説明

情報処理装置、サブネットの割当方法、及びプログラム

【課題】システムを構築するに当たり管理者に対して利用可能なサブネットアドレス範囲を自動で割振ることによって、サブネットアドレスの設定に係る管理者の作業負荷を軽減する。
【解決手段】システム環境の構築を開始すると(ステップS100)、新たなシステムで利用するリソース等の要件に合わせて、ロードバランサ、ファイアウォール、帯域制御装置、及びハイパーバーバイザ等を選定した後、情報処理システム内で未使用な利用可能なIPアドレスの範囲を定めたサブネットアドレスを取得して新規に構築するシステムや外部機器へ設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムで利用するIPアドレスの割当に関する技術に関し、特にネットワークドメイン内におけるサブネットへのサブネットアドレスを自動で割当ることが可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザがクライアント端末を利用してネットワークへ接続を行う際に各クライアント端末には、固有のIPアドレスを設定する必要があるが、この設定をネットワークの管理者となる人間が、クライアント端末毎に割り振りを行い、クライアント端末へ提供することが行われている。
【0003】
しかしながら、このような手順を踏むとなると、ネットワークの構成に変更が生じた場合等、IPアドレスを設定し直す必要が生じ、この際には、ネットワークの管理者のみならず、クライアント端末を利用しているユーザ自身も、クライアント端末に対して設定しておいたIPアドレスの変更を行う必要性に迫られ、IPアドレスの設定ミス等が発生した場合、IPアドレスの競合が発生し、ネットワーク全体に影響を与えかねない。
【0004】
そこで、クライアント端末に対して動的にIPアドレスを割り当てるプロトコルとしてDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の機能を利用したネットワークシステムが提供されている。
【0005】
このDHCP機能を有するサーバを構築する際にネットワークのIPアドレス範囲やサブネットマスク等の情報を設定するのみで、DHCPサーバに対応可能なクライアント端末は、DHCPサーバに於いて動的に払い出されるIPアドレスを用いて、ネットワークにおいて通信を行うことが可能となるため、管理者やユーザがIPアドレスの設定作業の煩わしさを軽減することが可能となっている。
【0006】
また、IPアドレスに関わらず、ネットワークドメイン内におけるサブネットへのサブネットアドレスの自動割り当てに関する技術についても開示されており、ルータ装置や端末を接続する際に、ルータ装置に備えられたルーティングテーブルに記憶されたサブネットアドレスと管理対象とするネットワークドメイン内において利用可能なサブネットアドレスとを比較することによって、未割り当てのサブネットアドレスを決定する技術が開示されており(例えば、特許文献1参照)、ネットワークの管理者の作業負荷を軽減することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−64379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、ルータ装置や端末が接続された際に、サブネットアドレスを動的に割り当てる技術であるため、利用可能なサブネットアドレス範囲を定めて、これらの範囲内に収まるように、1つのルータ装置を用いて、複数のシステムに於いて各々サブネットアドレスを利用するケースについては、記載や示唆はなく、あくまでもルータ装置に対するサブネットアドレスの割当に関する技術であるため、管理者が各々のシステムにおいて利用可能なサブネットアドレスを各々設定しなければならないため、作業負荷がかかるという問題が生じてしまう。
【0009】
例えば、最近では、開発会社がそれぞれ開発したアプリケーションを利用して、顧客に対してサービスを展開するに当たり、各アプリケーションを動作させるための基盤環境を構築するためのコスト等を軽減するために、他社が提供する基盤環境を用いて、これらのサービスを展開することが増えつつある。
【0010】
この場合、基盤環境を提供する会社においては、幾多の開発会社から其々のアプリケーションを動作させるための基盤環境を構築する必要性に迫られており、当然のことながら、開発会社が利用するためのサブネットアドレスの割り当てを行う必要性も生じてきている。
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、このような状況では、幾多の開発会社の各々に対して利用可能なサブネットアドレス範囲を定める必要性が生じ、基盤環境を構築するネットワークの管理者側の作業負荷が増大してしまう、という問題が生じている。
【0012】
そこで、本発明では、利用可能なサブネットアドレス範囲を自動で割り振ることで、ネットワーク管理者の作業負荷を軽減することが可能な情報処理装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための第一の発明は、利用可能なサブネットアドレスを記憶する記憶手段と、新たなシステムの導入指示を受付ける導入指示受付手段と、新規導入指示受付手段によってシステムの導入指示を受付けた際に、前記記憶手段によって未使用なサブネットアドレスを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得したサブネットアドレスを前記導入する新たなシステムへ割り当てる割当手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置である。
【0014】
