情報処理システム及び通信装置
【課題】銀行口座や財布等に存在する金銭に関連する情報を通信装置により管理することが可能である情報処理システムを提供する。
【解決手段】本発明の情報処理システムは、情報処理装置と通信装置とを含むように構成されている。情報処理装置は、金融機関の口座より口座情報を取得する。そして口座に対して入出金が行われる等により口座情報が変更された場合に、変更内容を示す変更情報を通信装置に対して送信する。通信装置は、操作部により手動入力された金銭情報である手動入力情報と、受信した口座情報、及び変更情報に関連する日付をカレンダー画像上で強調表示する。また通信装置は、カレンダー画像が表示された状態においてカレンダー画像上の所定日付が操作部により選択されると、選択された日付に関連する手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録部より読み出して表示部に表示する。
【解決手段】本発明の情報処理システムは、情報処理装置と通信装置とを含むように構成されている。情報処理装置は、金融機関の口座より口座情報を取得する。そして口座に対して入出金が行われる等により口座情報が変更された場合に、変更内容を示す変更情報を通信装置に対して送信する。通信装置は、操作部により手動入力された金銭情報である手動入力情報と、受信した口座情報、及び変更情報に関連する日付をカレンダー画像上で強調表示する。また通信装置は、カレンダー画像が表示された状態においてカレンダー画像上の所定日付が操作部により選択されると、選択された日付に関連する手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録部より読み出して表示部に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を用いた情報処理システム、及び通信装置に関するものであり、特に金融機関に存在する口座の情報や、ユーザが購買等を行うことにより発生した金銭情報の管理を行うための情報処理システム、及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信インフラの発達により、通信に関する様々な付加サービスが普及するようになってきた。例えば携帯電話等の通信装置を含む情報処理システムにおいては、通信装置を利用して金融機関から口座情報を取得したり、口座振り込みや買い物の支払い等を通信網を介して実行したりすることが可能な情報処理システムが実用化されている。
【0003】
上記に関連して特許文献1においては、口座番号を必要とすることなく金融機関のサービスを実現可能であり、且つ金銭の移動を明確に把握できるようにすることにより、受取人の受け取り手続きの負担を軽減することが可能な金融取引サービス方法が開示されている。
【特許文献1】特開2007−317173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1によれば、口座番号の代わりに携帯電話番号または携帯電話番号と対応する電子メールアドレスを用いて受取人を特定して振り込みを行うことにより、金融機関の利用者の利便性を向上させている。
【0005】
しかしながら特許文献1の金融取引サービス方法では、例えばユーザが口座の預金残高等を知りたい場合に、その都度金融機関へアクセスして認証処理等を行う必要があるため、手間がかかるという問題があった。また、アクセスの度に通信費がかかるため、コストの面で不利である。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、ユーザの金銭に関連する情報、例えば口座の預金残高や、財布に保持している紙幣及び硬貨の金額等を通信装置を用いて管理することが可能である情報処理システム、及び通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、通信網に接続可能な第一通信部と、予め定められた金融機関の口座に関する口座情報を前記第一通信部により取得する情報取得部と、前記口座情報の変更内容を示す変更情報及び前記口座情報を前記第一通信部により送信する情報配信部とを備えた情報処理装置と、前記口座情報及び前記変更情報の受信を行う第二通信部と、画像の表示を行う表示部と、操作を受け付ける操作部と、前記操作部により入力された金銭情報である手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報に関連する日付をカレンダー画像を用いて前記表示部に示す情報表示部とを備えた通信装置とを含むことを特徴としている。
【0008】
この構成によると、本発明の情報処理システムは、サーバ等の情報処理装置と、携帯電話等の通信装置とを含むように構成されている。情報処理装置は、通信網に接続可能な第一通信部と、所定の金融機関の口座より口座情報を取得する情報取得部を備えている。情報取得部はさらに、口座に対して入出金が行われる等により口座情報が変更された場合に、変更内容を示す変更情報を金融機関より取得する。また情報処理装置は、上記の口座情報及び変更情報を通信装置等に対して送信する情報配信部を備えている。
【0009】
通信装置は、口座情報や変更情報を受信する第二通信部と、画像の表示を行う表示部と、操作を受け付ける操作部とを備えている。操作部により手動入力された金銭情報は、手動入力情報として通信装置に取得される。また通信装置は、口座情報、変更情報及び手動入力情報に関連する日付、例えば変更情報における口座内容変更日等を、カレンダー画像上で強調表示する等によりユーザに示す情報表示部を備えている。
【0010】
また上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、前記通信装置が、前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を記録する記録部を備え、前記情報表示部が、前記カレンダー画像により前記表示部に示されている日付が前記操作部により選択された場合に、前記日付に関連する前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を前記記録部より読み出して前記表示部に表示する。
【0011】
この構成によると、本発明の情報処理システムに含まれる通信装置は、手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録する記録部を備えている。情報表示部は、カレンダー画像が表示部表示された状態において、カレンダー画像上の所定日付が操作部により選択されると、選択された日付に関連する手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録部より読み出して表示部に表示する。
【0012】
また上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、前記情報表示部が、予め定められた期間に関連する前記変更情報及び前記手動入力情報を前記表示部に一覧表示するとともに、前記変更情報と前記手動入力情報とを異なる表示形式により一覧表示する。
【0013】
この構成によると、通信装置が備える情報表示部が、所定期間内における変更情報、及び手動入力情報を表示部に一覧表示する。また一覧表示を行う際に、変更情報と前記手動入力情報とを区別するため、異なる表示形式で一覧表示する。
【0014】
また上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、前記情報処理装置が備える前記情報取得部が、前記口座情報の変更予定を示す予定情報を予め定められた公共機関より取得し、前記情報配信部が前記予定情報を前記第一通信部により送信し、前記通信装置が、前記第二通信部により受信した前記変更情報と前記予定情報とを比較し、前記変更情報に含まれる変更内容と前記予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在する場合に通知を行う通知部を備える。
【0015】
この構成によると、情報処理装置が備える情報取得部が、口座情報の変更予定を示す予定情報を電力会社等の公共機関から取得し、取得した予定情報を情報配信部が第一通信部により通信装置へ送信する。通信装置が備える通知部は、第二通信部により受信した変更情報と予定情報とを比較し、変更情報に含まれる変更内容と予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在するか否かを判定する。そして差異が存在する場合、通知部は警告メッセージを表示部に表示する等によりユーザへの通知を行う。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、通信装置が、情報処理装置より受信した変更情報や、手動入力された手動入力情報に関連する日付をカレンダー画像上で表示する。このためユーザは、口座に対して入出金があった日付や、購買情報を入力した日付等を、カレンダー画像により容易に確認することができる。
【0017】
また本発明の構成によれば、カレンダー画像上の所定日付が操作部により選択された場合に、選択された日付に関連する手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録部より読み出して表示部に表示する。このためユーザは、カレンダー画面から各情報の詳細を容易に確認できる。また各情報は予め記録部に記録されているため、口座情報等を確認する度に情報処理装置から情報を取得する必要がないため、処理にかかる時間及び通信料金の面で有利である。
【0018】
