説明

情報処理装置、情報処理システム及びプログラム

【課題】記録媒体に電子文書の画像を形成する時に文書のレイアウトを変更し、該記録媒体において追記がされても、追記された位置が電子文書のどの位置になるか特定できるようにする。
【解決手段】紙文書DAには、文書データDが示す電子文書の画像と、複数行複数列で紙面上の座標がエンコードされたコード画像が形成されている。ペン型装置30は、コード画像を読み取り、紙に形成されている文書の文書ID、追記の経路を表す情報、及び追記がされた紙文書DAのページ番号を追記アプリP3へ渡す。追記アプリPは、電子文書のページを紙に画像形成した時のレイアウトを特定し、電子文書において追記がされるページを特定する。また、追記アプリP3は、紙文書DAにおける追記の経路の座標を、電子文書上の座標に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、文書の電子データを紙に印刷し、印刷された文書に加筆された文字などを元の電子データに反映させる技術が開示されている。具体的には、特許文献1に係る文書管理システムは、光学的に読み取り可能なコードシンボルを紙などの印刷媒体にマトリクス状に印刷すると共に、電子データが表す文書を印刷媒体に印刷する。コードシンボルは、印刷媒体及び印刷媒体においてコードシンボルが印刷された面に対してユニークな識別情報と、印刷媒体におけるコードシンボルの座標を示す情報がエンコードされている。
印刷媒体に加筆を行うペン型座標入力装置は、印刷媒体上のコードシンボルを読み取ってデコードすることにより、印刷媒体の識別情報と印刷媒体における先端部の座標を求め、求めた座標を筆記軌跡のデータとして記憶する。情報処理装置は、ペン型座標入力装置が読み取った識別情報を取得すると、取得した識別情報で特定される文書をディスプレイに表示する。また、情報処理装置は、ペン型座標入力装置が読み取った座標情報を取得すると、この座標情報に基づいて描画される図形を表示されている文書に重畳して表示し、座標情報を図形ファイルとして保存する。
なお、文書に情報を表すコードパターンの画像を形成する技術としては、例えば特許文献2に開示された技術などもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4224228号明細書
【特許文献2】特開2007−179111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録媒体に電子文書の画像を形成する時に文書のレイアウトを変更し、該記録媒体において追記がされても、追記された位置が電子文書のどの位置になるか特定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、前記電子文書の画像の形成と、前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出す設定情報読み出し手段と、前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段とを有する。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記設定情報記憶手段は、前記文書データを識別する文書識別子と前記設定情報とを対応付けて記憶し、前記出力手段は、さらに前記文書識別子及び前記記録媒体のページ番号を含む前記コード画像の形成を画像形成装置に指示し、前記情報取得手段は、前記追記がされた前記記録媒体のページ番号及び前記追記がされた前記記録媒体に形成されている文書の前記文書識別子を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得し、前記設定情報読み出し手段は、前記情報取得手段で取得された文書識別子に対応付けられている前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出し、前記座標変換手段は、前記電子文書において追記がされるページを前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報と前記情報取得手段が取得した前記ページ番号に基づいて特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項1または請求項2に記載の構成において、前記座標変換手段で特定したページにおいて、前記座標変換手段で変換後の座標を接続して得られる線を前記電子文書に追記する追記手段を有する。
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項3に記載の構成において、前記追記手段は、前記座標変換手段で特定したページが前記電子文書に存在しない場合、前記電子文書にページを追加し、追加したページに線を追記する構成を有する。
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項3または請求項4に記載の構成において、前記追記手段は、前記座標変換手段で変換後の座標が、前記電子文書がとる座標の範囲外となる場合、前記電子文書にページを追加し、追加したページに線を追記する構成を有する。
【0008】
本発明の請求項6に係る情報処理装置は、電子文書の画像の形成と、前記電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報及び前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標と前記設定情報とを前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記情報取得手段が取得した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段とを有する。
【0009】
本発明の請求項7に係る情報処理システムは、電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、前記電子文書の画像の形成と、前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出す設定情報読み出し手段と、前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段とを有する情報処理装置と、前記記録媒体に追記を行う追記手段と、前記記録媒体に形成されている前記コード画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段で取得されたコード画像をデコードし、前記記録媒体上の座標を取得するデコード手段と、前記追記手段による追記の開始から終了までの間に前記デコード手段で取得された前記座標を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記座標を前記情報取得手段へ送る送付手段と、を有する書込装置とを有する。
