説明

情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム

【課題】画像や音声を用いたリアルタイムでのコミュニケーションを容易に開始することができるようにする。
【解決手段】本技術を適用した情報処理システムは、ユーザが操作するアバターの仮想空間上の位置を管理する位置管理部と、前記ユーザ同士のコミュニケーションの予定を管理する予定管理部と、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザのアバターが、前記仮想空間上の予め決められた場所に集まった場合、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザが使用する端末間の通信を確立させ、画像と音声のうちの少なくともいずれかの送受信を行わせる制御部とを備える。本技術は、コンピュータからなるネットワークシステムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、画像や音声を用いたリアルタイムでのコミュニケーションを容易に開始することができるようにした情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して行われるリアルタイムでのコミュニケーションの方法には、テキストを用いたチャットだけでなく、音声を用いたVoIP(Voice over Internet Protocol)や、画像と音声を用いたテレビ電話がある。テレビ電話の機能を利用して、例えば、複数人で会議を行ったり、教師と生徒の間で英会話の授業を行ったりすることも一般的なものになっている。
【0003】
特許文献1には、仮想空間上で授業や会議を行う場合の画面表示に関する技術が記載されている。また、特許文献2には、教材データに基づいて各学生が非同期に授業を受けることができる非同期授業と、各学生が情報をやりとりしながら授業を受けることができる同期授業とを仮想空間を利用して提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−70030号公報
【特許文献2】特開2003−233296号公報
【特許文献3】特開2001−243179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
仮想空間において会議や授業を始めるためには、各参加者が、電話番号やIPアドレスを指定して他の参加者に対する発呼を行う必要がある。各参加者が使用する端末には電話番号やIPアドレスなどの識別番号が割り当てられている。発呼先の相手から応答があったとき、発呼元の端末と発呼先の端末間で接続が確立され、これにより、画像(動画)や音声を用いたリアルタイムの双方向通信が可能となり、会議や授業が開始されることになる。
【0006】
ところで、現実の世界で生徒が授業を受ける場合、先生の電話番号などの識別番号を意識することがない。授業の開始時に予め決められた教室に行き、その教室に先生が来て授業が始まることになる。
【0007】
仮想空間での授業も同様に、授業の開始時に生徒が先生の識別番号を意識することなく開始されるようにすることが望ましい。例えば、生徒が既に待っている教室に授業開始時刻になったときに先生が後から来て、そのまま授業が開始されるようにすることが望ましい。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、画像や音声を用いたリアルタイムでのコミュニケーションを容易に開始することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一側面の情報処理システムは、ユーザが操作するアバターの仮想空間上の位置を管理する位置管理部と、前記ユーザ同士のコミュニケーションの予定を管理する予定管理部と、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザのアバターが、前記仮想空間上の予め決められた場所に集まった場合、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザが使用する端末間の通信を確立させ、画像と音声のうちの少なくともいずれかの送受信を行わせる制御部とを備える。
【0010】
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザは、画像と音声による授業を提供する教師と、前記授業を受ける生徒であるようにすることができる。
【0011】
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザは、画像と音声による会議の参加者であるようにすることができる。
【0012】
前記制御部には、予め決められた前記場所が、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターの自宅として割り当てられた場所である場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザのアバターが前記自宅に移動してきたときに前記端末間の通信を確立させることができる。
【0013】
前記制御部には、前記端末間の通信を確立させた後、前記コミュニケーションをとっている前記ユーザのアバターが予め決められた前記場所から移動した場合、前記端末間の通信を切断させることができる。
【0014】
前記制御部には、予め決められた前記場所が建物内の部屋であり、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターが前記部屋にいる場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザのアバターが前記建物に入ったときに前記端末間の通信を確立させることができる。
【0015】
前記制御部には、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターが予め決められた前記場所にいる場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザが、自身の予定から前記コミュニケーションの予定を指定したときに前記端末間の通信を確立させることができる。
【0016】
前記コミュニケーションの開始予定時刻になった場合、予め決められた前記場所にアバターを移動させていない前記ユーザにメッセージを送信する送信制御部をさらに設けることができる。
【0017】
前記送信制御部には、予め決められた前記場所にアバターを移動させていない前記ユーザが使用する携帯端末にSMSのメッセージを送信させることができる。
【0018】
本技術の一側面においては、ユーザが操作するアバターの仮想空間上の位置が管理され、前記ユーザ同士のコミュニケーションの予定が管理され、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザのアバターが、前記仮想空間上の予め決められた場所に集まった場合、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザが使用する端末間の通信が確立され、画像と音声のうちの少なくともいずれかの送受信が行われる。
【発明の効果】
【0019】
本技術によれば、画像や音声を用いたリアルタイムでのコミュニケーションを容易に開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本技術の一実施形態に係る仮想空間提供システムと端末の接続例を示す図である。
【図2】アバターの外観を示す図である。
【図3】仮想空間の全体の構成例を示す図である。
【図4】図書館の内部の例を示す図である。
【図5】教師の家の内部の例を示す図である。
【図6】仮想空間のデータ構造の例を示す図である。
【図7】上位空間の空間IDの例を示す図である。
【図8】下位空間の空間IDの例を示す図である。
【図9】部屋内のレイアウト構成を示す図である。
【図10】位置情報のデータ構造の例を示す図である。
【図11】仮想空間提供システムの構成例を示す図である。
【図12】仮想空間管理サーバのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図13】仮想空間管理サーバの機能構成例を示すブロック図である。
【図14】ユーザ情報の例を示す図である。
【図15】教師用端末のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図16】教師用端末の機能構成例を示すブロック図である。
【図17】アバターの位置を管理する処理について説明するフローチャートである。
【図18】授業用通信を確立する処理について説明するフローチャートである。
【図19】授業用通信時の画面の例を示す図である。
【図20】授業用通信を切断する処理について説明するフローチャートである。
【図21】表示画面の例を示す図である。
【図22】授業用通信を確立する他の処理について説明するフローチャートである。