上記目的を達成するための第二の発明は、情報処理装置におけるサブネットアドレスの割当方法であって、前記情報処理装置の記憶手段は、利用可能なサブネットアドレスを記憶する記憶ステップ、前記情報処理装置の導入指示受付手段は、新たなシステムの導入指示を受付ける導入指示受付ステップ、前記情報処理装置の取得手段は、新規導入指示受付ステップによってシステムの導入指示を受付けた際に、前記記憶手段によって未使用なサブネットアドレスを取得する取得ステップ、前記情報処理装置の割当手段は、前記取得ステップによって取得したサブネットアドレスを前記導入する新たなシステムへ割り当てる割当ステップ、を含むことを特徴とするサブネットアドレスの割当方法である。
【0015】
上記目的を達成するための第三の発明は、情報処理装置で読取実行可能なプログラムであって、前記情報処理装置を、利用可能なサブネットアドレスを記憶する記憶手段と、新たなシステムの導入指示を受付ける導入指示受付手段と、新規導入指示受付手段によってシステムの導入指示を受付けた際に、前記記憶手段によって未使用なサブネットアドレスを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得したサブネットアドレスを前記導入する新たなシステムへ割り当てる割当手段と、して機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、システムを構築するに当たり管理者に対して利用可能なサブネットアドレスを自動割振ることによって、サブネットアドレスの設定に係る管理者の作業負荷を軽減することが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以降、見直し
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェアの概略構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態に於いて、サブネットアドレスの割当処理の全体の概要の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に於いて、IPアドレスの空き確認処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に於いて、利用可能IPアドレスの取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に於いて、PVLANの一覧を記憶したテーブルの構成を示す構成図である。
【図7】本発明の実施形態に於いて、サブネットアドレスの一覧を記憶したテーブルの構成を示す構成図である。
【図8】本発明の実施形態に於いて、サブネットアドレスに対するIPアドレスの一覧を記憶したテーブルの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1には、本発明の実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの概略構成を示す構成図が図示されており、情報処理システムは、システムの構築及び運用保守を行う情報処理装置100、及びシステム構築を行う管理者が利用する管理者用クライアント端末102を備えており、情報処理装置100と管理者用クライアント端末102とは、ネットワーク104を介して接続されている。尚、この接続形態は、VPN(Virtual Private Network)等の接続形態に於いて相互に通信を行う形態であっても良い。
【0020】
また、情報処理システムは、サーバ106、108、及び110を備えており、更に、各サーバに備えられた各アプリケーション等のサービスの提供を受けるユーザが利用するユーザ用クライアント端末116、118、及び120を備えており、各ユーザ用クライアント端末と各サーバとは、ネットワーク104によって接続されている。
【0021】
各サーバは、例えば、各開発会社から依頼を受けて構築された各々の基盤環境を有しており、開発会社A社から依頼を受けて構築した基盤環境をパーティション112、開発会社A社から依頼を受けて構築した基盤環境をパーティション114と言ったように、1台のサーバにおいて複数の環境を有している、いわゆるサーバの仮想化を実装している。
【0022】
サーバの仮想化を実装するには、サーバをCPU、メモリ、I/O装置等で構成するハードウェアモジュール単位で分割する物理パーティション、各論理パーティションに導入したオペレーティングシステム毎にCPU、メモリ、I/O装置等のリソースを割り当てる論理パーティション、同じく論理パーティションといっても1つのオペレーティングシステムを導入し、アプリケーション単位で分けたパーティションにCPU、メモリ、I/O装置等のリソースを割り当てる論理パーティションという技術が存在する。
【0023】
また、仮想化に関する技術として、サーバに複数のハードウェア環境をエミュレートし、各々にオペレーティングシステムを導入する仮想マシン等の技術が存在するが、本実施形態に於いては、仮想マシン技術を用いたことを前提に記載を行うが、特に仮想マシン技術を用いずに何れの技術を用いた態様でも問題はなく、サブネットアドレス範囲を指定して利用するシステムであれば、問題はない。
【0024】
サーバ106の外部には、例えば、サーバ106への要求を中継するリバースプロキシ(Reverse Proxy)、外部からの不正アクセスを防止するためのファイアウォール(Firewall)、外部からの要求を分散させて複数の装置へ転送するロードバランサー(Load Balancer)を備えている。
【0025】