【0010】
本発明の請求項8に係るプログラムは、コンピュータを、電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、前記電子文書の画像の形成と、前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出す設定情報読み出し手段と、前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1,2,6〜8に記載の構成によれば、記録媒体に電子文書の画像を形成する時に文書のレイアウトを変更し、該記録媒体において追記がされても、追記された位置が電子文書のどの位置になるか特定できる。
本発明の請求項3に記載の構成によれば、記録媒体に追記された線を電子文書に追記することができる。
本発明の請求項4に記載の構成によれば、記録媒体において追記がされた位置が電子文書に存在しなくても記録媒体に追記された線を電子文書に追記できる。
本発明の請求項5に記載の構成によれば、記録媒体において追記がされた位置が、電子文書がとる座標の範囲外であっても記録媒体に追記された線を電子文書に追記できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの全体構成を示した図。
【図2】情報処理装置10のハードウェア構成を示した図。
【図3】アプリケーションプログラムを実行して実現する機能のブロック図。
【図4】表示部107に表示されるメニュー画面を示した図。
【図5】設定情報テーブルの内容を示した図。
【図6】紙1枚に複数ページがある場合のページのレイアウトパターンを示した図。
【図7】ペン型装置30のハードウェア構成を示した図。
【図8】記憶部105に記憶された設定情報を示した図。
【図9】情報処理装置10の動作を説明するための図。
【図10】文書データの文書を示した図。
【図11】画像が形成された紙文書を示した図。
【図12】ペン型装置30により追記された線を示した図。
【図13】ストローク情報の内容を示した図。
【図14】情報処理装置10の動作を説明するための図。
【図15】ペン型装置30により追記された位置を示した図。
【図16】文書データの文書において線が追記された状態を示した図。
【図17】紙1枚に複数ページがある場合のページのレイアウトパターンを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムを構成する装置を示した図である。
情報処理装置10は、本実施形態においては、パーソナルコンピュータであり、オペレーティングシステムを実現するプログラムやアプリケーションプログラムを記憶している。情報処理装置10は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク40を介して画像形成装置20A,20Bと通信を行う。また、情報処理装置10は、USB(Universal Serial Bus)の規格に準拠したコネクタを有しており、このコネクタに接続されるペン型装置30から情報を取得する。
画像形成装置20A,20Bは、紙などの記録媒体に電子写真方式で画像を形成する装置である。本実施形態においては、画像形成装置20Aと画像形成装置20Bは異なる機種である。画像形成装置20,20Bは、ネットワーク40を介して情報処理装置10と通信を行い、情報処理装置10から送られる情報に基づいて紙に画像を形成する。なお、本実施形態においては、画像形成装置20A,20Bは、電子写真方式で紙に画像を形成するが、画像を形成する方式は電子写真方式に限定されるものではなく他の方式であってもよい。
ペン型装置30は、画像形成装置20A,20Bにおいて画像が形成された紙にインクによって文字や図などの追記を行うための書込装置である。ペン型装置30は、情報処理装置10と通信を行う機能、紙に記録された情報を読み取り、読み取った情報を記憶する機能、記憶した情報を情報処理装置10へ送信する機能などを有している。
【0014】
(情報処理装置10の構成)
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示したブロック図である。図2に示したように、情報処理装置10の各部は、バス101に接続されており、このバス101を介して各部間で情報のやり取りを行う。
【0015】
表示部107は、本実施形態においては、画像を表示する表示装置として液晶ディスプレイを備えており、情報処理装置10を操作するためのメニュー画面や各種メッセージ、画像等を表示する。なお、表示装置は液晶ディスプレイに限定されるものではなく、CRT(Cathode Ray Tube)やEL(electroluminescence)を用いたディスプレイなど他の表示装置であってもよい。
操作部106は、情報処理装置10を操作するためのキーボードやマウスを備えている。ユーザがこのキーボードやマウスを操作することにより、情報処理装置10に対する各種指示や情報の入力及び各種設定が行われる。
通信部108は、ネットワーク40に接続され、ネットワーク40に接続されている他の装置と通信を行う通信インターフェースとして機能する。
情報取得部109は、本実施形態においては、USBの規格に準拠したコネクタを備えており、ペン型装置30が接続される。情報取得部109は、USBの規格に従ってペン型装置30と通信を行い、ペン型装置30に記憶されている情報を取得する。
【0016】
記憶部105は、本実施形態においては、ハードディスク装置を具備しており、情報処理装置10にオペレーティングシステムの機能を実現させるプログラム、ワードプロセッサーの機能を実現するアプリケーションプログラムP1(以下、ワープロアプリP1と略称する)、ワードプロセッサーの機能により作成された電子文書を表す文書データなどを記憶する。
また、記憶部105は、電子文書の画像形成を画像形成装置20A,20Bに行わせる機能を実現するアプリケーションプログラム(以下、画像形成アプリP2と称する)、ペン型装置30によって紙に追記された内容を、ペン型装置30から取得した情報に基づいて電子文書に加える機能を実現するアプリケーションプログラム(以下、追記アプリP3と称する)などを記憶する。
ROM(Read Only Memory)103は、IPL(Initial Program Loader)を記憶しており、CPU(Central Processing Unit)102は、ROM103に記憶されているIPLを読み出して実行する。IPLが実行されると、記憶部105からオペレーティングシステムの機能を実現させるプログラムが読み出されて実行される。また、オペレーティングシステムの機能を実現させるプログラムが実行されると、ワープロアプリP1、画像形成アプリP2、追記アプリP3などを実行することが可能となる。
