説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム

【課題】或るユーザが端末装置を用いて行うことを、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザにも行いやすくさせる。
【解決手段】現在位置を取得する位置取得手段を備える複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置であって、現在位置を示す位置情報を各端末装置から受信する情報受信手段と、受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の端末装置を特定する特定手段と、所定の処理を端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信手段と、操作通知を送信してきた一の端末装置と同じ領域に位置する他の端末装置の処理を制御する制御情報であり、一の端末装置と同じ処理を他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、他の端末装置に送信する制御情報送信手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置の現在位置に基づいて、端末装置に情報を送信する情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)受信器等を備え、現在位置を取得する端末装置が知られている。また、端末装置により取得された現在位置に基づいて、ユーザに提示される情報を端末装置に送信するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、GPS機能及び温度センサーを有する携帯端末から利用者の現在位置及びその外気温をサーバが取得し、取得した現在位置及び外気温に対応する広告情報を携帯端末に送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−133106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、同じ場所にいて状況が同じ複数のユーザが、一緒に同じ行動をとることがある。例えば、複数のユーザが携帯電話機の赤外線通信機能を利用して互いの電話番号等を交換すること等が該当する。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、現在位置等に対応する情報がユーザに提示されるだけであり、或るユーザと同じ状況下に置かれた他のユーザに関しては特段の考慮はされていない。そのため、複数のユーザが同じことを行うまでに時間を要する場合がある。
【0005】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、或るユーザが端末装置を用いて行うことを、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザにも行いやすくさせることを可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、現在位置を取得する位置取得手段を備える複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置であって、前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信手段と、前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定手段と、所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信手段と、前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、ユーザの操作によって所定の処理が実行される一の端末装置と同じ領域に位置する他の端末装置が、前記所定の処理の実行を推薦するメッセージをユーザに提示する。同じ領域に位置する複数のユーザは、互いに同じ状況下に置かれているものと仮定した場合、他の端末装置を利用するユーザは、メッセージの提示を受けることにより、自分と同じ状況下に置かれたユーザが利用する一の端末装置が所定の処理を実行することを知ることができる。そこで、他の端末装置を利用するユーザは、一の端末装置が実行する処理と同じ処理を、自分が利用する端末装置に実行させることができる。このように、或るユーザが端末装置を用いて行うことを、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザにも、自分が利用する端末装置を用いて行いやすくさせることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置であって、前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ処理の実行の推薦を受け入れることをユーザが選択操作することを可能とし、且つ、前記選択操作が行われた場合に推薦された処理を実行させる前記制御情報を、前記他の端末装置に送信することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、他の端末装置を利用するユーザが選択操作を行うことにより、一の端末装置が実行する処理と同じ処理を、他の端末装置が実行する。よって、本来、端末装置に実行させるために複雑な操作が必要な処理であっても、簡単に実行させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、前記所定の処理は、前記端末装置が所定のコンピュータプログラムを起動させることにより実行される処理であり、前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ処理を実行するためのコンピュータプログラムを前記他の端末装置により起動させる前記制御情報を、前記他の端末装置に送信することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、或るユーザが端末装置に実行させる処理と同じ処理を、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザが、自分が利用する端末装置に所定のコンピュータプログラムを起動させることにより、実行させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、前記所定の処理は、コンテンツをユーザに提示する処理であり、前記操作通知を受信した場合に、複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶装置から、提示対象のコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、前記取得されたコンテンツを前記一の端末装置に送信するコンテンツ送信手段と、前記一の端末装置に送信されたコンテンツと同じコンテンツの送信要求を前記他の端末装置から受信するコンテンツ送信要求受信手段と、を更に備え、前記制御情報送信手段は、前記送信要求を前記他の端末装置により送信させる前記制御情報を、前記他の端末装置に送信し、前記送信要求が受信された場合、前記コンテンツ送信手段は、前記一の端末装置に送信されたコンテンツと同じコンテンツを、前記送信要求を送信してきた前記他の端末装置に送信することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、或るユーザが端末装