説明

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】各製造拠点におけるエラーログのサーバへの登録処理に要する人的負担を軽減するとともに、サーバにおいて、各製造拠点におけるエラーログをローカル時間のみならず1つの基準時刻でも管理させること。
【解決手段】ログ管理用サーバ200の管理者AがWebブラウザ210上でエラーログ取得ボタンを押下すると、ログ管理用サーバ200からエラーログ取得リクエストが製造拠点のローカルPC100のHTTPD10へ送信され、HTTPD10によって、ローカルPC100にシリアル接続された回路基板1からエラーログが取得される。取得されたエラーログには、ローカルPC100の現地時間によるエラー発生日時のみならずログ管理用サーバ200の基準時間によるエラー発生日時が追加され、ログ管理用サーバ200へ送信され、ログ管理用サーバ300に登録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローカル接続された機器からエラーログを取得可能な情報処理装置、当該情報処理装置における情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各製造拠点における例えば回路基板等の製品に不良が発生した場合、当該製品のエラーログを収集してインターネット上のデータベースに登録することで当該不良の原因分析や、各製造拠点の管理が行われている。この場合、各製造拠点のユーザが、ローカルPCを当該製品と接続し、当該製品へ所定のコマンドを入力することで上記不良に関わるエラーログを取得し、それをHTTP(HyperText Transfer Protocol)で送信可能なデータ形式へ変換し、ローカルPCからインターネット上に設置されたデータベース上に送信するのが一般的である。
【0003】
しかしながら、このような手動による登録作業においては人的ミスが発生する可能性があり、また不良が発生する度にエラーログの取得コマンドを入力したりデータ変換を行ったりする作業は煩雑であった。
【0004】
さらに、各製造拠点間に時差が存在する場合、データベースの管理者は、各製造拠点のローカル時間でエラーログを管理することで、製造拠点ごとのエラー傾向を把握する必要があるとともに、全ての製造拠点におけるエラーログを1つの基準時刻で統一的に管理する必要もある。しかし、エラーログには各製造拠点のローカル時間が記録されるため、基準時刻による統一的なエラーログの管理ができなかった。
【0005】
下記特許文献1には、DVDレコーダが、AVデータを外部記録メディアに記録する際に生じたエラーを検出すると、そのエラーログを外部記録メディアに記録した後、当該外部記録メディアが装着されたパーソナルコンピュータが、当該外部記録メディアからエラーログを読み出し、ネットワークを介してサーバへ送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−282350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術でも、ユーザは、DVDレコーダから、エラーログが記録された外部記録メディアを取り出してパーソナルコンピュータへ装着した上で、読み出されたエラーログをサーバへ送信するという煩雑な作業を行う必要がある。また、当該技術においても、エラーログは上記DVDレコーダが設置された地域のローカル時間で記録されるため、上述のような時差のある各拠点でのエラーログの統一的な管理を行うことは不可能である。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、各製造拠点におけるエラーログのサーバへの登録処理に要する人的負担を軽減するとともに、サーバにおいて、各製造拠点におけるエラーログをローカル時間のみならず1つの基準時刻でも管理させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、第1の場所に設置される情報処理装置であって、第1の通信部と、第2の通信部と、制御部とを有する。上記第1の通信部は、上記第1の場所と時差を有する第2の場所に設置されたサーバ装置から、ネットワークを介して所定のリクエストを受信する。上記第2の通信部は、上記リクエストが受信されたときに、上記第1の場所でエラーを発生した電子機器から、当該エラーの発生時刻を上記第1の場所における時刻で示す第1の時刻情報を含むエラーログを、所定の通信路を介して受信する。上記制御部は、上記受信されたエラーログを所定のプロトコルに従った形式に変換する。またそれとともに制御部は、上記第1の時刻情報を上記第2の場所における時刻に換算した第2の時刻情報を生成し、当該第2の時刻情報を上記エラーログに追加する。そして制御部は、当該エラーログを上記サーバ装置へ送信するように上記第1の通信部を制御する。
【0010】
