説明

情報処理装置、制御システム、制御方法、制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】ジョブの蓄積先が異なる設置エリアに複数存在する場合でも、利用者が所望するジョブを画像処理装置で実行できる情報処理装置、制御システム、制御方法、制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、ジョブサーバ300nと画像処理装置200nとの間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する制御手段11を有し、制御手段11は、画像処理装置200s1からの表示情報取得要求に従って、画像処理装置200nの設置エリアS1と異なる設置エリアSnのジョブサーバsnから、利用者のジョブ一覧を示す表示情報を取得し、取得情報を要求元に応答し、また、画像処理装置200s1からの実行ジョブ取得要求に従って、実行ジョブが蓄積されるジョブサーバ300snから該当ジョブデータを取得し、取得データを要求元に応答することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置がサーバに蓄積されたジョブを取得し、取得したジョブを実行するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、印刷制御サーバを有するプルプリントシステムが開示されている。このシステムにより、利用者は、印刷するプリンタを想定せず、印刷制御サーバに印刷ジョブを蓄積しておき、出向いた先に設置されたプリンタから、蓄積しておいた印刷ジョブを実行できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のシステムでは、利用者が、プリンタに表示された印刷ジョブ一覧から、実行したい印刷ジョブを選択できない場合があった。
【0004】
従来では、プリンタから接続する印刷制御サーバ(接続先)を、システム内の複数の印刷制御サーバ(蓄積先)の中から管理者が選択設定し、一意に決めている。そのため、プリンタに表示される印刷ジョブ一覧には、設定された接続先の印刷ジョブしか表示されない。よって、設定された接続先に、利用者の印刷ジョブが蓄積された印刷制御サーバが含まれていなければ、利用者が、印刷ジョブ一覧から、実行したい印刷ジョブを選択することができない。
【0005】
一般的に、印刷ジョブが蓄積された印刷制御サーバは、オフィスなどのようなエリア単位で設置されていることが多い。このとき、管理者は、エリアに設置されたプリンタから接続する印刷制御サーバに、同エリアに設置された印刷制御サーバを設定する。なぜなら、プリンタが設置されたエリアは、利用者が通常在籍するエリアであることが多く、利用者が、ジョブを、プリンタと同エリアに設置された印刷制御サーバに蓄積している場合が多いからである。よって、利用者は、通常在籍するエリアと異なるエリアに移動し、蓄積した印刷ジョブを実行する場面で、上記問題が発生してしまう。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、ジョブの蓄積先が異なる設置エリアに複数存在する場合でも、利用者が所望するジョブを画像処理装置で実行できる情報処理装置、制御システム、制御方法、制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、所定のデータ伝送路を介して、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置とに接続する情報処理装置であって、前記画像処理装置と前記ジョブサーバとの間で行われる前記ジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記画像処理装置から受け付けた利用者の表示情報取得要求に従って、前記画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバから、利用者のジョブ一覧を示す表示情報を取得し、該表示情報を要求元の画像処理装置に応答し、また、前記画像処理装置から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバから該当ジョブデータを取得し、該ジョブデータを要求元の画像処理装置に応答することを特徴とする。
【0008】
このような構成によって、本発明に係る情報処理装置は、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置との間に共通して介在し、両装置間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する。情報処理装置は、画像処理装置から受け付けた利用者のジョブリスト取得要求に従って、画像処理装置の設置エリアと異なるエリア設置されるジョブサーバからジョブリストを取得する。情報処理装置は、取得したジョブリストを画像処理装置に応答する。その結果、画像処理装置では、当該装置の設置エリアと異なるエリアのジョブサーバに蓄積された利用者のジョブがリスト表示される。情報処理装置は、画像処理装置から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバから該当ジョブデータを取得する。情報処理装置は、取得したジョブデータを画像処理装置に応答する。その結果、画像処理装置では、利用者が所望するジョブが実行される。
【0009】
これによって、本発明に係る制御システムでは、ジョブを蓄積するジョブサーバが異なる設置エリアに複数存在する場合でも、利用者が実行したいジョブを画像処理装置で選択でき、所望するジョブを実行できる。その結果、制御システムでは、利用者に利便性の高いジョブ実行サービスを提供できる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御方法は、所定のデータ伝送路を介して、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置とに接続する情報処理装置における制御方法であって、前記画像処理装置と前記ジョブサーバとの間で行われる前記ジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する制御手順を有し、前記制御手順により、前記画像処理装置から受け付けた利用者の表示情報取得要求に従って、前記画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバから、利用者のジョブ一覧を示す表示情報を取得し、該表示情報を要求元の画像処理装置に応答し、また、前記制御手順により、前記画像処理装置から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバから該当ジョブデータを取得し、該ジョブデータを要求元の画像処理装置に応答することを特徴とする。
【0011】
このような手順によって、本発明に係る制御方法は、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置との間のデータ伝送路上に設置された情報処理装置により、ジョブサーバと画像処理装置との間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御するという動作を実現する。
【0012】
これによって、本発明に係る制御方法では、ジョブを蓄積するジョブサーバが異なる設置エリアに複数存在する場合でも、利用者が実行したいジョブを画像処理装置で選択でき、所望するジョブを実行可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置との間のデータ伝送路上に設置された情報処理装置により、ジョブサーバと画像処理装置との間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御することで、ジョブの蓄積先が異なる設置エリアに複数存在する場合でも、利用者が所望するジョブを画像処理装置で実行可能な情報処理装置、制御システム、制御方法、制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るWebサーバのハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る制御情報のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るジョブリストのデータ例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るジョブ実行の操作画面例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御の処理手順例を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る拡張ジョブリスト表示の処理手順例を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の変形例1に係る基本・拡張ジョブリスト表示制御の処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の変形例2に係る印刷制御システムの構成例を示す図である。
【図12】本発明の変形例2に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
【図13】本発明の変形例2に係る利用者情報のデータ例を示す図である。
【図14】本発明の変形例2に係る基本・拡張ジョブリスト表示制御の処理手順例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る印刷制御システム1の構成例を示す図である。
図1には、複数のジョブサーバ300s1〜300sn(以降総称する場合「ジョブサーバ300s」という)、複数の画像処理装置200s1〜200sn(以降総称する場合「画像処理装置200s」という)、及びWebサーバ100とが、広域ネットワークなどのデータ伝送路N(例えば「WAN:Wide Area Network」)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0017】
また、印刷制御システム1では、ジョブサーバ300sや画像処理装置200sが設置された所定のエリアS〜S(以降総称する場合「設置エリアS」という)が示されている。これらの設置エリアSは、例えば、オフィス(事業所)や地域(商圏)などにあたる。
【0018】
また、印刷制御システム1では、データ伝送路N上において、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの間にWebサーバ100が設置されている。よって、本実施形態に係る印刷制御システム1は、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとが、Webサーバ100を介して、データ通信を行うことになる。
【0019】
ここで、上記各機器について説明する。
ジョブサーバ300sは、蓄積ジョブ管理機能を有するサーバ機器である。ジョブサーバ300sは、例えば、PC(Personal Computer)などにより実現されたジョブ蓄積装置であり、情報端末(非図示)から、各種実行設定を行ったジョブデータを受信し、受信したジョブデータを所定の記憶領域に格納し管理する。
