる時間を表示するサブ工程を有することを特徴とする請求項15から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
耳付近からくる赤外線検知の前記サブ工程は、プローブを耳に挿入しないことを特徴とする請求項15から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
少なくとも一つの付加的修正パラメータを決定するサブ工程を有し、前記少なくとも一つの付加的修正パラメータは、患者の額部分と同患者の耳の表面温度差と関連し、好ましくは、計測された温度に前記付加的修正パラメータを適用するサブ工程を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
特に患者の体温計測用の赤外線体温計であって、
使用者用に少なくとも一つ掌握部(3)を形作るように設計された本体部(2)と、
温度を測るべき身体から放出された赤外線を検知する手段(6)とを有し、
前記検知手段は、本体部(2)と機能的に関連し、さらに、赤外線強度の検出部(7)を少なくとも一つ有し、
周囲の環境の温度を検知する第一室温センサー(39)と、
前記検出部(7)と機能的に関連しおり、第一室温部(39)と、検出部自体から受信した赤外線に対応する体温シグナル(A)と室温シグナル(B)をそれぞれ受信することが可能な処理部(33)とを有する赤外線体温計であって、
前記処理部(33)は室温シグナル(B)の時間経過を保存し、前記処理部(33)は所定時間間隔において実質的に一定であった最後の温度を室温の基準として保有しておくことを特徴とする赤外線体温計。
【請求項23】
前記室温は、その最大の温度変化範囲が所定閾値より低く、例えば1度の2/10以下である場合に室温が一定であるとみなすことを特徴とする請求項22に記載の温度計。
【請求項24】
室温が一定でなければならない前記時間間隔は15秒以上一定でなければならず、好ましくは1分以上であることを特徴とする請求項22に記載の温度計。
【請求項25】
前記処理部(33)は入力信号として室温シグナル(B)と、赤外線と比例する体温シグナル(A)とを受信し、室温シグナル(B)は処理部(33)で正もしくは負の修正パラメータの決定を可能にし、検出部(7)で検知された体温(A)を補正して患者の真の体温を決定することを特徴とする請求項22に記載の温度計。
【請求項26】
前記処理部(33)と機能的に関連し、さらに検温部からの距離「D」に対する検出部(7)の正しい位置状況を決定するように設計されている制御部(34)をさらに有することを特徴とする請求項22から25のいずれかに記載の温度計。
【請求項27】
周囲の環境の温度を検知するために備えられた第二センサー(40)をさらに有し、前記第二センサー(40)は好ましくは、第一センサー(39)とは独立して室温(B)を検知することができ、前記室温(B)は、第一もしくは第二センサー(39,40)の温度数値をとって確立し、または二計測の差が所定閾値以下、例えば0.2°以下、である場合は、二つのセンサー(39,40)の間の数値をとることで確立することを特徴とする請求項22に記載の温度計。
【請求項28】
体温を測るべき体側を向いた第一端部(8a)と前記検出部側を向いた第二端部(8b)を持つ少なくとも一つの導波管(8)をさらに有し、前記導波管(8)は、互いに対向し第一および第二開口部(11,12)を相互交信できるようにする通路を画定する内表面(10)を有することを特徴とする請求項22から27のいずれかに記載の温度計。
【請求項29】
前記導波管(8)の内表面(10)は長手方向断面で弧線(13,14)を形作り、その弧線は筒状体自体の長手方向対称軸Lに対して対称に配置され、前記対向する弧線は、段階的に第一開口部(11)から第二開口部(12)に向けて移動に際して飛躍的に収束することを特徴とする請求項28に記載の温度計。
【請求項30】
前記弧線(13,14)は実質的に放物線の弧であることを特徴とする請求項29に記載の温度計。
【請求項31】
前記導波管(8)の前記第一開口部(11)には防御マスクが付けられていないことを特徴とする請求項28に記載の温度計。
【請求項32】
前記検出部(7)は実質的に前記放物線の弧(13,14)の焦点に配置されていることを特徴とする請求項30に記載の温度計。
【請求項33】
請求項22から31に記載の赤外線体温計(1)を有し、
前記体温計は、使用者用に少なくとも一つの掌握部(3)を画定するように設定された本体部(2)と、前記本体部(2)と機能的に関連し、少なくとも一つの赤外線強度の検出部(7)を持つ検知手段(6)であって、温度を測定すべき体から放射される赤外線を検出するための検知手段(6)とを有する温度計測装置であって、
前記温度計測装置は、前記赤外線体温計(1)と分離しており、リモートセンサー(31)を持つ補助体(30)と、
リモートセンサー(31)で検知した温度を前記赤外線体温計(1)に転送する伝達手段(32)を有することを特徴とする特に患者用の温度計装置。
【請求項34】
前記リモート温度センサー(31)はサーミスターであり、室温を検知するように設計されていることを特徴とする請求項33に記載の機器。
【請求項35】
前記伝達手段(32)は、ワイヤレス遠隔交信手段で、例えば無線、赤外線、電磁誘導、もしくはトランスポンダーのようなものであることを特徴とする請求項33と34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
