説明

情報処理装置、及びプログラム

【課題】比較的簡便な処理で、タグ情報の利便性を向上できる情報処理装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】検索の対象となる検索対象情報を保持し、検索対象情報に関連づけてタグ情報を記録する。指定したタグ情報に対する投票指示を利用者から受け入れると、当該指定されたタグ情報に対する投票数情報を設定する。タグ情報の変更指示を受けると、当該変更指示の対象となったタグ情報に関連づけられた投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めたしきい値を超える場合には、タグ情報の変更を受け入れないよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報など検索の対象となる情報についてタグ情報を設定可能な情報処理装置及びプログラムに係り、特にその利便性の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ウェブサイトで紹介されている商品を購入する、いわゆるネットショッピングが広く行われるようになっている。こうしたネットショッピングでは、多種ある商品から消費者が希望する商品を購入できるよう、利用者がそれぞれ商品に対して「タグ」と呼ばれるメタ情報を設定可能になっている場合がある。
【0003】
このタグ情報は、商品の検索に利用可能であるばかりでなく、いわゆる口コミの情報として利用できることから、その利便性に着目して広く採用されつつある。
【0004】
具体的に、こうしたタグ情報を利用する情報処理技術の例として、特許文献1,2に開示されているようなものがある。特許文献1には、アイテムのカテゴリを定義するカテゴリタグと、カテゴリタグに関連してアイテムの属性や特徴を規定するファクトタグとを用い、複数の利用者がそれぞれにタグ情報を設定可能になっている、共同環境におけるタグ情報の利便性を維持向上しようとする技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、共同環境において複数のユーザによって作成されたタグに関し、統計分析を実行してその結果を提供可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2010−505207号公報
【特許文献2】特表2009−529199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のタグ情報に関わる技術では、ある利用者が生成し、一旦は公共的利用に供されて便利に使われていたタグ情報であっても、当該生成した利用者等の一存でタグ情報が削除されたり、変更されたりする場合がある。このように公共性を獲得したタグ情報が特定の個人により削除されたり変更されたりするのでは、タグ情報に対する信頼が蓄積されず、利便性が低い。
【0008】
一方、共同環境において複数の利用者が同じタグ情報を付していれば、一方の利用者が削除・変更したとしても、他の利用者のタグ情報が残存することとはなるが、このようにする場合、異なる利用者が付した同じタグ情報を検索して関連づけるといった複雑な処理が必要となる。一般にタグ情報は完全同一であるとは限らないので、処理はより複雑となる。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、比較的簡便な処理で、タグ情報の利便性を向上できる情報処理装置、及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、情報処理装置であって、検索の対象となる検索対象情報を保持する手段と、前記検索対象情報の指定とともに、タグ情報の投稿を利用者から受け入れて、当該受け入れたタグ情報と、指定された検索対象情報とを関連づけて記録する手段と、前記タグ情報の指定とともに、タグ情報に対する投票指示を利用者から受け入れる投票受入手段と、当該指定されたタグ情報に対する投票指示の受け入れ回数を表す投票数情報を設定する投票数設定手段と、前記指定されたタグ情報に対して当該設定した投票数情報を関連づけて記録する投票数記録手段と、前記記録されているタグ情報の変更指示を受けると、当該変更指示の対象となったタグ情報に関連づけられた投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めたしきい値を超える場合には、タグ情報の変更を受け入れないよう制御する変更制御手段と、を含むこととしたものである。
【0011】
ここで投票受入手段は、指定されたタグ情報に対し、加点投票と減点投票とのいずれかを受け入れ、前記投票数設定手段は、前記指定されたタグ情報に対する加点投票が行われたときには投票数情報をインクリメントし、減点投票が行われたときには投票数情報をデクリメントすることとしてもよい。