【0020】
画像処理装置200sは、画像処理機能を有する機器である。画像処理装置200sは、例えば、LP(Laser Printer)やMFP(Multifunction Peripheral)などであり、MFPなどの場合、搭載する画像処理機能には、例えば、コピー機能、スキャン機能、プリント機能などがある。
【0021】
Webサーバ100は、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの間のデータ通信における中継機能を有するサーバ機器である。Webサーバ100は、例えば、PCなどにより実現された中継装置であり、ジョブサーバ300sや画像処理装置200sに対して、Webサービス(HTTP:Hypertext Transfer Protocol 通信)による中継機能を提供する。Webサーバ100は、Webサービスを介して、画像処理装置200sから、ジョブリスト取得要求を受信すると、取得要求に従って、ジョブサーバ300sからジョブリスト(印刷ジョブ一覧)を取得し、取得したジョブリストを画像処理装置200sに送信する。また、Webサーバ100は、Webサービスを介して、画像処理装置200sから、実行ジョブ取得要求を受信すると、取得要求に従って、ジョブサーバ300sから該当ジョブデータを取得し、取得したジョブデータを画像処理装置200sに送信する。このように、Webサーバ100は、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する。
【0022】
よって、印刷制御システム1は、次のようなサービスを利用者に提供する。例えば、利用者は、各種動作を設定したジョブデータを情報端末から送信し、利用者が在籍するエリアs1と同じ設置エリアs1のジョブサーバ300s1にジョブデータを蓄積する。利用者が在籍するエリアs1と異なるエリアsnに移動し、設置エリアsnの画像処理装置200snから、ジョブサーバ300s1に蓄積したジョブの実行を試みる。このとき、利用者は、画像処理装置200snにログインする。これにより、画像処理装置200snには、Webサーバ100を介して、ジョブサーバ300s1から取得された利用者のジョブリストが画面に表示される。利用者は、ジョブリストからジョブを選択し、画像処理装置200snにジョブの実行を指示する。これにより、画像処理装置200snでは、Webサーバ100を介して、ジョブサーバ300s1から取得された該当ジョブデータが印刷される。
【0023】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御システム1では、上記システム構成により、異なる設置エリアSの複数のジョブサーバ300sに蓄積されたジョブの印刷制御サービスを提供することができる。
【0024】
<ハードウェア構成>
《Webサーバ》
図2は、本実施形態に係るWebサーバ100のハードウェア構成例を示す図である。なお、ジョブサーバ300sについては、Webサーバ100と同じく情報処理装置であることから、その説明を省略する。
【0025】
図2に示すように、Webサーバ100は、入力装置101、表示装置102、ドライブ装置103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、インタフェース装置107、及びHDD(Hard Disk Drive)108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0026】
入力装置101は、キーボードやマウスなどを含み、Webサーバ100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどを含み、Webサーバ100による処理結果を表示する。
【0027】
インタフェース装置107は、Webサーバ100をデータ伝送路Nに接続するインタフェースである。これにより、Webサーバ100は、インタフェース装置107を介して、ジョブサーバ300sや画像処理装置200sとデータ通信を行うことができる。
【0028】
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、装置全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(商標又は登録商標)」や「UNIX(商標又は登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))、及びシステム上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。また、HDD108は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
【0029】
ドライブ装置103は、着脱可能な記録媒体103aとのインタフェースである。これにより、Webサーバ100は、ドライブ装置103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aには、例えば、フロッピー(商標又は登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカード(SD Memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
【0030】
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、Webサーバ100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、情報処理システム設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU106は、上記記憶装置(「HDD」や「ROM」)から、プログラムやデータをRAM(メモリ)上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する処理装置である。
【0031】
以上のように、本実施形態に係るWebサーバ100では、上記ハードウェア構成により、情報処理サービスを提供することができる。なお、Webサーバ100は、入力装置101及び表示装置102を備えていない構成であってもよい。この点については、ジョブサーバ300でも同様である。
【0032】
《画像処理装置》
図3は、本実施形態に係る画像処理装置200のハードウェア構成例を示す図である。
図3に示すように、画像処理装置200は、コントローラ210、操作パネル220、プロッタ230、及びスキャナ240などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0033】
操作パネル220は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報を利用者に提供したり、動作設定や動作指示などの各種利用者操作を受け付けたりする。なお、Webサーバ100から取得したジョブリストは、操作パネル220の表示部に表示され、所定のGUI(Graphical User Interface)などの入力部により、利用者からのジョブ実行指示を受け付ける。
【0034】
プロッタ230は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ240は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0035】
コントローラ210は、CPU211、記憶装置212、ネットワークI/F213、及び外部記憶I/F214などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0036】
CPU211は、プログラムを実行することで装置全体を制御する。また、記憶装置212は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM、不揮発性のメモリであるROM、及び大容量の記憶領域を備えたHDDなどがある。RAMは、CPU211のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置200では、CPU211がROMに格納されたプログラムをRAM(メモリ)上に読み出し、プログラムを実行する。
【0037】
ネットワークI/F213は、画像処理装置200をネットワークなどの所定のデータ伝送路Nに接続するためのインタフェースである。外部記憶I/F214は、外部記憶装置にあたる記録媒体214aを接続するためのインタフェースである。記録媒体214aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置200は、外部記憶I/F214を介して、記録媒体214aに格納されたプログラムやデータを読み取る。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置200では、上記ハードウェア構成により、画像処理サービスを提供することができる。
【0039】
<印刷制御機能>
本実施形態に係る印刷制御機能について説明する。
本実施形態に係るWebサーバ100では、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバ300sとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置200sとの間に共通して介在し、両装置間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する。
【0040】
Webサーバ100は、画像処理装置200sから受け付けた利用者のジョブリスト取得要求に従って、画像処理装置200sの設置エリアSと異なるエリアに設置されるジョブサーバ300sからジョブリストを取得する。Webサーバ100は、取得したジョブリストを画像処理装置200sに応答する。その結果、画像処理装置200sでは、当該装置の設置エリアSと異なるエリアのジョブサーバ300sに蓄積された利用者のジョブがリスト表示される。Webサーバ100は、画像処理装置200sから受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバ300sから該当ジョブデータを取得する。Webサーバ100は、取得したジョブデータを画像処理装置200sに応答する。その結果、画像処理装置200sでは、受信したジョブデータが印刷され、利用者が所望するジョブが実行される。本実施形態に係るWebサーバ100は、このような印刷制御機能を有している。
【0041】
従来では、利用者が、画像処理装置200sに表示されたジョブリストから、実行したいジョブを選択できない場合があった。なぜなら、一般的に、ジョブが蓄積されたジョブサーバ300sは、オフィスなどのようなエリア単位で設置されていることが多い。管理者は、エリアに設置された画像処理装置200sから接続するジョブサーバ300sに、同エリアに設置されたジョブサーバ300sを設定する。よって、利用者は、通常在籍するエリアと異なるエリアに移動し、蓄積ジョブを実行する場面で、上記問題が発生してしまう。
【0042】
