説明

情報処理システム及び方法並びにプログラム

【課題】番組に対する視聴者から効率的な情報収集を図ることができるシステムを提供すること。
【解決手段】放送番組に連動して作動する情報処理システムであって、少なくともユーザの電子メールアドレスを含むユーザ情報を予め記憶したユーザ情報記憶手段と、ユーザ情報に基づいて所定のユーザの電子メールアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、この抽出した電子メールアドレス宛に、放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングで、当該放送番組に対応して設定された通信アクセス先を表すアクセス情報が記述された電子メールを送信するメール送信手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムにかかり、特に、番組に連動して視聴者から情報を収集する情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビやラジオなどリアルタイムで放送される番組においては、視聴者に対してクイズやアンケートなどを実施してその回答を集計し、集計結果を番組に反映させる、視聴者参加イベントが行われている。そして、このような視聴者による番組への参加は、従来は、電話による参加が一般的であったが、近年では、各ユーザがそれぞれコンピュータや携帯電話を利用してインターネット上にウェブサーバにアクセスすることで参加する、という方法にて行われている。例えば、リアルタイムアンケートを実施する際には、番組内で視聴者に電話番号やURLなどのアクセス先を提示し、URLや電話番号の入力を依頼していた。
【0003】
しかし、上述した方法では、URLや電話番号の入力をユーザ自身が行う必要があるため、ユーザによっては入力を面倒と感じてアクセスしない場合や、また、入力ミスによりアクセスできない場合が生じ、結果として参加してくれるユーザが少なくなる、という問題があった。また、アクセス後に個人情報を登録する必要があるため、エンドユーザ側に負担が大きい、という問題もあった。
【0004】
さらに、番組運営側では、視聴者の絞込みが難しく、アンケート等への回答時に、エンドユーザ側に年齢など様々な情報を入力してもらう必要があった。また、アンケート等に回答したユーザ情報の入力は視聴者によるものであるため、収集した情報の信頼性に問題があった。
【0005】
ここで、近年では、電子メールの利用が一般的になっており、かかる電子メールは、個人同士のコミュニケーションツールとして利用されていることはもちろんのこと、企業などによる営業ツールとしても利用されている。例えば、下記特許文献1,2,3では、登録されたユーザのメールアドレスに対して、番組情報や宣伝情報などを配信するシステムが開示されている。しかしながら、電子メールでは、配信したメールに対する即時の返信メールは期待できず、また、返信メールの内容の集計も困難であり、上述した番組におけるリアルタイムアンケート等の回答を収集するために利用するには不都合が生じうる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−209153号公報
【特許文献2】特開2002−342233号公報
【特許文献3】特開2003−150510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、本発明では、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、番組に対する視聴者から効率的な情報収集を図ることができるシステムを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明の一形態は、放送番組に連動して作動する情報処理システムであって、少なくともユーザの電子メールアドレスを含むユーザ情報を予め記憶したユーザ情報記憶手段と、ユーザ情報に基づいて所定のユーザの電子メールアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、この抽出した電子メールアドレス宛に、放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングで、当該放送番組に対応して設定された通信アクセス先を表すアクセス情報が記述された電子メールを送信するメール送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
そして、電子メールに記述されるアクセス情報は、放送番組に対応して予め設定されたウェブサイトへのURLであり、電子メールに記述されたURLに対応するウェブサイトにてユーザ端末からのアクセスを受け付けて、当該ユーザ端末からの送信情報を収集する情報収集手段を備えた、ことを特徴としている。