【図23】授業用通信を確立するさらに他の処理について説明するフローチャートである。
【図24】スケジュールの一覧の例を示す図である。
【図25】メッセージを送信する仮想空間管理サーバの処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<仮想空間提供システムの接続例>
図1は、本技術の一実施形態に係る仮想空間提供システムと端末の接続例を示す図である。
【0022】
図1の仮想空間提供システム1は、1つまたは複数のサーバから構成され、インターネット2を介してアクセスしてきた端末のユーザに対して仮想空間サービスを提供する。仮想空間提供システム1にアクセスした端末のユーザは、それぞれ、端末のディスプレイに表示される図2に示すような生徒アバターSと同様の外観を有するアバターを動かして仮想空間内で各種の活動を行う。ユーザは、アバターを動かし、例えば、アバターを介して他のユーザとコミュニケーションを図ったり、映画やゲームなどのコンテンツを利用したりすることができる。
【0023】
端末3−1乃至3−3は、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯型ゲーム機などの電子機器である。図1の例においては、端末3−1乃至3−3の3台の端末が仮想空間提供システム1に接続されているが、実際にはさらに多くの端末が仮想空間提供システム1に接続される。
【0024】
端末3−1乃至3−3には、各種の画像を表示するディスプレイの他に、マイクロフォン、スピーカ、およびカメラが設けられる。端末3−1乃至3−3のユーザは、仮想空間提供システム1にアクセスし、設定しておいた仮想空間上での予定に従って、他の端末のユーザと、画像と音声を用いたリアルタイムでのコミュニケーションを図ることができる。
【0025】
例えば端末3−1のユーザと端末3−2のユーザがコミュニケーションを行う場合、端末3−1と端末3−2においては、それぞれのユーザをカメラによって撮影し、音声をマイクロフォンによって集音することが行われる。端末3−1により取得された画像と音声(端末3−1のユーザの画像と音声)は、インターネット2と、適宜、仮想空間提供システム1を介して端末3−2に送信され、端末3−2において出力される。一方、端末3−2により取得された画像と音声(端末3−2のユーザの画像と音声)は、インターネット2と、適宜、仮想空間提供システム1を介して端末3−1に送信され、端末3−1において出力される。
【0026】
これにより、端末3−1のユーザと端末3−2のユーザは、互いに、相手の顔を見ながら音声による会話をリアルタイムで行うことが可能になる。仮想空間提供システム1においては、このようなリアルタイムでのコミュニケーションを使って、複数のユーザによる会議や、教師と生徒が1対1または1対多の授業が実現される。
【0027】
以下、主に、リアルタイムでのコミュニケーションを使って授業を行う場合について説明する。端末3−1を、授業を行う教師の端末とし、適宜、教師用端末3−1という。また、端末3−2を、授業を受ける生徒の端末とし、適宜、生徒用端末3−2という。図2の生徒アバターSは、端末3−2のユーザのアバターである。端末3−1乃至3−3をそれぞれ区別する必要がない場合、適宜、まとめて端末3という。
【0028】
<仮想空間について>
[仮想空間の構成]
図3は、仮想空間提供システム1が提供する仮想空間11の全体の構成例を示す図である。
【0029】
仮想空間11には街が形成され、建物、道路、広場などが用意される。図3の例においては、コミュニケーション広場26が仮想空間11のほぼ中央に設けられる。コミュニケーション広場26の左側に、上下方向の道路31と左右方向の道路32とが設けられ、右側に、上下方向の道路33と左右方向の道路34とが設けられる。
【0030】
仮想空間11内の建物として、仮想空間11の左上に図書館21が設けられ、図書館21と道路31を挟んだ場所にゲームセンター22が設けられる。また、仮想空間11の右上にショッピングモール23が設けられ、コミュニケーション広場26と道路31を挟んだ場所に映画館24が設けられる。映画館24と道路32を挟んだ場所に家25が設けられ、コミュニケーション広場26と道路33を挟んだ場所に家27が設けられる。
【0031】
コミュニケーション広場26は他のユーザとチャットなどによりコミュニケーションを図ることが可能な場所である。ユーザは自身のアバターをコミュニケーション広場26にいる他のアバターの位置まで移動させて所定の操作を行うことによって、そのアバターのユーザと例えばチャットを行うことができる。
【0032】
コミュニケーション広場26には掲示板41乃至43が用意されている。ユーザは自身のアバターを掲示板41乃至43の位置まで移動させて所定の操作を行うことによって、掲載された情報を閲覧したり、情報を掲載したりすることができる。アバターが掲示板41乃至43の前にいる状態で所定の操作が行われたとき、端末3のディスプレイにはコミュニケーション広場26の画面に代えて掲示板サイトの画面が表示される。
【0033】
図書館21は、書籍のコンテンツを利用することが可能な建物である。ユーザが自身のアバターを図書館21の場所まで移動させたとき、端末3のディスプレイには図書館21の内部を示す画面が表示される。
【0034】
図4は、図書館21の内部の例を示す図である。図書館21には本棚51,52が用意される。例えば、生徒用端末3−2のユーザは、生徒アバターSを本棚51,52に近づけ、所定の操作を行うことによって書籍を選択することができる。
【0035】
書籍が選択されたとき、仮想空間提供システム1から生徒用端末3−2に対して書籍のデータが送信され、図書館21内の画面に代えて、書籍の内容を表示する画面が生徒用端末3−2のディスプレイに表示される。これにより、生徒用端末3−2のユーザは、仮想空間11内で選択した書籍を閲覧することができる。
【0036】
他の建物の中にも、図書館21の中と同様に、コンテンツを利用したりショッピングを行ったりするための設備が用意される。
【0037】
ゲームセンター22は、例えば教育に関するゲームのコンテンツを利用することが可能な建物である。ユーザが自身のアバターをゲームセンター22の場所まで移動させたとき、端末3のディスプレイにはゲームセンター22の内部を示す画面が表示される。ゲームセンター22内にはゲームの種類毎にゲーム機が用意されている。ユーザは、アバターをゲーム機の前に移動させ、所定の操作を行うことによってゲーム機を選択することができる。
【0038】
ゲーム機が選択されたとき、仮想空間提供システム1から端末3に対してゲームのデータが送信され、ゲームセンター22内の画面に代えて、ゲームの画面が端末3のディスプレイに表示される。これにより、端末3のユーザは、仮想空間11内で選択したゲームで遊ぶことができる。
【0039】
ショッピングモール23は、ショッピングを行うことが可能な建物である。ユーザが自身のアバターをショッピングモール23の場所まで移動させたとき、端末3のディスプレイにはショッピングモール23の内部を示す画面が表示される。ショッピングモール23内には複数の店舗が用意されている。ユーザは、アバターを所定の店舗の前に移動させ、所定の操作を行うことによって、その店舗を選択することができる。
【0040】
店舗が選択されたとき、仮想空間提供システム1から端末3に対してショッピングサイトや商品のデータが送信され、ショッピングモール23内の画面に代えて、ショッピングサイトや商品の購入画面が端末3のディスプレイに表示される。これにより、端末3のユーザは、仮想空間11上で買い物を行うことができる。
【0041】
映画館24は、映画のコンテンツを利用することが可能な建物である。ユーザが自身のアバターを映画館24の場所まで移動させたとき、端末3のディスプレイには映画館24の内部を示す画面が表示される。映画館24内には複数の部屋(サブブロックエリア)が用意されており、提供する映画が部屋毎に割り当てられている。ユーザは、アバターを所定の部屋に移動させることによって、その部屋に割り当てられている映画を選択することができる。
【0042】
映画が選択されたとき、仮想空間提供システム1から端末3に対して映画のデータが送信され、映画館24内の画面に代えて、映画の画像が端末3のディスプレイに表示される。また、音声がスピーカから出力される。これにより、端末3のユーザは、仮想空間11内で選択した映画を視聴することができる。
【0043】
家25は、教師として活動するユーザに割り当てられた部屋(教室)を有する教師の家である。教師用端末3−1のユーザに割り当てられた部屋も家25の中に存在する。
【0044】
図5は、教師の家25の内部の例を示す図である。教師の家25には部屋61乃至65が並べて設けられ、通路を挟んで反対側に、部屋66,67、および受付カウンター70が設けられる。
【0045】
教師用端末3−1のユーザが仮想空間提供システム1にログインした場合、教師用端末3−1のディスプレイには、教師用端末3−1のユーザのアバターである教師アバターTが自身の部屋として割り当てられた部屋61にいる状態の画面が表示される。教師用端末3−1のユーザは、例えば教師アバターTが部屋61にいるときに所定の操作を行うことによって、授業を行う事が可能な時間を入力する。授業の予定に関する情報は、教師用端末3−1のユーザのIDなどと紐付けられて、後述する仮想空間管理サーバ103のユーザ情報管理部152に登録される。