また、サーバ106に展開されたパーティション112、及び114には、アプリケーションソフトを実行するためのウェブアプリケーションサーバ(Web Application Server)、データベースを専門に関するデータベースサーバ(DB Server)、ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ(NAS、Network Attached Storage)、ドメイン名とIPアドレスを変換するDNSサーバ(DNS、Domain Name System)等の機能を備えている。
【0026】
本実施形態おける情報処理システムは、これらと同等な機能を有するサーバがネットワーク104を介して複数台接続されている。図1に示すようにサーバ108、サーバ110は、サーバ106と同様な機能構成を有する。
【0027】
ユーザは、ユーザ用クライアント端末116、118、及び120を用いて、ネットワーク104を介して、サーバ106、108、及び110に備えられたパーティション112、及び114に導入された開発会社が提供するシステムを利用することで、サービスの提供を受けている。
【0028】
これらのパーティション112、及び114に導入された各機能については、管理者が管理者用クライアント端末102を用いて構築を行っており、管理者用クライアント端末102を用いて、各サーバのシステムを構築するに当たり利用するリソースの条件等を含めて指示入力を行うと、情報処理装置100は、当該条件を満たすように各サーバに対してシステムの構築を行う。尚、情報処理装置100は、各サーバ106、108、及び110とネットワーク104を介して接続されている。
【0029】
また、各サーバにおけるシステムで用いされるサブネットアドレスについても、情報処理装置100が未割当のサブネットアドレスを特定し、自動で各システムに対して割当を行う。
【0030】
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェアの概略構成を示す構成図である。
【0031】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各端末の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0032】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0033】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードや不図示のマウス等のポインティングデバイスを示す入力部209からの入力を制御する。
【0034】
ビデオコントローラ(VC)206は、表示部210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTに関わらず、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0035】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0036】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0037】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、表示部210上での表示を可能としている。また、CPU201は、表示部210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0038】
本発明を実現するためのサブネットアドレスの割当処理を実行するためのプログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイル及び各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
【0039】
尚、管理者用クライアント端末102、サーバ106、108、及び110、ユーザ用クライアント端末116、118、及び120のハードウェア構成は、情報処理装置100と同等のハードウェア構成を有しているため説明は省略し、以後、必要に応じて同一の符号を用いて説明を行う。
【0040】
ステップS100では、管理者用クライアント端末102において、例えば、不図示の画面に備えられた環境を構築する指示を行うためのボタンが入力部209を介して押下されたか否かを判定することで、システムの環境構築の開始有無を判定している。尚、この際に構築するシステムで利用するCPU、メモリ、及びディスク等の容量といったリソース等の構築条件を受付ける。
【0041】
環境構築を開始すると判定した場合、つまり不図示の画面に備えられた環境を構築する指示を行うためのボタンが押下されたと判定した場合、ステップS102へ処理を進める。
【0042】
ステップS102では、情報処理装置100は、ネットワーク104を介して、ステップS100で管理者用クライアント端末102から環境構築の指示を受付けた後、情報処理装置100の外部メモリ211に備えられた利用可能なロードバランサに関する情報を記憶したテーブルから、適切なロードバランサの選択を行う。
【0043】
ステップS104では、情報処理装置100は、情報処理装置100の外部メモリ211に備えられた利用可能なファイアウォールに関する情報を記憶したテーブルから、適切なファイアウォールの選択を行う。
【0044】
ステップS106では、情報処理装置100は、ステップS102において管理者用クライアント端末102から受け付けた構築条件を満たす仮想機械を実現するためのハイパーバイザ(Hypervisor)を選定する。
【0045】
ステップS110では、情報処理装置100は、未使用なIPアドレスの検索を行うが、詳細な処理については、図4を用いて説明する。