置から提示を受けるコンテンツと同じコンテンツを、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザが、自分が利用する端末装置から提示を受けやすくなる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置であって、前記端末装置は、気温を検出する温度検出手段を更に備え、前記情報受信手段は、前記気温を示す温度情報を更に各前記端末装置から受信し、前記特定手段は、前記位置情報及び前記温度情報に基づいて、同じ領域に位置し、且つ、同じ気温範囲内の気温を検出した複数の前記端末装置を特定し、前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ領域に位置し、且つ、前記一の端末装置と同じ気温範囲内の気温を検出した他の前記端末装置に、前記制御情報を送信することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、一の端末装置と同じ領域に位置し、且つ、一の端末装置と同じ気温範囲内の気温を検出した端末装置が、推薦情報を提示する。複数のユーザが同じ領域に位置していても、気温が異なれば、それぞれが置かれている状況が異なるものと仮定した場合、一の端末装置を利用するユーザと同じ状況下に置かれたユーザをより正確に特定することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置であって、前記端末装置は、マイクロフォンを更に備え、前記情報受信手段は、前記マイクロフォンにより集音された音を示す音情報を更に各前記端末装置から受信し、前記特定手段は、前記位置情報及び前記音情報に基づいて、同じ領域に位置し、且つ、同じ音を集音したと認められる複数の前記端末装置を特定し、前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ領域に位置し、且つ、前記一の端末装置と同じ音を集音したと認められる他の前記端末装置に、前記制御情報を送信することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、一の端末装置と同じ領域に位置し、且つ、一の端末装置と同じ音を集音したと認められる端末装置が、推薦情報を提示する。複数のユーザが同じ領域に位置していても、各ユーザが聞こえている音が異なれば、それぞれが置かれている状況が異なるものと仮定した場合、一の端末装置を利用するユーザと同じ状況下に置かれたユーザをより正確に特定することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、現在位置を取得する位置取得ステップを備える複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置における情報処理方法であって、前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信ステップと、前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定ステップと、所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信ステップと、前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、現在位置を取得する位置取得手段を備える複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置に含まれるコンピュータを、前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信手段、前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定手段、所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信手段、及び、前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信手段、として機能させることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、現在位置を取得する位置取得手段を備える複数の端末装置と、前記複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信手段と、前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定手段と、所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信手段と、前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信手段と、を備え、前記端末装置は、前記位置情報を前記情報処理装置に送信する情報送信手段と、前記端末装置をユーザが操作するための操作手段と、前記操作手段を用いて前記所定の処理を実行するよう操作された場合に、前記操作通知を前記情報処理装置に送信する操作通知送信手段と、前記情報処理装置から送信された前記制御情報を受信する制御情報受信手段と、前記受信された制御情報に基づいて、ユーザにより操作された一の端末装置と同じ処理を推薦する推薦情報を提示する提示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、他の端末装置を利用するユーザは、自分と同じ状況下に置かれたユーザが利用する一の端末装置が所定の処理を実行することを知ることができるので、一の端末装置が実行する処理と同じ処理を、自分が利用する端末装置に実行させることができる。このように、或るユーザが端末装置を用いて行うことを、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザにも、自分が利用する端末装置を用いて行いやすくさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】一実施形態に係るレコメンドシステムSの概要構成の一例を示す図である。
【図2】一実施形態に係るレコメンドシステムSの動作概要の一例を示す図である。
【図3】一実施形態に係るセンターサーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図4】一実施形態に係る携帯電話機2の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図5】一実施形態に係る携帯電話機2のシステム制御部44における処理例を示すフローチャートである。
【図6】番号交換アプリの起動をレコメンドする場合の画面表示例である。
【図7】一実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部20の処理例を示すフローチャートである。
【図8】一実施形態に係る携帯電話機2のシステム制御部44における処理例を示すフローチャートである。
【図9】一実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部20の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、或る携帯電話機によりアプリケーションプログラムが起動されたときに、他の携帯電話機にも同じアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という)の起動をレコメンド(推薦)するレコメンドシステムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0024】
