説明

情報処理装置、情報処理方法及びフィルタリング判定装置

【課題】 コンテンツの視聴において、安全性を確保しつつ、より広い範囲の視聴可能なコンテンツに効率的にアクセスすることのできる技術を提供する。
【解決手段】 ユーザが指定したコンテンツについて視聴可否の判定要求と、視聴を制限する条件とをフィルタリング判定装置に出力し、フィルタリング判定装置からの判定結果情報でコンテンツに代わるコンテンツが条件付きで視聴可能とされていたときは、判定結果情報からこの条件付視聴可能コンテンツのアドレスを取得し、取得したアドレスを指定して、コンテンツ保持装置にコンテンツ要求を出力し、コンテンツ保持装置から条件付視聴可能コンテンツを含む情報を取得して、当該コンテンツが条件付視聴可能コンテンツであることを表す情報を表示装置に出力する情報処理方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの視聴において、安全性を確保しつつ、より広い範囲の視聴可能なコンテンツに効率的にアクセスすることのできる情報処理装置、情報処理方法及びフィルタリング判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどの通信回線を介してコンテンツを取得し視聴する機能を備えた情報処理装置として、テレビ、PC(パーソナルコンピュータ)などが知られている。これらの情報処理装置は、複数人で共有されている場合があり、特にテレビについては視聴者が幅広い年齢層を含む複数人であることが多い。
【0003】
ところで、情報処理装置(クライアント)が通信回線を介して取得するコンテンツの内には、年齢等の条件によって視聴が制限されるコンテンツが少なからず存在している。そのため、クライアント側で視聴制限を設定し、その視聴制限に応じて視聴可能なコンテンツを制限する仕組みが使われている。
【0004】
特許文献1に開示された技術では、コンテンツ出力装置を開示している。コンテンツ出力装置は、通信部を介してユーザ属性取得部からユーザのコンテンツ視聴条件を含むユーザ属性を受信する。コンテンツ属性管理部は、通信部を介してコンテンツ受信部で受信したコンテンツの属性を管理する。コンテンツ出力可否決定部は、ユーザ属性とコンテンツの属性からコンテンツの出力の可否を判定する。
【0005】
特許文献1のコンテンツ出力装置には、具体的にはテレビ、プロジェクタ、オーディオシステム、PC、携帯電話等家庭内で利用されるものから、多人数が同時に視聴する大規模装置も含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−017013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術を上述のクライアントに適用する場合では、クライアントにおいてコンテンツの属性とユーザの属性を取得してコンテンツの出力可否を判断することになる。しかしながら、ユーザが求める視聴制限は多種多様である。また、コンテンツの属性も多数あり更に今後種々変化すると考えられる。
【0008】
従って、特許文献1に記載の技術では、コンテンツの出力可否を判断する処理が多種多様になると共に、今後増加する種々のコンテンツに対して判断内容を追加補充するアップデートが必要である。しかし、家庭内で利用されるテレビ、PCなどにこのような機能を装備することは製造コストのアップにつながる。
【0009】
また、特許文献1に記載の技術では、コンテンツの属性が明らかになっていることが前提である。しかしながら、フィッシングなどを目的とした有害なコンテンツの場合は、コンテンツ属性がコンテンツ配信側から明らかにされていないため、所要の目的を達成することができない。
【0010】
一方、コンテンツを提供する側においては、送信するコンテンツをクライアントの視聴環境により変更すること、即ち、視聴制限にかからないようにコンテンツを切り分けることが可能なものも存在する。このような仕組みをもつことによって、コンテンツ提供側においてもより多くのアクセスを実現できるメリットがある。クライアントにとってもこのような制限を緩和できる仕組みは、視聴機会を増やすことにつながるため積極的に利用できることが望まれる。
【0011】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、コンテンツの視聴において、安全性を確保しつつ、より広い範囲の視聴可能なコンテンツに効率的にアクセスすることのできる情報処理装置、情報処理方法及びフィルタリング判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、コンテンツの視聴を制限する条件を入力する条件入力部と、ユーザが指定したコンテンツについて視聴可否の判定要求と、前記視聴を制限する条件とをフィルタリング判定装置に出力する視聴可否判定要求部と、前記フィルタリング判定装置からの判定結果情報で前記コンテンツに代わるコンテンツが条件付きで視聴可能とされていたときは、前記判定結果情報からこの条件付視聴可能コンテンツのアドレスを取得するアドレス取得部と、取得したアドレスを指定して、コンテンツ保持装置にコンテンツ要求を出力するコンテンツ要求部と、前記コンテンツ保持装置から前記条件付視聴可能コンテンツを含む情報を取得して、当該コンテンツが条件付視聴可能コンテンツであることを表す情報を表示装置に出力する第1の出力部とを有する情報処理装置である。
