説明

情報処理装置、カウント方法、プログラム及び連携システム

【課題】機能の使用回数をカウントする連携元装置と連携して動作する連携先装置であって、連携元装置では未対応の機能が使用された場合であっても、連携元装置に対し、連携元装置が機能の使用回数をカウントするに可能な形の機能実行の完了通知を行う。
【解決手段】実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置に対して連携先装置として動作する情報処理装置であって、連携元装置からの機能の実行要求に応じ機能の実行を行う機能実行手段と、連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換情報が規定された変換情報と、変換情報に基づき実行された機能のカウント情報を連携元装置が対応するカウント情報に変換する変換手段と、連携元装置に変換されたカウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、カウント方法、プログラム及び連携システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
機能を使用するたびに使用回数のカウントを行う装置(機器)がある。具体的に、コピーなどを行う画像形成装置は、コピー機能が使用されるたびに使用回数のカウントを行う。カウントの目的は様々であるが、例えば使用回数に応じた使用料金の課金、使用状況の把握管理、使用制限の実施等が挙げられる。
【0003】
使用料金の課金とは、1カウントあたりの単価が設定されており、単価にカウント数を乗じた金額を業者が顧客(ユーザ)に対して使用料金として算出するものである。画像形成装置の場合、印刷のたびにトナーや用紙が消費されるため、印刷回数のカウントは課金管理に欠かせない。また使用状況の把握管理とは、カウント数により業務上の使用ボリュームを分析し、装置設置等の最適化に役立てる。また使用制限の実施に関しては、ユーザ毎の使用可能上限を決めておき、カウント数が上限に達した場合、その使用を制限することで、機器管理に役立てる。
【0004】
さて一方、近年ネットワーク化が進むにつれ、複数の装置を連携動作させて各種機能を使用することもできるようになってきた(例えば特許文献1参照)。具体的に、上述の画像形成装置の例を挙げると、ある画像形成装置Aでスキャンした画像データを、ネットワーク上に接続された他の画像形成装置B(プリンタ)から印刷させたり、またもしくはネットワーク上に接続されたストレージ装置に蓄積させたりすることができる。
【0005】
ここで、複数の装置を連携動作させて使用する際に、どのように使用回数がカウントされるかについて言及する。上述のように、ある画像形成装置Aでスキャンした1枚の画像データを、ネットワーク上に接続された他の画像形成装置Bから印刷させる。また印刷回数についてそのカウントを行っているものとする。この場合、画像形成装置B上の使用回数のカウントにおいて、1カウントされる。その一方、画像形成装置Aで単独使用された場合、つまり画像形成装置Aでスキャンした1枚の画像データをそのまま画像形成装置Aから印刷させた場合、画像形成装置A上の使用回数のカウントにおいて、1カウントされる。結局、画像形成装置A、画像形成装置Bそれぞれの使用回数のカウントを集計することで、最終的に印刷料金の課金金額の合計を算出することができる。
【0006】
またさらに、構成上、画像形成装置A(連携元)側において、画像形成装置B(連携先)の使用回数のカウント分をまとめて管理するようにすることもできる。画像形成装置Aでスキャンした1枚の画像データを画像形成装置Bに印刷させたとき、画像形成装置Bから画像形成装置Aに対し、印刷の完了通知が行われる。そして画像形成装置Aは、このタイミングで画像形成装置A上の使用回数のカウントにおいて、1カウントすればよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の画像形成装置A側のみにおいて使用回数のカウント分をまとめて管理する場合(上述後者の例)において、画像形成装置Aと画像形成装置Bとの間に搭載される機能に差異がある場合に問題が生じる。
【0008】
具体的に、画像形成装置Aは、カラースキャナ及び白黒(モノクロ)印刷の機能を搭載しているとする(装置構成上スキャナ部品はモノクロとカラーに対応しているが、白黒印刷のみ対応なので、常に出力は白黒のみ)。また画像形成装置Bは、カラースキャナ及びカラー印刷の機能を搭載しているものとする。そして画像形成装置Aは、他の装置と連携することで、自装置では実現できない機能(カラー印刷)を実現するべく、上述のように、画像形成装置Aでスキャンした1枚のカラー画像データを画像形成装置Bにカラー印刷させる。
【0009】
しかしこのとき、画像形成装置Aは、白黒印刷の印刷回数のみをカウントしているため、画像形成装置Bから画像形成装置Aに対しカラー印刷の完了通知が行われても、画像形成装置B側のカラー印刷をカウントできない。ここで、画像形成装置A側で、画像形成装置A自体はカラー印刷をできないものの、予めカラー印刷を想定し、カラー印刷の印刷回数もまたカウントするようにすればよいとも考えられる。
【0010】
しかし、画像形成装置B側のさらなる新機能(例えば新出力手段)に対して使用回数をカウントする場合、新機能ゆえ画像形成装置A側にとっては、その新機能は未知であり、画像形成装置Bから画像形成装置Aに対し新機能の完了通知が行われても、いうまでもなく画像形成装置B側のその新機能に対して使用回数をカウントすることはできないことになる(上述のカラー印刷は、既知の機能、つまり想定範囲内であるからこそ、画像形成装置A側でカラー印刷の印刷回数もカウントするようにできたといえる)。
【0011】
実際、新しい装置(新機能を搭載)が追加設置された場合、既存装置(旧式の機能のみを搭載)との間でこのような問題は顕在化する。ある環境においては、既存装置で使用回数のカウントを行い運用管理していたところに、新しい装置(新機能を搭載)が追加設置されたものとする。そして既存装置が新しい装置と連携して動作する場合、既存装置において、新しい装置から既存装置に対し新機能の完了通知が行われても、これを解釈することができないため、新しい装置で行った新機能の使用回数のカウントについては、カウントすることができない。対応として、別途新機能の使用回数のカウントについては、新しい装置側でカウントするようにするというように、既存装置で行っていた従来からの運用管理形態の変更を余儀なくされ、従来からの運用管理形態をそのまま引き続き維持することはできない。
【0012】