そこで、本実施形態に係る印刷制御システム1では、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの間のデータ伝送路N上に設置されたWebサーバ100により、両装置間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する仕組みとした。
【0043】
これにより、本実施形態に係る印刷制御システム1では、ジョブサーバ300sが異なる設置エリアSに複数存在する場合でも、利用者が実行したいジョブを画像処理装置200sで選択でき、所望する印刷ジョブを実行できる。
【0044】
以下に、本実施形態に係る印刷制御機能の構成とその動作について説明する。
図4は、本実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係る印刷制御機能は、接続制御部11、ジョブリスト生成部12、ログイン部21、ジョブ取得部22、ジョブ実行部23、ジョブリスト提供部31、及びジョブ提供部32などを有している。接続制御部11及びジョブリスト生成部12は、Webサーバ100が有する機能部である。ログイン部21、ジョブ取得部22、及びジョブ実行部23は、画像処理装置200sが有する機能部である。ジョブリスト提供部31及びジョブ提供部32は、ジョブサーバ300sが有する機能部である。このように、本実施形態に係る印刷制御機能は、各機器が有する機能部が連携動作することで実現される。
【0045】
《ジョブサーバ》
ジョブリスト提供部31は、取得要求に応じて、蓄積ジョブの一覧情報であるジョブリストを送信し、要求元に提供する機能部である。また、ジョブ提供部32は、取得要求に応じて、実行指示された蓄積ジョブのジョブデータを送信し、要求元に提供する機能部である。これらの機能部は、利用者から受け付けたジョブデータが格納されるジョブ保持部30にアクセスし、要求された該当データを取得する。なお、ジョブ保持部30は、ジョブサーバ300sが備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0046】
ここで、ジョブ保持部30における蓄積ジョブの管理例について説明する。
例えば、ジョブ保持部30では、[ジョブ識別]や[ジョブ属性]などの情報項目がジョブ単位で対応づけられた管理情報に、格納されたジョブデータが紐づけられおり、蓄積ジョブが管理されている。[ジョブ識別]項目は、蓄積ジョブを識別する情報(以下「ジョブ識別情報」という)を保持する項目であり、項目値には、ジョブIDなどがある。[ジョブ属性]項目は、蓄積ジョブ属性の情報(以下「ジョブ属性情報」という)を保持する項目であり、項目値には、ジョブ名、利用者名、蓄積日時、ページ数などがある。なお、ジョブ属性情報は、例えば、ジョブデータを格納する際に、データ解析し、ジョブデータ内に含まれる書誌情報などの各種設定値を抽出することで取得できる。
【0047】
ジョブリスト提供部31は、ジョブリスト取得要求時に受け取った利用者名などの利用者を識別する情報(以下「利用者識別情報」という)に基づき、上記ジョブ保持部30を参照し、該当管理情報(利用者名が一致したジョブ属性情報を含む管理情報)を取得することで、利用者のジョブリストを生成する。これにより、ジョブリスト提供部31からは、要求されたジョブリストが提供される。
【0048】
また、ジョブ提供部32は、実行ジョブ取得要求時に受け付けたジョブIDなどのジョブ識別情報に基づき、上記ジョブ保持部30を参照し、該当管理情報(ジョブIDが一致したジョブ識別情報を含む管理情報)を特定することで、紐づけられたジョブデータを取得する。これにより、ジョブ提供部32からは、要求されたジョブデータが提供される。
【0049】
このように、ジョブサーバ300sでは、上記蓄積ジョブ管理処理が行われる。
【0050】
《Webサーバ》
接続制御部11は、データ伝送路N上のジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの接続を制御する機能部である。これにより、接続制御部11は、両装置間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する。つまり、Webサーバ100では、接続制御部11が、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの間のデータ通信を制御することで、ジョブに関するデータを中継している。
【0051】
接続制御部11は、次のような制御情報を保持する制御情報保持部10にアクセスし、該制御情報に設定された接続規則に従って、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの接続を制御する。なお、制御情報保持部10は、Webサーバ100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0052】
図5は、本実施形態に係る制御情報10D,10Dのデータ例を示す図である。
図5に示すように、本実施形態では、2種類の制御情報10D,10D(以降総称する場合「制御情報10D」という)を有している。(A)には、設置エリアSごとの画像処理装置200sが設定される制御情報10D(以下「画像処理装置情報10D」という)のデータ例が示されており、(B)には、設置エリアSごとのジョブサーバ300sが設定される制御情報10D(以下「ジョブサーバ情報10D」という)のデータ例が示されている。
【0053】
画像処理装置情報10Dは、[エリア識別]及び[画像処理装置識別]などの情報項目を対応づけて、システム1に接続された画像処理装置200sが設定されている。[エリア識別]項目は、設置エリアSを識別する情報(以下「エリア識別情報」という)を設定する項目であり、項目値には、エリア名などがある。[画像処理装置識別]項目は、画像処理装置200sを識別する情報(以下「装置識別情報」という)を設定する項目であり、項目値には、画像処理装置200sに割り当てられたネットワーク設定値(例えば「IPアドレス:Internet Protocol address」)などがある。
【0054】
ジョブサーバ情報10Dは、[エリア識別]及び[ジョブサーバ識別]などの情報項目を対応づけて、システム1に接続されたジョブサーバ300sが設定されている。[エリア識別]項目は、エリア識別情報を設定する項目である。[ジョブサーバ識別]項目は、ジョブサーバ300sを識別する情報(以下「サーバ識別情報」という)を設定する項目であり、項目値には、ジョブサーバ300sに割り当てられたネットワーク設定値などがある。
【0055】
なお、上記項目値は、例えば、管理者により予め設定しておく。従来では、このような制御情報10Dが、ジョブサーバ300sごとに保持されていたため、制御情報10Dの管理作業を、設置エリアSのジョブサーバ300sごとに行っていた。しかし、本実施形態では、制御情報10Dが、Webサーバ100で一括管理されているため、管理作業が簡素化でき、管理者の負担が軽減される。
【0056】
図4の説明に戻る。ジョブリスト生成部12は、画像処理装置200sへのジョブリストを生成する機能部である。ジョブリスト生成部12は、ジョブサーバ300sから受信したジョブリストに、該ジョブサーバ300sのサーバ識別情報を付加し、画像処理装置200sへのジョブリストを生成する。また、ジョブリスト生成部12は、Webサーバ100が、複数のジョブサーバ300sから、それぞれジョブリストを受信した場合に、受信した複数のジョブリストを1つのジョブリストに統合(データをマージ)し、画像処理装置200sへのジョブリストを生成する。なお、以下の説明では、便宜上、複数のジョブリストが統合されたジョブリストを「統合ジョブリスト」という。
【0057】
本実施形態では、Webサーバ100が、画像処理装置200sから、ジョブリスト取得要求を受け付けると、次のような接続制御及びジョブリスト生成の動作が行われる。
【0058】
Webサーバ100は、画像処理装置200s1から、利用者ログイン時のジョブリスト取得要求を受け付けると、画像処理装置200s1から利用者識別情報及び装置識別情報を受信する。
【0059】
これを受けて、接続制御部11は、受信した装置識別情報に基づき、上記制御情報保持部10が保持する画像処理装置情報10Dを参照し、該当装置識別情報が対応づけられたエリア識別情報を取得することで、要求元の画像処理装置200s1の設置エリアSを特定する。接続制御部11は、取得したエリア識別情報に基づき、上記制御情報保持部10が保持するジョブサーバ情報10Dを参照し、該当エリア識別情報が対応づけられたサーバ識別情報を取得することで、接続先とするジョブサーバ300s1を決定する。
【0060】
その後、接続制御部11は、受信した利用者識別情報を、決定したジョブサーバ300s1に送信することで、ジョブリスト取得を要求する。接続制御部11は、ジョブサーバ300s1から応答された利用者のジョブリストを受信し、受信したジョブリストを、ジョブリスト生成部12に渡す。ジョブリスト生成部12は、受け取ったジョブリストにジョブサーバ300s1のサーバ識別情報を付加した画像処理装置200s1へのジョブリストを生成し、生成したジョブリストを接続制御部11に渡す。接続制御部11は、受け取ったジョブリストを、要求元の画像処理装置200s1に送信する。これにより、画像処理装置200s1では、該画像処理装置200s1と同じ設置エリアSのジョブサーバ300s1に蓄積された利用者のジョブがリスト表示される。
【0061】
このとき、利用者は、表示されたジョブリスト内に、実行したいジョブが存在した場合に、画面上でジョブを選択し、画像処理装置200s1に対して、ジョブの実行を指示する。
【0062】
Webサーバ100は、実行ジョブが選択された画像処理装置200s1から、実行ジョブ取得要求を受け付けると、画像処理装置200s1からジョブ識別情報及びサーバ識別情報を受信する。
【0063】
これを受けて、接続制御部11は、受信したジョブ識別情報を、サーバ識別情報により特定したジョブサーバ300s1に送信することで、実行ジョブ取得を要求する。接続制御部11は、ジョブサーバ300s1から応答された該当ジョブデータを受信し、受信したジョブデータを、要求元の画像処理装置200s1に送信する。その結果、画像処理装置200s1では、受信したジョブデータが印刷され、利用者が所望するジョブが実行される。
【0064】
一方、利用者は、表示されたジョブリスト内に、実行したいジョブが存在しない場合に、画面上で、ジョブリストを取得したジョブサーバ300s1以外のジョブサーバ300sn(異なる設置エリアのジョブサーバ)からジョブリストを取得するように、画像処理装置200s1に対して、ジョブリスト取得先の変更を指示する。
【0065】
Webサーバ100は、画像処理装置200s1から、ジョブリスト取得先変更時のジョブリスト取得要求を受け付けると、再び、画像処理装置200s1から利用者識別情報及び装置識別情報を受信する。
【0066】
これを受けて、接続制御部11は、受信した装置識別情報に基づき、上記制御情報保持部10が保持する画像処理装置情報10Dを参照し、該当装置識別情報が対応づけられていないエリア識別情報を取得することで、要求元の画像処理装置200s1の設置エリアSと異なるエリアSを特定する。接続制御部11は、取得したエリア識別情報に基づき、上記制御情報保持部10が保持するジョブサーバ情報10Dを参照し、該当エリア識別情報が対応づけられたサーバ識別情報を取得することで、変更接続先とするジョブサーバ300snを決定する。
【0067】
