説明

情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラム

【課題】 子端末の描画能力などに応じて最適なデータを提供する。
【解決手段】 親端末は、子端末の描画能力を含む機器情報を記憶するデータ蓄積部43と、機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツのデータを生成するエンコーダ46とを備え、子端末に応じて送信するデータを圧縮することや、ユーザインターフェースを文字メッセージに置き換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親端末から子端末に情報を提供する情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CE(Consumer Electronics)機器やPC(Personal Computer)などにおいて、ユーザインターフェース画面をその装置本体(親端末)とは別の装置(子端末)で操作するシステムが知られている。例えば、リモートコントローラ(リモコン)などがこれに該当する。
【0003】
近年では、赤外線、Bluetooth(商標)等の無線ネットワークを通して携帯電話などのモバイル機器から親端末を制御するものや、親端末のユーザインターフェース画面と同等のものを再生、利用できるシステムも登場している。また、PCなどにおいて、親端末で表現されているユーザインターフェース画面や動画像のデータのすべて又は一部を子端末から操作できるリモートプレイ・リモートアクセスという機能を有するものも登場している(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−342198号公報
【特許文献2】特開2007−251630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のリモートプレイ・リモートアクセス機能は、子端末の描画能力などが固定であることを前提としており、例えば、予め子端末の描画能力に応じたユーザインターフェース画面や動画像などを親端末側に用意しておかなければならなかった。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、子端末の描画能力などに応じて最適なデータを提供することができる情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理システムは、子端末の描画能力を含む機器情報を記憶する記憶部と、上記機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成部と、上記送信データを上記子端末に送信する送信部とを有する親端末と、上記送信データを受信する受信部と、上記送信データに基づいてユーザインターフェース画面又はコンテンツ再生画面を表示する表示部とを有する子端末とを備える。
【0008】
また、本発明に係る情報処理装置は、子端末の描画能力を含む機器情報を記憶する記憶部と、上記機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成部と、上記送信データを上記子端末に送信する送信部とを有する。
【0009】
また、本発明に係る情報処理方法は、親端末が子端末の描画能力を含む機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成工程と、上記親端末が上記送信データを上記子端末に送信する送信工程と、上記子端末が上記送信データを受信する受信工程と、上記子端末が上記送信データに基づいてユーザインターフェース画面又はコンテンツ再生画面を表示する表示工程とを有する。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、子端末の描画能力を含む機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成工程と、上記送信データを上記子端末に送信する送信工程とを情報処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、親端末が子端末の描画能力を含む機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成するため、子端末に応じて送信するデータを圧縮することや、ユーザインターフェースを文字メッセージに置き換えるといったシステムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の具体例として示す情報処理システムは、データ送信装置(親端末)がデータ受信装置(子端末)の描画能力、設定言語などに応じて送信データを生成するものである。ここで、親端末としては、例えばテレビジョン装置、パーソナルコンピュータ、セットトップボックス、レコーダ等が挙げられ、子端末からの要求(リクエスト)に対して、情報を提供するサーバ機能を有している。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムを示す図である。送信側端末は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、及びRAM(Random Access Memory)13が、バス14を介して相互に接続されている。また、バス14には、入出力インターフェース(I/F)15、入力装置16、表示装置17、外部記憶装置18、及び、通信I/F19が接続されている。