[1.第1実施形態]
[1.1 レコメンドシステムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係るレコメンドシステムSの構成及び概要機能について、図1及び図2を用いて説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係るレコメンドシステムSの概要構成の一例を示す図である。また、図2は、本実施形態に係るレコメンドシステムSの動作概要の一例を示す図である。
【0026】
図1に示すように、レコメンドシステムSは、情報処理装置の一例としてのセンターサーバ1と、端末装置の一例としての複数の携帯電話機2と、を含んで構成されている。そして、センターサーバ1と各携帯電話機2とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0027】
このような構成のレコメンドシステムSにおいて、各携帯電話機2は、現在位置取得機能及び気温検出機能を有している。各携帯電話機2により検出された現在位置を示す位置情報、及び検出された気温を示す温度情報は、センターサーバ1に送信されて登録される。
【0028】
或る一の携帯電話機2が予め定められたアプリを起動すると、前記一の携帯電話機2を利用しているユーザと同じ状況下に置かれているユーザが利用する携帯電話機2が、前記一の携帯電話機2が起動したアプリと同じアプリを起動するように、ユーザに対してレコメンドするようになっている。同じ状況下に置かれている複数のユーザとは、例えば、同じ場所にいて一緒に同じことをしているユーザのことをいう。ここで、前記一の携帯電話機2のように、最初に所定のアプリを起動した携帯電話機2を、「第1起動端末」(本発明における一の端末装置の一例)と称し、第1起動端末を利用しているユーザと同じ状況下に置かれているユーザが利用する携帯電話機2を、「状況一致端末」(本発明における他の端末装置の一例)と称する。状況一致端末が存在するか否かの判断、及び、状況一致端末にレコメンドの処理をさせる制御は、センターサーバ1により、現在位置情報及び温度情報に基づいて行われる。
【0029】
例えば、図2に示すように、所定の地域が、碁盤の目のように複数のエリアに区分されている。この複数のエリアのうち、エリアX内には、携帯電話機2A、2B、2C、2D及び2Eが現在位置し、エリアY内には、携帯電話機2Fが現在位置しているものとする。また、携帯電話機2A、2B、2C及び2Fが、気温として現在21℃を検出し、携帯電話機2D及び2Eが、気温として現在18℃を検出しているものとする。ここで、例えば、携帯電話機2Aが、第1起動端末として、番号交換アプリ(本発明におけるコンピュータプログラムの一例)を起動すると、エリアXに位置し、且つ、気温として21℃を検出した携帯電話機2B及び2Cが、それぞれ状況一致端末として番号交換アプリの起動をレコメンドするメッセージを表示する。
【0030】
同じエリア内に位置するユーザ同士は、互いに異なるエリア内に位置するユーザ同士と比較して、互いに同じ状況下に置かれている可能性が高いものと考えられる。また、同じエリア内に位置するユーザ同士であっても、ユーザが入っている施設、部屋、階等が異なっている場合は、互いの状況は異なるものと考えられる。そして、施設、部屋、階等が異なると、その場所の気温も異なる場合がある。更に、施設、部屋、階等が同じであっても、日当たり、空調、人の多さ、そこにいる人の活動状況等の、その時々の状況によって場所毎に気温が異なる場合がある。例えば、飲食店の第1の個室では鍋料理が振舞われ、第2の個室では刺身料理が振舞われている場合、第1の個室のほうが第2の個室よりも気温が高くなる可能性がある。そこで、第1起動端末と同じエリアに位置することに加えて、第1起動端末と同じ範囲内の気温を検出したことを、状況一致端末の条件とすることで、同じ状況下に置かれているユーザをより正確に特定することができる。
【0031】
[1.2.センターサーバの構成]
次に、センターサーバ1の構成について、図3を用いて説明する。
【0032】
図3は、本実施形態に係るセンターサーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、センターサーバ1は、操作部11と、表示部12と、通信部13と、ドライブ部14と、記憶部15と、入出力インターフェース部16と、システム制御部20と、を備えている。そして、システム制御部20と入出力インターフェース部16とは、システムバス21を介して接続されている。
【0034】
操作部11は、例えば、キーボード、マウス等により構成されており、オペレータ等からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部20に出力するようになっている。表示部12は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等により構成されており、文字や画像等の情報を表示するようになっている。通信部13は、ネットワークNW等に接続して、携帯電話機2等との通信状態を制御するようになっている。ドライブ部14は、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスクDKからデータ等を読み出す一方、当該ディスクDKに対してデータ等を記録するようになっている。記憶部15は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、各種プログラム及びデータ等を記憶するようになっている。入出力インターフェース部16は、操作部11〜記憶部15とシステム制御部20との間のインターフェース処理を行うようになっている。システム制御部20は、CPU(Central Processing Unit)17、ROM(Read Only Memory)18、RAM(Random Access Memory)19等により構成されている。
【0035】
記憶部15には、各携帯電話機2から送信されてきた情報が登録される端末DB(データベース)101が構築されている。具体的に、端末DB101には、位置情報及び温度情報が、携帯電話機2を識別するための端末IDに対応付けて登録される。
【0036】
また、記憶部15には、所定のオペレーティングシステム、サーバプログラム等が記憶されている。なお、各種のプログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークNWを介して取得されるようにしても良いし、ディスクDKに記録されてドライブ部14を介して読み込まれるようにしても良い。
【0037】
システム制御部20は、CPU17が、ROM18や記憶部15に記憶された各種プログラムを読み出し実行することによりセンターサーバ1の各部を制御する。また、システム制御部20は、本発明における情報受信手段、特定手段、操作通知受信手段、及び制御情報送信手段として機能するようになっている。
【0038】
[1.3.携帯電話機の構成]
次に、携帯電話機2の構成について、図4を用いて説明する。
【0039】
図4は、本実施形態に係る携帯電話機2の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
図4に示すように、携帯電話機2は、操作部31と、表示部32と、無線通信部33と、音声入力部34と、音声出力部35と、GPS受信部36と、温度センサー37と、赤外線通信部38と、記憶部39と、入出力インターフェース部40と、システム制御部44と、を備えている。そして、システム制御部44と入出力インターフェース部40とは、システムバス45を介して接続されている。
