情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路
【課題】応答性の低下を抑止することができ、省電力化を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路を提供する。
【解決手段】省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14によって管理されている情報処理装置1の動作状態を取得し、取得した動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、タイマ制御部12は、省電力制御部13によって調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【解決手段】省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14によって管理されている情報処理装置1の動作状態を取得し、取得した動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、タイマ制御部12は、省電力制御部13によって調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常状態から消費電力の少ない省電力状態へ遷移可能であり、割り込みを制御する情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリで駆動する携帯型の情報処理装置では、長時間の使用を実現するため、情報処理装置の省電力化が求められている。また、データセンターなどにおいても、電力コストを削減するため、情報処理装置の省電力化が求められている。このような省電力化の要求を満たすため、近年の情報処理装置は、必要な処理を行っていない期間に情報処理装置の一部を、通常状態から消費電力の少ない省電力状態へと遷移させることで消費電力を削減している。
【0003】
しかしながら、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理、及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理は、その処理自体にある程度の処理時間を必要とし、この処理に電力を消費する。したがって、頻繁に通常状態から省電力状態への遷移と省電力状態から通常状態への復帰とを繰り返すと、逆に消費電力が増大するという課題がある。一般に、省電力状態から通常状態へ復帰する契機となるのは割り込みである。そのため前記課題の解決には、割り込みの回数を減らすことが重要である。ここで、割り込みに関連した既存技術として、特許文献1及び特許文献2を挙げ、これらの技術に関して概略を説明する。
【0004】
特許文献1では、割り込み事象が発生してからプロセッサに割り込み要求が出力されるまでの遅延条件をプロセッサ負荷状態などに応じて動的に決定する機能を追加し、プロセッサ負荷が低い場合には遅延時間を減らして応答性の低下を抑止する技術が提案されている。
【0005】
特許文献2では、複数のタイマ割り込みを一括処理できるように、所定の誤差許容範囲内にあるタイマを一括処理タイムアウトとして抽出し、当該タイムアウト時刻にまとめて割り込み処理を行う。これによって、割り込みの回数を削減し、省電力化する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4219818号公報
【特許文献2】特開2006−072698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の発明では、割り込み事象が発生してから、プロセッサに割り込み要求を出力するまでの遅延の条件をプロセッサ負荷状態などに応じて動的に決定することで、応答性の低下を抑止しつつ、割り込み処理を効率化している。しかし、割り込みを遅延するためのハードウェアを必要としており、コストが増大してしまうという課題がある。
【0008】
また、特許文献2の発明では、複数のタイマのタイムアウト処理を許容誤差範囲内でまとめる際に、許容誤差範囲が既知の情報であることを前提としている。したがって、タイマを使用するソフトウェアにタイムアウト時刻の許容誤差範囲をタイマ制御部へ通知させるか、もしくは使用する全ソフトウェアの中で最も許容誤差範囲の狭いソフトウェアの許容誤差範囲を全体の許容誤差範囲として使用する必要がある。
【0009】
しかしながら、前者のタイマを使用するソフトウェアにタイムアウト時刻の許容誤差範囲をタイマ制御部へ通知させる場合、一般的なソフトウェアはタイムアウトの許容誤差範囲を通知する機能を有していないため、許容誤差範囲を通知する機能をソフトウェアへと追加しなければならず、ソフトウェアの開発コストが増大してしまう。
【0010】
一方、後者の使用する全ソフトウェアの中で最も許容誤差範囲の狭いソフトウェアの許容誤差範囲を全体の許容誤差範囲として使用する場合、情報処理装置の動作状態によって許容誤差範囲が変化しても、常に最も許容誤差範囲の小さいソフトウェアに合わせて許容誤差範囲を設定しなければならない。そのため、タイムアウト処理をまとめることのできる範囲が限定され、十分に割り込みを一括処理し、割り込み回数を削減することは難しいという課題がある。
【0011】
また、タイムアウト処理が許容誤差範囲の分だけ遅れることになるため、情報処理装置の応答性が悪化してしまうという課題がある。
【0012】
さらに、より優先度の高いタスクが動作している場合、タイムアウト時の処理は、優先度の高いタスクが動作している間、遅らされる。そのため、タイムアウト時の処理は、通常ある程度処理が遅らされる可能性があることを前提として設計されるのに対し、タイムアウトよりも前に処理が行われることは想定されない。なぜなら、タイムアウトはハードウェア処理の完了待ちなどにも使用され、所定のタイムアウト時刻よりも前にタイムアウト処理を行うと、ハードウェアが正しく動作できないためである。したがって、タイムアウト時の処理は、処理を遅らせることはある程度可能であっても、処理を前倒しして行うことが可能な許容誤差範囲はごく短い時間に限られ、処理に伴うオーバーヘッドが効果に見合わない場合が多い。
【0013】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、応答性の低下を抑止することができ、省電力化を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る情報処理装置は、割り込みを制御する割り込み制御部と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部とを備え、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0015】
本発明に係る情報処理方法は、割り込みを制御する割り込み制御ステップと、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻にタイマ割り込みを要求するタイマ制御ステップと、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御ステップと、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理ステップとを含み、前記省電力制御ステップは、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理ステップにおいて管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御ステップは、前記省電力制御ステップにおいて調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0016】
本発明に係る情報処理プログラムは、割り込みを制御する割り込み制御部と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0017】
本発明に係る情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、割り込みを制御する割り込み制御部と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う情報処理プログラムを記録している。
【0018】
本発明に係る集積回路は、割り込みを制御する割り込み制御回路と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御回路へタイマ割り込みを要求するタイマ制御回路と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御回路と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理回路とを備え、前記省電力制御回路は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理回路によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御回路は、前記省電力制御回路によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0019】
これらの構成によれば、通常状態から省電力状態への遷移時に、情報処理装置の動作状態が取得され、取得された動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が調節される。そして、調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻が遅らされ、省電力状態から通常状態への復帰時に、遅らされたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理が一括して行われる。
【0020】
したがって、応答性を必要とする動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を短くするので、応答性の低下を抑止することができ、応答性を必要としない動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を長くして、一括処理する割り込みを増やし、割り込みの回数を削減するので、省電力化を実現することができる。
【0021】
また、上記の情報処理装置において、前記情報処理装置に関する情報を表示する情報表示部をさらに備え、前記動作状態管理部は、前記情報表示部によって情報が表示されているか否かを動作状態として管理し、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記情報表示部によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を第1の遅延時間に決定し、前記情報表示部によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を、前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、情報表示部によって情報が表示されているか否かが動作状態として管理される。そして、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態が取得され、情報表示部によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が第1の遅延時間に決定され、情報表示部によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が、第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定される。
【0023】
したがって、情報表示部によって情報が表示されている場合、すなわち応答性が必要である場合は、応答性の低下を抑止することができ、情報表示部によって情報が表示されていない場合、すなわち応答性が必要でない場合は、一括処理する割り込みを増やし、割り込みの回数を削減するので、省電力化を実現することができる。
【0024】
また、上記の情報処理装置において、前記動作状態管理部は、割り込みの発生頻度を動作状態として管理し、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記割り込みの発生頻度が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、割り込みの発生頻度が動作状態として管理される。そして、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態が取得され、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が決定され、割り込みの発生頻度が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移が中止される。
【0026】
したがって、割り込みの発生頻度が高く、通常状態から省電力状態に遷移してもすぐに省電力状態から通常状態に復帰する可能性が高い場合には、通常状態から省電力状態への遷移が中止されるので、通常状態から省電力状態への遷移及び省電力状態から通常状態への復帰に伴って生じる電力消費を削減することができる。
【0027】
また、上記の情報処理装置において、前記情報処理装置は、プロセッサをさらに備え、前記動作状態管理部は、前記プロセッサの使用率を動作状態として管理し、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記プロセッサの使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記プロセッサの使用率が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、プロセッサの使用率が動作状態として管理される。そして、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態が取得され、プロセッサの使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が決定され、プロセッサの使用率が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移が中止される。
【0029】
したがって、プロセッサの使用率が高く、通常状態から省電力状態に遷移してもすぐに省電力状態から通常状態に復帰する可能性が高い場合には、通常状態から省電力状態への遷移が中止されるので、通常状態から省電力状態への遷移及び省電力状態から通常状態への復帰に伴って生じる電力消費を削減することができる。
【0030】
また、上記の情報処理装置において、前記タイマ制御部は、前記タイムアウト時刻を遅らせる場合、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かに応じて前記遅延時間を補正することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、タイムアウト時刻を遅らせる場合、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かに応じて遅延時間が補正されるので、タイムアウト時に行うタイマ割り込みが応答性を必要としている場合に、遅延時間を短くすることができ、応答性が低下するのを抑止することができる。
【0032】
また、上記の情報処理装置において、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としている場合、前記遅延時間がさらに短くなるように補正することが好ましい。
【0033】