その後、接続制御部11は、受信した利用者識別情報を、決定したジョブサーバ300snに送信することで、ジョブリスト取得を要求する。接続制御部11は、ジョブサーバ300snから応答された利用者のジョブリストを受信し、受信したジョブリストを、ジョブリスト生成部12に渡す。ジョブリスト生成部12は、受け取ったジョブリストにジョブサーバ300snのサーバ識別情報を付加した画像処理装置200s1へのジョブリストを生成し、生成したジョブリストを接続制御部11に渡す。なお、ジョブリスト生成部12では、受け取ったジョブリストが複数の場合、統合ジョブリストを生成し、生成したジョブリストを接続制御部11に渡す。接続制御部11は、受け取ったジョブリストを、要求元の画像処理装置200s1に送信する。これにより、画像処理装置200s1では、該画像処理装置200s1と異なる設置エリアSのジョブサーバ300snに蓄積された利用者のジョブがリスト表示される。
【0068】
このように、Webサーバ100では、上記中継処理が行われる。
【0069】
本実施形態に係る印刷制御システム1では、まず、Webサーバ100が、画像処理装置200s1から、利用者ログイン時のジョブリスト取得要求を受け付けると、画像処理装置200s1と同じ設置エリアSのジョブサーバ300s1からジョブリストを取得し、要求元の画像処理装置200s1に応答する。これにより、画像処理装置200s1には、当該装置の設置エリアSと同じ設置エリアSのジョブサーバ300s1に蓄積された利用者のジョブがリスト表示される。
【0070】
次に、印刷制御システム1では、表示されたジョブリスト内に、利用者が実行したいジョブが存在しない場合、Webサーバ100が、画像処理装置200s1から、ジョブリスト取得先変更時のジョブリスト取得要求を受け付けると、画像処理装置200s1と異なる設置エリアSのジョブサーバ300snからジョブリストを取得し、要求元の画像処理装置200s1に応答する。これにより、画像処理装置200s1には、当該装置の設置エリアSと異なるエリアSのジョブサーバ300snに蓄積された利用者のジョブがリスト表示される。その結果、印刷制御システム1では、利用者がジョブを蓄積したジョブサーバ300Snの設置エリアSと異なるエリアSに、利用者が移動した場合であっても、移動先の画像処理装置200S1から、ジョブサーバ300Snに蓄積しておいたジョブを選択し、実行することができる。
【0071】
《画像処理装置》
ログイン部21は、利用者のログイン処理を行う機能部である。ログイン部21は、例えば、画像処理装置200sが備える操作パネル220に表示されたログイン画面から、利用者の入力操作を受け付けて、利用者識別情報などを含むログイン情報を取得する。なお、ログイン情報を受け付ける方法は、ログイン画面上の入力に限らない。例えば、画像処理装置200sに、外部記憶I/F214を介して接続される記録媒体読み取り装置(非図示)から、利用者のログイン情報が記録された記録媒体214aを読み取ることでログイン情報を受け付けてもよい。
【0072】
ジョブ取得部22は、ジョブサーバ300sの蓄積ジョブを取得する機能部である。画像処理装置200sでは、上述したように、操作パネル220の画面上に、利用者のジョブリストを表示し、該ジョブリストからジョブが選択されたことを受けて、利用者からのジョブ実行指示を受け付ける。これにより、画像処理装置200sは、Webサーバ100を介して、実行指示されたジョブが蓄積されたジョブサーバ300sから、該当ジョブデータを取得する。よって、ジョブ取得部22は、これらの動作を実現するため、ジョブリスト表示部221及びジョブ選択受付部222などを有している。
【0073】
ジョブリスト表示部221は、利用者のジョブリストを表示する機能部である。ジョブリスト表示部221は、ジョブリスト表示を指示する操作イベントを受け付けると、ログイン部21が取得したログイン情報に含まれる利用者識別情報及び画像処理装置200sの装置識別情報を、Webサーバ100に送信することで、ログイン利用者のジョブリスト取得を要求する。その結果、ジョブリスト表示部221は、Webサーバ100から応答されたジョブリストを受信する。ジョブリスト表示部221は、例えば図6に示すようなジョブリスト22DD,22D(以降総称する場合「ジョブリスト22D」という)を受信する。
【0074】
図6は、本実施形態に係るジョブリスト22Dのデータ例を示す図である。
図6に示すように、本実施形態では、ジョブリスト取得要求の種別に応じて、2種類のジョブリスト22D,22Dを取得する。(A)には、利用者ログイン時のジョブリスト取得要求に対して応答されたジョブリスト22Dのデータ例が示されており、(B)には、ジョブリスト取得先変更時のジョブリスト取得要求に対して応答されたジョブリスト22Dのデータ例が示されている。
【0075】
ジョブリスト22Dは、[ジョブサーバ識別]、[ジョブ識別]、及び[ジョブ属性]などの情報項目の項目値が含まれている。[ジョブサーバ識別]項目は、サーバ識別情報の項目であり、項目値は、ジョブリストを提供したジョブサーバ300sのネットワーク設定値である。[ジョブ識別]項目は、ジョブ識別情報の項目であり、項目値は、利用者が蓄積したジョブのジョブIDである。[ジョブ属性]項目は、ジョブ属性情報の項目であり、項目値は、ジョブ名、利用者名、蓄積日時、ページ数などである。
【0076】
Webサーバ100は、利用者ログイン時のジョブリスト取得要求を受け付けると、画像処理装置200sと同じ設置エリアSのジョブサーバ300sをジョブリスト取得要求先(接続先)として決定する。これは、画像処理装置200sの設置エリアSは、利用者が通常在籍するエリアであることが多く、利用者が、ジョブを、画像処理装置200sと同じ設置エリアSのジョブサーバ300sに蓄積している場合が多いことから、利用者が実行したいジョブが蓄積されている確率の高いジョブサーバ300sからジョブリストを取得しているためである。そのため、ジョブリスト表示部221は、例えば(A)に示すような、特定の設置エリアSのジョブサーバ300sのサーバ識別情報と該ジョブサーバ300sが保持する利用者の蓄積ジョブに関する情報とが対応づけられたジョブリスト22Dを受信する。
【0077】
一方、Webサーバ100は、ジョブリスト取得先変更時のジョブリスト取得要求を受け付けると、要求元の画像処理装置200sと異なる設置エリアSのジョブサーバ300sを、ジョブリスト取得要求先(接続先)として決定する。これは、要求元の画像処理装置200sと同じ設置エリアSのジョブサーバ300s以外で、利用者が実行したいジョブの蓄積候補となるジョブサーバ300sからジョブリストを取得しているためである。そのため、ジョブリスト表示部221は、例えば(B)に示すような、複数の設置エリアSのジョブサーバ300sのサーバ識別情報と各ジョブサーバ300sが保持する利用者の蓄積ジョブに関する情報とが対応づけられたジョブリスト22Dを受信することになる。
【0078】
なお、以降の説明では、便宜上、ジョブリスト22Dを「基本ジョブリスト(基本表示情報)22D」と称し、ジョブリスト22Dを「拡張ジョブリスト(拡張表示情報)22D」と称す。
【0079】
ジョブリスト表示部221は、受信した上記ジョブリスト22Dを、操作パネル220に、例えば図7に示すような画面で表示する。
【0080】
図7は、本実施形態に係るジョブ実行の操作画面例を示す図である。
図7には、利用者がジョブリストからジョブを選択し、[Print]ボタンを押下することで、ジョブ実行指示可能な操作画面例が示されている。
【0081】
また、操作画面W1には、2つのタブ画面が表示されている。具体的には、[PullPrint]タブ画面と[FollowMe]タブ画面である。これらのタブ画面は、画面上で重畳表示される。これにより、利用者は、タブ押下により、[PullPrint]タブ画面と[FollowMe]タブ画面とを切り替て表示させることができる。
【0082】
例えば、図7に示す操作画面例では、[PullPrint]タブ画面が、[FollowMe]タブ画面に重畳表示されている。
【0083】
[PullPrint]タブ画面は、ログイン画面からの遷移画面であり、利用者からジョブリスト表示の指示を受け付けると表示される。よって、[PullPrint]タブ画面には、基本ジョブリスト22Dが表示される。
【0084】
一方、[FollowMe]タブ画面は、利用者により[FollowMe]タブが押下されると、[PullPrint]タブ画面に重畳表示される。本実施形態では、[FollowMe]タブの押下イベントに基づき、利用者からのジョブリスト取得先の変更指示を受け付ける。よって、[FollowMe]タブ画面には、拡張ジョブリスト22Dが表示される。
【0085】
図4の説明に戻る。ジョブ選択受付部222は、ジョブリストからのジョブ選択を受け付ける機能部である。つまり、ジョブ選択受付部222は、ログイン利用者からのジョブ実行指示を受け付ける。ジョブ選択受付部222は、実行ジョブを選択する操作イベントを受け付けると、ジョブリスト22Dから、選択ジョブのジョブ識別情報、及び選択ジョブに対応づけられたサーバ識別情報を取得し、取得したジョブ識別情報及びサーバ識別情報を、Webサーバ100に送信することで、ログイン利用者の実行ジョブ取得を要求する。その結果、ジョブ取得部22は、Webサーバ100から応答された実行ジョブのジョブデータを受信する。
【0086】
ジョブ実行部23は、ジョブを実行する機能部である。ジョブ実行部23は、ジョブ取得部22が取得したジョブデータを実行する。なお、本実施形態では、ジョブデータの印刷を想定している。よって、ジョブ実行部23は、ジョブデータに含まれる各種動作設定を、画像処理装置200sが備えるプロッタ230に設定し、ジョブデータを変換したラスタイメージをプロッタ230に渡すことで、印刷を行う。
【0087】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、システム1を構成する各機器に搭載(インストール)されるプログラム(印刷制御機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0088】
本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すシーケンス図及びフローチャートを用いて説明する。
【0089】
《印刷制御の主な処理》
図8は、本実施形態に係る印刷制御の処理手順例を示すシーケンス図である。図8には、画像処理装置200s1において、ログイン利用者の基本ジョブリスト22Dが表示され、実行ジョブの指示を受け付け、印刷が行われるまでの処理手順例が示されている。
【0090】
図8に示すように、画像処理装置200s1は、ログイン部21により、ログイン利用者の利用者識別情報を含むログイン情報を、ジョブ取得部22に渡す(ステップS101)。
【0091】
次に、画像処理装置200s1は、画面上で、ログイン利用者のジョブリスト表示指示を受け付けると、ジョブ取得部22により、ログイン利用者の利用者識別情報及び当該装置の装置識別情報を、Webサーバ100に送信し、基本ジョブリスト22Dの取得を要求する(ステップS102)。
【0092】
Webサーバ100は、画像処理装置200s1から、基本ジョブリスト取得要求を受け付けると、接続制御部11により、制御情報保持部10にアクセスし、保持される制御情報10Dを参照(ステップS201)し、基本ジョブリスト22Dを取得するジョブサーバ300sを接続先として決定する(ステップS202)。