【0041】
操作部31は、本発明における操作手段の一例を構成する。この操作部31は、例えば、ダイヤルキー、カーソルキー、決定キー等の各種キー等により構成されており、ユーザからの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部44に出力するようになっている。表示部32は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成されており、文字や画像等の情報を表示するようになっている。無線通信部33は、基地局との電波送受信により移動体通信網に接続して、他の携帯電話機2やネットワークNWに接続されたサーバ等との通信を制御するようになっている。
【0042】
音声入力部34は、マイクロフォン、D/A変換器等を有し、ユーザの発話音声等をマイクロフォンから入力すると当該音声に対応した音声情報を生成して無線通信部33に出力するようになっている。音声出力部35は、例えば、スピーカ、増幅回路等を有し、無線通信部33から供給された音声情報に対応する音声を生成してスピーカにより拡声するようになっている。
【0043】
GPS受信部36は、本発明における位置取得手段の一例を構成する。このGPS受信部36は、GPS衛星から送信されてくる航法信号を受信し、この航法信号に基づいて、携帯電話機2の現在位置の緯度及び経度を算出するようになっている。これにより、GPS受信部36は、位置情報を生成(取得)して、システム制御部44に出力するようになっている。温度センサー37は、本発明における温度検出手段の一例を構成する。この温度センサー37は、例えばサーミスタのような温度検出素子が適用され、携帯電話機2の外部の気温を検出して、温度情報をシステム制御部44に出力するようになっている。赤外線通信部38は、システム制御部44の制御に基づいて、他の携帯電話機2との間で赤外線信号の送受信を行うようになっている。
【0044】
記憶部39は、例えば、フラッシュメモリ等により構成されており、各種プログラム及びデータ等を記憶するようになっている。入出力インターフェース部40は、操作部31〜記憶部39とシステム制御部44との間のインターフェース処理を行うようになっている。システム制御部44は、CPU41、ROM42、RAM43等により構成されている。
【0045】
記憶部39には、携帯電話機2自身に割り当てられた端末ID、アドレス帳データ、着信音データ等が記憶されている。
【0046】
また、記憶部39には、オペレーティングシステム、レコメンド制御プログラム等の各種制御プログラムや、ウエブブラウザ、電子メールアプリ、番号交換アプリ等の各種アプリが記憶されている。レコメンド制御プログラムは、携帯電話機2が、レコメンドシステムSにおける第1起動端末及び状況一致端末として機能するためのプログラムである。また、番号交換アプリは、携帯電話機2が、アドレス帳データ内に設定されている携帯電話機2を利用するユーザの電話番号を赤外線通信により送受信することにより、携帯電話機2同士で電話番号を交換する(本発明における所定の処理の一例)ためのアプリケーションプログラムである。なお、各種のプログラムは、例えば、センターサーバ1等のサーバ装置からネットワークNWを介して取得されるようにしても良いし、メモリカード等の記録媒体に記録されてカードリーダを介して読み込まれるようにしても良い。
【0047】
更に、記憶部39には、アプリ定義テーブルが記憶されている。このアプリ定義テーブルには、ユーザに起動をレコメンドする対象とされたアプリの識別情報(例えば、ファイル名)が登録されている。また、アプリ定義テーブルには、アプリの識別情報に対応付けて、機能ID及びレコメンドメッセージ(本発明における推薦情報の一例)のテキストデータが登録されている。この機能IDは、対応付けられたアプリの実行によって実現される機能に割り当てられた識別情報である。レコメンドメッセージは、対応付けられたアプリの起動をユーザにレコメンドするメッセージである。
【0048】
システム制御部44は、CPU41が、ROM42や記憶部39に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより携帯電話機2の各部を制御する。また、システム制御部44は、本発明における位置取得手段、温度検出手段、情報送信手段、操作通知送信手段、制御情報受信手段、及び提示手段として機能するようになっている。
【0049】
[1.4.レコメンドシステムの動作]
次に、レコメンドシステムSの動作について、図5乃至図7を用いて説明する。
【0050】
図5は、本実施形態に係る携帯電話機2のシステム制御部44における処理例を示すフローチャートである。
【0051】
図5の処理は、例えば、レコメンド制御プログラムが起動されたときに開始される。先ず、システム制御部44は、GPS受信部36から供給された位置情報と、温度センサー37から供給された温度情報と、記憶部39に記憶された端末IDとを含む端末取得情報を、センターサーバ1に送信する(ステップS1)。次いで、システム制御部44は、所定時間後に端末取得情報を送信するためのタイマーを設定する(ステップS2)。次いで、システム制御部20は、設定されたタイマーに基づいて、タイマー設定時から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS3)。このとき、システム制御部44は、所定時間が経過した場合には(ステップS3:YES)、ステップS1に移行して、端末取得情報を送信する。
【0052】
一方、システム制御部44は、所定時間が経過していない場合には(ステップS3:NO)、操作部31から出力される指示信号に基づいて、アプリの起動操作が行われたか否かを判定する(ステップS4)。このとき、システム制御部44は、アプリの起動操作が行われた場合には(ステップS4:YES)、起動操作によって指定されたアプリを起動させる(ステップS5)。次いで、システム制御部44は、起動されたアプリがレコメンド対象のアプリであるか否かを判定する(ステップS6)。具体的に、システム制御部44は、起動されたアプリの識別情報と、アプリ定義テーブルに登録されているアプリの識別情報とを比較する。そして、起動されたアプリの識別情報と一致する識別情報がアプリ定義テーブルに登録されている場合には(ステップS6:YES)、起動されたアプリに対応する機能IDをアプリ定義テーブルから取得し、取得した機能ID及び記憶部39に記憶された端末IDを含む起動通知(本発明における操作通知の一例)をセンターサーバ1に送信する(ステップS7)。システム制御部44は、ステップS7の処理を終えると、ステップS3に移行する。
【0053】
一方、システム制御部44は、アプリの起動操作が行われていない場合(ステップS4:NO)、又は、起動されたアプリの識別情報と一致する識別情報がアプリ定義テーブルに登録されていない場合には(ステップS6:NO)、センターサーバ1からレコメンド制御情報を受信したか否かを判定する(ステップS8)。レコメンド制御情報は、状況一致端末に対して送信される制御情報である。このレコメンド制御情報には、レコメンド対象のアプリに対応する機能IDが含まれている。このとき、システム制御部44は、レコメンド制御情報を受信していない場合には(ステップS8:NO)、ステップS3に移行する。
【0054】
一方、システム制御部44は、レコメンド制御情報を受信した場合には(ステップS8:YES)、レコメンド表示を行う(ステップS9)。具体的に、システム制御部44は、アプリ定義テーブルから、レコメンド制御情報に含まれる機能IDに対応するレコメンドメッセージのテキストデータを取得する。そして、システム制御部44は、取得したレコメンドメッセージのテキストデータ等に基づいて、例えば、図6に示すような情報を表示部32に表示させる。また、システム制御部44は、音声出力部35により、レコメンドされたことを通知する着信音を発生させる。