また本発明の構成によれば、所定期間における変更情報、及び手動入力情報を、その種類を区別しつつ一覧表示する。このためユーザは、口座の預金残高に関係する変更情報と、口座の預金残高に関係しないローカル情報である手動入力情報とを、一つの一覧画面で確認することができる。
【0019】
また本発明の構成によれば、通信装置が受信した変更情報と予定情報とを比較し、変更情報に含まれる変更内容と予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在する場合に通知を行う。このためユーザは、例えば公共機関から引き落とされた金額が事前通知された金額と異なる場合に、差異が発生したことを認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1.情報処理システムの構成について〉
図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。本システムは少なくとも、携帯電話1(=通信装置)、銀行4(=金融機関)に設けられたサーバ2(=情報処理装置)、アクセスポイント3(例えば、基地局)、有線通信網51、無線通信網52、及び広域通信網53を含むように構成されている。また広域通信網53に接続されて各種サービスを提供する公共機関として電力会社5、及びガス会社6を含んでいる。
【0021】
携帯電話1は、無線通信網52を介してアクセスポイント3に接続可能な通信端末であり、複数の携帯電話1が同時にアクセスポイント3に接続可能である。また携帯電話1は、アクセスポイント3及び有線通信網51を介して、サーバ2と相互通信可能である。また携帯電話1は、銀行4等の金融機関においてユーザが所有する口座の口座情報や、買い物を行うことにより発生した購買情報等を記録する機能を備える。なお、携帯電話1の装置構成の詳細については後述する。
【0022】
サーバ2は、アクセスポイント3を介して携帯電話1に接続し、携帯電話1から送られてくる個人情報や認証情報に基づいて情報配信を行うための情報処理装置である。また、銀行4に存在するユーザの口座に入手金処理等が行われ、口座情報に変更が生じた場合に、その変更内容を取得して記録する役割も持つ。なお、サーバ2の内部構造の詳細については後述する。
【0023】
アクセスポイント3(例えば基地局)は、有線通信網51と無線通信網52とを相互接続するための通信装置である。アクセスポイント3は、物理的な通信方式やプロトコルの異なるネットワーク間での通信の中継を行うことが可能である。
【0024】
有線通信網51は、通信プロトコルにより通信機器を相互接続して構築された通信網であり、例えばLAN(Local Area Network)や電気通信事業者が提供する専用線がこれに相当する。なお、有線通信網51のネットワーク層及びトランスポート層の通信プロトコルとしては、TCP/IPが標準的なプロトコルとして用いられることが多い。
【0025】
無線通信網52は、複数の携帯電話1とアクセスポイント3とが無線接続された携帯電話用通信網である。具体的には例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)規格に準拠した通信方式等を用いて無線通信を行う。
【0026】
広域通信網53は、例えばインターネットや専用線等により構成される通信網であり、銀行4等の金融機関や、電力会社5及びガス会社6等の公共機関を接続して相互に通信可能としたものである。
〈2.サーバの内部構成について〉
図3は、本発明の一実施形態に係るサーバ2の内部構成、及び機能部構成を示すブロック図である。サーバ2は少なくとも、制御部31、メモリ32、ハードディスク33、通信I/F部34(=第一通信部)、及び通信制御部35(=第一通信部)を含むように構成されている。
【0027】
制御部31は、サーバ2における各種処理を実施するため、各装置を制御する。これにより、ハードディスク33に記録されている口座情報の配信処理や、ユーザ認証を行うための個人情報の解析処理等を統括制御する。制御部31は、例えば複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部31は、各装置(例えば通信I/F部34等)の制御や情報の計算、加工処理等を行う中枢部分となっている。
【0028】
メモリ32は、サーバ2が各種処理を実行する際に、処理情報を一時的に記録する記録媒体である。ハードディスク33は、銀行4から送られてきた口座情報や、携帯電話1から送られてきた個人情報等を記録するための磁気記録媒体である。
【0029】
通信I/F部34は、サーバ2を通信ネットワークと接続するための物理的なインタフェースである。通信I/F部34は例えば、IEEE802.3規格に準拠したネットワークカード等を備えている。このネットワークカードのLANポートにツイストペアケーブルを差し込むことにより、有線通信網51との接続が可能となっている。通信制御部35は、通信I/F部34により接続された外部装置、例えば携帯電話1等と相互通信を行うための通信制御を行う。
【0030】
またサーバ2は、制御部31が備える演算処理装置上で所定のプログラムが実行されることにより実現される機能部として、ユーザ認証部31a、情報取得部31b、及び情報配信部31cを備えている。
【0031】
ユーザ認証部31aは、携帯電話1から受信した認証情報の解析処理を行う。これにより、携帯電話1より送られてくる各種リクエストが、正規のユーザによるものであるか否かを判定する。なお解析処理により得られたデータは、ハードディスク33に記録されているユーザ管理データベースに登録される。
【0032】
情報取得部31bは、銀行4の口座に対する料金引き落としが発生したり、口座に対する振り込みが発生したりする等により口座情報に変更が生じた場合に、変更内容を示す変更情報を収集する。また情報取得部31bは、電力会社5やガス会社6等の公共機関から、引き落とし予定日や引き落とし予定金額等を示す予定情報を、引き落とし前に取得する機能も備える。
【0033】
具体的な取得方法としては、例えば銀行口座の管理サーバ(不図示)が口座情報の変更を検知した場合に、管理サーバからサーバ2へ変更情報が送信される。また予定情報に関しては、電力会社5やガス会社6において予定情報の内容が確定した時点で、各公共機関がサーバ2へ送信する。或いは、所定期間毎にサーバ2から管理サーバや公共機関へ情報取得リクエストを送信することにより、変更情報及び予定情報を定期的に取得する形態でもよい。
【0034】
情報配信部31cは、上記で取得した変更情報及び予定情報を、携帯電話1に配信する。なお情報配信部31cは、予め取り決めが行われたデータフォーマットを用いて、携帯電話1へ各情報の配信を行う。
〈3.通信装置の内部構成について〉
図2は、本発明の一実施形態に係る携帯電話1の内部構成示すブロック図である。携帯電話1は少なくとも、制御部11、メモリ12(=記録部)、操作部13、LCD(Liquid Crystal Display)14(=表示部)、通信I/F(Interface)部15(=第二通信部)、通信制御部16(=第二通信部)、メモリスロット17、データ入力部18、マイク19、及びCCDカメラ20を含むように構成されている。またメモリスロット17に対して外部記録媒体であるメモリカード90(=記録部)を着脱可能である。
【0035】
制御部11は、携帯電話1における情報表示処理や通信処理等を実施するため、各装置を制御する。制御部11は、例えば複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部11は、制御部11が備える演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現される機能部として、情報送受信部11a、情報表示部11b、及び通知部11cを備えている。なお、各機能部の詳細については後述する。
【0036】
メモリ12は、携帯電話1が保持する各種情報を一時的に記録する記録媒体である。メモリ12は、例えば制御部11によって各種情報処理が行われる際の処理情報や、LCD14に表示するための画像情報、或いはサーバ2より取得した口座情報等を記録する役割を持つ。
【0037】
操作部13は、ユーザが携帯電話1に対して、通信指示や情報閲覧指示等の各種指示を行うためのものである。操作部13により入力された指示は制御部11により受け付けられ、指示の内容に基づいて各種制御処理が行われる。操作部13は例えば、複数の操作ボタンやスイッチ等から構成される。或いは、LCD14がタッチパネル機能を備えることにより、タッチパネルを介して操作指示を受け付ける形態でもよい。
【0038】
LCD14は、通話処理に関連する情報や、後述するカレンダー画像等を表示する表示部である。或いは、ユーザによる接触を検知するタッチパネル機能を備えている形態であってもよい。これにより、表示画面上の所定領域への接触を検知することにより、その領域に関連付けられた処理を実施する。
【0039】
通信I/F部15は、携帯電話1を無線通信網52と接続するための物理的なインタフェースである。通信I/F部15は例えば、W−CDMA規格の無線アンテナ等を含むように構成されている。
【0040】
通信制御部16は、通信I/F部15により接続された外部装置、例えばアクセスポイント3との相互通信を行うための通信制御を行う。これにより、ユーザの個人情報や購買情報をサーバ2に送信したり、或いはサーバ2より課金情報や代金引き落とし情報等を受信してユーザに提示することができる。
【0041】
