説明

情報処理装置、および、装置間接続方法

【課題】本発明の目的は、システムの構成に適合したホットプラグ処理を行う多筐体装置を提供することにある。
【解決手段】情報処理装置は、IO装置(3X0)と、制御装置(1X0)と、中継装置(5X0)とを具備する。IO装置は、動作中にIOカード(4X0)が着脱可能に搭載される。IO装置(3X0)は、入力される制御メッセージに基づいてIOカード(4X0)を制御する。IO装置(3X0)は、そのIOカードが搭載されているかなどの状態を示す状態メッセージを出力する。制御装置(1X0)は、入力される状態メッセージに応答して、制御メッセージを生成して出力する。中継装置(5X0)は、IO装置(3X0)と制御装置(1X0)との接続関係を示す構成情報を備え、その構成情報に基づいて制御メッセージと状態メッセージとを中継する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活線挿抜が可能である部品が搭載される情報処理装置、および、その装置間の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
装置の電源をオフすることなく、ある部品を部品単位で装置から切り離したり追加したりすることは、ホットプラグ(活線挿抜)と呼ばれる。例えば、装置からホットプラグ対象の入出力カード等の部品を取り外す場合、まず、ホットプラグ対象部品は、ホットプラグを制御するホットプラグコントローラに切り離し要求を行う。切り離し要求を受けたホットプラグコントローラは、割り込みなどによりオペレーティングシステム(Operating System:以下OSと省略する)に通知する。OSは、その要求に応じてホットプラグ対象部品の切り離し処理を行い、ホットプラグコントローラに対して、ホットプラグ対象部品の電源制御等の処理を指示する。ホットプラグコントローラが、ホットプラグ対象部品の電源制御処理を完了すると、ホットプラグ対象部品の取り外しが可能となる。
【0003】
このような手順を踏まずに切り離しが行われた場合(Surprise Remove)、ホットプラグコントローラはこれを検出し、OSに割り込みを上げる。OSは、ホットプラグ対象部品の電源制御等の処理の指示をホットプラグコントローラに対して行う。
【0004】
このように、装置の電源をオフすることなく部品の取り外し、取り付けを行うホットプラグ(部品交換する場合にはホットスワップともいう)を行う装置が多くなってきている。例えば、サーバシステムにおけるコンパクト周辺機器相互接続(cPCI:compact Peripheral Component Interconnect)のホットスワップ機能を備えた専用サーバ管理カードに関する技術が特開2003−150409号公報に開示されている。このサーバシステムは、複数のプリント回路アセンブリと管理カードとからなる。複数のプリント回路アセンブリは、少なくとも1つのプロセッサカードを含む。管理カードは、複数のプリント回路アセンブリに接続され、プリント回路アセンブリのオンライン挿入および取り外しの監視および管理を含むサーバシステムの動作の監視および管理を専門に行う。
【0005】
また、ホストと接続可能なディスクアレイ装置に関して、特開2005−234825号公報に開示される技術が知られる。ディスクアレイ装置は、複数のハードディスクドライブ装置と入出力制御部と複数のパスと筐体とを有する。入出力制御部は、ホストとハードディスクドライブ装置との間のデータの入出力を制御する。複数のパスは、ハードディスクドライブ装置と入出力制御部を接続する。筐体は、前記ハードディスクドライブ装置を所定数ごとに収納する。このディスクアレイ装置は、ハードディスクドライブ装置を増減するときに、増減されるハードディスクドライブ装置に接続されるパスと異なるパスに接続された他のハードディスクドライブ装置または筐体を表示する機能を有する。また、所定台数のハードディスクドライブ装置で構成されるグループを増加させるときに、使用されていないハードディスクドライブ装置の中で、選択されたハードディスクドライブ装置に接続されるパスと異なるパスに接続された他のハードディスクドライブ装置を表示する。
【0006】
また、特表2005−509213号公報には、取り外し可能に装着できる複数のサーバブレードを搭載したサーバブレードキャリアを備えるサーバシステムのシステム管理に関する技術が開示されている。各ブレードは、ブレード中で監視機能および管理機能を実施するように動作可能なブレードサービスコントローラを備える。キャリアは、少なくとも1つのキャリアサービスプロセッサを備える。キャリアサービスプロセッサは、キャリアに装着されたブレードのブレードサービスコントローラに動作可能に接続されてより高レベルの管理機能を提供し、ブレードとの間で管理機能を通信する。
【0007】
【特許文献1】特開2003−150409号公報
【特許文献2】特開2005−234825号公報
【特許文献3】特表2005−509213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ホットプラグ動作の一連の流れの中で、ホットプラグコントローラとホットプラグ対象部品との間のホットプラグ要求やホットプラグ可の通知などのホットプラグ信号の伝達が必要であり、従来は、ホットプラグ対象部品とホットプラグコントローラ間のホットプラグ信号専用の信号線により行っていた。
【0009】
本発明の目的は、システムの構成に適合したホットプラグ処理を行う多筐体装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ホットプラグ信号を切り替える簡単な構成の多筐体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明の観点では、情報処理装置は、IO装置(3X0:Xは0、1、2、5、6を示す)と、制御装置(1X0)と、中継装置(5X0)とを具備する。IO装置は、動作中にIOカード(4X0)が着脱可能に搭載される。IO装置(3X0)は、入力される制御メッセージに基づいてIOカード(4X0)を制御する。IO装置(3X0)は、そのIOカードが搭載されているかなどの状態を示す状態メッセージを出力する。制御装置(1X0)は、入力される状態メッセージに応答して、制御メッセージを生成して出力する。中継装置(5X0)は、IO装置(3X0)と制御装置(1X0)との接続関係を示す構成情報を備え、その構成情報に基づいて制御メッセージと状態メッセージとを中継する。
【0012】
本発明のIO装置(3X0)は、IOカードスロット部(3X2)と、IO変換部(3X1)とを備える。IOカードスロット部(3X2)は、IOカード(4X0)が搭載され、状態ホットプラグ信号を出力する。IO変換部(3X1)は、IOカードスロット部(3X2)から出力される状態ホットプラグ信号(308)を状態メッセージに変換する。また、IO変換部(3X1)は、制御メッセージに基づいて、IOカードを制御する制御ホットプラグ信号を再生し、IOカードスロット部(3X2)に出力する。また、制御装置(1X0)は、制御変換部(1X1)と、ホットプラグコントローラ(1X2)とを備える。制御変換部(1X1)は、状態メッセージに基づいて状態ホットプラグ信号を再生し、入力される制御ホットプラグ信号によって示される制御状態を制御メッセージに変換する。ホットプラグコントローラ(1X2)は、状態ホットプラグ信号に応答し、制御ホットプラグ信号を出力してIOカードを制御する。
【0013】
