説明

情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】規格外のデータを入力した場合でも規格データと同様のデータ処理を実現する構成を提供する。
【解決手段】カメラや通信部によって構成されるデータ取得部の入力したデータ、例えばQRコードやメールなどのテキストデータなどに対してデータ変換部がデータ変換処理を実行し、規格データ、例えばフェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータへの変換処理を実行する構成としたので、規格外データに対しても、規格データと同様のデータ処理、例えばデータ出力、データ記憶処理、その他の規格対応のアプリケーションを利用した処理などを行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、規格データの処理を行う情報処理装置に規格非対応データの処理を実行させることを可能とした情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のICカードや携帯電話などのデバイスには近接通信可能な通信部と記憶部を備えたものが多く、これらのデバイスは例えば電子マネーなどに利用される。このようなデバイスを利用する場合、例えば、ユーザはリーダライタ(R/W)機能を持つ装置にデバイスをタッチまたはかざしてデータ通信を行う。なお、このようなシステムについては例えば特許文献1(特開2002−269508号公報)に記載されている。
【0003】
このようなデバイスの一例としてフェリカ[FeliCa(登録商標)]を利用したデバイスが知られている。フェリカ[FeliCa(登録商標)]はICカードや、携帯電話などに利用されている。フェリカ[FeliCa(登録商標)]機能を持つICカードや携帯電話は、多くの場合、フェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータの処理を行うことは可能であるが、フェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に従わないデータの処理ができないという問題がある。
【0004】
具体的には、フェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に従わないデータ、例えば、QRコード(二次元バーコード)、テキストデータや、バーコードなどのデータの解釈や処理ができない。この問題は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]以外の規格化されたデバイスに共通の問題であり、それぞれ固有の規格に従ったデータのみ処理可能であり、その他の規格に従わないデータの処理ができないという問題がある。
【0005】
従って、このような規格対応デバイスは、規格に従ったデータの入出力を実行するサーバや、リーダーライタ(R/W)とのデータ送受信やデータ処理は実行できるが、規格データ以外のデータについては対応できないという問題がある。
【0006】
昨今では、雑誌などにQRコードを印刷し、QRコードを携帯電話で撮影してQRコードに記録されたデータをクーポンとして利用可能としたサービスや、電子メールによってサービスデータをユーザデバイスに送信してそのサービスデータをメモリに記録して店舗で利用可能とするといったサービス形態が盛んに利用されているが、上述の規格データのみを処理可能なデバイスは、規格データと異なるQRコードやメール中のテキストデータなどについての解釈やメモリ格納ができず、このような様々なサービスの利用ができない。このように規格データの処理に特化したデバイスは、一般的なテキストデータや、バーコード、QRコードなどのデータに対して柔軟に対応できないという問題がある。
【特許文献1】特開2002−269508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、特定の規格データを処理するデバイスにおいて、規格に対応しないテキストデータやQRコードなどのデータについての解釈や記録などの処理を可能とした情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面は、
データ入力を行うデータ取得部と、
前記データ取得部を介して入力したデータに対するデータ変換処理を実行するデータ変換部と、
前記データ変換部における変換処理による変換データを適用したデータ処理を実行する制御部を有し、
前記データ変換部は、
前記制御部におけるデータ処理可能な規格データ以外の規格非対応データが前記データ取得部から入力された場合に、該規格非対応データを規格データに変換する処理を実行する構成である情報処理装置にある。
【0009】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ変換部は、前記データ変換処理において、変換後の規格データの格納アドレスを含むデータを生成することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ変換部は、前記データ変換処理において、暗号化処理を併せて実行する構成であり、前記制御部は、前記データ変換部における変換処理および暗号化処理による暗号化変換データの復号処理を実行し、復号された変換データを適用したデータ処理を実行することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ変換部は、前記データ変換処理において、前記データ取得部を介して入力したURL(Uniform Resource Locator)を示すデータに対する変換処理を実行して、URLを示す規格データに変換する処理を実行する構成であることを特徴とする。なお、URLはネットワーク上の情報資源の場所を特定するデータの一例に過ぎず、同様の機能を発揮する他のURI(Uniform Resource Identifier)であれば、URLに限らず本発明に適用可能である。