【0013】
また本発明は、ユーザが指定したコンテンツについて視聴可否の判定要求と、前記視聴を制限する条件とをフィルタリング判定装置に出力し、前記フィルタリング判定装置からの判定結果情報で前記コンテンツに代わるコンテンツが条件付きで視聴可能とされていたときは、前記判定結果情報からこの条件付視聴可能コンテンツのアドレスを取得し、取得したアドレスを指定して、コンテンツ保持装置にコンテンツ要求を出力し、前記コンテンツ保持装置から前記条件付視聴可能コンテンツを含む情報を取得して、当該コンテンツが条件付視聴可能コンテンツであることを表す情報を表示装置に出力する情報処理方法である。
【0014】
また本発明は、コンテンツの視聴可否の判定要求と、視聴を制限する条件とを入力する入力部と、この判定要求に基づいてデータベースの情報を検索して前記コンテンツの視聴可否を判定する可否判定部と、前記可否判定部が前記コンテンツに代わるコンテンツを条件付きで視聴可能と判断したときは、視聴を認める条件を含む判定結果情報を出力する出力部を備え、前記データベースには、コンテンツごとに有害・無害の情報と、有害である場合に視聴を認める条件とが格納されているフィルタリング判定装置である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、コンテンツの視聴において、安全性を確保しつつ、より広い範囲の視聴可能なコンテンツに効率的にアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態の情報処理装置が適用されるコンテンツ視聴システムの動作を模式的に示す図。
【図2】コンテンツ視聴システムの構成を示す図。
【図3】コンテンツ視聴に関するシステムの概略の動作を示すフロー図。
【図4】視聴年齢制限設定画面を示す図。
【図5】フィルタデータベースの構成を示す図。
【図6】条件付視聴可能コンテンツを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置が適用されるコンテンツ視聴システムの動作を模式的に示す図である。このコンテンツ視聴システムでは、クライアント(情報処理装置)300、フィルタリング判定サーバ320、コンテンツサーバ330が相互に情報を授受してコンテンツを視聴する。
【0018】
クライアント300でコンテンツを視聴する際、クライアント300に視聴制限が設定されている場合には、クライアント300は、フィルタリング判定サーバ320へ視聴しようとするコンテンツが視聴制限に該当するかどうかを問合せる。
【0019】
フィルタリング判定サーバ320は、送信されたコンテンツに関してデータベースを検索し、ユーザが視聴したいコンテンツが視聴制限に該当するかどうか、及び条件付で視聴可能かどうかをクライアント300に返信する。
【0020】
クライアント300は、フィルタリング判定サーバ320から視聴可能、又は条件付で視聴可能との回答を受信した場合は、視聴するコンテンツを特定してコンテンツサーバ330に当該コンテンツを要求する。コンテンツサーバ330は、クライアント300から要求されたコンテンツを配信する。クライアント300は、配信されたコンテンツを表示部306に表示する。
一方クライアント300は、フィルタリング判定サーバ320から視聴不可との返信を受けた場合、表示部306に表示不可を示す情報を表示する。
【0021】
図2は、上述の動作を実現するためのコンテンツ視聴システムの構成を示す図である。クライアント300、フィルタリング判定サーバ320、コンテンツサーバ330は、ネットワーク310を介して相互に情報を授受する。
【0022】
クライアント300には、送受信部301、データ解析部302、フィルタ判定部303、スクリプト処理部304、GUI305及び表示部306が設けられている。
送受信部301は、ネットワーク310を介した情報授受を行うためのインターフェースである。データ解析部302は、送受信情報の処理内容に応じて情報の出力先を振り分ける。フィルタ判定部303は、フィルタリング判定サーバ320から送信された判定結果を判断して処理する。スクリプト処理部304は、フィルタリング判定サーバ320から送信された判定結果に含まれるスクリプト(後述)を解析する。表示部306は、コンテンツ及び送受信した情報を表示すると共にユーザからの操作指示を入力する機能を備えている。GUI305は、表示部306に対する表示及び表示部306を介したユーザからの操作指示を取得するためのインターフェースである。