【0012】
また、検索のキーとなるキー情報とともに、検索指示を受け入れる手段と、前記受け入れたキー情報に関連するタグ情報を検索する手段と、前記検索により見いだされたタグ情報の一覧を生成する手段と、前記生成されたタグ情報一覧に含まれるタグ情報に関連づけられ、かつ、当該タグ情報に関連する投票数情報が予め定めたしきい値を上回っている検索対象情報の一覧を生成して提示する手段と、をさらに含んでもよい。
【0013】
さらに、検索対象情報が選択されると、当該選択された検索対象情報に関連づけられているタグ情報と、各タグ情報に関連づけられた投票数情報とに基づいて、各タグ情報に関連する投票数情報の比を表すグラフ画像を生成して提供することとしてもよい。
【0014】
また、本発明の別の態様に係るプログラムは、コンピュータを、検索の対象となる検索対象情報を保持する手段と、前記検索対象情報の指定とともに、タグ情報の投稿を利用者から受け入れて、当該受け入れたタグ情報と、指定された検索対象情報とを関連づけて記録する手段と、前記タグ情報の指定とともに、タグ情報に対する投票指示を利用者から受け入れる投票受入手段と、当該指定されたタグ情報に対する投票指示の受け入れ回数を表す投票数情報を設定する投票数設定手段と、前記指定されたタグ情報に対して当該設定した投票数情報を関連づけて記録する投票数記録手段と、前記記録されているタグ情報の変更指示を受けると、当該変更指示の対象となったタグ情報に関連づけられた投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めたしきい値を超える場合には、タグ情報の変更を受け入れないよう制御する変更制御手段と、として機能させることとしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、比較的簡便な処理で、タグ情報の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の保持する情報の例を表す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報処理装置のタグ情報管理処理の例を表すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の投票管理処理の例を表すフローチャート図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る情報処理装置のタグ情報の変更処理の例を表すフローチャート図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る情報処理装置により生成されるインタフェース画面の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[基本構成]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態の情報処理装置1は、図1に例示するように、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含んで構成されている。
【0018】
制御部11は、CPUなどのプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態の制御部11は、記憶部12に格納されている、検索の対象となる検索対象情報の指定とともに、タグ情報の投稿を利用者から受け入れて、当該受け入れたタグ情報と、指定された検索対象情報とを関連づけて記憶部12に記録する。また、この制御部11は、タグ情報の指定とともに、タグ情報に対する投票指示を利用者から受け入れると、当該指定されたタグ情報に対する投票指示の受け入れ回数を表す投票数情報を設定し、指定されたタグ情報に対して当該設定した投票数情報を関連づけて記憶部12に記録する。
【0019】
さらに制御部11は、記録されているタグ情報の変更指示を受けると、当該変更指示の対象となったタグ情報に関連づけられた投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めたしきい値(変更しきい値)を超える場合には、タグ情報の変更を受け入れないよう制御する。この制御部11の具体的な処理の内容については、後に詳しく述べる。
【0020】