【0012】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ取得部は、QRコードまたはテキストデータを入力し、前記データ変換部は、前記データ取得部を介して入力したQRコードまたはテキストデータに対するデータ変換処理を実行して規格データに変換する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ変換部におけるデータ変換処理は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータへの変換処理であることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の第2の側面は、
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
データ取得部が、データ入力を行うデータ取得ステップと、
データ変換部が、前記データ取得部を介して入力したデータに対するデータ変換処理を実行するデータ変換ステップと、
制御部が、前記データ変換部における変換処理による変換データを適用したデータ処理を実行する制御ステップを有し、
前記データ変換ステップは、
前記制御部におけるデータ処理可能な規格データ以外の規格非対応データが前記データ取得部から入力された場合に、該規格非対応データを規格データに変換する処理を実行するステップである情報処理方法にある。
【0015】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記データ変換ステップは、前記データ変換処理において、変換後の規格データの格納アドレスを含むデータを生成することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記データ変換ステップは、前記データ変換処理において、暗号化処理を併せて実行するステップであり、前記制御ステップは、前記データ変換ステップにおける変換処理および暗号化処理による暗号化変換データの復号処理を実行し、復号された変換データを適用したデータ処理を実行するステップであることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記データ変換ステップは、前記データ変換処理において、前記データ取得部を介して入力したURIを示すデータに対する変換処理を実行して、URIを示す規格データに変換する処理を実行するステップであることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記データ取得ステップは、QRコードまたはテキストデータを入力し、前記データ変換ステップは、前記データ取得部を介して入力したQRコードまたはテキストデータに対するデータ変換処理を実行して規格データに変換する処理を実行するステップであることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記データ変換ステップにおけるデータ変換処理は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータへの変換処理であることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の第3の側面は、
情報処理装置において情報処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
データ取得部に、データ入力を行うデータ取得ステップと、
データ変換部に、前記データ取得部を介して入力したデータに対するデータ変換処理を実行するデータ変換ステップと、
制御部に、前記データ変換部における変換処理による変換データを適用したデータ処理を実行する制御ステップを有し、
前記データ変換ステップは、
前記制御部におけるデータ処理可能な規格データ以外の規格非対応データが前記データ取得部から入力された場合に、該規格非対応データを規格データに変換する処理を実行させるステップであるコンピュータ・プログラムにある。
【0021】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0022】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施例の構成によれば、カメラや通信部によって構成されるデータ取得部の入力したデータ、例えばQRコードやメールなどのテキストデータなどに対してデータ変換部がデータ変換処理を実行し、規格データ、例えばフェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータへの変換処理を実行する構成としたので、規格外データに対しても、規格データと同様のデータ処理、例えばデータ出力、データ記憶処理、その他の規格対応のアプリケーションを利用した処理などを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
【0025】
まず、図1を参照して本発明の処理および構成の概要について説明する。図1には本発明に係る情報処理装置の例を示している。図1に示すように本発明に係る情報処理装置110には、例えば携帯電話111、ICカード112、PC113などが含まれる。これらは、例えばフェリカ[FeliCa(登録商標)]などの規格データの処理を行う規格対応の装置である。PC113はICカード112との近接通信を行うリーダライタ(R/W)部を備えている。
【0026】
本発明の情報処理装置110(携帯電話111、ICカード112、PC113など)は、所定の規格データに対する処理が実行可能であるのみならず、例えばQRコードやテキストデータなどの規格に対応しないデータについての処理も実行する。なお、これら規格に対応しないデータを以下では規格非対応データと呼ぶ。情報処理装置110は、図1に示すように規格非対応データ100を入力して、これらの規格非対応データ100に対して、規格対応データと同様、データ解釈、データ記憶などの処理を実現する。具体的には、規格非対応データ100のデータ変換を実行して規格データと同様のデータを生成する。