この構成により、情報処理装置は、電子機器の各製造拠点におけるエラーログのサーバ装置への送信処理を自動化することで、当該送信処理に要する人的負担を軽減することができる。さらに情報処理装置は、サーバ装置において、各製造拠点におけるエラーログをローカル時間のみならず1つの基準時刻でも管理させることができる。
【0011】
上記エラーログは、エラーの内容を識別するエラーコードを有してもよい。この場合上記情報処理装置は、上記エラーログが属するグループを示すグループ情報を上記エラーコードと対応付けて記憶する記憶部を更に有してもよい。この場合上記制御部は、上記記憶されたグループ情報と、上記受信されたエラーログが有するエラーコードとに基づいて、当該受信された送信前のエラーログに上記グループ情報を追加してもよい。
【0012】
これにより情報処理装置は、エラーログをグルーピングすることで、エラーログを受信したサーバ装置に、大枠でのエラー傾向の集計を可能とさせることができる。
【0013】
上記情報処理装置は、発生し得る複数のエラーの内容を、上記第1の場所で使用される第1の言語で記述した複数の第1のエラー内容情報と、当該複数の第1のエラー内容情報を、上記第2の場所で使用される第2の言語にそれぞれ翻訳した複数の第2のエラー内容情報とを対応付けて記憶する記憶部をさらに有してもよい。この場合上記エラーログは、上記複数の第1のエラー内容情報のうち少なくとも1つを有してもよい。この場合上記制御部は、上記記憶された第1のエラー内容情報及び第2のエラー内容情報を基に、上記受信されたエラーログが有する上記第1のエラー内容情報に対応する上記第2のエラー内容情報を抽出し、当該抽出された第2のエラー内容情報を上記受信された送信前のエラーログに追加してもよい。
【0014】
これにより情報処理装置は、エラーログを第1の言語と第2の言語とでサーバ装置へ送信することで、サーバ装置の管理者に、エラー内容を第1の言語のみならず現地の第2の言語で閲覧させエラー内容を迅速に把握させることができる。
【0015】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、第1の場所に設置される情報処理装置における情報処理方法であって、上記第1の場所と時差を有する第2の場所に設置されたサーバ装置から、ネットワークを介して所定のリクエストを受信することを含む。上記リクエストが受信されたときに、上記第1の場所でエラーを発生した電子機器から、当該エラーの発生時刻を上記第1の場所における時刻で示す第1の時刻情報を含むエラーログが、所定の通信路を介して受信される。上記受信されたエラーログは、所定のプロトコルに従った形式に変換される。そして、上記第1の時刻情報を上記第2の場所における時刻に換算した第2の時刻情報が生成され、当該生成された第2の時刻情報が上記エラーログに追加され、当該エラーログが上記サーバ装置へ送信される。
【0016】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、第1の場所に設置される情報処理装置に、第1の受信ステップと、第2の受信ステップと、変換ステップと、生成ステップと、追加ステップと、送信ステップとを実行させる。上記第1の受信ステップでは、上記第1の場所と時差を有する第2の場所に設置されたサーバ装置から、ネットワークを介して所定のリクエストが受信される。上記第2の受信ステップでは、上記リクエストが受信されたときに、上記第1の場所でエラーを発生した電子機器から、当該エラーの発生時刻を上記第1の場所における時刻で示す第1の時刻情報を含むエラーログが、所定の通信路を介して受信される。上記変換ステップでは、上記受信されたエラーログが所定のプロトコルに従った形式に変換される。上記生成ステップでは、上記第1の時刻情報を上記第2の場所における時刻に換算した第2の時刻情報が生成される。上記追加ステップでは、上記生成された第2の時刻情報が上記エラーログに追加される。上記送信ステップでは、上記エラーログが上記サーバ装置へ送信される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、各製造拠点におけるエラーログのサーバへの登録処理に要する人的負担を軽減するとともに、サーバにおいて、各製造拠点におけるエラーログをローカル時間のみならず1つの基準時刻でも管理させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態におけるエラーログ通信システムの概要を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るローカルPCのハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるエラーログ取得処理の流れを示したシーケンス図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるログ管理用サーバの動作の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るローカルPCの動作の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態においてログ管理用サーバのWebブラウザに表示される画面の例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態においてログ格納用サーバに格納されるエラーログデータベースの例を示したである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