【0014】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、または外部記憶装置18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13にはまた、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0015】
入出力インターフェース15には、必要に応じてカメラ151、マイク152等が接続される。カメラ151、マイク152等からの映像、音声のデータは、外部記憶装置18に記憶される。
【0016】
入力装置16は、例えば、表示装置17の表示部も兼ねたタッチパネル、キーボード、受光部を含むリモートコントローラ、マウスなどの入力機器で構成される。
【0017】
表示装置17は、例えば、ディスプレイ等の表示部単体、スピーカやヘッドフォン出力端子等の音声出力部単体、または、それらの組合せで構成される。
【0018】
外部記憶装置18は、例えばハードディスクドライブなどで構成される。また、必要に応じて磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じてハードディスクドライブにインストールされる。
【0019】
通信I/F19は、例えばモデム、ターミナルアダプタ、無線通信機器などにより構成され、子端末との間の通信を制御する。
【0020】
また、送信側端末(子端末1)は、CPU21、ROM22、及びRAM23が、バス24を介して相互に接続されている。また、バス24には、再生装置25、入力装置26、表示装置27、外部記憶装置28、及び通信I/F29が接続されている。
【0021】
CPU21は、ROM22に記録されているプログラム、または外部記憶装置28からRAM23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM23にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0022】
再生装置25は、親端末から送信された映像、音声データを必要に応じてデコードする。
【0023】
入力装置26は、例えば、表示装置27の表示部も兼ねたタッチパネル、キーボード、受光部を含むリモートコントローラ、マウスなどの入力機器で構成される。
【0024】
表示装置27は、例えば、ディスプレイ等の表示部単体、スピーカやヘッドフォン出力端子等の音声出力部単体、または、それらの組合せで構成される。また、表示装置27は、親端末から送信された映像、音声を出力する。
【0025】
外部記憶装置28は、例えばハードディスクドライブなどで構成される。また、必要に応じて磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じてハードディスクドライブにインストールされる。
【0026】
通信I/F29は、例えばモデム、ターミナルアダプタ、無線通信機器などにより構成され、親端末との間の通信を制御する。また、入力機器からの操作信号を親端末に送信する。
【0027】
また、送信側端末(子端末2)は、CPU31、ROM32、及びRAM33が、バス34を介して相互に接続されている。また、バス34には、再生装置35、入力装置36、表示装置37、外部記憶装置38、及び通信I/F39が接続されている。なお、各部は、子端末1と同様であるため、説明を省略する。
【0028】
このような情報処理システムにおいて、送信側端末(親端末)は、カメラ151、マイク152、その他の入出力インターフェースから、コンテンツデータを外部記憶装置18、RAM13に取り込む。なお、コンテンツデータは、外部記憶装置18などに予め蓄積されていても、IP網のネットワーク経由で受信されても構わない。
【0029】
親端末は、コンテンツデータ、又は親端末を操作するユーザインターフェースを提供するサーバ機能を有する。ユーザインターフェースは、親端末と利用者との間での情報をやりとりするためのインターフェースであり、例えばEPG(Electronic Program Guide)の画面やメニュー画面などがこれに該当する。
【0030】
また、親端末は、コンテンツやユーザインターフェースのデータを子端末に応じて生成する機能を有する。なお、子端末用に新たにデータを生成しなくてもよい場合には、親端末が所有するデータそのものを用いても構わない。
【0031】
また、親端末は、通信I/F19を介して、コンテンツやユーザインターフェースのデータを子端末に伝送する。伝送路は、IP(Internet Protocol)網などの有線又は無線を利用することができる。
【0032】
受信側端末(子端末1,2)は、通信I/F29を介して親端末からコンテンツデータやユーザインターフェースの画面データを受信し、RAM23等にバッファリングする。RAM23等にバッファリングされたデータは、CPU21,31による処理を経て再生装置25,35及び表示装置27,37に出力される。表示装置27,37は、コンテンツの画像やユーザインターフェースの画像を表示し、また、再生装置25,35により音声が出力される。
【0033】
図2は、情報処理システムの機能ブロック図である。なお、図中におけるすべての機能が親端末及び子端末に存在するものに限られず、例えばコンテンツデータを蓄積する機能が他の装置にあっても構わない。
【0034】