【0027】
規格非対応データ100としては、雑誌などに印刷されたQRコード、あるいはネットワークの情報処理装置やリーダライタ(R/W)などを介して入力するテキストデータ、その他の様々なバイト列データなどが含まれる。
【0028】
本発明の情報処理装置110は、これらの規格非対応データ100をカメラや通信部などから構成される情報取得部を介して入力し、入力データの変換処理を実行して規格データと同様の処理を実現する。なお、以下に説明する実施例において、規格データとしてはフェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データであるとして説明するが、本発明は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データ以外の規格データを処理対象とした装置においても適用可能であり、本発明の処理を行うことで規格データ以外の規格非対応データの処理を実現することが可能である。
【0029】
図1に示す情報処理装置110中のPC113、ICカード112の例について、具体的な構成例を図2に示す。図2に示すように、PC113は、規格非対応データ100を取得するカメラや通信部などによって構成される情報取得部121、ICカード112などとの近接通信(例えばNFC(Near Field Communication)規格に従った近接通信)やネットワークを介した通信を実行する通信部122、各種のデータ処理、データ通信制御を実行する制御部123、情報取得部121から入力する規格非対応データに対する変換処理による規格データ生成処理を実行するデータ変換部124、各種のデータや処理プログラムなどを格納する記憶部125を有する。記憶部125には、規格対応のコマンド情報やアプリケーションなどが記録されており、規格対応のコマンドやアプリケーションは制御部123において実行される。
【0030】
ICカード112は、PC113などとの近接通信(例えばNFC規格に従った近接通信)を実行する通信部131、各種のデータ処理、データ通信制御を実行する制御部132、通信部131を介して入力するデータや処理プログラムなどを格納する記憶部133を有する。
【0031】
図2に示す構成において、PC113は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データではないQRコード、テキストデータ、その他の様々なバイト列データなどの規格非対応データ100をカメラや通信部などによって構成される情報取得部121からを介して入力する。情報取得部121から入力された規格非対応データ100はデータ変換部124に入力され、データ変換部124においてデータ変換が実行される。
【0032】
データ変換部124におけるデータ変換処理の詳細については後述する。データ変換部124におけるデータ変換処理により、情報取得部121から入力された規格非対応データ100は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データと同様のデータ構成となり、その後の処理においては、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データと同様の処理が可能となる。すなわちデータ変換後は、規格データと同様、記憶部125に対する記録処理、さらに、通信部122を介したデータ出力処理などが可能となる。これらのデータ処理は、例えば制御部123の制御の下に実行される規格対応のアプリケーションによって実行される。
【0033】
図2に示す例では、ICカード112は、PC113が入力した規格非対応データ100を、PC113における変換処理によって、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データとして入力し、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データとして記録することが可能となる。
【0034】
図3は、図1に示す情報処理装置110中の携帯電話111の構成例を示す図である。図3に示すように、携帯電話111は、規格非対応データ100を取得するカメラや通信部などによって構成される情報取得部141、ICカード、PCなどのリーダライタ(R/W)部との近接通信(例えばNFC規格に従った近接通信)やネットワークを介した通信を実行する通信部142、各種のデータ処理、データ通信制御を実行する制御部143、情報取得部141から入力する規格非対応データに対する変換処理による規格データ生成処理を実行するデータ変換部144、各種のデータや処理プログラムなどを格納する記憶部145を有する。記憶部145には、規格対応のコマンド情報やアプリケーションなどが記録されており、規格対応のコマンドやアプリケーションは制御部143において実行される。
【0035】
図3に示す構成において、携帯電話111は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データではないQRコード、テキストデータ、その他の様々なバイト列データなどの規格非対応データ100をカメラや通信部などによって構成される情報取得部141から入力する。情報取得部141から入力された規格非対応データ100はデータ変換部144に入力され、データ変換部144においてデータ変換が実行される。
【0036】