【0093】
このとき、接続制御部11は、例えば、画像処理装置200s1の装置識別情報が[001.002.003.011]で、図5に示す制御情報10Dを参照した場合、次のように接続先を決定する。接続制御部11は、画像処理装置200s1から受信した装置識別情報に基づき、画像処理装置情報10Dを参照し、該当装置識別情報が対応づけられたエリア識別情報[Japan]を取得し、画像処理装置200s1の設置エリアSを特定する。接続制御部11は、取得したエリア識別情報に基づき、ジョブサーバ情報10Dを参照し、該当エリア識別情報が対応づけられたサーバ識別情報[001.002.003.010]を取得し、接続先とするジョブサーバ300s1を決定する。
【0094】
次に、Webサーバ100は、接続制御部11により、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報を、決定したジョブサーバ300s1に送信し、ログイン利用者のジョブリストの取得を要求する(ステップS203)。
【0095】
ジョブサーバ300s1は、Webサーバ100から、ジョブリスト取得要求を受け付けると、ジョブリスト提供部31により、ジョブ保持部30にアクセスし、ログイン利用者の蓄積ジョブに関する情報を含むジョブリスト22Dを取得する(ステップS301)。このとき、ジョブリスト提供部31は、Webサーバ100から受信した利用者識別情報に基づき、蓄積ジョブの管理情報から、ログイン利用者の該当管理情報を抽出し、ジョブリスト22Dを取得する。
【0096】
次に、ジョブサーバ300s1は、ジョブリスト提供部31により、ジョブリスト22Dを、Webサーバ100に送信し、ジョブリスト取得要求に応答する(ステップS302)。
【0097】
Webサーバ100は、ジョブサーバ300s1から、ジョブリスト応答を受け付けると、接続制御部11により、ジョブサーバ300s1から受信したジョブリスト22Dを、ジョブリスト生成部12に渡し、基本ジョブリスト22Dの生成を要求する(ステップS204)。
【0098】
次に、Webサーバ100は、ジョブリスト生成部12により、受け取ったジョブリスト22Dに、ジョブサーバ300s1(接続先)のサーバ識別情報を付加した基本ジョブリスト22Dを生成し(ステップS205)、生成したジョブリストを接続制御部11に渡し、基本ジョブリスト生成要求に応答する(ステップS206)。
【0099】
次に、Webサーバ100は、接続制御部11により、受け取った基本ジョブリスト22Dを、画像処理装置200s1に送信し、基本ジョブリスト取得要求に応答する(ステップS207)。
【0100】
画像処理装置200s1は、Webサーバ100から、基本ジョブリスト取得応答を受け付けると、ジョブ取得部22により、受信した基本ジョブリスト22Dを画面上に表示し、画面上でジョブが選択されることで、ログイン利用者からのジョブ実行指示を受け付ける(ステップS103)。
【0101】
ジョブ取得部22は、画面上で、ログイン利用者のジョブ実行指示を受け付けると、選択ジョブのジョブ識別情報及び選択ジョブが蓄積されるサーバ識別情報を、Webサーバ100に送信し、実行ジョブの取得を要求する(ステップS104)。このとき、ジョブ取得部22は、基本ジョブリスト22Dから、選択ジョブのジョブ識別情報、及び選択ジョブに対応づけられたサーバ識別情報を取得し、取得したジョブ識別情報及びサーバ識別情報を、Webサーバ100に送信し、ログイン利用者のジョブ取得を要求する。
【0102】
Webサーバ100は、画像処理装置200s1から、実行ジョブ取得要求を受け付けると、接続制御部11により、画像処理装置200s1から受信したジョブ識別情報を、サーバ識別情報により特定したジョブサーバ300s1に送信し、実行ジョブの取得を要求する(ステップS208)。
【0103】
ジョブサーバ300s1は、Webサーバ100から、実行ジョブ取得要求を受け付けると、ジョブ提供部32により、ジョブ保持部30にアクセスし、ログイン利用者の実行ジョブを取得する(ステップS303)。このとき、ジョブ提供部32は、Webサーバ100から受信したジョブ識別情報に基づき、蓄積ジョブの管理情報を参照し、蓄積ジョブの中から、該当管理情報に紐付いて保持されるジョブデータを取得する。
【0104】
次に、ジョブサーバ300s1は、ジョブ提供部32により、ジョブデータを、Webサーバ100に送信し、実行ジョブ取得要求に応答する(ステップS304)。
【0105】
Webサーバ100は、ジョブサーバ300s1から、実行ジョブ取得応答を受け付けると、接続制御部11により、ジョブサーバ300s1から受信したジョブデータを、画像処理装置200s1に送信し、実行ジョブ取得要求に応答する(ステップS209)。
【0106】
画像処理装置200s1は、Webサーバ100から、実行ジョブ取得応答を受け付けると、ジョブ取得部22により、Webサーバ100から受信したジョブデータを、ジョブ実行部23に渡し、ジョブの実行を要求する(ステップS105)。
【0107】
その結果、画像処理装置200s1では、ジョブ実行部23により、受け取ったジョブデータが印刷され、利用者が所望するジョブが実行される。
【0108】
《ジョブリスト表示制御の処理》
図9は、本実施形態に係る拡張ジョブリスト表示の処理手順例を示すシーケンス図である。図9には、画像処理装置200s1において、表示された基本ジョブリスト22D内に、ログイン利用者が実行したいジョブが存在せず、ジョブリスト取得先変更の指示を受け付け、拡張ジョブリスト22Dが表示されるまでの処理手順例が示されている。つまり、画像処理装置200s1が、図8に示したステップS103の処理で、ジョブリスト取得先変更の指示を受け付けた場合のジョブリスト表示処理である。
【0109】
図9に示すように、画像処理装置200s1は、画面上で[FollowMe]タブが押下されることで、ログイン利用者からのジョブリスト取得先変更指示を受け付ける(ステップS401)。
【0110】
画像処理装置200s1は、ログイン利用者のジョブリスト取得先変更指示を受け付けると、ジョブ取得部22により、ログイン利用者の利用者識別情報及び当該装置の装置識別情報を、Webサーバ100に送信し、拡張ジョブリスト22Dの取得を要求する(ステップS402)。
【0111】
Webサーバ100は、画像処理装置200s1から、拡張ジョブリスト取得要求を受け付けると、接続制御部11により、制御情報保持部10にアクセスし、保持される制御情報10Dを参照(ステップS501)し、拡張ジョブリスト22Dを取得するジョブサーバ300sを変更接続先として決定する(ステップS502)。
【0112】
このとき、接続制御部11は、例えば、画像処理装置200s1の装置識別情報が[001.002.003.011]で、図5に示す制御情報10Dを参照した場合、次のように接続先を決定する。接続制御部11は、画像処理装置200s1から受信した装置識別情報に基づき、画像処理装置情報10Dを参照し、該当装置識別情報が対応づけられていないエリア識別情報[Madrid]−[Paris]を取得し、画像処理装置200s1の設置エリアSと異なるエリアSを特定する。接続制御部11は、取得したエリア識別情報に基づき、ジョブサーバ情報10Dを参照し、該当エリア識別情報が対応づけられたサーバ識別情報[001.002.003.020]−[001.002.003.050]を取得し、変更接続先とするジョブサーバ300snを決定する。
【0113】
このように、Webサーバ100では、接続制御部11により、複数のサーバ識別情報を取得した場合、変更接続先とする複数のジョブサーバ300snが決定される。この場合、Webサーバ100と各ジョブサーバ300snとの間では、次のような処理が行われる。
【0114】
Webサーバ100は、接続制御部11により、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報を、決定した各ジョブサーバ300snに送信し、ログイン利用者のジョブリストの取得を要求する(ステップS503)。
【0115】
各ジョブサーバ300snは、Webサーバ100から、ジョブリスト取得要求を受け付けると、ジョブリスト提供部31により、ジョブ保持部30にアクセスし、ログイン利用者の蓄積ジョブに関する情報を含むジョブリスト22Dを取得する(ステップS601)。このとき、ジョブリスト提供部31は、Webサーバ100から受信した利用者識別情報に基づき、蓄積ジョブの管理情報から、ログイン利用者の該当管理情報を抽出し、ジョブリスト22Dを取得する。
【0116】
次に、各ジョブサーバ300snは、ジョブリスト提供部31により、ジョブリスト22Dを、Webサーバ100に送信し、ジョブリスト取得要求に応答する(ステップS602)。
【0117】
つまり、Webサーバ100と各ジョブサーバ300snとの間では、上記処理が、決定した接続先の数だけ行われる。
【0118】
次に、Webサーバ100は、各ジョブサーバ300snから、ジョブリスト応答を受け付けると、接続制御部11により、各ジョブサーバ300snから受信した複数のジョブリスト22Dを、ジョブリスト生成部12に渡し、拡張ジョブリスト22Dの生成を要求する(ステップS504)。
【0119】
次に、Webサーバ100は、ジョブリスト生成部12により、受け取った複数のジョブリスト22Dに、各ジョブサーバ300sn(変更接続先)のサーバ識別情報を付加し、サーバ識別情報が付加された複数のジョブリスト22Dを、1つのジョブリスト22Dに統合(マージ)した拡張ジョブリスト22Dを生成する(ステップS505)。ジョブリスト生成部12は、生成したジョブリスト22Dを接続制御部11に渡し、拡張ジョブリスト生成要求に応答する(ステップS506)。
【0120】
次に、Webサーバ100は、接続制御部11により、受け取った拡張ジョブリスト22Dを、画像処理装置200s1に送信し、拡張ジョブリスト取得要求に応答する(ステップS507)。
【0121】
画像処理装置200s1は、Webサーバ100から、拡張ジョブリスト取得応答を受け付けると、ジョブ取得部22により、受信した拡張ジョブリスト22Dを画面上に表示する(ステップS403)。
【0122】
これにより、画像処理装置200s1では、ジョブ実行の操作画面W1が、当該装置の設置エリアSと同じ設置エリアSのジョブサーバ300s1に蓄積された利用者のジョブのリスト表示から、当該装置の設置エリアSと異なるエリアSのジョブサーバ300snに蓄積された利用者のジョブのリスト表示に切り替わる。その結果、印刷制御システム1では、利用者がジョブを蓄積したジョブサーバ300Snの設置エリアSと異なるエリアSに、利用者が移動した場合であっても、移動先の画像処理装置200S1から、ジョブサーバ300Snに蓄積しておいたジョブを選択し、実行することができる。
【0123】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係るWebサーバ100によれば、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバ300nとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置200nとの間に共通して介在し、両装置間で行われるジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する。
