説明

情報処理装置、プログラム及びトリアージタッグ

【課題】電子ペンを利用して、トリアージタッグに記入された内容を電子データ化して傷病者情報を作成し、管理することが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システム100において利用者は、まず、電子ペン10を使用してトリアージタッグ3に傷病者に関する所定の事項を記入する。サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報及び予め記憶している定義情報に基づいて、タグ番号及び構成帳票を特定する。そして、サーバ5は、特定したタグ番号及び構成帳票と、取得した記入情報とに基づいて傷病者に関する電子データであって、トリアージタッグ3に記入された内容に対応する傷病者情報を作成する。これによれば、電子ペン10を利用して、トリアージタッグ3に記入された内容を電子データ化し、構成帳票を考慮した上で、傷病者に関する傷病者情報を作成し、管理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンにより電子ペン用帳票に記入された情報を処理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像をチェックしたりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などに対応する記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、災害時等に多数の傷病者が同時に発生した場合、傷病者の緊急度や重傷度に応じて適切な処置や搬送を行うため、傷病者の治療優先度を決定することが知られている。このように傷病者の治療優先度を決定する際に利用する識別票をトリアージタッグという。現状では、トリアージタッグが通常の紙媒体であるため、傷病者の状況は、通常のペン等によりトリアージタッグに手書きされている。そのため、傷病者の状況を電子データ化することが容易ではなく、被災地の状況を関係機関で電子データとして共有することが難しかった。さらに、傷病者の状況や収容先の問い合わせに対して効率的な対応ができないという問題も発生していた。
【0004】
このような問題を解消するため、特許文献2には、バーコードを利用して、傷病者識別コードと治療優先度(トリアージ区分)を集計する方法が記載されているが、トリアージタッグに記入された全ての情報を容易に電子データ化する方法は考えられていない。
【0005】
【特許文献1】特開2004−153612号公報
【特許文献2】実用新案登録第3121007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、電子ペンを利用して、トリアージタッグに記入された全ての情報を容易に電子データ化する情報処理装置、プログラム及びトリアージタッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置では、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、傷病者の治療優先度の決定に利用するトリアージタッグに記入された情報を処理する情報処理装置であって、前記トリアージタッグは、複数の帳票から構成されており、前記トリアージタッグを識別するタグ番号と、前記トリアージタッグを構成する構成帳票と、前記構成帳票に印刷されたコード化パターンの座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、前記電子ペンから、前記トリアージタッグへの記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記タグ番号を特定するタグ番号特定手段と、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記構成帳票を特定する構成帳票特定手段と、前記タグ番号特定手段が特定したタグ番号と、前記構成帳票特定手段が特定した構成帳票と、前記記入情報取得手段が取得した記入情報とに基づいて、傷病者に関する傷病者情報を作成する傷病者情報作成手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、利用者が電子ペンを利用してトリアージタッグに傷病者に関する所定の事項を記入すると、電子ペンはトリアージタッグへの記入内容に対応する記入情報を情報処理装置に送信する。そして、情報処理装置では、記入情報取得手段によってその記入情報が取得される。さらに、タグ番号特定手段は、記入情報取得手段により取得された記入情報に含まれる座標データに基づいて、定義情報記憶手段に記憶された定義情報を参照し、電子ペンによる記入がなされたトリアージタッグを識別するタグ番号を特定する。また、構成帳票特定手段は、記入情報に含まれる座標データに基づいて、定義情報を参照し、トリアージタッグを構成する構成帳票を特定する。そして、傷病者情報作成手段は、タグ番号特定手段により特定されたタグ番号と、構成帳票特定手段により特定された構成帳票と、記入情報特定手段により取得された記入情報とに基づいて、傷病者に関する傷病者情報を作成する。このように、情報処理装置は、電子ペンを利用してトリアージタッグに記入された内容を電子データ化し、トリアージタッグのタグ番号及びトリアージタッグを構成する構成帳票に関連付けて、傷病者に関する傷病者情報を作成し、管理することができる。さらには、電子データ化した傷病者情報を複数の病院でリアルタイムに共有することができる。
【0009】
さらに、上記情報処理装置において、前記記入情報に基づいて前記トリアージタッグへの記入内容を特定する記入内容特定手段をさらに備え、前記傷病者情報作成手段は、前記タグ番号特定手段が特定したタグ番号と、前記構成帳票特定手段が特定した構成帳票と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とに基づいて、傷病者情報を作成することを特徴とする。このように構成された情報処理装置によれば、記入内容特定手段は、記入情報取得手段により取得された記入情報に基づいて、トリアージタッグへの記入内容を文字認識処理等により特定してテキストデータ化する。そして、傷病者情報作成手段は、テキストデータ化された記入内容を、トリアージタッグのタグ番号及びトリアージタッグを構成する構成帳票に関連付けて、傷病者情報を作成する。これにより、傷病者に関する傷病者情報をテキストデータとして扱うことができ、データベース化して自動集計等を行うことが容易となる。
【0010】
さらに、上記情報処理装置において、表示部を備える端末装置と通信可能であって、前記端末装置から、前記傷病者情報の送信要求であって、前記タグ番号を含む要求情報を取得する要求情報取得手段と、前記要求情報に含まれるタグ番号に対応する傷病者情報を、前記端末装置へ送信する傷病者情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。このように構成された情報処理装置によれば、要求情報取得手段は、端末装置からタグ番号を含む要求情報を取得する。そして、傷病者情報送信手段は、そのタグ番号に対応する傷病者情報を当該端末装置へ送信する。これによれば、傷病者の状況を知りたい場合、利用者は、携帯電話等の端末装置を使用して情報処理装置へ要求情報を送信する。すると、情報処理装置は、要求情報に含まれるタグ番号に対応する傷病者情報を、当該端末装置に送信する。よって利用者は、遠隔地であっても端末装置を使用して傷病者の状況を確認することが容易となる。