【0010】
上記発明によると、放送番組に連動して、番組に対応するウェブサイトや電話先などの通信アクセス先を表すアクセス情報が、電子メールにてユーザ端末に送信される。すると、ユーザは、電子メールに記述されたアクセス情報に基づいて、そのアクセス先にユーザ端末にて容易にアクセスすることができる。その結果、ユーザのアクセス時の操作が軽減されるため、ユーザによる番組連動ウェブサイトへのアクセス率が向上する。そして、番組側としては、アクセスを受けたウェブサイトや電話先にて、多数かつ有益な情報を収集することができる。
【0011】
また、ユーザ情報記憶手段は、ユーザ毎のユーザ認証情報を記憶すると共に、情報収集手段は、アクセスしてきたユーザ端末から送信される認証用情報とユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ認証情報とに基づいてユーザ認証を行い、その認証結果に応じてユーザ端末からのアクセスを受け付ける、ことを特徴としている。このとき、ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ認証情報は、ユーザ毎に設定されたユーザ識別情報であり、メール配信手段は、ユーザ識別情報をアクセス情報と共に電子メールに含めてユーザ端末に送信する、ことを特徴としている。また、ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ認証情報は、ユーザ端末に固有の予め設定された端末識別情報である、ことを特徴としている。また、ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ認証情報は、ユーザ毎の所在地情報であり、情報収集手段は、アクセスしてきたユーザ端末から送信される当該ユーザ端末の現在地情報と所在地情報とに基づいてユーザ認証を行う、ことを特徴としている。
【0012】
これにより、番組に連動して配信された電子メールに応じてウェブサイトにアクセスしてきたユーザ端末に対してユーザ認証を行うが、予めユーザ認証情報が登録されているため、アクセス時のユーザの操作負担が軽減され、アクセス数の増加を図ることができると共に、番組側では信頼性のある情報を収集することができる。そして、アクセス時に認証用情報をメールに記述しておくことで、さらにユーザによるアクセスが容易となる。さらには、ユーザ認証に端末識別情報や現在地情報などを使用することで、ユーザ認証の精度が向上し、収集した情報の信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
また、アドレス抽出手段は、入力された配信先の条件を表すユーザ条件情報を受け付けて、当該ユーザ条件情報とユーザ情報に記憶された情報とに基づいて電子メールアドレスを抽出する、ことを特徴としている。これにより、番組側は、放送番組に適切なユーザを配信先に設定することができる。
【0014】
また、本発明の他の形態は、放送番組に連動して作動するコンピュータによるメール配信方法であって、コンピュータが、少なくともユーザの電子メールアドレスを含むユーザ情報が予め記憶されたユーザ情報記憶手段から、ユーザ情報に基づいて所定のユーザの電子メールアドレスを抽出するアドレス抽出工程と、この抽出した電子メールアドレス宛に、放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングで、当該放送番組に対応して設定された通信アクセス先を表すアクセス情報が記述された電子メールを送信するメール送信工程と、を有することを特徴としている。そして、アクセス情報は、放送番組に対応して予め設定されたウェブサイトへのURLであり、メール送信工程にて送信された電子メールに記述されたURLに対応するウェブサイトを開設するコンピュータが、ユーザ端末からのアクセスを受け付けて当該ユーザ端末からの送信情報を収集する情報収集工程を有する、ことを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明の他の形態であるプログラムは、放送番組に連動して作動するコンピュータに、少なくともユーザの電子メールアドレスを含むユーザ情報が予め記憶されたユーザ情報記憶手段から、ユーザ情報に基づいて所定のユーザの電子メールアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、この抽出した電子メールアドレス宛に、放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングで、当該放送番組に対応して設定された通信アクセス先を表すアクセス情報が記述された電子メールを送信するメール送信手段と、を実現させる、ことを特徴としている。
【0016】