【0046】
ステップS112では、情報処理装置100は、ステップS110において、未使用なIPアドレスを検索したが、本ステップでは、利用可能なIPアドレスの検索を行う。尚、詳細な処理については、図5を用いて説明する。
【0047】
ステップS114では、情報処理装置100は、ステップS112において利用可能となされたIPアドレスを用いて、各システムに対してサブネットアドレスの設定を行うと共に、ファイアウォールやVPN装置等に対してサブネットアドレスを設定する。
【0048】
これによって、ファイアウォールやVPN装置等にサブネットアドレスを用いて設定を行うことが可能となるので、IPアドレスを各々設定する手間を省くことが可能となる。
【0049】
次に、未使用なIPアドレスの検索処理について、図4に示すフローチャートを用いて、説明する。尚、本処理に於いて、グローバル、仮想、サーバグループ内サブネットの空きのIPアドレスを検索し、構築可能なIPリソースの空きがあることを確認する。いずれか一つでも空きがない場合、新規システム構築不可と判定する。
【0050】
ステップS200では、情報処理装置100は、グローバルグループ内サブネットより格納済みのグローバルIPアドレスの数を取得する。ステップS202では、情報処理装置100は、グローバルグループ内サブネットより既存システムのグローバルIPとして割り当て済みのIPアドレスの数を取得する。割り当て済みの判定は、データベース内に格納したIP割り当て情報を参照して行う。
【0051】
ステップS204では、情報処理装置100は、ステップS200及びステップS202において取得したIPアドレスの数を加算して未使用なグローバルIPアドレスの数を求める。
【0052】
ステップS206では、情報処理装置100は、仮想グループ内サブネットより格納済みのロードバランサ設定用の仮想IPアドレスの数を取得し、ステップS208では、情報処理装置100は、仮想グループ内サブネットより既存システムの仮想IPとして割り当て済みのIPアドレスを取得する。割り当て済みの判定は、データベース内に格納したIP割り当て情報を参照して行う。
【0053】
ステップS208では、情報処理装置100は、ステップS206及びステップS208において取得したIPアドレスの数を加算して未使用な仮想IPアドレスの数を求める。
【0054】
ステップS212では、情報処理装置100は、サーバサブネットグループ内サブネットより格納済みのサブネットの数を取得する。
【0055】
ここでいうサブネットは27ビットマスクで定義され、32個ずつにまとめられたIPアドレスのかたまりを指す。サーバサブネットグループには、複数のサブネットを定義している。ステップS214では、情報処理装置100は、サーバグループ内サブネットより既存システムに割り当て済みのサブネットの数を取得する。
【0056】
ステップS216では、情報処理装置100は、ステップS212及びステップS214において取得したサブネットの数を加算して未使用なサブネットの数を求める。
【0057】
次に、利用可能なサブネットの検索処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0058】
ステップS300では、情報処理装置100は、1つのシステムにおいて他のシステムとの干渉を防止することから、VLAN(Virtual LAN)内のポートのブロードキャストドメインを分割するためにPVLAN(Private Virtual LAN)の設定を行うため、図6に示すPVLAN一覧テーブルから情報処理システムに於いて設定可能なVLANを取得する。
【0059】
PVLAN一覧テーブルは、情報処理装置100の外部メモリ211に備えられており、各PVLANに対して情報処理システムにおいて既に利用されている場合は、使用有無のフラグが立てられている。
【0060】
ステップS302では、情報処理装置100は、ステップS300において取得したPVLANに関する情報から、現時点で、利用することが可能なPVLANが存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合は、ステップS302へ処理を進め、存在すると判定しない場合は、処理を終了する。
【0061】
利用することが可能なPVLANが存在するか否かを判定するには、PVLAN一覧テーブルに記憶された使用有無フラグを参照して判定を行っている。
【0062】
ステップS304では、情報処理装置100は、利用することが可能なPVLAN
【0063】
すなわち使用フラグが立てられていない最も若い番号を有するPVLANを取得して、構築対象とするシステムのPVLANとして設定する。
【0064】
ステップS306では、情報処理装置100は、情報処理システムに於いて業務用サーバで設定可能なサブネットアドレスを図7の上段に示すサブネットアドレス一覧テーブルから取得する。
【0065】
サブネットアドレス一覧テーブルは、情報処理装置100の外部メモリ211に記憶されており、情報処理システムに於いて設定可能なサブネットアドレスに関する情報を記憶しており、本実施形態では、業務用に利用するサーバ、バックアップ用に利用するサーバ、これらのサーバを監視するためのサーバを構築することが想定されるため、各々のサーバで利用可能なサブネットアドレスを予め記憶している。
【0066】
また、其々のサーバに対して、更に、DMZ(DeMilitarized Zone)及びPrivate別に利用可能なサブネットアドレスを予め記憶させておき、6種類のサブネットアドレスを利用することが可能である。
【0067】
設定の自動化を実現するため、コアスイッチへのゲートウェイ設定をあらかじめ定義しておく必要があるため、サブネットアドレスはネットワークごとに分けて用意する必要があるためである。