この構成によれば、タイムアウト時に行うタイマ割り込みが応答性を必要としている場合に、遅延時間をさらに短くすることができ、応答性が低下するのを抑止することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、応答性を必要とする動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を短くするので、応答性の低下を抑止することができ、応答性を必要としない動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を長くして、一括処理する割り込みを増やし、割り込みの回数を削減するので、省電力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるタイマ制御部で管理する情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1における情報処理装置の省電力状態から通常状態への復帰時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1における情報処理装置のタイマイベント処理のタイミングを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態3における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態4における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態5における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0038】
本発明の実施の形態1における情報処理装置1は、図1に示すように、割り込み制御部11と、タイマ制御部12と、省電力制御部13と、動作状態管理部14とから構成される。
【0039】
割り込み制御部11は、割り込みを制御する。タイマ制御部12は、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に割り込み制御部11へタイマ割り込みを要求する。省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する。動作状態管理部14は、情報処理装置1の動作状態を管理する。
【0040】
省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14によって管理されている動作状態を取得し、取得した動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節する。
【0041】
タイマ制御部12は、省電力制御部13によって調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込み(タイマイベント)のタイムアウト処理を一括して行う。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態1におけるタイマ制御部12で管理する情報の一例を示す図である。タイマ制御部12は、何時にどのような処理を行うかをタイマイベントの集合として管理する。
【0043】
図2では、第1のタイマイベントTE1、第2のタイマイベントTE2及び第3のタイマイベントTE3の3つのタイマイベントを例示している。タイマ制御部12は、タイマイベント毎に、いつタイムアウトするかを示すタイムアウト時刻と、タイムアウト発生時にどのような処理を実行するかを示すタイムアウト処理とを管理し、各タイマイベントのタイムアウト時刻到達時に、対応するタイムアウト処理を行う。すなわち、タイマ制御部12は、タイマイベントと、タイムアウト時刻と、タイムアウト処理とを対応付けたタイマイベント情報121を記憶している。
【0044】
例えば、第1のタイマイベントTE1には、第1のタイムアウト時刻TT1と第1のタイムアウト処理TP1とが対応付けられており、第2のタイマイベントTE2には、第2のタイムアウト時刻TT2と第2のタイムアウト処理TP2とが対応付けられており、第3のタイマイベントTE3には、第3のタイムアウト時刻TT3と第3のタイムアウト処理TP3とが対応付けられている。なお、図2は、あくまで管理形態の一例に過ぎず、タイマイベントの数は図2に示す数の限りではない。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態1における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0046】
図3に示すように、まず、省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14から情報処理装置1の現在の動作状態を取得する(ステップS1)。
【0047】
次に、省電力制御部13は、動作状態管理部14から取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する(ステップS2)。なお、本明細書において、応答性とは、何らかの指示等に対して短時間で応答することを意味している。また、省電力制御部13は、動作状態と、当該動作状態が応答性を必要としているか否かとを対応付けたテーブルを予め記憶している。省電力制御部13は、テーブルを参照し、取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する。ここで、取得した動作状態が応答性を必要としていると判断された場合(ステップS2でYES)、ステップS3の処理へ分岐し、取得した動作状態が応答性を必要としていないと判断された場合(ステップS2でNO)、ステップS4の処理へ分岐する。
【0048】
取得した動作状態が応答性を必要としている場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを第1の遅延時間T1に決定する(ステップS3)。一方、取得した動作状態が応答性を必要としていない場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より遅い(長い)第2の遅延時間T2に決定する(ステップS4)。第1の遅延時間T1及び第2の遅延時間T2は、タイムアウト時刻を遅らせる時間であり、0≦T1<T2の関係を満たす。遅延時間Tを第2の遅延時間T2とした場合は、遅延時間Tを第1の遅延時間T1とした場合よりも、タイムアウトを遅らせる時間が長くなる。
【0049】
ステップS3又はステップS4においてタイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tが決定されると、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS5)。なお、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントに関する情報をタイマイベント情報として記憶している。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS5でYES)、ステップS6の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS5でNO)、ステップS7の処理へ分岐する。
【0050】
次に、タイマ制御部12は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS6)。次に、省電力制御部13は、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS7)。なお、遷移処理において、省電力制御部13は、デバイスに印加される電圧を低下させたり、デバイスの駆動周波数を低下させたりする。すなわち、省電力状態では、デバイスに印加される電圧が通常状態よりも低下されるとともに、デバイスの駆動周波数が通常状態よりも低下される。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態1における情報処理装置の省電力状態から通常状態への復帰時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0052】
図4に示すように、まず、省電力制御部13は、省電力状態から通常状態への復帰時に、情報処理装置1を省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理を行う(ステップS11)。なお、省電力制御部13は、割り込みが発生すると、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理を行う。また、復帰処理において、省電力制御部13は、デバイスに印加される電圧を通常状態の電圧に戻したり、デバイスの駆動周波数を通常状態の駆動周波数に戻したりする。
【0053】
次に、割り込み制御部11は、発生した割り込みがタイマ割り込み以外の割り込みであるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、タイマ割り込み以外の割り込みであると判断された場合(ステップS12でYES)、ステップS13の処理へ分岐し、タイマ割り込みであると判断された場合(ステップS12でNO)、ステップS14の処理へ分岐する。
【0054】
割り込みがタイマ割り込み以外の割り込みである場合、割り込み制御部11は、タイマ割り込み以外の割り込み処理を行う(ステップS13)。次に、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS14)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS14でYES)、ステップS15の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS14でNO)、処理を終了する。
【0055】
タイマイベントが存在する場合、タイマ制御部12は、現在時刻を取得する(ステップS15)。次に、タイマ制御部12は、内部に保持しているタイマイベント情報を参照し、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS16)。ここで、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS16でYES)、ステップS17の処理へ分岐し、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS16でNO)、ステップS19の処理へ分岐する。
【0056】
タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在する場合、タイマ制御部12は、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントに対応するタイムアウト処理を行う(ステップS17)。次に、タイマ制御部12は、タイムアウト処理を行ったタイマイベントをタイマイベント情報121から削除し(ステップS18)、ステップS14の処理へ戻る。
【0057】
一方、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在しない場合、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントの中で、最もタイムアウト時刻の早い直近のタイマイベントのタイムアウト時刻をタイマに設定し(ステップS19)、処理を終了する。
【0058】
図5は、本発明の実施の形態1における情報処理装置のタイマイベント処理のタイミングを示す図であり、図5(A)は、タイムアウト時刻を遅らせない場合における、第1〜第3のタイマイベントTE1〜TE3の第1〜第3のタイムアウト処理TP1〜TP3のタイミングを示す図であり、図5(B)は、タイムアウト時刻を遅延時間Tだけ遅らせた場合における、第1〜第3のタイマイベントTE1〜TE3の第1〜第3のタイムアウト処理TP1〜TP3のタイミングを示す図であり、図5(C)は、タイムアウト時刻を遅延時間Tだけ遅らせ、タイムアウト時刻前にタイマ割り込み以外の割り込みが発生した場合における、第1〜第3のタイマイベントTE1〜TE3の第1〜第3のタイムアウト処理TP1〜TP3及びタイマ割り込み以外の割り込みの割り込み処理TP4のタイミングを示す図である。
【0059】
図5(A)に示すように、省電力制御部13は、動作状態が応答性を必要としている場合、タイマ割り込みを遅らせる遅延時間Tを0(第1の遅延時間T1)に決定し、タイムアウト時刻が遅れないようにする。このとき、各タイマイベントTE1〜TE3のタイマ割り込みは、それぞれのタイマイベントTE1〜TE3のタイムアウト時刻TT1〜TT3に発生する。そのため、割り込みは3回発生する。
【0060】
この場合、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201は3回行われ、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202は3回行われる。しかし、各タイマイベントTE1〜TE3に対応するタイムアウト処理TP1〜TP3のタイミングは、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201にかかる時間以上は遅れないため、応答性の低下は抑止することができる。
【0061】
一方、図5(B)に示すように、省電力制御部13は、動作状態が応答性を必要としていない場合、タイマ割り込みを遅らせる遅延時間Tを第2の遅延時間T2に決定し、タイムアウト時刻TT1を遅らせて、タイムアウト時刻TT1’にタイムアウトするようにする。このとき、各タイマイベントTE1〜TE3のタイムアウト処理TP1〜TP3は、第1のタイマイベントTE1の割り込みを契機としてまとめて処理される。そのため、割り込みは1回しか発生しない。
【0062】
この場合、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201は1回のみ行われ、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202は1回のみ行われる。そのため、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201に要する電力消費を削減することができる。この際、タイマ割り込みが遅れるため応答性は低下する可能性があるが、動作状態が応答性を必要としていない場合、影響は十分小さい。
【0063】
また、図5(C)に示すように、省電力制御部13は、動作状態が応答性を必要としていない場合、タイマ割り込みを遅らせる遅延時間TをT2に決定し、タイムアウト時刻TT1を遅らせて、タイムアウト時刻TT1’にタイムアウトするようにする。このとき、第1のタイマイベントTE1の遅延後のタイムアウト時刻TT1’より前の時刻TT4において、タイマ割り込み以外の割り込みが発生した場合、タイマ割り込み以外の割り込みの割り込み処理TP4の後に各タイマイベントTE1〜TE3のタイムアウト処理TP1〜TP3が一括処理される。そのため、割り込みは1回しか発生しない。
【0064】
すなわち、タイマ制御部12は、タイマ割り込み以外の割り込みによって省電力状態から通常状態へ復帰する場合、タイマ割り込み以外の割り込みの割り込み処理を実行した後、連続して、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0065】
この場合、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201は1回のみ行われ、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202は1回のみ行われる。そのため、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201に要する電力消費を削減することができる。
【0066】
このように、本実施の形態1によれば、情報処理装置1の動作状態が応答性を必要としている場合は、応答性を低下させないために、タイムアウトを遅らせる時間を短くする一方で、情報処理装置1の動作状態が応答性を必要としていない場合は、応答性が低下してもさほど問題とはならないため、タイムアウトを遅らせる時間を長くする。これにより、割り込みの回数を減らすことができ、情報処理装置1を省電力化することができる。