[システムの概要]
図1は、本発明の一実施形態におけるエラーログ取得システムの概要を示した図である。同図に示すように、本実施形態におけるエラーログ取得システムは、ローカルPC100、ログ管理用サーバ200及びログ格納用サーバ300を有する。
【0021】
ローカルPC100は、回路基板1等の電子機器の製造拠点(製造国)に設置される。ローカルPC100は、例えば回路基板1に何らかのエラーが発生して修理等のために製造拠点に持ち込まれた場合に、当該回路基板1とシリアルケーブル5によりシリアル接続し、当該回路基板1からエラーログを取得する。当該エラーログの取得処理は、ローカルPC100が内蔵するプログラムであるHTTPD(HyperText Transfer Protocol Daemon)10により行われる。エラーログは、例えば回路基板1が有するリングバッファに記録されている。
【0022】
ログ管理用サーバ200は、上記製造拠点(製造国)とは時差を有する管理拠点(管理国)に設置される。ログ管理用サーバ200は、インターネット50を介して、上記エラーログの取得をローカルPC100へ要求し、そのレスポンスとして受信したエラーログをログ格納用サーバ300へ登録(記憶)する。当該ログ格納用サーバ300は管理拠点と時差のない拠点に設置される。
【0023】
上記ログ管理用サーバ200によるエラーログの取得処理は、管理者Aのログ取得操作をトリガとして、当該ログ管理用サーバ200が有するWebブラウザ210を介して、HTTPに従って実行される。取得されたログは、Webブラウザ210上に表示される。
【0024】
同図ではローカルPCを1つのみ示しているが、ログ管理用サーバ200は、時差を有する複数の製造拠点(国)のローカルPC100とインターネット50を介して通信可能である。上記ログ格納用サーバ300には、当該複数の製造拠点のローカルPC100からそれぞれ取得したエラーログがまとめて登録される。
【0025】
ログ管理用サーバ200の管理者Aは、Webブラウザ210を介して、上記ログ格納用サーバ300に格納されたエラーログを閲覧可能であり、これにより各製造拠点におけるエラーログの集計やそのエラーの原因分析等を行う。
【0026】
[ローカルPCのハードウェア構成]
図2は、上記ローカルPC100のハードウェア構成を示したブロック図である。同図に示すように、ローカルPC100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM12(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0027】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらローカルPC100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0028】
入出力インタフェース15には、表示部16、入力部17、記憶部18、ネットワークインタフェース19、シリアルインタフェース20等が接続される。
【0029】
表示部16は、例えば液晶、EL(Electro-Luminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。当該表示部16は、ローカルPC100に内蔵されていてもよいし、ローカルPC100に外部接続されていてもよい。
【0030】
入力部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の操作装置である。入力部17がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0031】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。特に本実施形態では、記憶部18には、上記エラーログ取得処理を実行するHTTPD10や、後述するエラーログの発生時刻(現地時刻)を上記ログ管理用サーバ200の拠点の基準時間に換算するための時差情報等も記憶される。
【0032】