そこで本発明では上記のような問題に鑑みて、機能の使用回数をカウントする連携元装置と連携して動作する連携先装置であって、連携元装置では未対応の機能が使用された場合であっても、連携元装置に対し、連携元装置が機能の使用回数をカウントするに可能な形の機能実行の完了通知を行う情報処理装置、カウント方法、プログラム及び連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置に対して連携先装置として動作し、前記連携元装置の要求に応じて前記連携元装置が未対応の機能を実行する情報処理装置であって、前記連携元装置からの前記機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能実行手段と、前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を記憶した記憶手段と、前記機能実行手段により前記連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、前記変換情報に基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換手段と、前記連携元装置に対し、変換された前記カウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手段とを有する。
【0014】
また上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、外部記憶装置とネットワークを介し接続され、実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置に対して連携先装置として動作し、前記連携元装置の要求に応じて前記連携元装置が未対応の機能を実行する情報処理装置であって、前記連携元装置からの前記機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能実行手段と、前記外部記憶装置から、前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を取得する変換情報取得手段と、前記機能実行手段により前記連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、取得された前記変換情報に基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換手段と、前記連携元装置に対し、変換された前記カウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手段とを有する。
【0015】
また上記課題を解決するため、上記情報処理装置においては、前記記憶手段は、複数の前記連携元装置を登録し、当該連携元装置毎に、前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を記憶したことを特徴とする。
【0016】
また上記課題を解決するため、上記情報処理装置においては、前記機能毎の使用単位に基づくカウント情報は、プリント機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、印刷枚数の情報であり、ストレージ機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、データ保存容量の情報であり、OCR機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、OCR処理文字数の情報であることを特徴とする。
【0017】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、機能の使用回数をカウントする連携元装置と連携して動作する連携先装置であって、連携元装置では未対応の機能が使用された場合であっても、連携元装置に対し、連携元装置が機能の使用回数をカウントするに可能な形の機能実行の完了通知を行う情報処理装置、カウント方法、プログラム及び連携システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係るシステム構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置1〜3のハードウェア構成の一例を示す。
【図3】本実施形態に係るストレージ装置4のハードウェア構成の一例を示す。
【図4】各装置の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図5】本実施形態に係る変換テーブルの一例を示す。
【図6】本実施形態に係るカウント情報の一例を示す。
【図7】連携元装置及び連携先装置間の情報処理を示すシーケンス図である。
【図8】本変形例に係るシステム構成図である。
【図9】本変形例に係る各装置の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を各実施形態において図面を用いて説明する。本発明に係る情報処理装置を画像形成装置やストレージ装置等に適用した例を以下に示す。
【0021】
[システム構成]
(全体構成)
はじめに、具体的な発明の内容を説明する前に、本発明を実施するにあたっての全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るシステム構成図である。図に示されるように、画像形成装置1、画像形成装置2、画像形成装置3、及びストレージ装置4が、ネットワーク5を介して接続されている。
【0022】
画像形成装置1、画像形成装置2、及び画像形成装置3は、いずれもコピー、スキャナ、プリンタなどの複数の機能を一つの筐体内に収納した画像形成装置である。但し後述するように搭載される機能には装置間で差異がある。またストレージ装置4は、データ保存を行う記憶装置である。本実施形態においては、これら装置はネットワーク5を介し連携して動作することができ、画像形成装置1、2は連携元の装置として動作し、画像形成装置3及びストレージ装置4は連携先の装置として動作する装置と位置付ける。
【0023】
例えば、連携元の画像形成装置1(又は画像形成装置2)は、画像形成装置1においてスキャンした画像データを、連携先の画像形成装置3に対して印刷させるよう連携動作を行う。また例えば、連携元の画像形成装置1は、画像形成装置1においてスキャンした画像データを、連携先の画像形成装置3に対してOCR(文字認識)処理させるよう連携動作を行う。また例えば、連携元の画像形成装置1は、画像形成装置1においてスキャンした画像データを、連携先のストレージ装置4に対して保存させるよう連携動作を行う。
【0024】
ここで画像形成装置1、2は、説明の便宜上、旧型の画像形成装置であるものとし、画像形成装置3は、画像形成装置1、2と比較し、新型の画像形成装置として新設された装置であるものとする。つまり、画像形成装置3は、画像形成装置1、2の未搭載(未対応)の機能を搭載しており、画像形成装置1、2は、自装置の未搭載の機能を使用したい場合、画像形成装置3を連携先装置と連携して動作することにより、自装置では実現できない機能を補完する。