【0011】
さらに、上記情報処理装置において、前記トリアージタッグは、前記タグ番号及び前記傷病者情報の格納場所を示すURLをコード化した二次元コードを有すると好適である。これによれば、利用者は、携帯電話等の端末装置を使用して傷病者の状況を確認する際に、端末装置に付属するカメラや二次元コードリーダを利用して、トリアージタッグに印刷された二次元コードを読み取ることで、タグ番号及び傷病者情報の格納場所情報を含む要求情報を容易に作成することができる。即ち利用者は、端末装置を使用して容易に傷病者の状況を確認することができる。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、傷病者の治療優先度の決定に利用するトリアージタッグに記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記トリアージタッグは、複数の帳票から構成されており、前記トリアージタッグを識別するタグ番号と、前記トリアージタッグを構成する構成帳票と、前記構成帳票に印刷されたコード化パターンの座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段、前記電子ペンから前記トリアージタッグへの記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記タグ番号を特定するタグ番号特定手段、前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記構成帳票を特定する構成帳票特定手段、前記タグ番号特定手段が特定したタグ番号と、前記構成帳票特定手段が特定した構成帳票と、前記記入情報取得手段が取得した記入情報とに基づいて、傷病者に関する傷病者情報を作成する傷病者情報作成手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るトリアージタッグは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、傷病者の治療優先度の決定に利用するトリアージタッグであって、前記トリアージタッグは、それぞれ異なるコード化パターンが印刷された複数の構成帳票から構成されており、前記トリアージタッグを識別するタグ番号と、前記トリアージタッグに記入された前記傷病者情報に関する傷病者情報の格納場所を示すURLとを含むコードが印刷されたコード部を有することを特徴とする。
【0014】
このように構成されたトリアージタッグと電子ペンを利用することで、情報処理装置は、トリアージタッグに記入された内容を電子データ化し、トリアージタッグのタグ番号及びトリアージタッグを構成する個別の構成帳票に関連付けて、傷病者に関する傷病者情報を作成し、管理することができる。また、利用者は、携帯電話等の端末装置を使用して傷病者の状況を確認する際に、端末装置に付属するカメラや二次元コードリーダを利用して、トリアージタッグに印刷された二次元コード等のコード部を読み取ることで、タグ番号や傷病者情報の格納場所情報を含む要求情報を容易に作成することができ、任意の傷病者情報を確認することが容易となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る情報処理装置、プログラム及びトリアージタッグによれば、電子ペンを利用して、トリアージタッグに記入された内容を電子データ化し、トリアージタッグのタグ番号及びトリアージタッグを構成する個別の構成帳票に関連付けて、傷病者に関する傷病者情報を作成し、管理することができる。また、携帯電話等の端末装置を使用して、任意の傷病者情報を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、電子ペン10の使用形態を模式的に示す図であり、図2は、本実施形態の情報処理システム100の概略を示す図である。本実施形態の情報処理システム100は、図1及び図2に示すように、電子ペン10と、トリアージタッグ3(専用ペーパー20)と、端末装置25と、端末装置25とネットワーク2を通じて接続されるサーバ5とから構成される。ネットワーク2の好適な一例はインターネットである。トリアージタッグ3(専用ペーパー20)には、ドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。電子ペン10は、詳細は後述するが、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者が通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くと、電子ペン10は、ペン先部17の移動軌跡に沿って、専用ペーパー20に印刷されたドットパターンを局所的、連続的に読み取り、専用ペーパー20におけるその局所位置の座標を算出し、その座標データ等を端末装置25を経由してサーバ5に送信する。電子ペン10は、端末装置25へ確実にデータを送信できるよう、端末装置25の近傍で使用される。サーバ5は、受信した座標データ等に基づいて、記入内容を文字認識したり、専用ペーパー20のID番号に対応付けて記憶する等、所定の処理を実行する。以下、各構成について詳細に説明する。
[専用ペーパー]
まず、専用ペーパー20について説明する。専用ペーパー20は、用紙上にドットパターン(コード化パターン)が印刷され、さらにその上に罫線や記入枠などの図案や項目、文言、イラスト等が印刷されたものである。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、図案等は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。ドットパターンと図案等とは、用紙に対して同時に印刷してもよいし、どちらかを先に印刷してもよい。
【0018】
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペンによる記述内容をそのまま情報として扱うエリアである。後述するトリアージタッグ3の例では、送信ボックス39及び二次元コード部65以外のエリアがこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されるアクション、指示などを電子ペン10に実行させるエリアである。後述するトリアージタッグ3の例における送信ボックス39がこれに該当する。送信ボックス39は、電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25を経由してサーバ5へ送信するための指示を行う際に使用される。
[ドットパターン]
続いて、ドットパターン(コード化パターン)について説明する。図3は、専用ペーパー20に印刷されるドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を示している。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトされているかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、専用ペーパー20上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0019】