【0055】
図6は、番号交換アプリの起動をレコメンドする場合の画面表示例である。図6に示すように、携帯電話機2の画面には、例えば、「近くの人が番号交換アプリを起動させています。あなたも番号交換アプリを起動させて、電話番号の交換をしませんか?」といったレコメンドメッセージ201が表示される。また、画面には、例えば、「番号交換アプリを起動」と表示された起動ボタン202が表示される。ユーザは、この起動ボタン202を選択操作することで、番号交換アプリを起動させることができる。具体的に、ユーザが単に操作部31の決定キーを押すだけで、起動ボタン202が選択されたことになる。なお、起動ボタン202を表示する代わりに、例えば、「決定ボタンを押して下さい。」といったメッセージが表示されるようにしても良い。
【0056】
次いで、システム制御部44は、レコメンド表示を行ってから所定時間内に起動ボタン202が選択されたか否かを判定する(ステップS10)。このとき、システム制御部44は、所定時間内に起動ボタン202が選択されなかった場合には(ステップS10:NO)、レコメンド表示を消去させて、レコメンド表示前の元の画面表示に復帰させる(ステップS11)。システム制御部44は、ステップS11の処理を終えると、ステップS3に移行する。
【0057】
一方、システム制御部44は、所定時間内に起動ボタン202が選択された場合には(ステップS10:YES)、アプリを起動させる(ステップS12)。具体的に、システム制御部44は、アプリ定義テーブルから受信したレコメンド制御情報に含まれる機能IDに対応するアプリの識別情報を取得する。そして、システム制御部44は、取得した識別情報が示すアプリを起動させる。システム制御部44は、ステップS12の処理を終えると、ステップS3に移行する。
【0058】
図7は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部20の処理例を示すフローチャートである。
【0059】
図7の処理は、例えば、サーバプログラムが起動されたときに開始される。先ず、システム制御部20は、携帯電話機2から端末取得情報を受信したか否かを判定する(ステップS51)。このとき、システム制御部20は、端末取得情報を受信した場合には(ステップS51:YES)、受信した端末取得情報に含まれる位置情報及び温度情報を、端末取得情報に含まれる端末IDに対応付けて端末DB101に登録する(ステップS52)。システム制御部20は、ステップS52の処理を終えると、ステップS51に移行する。
【0060】
一方、システム制御部20は、端末取得情報を受信していない場合には(ステップS51:NO)、携帯電話機2から起動通知を受信したか否かを判定する(ステップS53)。このとき、システム制御部20は、起動通知を受信していない場合には(ステップS53:NO)、ステップS51に移行する。
【0061】
一方、システム制御部20は、起動通知を受信した場合には(ステップS53:YES)、起動通知を送信してきた携帯電話機2である第1起動端末が存在するエリアを特定する(ステップS54)。具体的に、システム制御部20は、受信した起動通知に含まれる端末IDに対応する位置情報を端末DB101から取得し、位置情報が示す位置が含まれるエリアを特定する。
【0062】
次いで、システム制御部20は、第1起動端末以外で、特定したエリア内に存在する携帯電話機2を検索する(ステップS55)。具体的に、システム制御部20は、端末DB101から各端末ID及び位置情報を取得し、取得した位置情報が示す位置が、特定したエリアに含まれているか否かをそれぞれ判定する。そして、システム制御部20は、特定したエリアに含まれていると判定された位置情報に対応する端末IDの一覧を示す第1検索リストを生成する。
【0063】
次いで、システム制御部20は、ステップS55の検索結果に基づいて、特定したエリア内に第1起動端末以外の携帯電話機2が存在するか否かを判定する(ステップS56)。このとき、システム制御部20は、特定したエリア内に第1起動端末以外の携帯電話機2が存在しない場合には(ステップS56:NO)、ステップS51に移行する。
【0064】
一方、システム制御部20は、特定したエリア内に第1起動端末以外の携帯電話機2が存在する場合には(ステップS56:YES)、第1起動端末が検出した気温が含まれる気温範囲を特定する(ステップS57)。具体的に、システム制御部20は、受信した起動通知に含まれる端末IDに対応する温度情報を端末DB101から取得し、温度情報が示す気温が含まれる気温範囲を特定する。
【0065】
次いで、システム制御部20は、特定したエリア内に存在する携帯電話機2の中から、特定した気温範囲内の気温を検出した携帯電話機2を検索する(ステップS58)。具体的に、システム制御部20は、ステップS55で生成された第1検索リストに含まれる端末IDに対応する温度情報を取得し、取得した温度情報が示す気温が、特定した気温範囲に含まれているか否かをそれぞれ判定する。そして、システム制御部20は、特定した気温範囲に含まれていると判定された温度情報に対応する端末IDの一覧を示す第2検索リストを生成する。
【0066】
次いで、システム制御部20は、ステップS58の検索結果に基づいて、特定した気温範囲内の気温を検出した携帯電話機2、すなわち、状況一致端末が存在するか否かを判定する(ステップS59)。このとき、システム制御部20は、状況一致端末が存在しない場合には(ステップS59:NO)、ステップS51に移行する。
【0067】
一方、システム制御部20は、状況一致端末が存在する場合には(ステップS59:YES)、検索された各状況一致端末にレコメンド制御情報を送信する(ステップS60)。具体的に、システム制御部20は、受信した起動通知に含まれる機能IDをレコメンド制御情報に含ませ、第2検索リストに設定された端末IDに対応する状況一致端末に、レコメンド制御情報を送信する(ステップS60)。システム制御部20は、ステップS60の処理を終えると、ステップS51に移行する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、各携帯電話機2のシステム制御部44が、GPS受信部36により算出された現在位置を示す位置情報と、温度センサー37により検出された気温を示す温度情報とを、センターサーバ1に送信し、センターサーバ1のシステム制御部20が、受信した位置情報及び温度情報を端末DB101に登録する。また、第1起動端末としての携帯電話機2のシステム制御部44が、所定の処理を携帯電話機2に実行させる操作がユーザにより行われた場合に、起動通知をセンターサーバ1に送信する。起動通知を受信したセンターサーバ1のシステム制御部20は、端末DB101に登録された位置情報及び温度情報に基づいて、第1起動端末と同じエリアに位置し、且つ、第1起動端末と同じ気温範囲内の気温を検出した携帯電話機2である状況一致端末を特定し、レコメンド制御情報を状況一致端末に送信する。そして、状況一致端末としての携帯電話機2のシステム制御部44が、受信したレコメンド制御情報に基づいて、ユーザの操作によって第1起動端末により実行される処理と同じ処理の実行をレコメンドするレコメンドメッセージを表示する。
【0069】