【0067】
なお、本実施の形態1では、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理として、デバイスに印加される電圧を低下させる、デバイスの駆動周波数を低下させる、という処理を使用しているが、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理はこれに限定されるものではなく、デバイスへのクロック供給を停止させる、デバイスの電源を切らせる等の処理のうちの少なくとも一つ以上、もしくはそれらの処理の組み合わせを使用してもよい。
【0068】
同様に、情報処理装置1を省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理として、デバイスに印加される電圧を通常状態の電圧に戻す、デバイスの駆動周波数を通常状態の駆動周波数に戻す、という処理を使用しているが、情報処理装置1を省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理はこれに限定されるものではなく、デバイスへのクロック供給を再開させる、デバイスの電源を入れさせる等の処理のうちの少なくとも一つ以上、もしくはそれらの処理の組み合わせを使用してもよい。
【0069】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0070】
本発明の実施の形態2における情報処理装置1’は、図6に示すように、割り込み制御部21と、タイマ制御部22と、省電力制御部23と、動作状態管理部24と、情報表示部25とから構成される。
【0071】
割り込み制御部21は、割り込みを制御する。タイマ制御部22は、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に割り込み制御部21へ割り込みを要求する。省電力制御部23は、通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する。動作状態管理部24は、情報処理装置1’の動作状態を管理する。情報表示部25は、情報処理装置1’に関する情報を表示する。
【0072】
情報表示部25は、消費電力を削減するために、ユーザが情報処理装置1’を一定時間操作していない場合などに、ユーザに提示する情報の表示を中止することができ、情報表示部25における動作状態、すなわち、情報表示部25によって情報が表示されているか否かを表す情報を、動作状態の変化時に動作状態管理部24へ通知する。
【0073】
動作状態管理部24は、情報表示部25によって情報が表示されているか否かを動作状態として管理する。
【0074】
省電力制御部23は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部24によって管理されている動作状態を取得し、情報表示部25によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を第1の遅延時間に決定し、情報表示部25によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を、第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定する。
【0075】
図7は、本発明の実施の形態2における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図7に示すように、まず、省電力制御部23は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部24から情報処理装置1の現在の動作状態として、情報表示部25に情報を表示しているか否かを表す動作状態を取得する(ステップS21)。
【0077】
次に、省電力制御部23は、動作状態管理部24から取得した動作状態に基づき、情報表示部25に情報を表示しているか否かを判断する(ステップS22)。ここで、情報表示部25に情報を表示していると判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS23の処理へ分岐し、情報表示部25に情報を表示していないと判断された場合(ステップS22でNO)、ステップS24の処理へ分岐する。
【0078】
情報表示部25に情報を表示している場合、省電力制御部23は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを第1の遅延時間T1に決定する(ステップS23)。一方、情報表示部25に情報を表示していない場合、省電力制御部23は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より遅い(長い)第2の遅延時間T2に決定する(ステップS24)。第1の遅延時間T1及び第2の遅延時間T2は、タイムアウト時刻を遅らせる時間であり、0≦T1<T2の関係を満たす。遅延時間Tを第2の遅延時間T2とした場合は、遅延時間Tを第1の遅延時間T1とした場合よりも、タイムアウトを遅らせる時間が長くなる。
【0079】
ステップS23又はステップS24においてタイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tが決定されると、タイマ制御部22は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS25)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS25でYES)、ステップS26の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS25でNO)、ステップS27の処理へ分岐する。
【0080】
次に、タイマ制御部22は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS26)。次に、省電力制御部23は、情報処理装置1’を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS27)。
【0081】
このように、本実施の形態2によれば、省電力制御部23は、情報表示部25に情報が表示されており、動作状態が応答性を必要とする場合には、タイムアウトを遅らせる時間を短くすることにより、応答性が低下するのを抑止することができる。また、省電力制御部23は、情報表示部25に情報が表示されておらず、動作状態が応答性を必要としない場合には、タイムアウトを遅らせる時間を長くすることにより、複数のタイマ割り込みを一括処理し、消費電力を削減することができる。
【0082】
なお、本実施の形態2では、情報処理装置1’の動作状態として、情報表示部25に情報を表示しているか否かという情報を使用しているが、情報処理装置1’の動作状態に関する動作情報はこれに限定されるものではなく、特定のデバイスの全体が動作しているか否か、特定のデバイスの一部が動作しているか否か、及び特定のソフトウェアが動作しているか否か等の動作状態のうちの少なくとも一つ以上、もしくはそれらの動作状態の組み合わせを使用してもよい。
【0083】
また、本発明の実施の形態2における情報処理装置1’の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0084】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における情報処理装置の構成は、図1に示す情報処理装置と共通である。以下の説明では、図1に示す情報処理装置と異なる機能についてのみ説明する。
【0085】
動作状態管理部14は、情報処理装置1の現在の動作状態として、割り込みの発生頻度を管理する。省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14によって管理されている動作状態を取得し、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、割り込みの発生頻度が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止する。
【0086】
図8は、本発明の実施の形態3における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0087】
図8に示すように、まず、省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14から情報処理装置1の現在の動作状態として、割り込みの発生頻度に関する動作状態を取得する(ステップS31)。
【0088】
次に、省電力制御部13は、動作状態管理部14から取得した割り込みの発生頻度に関する動作状態に基づき、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS32)。ここで、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であると判断された場合(ステップS32でYES)、ステップS33の処理へ分岐し、割り込みの発生頻度が所定の閾値よりも高いと判断された場合(ステップS32でNO)、処理を終了する。
【0089】
なお、省電力制御部13は、割り込みの発生回数をカウントし、カウントした割り込みの発生回数を記憶する。そして、省電力制御部13は、記憶している割り込みの発生回数に基づいて、割り込みの発生頻度を算出する。また、省電力制御部13は、割り込みの発生頻度の比較対象である所定の閾値を予め記憶している。
【0090】
割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS33)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS33でYES)、ステップS34の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS33でNO)、ステップS35の処理へ分岐する。
【0091】
次に、タイマ制御部12は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS34)。次に、省電力制御部13は、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS35)。
【0092】
このように、本実施の形態3によれば、情報処理装置1の割り込みの発生頻度が所定の閾値以下の場合のみ、通常状態から省電力状態への遷移を行い、割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合は、通常状態から省電力状態への遷移を抑止する。割り込みの発生頻度が高い場合、通常状態から省電力状態へ遷移したとしても、すぐに割り込みが発生して省電力状態から通常状態へ復帰する可能性が高い。その場合、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数が増え、消費電力が増大する可能性がある。しかしながら、本実施の形態3に示す処理を行えば、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数を減らすことができ、消費電力を削減することができる。
【0093】
なお、本実施の形態3は、実施の形態2と組み合わせてもよい。すなわち、図7のステップS23及びステップS24とステップS25との間において、省電力制御部23は、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であるか否かを判断し、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、ステップS25の処理へ移行し、割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合、処理を終了してもよい。
【0094】
また、本発明の実施の形態3における情報処理装置1の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0095】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0096】
本発明の実施の形態4における情報処理装置1”は、図9に示すように、割り込み制御部31と、タイマ制御部32と、省電力制御部33と、動作状態管理部34と、プロセッサ35とから構成される。
【0097】
割り込み制御部31は、割り込みを制御する。タイマ制御部32は、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に割り込み制御部31へ割り込みを要求する。省電力制御部33は、通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する。動作状態管理部34は、情報処理装置1”の動作状態を管理する。プロセッサ35は、代表的には、CPU(中央演算処理装置)、メディア処理用又はグラフィック処理用のプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理装置である。
【0098】
動作状態管理部34は、情報処理装置1”の現在の動作状態として、プロセッサ35の使用率を管理する。省電力制御部33は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部34によって管理されている動作状態を取得し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止する。
【0099】
図10は、本発明の実施の形態4における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0100】
図10に示すように、まず、省電力制御部33は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部34から情報処理装置1”の現在の動作状態として、プロセッサ35の使用率に関する動作状態を取得する(ステップS41)。
【0101】
次に、省電力制御部33は、動作状態管理部34から取得したプロセッサ35の使用率に関する動作状態に基づき、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS42)。ここで、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であると判断された場合(ステップS42でYES)、ステップS43の処理へ分岐し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値よりも高いと判断された場合(ステップS42でNO)、処理を終了する。
【0102】
なお、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率を測定する。また、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率の比較対象である所定の閾値を予め記憶している。
【0103】
プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下である場合、タイマ制御部32は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS43)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS43でYES)、ステップS44の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS43でNO)、ステップS45の処理へ分岐する。
【0104】