親端末は、デコーダ41と、表示部42と、データ蓄積部43と、入力装置44と、操作部45と、エンコーダ46と、送信部47と、受信部48と、制御部49とを備えている。
【0035】
デコーダ41は、MPEG2(Moving Picture Experts Group Part2)、MPEG4(Moving Picture Experts Group Part4)等のストリーミングデータ、メディアデータ又はデータ蓄積部43のデータをデコードする。
【0036】
表示部42は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイス等からなり、デコーダ41でデコードされたコンテンツやユーザインターフェースを表示する。
【0037】
データ蓄積部43は、ハードディスクドライブ等からなり、コンテンツデータを蓄積する。また、データ蓄積部43は、後述するように、各子端末の描画能力、設定言語等の機器情報をテーブルとして記憶する。また、子端末ごと又はユーザごとにパーソナライズされた設定情報も記憶されている。
【0038】
入力装置44は、リモートコントローラ、マウスなどの入力機器で構成される。操作部45は、入力装置44又は制御部49からの制御信号に基づいて、例えばコンテンツの再生を制御する。
【0039】
エンコーダ46は、子端末の機器情報に基づいて圧縮データを生成する。また、制御部49からの指示に基づいて圧縮データを生成する。
【0040】
送信部47は、データ蓄積部43に蓄積されたデータ又はエンコーダ46で生成された圧縮データを子端末に送信する。受信部48は、子端末から制御信号を受信し、制御部49に出力する。
【0041】
制御部49は、子端末からの操作信号に基づいて操作部45に圧縮データの生成の指示やコンテンツの再生指示を行う。
【0042】
なお、これらの各機能部は、子端末ごと又はユーザごとにすべて構成され、マルチアクセス機能を実現し、複数の子端末の接続を可能とする。
【0043】
このような構成を有する親端末は、ネットワークからのコンテンツデータ又はデータ蓄積部43からのコンテンツデータをデコーダ41にてデコードし、表示部42に再生表示する。コンテンツデータが圧縮や暗号化されている場合には、デコーダ41によって必要なデータに変換する。また、親端末は、エンコーダ46にて親端末で表示再生するコンテンツデータやユーザインターフェースを必要に応じて圧縮し、子端末にリアルタイムに送信する。
【0044】
また、エンコーダ46は、子端末からの制御信号によってデータの圧縮率を変更する。制御信号には、例えば、子端末の演算能力、親端末と子端末とのネットワークのトラフィック量、子端末からの指示などが含まれ、制御部49は、この制御信号に基づいてエンコーダを制御する。
【0045】
例えば、子端末がSD(Standard Definition)クオリティの動画像をリアルタイムにデコードして再生できるものと通知することで、解像度等の機器情報を変更し、親端末は子端末に当該クオリティに圧縮して送信する。また、子端末側でユーザインターフェースのみを欲する場合には、その旨を親端末に伝えることにより、ユーザインターフェースのみを送信する。
【0046】
なお、子端末の指示の如何によらず、親端末の負荷やサービスの都合により必要なデータのみを送信しても構わない。つまり、親端末の負荷状態や都合によりユーザインターフェースのみ、多言語音声の片音声のみを送信しても構わない。
【0047】
子端末は、受信部51と、パケット解析部52と、バッファ部53と、デコーダ54と、操作部55と、再生装置56と、入力装置57と、送信部と58と、ネットワークモニタ部59と、CPUモニタ部60と、制御部61とを備えている。
【0048】
受信部51は、親端末からネットワークを介して送信されたコンテンツ又はユーザインターフェースのデータを受信する。なお、ネットワークは無線でも有線でも構わない。
【0049】
パケット解析部52は、受信部51で受信されたパケットデータのヘッダ等を読み取り、パケット番号、タイムスタンプ等を取得する。デコーダ54は、バッファ部53に保持されたパケットデータをデコードする。
【0050】
操作部55は、入力装置57からの操作信号に基づいてユーザインターフェース画面を操作する。再生装置56は、ユーザインターフェースやコンテンツの映像や音声を出力する。
【0051】
入力装置57は、リモートコントローラ、マウスなどの入力機器で構成される。送信部58は、入力装置57の操作信号に基づいてコンテンツ再生の制御信号を送信する。また、子端末のネットワーク受信能力、演算能力のレベルを制御情報として逐次送信する。
【0052】
ネットワークモニタ部59は、ネットワークのトラフィック量を監視し、このトラフィック量を制御部61に出力する。CPUモニタ部60は、CPU21,31の使用率を監視し、この使用率を制御部61に出力する。
【0053】
制御部61は、トラフィック量に基づいてネットワーク受信能力のレベルを制御信号として生成するとともに、CPU使用率に基づいて演算能力のレベルを制御信号として生成する。
【0054】
このような構成を有する子端末は、受信部51にてネットワーク経由で親端末からコンテンツ又はユーザインターフェースのデータを受信する。データ受信後、データを必要に応じてデコーダ54にてデコードし、再生装置56にて再生する。ここで、ユーザインターフェースのデータが送信されてきた場合においては、操作部55の操作を受け入れ、入力装置57からの入力を受け付ける。また、子端末は、入力装置57からの操作信号を制御信号として、親端末に送信し、親端末の操作部45へ入力する。これにより、子端末の操作入力があたかも親端末での操作入力のように機能させることができ、インターフェースの同期共存機能を実現することができる。