データ変換部144におけるデータ変換処理により、情報取得部141から入力された規格非対応データ100は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データと同様のデータ構成となり、その後の処理においては、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データと同様の処理が可能となる。すなわちデータ変換後は、規格データと同様、記憶部145に対する記録処理、さらに、通信部142を介したデータ出力処理などが可能となる。これらのデータ処理は、例えば制御部143の制御の下に実行される規格対応のアプリケーションによって実行される。
【0037】
図4は、図1に示す情報処理装置110中のICカード112の例に対応する構成例を示す図である。図4に示すように、ICカード112は、近接通信(例えばNFC規格に従った近接通信)を実行する情報取得部&通信部151、各種のデータ処理、データ通信制御を実行する制御部152、情報取得部&通信部151から入力する規格非対応データに対する変換処理による規格データ生成処理を実行するデータ変換部153、各種のデータや処理プログラムなどを格納する記憶部154を有する。記憶部154には、規格対応のコマンド情報やアプリケーションなどが記録されており、規格対応のコマンドやアプリケーションは制御部152において実行される。
【0038】
図4に示す構成において、ICカード112は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データではないQRコード、テキストデータ、その他の様々なバイト列データなどの規格非対応データ100を、近接通信(例えばNFC規格に従った近接通信)を実行する情報取得部&通信部151から入力する。情報取得部&通信部151から入力された規格非対応データ100はデータ変換部153に入力され、データ変換部153においてデータ変換が実行される。
【0039】
データ変換部153におけるデータ変換処理により、情報取得部&通信部151から入力された規格非対応データ100は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データと同様のデータ構成となり、その後の処理においては、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データと同様の処理が可能となる。すなわちデータ変換後は、規格データと同様、記憶部154に対する記録処理、さらに、情報取得部&通信部151を介したデータ出力処理などが可能となる。これらのデータ処理は、例えば制御部152の制御の下に実行される規格対応のアプリケーションによって実行される。
【0040】
次に、図5を参照して、情報処理装置110内のデータ変換部において実行するデータ変換処理の詳細について説明する。情報処理装置110内のデータ変換部は、上述したように規格非対応データのデータ変換により規格対応データを生成する。具体的には、例えば規格データがフェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データである場合、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データではないQRコード、テキストデータ、その他の様々なバイト列データなどの規格非対応データを入力した場合、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データへの変換処理を行う。
【0041】
図5に示す例は、規格非対応データに対するデータ変換処理により、フェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データと同様のデータ処理が可能なデータに変換する例を示している。
【0042】
入力データは、QRコード、テキストデータ、その他の様々なバイト列データなどの規格非対応データ100である。ステップS151は情報処理装置内のデータ変換部の実行するデータ変換処理ステップである。ステップS151では、入力した規格非対応データ100データに対する変換処理を実行して規格対応データ202を生成する。
【0043】
図5に示す規格対応データ202は、入力データの変換によって生成した規格対応データであり、
規格(フェリカ)対応のデータであることを示すデータ[FeliCa]と、
規格非対応データ中に含まれていた情報の変換によって生成した規格対応データ列とデータの格納アドレスを示すアドレス情報[15af〜0f23]によって構成される。このデータには、例えば規格非対応データ100に含まれるクーポンコードなどのデータが含まれることになる。なお、データ変換部において、誤り検出用データの生成や付加処理も併せて実行する構成としてもよい。この場合、図5に示す規格対応データ202には誤り検出用データが含まれる。
【0044】
なお、アドレス情報は、規格非対応データ100内に、予め記録しておいて、そのデータを利用する構成としてもよいし、データ変換処理に際して、情報処理装置のデータ変換部が生成して設定する構成としてもよい。
【0045】
図5に示すデータ201は、本例における規格データであるフェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データの一例であるコマンドデータを示している。情報処理装置のデータ変換部におけるデータ変換処理によって、情報取得部から入力した規格非対応データ100が、このコマンド201と同様の規格対応のデータ(コマンド)に変換される。
【0046】
変換後のデータは、ステップS152において、情報処理装置内のミドルウェアによって解釈され、ステップS153において、規格データと同様の処理が実行される。なお、変換処理によって生成された規格対応データ202に誤り検出コードが設定されている場合は、ステップS152における解釈処理に際して、誤り検出処理が実行される。
【0047】
ステップS153における処理は、例えばデータ変換処理を行った情報処理装置が図2に示すPC113である場合、変換処理によって生成された規格対応データ202をICカード112に出力する処理や、変換処理によって生成された規格対応データ202に含まれるアドレスに従って、規格対応データ202を、PC113の記憶部125に格納する処理などが実行される。
