情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
【課題】新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、評価処理を必要最小限にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出する.
【解決手段】連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出する.
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して接続された機器において、各機器が提供するサービスを組み合わせることで、連携機能を実現することができる。例えば、機器Aが保持する“OCR(Optical Character Reader)”サービスを、機器Aだけが利用するのではなく、ネットワークを介して接続された他の機器も利用できるように提供することができる。そして、機器Aの“OCR”サービスを、“スキャン”サービスを保持する機器Bが利用することで、「紙をスキャンしてOCR処理を実行する」という連携機能を実現することができる。このような連携機能において、提供されるサービスを利用する側が評価する技術が既に知られている。
【0003】
しかし、通常のサービス評価技術では、サービスの入出力要件を考慮して評価していなかった。入出力要件とは、サービスにおける入力や出力に求められる条件のことで、例えば「“OCR”サービスではPDF(Portable Document Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPG(Joint Photographic Coding Expert Group)を入力として受け付ける」が考えられる。このとき“OCR”サービスを利用する側がPDF、TIFF、JPGの入力をすべて利用するとは限らない。サービスの入出力要件を考慮せずに評価すると、利用されないサービスまで評価される可能性があり、その結果、不必要な評価処理を行ってしまうという問題があった。
【0004】
そこで、この種の問題を解決するため、種々の提案がなされた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の発明は、連携対象となる画像処理装置を登録する際に、ユーザの負荷を軽減し、且つ、連携対象として不要な装置が次々に登録されてしまうことを抑制する目的で、ネットワークを介して画像処理装置と連携する対象となる他の画像処理装置を記憶する記憶手段と、ネットワーク上の第一の画像処理装置の機能を示す機能情報を取得する取得手段と、前記画像処理装置の機能を示す機能情報と前記取得手段によって取得した機能情報とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記第一の画像処理装置が前記画像処理装置と比較して新規な機能を備えていない場合には、当該第一の画像処理装置を前記記憶手段に記憶せず、前記第一の画像処理装置が前記画像処理装置と比較して新規な機能を備えている場合には、当該第一の画像処理装置を前記記憶手段に記憶する制御手段とを有する画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、利用されるサービスのみを評価し、評価処理を必要最小限にするという問題は解消できていない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、評価処理を必要最小限にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置であって、前記画像処理装置が提供するサービスの入出力要件を取得するサービス入出力要件取得手段と、前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持するサービス要求性能管理手段と、前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出するサービス評価対象決定手段と、前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成するサービス評価内容生成手段と、前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価するサービス評価手段と、前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録しておく連携対象管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像フォーマットを項目として列挙することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像サイズを項目として列挙することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として入力・出力にそれぞれ複数の要件を指定することができ、入力・出力において要件の組み合わせのパターンを評価対象として決定することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価内容生成手段は、登録するサービスに対応する要求性能情報が取得できない場合、要求性能情報を加えることなく評価内容として生成することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価手段は、サービスごとに対応したテストプログラムを保有し、サービス評価内容生成手段によって生成された評価内容をパラメータとしてテストプログラムに渡し、実行することでサービスの評価を実施することを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記サービス評価手段は、テストプログラムにおいて利用するためのテストデータ群をテストプログラムと併せて保有しており、要求性能情報においてサービスの要求値ごとに条件として使用するテストデータを記載することで、サービス評価実施時にテストプログラムへ該当のテストデータを読み込んで実行することを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記連携対象管理手段は、登録されているサービスそれぞれに対し有効期限を設定しており、有効期限が切れた際は再度新規サービス登録と同様にサービス評価内容を生成し、サービス評価を実施することを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出することを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置の制御用のプログラムであって、前記情報処理装置のコンピュータに、サービス入出力要件取得手段が、前記画像処理装置の提供するサービスの入出力要件を取得する手順、サービス要求性能管理手段が、前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持する手順、サービス評価対象決定手段が、前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出する手順、
サービス評価内容生成手段が、前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成する手順、サービス評価手段が、前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価する手順、連携対象管理手段が、前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録する手順、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、評価処理を必要最小限にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る情報処理装置としての、連携管理サーバによって管理される連携処理網の構成の一例を示す図である。
【図2】、連携処理網1−1においてサービスの連携を実施する様子を説明するための説明図である。
【図3】連携処理網1−2に新たな画像処理装置3−3を追加する様子を説明するための説明図である。
【図4】連携管理サーバ2の構成要素を示す構成図の一例である。
【図5】(a)〜(c)は、画像処理装置の構成要素の一例について説明するための説明図である。
【図6】(a)〜(c)は、サービス入出力要件の一例を示す図である。
【図7】サービス要求性能情報の一例を示す図である。
【図8】サービス評価内容の作成処理を示すフローチャートの一例である。
【図9】(a)、(b)は、図8で示したフローチャートのうち、「入力(IN)マッチング処理」「出力(OUT)マッチング処理」の処理内容をそれぞれ示したフローチャートの一例である。
【図10】入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
【図11】図8で示したフローチャートのうち、「要求性能情報適用」の処理内容を示したフローチャートの一例である。
【図12】要求性能情報適用処理のイメージを説明するための説明図である。
【図13】サービス評価手段が保有する、評価プログラム管理表を示す図である。
【図14】サービス評価内容を元に使用する評価プログラムを決定する様子を表した図である。
【図15】登録済みサービス表の一例を示す図である。
【図16】(a)〜(c)は、サービス入出力要件として画像サイズを採用した場合の一例である。
【図17】複数の要件を指定したサービス入出力要件の一例を示した図である。
【図18】(a)、(b)は、サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のフローチャートの一例を示す図である。
【図19】サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<発明の概要>
ネットワークを介して複数の機器がサービスの連携を行う環境で、連携を行う際は同じネットワークにある連携管理サーバへ連携できるサービスを問い合わせるようになっている。連携管理サーバに機器のサービスを登録するには、サーバによってサービスの評価を行い、合格する必要がある。
そこで、本発明は、新しく機器を追加する際、既に連携管理サーバに登録されているサービスの入力・出力形式と、追加する機器が持つサービスの入力・出力形式のマッチングを行い、連携する可能性のある組み合わせのみ評価するようにするものである。
本発明によれば、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、利用されるサービスのみを評価し、評価処理を必要最小限にすることができる。
【0020】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、連携処理網に新しく連携対象機器を加える際のサービス評価処理に際して、以下の特徴を有する。
【0021】
要するに、本発明は、連携処理網(図1参照)に新たに登録する機器のサービスの入出力要件(図6参照)に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理(図9、10)を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出することを特徴とする。
本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