【0025】
また同様に、ストレージ装置4は、データ保存の機能を有し、大容量のデータ保存を目的として新設された装置であるものとする。画像形成装置1は、データ保存を行いたい場合、ストレージ装置4を連携先装置と連携して動作することにより、自装置では実現できないデータ保存機能を補完する。このように本実施形態においては、画像形成装置1、2の有しない機能を、画像形成装置3及びストレージ装置4においてはこれを有するよう構成されている。
【0026】
また本実施形態に係る画像形成装置1、2は、機能の使用回数のカウントを行うが、画像形成装置1上の機能の使用回数をカウントするのみならず、連携先の装置における機能の使用回数をカウントする。上述したように例えば、画像形成装置1でスキャンした1枚の画像データを画像形成装置3に印刷させたとき、画像形成装置3から画像形成装置1に対し、印刷の完了通知が行われ、画像形成装置1は、このタイミングで画像形成装置1上の使用回数のカウントにおいて1カウントする。この点の詳細は再度後述する。
【0027】
(ハードウェア1)
ここで、本実施形態に係る画像形成装置1〜3のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1〜3のハードウェア構成の一例を示す。
【0028】
本発明による情報処理装置の一実施形態としての画像形成装置1は、操作パネル11と、記憶メディアI/F12と、コントローラ13と、データ通信I/F14と、スキャナ15と、プロッタ16と、HDD(Hard Disk Drive)17とから構成され、それぞれ相互に接続されている。
【0029】
操作パネル11は、入力装置11aと表示装置11bとを有しており、入力装置11aは、ハードキーなどで構成され、装置本体に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置11bは、ディスプレイなどで構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F14は、インタフェース装置14aを有しており、画像形成装置をネットワークやファックスなどのデータ伝送路に接続するインタフェースである。HDD17は、画像形成装置で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データ、各アプリケーションにより利用されるデータなど、各種データを格納している。また、HDD17は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0030】
HDD17に格納される各種データの中には、記録媒体12bから入力されるデータを含む。記録媒体12bは、記憶メディアI/F12が有するドライブ装置12aにセットされ各種データが記録媒体12bからドライブ装置12aを介してHDD17に格納される。
【0031】
コントローラ13は、ROM(Read Only Memory)13a、RAM(Random Access Memory)13b、及びCPU(Central Processing Unit)13cとを有しており、ROM13aは、画像形成装置が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納している。また、RAM13bは、ROM13aやHDD17から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。更に、CPU13cは、RAM13bが一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ13は、例えば、データ通信I/F14を介して印刷データを受信した場合に、ROM13aからRAM13b上に読み出された、PDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU13cにより実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
【0032】
スキャナ15は、画像読取装置15aを有しており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ16は、印刷装置16aを有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0033】
このように、本実施形態に係る画像形成装置は、上記ハードウェア構成により、コピー、ファクシミリ、スキャナなどの少なくとも画像形成に係る基本的な機能を実現している。但し、上述のように画像形成装置1〜3においては、装置間で搭載する機能に差異がある。
【0034】
(ハードウェア2)
次いで、本実施形態に係るストレージ装置4のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図3は、本実施形態に係るストレージ装置4のハードウェア構成の一例を示す。
ストレージ装置4は、主要な構成として、CPU41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、記憶装置44、記憶媒体読取装置45、及び通信装置46を含む構成である。
【0035】
CPU41は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM42は、CPU41で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM43は、CPU41がROM42に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0036】
記憶装置44は、汎用のOS(Operating System)や、プログラムを含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD、RAIDシステムなど、大容量の記憶装置が用いられる。
【0037】
なお、上記各種情報は、記憶装置44以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等の携帯型メディアなどの各種記憶媒体やその他のメディアに記憶されてもよく、これらの記憶媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置45などのドライブ装置を介して読み取ることが可能である。
【0038】
通信装置46は、ネットワークを介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
【0039】
また必要に応じて、入力装置(マウスやキーボード等)、表示装置(ディスプレイ)などを追加して構成される。
【0040】
(機能)