【0017】
図3は、各種アプリケーションプログラムをCPU102が実行したことにより実現する機能の構成を示したブロック図である。
ワープロアプリP1が実行され、電子文書が作成されると電子文書を表す文書データDが生成されて記憶部105に記憶される。なお、ワープロアプリP1により生成される文書データDには、電子文書を一意に識別する文書識別子(以下、文書ID)が含まれる。
【0018】
また、ワープロアプリP1において、電子文書の画像形成を指示する操作が行われると、画像形成アプリP2が実行され、出力部P21、設定情報記憶部P22、設定情報取得部P23が実現し、画像形成を指示された電子文書の文書データDがワープロアプリP1から出力部P21へ渡される。
【0019】
出力部P21は、電子文書の画像形成を画像形成装置20A,20Bに指示するものである。出力部P21は、電子文書の画像形成を行う画像形成装置をユーザに指定させるメニュー画面を表示する。図4は、このメニュー画面を例示した図である。リストボックスB1は、画像形成装置を指定するユーザインターフェースである。ユーザは、操作部106を操作してリストボックスB1を操作し、電子文書の画像形成を行う画像形成装置を指定する。例えば、本実施形態においては、画像形成装置20Aを指定する場合には、ユーザは、リストボックスB1で装置名「Dev1」を選択し、画像形成装置20Bを指定する場合にはリストボックスB1で装置名「Dev2」を選択する。
【0020】
出力部P21は、図4のメニュー画面において「OK」ボタンB2をクリックする操作が行われると、リストボックスB1において選択されている装置名と、ワープロアプリP1から渡された文書データDの文書IDを設定情報記憶部P22へ渡す。
また、出力部P21は、設定情報記憶部P22から設定情報(設定情報については後述する)が渡されると、紙に形成するコード画像を生成する。本実施形態に係るコード画像は、例えば特開2008−9833号公報に開示されているコードパターンを画像化したものであり、紙の全面に複数行複数列で形成される画像である。一つのコード画像は、二次元に配列された複数のドットで構成されており、コード画像が配置されている紙文書のページ番号、文書ID及びコード画像が配置されている紙面上の座標を示す位置情報がエンコードされている。なお、コード画像は、複数のドットが二次元で配置されているものであれば、特開2008−9833号公報に開示されているものに限定されず、例えばData Matrix、Code One、Maxi Code、QR codeなど他のコード画像であってもよい。また、コード画像の配置は、紙の全面に規則的に配置されていれば複数行複数列のマトリクス状ではなく他の配置であってもよい。
出力部P21は、文書データが表す画像にコード画像を複数行複数列で重畳し、コード画像が重畳された画像を表すイメージデータを生成する。出力部P21は、イメージデータの生成が終了すると、生成したイメージデータと、設定情報記憶部P22から渡された設定情報を画像形成装置20へ送る。
【0021】
設定情報記憶部P22は、電子文書の画像が形成される紙のサイズ(横サイズ:PX、縦サイズ:PY)、電子文書の画像を形成するときの画像の拡大/縮小率(p)、電子文書の複数ページを1枚の紙にまとめて画像形成するときの紙1枚あたりの電子文書のページ数(u)、電子文書の複数ページを1枚の紙にまとめて画像形成するときの電子文書の各ページのレイアウトパターン(t)など画像形成時のレイアウトを表す情報(以下、設定情報と称する)を記憶するものである。設定情報記憶部P22は、出力部P21から渡された装置名を設定情報取得部P23へ渡し、設定情報取得部P23から返される設定情報と、出力部P21から渡された文書IDを対応付けて記憶部105に記憶する。また、設定情報記憶部P22は、記憶した設定情報を出力部P21へ渡す。
【0022】
設定情報取得部P23は、画像形成装置20A,20Bを一意に識別する装置名と、画像形成装置20A,20B毎に設定された設定情報とを対応付けた設定情報テーブルを有している。設定情報取得部P23は、設定情報記憶部P22から装置名を受け取ると、受け取った装置名に対応付けられている設定情報を設定情報記憶部P22へ渡す。
ここで図5は、設定情報テーブルの一例を示した図である。画像形成装置20Aの装置名「Dev1」に対しては、紙のサイズとして「A4(210,297)」、画像の拡大/縮小率として「100%」、紙1枚あたりのページ数として「2」、紙1枚におけるページのレイアウトパターンとして「1」が対応付けられている。また、画像形成装置20Bの装置名「Dev2」に対しては、紙のサイズとして「A4(210,297)」、画像の拡大/縮小率として「100%」、紙1枚あたりのページ数として「1」、紙1枚におけるページのレイアウトパターンとして「-」が対応付けられている。
【0023】
なお、本実施形態においては、紙1枚あたりのページ数を「2」とした場合、図6(a)に示したように、ページ番号の小さいページが左側になるレイアウトパターンを「1」とし、図6(b)に示したように、ページ番号の小さいページが右側になるレイアウトパターンを「2」としている。また、紙1枚に1ページ分の画像を形成する際には複数ページを1枚にレイアウトする時のようなレイアウトパターンが存在しないため、紙1枚あたりのページ数が「1」である場合には、設定情報テーブルにおいては、レイアウトパターンが無いことを示す「-」が対応付けられる。
また、紙1枚あたりのページ数を「2」とした場合、図6(a)に示したように紙の左下隅をコード画像の座標の原点とし、原点から上方向をx軸、原点から右方向をy軸として座標を定める。また、紙1枚あたりのページ数を「1」とした場合、図6(c)に示したように、紙の左上隅をコード画像の座標の原点とし、原点から右方向をx軸、原点から下方向をy軸として座標を定める。
【0024】
次に、追記アプリP3が実行された時に実現する機能について説明する。追記アプリP3が実行されると、ペン情報取得部P31、追記部P32、座標変換部P33、設定情報読み出し部P34が実現する。
ペン情報取得部P31は、ペン型装置30に記憶されている情報を取得するものである。ペン情報取得部P31は、情報取得部109を介して取得した情報を追記部P32へ渡す。ペン型装置30から取得した情報には、画像形成装置20A,20Bで画像が形成され、ペン型装置30により追記がされた紙文書DAの文書ID、該紙文書DAにおいてペン型装置30により追記がされたページのページ番号、ペン型装置30が紙面に接触してから離れるまでに記された線を示す座標の情報などが含まれる。
