説明

情報伝達装置

【課題】外出しようとする人に気象関連情報に基づいた情報を玄関先で伝達することで、気象状況に対する注意喚起が確実に行える情報伝達装置を提供することにある。
【解決手段】情報伝達装置Aは、玄関に配置される建具や家具等の玄関周り設備,例えば傘立て7に有機EL発光素子からなる表示器8を備え、外部の天気情報サーバ8からの天気情報に基づいて表示器8の発光状態を変化させ天気情報を外出する人に伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象情報を玄関先で伝達する情報伝達装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット上に気象庁や気象情報提供業者が設置している天気情報サーバから天気情報を取得し、この天気情報に基づいて機器制御を行うシステムが近年提供されてきている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平2006−203518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に開示されているシステムでは、インターネット上の天気情報サーバから配信される天気情報を受け取った家庭内のホームゲートウェイが家庭内のネットワーク家電機器を天気情報に基づいて制御するものであって、例えば雨が降った日にはエアコンを除湿運転させたり、或いは気温が高かった日には設定温度を低くするなどの自動操作を行うようにしたものである。
【0004】
しかし、このシステムでは、雨が降る確率の高い日等に外出する人に、傘を忘れなどの注意喚起を与える機能等の身近で且つ有効な機能が備わっておらず、家庭内の機器は天気に対応した制御ができても、外出先で雨にあってずぶ濡れになり、風邪を引く等という問題には何ら役立たないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、外出しようとする人に気象関連情報に基づいた情報を玄関先で伝達することで、気象状況に対する注意喚起が確実に行える情報伝達装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、玄関に配置される建具や家具等の玄関周り設備に有機EL発光素子からなる情報伝達手段を備え、外部からの気象関連情報に基づいて情報伝達手段の発光状態を変化させ気象関連情報の伝達を行うことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記玄関周り設備が傘立てであって、前記気象関連情報が天気情報であることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記天気情報は、広域ネットワーク上に設けられた天気情報提供用サーバから住宅内のホームサーバに送られてくる情報であって、前記情報伝達手段には前記ホームサーバに接続される宅内ネットワークを介して前記天気情報を受け取る通信手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、外出しようとする人に気象関連情報に基づいた情報を玄関先で伝達することで、外出しようとする人に、気象状況に対応して傘を持って出ることや、防寒対策等に対する注意喚起が確実に行えるいう効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態の情報伝達装置を用いたシステム構成を示しており、情報伝達装置Aを設置する宅内Hには、接続業者の通信回線を通じてインターネット1に接続されるとともにホームサーバ(ホームゲートウェイ)2と、このホームサーバ2のルーティング機能と、ハブ機能を利用した宅内ネットワーク(以下LANという)3には、住宅内の家電機器4を制御・監視するコントローラ41、本実施形態の情報伝達装置のコントローラ32、更にコントローラ41との間で制御情報や監視情報の授受を行うことで、コントローラ31を通じて家電機器4を制御したり、家電機器4の状態を監視する操作・表示装置5等をLAN用のネット端末として接続している。
【0011】
コントローラ41は例えば時分割多重伝送信号によって制御監視を行う伝送ユニットを構成し、信号線Lに接続した家電機器6内の端末部に対してアクセスを行うことで、家電器6を制御したり、家電機器6の状態情報を取得するようになっている
ここで、本実施形態の情報伝達装置Aは、コントローラ42と、このコントローラ42に接続された表示器8とで構成され、表示器8は、図2に示すように玄関EN周りの設備の一つである傘立て7に組み込まれ、その発光面を傘立て7の開口周縁部の上面に設けてある。
【0012】
コントローラ42は、インターネット1上に気象庁或いは気象情報提供業者が設置した天気情報サーバBからインターネット1,ホームサーバ2,LAN3を通じて天気情報を定期的に取得し、その天気情報を表示器8に渡す機能を備え、この表示器8とともに情報伝達装置Aを構成する。
【0013】