【0046】
図3の家27は、生徒用端末3−2のユーザに割り当てられた家である。生徒用端末3−2のユーザが仮想空間提供システム1にログインした場合、生徒用端末3−2のディスプレイには、生徒アバターSが自身の部屋にいる状態の画面が表示される。生徒用端末3−2のユーザは、生徒アバターSを図3に示すように家27の外に移動させたり、生徒アバターSが家27内にいるときに所定の操作を行うことによって、授業の予約を行う事が出来る。すなわち、生徒アバターSは、授業を受けたい教師に関する得意分野などの要求、希望する授業時間を指定すると、後述するユーザ情報管理部152において、既に登録されている教師のプロファイル、授業を行う事の出来る時間と照合され、条件に適合した教師と授業可能な時間一覧が生徒用端末3−2に表示される。生徒(生徒用端末3−2のユーザ)は、この一覧の中から教師一人と時間を選択する事により、授業の予約は完了する。予約された授業時間は、仮想空間管理サーバ103のユーザ情報管理部152の中の、選択された教師、及び生徒アバターSのスケジュールとして登録される。
【0047】
このように、仮想空間11には、教育に関するコンテンツを利用したり授業を受けたりすることができる建物や、占有可能な空間として各ユーザに割り当てられた家などが設けられる。オンラインの授業サービスが教育コンテンツや教育効果のあるゲームの提供などの他の教育関連のサービスと一緒に同一の仮想空間11で提供されることから、各サービスを有効的に組み合わせることによって、ユーザは、より高い教育効果を得ることができる。なお、仮想空間11には、図3に示すもの以外にも各種の建物が設けられる。
【0048】
図6は、仮想空間11のデータ構造の例を示す図である。
【0049】
仮想空間11内の各空間は、階層構造を有する形で仮想空間提供システム1により管理される。最上位空間には仮想空間11が対応し、上位空間に、図3の各建物や広場が対応する。図6の例においては、上位空間として、教師1の家、教師2の家、コミュニケーション広場26、映画館24、生徒の家27が示されている。
【0050】
下位空間として、教師1の家には教師1の部屋と受付カウンターがあり、教師2の家にはBookコーナーとVideoコーナーがある。また、下位空間として、コミュニケーション広場26には掲示板とディスカッションフォーラムがあり、映画館24にはサブブロックエリ1,2がある。生徒の家27には生徒の部屋(生徒アバターSの部屋)がある。
【0051】
[アバターの位置管理]
図7は、上位空間に割り当てられた空間IDの例を示す図である。各ユーザのアバターの位置が空間IDを用いて管理される。
【0052】
図7の例においては、図書館21の空間IDはID100であり、ゲームセンター22の空間IDはID101である。また、ショッピングモール23の空間IDはID102であり、映画館24の空間IDはID103である。教師の家25の空間IDはID104であり、コミュニケーション広場26の空間IDはID105であり、生徒の家27の空間IDはID106である。
【0053】
黒丸で示す位置P1は、最上位空間である仮想空間11における生徒アバターSの位置である。図7の例においては、生徒アバターSの位置は、値(X0,Y0)により表されるコミュニケーション広場26内の位置とされている。各空間上の位置は、各空間の左下隅などの所定の位置を基準としたXY座標上の値により表される。
【0054】
図8は、教師の家25の各部屋に割り当てられた空間IDの例を示す図である。
【0055】
図5を参照して説明したように、教師の家25には、部屋61乃至67、および受付カウンター70が設けられる。図8の例においては、部屋61乃至67がそれぞれ教師A乃至Gの部屋とされている。部屋61乃至67のそれぞれの空間IDはID200乃至206である。また、受付カウンター70の空間IDはID210である。
【0056】
位置P2は、上位空間である教師の家25における生徒アバターSの位置である。図8の例においては、生徒アバターSの位置は、値(X1,Y1)により表される部屋61内の位置とされている。
【0057】
図9は、部屋61内のレイアウト構成を示す図である。図9の例においては、部屋61のほぼ中央に机が置かれている。値(X2,Y2)により表される机の下側の位置P11に生徒アバターSが存在し、値(X3,Y3)により表される上側の位置P12に教師アバターTが存在する。
【0058】
図10は、位置情報のデータ構造の例を示す図である。仮想空間提供システム1は、仮想空間11にいる各アバターの位置を図10Aに示すようなデータ構造を有する情報によって管理する。
【0059】
位置情報は、最上位空間の位置情報(XY座標上の値)、上位空間ID、上位空間の位置情報、下位空間ID、下位空間の位置情報をその順に並べた構造を有する。
【0060】
例えば、図9に示すように生徒アバターSが教師の家25内の部屋61にいる場合、図10Bに示すように、最上位空間の位置情報として、教師の家25の位置を表すXY座標上の値(X10,Y10)が設定される。また、上位空間IDとして教師の家25のIDであるID104(図7)が設定され、上位空間の位置情報として部屋61の位置を表すXY座標上の値(X1,Y1)(図8)が設定される。下位空間IDとして、部屋61のIDであるID200が設定され、下位空間の位置情報として、部屋61内の位置を表すXY座標上の値(X2,Y2)が設定される。
【0061】
このようなデータ構造を有する位置情報に基づいて、仮想空間提供システム1は、各アバターが、どの空間のどの位置にいるのかを特定することが可能になる。各アバターの位置を特定することは、例えば端末間の通信の接続を制御することに用いられる。
【0062】
教師用端末3−1のユーザが提供する授業を生徒用端末3−2のユーザが受けることが予定されており、授業の開始予定時刻になった場合、仮想空間提供システム1は、教師アバターTの位置と生徒アバターSの位置をそれぞれ特定する。特定の結果、図9に示すように教師アバターTと生徒アバターSがともに授業が予定されている同じ部屋にいると判断した場合、仮想空間提供システム1は、教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間の通信を確立させる。例えば、教師アバターTと生徒アバターSが同じ部屋にいることは、教師アバターTの位置情報に含まれる下位空間IDと生徒アバターSの位置情報に含まれる下位空間IDが同じであることなどに基づいて判断される。
【0063】
通信の確立後、教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間では画像と音声の送受信が行われ、リアルタイムでのコミュニケーションによって授業が行われる。
【0064】
これにより、授業の開始時、教師用端末3−1と生徒用端末3−2のそれぞれのユーザは、相手の端末のIPアドレスを選択するなどの発呼操作を自ら行う必要がなく、アバターを移動させるといった容易な操作で通信を確立させることが可能になる。教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間の通信を確立させる一連の処理については後述する。
【0065】
<各装置の構成>
[仮想空間提供システムの構成]
図11は、仮想空間提供システム1の構成例を示す図である。
【0066】
仮想空間提供システム1は、接続管理サーバ101、文書共有/ホワイトボード機能管理サーバ102、仮想空間管理サーバ103、ユーザ管理サーバ104、コンテンツ管理サーバ105、Proxyサーバ106、入金・課金管理サーバ107、およびデータベース108がネットワーク109を介して接続されることによって構成される。ネットワーク109は、LAN(Local Area Network)などよりなるイントラネットでもよいし、インターネットでもよい。
【0067】
接続管理サーバ101は、端末3の間の通信を管理する。例えば教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間の通信を確立することが仮想空間管理サーバ103から指示された場合、接続管理サーバ101は、教師用端末3−1と生徒用端末3−2のうちの一方に対して、他方への発呼を指示する情報を送信する。発呼元になる端末3に対して送信される情報には、発呼先となる端末3を特定するためのIPアドレス、電話番号などの発呼用の情報である発呼用情報が含まれる。
【0068】
例えば、教師用端末3−1に対する発呼が指示された場合、生徒用端末3−2は、接続管理サーバ101から通知された発呼用情報に基づいて教師用端末3−1に対して発呼を行う。生徒用端末3−2は、教師用端末3−1からの応答を受信したとき、授業に用いる通信である授業用通信を教師用端末3−1との間で開始する。
【0069】