ネットワークインタフェース19は、HTTP等の通信プロトコルにしたがって、インターネット50等のネットワークを介してログ管理用サーバ200等の他の装置と通信するためのNIC(Network Interface Card)等である。ネットワークインタフェース19は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。
【0033】
シリアルインタフェース20は、RS−232(Recommended Standard 232)等の規格にしたがってシリアルケーブル5を介して回路基板1と接続するためのインタフェースである。当該シリアルインタフェース20は、例えば複数のシリアルポートを有し、複数の回路基板1と接続可能とされている。
【0034】
図示しないが、上記ログ管理用サーバ200及びログ格納用サーバ300も上記ローカルPC100とほぼ同様のハードウェア構成を有する。
【0035】
[システムの動作]
次に、以上のように構成されたエラーログ取得システムの動作について説明する。各装置における動作はCPUの制御下において実行されるプログラムと協働して行われる。特にローカルPC100の動作は、上記CPU11及びHTTPD10の協働処理により実行される。
【0036】
図3は、このエラーログ取得システムにおけるエラーログ取得処理の流れを示したシーケンス図である。また図4は、エラーログ取得処理における上記ログ管理用サーバ200の動作の流れを示したフローチャートであり、図5は、エラーログ取得処理におけるローカルPC100の動作の流れを示したフローチャートである。
【0037】
これらの図に示すように、ログ管理用サーバ200は、Webブラウザ210を介して、エラーログの取得リクエストをローカルPC100のHTTPD10へ送信する(図3のステップ31及び32、図4のステップ41)。
【0038】
続いてローカルPC100のHTTPD10は、上記リクエストを受信すると(図5のステップ51)、ローカルPC100とシリアル接続された回路基板1へログ取得コマンドを発行し(図5のステップ52)、当該回路基板1からエラーログを取得する(図3のステップ33、図5のステップ53)。
【0039】
続いてHTTPD10は、取得したエラーログを、HTTPにしたがったデータ形式へ変換する(図5のステップ54)。さらにHTTPD10は、当該エラーログに含まれるエラー発生日時情報(タイムスタンプ)を、上記記憶された時差情報を基に、基準時刻(ログ管理用サーバ200のローカル時間)に換算し、換算したエラー発生日時情報をエラーログに追加して更新する(図5のステップ55)。
【0040】
続いてHTTPD10は、上記更新したエラーログを、Webページとしてログ管理用サーバ200へ送信する(図3のステップ34、図5のステップ56)。
【0041】
続いてログ管理用サーバ200は、上記エラーログを受信すると(図4のステップ42)、当該エラーログをログ格納用サーバ300へ送信して登録するとともに、Webブラウザ210に表示させる(図3のステップ35及び36、図4のステップ43)。
【0042】
図6は、上記WebページとしてWebブラウザ210に表示されるエラーログ表示画面の例を示した図である。同図に示すように、当該エラーログ表示画面60は、上記取得されたエラーログのエラーコードと、エラーメッセージとを示すエラー表示領域62を有する。
【0043】
また当該エラーログ表示画面60には、上記エラーログ取得リクエストをローカルPC100へ送信するためのログ取得ボタン61も表示される。上記リクエストはログ管理用サーバ200の管理者Aが当該ログ取得ボタン61を押下することで送信される。エラーログの取得前においては、上記エラー表示領域62には何も表示されない。
【0044】
また当該エラーログ表示画面60には、上記ローカルPC100が上記回路基板1と接続されているシリアルポートを選択するためのポート選択メニュー63も表示される。当該ポート選択メニュー63は例えばプルダウンメニューとされており、管理者Aは当該メニューから1つのシリアルポートを選択することで、その時点でローカルPC100の当該選択されたシリアルポートに接続されている回路基板1からエラーログを取得することができる。
【0045】
このように、ログ管理用サーバ200の管理者Aは、Webブラウザ210上で、ログ取得ボタン61を押すだけで、ログ管理用サーバ200が擬似的に回路基板1に直接アクセスしているような感覚でエラーログを取得することができる。また実際には、上記リクエストはローカルPC100のHTTPD10へ直接送信され、エラーログは当該HTTPD10によってHTTPにしたがって返信されるため、ローカルPC100の機密情報が漏洩するリスクも軽減される。
【0046】
図7は、上記ログ格納用サーバ300に格納されるエラーログデータベースの例を示したである。同図に示すように、エラーログデータベース70は、各回路基板1の基板ID、エラーコード72、エラー症状73、基準時間におけるエラー発生日時74、ローカルPC100の現地時間におけるエラー発生日時75、ステータス76、エラーログの登録日77の各データ項目を有する。