表示器8は、図3(a)、(b)に示すように環状の基板80の表面に等間隔で円弧状の例えば4個の有機EL発光素子81を配置して形成された発光表示部82と、図4に示すように発光表示部82の各有機EL発光素子81の発光状態を、コントローラ42から受け取る天気情報に基づいて制御する発光制御部83とで構成される。
【0014】
発光表示部82は図示するように有機EL発光素子81の外側に位置する基板80の表面に、各有機EL発光素子81に対して発光用の直流電圧を印加するための負極電極84aと、正極電極84bとを交互に周方向に設けており、正極電極84bと負極電極84a間に印加される直流電圧がオンオフされることで、負極電極84aに対応する有機EL発光素子81の発光を個別に制御されるようになっている。
【0015】
発光制御部83は、図示するように各有機発光素子81に発光のための直流電圧を供給する駆動電源部83aと、天気情報から降雨確率や、予想気温、予想風速等を判断する判断部83bと、該判断機能部83bが判断した天気情報内容に基づいて駆動電源部83aから有機EL発光素子81への直流電圧供給を上述の各負極電極82への通電路をオンオフすることで制御する制御機能部83cとを備えている。
【0016】
而して発光制御部83の判断機能部83bは、コントローラ42を通じて受け取る天気情報サーバBからの天気情報に含まれる例えば降雨確率を判断し、その判断結果を受け取る制御機能部83cは、例えば降雨確率が0〜25%の場合には発光させる有機EL発光素子81を一つ、25%を越えて50%までの場合には発光させる有機EL発光素子81を2つ、更に50%を越え、75%までの場合には発光させる有機EL発光素子81を3つ、更に75%を越え100%までの場合には発光させる有機EL発光素子81を4つというように発光数を、駆動電源部83aを通じて制御する。
【0017】
これにより、外出しようとする人Mは、有機EL発光素子81の発光数を見ることで、当日の降雨確率を知ることができ、これにより傘Xを持って出る必要があるか否かの判断ができ、それにより外出先で雨に濡れることが少なくなる。
【0018】
また点滅パターンを変えることで、当日の予想気温に対応して例えば「寒くなるので、防寒対策を」、また「暑くなるので防暑対策を」というようなメッセージを間接的に伝えたり、或いは風雨が強くなることをアピールする表示を行う。これにより、外出時の服装を見直すことができることになる。
【0019】
尚発光色を変化させたり、有機EL発光素子81の数を増加させることで、伝達する情報量を増やすことができ、これによって花粉情報や、紫外線情報などをも提示することができ、実施形態には限定されない。
【0020】
更に本実施形態では有機EL発光素子81の数を4個としているが、これに限定されるものではなく、5個以上であってもよく、また4個未満でも良い。更に完全な円環状に形成した1個の有機EL発光素子81を用いても良い。
【0021】
また、完全な円環状に形成した1個の有機EL発光素子81を用いる場合には、例えば連続発光で”晴れ”を、低速度で発光を点滅させて”曇り”を、高速度で発光を点滅させて”雨”をというように発光状態の変化によって複数の天気情報を伝達するようにしても良い。
【0022】
また、更に円環状に形成した有機EL発光素子81を複数同心円状に配置して夫々の有機EL発光素子81の発光状態や、発光状態の組み合わせより、複数の天気情報を伝達するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1を用いたシステム構成図である。
【図2】実施形態1の表示器の配置例図である。
【図3】(a)は実施形態1の表示器の発光表示部の上面図、(b)は側面図である。
【図4】実施形態1の表示器の構成図である。
【符号の説明】
【0024】
A 情報伝達装置
B 天気情報サーバ
H 宅内
1 インターネット
2 ホームサーバ
3 LAN
41,42にコントローラ
5 操作・表示装置
6 家電機器
7 傘立て
8 表示器
82 発光表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関に配置される建具や家具等の玄関周り設備に有機EL発光素子からなる情報伝達手段を備え、外部からの気象関連情報に基づいて情報伝達手段の発光状態を変化させ気象関連情報の伝達を行うことを特徴とする情報伝達装置。
【請求項2】
前記玄関周り設備が傘立てであって、前記気象関連情報が天気情報であることを特徴とする請求項1記載の情報伝達装置。
【請求項3】
前記天気情報は、広域ネットワーク上に設けられた天気情報提供用サーバから住宅内のホームサーバに送られてくる情報であって、前記情報伝達手段には前記ホームサーバに接続される宅内ネットワークを介して前記天気情報を受け取る通信手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の情報伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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