メモリスロット17は、SDメモリカード90等の外部記録媒体を接続して情報の伝送を行うインタフェースである。SDメモリカード90には例えば、サーバ2より取得した口座情報や、ユーザが操作部13を操作することにより入力した購買情報等が記録される。これにより例えば、携帯電話1が無線通信網52から切断された場合であっても、ユーザは銀行口座に存在する預金の残高等を確認することができる。
【0042】
データ入力部18は、外部の記録装置を有線或いは無線により接続して各種情報の入力を行うための入力インタフェースである。データ入力部18は例えば、シリアルケーブル接続用ソケットや、赤外線通信を行うためのIrDAポート(不図示)、或いはUSB接続端子(不図示)等を含むように構成されている。
【0043】
マイク19は、ユーザの音声を入力するための入力装置である。マイク19は例えばLCD14の近傍に設置される。ユーザはマイク19に音声を入力することにより、例えば他の電話装置の使用者との間で音声通信を行うことが可能である。
【0044】
CCDカメラ20は、画像撮像素子としてCCDを用いた撮像装置である。CCDは撮像レンズユニット(不図示)により結像された被写体の光像(光学情報)をR(赤)・G(緑)・B(青)の色成分の画像データに光電変換して出力する。なおCCDは、タイミングジェネレーター(不図示)により駆動されることにより、例えば絞りや露光時間の制御等が行われる。
〈4.通信装置の機能構成について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る携帯電話1が情報表示処理を実施するための各機能部の構成を、図1の機能ブロック図を用いながら説明する。
【0045】
図1に示すように本発明の情報表示処理は少なくとも、携帯電話1の制御部11が備える情報送受信部11a、情報表示部11b、及び通知部11cと、メモリ12と、操作部13と、LCD14と、通信制御部16と、SDメモリカード90とにより実現される。
【0046】
情報送受信部11aは、通信制御部16を用いて、サーバ2により配信される情報の受信、及びサーバ2対する情報の送信を行う。なお、通信を行うためのプロトコル及びデータフォーマットは、予めサーバ2との間で取り決めが行われているものとする。受信する情報としては、例えば銀行口座の変更情報や、各公共機関からの引き落とし予定を示す予定情報等が存在する。送信する情報としては、例えばユーザ認証のための認証情報等が存在する。
【0047】
情報表示部11bは、操作部13により入力された入出金情報(=金銭情報)である手動入力情報や、サーバ2より受信した口座情報、変更情報、及び予定情報に基づいて、携帯電話1のユーザが保持する金銭に関する情報の表示を行う。具体的には例えば、銀行口座の預金残高、引き落とし履歴、入金履歴、購買履歴、各履歴の日時情報等をLCD14に表示する。
【0048】
通知部11cは、サーバ2から受信した口座情報及び予定情報の比較を行い、その整合性がとれているか否かを判定する。具体的には、公共機関からの引き落とし発生を示す変更情報をサーバ2から受信し、且つ該当公共機関の引き落とし予定金額を示す予定情報を予めサーバ2から受信している場合に、両情報に含まれる金額が一致するか否かを判定する。そして一致しない場合に、例えばLCD14に警告メッセージを表示する等により、ユーザへの通知を行う。
〈5.画面構成について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る情報表示部11bにより表示されるカレンダー画面60、入出金入力画面70、及び入出金一覧画面80の構成を、図5〜図9の画面図を用いて説明する。
【0049】
図5及び図6は、口座情報に変更があった年月日や、ユーザにより手動入力情報が入力された年月日を示すためのカレンダー画面60の一例である。カレンダー画面60は、日付表示領域61、内容表示領域62、及び操作ボタン表示領域63を含むように構成されている。また日付表示領域61には、当日を示す当日マーク64、及びユーザ操作可能なカーソル65が含まれている。
【0050】
また図中の三角印は、口座情報に変更があった日付を示す印である。三角印は預金残高の増加が発生した日付を、逆三角印は預金残高の減少が発生した日付を示している。なお図示していないが、一日の間に増減の両方が発生した場合は、三角印と逆三角印を重ねあわせて表示する。
【0051】
カーソル65は、操作部13が備える十字キー等により、上下左右に移動を行うことが可能である。カーソル65が重なっている日付に対応する変更情報、予定情報、及び手動入力情報は、内容表示領域62に表示される。なお内容表示領域62には文字列画像が表示可能である。
【0052】
カーソル65が所定の日付に重なっている状態で操作部13の所定ボタンが押下されると、図7に示す入出金入力画面70が表示される。入出金入力画面70は、タイトル表示領域71と、入出金編集領域72とを含む。スケジュール編集領域72では、テキスト編集により、手動入力情報の入力や変更を行うことが可能である。
【0053】
なお入出金入力画面70で入力可能な手動入力情報は、購買情報のように出金が伴う情報だけではなく、金銭を受け取った場合のように入金が伴う情報も入力可能である。入力が完了するとカレンダー画面60に戻り、入力内容を示すテキストデータが内容表示領域62に表示される。
【0054】
なお入出金入力画面70で入力される入出金情報は、ユーザが財布等により保持している現金に関する情報であるため、銀行4の口座に存在する預金残高とは別のものである。従って、次に説明する入出金一覧画面80において、口座の残高表示に影響を与えない。
【0055】
図8は、所定期間(図8の例では2008年10月の一ヶ月間)における入出金情報の一覧を表示する入出金一覧画面80である。入出金一覧画面80は、タイトル表示領域81と、入出金表示領域82とを含む。入出金表示領域82では、口座において所定期間内に発生した変更情報及び予定情報と、手動入力情報とを時系列順に表示している。
【0056】
スケジュール編集領域82は左より、日付、入出金内容、入出金金額、口座預金残高が表示されている。なお、口座預金に影響を与えない情報、例えば手動入力情報(25日の買い物、及び26日の野球観戦)は、残高欄に★印を表示することにより区別している。
【0057】
図8の例では、例えば24日の時点で給与振り込みが行われて300,000円が加算されることにより、残高が1,200,000円から1,500,000円に増加している。25日及び26日の入出金情報は手動入力情報であるため、残高に変更はない。28日に電気代の引き落としが行われると、1,500,000円から4,000円が差し引かれ、残高が1,496,000円となる。なお以上に説明した画面の表示及び演算処理は、情報表示部11bが行う。
【0058】
また図9は、2008年11月の一ヶ月間における入出金情報の一覧を表示した入出金一覧画面80である。なお、この画面が表示されている時点での日付が2008年11月23日である。このため、口座預金に影響を与える予定情報(24日の給与振込、及び28日の電気代)が入出金表示領域82に表示されている。
【0059】
予定情報により示される入出金処理はまだ実施されていないため、残高欄には金額が表示されない。なお、入出金表示領域82に表示される予定情報は入出金額が確定しているもののみとし、23日の時点で入出金額が確定していない予定情報、例えば図9の例ではガス代に関しては表示されていない。
〈6.口座情報配信処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係るサーバ2が実施する口座情報配信処理について、図10のフロー図を用いながら説明する。
【0060】
図10に示す処理は、サーバ2の電源が起動されている状態において任意のタイミングで開始可能である。本処理の開始後、情報取得部31bはステップS110において、銀行4に存在する所定口座の内容に変更が加えられたこと、例えば引き落としが行われたこと等を検知したか否かを判定する。
【0061】
検知されていない場合、後述するステップS130に移行する。検知された場合、情報取得部31bはステップS120において、口座に加えられた変更内容に基づいて、ハードディスク33に記録されている口座情報の変更を行う。そして変更内容を示す変更情報を生成してハードディスク33に記録する。
【0062】
次に情報取得部31bはステップS130において、電力会社5等の公共機関から、口座に関する入出金予定を示す予定情報の取得に成功したか否かを判定する。予定情報が取得されていない場合、後述するステップS150に移行する。予定情報を取得した場合、ハードディスク33に記録されている口座毎の予定情報の更新を行う。
【0063】
次に情報配信部31cはステップS150において、携帯電話1より送られてくる情報配信要求を検知したか否かを判定する。検知していない場合、再びステップS110に移行する。検知した場合、ユーザ認証部31aはステップS160において、携帯電話1の使用者が正規のユーザであるか否かを判定するための認証処理を行う。これは例えば、携帯電話1との間でパスワードや電子署名の送受信を行うこと等により行う。
【0064】
次にユーザ認証部31aはステップS170において、認証処理の成功/失敗により処理の分岐を行う。失敗した場合、再びステップS110に移行する。成功した場合、情報配信部31cはステップS180において、携帯電話1のユーザが保持する口座の口座情報、変更情報、及び予定情報を送信する。なお、変更情報や予定情報が存在しない場合は、これらの送信を行う必要はない。送信が完了すると、再びステップS110に移行する。
【0065】
なお、以上に説明した処理フローは、サーバ2が正常稼働している限りにおいて継続して実行されるものとする。従ってサーバ2が保守作業等により停止されない限り、基本的に処理フローの終了は行わない。