従って、或るユーザが携帯電話機2を用いて行うことを、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザにも、自分が利用する携帯電話機2を用いて行いやすくさせることができる。更に、第1起動端末と同じエリアに位置することに加えて、第1起動端末と同じ気温範囲内の気温を検出した携帯電話機2が、状況一致端末であると判定されるので、第1起動端末を利用するユーザと同じ状況下に置かれたユーザをより正確に特定することができる。
【0070】
また、センターサーバ1のシステム制御部20が、第1起動端末により実行される処理と同じ処理を実行するためのアプリを起動させるレコメンド制御情報を、状況一致端末に送信する。
【0071】
従って、或るユーザが携帯電話機2に実行させる処理と同じ処理を、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザが、自分が利用する携帯電話機2にアプリを起動させることにより、実行させることができる。
【0072】
また、センターサーバ1のシステム制御部20が、レコメンド対象のアプリの起動のレコメンドを受け入れるための起動ボタンを表示させるレコメンド制御情報を、状況一致端末に送信する。そして、状況一致端末としての携帯電話機2のシステム制御部44が、受信したレコメンド制御情報に基づいて、起動ボタンを表示し、起動ボタンがユーザにより選択されたされた場合に、レコメンド対象のアプリを起動する。
【0073】
従って、本来、携帯電話機2に実行させるために複雑な操作が必要なアプリであっても、起動ボタンを選択するだけで簡単に起動させることができる。また、アプリを起動させるか否かをユーザが選択することができるので、起動する必要がないアプリが、エリア及び気温の範囲が他のユーザと偶然に一致したことによって起動することを防止することとができる。
【0074】
なお、起動をレコメンドするアプリが1つのみである場合、アプリ定義テーブルは必要ではないし、起動通知及びレコメンド制御情報に機能IDを含ませる必要はない。この場合、携帯電話機2がレコメンド制御情報を受信したときには、予め定められたアプリの起動をレコメンドする制御を行えば良い。
【0075】
また、上記第1実施形態においては、携帯電話機2が、受信したレコメンド制御情報に含まれる機能IDに基づいて、レコメンド表示とレコメンド対象のアプリの起動の制御を行っていたが、センターサーバ1が、レコメンド表示の画面を構成する情報を携帯電話機2に送信しても良い。例えば、システム制御部20が、受信した起動通知に含まれる機能IDに基づいて、レコメンドメッセージ及び起動ボタンを表示するHTML(HyperText Markup Language)文書(本発明における制御情報の他の例)を生成する。このとき、システム制御部20は、起動ボタンが選択されたときに、レコメンド対象のアプリを起動するようにHTML文書を生成する。そして、システム制御部20は、生成したHTML文書を状況一致端末に送信する。携帯電話機2において、システム制御部44は、HTML文書を受信すると、自動的にウエブブラウザを起動させる。そして、システム制御部44は、受信されたHTML文書に従って、レコメンドメッセージ及び起動ボタンを表示する。
【0076】
[2.第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。なお、第2実施形態におけるレコメンドシステムSの構成、センターサーバ1の構成、及び携帯電話機2の構成は、基本的に第1実施形態の場合と同様であるので、以下では、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0077】
本実施形態におけるレコメンドシステムSは、ユーザに選択された動画データ(本発明におけるコンテンツの一例)を再生するシステムである。具体的には、ユーザの選択に基づいて、携帯電話機2がセンターサーバ1に要求を行い、センターサーバが、選択された動画データを携帯電話機2に送信する。そして、携帯電話機2が、受信した動画データを再生する。
【0078】
また、或る一の携帯電話機2が、第1起動端末として動画データを再生する。すると、第1起動端末を利用するユーザと同じ状況下に置かれたユーザが利用する他の携帯電話機、すなわち、状況一致端末が、第1起動端末が再生している動画データと同じ動画データを再生するように、ユーザに対してレコメンドするようになっている。
【0079】
このような機能を実現するため、センターサーバ1の記憶部15は、本発明におけるコンテンツ記憶装置の一例を構成し、記憶部15には、複数の動画データが、それぞれ識別情報である動画IDに対応付けて記憶されている。また、センターサーバ1のシステム制御部20は、本発明におけるコンテンツ取得手段、及びコンテンツ送信要求受信手段として機能する。一方、携帯電話機2の記憶部39には、動画データを受信して再生するための動画再生アプリ(本発明におけるコンピュータプログラムの一例)が記憶されている。
【0080】
図8は、本実施形態に係る携帯電話機2のシステム制御部44における処理例を示すフローチャートである。図8において、図5と同様の処理については同様のステップ番号を付してある。
【0081】
図8に示すように、システム制御部44は、第1実施形態の場合と同様に、ステップS1〜S5の処理を実行する。次いで、システム制御部44は、起動されたアプリが動画再生アプリであるか否かを判定する(ステップS21)。このとき、システム制御部44は、起動されたアプリが動画再生アプリである場合には(ステップS21:YES)、ユーザが視聴したい動画データのタイトルを操作部31を操作して選択するまで待機する(ステップS22)。次いで、システム制御部44は、携帯電話機2が第1起動端末として動画データを要求することを示す第1動画要求(本発明における操作通知の一例)を、センターサーバ1に送信する(ステップS23)。このとき、システム制御部44は、選択された動画データの動画IDを第1動画要求に含ませる。その後、システム制御部44は、センターサーバ1から送信されてきた動画データを受信し、再生する(ステップS24)。システム制御部44は、ステップS24の処理を終えると、ステップS3に移行する。
【0082】
一方、システム制御部44は、アプリの起動操作が行われていない場合(ステップS4:NO)、又は、起動されたアプリが動画再生アプリではない場合には(ステップS21:NO)、レコメンド制御情報を受信したか否かを判定し(ステップS8)、レコメンド制御情報を受信した場合には(ステップS8:YES)、レコメンド表示を行う(ステップS9)。本実施形態において、レコメンド制御情報には、レコメンド対象の動画データの動画IDが含まれている。そこで、システム制御部44は、動画IDに基づいて、例えば、「近くの人が、動画『○○○○』を視聴しています。あなたも視聴しませんか?」といったレコメンドメッセージを表示部32に表示させる。レコメンドメッセージ中の『○○○○』は、動画データのタイトルである。また、システム制御部44は、例えば、「視聴する」と表示された起動ボタンを表示部32に表示させる。
【0083】
次いで、システム制御部44は、所定時間内に起動ボタンが選択されたか否かを判定し(ステップS10)、起動ボタンが選択された場合には(ステップS10:YES)、動画再生アプリを起動させる(ステップS25)。そして、システム制御部44は、携帯電話機2が状況一致端末として動画データを要求することを示す第2動画要求(本発明における送信要求の一例)をセンターサーバ1に送信する(ステップS26)。このとき、システム制御部44は、受信したレコメンド制御情報に含まれる動画IDを第2動画要求に含ませる。その後、システム制御部44は、センターサーバ1から送信されてきた動画データを受信し、再生する(ステップS27)。システム制御部44は、ステップS27の処理を終えると、ステップS3に移行する。