【0068】
尚、業務、バックアップ、及び監視用のサブネットアドレスが、既に情報処理システムに於いて利用されているようであれば、各々のサブネットアドレスに対して使用済みのフラグを立てるような構成を本実施形態では備えている。
【0069】
図7の上段には、業務、バックアップ、及び監視用のサブネットアドレスが示されているが、各々のサブネットアドレスで利用されていないもの、つまり使用済みフラグが立っていないサブネットアドレスを用いて、図7の下段に示す6種類のサブネットアドレスの組みあわせのように、構築対象となる1システムに対して、業務、バックアップ、及び監視用のサブネットアドレスを特定する。
【0070】
ステップS308では、情報処理装置100は、未使用な業務用のサブネットアドレスが存在するか否かを判定し、存在すると判定する場合は、ステップS310へ処理を進め、存在すると判定しない場合は、処理を終了する。
【0071】
尚、本ステップにおける判定は、前述したように、図7の上段に示す未使用な、つまり使用済みフラグの立っていない業務用のサブネットアドレスが存在するか否かによって判定を行い、使用済みのフラグが立っていない業務用のサブネットアドレスが存在する場合は、未使用な業務用のサブネットアドレスが存在すると判定し、使用済みのフラグが立っていない業務用のサブネットアドレスが存在しない場合は、未使用な業務用のサブネットアドレスが存在しないと判定する。
【0072】
ステップS310では、情報処理装置100は、ステップS308で未使用な業務用のサブネットアドレスとして特定したサブネットアドレスの中から最も若い番号を取得して、構築対象とするシステムにおける業務用サブネットアドレスとして設定する。
【0073】
ステップS312では、情報処理装置100は、情報処理システムに於いてバックアップ用サーバで設定可能なサブネットアドレスを図7の上段に示すサブネットアドレス一覧テーブルから取得する。
【0074】
ステップS314では、情報処理装置100は、未使用なバックアップ用のサブネットアドレスが存在するか否かを判定し、存在すると判定する場合は、ステップS316へ処理を進め、存在すると判定しない場合は、処理を終了する。
【0075】
尚、本ステップにおける判定は、前述したように、図7の上段に示す未使用な、つまり使用済みフラグの立っていないバックアップ用のサブネットアドレスが存在するか否かによって判定を行い、使用済みのフラグが立っていないバックアップ用のサブネットアドレスが存在する場合は、未使用なバックアップ用のサブネットアドレスが存在すると判定し、使用済みのフラグが立っていないバックアップ用のサブネットアドレスが存在しない場合は、未使用なバックアップ用のサブネットアドレスが存在しないと判定する。
【0076】
ステップS316では、情報処理装置100は、ステップS314で未使用なバックアップ用のサブネットアドレスとして特定したサブネットアドレスの中から最も若い番号を取得して、構築対象とするシステムにおけるバックアップ用サブネットアドレスとして設定する。
【0077】
ステップS318では、情報処理装置100は、情報処理システムに於いて監視用サーバで設定可能なサブネットアドレスを図7の上段に示すサブネットアドレス一覧テーブルから取得する。
【0078】
ステップS320では、情報処理装置100は、未使用な監視用のサブネットアドレスが存在するか否かを判定し、存在すると判定する場合は、ステップS322へ処理を進め、存在すると判定しない場合は、処理を終了する。
【0079】
尚、本ステップにおける判定は、前述したように、図7の上段に示す未使用な、つまり使用済みフラグの立っていない監視用のサブネットアドレスが存在するか否かによって判定を行い、使用済みのフラグが立っていない監視用のサブネットアドレスが存在する場合は、未使用な監視用のサブネットアドレスが存在すると判定し、使用済みのフラグが立っていない監視用のサブネットアドレスが存在しない場合は、未使用な監視用のサブネットアドレスが存在しないと判定する。
【0080】
ステップS322では、情報処理装置100は、ステップS320で未使用な監視用のサブネットアドレスとして特定したサブネットアドレスの中から最も若い番号を取得して、構築対象とするシステムにおける監視用サブネットアドレスとして設定する。
【0081】
本処理を終了する際に、ステップS310、ステップS316、ステップS322において設定した業務、バックアップ、監視用サブネットアドレスについては、図7の上段にしめすサブネットアドレス一覧テーブルに記憶されたサブネットアドレスに対して使用済みのフラグを立てる。
【0082】
本処理を終了すると構築対象となる1システムに対して、図7の下段に示すサブネットアドレス一覧テーブルが生成され、こられのサブネットアドレスを利用して各サーバの構築を行う。
【0083】
つまり、図3に示すステップS114においては、前述の通り、ファイアウォールやVPN装置等には、IPアドレス各々の設定を行わずに、サブネットアドレス単位で設定を行うことで、管理者の設定に要する手間を省くと共に、図8に示すようにサブネットアドレスに対応する設定可能なIPアドレスを情報処理装置100の外部メモリ211に予め記憶させておくことで、各システム内で利用可能なIPアドレスを自由に割り当てることが可能となる。
【0084】
この場合、図8にも示されるようにサブネットアドレスに対応するIPアドレスの使用有無を示すフラグを設け、IPアドレスを割り当てた際に、当フラグを立てることで、フラグの立っていないIPアドレスの若い番号から順に自動でIPアドレスを割り振ることで、IPアドレスの設定の手間をも省くことが可能である。
【0085】