次に、タイマ制御部32は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS44)。次に、省電力制御部33は、情報処理装置1”を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS45)。
【0105】
このように、本実施の形態4によれば、情報処理装置1”のプロセッサ35の使用率が所定の閾値以下の場合のみ、通常状態から省電力状態への遷移を行い、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合は、通常状態から省電力状態への遷移を抑止する。プロセッサ35の使用率が高い場合、通常状態から省電力状態へ遷移したとしても、すぐに割り込みが発生して省電力状態から通常状態へ復帰する可能性が高い。その場合、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数が増え、消費電力が増大する可能性がある。しかしながら、本実施の形態4に示す処理を行えば、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数を減らすことができ、消費電力を削減することができる。
【0106】
なお、本実施の形態4は、実施の形態2と組み合わせてもよい。すなわち、図7のステップS23及びステップS24とステップS25との間において、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であるか否かを判断し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下である場合、ステップS25の処理へ移行し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合、処理を終了してもよい。
【0107】
また、本実施の形態4は、実施の形態3と組み合わせてもよい。すなわち、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下の場合、又は割り込みの発生頻度が所定の閾値以下の場合、通常状態から省電力状態への遷移を行い、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合、及び割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を抑止してもよい。
【0108】
さらに、本実施の形態4は、実施の形態2及び実施の形態3と組み合わせてもよい。すなわち、図7のステップS23及びステップS24とステップS25との間において、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であるか否かを判断するとともに、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であるか否かを判断し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下の場合、又は割り込みの発生頻度が所定の閾値以下の場合、ステップS25の処理へ移行し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合、及び割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合、処理を終了してもよい。
【0109】
また、本発明の実施の形態4における情報処理装置1”の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0110】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における情報処理装置の構成は、図1に示す情報処理装置と共通である。以下の説明では、図1に示す情報処理装置と異なる機能についてのみ説明する。
【0111】
タイマ制御部12は、タイムアウト時刻を遅らせる場合、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込み(タイマイベント)が応答性を必要としているか否かに応じて遅延時間を補正する。すなわち、タイマ制御部12は、タイムアウト時刻を遅らせる場合、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かを判断し、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としている場合、遅延時間がさらに短くなるように補正し、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としていない場合、既に調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻を遅らせる。
【0112】
図11は、本発明の実施の形態5における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0113】
図11に示すように、まず、省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14から情報処理装置1の現在の動作状態を取得する(ステップS51)。
【0114】
次に、省電力制御部13は、動作状態管理部14から取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する(ステップS52)。なお、省電力制御部13は、動作状態と、当該動作状態が応答性を必要としているかとを対応付けたテーブルを予め記憶している。省電力制御部13は、テーブルを参照し、取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する。ここで、取得した動作状態が応答性を必要としていると判断された場合(ステップS52でYES)、ステップS53の処理へ分岐し、取得した動作状態が応答性を必要としていないと判断された場合(ステップS52でNO)、ステップS54の処理へ分岐する。
【0115】
取得した動作状態が応答性を必要としている場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを第1の遅延時間T1に決定する(ステップS53)。一方、取得した動作状態が応答性を必要としていない場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より遅い(長い)第2の遅延時間T2に決定する(ステップS54)。第1の遅延時間T1及び第2の遅延時間T2は、タイムアウト時刻を遅らせる時間であり、0≦T1<T2の関係を満たす。遅延時間Tを第2の遅延時間T2とした場合は、遅延時間Tを第1の遅延時間T1とした場合よりも、タイムアウトを遅らせる時間が長くなる。
【0116】
ステップS53又はステップS54においてタイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tが決定されると、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS55)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS55でYES)、ステップS56の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS55でNO)、ステップS59の処理へ分岐する。
【0117】
タイマイベントが存在する場合、タイマ制御部12は、タイマイベントが応答性を必要としているか否かを判断する(ステップS56)。なお、タイマ制御部12は、タイマイベントと、当該タイマイベントが応答性を必要としているか否かとを対応付けたテーブルを予め記憶している。タイマ制御部12は、テーブルを参照し、タイマイベントが応答性を必要としているか否かを判断する。ここで、タイマイベントが応答性を必要としていると判断された場合(ステップS56でYES)、ステップS57の処理へ分岐し、タイマイベントが応答性を必要としていないと判断された場合(ステップS56でNO)、ステップS58の処理へ分岐する。
【0118】
タイマイベントが応答性を必要としている場合、タイマ制御部12は、タイムアウトを遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より早い(短い)第3の遅延時間T3に補正する。なお、第3の遅延時間T3は、0≦T3≦T1の関係を満たす任意の値とし、第3の遅延時間T3は0であってもよい。
【0119】
次に、タイマ制御部12は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS58)。次に、省電力制御部13は、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS59)。
【0120】
このように、本実施の形態5によれば、タイマイベントが応答性を必要としている場合、タイマ制御部12は、タイマイベントのタイムアウト時刻が遅れないようにタイムアウト時刻の遅延時間を短くし、応答性の低下を抑止することができる。
【0121】
なお、本実施の形態5は、実施の形態2〜4の少なくとも1つと組み合わせてもよい。
【0122】
また、本発明の実施の形態5における情報処理装置1の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0123】
なお、図1及び図6に示す情報処理装置の各機能ブロックは、典型的にはプロセッサと外部メモリとの協同で処理されるプログラムとして実現されるが、集積回路であるLSIで実現してもよい。これらの各機能ブロックは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIと呼称されることもある。
【0124】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0125】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
【0126】
また、本発明は、プロセッサとタイマとを備えた情報処理装置であれば、あらゆる電子機器、情報機器、AV機器、通信機器及び家電機器にも適用可能であり、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、携帯情報端末(携帯電話、スマートフォン及びPDAなど)、テレビ、ハーディスクレコーダー、DVD及びブルーレイディスクなどを用いた各種ディスクレコーダー、DVD及びブルーレイディスクなどを用いた各種ディスクプレイヤー、及びカーナビゲーションシステムなどにも応用できる。
【0127】
また、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路は、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移が可能であり、応答性の低下を抑止することができ、省電力化を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路として有用である。
【符号の説明】
【0129】
1 情報処理装置
11,21 割り込み制御部
12,22 タイマ制御部
13,23 省電力制御部
14,24 動作状態管理部
25 情報表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常状態から消費電力の少ない省電力状態へ遷移可能であり、割り込みを制御する情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリで駆動する携帯型の情報処理装置では、長時間の使用を実現するため、情報処理装置の省電力化が求められている。また、データセンターなどにおいても、電力コストを削減するため、情報処理装置の省電力化が求められている。このような省電力化の要求を満たすため、近年の情報処理装置は、必要な処理を行っていない期間に情報処理装置の一部を、通常状態から消費電力の少ない省電力状態へと遷移させることで消費電力を削減している。
【0003】
しかしながら、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理、及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理は、その処理自体にある程度の処理時間を必要とし、この処理に電力を消費する。したがって、頻繁に通常状態から省電力状態への遷移と省電力状態から通常状態への復帰とを繰り返すと、逆に消費電力が増大するという課題がある。一般に、省電力状態から通常状態へ復帰する契機となるのは割り込みである。そのため前記課題の解決には、割り込みの回数を減らすことが重要である。ここで、割り込みに関連した既存技術として、特許文献1及び特許文献2を挙げ、これらの技術に関して概略を説明する。
【0004】
特許文献1では、割り込み事象が発生してからプロセッサに割り込み要求が出力されるまでの遅延条件をプロセッサ負荷状態などに応じて動的に決定する機能を追加し、プロセッサ負荷が低い場合には遅延時間を減らして応答性の低下を抑止する技術が提案されている。
【0005】
特許文献2では、複数のタイマ割り込みを一括処理できるように、所定の誤差許容範囲内にあるタイマを一括処理タイムアウトとして抽出し、当該タイムアウト時刻にまとめて割り込み処理を行う。これによって、割り込みの回数を削減し、省電力化する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4219818号公報
【特許文献2】特開2006−072698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の発明では、割り込み事象が発生してから、プロセッサに割り込み要求を出力するまでの遅延の条件をプロセッサ負荷状態などに応じて動的に決定することで、応答性の低下を抑止しつつ、割り込み処理を効率化している。しかし、割り込みを遅延するためのハードウェアを必要としており、コストが増大してしまうという課題がある。
【0008】
また、特許文献2の発明では、複数のタイマのタイムアウト処理を許容誤差範囲内でまとめる際に、許容誤差範囲が既知の情報であることを前提としている。したがって、タイマを使用するソフトウェアにタイムアウト時刻の許容誤差範囲をタイマ制御部へ通知させるか、もしくは使用する全ソフトウェアの中で最も許容誤差範囲の狭いソフトウェアの許容誤差範囲を全体の許容誤差範囲として使用する必要がある。
【0009】
しかしながら、前者のタイマを使用するソフトウェアにタイムアウト時刻の許容誤差範囲をタイマ制御部へ通知させる場合、一般的なソフトウェアはタイムアウトの許容誤差範囲を通知する機能を有していないため、許容誤差範囲を通知する機能をソフトウェアへと追加しなければならず、ソフトウェアの開発コストが増大してしまう。
【0010】
一方、後者の使用する全ソフトウェアの中で最も許容誤差範囲の狭いソフトウェアの許容誤差範囲を全体の許容誤差範囲として使用する場合、情報処理装置の動作状態によって許容誤差範囲が変化しても、常に最も許容誤差範囲の小さいソフトウェアに合わせて許容誤差範囲を設定しなければならない。そのため、タイムアウト処理をまとめることのできる範囲が限定され、十分に割り込みを一括処理し、割り込み回数を削減することは難しいという課題がある。
【0011】
また、タイムアウト処理が許容誤差範囲の分だけ遅れることになるため、情報処理装置の応答性が悪化してしまうという課題がある。
【0012】
さらに、より優先度の高いタスクが動作している場合、タイムアウト時の処理は、優先度の高いタスクが動作している間、遅らされる。そのため、タイムアウト時の処理は、通常ある程度処理が遅らされる可能性があることを前提として設計されるのに対し、タイムアウトよりも前に処理が行われることは想定されない。なぜなら、タイムアウトはハードウェア処理の完了待ちなどにも使用され、所定のタイムアウト時刻よりも前にタイムアウト処理を行うと、ハードウェアが正しく動作できないためである。したがって、タイムアウト時の処理は、処理を遅らせることはある程度可能であっても、処理を前倒しして行うことが可能な許容誤差範囲はごく短い時間に限られ、処理に伴うオーバーヘッドが効果に見合わない場合が多い。