【0124】
Webサーバ100は、接続制御部11により、画像処理装置200S1から受け付けた利用者のジョブリスト取得要求に従って、画像処理装置200S1の設置エリアSと異なるエリアSに設置されるジョブサーバ300snからジョブリスト(拡張ジョブリスト)22Dを取得する。Webサーバ100は、接続制御部11により、取得したジョブリスト22Dを画像処理装置200s1に応答する。
【0125】
その結果、画像処理装置200s1では、ジョブリスト表示部221により、当該装置の設置エリアSと異なるエリアSのジョブサーバ300snに蓄積された利用者のジョブがリスト表示される。
【0126】
Webサーバ100は、接続制御部11により、画像処理装置200s1から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバ300snから該当ジョブデータを取得する。Webサーバ100は、接続制御部11により、取得したジョブデータを画像処理装置200s1に応答する。
【0127】
その結果、画像処理装置200s1では、ジョブ実行部23により、受信したジョブデータが印刷され、利用者が所望するジョブが実行される。
【0128】
これによって、本実施形態に係る印刷制御システム1では、ジョブを蓄積するジョブサーバ300sが異なる設置エリアSに複数存在する場合でも、利用者が実行したいジョブを画像処理装置200sで選択でき、所望する印刷ジョブを実行できる。その結果、印刷制御システム1では、利用者に利便性の高いジョブ実行サービスを提供できる。
【0129】
[変形例1]
図10は、本変形例に係る基本・拡張ジョブリスト表示制御の処理手順例を示すフローチャートである。図10には、Webサーバ100で、ジョブリスト表示制御時に行われる処理手順例が示されてる。
【0130】
例えば、図9では、ジョブ実行の操作画面W1上で[FollowMe]タブが押下され、ジョブリスト取得先変更指示を受け付けると、基本ジョブリスト表示から拡張ジョブリスト表示に切り替わる。つまり、ジョブリスト表示の切替は、ログイン利用者の画面操作を必要とする。
【0131】
そこで、本変形例では、ジョブサーバ300sにおける利用者の蓄積ジョブの有無に応じて、基本ジョブリスト表示から拡張ジョブリスト表示に切り替える制御処理を提案する。なお、以下の処理手順の中で、図8や図9と略同一の処理手順については、その説明を簡略化する。
【0132】
図10に示すように、Webサーバ100は、画像処理装置200s1から、基本ジョブリスト取得要求を受け付けると(ステップS701:YES)、接続制御部11により、画像処理装置200s1から受信した装置識別情報に基づき、制御情報保持部10に保持される制御情報10Dを参照する(ステップS702)。
【0133】
次に、接続制御部11は、装置識別情報から特定した設置エリアSに基づき、同じ設置エリアSのジョブサーバ300s1を、基本ジョブリスト22Dを取得する際の接続先として決定する(ステップS703)。
【0134】
次に、接続制御部11は、決定したジョブサーバ300s1から、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報に基づき、ログイン利用者のジョブリスト22Dを取得する(ステップS704)。
【0135】
このとき、接続制御部11は、ジョブリスト取得状態に基づき、接続先のジョブサーバ300s1に、ログイン利用者の蓄積ジョブが存在したか否かを判定する(ステップS705)。具体的には、接続制御部11は、取得したジョブリスト22DのデータがNULLか否かを、ジョブリスト取得状態として確認し、確認結果に基づき、ログイン利用者の蓄積ジョブの有無を判定する。
【0136】
接続制御部11は、取得したジョブリスト22DのデータがNULLではなく、接続先にログイン利用者の蓄積ジョブが存在した場合(ステップS705:YES)、ジョブリスト生成部12により、取得したジョブリスト22Dから、基本ジョブリスト22Dが生成される(ステップS711)。
【0137】
その結果、接続制御部11は、受け取った基本ジョブリスト22Dを、画像処理装置200s1に送信し、基本ジョブリスト取得要求に応答する(ステップS712)。
【0138】
一方、接続制御部11は、取得したジョブリスト22DのデータがNULLで、接続先にログイン利用者の蓄積ジョブが存在しない場合(ステップS705:NO)、再び、制御情報保持部10に保持される制御情報10Dを参照する(ステップS706)。
【0139】
次に、接続制御部11は、装置識別情報から特定した設置エリアSに基づき、異なる設置エリアSの各ジョブサーバ300snを、拡張ジョブリスト22Dを取得する際の変更接続先として決定する(ステップS707)。
【0140】
次に、接続制御部11は、決定した各ジョブサーバ300snから、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報に基づき、ログイン利用者のジョブリスト22Dを取得する(ステップS708)。
【0141】
このとき、接続制御部11は、決定した全てのジョブサーバ300snから、ログイン利用者のジョブリスト22Dを取得したか否かを判定する(ステップS709)。
【0142】
接続制御部11は、全てのジョブサーバ300snからジョブリスト22Dを取得した場合(ステップS709:YES)、ジョブリスト生成部12により、取得した複数のジョブリスト22Dから、拡張ジョブリスト22Dが生成される(ステップS710)。
【0143】
その結果、接続制御部11は、受け取った拡張ジョブリスト22Dを、画像処理装置200s1に送信し、基本ジョブリスト取得要求に応答する(ステップS712)。
【0144】
これにより、画像処理装置200s1には、ログイン利用者の蓄積ジョブが存在するジョブサーバ300sから取得したジョブリスト22Dが、ジョブ実行の操作画面W1上に表示される。なお、この場合、ジョブ実行の操作画面W1では、[FollowMe]タブ画面が、[PullPrint]タブ画面に重畳表示されている。その結果、印刷制御システム1では、画像処理装置200sの設置エリアSと同じ設置エリアのジョブサーバ300sに、利用者の蓄積ジョブが存在しなかった場合に、画面上で[FollowMe]タブを押下し、ジョブリスト取得先の変更を指示する必要がない、ジョブ実行時の操作環境を利用者に提供できる。
【0145】
[変形例2]
本変形例では、利用者が属する(在籍する)エリア(以下「利用者在籍エリア」という)とジョブの実行環境(利用者がジョブを実行しようとしている画像処理装置の設置エリア:以下「装置設置エリア」という)とが一致する場合に、基本ジョブリスト22Dを表示し、不一致の場合に、拡張ジョブリスト22Dを表示する制御処理を提案する。なお、以下では、図1〜図10と略同一の事項については、その説明を省略する。
【0146】
<システム構成>
図11は、本変形例に係る印刷制御システム1の構成例を示す図である。
図11には、LDAPサーバ400が含まれるシステム構成例が示されている。
LDAPサーバ400は、利用者認証機能を有する認証機器である。利用者認証機能は、画像処理装置200sに対するログイン時の利用者認証を行う機能である。よって、各設置エリアSの画像処理装置200sは、データ伝送路Nを介して、LDAPサーバ400に接続されている。画像処理装置200sは、利用者ログインを受け付けると、LDAPサーバ400に利用者認証を要求し、LDAPサーバ400から認証結果が応答される。
【0147】
以上のように、本変形例に係る印刷制御システム1では、画像処理装置200sの利用者認証を行うことで、機密性の高い印刷制御サービスを提供できる。
【0148】
<印刷制御構成>
図12は、本変形例に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
図12に示すように、本変形例に係る印刷制御機能は、図4に示した各機能部に加えて、認証部41をさらに有している。認証部41は、LDAPサーバ400が有する機能部である。
【0149】
《LDAPサーバ》
認証部41は、認証要求に応じて、利用者認証を行う機能部である。画像処理装置200sが有するログイン部21は、利用者の利用者識別情報及び認証データ(パスワード)を含むログイン情報を、LDAPサーバ400に送信することで、利用者認証を要求する。認証部41は、利用者認証要求を受け付けると、次のような利用者情報を保持する利用者情報保持部40にアクセスし、 画像処理装置200sから受信したログイン情報に基づき、利用者認証を行う。なお、利用者情報保持部40は、LDAPサーバ400が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたる。
【0150】
図13は、本変形例に係る利用者情報40Dのデータ例を示す図である。
図13に示すように、利用者情報40Dは、認証データを含む利用者に関する情報が設定されている。利用者情報40Dは、[利用者識別]、[エリア識別]、及び[利用者属性]などの情報項目が、利用者単位で対応づけられている。[利用者識別]項目は、利用者識別情報を保持する項目であり、項目値には、利用者IDなどがある。[エリア識別]項目は、利用者在籍エリアを識別するエリア識別情報を保持する項目であり、項目値には、エリア名などがある。[利用者属性]項目は、利用者属性の情報(以下「利用者属性情報」という)を保持する項目であり、項目値には、利用者名、認証データ、権限(利用制限設定)などがある。なお、上記項目値は、例えば、管理者により、画像処理装置200sの利用を許可する利用者ごとに、予め設定しておく。
【0151】
図12の説明に戻る。認証部41は、認証要求時に受け取った利用者識別情報に基づき、上記利用者情報保持部40を参照し、該当利用者属性情報(利用者名が一致した利用者属性情報)を取得する。認証部41は、認証要求時に受け取った認証データと取得した利用者属性情報に含まれる認証データとを比較し、一致するか否かを判定し、判定結果に基づき、利用者認証を行う。認証部41は、認証結果(利用許可/利用不許可)を、要求元の画像処理装置200sに送信することで、認証要求に応答する。このとき、認証部41は、認証要求された利用者が利用許可者であった場合に、認証結果とともに、利用者のエリア識別情報も送信する。
【0152】
《画像処理装置》
ジョブ取得部22は、ログイン部21が、LDAPサーバ400から、認証要求した利用者が利用許可者である旨の認証結果を受信すると、次のように動作する。ジョブ取得部22は、ジョブリスト表示を指示する操作イベントを受け付けると、ジョブリスト表示部221により、ログイン部21が取得したログイン情報に含まれる利用者識別情報、利用者のエリア識別情報、及び画像処理装置200sの装置識別情報を、Webサーバ100に送信することで、ログイン利用者のジョブリスト取得を要求する。
【0153】
《Webサーバ》
接続制御部11は、画像処理装置200sから、ジョブリスト取得要求を受け付けると、制御情報10Dを保持する制御情報保持部10にアクセスし、制御情報10Dに設定された接続規則に従って、ジョブサーバ300sと画像処理装置200sとの接続を制御する。このとき、接続制御部11は、画像処理装置情報10Dから、装置識別情報に基づき取得したエリア情報(装置の設置エリアを示すエリア情報)と取得要求時に受け取った利用者のエリア情報とを比較し、一致するか否かを判定する。これにより、接続制御部11は、判定結果に基づき、利用者在籍エリアと装置設置エリアとが一致するか否かを判定する。
