説明

情報処理装置、その方法およびプログラム

【課題】 ネットワーク機器の設置位置を考慮してセキュリティポリシーを適用させるためには、IT管理者が各ネットワーク機器の設置位置を確認し、セキュリティポリシーに従うようにネットワーク機器の位置や構成を変更する必要があり、この変更のためのパラメータの設定などを1からすべて行うのは大変な手間であった。
【解決手段】 情報処理装置が各電子装置の情報を取得する手段と各電子装置の位置情報を2次元座標パラメータとして記憶する記憶装置と、ユーザーによるセキュリティ適用領域定義の入力を受け付ける入力インターフェースと、セキュリティ適用領域と電子装置の位置情報を比較し、運用が適切に行われているかどうかの判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワーク機器管理装置の間で、ネットワーク機器の管理情報を同期するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のネットワーク機器管理装置(以下、管理装置)で、デバイスの管理を行っている場合は、デバイスの管理情報を各管理装置の間で統一する必要がある。グループの情報には「グループ名」「グループに所属するデバイスのリスト」などがあり、管理装置はユーザーの入力に従ってこれらの情報を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-327232 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワーク機器の管理形態の一つとして複数の管理装置を連携するという方法がある。この方法では、一方の管理装置でユーザーからの設定変更を受け付けた際に、もう一方の管理装置に対して同様の設定変更を送信して、整合性を取る必要がある。この設定変更の送信は、送信先の管理装置で実行されるコマンドを送信するという形態をとる。しかし、送信先の管理装置で実行できないコマンドが送信された場合は、エラーとなり正しく設定変更を行うことができない。また、設定に関わる制限事項は、管理装置ごとに異なっていると考えられるので、ユーザーの入力を受け付けた管理装置では可能な設定も、設定送信を受ける管理装置側では設定不可能な場合もある。そこで、連携する管理装置間で有効なコマンドと設定を判断し設定処理を実行する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
複数のネットワーク機器を管理する管理装置であり、管理情報を同期したいほかの管理装置に対応した設定情報の変更と通知するコマンドとを紐付けた変換テーブルを持つことができる記憶領域を有し、ユーザーによる管理情報の変更があった際に、前記コマンド変換テーブルを参照し、通知先の管理装置に対して適切な送信コマンドを読み込む手段と、ユーザーによる設定が通知先の管理装置で許容できない場合は、設定内容の変更が必要である旨をユーザーに通知する手段と、前記通知に対してユーザーの承認を受信する手段および、承認を受信した際に通知先の管理装置へのコマンドの送信と、自身の持つ管理情報の修正を行う手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明を用いることで、管理情報に関する設定ルールの異なる管理装置間で管理情報の同期を行うことができる。また、コマンド変換テーブルで設定変更情報を、通知先管理装置で実行可能なコマンドに変換して送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】システム構成図
【図2】ネットワーク機器管理装置のハードウェア構成
【図3】ネットワーク機器管理装置のソフトウェア構成
【図4】グループ情報同期フローチャート
【図5】設定情報の自動変更UI
【図6】コマンド変換テーブル
【図7】コマンド変換テーブル選択フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0009】
(実施例1)
図1は、本発明におけるネットワーク機器管理システムの全体構成図である。図1のネットワーク機器管理システムは、ネットワーク100により互いに接続されたネットワーク機器管理装置101およびネットワーク機器102、クライアント端末103から構成される。クライアント端末103はブラウザ機能を持った一般的なパーソナルコンピューターである。なおネットワーク機器102はMFP(Multi-Function Printer)、プリンタ、FAXなどであり、ネットワーク100を介してネットワーク機器管理装置101によって管理可能な機器である。管理装置104は、管理装置101とは異なる管理装置であり管理装置101によって行われた設定変更を受信し、同様の設定に変更する。
【0010】
図2は、ネットワーク機器管理装置101のハードウェア構成を示す。このハードウェア構成は、クライアント端末103、管理装置104とも共通する汎用的なコンピューターにおける構成となる。
【0011】
システムバス200は、コンピューターを構成するコンポーネント間の共通データ交換経路である。CPU(Central Processing Unit)201はコンピューター全体の制御や演算処理を行う装置である。RAM(Random Access Memory)202は、処理を行う際にプログラムやデータを記憶、実行する領域を指す。ROM(Read Only Memory)203は、システム起動プログラムなどのプログラムを記憶する領域である。DKC(Disk Controller)204は、HD(Hard Disk)205などの外部記憶装置の制御をおこなう。HD205は、プログラムやデータを記憶して、必要に応じてRAM202に対してプログラムやデータなどをロードする。Network I/F(Interface)206はネットワーク100と接続し、ネットワーク通信を行う。入出力I/F207は、不図示のキーボードやマウス、ディスプレイなどに接続されており、データの入出力を行う。
