説明

情報処理システム、操作情報受付装置及びプログラム

【課題】通信を介して提供される情報処理装置に依存しない操作画面においても、情報処理装置に固有の機能を利用する。
【解決手段】情報処理システム1は、プリンタ10の操作画面を表示するための第1の情報を保持したウェブサーバ30と、プリンタ10に備えられた機能を利用するためのAPIを含む第2の情報を保持したAPIサーバ40と、プリンタ10への操作を受け付ける操作端末20と、を含む。第1の情報は、APIサーバ40から第2の情報を取得する命令を含み、操作端末20は、ウェブサーバ30から第1の情報を取得し、取得した第1の情報に含まれる命令に従って、APIサーバ40から第2の情報を取得し、取得した第1の情報と、第2の情報とに基づいて、プリンタ10に処理を要求する操作画面の表示を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、操作情報受付装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
FAX機能、スキャナ機能、プリント機能等の複数の機能を備えた情報処理装置を利用する場合に、情報処理装置にウェブブラウザを用いてウェブサーバにアクセスして表示した操作画面を介して操作を指示することがある(下記の特許文献1を参照)。この場合に、情報処理装置の機種ごとに備えられた機能や機能のインターフェースが異なることがあるため、情報処理装置の機種ごとに固有の操作インターフェースではなく、機種に依存しない標準のインターフェースを用いることで、機種ごとの操作インターフェースの違いに個別に対応する必要がないようにしたものがある。ただし、標準のインターフェースでは、情報処理装置ごとに備えられた機能の一部にしか対応しておらず、所望の機能を利用できないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−234206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、通信を介して提供される情報処理装置に依存しない操作画面においても、情報処理装置に固有の機能を利用することができる情報処理システム、操作情報受付装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、情報処理装置の操作画面を表示するための第1の情報を保持した第1の装置と、前記情報処理装置に備えられた機能を利用するためのプログラムを含む第2の情報を保持した第2の装置と、前記情報処理装置への操作を受け付ける操作情報受付装置と、を含み、前記第1の情報は、前記第2の装置から前記第2の情報を取得する命令を含み、前記操作情報受付装置は、前記第1の装置から前記第1の情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報に含まれる命令に従って、前記第2の装置から前記第2の情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報と、前記第2の取得手段により取得した前記第2の情報とに基づいて、前記情報処理装置に処理を要求する操作画面の表示を制御する表示制御手段と、を含むことを特徴とする情報処理システムである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記操作情報受付装置は、前記操作画面に入力された情報に基づいて、前記第1の装置より取得した第1の情報から処理の対象とする対象データを指定した指定情報を抽出する手段と、前記抽出した指定情報と前記対象データを処理する際の前記情報処理装置の設定情報とを前記第2の装置に通知する通知手段をさらに含み、前記第2の装置は、前記通知手段により通知された前記指定情報に基づいて前記対象データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得した前記対象データと、前記設定情報とに基づいて、前記情報処理装置に応じた形式の処理データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成した処理データを前記情報処理装置に送信して処理を実行させる手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、前記操作情報受付装置は、前記操作画面に入力された情報に基づいて、前記情報処理装置に情報処理の実行を指示する指示手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システムである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、情報処理装置への操作を受け付ける操作情報受付装置であって、前記情報処理装置の操作画面を表示するための第1の情報を保持した第1の装置から、前記第1の情報を取得する第1の取得手段と、前記情報処理装置に備えられた機能を利用するためのプログラムを含む第2の情報を保持した第2の装置から、前記第1の情報に含まれる前記第2の装置から前記第2の情報を取得する命令に従って、前記第2の表示情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報と、前記第2の取得手段により取得した前記第2の情報とに基づいて、前記情報処理装置への処理を要求する操作画面の表示を制御する表示制御手段と、を含むことを特徴とする操作情報受付装置である。