次に、本発明に関し、各装置の主要機能構成についてそれぞれ簡単に説明する。図4は、各装置の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。画像形成装置1、2(連携元装置)は、主要な機能として、機能実行要求部101、通知受信部102、カウント部103を有している。また画像形成装置3及びストレージ装置4(いずれも連携先装置)は、機能実行部201、記憶部202、変換部203、通知送信部204を有している。
【0041】
・連携元装置
機能実行要求部101は、連携先装置に対し、機能の実行要求を行う機能を有している。機能は、自装置(連携元)が未対応の機能であって連携先装置の対応する機能も含む。画像形成装置1、2は、自装置の未搭載の機能を使用したい場合、画像形成装置3又はストレージ装置4を連携先装置と連携して動作することにより、自装置では実現できない機能を補完するからである。
【0042】
通知受信部102は、機能実行要求を行った連携先装置から、実行された機能の使用単位に基づくカウント情報(使用回数のカウント情報)を含む機能実行完了通知を受信する機能を有している。具体例は後述するが、例えばプリント機能の使用単位に基づくカウント情報は、「白黒(モノクロ)プリント:1枚」といった情報であり、機能実行完了通知としては「白黒プリント:1枚/印刷完了」となる。
【0043】
カウント部103は、連携先装置から機能実行完了通知を受信すると、カウント情報に基づき、機能の使用回数をカウントする機能を有している。上述の例でいえば、白黒コピーの累計使用回数に対し、新たに1カウントアップする。
【0044】
・連携先装置
機能実行部201は、画像形成装置1、2などの連携元装置からの機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能を有している。例えば、連携先装置が画像形成装置2であれば、「白黒プリント」という印刷機能の実行要求を受けると、その実行要求に応じて白黒プリントの実行を行う。同様に、「カラープリント」という印刷機能の実行要求を受けると、その実行要求に応じてカラープリントの実行を行う。例えば、連携先装置がストレージ装置4であれば、「画像データ保存」という保存機能の実行要求を受けると、その実行要求に応じて画像データ保存の実行を行う。
【0045】
記憶部202は、画像形成装置1、2などの連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報(使用回数のカウント情報)を、連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報(使用回数のカウント情報)に変換する変換ルールが規定された変換テーブル(変換情報)を記憶している。変換テーブルについては具体的に後述する。
【0046】
変換部203は、機能実行部201により画像形成装置1、2などの連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、変換テーブルに基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報(使用回数のカウント情報)を、連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報(使用回数のカウント情報)に変換する機能を有している。連携元装置においては、連携元装置が未対応の機能の使用回数のカウントはできないため、連携元装置が未対応の機能が実行されたときに、連携元装置が対応する機能が実行されたものと擬制させるため、カウント情報を変換するのである。この点詳細は後述する。
【0047】
通知送信部204は、画像形成装置1、2などの連携元装置に対し、変換されたカウント情報を含む機能実行完了通知を送信する機能を有している。これにより、連携元装置は、変換されたカウント情報でもって、機能の使用回数のカウントを行うので、実際は連携先装置で未対応の機能が実行された場合であっても、連携元装置で対応する機能が実行されたものと擬制させ、連携元装置で対応する機能の使用回数のカウント上において使用回数をカウントできる。
【0048】
以上これらの機能は、実際には装置のCPUが実行するプログラムによりコンピュータに実現させるものである。またなお本図は、あくまで本発明に関し各装置の主要機能構成について簡単に説明したものであり、説明の便宜上、省略した機能部も存在する。例えば、画像形成装置1、2は、上述のようにコピー、スキャナ、プリント機能を有するので、これら機能を実行する機能実行部もまた有していることはいうまでもない(但し非図示)。
【0049】
(変換テーブル例)
図5は、本実施形態に係る変換テーブルの一例を示す。(a)は、画像形成装置3の変換テーブルの例を示し、(b)は、ストレージ装置4の変換テーブルの例を示す。変換テーブルは、連携先の装置が有するもので、画像形成装置1、2などの連携元装置が未対応の機能の使用回数のカウント情報を、機能毎に、連携元装置が対応する機能の使用回数のカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報である。連携先装置は、連携元装置からの要求により連携元装置が未対応の機能を実行したときに、この変換テーブルの規定に従い、連携元装置が対応する機能が実行されたものと擬制させるため、カウント情報を変換するのである。よって、変換テーブルには、変換前の機能と変換後の機能、そして変換前の機能の使用回数分に対する変換後の機能の使用回数分比率が規定される。
【0050】
具体的に例えば、連携元装置の画像形成装置1から、カラープリント1枚を行えとの要求がなされると、連携先装置の画像形成装置3は、カラープリントを1枚印刷する。そして、画像形成装置は画像形成装置1への完了通知において、カラープリント1枚完了の旨を通知する代わりに、変換後のカウント情報として、白黒プリント3枚完了の旨を通知する。変換前「カラープリント」の機能を、「白黒プリント」に変換した場合、1:3の比率で変換されたことになる。
【0051】
また例えば、連携元装置の画像形成装置1から、画像データ(10Mbyte)を保存せよとの要求がなされると、連携先装置のストレージ装置4は、画像データ(10Mbyte)を保存する。そして、ストレージ装置4は画像形成装置1への完了通知において、画像データ保存完了の旨を通知する代わりに、変換後のカウント情報として、白黒プリント3枚完了の旨を通知する。変換前「データ保存」の機能を、「白黒プリント」に変換した場合、データ10Mにつき白黒プリント3枚相当の比率で変換されたことになる。
【0052】
なお、変換テーブルにおいて、使用回数を示す単位はその機能の種類に応じた単位で表現される。図に示されるように、例えばプリント機能のカウント情報の場合、プリントした枚数をカウントするので、その単位は「枚」(印刷枚数)である。同様に、ストレージ機能のカウント情報の場合、データ保存したデータの容量をカウントするので、その単位は「M」(データ容量)である。但し、データ容量をカウントできればよいので、K:キロバイト、G:ギガバイト、T:テラバイト等の単位もありうる。また同様に、OCR機能のカウント情報の場合、OCR処理を行った文字数をカウントするので、その単位は「字」(文字数)である。