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、専用ペーパー上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)と専用ペーパー20毎に固有の識別情報であるアドレスデータを保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン10によって行われる。
【0020】
[ 電子ペン ]
次に電子ペン10について説明する。図5は、電子ペンの構成を示すブロック図である。図5に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16、圧力センサ18及びクロック22を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0021】
バッテリー14は電子ペン10内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン10のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。クロック22は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信し、プロセッサ11に供給する。圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー20上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。
【0022】
プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかり、圧力センサ18によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ11は、利用者が記入を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動させる。
【0023】
LED15は、電子ペン10のペン先付近に取り付けられており、専用ペーパー20上のペン先部17近傍(領域15a)に向けて、赤外線を照明する(図1参照)。領域15aは、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはわずかにずれている。カメラ16は、LED15によって照明された領域15a内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ11に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED15によって照射された赤外線は、ドットの部分でドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。したがって、カメラ16の撮影により、赤外線の反射量の違いから、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。たとえ撮影領域に罫線や枠などが印刷されてあったとしても、罫線や枠などのインクには、カーボンが含まれていないため、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ16による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ16の撮影は、毎秒50〜100回程度行われる。
【0024】
プロセッサ11は、利用者による記入が行われる間、カメラ16によって供給される画像データのドットパターンから、利用者が記入するストロークの専用ペーパー20上でのX,Y座標(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に算出していく。すなわち、プロセッサ11は、カメラ16によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを算出するとともに、専用ペーパー20に固有のアドレスデータを算出する。そしてプロセッサ11は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信するクロック22から時間情報を取得し、その時間情報と、筆圧データ、X,Y座標データ及びアドレスデータとを関連付け、これらの情報を記入情報として取得する。さらに、プロセッサ11は、記入情報に基づいて所定の処理を実行する。ここで、一枚の専用ペーパー20内の6×6のドットパターンは、その専用ペーパー20内で重複することはないため、利用者が電子ペン10で必要事項を記入すると、その記入内容が専用ペーパー20のどのユーザエリアページに対応するものであるかを、座標データから特定することができる。
【0025】
メモリ12には、プロセッサ11によって記入情報が時系列で記憶されていく。また、詳細は後述するが、メモリ12には、予め定義情報が記憶されている。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0026】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得した全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信して、メモリ12をクリアする。よって、データ送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記入する必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0027】
送信指示やその他のアクションは、専用ペーパー20上の実行エリアとして設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。送信指示を行うための送信ボックス39の位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は、送信ボックスの位置座標を取得すると、データ通信ユニット13に、メモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データ送信の完了を電子ペン10の振動により示すことができる。また、電子ペン10自体を操作することにより、送信を行わせることとしてもよい。
【0028】
データ通信ユニット13は、近傍にある端末装置25とデータの送受信を行う。データ通信ユニット13による送信は、Bluetooth(登録商標)の無線送信によると好適である。なお、USBケーブルを使用した有線送信、端子などの接触によるデータ送信など、他の方法によって、データ通信ユニット13から端末装置25へデータ送信を行ってもよい。
[端末装置]
次に、端末装置25について説明する。端末装置25は、ハードウェアとして、電子ペン10及びサーバ5とのデータ通信が可能なアンテナ装置等のデータ通信ユニット、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、スピーカ、ディスプレイ、カメラ等で構成される、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末、或いはPC(Personal Computer)等である。端末装置25は、電子ペン10から受信した記入情報に基づいてサービスサーバ(図示せず)を特定する等の所定の処理を実行したり、後述する要求情報を作成してサーバ5へ傷病者情報を照会したりする。