文書共有/ホワイトボード機能管理サーバ102は文書共有機能を管理する。文書共有機能は、授業用通信を行っている端末3のユーザの間でテキストや画像などの教材を共有する機能である。文書共有/ホワイトボード機能管理サーバ102は、例えば教師用端末3−1において教材のファイルが選択され、送信されてきた場合、送信されてきたファイルを生徒用端末3−2に転送し、開かせることによって生徒用端末3−2のユーザに教材を閲覧させる。
【0070】
また、文書共有/ホワイトボード機能管理サーバ102はホワイトボード機能を管理する。ホワイトボード機能は、授業用通信を行っている一方の端末3のユーザによりペンタブレット173(図15)に書かれた図や手書き文字を他方の端末3のユーザが閲覧できる機能である。文書共有/ホワイトボード機能管理サーバ102は、例えば、ペンタブレット173上で入力された手書き文字などの画像が送信されてきた場合、送信されてきた画像を生徒用端末3−2に転送し、表示させる。
【0071】
仮想空間管理サーバ103は、仮想空間サービスを提供するための全体の処理を制御する。例えば、仮想空間管理サーバ103は、仮想空間提供システム1にログインした端末3に対して仮想空間11内の画面の情報を送信し、表示させる。また、仮想空間管理サーバ103は、各アバターの位置を位置情報によって管理する。仮想空間管理サーバ103においては、ユーザIDと対応付けて、位置情報だけなく、アバターの種類、自宅に関する情報、スケジュールなどの各種の情報が管理される。
【0072】
さらに、仮想空間管理サーバ103は、例えば映画館24において映画が選択された場合、選択された映画に関する情報をコンテンツ管理サーバ105に送信し、映画コンテンツの配信を行わせる。仮想空間管理サーバ103は、選択された映画に関する情報を入金・課金管理サーバ107にも送信し、映画コンテンツの課金を行わせる。仮想空間11における決済が例えばプリペイド方式である場合、入金・課金管理サーバ107においては、コンテンツを利用したユーザが予め支払っていた代金からコンテンツの分の代金を減額するなどして決済が行われる。
【0073】
ユーザ管理サーバ104は、仮想空間提供システム1に対するユーザのログイン/ログオフを管理する。例えば端末3からのアクセスがあった場合、ユーザ管理サーバ104は、ログイン画面を端末3に表示させ、入力されたユーザIDやパスワードが予め登録されている情報に一致するとき、ユーザIDなどの情報を仮想空間管理サーバ103に送信する。
【0074】
コンテンツ管理サーバ105は、書籍、ゲーム、映画などの各種のコンテンツの提供を管理する。コンテンツ管理サーバ105は、仮想空間管理サーバ103による制御に従って、ユーザにより選択されたコンテンツをデータベース108から読み出し、端末3に送信する。
【0075】
Proxyサーバ106は、仮想空間提供システム1内の各サーバと端末3の間の通信を管理する。
【0076】
入金・課金管理サーバ107は、外部ネットワーク121を介して決済管理サーバ122と通信を行い、仮想空間11における決済を管理する。
【0077】
データベース108は、ユーザ情報、位置情報、仮想空間11において利用可能なコンテンツなどの各種の情報を記憶する。データベース108に記憶されている情報は、適宜、各サーバにより読み出される。
【0078】
なお、仮想空間提供システム1は、少なくとも仮想空間管理サーバ103を有していればよい。接続管理サーバ101乃至入金・課金管理サーバ107、およびデータベース108については、仮想空間提供システム1の外部に設けられるようにすることも可能である。各サーバの機能が1つのコンピュータにより実現されるようにしてもよいし、複数のコンピュータにより実現されるようにしてもよい。
【0079】
図12は、仮想空間管理サーバ103のハードウェアの構成例を示すブロック図である。図11の他のサーバも、図12に示す仮想空間管理サーバ103の構成と同様の構成を有する。
【0080】
CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133は、バス134により相互に接続される。
【0081】
バス134には、さらに、入出力インタフェース135が接続される。入出力インタフェース135には、キーボード、マウスなどよりなる入力部136、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部137が接続される。また、入出力インタフェース135には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部138、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部139、リムーバブルメディア141を駆動するドライブ140が接続される。
【0082】
図13は、仮想空間管理サーバ103の機能構成例を示すブロック図である。図13に示す機能部のうちの少なくとも一部は、図12のCPU131により所定のプログラムが実行されることによって実現される。仮想空間管理サーバ103においては、位置管理部151、ユーザ情報管理部152、制御部153、およびメッセージ送信制御部154が実現される。
【0083】
位置管理部151は、仮想空間11にいる各アバターの位置を管理する。位置管理部151は、アバターを移動させるための操作が端末3のユーザにより行われた場合、端末3から送信されてきた情報に基づいてアバターの位置を特定する。また、位置管理部151は、図10のデータ構造を有する位置情報を生成し、データベース108に記憶させることによって各アバターの位置を管理する。位置管理部151に対しては、仮想空間11上の各空間の空間ID、XY座標の情報が与えられている。
【0084】
ユーザ情報管理部152は、仮想空間提供システム1にログインしているユーザに関する情報であるユーザ情報を管理する。
【0085】
図14は、ユーザ情報の例を示す図である。ユーザ情報には、ユーザID、アバター情報、自宅情報、スケジュール情報、メッセージ送信先情報、および発呼用情報が含まれる。
【0086】
アバター情報は、ユーザのアバターの種類を表す情報である。アバター情報により特定される種類のアバターが制御部153により仮想空間11に表示される。仮想空間11を利用するための初期登録時、アバターの種類がユーザにより選択される。
【0087】
自宅情報は、占有可能な空間としてユーザに割り当てられた部屋(家)に関する情報である。
【0088】
スケジュール情報は、仮想空間11でのスケジュールに関する情報である。例えば、アバターが自宅にいる状態で所定の操作が行われたとき、仮想空間管理サーバ103のユーザ情報管理部152に登録された、予約された授業の一覧が端末3のディスプレイに表示される。また、授業の一覧から受けたい授業が選択され、プリペイド方式などの所定の方式で料金が支払われた場合、ユーザのスケジュール項目として授業が設定される。図14の授業のスケジュールの情報には、開始時刻、開催場所を示す空間ID、参加者のユーザID(教師用端末3−1のユーザのユーザIDと生徒用端末3−2のユーザのユーザID)が含まれている。
【0089】
メッセージ送信先情報は、例えばユーザの携帯電話機の電話番号やメールアドレスの情報である。ユーザに対する通知が、SMS(Short Message Service)によるメッセージや電子メールを用いて行われることがある。
【0090】
ユーザが仮想空間提供システム1にログインしたときにユーザ管理サーバ104から送信されてくるユーザIDに基づいて、このような各情報を含むユーザ情報がデータベース108から読み出され、位置管理部151により取得される。
【0091】
[端末の構成]
図15は、教師用端末3−1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0092】
CPU161、ROM162、RAM163は、バス164により相互に接続されている。バス164には、さらに、入出力インタフェース165が接続されている。入出力インタフェース165には、キーボード、マウスなどよりなる操作入力部166、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる表示部167、マイクロフォン168、スピーカ169が接続される。マイクロフォン168とスピーカ169は、例えばヘッドセットに設けられ、ケーブルなどを介して教師用端末3−1に接続される。
【0093】
また、入出力インタフェース165には、ユーザの撮影に用いられるカメラ170、ハードディスクなどよりなる記憶部171、インターネット2を介して仮想空間提供システム1と通信を行う通信部172、およびペンタブレット173が接続される。
【0094】
図16は、教師用端末3−1の機能構成例を示すブロック図である。図16に示す機能部のうちの少なくとも一部は、図15のCPU161により所定のプログラムが実行されることによって実現される。教師用端末3−1においては、通信制御部181、および出力制御部182が実現される。
【0095】