記憶部12は、メモリデバイスや、ディスクデバイスを含んで構成される。この記憶部12には制御部11によって実行されるプログラムが格納される。このプログラムは、DVD−ROM等のコンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部12に格納される。また、この記憶部12は制御部11のワークメモリとしても動作する。さらに本実施の形態では、記憶部12は、検索対象情報、タグ情報、及びタグ情報に対する投票情報のデータベースが格納される。
【0021】
具体的に、この記憶部12には、図2に例示するように、複数の検索対象情報(S)が格納される。ここで検索対象情報(S)は例えば、商品の情報等であり、一例としては各検索対象情報に固有の識別情報、商品の名称、写真、価格などの情報を含む。また検索対象情報(S)の各々には、図2に示すように各検索対象情報(S)について利用者が設定したタグ情報(T)が関連づけられている。ここでタグ情報(T)にはさらに、タグ情報を識別するタグ識別情報(D)と、タグを投稿した利用者を識別する利用者識別情報(U)と、投票数情報(V)とが関連づけられている。
【0022】
通信部13は、ネットワークインタフェース等であり、制御部11から入力される指示に従ってネットワークを介して接続されたクライアント装置2宛てに情報を送出する。また、この通信部13は、ネットワークを介して接続されたクライアント装置2から種々の情報を受信して制御部11に出力する。ここでクライアント装置2は、ウェブクライアントとして動作可能なパーソナルコンピュータ等である。
【0023】
本実施の形態では、タグ情報に関する各種の指示は、ネットワークを介して接続されたクライアント装置2の利用者が行い、ネットワークを介して情報処理装置1宛てに送信される。情報処理装置1では、クライアント装置2から各種指示を受信して、受け入れることになる。なお、情報処理装置1はクライアント装置2の利用者を予め認証しておいてもよい。この認証の処理は利用者名(利用者識別情報)とパスワードとを用いる一般的な認証処理を利用することができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0024】
次に本実施の形態の制御部11の動作について説明する。本実施の形態の制御部11は、基本的には、タグ情報の管理処理、投票管理処理、タグ情報の変更処理、及びタグ情報の提供処理を行う。以下に、それぞれの処理について説明する。
【0025】
[タグ情報管理処理]
制御部11によるタグ情報の管理処理は、タグ情報の投稿要求を利用者側のクライアント装置2から受け入れて開始され、図3に例示するように、投稿要求に含まれる検索対象情報の指定(いずれかの検索対象情報を特定する識別情報)と、タグ情報とを抽出する(S11)。
【0026】
制御部11は、記憶部12を参照して、処理S11で抽出した識別情報により識別される検索対象情報に関連づけて、処理S11で抽出したタグ情報が既に記録されているか否かを調べる(S12)。ここで既に記録されていない場合(Noの場合)は、処理S11で抽出されたタグ情報に、投票数情報として予め定めた初期値(例えば「1」)を設定して関連づけ(S13)、さらにこのタグ情報を、処理S11で抽出した情報で特定される検索対象情報と、投稿要求を行った利用者を識別する利用者識別情報とに関連づけて記憶部12に記録する。またタグ識別情報としてタグ情報ごとに固有の識別情報を発行して、このタグ情報に関連づけて記憶部12に記録する。
【0027】
一方、処理S12にて、処理S11で抽出した検索対象情報を特定する情報に関連づけて、処理S11で抽出したタグ情報が既に記録されているならば(Yesならば)、そのまま処理を終了する。
【0028】
[投票管理処理]
また、制御部11による投票管理処理は、記憶部12に格納されたタグ情報の指定とともに、タグ情報に対する投票指示を利用者側のクライアント装置2から受け入れて開始される。すなわち本実施の形態のある例では、利用者が、検索対象情報である商品の情報を要求したときに、当該要求に係る商品の情報とともに、当該商品の情報(検索対象情報)に関連づけられたタグ情報やそのタグ識別情報、並びに投票数情報を、利用者側のクライアント装置2へ送信する。
【0029】
そして利用者は、投票指示を行うべく、タグ情報を指定する際には、例えば要求した商品の情報とともに受信されたタグ情報を指定する。クライアント装置2は、指定されたタグ情報を特定するタグ識別情報を、投票指示とともに情報処理装置1へ送信する。
【0030】
情報処理装置1では、指定されたタグ情報を特定するタグ識別情報とともに投票指示が受信されると、制御部11が、図4に例示するように、記憶部12に格納されているタグ識別情報のうちから、受信されたタグ識別情報と一致するものを検索する(S21)。制御部11は、検索の結果、見出されたタグ識別情報に対して、タグ情報とともに関連づけられている投票数情報を「1」だけインクリメントして、投票数情報を設定し(S22)、当該設定した投票数情報を、処理S21での検索の結果、見出されたタグ識別情報に関連づけて(当該タグ識別情報に対して、タグ情報とともに関連づけられている投票数情報に上書きして)、記憶部12に格納する(S23)。