【0154】
接続制御部11は、利用者在籍エリアと装置設置エリアとが一致した場合に、制御情報10Dに設定された接続規則に従って、ジョブリスト取得要求元の画像処理装置200s1の設置エリアSと同じ設置エリアSのジョブサーバ300s1を、接続先として決定し、決定したジョブサーバ300s1に、基本ジョブリスト22Dの取得を要求する。
【0155】
一方、接続制御部11は、利用者在籍エリアと装置設置エリアとが不一致の場合に、制御情報10Dに設定された接続規則に従って、ジョブリスト取得要求元の画像処理装置200s1の設置エリアSと異なる設置エリアSのジョブサーバ300snを、接続先として決定し、決定したジョブサーバ300snに、拡張ジョブリスト22Dの取得を要求する。
【0156】
《ジョブリスト表示制御の処理》
図14は、本変形例に係る基本・拡張ジョブリスト表示制御の処理手順例を示すシーケンス図である。
図14に示すように、画像処理装置200s1は、ログイン画面を介して、利用者のログイン情報を受け取ると、ログイン部21により、ログイン利用者の利用者識別情報及び認証データを、LDAPサーバ400に送信し、利用者認証を要求する(ステップS801)。
【0157】
LDAPサーバ400は、画像処理装置200s1から、利用者認証要求を受け付けると、認証部41により、利用者情報保持部40にアクセスし、保持される利用者情報40Dを参照し、ログイン利用者の利用者識別情報に基づき、利用者認証を行う(ステップS901)。このとき、認証部41は、ログイン利用者の利用者識別情報に基づき、利用者情報40Dから取得した利用者属性情報に含まれる認証データと認証要求時に受け取った認証データとを比較し、一致/不一致の判定結果に基づき、利用者認証を行う。
【0158】
これにより、LDAPサーバ400は、認証部41により、認証結果(利用許可/利用不許可)を、画像処理装置200s1に送信し、認証要求に応答する(ステップS902)。このとき、認証部41は、認証要求された利用者が利用許可者であった場合に、認証結果とともに、利用者のエリア識別情報も送信する。
【0159】
画像処理装置200s1は、LDAPサーバ400から、利用者認証応答を受け付けると、ログイン部21により、認証要求した利用者が利用許可者であるかを判定し、利用許可者であった場合に、LDAPサーバ400から受信した利用者のエリア識別情報を含む認証結果情報を、ジョブ取得部22に渡す(ステップS802)。
【0160】
画像処理装置200s1は、ジョブ取得部22により、ログイン利用者の利用者識別情報、利用者のエリア識別情報、及び当該装置の装置識別情報を、Webサーバ100に送信し、ジョブリスト22Dの取得を要求する(ステップS803)。
【0161】
Webサーバ100は、画像処理装置200s1から、ジョブリスト取得要求を受け付けると、接続制御部11により、制御情報保持部10にアクセスし、保持される制御情報10Dを参照する(ステップS1001)。
【0162】
Webサーバ100は、接続制御部11により、ログイン利用者が属するエリアを示すエリア識別情報と利用者がログインした画像処理装置200s1の設置エリアSを示すエリア識別情報とに基づき、利用者在籍エリアと装置設置エリアとが一致するか否かを判定する(ステップS1002)。このとき、接続制御部11は、画像処理装置情報10Dから、装置識別情報に基づき取得した画像処理装置200s1の設置エリアSを示すエリア情報と取得要求時に受け取った利用者のエリア情報とを比較し、一致するか否かを判定する。
【0163】
Webサーバ100は、利用者在籍エリアと装置設置エリアとが一致した場合、接続制御部11により、画像処理装置200s1の設置エリアS1と同じ設置エリアSのジョブサーバ300s1を接続先として決定する。一方、利用者在籍エリアと装置設置エリアとが不一致の場合は、画像処理装置200s1の設置エリアS1と異なる設置エリアSのジョブサーバ300snを接続先として決定する(ステップS1003)。
【0164】
[一致の場合]
Webサーバ100は、接続制御部11により、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報を、決定した各ジョブサーバ300snに送信し、ログイン利用者のジョブリスト22Dの取得を要求する(ステップS1004)。
【0165】
Webサーバ100は、接続制御部11により、決定したジョブサーバ300s1から、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報に基づき、ログイン利用者のジョブリスト22Dを取得する(ステップS1101)。
【0166】
次に、Webサーバ100は、ジョブサーバ300s1から、ジョブリスト応答を受け付けると、接続制御部11により、ジョブサーバ300s1から受信したジョブリスト22Dを、ジョブリスト生成部12に渡し、基本ジョブリスト22Dの生成を要求する(ステップS1005)。
【0167】
次に、Webサーバ100は、ジョブリスト生成部12により、受け取ったジョブリスト22Dに、ジョブサーバ300s1のサーバ識別情報を付加した基本ジョブリスト22Dを生成する(ステップS1006)。ジョブリスト生成部12は、生成した基本ジョブリスト22Dを接続制御部11に渡し、基本ジョブリスト生成要求に応答する(ステップS1007)。
【0168】
[不一致の場合]
Webサーバ100は、接続制御部11により、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報を、決定した各ジョブサーバ300snに送信し、ログイン利用者のジョブリスト22Dの取得を要求する(ステップS1004)。
【0169】
Webサーバ100は、接続制御部11により、決定した各ジョブサーバ300snから、画像処理装置200s1から受信した利用者識別情報に基づき、ログイン利用者のジョブリスト22Dを取得する(ステップS1101)。
【0170】
次に、Webサーバ100は、各ジョブサーバ300snから、ジョブリスト応答を受け付けると、接続制御部11により、各ジョブサーバ300snから受信した複数のジョブリスト22Dを、ジョブリスト生成部12に渡し、拡張ジョブリスト22Dの生成を要求する(ステップS1005)。
【0171】
次に、Webサーバ100は、ジョブリスト生成部12により、受け取った複数のジョブリスト22Dに、各ジョブサーバ300snのサーバ識別情報を付加し、サーバ識別情報が付加された複数のジョブリスト22Dを、1つのジョブリスト22Dに統合(マージ)した拡張ジョブリスト22Dを生成する(ステップS1006)。ジョブリスト生成部12は、生成した拡張ジョブリスト22Dを接続制御部11に渡し、拡張ジョブリスト生成要求に応答する(ステップS1007)。
【0172】
次に、Webサーバ100は、接続制御部11により、受け取ったジョブリスト22D(基本/拡張ジョブリスト)を、画像処理装置200s1に送信し、ジョブリスト取得要求に応答する(ステップS1008)。
【0173】
画像処理装置200s1は、Webサーバ100から、ジョブリスト取得応答を受け付けると、ジョブ取得部22により、受信したジョブリスト22D(基本/拡張ジョブリスト)を画面上に表示する(ステップS804)。
【0174】
これにより、画像処理装置200s1には、当該装置が利用者在籍エリアに設置された装置であれば、利用者在籍エリアに設置されたジョブサーバ300s1から取得したジョブリスト22Dが、優先的に、ジョブ実行の操作画面W1上に表示される。また、画像処理装置200s1には、当該装置が利用者在籍エリアに設置された装置でなければ、利用者在籍エリア外に設置されたジョブサーバ300snから取得したジョブリスト22Dが、優先的に、ジョブ実行の操作画面W1上に表示される。その結果、印刷制御システム1では、利用者が実行したいジョブを発見しやすい、ジョブ実行時の操作環境を利用者に提供できる。
【0175】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「印刷制御機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、システム1を構成する各機器(「Webサーバ」、「ジョブサーバ」、「画像処理装置」など)が備える演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0176】
上記プログラムは、例えば、Webサーバ100の場合、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103aに格納することができる。これにより、上記プログラムは、ドライブ装置103を介して、Webサーバ100にインストールすることができる。画像処理装置200の場合には、記録媒体214aに格納することができる。これにより、上記プログラムは、外部記憶I/F214を介して、画像処理装置200にインストールすることができる。
【0177】
また、Webサーバ100及び画像処理装置200は、インタフェース装置107やネットワークI/F213を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0178】
また、上記実施形態では、画像処理装置200が、Webサーバ100に蓄積された印刷ジョブを取得し、取得した印刷ジョブを実行する印刷制御システム1を例に説明を行ったが、この限りでない。例えば、画像データをジョブとしてWebサーバ100に蓄積しておき、投影装置(プロジェクタ)や表示装置(マルチメディアボード)などの画像処理装置200が、Webサーバ100に蓄積された画像データを取得し、取得した画像データを投影・表示するシステムであってもよい。
【0179】
つまり、上記実施形態で説明した機能は、画像処理装置200で処理可能なジョブをWebサーバ100に蓄積しておき、画像処理装置200が、Webサーバ100に蓄積されたジョブを取得し、取得したジョブを実行するシステムに適用できる。
【0180】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0181】
1 印刷制御システム
100 Webサーバ(情報処理装置)
10 制御情報保持部(D:制御情報,D:ジョブサーバ情報,D:画像処理装置情報)
11 接続制御部
12 ジョブリスト生成部
21 ログイン部
22 ジョブ取得部(D:ジョブリスト,D:基本ジョブリスト,D:拡張ジョブリスト)
221 ジョブリスト表示部
222 ジョブ選択受付部
23 ジョブ実行部
30 ジョブ保持部
31 ジョブリスト提供部
32 ジョブ提供部
40 利用者情報保持部(D:利用者情報)
41 認証部
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置(a:記録媒体)
104 RAM(揮発性の半導体メモリ)
105 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
106 CPU(演算装置)
107 インタフェース装置(NIC:Network I/F Card)
108 HDD(不揮発性の記憶装置)
200 画像処理装置
200 画像処理装置(a:転送元機器,b転送先機器)
210 コントローラ(制御基板)
211 CPU(演算装置)
212 記憶装置(ROM,RAM,HDD)
213 ネットワークI/F