上述した構成の方法及びプログラムの発明であっても、上記情報処理システムと同様に作用するため、上述した本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、放送番組に連動したタイミングで当該番組に連動したウェブサイトへのアクセス情報が電子メールにてユーザに送信され、これに応じてユーザはウェブサイトにアクセスすることができる。従って、ユーザのアクセス時の操作が軽減されるため、ユーザによる番組連動ウェブサイトへのアクセス率が向上し、その結果、番組側としては、アクセスを受けたウェブサイトや電話先にて、多数かつ有益な情報を収集することができる、という従来にない優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、テレビ、ワンセグ、ラジオなど、リアルタイムで放送される番組において、事前にその番組内のイベントに参加表明しているユーザにメールアドレスを含むユーザ情報を登録してもらい、番組内での視聴者参加型イベントやリアルタイムアンケートいったイベント実施時、その事前登録した情報を元にイベントの対象となるエンドユーザに固有のアクセス先を記載したメールを送信する、という構成を有する。これにより、エンドユーザによるアクセス時の操作等の負担を軽減し、参加者数の増加、さらには、有益な情報収集を図る。以下、実施例にて具体的なシステム構成例及びその動作を説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の第1の実施例を、図1乃至図8を参照して説明する。図1は、システム全体の構成を示すブロック図である。図2は、データベースサーバの構成を示す機能ブロック図であり、図3乃至図4は、データベースサーバに記憶されるデータの一例を示す図である。図5は、メールサーバの構成を示す機能ブロック図であり、図6は、参加サイトサーバの構成を示す機能ブロック図である。図7乃至図8は、システムの動作を示すシーケンス図である。
【0020】
[構成]
本発明の情報処理システムは、テレビやラジオなどの番組を放送する事業者が、番組の視聴者から参加を受けるためのシステムである。例えば、後述するように、番組内にて視聴者にアンケートを実施したり、クイズ番組などのように視聴者から回答を受ける、というような番組参加型システムを実現するシステムである。
【0021】
そして、情報処理システムは、図1に示すように、データベースサーバ1と、登録サイトサーバ2と、メールサーバ3と、参加サイトサーバ4と、を備えており、これらはネットワークNを介して相互に接続されている。なお、情報処理システムは、上述した構成のサーバ郡にて必ずしも構成されていることに限定されず、他の台数や1台のサーバコンピュータにて構成されていてもよい。また、ネットワークNには、番組制作者側のコンピュータである番組制作者端末6と、番組の視聴者となるユーザのコンピュータであるユーザ端末5も接続されている。以下、各構成について説明する。
【0022】
上記番組制作者端末6は、テレビやラジオなどの番組を放送する放送事業者側にて使用されるコンピュータである。例えば、放送事業者のオペレータにて、後述するように、放送番組に対応するウェブサイトをネットワーク上のウェブサーバ(参加サイトサーバ4)にアップロードするために利用されたり、放送番組の進行状況に応じたタイミングにてメール配信をメールサーバ3に指示するために利用される。また、ウェブサイトのURLやアクセス条件などのウェブサイトに関する情報をデータベースサーバ1に登録する際にも利用される。なお、この番組制作者端末6は、放送番組の進行状況(例えば、タイムスケジュール情報)に応じて自動的にメール配信指示などの処理を実行するよう構成されていてもよい。
【0023】
上記ユーザ端末5は、テレビやラジオなどの放送番組を視聴する視聴者が使用するパーソナルコンピュータや携帯電話である。このユーザ端末5は、少なくとも電子メールを受信できると共に、所定のウェブサイトにアクセス可能なよう構成されており、視聴者は、放送番組を視聴している最中には、電子メールを受信でき、かつ、ウェブサイトにアクセスできるよう電源を入れた状態にしている。また、ユーザ端末5は、ユーザの操作によって、番組視聴に先立って登録サイトサーバ2が開設する登録サイトにアクセスし、ユーザ情報を登録する。さらに、ユーザ端末5は、後述するように、電子メールに記述されているURLなどのアクセス情報に基づいてウェブサイトにアクセスすることができる。そして、このアクセスした放送番組に対応するウェブサイト上にて、アンケートやクイズに回答することにより、その回答情報を送信することができる。なお、本実施例では、ユーザ端末5にはGPSが搭載されており、現在位置情報を取得してアクセスしたサーバ、例えば、登録サイトサーバ2や参加サイトサーバ4に送信することができる。
【0024】