【0055】
また、ネットワークモニタ部59が親端末と子端末との間のトラフィック量を監視し、ネットワークの受信能力レベルを親端末に通知することにより、ネットワーク環境の変化に動的に対応するシステムを実現することができる。
【0056】
また、CPUモニタ部60がCPU21,31の使用量を監視し、演算能力レベルを親端末に通知することにより、子端末の負荷状態に動的に対応するシステムを実現することができる。
【0057】
次に、図3に示すフローチャートを参照して親端末のデータ送信動作について説明する。ここで、データ蓄積部43には、例えば、図4に示すような子端末の機器情報が記憶されている。この機器情報の登録項目としては、機器ID、機器種別、解像度、転送速度(Link Speed)、ネットワーク状態(Network)、ユーザ属性等が記憶されている。ユーザ属性としては、ユーザ名、言語、性別等が記憶されている。なお、これらの機器情報の登録項目は、ネットワーク接続前に親端末に登録しても、親端末と子端末とのネットワーク接続が確立された際に取得しても構わない。
【0058】
ステップS11において、制御部49は、データ蓄積部43から機器情報のデータを取得する。また、制御部49は、子端末から受信部48を介して、子端末の受信能力レベル、演算能力レベルを含む制御情報を取得する。
【0059】
ステップS12において、制御部49は、要求に応じてユーザインターフェース(UI)機構を作成する。ここで、子端末からコンテンツデータの送信を要求された場合、子端末の機器情報や制御情報に基づいてユーザインターフェースを生成する。例えば、機器情報に登録された描画能力を示す解像度、機器ID、機器種別などから親端末と同じユーザインターフェース画面を作成するか、親端末のよりも簡易的なユーザインターフェース画面を作成するか、テキストからなるユーザインターフェース画面を作成するかを判断して作成する。また、子端末の受信能力レベル、演算能力レベルを含む制御情報に基づいてユーザインターフェース画面を作成する。また、制御部49は、ユーザ属性の言語に応じて当該言語のユーザインターフェース画面を作成したり、ユーザ属性の性別に応じてユーザインターフェース画面の色を決定したりする。
【0060】
ステップS13において、制御部49は、要求に応じてコンテンツの再生データを生成する。ここで、子端末からコンテンツデータの送信を要求された場合、子端末の機器情報や制御情報に基づいて再生データを生成する。例えば、エンコーダ46において、機器情報に登録された解像度のデータに変換する。
【0061】
また、機器情報の転送速度、ネットワーク状態や制御情報の受信能力レベル、演算能力レベルなどから、例えば機器情報に登録された解像度よりも低解像度のデータに動的に変換する。また、制御部49は、ユーザ属性の言語に応じた音声や字幕の再生データを生成する。
【0062】
ステップS14において、制御部49は、子端末にユーザインターフェース又は再生データを送信するか否かを判別する。具体的には、子端末からユーザインターフェース又はコンテンツの送信の要求をされたか否かに応じて判別する。子端末に送信する場合ステップS15に進み、子端末に送信しない場合ステップS17に進む。
【0063】
ステップS15において、制御部49は、子端末に応じて生成されたユーザインターフェース又はコンテンツの送信データ(パケットデータ)を生成する。ステップS16において、送信部47は、子端末にパケットデータを送信し、データ送信動作を終了する。
【0064】
ステップS17において、制御部49は、ステップS12又はステップS13において生成されたユーザインターフェース又はコンテンツを親端末の表示部42に表示し、データ送信動作を終了する。
【0065】
このように子端末からユーザインターフェース又はコンテンツのデータ送信を要求された場合、子端末の描画能力、言語情報に応じて子端末用のユーザインターフェース又はコンテンツのデータ生成を行うことにより、子端末に最適なユーザインターフェース又はコンテンツを提供することができる。
【0066】
また、機器情報の転送速度、ネットワーク状態や制御情報の受信能力レベル、演算能力レベルなどに基づいて子端末用のユーザインターフェース又はコンテンツのデータ生成を行うことにより、子端末の機器状態にリアルタイムに対応することができる。
【0067】
次に、図5に示すフローチャートを参照して子端末のデータ受信動作について説明する。ステップS21において、受信部51は、親端末から送信開始の通知を受信する。
【0068】
ステップS22において、制御部61は、親端末への通知が必要か否かを判別する。具体的には、ネットワークモニタ部59においてトラフィック量が閾値以上である場合、親端末にこれを受信能力レベルとして通知する。また、CPUモニタ部60においてCPU使用率が閾値以上である場合にもこれを演算能力レベルとして通知する(ステップS23)。また、制御信号を通知しない場合ステップS24に進む。
【0069】
ステップS24において、受信部51は、親端末からユーザインターフェース又はコンテンツのパケットデータを受信する。
【0070】
ステップS25において、パケット解析部52は、受信部51で受信されたパケットデータのヘッダ等を読み取り、パケット番号、タイムスタンプ等を取得し、デコードが必要か否かを判別する。デコードが必要な場合には、デコーダ54は、バッファ部53に保持されたパケットデータをデコードする(ステップS26)。