【0084】
図9は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部20の処理例を示すフローチャートである。図9において、図7と同様の処理については同様のステップ番号を付してある。
【0085】
図9に示すように、システム制御部20は、第1実施形態の場合と同様に、ステップS51及びS52の処理を実行する。ここで、システム制御部20は、端末取得情報を受信していない場合には(ステップS51:NO)、第1起動端末としての携帯電話機2から第1動画要求を受信したか否かを判定する(ステップS71)。このとき、システム制御部20は、第1動画要求を受信した場合には(ステップS71:YES)、第1実施形態の場合と同様に、ステップS54〜S60の処理を実行する。次いで、システム制御部20は、受信した第1動画要求に含まれる動画IDに対応する動画データを記憶部15から取得し(ステップS72)、取得した動画データを、第1動画要求を送信してきた第1起動端末に送信する(ステップS73)。システム制御部20は、ステップS73の処理を終えると、ステップS51に移行する。
【0086】
一方、システム制御部20は、第1動画要求を受信していない場合には(ステップS71:NO)、状況一致端末としての携帯電話機2から第2動画要求を受信したか否かを判定する(ステップS74)。このとき、システム制御部20は、第2動画要求を受信していない場合には(ステップS74:NO)、ステップS51に移行する。一方、システム制御部20は、第2動画要求を受信した場合には(ステップS74:YES)、受信した第2動画要求に含まれる動画IDに対応する動画データを、記憶部15から取得し(ステップS75)、取得した動画データを、第2動画要求を送信してきた状況一致端末に送信する(ステップS76)。システム制御部20は、ステップS76の処理を終えると、ステップS51に移行する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、センターサーバ1のシステム制御部20が、状況一致端末から第2動画要求を受信した場合、第1起動端末に送信した動画データと同じ動画データを状況一致端末にも送信する。
【0088】
従って、或るユーザが携帯電話機2を用いて視聴する動画データと同じ動画データを、当該ユーザと同じ状況下に置かれたユーザが、自分が利用する携帯電話機2を用いて視聴しやすくなる。
【0089】
なお、上記第2実施形態においては、本発明におけるコンテンツを動画データに適用していたが、例えば、静止画データ、音声データ、電子文書、Webページ等に対して本発明におけるコンテンツを適用しても良い。
【0090】
[3.第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態におけるレコメンドシステムSの構成、センターサーバ1の構成、及び携帯電話機2の構成は、基本的に第1実施形態の場合と同様であるので、以下では、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0091】
上記第1実施形態及び第2実施形態においては、携帯電話機2の現在位置、及び携帯電話機2によって検出された気温の2つの条件に基づいて、状況一致端末が存在するか否かの判定が行われていた。以下に説明する第3実施形態においては、前記の条件に加えて、携帯電話機2によって集音された携帯電話機2周辺の音に基づいて、判定を行うようになっている。具体的には、第1起動端末装置が集音した音と同じ音を集音したと認められる携帯電話機2を、状況一致端末とする。同じ場所にいて同じ音を聞いている複数のユーザは、同じ状況下に置かれているものと考えられるからである。
【0092】
より詳細には、例えば、センターサーバ1が、第1起動端末と同じエリアに存在し、且つ、第1起動端末と同じ気温範囲の気温を検出した携帯電話機2を検索した後、第1起動端末及び検索された各携帯電話機2に対して、集音指令を一斉に送信する。集音指令を受信した携帯電話機2は、音声入力部34のマイクロフォンによって、携帯電話機2の外部の音を所定時間集音し、集音した音に対応する音声情報(本発明における音情報の一例)をセンターサーバ1に送信する。センターサーバ1は、各携帯電話機から受信した音声情報に対して高速フーリエ変換を用いて離散フーリエ変換を行い、集音された音のスペクトル情報を生成する。センターサーバ1は、第1起動端末のスペクトル情報と、検索された各携帯電話機2のスペクトル情報とを、それぞれ比較することにより、それぞれ音の類似度を算出する。そして、センターサーバ1は、類似度が所定の値以上となった携帯電話機2を、状況一致端末であると判定する。なお、携帯電話機2が、集音した音のスペクトル情報(本発明における音情報の他の例)を生成して、センターサーバ1に送信しても良い。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1起動端末と同じエリアに位置し、第1起動端末と同じ気温範囲内の気温を検出したことに加えて、第1起動端末と同じ音を集音したと認められる携帯電話機2が、状況一致端末であると判定される。よって、第1起動端末を利用するユーザと同じ状況下に置かれたユーザをより正確に特定することができる。
【0094】
なお、上記各実施形態においては、各携帯電話機2は気温を検出する機能を有し、センターサーバ1は、状況一致端末を特定するために、温度情報を用いていた。しかしながら、気温を検出すること及び状況一致端末を特定するために温度情報を用いることは必須ではない。各携帯電話機2は、少なくとも現在位置を取得する機能を有し、センターサーバ1は、状況一致端末を特定するために、少なくとも位置情報を用いれば良い。
【0095】
また、上記各実施形態においては、センターサーバ1が、第1起動端末から起動通知又は第1動画要求を受信したときに、第1起動端末を利用するユーザと同じ状況下に置かれたユーザが利用する状況一致端末が存在するか否かを判定していたが、同じ状況下に置かれた複数のユーザがそれぞれ利用する携帯電話機2を予め特定しておいても良い。例えば、センターサーバ1は、端末DB101に登録されている各端末ID及び各位置情報等に基づいて、同じ状況下に置かれた複数のユーザがそれぞれ利用する携帯電話機2を示す情報である同一状況端末情報を生成する。また、センターサーバ1は、端末取得情報を受信する度に、端末取得情報に含まれる端末ID及び位置情報等に基づいて、生成した同一状況端末情報の更新を行う。そして、センターサーバ1は、起動通知又は第1動画要求を受信したときに、同一状況端末情報に基づいて、レコメンド制御情報の送信対象となる携帯電話機2を選択する。
【0096】
また、上記各実施形態においては、レコメンドメッセージを画面に表示するようにしていたが、レコメンドメッセージを音声出力しても良い。
【0097】
また、上記各実施形態においては、本発明における端末装置を携帯電話機に適用していたが、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン等の携帯可能な端末装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0098】
1 センターサーバ
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F 携帯電話機
11 操作部
12 表示部
13 通信部
14 ドライブ部
15 記憶部
16 入出力インターフェース部
17 CPU
18 ROM
19 RAM
20 システム制御部
21 システムバス
31 操作部
32 表示部
33 無線通信部
34 音声入力部
35 音声出力部