【0012】
ネットワーク機器管理装置101は、CPU201が基本I/Oプログラム及びOSを実行している状態で動作する。基本I/OプログラムはROM203に、OSはHD205にそれぞれ記憶されている。管理装置101の電源がONになった際に、基本I/Oプログラム中の初期化プログラムロード機能により、HD205からOSがRAM202にロードされ、OSの動作が開始される。
【0013】
図3にネットワーク機器管理装置101のソフトウェア構成を示す。ネットワーク機器管理装置101におけるソフトウェアは、管理ユーティリティ300、データベース304、ネットワークモジュール305、Webサーバーサービス306から構成されている。なお、図3のソフトウェア構成は、プログラムとして図2のHD205に格納されており、図2のCPU201によって実行されるものである。
【0014】
管理ユーティリティ300は変換コマンド管理モジュール301やグループ管理モジュール302、メッセージ表示モジュール303、ネットワーク探索モジュール307を持っている。301は変換コマンド管理モジュールであり、管理装置101がユーザーから受け付けた管理情報を管理装置104に設定変更を通知する際に、データベースのコマンド変換テーブルを参照し、対応するコマンドを取得し送信することができる。グループ管理モジュール302は、ネットワーク機器のグループの情報を管理するモジュールであり、管理対象の情報には各グループに属するネットワーク機器の一覧、グループの名前などがある。メッセージ表示モジュール303は、ユーザーに情報を通知するためのメッセージ表示を制御するためのモジュールである。なお、本実施例におけるメッセージ表示モジュール303は、Webアプリケーションを想定してメッセージ表示を説明するが、ネイティブアプリケーションに適用してもよい。
【0015】
307はネットワーク探索モジュールであり、ネットワークモジュール305を使用し、ネットワークに接続されたネットワーク機器102やクライアント装置103やほかの管理装置104を探索する。またネットワーク探索モジュール307は探索対象から設定情報などを取得し、変換コマンド管理モジュール301に情報を受け渡す。データベース304はデータの管理、およびほかのモジュールからの要求に対してデータの登録と取り出しを行う。データベース304は、管理ユーティリティ300からアクセス可能であれば、ネットワーク機器管理装置101とは別の機器上にあってもよい。305はネットワークモジュールであり、ネットワーク100を介してネットワークに接続されたネットワーク機器102やクライアント装置103およびその他の管理装置104との通信を行う。Webサーバーサービス306は、ユーザーが操作するクライアント装置103のWebブラウザからHTTPによるGETリクエストを受け取ると、HD205に保存されたWebページデータを送信する。クライアント装置103のWebブラウザは、Webサーバーサービス306によって、外部からネットワーク100経由でネットワーク機器管理装置101へアクセスすることが可能である。ネットワーク機器管理装置101は、Webサーバーサービス306にインストールされた管理ユーティリティ300を実行することで管理装置として機能する。
【0016】
管理ユーティリティ300はたとえばWebサーバーサービス306で提供するWebページへのリクエストに応答して処理を実行するプログラムとして実装されている。上記のように、管理ユーティリティ300は、Webサーバーサービス306とともにネットワーク機器102を管理するWebアプリケーションを実現している。
【0017】
図4は管理装置101に対して、ユーザーがグループ情報の変更操作を行った際に、管理装置104に変更の同期を行う処理を記したフローチャートである。動作の主体は管理装置102である。S400ではユーザーによりグループ情報に対する設定変更操作を受け付ける。設定変更操作には、グループに対してデバイスを追加する操作や、グループの名称の変更などが該当する。S401では、S400で入力されたユーザーの操作を受信し、設定変更コマンドとして解釈する。S402では、前記コマンドをコマンド変換テーブルの中で探索し、該当するコマンドが存在するかを判定する。
【0018】
S403はS402において該当するコマンドが存在しない場合に実行される処理であり、前記コマンドを受信側の管理装置104に送信する。S404はユーザーが設定した内容に変更が必要かどうかを判断する処理である。この動作は変換コマンド管理モジュール103とデータベース304に保管されたコマンド変換テーブルによって実行され判断される。S405は画面に設定内容を変更する旨を表示する処理であり、画面の例は図5に示される。S406およびS407は設定変更の許可/不許可について入力を受け付ける処理である。S408は前記S407の判断を受けてユーザーが設定変更を許可したか否かを判断する処理である。S409は設定変更コマンドを管理装置101に送信しユーザーの設定した内容を修正する処理である。S410はS400でユーザーが行った動作そのものをキャンセルする処理である。S411は前記S402の処理で判断された変換後のコマンドを受信側管理装置104に送信する。
【0019】
図5は設定情報の自動変更ウィンドウを示している。500は設定情報の自動変更ウィンドウのUIである。501は変更通知メッセージであり、ユーザーによる設定情報に修正が必要であることを表している。502はユーザー設定パラメータであり、設定修正が必要な項目名と、設定されたパラメータが表示される。503は変更後設定パラメータであり、設定情報の自動修正によって修正される予定のパラメータが表示される。504は変更理由メッセージであり、パラメータの変更が必要となる理由が表示される。理由の主なものは、送信先の管理装置104の設定ルールが主である。505はOKボタンであり、設定の変更をユーザーが承認した場合に押す。506はキャンセルボタンであり、ユーザーが設定を変更せず初期の状態に戻したい場合に押す。設定情報の自動変更ウィンドウによってユーザーは、自分が設定した情報に対する変更を確認することが可能となる。