〈7.情報表示処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る携帯電話1が実施する情報配信処理について、図11のフロー図を用いながら説明する。
【0066】
図11に示す処理は、携帯電話1の電源が起動されている状態において任意のタイミングで開始可能である。本処理の開始後、情報送受信部11aはステップS110において、サーバ2に対する情報取得指示を検知したか否かを判定する。なお情報取得指示は、例えばユーザが操作部13を用いて口座情報等の取得操作を行った場合に発行される。
【0067】
検知されていない場合、後述するステップS220に移行する。検知された場合、情報送受信部11aはステップS211において、サーバ2からユーザの口座情報、変更情報、及び予定情報を取得する。具体的には、ユーザ認証部31aとの間で認証処理を行い、認証に成功した場合に、情報配信部31cより所定情報を取得する。
【0068】
次に通知部11cはステップS212において、受信した変更情報と、予めメモリ12に記録されている予定情報との整合性がとれているか否かを判定する。具体的には例えば、上記の情報を受信した日時が2008年11月25日であり、図9に示す予定情報(24日の給与振込、28日の電気代)を事前に取得していたとする。この場合、受信した変更情報に24日の給与振込に関する情報が存在し、且つ入出金額が一致しているか否かを判定する。
【0069】
一致している場合、後述するステップS220に移行する。一致していない場合、もしくは情報が存在しない場合、通知部11cはステップS213において、警告メッセージをLCD14に表示する等により通知を行う。なお図9に示す例では、28日の電気代に関しては実施予定日時がまだ到来していないため、整合性のチェックは行わない。
【0070】
次に情報表示部11bはステップS220において、操作部13による手動入力情報の入力操作が検知されたか否かを判定する。検知されていない場合、後述するステップS240に移行する。検知された場合、情報表示部11bはステップS230において、図7に示す入出金入力画面70を表示し、手動入力情報の受け付けを行い、メモリ12に記録する。
【0071】
次に情報表示部11bはステップS240において、入出金情報の表示操作が操作部13により検知されたか否かを判定する。検知されていない場合、ステップS210に再び移行する。検知された場合、図8または図9に示す入出金一覧画面80を表示する。表示後、所定の操作を受け付けるか、或いは所定時間が経過すると、再びステップS210に移行する。
【0072】
なお、以上に説明した処理フローは、携帯電話1が正常稼働している限りにおいて継続して実行されるものとする。従って携帯電話1の電源が停止されない限り、基本的に処理フローの終了は行わない。
【0073】
以上に説明した本実施形態によれば、ユーザは口座情報、変更情報及び手動入力情報に関連する日付をカレンダー画面60で容易に確認することができる。また、カレンダー画面60で所定の日付を選択することにより、その日付に関連する口座情報、変更情報、及び手動入力情報を閲覧できる。
【0074】
また本実施形態によれば、上記の各情報をメモリ12等の記録媒体に記録しているため、ユーザは口座情報等を確認する度に、サーバ2との間で通信や認証を行う必要がない。このため、処理にかかる時間及び通信料金の面で有利である。
【0075】
また本実施形態によれば、所定期間における変更情報、及び手動入力情報を、入出金一覧画面80を用いて一覧表示する。このためユーザは、口座の預金残高に関係する変更情報と、口座の預金残高に関係しない入出金情報とを、一つの画面で一度に確認することができる。
【0076】
また本実施形態によれば、受信した変更情報と予定情報とに差異が存在する場合に、通知部11cが通知を行う。このためユーザは、例えば電力会社5から引き落とされた金額が事前通知された金額と異なる場合に、その差異を認識することができる。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0077】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0078】
(A)上記実施形態では、情報取得処理、情報配信処理、及び情報表示処理に関わる各機能部が携帯電話1及びサーバ2内部に備わっている構成を例として説明したが、これらの機能部の一部がLAN等のネットワークを介して接続された外部装置により実現される形態であってもよい。例えば、サーバ2が備えるユーザ認証部31aが有線通信網51に接続された認証サーバ(不図示)が備える形態であってもよい。これにより、サーバ2の処理を分散してサーバ2一台あたりの処理負荷を低減することができる。
【0079】
(B)上記実施形態では、サーバ2が銀行4の内部に含まれている形態を例に説明を行っているが、サーバ2と銀行4とが互いに独立して存在するシステム構成でもよい。この場合、一台のサーバ2を用いて複数の銀行4の口座情報を一元管理することができる。
【0080】
(C)上記実施形態では、携帯電話1の通知部11cが変更情報と予定情報との比較を行っているが、これをサーバ2で行い、差異が存在する場合に携帯電話1に通知する形態でもよい。
【0081】
(D)上記実施形態では、口座情報を取得して表示する通信装置の一例として携帯電話1を例に説明を行っているが、表示部を備えた通信装置であれば、これ以外の装置において本発明を実施する形態でもよい。例えば、PHS、テレビ電話装置、パソコン上で実行される通信アプリケーション、PDA等において本発明を実施する形態でもよい。
【0082】
(E)上記実施形態では、本発明の口座情報配信処理及び口座情報表示処理に関わる携帯電話1及びサーバ2の各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0083】
(F)上記実施形態では、入出金一覧画面80に入出金額及び残高を表示しているが、この他の情報を入出金一覧画面80に表示する形態でもよい。例えば、手動入力情報に含まれる入出金額の合計を情報表示部11bが計算し、表示する形態でもよい。これにより、ユーザが財布に保持している紙幣及び硬貨の残高等を通知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の通信装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の通信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の情報処理装置の機能構成及び内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のカレンダー画面を示す画面図である。
【図6】本発明のカレンダー画面を示す画面図である。
【図7】本発明の入出金入力画面を示す画面図である。
【図8】本発明の入出金一覧画面を示す画面図である。
【図9】本発明の入出金一覧画面を示す画面図である。
【図10】本発明の情報処理装置における情報配信処理の処理フローを示すフロー図である。
【図11】本発明の通信装置における情報表示処理の処理フローを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0085】
1 携帯電話(通信装置)
2 サーバ(情報処理装置)
4 銀行(金融機関)
5 電力会社(公共機関)
6 ガス会社(公共機関)
11a 情報送受信部
11b 情報表示部
11c 通知部
12 メモリ(記録部)
13 操作部
14 LCD(表示部)
15 通信I/F部(第二通信部)
16 通信制御部(第二通信部)
31a ユーザ認証部
31b 情報取得部
31c 情報配信部
34 通信I/F部(第一通信部)
35 通信制御部(第一通信部)
90 SDメモリカード(記録部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を用いた情報処理システム、及び通信装置に関するものであり、特に金融機関に存在する口座の情報や、ユーザが購買等を行うことにより発生した金銭情報の管理を行うための情報処理システム、及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信インフラの発達により、通信に関する様々な付加サービスが普及するようになってきた。例えば携帯電話等の通信装置を含む情報処理システムにおいては、通信装置を利用して金融機関から口座情報を取得したり、口座振り込みや買い物の支払い等を通信網を介して実行したりすることが可能な情報処理システムが実用化されている。
【0003】
上記に関連して特許文献1においては、口座番号を必要とすることなく金融機関のサービスを実現可能であり、且つ金銭の移動を明確に把握できるようにすることにより、受取人の受け取り手続きの負担を軽減することが可能な金融取引サービス方法が開示されている。
【特許文献1】特開2007−317173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1によれば、口座番号の代わりに携帯電話番号または携帯電話番号と対応する電子メールアドレスを用いて受取人を特定して振り込みを行うことにより、金融機関の利用者の利便性を向上させている。
【0005】