【0031】
[タグ情報の変更処理]
また利用者が、投票したタグ情報を変更または削除できるように、制御部11は、タグ情報の変更処理を実行する。この処理は、記憶部12に格納されたタグ情報の指定とともに、タグ情報に対する投票指示を利用者側のクライアント装置2から受け入れて開始される。すなわち、利用者側のクライアント装置2では、投票指示の際と同様に、指定されたタグ情報を特定するタグ識別情報を、変更指示とともに情報処理装置1へ送信する。
【0032】
情報処理装置1で指定されたタグ情報を特定するタグ識別情報とともに変更指示が受信されると、制御部11が、図5に例示する処理を開始し、記憶部12に格納されているタグ識別情報のうちから、受信されたタグ識別情報と一致するものを検索する(S31)。制御部11は、検索の結果、見出されたタグ識別情報に対して、タグ情報とともに関連づけられている投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めた変更しきい値を超えるか否かを調べる(S32)。ここで投票数情報が予め定めた変更しきい値を超えない場合(Noの場合)は、タグ情報の変更を受け入れるための画面(ウェブページ)をクライアント装置側に提示して(S33)、タグ情報の変更または削除を受け入れ(S34)、当該受け入れた内容に従ってタグ情報の変更処理を実行する(S35)。例えばタグ情報の変更が指示された場合、処理S31にて検索されたタグ情報を、処理S34で受け入れた変更後のタグ情報に書き換える。また、タグ情報の削除が指示された場合、処理S31にて検索されたタグ情報を、記憶部12から削除する。なお、タグ情報を記憶部12から削除するときには、当該削除することとなったタグ情報に関連づけられているタグ識別情報と、投票数情報とを併せて記憶部12から削除する。また、処理S35において、タグ情報が変更された場合、制御部11は当該変更されたタグ情報に関連づけられている投票数情報を初期値(例えば「1」)にリセットしてもよい。
【0033】
一方、処理S32において、処理S31にて見出されたタグ識別情報に対して、タグ情報とともに関連づけられている投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めた変更しきい値を超える場合(Yesの場合)、タグ情報の変更ができない旨の表示(例えばウェブページ)をクライアント装置側に提示して(S36)、処理を終了する。
【0034】
この制御部11の処理により、投票数情報が予め定めた変更しきい値を超える場合には、かかる変更しきい値を超える投票数情報に関連づけられたタグ情報の変更を受け入れないよう制御される。
【0035】
[タグ情報の提供処理]
次に、本実施の形態の情報処理装置1の制御部11によるタグ情報の提供処理について述べる。本実施の形態では、タグ情報は、検索対象情報としての商品情報を検索するための検索キーとして使用される。具体的に、利用者はクライアント装置2を操作して、キーワードなどの検索条件を入力し、タグ情報の検索を指示する。この検索条件と検索の指示とは、情報処理装置1に送信される。
【0036】
情報処理装置1が検索条件とタグ情報の検索の指示とを受信すると、制御部11は、記憶部12に格納されているタグ情報のうち、受信した検索条件に一致するもの(キーワードを含むものなど)を検索する。そして検索条件に一致するタグ情報の一覧を、検索指示の送信元であるクライアント装置2に対して送信する。この一覧はHTML等で記述して送信すればよい。
【0037】
クライアント装置2の利用者は、この一覧から、所望の検索キーとなるタグ情報を見出すと、クライアント装置2を操作して、当該見出したタグ情報を検索キーとして特定し、検索対象情報の検索を指示する。ここで特定された検索キーとしてのタグ情報と、検索の指示とは情報処理装置1に送信される。
【0038】
情報処理装置1は、この検索キーとしてのタグ情報と検索の指示とを受信する。そしてその制御部11は、記憶部12に格納されている検索対象情報のうちから、検索キーとして特定されたタグ情報に関連づけられている検索対象情報を選択する。そして制御部11は、当該選択した検索対象情報の一覧を生成し、この一覧に含まれる個々の検索対象情報に関連して、あるいは、利用者側のクライアント装置2から、この一覧のうちから一つの検索対象情報をさらに選択する指示を受けて、当該選択された検索対象情報を表示する際に、検索対象情報に関連づけられているタグ情報への投票数情報の分布をグラフ表示する。
【0039】