【0029】
端末装置25が電子ペン10から取得する記入情報には、その記入情報に対応する記入内容が記入された専用ペーパー20に関するアプリケーションやサービスを行うサービスサーバ(図示せず)がどこにあるかの情報は含まれていない。そのため、端末装置25は、記入情報に含まれる専用ペーパー20毎に固有のアドレスデータに基づいて、問い合わせサーバ(図示せず)に照会を行うことで、当該専用ペーパー20に関するサービスサーバを特定する。詳細には、利用者により送信指示が行われると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた記入情報を端末装置25へ送信する。そして、端末装置25は、受信した記入情報に含まれるアドレスデータに基づいて、問い合わせサーバへ照会する。問い合わせサーバは、専用ペーパー20毎に対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパー20に関するサービスなどを行うサービスサーバの情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。次に、端末装置25は、電子ペンから取得した記入情報をそのサービスサーバへ送信して、所定の処理を実行させる。
【0030】
なお、通常は、端末装置25、問い合わせサーバ(図示せず)及びサービスサーバ(図示せず)を別個に構成しているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成してもよい。本実施形態においては、後述するサーバ5は、問い合わせサーバ及びサービスサーバを兼ねていることとする。この場合、端末装置25は、電子ペン10より受信した記入情報をサーバ5へ送信して、所定の処理を実行させることとなる。
【0031】
また、端末装置25は、付属するカメラ又は二次元コードリーダによって、後述するトリアージタッグ3に印刷されている二次元コード65を、読み取ることにより、トリアージタッグ3のタグ番号及び傷病者情報の格納場所情報を含む傷病者情報の要求情報を作成し、サービスサーバ(サーバ5)に送信する。そして、端末装置25は、サービスサーバから取得した傷病者情報に基づいて、傷病者の状況等をディスプレイ表示したり、スピーカにより音声出力したりする。
[トリアージタッグ]
次に、本実施形態の情報処理システム100に用いる専用ペーパー20であるトリアージタッグ3について説明する。図6は、トリアージタッグ3の例である。図7は、トリアージタッグ3を構成する災害現場用構成帳票30の例である。図8は、搬送機関用構成帳票31の例である。図9は、トリアージタッグ3を構成する医療機関用構成帳票32の例である。
【0032】
トリアージとは、大事故や災害時のように多数の傷病者が同時に発生した場合、限られた救急医療条件で最大限の救命を行えるように、傷病者の緊急度や重傷度に応じて適切な処置や搬送を行うため、傷病者の治療優先度(トリアージ区分)を設定することをいう。トリアージタッグは、トリアージにより設定する傷病者の治療優先度を示す識別票であって、通常、医療機関用に用いられるタッグ本体以外に、事故や災害等の現場用控え及び搬送機関用控えの3枚複写フォームとなっている。災害現場では、救急救命士等がトリアージタッグに所定事項を記入した後、現場用控えを剥がして保存し、傷病者にトリアージタッグを付けて搬送機関に引き継ぐ。さらに搬送機関において、トリアージタッグに所定事項を追加記入した後、医療機関用控えを剥がして保存し、傷病者を医療機関に引き継ぐ。
【0033】
本実施形態のトリアージタッグ3は、災害現場用構成帳票30、搬送機関用構成帳票31及びタッグ本体である医療機関用構成帳票32の3枚複写フォームとして構成され、各構成帳票名として「災害現場用」、「搬送機関用」、「医療機関用(表)」、「医療機関用(裏)」、が付けられているものとする。 また、トリアージタッグ3は、図6に示すように、トリアージ色識別ラベル部35及び帳票部36を有している。また、トリアージタッグ3には、トリアージタッグ3毎の識別情報であるタグ番号が印刷されており、このタグ番号は、トリアージにおいて傷病者を識別する番号として使用される。さらに、トリアージタッグ3には、上述の専用ペーパー20と同様に、各構成帳票のほぼ全体に、トリアージタッグ3毎及び構成帳票毎にそれぞれ異なるドットパターンが印刷されている。換言すると、同じドットパターンが印刷されたトリアージタッグは存在しない。
【0034】
トリアージ色識別ラベル部35は、一瞥して傷病の状態を認識できるようにトリアージ区分により色分けされている。青色ラベルに「0」と印字された死亡群、赤色ラベルに「I」と印字された重症群、黄色ラベルに「II」と印字された中等症群及び緑色ラベルに「III」と印字された軽症群の4つから構成されており、それぞれ破線(ミシン目)で切り離しできるように加工されている。救急救命士等の利用者は、傷病者のトリアージ区分に該当するラベルを残して、トリアージ色識別ラベル部35を切り離すことで、傷病者の症状を示す識別票として使用する。例えば、傷病者の重傷度を「I」の重症群が判断される場合は、トリアージ色識別ラベル部35の「II」及び「III」の部分を切り離すこととなる。
【0035】
帳票部36は、災害現場用構成帳票30、搬送機関用構成帳票31及び医療機関用構成帳票32の3枚複写フォームとなっている。
【0036】
災害現場用構成帳票30は、図7に示すように、記入枠や「トリアージタッグ」、「災害現場用」、「タグ番号2124」等の文字等が予め印刷又は印字されていると共に、電子ペン10により記入される氏名項目61a(61)、住所項目62a(62)、トリアージ区分63a(63)、送信ボックス39等を有している。氏名項目61aは、傷病者の氏名を記入するための項目エリアであり、住所項目62aは、傷病者の住所を記入するための項目エリアである。トリアージ区分63aは、トリアージ色識別ラベル部35と同様に傷病者の症状を選択するエリアである。送信ボックス39は、トリアージタッグ3に電子ペン10により記入された内容に対応する記入情報を、電子ペン10から端末装置25を経由してサーバ5へ送信する処理を実行させるための指示が定義されたエリアである。また、災害現場用構成帳票30には、トリアージタッグ3への記入内容に基づく傷病者情報の格納場所を示すURLをコード化した、トリアージタッグ3毎に異なる二次元コード65が印刷されている。
【0037】
搬送機関用構成帳票31は、図8に示すように、記入枠や「トリアージタッグ」、「搬送機関用」、「タグ番号2124」等の文字等が予め印刷又は印字されていると共に、電子ペン10により記入される氏名項目61b(61)、住所項目62b(62)、トリアージ区分63b(63)、送信ボックス39等を有している。氏名項目61b、住所項目62b、トリアージ区分63b等は、災害現場用構成帳票30が有する項目と同様であって、対応する項目については、災害現場用構成帳票30に記入された内容が複写されるが、災害現場用構成帳票30への記入時に不明のため空欄となっている項目があれば、電子ペン10により記入する。また、搬送中での傷病者の症状変化や搬送機関名等の所定事項を追加記入してもよい。症状の悪化によりトリアージ区分63を変更した場合は、変更に応じてトリアージ色識別ラベル部35を切り離す。送信ボックス39は、災害現場用構成帳票30の送信ボックス39と同じドットパターンが印刷され、電子ペン10内に記憶されている記入情報を、端末装置25を経由してサーバ5へ送信するための指示が定義されている。また、搬送機関用構成帳票31には、災害現場用構成帳票30と同じ二次元コード65が印刷されている。