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、情報処理装置への操作を受け付けるコンピュータを、前記情報処理装置の操作画面を表示するための第1の情報を保持した第1の装置から、前記第1の情報を取得する第1の取得手段と、前記情報処理装置に備えられた機能を利用するためのプログラムを含む第2の情報を保持した第2の装置から、前記第1の情報に含まれる前記第2の装置から前記第2の情報を取得する命令に従って、前記第2の表示情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報と、前記第2の取得手段により取得した前記第2の情報とに基づいて、前記情報処理装置への処理を要求する操作画面の表示を制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、4及び5に記載の発明によれば、通信を介して提供される情報処理装置に依存しない操作画面においても、情報処理装置に固有の機能を利用することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、指定されたデータが情報処理装置によって直接処理できない形式であっても、情報処理装置が処理できるようになる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、操作画面において指示された内容の情報処理を情報処理装置に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成図である。
【図2A】情報処理システムにおいて行われる第1の実施例に係る処理のシーケンス図である。
【図2B】情報処理システムにおいて行われる第1の実施例に係る処理のシーケンス図である。
【図3】HTMLドキュメントの一例を示す図である。
【図4】APIスクリプトの一例を示す図である。
【図5】操作画面の一例を示す図である。
【図6】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図7A】情報処理システムにおいて行われる第2の実施例に係る処理のシーケンス図である。
【図7B】情報処理システムにおいて行われる第2の実施例に係る処理のシーケンス図である。
【図8A】情報処理システムにおいて行われる第3の実施例に係る処理のシーケンス図である。
【図8B】情報処理システムにおいて行われる第3の実施例に係る処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0015】
図1には、本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成図を示した。図1に示されるように、情報処理システム1は、プリンタ10、操作端末20、ウェブサーバ30、APIサーバ40を含み、プリンタ10、操作端末20、ウェブサーバ30、APIサーバ40はインターネット等のネットワーク50を介して相互にデータ通信可能に接続される。
【0016】
プリンタ10は、例えばプリント機能、FAX機能、スキャナ機能等の複数の機能を備えた画像形成装置である。また、図1にはプリンタ10の構成の一例を示した。図1に示されるように、プリンタ10は、制御部100、記憶部102、通信部104、入出力部106、画像形成部108、スキャナ部110、FAX部112を備え、各部はバス114を介して相互にデータ通信する。
【0017】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部102に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともにプリンタ10の各部を制御する。
【0018】
記憶部102は、半導体メモリやハードディスクにより実現され、プリンタ10の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部100のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態でプリンタ10に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介してプリンタ10に供給されてもよい。
【0019】
通信部104は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介してネットワーク50に接続して、ネットワーク50に接続された他の装置(例えばウェブサーバ30、APIサーバ40等)とデータ通信する。
【0020】
入出力部106は、他の機器を接続するインターフェースであり、本実施形態では入出力部106を介して操作端末20が接続され、操作端末20とデータ通信する。例えば、入出力部106には、操作端末20から操作端末20で受け付けた操作情報が入力される。
【0021】
画像形成部108は、制御部100から入力される画像形成命令(印刷ジョブ)に従って、印刷媒体上に画像を形成するものである。例えば、画像形成部108は、レーザプリンタ方式により画像を形成してもよいし、インクジェットプリンタ方式により画像を形成することとしてもよい。画像形成部108は、片面/両面印刷機能、カラー/モノクロ印刷機能、ホチキス機能、穴あけ(パンチ)機能等の複数の印刷機能を備えていることとしてよい。
【0022】
スキャナ部110は、イメージ・センサを備え、制御部100から入力されるスキャン命令に従って、イメージ・センサによって原稿をスキャンする。また、FAX部112は、制御部100から入力されるFAX送信命令に従って、指定された画像データを指定された宛先にFAX送信するとともに、他の装置から送信されたFAXデータを受信する。