さらに、本発明の情報処理装置(6X0)は、IO装置(3X0)と制御装置(1X0)との接続関係を切り替えるスイッチ装置(2X0)を具備する。スイッチ装置(2X0)が接続関係を変更するとき、中継装置(5X0)は、構成情報に基づいて、制御メッセージと状態メッセージとを生成または消去する。
【0014】
本発明の情報処理装置(610)は、制御装置(110)とIO装置(310)とが複数のスイッチ装置(210a、b)を介して接続される。中継装置(510)は、構成情報に基づいて、制御メッセージと状態メッセージとを中継せずに制御装置(110)とIO装置(310)との接続経路を切り替える。
【0015】
本発明のスイッチ装置(220)は、複数の制御装置(120a、b)に接続されてもよい。中継装置(520)は、IO装置(320)に接続される制御装置(120)を切り替えるとき、構成情報に基づいて、接続される制御装置(120b)に状態メッセージを生成して出力する。
【0016】
また、本発明のスイッチ装置(2X0)は、複数のIO装置(3X0)に接続されてもよい。中継装置(5X0)は、制御装置(1X0)に接続されるIO装置(3X0)を切り替えるとき、構成情報に基づいて、制御装置(1X0)に状態メッセージを生成して出力する。
【0017】
本発明の他の観点では、装置間接続方法は、動作中にIOカード(4X0)が着脱可能に搭載されるIO装置(3X0)と、IOカードを制御する制御装置(1X0)とを具備する情報処理装置における装置間接続方法である。装置間接続方法は、状態メッセージ出力ステップと、状態メッセージ中継ステップと、制御メッセージ出力ステップと、制御メッセージ中継ステップと、制御ステップとを具備する。状態メッセージ出力ステップは、IOカード(4X0)の状態を示す状態メッセージを出力する。状態メッセージ中継ステップは、IO装置(3X0)と制御装置(1X0)との接続関係を示す構成情報に基づいて、状態メッセージを制御装置(1X0)に中継する。制御メッセージ出力ステップは、状態メッセージに基づいて、IOカード(4X0)を制御する信号を示す制御メッセージを出力する。制御メッセージ中継ステップは、構成情報に基づいて、制御メッセージをIO装置(3X0)に中継する。制御ステップは、制御メッセージに基づいて、IOカード(4X0)を制御する。
【0018】
本発明の状態メッセージ出力ステップは、IOカード(4X0)の状態を示す状態ホットプラグ信号を状態メッセージに変換する状態変換ステップを備える。制御メッセージ出力ステップは、再生ステップと、ホットプラグ制御ステップと、制御変換ステップとを備える。再生ステップは、状態メッセージに基づいて、状態ホットプラグ信号を再生する。ホットプラグ制御ステップは、再生された状態ホットプラグ信号を入力し、IOカードを制御する制御ホットプラグ信号を出力する。制御変換ステップは、制御ホットプラグ信号を制御メッセージに変換する。
【0019】
本発明において、情報処理装置は、さらに、IO装置(3X0)と制御装置(1X0)との接続関係を切り替えるスイッチ装置(2X0)を具備してもよい。接続関係が変更されるとき、状態メッセージ中継ステップは、構成情報に基づいて状態メッセージを生成または消去し、制御メッセージ中継ステップは、構成情報に基づいて制御メッセージを生成または消去する。
【0020】
また、本発明において、制御装置(110)とIO装置(310)とは複数のスイッチ装置(210)を介して接続されてもよい。制御装置(110)とIO装置(310)との接続経路が変更されるとき、状態メッセージ中継ステップおよび制御メッセージ中継ステップは、状態メッセージおよび前記制御メッセージを消去する。
【0021】
本発明において、スイッチ装置(220)は、複数の制御装置(120a、b)に接続されてもよい。IO装置(320)に接続される制御装置が切り替わるとき(120a→b)、状態メッセージ中継ステップは、構成情報に基づいて、接続される制御装置に状態メッセージを生成して出力するステップを備える。
【0022】
また、本発明において、スイッチ装置(2X0)は、複数のIO装置(3X0)に接続されてもよい。制御装置(1X0)に接続されるIO装置(3X0)が切り替わるとき、状態メッセージ中継ステップは、構成情報に基づいて、接続される制御装置に状態メッセージを生成して出力するステップを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、システムの構成に適した任意のホットプラグ処理を実行する多筐体装置を提供することができる。また、本発明によれば、ホットプラグ信号を切り替える複雑な構成が不要となってハードウェアが簡単になり、安価な多筐体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多筐体コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。多筐体コンピュータシステム600は、それぞれ別筐体で構成されるホスト装置(SVE)100、スイッチ装置(SWE)200、IO装置(IOE)300、統合管理装置(IMM)500を具備する。これらの装置間は、装置間インタフェース700により接続される。装置間インタフェース700は、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)を例示するが、他のインタフェースであってもよい。
【0025】
ホスト装置100は、CPU(Central Processing Unit)103、ホスト管理部(SVMCU)101、メモリ(MM)105、IOデバイスコントローラ(IOC)104、ホットプラグコントローラ(HPC)102を具備する。CPU103は、メモリ105に格納されるプログラムを実行する。入出力機能や共通に利用される基本的な機能は、オペレーティングシステム(OS)が提供する。IOデバイスコントローラ104は、OSにより駆動され、データを入出力する入出力デバイスを制御する。ホットプラグコントローラ102は、ホットプラグ対象機器との間で入出力されるホットプラグ信号群108に基づいて、ホットプラグ対象機器の電源制御、バス接続制御などを行う。ホットプラグコントローラ102は、IOデバイスコントローラ104を介してOSの制御を受ける。SVMCU101は、ホスト装置100の電源制御、障害処理等を行うほか、統合管理装置(IMM)500からの指示に応答してホットプラグコントローラ102に対するホットプラグ信号群108のアサート/ディアサートを行う。また、SVMCU101は、ホットプラグコントローラ102がホットプラグ信号群108をアサート/ディアサートした場合、これをイベントとして統合管理装置500に通知する。
【0026】
スイッチ装置200は、スイッチ機構(SW)202により、ホスト装置100のIOデバイスコントローラ104に接続されるバス109と、IO装置300内のIOカードスロット302−1、−2、…、−nに接続されるバス309との対応付けを切り替える。スイッチ管理部(SWMCU)201は、スイッチ装置200の電源制御、障害処理等を行うほか、統合管理装置500からの指示によりスイッチ機構202の接続制御を行う。SWMCU201は、スイッチ障害発生時やスイッチ機構202の構成変更時、そのイベントを統合管理装置500に通知する。
【0027】