【0048】
次に、図6を参照して、規格非対応データに対するデータ変換処理に際して、暗号化処理を併せて実行する処理例について説明する。入力データは、図5を参照して説明した例と同様、QRコード、テキストデータ、その他の様々なバイト列データなどの規格非対応データ100である。ステップS251において、情報処理装置内のデータ変換部は、入力した規格非対応データ100データに対する変換処理を実行して規格対応データ222を生成する。
【0049】
本例では、このステップS251におけるデータ変換処理に際して、データ暗号化処理も併せて実行する。また、図5を参照して説明した処理と同様、誤り検出用データの生成、付加処理を併せて実行する構成としてもよい。
【0050】
図6に示す規格対応データ222は、
規格(フェリカ)対応のデータであることを示すデータ[FeliCa]と、
入力データの変換および暗号処理によって生成した規格対応データと規格データの格納アドレスを示すアドレス情報[klsa〜a2sj]によって構成される。このデータには、例えば規格非対応データ100に含まれるクーポンコードなどのデータが含まれ、情報取得部から取得されたデータを暗号化したデータが含まれる。
【0051】
なお、図5を参照して説明した処理例と同様、アドレス情報は、規格非対応データ100内に記録されたデータを読み込む設定としてもよいし、データ変換処理に際して、情報処理装置のデータ変換部が生成して規格対応データ222の構成データとして設定してもよい。
【0052】
図6に示すデータ221は、本例における規格データであるフェリカ[FeliCa(登録商標)]対応の規格データの一例であるコマンドデータを示している。情報処理装置のデータ変換部におけるデータ変換処理によって、情報取得部から入力した規格非対応データ100が、このコマンド201と同様の規格対応のデータ(コマンド)の暗号化データとして生成される。
【0053】
変換後のデータは、ステップS252において、情報処理装置内のミドルウェアによって、復号処理や、誤り検出コードを利用した誤り検出処理が実行された後、データ解釈が行われ、ステップS253において、規格データと同様の処理が実行される。例えば、データ変換処理を行った情報処理装置が図2に示すPC113である場合、変換処理によって生成された規格対応データ202をICカード112に出力する処理や、変換処理によって生成された規格対応データ202に含まれるアドレスに従って、規格対応データ202を、PC113の記憶部125に格納する処理などが実行される。
【0054】
次に、図7を参照して、情報取得部が入力する規格非対応データが、URLやURIである場合の処理例について説明する。入力データは、図5、図6を参照して説明した例と同様、QRコード、テキストデータ、その他の様々なバイト列データなどの規格非対応データ100であるが、そのデータの実体がウェブサイトなどのアクセス情報としてのURLやURI、すなわち図7に示すURLデータ301であるとする。
【0055】
この場合、情報処理装置のデータ変換部は、ステップS351において、例えばミドルウェア処理として入力したURLデータ301に対する変換処理を実行して規格対応データ302を生成する。本例では、規格(フェリカ)対応のデータであるNDEFフォーマットデータの生成を行う。このデータは、図7に示すように、データタイプ、レングス、実体データ(URL)の構成を持つ。
【0056】
変換後のデータは、ステップS352において、情報処理装置において規格データとして処理が行われる。例えば、変換処理によって生成された規格対応データ302を利用した規格対応アプリケーションによるウェブサイトアクセス処理や、器お具不に格納する処理や、外部のICカード112に対するデータ出力処理などが実行される。
【0057】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0058】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0059】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上、説明したように、本発明の一実施例の構成によれば、カメラや通信部によって構成されるデータ取得部の入力したデータ、例えばQRコードやメールなどのテキストデータなどに対してデータ変換部がデータ変換処理を実行し、規格データ、例えばフェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータへの変換処理を実行する構成としたので、規格外データに対しても、規格データと同様のデータ処理、例えばデータ出力、データ記憶処理、その他の規格対応のアプリケーションを利用した処理などを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施例に係る情報処理装置の例および処理の概要について説明する図である。
【図2】本発明の一実施例に係る情報処理装置のPCおよびICカードの例および処理について説明する図である。
【図3】本発明の一実施例に係る情報処理装置の携帯電話の例および処理について説明する図である。
【図4】本発明の一実施例に係る情報処理装置のICカードの例および処理について説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に係る情報処理装置のデータ変換部におけるデータ変換処理の具体例について説明する図である。
【図6】本発明の一実施例に係る情報処理装置のデータ変換部におけるデータ変換処理の具体例について説明する図である。
【図7】本発明の一実施例に係る情報処理装置のデータ変換部におけるデータ変換処理の具体例について説明する図である。
【符号の説明】
【0062】
100 規格非対応データ
110 情報処理装置
111 携帯電話