【0038】
医療機関用構成帳票32は、表と裏両面を使用することが可能な帳票であって、表と裏それぞれ異なるドットパターンが印刷されている。医療機関用構成帳票32の表面は、図9(a)に示すように、記入枠や「トリアージタッグ」、「医療機関用(表)」、「タグ番号2124」等の文字等が予め印刷又は印字されていると共に、電子ペン10により記入される氏名項目61c(61)、住所項目62c(62)、トリアージ区分63c(63)、送信ボックス39等を有している。氏名項目61c、住所項目62c、トリアージ区分63等は、災害現場用構成帳票30及び搬送機関用構成帳票31が有する項目と同様であって、災害現場用構成帳票30及び搬送機関用構成帳票31に記入された内容が複写されるが、災害現場用構成帳票30及び搬送機関用構成帳票31への記入時に不明のため空欄となっている項目があれば、電子ペン10により記入する。また、傷病者を収容した医療機関名や医療機関における傷病者の症状変化等の所定事項を追加記入してもよい。症状の悪化によりトリアージ区分63を変更した場合は、変更に応じてトリアージ色識別ラベル部35を切り離す。送信ボックス39は、災害現場用構成帳票30及び搬送機関用構成帳票31と同じドットパターンが印刷され、送信指示が定義されたエリアである。また、医療機関用構成帳票32には、災害現場用構成帳票30及び搬送機関用構成帳票31と同じ二次元コード65が印刷されている。
【0039】
医療機関用構成帳票32の裏面は、図9(b)に示すように、「トリアージタッグ」、「医療機関用(裏)」、「所見・処置等」等の文字や、傷病者の傷病部位や重傷度等の症状を記入するための人型が予め印刷又は印字されている。医療機関用構成帳票32の裏面は、医療機関に限らず、災害等の現場や搬送機関において記入及び送信することとしてもよい。
【0040】
なお、送信ボックス39による送信指示は、トリアージタッグ3の1枚毎、換言すると、傷病者1名毎に行う必要はなく、数名分のトリアージタッグ3への記入が完了してから、任意のトリアージタッグ3の送信ボックス39にチェックマークを記入すると、電子ペン10のメモリ12に記憶された全ての記入情報を、端末装置25を経由してサーバ5へ送信する。
[サーバ]
次に、サーバ5について説明する。サーバ5は、トリアージタッグ3への記入内容に対応する記入情報に基づいて、傷病者に関する電子データである傷病者情報の作成及び送信処理を実行するサーバであって、本発明における情報処理装置である。図10は、サーバ5の機能ブロック図である。
【0041】
図10に示すように、サーバ5は、情報記憶手段51、記入情報取得手段52、タグ番号特定手段53、構成帳票特定手段54、記入内容特定手段55、傷病者情報作成手段56、要求情報取得手段57及び傷病者情報送信手段58を有する。物理的には、情報記憶手段51は、ROMやRAMといったメモリによって構成され、記入情報取得手段52、要求情報取得手段57及び傷病者情報送信手段58は、データ通信ユニット、プロセッサ等によって構成される。また、タグ番号特定手段53、構成帳票特定手段54、記入内容特定手段55及び傷病者情報作成手段56は、CPU等のプロセッサに組み込まれている。
【0042】
情報記憶手段51は、トリアージタッグ3のタグ番号と、構成帳票名と、構成帳票に印刷されたドットパターンの位置座標を示す座標データとを対応付けて、定義情報として記憶するメモリである。本実施形態では、定義情報の座標データは、各構成帳票の左上頂点の位置座標及び右下頂点の位置座標により、「(x1,y1)〜(x2,y2)」のように示す。図11に、定義情報のデータ構造を模式的に示す。例えば、タグ番号「2124」の構成帳票名「災害現場用」に対しては、座標データ「(x1,y1)〜(x2,y2)」が対応付けられ、同じタグ番号「2124」の構成帳票名「搬送機関用」に対しては、座標データ「(x3,y3)〜(x4,y4)」が対応付けられて記憶されている。
【0043】
また、情報記憶手段51は、後述する記入情報取得手段52により取得された記入情報を記憶すると共に、後述する傷病者情報作成手段56により作成された傷病者情報を記憶する。
【0044】
記入情報取得手段52は、電子ペン10のデータ通信ユニット13によって端末装置25を経由して送信される、トリアージタッグ3への記入内容に対応する記入情報を取得する。
【0045】
タグ番号特定手段53は、記入情報取得手段52が取得した記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段51が記憶した定義情報を参照することで、対応するトリアージタッグ3のタグ番号を特定する。
【0046】
構成帳票特定手段54は、記入情報取得手段52が取得した記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段51が記憶した定義情報を参照することで、対応するトリアージタッグ3の構成帳票を特定する。
【0047】
記入内容特定手段55は、記入情報取得手段52が取得した記入情報に基づいて、対応するトリアージタッグ3に利用者が記入したストローク(記入内容)について、OCR(Optical Character Recognition)等による文字認識処理を実行することで、その記入内容を特定してテキストデータ化する。
【0048】
傷病者情報作成手段56は、タグ番号特定手段53が特定したタグ番号と、構成帳票特定手段54が特定した構成帳票と、記入内容特定手段55が特定した記入内容とを対応付けて、図12に示すような傷病者情報を作成し、情報記憶手段51に記憶させる。図12は、傷病者情報のデータ構造を模式的に示す図である。
【0049】
また、傷病者情報作成手段56は、同じトリアージタッグ3に対する新たな記入情報に基づいて傷病者情報を更新する。即ち、傷病者情報作成手段56は、記入情報に基づいてタグ番号、構成帳票及び記入内容を特定すると、当該タグ番号に対応する傷病者情報が、既に情報記憶手段51に記憶されているか否かを確認する。そして、当該タグ番号に対応する傷病者情報が既に記憶されている場合、当該傷病者情報に、新たに特定したタグ番号、構成帳票及び記入内容に基づいて作成した傷病者情報を追加して更新し、更新した傷病者情報を情報記憶手段51に記憶する。
【0050】
要求情報取得手段57は、端末装置25からの傷病者情報の送信要求であって、トリアージタッグ3のタグ番号を含む要求情報を取得する。
【0051】
傷病者情報送信手段58は、要求情報取得手段57が取得した要求情報に含まれるトリアージタッグ3のタグ番号に基づいて、情報記憶手段51に記憶された傷病者情報より対応する傷病者情報を抽出し、端末装置25へ送信する。
【0052】
サーバ5は、専用アプリケーションがインストールされることにより、上述の各手段が構成される。
[専用アプリケーション]
続いて、専用アプリケーション50について説明する。図13は、専用アプリケーション50のモジュール構成を示す図である。専用アプリケーション50は、電子ペン10がトリアージタッグ3に記入した内容に対応するデジタルデータである記入情報に基づいて所定の処理を実行するものであって、ダウンロード等により予めサーバ5にインストールされている。
【0053】
図13に示すように、専用アプリケーション50は、情報登録モジュール101、記入情報取得モジュール102、タグ番号特定モジュール103、構成帳票特定モジュール104、記入内容特定モジュール105、傷病者情報作成モジュール106、要求情報取得モジュール107及び傷病者情報送信モジュール108を有する。