追記部P32は、ペン型装置30によって紙文書DAに追記された線を、ペン情報取得部P31から渡された情報をもとにして文書データDの電子文書に加えるものである。
座標変換部P33は、追記部P32から渡される情報に含まれる位置情報が表す座標を、電子文書上の座標に変換し、変換された座標を追記部P32に渡すものである。
設定情報読み出し部P34は、追記部P32から渡される文書IDを受け取り、文書IDに対応付けられている設定情報を記憶部105から読み出し、読み出した設定情報を追記部P32へ渡すものである。
【0025】
(ペン型装置30の構成)
図7は、ペン型装置30のハードウェア構成を示した図である。
制御部301は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有しており、ペン型装置30の各部を制御する。芯309は、紙に追記を行う追記手段の一例である。芯309は、インクを有しており、先端からインクを紙へ供給する。圧力センサ310は、芯309の末端に接触するように配置されている。芯309が紙文書に接触すると、芯309の末端から圧力センサ310に力が加わる。圧力センサ310は、力が加わったことを検知すると、力が加わったことを示す信号を制御部301へ出力する。
【0026】
発光部302は、本実施形態においては、赤外光を照射する発光ダイオードを有しており、赤外光を紙文書の表面に照射する。発光部302は、制御部301に接続されており、制御部301により赤外の照射/非照射が制御される。
画像取得部303は、本実施形態においては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)イメージセンサと、発光部302から照射されて紙文書の表面で反射した光をCMOSイメージセンサに案内するレンズを備えている。CMOSイメージセンサは、芯309の先端付近で反射されレンズで案内された赤外光を電気信号に変換し、紙文書DA表面の画像を表す信号を画像処理部304へ出力する。
画像処理部304は、画像取得部303から出力された信号が表す画像に画像処理を施し、画像処理が施された画像からコード画像を検出する。また、画像処理部304は、検出したコード画像を表すデジタルデータを、データ処理部305へ出力する。
ここで、画像取得部303と画像処理部304とにより、記録媒体からコード画像を取得するため、画像取得部303と画像処理部304は、記録媒体に形成されているコード画像を取得する画像取得手段ということができる。
【0027】
データ処理部305は、コード画像をデコードするデコード手段の一例である。データ処理部305は、画像処理部304から出力されたデジタルデータが表すコード画像についてデコード処理を行い、該コード画像に含まれている文書ID、ページ番号及び位置情報を取得する。また、データ処理部305は、制御部301に接続されており、取得した文書ID、ページ番号及び位置情報を制御部301へ出力する。
通信部306は、USBの規格に準拠したコネクタを備えており、制御部301に接続されている。このコネクタは、情報処理装置10の情報取得部109のコネクタに接続される。通信部306は、USBの規格に従ってコネクタを介して情報処理装置10と通信を行い、制御部301から出力された情報を情報処理装置10へ送る。つまり、通信部306は、情報を情報処理装置10へ送付する送付手段の一例である。
不揮発性メモリ307は、制御部301に接続されており、制御部301からアクセスされる。不揮発性メモリ307は、制御部301から送られる文書ID、ページ番号及び位置情報を記憶する。
電源部308は、二次電池を有しており、ペン型装置30の各部に電力を供給する。
【0028】
(実施形態の動作)
次に、本実施形態の動作について説明する。なお、以下の説明においては、まず、紙に文書データDの画像及びコード画像を形成する時の動作について説明し、次に文書データDの画像が形成された紙文書DAにペン型装置30で追記を行う時の動作について説明した後、紙文書DAに追記された内容を電子文書に加える時の動作について説明する。
【0029】
(紙に画像を形成する時の動作)
操作部106においてワープロアプリP1の実行を指示する操作が行われると、CPU102がワープロアプリP1を実行し、電子文書の作成が可能な状態となる。ここでユーザは、操作部106を操作し、ワードプロセッサーの機能により例えば紙のサイズをA4サイズとした縦置きの電子文書を作成する。ユーザが作成した電子文書を保存する操作を行うと、作成した電子文書を表す文書データDが生成されて記憶部105に記憶される。なお、ここで、文書データDは、電子文書を一意に識別する文書IDを有している。
【0030】
次に、ユーザが作成した電子文書の画像形成を指示する操作を操作部106において行うと、画像形成アプリP2が実行され、画像形成を指示された電子文書の文書データDがワープロアプリP1から出力部P21へ渡される。また、出力部P21により図4のメニュー画面が表示部107に表示される。ここで、装置名として「Dev1」が選択されている状態で「OK」ボタンB2をクリックする操作が操作部106において行われると、選択されている装置名と、文書データDの文書IDが設定情報記憶部P22へ渡される(図9:ステップS1)。
設定情報記憶部P22は、出力部P21から渡された装置名を設定情報取得部P23へ渡す(ステップS2)。設定情報取得部P23は、設定情報記憶部P22から装置名を受け取ると、受け取った装置名に対応付けられている設定情報を設定情報記憶部P22へ渡す。ここで装置名が「Dev1」である場合、図5において装置名「Dev1」に対応付けられている設定情報(サイズ「A4」、拡大/縮小率「100%」、紙1枚あたりのページ数「2」、ページのレイアウトパターン「1」)が設定情報記憶部P22へ渡される(ステップS3)。
【0031】
設定情報記憶部P22は、設定情報取得部P23から設定情報を受け取ると、文書データDの文書IDと、受け取った設定情報とを対応づけて図8に示したように記憶部105に記憶する(ステップS4)。また、設定情報記憶部P22は、記憶した設定情報を出力部P21へ渡す(ステップS5)。また、出力部P21は、設定情報記憶部P22から設定情報が渡されると、紙に形成するコード画像を生成する。出力部P21は、複数のコード画像が複数行複数列で紙の全体に配置されるように、文書データDが表す画像の全体にコード画像を重畳し、コード画像が重畳された画像を表すイメージデータを生成する(ステップS6)。出力部P21は、イメージデータの生成が終了すると、生成したイメージデータと、設定情報記憶部P22から渡された設定情報を画像形成装置20Aへ送る(ステップS7)。
【0032】