【0020】
図6はコマンド変換テーブルの一例を示す。コマンド変換テーブルには、3つの項目を管理している。一つはユーザー変更操作601であり、ユーザーが管理装置102に対して行ったグループ情報への変更操作を格納する。受信側管理装置へのコマンド602の欄には、管理装置104に送信するコマンドを格納する。送信側管理装置へのコマンド603の欄には管理装置102においてユーザーによってされた変更操作に対する修正が必要な場合に、修正のためのコマンドを格納する。図6には、設定変更のコマンド601の例を3通り示している。
【0021】
1つはデバイスグループの名称を短い名前に修正するという事例である。これは、送信側の管理装置101で許容されるグループの名称が受信側の管理装置104で許容されるグループの名称よりも長い場合に実行される。2つめは、デバイスグループを削除する事例である。これは、送信側の管理装置101では、デバイスグループにデバイスが所属していても削除できるが、送信側の管理装置では、デバイスが所属しているデバイスグループは削除できないという制限がある場合を想定している。3つ目は、受信側の管理装置104では、デバイスは同時に一つのデバイスグループにしか所属できないという規則がある場合を想定している。グループに追加したいデバイスが、すでにほかのグループに所属している場合は、まず現在所属しているグループから一度削除し、改めて追加したいグループへの追加コマンドを実行することで対処する。図6で示されるコマンド変換テーブルは一例であり、受信側の管理装置104の規則によってテーブルの内容を変更する。
【0022】
(実施例2)
実施例1では、送信先のネットワーク機器管理装置に合わせて、あらかじめコマンド変換テーブルを用意していた。しかし、連携する管理装置が複数ある場合や、管理装置の置き換えが行われることも考えられる。その場合は、現在有効な管理装置を識別してコマンド変換テーブルを適切なテーブルに切り替える必要がある。そこで、本実施例では、連携する管理装置104が置き換えや切り替えが行われたときに、連携を制御するための方法を説明する。
【0023】
本発明においてコマンド変換テーブルは、管理装置のデータベース304に複数持つことができる。図7は複数のコマンド変換テーブルから、受信側管理装置に合ったテーブルを選択する処理を示したフローチャートである。該当の処理は、図4におけるS401の処理とS401の処理の間で実行される。処理の動作主体は管理装置101である。S700においてネットワークモジュール305を介して、受信側管理装置の識別信号を要求する。S701において、ネットワークモジュールを介して、S701で要求した識別信号を取得する。S702では、前記識別信号を用いて、データベース304に保存されている複数のテーブルから、受信側管理装置に一致するテーブルを選択する。S703は、S702の処理において一致するコマンド変換テーブルが発見された場合、前記コマンド変換テーブルをグループ情報同期に利用する。S704は受信側管理装置の識別信号に一致するコマンド変換テーブルがデータベースに存在しなかった場合であり、この場合はユーザーに対して一致するテーブルがない旨を通知し、同期処理を終了する。
【符号の説明】
【0024】
100 ネットワーク
101 ネットワーク機器管理装置
102 ネットワーク機器
103 クライアント端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワーク機器を管理するための管理装置であり、ネットワーク機器をグループとして管理するために、グループの情報を保存するための記憶手段と、グループの情報に対してユーザーが変更操作を行えるような入力手段と、前記入力装置によって行われたグループの情報に対する変更操作を、コマンドとして2つの管理装置間で情報を同期するための情報送受信手段と、前記コマンドを送信先の管理装置の規則に従って変更するための変換テーブルを格納するための記憶領域と、前記コマンドを、前記変換テーブルを用いて変更後コマンドとし、変更後コマンドを送信先の管理装置に送信する送信手段および、前記変換テーブルに従ってグループ情報の変更操作に修正を行う修正手段を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
グループ情報の変更操作が行われた際に、送信先管理装置の種類を識別する識別手段と、前記識別結果に応じて記憶領域に複数持つ変換テーブルから所定のものを選択し、前記変更をコマンドとして前記選択された変換テーブルを用いて変更後コマンドに変換する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
複数のネットワーク機器を管理するため、ネットワーク機器をグループとして管理するために、グループの情報を保存するための記憶手段と、グループの情報に対してユーザーが変更操作を行えるような入力手段と、前記入力装置によって行われたグループの情報に対する変更操作を、コマンドとして2つの管理装置間で情報を同期するための情報送受信手段を持つ管理装置と、前記管理装置から送信された前記コマンドを送信先の管理装置の規則に従って変更するための変換テーブルを格納するための記憶領域と、前記コマンドを、前記変換テーブルを用いて変更後コマンドとし、変更後コマンドを送信先の管理装置に送信する送信手段および、前記変換テーブルに従ってグループ情報の変更操作に対する修正コマンドを送ることを特徴とする仲介装置からなるネットワーク機器管理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−80359(P2013−80359A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219783(P2011−219783)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】