IO装置300は、スイッチ装置200を介してホスト装置100に接続される。IO装置300は、IOカードスロット302−1、−2、…、−nを有するカードスロット部とIO装置管理部(IOMCU)301とを備える。IO管理部(IOMCU)301は、IO装置300の電源制御、障害処理等を行うほか、統合管理装置500からの指示によりIOカードスロット302−1、−2、…、−nに対してホットプラグ信号群308のアサート/ディアサートを行う。また、IOカード400が生成するホットプラグ信号がアサート/ディアサートされた場合、これをイベントとして統合管理装置500へ通知する。IOカードスロット302の各々は、IOMCU301にホットプラグ信号群308が接続されるとともに、スイッチ装置200に対してバス309が接続される。任意のIOカードスロット302にIOカード400が搭載されると、任意のIOカードスロット302に接続されるホットプラグ信号群308のうち、搭載されたことを示すプラグイン信号がアサート状態になる。ホットプラグ信号群308のうちの電源制御信号は、コントローラ側から供給され、IOカード400に供給される電源のオン/オフを指示する。IOカード400の電源が供給されると、IOカードスロット303に搭載されたIOカード400は、スイッチ装置200を介してホスト装置100からアクセス可能となる。接続されるバスの制御も必要であるが、ここでは説明を省略する。
【0028】
統合管理装置500は、管理装置管理部(IMMCU)501を具備し、ホスト装置100のSVMCU101、スイッチ装置200のSWMCU201、IO装置300のIOMCU301とLANを介して相互に通信可能である。IMMCU501は、システム全体の電源管理や障害処理等の運用管理を行うほか、SVMCU101、SWMCU201、IOMCU301からのホットプラグイベント発生通知を受け取り、必要に応じてホットプラグ処理の指示をSVMCU101、SWMCU201、IOMCU301に対して行う。
【0029】
図2、図3を参照して、本発明のホットプラグイベント発生時の動作について説明する。まず、IOカード400がIOカードスロット302に搭載されてシステムに組み込まれるHot−Add動作が、図2に示されるフローチャートを参照して説明される。
【0030】
IOカード400がスロット302に搭載されると(ステップS101)、IOカード400からHot−Add要求のホットプラグ信号であるプラグイン信号がアサート状態になる。プラグイン信号は、電圧レベルでアサート状態を示し、専用の信号線によりIOMCU301に伝達される(ステップS102)。
【0031】
IOMCU301は、プラグイン信号がアサート状態になっていることを検出すると、Hot−Add要求通知メッセージに変換する(ステップS103)。このメッセージには、IOカード400が搭載されるIOカードスロット302の位置を示す情報(ここではカードスロット番号1、2、…、n)が付加されている。IOMCU301は、Hot−Add要求通知メッセージをLAN700経由でIMMCU501に送出する(ステップS104)。
【0032】
Hot−Add要求通知メッセージを受信したIMMCU501は、メッセージに付加されたIOカード400が搭載されたカードスロットの位置に基づいて、ホスト装置100−IO装置300間の接続関係を確認する(ステップS105)。IMMCU501は、Hot−Add要求通知メッセージをLAN700経由でSVMCU101に送出する(ステップS106)。
【0033】
IMMCU501からHot−Add要求通知メッセージを受信したSVMCU101は、Hot−Add要求通知メッセージを電気信号に変換する(ステップS107)。即ち、IMMCU501は、プラグイン信号をアサート状態にしてホットプラグコントローラ102に伝達する(ステップS108)。ホットプラグコントローラ102は、プラグイン信号がアサート状態であることを検出すると、IOデバイスコントローラ104を介してOSに割り込みを上げる。
【0034】
OSは、ホットプラグコントローラ102により管理されているIOカードスロット302の状態をIOカード400が搭載されている状態に変更する。OSは、ホットプラグコントローラ102にIOカードスロット302に搭載されるIOカード400の電源を投入するようにIOデバイスコントローラ104を介して指示する(ステップS110)。ホットプラグコントローラ102は、OSからの指示に応答して、IOカードスロット302に対する電源制御信号をアサートする(ステップS111)。
【0035】
SVMCU101は、ホットプラグコントローラ102が電源制御信号をアサート状態にしたことを検出すると、カード電源投入通知メッセージに変換する(ステップS112)。SVMCU101は、カード電源投入通知メッセージをLAN700経由でIMMCU501に通知する(ステップS113)。
【0036】
カード電源投入通知メッセージを受信したIMMCU501は、ホスト装置100−IO装置300間の接続関係を確認する(ステップS114)。IMMCU501は、IOMCU301にカード電源投入通知メッセージをLAN700経由で送出する(ステップS115)。それとともに、確認した接続関係に基づいてSWMCU201に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS121)。
【0037】
カード電源投入通知メッセージを受信したIOMCU301は、メッセージを解読して該当するIOカードスロット302のホットプラグ信号群308のアサート/ディアサートに信号変換する(ステップS116)。即ち、IOMCU301は、IOカードスロット302に接続される電源制御信号をアサートにする(ステップS117)。電源制御信号がアサートになると、IOカードスロット302に電源が供給されてIOカードスロット302が有効になり、IOカード400がホスト装置100から利用可能となる(ステップS118)。
【0038】
一方、接続切替通知メッセージを受信したSWMCU201は、スイッチ機構202の接続制御を行い、IOカードスロット302とホスト装置100との接続を有効にする(ステップS122)。以降、スイッチ装置200を介してバス109とバス309とが接続され、IOカード400とホスト装置100との間でデータの送受が行われる(ステップS130)。
【0039】
次に、IOカード400をシステムから切り離してIOカードスロット302から取り外すHot−Remove動作が、図3に示されるフローチャートを参照して説明される。
【0040】
スイッチ装置200を介してIOカード400とホスト装置100との間でデータの送受が行われている(ステップS150)。ここで、IOカード400において、取り外し要求が発生する(ステップS151)。IOカードスロット302からIOMCU301に接続されているホットプラグ信号群308のうちのプラグアウト信号がアサートされる(ステップS152)。
【0041】
プラグアウト信号は、IOカード400の取り外し要求を電圧レベルで示す。IOMCU301は、プラグアウト信号がアサートされたことを検出すると、取り外し要求を示すHot−Remove要求通知メッセージを生成する(ステップS153)。IOMCU301は、LAN700経由でIMMCU501にこのHot−Remove要求通知メッセージを送出する(ステップS154)。
【0042】
Hot−Remove要求通知メッセージを受け取ったIMMCU501は、メッセージ付加されたIOカード400が搭載されたカードスロットの位置に基づいて、ホスト装置100−IO装置300間の接続関係を確認する(ステップS155)。IMMCU501は、Hot−Remove要求通知メッセージをLAN700経由でSVMCU101送出する(ステップS156)。
【0043】