【0047】
エラー症状73には、例えば回路基板1のどの部分が不良であるとか、基板が動作しないとか、音声が出力されないといった具体的症状が記述される。ステータスには、エラーが発生した回路基板1が既に修理済みか、エラーの詳細を確認中か、修理中であるかといった現況が記述される。
【0048】
エラー発生日時が基準時間と現地時間の両方で管理されることで、ログ管理用サーバ200の管理者は、例えば世界各国の各製造拠点におけるエラーの原因を統一的に分析できるとともに、製造拠点ごとのエラー発生状況の詳細を分析することができる。
【0049】
例えば、基準時間におけるほぼ同時刻に各製造拠点でエラーが発生していれば、それは各製造拠点が共通して利用しているシステムに関するエラーであると予想される。また、ある製造拠点のエラーログのシーケンスを現地時間で追っていくことで、例えばそのエラーがその製造拠点特有の原因により発生したものであるということや、製造拠点毎にエラー傾向が異なっているということ等が分かる。
【0050】
実際に各製造拠点の各回路基板1に記録されるエラーログの項目は、製造拠点毎に異なる場合もあるが、上記HTTPD10は、製造拠点ごとのエラーログ項目のうち、全ての製造拠点において共通する項目のみを取得するように設計されている。上記エラーログデータベース70の各項目は、当該共通項目を示している。
【0051】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、回路基板1の各製造拠点におけるエラーログの、ログ管理用サーバ200への送信処理が自動化されることで、当該送信処理に要する人的負担(ローカルPC100のユーザ及びログ管理用サーバ200の管理者Aの負担)が軽減される。さらに、各製造拠点におけるエラーログが、ローカルPC100の現地時間のみならず1つの基準時間でも管理されるため、グローバル及びローカルの双方の局面からの多様な原因分析が可能となる。
【0052】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0053】
上述の実施形態においては、各エラーログにはエラーコードが対応付けられていたが、当該エラーコードは、その種類に応じてグループ化されてもよい。すなわち、HTTPD10が、エラーの種類に応じたエラーコードの属するグループを示すグループ情報をエラーコードと対応付けて記憶しておき、取得されたエラーログに、エラーコードのグループ情報を項目として追加した上で、ログ管理用サーバ200へ送信してもよい。
【0054】
この場合ログ管理用サーバ200の管理者Aが、Webブラウザ210上で、ログ格納用サーバ300に格納されたエラーログを、グループ毎にソートして閲覧できるようにされていてもよい。これにより、ログ管理用サーバ200の管理者Aは、グループ情報により各エラーの傾向を大枠で捉えることで、原因分析の一助とすることができる。
【0055】
上述の実施形態において、各エラーログは例えば各製造拠点で使用される言語(現地言語)で記述されるが、当該現地言語のエラーログを、例えばログ管理用サーバ200が設置される国で使用される基準言語(例えば英語、日本語等)に翻訳したバージョンが作成され送信されてもよい。すなわち、上記HTTPD10は、発生し得る複数のエラーの内容(例えば上記エラー症状73やステータス76)を現地言語で記述したものと、それらの基準言語バージョンとを対応付けて記憶しておき、エラーログを取得したときに、エラー内容の現地言語バージョンに対応する上記基準言語バージョンを抽出して、それをエラーログに追加した上で、ログ管理用サーバ200へ送信してもよい。
【0056】
この場合ログ管理用サーバ200の管理者Aが、Webブラウザ210上で、ログ格納用サーバ300に格納されたエラーログを、各製造拠点の現地言語と基準言語とで切り替えて閲覧できるようにされていてもよい。これにより管理者Aは、その管理者Aが得意とする言語でエラーログを閲覧することができ、エラー内容を迅速に把握することができる。
【0057】
上記エラーログへの基準時間でのエラー発生日時、グループ情報及び基準言語バージョンの追加処理は、ローカルPC100(HTTPD10)ではなくログ管理用サーバ200上で実行されてもよい。
【0058】
上述の実施形態において、エラーログ発生日時を記録するための基準時間は、ログ管理用サーバ200が設置される拠点の時間とされたが、当該ログ管理用サーバ200が設置された国の時間が基準時間とされてもよい。同様に、上記基準言語も、ログ管理用サーバ200が設置された国以外の言語とされてもよい。
【0059】
上述の実施形態においては、エラーログの取得元は回路基板1とされたが、当該取得元は回路基板1以外のいかなる電子機器であってもよい。またエラーログ取得元の電子機器との通信手段はシリアル通信に限られず、他のあらゆる通信手段が用いられてもよい。
【0060】