画像形成装置20は、イメージデータと設定情報とを受け取ると、受け取ったイメージデータと設定情報とに基づいて紙に画像を形成する(ステップS8)。ここで、文書データDの電子文書において、1ページ目〜4ページ目が図10に示した内容であった場合、設定情報がサイズ「A4」、拡大/縮小率「100%」、紙1枚あたりのページ数「2」、ページのレイアウトパターン「1」であるため、図11に示したように紙文書の1ページ目に電子文書の1ページ目と2ページ目の画像が形成され、紙文書の2ページ目に電子文書の3ページ目と4ページ目の画像が形成される。なお、図11には示されていないが、コード画像が紙文書DAの全面に黒のトナーによって形成される。また、紙文書DAの1ページ目のコード画像にはページ番号として「1」がエンコードされており、紙文書DAの2ページ目のコード画像にはページ番号として「2」がエンコードされている。
【0033】
(紙文書にペン型装置30で追記を行う時の動作)
次に、ユーザがペン型装置30で紙文書DAに追記を行った時の動作について説明する。ユーザは、コード画像と電子文書の画像が形成された紙文書DAに対してペン型装置30で追記を行う。具体的には、ユーザが芯309の先端を紙文書DAに接触させると、芯309の末端から圧力センサ310に力が加わり、力が加わったことを示す信号が圧力センサ310から制御部301へ出力される。制御部301は、この信号が入力されると、発光部302の発光ダイオードを点灯させる。発光部302からの光は紙文書DAの表面で反射し、画像取得部303へ入射する。画像取得部303においては、紙文書DAで反射した光がレンズによってCMOSイメージセンサへ導かれ、紙文書DAにおいて芯309の先端付近にあるコード画像がCMOSイメージセンサに結像する。CMOSイメージセンサは、結像した画像を予め定められた周期で電気信号に変換し、結像した画像を表す信号を画像処理部304へ出力する。
【0034】
画像処理部304は、画像取得部303から出力された信号が表す画像に画像処理を施してコード画像を検出する。また、画像処理部304は、検出したコード画像を表すデジタルデータを、データ処理部305へ出力する。データ処理部305は、画像処理部304から出力されたデジタルデータが表す画像についてデコード処理を行い、該画像に含まれている文書ID(12345)、ページ番号および位置情報をデコードする。
例えば、紙文書DAにおいて図12(a)に示した位置に芯309の先端が位置している場合、この位置付近にあるコード画像の座標(x1,y1)の位置情報がデコードされる。また、ペン型装置30の先端がある位置は、紙文書の1ページ目であるため、ページ番号として「1」がデコードされる。データ処理部305がデコードした文書ID、ページ番号および位置情報は、制御部301へ送られ、RAMに記憶される。
この後、ユーザが芯309の先端を紙に接触させたままペン型装置30を移動させると、芯309のインクによって紙文書DAに追記がなされる。また、移動中にCMOSイメージセンサに結像したコード画像がデコードされ、このコード画像に含まれている位置情報とページ番号が取得され、位置情報とページ番号が順次RAMに記憶される。つまり、ペン型装置30が紙面上で移動し、図12(b)に示したように、その座標が(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)というように変化すると、この座標を示す位置情報が順次RAMに記憶されることとなる。
【0035】
次に、ユーザが芯309の先端を紙文書DAから離すと、芯309の末端から圧力センサ310に力が加わらなくなり、圧力センサ310から制御部301へ信号が出力されなくなる。制御部301は、圧力センサ310から信号の入力がなくなると、発光部302の発光ダイオードを消灯させる。制御部301は、圧力センサ310から信号の入力が開始されてから終了するまでの間にRAMに記憶した位置情報(追記の経路を表す情報)((x1,y1)〜(x4,y4)、文書ID(12345)およびページ番号(1)を、ペン型装置30で追記された線を示す情報(以下、ストローク情報と称する)として不揮発性メモリ307に記憶する。
図13は、ペン型装置30の一回の運筆動作により記憶されたストローク情報の内容を例示した図である。ストローク情報は、テキストデータであり、<documentID>タグと</documentID>タグの間には文書IDが記述される。また、<pageNum>タグと</pageNum>タグの間には、追記がされた紙文書のページ番号が記述される。また、<position>タグと</position>タグの間には、RAMに記憶されていた位置情報がRAMに記憶された順番に記述される。
【0036】
ユーザは、さらに紙に追記を行う場合には、芯309を再度紙文書DAに接触させて移動させる操作を繰り返す。ペン型装置30においては、一回の運筆動作が終了する毎に不揮発性メモリ307にストローク情報が記憶される。
【0037】
(紙文書に追記された内容を文書データに加える時の動作)
次に、紙文書DAにペン型装置30で記された内容を、電子文書に加える時の動作について説明する。
ユーザは、紙文書DAへの追記を終了すると、通信部306のコネクタを情報取得部109のコネクタに接続する。次に、ユーザが、追記アプリP3の実行を指示する操作を操作部106において行うと、CPU102が追記アプリP3を実行し、ペン情報取得部P31、追記部P32、座標変換部P33、設定情報読み出し部P34が実現する。
【0038】
ペン情報取得部P31は、ペン型装置30に対してストローク情報を要求する(図14:ステップS11)。ペン型装置30は、ストローク情報を要求されると、制御部301が不揮発性メモリ307に記憶されているストローク情報を読み出して情報取得部109へ送信する(ステップS12)。ペン情報取得部P31は、ペン型装置30から送信されたストローク情報を受け取り、受け取ったストローク情報を追記部P32へ渡す(ステップS13)。
追記部P32は、ストローク情報に含まれている文書IDを抽出し、抽出した文書IDを設定情報読み出し部P34へ渡す(ステップS14)。設定情報読み出し部P34は、渡された文書IDに対応付けて記憶されている設定情報を記憶部105から読み出し、読み出した設定情報を追記部P32へ渡す(ステップS15)。例えば、追記部P32から設定情報読み出し部P34へ渡された文書IDが「12345」であった場合、図8に示したように文書ID「12345」に対応付けられている設定情報(サイズ「A4(210,297)」、拡大/縮小率「100%」、紙1枚あたりのページ数「2」、ページのレイアウトパターン「1」)が追記部P32へ渡される。
【0039】