通信制御部181は、通信部172を制御して、仮想空間提供システム1や生徒用端末3−2などの他の端末と通信を行う。例えば、通信制御部181は、授業用通信を確立した後、カメラ170により撮影された画像とマイクロフォン168により集音された音声を生徒用端末3−2に送信するとともに、生徒用端末3−2から送信されてきた画像と音声を受信する。通信制御部181により受信された画像と音声は出力制御部182に出力される。
【0096】
出力制御部182は、表示部167の表示を制御するとともに、スピーカ169からの音声の出力を制御する。
【0097】
生徒用端末3−2も、図15、図16に示す構成と同じ構成を有する。以下、適宜、図15、図16の構成を、生徒用端末3−2の構成として援用して説明する。
【0098】
<各装置の処理シーケンス>
以上のような構成を有する仮想空間管理サーバ103、教師用端末3−1、および生徒用端末3−2の処理について説明する。ここでは教師用端末3−1と生徒用端末3−2の処理について説明するが、仮想空間管理サーバ103と他の端末3との間においても同様の処理が行われる。
【0099】
はじめに、図17のフローチャートを参照して、アバターの位置を管理する処理について説明する。
【0100】
図17の処理は、教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザがそれぞれ仮想空間提供システム1にアクセスし、ログインを行った後に開始される。ログインが行われたとき、ユーザ管理サーバ104から仮想空間管理サーバ103に対して、教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザのユーザIDが通知される。教師用端末3−1と生徒用端末3−2の表示部167には、仮想空間管理サーバ103の制御部153による制御に従って、それぞれのアバターを含む仮想空間11内の画面が表示される。
【0101】
ステップS1において、生徒用端末3−2の操作入力部166は、生徒アバターSを移動させるためのユーザの操作を検出する。
【0102】
ステップS2において、通信制御部181は、ユーザの操作の内容を表す情報を仮想空間管理サーバ103に送信する。
【0103】
ステップS21において、仮想空間管理サーバ103の位置管理部151(図13)は、生徒用端末3−2から送信されてきた情報を通信部139を制御して受信する。
【0104】
ステップS22において、位置管理部151は、生徒アバターSの位置をユーザの操作に応じて移動させ、移動後の位置を表すように生徒アバターSの位置情報を更新する。
【0105】
ステップS23において、制御部153は、位置を移動させた後の仮想空間11の画面の情報を生徒用端末3−2に送信する。
【0106】
ステップS3において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報を受信し、出力制御部182に出力する。
【0107】
ステップS4において、出力制御部182は、仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報に基づいて、生徒アバターSの移動後の仮想空間11内の画面を表示部167に表示させる。その後、例えば授業が予定されている部屋61まで生徒アバターSを移動させる操作がユーザにより行われる毎に、生徒用端末3−2と仮想空間管理サーバ103の間で以上の処理が繰り返し行われる。
【0108】
一方、ステップS11において、教師用端末3−1の操作入力部166は、教師アバターTを移動させるためのユーザの操作を検出する。
【0109】
ステップS12において、通信制御部181は、ユーザの操作の内容を表す情報を仮想空間管理サーバ103に送信する。
【0110】
ステップS24において、仮想空間管理サーバ103の位置管理部151は、教師用端末3−1から送信されてきた情報を通信部139を制御して受信する。
【0111】
ステップS25において、位置管理部151は、教師アバターTの位置をユーザの操作に応じて移動させ、移動後の位置を表すように教師アバターTの位置情報を更新する。
【0112】
ステップS26において、制御部153は、位置を移動させた後の仮想空間11の画面の情報を教師用端末3−1に送信する。
【0113】
ステップS13において、教師用端末3−1の通信制御部181は、仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報を受信し、出力制御部182に出力する。
【0114】
ステップS14において、出力制御部182は、仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報に基づいて、教師アバターTの移動後の仮想空間11内の画面を表示部167に表示させる。その後、教師アバターTを移動させる操作がユーザにより行われる毎に、教師用端末3−1と仮想空間管理サーバ103の間で以上の処理が繰り返し行われる。
【0115】
次に、図18のフローチャートを参照して、授業用通信を確立する処理について説明する。
【0116】
図18の処理は、例えば仮想空間管理サーバ103のユーザ情報管理部152により管理されている教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザのスケジュールに授業の予定が登録されており、授業の開始時刻になった場合に開始される。授業の開催場所が教師用端末3−1のユーザが操作する教師アバターTの部屋61(図5)として設定され、参加者が、教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザとして設定されているものとする。
【0117】
ステップS81において、仮想空間管理サーバ103の制御部153は、授業が予定されている部屋61に教師アバターTと生徒アバターSがいるか否かを判定する。ここでの判定は、位置管理部151により管理されている教師アバターTの位置情報と、生徒アバターSの位置情報に基づいて行われる。制御部153は、教師アバターTと生徒アバターSが部屋61にいると判定するまで待機する。
【0118】
教師アバターTと生徒アバターSが部屋61にいるとステップS81において判定した場合、ステップS82において、制御部153は、教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間で授業用通信を確立させることを指示する情報を接続管理サーバ101に送信する。例えば部屋61に生徒アバターSが先にいる状態で、教師アバターTが部屋61に後から入った場合、授業用通信を確立させることの指示が接続管理サーバ101に対して行われる。仮想空間管理サーバ103から接続管理サーバ101に送信される情報には、発呼元となる例えば生徒用端末3−2を識別する情報と、教師用端末3−1のユーザのユーザ情報に含まれる教師用端末3−1の発呼用情報が含まれる。
【0119】
ステップS71において、接続管理サーバ101は仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報を受信し、ステップS72において、教師用端末3−1を発呼先として発呼を行うことを指示する情報を生徒用端末3−2に送信する。生徒用端末3−2に送信される情報には、仮想空間管理サーバ103から送信されてきた教師用端末3−1の発呼用情報が含まれる。
【0120】
ステップS41において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、接続管理サーバ101から送信されてきた情報を受信し、ステップS42において、発呼用情報に基づいて教師用端末3−1に対して発呼を行う。
【0121】
ステップS61において、教師用端末3−1の通信制御部181は、生徒用端末3−2からの発呼を受信し、ステップS62において応答する。
【0122】
ステップS43において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、教師用端末3−1からの応答を受信する。
【0123】
ステップS44において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、カメラ170により撮影された画像とマイクロフォン168により集音されたユーザの音声を教師用端末3−1に送信するとともに、教師用端末3−1から送信されてきた情報を受信する。
【0124】
ステップS45において、生徒用端末3−2の出力制御部182は、表示部167を制御し、生徒アバターSと教師アバターTが部屋61にいる状態の仮想空間11の画面を授業用通信時の画面に切り替える。
【0125】
一方、ステップS63において、教師用端末3−1の通信制御部181は、カメラ170により撮影された画像とマイクロフォン168により集音されたユーザの音声を生徒用端末3−2に送信するとともに、生徒用端末3−2から送信されてきた情報を受信する。
【0126】
ステップS64において、教師用端末3−1の出力制御部182も同様に、表示部167を制御し、教師アバターTと生徒アバターSが部屋61いる状態の仮想空間11の画面を授業用通信時の画面に切り替える。
【0127】