次に、情報処理システムの構成について説明する。まず、上記登録サイトサーバ2は、上述した放送番組の視聴者の事前登録用のサイトを開設している。例えば、ユーザ端末5からのアクセスを受け付けて登録用の入力項目を表示し、かかる項目に入力された情報を受け付けてユーザ情報として登録する。入力項目は、例えば、基本的な情報として、ユーザの電子メールアドレスがあり、さらには、番組毎に予め設定された項目(年齢、性別、住所など)がある。また、アクセスしてきたユーザ端末5が携帯電話である場合に、当該ユーザ端末5から端末固有の識別情報(端末識別情報)である電話番号やSIMカードに記憶されているIMSIを収集して、端末ID情報としてユーザ毎に登録する機能を有する。さらには、ユーザ端末5から登録時における現在位置情報を受け付けて、住所として登録することもできる。そして、これら受け付けた情報は、全てデータベースサーバ1に送信してユーザ情報として登録する。
【0025】
次に、データベースサーバ1は、図2に示すように、CPUといった演算装置1Aと、ハードディスクドライブなどの記憶装置1Bと、を備えた一般的なサーバコンピュータである。そして、演算装置1Aには、所定のプログラムが組み込まれることによって、ユーザ情報登録処理部11と、サイト情報登録処理部12と、情報管理処理部13と、が構築されている。また、記憶装置1Bには、ユーザデータベース14と、サイトデータベース15と、が形成されている。
【0026】
ユーザ情報登録処理部11は、上述したように、ユーザ端末5にて登録サイトサーバ2に登録されたユーザ情報を、当該登録サイトサーバ2から受け付けてユーザデータベース14(ユーザ情報記憶手段)に格納する。ここで、図3に、格納されるユーザ情報の一例を示す。この図に示すように、ユーザ情報には、基本情報として、ユーザ認証情報であるID及びパスワード(ユーザ識別情報)や、電子メールアドレスが登録され、さらに、番組毎に要求されているユーザの個人情報(年齢、性別、住所など)も記録される。なお、ユーザ認証情報としては、ユーザ端末5である携帯電話に固有の端末ID情報や、ユーザの住所(所在地情報)が登録されてもよい。さらには、後述するように、番組に参加して参加サイトにアクセスした際にユーザ端末5から送信されたアンケートやクイズへの回答などの収集情報が記録される。なお、上記IDやパスワードは、データベースサーバ1にて自動的に生成されて記憶される。
【0027】
また、サイト情報登録処理部12は、放送番組に対応して生成されたアンケートやクイズなどの回答を収集するためのウェブサイトに関する情報を、番組制作者端末6や当該サイトが開設された参加サイトサーバ4などから受け付けて、サイトデータベース15に格納する。ここで、サイトデータベース15に格納されるサイト情報の一例を、図4に示す。この図に示すように、サイト情報は、放送番組に対応して生成されたアンケートやクイズなどの回答を収集するためのウェブサイトのURL(アクセス情報)や、当該ウェブサイトへのアクセス条件(アクセス可能日時、ID・パスワード認証を必要、所在地認証を必要など)を設定したアクセス許可情報、さらには、ウェブサイトにアクセスしてもらいたい対象者となるメール配信先を設定する配信条件情報、が登録される。
【0028】
そして、情報管理処理部13は、上記ユーザデータベース14及びサイトデータベース15内の情報を管理し、登録サイトサーバ2、参加サイトサーバ4、メールサーバ3からの要求に応じて、ユーザ情報及びサイト情報の入力、参照、更新を行う。
【0029】
次に、メールサーバ3について、図5を参照して説明する。メールサーバ3は、CPUなどの演算装置3Aを備えた一般的なサーバコンピュータである。そして、演算装置3Aには、所定のプログラムが組み込まれることによって、配信先抽出処理部31と、メール作成処理部32と、メール配信処理部33と、が構築されている。配信先抽出処理部31(アドレス抽出手段)は、番組に対応して生成されたウェブサイトについて設定されている配信条件をデータベースサーバ1のサイトデータベース15や参加サイトサーバ4から読み取って、この条件に合致するユーザをデータベースサーバ1のユーザデータベース14内から選定して、そのユーザの電子メールアドレスを抽出する。また、配信先抽出処理部31は、データベースサーバ1のサイトデータベース15からウェブサイトのURLも読み出す。そして、メール作成処理部32は、抽出した電子メールアドレス宛に送信する電子メールとして、上記URLが本文などに記述された電子メールを作成しておく。なお、配信先抽出処理部31は、電子メールアドレスを抽出したユーザのID及びパスワードも読み出して、メール作成処理部32にて電子メールに記述してもよい。つまり、予め登録されているユーザ認証情報をユーザに電子メールで通知するよう送信してもよい。そして、メール配信処理部33(メール配信手段)は、番組制作者端末6などから放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングにてメール配信指示を受け付けて、あるいは、予め番組に応じて設定された時刻に、上述したように生成した電子メールを、ユーザ端末5に配信する。