【0023】
操作端末20は、プリンタ10に接続し、プリンタ10の操作画面を表示するコンピュータである。また、図1には操作端末20の構成の一例を示した。図1に示されるように、操作端末20は、制御部200、記憶部202、通信部204、入出力部206、タッチパネル部208、表示制御部210を備え、各部はバス212を介して相互にデータ通信する。
【0024】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部202に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともに操作端末20の各部を制御する。
【0025】
記憶部202は、半導体メモリやハードディスクにより実現され、操作端末20のオペレーティングシステム等の制御プログラムやウェブブラウザ等のアプリケーションプログラムやデータを記憶するほか、制御部200のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態で操作端末20に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介して操作端末20に供給されてもよい。
【0026】
通信部204は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介してネットワーク50に接続して、ネットワーク50に接続された他の装置(例えばウェブサーバ30やAPIサーバ40等)とデータ通信する。
【0027】
入出力部206は、他の機器を接続するインターフェースであり、本実施形態では入出力部206を介してプリンタ10が接続され、プリンタ10とデータ通信する。例えば、入出力部206からは、操作端末20で受け付けた操作情報がプリンタ10に出力される。
【0028】
タッチパネル部208は、タッチパネルを介してユーザの操作入力を受け付けるとともに、タッチパネルに操作端末20における情報処理の結果(操作画面)を表示する。
【0029】
表示制御部210は、タッチパネル部208に操作端末20における情報処理の結果(操作画面)を表示させる。
【0030】
ウェブサーバ30は、操作端末20からのアクセスを受け付けて、操作端末20に対してプリンタ10の操作画面を表示するためのデータ(HTMLドキュメント)を送信するコンピュータである。本実施形態では、ウェブサーバ30は、操作端末20で起動したウェブブラウザによってプリンタ10に対応したURL(操作画面取得用URL)を指定したアクセスを受け付けると、受け付けた操作画面取得用URLに対応したHTMLドキュメントを操作端末20に送信する。なお、HTMLドキュメントは、プリンタ10に備えられた機能を利用するためのAPI(Application Program Interface)を保持したAPIサーバ40からこのAPIを利用したプログラムを含むデータであるAPIスクリプトを取得する要求を実行する命令(例えばAPIスクリプト取得用URLを参照先を示す属性であるsrc属性として指定したスクリプト「script」タグ)を含む。
【0031】
図1にはウェブサーバ30の構成の一例を示した。図1に示されるように、ウェブサーバ30は、制御部300、記憶部302、通信部304を備え、各部はバス306を介して相互にデータ通信する。
【0032】
制御部300は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部302に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともにウェブサーバ30の各部を制御する。
【0033】
記憶部302は、半導体メモリやハードディスクにより実現され、ウェブサーバ30のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部300のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態でウェブサーバ30に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介してウェブサーバ30に供給されてもよい。
【0034】
例えば、記憶部302には、操作画面取得用URLごとにプリンタ10の操作画面を表示するためのHTMLドキュメントが記憶される。操作画面取得用URLはプリンタ10の機種や製造業者ごとに対応していることとしてよく、操作画面取得用URLごとに記憶されるHTMLドキュメントには、対応するAPIサーバ40からAPIスクリプトを取得するためのURL(APIスクリプト取得用URL)が指定されることとしてよい。さらに、ウェブサーバ30はHTMLドキュメントを記憶部302にそのままの形式で記憶するのではなく、HTMLドキュメントを生成するためのひな形とプログラムからなるデータ(サーバ・サイド・スクリプト)の形式で記憶しておき、操作画面を取得する操作への応答として、サーバ・サイド・スクリプトを都度解釈して生成したHTMLドキュメントを送信するようにしてもよい。この場合、サーバ・サイド・スクリプトに含まれたプログラムにおいて、操作画面取得用URLに含まれているプリンタ10の機種や製造業者を識別する情報を参照し、APIスクリプト取得用URLを求める処理を実行し、その結果をHTMLドキュメントに含めることができる。この場合、記憶部302に、プリンタ10の機種や製造業者ごとに対応したHTMLドキュメントを個別に保持する必要はなく、操作画面取得用URLの一部だけを可変とすることで、ただひとつ用意したサーバ・サイド・スクリプトですべての機種や製造業者にそれぞれ対応したHTMLドキュメントを送信するように構成することも可能である。