つまり制御部11は、図6に示すように、検索により、あるいは利用者により選択された検索対象情報について、当該選択された検索対象情報に関連づけられているタグ情報を記憶部12から読み出す。そして制御部11は、各タグ情報に関連づけられた投票数情報とに基づいて、各タグ情報に関連する投票数情報の比を表すグラフ画像を生成する。
【0040】
より具体的には、制御部11は、選択された検索対象情報に関連づけられたタグ情報ごとの投票数情報を、当該選択された検索対象情報に関連づけられたすべてのタグ情報に関する投票数情報の総和(全投票数)に対する割合(各タグ情報に関連する投票数情報の比)としてグラフ表示する(G)。なお、図6ではパイチャートとしているがこれに限られない。
【0041】
ここで予め定めたしきい値(少数しきい値)を下回る割合となるタグ情報(少数タグ)については「その他」としてとりまとめて(少数タグに関する投票数情報を総和して、「その他」の投票数情報とする)表示してもよい。また、少数タグはこのように、関連する投票数情報の全投票数に対する割合が予め定めた少数しきい値未満であるか否かによって定めるのではなく、関連する投票数情報の順にタグ情報を並べ替えたときに、予め定めた値Nを用いて、第N位より下の順位となるものを少数タグとしてもよい。
【0042】
また図6では、情報処理装置1が、グラフ(G)だけでなく、検索対象情報に関連づけられたタグ情報の一覧(L)を、各タグ情報に対する投票数情報とともに提供する例を示している。この一覧(L)のタグ情報は、投票数情報の大きいものから順に並べ替えて、第一位、第二位…というように順位で表示してもよい。
【0043】
さらに、一覧(L)に含まれる各タグ情報の表示には、各タグ情報に対する投票を指示するボタン(B)が関連づけられていてもよい。このとき、ボタン(B)には、関連するタグ情報のタグ識別情報と投票指示との送信指示が記述される。このような記述は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いる通信で広く使われるHTMLによって記述可能なものであり、広く知られている方法であるので、ここでの詳しい説明を省略する。
【0044】
この図6に示した画面の提供を受け、表示しているクライアント装置2において、利用者がいずれかのボタンをクリックすると、当該クリックされたボタンに関連するタグ情報を特定するタグ識別情報と、投票の指示とを情報処理装置1へ送信する。
【0045】
なお、ここでは制御部11が、記憶部12に格納されている検索対象情報のうちから、検索キーとして特定されたタグ情報に関連づけられている検索対象情報を選択して、検索対象情報の一覧を生成することとしていたが、これに代えて、検索キーとして特定されたタグ情報に関連づけられている検索対象情報であって、当該検索対象情報に関連づけられている、検索キーとなったタグ情報に関連する投票数情報が予め定めたしきい値(一覧しきい値と呼ぶ)を上回っているものを選択して、検索対象情報の一覧を生成することとしてもよい。このようにすると、検索キーとなったタグ情報に関連づけられている検索対象情報のうち、当該タグ情報に関連する投票数情報が一覧しきい値を下回る検索対象情報が一覧から削除される。
【0046】
[減点]
ここまでの説明では、投票の処理において投票数情報はインクリメントされるだけであったが、本実施の形態はこれに限られない。すなわち本実施の形態のある例では、利用者が投票を行うタグ情報を指定するとともに、投票数情報をインクリメント(加点)するか、デクリメント(減点)するかのいずれかをクライアント装置2に入力する。
【0047】
クライアント装置2は、指定されたタグ情報を特定するタグ識別情報と、加点するか減点するかを表す情報とを、投票指示とともに情報処理装置1へ送信する。
【0048】
情報処理装置1では、指定されたタグ情報を特定するタグ識別情報とともに投票指示が受信されると、制御部11が、記憶部12に格納されているタグ識別情報のうちから、受信されたタグ識別情報と一致するものを検索する。制御部11は、投票指示とともに受信した情報が「加点する」ことを意味するものである場合、検索の結果、見出されたタグ識別情報に対して、タグ情報とともに関連づけられている投票数情報を「1」だけインクリメントして、投票数情報を設定する(加点投票)。
【0049】
一方、制御部11は、投票指示とともに受信した情報が「減点する」ことを意味するものである場合、検索の結果、見出されたタグ識別情報に対して、タグ情報とともに関連づけられている投票数情報を「1」だけデクリメントして、投票数情報を設定する(減点投票)。
【0050】