【0071】
ステップS27において、再生装置56は、親端末から受信したユーザインターフェースやコンテンツの映像や音声を出力する。
【0072】
ステップS28において、パケット解析部52は、ユーザインターフェース又はコンテンツの全てのパケットを受信したか否かを判別する。全てのパケットを受信していない場合、ステップS22に戻り、全てのパケットを受信した場合、データ受信動作を終了する。
【0073】
このように子端末が親端末に受信能力レベル、演算能力レベルを通知することにより、親端末は子端末の機器状態に応じた最適なユーザインターフェース又はコンテンツのデータを提供することができる。
【0074】
次に、本実施の形態に係る情報処理システムの具体的な運用例について図面を参照して説明する。
【0075】
図6は、情報処理システムの具体例1を示す図である。親端末は、コンテンツを表示するとともに、子端末1に親端末で表示されたコンテンツと異なる裏番組のコンテンツのデータを送信している。また、親端末は、EPG(Electronic Program Guide)のユーザインターフェースのデータを送信している。
【0076】
この具体例1において、親端末は、2本の動画像(コンテンツ)のうち、一方のコンテンツを親端末自身で再生表示する。また、他方のコンテンツのデータを子端末1の機器情報に基づいて圧縮処理する。具体的には、エンコーダ46において、コンテンツデータを機器情報に登録された解像度に合わせてリアルタイムにエンコードする。なお、2本のコンテンツは、ネットワークから受信したもの、一般放送のもの、又は親端末のデータ蓄積部43に保存されたものの何れであっても構わない。
【0077】
また、親端末は、子端末2の機器情報に基づいてEPGのユーザインターフェースのデータを生成する。具体的には、エンコーダ46において、ユーザインターフェースのデータを機器情報に登録された解像度に合わせてリアルタイムにエンコードする。
【0078】
これにより、親端末は、子端末1及び子端末2の描画能力に最適なデータを提供することができる。
【0079】
また、親端末は、コンテンツ及びユーザインターフェースのデータをそれぞれ子端末1及び子端末2の機器情報の転送速度、ネットワーク状態や子端末1及び子端末2から送信される制御情報の受信能力レベル、演算能力レベルなどから機器情報に登録された解像度よりも低解像度のデータに動的に変換する。これにより、子端末1及び子端末2の受信能力、演算能力にリアルタイムに対応することができる。
【0080】
また、図7は、情報処理システムの具体例2を示す図である。親端末は、ユーザインターフェースとしてメニュー画面を表示するとともに、子端末1に親端末と同じメニュー画面のデータを送信している。また、親端末は、子端末2にテキストからなるメニュー画面のデータを送信している。また、親端末は、子端末3に親端末の表示とは異なる構成のメニュー画面のデータを送信している。
【0081】
この具体例2において、親端末は、エンコーダ46において、親端末で表示されているものと同じユーザインターフェースのデータを子端末1の機器情報に登録された解像度に合わせてリアルタイムにエンコードする。これにより子端末1側では、このユーザインターフェースをそのまま自端末のインターフェースとして取り扱うことができる。
【0082】
また、親端末は、子端末2の使用者のパーソナライズに合わせて構成されたユーザインターフェースをデータ蓄積部43から読み出し、メニュー画面を作成する。なお、データ蓄積部43には、子端末ごと又はユーザごとにパーソナライズされた設定情報が機器情報とともに記録されており、子端末ごと又はユーザごとに異なるメニュー画面を提供することができる。
【0083】
また、親端末は、子端末3の機器情報に基づいて描画能力、演算能力に応じて親端末のメニュー画面と一部異なるユーザインターフェースを作成する。具体的には、子端末3の機器情報に基づいて描画能力、演算能力が低いと判断し場合、メニューのメタデータの一部を抽出し、テキストを表示するメニュー画面を作成する。これにより、子端末3に大きな負荷をかけることなく、メニュー画面を表示させることができる。
【0084】
また、図8は、情報処理システムの具体例3を示す図である。親端末は、コンテンツを表示するとともに、子端末1及び子端末2に親端末で表示されたコンテンツと同じコンテンツのデータを送信している。
【0085】
この具体例3において、親端末は、コンテンツを表示部42に表示するとともに、このコンテンツのデータを子端末1及び子端末2の機器情報に登録された解像度に合わせてそれぞれリアルタイムにエンコードする。また、親端末は、機器情報に登録された言語情報に応じてその言語の音声データを送信する。図8に示す例では、親端末の言語情報は日本語であり、子端末1の言語情報は英語であり、子端末2の言語情報は中国語である。この場合、親端末は、コンテンツデータから英語及び中国語のデータを選択し、これを子端末1及び子端末2に送信する。これにより、親端末とは異なる言語の音声データを子端末で再生することができる。
【0086】
なお、コンテンツ再生中に子端末が設定言語を親端末に通知し、登録された言語情報を変更することにより、言語を途中で切り換えることもできる。また、言語情報に応じて音声データを送信することに限らず、字幕データを送信するようにしても構わない。
【0087】