IMMCU501からHot−Remove要求通知メッセージを受信したSVMCU101は、Hot−Remove要求通知メッセージを電気信号に変換し(ステップS157)、ホットプラグコントローラ102に接続されているプラグアウト信号をアサートにする(ステップS158)。ホットプラグコントローラ102は、プラグアウト信号がアサート状態であることを検出すると、IOデバイスコントローラ104を介してOSに割り込みを上げる。
【0044】
OSは、ホットプラグコントローラ102により管理されているIOカードスロット302の状態をIOカード未搭載に変更し、ホットプラグコントローラ102にIOカード400の電源を切断するようにIOデバイスコントローラ104を介して指示する(ステップS160)。ホットプラグコントローラ102は、OSの指示に応答して、IOカードスロット302に対する電源制御信号をディアサートする(ステップS161)。
【0045】
SVMCU101は、ホットプラグコントローラ102が電源制御信号をディアサートしたことを検出すると、カード電源切断通知メッセージを生成する(ステップS162)。SVMCU101は、カード電源切断通知メッセージをLAN700経由でIMMCU501に通知する(ステップS163)。
【0046】
カード電源切断通知メッセージを受信したIMMCU501は、ホスト装置100−IO装置300間の接続関係を確認する(ステップS164)。その後、IMMCU501は、IOMCU301にカード電源切断通知メッセージをLAN700経由で送出する(ステップS165)。また、確認した接続関係に基づいてSWMCU201に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS171)。
【0047】
カード電源切断通知メッセージを受信したIOMCU301は、メッセージを解読して該当するIOカードスロット302のホットプラグ信号群308のアサート/ディアサートに信号変換する(ステップS166)。即ち、IOMCU301は、IOカードスロット302に接続される電源制御信号をディアサートする(ステップS167)。電源制御信号がディアサートになると、IOカードスロット302の電源が切断され、IOカード400をIOカードスロット302から取り外すことが可能となる(ステップS168)。
【0048】
一方、接続切替通知メッセージを受信したSWMCU201は、スイッチ機構202の接続制御を行い、IOカードスロット302とホスト装置100との接続を無効とする(ステップS172)。なお、IOMCU301は、IOカードスロット302の電源が切断されてIOカードスロット302が無効になったことをIMMCU501にLAN700経由で通知するようにしてもよい。その場合、IMMCU501は、IOカードスロット302が無効になったことをLAN700経由でSWMCU201に対して通知する。SWMCU201は、この通知を受信したときにスイッチ機構202の接続制御を行うようにすると、スイッチ装置200の切り替えはより確実になる。
【0049】
上述のように、多筐体コンピュータシステム600において、ホスト装置100−IOカードスロット302間にHot−Plug信号群308専用の信号線を配線することなく、ホットプラグ処理を実現することができる。
【0050】
図4を参照して第2の実施の形態に係る多筐体コンピュータシステムが説明される。図4は、経路多重多筐体コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【0051】
スイッチ装置210は、スイッチ装置210aとスイッチ装置210bとを備え、2重化構成になっている。従って、一方のスイッチ装置障害、或いは経路障害時にも運用可能である。スイッチ装置210aとスイッチ装置210bとに接続されるホスト装置110およびIO装置310は、信号経路を切り替える切り替え装置116、313を備える。その他の各構成は、図1に示される第1の実施の形態における装置と同様であり、詳細な説明を省略する。ホスト装置110は、CPU113、SVMCU111、メモリ115、IOデバイスコントローラ114、ホットプラグコントローラ112、切り替え装置116を具備する。切り替え装置116は、SVMCU111の制御に基づいて、IO装置311への接続経路をスイッチ装置210aまたは210bに切り替える。
【0052】
スイッチ装置210aは、SWMCU211aとスイッチ機構212aとを備え、スイッチ装置210bは、SWMCU211bとスイッチ機構212bとを備える。IO装置310は、IOカードスロット312−1、−2、…、−nを有するカードスロット部とIOMCU311と切り替え装置313とを備える。切り替え装置313は、IOMCU311の制御に基づいてホスト装置110への接続経路をスイッチ装置210aまたは210bに切り替える。SVMCU111、SWMCU211a、SWMCU211b、IOMCU311は、LAN710により互いに通信する。
【0053】
経路多重多筐体コンピュータシステム610において、スイッチ装置210aが障害となった場合の動作が図5を参照して説明される。ホットプラグ信号群118、318がスイッチ装置210a、210bを介してホスト装置110−IO装置310間で接続されていると、スイッチ装置210aに障害が発生したとき、ホットプラグ信号群118、318の接続が切断されることになる。従って、ホスト装置110に内蔵されるホットプラグコントローラ112は、スイッチ装置210aの障害に伴う“Surprise Remove”を検出することになる(ステップS291)。このホットプラグイベントを検出したホットプラグコントローラ112は、OSの指示に基づいて、電源制御信号をディアサートしてIOカード410の電源を切断し、IOカード410の取り外しに対応する(ステップS292)。信号経路が2重化されているコンピュータシステム610において、IOカード410は、IOカードスロット312に搭載されたままである。従って、切り替え装置116、313を他の経路、即ち、スイッチ装置210b側に切り替えることにより、ホットプラグ処理を行わなくても運用が可能である。
【0054】
スイッチ装置210aに障害が発生すると、SWMCU211aは障害発生通知メッセージをIMMCU511に送出して障害の発生を知らせる(ステップS201)。IMMCU511は、障害が発生した位置に基づいて、ホスト装置110−IO装置310間の接続関係を確認する(ステップS202)。IMMCU511は、ホスト装置110−IO装置310間の異なる経路であるスイッチ装置210bの動作を確認するため、SWMCU211bに動作状況確認通知メッセージを送出する(ステップS204)。SWMCU211bは、スイッチ機構212bが正常に動作していることを動作状況報告メッセージによりIMMCU511に送出する(ステップS205)。
【0055】
IMMCU511は、スイッチ装置210bにより継続運用可能であることを確認すると、IOカード410へのホットプラグ処理指示を行わず、SVMCU111およびIOMCU311に経路切り替えを指示する経路切替通知メッセージを送信する(ステップS211、S207)。経路切替通知メッセージを受信したIOMCU311は、切替装置313に経路切り替えを指示し、ホットプラグ処理以外のスイッチ障害処理(ログ採取等)を行う(ステップS208)。また、経路切替通知メッセージを受信したSVMCU111は、切替装置116に経路切り替えを指示し、ホットプラグ処理以外のスイッチ障害処理(ログ採取等)を行う(ステップS212)。その後、ホスト装置110−IO装置310間は、バス119bとバス319とがスイッチ装置211bにより接続され、データの送受が行われる(ステップS220)。これにより、経路が多重化された多筐体システムにおける適切なホットプラグ処理を容易に実現することができる。