そして制御部11は、このようにインクリメントまたはデクリメントして設定した投票数情報を、指定されたタグ情報を特定するタグ識別情報に関連づけて(当該タグ識別情報に対して、タグ情報とともに関連づけられている投票数情報に上書きして)、記憶部12に格納する。この例によると、タグ情報に関連づけられる投票数情報は、マイナスの値になる場合もあり得ることとなる。
【0051】
そしてこの例においても、投票数情報が予め定めた変更しきい値を超えないタグ情報については、その変更や削除を許諾するが、そのような処理に代えて、投票数情報が「0」以上で、かつ予め定めた変更しきい値を超えないタグ情報については、その変更や削除を許諾するが、投票数情報が予め定めた変更しきい値を超えるか、またはマイナスの値となっている場合は変更や削除を許諾しないよう制御してもよい。
【0052】
[タグ情報設定者による投票]
図5に例示した、タグ情報への投票を受け入れる処理では、投票者と、当該投票者が指定したタグ情報の投稿者とが一致していても、投票が可能となっていた。つまり、タグ情報の投稿者は、自分の投稿したタグ情報に対して投票が可能となっていた。
【0053】
しかしながら、本実施の形態では、タグ情報への投票を受け入れる処理の過程で投票をしようとする利用者を認証し、認証した利用者と、投票の対象となったタグ情報の投稿者(タグ情報に関連づけられた利用者識別情報で特定される利用者)とが一致するならば、投票数情報をインクリメント(またはデクリメント)せずに処理を終了してもよい。あるいは、認証した利用者と、投票の対象となったタグ情報の投稿者(タグ情報に関連づけられた利用者識別情報で特定される利用者)とが一致するならば、投票数情報を減点する指示である場合に限り、指示に従って投票数情報をデクリメントし、投票数情報を加点する指示である場合は投票数情報をインクリメントせずに処理を終了してもよい。
【0054】
[タグ情報の総数上限]
本実施の形態では、さらに、タグ情報の総数に上限を設けてもよい。すなわち、図3に例示したタグ情報の管理処理において、記憶部12を参照して、処理S11で抽出した識別情報により識別される検索対象情報に関連づけて、処理S11で抽出したタグ情報が既に記録されているか否かを調べるとともに、関連づけられているタグ情報の総数をカウントする。
【0055】
そして、処理S11で抽出した識別情報により識別される検索対象情報に関連づけて、処理S11で抽出したタグ情報が既に記録されているか、または、カウントしたタグ情報の総数が、予め定めたタグ情報の上限値以上となっている場合は、そのまま処理を終了してもよい。つまりこの場合は、処理S11で抽出した識別情報により識別される検索対象情報に関連づけて、処理S11で抽出したタグ情報が既に記録されておらず、かつ、カウントしたタグ情報の総数が、予め定めたタグ情報の上限値以上でない場合に限り、指定されたタグ情報を、処理S11で抽出した情報で特定される検索対象情報に関連づけて記憶部12に記録することとなる。
【0056】
[投票数情報の表示・検索への利用]
また本実施の形態の情報処理装置1の制御部11は、既に述べたグラフ表示のほかに、タグ情報の投票数情報を検索処理などにおいて用いることができる。具体的には、情報処理装置1が、検索キーとしてのタグ情報と、当該検索キーに関連する検索対象情報の検索の指示とを受信したときに、制御部11は、記憶部12に格納されている検索対象情報のうちから、検索キーとして特定されたタグ情報に関連づけられている検索対象情報であって、かつ、当該関連づけられたタグ情報に関連する投票数情報が予め定めたしきい値(選択しきい値と呼ぶ)を上回っているものを選択することとしてもよい。この選択しきい値を適宜設定することで、検索のキーとなったタグ情報に関連づけられていても、当該検索のキーとなったタグ情報に関連する投票数情報が「0」またはマイナスとなっている検索対象情報は、検索の結果として現れないこととなる。
【0057】
[動作例]
次に本実施の形態に係る情報処理装置1の動作例について述べる。以下の例では、製品「A」,「B」…の情報が、検索対象情報として記憶部12に記録されているものとする。
【0058】
ここで利用者Xが、製品「A」についてタグ情報「α」を投稿し、利用者Yが、製品「A」と「B」とについてタグ情報「β」を投稿し…と各利用者がタグ情報を投稿すると、次に例示するような状態となる。なお、以下では製品Aについてタグ情報「α」,「β」が関連づけられ、製品Aのタグ情報「α」について投票数が「1」、製品Aのタグ情報「β」について投票数が「2」である、という状態を、A:{α:1,β:2}というように表記する。この表記によると、上記の状態は例えば
A:{α:1,β:1…}
B:{β:1…}

というように表すことができる。以下、各利用者がタグ情報の投稿を行うことで、
A:{α:1,β:1…}
B:{β:1,γ:1…}
C:{α:1,ε:1…}

という状態となったとする。