【0035】
通信部304は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介してネットワーク50に接続して、ネットワーク50に接続された他の装置(例えば操作端末20、プリンタ10、APIサーバ40等)とデータ通信する。
【0036】
APIサーバ40は、プリンタ10の機種ごとに固有のAPIスクリプトを保持し、操作端末20からAPIの取得要求を受け付けた場合に、操作端末20に対応するAPIスクリプトを送信する。本実施形態では、APIサーバ40は、操作端末20からAPIスクリプト取得用URLを指定したアクセスを受け付けた場合に、当該指定されたAPIスクリプト取得用URLに対応したAPIスクリプトを操作端末20に送信することとしてよい。
【0037】
図1にはAPIサーバ40の構成の一例を示した。図1に示されるように、APIサーバ40は、制御部400、記憶部402、通信部404を備え、各部はバス406を介して相互にデータ通信する。
【0038】
制御部400は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部402に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともにAPIサーバ40の各部を制御する。
【0039】
記憶部402は、半導体メモリやハードディスクにより実現され、APIサーバ40のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部400のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態でAPIサーバ40に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介してAPIサーバ40に供給されてもよい。
【0040】
例えば、記憶部402には、APIスクリプト取得用URLごとに対応付けてAPIスクリプトが記憶される。APIスクリプト取得用URLはプリンタ10の機種ごとに対応していることとしてもよいし、製造業者ごとに対応していることとしてもよい。なお、APIスクリプト取得用URLが製造業者ごとに対応している場合には、操作端末20には、指定した製造業者に関する複数の機種にまとめて対応するAPIスクリプトが送信され、操作端末20においてAPIスクリプト全体から、対象の機種に対応する部分のみが選択され実行されることとしてよい。
【0041】
通信部404は、ネットワークカードを含み、ネットワークカードを介してネットワーク50に接続して、ネットワーク50に接続された他の装置(例えば操作端末20、プリンタ10、ウェブサーバ30等)とデータ通信する。
【0042】
次に、図2A及び図2Bに示されたシーケンス図を参照しながら、情報処理システム1において行われる第1の実施例に係る処理について説明する。
【0043】
図2Aに示されるように、操作端末20はユーザから印刷対象のデータ(印刷対象データ)を指定した印刷開始操作を受け付けると(S1001)、ウェブサーバ30にHTTPリクエストを送信する(S1002)。なお、HTTPリクエストには、印刷対象データを指定した指定情報を含むこととし、印刷対象データは、ウェブサーバ30に保持されていることとする。
【0044】
ウェブサーバ30は、操作端末20から受信したHTTPリクエストに対応したHTMLドキュメントを取得し、取得したHTMLドキュメント(例えば図3を参照)を操作端末20に送信する(S1003)。
【0045】
図3には、ウェブサーバ30から送信されるHTMLドキュメント500の一例を示した。図3に示されるHTMLドキュメント500には、APIサーバ40に保持されたAPIを参照するスクリプトタグ502と、HTMLドキュメントの読込が完了した時に実行される処理を、当該HTMLドキュメントが読み込まれた時に起動させるための属性であるonload属性に指定した命令を記述した本文「body」部504と、ボタン押下時に実行される処理を指定した命令を記述したインプット「input」タグ506が含まれる。なお、スクリプトタグ502内には、APIスクリプト取得用URLが記載されている。
【0046】
操作端末20は、ウェブサーバ30から受信したHTMLドキュメントを解釈し(S1004)、HTMLドキュメントに含まれるスクリプトタグの内容に従って、APIサーバ40にAPIスクリプトの転送を要求する(S1005)。
【0047】
APIサーバ40は、操作端末20からの要求に応じてAPIスクリプト(例えば図4を参照)を送信する(S1006)。図4には、APIサーバ40から操作端末20に提供されるAPIスクリプト600の一例を示した。図4に示されるように、APIスクリプト600には、関数ごとに処理が記載されており、例えば、onload関数602には、APIスクリプトを初期化する処理が記載されており、print関数604には、印刷設定が指示された時に実行される処理が記載されており、print_start関数606には、印刷開始が指示された時に実行される処理が記載されている。
【0048】
操作端末20は、APIサーバ40から送信されたAPIスクリプトを解釈し、HTMLドキュメントの残りの読込も完了した時点でAPIスクリプトを初期化した上で(S1007)、HTMLドキュメントにより示される操作画面(例えば図5を参照)を表示する(S1008)。