214 外部記憶I/F(a:記録媒体)
220 操作パネル
230 プロッタ
240 スキャナ
300 ジョブサーバ(情報処理装置)
400 LDAPサーバ(情報処理装置)
B バス
N データ伝送路(ネットワーク)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0182】
【特許文献1】特開2008−107921号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータ伝送路を介して、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置とに接続する情報処理装置であって、
前記画像処理装置と前記ジョブサーバとの間で行われる前記ジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、
前記画像処理装置から受け付けた利用者の表示情報取得要求に従って、前記画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバから、利用者のジョブ一覧を示す表示情報を取得し、該表示情報を要求元の画像処理装置に応答し、
また、前記画像処理装置から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバから該当ジョブデータを取得し、該ジョブデータを要求元の画像処理装置に応答することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
設置エリアを識別するエリア識別情報と設置される画像処理装置を識別する装置識別情報とが対応づけられた画像処理装置情報と、前記エリア識別情報と設置されるジョブサーバを識別するサーバ識別情報とが対応づけられたジョブサーバ情報とを含む制御情報を所定の記憶領域に保持する制御情報保持手段を有し、
前記制御手段は、
利用者の表示情報取得要求時に、前記画像処理装置から受信した装置識別情報と前記制御情報保持手段で保持する制御情報とに基づき、前記表示情報を取得する際に接続するジョブサーバを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
利用者の表示情報取得要求時に、前記制御情報保持手段にアクセスし、
前記画像処理装置から受信した装置識別情報に基づき、前記画像処理装置情報を参照し、該装置識別情報に対応づけられたエリア識別情報を取得し、
取得したエリア識別情報に基づき、前記ジョブサーバ情報を参照し、該エリア識別情報に対応づけられていないサーバ識別情報を取得し、
取得したサーバ識別情報に基づき、前記表示情報を取得する接続先として決定し、
決定したジョブサーバに、前記画像処理装置から受信した利用者を識別する利用者識別情報を送信することで、要求元の画像処理装置の設置エリアと異なるエリアのジョブサーバに蓄積される利用者のジョブ一覧を示す拡張表示情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
利用者の表示情報取得要求時に、前記制御情報保持手段にアクセスし、
前記画像処理装置から受信した装置識別情報に基づき、前記画像処理装置情報を参照し、該装置識別情報に対応づけられたエリア識別情報を取得し、
取得したエリア識別情報に基づき、前記ジョブサーバ情報を参照し、該エリア識別情報に対応づけられたサーバ識別情報を取得し、
取得したサーバ識別情報に基づき、前記表示情報を取得する接続先として決定し、
決定したジョブサーバに、前記画像処理装置から受信した利用者を識別する利用者識別情報を送信することで、要求元の画像処理装置の設置エリアと同じエリアのジョブサーバに蓄積される利用者のジョブ一覧を示す基本表示情報を取得することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
要求元の画像処理装置の設置エリアと同じエリアに設置されるジョブサーバに、利用者のジョブが蓄積されておらず、前記基本表示情報が取得できない場合に、
要求元の画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバを、前記表示情報を取得する接続先として決定し、決定したジョブサーバから前記拡張表示情報を取得することを特徴とする請求項3及び4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の表示情報をデータ結合し、1つの表示情報に統合する情報統合手段を有し、
前記制御手段は、
前記ジョブサーバから複数の表示情報を取得した場合に、
前記情報統合手段により、1つの表示情報に統合し、統合した表示情報を、要求元の画像処理装置に応答することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
要求元の画像処理装置が設置される装置設置エリアと利用者が属する利用者在籍エリアとが一致するか否か判定し、判定結果に基づき、前記表示情報を取得する際に接続するジョブサーバを切り替えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
設置エリアを識別するエリア識別情報と設置される画像処理装置を識別する装置識別情報とが対応づけられた画像処理装置情報と、前記エリア識別情報と設置されるジョブサーバを識別するサーバ識別情報とが対応づけられたジョブサーバ情報とを含む制御情報を所定の記憶領域に保持する制御情報保持手段を有し、
前記制御手段は、
利用者の表示情報取得要求時に、前記制御情報保持手段にアクセスし、
前記画像処理装置から受信した装置識別情報に基づき、前記画像処理装置情報を参照し、該装置識別情報に対応づけられた装置設置エリアを識別するエリア識別情報を取得し、
取得したエリア識別情報と前記画像処理装置から受信した利用者在籍エリアを識別するエリア識別情報とが一致するか否かを判定し、
不一致と判定した場合に、
要求元の画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバを、前記表示情報を取得する接続先として決定し、決定したジョブサーバから前記拡張表示情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
要求元の画像処理装置の装置設置エリアを識別するエリア識別情報と利用者在籍エリアを識別するエリア識別情報とが一致するか否かを判定し、
一致と判定した場合に、
要求元の画像処理装置の設置エリアと同じエリアに設置されるジョブサーバを、前記表示情報を取得する接続先として決定し、決定したジョブサーバから前記基本表示情報を取得することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
所定のデータ伝送路を介して、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置が情報処理装置に接続される制御システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像処理装置と前記ジョブサーバとの間で行われる前記ジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する制御手段を有し、
前記画像処理装置は、
前記情報処理装置に利用者の表示情報取得を要求し、前記情報処理装置から応答された利用者のジョブ一覧を示す表示情報を表示し、表示画面を介して利用者の実行ジョブ指示を受け付けると、前記情報処理装置に利用者の実行ジョブ取得を要求し、前記情報処理装置から応答された実行ジョブのジョブデータを取得するジョブ取得手段と、
取得したジョブデータを実行するジョブ実行手段と、を有し、
前記画像処理装置が、
前記ジョブ取得手段により、利用者から受け付けたジョブ一覧の表示情報の取得を前記情報処理装置に要求し、
前記情報処理装置が、
前記制御手段により、前記画像処理装置から受け付けた利用者の表示情報取得要求に従って、前記画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバから、利用者のジョブ一覧を示す表示情報を取得し、該表示情報を要求元の画像処理装置に応答し、
前記画像処理装置が、
前記ジョブ取得手段により、前記情報処理装置から応答された前記表示情報を表示し、利用者から指示された実行ジョブの取得を前記情報処理装置に要求し、
前記情報処理装置が、
前記制御手段により、前記画像処理装置から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバから該当ジョブデータを取得し、該ジョブデータを要求元の画像処理装置に応答し、
前記画像処理装置が、
前記ジョブ実行手段により、前記情報処理装置から応答されたジョブデータを実行することを特徴とする制御システム。
【請求項11】
所定のデータ伝送路を介して、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置とに接続する情報処理装置における制御方法であって、
前記画像処理装置と前記ジョブサーバとの間で行われる前記ジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する制御手順を有し、
前記制御手順により、前記画像処理装置から受け付けた利用者の表示情報取得要求に従って、前記画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバから、利用者のジョブ一覧を示す表示情報を取得し、該表示情報を要求元の画像処理装置に応答し、
また、前記制御手順により、前記画像処理装置から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバから該当ジョブデータを取得し、該ジョブデータを要求元の画像処理装置に応答することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
所定のデータ伝送路を介して、ジョブの蓄積先にあたる複数のジョブサーバとジョブの実行環境にあたる複数の画像処理装置とに接続する情報処理装置における制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記画像処理装置と前記ジョブサーバとの間で行われる前記ジョブに関するデータ取得要求・応答処理を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段が、前記画像処理装置から受け付けた利用者の表示情報取得要求に従って、前記画像処理装置の設置エリアと異なるエリアに設置されるジョブサーバから、利用者のジョブ一覧を示す表示情報を取得し、該表示情報を要求元の画像処理装置に応答し、
また、前記制御手段が、前記画像処理装置から受け付けた利用者の実行ジョブ取得要求に従って、実行指示されたジョブが蓄積されるジョブサーバから該当ジョブデータを取得し、該ジョブデータを要求元の画像処理装置に応答するように動作させる制御プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−208915(P2012−208915A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261015(P2011−261015)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】