しかしながら特許文献1の金融取引サービス方法では、例えばユーザが口座の預金残高等を知りたい場合に、その都度金融機関へアクセスして認証処理等を行う必要があるため、手間がかかるという問題があった。また、アクセスの度に通信費がかかるため、コストの面で不利である。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、ユーザの金銭に関連する情報、例えば口座の預金残高や、財布に保持している紙幣及び硬貨の金額等を通信装置を用いて管理することが可能である情報処理システム、及び通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、通信網に接続可能な第一通信部と、予め定められた金融機関の口座に関する口座情報を前記第一通信部により取得する情報取得部と、前記口座情報の変更内容を示す変更情報及び前記口座情報を前記第一通信部により送信する情報配信部とを備えた情報処理装置と、前記口座情報及び前記変更情報の受信を行う第二通信部と、画像の表示を行う表示部と、操作を受け付ける操作部と、前記操作部により入力された金銭情報である手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報に関連する日付をカレンダー画像を用いて前記表示部に示す情報表示部とを備えた通信装置とを含むことを特徴としている。
【0008】
この構成によると、本発明の情報処理システムは、サーバ等の情報処理装置と、携帯電話等の通信装置とを含むように構成されている。情報処理装置は、通信網に接続可能な第一通信部と、所定の金融機関の口座より口座情報を取得する情報取得部を備えている。情報取得部はさらに、口座に対して入出金が行われる等により口座情報が変更された場合に、変更内容を示す変更情報を金融機関より取得する。また情報処理装置は、上記の口座情報及び変更情報を通信装置等に対して送信する情報配信部を備えている。
【0009】
通信装置は、口座情報や変更情報を受信する第二通信部と、画像の表示を行う表示部と、操作を受け付ける操作部とを備えている。操作部により手動入力された金銭情報は、手動入力情報として通信装置に取得される。また通信装置は、口座情報、変更情報及び手動入力情報に関連する日付、例えば変更情報における口座内容変更日等を、カレンダー画像上で強調表示する等によりユーザに示す情報表示部を備えている。
【0010】
また上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、前記通信装置が、前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を記録する記録部を備え、前記情報表示部が、前記カレンダー画像により前記表示部に示されている日付が前記操作部により選択された場合に、前記日付に関連する前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を前記記録部より読み出して前記表示部に表示する。
【0011】
この構成によると、本発明の情報処理システムに含まれる通信装置は、手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録する記録部を備えている。情報表示部は、カレンダー画像が表示部表示された状態において、カレンダー画像上の所定日付が操作部により選択されると、選択された日付に関連する手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録部より読み出して表示部に表示する。
【0012】
また上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、前記情報表示部が、予め定められた期間に関連する前記変更情報及び前記手動入力情報を前記表示部に一覧表示するとともに、前記変更情報と前記手動入力情報とを異なる表示形式により一覧表示する。
【0013】
この構成によると、通信装置が備える情報表示部が、所定期間内における変更情報、及び手動入力情報を表示部に一覧表示する。また一覧表示を行う際に、変更情報と前記手動入力情報とを区別するため、異なる表示形式で一覧表示する。
【0014】
また上記目的を達成するために本発明の情報処理システムは、前記情報処理装置が備える前記情報取得部が、前記口座情報の変更予定を示す予定情報を予め定められた公共機関より取得し、前記情報配信部が前記予定情報を前記第一通信部により送信し、前記通信装置が、前記第二通信部により受信した前記変更情報と前記予定情報とを比較し、前記変更情報に含まれる変更内容と前記予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在する場合に通知を行う通知部を備える。
【0015】
この構成によると、情報処理装置が備える情報取得部が、口座情報の変更予定を示す予定情報を電力会社等の公共機関から取得し、取得した予定情報を情報配信部が第一通信部により通信装置へ送信する。通信装置が備える通知部は、第二通信部により受信した変更情報と予定情報とを比較し、変更情報に含まれる変更内容と予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在するか否かを判定する。そして差異が存在する場合、通知部は警告メッセージを表示部に表示する等によりユーザへの通知を行う。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によれば、通信装置が、情報処理装置より受信した変更情報や、手動入力された手動入力情報に関連する日付をカレンダー画像上で表示する。このためユーザは、口座に対して入出金があった日付や、購買情報を入力した日付等を、カレンダー画像により容易に確認することができる。
【0017】
また本発明の構成によれば、カレンダー画像上の所定日付が操作部により選択された場合に、選択された日付に関連する手動入力情報、口座情報、及び変更情報を記録部より読み出して表示部に表示する。このためユーザは、カレンダー画面から各情報の詳細を容易に確認できる。また各情報は予め記録部に記録されているため、口座情報等を確認する度に情報処理装置から情報を取得する必要がないため、処理にかかる時間及び通信料金の面で有利である。
【0018】
また本発明の構成によれば、所定期間における変更情報、及び手動入力情報を、その種類を区別しつつ一覧表示する。このためユーザは、口座の預金残高に関係する変更情報と、口座の預金残高に関係しないローカル情報である手動入力情報とを、一つの一覧画面で確認することができる。
【0019】
また本発明の構成によれば、通信装置が受信した変更情報と予定情報とを比較し、変更情報に含まれる変更内容と予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在する場合に通知を行う。このためユーザは、例えば公共機関から引き落とされた金額が事前通知された金額と異なる場合に、差異が発生したことを認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1.情報処理システムの構成について〉
図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。本システムは少なくとも、携帯電話1(=通信装置)、銀行4(=金融機関)に設けられたサーバ2(=情報処理装置)、アクセスポイント3(例えば、基地局)、有線通信網51、無線通信網52、及び広域通信網53を含むように構成されている。また広域通信網53に接続されて各種サービスを提供する公共機関として電力会社5、及びガス会社6を含んでいる。
【0021】
携帯電話1は、無線通信網52を介してアクセスポイント3に接続可能な通信端末であり、複数の携帯電話1が同時にアクセスポイント3に接続可能である。また携帯電話1は、アクセスポイント3及び有線通信網51を介して、サーバ2と相互通信可能である。また携帯電話1は、銀行4等の金融機関においてユーザが所有する口座の口座情報や、買い物を行うことにより発生した購買情報等を記録する機能を備える。なお、携帯電話1の装置構成の詳細については後述する。
【0022】
サーバ2は、アクセスポイント3を介して携帯電話1に接続し、携帯電話1から送られてくる個人情報や認証情報に基づいて情報配信を行うための情報処理装置である。また、銀行4に存在するユーザの口座に入手金処理等が行われ、口座情報に変更が生じた場合に、その変更内容を取得して記録する役割も持つ。なお、サーバ2の内部構造の詳細については後述する。
【0023】
アクセスポイント3(例えば基地局)は、有線通信網51と無線通信網52とを相互接続するための通信装置である。アクセスポイント3は、物理的な通信方式やプロトコルの異なるネットワーク間での通信の中継を行うことが可能である。
【0024】
有線通信網51は、通信プロトコルにより通信機器を相互接続して構築された通信網であり、例えばLAN(Local Area Network)や電気通信事業者が提供する専用線がこれに相当する。なお、有線通信網51のネットワーク層及びトランスポート層の通信プロトコルとしては、TCP/IPが標準的なプロトコルとして用いられることが多い。
【0025】
無線通信網52は、複数の携帯電話1とアクセスポイント3とが無線接続された携帯電話用通信網である。具体的には例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)規格に準拠した通信方式等を用いて無線通信を行う。
【0026】
広域通信網53は、例えばインターネットや専用線等により構成される通信網であり、銀行4等の金融機関や、電力会社5及びガス会社6等の公共機関を接続して相互に通信可能としたものである。
〈2.サーバの内部構成について〉