【0049】
図5には、操作画面の一例を示した。図5に示される操作画面では、印刷対象のドキュメント名と、操作を表すボタンが表示される。ボタンは、HTMLドキュメントに含まれるインプットタグ506に基づいて表示されるものであり、ボタンには「プリント」と表示される。
【0050】
操作画面に表示されたボタンが押下されると(S1009)、操作端末20は、取得したAPIスクリプトの中から、ボタンに紐付けられたapi.print関数を呼び出して実行する(S1010)。このapi.print関数は、APIを構成する関数のひとつであって、APIスクリプトの中で必ず定義されているものとする。この際、api.print関数には、印刷対象のデータのURLが引数として渡される。
【0051】
次に、図2Bに示されるように、操作端末20は、api.print関数に基づいて、プリンタ10の機種や構成の情報を参照し(S1011)、印刷設定を受け付ける操作画面(印刷設定画面、例えば図6参照)を表示する(S1012)。APIスクリプトがプリンタ10の機種や構成の情報を参照する方法としては、操作端末20上でウェブブラウザとともに動作するように構成されたブラウザ・アドインを経由するとしてよい。
【0052】
図6には、印刷設定画面の一例を示した。図6に示される印刷設定画面には、S1011で参照したプリンタ10の機種や構成の情報に基づき特定されたプリンタ10の機能に基づいて、プリンタ10に設定可能な印刷パラメータの設定欄、及び「印刷開始」のボタンが表示される。図6に示した印刷設定画面の例は、図5の操作画面上にポップアップで表示されることとしたが、これに限られるものではない。
【0053】
操作端末20は、印刷設定画面において「印刷開始」のボタンが押下されると(S1013)、api.print_start関数を呼び出して実行する(S1014)。操作端末20は、api.print_start関数に基づいて、印刷対象データのURL、印刷パラメータ、プリンタ10のアドレス情報を含む印刷指示情報を生成し(S1015)、印刷指示情報をAPIサーバ40に送信する(S1016)。
【0054】
APIサーバ40は、操作端末20から送信された印刷指示情報に基づいて、印刷対象データをウェブサーバ30から取得し(S1017)、取得した印刷対象データと、印刷指示情報に含まれる印刷パラメータと、出力先のプリンタ10に基づいて、印刷データ(印刷ジョブ)を生成し(S1018)、印刷データをプリンタ10に送信する(S1019)。
【0055】
プリンタ10は、APIサーバ40から送信された印刷データに基づいて印刷処理を実行して(S1020)、処理を終了する。
【0056】
以上の第1の実施例に係る情報処理システム1では、操作端末20はウェブアプリケーションを提供するウェブサーバ30にアクセスして印刷の操作画面を表示する際に、プリンタ10の機能を利用するためのAPIを保持するAPIサーバ40からAPIスクリプトを取得し、その実行時点でプリンタ10の機種や構成の情報を参照することで、プリンタ10に固有の機能を設定する操作画面を表示可能としている。これにより、ウェブサーバ30ではプリンタ10の機種ごとに操作画面を用意する必要を無くし、操作画面を機種間で共通としつつも、設定項目が機種毎に個別に可変となる。
【0057】
次に、図7A及び図7Bに示されたシーケンス図を参照しながら、情報処理システム1において行われる第2の実施例に係る処理について説明する。
【0058】
図7Aに示されるように、操作端末20はユーザから印刷対象のデータ(印刷対象データ)を指定した印刷開始操作を受け付けると(S2001)、ウェブサーバ30にHTTPリクエストを送信する(S2002)。なお、HTTPリクエストには、印刷対象データを指定した指定情報を含むこととし、印刷対象データは、ウェブサーバ30に保持されていることとする。
【0059】
ウェブサーバ30は、操作端末20から受信したHTTPリクエストに対応したHTMLドキュメントを取得し、取得したHTMLドキュメント(例えば図3を参照)を操作端末20に送信する(S2003)。
【0060】
操作端末20は、ウェブサーバ30から受信したHTMLドキュメントを解釈するとともに(S2004)、プリンタ10の機種や構成の情報を参照し(S2005)、HTMLドキュメントに含まれるスクリプトタグの内容に従って、APIサーバ40にAPIスクリプトの転送を要求する(S2006)。この際、操作端末20は、APIサーバ40に、出力先のプリンタ10の機種情報を通知する。プリンタ10の機種情報を通知する方法としては、HTTPのヘッダ情報の一部であるユーザ・エージェント「User−Agent」フィールドの値に、プリンタ10の機種情報を含めるものとしてよい。
【0061】
APIサーバ40は、操作端末20からの要求に応じて、当該要求とともに通知されたプリンタ10の機種情報に対応したAPIスクリプトを選択し(S2007)、当該選択したAPIスクリプトを送信する(S2008)。
【0062】
操作端末20は、APIサーバ40から送信されたAPIスクリプトを解釈し、初期化した上で(S2009)、HTMLドキュメントにより示される操作画面(例えば図5を参照)を表示する(S2010)。
【0063】