【0023】
フィルタリング判定サーバ320は、送受信部321、分配部322、フィルタ判定部323、フィルタ解析部324及びフィルタデータベース325を備えている。
送受信部321は、ネットワーク310を介して情報授受を行うためのインターフェースである。分配部322は、送受信情報に応じて出力先を振り分ける。フィルタ判定部323は、コンテンツの視聴可否などを判定する。フィルタデータベース325には、コンテンツ毎に視聴可否に関する情報が保存されている。フィルタ解析部324は、適宜コンテンツ毎に視聴可否に関する情報をコンテンツサーバ330から収集しフィルタデータベース325に保存する。
【0024】
コンテンツサーバ330には、送受信部331、処理部332、コンテンツ取得部333及びコンテンツデータベース334が備えられている。
送受信部331は、ネットワーク310を介した情報授受を行うためのインターフェースである。処理部332は、送受信情報に応じて出力先を振り分ける。コンテンツデータベース334には、コンテンツが保存される。コンテンツ取得部333は、クライアント300から要求されたコンテンツをコンテンツデータベース334から抽出する。
【0025】
続いて、コンテンツ視聴システムの動作について説明する。
図3は、コンテンツ視聴に関するシステムの概略の動作を示すフロー図である。
【0026】
ステップ500において、ユーザが視聴したいコンテンツへのアクセス要求を表示部306から入力すると、ステップ501において、データ解析部302は、クライアント自身に視聴制限が設定されているかどうかを確認する。
【0027】
ユーザは、視聴制限として、年齢制限、有害サイト制限などを設定することができる。
年齢制限では、例えばユーザは、図4に示す視聴年齢制限設定画面から視聴を制限したい年齢を設定する。視聴したいコンテンツの視聴制限年齢がこの設定年齢よりも高い場合は、そのコンテンツの視聴はできない。
有害サイト制限が有効と設定されている場合は、フィッシング詐欺系コンテンツ、アダルト系コンテンツ、出会い系コンテンツ等の有害であると認定されたコンテンツの視聴が禁止される。
【0028】
ステップ501でNOの場合、即ち視聴制限が設定されていない場合には、ステップ511においてコンテンツを要求する処理(後述)を実行する。ステップ501でYesの場合、即ち視聴制限がある場合には、ステップ502においてデータ解析部302は、フィルタリング判定サーバ320にコンテンツが視聴可能か否かを問い合わせる。
【0029】
クライアント300では、コンテンツ毎にそのコンテンツを保存しているコンテンツサーバ330のアドレスが記録されている。データ解析部302は、このアドレス及び視聴制限内容を記載したコンテンツ要求を送受信部301を介してフィルタリング判定サーバ320へ送信する。なお、フィルタリング判定サーバ320のアドレスは、クライアント300に予め登録されている。
【0030】
フィルタリング判定サーバ320は、送受信部321でコンテンツ要求データを受信し、分配部322を介して当該データをフィルタ判定部323に出力する。フィルタ判定部323は、フィルタデータベース325へアクセスし、該当コンテンツが視聴可能かどうかを判定する。
【0031】
図5は、フィルタデータベース325の構成を示す図である。
フィルタデータベース325は、基本構成部400と追加構成部410とを備えている。
【0032】
基本構成部400には、コンテンツの視聴可否のみを判定する場合に必要な情報が含まれている。サイト名401は、コンテンツを識別するためのコンテンツサーバのアドレスを示している。ジャンル402は、コンテンツの種類を示している。ジャンル402には、例えばブログ、ショッピングなどの他、有害サイトであることを示すフィッシング詐欺系コンテンツ、アダルト系コンテンツ、出会い系コンテンツ等が設定される。有害指定403には、各コンテンツごとに有害か否かについての判定結果が記載されている。
【0033】
追加構成部410には、基本構成部400において有害と判定されていた場合であっても、視聴を認める条件(緩和条件)が記載されている。緩和条件数411には、コンテンツ毎に、視聴制限を回避出来る条件、方法が何種類あるかが記載されている。緩和条件412には、視聴禁止となったコンテンツの内容を緩和したコンテンツが視聴可能な条件が記載されている。例えば、「15歳(12歳)未満」と記載されている場合は、15歳(12歳)未満は視聴できないコンテンツであること、即ち15歳(12歳)以上であれば視聴できるコンテンツが別に設けられていることを表している。