前記補助体(30)は環境内もしくは室内に静的に配置され、前記リモートセンサー(31)はバッテリーまたはコンセントで電力が供給されうることを特徴とする請求項33から35のいずれかに記載の装置。
【請求項37】
赤外線体温計(1)は、検出部(7)と機能的に関連する処理部(33)を有し、
検出部自体が感知した赤外線に比例する患者からの体温シグナル(A)を受信することが可能であることを特徴とする請求項33から36のいずれかに記載の装置。
【請求項38】
前記処理部(33)が、前記リモートセンサー(31)から送られた室温シグナル(B)を受信できることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記処理部(33)は、前記室温シグナル(B)と赤外線に比例する前記体温シグナル(A)を入力信号として受信し、前記室温シグナル(B)は前記検出部(7)で検知された体温(A)を補正するための正または負のパラメータを処理部(33)で決定し、患者の真の体温を決定できるようにすることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項40】
請求項21から31に記載の赤外線体温計(1)を有する温度計測装置であって、前記温度計装置は、
前記本体部(2)から分離した室温における基準素子(36)と、
前記基準素子(36)の温度(B)を検知し、その温度を前記赤外線体温計(1)のための前記基準素子を前記室温に設定する手段をさらに有することを特徴とする特に患者用の温度測定装置。
【請求項41】
前記赤外線体温計(1)は、前記検出部(7)と機能的に関連する処理部(33)を有し、患者から発せられて、検出部自体で感知された赤外線に比例する体温シグナル(A)を受信することができることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記赤外線体温計(1)は、一以上の室温(B)を保存することが出来るメモリー(38)を有し、前記基準素子(36)の温度を検知する前記手段(37)は、前記メモリー(38)中の室温(B)を前記基準素子(36)で検知された前記室温に選択的に置き換えることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記処理部(33)は、室温シグナル(B)を入力信号として受信することができ、前記室温シグナル(B)は前記メモリー(38)からくるもので、前記基準素子(36)の前記温度に相当することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記処理部(33)は、入力信号として前記室温シグナル(B)を受信すると共に前記赤外線と比例する前記体温シグナル(A)を受信することができ、前記室温シグナル(B)は検出部(7)で検知された前記体温(A)を補正する正もしくは負の修正パラメータを前記処理部(33)で患者の真の体温を決定できるようにすることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記基準素子(36)は、好ましくはプラスチックのプレートを有し、暖房もしくは冷房装置から遠い位置または壁に置かれていることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項46】
少なくとも一つの第一および第二室温センサー(39,40)が本体部(2)内に取り付けられ、それぞれ独立して室温(B)を検知できることを特徴とする請求項21から31のいずれかに記載の温度計測用の赤外線体温計。
【請求項47】
前記第一および第二室温センサー(39,40)は本体部(2)の相互に反対に配置されていることを特徴とする請求項46に記載の温度計。
【請求項48】
前記赤外線体温計(1)は、前記検出部(7)と機能的に関連する処理部(33)を有し、前記検出部自体の感知された赤外線と比例する体温シグナル(A)を受信することができることを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項49】
前記処理部(33)は、前記室温センサー(39,40)からの前記温度シグナルを入力信号として受信し、これらの二つのセンサー動作に応じて室温を予測することを特徴とする請求項48に記載の温度計。
【請求項50】
前記室温は、二つもしくはそれ以上の前記室温センサー(39, 40)で検知された低い方の室温数値を得ることで確立されることを特徴とする請求項46に記載の温度計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−538965(P2008−538965A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508351(P2008−508351)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003859
【国際公開番号】WO2007/054821
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(507357070)テクニメド エス.アール.エル. (2)
【氏名又は名称原語表記】TECNIMED S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Piazzale Cocchi,12,I−21040 Vedano Olona,ITALY
【Fターム(参考)】