次に追記部P32は、設定情報とストローク情報を座標変換部P33へ渡す。なお、ストローク情報が複数ある場合には、ストローク情報を順次座標変換部P33へ渡す(ステップS16)。座標変換部P33は、渡されたストローク情報に含まれている位置情報を、文書データDの電子文書上の座標に変換する(ステップS17)。具体的には、以下の計算式に基づいて、ストローク情報に含まれている位置情報を、電子文書上の座標に変換する。なお、以下の説明においては、変換後の横方向の座標をX、縦方向の座標をY、追記がされた紙文書のページ番号をn、文書データDにおいて追記がされるページ番号をNとしている。
【0040】
例えば、設定情報においてu=1である場合、N=nとする。また、X=x*100/p、Y=y*100/pとする。つまり、紙1枚あたりのページ数(u)が1ページ、拡大/縮小率(p)が100%である場合、図15に示した位置に追記がされると、p=100%であるため、(x1,y1)を座標変換して得られる座標(X1,Y1)は、X1=x1*100/100=x1となり、Y1=y1*100/100=y1となる。また、(x2,y2)は、X2=x2*100/100=x2となり、Y2=y2*100/100=y2となる。
【0041】
また、例えばu=2、t=1であり、yがPY/2以下の場合、X=y*1.4142、Y=(PX−x)*1.4142、N=(n−1)*u+1とし、yがPY/2を超える場合、X=(y−PY/1.4142)*1.4142、Y=(PX−x)*1.4142、N=(n−1)*u+2とする。
また、例えばu=2、t=2であり、yがPY/2以下の場合、X=y*1.4142、Y=(PX−x)*1.4142、N=(n−1)*u+2とし、yがPY/2を超える場合、X=(y−PY/1.4142)*1.4142、Y=(PX−x)*1.4142、N=(n−1)*u+1とする。なお、拡大/縮小率が100%以外である場合には、変換後の座標に100/pを乗じる。
【0042】
例えば、図13に示したストローク情報からは、(x1,y1)、(x2,y2)(x3,y3)(x4,y4)という順番、即ち、ペン型装置30が紙文書DA上を移動した時にデコードされた位置情報の順番で位置情報が抽出される。また、図11の紙文書が出力された時の設定情報は、PX=210、PY=297、p=100%、u=2、t=1である。
このため、抽出された位置情報のy座標がPY/2以下である(x1,y1)については、変換後の座標X1は、X1=y1*1.4142で算出される。また、変換後の座標Y1は、Y1=(PX−x1)*1.4142で算出される。また、この(X1,Y1)の座標に基づいて追記がされるページは、N=(n−1)*u+1で算出され、n=1、u=2であるため、N=1となる。
【0043】
座標変換部P33は、ストローク情報から抽出した位置情報(x1,y1)〜(x4,y4)について座標変換が終了すると、変換後の座標(X1,Y1)〜(X4,Y4)と、追記がされるページ番号N=1を追記部P32へ渡す(ステップS18)。追記部P32は、変換後の座標と追記がされるページ番号とを受け取ると、受け取った座標を(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)の順番に接続した線の画像を生成する(ステップS19)。そして、座標変換部P33から渡されたページ番号N、つまり、この線の画像が追記されるページの番号が1であるため、生成した画像を電子文書の1ページ目に加える(ステップS20)。これにより、紙文書DAにユーザが追記した線が図16に示したように文書データDの電子文書に加えられる。
【0044】
以上説明したように本実施形態によれば、紙に電子文書の画像を形成する時にレイアウトの変更を行い、ペン型装置30で紙に追記すると、線が追記されたページが特定され、追記された線が特定されたページに加えられるので、追記の内容を文書データに反映させられる。
【0045】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0046】
上述した実施形態においては、情報処理装置10とペン型装置30は、USBの規格に従って通信を行うが、情報処理装置10とペン型装置30との間は、無線通信により情報の授受を行うようにしてもよい。また、情報の授受が行えるのであれば、USBの規格に従った通信に限定されず、他の規格に従いケーブルを介して通信を行ってもよい。
【0047】
上述した実施形態においては、画像形成アプリP2と追記アプリP3は、別々のアプリケーションプログラムとなっているが、両方の機能を備える一つのアプリケーションプログラムにより、出力部P21、設定情報記憶部P22、設定情報取得部P23、ペン情報取得部P31、追記部P32、座標変換部P33、設定情報読み出し部P34を実現するようにしてもよい。
【0048】
上述した実施形態においては、1枚の紙に2ページ分の画像を形成する例を説明したが、1枚の紙に4ページ分の画像を形成してもよい。図17は、1枚の紙に4ページ分の画像を形成する時のレイアウトパターンを例示した図である。
設定情報においてu=4、t=1であり、xがPX/2以下且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=x*2、Y=y*2、N=(n−1)*u+1とする。また、u=4、t=1であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、Y=y*2、N=(n−1)*u+2とする。また、u=4、t=1であり、xがPX/2以下且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=x*2、Y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+3とする。また、u=4、t=1であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、Y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+4とする。
【0049】
また、設定情報においてu=4、t=2であり、xがPX/2以下且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=x*2、Y=y*2、N=(n−1)*u+1とする。また、u=4、t=2であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、Y=y*2、N=(n−1)*u+3とする。また、u=4、t=2であり、xがPX/2以下且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=x*2、y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+2とする。また、u=4、t=2であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+4とする。
【0050】