【0030】
次に、参加サイトサーバ4について図6を参照して説明する。参加サイトサーバ4は、CPUといった演算装置4Aと、ハードディスクドライブといった記憶装置4Bとを備えたサーバコンピュータである。そして、演算装置4Aには、所定のプログラムが組み込まれることにより、サイト設定処理部41と、アクセス受付処理部42と、コンテンツ配信処理部43と、情報収集処理部44と、が構築されている。また、記憶装置4Bには、コンテンツ記憶部45と、収集情報記憶部46と、が形成されている。
【0031】
サイト設定処理部41は、番組制作者端末6などから登録された放送番組に対応するウェブサイトを、ユーザ端末5からアクセス可能なよう公開設定する。なお、このウェブサイトのアクセス情報であるURLは、上述したメールサーバ3からユーザ端末5に配信される電子メールに記述される。アクセス受付処理部42は、上記URLが記述された電子メールを受信したユーザ端末5が当該URLを選択することによる当該ユーザ端末5からのアクセスを受け付ける。なお、このウェブサイトは、PCや携帯電話の両ブラウザからアクセスを受けることが可能なよう設定されている。そして、さらに、アクセス受付処理部42は、ユーザデータベース1と連動して、このウェブサイトのサイト情報として設定されているアクセス許可情報を読み取って、あるいは、ウェブサイト自体の設定に応じて、ユーザデータベース14に記憶されているユーザ情報に基づいて、アクセスしてきたユーザ端末5のユーザ認証を行う。例えば、アクセスしてきたユーザ端末5から送信されたID及びパスワード(認証用情報)と、ユーザデータベース14に記憶されているユーザ認証情報との認証を行ったり、あるいは、端末ID情報の認証を行う。さらには、アクセス時に送信されたユーザ端末5の現在地情報がユーザ情報に登録されている所在地情報と一致あるいは所定の範囲内にあるか否かによって認証することもできる。なお、時間によってアクセスを制限してもよい。そして、ユーザ認証が成功した場合には、コンテンツ配信処理部43がユーザ端末5にアンケートやクイズなどのコンテンツを配信し、これに応じてユーザ端末5から入力された回答情報を、情報収集処理部44にて収集する(情報収集手段)。この収集した情報は、記憶装置4B内の収集情報記憶部46に格納され、集計されて番組内ですぐに利用されたり、あるいは、データベースサーバ1にユーザ毎に格納され、後に詳細に分析される。
【0032】
[動作]
次に、上記システムの動作を、図7乃至図8のシーケンス図を参照して説明する。はじめに、放送番組にて地域情報を用いた市場調査アンケートを行う場合を例に挙げて説明する。
【0033】
まず、エンドユーザが、ユーザ端末5を用いて番組開始前に番組参加登録サイト(登録サイトサーバ2)にアクセスし、必要情報を入力する(ステップS1)。登録する情報については、メールアドレス以外はその番組の趣旨にあった固有項目とする。すると、番組参加登録サイトは、その入力情報をデータベースサーバ1のユーザデータベース14に登録する(ステップS2,S3)。なお、データベースサーバ1は、登録時に自動的にID、パスワードを作成して登録する。これにより、図3に示すようなユーザ情報が登録される。
【0034】
続いて、番組運営者側は、番組運営時に、エンドユーザにアクセスしてもらう番組参加サイトを立ち上げる(ステップS4,S5)。このとき、サイトは、アンケートにあわせて作成する。また、登録サイトサーバ2を介してデータベースサーバ1にサイト情報として登録しておくことで、種々のアクセス条件を設定することができる(ステップS6,S7,S8)。例えば、必要に応じて視聴者によるアクセス可能時間を指定することができる。また、データベースサーバ1に登録されたユーザ情報と連動し、ID、パスワードを使用してアクセスしてきた視聴者を認証することも可能である。さらには、ウェブサイトは、PC用サイト、携帯用サイトの両方を提供可能であり、携帯サイトでは端末識別情報を用いた認証や、GPS情報を利用した位置情報による認証も設定可能である。また、放送番組の内容に応じてアンケートに回答してもらうユーザを特定するよう、メールを配信するユーザを絞り込む配信条件情報も登録される。これにより、図4に示すような再と情報が登録される。
【0035】