【0054】
情報登録モジュール101は、トリアージタッグ3のタグ番号と、構成帳票名と、構成帳票に印刷されたドットパターンの位置座標を示す座標データとを対応付けて、定義情報(図11参照)としてメモリに記憶させる機能を有するほか、記入情報取得手段52が取得した記入情報や、傷病者情報作成手段56が作成した傷病者情報をメモリに記憶させる機能を有する、サーバ5に情報記憶手段51を構成させるモジュールである。
【0055】
記入情報取得モジュール102は、トリアージタッグ3への電子ペン10による記入に対応する記入情報を取得する機能を有する、サーバ5に記入情報取得手段52を構成させるモジュールである。
【0056】
タグ番号特定モジュール103は、記入情報取得手段52により取得された記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段51に記憶された定義情報を参照することで、対応するトリアージタッグ3のタグ番号を特定する機能を有する、サーバ5にタグ番号特定手段53を構成させるモジュールである。
【0057】
構成帳票特定モジュール104は、記入情報取得手段52により取得された記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段51に記憶された定義情報を参照することで、対応するトリアージタッグ3の構成帳票を特定する機能を有する、サーバ5に構成帳票特定手段54を構成させるモジュールである。
【0058】
記入内容特定モジュール105は、記入情報取得手段52により取得された記入情報に基づいて、文字認識処理を実行することで、対応するトリアージタッグ3への記入内容を特定する機能を有する、サーバ5に記入内容特定手段55を構成させるモジュールである。
【0059】
傷病者情報作成モジュール106は、タグ番号特定手段53により特定されたタグ番号と、構成帳票特定手段54により特定された構成帳票と、記入内容特定手段55により特定された記入内容とを対応付けて、図12に示すような傷病者情報を作成し、情報登録モジュール101の実行により情報記憶手段51に記憶させる機能を有するほか、同じトリアージタッグ3に対する新たな記入情報に基づいて、情報記憶手段51に記憶された傷病者情報を更新する機能を有する、サーバ5に傷病者情報作成手段56を構成させるモジュールである。
【0060】
要求情報取得モジュール107は、端末装置25からの傷病者情報の送信要求であって、タグ番号を含む要求情報を取得する機能を有する、サーバ5に要求情報取得手段57を構成させるモジュールである。
【0061】
傷病者情報送信モジュール108は、要求情報取得手段57が取得した要求情報に含まれるタグ番号に基づいて、情報記憶手段51に記憶された傷病者情報より対応する傷病者情報を抽出し、端末装置25へ送信する機能を有する、サーバ5に傷病者情報送信手段58を構成させるモジュールである。
[本情報処理システムによる傷病者情報処理フロー]
次に、本実施形態における情報処理システム100により実行される傷病者情報処理フローについて説明する。図14は、傷病者情報作成処理のフローチャートであり、図15は、傷病者情報照会処理のフローチャートである。
【0062】
ここで、本実施形態における傷病者情報処理とは、電子ペン10によりトリアージタッグ3に記入された内容を、傷病者情報として作成する処理及び作成された傷病者情報を照会する処理である。
【0063】
まず、傷病者情報作成処理について図14を参照して説明する。図2に示すように、災害現場において救急救命士等の利用者は、電子ペン10を使用し、トリアージタッグ3の災害現場用構成帳票30に、傷病者の氏名、住所、状況、傷病者の症状等の所定事項を記入する。不明な項目は記入しなくてもよい。記入が完了すると、利用者は、災害現場用構成帳票30の送信ボックス39に、電子ペン10でチェックマークを記入する。すると、電子ペン10は、災害現場用構成帳票30への記入内容に対応する記入情報を、端末装置25を介してサーバ5へ送信する。すると、サーバ5の記入情報取得手段52は、電子ペン10から送信される記入情報を取得する(ステップS1)。
【0064】
続いて、サーバ5のタグ番号特定手段53は、記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段51に記憶された定義情報を参照することにより、電子ペン10により記入されたトリアージタッグ3のタグ番号を特定する(ステップS2)。また、構成帳票特定手段54は、記入情報に含まれる座標データに基づいて、情報記憶手段51に記憶された定義情報を参照することにより、電子ペン10により記入されたトリアージタッグ3の災害現場用構成帳票30を特定する(ステップS3)。続いて、記入内容特定手段55は、記入情報に基づいて、OCR等による文字認識処理を実行することで、対応するトリアージタッグ3の災害現場用構成帳票30への記入内容を特定する(ステップS4)。
【0065】
次に、傷病者情報作成手段56は、タグ番号特定手段53が特定したタグ番号と、構成帳票特定手段54が特定した構成帳票と、記入内容特定手段55が特定した記入内容とを対応付けて傷病者情報を作成する(ステップS5)。続いて、傷病者情報作成手段56は、タグ番号特定手段53が特定したタグ番号に対応する傷病者情報が、既に情報記憶手段51に記憶されているか否かを確認する(ステップS6)。そして、当該タグ番号に対応する傷病者情報が既に記憶されている場合(ステップS6;イエス)、傷病者情報作成手段56は、当該傷病者情報に、ステップS5で作成した傷病者情報を追加して更新し(ステップS7)、更新した傷病者情報を情報記憶手段51に記憶する(ステップS8)。また、当該タグ番号に対応する傷病者情報が記憶されていない場合(ステップS6;ノー)、傷病者情報作成手段56は、ステップS5で作成した傷病者情報を情報記憶手段51に記憶させる(ステップS8)。これにより、傷病者情報作成処理は終了する。
【0066】
救急車内等の搬送機関において、救急救命士や医師等の利用者が、電子ペン10によりトリアージタッグ3の搬送機関用構成帳票31に記入する場合、及び、病院等の医療機関において、医師や看護士等の利用者が、電子ペン10によりトリアージタッグ3の医療機関用構成帳票32に記入する場合も同様に、サーバ5は、上述の傷病者情報作成処理を実行する。
【0067】
例えば、災害現場の利用者が電子ペン10により「タグ番号2124」の災害現場用構成帳票30の氏名項目61aに「鈴木太郎」、住所項目62aに「東京都中央区京橋」と記入し、医療機関の利用者が電子ペン10により「タグ番号2124」の医療機関用構成帳票32の裏面の所見・処置等に「大腿骨単純骨折」と記入した場合、サーバ5において、図12に模式的に示すような傷病者情報が作成され、記憶される。
【0068】
次に、傷病者情報照会処理について図15を参照して説明する。災害現場において救急救命士等の利用者は、控えとして保存したトリアージタッグ3の災害現場用構成帳票30の二次元コード65を、端末装置25に付属するカメラ機能や二次元コードリーダを利用して読み取り、トリアージタッグ3のタグ番号及び傷病者情報の格納場所情報を含む要求情報を作成し、サーバ5へその要求情報を送信する(ステップS11)。すると、サーバ5は、要求情報取得手段57により当該要求情報を取得する(ステップS12)。そして、サーバ5の傷病者情報送信手段58は、要求情報に含まれるタグ番号に基づいて、情報記憶手段51に記憶された傷病者情報より対応する傷病者情報を抽出し(ステップS13)、端末装置25へ送信する(ステップS14)。端末装置25は、受信した傷病者情報に基づいて、傷病者の症状や状況等をディスプレイ表示等により出力する(ステップS15)。これにより、傷病者情報照会処理は終了する。