【0013】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、応答性の低下を抑止することができ、省電力化を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る情報処理装置は、割り込みを制御する割り込み制御部と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部とを備え、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0015】
本発明に係る情報処理方法は、割り込みを制御する割り込み制御ステップと、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻にタイマ割り込みを要求するタイマ制御ステップと、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御ステップと、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理ステップとを含み、前記省電力制御ステップは、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理ステップにおいて管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御ステップは、前記省電力制御ステップにおいて調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0016】
本発明に係る情報処理プログラムは、割り込みを制御する割り込み制御部と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0017】
本発明に係る情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、割り込みを制御する割り込み制御部と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う情報処理プログラムを記録している。
【0018】
本発明に係る集積回路は、割り込みを制御する割り込み制御回路と、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御回路へタイマ割り込みを要求するタイマ制御回路と、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御回路と、前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理回路とを備え、前記省電力制御回路は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理回路によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、前記タイマ制御回路は、前記省電力制御回路によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0019】
これらの構成によれば、通常状態から省電力状態への遷移時に、情報処理装置の動作状態が取得され、取得された動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が調節される。そして、調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻が遅らされ、省電力状態から通常状態への復帰時に、遅らされたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理が一括して行われる。
【0020】
したがって、応答性を必要とする動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を短くするので、応答性の低下を抑止することができ、応答性を必要としない動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を長くして、一括処理する割り込みを増やし、割り込みの回数を削減するので、省電力化を実現することができる。
【0021】
また、上記の情報処理装置において、前記情報処理装置に関する情報を表示する情報表示部をさらに備え、前記動作状態管理部は、前記情報表示部によって情報が表示されているか否かを動作状態として管理し、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記情報表示部によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を第1の遅延時間に決定し、前記情報表示部によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を、前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、情報表示部によって情報が表示されているか否かが動作状態として管理される。そして、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態が取得され、情報表示部によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が第1の遅延時間に決定され、情報表示部によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が、第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定される。
【0023】
したがって、情報表示部によって情報が表示されている場合、すなわち応答性が必要である場合は、応答性の低下を抑止することができ、情報表示部によって情報が表示されていない場合、すなわち応答性が必要でない場合は、一括処理する割り込みを増やし、割り込みの回数を削減するので、省電力化を実現することができる。
【0024】
また、上記の情報処理装置において、前記動作状態管理部は、割り込みの発生頻度を動作状態として管理し、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記割り込みの発生頻度が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、割り込みの発生頻度が動作状態として管理される。そして、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態が取得され、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が決定され、割り込みの発生頻度が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移が中止される。
【0026】
したがって、割り込みの発生頻度が高く、通常状態から省電力状態に遷移してもすぐに省電力状態から通常状態に復帰する可能性が高い場合には、通常状態から省電力状態への遷移が中止されるので、通常状態から省電力状態への遷移及び省電力状態から通常状態への復帰に伴って生じる電力消費を削減することができる。
【0027】
また、上記の情報処理装置において、前記情報処理装置は、プロセッサをさらに備え、前記動作状態管理部は、前記プロセッサの使用率を動作状態として管理し、前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記プロセッサの使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記プロセッサの使用率が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、プロセッサの使用率が動作状態として管理される。そして、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態が取得され、プロセッサの使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間が決定され、プロセッサの使用率が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移が中止される。
【0029】
したがって、プロセッサの使用率が高く、通常状態から省電力状態に遷移してもすぐに省電力状態から通常状態に復帰する可能性が高い場合には、通常状態から省電力状態への遷移が中止されるので、通常状態から省電力状態への遷移及び省電力状態から通常状態への復帰に伴って生じる電力消費を削減することができる。
【0030】
また、上記の情報処理装置において、前記タイマ制御部は、前記タイムアウト時刻を遅らせる場合、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かに応じて前記遅延時間を補正することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、タイムアウト時刻を遅らせる場合、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かに応じて遅延時間が補正されるので、タイムアウト時に行うタイマ割り込みが応答性を必要としている場合に、遅延時間を短くすることができ、応答性が低下するのを抑止することができる。
【0032】
また、上記の情報処理装置において、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としている場合、前記遅延時間がさらに短くなるように補正することが好ましい。
【0033】
この構成によれば、タイムアウト時に行うタイマ割り込みが応答性を必要としている場合に、遅延時間をさらに短くすることができ、応答性が低下するのを抑止することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、応答性を必要とする動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を短くするので、応答性の低下を抑止することができ、応答性を必要としない動作状態では、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を長くして、一括処理する割り込みを増やし、割り込みの回数を削減するので、省電力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるタイマ制御部で管理する情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1における情報処理装置の省電力状態から通常状態への復帰時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1における情報処理装置のタイマイベント処理のタイミングを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態3における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態4における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態5における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0038】
本発明の実施の形態1における情報処理装置1は、図1に示すように、割り込み制御部11と、タイマ制御部12と、省電力制御部13と、動作状態管理部14とから構成される。
【0039】
割り込み制御部11は、割り込みを制御する。タイマ制御部12は、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に割り込み制御部11へタイマ割り込みを要求する。省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する。動作状態管理部14は、情報処理装置1の動作状態を管理する。
【0040】
省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14によって管理されている動作状態を取得し、取得した動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節する。
【0041】
タイマ制御部12は、省電力制御部13によって調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込み(タイマイベント)のタイムアウト処理を一括して行う。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態1におけるタイマ制御部12で管理する情報の一例を示す図である。タイマ制御部12は、何時にどのような処理を行うかをタイマイベントの集合として管理する。
【0043】
図2では、第1のタイマイベントTE1、第2のタイマイベントTE2及び第3のタイマイベントTE3の3つのタイマイベントを例示している。タイマ制御部12は、タイマイベント毎に、いつタイムアウトするかを示すタイムアウト時刻と、タイムアウト発生時にどのような処理を実行するかを示すタイムアウト処理とを管理し、各タイマイベントのタイムアウト時刻到達時に、対応するタイムアウト処理を行う。すなわち、タイマ制御部12は、タイマイベントと、タイムアウト時刻と、タイムアウト処理とを対応付けたタイマイベント情報121を記憶している。
【0044】
例えば、第1のタイマイベントTE1には、第1のタイムアウト時刻TT1と第1のタイムアウト処理TP1とが対応付けられており、第2のタイマイベントTE2には、第2のタイムアウト時刻TT2と第2のタイムアウト処理TP2とが対応付けられており、第3のタイマイベントTE3には、第3のタイムアウト時刻TT3と第3のタイムアウト処理TP3とが対応付けられている。なお、図2は、あくまで管理形態の一例に過ぎず、タイマイベントの数は図2に示す数の限りではない。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態1における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0046】
図3に示すように、まず、省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14から情報処理装置1の現在の動作状態を取得する(ステップS1)。
【0047】
次に、省電力制御部13は、動作状態管理部14から取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する(ステップS2)。なお、本明細書において、応答性とは、何らかの指示等に対して短時間で応答することを意味している。また、省電力制御部13は、動作状態と、当該動作状態が応答性を必要としているか否かとを対応付けたテーブルを予め記憶している。省電力制御部13は、テーブルを参照し、取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する。ここで、取得した動作状態が応答性を必要としていると判断された場合(ステップS2でYES)、ステップS3の処理へ分岐し、取得した動作状態が応答性を必要としていないと判断された場合(ステップS2でNO)、ステップS4の処理へ分岐する。
【0048】
取得した動作状態が応答性を必要としている場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを第1の遅延時間T1に決定する(ステップS3)。一方、取得した動作状態が応答性を必要としていない場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より遅い(長い)第2の遅延時間T2に決定する(ステップS4)。第1の遅延時間T1及び第2の遅延時間T2は、タイムアウト時刻を遅らせる時間であり、0≦T1<T2の関係を満たす。遅延時間Tを第2の遅延時間T2とした場合は、遅延時間Tを第1の遅延時間T1とした場合よりも、タイムアウトを遅らせる時間が長くなる。