【0056】
図6を参照して、第3の実施の形態に係る多筐体コンピュータシステムが説明される。図6は、多筐体マルチホストコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。多筐体マルチホストコンピュータシステム620は、ホスト装置120a、ホスト装置120bとを備えるホスト装置部120と、スイッチ装置220と、IO装置320とを具備する。
【0057】
多筐体マルチホストコンピュータシステム620は、ホスト装置120a、120bのそれぞれから、任意のIOカードスロット322を利用することができる構成となっている。現用系をホスト装置120a、予備系をホスト装置120bとする。各構成要素は図1のものと同様であり、詳細な説明を省略する。現用系ホスト装置120aは、CPU123a、SVMCU121a、メモリ125a、IOデバイスコントローラ124a、ホットプラグコントローラ122aを具備する。予備系ホスト装置120bは、CPU123b、SVMCU121b、メモリ125b、IOデバイスコントローラ124b、ホットプラグコントローラ122bを具備する。スイッチ装置220は、スイッチ機構222、SWMCU221を具備する。IO装置320は、IOカードスロット322−1、−2、…、−nを有するカードスロット部とIOMCU321とを具備する。SVMCU121a、SVMCU121b、SWMCU221、IOMCU321は、LAN720を介して互いに通信する。
【0058】
多筐体マルチホストコンピュータシステムのホスト装置の系切り替え動作が図7を参照して説明される。現用、予備の系切り替えが発生すると、IOカードスロット322とホスト装置120a、120bの対応関係も切り替える必要がある。IOカード420は、IOカードスロット322に搭載されたままであり、IOカード420からIOMCU321へのホットプラグ信号群328のアサート/ディアサートは起こらない。従って、SWMCU221が現用のホスト装置120aから予備のホスト装置120bに切り替えるホスト切替通知メッセージをIMMCU521に送信する(ステップS301)。ホスト切替通知メッセージを受信したIMMCU521は、ホスト装置120−IO装置320間の接続関係を確認する(ステップS302)。
【0059】
IO装置320側にホスト装置120a、120bとの接続状態を通知する必要がある場合、IMMCU521は、ホスト装置切り替えを通知するプラグイン信号生成依頼メッセージをIOMCU321に送出する(ステップS303)。このプラグイン信号生成依頼メッセージは、IOカード420からホットプラグ信号群328のアサート/ディアサートがあったかのようにIOMCU321が動作することを指示するメッセージである。従って、IOMCU321は、IOカード420が搭載されたかのようにHot−Add要求通知メッセージをIMMCU521に送出する(ステップS304)。IMMCU521は、Hot−Add要求通知メッセージに基づいて、ホスト装置120−IO装置320間の接続関係を確認する(ステップS305)。ステップS303からステップS305は、IO装置320側に通知するステップであり、IO装置320側に通知する必要がなければ、省略してもよい。
【0060】
ホスト装置120bの接続状態が確認できると、IMMCU521は、Hot−Add要求通知メッセージをSVMCU121bに送信する(ステップS306)。Hot−Add要求通知メッセージを受信したSVMCU121bは、Hot−Add要求通知メッセージを電気信号に変換し(ステップS307)、ホットプラグ信号群128bのうちのプラグイン信号をアサート状態にしてホットプラグコントローラ122bに伝達する(ステップS308)。
【0061】
ホットプラグコントローラ122bは、プラグイン信号がアサート状態であることを検出すると、IOデバイスコントローラ124bを介してOSに割り込みを上げる。OSは、ホットプラグコントローラ122bにより管理されるIOカードスロット322の状態を搭載状態に変更し、ホットプラグコントローラ122bに電源投入を指示する(ステップS310)。ホットプラグコントローラ122bは、OSからの指示に応答して、IOカードスロット302に対する電源制御信号をアサートする(ステップS311)。SVMCU121bは、電源制御信号がアサートになったことを検出すると、カード電源投入通知メッセージに変換する(ステップS312)。SVMCU121bは、カード電源投入通知メッセージをIMMCU521に通知する(ステップS313)。
【0062】
カード電源投入通知メッセージを受け取ったIMMCU521は、ホスト装置120b−IO装置320間の接続関係を確認する(ステップS314)。IMMCU521は、確認した接続関係に基づいて、SWMCU201に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS316)。接続切替通知メッセージを受信したSWMCU221は、スイッチ機構222の接続制御を行い、IOカードスロット322とホスト装置120bとの接続を有効にする(ステップS317)。従って、バス129bとバス329とが接続される。以降、スイッチ装置220を介してIOカード420とホスト装置120bとの間でデータの送受が行われる(ステップS320)。また、IMMCU521は、IOMCU321にカード電源投入通知メッセージを送出してもよい(ステップS315)。
【0063】
このように、統合管理装置520が、SVMCU121b、IOMCU321に指示してホットプラグ信号群のアサート/ディアサートを強制的に発生させることができる。このとき、ホットプラグ信号群328は、IOカードスロット322、IOカード420に対して変化しない。このように、多筐体マルチホストシステムにおける適切なホットプラグ処理を容易に実現することができる。
【0064】
図8を参照して第4の実施の形態に係る多筐体コンピュータシステムが説明される。多筐体コンピュータシステム670は、サブシステム650、660を具備する。サブシステム650、660は、それぞれ図1に示される多筐体コンピュータシステムと同じ構成になっている。
【0065】
サブシステム650は、それぞれ別筐体で構成されるホスト装置150、スイッチ装置250、IO装置350、統合管理装置550を具備する。これらの装置間は、LAN750により接続される。ホスト装置150は、CPU153、SVMCU151、メモリ155、IOデバイスコントローラ154、ホットプラグコントローラ152を備える。スイッチ装置250は、SWMCU251とスイッチ機構252とを備える。IO装置350は、IOカードスロット352−1、−2、…、−nを有するカードスロット部とIOMCU351とを備える。
【0066】
サブシステム660は、それぞれ別筐体で構成されるホスト装置160、スイッチ装置260、IO装置360、統合管理装置560を具備する。これらの装置間は、LAN760により接続される。ホスト装置160は、CPU163、SVMCU161、メモリ165、IOデバイスコントローラ164、ホットプラグコントローラ162を備える。スイッチ装置260は、SWMCU261とスイッチ機構262とを備える。IO装置360は、IOカードスロット362−1、−2、…、−nを有するカードスロット部とIOMCU361とを備える。
【0067】