【0022】
<実施の形態1>
以下、第1の実施の形態について述べる。
図1は、本発明に係る情報処理装置としての、連携管理サーバによって管理される連携処理網の構成の一例を示す図である。
【0023】
同図に示す連携処理網1は、1台の連携管理サーバ(後述する図4参照)2と、1台以上の画像処理装置(後述する図5参照)3−1、3−2がネットワーク4に接続されたものである。画像処理装置3−1は、他の画像処理装置3−2と連携を行う場合、連携管理サーバ2に問い合わせを行って他の画像処理装置4が提供する連携対象のサービスを発見する。連携対象のサービスは連携管理サーバ2に登録済みでなければならず、登録の際にはサービスが連携処理網1において連携対象として要求される性能を備えているか否かの評価をパスする必要がある。
【0024】
図2は、連携処理網1−1においてサービスの連携を実施する様子を説明するための説明図である。
図2において、連携管理サーバであるサーバS(2−1)によって管理される連携処理網1−1で、画像処理装置である機器A(3−1)と機器B(3−2)とが登録されている。連携対象のサービスとして、機器A(3−1)は“スキャン”サービスを保有し、機器B(3−2)は“ファクス送信”サービスを保有し、サーバS(2−1)に登録済みとなっている。
【0025】
図2では機器利用者Uが機器A(3−1)を操作し、機器A(3−1)の“スキャン”サービスの実施結果を、機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスに入力させる連携の流れを図示している。以下にその流れを説明する(番号は図中のものと対応している)。
【0026】
1.機器利用者Uは機器A(3−1)を操作し、機器A(3−1)の“スキャン"サービスにサービスの連携を要求する。
【0027】
2.機器A(3−1)は自身が持つ“スキャン"サービスと連携可能なサービスをサーバS(2−1)に問い合わせる。
【0028】
3.サーバS(2−1)は登録されている連携対象サービスの中から、機器A(3−1)の“スキャン"サービスと連携可能なサービスとを発見して回答する。ここでは、機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスが回答される。
【0029】
4.機器A(3−1)はサーバS(2−1)の回答結果を機器利用者Uに提示する。機器利用者Uは、提示された中から機器A(3−1)の“スキャン"サービスと連携させるサービスとを決定し、サービスの実行を指示する。ここでは、機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスとの連携が決定され、実行が指示される。
【0030】
5.機器A(3−1)は自身の“スキャン"サービスを実行し、その結果を機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスに渡すようにサーバS(2−1)に依頼する。
【0031】
6.サーバS(2−1)は受け取った機器A(3−1)の“スキャン"サービスの結果を機器Bの“ファクス送信"サービスに渡す。
【0032】
7.機器B(3−1)は渡された結果を入力として、自身の“ファクス送信"サービスを実行する。
【0033】
8.機器B(3−1)は自身のサービスの実行結果をサーバS(2−1)に返し、サーバS(2−1)は機器A(3−1)にそれを渡し、機器A(3−1)は自身のサービスの実行結果と機器B(3−2)の実行結果とを合わせて機器利用者Uに通知する。
【0034】
図3は、連携処理網1−2に新たな画像処理装置3−3を追加する様子を説明するための説明図である。
連携処理網1−2に新たに画像処理装置3−3を追加する場合、連携管理サーバS(2−2)は追加する画像処理装置3−3の保有するサービスの性能を評価する。評価は連携管理サーバS(2−2)が生成したサービス評価内容に基づいて行う。サービス評価内容は、連携処理網1−2内の画像処理装置3−1〜3−3が保有するサービスのサービス入出力要件(後述する図6参照)に基づいて生成する。この連携管理サーバS(2−2)によるサービス評価内容の生成が、本発明の特徴となっている。
【0035】
図3では、図2に示したサーバS(2−1)と機器A(2−1)、機器B(2−2)による連携処理網1−1に、“OCR"サービスを備える機器C(3−3)を追加する様子を一例として示している。サーバS(2−2)は、機器A(3−1)と機器B(3−2)とがそれぞれ備えるサービスのサービス入出力要件からサービス評価内容を生成し、それに基づいて機器C(3−3)のサービスを評価する。
以降、サービス評価内容の生成について、図を用いて詳しく説明していく。
【0036】
図4は、連携管理サーバ2の構成要素を示す構成図の一例である。
連携管理サーバ2は、連携対象管理手段11、サービス評価対象決定手段12、サービス入出力要件取得手段13、通信手段14、サービス評価内容生成手段15、サービス要求性能管理手段16、サービス評価手段17を構成要素として備える。
【0037】
サービス入出力要件取得手段13は、通信手段14を介して各画像処理装置からサービス入出力要件を取得する役割を持つ。サービス入出力要件については図6を参照して後述する。
【0038】
サービス要求性能管理手段16は、連携管理サーバS(2)が管理する連携処理網に参加する画像処理装置のサービスが要求される性能を定義したサービス要求性能情報を管理する役割を持つ。サービス要求性能情報については図7を参照して後述する。
【0039】
サービス評価対象決定手段12は、既に登録されたサービスの入出力要件と、連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件とを照らし合わせ、登録するサービスの入出力のうち利用される組み合わせだけを評価対象として決定する役割を持つ。
【0040】
サービス評価内容生成手段15は、評価対象として決定された組み合わせに対し、各サービスが要求される要求性能情報を加え、具体的に各サービスに対して実施される評価内容を生成する役割を持つ。
【0041】
サービス評価手段17は、サービス評価内容生成手段15が生成した評価内容に従って、サービスの評価を実施する役割を持つ。
【0042】
連携対象管理手段11は、既に評価をパスし、登録されたサービスの一覧を管理する役割を持つ。
【0043】
通信手段14は、連携管理サーバ21をネットワークに接続し、画像処理装置と通信を行う役割を持つ。
【0044】
図5(a)〜(c)は、画像処理装置の構成要素の一例について説明するための説明図である。
画像処理装置としての機器A(3−1)〜機器C(3−3)は、通信手段14及びサービス入出力要件情報管理手段に加え、自身の提供するサービスを実現する手段をそれぞれ備える。本実施形態ではサービスの例として、機器A(3−1)にスキャン手段21、機器B(3−2)にファクス送信手段23、機器C(3−3)にOCR手段24を持たせることとした。
通信手段20は、画像処理装置をネットワークに接続し、連携管理サーバと通信を行う役割を持つ。
サービス入出力要件管理手段22は、装置自身が提供するサービス入出力要件を保持している。サービス入出力要件については図6を参照して後述する。
スキャン手段21、ファクス送信手段23、OCR手段24は、各装置が提供するサービスを実現する役割を持つ。
【0045】
図6(a)〜(c)は、サービス入出力要件の一例を示す図である。
サービス入出力要件は、各サービスが受付可能なデータの形式(IN)と、出力可能なデータの形式(OUT)をそれぞれ列挙したものである。
本実施形態ではIN/OUTとして画像データのフォーマットを規定している。この他にも利用可能な画像サイズ(A3、A4、B5等)などを要件として用いることも可能であり(後述する図16にて例示)、それらの組み合わせを用いてもよい(後述する図17にて例示)。
【0046】
図6(a)には機器Aが提供する“スキャン"サービスの入出力要件が示され、図6(b)には機器Bが提供する“ファクス送信"サービスの入出力要件が示され、図6(c)には機器Cが提供する“OCR"サービスの入出力要件が一例として示されている。
“スキャン"サービスは、連携処理においては他サービスからの入力を受け付けないのでINは設定されておらず、サービスの処理結果としてはPDFまたはTIFFを出力する、という定義がなされている。“ファクス送信"サービスは、処理対象としてPDFまたはTIFFを入力として受け取り、連携処理においては他サービスに出力を渡さないのでOUTは設定されていない、という定義がなされている。“OCR"サービスは、PDF、TIFF、JPGのいずれかを入力として受け取り、PDFまたはDOCを出力することができる、という定義がなされている。
これらのサービス入出力要件は、通信手段を介して連携管理サーバに送信され、サービス評価対象決定手段によって用いられる(図8、図9、図10を参照)。
【0047】
図7は、サービス要求性能情報の一例を示す図である。
サービス要求性能情報は、サービス要求性能管理手段によって保有され、連携管理サーバが各画像処理装置のサービスに要求する性能の要求値を定義するものである。
サービスごとに一つ以上の項目が設けられ、項目ごとに要求値と条件が定義される。
【0048】
図7に示した一例では、“OCR"サービスは、テストデータ1を使用して処理を行った結果、精度が95%、処理にかかる時間が30秒以下であることが求められることになる。また“ファクス送信"サービスは、2MB以上のデータをメモリに格納できなければならないことになる。
サービス要求性能情報は、連携処理網内に存在しないサービスの情報も持つことができる。例えば、図3ではまだ“OCR"サービスは存在していない(追加しようとしているところ)が、その時点でも図7のように“OCR"サービスのサービス要求性能情報を持っていることができる。このように存在しないサービスの情報は、あらかじめ連携管理サーバに持たせておくか、サービスを追加する前に人手で入力するかなどして用意する必要がある。
このサービス要求性能情報は、サービス評価内容生成手段によって読み込まれ、サービス評価内容の一部として用いられる(図11、図12を参照)。
【0049】
図8は、サービス評価内容の作成処理を示すフローチャートの一例である。
動作の主体は、連携管理サーバに用いられる、図示しないCPU(Central Processing Unit)である。
このフローチャートはサービス評価対象決定手段およびサービス評価内容生成手段で行われる処理の流れを示したものである。この処理は連携処理網に新規に機器が参加する際に実施される。
【0050】
ステップS1:登録済みサービスの入出力条件を読み込む。登録済みサービスの入出力要件は連携対象管理手段に格納されており、そこに格納されている全てのサービスの入出力要件を読み込む。
【0051】
ステップS2:新規に登録するサービスの入出力条件を取得する。これは新規に連携処理網に参加しようとする機器からサービス入出力要件取得手段が取得してくる。
【0052】
ステップS3、S4:取得した入出力要件に対し、登録済みサービスの入出力要件のマッチングを行い、入力・出力それぞれの評価対象を抽出していく。この処理については後述する図9で説明する。
【0053】
ステップS5:入力の評価対象と出力の評価対象の全組み合わせを生成する。組み合わせの一つ一つを評価内容エントリと呼ぶ。
【0054】
ステップS6:ステップS2〜S5の処理を機器が提供する全てのサービスについて実施する。すなわち、他に未処理のサービスがないか否かを判断し、他に未処理のサービスがある場合(ステップS6/Yes)、ステップS7に進み、他に未処理のサービスがない場合(ステップS6/No)、ステップS2に戻る。