図19は、生徒用端末3−2に表示される授業用通信時の画面の例を示す図である。
【0128】
リアルタイム画像表示部201には、授業用通信の相手である教師用端末3−1において撮影され、送信されてきた画像が表示される。図19のリアルタイム画像表示部201に表示される人物は、授業の教師としての教師用端末3−1のユーザである。教師用端末3−1において集音された教師の音声はスピーカ169から出力される。
【0129】
仮想空間表示部202には、部屋61を含む教師の家25内の画像が縮小して表示される。生徒用端末3−2のユーザは、マウス操作などによって、授業が行われている間でも生徒アバターSを移動させることができる。
【0130】
以上の処理により、ユーザは、自身のアバターを授業が予定されている部屋に移動させるといった簡単な操作で授業用通信を開始させることができる。すなわち、授業の開始時刻になったときに、教師が使用する端末のIPアドレスを確認し、発呼を行うなどの操作をユーザは自ら行う必要がない。
【0131】
現実の世界においては、授業を受けようとする生徒が教室に入り、教師が入ってくるのを待つようなことが授業の開始前に通常行われるところ、仮想空間11においても、それと同じシーケンスで授業を開始させることができる。これにより、生徒用端末3−2のユーザは教師から実際に直接授業を受けているような感覚をより強く持つことができ、より高い教育効果が期待できる。
【0132】
また、授業の開催場所が生徒用端末3−2のユーザに割り当てられた自宅(生徒の家27)である場合、生徒用端末3−2のユーザは、生徒アバターSを移動させることなく、教師アバターTが来るのを待つだけで授業を開始させることができる。
【0133】
さらに、教師アバターTが部屋61にいない場合、授業用通信が開始されず、部屋61内の様子が表示されるだけであるから、生徒用端末3−2のユーザは、教師アバターTが部屋61にいないという状況を視覚的に把握することができる。なお、教師アバターTが部屋61にまだ来ていない場合、教師アバターTが仮想空間11のどこにいるのかを確認し、教師用端末3−1のユーザと連絡を取ることができるようにしてもよい。これにより、電話でのコミュニケーションのように、相手が応答するまでひたすら待つしかない、というような使い勝手の悪さを回避することが可能になる。
【0134】
次に、図20のフローチャートを参照して、授業用通信を切断する処理について説明する。図20の処理は、授業用通信が確立され、授業が行われているときに開始される。
【0135】
ステップS131において、仮想空間管理サーバ103の制御部153は、生徒アバターSが部屋61から出たか否かを判定する。ここでの判定は、位置管理部151により管理されている生徒アバターSの位置情報に基づいて行われる。制御部153は、生徒アバターSが部屋61から出たと判定するまで待機する。
【0136】
生徒アバターSが部屋61から出たとステップS131において判定した場合、ステップS132において、制御部153は、教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間の授業用通信を切断することを指示する情報を接続管理サーバ101に送信する。例えば、図19の仮想空間表示部202の表示を用いて生徒アバターSの移動が行われ、部屋61から出た場合、授業用通信の切断が接続管理サーバ101に対して指示される。
【0137】
ステップS121において、接続管理サーバ101は仮想空間管理サーバ103からの情報を受信し、ステップS122において、生徒用端末3−2に対して、教師用端末3−1との間で行われている授業用通信の切断を指示する情報を送信する。
【0138】
ステップS101において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、接続管理サーバ101からの指示を受信し、ステップS102において、授業用通信の切断を要求することを表す情報を教師用端末3−1に送信する。
【0139】
ステップS111において、教師用端末3−1の通信制御部181は、生徒用端末3−2からの情報を受信し、ステップS112において応答する。
【0140】
ステップS103において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、教師用端末3−1からの応答を受信し、ステップS104において、授業用通信を切断する。
【0141】
ステップS105において、生徒用端末3−2の出力制御部182は、授業用通信時の画面の表示を消し、生徒アバターSが部屋61から出た状態の仮想空間11の画面を表示させる。
【0142】
一方、ステップS113において、教師用端末3−1の通信制御部181は、授業用通信を切断する。
【0143】
ステップS114において、教師用端末3−1の出力制御部182は、授業用通信時の画面の表示を消し、生徒アバターSが部屋61から出た状態の仮想空間11の画面を表示させる。
【0144】
図21は、授業用通信を切断した直後に生徒用端末3−2に表示される画面の例を示す図である。
【0145】
上述したようにして授業用通信が切断された場合、図21に示すように、生徒アバターSが部屋61から出た状態の仮想空間11(教師の家25)の画面が表示される。その後、生徒用端末3−2のユーザは、生徒アバターSを自宅である生徒の家27に移動させるなどの操作を行う。
【0146】
以上の処理により、生徒用端末3−2のユーザは、生徒アバターSを部屋61から退出させることで授業用通信を切断させることができる。すなわち、ユーザは、授業用通信を切断するための操作を自ら行う必要がない。
【0147】
[通信確立処理の変形例]
次に、図22のフローチャートを参照して、授業用通信を確立する他の処理について説明する。
【0148】
図22の処理においては、部屋61に教師アバターTがいる場合、生徒アバターSが、部屋61が設けられている教師の家25に入ったときに授業用通信が確立されるようになされている。
【0149】
図22の処理も、例えば仮想空間管理サーバ103のユーザ情報管理部152により管理されている教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザのスケジュールに授業の予定が登録されており、授業の開始時刻になった場合に開始される。授業の開催場所が部屋61として設定され、参加者が、教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザとして設定されているものとする。また、教師アバターTが部屋61に既に入っているものとする。
【0150】
ステップS181において、仮想空間管理サーバ103の制御部153は、授業が予定されている部屋61が設けられている建物である教師の家25に生徒アバターSが入ったか否かを判定する。ここでの判定は、例えば、生徒アバターSの位置情報に含まれる上位空間IDが教師の家25の空間IDであるID104と一致するか否かに基づいて判定される。制御部153は、教師の家25に生徒アバターSが入ったと判定するまで待機する。
【0151】
教師の家25に生徒アバターSが入ったとステップS181において判定した場合、ステップS182において、制御部153は、教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間で授業用通信を確立することを指示する情報を接続管理サーバ101に送信する。ステップS182以降の処理は、図18のステップS82以降の処理と同様である。
【0152】
すなわち、ステップS171において、接続管理サーバ101は仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報を受信し、ステップS172において、教師用端末3−1を発呼先として発呼を行うことを指示する情報を生徒用端末3−2に送信する。
【0153】
ステップS151において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、接続管理サーバ101から送信されてきた情報を受信し、ステップS152において、発呼用情報に基づいて教師用端末3−1に対して発呼を行う。
【0154】
ステップS161において、教師用端末3−1の通信制御部181は、生徒用端末3−2からの発呼を受信し、ステップS162において応答する。
【0155】
ステップS153において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、教師用端末3−1からの応答を受信する。
【0156】
ステップS154において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、カメラ170により撮影された画像とマイクロフォン168により集音されたユーザの音声を教師用端末3−1に送信するとともに、教師用端末3−1から送信されてきた情報を受信する。
【0157】
ステップS155において、生徒用端末3−2の出力制御部182は、教師の家25に生徒アバターSが入った状態の仮想空間11の画面を授業用通信時の画面に切り替える。
【0158】