サブシステム間は、装置管理に関して、IMMCU551とIMMCU561とがLAN770により接続されている。また、処理データの交換に関して、スイッチ機構252とスイッチ機構262とがLAN771により接続されている。即ち、LAN750、760、770は、装置管理用のインタフェースであり、LAN771は、OSがIOカードを利用するインタフェースである。なお、サブシステム間インタフェースのLAN770、771、装置間インタフェースのLAN750、760は、ここではLANを例示するが、他のインタフェースでもよい。
【0068】
本実施の形態におけるHot−Plug動作は、2種類に大別される。1つは、サブシステム内に閉じたHot−Plug動作である。IOカードスロット352−1、−2、…、−nとホスト装置150とが接続され、IOカードスロット362−1、−2、…、−nとホスト装置160とが接続されている場合である。この場合のHot−Plug動作は、各サブシステム内に閉じており、図1、図2、図3に示される第1の実施の形態と同じである。
【0069】
もう1つは、サブシステム間に跨るHot−Plug動作である。IOカードスロット362−1、−2、…、−nのいずれかとホスト装置150とが接続されている場合、或いは、IOカードスロット352−1、−2、…、−nのいずれかとホスト装置160とが接続されている場合である。
【0070】
図9Aから図9Dを参照して、サブシステム間に跨るHot−Plug動作が説明される。ホスト装置160に接続されるIOカードスロット352にIOカード450が挿入される場合のHot−Add動作が図9A、図9Bを参照して説明される。図9Aは、サブシステム650側の動作を示し、図9Bは、サブシステム660側の動作を示す。
【0071】
サブシステム550のIOカードスロット352にIOカード450が搭載され(ステップS501:図9A)、ホットプラグ信号群358のうちのプラグイン信号がアサート状態になる(ステップS502)。IOMCU351は、プラグイン信号のアサートを検出し、メッセージに変換する(ステップS503)。IOMCU351は、Hot−Add要求通知メッセージをLAN750を介してIMMCU551に送出する。
【0072】
Hot−Add要求通知メッセージを受信したIMMCU551は、メッセージに付加されたIOカード450が搭載されたカードスロットの位置に基づいて、ホスト装置160−IO装置350間の接続関係を確認する(ステップS505)。IMMCU551は、LAN770を介してサブシステム660のIMMCU561にHot−Add要求通知メッセージを送出する(S701:接続番号1)。
【0073】
Hot−Add要求通知メッセージを受信したIMMCU561は、ホスト装置160−IO装置350間の接続関係を確認する(ステップS601:図9B)。IMMCU561は、LAN760を介してSVMCU161にHot−Add要求通知メッセージを送出する(ステップS602)。
【0074】
Hot−Add要求通知メッセージを受信したSVMCU101は、Hot−Add要求通知メッセージを電気信号に変換し(ステップS603)、ホットプラグ信号群168のうちのプラグイン信号をアサートにしてホットプラグコントローラ162に伝達する(ステップS604)。ホットプラグコントローラ162は、プラグイン信号がアサート状態であることを検出すると、IOデバイスコントローラ164を介してOSに割り込みを上げる。
【0075】
OSは、ホットプラグコントローラ162により管理されているIOカードスロット352の状態をIOカード450が搭載されている状態に変更する。OSは、ホットプラグコントローラ162にIOカードスロット352に搭載されるIOカード450の電源を投入するようにIOデバイスコントローラ164を介して指示する(ステップS610)。ホットプラグコントローラ162は、OSからの指示に応答して、IOカードスロット352に対する電源制御信号をアサートする(ステップS611)。
【0076】
SVMCU161は、ホットプラグコントローラ162が電源制御信号をアサート状態にしたことを検出すると、カード電源投入通知メッセージに変換する(ステップS612)。SVMCU161は、カード電源投入通知メッセージをLAN760経由でIMMCU561に通知する(ステップS613)。
【0077】
カード電源投入通知メッセージを受信したIMMCU561は、ホスト装置160−IO装置350間の接続関係を確認する(ステップS614)。IMMCU561は、サブシステム650のIMMCU551にLAN770を介してカード電源投入通知メッセージを送出する(ステップS703:接続番号2)。それとともに、IMMCU561は、確認した接続関係に基づいてSWMCU261に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS617)。接続切替通知メッセージを受信したSWMCU261は、スイッチ機構262の接続制御を行い、IOカードスロット352とホスト装置160との接続を有効にする(ステップS618)。
【0078】
一方、カード電源投入通知メッセージを受信したIMMCU551は、IOMCU351にカード電源投入通知メッセージをLAN750経由で送出する(ステップS511:図9A)。それとともに、IMMCU551は、SWMCU251に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS517)。接続切替通知メッセージを受信したSWMCU251は、スイッチ機構252の接続制御を行い、IOカードスロット352とホスト装置160との接続を有効にする(ステップS518)。即ち、スイッチ機構252とスイッチ機構262とがLAN771を介して接続され、CPU163がIOカード450を利用することが可能になる。
【0079】
IMMCU551から装置管理用インタフェースであるLAN750を介してカード電源投入通知メッセージを受信したIOMCU351は、カード電源投入通知メッセージをホットプラグ信号群358のうちの電源制御信号に変換し(ステップS512)、電源制御信号をアサート状態にしてIOカードスロット352に伝達する(ステップS513)。IOカード450の電源が投入されて、ホスト装置160からのアクセスが可能となる(ステップS514)。即ち、バス359とバス169とがデータ転送用インタフェースであるLAN771を介して接続されたことになる。以降、スイッチ装置250、260、LAN771を介して、ホスト装置160とIOカード450とのデータ送受が行われる(ステップS705:接続番号3)。
【0080】
このようにデータ送受が行われている状態において、IOカードスロット352に搭載されるIOカード450をホスト装置150に接続を替える場合の動作が、図9C、図9Dを参照して説明される。図9Cは、サブシステム650側の動作を示し、図9Dはサブシステム660側の動作を示す。
【0081】
接続変更が指示されると、IMMCU551は、IOカード450と、ホスト装置150、160との接続関係を確認する(ステップS521)。IMMCU551は、サブシステム660のIMMCU561に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS711:接続番号4)。それとともに、接続変更されてIOカード450が接続されるホスト装置150のSVMCU151にHot−Add要求通知メッセージが送出される(ステップS522)。
【0082】
Hot−Add要求通知メッセージを受信したSVMCU151は、メッセージを電気信号に変換し(ステップS525)、ホットプラグ信号群158のうちのプラグイン信号をアサート状態にしてホットプラグコントローラ152に伝達する(ステップS526)。ホットプラグコントローラ152は、プラグイン信号がアサート状態であることを検出すると、IOデバイスコントローラ154を介してOSに割り込みを上げる。