【0049】
ステップS3又はステップS4においてタイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tが決定されると、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS5)。なお、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントに関する情報をタイマイベント情報として記憶している。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS5でYES)、ステップS6の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS5でNO)、ステップS7の処理へ分岐する。
【0050】
次に、タイマ制御部12は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS6)。次に、省電力制御部13は、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS7)。なお、遷移処理において、省電力制御部13は、デバイスに印加される電圧を低下させたり、デバイスの駆動周波数を低下させたりする。すなわち、省電力状態では、デバイスに印加される電圧が通常状態よりも低下されるとともに、デバイスの駆動周波数が通常状態よりも低下される。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態1における情報処理装置の省電力状態から通常状態への復帰時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0052】
図4に示すように、まず、省電力制御部13は、省電力状態から通常状態への復帰時に、情報処理装置1を省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理を行う(ステップS11)。なお、省電力制御部13は、割り込みが発生すると、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理を行う。また、復帰処理において、省電力制御部13は、デバイスに印加される電圧を通常状態の電圧に戻したり、デバイスの駆動周波数を通常状態の駆動周波数に戻したりする。
【0053】
次に、割り込み制御部11は、発生した割り込みがタイマ割り込み以外の割り込みであるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、タイマ割り込み以外の割り込みであると判断された場合(ステップS12でYES)、ステップS13の処理へ分岐し、タイマ割り込みであると判断された場合(ステップS12でNO)、ステップS14の処理へ分岐する。
【0054】
割り込みがタイマ割り込み以外の割り込みである場合、割り込み制御部11は、タイマ割り込み以外の割り込み処理を行う(ステップS13)。次に、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS14)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS14でYES)、ステップS15の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS14でNO)、処理を終了する。
【0055】
タイマイベントが存在する場合、タイマ制御部12は、現在時刻を取得する(ステップS15)。次に、タイマ制御部12は、内部に保持しているタイマイベント情報を参照し、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS16)。ここで、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS16でYES)、ステップS17の処理へ分岐し、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS16でNO)、ステップS19の処理へ分岐する。
【0056】
タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在する場合、タイマ制御部12は、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントに対応するタイムアウト処理を行う(ステップS17)。次に、タイマ制御部12は、タイムアウト処理を行ったタイマイベントをタイマイベント情報121から削除し(ステップS18)、ステップS14の処理へ戻る。
【0057】
一方、タイムアウト時刻が現在時刻に達しているタイマイベントが存在しない場合、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントの中で、最もタイムアウト時刻の早い直近のタイマイベントのタイムアウト時刻をタイマに設定し(ステップS19)、処理を終了する。
【0058】
図5は、本発明の実施の形態1における情報処理装置のタイマイベント処理のタイミングを示す図であり、図5(A)は、タイムアウト時刻を遅らせない場合における、第1〜第3のタイマイベントTE1〜TE3の第1〜第3のタイムアウト処理TP1〜TP3のタイミングを示す図であり、図5(B)は、タイムアウト時刻を遅延時間Tだけ遅らせた場合における、第1〜第3のタイマイベントTE1〜TE3の第1〜第3のタイムアウト処理TP1〜TP3のタイミングを示す図であり、図5(C)は、タイムアウト時刻を遅延時間Tだけ遅らせ、タイムアウト時刻前にタイマ割り込み以外の割り込みが発生した場合における、第1〜第3のタイマイベントTE1〜TE3の第1〜第3のタイムアウト処理TP1〜TP3及びタイマ割り込み以外の割り込みの割り込み処理TP4のタイミングを示す図である。
【0059】
図5(A)に示すように、省電力制御部13は、動作状態が応答性を必要としている場合、タイマ割り込みを遅らせる遅延時間Tを0(第1の遅延時間T1)に決定し、タイムアウト時刻が遅れないようにする。このとき、各タイマイベントTE1〜TE3のタイマ割り込みは、それぞれのタイマイベントTE1〜TE3のタイムアウト時刻TT1〜TT3に発生する。そのため、割り込みは3回発生する。
【0060】
この場合、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201は3回行われ、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202は3回行われる。しかし、各タイマイベントTE1〜TE3に対応するタイムアウト処理TP1〜TP3のタイミングは、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201にかかる時間以上は遅れないため、応答性の低下は抑止することができる。
【0061】
一方、図5(B)に示すように、省電力制御部13は、動作状態が応答性を必要としていない場合、タイマ割り込みを遅らせる遅延時間Tを第2の遅延時間T2に決定し、タイムアウト時刻TT1を遅らせて、タイムアウト時刻TT1’にタイムアウトするようにする。このとき、各タイマイベントTE1〜TE3のタイムアウト処理TP1〜TP3は、第1のタイマイベントTE1の割り込みを契機としてまとめて処理される。そのため、割り込みは1回しか発生しない。
【0062】
この場合、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201は1回のみ行われ、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202は1回のみ行われる。そのため、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201に要する電力消費を削減することができる。この際、タイマ割り込みが遅れるため応答性は低下する可能性があるが、動作状態が応答性を必要としていない場合、影響は十分小さい。
【0063】
また、図5(C)に示すように、省電力制御部13は、動作状態が応答性を必要としていない場合、タイマ割り込みを遅らせる遅延時間TをT2に決定し、タイムアウト時刻TT1を遅らせて、タイムアウト時刻TT1’にタイムアウトするようにする。このとき、第1のタイマイベントTE1の遅延後のタイムアウト時刻TT1’より前の時刻TT4において、タイマ割り込み以外の割り込みが発生した場合、タイマ割り込み以外の割り込みの割り込み処理TP4の後に各タイマイベントTE1〜TE3のタイムアウト処理TP1〜TP3が一括処理される。そのため、割り込みは1回しか発生しない。
【0064】
すなわち、タイマ制御部12は、タイマ割り込み以外の割り込みによって省電力状態から通常状態へ復帰する場合、タイマ割り込み以外の割り込みの割り込み処理を実行した後、連続して、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行う。
【0065】
この場合、省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201は1回のみ行われ、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202は1回のみ行われる。そのため、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理202及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理201に要する電力消費を削減することができる。
【0066】
このように、本実施の形態1によれば、情報処理装置1の動作状態が応答性を必要としている場合は、応答性を低下させないために、タイムアウトを遅らせる時間を短くする一方で、情報処理装置1の動作状態が応答性を必要としていない場合は、応答性が低下してもさほど問題とはならないため、タイムアウトを遅らせる時間を長くする。これにより、割り込みの回数を減らすことができ、情報処理装置1を省電力化することができる。
【0067】
なお、本実施の形態1では、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理として、デバイスに印加される電圧を低下させる、デバイスの駆動周波数を低下させる、という処理を使用しているが、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理はこれに限定されるものではなく、デバイスへのクロック供給を停止させる、デバイスの電源を切らせる等の処理のうちの少なくとも一つ以上、もしくはそれらの処理の組み合わせを使用してもよい。
【0068】
同様に、情報処理装置1を省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理として、デバイスに印加される電圧を通常状態の電圧に戻す、デバイスの駆動周波数を通常状態の駆動周波数に戻す、という処理を使用しているが、情報処理装置1を省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理はこれに限定されるものではなく、デバイスへのクロック供給を再開させる、デバイスの電源を入れさせる等の処理のうちの少なくとも一つ以上、もしくはそれらの処理の組み合わせを使用してもよい。
【0069】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0070】
本発明の実施の形態2における情報処理装置1’は、図6に示すように、割り込み制御部21と、タイマ制御部22と、省電力制御部23と、動作状態管理部24と、情報表示部25とから構成される。
【0071】
割り込み制御部21は、割り込みを制御する。タイマ制御部22は、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に割り込み制御部21へ割り込みを要求する。省電力制御部23は、通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する。動作状態管理部24は、情報処理装置1’の動作状態を管理する。情報表示部25は、情報処理装置1’に関する情報を表示する。
【0072】
情報表示部25は、消費電力を削減するために、ユーザが情報処理装置1’を一定時間操作していない場合などに、ユーザに提示する情報の表示を中止することができ、情報表示部25における動作状態、すなわち、情報表示部25によって情報が表示されているか否かを表す情報を、動作状態の変化時に動作状態管理部24へ通知する。
【0073】
動作状態管理部24は、情報表示部25によって情報が表示されているか否かを動作状態として管理する。
【0074】
省電力制御部23は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部24によって管理されている動作状態を取得し、情報表示部25によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を第1の遅延時間に決定し、情報表示部25によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を、第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定する。
【0075】
図7は、本発明の実施の形態2における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図7に示すように、まず、省電力制御部23は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部24から情報処理装置1の現在の動作状態として、情報表示部25に情報を表示しているか否かを表す動作状態を取得する(ステップS21)。
【0077】
次に、省電力制御部23は、動作状態管理部24から取得した動作状態に基づき、情報表示部25に情報を表示しているか否かを判断する(ステップS22)。ここで、情報表示部25に情報を表示していると判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS23の処理へ分岐し、情報表示部25に情報を表示していないと判断された場合(ステップS22でNO)、ステップS24の処理へ分岐する。
【0078】
情報表示部25に情報を表示している場合、省電力制御部23は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを第1の遅延時間T1に決定する(ステップS23)。一方、情報表示部25に情報を表示していない場合、省電力制御部23は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より遅い(長い)第2の遅延時間T2に決定する(ステップS24)。第1の遅延時間T1及び第2の遅延時間T2は、タイムアウト時刻を遅らせる時間であり、0≦T1<T2の関係を満たす。遅延時間Tを第2の遅延時間T2とした場合は、遅延時間Tを第1の遅延時間T1とした場合よりも、タイムアウトを遅らせる時間が長くなる。
【0079】
ステップS23又はステップS24においてタイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tが決定されると、タイマ制御部22は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS25)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS25でYES)、ステップS26の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS25でNO)、ステップS27の処理へ分岐する。