続いて、データベースサーバ1と連動したメールサーバ3が、サイト情報として設定されたアンケートを依頼したいエンドユーザの条件に基づいて、ユーザデータベース14内から条件が一致したユーザ情報を抽出し(ステップS11、アドレス抽出工程)、そのユーザの電子メールアドレス宛の電子メールを作成する(ステップS12)。例えば、配信条件として、「30歳台女性」と設定されていた場合には、ユーザデータベース14内から条件に合致するユーザ情報を抽出する。このとき、電子メールには、ウェブサイトのURLと、そのユーザに対して設定されたID及びパスワードと、が記述される。なお、ユーザデータベース内の登録されている電子メールアドレスに応じて、貼り付けるURLはPC用と携帯用と区別し送付する事が可能であるが、ここでは、地域情報を用いた市場調査を例に説明しているため、携帯アドレスを登録したユーザに対してのみメールを配信することとする。また、ここでは、後にアクセスしてきたユーザ端末5のGPS情報と登録された住所が不一致の場合は、アンケートが無効となるよう設定されていることとする。そして、上述したように、番組で必要なイベント数だけウェブサイトを生成し、かつ、メールを準備する。ここまでが事前準備になる。
【0036】
その後、放送番組が開始され、放送中にアンケートを行うタイミングにあわせて、番組作成者側からメールサーバ3に配信指示が出され(ステップS13)、これを受けて、メールサーバ3が視聴者のメールアドレス宛に、上記作成した電子メールを送信する(ステップS14、メール送信工程)。すると、ユーザはユーザ端末5で受信したメールを開くと、URLが記述されているため、これを選択することで容易かつ迅速に、番組のアンケートサイトにアクセスすることができる(ステップS15)。このとき、携帯電話であるユーザ端末5からは、端末ID情報がウェブサイトに送信され、当該サイトはこの端末ID情報とデータベースサーバ1に登録されている情報とを用いてユーザ認証を行い(ステップS16)、認証が成功した場合にはアクセスを許容する。さらに、このとき、ユーザ端末5からはGPSによる現在地情報がウェブサイトに送信されるが、これが事前に登録された所在地情報と不一致の場合には、アクセスを不許可とするか、その後のアンケートは不採用とする。
【0037】
そして、ウェブサイトからは、コンテンツであるアンケート入力フォームをユーザ端末5が送信され(ステップS17)、その後、ユーザ端末5にて入力された情報を受信して、データベースサーバ1に収集する(ステップS18,S19、情報収集工程)。これにより、データベースサーバ1にてアンケート結果が集計されて、他のシステムと連動して、かかる情報を利用することができる。
【0038】
次に、同じく図7乃至図8のシーケンス図を用いて、クイズ番組にて視聴者が参加する場合を例に挙げて説明する。具体的には、出題されたクイズに対して、一定の選択肢を選択したユーザのみ次のアクセス先が届くシステムである。
【0039】
まず、上述同様に、エンドユーザが、ユーザ端末5を用いて番組開始前に番組参加登録サイト(登録サイトサーバ2)にアクセスし、必要情報を入力する(ステップS1)。登録する情報については、メールアドレス以外はその番組の趣旨にあった固有項目とする。すると、番組参加登録サイトは、その入力情報をデータベースサーバ1のユーザデータベース14に登録する(ステップS2,S3)。なお、ユーザ端末5が携帯電話である場合には、登録時にユーザ端末から送信された端末ID情報がデータベースサーバ1に登録されるため、ユーザ端末5は後にウェブサイトにアクセスする際には、自動的に端末ID情報を送信することで、自動的に認証されアクセスすることが可能となる。
【0040】
続いて、番組運営者側は、番組運営時に、エンドユーザにアクセスしてもらう番組参加サイトを立ち上げる(ステップS4,S5)。このとき、サイトは、クイズ問題数分のページを作成する。また、そのサイトに対応した正解を、データベースサーバ1のサイト情報に登録しておく。
【0041】
続いて、データベースサーバ1と連動したメールサーバ3が、サイト情報として設定されたクイズに参加してもらいたいエンドユーザの条件に基づいて、ユーザデータベース内から条件が一致したユーザ情報を抽出し(ステップS11)、そのユーザの電子メールアドレス宛の電子メールを作成する(ステップS12)。このとき、電子メールには、ウェブサイトのURLが貼り付けられている。
【0042】
その後、放送番組が開始され、放送中にクイズを行うタイミングにあわせて、番組作成者側からメールサーバ3に配信指示が出され(ステップS13)、これを受けて、メールサーバ3が視聴者のメールアドレス宛に、上記作成した電子メールを送信する(ステップS14)。すると、ユーザはユーザ端末5で受信したメールを開くと、URLが記述されているため、これを選択することで容易かつ迅速に、番組のクイズサイトにアクセスすることができる(ステップS15)。このとき、携帯電話であるユーザ端末5からは、端末ID情報がウェブサイトに送信され、当該サイトはこの端末ID情報とデータベースサーバ1に登録されている情報とを用いてユーザ認証を行い(ステップS16)、認証が成功した場合にはアクセスを許容する。
【0043】