【0083】
OSは、ホットプラグコントローラ152により管理されているIOカードスロット352の状態をIOカード450が搭載されている状態に変更する。OSは、ホットプラグコントローラ152にIOカードスロット352に搭載されるIOカード450の電源を投入するようにIOデバイスコントローラ154を介して指示する(ステップS530)。ホットプラグコントローラ152は、OSからの指示に応答して、IOカードスロット352に対する電源制御信号をアサートする(ステップS531)。
【0084】
SVMCU151は、ホットプラグコントローラ152が電源制御信号をアサート状態にしたことを検出すると、カード電源投入通知メッセージに変換する(ステップS532)。SVMCU151は、カード電源投入通知メッセージをLAN750経由でIMMCU551に通知する(ステップS533)。
【0085】
カード電源投入通知メッセージを受信したIMMCU551は、ホスト装置150−IO装置350間の接続関係を確認し、SWMCU251に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS535)。IOカード450は既に搭載されてホスト装置160のアクセスを受けているため、ここで改めて電源投入をする必要がない。従って、IOMCU351にカード電源投入通知メッセージは送信されない。接続切替通知メッセージを受信したSWMCU251は、スイッチ機構252の接続制御を行い、IOカードスロット352とホスト装置150との接続を有効にする(ステップS536)。以降、スイッチ装置250を介してIOカード450とホスト装置150との間でデータの送受が行われる(ステップS540)。
【0086】
一方、接続切替通知メッセージを受信したIMMCU561は、ホスト装置160−IO装置350間の接続状態を確認する(ステップS621:図9D)。IMMCU561は、Hot−Remove要求通知メッセージをSVMCU161に送信する(ステップS622)。SVMCU161は、Hot−Remove要求通知メッセージを電気信号に変換し(ステップS625)、ホットプラグ信号群168のうちのプラグアウト信号をアサート状態にする(ステップS626)。ホットプラグコントローラ162は、プラグアウト信号がアサート状態であることを検出すると、IOデバイスコントローラ104を介してOSに割り込みを上げる。
【0087】
OSは、ホットプラグコントローラ162により管理されているIOカードスロット352の状態を未搭載に変更し、ホットプラグコントローラ162にIOカード450の電源を切断するようにIOデバイスコントローラ164を介して指示する(ステップS630)。ホットプラグコントローラ162は、OSの指示に応答して、IOカードスロット352に対する電源制御信号をディアサートする(ステップS631)。
【0088】
SVMCU161は、ホットプラグコントローラ162が電源制御信号をディアサートしたことを検出すると、カード電源切断通知メッセージを生成する(ステップS632)。SVMCU161は、カード電源切断通知メッセージをLAN760経由でIMMCU561に通知する(ステップS633)。
【0089】
カード電源切断通知メッセージを受信したIMMCU561は、ホスト装置160−IO装置350間の接続関係を確認し、SWMCU261に接続切替通知メッセージを送出する(ステップS635)。接続切替通知メッセージを受信したSWMCU261は、スイッチ機構262の接続制御を行い、スイッチ機構252との接続を無効とする(ステップS636)。
【0090】
上述のように、システムの構成に基づいてホットプラグ信号群を伝達する装置を切り替えることができる。このシステムの構成情報として、例えば、図10に示されるように、装置間の接続状態を示すテーブルを備えてもよい。システムが備えるホスト装置(SVE)に、スイッチ装置(SWE)がどのように接続されるのか、システムが備えるIO装置(IOE)にIOカードスロットがどのように内蔵され、スイッチ装置にどのように接続されるか等の情報がスイッチ装置の接続ポートに対応付けされる。さらに、搭載されるIOカードの種類、その動作状態等の情報が格納されていてもよい。
【0091】
また、ここでは、統合管理装置が独立した筐体に搭載されるシステムとして説明されたが、例えば、スイッチ装置のスイッチ管理部にその機能を搭載してもよい。また、システムの構成を管理することから、スイッチ管理部の機能をスイッチ装置から統合管理装置に移してもよい。さらに、ホットプラグ信号群、および、各管理部間で送受されるメッセージは、上述のものに限定されないことはいうまでもない。
【0092】
上述のように、本発明によれば、ホスト装置−IO装置間のホットプラグ信号伝達を、ホットプラグ対象部品装置の外部(例えば、統合管理装置)から制御することが可能なため、システムの構成に適した任意のホットプラグ処理を実現可能である。即ち、1つのIOを複数のホストから切り替えて使用するマルチホストシステムにおいて、ホスト切り替え時に、外部からホットプラグ信号アサートを指示することにより、通常発生しないホットプラグ信号を擬似的に発生させることができる。
【0093】
また、スイッチが多重化された多筐体コンピュータシステムにおいて、冗長パスにより運用可能なスイッチ障害時に、ホットプラグイベント発生通知を破棄し、Hot−Plugを行わないことにより、ホットプラグ信号のIOへの伝達を防ぐことができる。
【0094】
さらに、本発明によれば、多筐体マルチホストシステムにおいて、ホットプラグ信号の物理配線を行う必要がなく、信号切り替えのための複雑な構成が不要になるため、HW構成が簡単になり、安価にシステムを構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る多筐体コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】同多筐体コンピュータシステムのHot−Add動作を説明するフローチャートである。
【図3】同多筐体コンピュータシステムのHot−Remove動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る経路多重多筐体コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】同経路多重多筐体コンピュータシステムの経路切り替え時の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る多筐体マルチホストコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図7】同多筐体マルチホストコンピュータシステムの系切り替え動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る多筐体コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図9A】同多筐体コンピュータシステムのサブシステム650側の動作を説明するフローチャートである。
【図9B】同多筐体コンピュータシステムのサブシステム660側の動作を説明するフローチャートである。
【図9C】同多筐体コンピュータシステムのサブシステム650側の動作を説明するフローチャートである。
【図9D】同多筐体コンピュータシステムのサブシステム660側の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係るシステム構成を示すテーブルの例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