図3は、本発明の一実施形態に係るサーバ2の内部構成、及び機能部構成を示すブロック図である。サーバ2は少なくとも、制御部31、メモリ32、ハードディスク33、通信I/F部34(=第一通信部)、及び通信制御部35(=第一通信部)を含むように構成されている。
【0027】
制御部31は、サーバ2における各種処理を実施するため、各装置を制御する。これにより、ハードディスク33に記録されている口座情報の配信処理や、ユーザ認証を行うための個人情報の解析処理等を統括制御する。制御部31は、例えば複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部31は、各装置(例えば通信I/F部34等)の制御や情報の計算、加工処理等を行う中枢部分となっている。
【0028】
メモリ32は、サーバ2が各種処理を実行する際に、処理情報を一時的に記録する記録媒体である。ハードディスク33は、銀行4から送られてきた口座情報や、携帯電話1から送られてきた個人情報等を記録するための磁気記録媒体である。
【0029】
通信I/F部34は、サーバ2を通信ネットワークと接続するための物理的なインタフェースである。通信I/F部34は例えば、IEEE802.3規格に準拠したネットワークカード等を備えている。このネットワークカードのLANポートにツイストペアケーブルを差し込むことにより、有線通信網51との接続が可能となっている。通信制御部35は、通信I/F部34により接続された外部装置、例えば携帯電話1等と相互通信を行うための通信制御を行う。
【0030】
またサーバ2は、制御部31が備える演算処理装置上で所定のプログラムが実行されることにより実現される機能部として、ユーザ認証部31a、情報取得部31b、及び情報配信部31cを備えている。
【0031】
ユーザ認証部31aは、携帯電話1から受信した認証情報の解析処理を行う。これにより、携帯電話1より送られてくる各種リクエストが、正規のユーザによるものであるか否かを判定する。なお解析処理により得られたデータは、ハードディスク33に記録されているユーザ管理データベースに登録される。
【0032】
情報取得部31bは、銀行4の口座に対する料金引き落としが発生したり、口座に対する振り込みが発生したりする等により口座情報に変更が生じた場合に、変更内容を示す変更情報を収集する。また情報取得部31bは、電力会社5やガス会社6等の公共機関から、引き落とし予定日や引き落とし予定金額等を示す予定情報を、引き落とし前に取得する機能も備える。
【0033】
具体的な取得方法としては、例えば銀行口座の管理サーバ(不図示)が口座情報の変更を検知した場合に、管理サーバからサーバ2へ変更情報が送信される。また予定情報に関しては、電力会社5やガス会社6において予定情報の内容が確定した時点で、各公共機関がサーバ2へ送信する。或いは、所定期間毎にサーバ2から管理サーバや公共機関へ情報取得リクエストを送信することにより、変更情報及び予定情報を定期的に取得する形態でもよい。
【0034】
情報配信部31cは、上記で取得した変更情報及び予定情報を、携帯電話1に配信する。なお情報配信部31cは、予め取り決めが行われたデータフォーマットを用いて、携帯電話1へ各情報の配信を行う。
〈3.通信装置の内部構成について〉
図2は、本発明の一実施形態に係る携帯電話1の内部構成示すブロック図である。携帯電話1は少なくとも、制御部11、メモリ12(=記録部)、操作部13、LCD(Liquid Crystal Display)14(=表示部)、通信I/F(Interface)部15(=第二通信部)、通信制御部16(=第二通信部)、メモリスロット17、データ入力部18、マイク19、及びCCDカメラ20を含むように構成されている。またメモリスロット17に対して外部記録媒体であるメモリカード90(=記録部)を着脱可能である。
【0035】
制御部11は、携帯電話1における情報表示処理や通信処理等を実施するため、各装置を制御する。制御部11は、例えば複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部11は、制御部11が備える演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現される機能部として、情報送受信部11a、情報表示部11b、及び通知部11cを備えている。なお、各機能部の詳細については後述する。
【0036】
メモリ12は、携帯電話1が保持する各種情報を一時的に記録する記録媒体である。メモリ12は、例えば制御部11によって各種情報処理が行われる際の処理情報や、LCD14に表示するための画像情報、或いはサーバ2より取得した口座情報等を記録する役割を持つ。
【0037】
操作部13は、ユーザが携帯電話1に対して、通信指示や情報閲覧指示等の各種指示を行うためのものである。操作部13により入力された指示は制御部11により受け付けられ、指示の内容に基づいて各種制御処理が行われる。操作部13は例えば、複数の操作ボタンやスイッチ等から構成される。或いは、LCD14がタッチパネル機能を備えることにより、タッチパネルを介して操作指示を受け付ける形態でもよい。
【0038】
LCD14は、通話処理に関連する情報や、後述するカレンダー画像等を表示する表示部である。或いは、ユーザによる接触を検知するタッチパネル機能を備えている形態であってもよい。これにより、表示画面上の所定領域への接触を検知することにより、その領域に関連付けられた処理を実施する。
【0039】
通信I/F部15は、携帯電話1を無線通信網52と接続するための物理的なインタフェースである。通信I/F部15は例えば、W−CDMA規格の無線アンテナ等を含むように構成されている。
【0040】
通信制御部16は、通信I/F部15により接続された外部装置、例えばアクセスポイント3との相互通信を行うための通信制御を行う。これにより、ユーザの個人情報や購買情報をサーバ2に送信したり、或いはサーバ2より課金情報や代金引き落とし情報等を受信してユーザに提示することができる。
【0041】
メモリスロット17は、SDメモリカード90等の外部記録媒体を接続して情報の伝送を行うインタフェースである。SDメモリカード90には例えば、サーバ2より取得した口座情報や、ユーザが操作部13を操作することにより入力した購買情報等が記録される。これにより例えば、携帯電話1が無線通信網52から切断された場合であっても、ユーザは銀行口座に存在する預金の残高等を確認することができる。
【0042】
データ入力部18は、外部の記録装置を有線或いは無線により接続して各種情報の入力を行うための入力インタフェースである。データ入力部18は例えば、シリアルケーブル接続用ソケットや、赤外線通信を行うためのIrDAポート(不図示)、或いはUSB接続端子(不図示)等を含むように構成されている。
【0043】
マイク19は、ユーザの音声を入力するための入力装置である。マイク19は例えばLCD14の近傍に設置される。ユーザはマイク19に音声を入力することにより、例えば他の電話装置の使用者との間で音声通信を行うことが可能である。
【0044】
CCDカメラ20は、画像撮像素子としてCCDを用いた撮像装置である。CCDは撮像レンズユニット(不図示)により結像された被写体の光像(光学情報)をR(赤)・G(緑)・B(青)の色成分の画像データに光電変換して出力する。なおCCDは、タイミングジェネレーター(不図示)により駆動されることにより、例えば絞りや露光時間の制御等が行われる。
〈4.通信装置の機能構成について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る携帯電話1が情報表示処理を実施するための各機能部の構成を、図1の機能ブロック図を用いながら説明する。
【0045】
図1に示すように本発明の情報表示処理は少なくとも、携帯電話1の制御部11が備える情報送受信部11a、情報表示部11b、及び通知部11cと、メモリ12と、操作部13と、LCD14と、通信制御部16と、SDメモリカード90とにより実現される。
【0046】
情報送受信部11aは、通信制御部16を用いて、サーバ2により配信される情報の受信、及びサーバ2対する情報の送信を行う。なお、通信を行うためのプロトコル及びデータフォーマットは、予めサーバ2との間で取り決めが行われているものとする。受信する情報としては、例えば銀行口座の変更情報や、各公共機関からの引き落とし予定を示す予定情報等が存在する。送信する情報としては、例えばユーザ認証のための認証情報等が存在する。
【0047】
情報表示部11bは、操作部13により入力された入出金情報(=金銭情報)である手動入力情報や、サーバ2より受信した口座情報、変更情報、及び予定情報に基づいて、携帯電話1のユーザが保持する金銭に関する情報の表示を行う。具体的には例えば、銀行口座の預金残高、引き落とし履歴、入金履歴、購買履歴、各履歴の日時情報等をLCD14に表示する。
【0048】
通知部11cは、サーバ2から受信した口座情報及び予定情報の比較を行い、その整合性がとれているか否かを判定する。具体的には、公共機関からの引き落とし発生を示す変更情報をサーバ2から受信し、且つ該当公共機関の引き落とし予定金額を示す予定情報を予めサーバ2から受信している場合に、両情報に含まれる金額が一致するか否かを判定する。そして一致しない場合に、例えばLCD14に警告メッセージを表示する等により、ユーザへの通知を行う。
〈5.画面構成について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る情報表示部11bにより表示されるカレンダー画面60、入出金入力画面70、及び入出金一覧画面80の構成を、図5〜図9の画面図を用いて説明する。
【0049】