【0053】
(カウント情報例)
図6は、本実施形態に係るカウント情報の一例を示す。(a)は、画像形成装置1のカウント情報の例を示し、(b)は、画像形成装置2のカウント情報の例を示す。上述したように画像形成装置1、2は、既存装置であり、連携元装置として動作する。そして、連携先装置において事項された機能についても連携元装置側で機能の使用回数のカウントを行っている。
【0054】
図に示されるように、画像形成装置1、2は、「白黒プリント」のユーザ毎の使用回数、及びその累計をカウントしている。このカウント情報は、例えば課金管理や利用者制限等に利用できる。
【0055】
[情報処理]
次いで、本実施形態に係る情報処理について説明していく。図7は、連携元装置及び連携先装置間の情報処理を示すシーケンス図である。全体動作としては、連携元装置が連携先装置に対しある機能の実行要求を行い、機能の実行が完了すると、連携元装置は、その機能の使用回数のカウントを行うものである。以下図を参照しながら説明する。
【0056】
連携元装置は、まず連携先装置に対しログインを行う(S1)。このとき連携元装置から連携先装置に対し、ユーザ情報(ユーザID、パスワード)が送信される。このユーザ情報とは、連携元装置において現在操作を行っているユーザのものであり、ユーザは連携元装置を利用開始する際、ログイン操作及び認証を経ているものである。
【0057】
ログインに成功すると、連携元装置は、連携先装置に対し自装置の機器情報を送信する(S2)。機器情報は、機器名や機器IDでよく、連携先装置が連携元装置を特定できればよい。
【0058】
次に連携元装置は、連携先装置に対し機能実行要求を行う(S3)。この機能実行要求には、実行対象となるデータや、機能実行に伴うパラメータ等も含まれる。具体的に、印刷機能の実行要求であれば、画像データ及び印刷条件(カラー、枚数・・)が含まれる。
【0059】
連携先装置は、機能実行要求に従い、当該機能の実行を行う(S4)。機能実行が完了すると、機能実行の完了通知の生成を行う(S5)。このとき、上述したように、変換テーブルが参照され、連携元装置に対して行う機能実行の完了通知の内容の変換を行う。実行した機能が連携元装置で未対応の機能である場合、連携元装置で対応する機能が実行されたものとするカウント情報に変換してから、機能実行の完了通知を行うのである。
【0060】
そして連携先装置は、変換後の内容のカウント情報でもって、連携元装置に対し機能実行の完了通知を行う(S6)。
【0061】
連携元装置は、連携先装置からの機能実行の完了通知機能を受信すると、そのカウント情報に基づき機能の使用回数のカウント処理を行う(S7)。
【0062】
以上、連携元装置及び連携先装置間の情報処理である。続いて図7のシーケンス図に関し、具体的な事例を挙げて説明していく。なお下記の事例1〜5においては、前提として各装置は以下のような機能を有するものとして説明する。
画像形成装置1:カラースキャン、白黒(モノクロ)プリント
画像形成装置2:カラースキャン、白黒(モノクロ)プリント
画像形成装置3:カラースキャン、カラープリント、OCR(文字認識処理)
ストレージ装置4:データ保存
(事例1)
連携元装置:画像形成装置1
連携先装置:画像形成装置3
連携動作内容:画像形成装置1から画像形成装置3へカラープリント2枚を行う。
【0063】
画像形成装置1は、画像形成装置3に対しログインを行う(S1)。このとき画像形成装置1から画像形成装置3に対し、ユーザ情報(user1、xxx)が送信される。
【0064】
ログインに成功すると、画像形成装置1は、画像形成装置3に対し自装置の機器情報(MFP1)を送信する(S2)。
【0065】
次に画像形成装置1は、画像形成装置3に対し機能実行要求を行う(S3)。この機能実行要求には、実行対象となるカラー画像データや及び印刷条件(カラープリント、2枚・・)が含まれる。
【0066】
画像形成装置3は、機能実行要求に従い、カラープリントの実行を行う(S4)。機能実行が完了すると、カラープリント実行の完了通知の生成を行う(S5)。このとき、上述したように、変換テーブルが参照され、画像形成装置1に対して行う機能実行の完了通知の内容の変換を行う。
【0067】
具体的に図5(a)を再び参照し、画像形成装置3の変換テーブル変換テーブルでは、「MFP1」の場合、変換前「カラープリント:1枚」→変換後「白黒プリント:3枚」と規定されている。よって、画像形成装置3は、本来カラープリント2枚を実行しているところ、変換テーブルに従い、白黒プリント6枚を実行した旨への変換を行う。
【0068】
そして画像形成装置3は、変換後の内容でもって、画像形成装置1に対し機能実行の完了通知を行う(S6)。
【0069】
画像形成装置1は、画像形成装置3からの機能実行の完了通知機能を受信すると、そのカウント情報に基づき機能の使用回数のカウント処理を行う(S7)。つまりこの場合、画像形成装置1は、白黒プリント6枚分を使用回数としてカウントする。再び図6(a)を参照すると、「user1」の使用回数を「416」から「422」へカウントし、また累計を「1030」から「1036」へカウントする。
【0070】
このように、カラープリント機能は画像形成装置1で未対応の機能であるので、画像形成装置1で対応する白黒プリント機能が実行されたものとするカウント情報に変換してから、機能実行の完了通知を行うのである。そして画像形成装置1は、完了通知を受けて白黒プリントの使用回数をカウントする。なお、実際カラープリント2枚が行われており、画像形成装置1上では白黒プリント6枚とカウントされている。この比率は、カウント情報を課金管理の用途で利用する場合であれば、変換テーブル上、価格差などを考慮して規定されるとよい。つまりこの場合、カラープリントは白黒プリントの3倍の価格に設定されていることになる。
【0071】
(事例2)
連携元装置:画像形成装置2
連携先装置:画像形成装置3
連携動作内容:画像形成装置2から画像形成装置3へカラープリント2枚を行う。
【0072】
S1〜4を経て(説明省略)、機能実行が完了すると、画像形成装置3は、カラープリント実行の完了通知の生成を行う(S5)。このとき、上述したように、変換テーブルが参照され、画像形成装置2に対して行う機能実行の完了通知の内容の変換を行う。
【0073】
具体的に図5(a)を再び参照し、画像形成装置3の変換テーブル変換テーブルでは、「MFP1」の場合、変換前「カラープリント:1枚」→変換後「白黒プリント:4枚」と規定されている。よって、画像形成装置3は、本来カラープリント2枚を実行しているところ、変換テーブルに従い、白黒プリント8枚を実行した旨への変換を行う。