また、設定情報においてu=4、t=3であり、xがPX/2以下且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=x*2、y=y*2、N=(n−1)*u+2とする。また、u=4、t=3であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、y=y*2、N=(n−1)*u+1とする。また、u=4、t=3であり、xがPX/2以下且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=x*2、y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+4とする。また、u=4、t=3であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+3とする。
【0051】
また、設定情報においてu=4、t=4であり、xがPX/2以下且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=x*2、y=y*2、N=(n−1)*u+3とする。また、設定情報においてu=4、t=4であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2以下の場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、y=y*2、N=(n−1)*u+1とする。また、設定情報においてu=4、t=4であり、xがPX/2以下且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=x*2、y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+4とする。また、設定情報においてu=4、t=4であり、xがPX/2を超え且つyがPY/2を超えている場合、座標変換部P33は、X=(x−PX/2)*2、y=(y−PY/2)*2、N=(n−1)*u+2とする。
【0052】
上述した実施形態においては、設定情報が記憶部105に記憶されているが、文書データDの画像を形成した時の設定情報は、コード画像にエンコードしてもよい。
この構成においては、データ処理部305は、画像処理部304から出力されたデジタルデータが表すコード画像についてデコード処理を行い、該コード画像に含まれている設定情報をデコードする。また、ペン型装置30は、デコードした設定情報をストローク情報に含めて情報処理装置10へ送る。この構成によれば、記憶部105に設定情報を記憶させる必要がなくなる。
【0053】
上述した実施形態においては、文書IDと設定情報とを対応付けて記憶しているが、画像形成された電子文書を特定するのであれば、設定情報に対応付けて記憶するのは文書IDに限定されるものではない。例えば、電子文書を一意に識別する文書識別子として文書データDのパスを設定情報に対応付けて記憶し、コード画像に文書データDのパスをエンコードするようにしてもよい。
【0054】
上述した実施形態においては、電子文書は、紙を縦置きにして画像形成することを前提に作成されているが、電子文書は、紙を横置きにして画像形成してもよい。この場合、上述した計算式を適宜変更して位置情報の座標を変換する。
また、上述した実施形態においては、画像を縮小し、縮小後の画像について左寄せ、右寄せ、センタリングなど位置指定を行う場合、この位置を表す情報を設定情報に含めるようにしてもよい。また、この場合、上述した計算式を位置指定の内容に合わせて適宜変更して位置情報の座標を変換する。
また、画像が縮小されて紙に画像形成されている場合、余白の部分にペン型装置30で追記がされることがある。この場合、座標変換部P33で変換後の座標は、文書データDの電子文書の座標の範囲外となり、電子文書に反映できないこととなる。
このように、電子文書の座標の範囲外となる追記については、電子文書に反映しないようにしてもよい。また、電子文書に新たにページを追加し、電子文書の座標の範囲外となる追記については、追記したページに反映させるようにしてもよい。
【0055】
1枚の紙に電子文書の2ページ分の画像を形成する場合、例えば、3ページの電子文書の画像を形成する際には、紙文書の1ページ目に電子文書の1ページ目と2ページ目の画像が形成され、紙文書の2ページ目に電子文書の3ページ目の画像が形成され、紙文書の2ページ目の半分は空白となる。
ここで、紙文書の2ページ目において空白となっている部分にペン型装置30で追記がされた場合、電子文書において4ページ目を生成し、空白となっている部分に追記された内容を電子文書の4ページ目に反映させるようにしてもよい。なお、紙文書の2ページ目の空白となっている部分にペン型装置30で追記がされた場合、電子文書に4ページ目を追加することなく、追記された内容が電子文書に反映されないようにしてもよい。
【0056】
上述した実施形態においては、レイアウトパターンが複数ある場合、設定情報にレイアウトパターンを含んで記憶しているが、レイアウトパターンを1つに限定した場合、レイアウトパターンを記憶しないようにしてもよい。
【0057】
上述したアプリケーションプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、情報処理装置10にインストールしてもよい。また、ネットワーク40を介してアプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールしてもよい。
【0058】
上述した実施形態においては、座標変換部P33がコード画像に含まれていた位置情報の座標を電子文書上の座標に変換し、変換された座標を接続して得た線の画像を電子文書に加えているが、ユーザが紙文書に追記した線を電子文書に加える方法は、上述した実施形態の方法に限定されるものではない。
例えば、追記アプリP3は、ストローク情報から抽出した位置情報の座標を順次接続することにより、ユーザが追記した線の画像を生成する。次に、追記アプリP3は、この生成された画像を設定情報に基づいてアフィン変換することにより、この生成された画像を拡大/縮小、移動させ、アフィン変換後の画像を電子文書に加える。このような方法でも、ユーザが紙文書に追記した内容を電子文書に加えることができる。
【0059】