操作画面に表示されたボタンが押下されると(S2011)、操作端末20は、取得したAPIスクリプトの中から、ボタンに紐付けられたapi.print関数を呼び出して実行する(S2012)。この際、api.print関数には、印刷対象のデータのURLが引数として渡される。ここで、api.print関数はAPIを構成する関数のひとつであって、前記のAPIスクリプトを選択する処理(S2007)においていずれのAPIスクリプトが選択された場合であっても、その中で必ず定義されているものとする。
【0064】
次に、図7Bに示されるように、操作端末20は、api.print関数に基づいて、印刷設定を受け付ける操作画面(印刷設定画面、例えば図6参照)を表示する(S2013)。
【0065】
操作端末20は、印刷設定画面において「印刷開始」のボタンが押下されると(S2014)、api.print_start関数を呼び出して実行する(S2015)。操作端末20は、api.print_start関数に基づいて、印刷対象データのURL、印刷パラメータ、プリンタ10のアドレス情報を含む印刷指示情報を生成し(S2016)、印刷指示情報をAPIサーバ40に送信する(S2017)。
【0066】
APIサーバ40は、操作端末20から送信された印刷指示情報に基づいて、印刷対象データをウェブサーバ30から取得し(S2018)、取得した印刷対象データと、印刷指示情報に含まれる印刷パラメータと、出力先のプリンタ10に基づいて、印刷データ(印刷ジョブ)を生成し(S2019)、印刷データをプリンタ10に送信する(S2020)。
【0067】
プリンタ10は、APIサーバ40から送信された印刷データに基づいて印刷処理を実行して(S2021)、処理を終了する。
【0068】
以上の第2の実施例に係る情報処理システム1では、APIサーバ40は出力先のプリンタ10の機種に応じたAPIスクリプトを選択して操作端末20に提供し、操作端末20においてプリンタ10に固有の機能を設定する操作画面を表示可能としている。
【0069】
次に、図8A及び図8Bに示されたシーケンス図を参照しながら、情報処理システム1において行われる第3の実施例に係る処理について説明する。
【0070】
図8Aに示されるように、操作端末20はユーザから印刷対象のデータ(印刷対象データ)を指定した印刷開始操作を受け付けると(S3001)、ウェブサーバ30にHTTPリクエストを送信する(S3002)。なお、HTTPリクエストには、印刷対象データを指定した指定情報を含むこととし、印刷対象データは、ウェブサーバ30に保持されていることとする。
【0071】
ウェブサーバ30は、操作端末20から受信したHTTPリクエストに対応したHTMLドキュメントを取得し、取得したHTMLドキュメント(例えば図3を参照)を操作端末20に送信する(S3003)。
【0072】
操作端末20は、ウェブサーバ30から受信したHTMLドキュメントを解釈し(S3004)、HTMLドキュメントに含まれるスクリプトタグの内容に従って、APIサーバ40にAPIスクリプトの転送を要求する(S3005)。そして、APIサーバ40は、操作端末20からの要求に応じてAPIスクリプトを送信する(S3006)。
【0073】
操作端末20は、APIサーバ40から送信されたAPIスクリプトを解釈し、初期化した上で(S3007)、HTMLドキュメントにより示される操作画面(例えば図5を参照)を表示する(S3008)。
【0074】
操作画面に表示されたボタンが押下されると(S3009)、操作端末20は、取得したAPIスクリプトの中から、ボタンに紐付けられたapi.print関数を呼び出して実行する(S3010)。この際、api.print関数には、印刷対象のデータのURLが引数として渡される。
【0075】
次に、図8Bに示されるように、操作端末20は、api.print関数に基づいて、プリンタ10の機種や構成の情報を参照し(S3011)、印刷設定を受け付ける操作画面(印刷設定画面、例えば図6参照)を表示する(S3012)。
【0076】
操作端末20は、印刷設定画面において「印刷開始」のボタンが押下されると(S3013)、api.print_start関数を呼び出して実行する(S3014)。操作端末20は、api.print_start関数に基づいて、印刷対象データのURL、印刷パラメータ、プリンタ10のアドレス情報を含む印刷指示情報を生成し(S1015)、印刷指示情報をプリンタ10に送信する(S3016)。
【0077】
プリンタ10は、操作端末20から送信された印刷指示情報に基づいて、印刷対象データをウェブサーバ30から取得し(S3017)、取得した印刷対象データと、印刷指示情報に含まれる印刷パラメータと、出力先のプリンタ10に基づいて、印刷データ(印刷ジョブ)を生成し(S3018)、生成した印刷データに基づいて印刷処理を実行して(S3019)、処理を終了する。
【0078】
以上の第3の実施例に係る情報処理システム1では、操作端末20において設定された指示内容に基づいてプリンタ10に処理を行わせることが可能となる。
【0079】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態において、操作端末20で受け付けた操作に基づいて、プリンタ10に印刷処理を指示することとしているが、FAX送信、スキャン等の他の処理を指示する場合においても、本発明を同様に適用可能であることはもちろんである。
【0080】
また、操作端末は、APIスクリプトに基づいて処理を行う際に、機種等の情報に加えて、機器の個体を識別する機器IDや、操作者を識別するユーザIDを参照するようにしてもよい。そして、操作端末は、参照した機器IDやユーザIDごとに予め設定されたポリシーに従って、情報処理内容を設定するようにしてもよい。
【0081】