【0074】
そして画像形成装置3は、変換後の内容でもって、画像形成装置1に対し機能実行の完了通知を行う(S6)。
【0075】
画像形成装置2は、画像形成装置3からの機能実行の完了通知機能を受信すると、そのカウント情報に基づき機能の使用回数のカウント処理を行う(S7)。つまりこの場合、画像形成装置2は、白黒プリント8枚分を使用回数としてカウントする。再び図6(b)を参照すると、「user1」の使用回数を「156」から「164」へカウントし、また累計を「712」から「720」へカウントする。
【0076】
事例1と比べ、事例2では、実際カラープリント2枚が行われており、画像形成装置2上では白黒プリント8枚とカウントされている。つまり、事例1では、カラープリントは白黒プリントの3倍の価格に設定されているのに対し、事例2では、カラープリントは白黒プリントの4倍の価格に設定されていることになる。これは、変換テーブルは複数の機器を登録でき、そして機器毎にその変換内容や変換率を任意に規定できることを示す。従って連携先装置によって、同一の機能が実行された場合でも、規定に応じて連携元装置側に異なるカウント情報を通知できる。このように本実施形態に係る変換テーブルは、柔軟な変換を可能とし、例えば事例2のケースは、画像形成装置の設置部署などで課金の価格が異なる場合に有効である。
【0077】
(事例3)
連携元装置:画像形成装置2
連携先装置:画像形成装置3
連携動作内容:画像形成装置2からの画像データに対し、画像形成装置3はOCR(5000文字)を行う。
【0078】
S1〜4を経て(説明省略)、OCR機能実行が完了すると、画像形成装置3は、OCR実行の完了通知の生成を行う(S5)。このとき、上述したように、変換テーブルが参照され、画像形成装置2に対して行う機能実行の完了通知の内容の変換を行う。
【0079】
具体的に図5(a)を再び参照し、画像形成装置3の変換テーブル変換テーブルでは、「MFP2」の場合、変換前「OCR:1000文字」→変換後「白黒プリント:2枚」と規定されている。よって、画像形成装置3は、本来OCR(5000文字)を実行しているところ、変換テーブルに従い、白黒プリント10枚を実行した旨への変換を行う。
【0080】
そして画像形成装置3は、変換後の内容でもって、画像形成装置2に対し機能実行の完了通知を行う(S6)。
【0081】
画像形成装置2は、画像形成装置3からの機能実行の完了通知機能を受信すると、そのカウント情報に基づき機能の使用回数のカウント処理を行う(S7)。つまりこの場合、画像形成装置2は、白黒プリント10枚分を使用回数としてカウントする。再び図6(b)を参照すると、「user1」の使用回数を「156」から「166」へカウントし、また累計を「712」から「722」へカウントする。
【0082】
事例1、2に示されたカラープリントと白黒プリントのように同一カテゴリの機能でなくとも、事例3のように全く異なるカテゴリの機能であっても変換テーブルに規定される以上、連携元装置上の尺度でもって、即ち連携元装置で対応する機能が実行されたものとしてカウントすることができる。
【0083】
(事例4)
連携元装置:画像形成装置1
連携先装置:ストレージ装置4
連携動作内容:画像形成装置1からの画像データに対し、ストレージ装置4はデータ保存(100M)を行う。
【0084】
S1〜4を経て(説明省略)、データ保存機能実行が完了すると、ストレージ装置4は、データ保存実行の完了通知の生成を行う(S5)。このとき、上述したように、変換テーブルが参照され、画像形成装置1に対して行う機能実行の完了通知の内容の変換を行う。
【0085】
具体的に、今度は図5(b)を参照し、ストレージ装置4の変換テーブル変換テーブルでは、「MFP1」の場合、変換前「データ保存:10M」→変換後「白黒プリント:3枚」と規定されている。よって、ストレージ装置4は、本来データ保存(100M)を実行しているところ、変換テーブルに従い、白黒プリント30枚を実行した旨への変換を行う。
【0086】
そしてストレージ装置4は、変換後の内容でもって、画像形成装置1に対し機能実行の完了通知を行う(S6)。
【0087】
画像形成装置1は、ストレージ装置4からの機能実行の完了通知機能を受信すると、そのカウント情報に基づき機能の使用回数のカウント処理を行う(S7)。つまりこの場合、画像形成装置1は、白黒プリント30枚分を使用回数としてカウントする。再び図6(a)を参照すると、「user1」の使用回数を「416」から「446」へカウントし、また累計を「1030」から「1070」へカウントする。
【0088】
事例1、2に示されたカラープリントと白黒プリントのように同一カテゴリの機能でなくとも、事例3と同様、全く異なるカテゴリの機能であっても変換テーブルに規定される以上、連携元装置上の尺度でもって、即ち連携元装置で対応する機能が実行されたものとしてカウントすることができる。
【0089】
(事例5)
連携元装置:画像形成装置1
連携先装置:画像形成装置3
連携動作内容:画像形成装置1から画像形成装置3へ白黒プリント2枚を行う。
【0090】
S1〜4を経て(説明省略)、機能実行が完了すると、画像形成装置3は、白黒プリント実行の完了通知の生成を行う(S5)。このとき、上述したように、変換テーブルが参照され、画像形成装置1に対して行う機能実行の完了通知の内容の変換を行う。
【0091】
具体的に図5(a)を再び参照し、画像形成装置3の変換テーブル変換テーブルでは、「MFP1」の場合、変換前「白黒プリント:1枚」→変換後「白黒プリント:1枚」と規定されている(等価変換)。よって、画像形成装置3は、変換テーブルに従い、白黒プリント2枚を実行した旨への変換を行う。
【0092】
そして画像形成装置3は、変換後の内容でもって、画像形成装置1に対し機能実行の完了通知を行う(S6)。
【0093】
画像形成装置1は、画像形成装置3からの機能実行の完了通知機能を受信すると、そのカウント情報に基づき機能の使用回数のカウント処理を行う(S7)。つまりこの場合、画像形成装置1は、白黒プリント2枚分を使用回数としてカウントする。再び図6(a)を参照すると、「user1」の使用回数を「416」から「418」へカウントし、また累計を「1030」から「1032」へカウントする。
【0094】
画像形成装置1から画像形成装置3に対し、白黒プリントを行うというように、連携元装置側で対応する機能を連携先装置側で実行する場合には、変換テーブル上等価変換が行われる。なお、一応変換テーブルで等価変換処理がなされるものと説明したが、連携先装置側で実行する機能が連携元装置側で対応する機能であることが判定できれば、変換テーブルによる変換処理は省略できる。
【0095】
[変形例]
最後に変形例を示す。上述の実施形態においては、画像形成装置3やストレージ装置4といった連携先装置は、自装置内の記憶部に変換テーブルを予め有していた。本変形例においては、変換テーブルを外部の記憶装置(サーバ)に保持するように構成することにより、変換テーブルを一元的に管理でき、変換テーブルの更新などの際にも一元的に更新すればよいので便利である。