【0034】
緩和可能設定413には、緩和したコンテンツ(条件付視聴可能コンテンツ)を視聴するための対処方法が書かれている。緩和設定414には、緩和可能設定413に書かれた方法の具体的な内容が記載されている。例えば、緩和可能設定413に「別URL」と書かれていた場合は、別URLを指定して条件付視聴可能コンテンツを要求することが必要であり、その具体的なURLは緩和設定414に記載されている。また、緩和可能設定413に「識別子付加」と書かれていた場合は、サイト名411のアドレス(URL)に識別子を付加した新たなURLを指定して条件付視聴可能コンテンツを要求することが必要であり、その具体的な識別子は緩和設定414に記載されている。
【0035】
図3のステップ503において、フィルタ判定部323は、有害サイト判定を行う。
フィルタ判定部323は、クライアント300から送信されたコンテンツ要求からアドレスを取り出し、フィルタデータベース325のサイト名401に同じアドレスが記載されているかどうかを調べる。
【0036】
ステップ503で無害のとき、すなわち、サイト名401にコンテンツサーバのアドレスと同じアドレスが記載されていない場合、または同じアドレスが記載されていても有害指定403が無害とされている場合は、このコンテンツは害が無い、即ち視聴可能としてステップ506の結果送信処理(後述)を実行する。
【0037】
ステップ503で有害のとき、すなわち、サイト名401に同じアドレスが記載されていてかつ有害指定403が有害とされている場合は、ステップ504において、表示条件(緩和条件)の有無を調べる。
【0038】
ステップ504で無しのとき、すなわち、緩和条件がない場合は、このコンテンツは有害であり、視聴不可としてステップ506の結果送信処理(後述)を実行する。
ステップ504で有りのとき、すなわち、緩和条件が有る場合は、ステップ505において、その緩和条件の内容に対応した処理を記載したスクリプトを作成して、ステップ506の結果送信処理(後述)を実行する。
【0039】
ここで、ステップ504、505で述べた緩和条件処理について図5を参照しつつ詳細に説明する。
クライアント300から要求されたコンテンツの視聴要求において、視聴制限15歳未満が設定されていた場合で、サイト名401で示されたアドレスとクライアント300が要求したコンテンツのアドレスとが一致したとする。一致したコンテンツのアドレスに関連したデータは図5において、点線で囲んで示している。このコンテンツの有害指定403には、有害と判定されている。しかし、追加構成部410の緩和条件数411には、緩和条件が2つあることが示されている。
【0040】
緩和条件412の1つは緩和制限15歳未満という現在のクライアントに該当する内容である。緩和可能設定413には別URLと記載され、緩和設定414にそのURLが示されている。従って、フィルタ判定部323は、緩和可能設定413に記載の別URLのコンテンツであれば視聴可能であると判断する。
他の緩和条件412は緩和制限12歳未満であり、現在のクライアントに該当する内容になっている。緩和可能設定413には識別子付加との記載がされ、緩和設定414にはURLに付加するアドレスが示されている。従って、フィルタ判定部323は、緩和可能設定413に記載の識別子を付加したURLのコンテンツであれば視聴可能であると判断する。
なお、この緩和設定414においてURLで示されたコンテンツは、事前にフィルタリング判定サーバ320のフィルタ解析部324により正規のコンテンツであるとの判定が終わっている。
【0041】
そして、該当する緩和条件内容、例えば、追加構成部410の緩和条件数411から緩和設定414の内容を表すスクリプトを作成する。
【0042】
図3のステップ506において、フィルタ判定部323は、クライアント300に対して判定結果を送信する。
コンテンツ視聴不可の場合は、要求されたアドレスのコンテンツは視聴不可である旨の回答を送信する。コンテンツ視聴可能の場合は、要求されたアドレスのコンテンツは視聴可能である旨の回答を送信する。条件付視聴可能の場合は、視聴を認める条件を含む判定結果情報を送信する。この判定結果情報には、要求されたアドレスのコンテンツは条件付で視聴可能である旨の回答とスクリプトとを含んでいる。
【0043】
フィルタリング判定サーバ320から判定結果を受信したクライアント300では、データ解析部302が送受信部301から受信データを受取り、フィルタ判定部303へ当該フィルタ判定データを渡す。
【0044】
ステップ507において、フィルタ判定部303は内容を解析してコンテンツが有害かどうかを判断する。
ステップ507で害がない、即ちコンテンツが視聴可能であると判定された場合は、ステップ511において、コンテンツサーバ330に当初のアドレスを指定してコンテンツを要求する。ステップ507で有害である、即ちコンテンツが視聴不可または条件付視聴可能であると判定された場合は、ステップ508において、表示条件(緩和条件)があるかどうかを判定する。