【0055】
ステップS7:評価内容エントリに対し、サービス要求性能情報を適用し、最終的なサービス評価内容を生成する。この処理は後述する図11で説明する。
以上の処理により、サービス評価内容が生成される。
【0056】
図9(a)、(b)は、図8で示したフローチャートのうち、「入力(IN)マッチング処理」「出力(OUT)マッチング処理」の処理内容をそれぞれ示したフローチャートの一例である。
図9(a)において、入力マッチング処理は以下の通りである。
ステップS31:新規追加するサービスの入力(IN)の項目を一つ取得する。
【0057】
ステップS32、S33:取得した入力(IN)項目が、登録済みサービスの出力(OUT)項目に含まれているか否かを判断する。取得した入力(IN)項目が含まれている場合(ステップS32/Yes)、ステップS33で入力の評価対象として記憶しておく。取得した入力(IN)項目が含まれていない場合(ステップS32/No)、無視する。
【0058】
ステップS34:ステップS31〜S33の処理を新規追加するサービスの入力(IN)の項目全てに実施する。すなわち、他に未処理の入力項目(IN)がある場合(ステップS34/Yes)、終了し、他に未処理の入力項目(IN)がない場合(ステップS34/No)、ステップS31に戻る。
【0059】
図9(b)における出力マッチング処理は、以下の通りである。
ステップS35:新規追加するサービスの出力(OUT)の項目を一つ取得する。
【0060】
ステップS36:取得した出力(OUT)項目が、登録済みサービスの入力(IN)項目に含まれているか否かを判断する。取得した出力(OUT)項目が含まれている場合(ステップS36/Yes)、出力の評価対象として記憶しておく。取得した出力(OUT)項目が含まれていない場合(ステップS36/No)、無視する。
【0061】
ステップS37:ステップS35〜S36の処理を新規追加するサービスの出力(OUT)の項目全てに実施する。すなわち、他に未処理の出力項目(OUT)がない場合(ステップS38/Yes)、終了し、他に未処理の出力項目(OUT)がある場合(ステップS38/No)、ステップS35に戻る。
【0062】
図10は、入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
図10は、図3において機器C(3−3)を追加する際の入力・出力マッチング処理の様子を示している。
新たに登録しようとしている機器C(3−3)の“OCR"サービスは、INとしてはPDF、TIFF、JPGを扱うことができ(破線R3)、OUTとしてはPDF、DOCを扱うことができる(破線R4)。
これに対し、登録済みサービスの中では、OUTとしてPDF、TIFFを扱うことができるが(機器A(3−1)の“スキャン"サービス:破線R2)、JPGを扱うものは無く、またINとしてはPDFを扱うことができるが(機器Bの“ファクス送信"サービス:破線R1)、DOCを扱うものは無い。
【0063】
つまり、この連携処理網の中では、“OCR"サービスのINではJPGを扱う機会は無く、OUTではDOCを扱う機会は無いということになる。
【0064】
そこで、機器Cの“OCR"サービスに対するサービス評価内容としては、INが2通りでOUTが1通りなので、計2*1=1→二つとなる。
具体的には、評価エントリNo.1のPDF→PDFの組み合わせと、評価エントリNo.2のTIFF→PDFの組み合わせを生成することになる。
【0065】
図11は、図8で示したフローチャートのうち、「要求性能情報適用」の処理内容を示したフローチャートの一例である。
要求性能情報適用は、サービス評価内容生成手段で行われる処理である。
ステップS61:要求性能情報をサービス要求性能管理手段から取得する。
【0066】
ステップS62:サービス評価対象決定手段で生成された評価内容エントリを一つ取得する。
【0067】
ステップS63:評価内容エントリの示すサービスに対応する要求性能情報が存在するか否かを確認する。要求性能情報が存在する場合(ステップS63/Yes)、ステップS64で評価内容エントリに要求性能情報を要求値として追加し、その評価内容エントリを確定する。要求性能情報が無い場合(ステップS63/No)、特に要求値の追加は行わず、単純に入出力の組み合わせが実行可能であるか否かだけを確認する評価内容エントリとして確定する。
【0068】
ステップS65:ステップS62〜S64の処理を全評価内容エントリに対して実施する。すなわち、他に未処理の評価エントリが無いか否かを判断し、他に未処理の評価エントリがある場合(ステップS65/Yes)、終了し、他に未処理の評価エントリが無い場合(ステップS65/No)、ステップS62に戻る。
【0069】
図12は、要求性能情報適用処理のイメージを説明するための説明図である。
図12は、図3において機器C(3−3)を追加する際の要求性能情報適用処理の様子を示している。
図12の要求性能情報において、“OCR"サービスには精度と処理時間という二つの項目が要求値として設定されている。評価エントリNo.1、No.2共に“OCR"サービスの評価なので、これらの評価を実施する際に二つの要求値を満たしているか否かを確認するようにする。このステップにより、例えば評価エントリNo.1では「機器Cの“OCR"サービスにPDFを入力してPDFで結果を出力する際、精度が95%以上であり、処理時間が30秒以下であること」を確認する評価内容として決定された(破線R5)。
【0070】
<実施形態2>
以下、第2の実施形態について述べる。
(請求項6、7に対応)
図13は、サービス評価手段が保有する、評価プログラム管理表を示す図である。
評価プログラム管理表は、サービスごとに評価に使用する評価プログラムと、評価に用いるテストデータを対応付けて管理する。サービス評価手段は、この表に基づき評価するサービスに対応した評価プログラムとテストデータを取り出す。サービス評価手段が評価プログラムを実行し、結果を見ることでサービスの評価が実施される。
【0071】
図14は、サービス評価内容を元に使用する評価プログラムを決定する様子を表した図である。
サービス評価内容の評価内容エントリごとに、評価するサービスが示されているので、サービス評価手段は対応した評価プログラムを評価プログラム管理表から取得する。
評価内容エントリごとに条件(IN、OUT、要求値)が示されているので、これらを評価プログラムの実行パラメータとして入力する。テストデータが指定されている場合、評価プログラム管理表のテストデータ定義から該当のものを選択し、評価プログラムの実行時に使用する(破線R6、R7)。
評価プログラムを実行し、結果が評価内容エントリに示された条件を満たしていれば、そのサービスは連携対象サービスとして連携対象管理手段に登録される。
【0072】
<実施形態3>
以下、第3の実施形態について述べる。
(請求項8に対応)
図15は、登録済みサービス表の一例を示す図である。
登録済みサービス表は、連携対象管理手段によって保有される、評価をパスし連携対象として登録されたサービスの一覧であり、各サービスの入出力要件をまとめたものに相当する。図9、図10で示す通り、新規にサービスを登録する際の入力・出力マッチング処理における比較情報として利用される。
【0073】
図15においては、入出力要件としての情報の他に有効期限が設定されている。これは、そのサービスが登録済みであることのできる期限を示すものである。連携対象管理手段は有効期限をチェックし、切れているものがあれば、新規にサービスを登録する際と同様に、サービス評価内容を生成し、サービスの評価を行うようにする。このようにすることによって、連携処理網に参加している画像処理装置の増加や、サービスを提供する装置自身の変化(設定変更、サービスのアップグレードなど)によってサービスが連携対象としての性能を維持できているか否かを確認することができる。
【0074】
<実施形態4>
以下、第4の実施形態について述べる。
(請求項3に対応)
図16(a)〜(c)は、サービス入出力要件として画像サイズを採用した場合の一例である。
図6(a)〜(c)で示した入出力要件は、入出力可能な画像フォーマットを採用していたが、画像フォーマット以外にも、図16(a)〜(c)に示すように、画像サイズを入出力要件として採用することが可能である。
図16(a)では、例えば機器Aの“スキャン"サービスは、画像サイズがA3、A4、B5の出力を行うことができることを表している。また、図16(b)では、例えば機器Bの“ファクス送信”サービスは、サイズがA4の入力を行うことができることを表している。また、図16(c)では、例えば機器Cの“OCR”サービスは、サイズがA4、B5の入力を行い、画像サイズがA4、B5の出力を行うことができることを表している。
このように画像フォーマット以外の入出力要件を採用した場合でも、図8、図9のフローチャートに従って入力・出力マッチング処理を行う。
【0075】
<実施形態5>
以下、第5の実施形態について述べる。
(請求項4に対応)
図17は、複数の要件を指定したサービス入出力要件の一例を示した図である。
図6で示した入出力要件は、INとOUTとで一つずつの要件(画像フォーマット)だけを指定していたが、INとOUTとに複数の要件(ここでは画像フォーマットと画像サイズ)を指定したものが図17である。要件はそれぞれ独立して組み合わせることが可能であり、例えば図17で示す内容としては、機器Cの“OCR"サービスは、入力としては「PDF:A4」、「PDF:B5」、「TIFF:A4」、「TIFF:B5」、「JPG:A4」、「JPG:B5」を扱うことが可能であり、出力としては「PDF:A4」、「PDF:B5」、「DOC:A4」、「DOC:B5」を扱うことが可能である、ということである。
【0076】
図18(a)、(b)は、サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0077】
図18(a)、(b)は、図9で示した入力・出力マッチング処理を、図17で示したような複数の入出力要件が指定されている場合に対応させたものである。
複数指定の場合の入力マッチング処理は、以下の通りである(図18(a))。
ステップS301:サービスの入力(IN)要件(例:フォーマット)を一つ取得する。
【0078】
ステップS302:取得した入力(IN)要件に含まれる入力(IN)項目(例:TIFF)を一つ取得する。
【0079】
ステップS303、S304:取得した入力(IN)要件について、対応する登録済みサービスの出力(OUT)要件に対し、各項目が含まれているか否かを判断する。各項目が含まれている場合(ステップS303/Yes)、ステップS304にてその要件での評価対象として記憶しておき、各項目が含まれていない場合(ステップS303/No)、無視する。
【0080】
ステップS305:ステップS302〜S304の処理を入力(IN)要件に含まれる全ての入力(IN)項目について実施する。すなわち、他に未処理の入力(IN)項目が無いか否かを判断し、未処理の入力(IN)項目がある場合(ステップS305/Yes)、ステップS306に進み、未処理の入力(IN)項目が無い場合(ステップS305/No)、ステップS302に戻る。
【0081】
ステップS306:ステップS301〜S305の処理を全ての入力(IN)要件について実施する。すなわち、他に未処理の入力(IN)要件が無いか否かを判断し、未処理の入力(IN)要件が無い場合(ステップS306/Yes)、ステップS307に進み、未処理の入力(IN)要件がある場合(ステップS306/No)、ステップS301に戻る。
【0082】