【0096】
図8は、本変形例に係るシステム構成図である。図1と比べ、外部サーバ6が構成上追加されている。外部サーバ6は、同一LAN内に設置してもよいが、インターネット上に公開する形で設置されると、外部サーバ6の変換テーブルに対し多くの連携先装置からアクセスできるようになるのでより便宜性やその汎用性が向上する。
【0097】
図9は、本変形例に係る各装置の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。図4に比べ、記憶部202が外部サーバ6側に位置している。また、連携先装置である画像形成装置2及びストレージ装置4は、記憶部202に代えて、変換テーブル取得部205を有する。そして変換テーブル取得部205が外部サーバ6から変換テーブルを取得することにより、変換部203は変換テーブルを参照することができる。
【0098】
外部サーバの記憶部202には、図5に示される(a)画像形成装置3用の変換テーブル、(b)ストレージ装置用の変換テーブルが記憶されている。外部サーバ6は、画像形成装置3の変換テーブル取得部205から変換テーブルの取得要求があった場合には、(a)画像形成装置3用の変換テーブルを送信し、ストレージ装置4の変換テーブル取得部205から変換テーブルの取得要求があった場合には、(b)ストレージ装置4用の変換テーブルを送信する。またここで、外部サーバ6は、変換テーブルの取得要求において、連携元装置を指定する情報(例えばMFP1)が付加されている場合には、変換テーブル内の情報の全てではく、指定の連携元装置に関係する情報のみを送信することもできる。
【0099】
[総括]
以上、本実施形態に係る画像形成装置3及びストレージ装置4(連携先装置)は、連携元装置が未対応の機能の使用回数のカウント情報を、連携元装置が対応する機能の使用回数のカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換テーブルを有しており、連携元装置からの機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行ったとき、変換テーブルに基づき、実行された当該未対応の機能の使用回数のカウント情報を、連携元装置が対応する機能の使用回数のカウント情報に変換し、連携元装置に対し、変換されたカウント情報を含む機能実行完了通知を送信する。
【0100】
これにより、連携元装置側で、機能の使用回数のカウントを行っているところ、連携先装置においては未対応(未知)の機能が実行された場合であっても、未対応(未知)の機能に代えて、既に対応する機能の尺度により機能の使用回数のカウントを行うことができる。
【0101】
実際、上述した実施形態のように、従来は旧型の画像形成装置1、2だけを設置して、スキャナや白黒(モノクロ)印刷を利用し、また白黒プリントの使用回数をカウントしており、また旧型の画像形成装置1、2上の白黒プリントの使用回数をカウントに基づき、課金管理や利用者制限がなされていた。そしてここで、新型のカラープリント対応の画像形成装置3が新設されたとする。
【0102】
このような場合であっても上述の実施形態に係る連携先装置としての画像形成装置3によれば、画像形成装置3導入後でも引き続き、旧型の画像形成装置1、2上の白黒プリントの使用回数をカウントに基づき、課金管理や利用者制限を行うことができる。つまり従来からの運用管理形態をそのまま引き続き維持することができる。別途新機能の使用回数のカウントについては、新しい画像形成装置3側でカウントするようにするというように、従来からの運用管理形態の変更を余儀なくされることもない。またそのうえ、本実施形態に係る変換テーブルでは、上述のように機器毎にカウント情報を変換するよう規定できるので、柔軟に運用管理を行うことができる。
【0103】
即ち以上の本発明によれば、機能の使用回数をカウントする連携元装置と連携して動作する連携先装置であって、連携元装置では未対応の機能が使用された場合であっても、連携元装置に対し、連携元装置が機能の使用回数をカウントするに可能な形の機能実行の完了通知を行う情報処理装置等を提供することが可能となる。
【0104】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 画像形成装置
2 画像形成装置
3 画像形成装置
4 ストレージ装置
5 ネットワーク
6 外部サーバ
11 操作パネル
11a 入力装置
11b 表示装置
12 記憶メディアI/F
12a ドライブ装置
12b 記録媒体
13 コントローラ
13a ROM
13b RAM
13c CPU
14 データ通信I/F
14a インタフェース装置
15 スキャナ
15a 画像読取装置
16 プロッタ
16a 印刷装置
17 HDD
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 記憶装置
45 記憶媒体読取装置
46 通信装置
101 機能実行要求部
102 通知受信部
103 カウント部
201 機能実行部
202 記憶部
203 変換部
204 通知送信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】
【特許文献1】特開2006−293742号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置に対して連携先装置として動作し、前記連携元装置の要求に応じて前記連携元装置が未対応の機能を実行する情報処理装置であって、
前記連携元装置からの前記機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能実行手段と、
前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を記憶した記憶手段と、
前記機能実行手段により前記連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、前記変換情報に基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換手段と、
前記連携元装置に対し、変換された前記カウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
外部記憶装置とネットワークを介し接続され、実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置に対して連携先装置として動作し、前記連携元装置の要求に応じて前記連携元装置が未対応の機能を実行する情報処理装置であって、
前記連携元装置からの前記機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能実行手段と、