100、110、120a、120b、150、160 ホスト装置(SVE)
101、111、121a、121b、151、161 ホスト管理部(SVMCU)
102、112、122a、122b、152、162 ホットプラグコントローラ(HPC)
103、113、123a、123b、153、163 CPU
104、114、124a、124b、154、164 IOデバイスコントローラ(IOC)
105、115、125a、125b、155、165 メモリ(MM)
200、210a、210b、220、250、260 スイッチ装置(SWE)
201、211a、211b、221、251、261 スイッチ管理部(SWMCU)
202、212a、212b、222、252、262 スイッチ機構(SW)
300、310、320、350、360 IO装置(IOE)
301、311、321、351、361 IO管理部(IOMCU)
302、312、322、352、362 IOカードスロット
400、410、420、450、460 IOカード
500、510、520、550、560 統合管理装置(IMM)
501、511、521、551、561 管理装置管理部(IMMCU)
600、610、620、650、660 多筐体コンピュータシステム
700、710、720、750、760、770、771 装置間インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作中にIOカードを着脱可能に搭載し、入力される制御メッセージに基づいて前記IOカードを制御し、前記IOカードの状態を示す状態メッセージを出力するIO装置と、
前記状態メッセージに応答して、前記制御メッセージを生成して出力する制御装置と、
前記IO装置と前記制御装置との接続関係を示す構成情報を備え、前記構成情報に基づいて前記制御メッセージと前記状態メッセージとを中継する中継装置と
を具備する
情報処理装置。
【請求項2】
前記IO装置は、
前記IOカードが搭載され、状態ホットプラグ信号を出力するIOカードスロット部と、
前記状態ホットプラグ信号を前記状態メッセージに変換し、前記制御メッセージに基づいて前記IOカードを制御する制御ホットプラグ信号を再生するIO変換部と
を備え、
前記制御装置は、
前記状態メッセージに基づいて前記状態ホットプラグ信号を再生し、入力される前記制御ホットプラグ信号によって示される制御状態を前記制御メッセージに変換する制御変換部と、
前記状態ホットプラグ信号に応答し、前記制御ホットプラグ信号を出力して前記IOカードを制御するホットプラグコントローラと
を備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
さらに、前記IO装置と前記制御装置との接続関係を切り替えるスイッチ装置を具備し、
前記スイッチ装置が前記接続関係を変更するとき、前記中継装置は、前記構成情報に基づいて、前記制御メッセージと前記状態メッセージとを生成または消去する
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御装置と前記IO装置とは複数の前記スイッチ装置を介して接続され、
前記中継装置は、前記構成情報に基づいて、前記制御メッセージと前記状態メッセージとを中継せずに前記制御装置と前記IO装置との接続経路を切り替える
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記スイッチ装置は、複数の前記制御装置に接続され、
前記中継装置は、前記IO装置に接続される前記制御装置を切り替えるとき、前記構成情報に基づいて、接続される前記制御装置に前記状態メッセージを生成して出力する
請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記スイッチ装置は、複数の前記IO装置に接続され、
前記中継装置は、前記制御装置に接続される前記IO装置を切り替えるとき、前記構成情報に基づいて、前記制御装置に前記状態メッセージを生成して出力する
請求項3から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
動作中にIOカードが着脱可能に搭載されるIO装置と、前記IOカードを制御する制御装置とを具備する情報処理装置の装置間接続方法であって、
前記IOカードの状態を示す状態メッセージを出力する状態メッセージ出力ステップと、
前記IO装置と前記制御装置との接続関係を示す構成情報に基づいて、前記状態メッセージを制御装置に中継する状態メッセージ中継ステップと、
前記状態メッセージに基づいて、前記IOカードを制御する信号を示す制御メッセージを出力する制御メッセージ出力ステップと、
前記構成情報に基づいて、前記制御メッセージを前記IO装置に中継する制御メッセージ中継ステップと、
前記制御メッセージに基づいて、前記IOカードを制御する制御ステップと
を具備する
装置間接続方法。
【請求項8】
前記状態メッセージ出力ステップは、前記IOカードの状態を示す状態ホットプラグ信号を前記状態メッセージに変換する状態変換ステップを備え、
前記制御メッセージ出力ステップは、
前記状態メッセージに基づいて、前記状態ホットプラグ信号を再生する再生ステップと、
再生された前記状態ホットプラグ信号を入力し、前記IOカードを制御する制御ホットプラグ信号を出力するホットプラグ制御ステップと、
前記制御ホットプラグ信号を前記制御メッセージに変換する制御変換ステップと
を備える
請求項7に記載の装置間接続方法。
【請求項9】
前記情報処理装置は、さらに、前記IO装置と前記制御装置との接続関係を切り替えるスイッチ装置を具備し、
前記接続関係が変更されるとき、前記状態メッセージ中継ステップは、前記構成情報に基づいて前記状態メッセージを生成または消去し、前記制御メッセージ中継ステップは、前記構成情報に基づいて前記制御メッセージを生成または消去する
請求項7または請求項8に記載の装置間接続方法。
【請求項10】
前記制御装置と前記IO装置とは複数の前記スイッチ装置を介して接続され、
前記制御装置と前記IO装置との接続経路が変更されるとき、
前記状態メッセージ中継ステップおよび前記制御メッセージ中継ステップは、前記状態メッセージおよび前記制御メッセージを消去する
請求項9に記載の装置間接続方法。
【請求項11】
前記スイッチ装置は、複数の前記制御装置に接続され、
前記IO装置に接続される前記制御装置が切り替わるとき、前記状態メッセージ中継ステップは、前記構成情報に基づいて、接続される前記制御装置に前記状態メッセージを生成して出力するステップを備える
請求項9または請求項10に記載の装置間接続方法。
【請求項12】
前記スイッチ装置は、複数の前記IO装置に接続され、
前記制御装置に接続される前記IO装置が切り替わるとき、前記状態メッセージ中継ステップは、前記構成情報に基づいて、接続される前記制御装置に前記状態メッセージを生成して出力するステップを備える
請求項9から請求項11のいずれかに記載の装置間接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−316791(P2007−316791A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143620(P2006−143620)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】