【0045】
ステップ508で緩和条件が無い場合は、ステップ509において、視聴不可である旨のメッセージを表示部306に表示して処理を終了する。
【0046】
ステップ508で緩和条件が有る場合、すなわちフィルタリング判定サーバ320からスクリプトが送信されている場合には、ステップ510において、スクリプト処理部がスクリプトの中身を解釈する。
この際、スクリプト処理部304は、スクリプトの内容を表示形式に変換して編集し、GUI305を介して表示部306に表示させても良い。例えば、図5の有害指定403、緩和条件数411、緩和条件412、緩和可能設定413、緩和設定414、ユーザに緩和条件を受け入れるか否かのメッセージ、受け入れる場合で複数の緩和条件が存在する場合はどの緩和条件を選択するかを入力するように促すメッセージ、及びユーザが緩和条件を選択するための画面などを表示することができる。また、緩和条件を選択するための画面では、複数の緩和条件を表す番号を選択するように構成しても良い。なお、緩和条件が1つの場合には、表示部306に表示を行わずユーザの判断を待つことなく自動で次の処理に進んでも良い。
ステップ511において、条件付視聴可能コンテンツを要求するときは、スクリプト処理部304は、スクリプトの記載に従ってコンテンツサーバ330に対してコンテンツ要求を行う。即ち、条件付視聴可能のコンテンツ要求に含まれるコンテンツのアドレスは、フィルタデータベース325の追加構成部410の内容に対応したものである。
【0047】
ステップ512において、コンテンツサーバ330では、コンテンツ取得部333がコンテンツデータベース334から指定されたアドレスにあるコンテンツを抽出して送受信部331を介してクライアント300に送信する。このとき、コンテンツサーバ330は、送信するコンテンツの種類、例えば、条件付視聴可能コンテンツか否かを表す情報を付加してクライアント300に送信する。
【0048】
次に、コンテンツデータベース334に格納されている条件付視聴可能コンテンツについて説明する。
図6は、条件付視聴可能コンテンツを例示する図である。
【0049】
図6の(1)は、視聴制限に適合しないサブコンテンツを除外する態様を表している。コンテンツ450は視聴制限が無い場合に送信されるコンテンツである。このコンテンツ450には、サブコンテンツA,B,C,Dが含まれている。この内サブコンテンツDは視聴制限に適合しないコンテンツである。これに対して、コンテンツ451は、条件付視聴可能コンテンツである。コンテンツ451には、サブコンテンツDが削除されている。上述の条件付視聴可能のコンテンツ要求に含まれるコンテンツのアドレスは、コンテンツ451を指定するアドレスである。
【0050】
図6の(2)は、視聴制限に適合するコンテンツを指定する態様を表している。コンテンツデータベース334には、複数のコンテンツA,B,C,Dが含まれている。コンテンツAは視聴制限の無いコンテンツであり、コンテンツCは条件付視聴可能コンテンツである。視聴制限のない場合のコンテンツ要求に含まれるコンテンツアドレスはコンテンツAを指定するアドレスであるが、条件付視聴可能のコンテンツ要求に含まれるコンテンツのアドレスは、コンテンツCを指定するアドレスである。
【0051】
図3のステップ513において、クライアント300はコンテンツ及び上述の付加情報を受信して、ステップ514において、コンテンツとともに編集した付加情報を表示部306に表示する。編集した付加情報としては、表示しているコンテンツは条件付視聴可能コンテンツである旨、採用した緩和条件の内容などが該当する。これによってユーザは、現在視聴しているコンテンツの種類を認識することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態ではコンテンツサーバが視聴制限が緩和されたコンテンツを提供する仕組みを備えている場合に、フィルタリング判定サーバでその緩和条件をデータベース化する。クライアントはフィルタリング判定サーバを介してコンテンツサーバにアクセスすることで視聴制限がある場合であっても、視聴制限に適合したコンテンツを視聴することが可能となる。
【0053】
即ち、フィルタリング判定サーバが当該視聴制限緩和コンテンツへのアクセス方法をクライアントに提示する事で、クライアントは、コンテンツの視聴において、安全性を確保しつつ、より広い範囲の視聴可能なコンテンツに効率的にアクセスすることができる。
【0054】
なお、上述の実施の形態で説明した各機能は、ハードウエアを用いて構成しても良く、また、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現しても良い。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0055】