前記外部記憶装置から、前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を取得する変換情報取得手段と、
前記機能実行手段により前記連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、取得された前記変換情報に基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換手段と、
前記連携元装置に対し、変換された前記カウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、複数の前記連携元装置を登録し、当該連携元装置毎に、前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を記憶したこと、
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機能毎の使用単位に基づくカウント情報は、
プリント機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、印刷枚数の情報であり、
ストレージ機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、データ保存容量の情報であり、OCR機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、OCR処理文字数の情報であること、
を特徴とする請求項1ないし3何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項5】
実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置に対して連携先装置として動作し、前記連携元装置の要求に応じて前記連携元装置が未対応の機能を実行する情報処理装置における機能の使用回数のカウント方法であって、
前記連携元装置からの前記機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能実行手順と、
前記機能実行手順により前記連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報に基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換手順と、
前記連携元装置に対し、変換された前記カウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手順と、
を有することを特徴とするカウント方法。
【請求項6】
外部記憶装置とネットワークを介し接続され、実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置に対して連携先装置として動作し、前記連携元装置の要求に応じて前記連携元装置が未対応の機能を実行する情報処理装置における機能の使用回数のカウント方法であって、
前記連携元装置からの前記機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能実行手順と、
前記外部記憶装置から、前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を取得する変換情報取得手順と、
前記機能実行手順により前記連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、取得された前記変換情報に基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換手順と、
前記連携元装置に対し、変換された前記カウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手順と、
を有することを特徴とするカウント方法。
【請求項7】
前記変換情報は、複数の前記連携元装置を登録し、当該連携元装置毎に、前記連携元装置が未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報であること、
を特徴とする請求項5又は6記載のカウント方法。
【請求項8】
前記機能毎の使用単位に基づくカウント情報は、
プリント機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、印刷枚数の情報であり、
ストレージ機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、データ保存容量の情報であり、OCR機能の使用単位に基づくカウント情報の場合、OCR処理文字数の情報であること、
を特徴とする請求項5ないし7何れか一項記載のカウント方法。
【請求項9】
請求項5ないし8何れか一項記載のカウント方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
実行された機能の使用回数をカウントする連携元装置と、連携先装置として動作し、前記連携元装置の要求に応じて前記連携元装置が未対応の機能を実行する情報処理装置とを含み構成される連携システムであって、
前記連携元装置は、
前記情報処理装置に対し、機能の実行要求を行う機能実行要求手段と、
前記情報処理装置から、実行された機能の使用単位に基づくカウント情報を含む機能実行完了通知を受信する通知受信手段と、
前記実行完了通知を受信すると、前記カウント情報に基づき、機能の使用回数をカウントするカウント手段と、
を有し、
連携先装置として動作する前記情報処理装置は、
前記連携元装置からの前記機能の実行要求に応じて、当該機能の実行を行う機能実行手段と、
前記連携元装置が未対応の機能の、機能毎の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換ルールが規定された変換情報を記憶した記憶手段と、
前記機能実行手段により前記連携元装置が未対応の機能が実行されたとき、前記変換情報に基づき、実行された当該未対応の機能の使用単位に基づくカウント情報を、前記連携元装置が対応する機能の使用単位に基づくカウント情報に変換する変換手段と、
前記連携元装置に対し、変換された前記カウント情報を含む機能実行完了通知を送信する通知送信手段と、
を有することを特徴とする連携システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−237974(P2011−237974A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108185(P2010−108185)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】