以上、本発明によれば、システムを構築するに当たり管理者に対して利用可能なサブネットアドレス範囲を提示することによって、サブネットアドレスの設定に係る管理者の作業負荷を軽減することが可能となる。
【0086】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0087】
また、本発明におけるプログラムは、各処理方法をコンピュータが実行可能(読み取り可能)なプログラムであり、本発明の記憶媒体は、各処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0088】
なお、本発明におけるプログラムは、各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0089】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読取り実行することによっても、本発
【0090】
明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0091】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0092】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0093】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0095】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。
【0096】
この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0097】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
100 情報処理装置
102 管理者用クライアント端末
104 ネットワーク
106 サーバ
108 サーバ
110 サーバ
112 パーティション
114 パーティション
116 ユーザ用クライアント端末
118 ユーザ用クライアント端末
120 ユーザ用クライアント端末
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
209 入力部
210 表示部
211 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用可能なサブネットアドレスを記憶する記憶手段と、
新たなシステムの導入指示を受付ける導入指示受付手段と、
新規導入指示受付手段によってシステムの導入指示を受付けた際に、前記記憶手段によって未使用なサブネットアドレスを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得したサブネットアドレスを前記導入する新たなシステムへ割り当てる割当手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、業務用、バックアップ用、及び監視用システムの各々に対して利用可能なサブネットアドレスを記憶し、
前記取得手段は、導入するシステムの種別に応じて業務用、バックアップ用、及び監視用のサブネットアドレスを取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、プライベートあるいはDMZ区域に応じたサブネットアドレスを記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記サブネットは、27ビットマスクで定義され、32個毎にまとめられたIPアドレスであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段によって取得したサブネットアドレスを前記情報処理装置の外部機器へ設定することを可能とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置におけるサブネットアドレスの割当方法であって、
前記情報処理装置の記憶手段は、利用可能なサブネットアドレスを記憶する記憶ステップ、
前記情報処理装置の導入指示受付手段は、新たなシステムの導入指示を受付ける導入指示受付ステップ、
前記情報処理装置の取得手段は、新規導入指示受付ステップによってシステムの導入指示を受付けた際に、前記記憶手段によって未使用なサブネットアドレスを取得する取得ステップ、
前記情報処理装置の割当手段は、前記取得ステップによって取得したサブネットアドレスを前記導入する新たなシステムへ割り当てる割当ステップ、
を含むことを特徴とするサブネットアドレスの割当方法。
【請求項7】
情報処理装置で読取実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
利用可能なサブネットアドレスを記憶する記憶手段と、
新たなシステムの導入指示を受付ける導入指示受付手段と、
新規導入指示受付手段によってシステムの導入指示を受付けた際に、前記記憶手段によって未使用なサブネットアドレスを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得したサブネットアドレスを前記導入する新たなシステムへ割り当てる割当手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−142762(P2012−142762A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293584(P2010−293584)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】