【0069】
例えば、災害現場の利用者がカメラ付携帯電話を端末装置25として利用して、「タグ番号2124」の災害現場用構成帳票30の二次元コード65をカメラ機能により読み取ると、端末装置25は、「タグ番号2124」及びその傷病者情報の格納場所情報を含む要求情報を作成し、サーバ5へその要求情報を送信する。すると、サーバ5は、取得した要求情報に含まれる「タグ番号2124」に対応する傷病者情報を端末装置25へ送信する。そして、端末装置25は、「鈴木太郎」、「大腿骨単純骨折」等の傷病者の症状をディスプレイ表示する。なお、端末装置25による傷病者情報の出力は、ディスプレイ表示に限らず、スピーカによる音声出力としてもよい。
【0070】
このように、サーバ5は、利用者が電子ペン10を用いてトリアージタッグ3に記入した傷病者に関する記入内容に対応した記入情報に基づいて傷病者情報を作成して記憶し、端末装置25を用いた利用者の問い合わせに応じて、傷病者情報を端末装置25へ送信して、利用者に知らせることができる。
[本情報システムによる作用効果]
この情報処理システム100によれば、全てのトリアージタッグ3及びトリアージタッグ3を構成する構成帳票30〜32に異なるドットパターンが印刷されているため、電子ペン10により記入した傷病者に関する傷病者情報を電子データ化して、トリアージタッグ3のタグ番号及びトリアージタッグ3を構成する構成帳票30〜32に関連付けて管理することができる。さらに、トリアージタッグ3、電子ペン10及び端末装置25を携帯すれば、インターネット等のネットワーク2を利用できる場所から、リアルタイムでトリアージタッグ3への記入内容に対応する記入情報をサーバ5へ送信したり、トリアージタッグ3毎の識別情報であるタグ番号を含む要求情報を作成してサーバ5に傷病者情報を照会したりすることができるため、電子データ化した傷病者情報を複数の関係機関でリアルタイムに共有することができる。また、記入情報に基づいて文字認識処理を実行し、トリアージタッグ3への記入内容をテキストデータ化して特定することで、傷病者に関する傷病者情報をテキストデータとして扱うことができ、データベース化して自動集計等を行うことが容易となる。
【0071】
なお、本発明は、上記実施形態に限られない。
【0072】
上記実施形態では、ドットは赤外線を吸収するカーボンを含むインクとし、電子ペン10のLED15を、赤外線を照射するLEDとし、カメラ16によって赤外線の反射量の差によって、電子ペン10でドットパターンを読み取っていたが、これに限らない。例えば、ドットは所定波長の光によって所定波長を発光するインクとし、電子ペン10のLED15を、ドットのインクを発光させる光を照射するものとし、カメラ16によってドットのインクが発光する波長の領域を検知することによって、電子ペン10でドットパターンを読み取るようにしてもよく、カメラ16によってドットパターンが読み取れれば、ドットのインクの種別やLED15の照射光等は上記実施形態で示したものに限られない。また、専用ペーパー20における位置座標が特定できるものであれば、ドットパターンの代わりに、別のコード化されたパターン、例えば、2次元コードパターンなどであってもよい。
【0073】
また、電子ペン10内に、ペン自体又はその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報又はペン所有者情報)を保持しておき、端末装置25から参照することができるようにしてもよいし、プロパティ情報の全部又は一部を記入情報と共に端末装置25に送信するようにしてもよい。プロパティ情報を傷病者情報に関連付けて管理することで、対応するトリアージタッグ3の記入内容の記入者又は記入した関係機関を特定するように構成することもできる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどが挙げられる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などが挙げられる。
【0074】
また、上記実施形態では、トリアージタッグ3は、図7〜9に示すような3枚の構成帳票から構成され、トリアージ色識別ラベル部35及び帳票部36を有することとしているが、構成帳票は3枚に限られず、構成帳票の枚数や各構成帳票のデザインは任意に構成できる。また、トリアージタッグ3の各構成帳票にはタグ番号及び傷病者情報の格納場所情報を示すURLをコード化した二次元コード65が印刷されていることとしているが、タグ番号及びURLをコード化したものであれば、トリアージタッグ3に印刷されるコードの方式は、バーコードやカラーコード等任意に設定でき、また、印刷に限らずICタグを漉き入れたりラベル化して貼付するよう構成してもよい。さらに、コード化する情報としては、少なくともタグ番号が含まれればよく、コード情報を読み取ることで、サーバ5へのアクセスが容易となる情報であれば任意に設定できる。
【0075】
また、上記実施形態では、情報記憶手段51は、トリアージタッグ3のタグ番号と、構成帳票名と、構成帳票に印刷されたドットパターンの位置座標を示す座標データとを対応付けて、定義情報(図11参照)として記憶しているが、より詳細な定義情報として、トリアージタッグ3のタグ番号と、各構成帳票30〜32の項目エリア(例えば、災害現場用構成帳票30の氏名項目61a、住所項目62a、搬送機関用構成帳票31の氏名項目61b・・・、医療機関用構成帳票32の所見・処置等のエリア等)と、記入項目等に印刷されたドットパターンの位置座標を示す座標データとを対応付けて、定義情報として記憶するようにしてもよく、また、項目エリアにID番号を割り振るようにしてもよい。傷病者情報(図12参照)も同様に、タグ番号と、各構成帳票30〜32の項目エリア又は項目エリアIDと、記入内容とを対応付けることとしてもよく、これらの情報のデータ構造は任意に設定することができる。
【0076】
例えば、同じトリアージタッグ3の各構成帳票30〜32の対応する項目エリア(氏名項目61、住所項目62等)に共通のID番号を割り振って、タグ番号と、構成帳票名と、項目エリアIDと、座標データとを対応付けて定義情報を記憶しておき、タグ番号と、項目エリアIDと、記入内容を対応付けて傷病者情報を作成することとすれば、先に電子ペン10で記入した内容(例えば氏名)に誤り等があった場合は、トリアージタッグ3の別の構成帳票に新たに記入した内容に基づいて、傷病者情報を上書きして更新する。
【0077】
また、上記実施形態では、記入情報に基づいて文字認識処理を実行し、トリアージタッグ3への記入内容をテキストデータ化して特定することとしているが、構成帳票毎の記入情報に基づいて記入ストロークを画像データ化することで、文字認識エラーが生じた場合でも、構成帳票毎の全体イメージとしてディスプレイ表示させ、確認することができる。さらに、トリアージタッグ3毎の記入情報に基づいて記入ストロークを画像データ化することで、それぞれの構成帳票の全体イメージを結合した、1つのトリアージタッグ3の全体イメージとしてディスプレイ表示させ、確認するよう構成することもできる。この場合において、氏名項目61a〜61cのような対応する項目について、修正等の理由により複数の記入情報がサーバ5に記憶されている場合は、記入情報に含まれる時間情報に基づいて、最新の記入情報を選択して、トリアージタッグ3の全体イメージとすればよい。例えば、災害現場用構成帳票30の氏名項目61aに電子ペン80によって「山田太郎」と記入され、医療機関用構成帳票32の氏名項目61cに「山田一郎」と記入された場合、トリアージタッグ3の全体イメージでは、氏名欄には「山田一郎」と表示されることとなる。