そして、ウェブサイトからは、コンテンツであるクイズがユーザ端末5に送信され(ステップS17)、その後、ユーザ端末5にて入力された情報を回答として受信して、データベースサーバ1に収集する(ステップS18,S19)。そして、そのクイズのユーザ端末5による回答に対して、データベースサーバ1に登録してある解答に基づいて正解/不正解を判断し、メールサーバ3と協働してその結果をユーザ端末5にメールで通知する。例えば、正解したユーザ端末5に対しては、次の問題サイトのURLを上述同様にメールサーバ3から電子メールで送信し、不正解であれば次のサイトを紹介するメールは送付されない。また、不正解となったユーザが次の問題サイトにアクセスしても、アクセスの際に確認している端末IDにより判断され、これ以上番組に参加できない旨を説明するサイトに自動的に飛ばされる。以上の処理を繰り返すことで、クイズイベントとして正解者の選抜を実施することができる。
【0044】
以上のように、本発明によると、番組中にメールで、アクセス先であるURLや、アクセス時に必要とされるID、パスワードを通知されるため、エンドユーザはそのメールに従いアクセスすることで、余分な入力の負担が減り、アクセスが容易になる。また、事前に個人情報を登録しているため、エンドユーザはアクセス後も最低限の情報のみ入力すればよく、負担が軽減される。このように、エンドユーザは、アクセス及び入力の負担が減ることになるため、その結果としてイベントに参加してくれる人の増加を図ることができる。そして、番組運営側としては、事前の入力情報を元にメールを配信できるため、対象者を絞り込んだイベントやアンケートを実施しやすくなり、有益な情報収集を実現できる。同時に、携帯電話の端末IDやGPS情報という偽造が難しい情報を用いてアクセスしてきたユーザ端末5を認証することで、より精度の高いイベントが可能となる。また、事前に番組に興味を持つタイプを調査できるため、番組の内容に反映することが可能となる。
【0045】
ここで、上記では、地域情報を用いた市場調査アンケート、クイズイベントを例にして説明したが、視聴者プレゼント、番組参加といった読者参加型イベントであれば、いかなる場合にも利用することができる。特に、上述したように、個人レベルでは偽造が難しい端末IDやGPS情報を用いることにより、より信頼性に高い、多彩なイベントを企画することができる。
【0046】
そして、例えば、上述したように、番組参加サイトを立てず、電話カスコンシステムの電話番号を、放送番組に対応したアクセス先となるアクセス情報として電子メール本文に記述してもよい。これにより、ユーザ端末5である携帯電話への電子メール宛に送付することにより、ユーザはワンクリックで電話カスコンシステムに電話することもでき、電話による情報収集などにも利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、放送事業者が、視聴者を放送番組と連動したウェブサイトにアクセスするよう導くために利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】情報処理システム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】データベースサーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】データベースサーバに記憶されるユーザ情報の一例を示す図である。
【図4】データベースサーバに記憶されるサイト情報の一例を示す図である。
【図5】メールサーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図6】参加サイトサーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図7】情報処理システム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図8】情報処理システム全体の動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0049】
1 データベースサーバ
2 登録サイトサーバ
3 メールサーバ
4 参加サイトサーバ
5 ユーザ端末
6 番組制作者端末
11 ユーザ情報登録処理部
12 サイト情報登録処理部
13 情報管理処理部
14 ユーザデータベース
15 サイトデータベース
31 配信先抽出処理部
32 メール作成処理部
33 メール配信処理部
41 サイト設定処理部
42 アクセス受付処理部
43 コンテンツ配信処理部
44 情報収集処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組に連動して作動する情報処理システムであって、
少なくともユーザの電子メールアドレスを含むユーザ情報を予め記憶したユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザ情報に基づいて所定のユーザの前記電子メールアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、