ステップS307:各要件で評価対象として記憶した項目の全組み合わせを生成する。
【0083】
ステップS308:ステップS307で生成した組み合わせを入力(IN)の評価対象として扱うようにする。
【0084】
複数指定の場合の出力マッチング処理は以下の通りである(図18(b))。
ステップS309:サービスの出力(OUT)要件(例:フォーマット)を一つ取得する。
【0085】
ステップS310:取得した出力(OUT)要件に含まれる出力(OUT)項目(例:TIFF)を一つ取得する。
【0086】
ステップS311、S312:取得した出力(OUT)要件について、対応する登録済みサービスの入力(IN)要件に対し、各項目が含まれているか否かを判断する。各項目が含まれている場合(ステップS311/Yes)、ステップS312にてその要件での評価対象として記憶しておく。各項目が含まれていない場合(ステップS311/No)、無視する。
【0087】
ステップS313:ステップS302〜S312の処理を出力(OUT)要件に含まれる全ての出力(OUT)項目について実施する。すなわち、他に未処理の出力(OUT)項目がないか否かを判断し、未処理の出力(OUT)項目が無い場合(ステップS313/Yes)、次のステップS314に進み、未処理の出力(OUT)項目がある場合(ステップS313/No)、ステップS310に戻る。
【0088】
ステップS314:ステップS309〜S313の処理を全ての出力(OUT)要件について実施する。すなわち、他に未処理の出力(OUT)要件が無いか否かを判断し、未処理の出力(OUT)要件が無いと判断した場合(ステップS314/Yes)、ステップS315に進み、未処理の出力(OUT)要件があると判断した場合(ステップS314/No)、ステップS309に戻る。
【0089】
ステップS315:各要件で評価対象として記憶した項目の全組み合わせを生成する。
【0090】
ステップS316:ステップS315で生成した組み合わせを出力(OUT)の評価対象として扱うようにする。
【0091】
サービス評価内容生成の処理全体と、要求性能情報の適用は、複数指定でない場合と同様である。
【0092】
図19は、サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
図19は、図10で示した入力・出力マッチング処理のイメージを、図17で示したような複数の入出力要件が指定されている場合に対応させたものである。
機器Cの“OCR"サービスは、まずINのフォーマットとしてはPDF、TIFF、JPGを受け取れるのに対し、登録済みサービスの中ではPDF、TIFFがOUTのフォーマットとして列挙されているため、INのフォーマットとしてPDF、TIFFを評価対象とする(破線R8、R12の部分)。
【0093】
INのサイズとしてはA4とB5とを受け取れるが、登録済みサービスの中ではA4もB5もOUTのサイズとして列挙されているため、INのサイズとしてA4、B5を評価対象とする(破線R9、R13の部分)。
【0094】
OUTのフォーマットとしてはPDF、DOCを出力できるのに対し、登録済みサービスの中ではPDFがOUTのフォーマットとして列挙されているため、OUTのフォーマットとしてPDFを評価対象とする(破線R10、R14の部分)。
【0095】
OUTのサイズとしてはA4、B5を出力できるが、登録済みサービスの中ではA4だけしかOUTのサイズとして列挙されていないため、OUTのサイズとしてA4だけを評価対象とする(破線R11、R15の部分)。
【0096】
以上の処理で評価対象となった要件の全組み合わせを生成すると、INのフォーマットが2通り、INのサイズが2通り、OUTのフォーマットが1通り、OUTのサイズが1通りなので、機器Cの“OCR"サービスの評価内容エントリは、2*2*1*1=4つ生成される(PDF:A4→PDF:A4、PDF:B5→PDF:A4、TIFF:A4→PDF:A4、TIFF:B5→PDF:A4)。
【0097】
<プログラム>
以上で説明した本発明にかかる情報処理装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0098】
例えば、
複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置の制御用のプログラムであって、
情報処理装置のコンピュータに、
サービス入出力要件取得手段が、画像処理装置の提供するサービスの入出力要件を取得する手順、
サービス要求性能管理手段が、連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持する手順、
サービス評価対象決定手段が、連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出する手順、
サービス評価内容生成手段が、サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成する手順、
サービス評価手段が、サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価する手順、
連携対象管理手段が、サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録する手順、
を実行させるプログラムが挙げられる。
【0099】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかる情報処理装置を実現することができる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0100】
<記憶媒体>
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD−Recordable)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0101】
<作用効果>
連携処理網(図1)に新たに登録する機器のサービスの入出力要件(図6)に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理(図9、図 10)を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出するので、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、評価処理を必要最小限にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの提供を実現することができる。
【0102】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 連携処理網
2、2−1、2−2 連携管理サーバ(S)
3−1 機器A(画像処理装置)
3−2 機器B(画像処理装置)
3−3 機器C(画像処理装置)
4 ネットワーク
11 連携対象管理手段
12 サービス評価対象決定手段
13 サービス入出力要件取得手段
14 通信手段
15 サービス評価内容生成手段
16 サービス要求性能管理手段
17 サービス評価手段
20 通信手段
21a スキャン手段
21b ファクス手段
21c OCR手段
22 サービス入出力要件管理手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2008−148109号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して接続された機器において、各機器が提供するサービスを組み合わせることで、連携機能を実現することができる。例えば、機器Aが保持する“OCR(Optical Character Reader)”サービスを、機器Aだけが利用するのではなく、ネットワークを介して接続された他の機器も利用できるように提供することができる。そして、機器Aの“OCR”サービスを、“スキャン”サービスを保持する機器Bが利用することで、「紙をスキャンしてOCR処理を実行する」という連携機能を実現することができる。このような連携機能において、提供されるサービスを利用する側が評価する技術が既に知られている。
【0003】
しかし、通常のサービス評価技術では、サービスの入出力要件を考慮して評価していなかった。入出力要件とは、サービスにおける入力や出力に求められる条件のことで、例えば「“OCR”サービスではPDF(Portable Document Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPG(Joint Photographic Coding Expert Group)を入力として受け付ける」が考えられる。このとき“OCR”サービスを利用する側がPDF、TIFF、JPGの入力をすべて利用するとは限らない。サービスの入出力要件を考慮せずに評価すると、利用されないサービスまで評価される可能性があり、その結果、不必要な評価処理を行ってしまうという問題があった。
【0004】
そこで、この種の問題を解決するため、種々の提案がなされた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の発明は、連携対象となる画像処理装置を登録する際に、ユーザの負荷を軽減し、且つ、連携対象として不要な装置が次々に登録されてしまうことを抑制する目的で、ネットワークを介して画像処理装置と連携する対象となる他の画像処理装置を記憶する記憶手段と、ネットワーク上の第一の画像処理装置の機能を示す機能情報を取得する取得手段と、前記画像処理装置の機能を示す機能情報と前記取得手段によって取得した機能情報とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記第一の画像処理装置が前記画像処理装置と比較して新規な機能を備えていない場合には、当該第一の画像処理装置を前記記憶手段に記憶せず、前記第一の画像処理装置が前記画像処理装置と比較して新規な機能を備えている場合には、当該第一の画像処理装置を前記記憶手段に記憶する制御手段とを有する画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、利用されるサービスのみを評価し、評価処理を必要最小限にするという問題は解消できていない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、評価処理を必要最小限にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置であって、前記画像処理装置が提供するサービスの入出力要件を取得するサービス入出力要件取得手段と、前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持するサービス要求性能管理手段と、前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出するサービス評価対象決定手段と、前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成するサービス評価内容生成手段と、前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価するサービス評価手段と、前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録しておく連携対象管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像フォーマットを項目として列挙することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像サイズを項目として列挙することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として入力・出力にそれぞれ複数の要件を指定することができ、入力・出力において要件の組み合わせのパターンを評価対象として決定することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価内容生成手段は、登録するサービスに対応する要求性能情報が取得できない場合、要求性能情報を加えることなく評価内容として生成することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記サービス評価手段は、サービスごとに対応したテストプログラムを保有し、サービス評価内容生成手段によって生成された評価内容をパラメータとしてテストプログラムに渡し、実行することでサービスの評価を実施することを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記サービス評価手段は、テストプログラムにおいて利用するためのテストデータ群をテストプログラムと併せて保有しており、要求性能情報においてサービスの要求値ごとに条件として使用するテストデータを記載することで、サービス評価実施時にテストプログラムへ該当のテストデータを読み込んで実行することを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記連携対象管理手段は、登録されているサービスそれぞれに対し有効期限を設定しており、有効期限が切れた際は再度新規サービス登録と同様にサービス評価内容を生成し、サービス評価を実施することを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出することを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置の制御用のプログラムであって、前記情報処理装置のコンピュータに、サービス入出力要件取得手段が、前記画像処理装置の提供するサービスの入出力要件を取得する手順、サービス要求性能管理手段が、前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持する手順、サービス評価対象決定手段が、前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出する手順、
サービス評価内容生成手段が、前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成する手順、サービス評価手段が、前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価する手順、連携対象管理手段が、前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録する手順、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、評価処理を必要最小限にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る情報処理装置としての、連携管理サーバによって管理される連携処理網の構成の一例を示す図である。
【図2】、連携処理網1−1においてサービスの連携を実施する様子を説明するための説明図である。
【図3】連携処理網1−2に新たな画像処理装置3−3を追加する様子を説明するための説明図である。
【図4】連携管理サーバ2の構成要素を示す構成図の一例である。
【図5】(a)〜(c)は、画像処理装置の構成要素の一例について説明するための説明図である。
【図6】(a)〜(c)は、サービス入出力要件の一例を示す図である。
【図7】サービス要求性能情報の一例を示す図である。
【図8】サービス評価内容の作成処理を示すフローチャートの一例である。
【図9】(a)、(b)は、図8で示したフローチャートのうち、「入力(IN)マッチング処理」「出力(OUT)マッチング処理」の処理内容をそれぞれ示したフローチャートの一例である。
【図10】入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
【図11】図8で示したフローチャートのうち、「要求性能情報適用」の処理内容を示したフローチャートの一例である。
【図12】要求性能情報適用処理のイメージを説明するための説明図である。
【図13】サービス評価手段が保有する、評価プログラム管理表を示す図である。
【図14】サービス評価内容を元に使用する評価プログラムを決定する様子を表した図である。
【図15】登録済みサービス表の一例を示す図である。
【図16】(a)〜(c)は、サービス入出力要件として画像サイズを採用した場合の一例である。
【図17】複数の要件を指定したサービス入出力要件の一例を示した図である。
【図18】(a)、(b)は、サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のフローチャートの一例を示す図である。
【図19】サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<発明の概要>
ネットワークを介して複数の機器がサービスの連携を行う環境で、連携を行う際は同じネットワークにある連携管理サーバへ連携できるサービスを問い合わせるようになっている。連携管理サーバに機器のサービスを登録するには、サーバによってサービスの評価を行い、合格する必要がある。
そこで、本発明は、新しく機器を追加する際、既に連携管理サーバに登録されているサービスの入力・出力形式と、追加する機器が持つサービスの入力・出力形式のマッチングを行い、連携する可能性のある組み合わせのみ評価するようにするものである。
本発明によれば、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、利用されるサービスのみを評価し、評価処理を必要最小限にすることができる。
【0020】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、連携処理網に新しく連携対象機器を加える際のサービス評価処理に際して、以下の特徴を有する。
【0021】
要するに、本発明は、連携処理網(図1参照)に新たに登録する機器のサービスの入出力要件(図6参照)に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理(図9、10)を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出することを特徴とする。
本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
【0022】
<実施の形態1>
以下、第1の実施の形態について述べる。
図1は、本発明に係る情報処理装置としての、連携管理サーバによって管理される連携処理網の構成の一例を示す図である。
【0023】
同図に示す連携処理網1は、1台の連携管理サーバ(後述する図4参照)2と、1台以上の画像処理装置(後述する図5参照)3−1、3−2がネットワーク4に接続されたものである。画像処理装置3−1は、他の画像処理装置3−2と連携を行う場合、連携管理サーバ2に問い合わせを行って他の画像処理装置4が提供する連携対象のサービスを発見する。連携対象のサービスは連携管理サーバ2に登録済みでなければならず、登録の際にはサービスが連携処理網1において連携対象として要求される性能を備えているか否かの評価をパスする必要がある。
【0024】
図2は、連携処理網1−1においてサービスの連携を実施する様子を説明するための説明図である。
図2において、連携管理サーバであるサーバS(2−1)によって管理される連携処理網1−1で、画像処理装置である機器A(3−1)と機器B(3−2)とが登録されている。連携対象のサービスとして、機器A(3−1)は“スキャン”サービスを保有し、機器B(3−2)は“ファクス送信”サービスを保有し、サーバS(2−1)に登録済みとなっている。
【0025】
図2では機器利用者Uが機器A(3−1)を操作し、機器A(3−1)の“スキャン”サービスの実施結果を、機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスに入力させる連携の流れを図示している。以下にその流れを説明する(番号は図中のものと対応している)。
【0026】
1.機器利用者Uは機器A(3−1)を操作し、機器A(3−1)の“スキャン"サービスにサービスの連携を要求する。
【0027】
2.機器A(3−1)は自身が持つ“スキャン"サービスと連携可能なサービスをサーバS(2−1)に問い合わせる。
【0028】
3.サーバS(2−1)は登録されている連携対象サービスの中から、機器A(3−1)の“スキャン"サービスと連携可能なサービスとを発見して回答する。ここでは、機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスが回答される。
【0029】
4.機器A(3−1)はサーバS(2−1)の回答結果を機器利用者Uに提示する。機器利用者Uは、提示された中から機器A(3−1)の“スキャン"サービスと連携させるサービスとを決定し、サービスの実行を指示する。ここでは、機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスとの連携が決定され、実行が指示される。
【0030】
5.機器A(3−1)は自身の“スキャン"サービスを実行し、その結果を機器B(3−2)の“ファクス送信"サービスに渡すようにサーバS(2−1)に依頼する。
【0031】
6.サーバS(2−1)は受け取った機器A(3−1)の“スキャン"サービスの結果を機器Bの“ファクス送信"サービスに渡す。
【0032】
7.機器B(3−1)は渡された結果を入力として、自身の“ファクス送信"サービスを実行する。
【0033】
8.機器B(3−1)は自身のサービスの実行結果をサーバS(2−1)に返し、サーバS(2−1)は機器A(3−1)にそれを渡し、機器A(3−1)は自身のサービスの実行結果と機器B(3−2)の実行結果とを合わせて機器利用者Uに通知する。
【0034】
図3は、連携処理網1−2に新たな画像処理装置3−3を追加する様子を説明するための説明図である。
連携処理網1−2に新たに画像処理装置3−3を追加する場合、連携管理サーバS(2−2)は追加する画像処理装置3−3の保有するサービスの性能を評価する。評価は連携管理サーバS(2−2)が生成したサービス評価内容に基づいて行う。サービス評価内容は、連携処理網1−2内の画像処理装置3−1〜3−3が保有するサービスのサービス入出力要件(後述する図6参照)に基づいて生成する。この連携管理サーバS(2−2)によるサービス評価内容の生成が、本発明の特徴となっている。
【0035】
図3では、図2に示したサーバS(2−1)と機器A(2−1)、機器B(2−2)による連携処理網1−1に、“OCR"サービスを備える機器C(3−3)を追加する様子を一例として示している。サーバS(2−2)は、機器A(3−1)と機器B(3−2)とがそれぞれ備えるサービスのサービス入出力要件からサービス評価内容を生成し、それに基づいて機器C(3−3)のサービスを評価する。
以降、サービス評価内容の生成について、図を用いて詳しく説明していく。
【0036】
図4は、連携管理サーバ2の構成要素を示す構成図の一例である。