図5及び図6は、口座情報に変更があった年月日や、ユーザにより手動入力情報が入力された年月日を示すためのカレンダー画面60の一例である。カレンダー画面60は、日付表示領域61、内容表示領域62、及び操作ボタン表示領域63を含むように構成されている。また日付表示領域61には、当日を示す当日マーク64、及びユーザ操作可能なカーソル65が含まれている。
【0050】
また図中の三角印は、口座情報に変更があった日付を示す印である。三角印は預金残高の増加が発生した日付を、逆三角印は預金残高の減少が発生した日付を示している。なお図示していないが、一日の間に増減の両方が発生した場合は、三角印と逆三角印を重ねあわせて表示する。
【0051】
カーソル65は、操作部13が備える十字キー等により、上下左右に移動を行うことが可能である。カーソル65が重なっている日付に対応する変更情報、予定情報、及び手動入力情報は、内容表示領域62に表示される。なお内容表示領域62には文字列画像が表示可能である。
【0052】
カーソル65が所定の日付に重なっている状態で操作部13の所定ボタンが押下されると、図7に示す入出金入力画面70が表示される。入出金入力画面70は、タイトル表示領域71と、入出金編集領域72とを含む。スケジュール編集領域72では、テキスト編集により、手動入力情報の入力や変更を行うことが可能である。
【0053】
なお入出金入力画面70で入力可能な手動入力情報は、購買情報のように出金が伴う情報だけではなく、金銭を受け取った場合のように入金が伴う情報も入力可能である。入力が完了するとカレンダー画面60に戻り、入力内容を示すテキストデータが内容表示領域62に表示される。
【0054】
なお入出金入力画面70で入力される入出金情報は、ユーザが財布等により保持している現金に関する情報であるため、銀行4の口座に存在する預金残高とは別のものである。従って、次に説明する入出金一覧画面80において、口座の残高表示に影響を与えない。
【0055】
図8は、所定期間(図8の例では2008年10月の一ヶ月間)における入出金情報の一覧を表示する入出金一覧画面80である。入出金一覧画面80は、タイトル表示領域81と、入出金表示領域82とを含む。入出金表示領域82では、口座において所定期間内に発生した変更情報及び予定情報と、手動入力情報とを時系列順に表示している。
【0056】
スケジュール編集領域82は左より、日付、入出金内容、入出金金額、口座預金残高が表示されている。なお、口座預金に影響を与えない情報、例えば手動入力情報(25日の買い物、及び26日の野球観戦)は、残高欄に★印を表示することにより区別している。
【0057】
図8の例では、例えば24日の時点で給与振り込みが行われて300,000円が加算されることにより、残高が1,200,000円から1,500,000円に増加している。25日及び26日の入出金情報は手動入力情報であるため、残高に変更はない。28日に電気代の引き落としが行われると、1,500,000円から4,000円が差し引かれ、残高が1,496,000円となる。なお以上に説明した画面の表示及び演算処理は、情報表示部11bが行う。
【0058】
また図9は、2008年11月の一ヶ月間における入出金情報の一覧を表示した入出金一覧画面80である。なお、この画面が表示されている時点での日付が2008年11月23日である。このため、口座預金に影響を与える予定情報(24日の給与振込、及び28日の電気代)が入出金表示領域82に表示されている。
【0059】
予定情報により示される入出金処理はまだ実施されていないため、残高欄には金額が表示されない。なお、入出金表示領域82に表示される予定情報は入出金額が確定しているもののみとし、23日の時点で入出金額が確定していない予定情報、例えば図9の例ではガス代に関しては表示されていない。
〈6.口座情報配信処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係るサーバ2が実施する口座情報配信処理について、図10のフロー図を用いながら説明する。
【0060】
図10に示す処理は、サーバ2の電源が起動されている状態において任意のタイミングで開始可能である。本処理の開始後、情報取得部31bはステップS110において、銀行4に存在する所定口座の内容に変更が加えられたこと、例えば引き落としが行われたこと等を検知したか否かを判定する。
【0061】
検知されていない場合、後述するステップS130に移行する。検知された場合、情報取得部31bはステップS120において、口座に加えられた変更内容に基づいて、ハードディスク33に記録されている口座情報の変更を行う。そして変更内容を示す変更情報を生成してハードディスク33に記録する。
【0062】
次に情報取得部31bはステップS130において、電力会社5等の公共機関から、口座に関する入出金予定を示す予定情報の取得に成功したか否かを判定する。予定情報が取得されていない場合、後述するステップS150に移行する。予定情報を取得した場合、ハードディスク33に記録されている口座毎の予定情報の更新を行う。
【0063】
次に情報配信部31cはステップS150において、携帯電話1より送られてくる情報配信要求を検知したか否かを判定する。検知していない場合、再びステップS110に移行する。検知した場合、ユーザ認証部31aはステップS160において、携帯電話1の使用者が正規のユーザであるか否かを判定するための認証処理を行う。これは例えば、携帯電話1との間でパスワードや電子署名の送受信を行うこと等により行う。
【0064】
次にユーザ認証部31aはステップS170において、認証処理の成功/失敗により処理の分岐を行う。失敗した場合、再びステップS110に移行する。成功した場合、情報配信部31cはステップS180において、携帯電話1のユーザが保持する口座の口座情報、変更情報、及び予定情報を送信する。なお、変更情報や予定情報が存在しない場合は、これらの送信を行う必要はない。送信が完了すると、再びステップS110に移行する。
【0065】
なお、以上に説明した処理フローは、サーバ2が正常稼働している限りにおいて継続して実行されるものとする。従ってサーバ2が保守作業等により停止されない限り、基本的に処理フローの終了は行わない。
〈7.情報表示処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る携帯電話1が実施する情報配信処理について、図11のフロー図を用いながら説明する。
【0066】
図11に示す処理は、携帯電話1の電源が起動されている状態において任意のタイミングで開始可能である。本処理の開始後、情報送受信部11aはステップS110において、サーバ2に対する情報取得指示を検知したか否かを判定する。なお情報取得指示は、例えばユーザが操作部13を用いて口座情報等の取得操作を行った場合に発行される。
【0067】
検知されていない場合、後述するステップS220に移行する。検知された場合、情報送受信部11aはステップS211において、サーバ2からユーザの口座情報、変更情報、及び予定情報を取得する。具体的には、ユーザ認証部31aとの間で認証処理を行い、認証に成功した場合に、情報配信部31cより所定情報を取得する。
【0068】
次に通知部11cはステップS212において、受信した変更情報と、予めメモリ12に記録されている予定情報との整合性がとれているか否かを判定する。具体的には例えば、上記の情報を受信した日時が2008年11月25日であり、図9に示す予定情報(24日の給与振込、28日の電気代)を事前に取得していたとする。この場合、受信した変更情報に24日の給与振込に関する情報が存在し、且つ入出金額が一致しているか否かを判定する。
【0069】
一致している場合、後述するステップS220に移行する。一致していない場合、もしくは情報が存在しない場合、通知部11cはステップS213において、警告メッセージをLCD14に表示する等により通知を行う。なお図9に示す例では、28日の電気代に関しては実施予定日時がまだ到来していないため、整合性のチェックは行わない。
【0070】
次に情報表示部11bはステップS220において、操作部13による手動入力情報の入力操作が検知されたか否かを判定する。検知されていない場合、後述するステップS240に移行する。検知された場合、情報表示部11bはステップS230において、図7に示す入出金入力画面70を表示し、手動入力情報の受け付けを行い、メモリ12に記録する。
【0071】
次に情報表示部11bはステップS240において、入出金情報の表示操作が操作部13により検知されたか否かを判定する。検知されていない場合、ステップS210に再び移行する。検知された場合、図8または図9に示す入出金一覧画面80を表示する。表示後、所定の操作を受け付けるか、或いは所定時間が経過すると、再びステップS210に移行する。
【0072】
なお、以上に説明した処理フローは、携帯電話1が正常稼働している限りにおいて継続して実行されるものとする。従って携帯電話1の電源が停止されない限り、基本的に処理フローの終了は行わない。
【0073】
以上に説明した本実施形態によれば、ユーザは口座情報、変更情報及び手動入力情報に関連する日付をカレンダー画面60で容易に確認することができる。また、カレンダー画面60で所定の日付を選択することにより、その日付に関連する口座情報、変更情報、及び手動入力情報を閲覧できる。
【0074】
また本実施形態によれば、上記の各情報をメモリ12等の記録媒体に記録しているため、ユーザは口座情報等を確認する度に、サーバ2との間で通信や認証を行う必要がない。このため、処理にかかる時間及び通信料金の面で有利である。
【0075】