このように本発明によれば、子端末の能力やユーザの嗜好、設定情報に合わせてデータを加工し送信することにより、複数の子端末で操作可能なユーザインターフェースや、個々でパーソナライズされたユーザインターフェースを提供することができる。また、子端末の再生能力やネットワーク状況に応じて子端末に送信するデータを動的に変化させることができる。また、子端末からの設定情報などを親端末側で蓄積することで、子端末利用者の履歴や嗜好を反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【図2】情報処理システムの機能ブロック図である。
【図3】親端末のデータ送信動作例を示すフローチャートである。
【図4】機器情報の登録例を示す図である。
【図5】子端末のデータ受信動作例を示すフローチャートである。
【図6】情報処理システムの具体例1を示す図である。
【図7】情報処理システムの具体例2を示す図である。
【図8】情報処理システムの具体例3を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
11 CPU、 12 ROM、 13 RAM、 14 バス、 15 入出力インターフェース、 16 入力装置、 17 表示装置、 18 外部記憶装置、 21 CPU、 22 ROM、 23 RAM、 24 バス、 25 再生装置、 26 入力装置、 27 表示装置、 28 外部記憶装置、 31 CPU、 32 ROM、 33 RAM、 34 バス、 35 再生装置、 36 入力装置、 37 表示装置、 38 外部記憶装置、 41 デコーダ、 42 表示部、 43 データ蓄積部、 44 入力装置、 45 操作部、 46 エンコーダ、 47 送信部、 48 受信部
49 制御部、 51 受信部、 52 パケット解析部、 53 バッファ部、 54 デコーダ、 55 操作部、 56 再生装置、 57 入力装置、 58 送信部、 59 ネットワークモニタ部、 60 モニタ部、 61 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
子端末の描画能力を含む機器情報を記憶する記憶部と、上記機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成部と、上記送信データを上記子端末に送信する送信部とを有する親端末と、
上記送信データを受信する受信部と、上記送信データに基づいてユーザインターフェース画面又はコンテンツ再生画面を表示する表示部とを有する子端末と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
上記子端末は、自身の受信能力を監視する受信能力監視部と、上記受信能力のレベルを含む制御信号を親端末に送信する送信部とを有し、
上記生成部は、上記制御信号に基づいて上記送信データのデータ量を変更する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
上記子端末は、自身の演算能力を監視する演算能力監視部と、上記演算能力のレベルを含む制御信号を親端末に送信する送信部とを有し、
上記生成部は、上記制御信号に基づいて上記送信データのデータ量を変更する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
上記機器情報は、ユーザ属性情報を含み、
上記生成部は、上記ユーザ属性情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
上記親端末は、上記子端末のユーザ属性情報が変更された場合、当該子端末の機器情報を変更する制御部とを有する請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
上記機器情報は、言語情報を含み、
上記生成部は、上記言語情報に応じた言語のユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項7】
上記親端末は、上記子端末の言語情報の変更に応じて当該子端末の機器情報を変更する制御部とを有する請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
子端末の描画能力を含む機器情報を記憶する記憶部と、
上記機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成部と、
上記送信データを上記子端末に送信する送信部と
を有する情報処理装置。
【請求項9】
親端末が子端末の描画能力を含む機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成工程と、
上記親端末が上記送信データを上記子端末に送信する送信工程と、
上記子端末が上記送信データを受信する受信工程と、
上記子端末が上記送信データに基づいてユーザインターフェース画面又はコンテンツ再生画面を表示する表示工程と
を有する情報処理方法。
【請求項10】
子端末の描画能力を含む機器情報に応じてユーザインターフェース又はコンテンツの送信データを生成する生成工程と、
上記送信データを上記子端末に送信する送信工程と
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−289182(P2009−289182A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143275(P2008−143275)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】