更に、各機能は図示しない記録媒体に格納したプログラムをコンピュータに読み込ませることで実現させることもできる。ここで本実施の形態における記録媒体は、プログラムを記録でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その記録形式は何れの形態であってもよい。
【0056】
尚、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0057】
300…クライアント、301…送受信部、302…データ解析部、303…フィルタ判定部、304…スクリプト処理部、305…GUI、306…表示部、310…ネットワーク、320…フィルタリング判定サーバ、321…送受信部、322…分配部、323…フィルタ判定部、324…フィルタ解析部、325…フィルタデータベース、330…コンテンツサーバ、331…送受信部、332…処理部、333…コンテンツ取得部、334…コンテンツデータベース、400…基本構成部、401…サイト名、402…ジャンル、403…有害指定、410…追加構成部、412…緩和条件、413…緩和可能設定、414…緩和設定、415…サイト名。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの視聴を制限する条件を入力する条件入力部と、
ユーザが指定したコンテンツについて視聴可否の判定要求と、前記視聴を制限する条件とをフィルタリング判定装置に出力する視聴可否判定要求部と、
前記フィルタリング判定装置からの判定結果情報で前記コンテンツに代わるコンテンツが条件付きで視聴可能とされていたときは、前記判定結果情報からこの条件付視聴可能コンテンツのアドレスを取得するアドレス取得部と、
取得したアドレスを指定して、コンテンツ保持装置にコンテンツ要求を出力するコンテンツ要求部と、
前記コンテンツ保持装置から前記条件付視聴可能コンテンツを含む情報を取得して、当該コンテンツが条件付視聴可能コンテンツであることを表す情報を表示装置に出力する第1の出力部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記アドレス取得部は、
前記判定結果情報を前記表示装置に出力してユーザに視聴する条件付視聴可能コンテンツを選択するように促し、ユーザが選択したコンテンツのアドレスを条件付視聴可能コンテンツのアドレスとして取得すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記フィルタリング判定装置からの判定結果情報で前記コンテンツの視聴が禁止されていたときは、その旨を前記表示装置に出力する第2の出力部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザが指定したコンテンツについて視聴可否の判定要求と、前記視聴を制限する条件とをフィルタリング判定装置に出力し、
前記フィルタリング判定装置からの判定結果情報で前記コンテンツに代わるコンテンツが条件付きで視聴可能とされていたときは、前記判定結果情報からこの条件付視聴可能コンテンツのアドレスを取得し、
取得したアドレスを指定して、コンテンツ保持装置にコンテンツ要求を出力し、
前記コンテンツ保持装置から前記条件付視聴可能コンテンツを含む情報を取得して、当該コンテンツが条件付視聴可能コンテンツであることを表す情報を表示装置に出力すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンテンツの視聴可否の判定要求と、視聴を制限する条件とを入力する入力部と、
この判定要求に基づいてデータベースの情報を検索して前記コンテンツの視聴可否を判定する可否判定部と、
前記可否判定部が前記コンテンツに代わるコンテンツを条件付きで視聴可能と判断したときは、視聴を認める条件を含む判定結果情報を出力する出力部を備え、
前記データベースには、コンテンツごとに有害・無害の情報と、有害である場合に視聴を認める条件とが格納されていることを特徴とするフィルタリング判定装置。
【請求項6】
前記視聴を認める条件は、前記条件付視聴可能コンテンツのアドレスを含むことを特徴とする請求項5記載のフィルタリング判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−135358(P2011−135358A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293276(P2009−293276)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】