【0080】
次に、タイマ制御部22は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS26)。次に、省電力制御部23は、情報処理装置1’を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS27)。
【0081】
このように、本実施の形態2によれば、省電力制御部23は、情報表示部25に情報が表示されており、動作状態が応答性を必要とする場合には、タイムアウトを遅らせる時間を短くすることにより、応答性が低下するのを抑止することができる。また、省電力制御部23は、情報表示部25に情報が表示されておらず、動作状態が応答性を必要としない場合には、タイムアウトを遅らせる時間を長くすることにより、複数のタイマ割り込みを一括処理し、消費電力を削減することができる。
【0082】
なお、本実施の形態2では、情報処理装置1’の動作状態として、情報表示部25に情報を表示しているか否かという情報を使用しているが、情報処理装置1’の動作状態に関する動作情報はこれに限定されるものではなく、特定のデバイスの全体が動作しているか否か、特定のデバイスの一部が動作しているか否か、及び特定のソフトウェアが動作しているか否か等の動作状態のうちの少なくとも一つ以上、もしくはそれらの動作状態の組み合わせを使用してもよい。
【0083】
また、本発明の実施の形態2における情報処理装置1’の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0084】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における情報処理装置の構成は、図1に示す情報処理装置と共通である。以下の説明では、図1に示す情報処理装置と異なる機能についてのみ説明する。
【0085】
動作状態管理部14は、情報処理装置1の現在の動作状態として、割り込みの発生頻度を管理する。省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14によって管理されている動作状態を取得し、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、割り込みの発生頻度が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止する。
【0086】
図8は、本発明の実施の形態3における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0087】
図8に示すように、まず、省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14から情報処理装置1の現在の動作状態として、割り込みの発生頻度に関する動作状態を取得する(ステップS31)。
【0088】
次に、省電力制御部13は、動作状態管理部14から取得した割り込みの発生頻度に関する動作状態に基づき、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS32)。ここで、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であると判断された場合(ステップS32でYES)、ステップS33の処理へ分岐し、割り込みの発生頻度が所定の閾値よりも高いと判断された場合(ステップS32でNO)、処理を終了する。
【0089】
なお、省電力制御部13は、割り込みの発生回数をカウントし、カウントした割り込みの発生回数を記憶する。そして、省電力制御部13は、記憶している割り込みの発生回数に基づいて、割り込みの発生頻度を算出する。また、省電力制御部13は、割り込みの発生頻度の比較対象である所定の閾値を予め記憶している。
【0090】
割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS33)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS33でYES)、ステップS34の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS33でNO)、ステップS35の処理へ分岐する。
【0091】
次に、タイマ制御部12は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS34)。次に、省電力制御部13は、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS35)。
【0092】
このように、本実施の形態3によれば、情報処理装置1の割り込みの発生頻度が所定の閾値以下の場合のみ、通常状態から省電力状態への遷移を行い、割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合は、通常状態から省電力状態への遷移を抑止する。割り込みの発生頻度が高い場合、通常状態から省電力状態へ遷移したとしても、すぐに割り込みが発生して省電力状態から通常状態へ復帰する可能性が高い。その場合、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数が増え、消費電力が増大する可能性がある。しかしながら、本実施の形態3に示す処理を行えば、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数を減らすことができ、消費電力を削減することができる。
【0093】
なお、本実施の形態3は、実施の形態2と組み合わせてもよい。すなわち、図7のステップS23及びステップS24とステップS25との間において、省電力制御部23は、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であるか否かを判断し、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、ステップS25の処理へ移行し、割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合、処理を終了してもよい。
【0094】
また、本発明の実施の形態3における情報処理装置1の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0095】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0096】
本発明の実施の形態4における情報処理装置1”は、図9に示すように、割り込み制御部31と、タイマ制御部32と、省電力制御部33と、動作状態管理部34と、プロセッサ35とから構成される。
【0097】
割り込み制御部31は、割り込みを制御する。タイマ制御部32は、タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に割り込み制御部31へ割り込みを要求する。省電力制御部33は、通常状態から省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する。動作状態管理部34は、情報処理装置1”の動作状態を管理する。プロセッサ35は、代表的には、CPU(中央演算処理装置)、メディア処理用又はグラフィック処理用のプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理装置である。
【0098】
動作状態管理部34は、情報処理装置1”の現在の動作状態として、プロセッサ35の使用率を管理する。省電力制御部33は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部34によって管理されている動作状態を取得し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止する。
【0099】
図10は、本発明の実施の形態4における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0100】
図10に示すように、まず、省電力制御部33は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部34から情報処理装置1”の現在の動作状態として、プロセッサ35の使用率に関する動作状態を取得する(ステップS41)。
【0101】
次に、省電力制御部33は、動作状態管理部34から取得したプロセッサ35の使用率に関する動作状態に基づき、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS42)。ここで、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であると判断された場合(ステップS42でYES)、ステップS43の処理へ分岐し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値よりも高いと判断された場合(ステップS42でNO)、処理を終了する。
【0102】
なお、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率を測定する。また、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率の比較対象である所定の閾値を予め記憶している。
【0103】
プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下である場合、タイマ制御部32は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS43)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS43でYES)、ステップS44の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS43でNO)、ステップS45の処理へ分岐する。
【0104】
次に、タイマ制御部32は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS44)。次に、省電力制御部33は、情報処理装置1”を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS45)。
【0105】
このように、本実施の形態4によれば、情報処理装置1”のプロセッサ35の使用率が所定の閾値以下の場合のみ、通常状態から省電力状態への遷移を行い、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合は、通常状態から省電力状態への遷移を抑止する。プロセッサ35の使用率が高い場合、通常状態から省電力状態へ遷移したとしても、すぐに割り込みが発生して省電力状態から通常状態へ復帰する可能性が高い。その場合、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数が増え、消費電力が増大する可能性がある。しかしながら、本実施の形態4に示す処理を行えば、通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理及び省電力状態から通常状態へ復帰させる復帰処理の回数を減らすことができ、消費電力を削減することができる。
【0106】
なお、本実施の形態4は、実施の形態2と組み合わせてもよい。すなわち、図7のステップS23及びステップS24とステップS25との間において、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であるか否かを判断し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下である場合、ステップS25の処理へ移行し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合、処理を終了してもよい。
【0107】
また、本実施の形態4は、実施の形態3と組み合わせてもよい。すなわち、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下の場合、又は割り込みの発生頻度が所定の閾値以下の場合、通常状態から省電力状態への遷移を行い、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合、及び割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を抑止してもよい。
【0108】
さらに、本実施の形態4は、実施の形態2及び実施の形態3と組み合わせてもよい。すなわち、図7のステップS23及びステップS24とステップS25との間において、省電力制御部33は、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下であるか否かを判断するとともに、割り込みの発生頻度が所定の閾値以下であるか否かを判断し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値以下の場合、又は割り込みの発生頻度が所定の閾値以下の場合、ステップS25の処理へ移行し、プロセッサ35の使用率が所定の閾値より高い場合、及び割り込みの発生頻度が所定の閾値より高い場合、処理を終了してもよい。
【0109】
また、本発明の実施の形態4における情報処理装置1”の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0110】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における情報処理装置の構成は、図1に示す情報処理装置と共通である。以下の説明では、図1に示す情報処理装置と異なる機能についてのみ説明する。
【0111】
タイマ制御部12は、タイムアウト時刻を遅らせる場合、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込み(タイマイベント)が応答性を必要としているか否かに応じて遅延時間を補正する。すなわち、タイマ制御部12は、タイムアウト時刻を遅らせる場合、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かを判断し、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としている場合、遅延時間がさらに短くなるように補正し、タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としていない場合、既に調節された遅延時間に応じてタイムアウト時刻を遅らせる。
【0112】
図11は、本発明の実施の形態5における情報処理装置の通常状態から省電力状態への遷移時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0113】
図11に示すように、まず、省電力制御部13は、通常状態から省電力状態への遷移時に、動作状態管理部14から情報処理装置1の現在の動作状態を取得する(ステップS51)。
【0114】
次に、省電力制御部13は、動作状態管理部14から取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する(ステップS52)。なお、省電力制御部13は、動作状態と、当該動作状態が応答性を必要としているかとを対応付けたテーブルを予め記憶している。省電力制御部13は、テーブルを参照し、取得した動作状態が応答性を必要としているか否かを判断する。ここで、取得した動作状態が応答性を必要としていると判断された場合(ステップS52でYES)、ステップS53の処理へ分岐し、取得した動作状態が応答性を必要としていないと判断された場合(ステップS52でNO)、ステップS54の処理へ分岐する。
【0115】