また本実施形態によれば、所定期間における変更情報、及び手動入力情報を、入出金一覧画面80を用いて一覧表示する。このためユーザは、口座の預金残高に関係する変更情報と、口座の預金残高に関係しない入出金情報とを、一つの画面で一度に確認することができる。
【0076】
また本実施形態によれば、受信した変更情報と予定情報とに差異が存在する場合に、通知部11cが通知を行う。このためユーザは、例えば電力会社5から引き落とされた金額が事前通知された金額と異なる場合に、その差異を認識することができる。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0077】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0078】
(A)上記実施形態では、情報取得処理、情報配信処理、及び情報表示処理に関わる各機能部が携帯電話1及びサーバ2内部に備わっている構成を例として説明したが、これらの機能部の一部がLAN等のネットワークを介して接続された外部装置により実現される形態であってもよい。例えば、サーバ2が備えるユーザ認証部31aが有線通信網51に接続された認証サーバ(不図示)が備える形態であってもよい。これにより、サーバ2の処理を分散してサーバ2一台あたりの処理負荷を低減することができる。
【0079】
(B)上記実施形態では、サーバ2が銀行4の内部に含まれている形態を例に説明を行っているが、サーバ2と銀行4とが互いに独立して存在するシステム構成でもよい。この場合、一台のサーバ2を用いて複数の銀行4の口座情報を一元管理することができる。
【0080】
(C)上記実施形態では、携帯電話1の通知部11cが変更情報と予定情報との比較を行っているが、これをサーバ2で行い、差異が存在する場合に携帯電話1に通知する形態でもよい。
【0081】
(D)上記実施形態では、口座情報を取得して表示する通信装置の一例として携帯電話1を例に説明を行っているが、表示部を備えた通信装置であれば、これ以外の装置において本発明を実施する形態でもよい。例えば、PHS、テレビ電話装置、パソコン上で実行される通信アプリケーション、PDA等において本発明を実施する形態でもよい。
【0082】
(E)上記実施形態では、本発明の口座情報配信処理及び口座情報表示処理に関わる携帯電話1及びサーバ2の各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0083】
(F)上記実施形態では、入出金一覧画面80に入出金額及び残高を表示しているが、この他の情報を入出金一覧画面80に表示する形態でもよい。例えば、手動入力情報に含まれる入出金額の合計を情報表示部11bが計算し、表示する形態でもよい。これにより、ユーザが財布に保持している紙幣及び硬貨の残高等を通知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の通信装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の通信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の情報処理装置の機能構成及び内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のカレンダー画面を示す画面図である。
【図6】本発明のカレンダー画面を示す画面図である。
【図7】本発明の入出金入力画面を示す画面図である。
【図8】本発明の入出金一覧画面を示す画面図である。
【図9】本発明の入出金一覧画面を示す画面図である。
【図10】本発明の情報処理装置における情報配信処理の処理フローを示すフロー図である。
【図11】本発明の通信装置における情報表示処理の処理フローを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0085】
1 携帯電話(通信装置)
2 サーバ(情報処理装置)
4 銀行(金融機関)
5 電力会社(公共機関)
6 ガス会社(公共機関)
11a 情報送受信部
11b 情報表示部
11c 通知部
12 メモリ(記録部)
13 操作部
14 LCD(表示部)
15 通信I/F部(第二通信部)
16 通信制御部(第二通信部)
31a ユーザ認証部
31b 情報取得部
31c 情報配信部
34 通信I/F部(第一通信部)
35 通信制御部(第一通信部)
90 SDメモリカード(記録部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続可能な第一通信部と、予め定められた金融機関の口座に関する口座情報を前記第一通信部により取得する情報取得部と、前記口座情報の変更内容を示す変更情報及び前記口座情報を前記第一通信部により送信する情報配信部とを備えた情報処理装置と、
前記口座情報及び前記変更情報の受信を行う第二通信部と、画像の表示を行う表示部と、操作を受け付ける操作部と、前記操作部により入力された金銭情報である手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報に関連する日付をカレンダー画像を用いて前記表示部に示す情報表示部とを備えた通信装置とを含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記通信装置が、前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を記録する記録部を備え、
前記情報表示部が、前記カレンダー画像により前記表示部に示されている日付が前記操作部により選択された場合に、前記日付に関連する前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を前記記録部より読み出して前記表示部に表示する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報表示部が、予め定められた期間に関連する前記変更情報及び前記手動入力情報を前記表示部に一覧表示するとともに、前記変更情報と前記手動入力情報とを異なる表示形式により一覧表示する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置が備える前記情報取得部が、前記口座情報の変更予定を示す予定情報を予め定められた公共機関より取得し、前記情報配信部が前記予定情報を前記第一通信部により送信し、
前記通信装置が、前記第二通信部により受信した前記変更情報と前記予定情報とを比較し、前記変更情報に含まれる変更内容と前記予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在する場合に通知を行う通知部を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の情報処理システムが含む前記通信装置。
【請求項1】
通信網に接続可能な第一通信部と、予め定められた金融機関の口座に関する口座情報を前記第一通信部により取得する情報取得部と、前記口座情報の変更内容を示す変更情報及び前記口座情報を前記第一通信部により送信する情報配信部とを備えた情報処理装置と、
前記口座情報及び前記変更情報の受信を行う第二通信部と、画像の表示を行う表示部と、操作を受け付ける操作部と、前記操作部により入力された金銭情報である手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報に関連する日付をカレンダー画像を用いて前記表示部に示す情報表示部とを備えた通信装置とを含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記通信装置が、前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を記録する記録部を備え、
前記情報表示部が、前記カレンダー画像により前記表示部に示されている日付が前記操作部により選択された場合に、前記日付に関連する前記手動入力情報、前記口座情報、及び前記変更情報を前記記録部より読み出して前記表示部に表示する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報表示部が、予め定められた期間に関連する前記変更情報及び前記手動入力情報を前記表示部に一覧表示するとともに、前記変更情報と前記手動入力情報とを異なる表示形式により一覧表示する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置が備える前記情報取得部が、前記口座情報の変更予定を示す予定情報を予め定められた公共機関より取得し、前記情報配信部が前記予定情報を前記第一通信部により送信し、
前記通信装置が、前記第二通信部により受信した前記変更情報と前記予定情報とを比較し、前記変更情報に含まれる変更内容と前記予定情報に含まれる変更予定とに差異が存在する場合に通知を行う通知部を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の情報処理システムが含む前記通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−152627(P2010−152627A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329798(P2008−329798)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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