上述した実施形態においては、文書IDがコード画像に含まれているが、コード画像に文書IDを含めないようにしてもよい。この場合、文書IDを紙文書に印刷し、文書IDに対応した設定情報を読み出す際には、ユーザが操作部106を操作して文書IDを入力し、入力された文書IDに対応付けて記憶されている設定情報を読み出すようにしてもよい。また、ページ番号については、電子文書の画像を形成した時に一枚の紙に画像形成がされる場合には、ページ番号をコード画像に含めないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…情報処理装置、20A,20B…画像形成装置、30…ペン型装置、40…ネットワーク、101…バス、102…CPU、103…ROM、104…RAM、105…記憶部、106…操作部、107…表示部、108…通信部、109…情報取得部、P1…ワープロアプリ、P2…画像形成アプリ、P3…追記アプリ、P21…出力部、P22…設定情報記憶部、P23…設定情報取得部、P31…ペン情報取得部、P32…追記部、P33…座標変換部、P34…設定情報読み出し部、301…制御部、302…発光部、303…画像取得部、304…画像処理部、305…データ処理部、306…通信部、307…不揮発性メモリ、308…電源部、309…芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記電子文書の画像の形成と、前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、
前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出す設定情報読み出し手段と、
前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記設定情報記憶手段は、前記文書データを識別する文書識別子と前記設定情報とを対応付けて記憶し、
前記出力手段は、さらに前記文書識別子及び前記記録媒体のページ番号を含む前記コード画像の形成を画像形成装置に指示し、
前記情報取得手段は、前記追記がされた前記記録媒体のページ番号及び前記追記がされた前記記録媒体に形成されている文書の前記文書識別子を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得し、
前記設定情報読み出し手段は、前記情報取得手段で取得された文書識別子に対応付けられている前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出し、
前記座標変換手段は、前記電子文書において追記がされるページを前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報と前記情報取得手段が取得した前記ページ番号に基づいて特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記座標変換手段で特定したページにおいて、前記座標変換手段で変換後の座標を接続して得られる線を前記電子文書に追記する追記手段
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記追記手段は、前記座標変換手段で特定したページが前記電子文書に存在しない場合、前記電子文書にページを追加し、追加したページに線を追記すること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記追記手段は、前記座標変換手段で変換後の座標が、前記電子文書がとる座標の範囲外となる場合、前記電子文書にページを追加し、追加したページに線を追記すること
を特徴とする請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
電子文書の画像の形成と、前記電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報及び前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標と前記設定情報とを前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、
前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記情報取得手段が取得した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段と
を有する情報処理装置。
【請求項7】
電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記電子文書の画像の形成と、前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、
前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出す設定情報読み出し手段と、
前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段と
を有する情報処理装置と、
前記記録媒体に追記を行う追記手段と、
前記記録媒体に形成されている前記コード画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段で取得されたコード画像をデコードし、前記記録媒体上の座標を取得するデコード手段と、
前記追記手段による追記の開始から終了までの間に前記デコード手段で取得された前記座標を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記座標を前記情報取得手段へ送る送付手段と、
を有する書込装置と
を有する情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータを、
電子文書の画像を記録媒体に形成した時の該画像のレイアウトを表す設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
前記電子文書の画像の形成と、前記記録媒体上の座標を含む規則的に配置されたコード画像の形成とを画像形成装置に指示し、前記電子文書の画像及び前記コード画像を示すデータを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
前記記録媒体にされた追記の経路を表す座標を前記記録媒体に追記をした書込装置から取得する情報取得手段と、
前記設定情報を前記設定情報記憶手段から読み出す設定情報読み出し手段と、
前記電子文書において追記がされるページを特定し、前記情報取得手段が取得した座標を、前記設定情報読み出し手段が読み出した前記設定情報に基づいて前記電子文書上の座標に変換する座標変換手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−8952(P2012−8952A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146600(P2010−146600)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】