【0059】
ここで各利用者がさらに、各製品の各タグ情報について投票を行うと、
A:{α:5,β:2…}
B:{β:1,γ:7…}
C:{α:−2,ε:3…}

などといった状態となる。
【0060】
以下、上述の変更しきい値を「2」とし、この変更しきい値以上の投票数情報に関連づけられたタグ情報に対する変更を許可しないようにしておくとする。このとき、利用者Yが、製品Aについてのタグ情報「β」の変更を要求すると、情報処理装置1は、製品Aに関連づけられたタグ情報βを見出し、さらにこのタグ情報βに関連づけられた投票数情報「2」を取得する。上記のように、ここでは変更しきい値を「2」として、これ以上の値となっている場合には関連づけられたタグ情報の変更を許諾しないこととしている。そこで情報処理装置1は、取得した、製品Aに関連するタグ情報βについての投票数情報が「2」であり、変更しきい値以上であることから、この利用者Yによる変更を許諾しないよう制御する。具体的には利用者Y側のクライアント装置2に対して「変更できません」のようなメッセージとともに、エラーを報知させる。
【0061】
一方、利用者Yが製品Bのタグ情報「β」を、タグ情報「δ」に変更する指示を行ったとする。この場合、情報処理装置1は、製品Bに関連づけられたタグ情報βを見出し、さらにこのタグ情報βに関連づけられた投票数情報「1」を取得する。この場合は、取得した投票数情報が、変更しきい値以上でないことから、この利用者Yによる変更を許諾し、利用者Y側のクライアント装置2に対して、タグ情報の変更を行わせるためのインタフェース画面を表示させる。利用者Yが、このインタフェース画面において「β」を「δ」とすべき旨の変更指示を行うと、クライアント装置2は当該指示を情報処理装置1に送信する。そして情報処理装置1は、当該指示に従って、製品Bに関連するタグ情報「β」を、タグ情報「δ」に変更する。これにより、記憶部12に格納された情報は、
A:{α:5,β:2…}
B:{δ:1,γ:7…}
C:{α:−2,ε:3…}

というような状態となる。なお、タグ情報は、製品(検索対象情報)ごとに独立して関連づけられているので、製品Bのタグ情報「β」を「δ」に変更しても、製品「A」のタグ情報「β」は、そのままである。
【0062】
次に、利用者によりキーワードなどの検索条件が入力され、タグ情報の検索が指示されたとする。ここでの検索条件により、タグ情報「α」及びタグ情報「β」が見出されるとすると、情報処理装置1は、これらα及びβを含む一覧を、検索の指示を送信したクライアント装置2に表示させる。
【0063】
当該クライアント装置2の利用者が、この一覧からタグ情報「α」を選択したとすると、情報処理装置1は、この選択されたタグ情報「α」を検索キーとして受け入れ、このタグ情報「α」に関連づけられた検索対象情報である商品の一覧を生成する。
【0064】
ここでは、タグ情報「α」に関連づけられた商品は、商品A及び商品Cであり、情報処理装置1はこれらを含んだ一覧を生成して、検索の指示を送信したクライアント装置2に表示させる。これにより利用者は、タグ情報「α」に関連した商品の一覧を得ることができる。ここで利用者が、いずれかの商品を選択する指示を行うと、情報処理装置1は、当該選択された商品を特定する情報を受け入れ、図6に例示したような表示を行う。一例として商品Aが選択され、商品Aが、
A:{α:5,β:2,θ:2,φ:1,ω:1}
のような状態にあるとする。このとき、少数しきい値を10%としておくと、関連づけられているタグ情報ごとの投票数情報の総和が5+2+2+1+1=11であることから、1/11<0.1なので、タグ情報のうちφ及びωが少数しきい値を下回る投票数情報に関連づけられていることとなる。そこでこれらを「その他」としてまとめ、まとめたタグ情報に関する投票数情報の総和である1+1=2が、「その他」のタグ情報に関する投票数情報であるとして情報処理装置1が演算する。
【0065】
情報処理装置1は、そして、αについて5/11、βについて2/11、θについて2/11、その他として2/11となるパイチャートを生成し、商品に関わる情報とともに、このパイチャートを表示するよう、クライアント装置2に対して指示する。かかる指示の方法は、ウェブサービスで広く知られた方法を採用できる。
【0066】
また、ここでは商品の一覧を表示する際にはタグ情報に関連する投票数情報を用いていなかったが、投票数情報が、一覧しきい値である「0」を下回る場合は、商品の一覧に含めないこととしてもよい。この場合、クライアント装置2の利用者が、タグ情報の一覧からタグ情報「α」を選択したとすると、情報処理装置1は、この選択されたタグ情報「α」を検索キーとして受け入れ、このタグ情報「α」に関連づけられた検索対象情報を検索する。ここでは、タグ情報「α」に関連づけられた商品は、商品A及び商品Cであり、情報処理装置1はこれら商品A及び商品C(検索対象情報)を含む仮の一覧を生成する。次に情報処理装置1は、この仮の一覧に含まれる各商品(検索対象情報)において、検索キーとなったタグ情報「α」に関連する投票数情報が一覧しきい値を下回る商品があるか否かを調べ、そのような商品があれば、仮の一覧から除く。