連携管理サーバ2は、連携対象管理手段11、サービス評価対象決定手段12、サービス入出力要件取得手段13、通信手段14、サービス評価内容生成手段15、サービス要求性能管理手段16、サービス評価手段17を構成要素として備える。
【0037】
サービス入出力要件取得手段13は、通信手段14を介して各画像処理装置からサービス入出力要件を取得する役割を持つ。サービス入出力要件については図6を参照して後述する。
【0038】
サービス要求性能管理手段16は、連携管理サーバS(2)が管理する連携処理網に参加する画像処理装置のサービスが要求される性能を定義したサービス要求性能情報を管理する役割を持つ。サービス要求性能情報については図7を参照して後述する。
【0039】
サービス評価対象決定手段12は、既に登録されたサービスの入出力要件と、連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件とを照らし合わせ、登録するサービスの入出力のうち利用される組み合わせだけを評価対象として決定する役割を持つ。
【0040】
サービス評価内容生成手段15は、評価対象として決定された組み合わせに対し、各サービスが要求される要求性能情報を加え、具体的に各サービスに対して実施される評価内容を生成する役割を持つ。
【0041】
サービス評価手段17は、サービス評価内容生成手段15が生成した評価内容に従って、サービスの評価を実施する役割を持つ。
【0042】
連携対象管理手段11は、既に評価をパスし、登録されたサービスの一覧を管理する役割を持つ。
【0043】
通信手段14は、連携管理サーバ21をネットワークに接続し、画像処理装置と通信を行う役割を持つ。
【0044】
図5(a)〜(c)は、画像処理装置の構成要素の一例について説明するための説明図である。
画像処理装置としての機器A(3−1)〜機器C(3−3)は、通信手段14及びサービス入出力要件情報管理手段に加え、自身の提供するサービスを実現する手段をそれぞれ備える。本実施形態ではサービスの例として、機器A(3−1)にスキャン手段21、機器B(3−2)にファクス送信手段23、機器C(3−3)にOCR手段24を持たせることとした。
通信手段20は、画像処理装置をネットワークに接続し、連携管理サーバと通信を行う役割を持つ。
サービス入出力要件管理手段22は、装置自身が提供するサービス入出力要件を保持している。サービス入出力要件については図6を参照して後述する。
スキャン手段21、ファクス送信手段23、OCR手段24は、各装置が提供するサービスを実現する役割を持つ。
【0045】
図6(a)〜(c)は、サービス入出力要件の一例を示す図である。
サービス入出力要件は、各サービスが受付可能なデータの形式(IN)と、出力可能なデータの形式(OUT)をそれぞれ列挙したものである。
本実施形態ではIN/OUTとして画像データのフォーマットを規定している。この他にも利用可能な画像サイズ(A3、A4、B5等)などを要件として用いることも可能であり(後述する図16にて例示)、それらの組み合わせを用いてもよい(後述する図17にて例示)。
【0046】
図6(a)には機器Aが提供する“スキャン"サービスの入出力要件が示され、図6(b)には機器Bが提供する“ファクス送信"サービスの入出力要件が示され、図6(c)には機器Cが提供する“OCR"サービスの入出力要件が一例として示されている。
“スキャン"サービスは、連携処理においては他サービスからの入力を受け付けないのでINは設定されておらず、サービスの処理結果としてはPDFまたはTIFFを出力する、という定義がなされている。“ファクス送信"サービスは、処理対象としてPDFまたはTIFFを入力として受け取り、連携処理においては他サービスに出力を渡さないのでOUTは設定されていない、という定義がなされている。“OCR"サービスは、PDF、TIFF、JPGのいずれかを入力として受け取り、PDFまたはDOCを出力することができる、という定義がなされている。
これらのサービス入出力要件は、通信手段を介して連携管理サーバに送信され、サービス評価対象決定手段によって用いられる(図8、図9、図10を参照)。
【0047】
図7は、サービス要求性能情報の一例を示す図である。
サービス要求性能情報は、サービス要求性能管理手段によって保有され、連携管理サーバが各画像処理装置のサービスに要求する性能の要求値を定義するものである。
サービスごとに一つ以上の項目が設けられ、項目ごとに要求値と条件が定義される。
【0048】
図7に示した一例では、“OCR"サービスは、テストデータ1を使用して処理を行った結果、精度が95%、処理にかかる時間が30秒以下であることが求められることになる。また“ファクス送信"サービスは、2MB以上のデータをメモリに格納できなければならないことになる。
サービス要求性能情報は、連携処理網内に存在しないサービスの情報も持つことができる。例えば、図3ではまだ“OCR"サービスは存在していない(追加しようとしているところ)が、その時点でも図7のように“OCR"サービスのサービス要求性能情報を持っていることができる。このように存在しないサービスの情報は、あらかじめ連携管理サーバに持たせておくか、サービスを追加する前に人手で入力するかなどして用意する必要がある。
このサービス要求性能情報は、サービス評価内容生成手段によって読み込まれ、サービス評価内容の一部として用いられる(図11、図12を参照)。
【0049】
図8は、サービス評価内容の作成処理を示すフローチャートの一例である。
動作の主体は、連携管理サーバに用いられる、図示しないCPU(Central Processing Unit)である。
このフローチャートはサービス評価対象決定手段およびサービス評価内容生成手段で行われる処理の流れを示したものである。この処理は連携処理網に新規に機器が参加する際に実施される。
【0050】
ステップS1:登録済みサービスの入出力条件を読み込む。登録済みサービスの入出力要件は連携対象管理手段に格納されており、そこに格納されている全てのサービスの入出力要件を読み込む。
【0051】
ステップS2:新規に登録するサービスの入出力条件を取得する。これは新規に連携処理網に参加しようとする機器からサービス入出力要件取得手段が取得してくる。
【0052】
ステップS3、S4:取得した入出力要件に対し、登録済みサービスの入出力要件のマッチングを行い、入力・出力それぞれの評価対象を抽出していく。この処理については後述する図9で説明する。
【0053】
ステップS5:入力の評価対象と出力の評価対象の全組み合わせを生成する。組み合わせの一つ一つを評価内容エントリと呼ぶ。
【0054】
ステップS6:ステップS2〜S5の処理を機器が提供する全てのサービスについて実施する。すなわち、他に未処理のサービスがないか否かを判断し、他に未処理のサービスがある場合(ステップS6/Yes)、ステップS7に進み、他に未処理のサービスがない場合(ステップS6/No)、ステップS2に戻る。
【0055】
ステップS7:評価内容エントリに対し、サービス要求性能情報を適用し、最終的なサービス評価内容を生成する。この処理は後述する図11で説明する。
以上の処理により、サービス評価内容が生成される。
【0056】
図9(a)、(b)は、図8で示したフローチャートのうち、「入力(IN)マッチング処理」「出力(OUT)マッチング処理」の処理内容をそれぞれ示したフローチャートの一例である。
図9(a)において、入力マッチング処理は以下の通りである。
ステップS31:新規追加するサービスの入力(IN)の項目を一つ取得する。
【0057】
ステップS32、S33:取得した入力(IN)項目が、登録済みサービスの出力(OUT)項目に含まれているか否かを判断する。取得した入力(IN)項目が含まれている場合(ステップS32/Yes)、ステップS33で入力の評価対象として記憶しておく。取得した入力(IN)項目が含まれていない場合(ステップS32/No)、無視する。
【0058】
ステップS34:ステップS31〜S33の処理を新規追加するサービスの入力(IN)の項目全てに実施する。すなわち、他に未処理の入力項目(IN)がある場合(ステップS34/Yes)、終了し、他に未処理の入力項目(IN)がない場合(ステップS34/No)、ステップS31に戻る。
【0059】
図9(b)における出力マッチング処理は、以下の通りである。
ステップS35:新規追加するサービスの出力(OUT)の項目を一つ取得する。
【0060】
ステップS36:取得した出力(OUT)項目が、登録済みサービスの入力(IN)項目に含まれているか否かを判断する。取得した出力(OUT)項目が含まれている場合(ステップS36/Yes)、出力の評価対象として記憶しておく。取得した出力(OUT)項目が含まれていない場合(ステップS36/No)、無視する。
【0061】
ステップS37:ステップS35〜S36の処理を新規追加するサービスの出力(OUT)の項目全てに実施する。すなわち、他に未処理の出力項目(OUT)がない場合(ステップS38/Yes)、終了し、他に未処理の出力項目(OUT)がある場合(ステップS38/No)、ステップS35に戻る。
【0062】
図10は、入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
図10は、図3において機器C(3−3)を追加する際の入力・出力マッチング処理の様子を示している。
新たに登録しようとしている機器C(3−3)の“OCR"サービスは、INとしてはPDF、TIFF、JPGを扱うことができ(破線R3)、OUTとしてはPDF、DOCを扱うことができる(破線R4)。
これに対し、登録済みサービスの中では、OUTとしてPDF、TIFFを扱うことができるが(機器A(3−1)の“スキャン"サービス:破線R2)、JPGを扱うものは無く、またINとしてはPDFを扱うことができるが(機器Bの“ファクス送信"サービス:破線R1)、DOCを扱うものは無い。
【0063】
つまり、この連携処理網の中では、“OCR"サービスのINではJPGを扱う機会は無く、OUTではDOCを扱う機会は無いということになる。
【0064】
そこで、機器Cの“OCR"サービスに対するサービス評価内容としては、INが2通りでOUTが1通りなので、計2*1=1→二つとなる。
具体的には、評価エントリNo.1のPDF→PDFの組み合わせと、評価エントリNo.2のTIFF→PDFの組み合わせを生成することになる。
【0065】
図11は、図8で示したフローチャートのうち、「要求性能情報適用」の処理内容を示したフローチャートの一例である。
要求性能情報適用は、サービス評価内容生成手段で行われる処理である。
ステップS61:要求性能情報をサービス要求性能管理手段から取得する。
【0066】
ステップS62:サービス評価対象決定手段で生成された評価内容エントリを一つ取得する。
【0067】
ステップS63:評価内容エントリの示すサービスに対応する要求性能情報が存在するか否かを確認する。要求性能情報が存在する場合(ステップS63/Yes)、ステップS64で評価内容エントリに要求性能情報を要求値として追加し、その評価内容エントリを確定する。要求性能情報が無い場合(ステップS63/No)、特に要求値の追加は行わず、単純に入出力の組み合わせが実行可能であるか否かだけを確認する評価内容エントリとして確定する。
【0068】
ステップS65:ステップS62〜S64の処理を全評価内容エントリに対して実施する。すなわち、他に未処理の評価エントリが無いか否かを判断し、他に未処理の評価エントリがある場合(ステップS65/Yes)、終了し、他に未処理の評価エントリが無い場合(ステップS65/No)、ステップS62に戻る。
【0069】
図12は、要求性能情報適用処理のイメージを説明するための説明図である。