また、上記の実施形態では、プリンタ10と操作端末20とが接続されて構成される例を説明したが、プリンタ10と操作端末20とが一体に構成されることとしてもよいのはもちろんである。
【0082】
また、上記の実施形態では、いずれも印刷対象データをウェブサーバ30から取得することとしているが、ネットワーク50に接続された他のサーバから取得することとしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理システム、10 プリンタ、20 操作端末、30 ウェブサーバ、40 APIサーバ、50 ネットワーク、100 制御部、102 記憶部、104 通信部、106 入出力部、108 画像形成部、110 スキャナ部、112 FAX部、114 バス、200 制御部、202 記憶部、204 通信部、206 入出力部、208 タッチパネル部、210 表示制御部、212 バス、300 制御部、302 記憶部、304 通信部、306 バス、400 制御部、402 記憶部、404 通信部、406 バス、500 HTMLドキュメント、502 スクリプトタグ、504 本文部、506 インプットタグ、600 APIスクリプト、602 onload関数、604 print関数、606 print_start関数。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の操作画面を表示するための第1の情報を保持した第1の装置と、
前記情報処理装置に備えられた機能を利用するためのプログラムを含む第2の情報を保持した第2の装置と、
前記情報処理装置への操作を受け付ける操作情報受付装置と、を含み、
前記第1の情報は、前記第2の装置から前記第2の情報を取得する命令を含み、
前記操作情報受付装置は、
前記第1の装置から前記第1の情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報に含まれる命令に従って、前記第2の装置から前記第2の情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報と、前記第2の取得手段により取得した前記第2の情報とに基づいて、前記情報処理装置に処理を要求する操作画面の表示を制御する表示制御手段と、を含む
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記操作情報受付装置は、
前記操作画面に入力された情報に基づいて、前記第1の装置より取得した第1の情報から処理の対象とする対象データを指定した指定情報を抽出する手段と、
前記抽出した指定情報と前記対象データを処理する際の前記情報処理装置の設定情報とを前記第2の装置に通知する通知手段をさらに含み、
前記第2の装置は、
前記通知手段により通知された前記指定情報に基づいて前記対象データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得した前記対象データと、前記設定情報とに基づいて、前記情報処理装置に応じた形式の処理データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成した処理データを前記情報処理装置に送信して処理を実行させる手段と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記操作情報受付装置は、
前記操作画面に入力された情報に基づいて、前記情報処理装置に情報処理の実行を指示する指示手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
情報処理装置への操作を受け付ける操作情報受付装置であって、
前記情報処理装置の操作画面を表示するための第1の情報を保持した第1の装置から、前記第1の情報を取得する第1の取得手段と、
前記情報処理装置に備えられた機能を利用するためのプログラムを含む第2の情報を保持した第2の装置から、前記第1の情報に含まれる前記第2の装置から前記第2の情報を取得する命令に従って、前記第2の表示情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報と、前記第2の取得手段により取得した前記第2の情報とに基づいて、前記情報処理装置への処理を要求する操作画面の表示を制御する表示制御手段と、を含む
ことを特徴とする操作情報受付装置。
【請求項5】
情報処理装置への操作を受け付けるコンピュータを、
前記情報処理装置の操作画面を表示するための第1の情報を保持した第1の装置から、前記第1の情報を取得する第1の取得手段と、
前記情報処理装置に備えられた機能を利用するためのプログラムを含む第2の情報を保持した第2の装置から、前記第1の情報に含まれる前記第2の装置から前記第2の情報を取得する命令に従って、前記第2の表示情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得した前記第1の情報と、前記第2の取得手段により取得した前記第2の情報とに基づいて、前記情報処理装置への処理を要求する操作画面の表示を制御する表示制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2013−80418(P2013−80418A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220887(P2011−220887)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】