【0067】
ここでは、商品Cについてタグ情報「α」の投票数情報が「−2」なので、商品Cが仮の一覧から除かれる。そして商品Aを含み、商品Cを含まない商品の一覧がクライアント装置2に提供されることとなる。
【0068】
このように本実施の形態によると、検索の結果などに表示される投票数情報の如何により、タグ情報の変更が行われないよう制御され、比較的簡便な処理で、タグ情報の利便性を向上できる。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置、2 クライアント装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索の対象となる検索対象情報を保持する手段と、
前記検索対象情報の指定とともに、タグ情報の投稿を利用者から受け入れて、当該受け入れたタグ情報と、指定された検索対象情報とを関連づけて記録する手段と、
前記タグ情報の指定とともに、タグ情報に対する投票指示を利用者から受け入れる投票受入手段と、
当該指定されたタグ情報に対する投票指示の受け入れ回数を表す投票数情報を設定する投票数設定手段と、
前記指定されたタグ情報に対して当該設定した投票数情報を関連づけて記録する投票数記録手段と、
前記記録されているタグ情報の変更指示を受けると、当該変更指示の対象となったタグ情報に関連づけられた投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めたしきい値を超える場合には、タグ情報の変更を受け入れないよう制御する変更制御手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記投票受入手段は、指定されたタグ情報に対し、加点投票と減点投票とのいずれかを受け入れ、
前記投票数設定手段は、前記指定されたタグ情報に対する加点投票が行われたときには投票数情報をインクリメントし、減点投票が行われたときには投票数情報をデクリメントすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
検索のキーとなるキー情報とともに、検索指示を受け入れる手段と、
前記受け入れたキー情報に関連するタグ情報を検索する手段と、
前記検索により見いだされたタグ情報の一覧を生成する手段と、
前記生成されたタグ情報一覧に含まれるタグ情報に関連づけられ、かつ、当該タグ情報に関連する投票数情報が予め定めたしきい値を上回っている検索対象情報の一覧を生成して提示する手段と、
を含む請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
検索対象情報が選択されると、当該選択された検索対象情報に関連づけられているタグ情報と、各タグ情報に関連づけられた投票数情報とに基づいて、各タグ情報に関連する投票数情報の比を表すグラフ画像を生成して提供する請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
検索の対象となる検索対象情報を保持する手段と、
前記検索対象情報の指定とともに、タグ情報の投稿を利用者から受け入れて、当該受け入れたタグ情報と、指定された検索対象情報とを関連づけて記録する手段と、
前記タグ情報の指定とともに、タグ情報に対する投票指示を利用者から受け入れる投票受入手段と、
当該指定されたタグ情報に対する投票指示の受け入れ回数を表す投票数情報を設定する投票数設定手段と、
前記指定されたタグ情報に対して当該設定した投票数情報を関連づけて記録する投票数記録手段と、
前記記録されているタグ情報の変更指示を受けると、当該変更指示の対象となったタグ情報に関連づけられた投票数情報を参照し、当該投票数情報が予め定めたしきい値を超える場合には、タグ情報の変更を受け入れないよう制御する変更制御手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−43186(P2012−43186A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183911(P2010−183911)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(510225409)有限会社Slash One (1)
【Fターム(参考)】