図12は、図3において機器C(3−3)を追加する際の要求性能情報適用処理の様子を示している。
図12の要求性能情報において、“OCR"サービスには精度と処理時間という二つの項目が要求値として設定されている。評価エントリNo.1、No.2共に“OCR"サービスの評価なので、これらの評価を実施する際に二つの要求値を満たしているか否かを確認するようにする。このステップにより、例えば評価エントリNo.1では「機器Cの“OCR"サービスにPDFを入力してPDFで結果を出力する際、精度が95%以上であり、処理時間が30秒以下であること」を確認する評価内容として決定された(破線R5)。
【0070】
<実施形態2>
以下、第2の実施形態について述べる。
(請求項6、7に対応)
図13は、サービス評価手段が保有する、評価プログラム管理表を示す図である。
評価プログラム管理表は、サービスごとに評価に使用する評価プログラムと、評価に用いるテストデータを対応付けて管理する。サービス評価手段は、この表に基づき評価するサービスに対応した評価プログラムとテストデータを取り出す。サービス評価手段が評価プログラムを実行し、結果を見ることでサービスの評価が実施される。
【0071】
図14は、サービス評価内容を元に使用する評価プログラムを決定する様子を表した図である。
サービス評価内容の評価内容エントリごとに、評価するサービスが示されているので、サービス評価手段は対応した評価プログラムを評価プログラム管理表から取得する。
評価内容エントリごとに条件(IN、OUT、要求値)が示されているので、これらを評価プログラムの実行パラメータとして入力する。テストデータが指定されている場合、評価プログラム管理表のテストデータ定義から該当のものを選択し、評価プログラムの実行時に使用する(破線R6、R7)。
評価プログラムを実行し、結果が評価内容エントリに示された条件を満たしていれば、そのサービスは連携対象サービスとして連携対象管理手段に登録される。
【0072】
<実施形態3>
以下、第3の実施形態について述べる。
(請求項8に対応)
図15は、登録済みサービス表の一例を示す図である。
登録済みサービス表は、連携対象管理手段によって保有される、評価をパスし連携対象として登録されたサービスの一覧であり、各サービスの入出力要件をまとめたものに相当する。図9、図10で示す通り、新規にサービスを登録する際の入力・出力マッチング処理における比較情報として利用される。
【0073】
図15においては、入出力要件としての情報の他に有効期限が設定されている。これは、そのサービスが登録済みであることのできる期限を示すものである。連携対象管理手段は有効期限をチェックし、切れているものがあれば、新規にサービスを登録する際と同様に、サービス評価内容を生成し、サービスの評価を行うようにする。このようにすることによって、連携処理網に参加している画像処理装置の増加や、サービスを提供する装置自身の変化(設定変更、サービスのアップグレードなど)によってサービスが連携対象としての性能を維持できているか否かを確認することができる。
【0074】
<実施形態4>
以下、第4の実施形態について述べる。
(請求項3に対応)
図16(a)〜(c)は、サービス入出力要件として画像サイズを採用した場合の一例である。
図6(a)〜(c)で示した入出力要件は、入出力可能な画像フォーマットを採用していたが、画像フォーマット以外にも、図16(a)〜(c)に示すように、画像サイズを入出力要件として採用することが可能である。
図16(a)では、例えば機器Aの“スキャン"サービスは、画像サイズがA3、A4、B5の出力を行うことができることを表している。また、図16(b)では、例えば機器Bの“ファクス送信”サービスは、サイズがA4の入力を行うことができることを表している。また、図16(c)では、例えば機器Cの“OCR”サービスは、サイズがA4、B5の入力を行い、画像サイズがA4、B5の出力を行うことができることを表している。
このように画像フォーマット以外の入出力要件を採用した場合でも、図8、図9のフローチャートに従って入力・出力マッチング処理を行う。
【0075】
<実施形態5>
以下、第5の実施形態について述べる。
(請求項4に対応)
図17は、複数の要件を指定したサービス入出力要件の一例を示した図である。
図6で示した入出力要件は、INとOUTとで一つずつの要件(画像フォーマット)だけを指定していたが、INとOUTとに複数の要件(ここでは画像フォーマットと画像サイズ)を指定したものが図17である。要件はそれぞれ独立して組み合わせることが可能であり、例えば図17で示す内容としては、機器Cの“OCR"サービスは、入力としては「PDF:A4」、「PDF:B5」、「TIFF:A4」、「TIFF:B5」、「JPG:A4」、「JPG:B5」を扱うことが可能であり、出力としては「PDF:A4」、「PDF:B5」、「DOC:A4」、「DOC:B5」を扱うことが可能である、ということである。
【0076】
図18(a)、(b)は、サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0077】
図18(a)、(b)は、図9で示した入力・出力マッチング処理を、図17で示したような複数の入出力要件が指定されている場合に対応させたものである。
複数指定の場合の入力マッチング処理は、以下の通りである(図18(a))。
ステップS301:サービスの入力(IN)要件(例:フォーマット)を一つ取得する。
【0078】
ステップS302:取得した入力(IN)要件に含まれる入力(IN)項目(例:TIFF)を一つ取得する。
【0079】
ステップS303、S304:取得した入力(IN)要件について、対応する登録済みサービスの出力(OUT)要件に対し、各項目が含まれているか否かを判断する。各項目が含まれている場合(ステップS303/Yes)、ステップS304にてその要件での評価対象として記憶しておき、各項目が含まれていない場合(ステップS303/No)、無視する。
【0080】
ステップS305:ステップS302〜S304の処理を入力(IN)要件に含まれる全ての入力(IN)項目について実施する。すなわち、他に未処理の入力(IN)項目が無いか否かを判断し、未処理の入力(IN)項目がある場合(ステップS305/Yes)、ステップS306に進み、未処理の入力(IN)項目が無い場合(ステップS305/No)、ステップS302に戻る。
【0081】
ステップS306:ステップS301〜S305の処理を全ての入力(IN)要件について実施する。すなわち、他に未処理の入力(IN)要件が無いか否かを判断し、未処理の入力(IN)要件が無い場合(ステップS306/Yes)、ステップS307に進み、未処理の入力(IN)要件がある場合(ステップS306/No)、ステップS301に戻る。
【0082】
ステップS307:各要件で評価対象として記憶した項目の全組み合わせを生成する。
【0083】
ステップS308:ステップS307で生成した組み合わせを入力(IN)の評価対象として扱うようにする。
【0084】
複数指定の場合の出力マッチング処理は以下の通りである(図18(b))。
ステップS309:サービスの出力(OUT)要件(例:フォーマット)を一つ取得する。
【0085】
ステップS310:取得した出力(OUT)要件に含まれる出力(OUT)項目(例:TIFF)を一つ取得する。
【0086】
ステップS311、S312:取得した出力(OUT)要件について、対応する登録済みサービスの入力(IN)要件に対し、各項目が含まれているか否かを判断する。各項目が含まれている場合(ステップS311/Yes)、ステップS312にてその要件での評価対象として記憶しておく。各項目が含まれていない場合(ステップS311/No)、無視する。
【0087】
ステップS313:ステップS302〜S312の処理を出力(OUT)要件に含まれる全ての出力(OUT)項目について実施する。すなわち、他に未処理の出力(OUT)項目がないか否かを判断し、未処理の出力(OUT)項目が無い場合(ステップS313/Yes)、次のステップS314に進み、未処理の出力(OUT)項目がある場合(ステップS313/No)、ステップS310に戻る。
【0088】
ステップS314:ステップS309〜S313の処理を全ての出力(OUT)要件について実施する。すなわち、他に未処理の出力(OUT)要件が無いか否かを判断し、未処理の出力(OUT)要件が無いと判断した場合(ステップS314/Yes)、ステップS315に進み、未処理の出力(OUT)要件があると判断した場合(ステップS314/No)、ステップS309に戻る。
【0089】
ステップS315:各要件で評価対象として記憶した項目の全組み合わせを生成する。
【0090】
ステップS316:ステップS315で生成した組み合わせを出力(OUT)の評価対象として扱うようにする。
【0091】
サービス評価内容生成の処理全体と、要求性能情報の適用は、複数指定でない場合と同様である。
【0092】
図19は、サービス入出力要件が複数指定されている場合の入力・出力マッチング処理のイメージを説明するための説明図である。
図19は、図10で示した入力・出力マッチング処理のイメージを、図17で示したような複数の入出力要件が指定されている場合に対応させたものである。
機器Cの“OCR"サービスは、まずINのフォーマットとしてはPDF、TIFF、JPGを受け取れるのに対し、登録済みサービスの中ではPDF、TIFFがOUTのフォーマットとして列挙されているため、INのフォーマットとしてPDF、TIFFを評価対象とする(破線R8、R12の部分)。
【0093】
INのサイズとしてはA4とB5とを受け取れるが、登録済みサービスの中ではA4もB5もOUTのサイズとして列挙されているため、INのサイズとしてA4、B5を評価対象とする(破線R9、R13の部分)。
【0094】
OUTのフォーマットとしてはPDF、DOCを出力できるのに対し、登録済みサービスの中ではPDFがOUTのフォーマットとして列挙されているため、OUTのフォーマットとしてPDFを評価対象とする(破線R10、R14の部分)。
【0095】
OUTのサイズとしてはA4、B5を出力できるが、登録済みサービスの中ではA4だけしかOUTのサイズとして列挙されていないため、OUTのサイズとしてA4だけを評価対象とする(破線R11、R15の部分)。
【0096】
以上の処理で評価対象となった要件の全組み合わせを生成すると、INのフォーマットが2通り、INのサイズが2通り、OUTのフォーマットが1通り、OUTのサイズが1通りなので、機器Cの“OCR"サービスの評価内容エントリは、2*2*1*1=4つ生成される(PDF:A4→PDF:A4、PDF:B5→PDF:A4、TIFF:A4→PDF:A4、TIFF:B5→PDF:A4)。
【0097】
<プログラム>
以上で説明した本発明にかかる情報処理装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0098】
例えば、
複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置の制御用のプログラムであって、
情報処理装置のコンピュータに、
サービス入出力要件取得手段が、画像処理装置の提供するサービスの入出力要件を取得する手順、
サービス要求性能管理手段が、連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持する手順、
サービス評価対象決定手段が、連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出する手順、
サービス評価内容生成手段が、サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成する手順、