上述の実施形態においては情報処理装置の例としてローカルPC100が説明されたが、本発明はその他のコンピュータや携帯端末等のあらゆる情報処理装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…回路基板
5…シリアルケーブル
10…HTTPD
11…CPU
18…記憶部
19…ネットワークインタフェース
20…シリアルインタフェース
50…インターネット
60…エラーログ表示画面
61…ログ取得ボタン
62…エラー表示領域
63…ポート選択メニュー
70…エラーログデータベース
72…エラーコード
73…エラー症状
74…エラー発生日時(基準時間)
75…エラー発生日時(現地時間)
76…ステータス
100…ローカルPC
200…ログ管理用サーバ
210…ブラウザ
300…ログ格納用サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の場所に設置される情報処理装置であって、
前記第1の場所と時差を有する第2の場所に設置されたサーバ装置から、ネットワークを介して所定のリクエストを受信する第1の通信部と、
前記リクエストが受信されたときに、前記第1の場所でエラーを発生した電子機器から、当該エラーの発生時刻を前記第1の場所における時刻で示す第1の時刻情報を含むエラーログを、所定の通信路を介して受信する第2の通信部と、
前記受信されたエラーログを所定のプロトコルに従った形式に変換するとともに、前記第1の時刻情報を前記第2の場所における時刻に換算した第2の時刻情報を生成し、当該第2の時刻情報を前記エラーログに追加し、当該エラーログを前記サーバ装置へ送信するように前記第1の通信部を制御する制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記エラーログは、エラーの内容を識別するエラーコードを有し、
当該情報処理装置は、前記エラーログが属するグループを示すグループ情報を前記エラーコードと対応付けて記憶する記憶部を更に具備し、
前記制御部は、前記記憶されたグループ情報と、前記受信されたエラーログが有するエラーコードとに基づいて、当該受信された送信前のエラーログに前記グループ情報を追加する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
発生し得る複数のエラーの内容を、前記第1の場所で使用される第1の言語で記述した複数の第1のエラー内容情報と、当該複数の第1のエラー内容情報を、前記第2の場所で使用される第2の言語にそれぞれ翻訳した複数の第2のエラー内容情報とを対応付けて記憶する記憶部をさらに具備し、
前記エラーログは、前記複数の第1のエラー内容情報のうち少なくとも1つを有し、
前記制御部は、前記記憶された第1のエラー内容情報及び第2のエラー内容情報を基に、前記受信されたエラーログが有する前記第1のエラー内容情報に対応する前記第2のエラー内容情報を抽出し、当該抽出された第2のエラー内容情報を前記受信された送信前のエラーログに追加する
情報処理装置。
【請求項4】
第1の場所に設置される情報処理装置における情報処理方法であって、
前記第1の場所と時差を有する第2の場所に設置されたサーバ装置から、ネットワークを介して所定のリクエストを受信し、
前記リクエストが受信されたときに、前記第1の場所でエラーを発生した電子機器から、当該エラーの発生時刻を前記第1の場所における時刻で示す第1の時刻情報を含むエラーログを、所定の通信路を介して受信し、
前記受信されたエラーログを所定のプロトコルに従った形式に変換し、
前記第1の時刻情報を前記第2の場所における時刻に換算した第2の時刻情報を生成し、
前記生成された第2の時刻情報を前記エラーログに追加し、
前記エラーログを前記サーバ装置へ送信する
情報処理方法。
【請求項5】
第1の場所に設置される情報処理装置に、
前記第1の場所と時差を有する第2の場所に設置されたサーバ装置から、ネットワークを介して所定のリクエストを受信するステップと、
前記リクエストが受信されたときに、前記第1の場所でエラーを発生した電子機器から、当該エラーの発生時刻を前記第1の場所における時刻で示す第1の時刻情報を含むエラーログを、所定の通信路を介して受信するステップと、
前記受信されたエラーログを所定のプロトコルに従った形式に変換するステップと、
前記第1の時刻情報を前記第2の場所における時刻に換算した第2の時刻情報を生成するステップと、
前記生成された第2の時刻情報を前記エラーログに追加するステップと、
前記エラーログを前記サーバ装置へ送信するステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−88829(P2012−88829A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233298(P2010−233298)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】