取得した動作状態が応答性を必要としている場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを第1の遅延時間T1に決定する(ステップS53)。一方、取得した動作状態が応答性を必要としていない場合、省電力制御部13は、タイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より遅い(長い)第2の遅延時間T2に決定する(ステップS54)。第1の遅延時間T1及び第2の遅延時間T2は、タイムアウト時刻を遅らせる時間であり、0≦T1<T2の関係を満たす。遅延時間Tを第2の遅延時間T2とした場合は、遅延時間Tを第1の遅延時間T1とした場合よりも、タイムアウトを遅らせる時間が長くなる。
【0116】
ステップS53又はステップS54においてタイムアウト時刻を遅らせる遅延時間Tが決定されると、タイマ制御部12は、実行を予定しているタイマイベントが存在するか否かを判断する(ステップS55)。ここで、タイマイベントが存在すると判断された場合(ステップS55でYES)、ステップS56の処理へ分岐し、タイマイベントが存在しないと判断された場合(ステップS55でNO)、ステップS59の処理へ分岐する。
【0117】
タイマイベントが存在する場合、タイマ制御部12は、タイマイベントが応答性を必要としているか否かを判断する(ステップS56)。なお、タイマ制御部12は、タイマイベントと、当該タイマイベントが応答性を必要としているか否かとを対応付けたテーブルを予め記憶している。タイマ制御部12は、テーブルを参照し、タイマイベントが応答性を必要としているか否かを判断する。ここで、タイマイベントが応答性を必要としていると判断された場合(ステップS56でYES)、ステップS57の処理へ分岐し、タイマイベントが応答性を必要としていないと判断された場合(ステップS56でNO)、ステップS58の処理へ分岐する。
【0118】
タイマイベントが応答性を必要としている場合、タイマ制御部12は、タイムアウトを遅らせる遅延時間Tを、第1の遅延時間T1より早い(短い)第3の遅延時間T3に補正する。なお、第3の遅延時間T3は、0≦T3≦T1の関係を満たす任意の値とし、第3の遅延時間T3は0であってもよい。
【0119】
次に、タイマ制御部12は、タイマのタイムアウト時刻を、現在設定されている時刻よりも遅延時間Tだけ遅れるように設定を変更する(ステップS58)。次に、省電力制御部13は、情報処理装置1を通常状態から省電力状態へ遷移させる遷移処理を行う(ステップS59)。
【0120】
このように、本実施の形態5によれば、タイマイベントが応答性を必要としている場合、タイマ制御部12は、タイマイベントのタイムアウト時刻が遅れないようにタイムアウト時刻の遅延時間を短くし、応答性の低下を抑止することができる。
【0121】
なお、本実施の形態5は、実施の形態2〜4の少なくとも1つと組み合わせてもよい。
【0122】
また、本発明の実施の形態5における情報処理装置1の省電力状態から通常状態への復帰時の動作は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0123】
なお、図1及び図6に示す情報処理装置の各機能ブロックは、典型的にはプロセッサと外部メモリとの協同で処理されるプログラムとして実現されるが、集積回路であるLSIで実現してもよい。これらの各機能ブロックは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIと呼称されることもある。
【0124】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0125】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
【0126】
また、本発明は、プロセッサとタイマとを備えた情報処理装置であれば、あらゆる電子機器、情報機器、AV機器、通信機器及び家電機器にも適用可能であり、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、携帯情報端末(携帯電話、スマートフォン及びPDAなど)、テレビ、ハーディスクレコーダー、DVD及びブルーレイディスクなどを用いた各種ディスクレコーダー、DVD及びブルーレイディスクなどを用いた各種ディスクプレイヤー、及びカーナビゲーションシステムなどにも応用できる。
【0127】
また、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路は、通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移が可能であり、応答性の低下を抑止することができ、省電力化を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び集積回路として有用である。
【符号の説明】
【0129】
1 情報処理装置
11,21 割り込み制御部
12,22 タイマ制御部
13,23 省電力制御部
14,24 動作状態管理部
25 情報表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
割り込みを制御する割り込み制御部と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部とを備え、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置に関する情報を表示する情報表示部をさらに備え、
前記動作状態管理部は、前記情報表示部によって情報が表示されているか否かを動作状態として管理し、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記情報表示部によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を第1の遅延時間に決定し、前記情報表示部によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を、前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動作状態管理部は、割り込みの発生頻度を動作状態として管理し、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記割り込みの発生頻度が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、プロセッサをさらに備え、
前記動作状態管理部は、前記プロセッサの使用率を動作状態として管理し、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記プロセッサの使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記プロセッサの使用率が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記タイマ制御部は、前記タイムアウト時刻を遅らせる場合、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かに応じて前記遅延時間を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記タイマ制御部は、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としている場合、前記遅延時間がさらに短くなるように補正することを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
割り込みを制御する割り込み制御ステップと、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻にタイマ割り込みを要求するタイマ制御ステップと、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御ステップと、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理ステップとを含み、
前記省電力制御ステップは、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理ステップにおいて管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御ステップは、前記省電力制御ステップにおいて調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
割り込みを制御する割り込み制御部と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項9】
割り込みを制御する割り込み制御部と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
割り込みを制御する割り込み制御回路と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御回路へタイマ割り込みを要求するタイマ制御回路と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御回路と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理回路とを備え、
前記省電力制御回路は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理回路によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御回路は、前記省電力制御回路によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする集積回路。
【請求項1】
割り込みを制御する割り込み制御部と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部とを備え、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置に関する情報を表示する情報表示部をさらに備え、
前記動作状態管理部は、前記情報表示部によって情報が表示されているか否かを動作状態として管理し、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記情報表示部によって情報が表示されている場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を第1の遅延時間に決定し、前記情報表示部によって情報が表示されていない場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を、前記第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間に決定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動作状態管理部は、割り込みの発生頻度を動作状態として管理し、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記割り込みの発生頻度が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記割り込みの発生頻度が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、プロセッサをさらに備え、
前記動作状態管理部は、前記プロセッサの使用率を動作状態として管理し、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、前記プロセッサの使用率が所定の閾値以下である場合、タイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を決定し、前記プロセッサの使用率が前記所定の閾値よりも高い場合、通常状態から省電力状態への遷移を中止することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記タイマ制御部は、前記タイムアウト時刻を遅らせる場合、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としているか否かに応じて前記遅延時間を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記タイマ制御部は、前記タイムアウト時刻を遅らせるタイマ割り込みが応答性を必要としている場合、前記遅延時間がさらに短くなるように補正することを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
割り込みを制御する割り込み制御ステップと、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻にタイマ割り込みを要求するタイマ制御ステップと、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御ステップと、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理ステップとを含み、
前記省電力制御ステップは、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理ステップにおいて管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御ステップは、前記省電力制御ステップにおいて調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
割り込みを制御する割り込み制御部と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項9】
割り込みを制御する割り込み制御部と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御部へタイマ割り込みを要求するタイマ制御部と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御部と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理部としてコンピュータを機能させ、
前記省電力制御部は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理部によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御部は、前記省電力制御部によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
割り込みを制御する割り込み制御回路と、
タイマを使用して経過時間を計時し、所定のタイムアウト時刻に前記割り込み制御回路へタイマ割り込みを要求するタイマ制御回路と、
通常状態から消費電力の少ない省電力状態への遷移と、省電力状態から通常状態への復帰とを制御する省電力制御回路と、
前記情報処理装置の動作状態を管理する動作状態管理回路とを備え、
前記省電力制御回路は、通常状態から省電力状態への遷移時に、前記動作状態管理回路によって管理されている前記動作状態を取得し、取得した前記動作状態に応じてタイムアウト時刻を遅らせるための遅延時間を調節し、
前記タイマ制御回路は、前記省電力制御回路によって調節された前記遅延時間に応じて前記タイムアウト時刻を遅らせ、省電力状態から通常状態への復帰時に、前記遅らせたタイムアウト時刻を既に経過しているタイマ割り込みのタイムアウト処理を一括して行うことを特徴とする集積回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−3691(P2012−3691A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140593(P2010−140593)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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