サービス評価手段が、サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価する手順、
連携対象管理手段が、サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録する手順、
を実行させるプログラムが挙げられる。
【0099】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかる情報処理装置を実現することができる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0100】
<記憶媒体>
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD−Recordable)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0101】
<作用効果>
連携処理網(図1)に新たに登録する機器のサービスの入出力要件(図6)に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理(図9、図 10)を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出するので、新たな連携対象機器をネットワークに追加する際、評価処理を必要最小限にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの提供を実現することができる。
【0102】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 連携処理網
2、2−1、2−2 連携管理サーバ(S)
3−1 機器A(画像処理装置)
3−2 機器B(画像処理装置)
3−3 機器C(画像処理装置)
4 ネットワーク
11 連携対象管理手段
12 サービス評価対象決定手段
13 サービス入出力要件取得手段
14 通信手段
15 サービス評価内容生成手段
16 サービス要求性能管理手段
17 サービス評価手段
20 通信手段
21a スキャン手段
21b ファクス手段
21c OCR手段
22 サービス入出力要件管理手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2008−148109号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置であって、
前記画像処理装置が提供するサービスの入出力要件を取得するサービス入出力要件取得手段と、
前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持するサービス要求性能管理手段と、
前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出するサービス評価対象決定手段と、
前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成するサービス評価内容生成手段と、
前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価するサービス評価手段と、
前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録しておく連携対象管理手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像フォーマットを項目として列挙することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像サイズを項目として列挙することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として入力・出力にそれぞれ複数の要件を指定することができ、入力・出力において要件の組み合わせのパターンを評価対象として決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価内容生成手段は、登録するサービスに対応する要求性能情報が取得できない場合、要求性能情報を加えることなく評価内容として生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価手段は、サービスごとに対応したテストプログラムを保有し、サービス評価内容生成手段によって生成された評価内容をパラメータとしてテストプログラムに渡し、実行することでサービスの評価を実施することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6記載の情報処理装置において、
前記サービス評価手段は、テストプログラムにおいて利用するためのテストデータ群をテストプログラムと併せて保有しており、要求性能情報においてサービスの要求値ごとに条件として使用するテストデータを記載することで、サービス評価実施時にテストプログラムへ該当のテストデータを読み込んで実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記連携対象管理手段は、登録されているサービスそれぞれに対し有効期限を設定しており、有効期限が切れた際は再度新規サービス登録と同様にサービス評価内容を生成し、サービス評価を実施することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置の制御用のプログラムであって、
前記情報処理装置のコンピュータに、
サービス入出力要件取得手段が、前記画像処理装置の提供するサービスの入出力要件を取得する手順、
サービス要求性能管理手段が、前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持する手順、
サービス評価対象決定手段が、前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出する手順、
サービス評価内容生成手段が、前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成する手順、
サービス評価手段が、前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価する手順、
連携対象管理手段が、前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録する手順、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置であって、
前記画像処理装置が提供するサービスの入出力要件を取得するサービス入出力要件取得手段と、
前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持するサービス要求性能管理手段と、
前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出するサービス評価対象決定手段と、
前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成するサービス評価内容生成手段と、
前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価するサービス評価手段と、
前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録しておく連携対象管理手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像フォーマットを項目として列挙することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として、サービスが取り扱える画像サイズを項目として列挙することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価対象決定手段は、入出力要件として入力・出力にそれぞれ複数の要件を指定することができ、入力・出力において要件の組み合わせのパターンを評価対象として決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価内容生成手段は、登録するサービスに対応する要求性能情報が取得できない場合、要求性能情報を加えることなく評価内容として生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記サービス評価手段は、サービスごとに対応したテストプログラムを保有し、サービス評価内容生成手段によって生成された評価内容をパラメータとしてテストプログラムに渡し、実行することでサービスの評価を実施することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6記載の情報処理装置において、
前記サービス評価手段は、テストプログラムにおいて利用するためのテストデータ群をテストプログラムと併せて保有しており、要求性能情報においてサービスの要求値ごとに条件として使用するテストデータを記載することで、サービス評価実施時にテストプログラムへ該当のテストデータを読み込んで実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記連携対象管理手段は、登録されているサービスそれぞれに対し有効期限を設定しており、有効期限が切れた際は再度新規サービス登録と同様にサービス評価内容を生成し、サービス評価を実施することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち連携に組み込まれる組み合わせだけをサービス評価対象として抽出することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
複数の画像処理装置によって構成される連携処理網を管理する情報処理装置の制御用のプログラムであって、
前記情報処理装置のコンピュータに、
サービス入出力要件取得手段が、前記画像処理装置の提供するサービスの入出力要件を取得する手順、
サービス要求性能管理手段が、前記連携処理網内で連携対象として登録するサービスへの要求性能情報を保持する手順、
サービス評価対象決定手段が、前記連携処理網に新たに登録する機器のサービスの入出力要件に対し、既に前記連携処理網に登録されているサービスの入出力要件のマッチング処理を行い、登録するサービスの入出力のうち利用する組み合わせだけを評価対象として抽出する手順、
サービス評価内容生成手段が、前記サービス要求性能管理手段から登録するサービスの要求性能情報を取得して前記評価対象に加えることで、サービスに対して実施する評価内容を生成する手順、
サービス評価手段が、前記サービス評価内容生成手段によって定義された要求に従ってサービスを評価する手順、
連携対象管理手段が、前記サービス評価手段によって評価をパスしたサービスを連携対象として登録する手順、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−113403(P2012−113403A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260015(P2010−260015)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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