一方、ステップS163において、教師用端末3−1の通信制御部181は、カメラ170により撮影された画像とマイクロフォン168により集音されたユーザの音声を生徒用端末3−2に送信するとともに、生徒用端末3−2から送信されてきた情報を受信する。
【0159】
ステップS164において、教師用端末3−1の出力制御部182は、教師アバターTが部屋61いる状態の仮想空間11の画面を授業用通信時の画面に切り替える。
【0160】
以上の処理により、生徒用端末3−2のユーザは、授業の他の参加者である教師アバターTが部屋61にいるときには、生徒アバターSを部屋61まで移動させなくても、教師の家25まで移動させることで授業用通信を確立させることができる。
【0161】
次に、図23のフローチャートを参照して、授業用通信を確立するさらに他の処理について説明する。
【0162】
図23の処理は、例えば仮想空間管理サーバ103のユーザ情報管理部152により管理されている教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザのユーザ情報に含まれるスケジュールに授業の予定が登録されている場合に開始される。授業の開催場所が部屋61として設定され、参加者が、教師用端末3−1のユーザと生徒用端末3−2のユーザとして設定されているものとする。また、教師アバターTが部屋61に既に入っているものとする。
【0163】
図23の処理においては、教師アバターTが部屋61にいる場合、生徒用端末3−2のユーザが授業のスケジュールを指定したときに授業用通信が確立されるようになされている。例えば生徒アバターSが自宅にいる状態で所定の操作を行ったとき、生徒用端末3−2のユーザが設定していたスケジュールに関する情報がデータベース108から読み出され、仮想空間管理サーバ103によって生徒用端末3−2に対して送信される。生徒用端末3−2の出力制御部182は、仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報に基づいて、スケジュールの一覧を表示部167に表示させる。
【0164】
図24は、スケジュールの一覧の例を示す図である。図24の例においては、授業1と授業2の2つのスケジュール項目が登録されており、授業1がカーソルCによって選択されている。授業1の開始時刻は10:00、開催場所は教師の部屋とされている。また、授業2の開始時刻は15:00、開催場所は自宅(生徒の家27)とされている。
【0165】
図24のスケジュールの一覧画面から授業1が選択された場合、図23のステップS191において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、授業1のスケジュール項目が選択されたことを表す情報を仮想空間管理サーバ103に送信する。
【0166】
ステップS231において、仮想空間管理サーバ103の制御部153は、生徒用端末3−2から送信されてきた情報を受信する。
【0167】
ステップS232において、制御部153は、教師用端末3−1と生徒用端末3−2の間で授業用通信を確立することを指示する情報を接続管理サーバ101に送信する。ステップS232以降の処理は、図18のステップS82以降の処理と同様である。
【0168】
すなわち、ステップS221において、接続管理サーバ101は仮想空間管理サーバ103から送信されてきた情報を受信し、ステップS222において、教師用端末3−1を発呼先として発呼を行うことを指示する情報を生徒用端末3−2に送信する。
【0169】
ステップS192において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、接続管理サーバ101から送信されてきた情報を受信し、ステップS193において、発呼用情報に基づいて教師用端末3−1に対して発呼を行う。
【0170】
ステップS211において、教師用端末3−1の通信制御部181は、生徒用端末3−2からの発呼を受信し、ステップS212において応答する。
【0171】
ステップS194において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、教師用端末3−1からの応答を受信する。
【0172】
ステップS195において、生徒用端末3−2の通信制御部181は、カメラ170により撮影された画像とマイクロフォン168により集音されたユーザの音声を教師用端末3−1に送信するとともに、教師用端末3−1から送信されてきた情報を受信する。
【0173】
ステップS196において、生徒用端末3−2の出力制御部182は、表示部167を制御し、生徒アバターSが自宅にいる状態の仮想空間11の画面を授業用通信時の画面に切り替える。
【0174】
一方、ステップS213において、教師用端末3−1の通信制御部181は、カメラ170により撮影された画像とマイクロフォン168により集音されたユーザの音声を生徒用端末3−2に送信するとともに、生徒用端末3−2から送信されてきた情報を受信する。
【0175】
ステップS214において、教師用端末3−1の出力制御部182も同様に、教師アバターTが部屋61にいる状態の仮想空間11の画面を授業用通信時の画面に切り替える。
【0176】
以上の処理により、生徒用端末3−2のユーザは、教師アバターTが部屋61にいるときには、生徒アバターSを部屋61まで移動させなくても、授業のスケジュール項目を選択するだけで容易に授業用通信を確立させることができる。
【0177】
次に、図25のフローチャートを参照して、授業の開始時刻になったことをSMSのメッセージによって生徒に通知する仮想空間管理サーバ103の処理について説明する。
【0178】
ステップS241において、仮想空間管理サーバ103の制御部153は、ユーザ情報管理部152により管理されている生徒用端末3−2のユーザのスケジュールに基づいて、授業の開始時刻になったか否かを判定し、開始時刻になったと判定するまで待機する。
【0179】
授業の開始時刻になったとステップS241において判定した場合、ステップS242において、制御部153は、生徒アバターSの位置を位置情報に基づいて特定する。
【0180】
ステップS243において、制御部153は、授業が予定されている部屋61に生徒アバターSがいるか否かを判定する。
【0181】
生徒アバターSが部屋61にいないとステップS243において判定された場合、ステップS244において、メッセージ送信制御部154は、制御部153から送信されてきたメッセージ送信先情報に基づいてSMSのメッセージを送信する。部屋61に生徒アバターSがいないと判定された場合、生徒用端末3−2のユーザのユーザ情報に含まれるメッセージ送信先情報(図14)が制御部153からメッセージ送信制御部154に出力される。メッセージの内容は、授業の開始時刻になったために、生徒アバターSを部屋61に移動させることをユーザに促すものである。
【0182】
メッセージの送信先として携帯電話機を指定しておいた場合、生徒用端末3−2のユーザは、仮想空間管理サーバ103から送信されてきたメッセージを確認し、生徒用端末3−2を操作して仮想空間サービスを利用するためのソフトウェアを起動させる。また、生徒用端末3−2のユーザは、ソフトウェアの起動後、生徒アバターSを部屋61に移動させることによって、授業を受けることができる。
【0183】
<変形例>
以上においては、オンラインの授業を行う場合について説明したが、会議を行う場合も同様である。例えば、会議が予定されている部屋に参加者のアバターが集まった場合、他の参加者に対して発呼を行うなどの操作を行うことなく、通信が自動的に確立され、画像と音声によるテレビ会議が開始される。
【0184】
また、以上においては、複数の端末3の間で確立された通信によって画像と音声の送受信が行われるものとしたが、画像のみ、または音声のみの送受信が行われ、コミュニケーションが図られるようにしてもよい。
【0185】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
【0186】
インストールされるプログラムは、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクや半導体メモリなどよりなる図12に示されるリムーバブルメディア141に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM132や記憶部138にあらかじめインストールしておくことができる。
【0187】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0188】
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0189】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0190】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0191】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0192】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0193】