112 ICカード
113 PC
121 情報取得部
122 通信部
123 制御部
124 データ変換部
125 記憶部
131 通信部
132 制御部
133 記憶部
141 情報取得部
142 通信部
143 制御部
144 データ変換部
145 記憶部
151 情報取得部&通信部
152 制御部
153 データ変換部
154 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力を行うデータ取得部と、
前記データ取得部を介して入力したデータに対するデータ変換処理を実行するデータ変換部と、
前記データ変換部における変換処理による変換データを適用したデータ処理を実行する制御部を有し、
前記データ変換部は、
前記制御部におけるデータ処理可能な規格データ以外の規格非対応データが前記データ取得部から入力された場合に、該規格非対応データを規格データに変換する処理を実行する構成である情報処理装置。
【請求項2】
前記データ変換部は、
前記データ変換処理において、変換後の規格データの格納アドレスを含むデータを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ変換部は、
前記データ変換処理において、暗号化処理を併せて実行する構成であり、
前記制御部は、前記データ変換部における変換処理および暗号化処理による暗号化変換データの復号処理を実行し、復号された変換データを適用したデータ処理を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ変換部は、
前記データ変換処理において、前記データ取得部を介して入力したURIを示すデータに対する変換処理を実行して、URIを示す規格データに変換する処理を実行する構成である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データ取得部は、QRコードまたはテキストデータを入力し、
前記データ変換部は、前記データ取得部を介して入力したQRコードまたはテキストデータに対するデータ変換処理を実行して規格データに変換する処理を実行する構成である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ変換部におけるデータ変換処理は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータへの変換処理である請求項1〜5いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
データ取得部が、データ入力を行うデータ取得ステップと、
データ変換部が、前記データ取得部を介して入力したデータに対するデータ変換処理を実行するデータ変換ステップと、
制御部が、前記データ変換部における変換処理による変換データを適用したデータ処理を実行する制御ステップを有し、
前記データ変換ステップは、
前記制御部におけるデータ処理可能な規格データ以外の規格非対応データが前記データ取得部から入力された場合に、該規格非対応データを規格データに変換する処理を実行するステップである情報処理方法。
【請求項8】
前記データ変換ステップは、
前記データ変換処理において、変換後の規格データの格納アドレスを含むデータを生成するステップである請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記データ変換ステップは、
前記データ変換処理において、暗号化処理を併せて実行するステップであり、
前記制御ステップは、前記データ変換ステップにおける変換処理および暗号化処理による暗号化変換データの復号処理を実行し、復号された変換データを適用したデータ処理を実行するステップである請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記データ変換ステップは、
前記データ変換処理において、前記データ取得部を介して入力したURIを示すデータに対する変換処理を実行して、URIを示す規格データに変換する処理を実行するステップである請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記データ取得ステップは、QRコードまたはテキストデータを入力し、
前記データ変換ステップは、前記データ取得部を介して入力したQRコードまたはテキストデータに対するデータ変換処理を実行して規格データに変換する処理を実行するステップである請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記データ変換ステップにおけるデータ変換処理は、フェリカ[FeliCa(登録商標)]規格に対応するデータへの変換処理である請求項7〜11いずれかに記載の情報処理方法。
【請求項13】
情報処理装置において情報処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
データ取得部に、データ入力を行うデータ取得ステップと、
データ変換部に、前記データ取得部を介して入力したデータに対するデータ変換処理を実行するデータ変換ステップと、
制御部に、前記データ変換部における変換処理による変換データを適用したデータ処理を実行する制御ステップを有し、
前記データ変換ステップは、
前記制御部におけるデータ処理可能な規格データ以外の規格非対応データが前記データ取得部から入力された場合に、該規格非対応データを規格データに変換する処理を実行させるステップであるコンピュータ・プログラム。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−252153(P2009−252153A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102552(P2008−102552)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】