この抽出した電子メールアドレス宛に、前記放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングで、当該放送番組に対応して設定された通信アクセス先を表すアクセス情報が記述された電子メールを送信するメール送信手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記電子メールに記述される前記アクセス情報は、前記放送番組に対応して予め設定されたウェブサイトへのURLであり、
前記電子メールに記述された前記URLに対応するウェブサイトにて前記ユーザ端末からのアクセスを受け付けて、当該ユーザ端末からの送信情報を収集する情報収集手段を備えた、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ユーザ情報記憶手段は、ユーザ毎のユーザ認証情報を記憶すると共に、
前記情報収集手段は、アクセスしてきた前記ユーザ端末から送信される認証用情報と前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記ユーザ認証情報とに基づいてユーザ認証を行い、その認証結果に応じて前記ユーザ端末からのアクセスを受け付ける、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記ユーザ認証情報は、ユーザ毎に設定されたユーザ識別情報であり、
前記メール配信手段は、前記ユーザ識別情報を前記アクセス情報と共に前記電子メールに含めて前記ユーザ端末に送信する、
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記ユーザ認証情報は、前記ユーザ端末に固有の予め設定された端末識別情報である、
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記ユーザ認証情報は、ユーザ毎の所在地情報であり、
前記情報収集手段は、アクセスしてきた前記ユーザ端末から送信される当該ユーザ端末の現在地情報と前記所在地情報とに基づいてユーザ認証を行う、
ことを特徴とする請求項3,4又は5記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記アドレス抽出手段は、入力された配信先の条件を表すユーザ条件情報を受け付けて、当該ユーザ条件情報と前記ユーザ情報に記憶された情報とに基づいて前記電子メールアドレスを抽出する、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の情報処理システム。
【請求項8】
放送番組に連動して作動するコンピュータによるメール配信方法であって、
前記コンピュータが、少なくともユーザの電子メールアドレスを含むユーザ情報が予め記憶されたユーザ情報記憶手段から、前記ユーザ情報に基づいて所定のユーザの前記電子メールアドレスを抽出するアドレス抽出工程と、
この抽出した電子メールアドレス宛に、前記放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングで、当該放送番組に対応して設定された通信アクセス先を表すアクセス情報が記述された電子メールを送信するメール送信工程と、
を有することを特徴とするメール配信方法。
【請求項9】
前記アクセス情報は、前記放送番組に対応して予め設定されたウェブサイトへのURLであり、
前記メール送信工程にて送信された前記電子メールに記述された前記URLに対応するウェブサイトを開設するコンピュータが、前記ユーザ端末からのアクセスを受け付けて当該ユーザ端末からの送信情報を収集する情報収集工程を有する、
ことを特徴とする請求項8記載のメール配信方法。
【請求項10】
放送番組に連動して作動するコンピュータに、
少なくともユーザの電子メールアドレスを含むユーザ情報が予め記憶されたユーザ情報記憶手段から、前記ユーザ情報に基づいて所定のユーザの前記電子メールアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、
この抽出した電子メールアドレス宛に、前記放送番組の進行状況に応じた所定のタイミングで、当該放送番組に対応して設定された通信アクセス先を表すアクセス情報が記述された電子メールを送信するメール送信手段と、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−219730(P2008−219730A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57100(P2007−57100)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】