[構成の組み合わせ例]
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
【0194】
(1)
ユーザが操作するアバターの仮想空間上の位置を管理する位置管理部と、
前記ユーザ同士のコミュニケーションの予定を管理する予定管理部と、
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザのアバターが、前記仮想空間上の予め決められた場所に集まった場合、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザが使用する端末間の通信を確立させ、画像と音声のうちの少なくともいずれかの送受信を行わせる制御部と
を備える情報処理システム。
【0195】
(2)
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザは、画像と音声による授業を提供する教師と、前記授業を受ける生徒である
前記(1)に記載の情報処理システム。
【0196】
(3)
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザは、画像と音声による会議の参加者である
前記(1)に記載の情報処理システム。
【0197】
(4)
前記制御部は、予め決められた前記場所が、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターの自宅として割り当てられた場所である場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザのアバターが前記自宅に移動してきたときに前記端末間の通信を確立させる
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0198】
(5)
前記制御部は、前記端末間の通信を確立させた後、前記コミュニケーションをとっている前記ユーザのアバターが予め決められた前記場所から移動した場合、前記端末間の通信を切断させる
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0199】
(6)
前記制御部は、予め決められた前記場所が建物内の部屋であり、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターが前記部屋にいる場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザのアバターが前記建物に入ったときに前記端末間の通信を確立させる
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0200】
(7)
前記制御部は、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターが予め決められた前記場所にいる場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザが、自身の予定から前記コミュニケーションの予定を指定したときに前記端末間の通信を確立させる
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0201】
(8)
前記コミュニケーションの開始予定時刻になった場合、予め決められた前記場所にアバターを移動させていない前記ユーザにメッセージを送信する送信制御部をさらに備える
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0202】
(9)
前記送信制御部は、予め決められた前記場所にアバターを移動させていない前記ユーザが使用する携帯端末にSMSのメッセージを送信する
前記(8)に記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0203】
1 仮想空間提供システム、 101 接続管理サーバ、 102 文書共有/ホワイトボード機能管理サーバ、 103 仮想空間管理サーバ、 104 ユーザ管理サーバ、 105 コンテンツ管理サーバ、 106 Proxyサーバ、 107 入金・課金管理サーバ、 108 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作するアバターの仮想空間上の位置を管理する位置管理部と、
前記ユーザ同士のコミュニケーションの予定を管理する予定管理部と、
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザのアバターが、前記仮想空間上の予め決められた場所に集まった場合、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザが使用する端末間の通信を確立させ、画像と音声のうちの少なくともいずれかの送受信を行わせる制御部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザは、画像と音声による授業を提供する教師と、前記授業を受ける生徒である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザは、画像と音声による会議の参加者である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、予め決められた前記場所が、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターの自宅として割り当てられた場所である場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザのアバターが前記自宅に移動してきたときに前記端末間の通信を確立させる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記端末間の通信を確立させた後、前記コミュニケーションをとっている前記ユーザのアバターが予め決められた前記場所から移動した場合、前記端末間の通信を切断させる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、予め決められた前記場所が建物内の部屋であり、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターが前記部屋にいる場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザのアバターが前記建物に入ったときに前記端末間の通信を確立させる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記コミュニケーションをとる予定がある所定の前記ユーザのアバターが予め決められた前記場所にいる場合、前記コミュニケーションをとる予定がある他の前記ユーザが、自身の予定から前記コミュニケーションの予定を指定したときに前記端末間の通信を確立させる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記コミュニケーションの開始予定時刻になった場合、予め決められた前記場所にアバターを移動させていない前記ユーザにメッセージを送信する送信制御部をさらに備える
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記送信制御部は、予め決められた前記場所にアバターを移動させていない前記ユーザが使用する携帯端末にSMSのメッセージを送信する
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
ユーザが操作するアバターの仮想空間上の位置を管理し、
前記ユーザ同士のコミュニケーションの予定を管理し、
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザのアバターが、前記仮想空間上の予め決められた場所に集まった場合、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザが使用する端末間の通信を確立させ、画像と音声のうちの少なくともいずれかの送受信を行わせる
ステップを含む情報処理方法。
【請求項11】
ユーザが操作するアバターの仮想空間上の位置を管理し、
前記ユーザ同士のコミュニケーションの予定を管理し、
前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザのアバターが、前記仮想空間上の予め決められた場所に集まった場合、前記コミュニケーションをとる予定がある前記ユーザが使用する端末間の通信を確立させ、画像と音声のうちの少なくともいずれかの送受信を行わせる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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