36 GPS受信部
37 温度センサー
38 赤外線通信部
39 記憶部
40 入出力インターフェース部
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 システム制御部
45 システムバス
101 端末DB
NW ネットワーク
S レコメンドシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を取得する位置取得手段を備える複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置であって、
前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信手段と、
前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定手段と、
所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信手段と、
前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ処理の実行の推薦を受け入れることをユーザが選択操作することを可能とし、且つ、前記選択操作が行われた場合に推薦された処理を実行させる前記制御情報を、前記他の端末装置に送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記所定の処理は、前記端末装置が所定のコンピュータプログラムを起動させることにより実行される処理であり、
前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ処理を実行するためのコンピュータプログラムを前記他の端末装置により起動させる前記制御情報を、前記他の端末装置に送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記所定の処理は、コンテンツをユーザに提示する処理であり、
前記操作通知を受信した場合に、複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶装置から、提示対象のコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、
前記取得されたコンテンツを前記一の端末装置に送信するコンテンツ送信手段と、
前記一の端末装置に送信されたコンテンツと同じコンテンツの送信要求を前記他の端末装置から受信するコンテンツ送信要求受信手段と、
を更に備え、
前記制御情報送信手段は、前記送信要求を前記他の端末装置により送信させる前記制御情報を、前記他の端末装置に送信し、
前記送信要求が受信された場合、前記コンテンツ送信手段は、前記一の端末装置に送信されたコンテンツと同じコンテンツを、前記送信要求を送信してきた前記他の端末装置に送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記端末装置は、気温を検出する温度検出手段を更に備え、
前記情報受信手段は、前記気温を示す温度情報を更に各前記端末装置から受信し、
前記特定手段は、前記位置情報及び前記温度情報に基づいて、同じ領域に位置し、且つ、同じ気温範囲内の気温を検出した複数の前記端末装置を特定し、
前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ領域に位置し、且つ、前記一の端末装置と同じ気温範囲内の気温を検出した他の前記端末装置に、前記制御情報を送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記端末装置は、マイクロフォンを更に備え、
前記情報受信手段は、前記マイクロフォンにより集音された音を示す音情報を更に各前記端末装置から受信し、
前記特定手段は、前記位置情報及び前記音情報に基づいて、同じ領域に位置し、且つ、同じ音を集音したと認められる複数の前記端末装置を特定し、
前記制御情報送信手段は、前記一の端末装置と同じ領域に位置し、且つ、前記一の端末装置と同じ音を集音したと認められる他の前記端末装置に、前記制御情報を送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
現在位置を取得する位置取得ステップを備える複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置における情報処理方法であって、
前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信ステップと、
前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定ステップと、
所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信ステップと、
前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
現在位置を取得する位置取得手段を備える複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置に含まれるコンピュータを、
前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信手段、
前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定手段、
所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信手段、及び、
前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項9】
現在位置を取得する位置取得手段を備える複数の端末装置と、前記複数の端末装置がそれぞれネットワークを介して接続可能な情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記現在位置を示す位置情報を各前記端末装置から受信する情報受信手段と、
前記受信された位置情報に基づいて、同じ領域に位置する複数の前記端末装置を特定する特定手段と、
所定の処理を前記端末装置に実行させる操作がユーザにより行われた場合に操作された一の前記端末装置から送信される操作通知を受信する操作通知受信手段と、
前記操作通知を送信してきた前記一の端末装置と同じ領域に位置する他の前記端末装置の処理を制御する制御情報であり、前記一の端末装置と同じ処理を前記他の端末装置に実行させることをユーザに推薦する制御情報を、前記他の端末装置に送信する制御情報送信手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記位置情報を前記情報処理装置に送信する情報送信手段と、
前記端末装置をユーザが操作するための操作手段と、
前記操作手段を用いて前記所定の処理を実行するよう操作された場合に、前記操作通知を前記情報処理装置に送信する操作通知送信手段と、
前記情報処理装置から送信された前記制御情報を受信する制御情報受信手段と、
前記受信された制御情報に基づいて、ユーザにより操作された一の端末装置と同じ処理を推薦する推薦情報を提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−151662(P2011−151662A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12149(P2010−12149)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】