【0078】
また、端末装置25をカメラ付携帯電話とした場合、傷病者の症状、服装、所持品等をカメラで撮影し、トリアージタッグ3のタグ番号と対応付けて、画像データをサーバ5へ送信し保存することができる。これによれば、傷病者が重症で氏名などが特定できない場合でも、トリアージタッグ3に電子ペン10で記入した情報以外に傷病者の特徴を撮影し、トリアージタッグ3のタグ番号と対応付けて、画像データをサーバ5で保存することにより、傷病者の特定に活用できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、電子ペンを使用して、トリアージタッグに記入された情報をリアルタイムで電子データ化して管理することができる情報システムとして、大事故や災害時のトリアージを行う、緊急医療、救急救命の分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】本実施形態の情報処理システムの概略を示す図である。
【図3】専用ペーパーに印刷されるドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図6】トリアージタッグの例である。
【図7】災害現場用構成帳票の例である。
【図8】搬送機関用構成帳票の例である。
【図9】医療機関用構成帳票の例である。
【図10】サーバの機能ブロック図である。
【図11】定義情報のデータ構造を模式的に示す図である。
【図12】傷病者情報のデータ構造を模式的に示す図である。
【図13】専用アプリケーションのモジュール構成を示す図である。
【図14】傷病者情報作成処理のフローチャートである。
【図15】傷病者情報照会処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
2・・・ネットワーク
3・・・トリアージタッグ
5・・・サーバ
10・・・電子ペン
20・・・専用ペーパー
25・・・端末装置
30・・・災害現場用構成帳票
31・・・搬送機関用構成帳票
32・・・医療機関用構成帳票
35・・・トリアージ色識別ラベル部
36・・・帳票部
39・・・送信ボックス
50・・・専用アプリケーション
51・・・情報記憶手段
52・・・記入情報取得手段
53・・・タグ番号特定手段
54・・・構成帳票特定手段
55・・・記入内容特定手段
56・・・傷病者情報作成手段
57・・・要求情報取得部
58・・・傷病者情報送信手段
63・・・トリアージ区分
65・・・二次元コード
100・・・情報処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、傷病者の治療優先度の決定に利用するトリアージタッグに記入された情報を処理する情報処理装置であって、
前記トリアージタッグは、複数の帳票から構成されており、
前記トリアージタッグを識別するタグ番号と、前記トリアージタッグを構成する構成帳票と、前記構成帳票に印刷されたコード化パターンの座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペンから、前記トリアージタッグへの記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記タグ番号を特定するタグ番号特定手段と、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記構成帳票を特定する構成帳票特定手段と、
前記タグ番号特定手段が特定したタグ番号と、前記構成帳票特定手段が特定した構成帳票と、前記記入情報取得手段が取得した記入情報とに基づいて、傷病者に関する傷病者情報を作成する傷病者情報作成手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記入情報に基づいて文字認識をすることで前記トリアージタッグへの記入内容を特定する記入内容特定手段をさらに備え、
前記傷病者情報作成手段は、前記タグ番号特定手段が特定したタグ番号と、前記構成帳票特定手段が特定した構成帳票と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とに基づいて、傷病者情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示部を備える端末装置と通信可能であって、
前記端末装置から、前記傷病者情報の送信要求であって、前記タグ番号を含む要求情報を取得する要求情報取得手段と、
前記要求情報に含まれるタグ番号に対応する傷病者情報を、前記端末装置へ送信する傷病者情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記トリアージタッグは、前記タグ番号及び前記傷病者情報の格納場所を示すURLをコード化した二次元コードを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、傷病者の治療優先度の決定に利用するトリアージタッグに記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記トリアージタッグは、複数の帳票から構成されており、
前記トリアージタッグを識別するタグ番号と、前記トリアージタッグを構成する構成帳票と、前記構成帳票に印刷されたコード化パターンの座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段、
前記電子ペンから、前記トリアージタッグへの記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記タグ番号を特定するタグ番号特定手段、
前記記入情報に含まれる座標データに基づいて前記定義情報を参照することにより、前記構成帳票を特定する構成帳票特定手段、
前記タグ番号特定手段が特定したタグ番号と、前記構成帳票特定手段が特定した構成帳票と、前記記入情報取得手段が取得した記入情報とに基づいて、傷病者に関する傷病者情報を作成する傷病者情報作成手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷され、傷病者の治療優先度の決定に利用されるトリアージタッグであって、
前記トリアージタッグは、それぞれ異なるコード化パターンが印刷された複数の構成帳票から構成されており、
前記トリアージタッグを識別するタグ番号と、前記トリアージタッグに記入された前記傷病者に関する傷病者情報の格納場所を示すURLとを含むコードが印刷されたコード部を有することを特徴とするトリアージタッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−305301(P2008−305301A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153737(P2007−153737)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】