説明

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム

【課題】ハードウェアにより処理を実行させつつ、シーケンシャル処理に限らず、処理内容を動的に変更すること、遂次適切なタイミングで処理を実行することなどを可能とし、柔軟な処理と高速な処理とを実現することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、ハードウェア的な構成により、データの送受信、タイマによる時間計測、データを用いた演算を実行するように構成されるが、いずれの処理を実際に実行するかを、各処理の実行に対するトリガと、処理との組み合わせからなる生成する処理予約を動的に生成してリストにして記憶しておき、データの受信、時間経過などのイベントの発生を検知した場合にリストを参照し、発生したイベントがトリガの条件を満たすか否かを判断部により判断し、満たす場合にトリガを入力して各処理を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェアにより処理を実行させつつ、シーケンシャルな処理に限らず、処理内容を動的に変更すること、遂次適切なタイミングで動作させることなどを可能とし、柔軟な処理と高速な処理とを共に実現することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、複数の制御装置に機能を割り振り、各制御装置に通信手段を設けて相互にデータを交換させ、連携して多様な処理を行なわせるシステムが各分野で利用されている。特に車両の分野では、制御が機械的制御から電気的制御へ移行し、車両内に多数の制御装置としてECU(Electronic Control Unit)が配され、各ECUがCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRayなどのプロトコルに従ってネットワークを介して情報を相互に交換し、協調・連携して多様な処理を行なう構成が一般的となっている。
【0003】
車両に搭載されるECUは、電気的な制御で実現される車両の機能自体が増加しているので数が増加する。車両に搭載されるECUを含むシステムのみならず、複数の制御装置で連携して処理を行なう通信システムでは、各制御装置に細分化された処理単位を分散させて実現することにより、故障、バグなどの問題が発生した場合の切り分け、対処を容易にして開発効率、保守性を向上させる工夫がされる場合がある。このように、通信システムに通信機器として含まれる制御装置の数は増加し、各制御装置間で協調・連携するために送受信されるデータの量は増加する傾向にある。
【0004】
通信機器が通信線に接続されるときには、通信信号の送受信を物理層にて実現するトランシーバが利用される。そして、1本の通信線に接続されるトランシーバの数は、遅延時間、反射回避、リンギング防止などのために制限される。例えば、車載ネットワークとして広く利用されるCANの場合、High speed対応のCANバスには規格上最大30台を接続することができるが、実際には十数台に制限するなどの運用がされている。
【0005】
通信システムに含まれる通信機器の数は増加傾向にあるが、1本の通信線に接続される通信機器の数が制限されるから、通信機器を複数の群に分け、群ごとに通信線に接続し、異なる通信線間は中継装置(ゲートウェイ装置)で中継する構成とすることがある。このとき中継装置が、接続されている一方の通信線を介して受信したデータを全て他方の通信線へ送信する構成とした場合、複数の通信線及び中継装置を介して接続される通信装置間でのデータの遅延時間が長くなる、又は同じデータでも各通信装置で受信する際に無視できない時間差が生じるなどの問題がある。
【0006】
そこで、通信装置(ECU)を群毎に、データベースを有する中継装置(分配ノード)に接続し、各通信装置との接続とは異なる伝送路で接続される複数の中継装置間でデータベース内の更新データを順次巡回してデータベースを共有し、群毎に、中継装置のデータベースから読み出されたデータが通信装置へ送信される通信システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
これにより、群ごとの通信装置間の通信線における通信負荷率を下げることができると共に、中継装置間でデータベースが共有されるので遅延時間を短くすることが出来る、一のデータを必要とする複数の通信装置間で、前記一のデータ受信タイミングに時間差が少なくすむ、通信装置が得られるデータの内容の同一性が担保されるなどの種々の効果が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−251290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されているような通信システムでは、各ECU及び中継装置も、ソフトウェアに基づき動作するマイクロコンピュータ(マイコン)により各種処理を実行するように構成されている。しかしながら、特に中継処理の高速化など、高速な処理の必要性を考慮すると、ソフトウェアに基づくマイコンによる処理よりも、複数の処理を夫々チップ化して組み合わせるなどハードウェアによって処理を実行することが望まれる。一方で、事後的に動作内容を一部変更する必要が生じた場合などは、マイコンによるソフトウェア的な処理と比較して、ハードウェアによって処理を実行させる構成では、予め設計されたシーケンシャルな処理以外の処理を動的に適宜実行させることは困難である。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ハードウェアにより処理を実行させつつ、シーケンシャル処理に限らず、処理内容を動的に変更すること、遂次適切なタイミングで処理を実行することなどを可能とし、柔軟な処理と高速な処理とを実現することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係る情報処理装置は、受信した情報を記憶する手段と、記憶してある情報を用いた演算を行なう手段とを備える情報処理装置において、論理回路を用いて構成され、トリガの入力により相異なる信号処理を実行するように構成される複数の処理手段と、前記信号処理の内の1つ又は複数と、各々に対応する前記処理手段へトリガを入力するトリガ入力条件との組み合わせからなる処理予約を生成する生成手段と、該生成手段が生成した処理予約のリストを記憶する手段と、情報の受信、記憶してある情報の更新、演算結果の出力、又は一定時間の経過を含むイベントを検知する手段と、検知したイベントに応じて前記生成手段により更に処理予約を生成する手段と、検知したイベントが、前記リスト中のいずれかの処理予約に係るトリガ入力条件を満たすか否かを判断する判断手段と、該判断手段が満たすと判断した場合、満たされたトリガ入力条件に組み合わされている1つ又は複数の信号処理に対応する前記処理手段へトリガを入力する入力手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る情報処理装置は、前記入力手段によりトリガを入力した場合、対応する処理予約を前記リストから削除する手段を更に備えることを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る情報処理装置は、情報の送信要求を受信する手段を備え、前記生成手段は、前記送信要求の受信をイベントとして検知し、受信した送信要求に基づいて処理予約を生成し、前記リストに追加するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る情報処理方法は、受信した情報を記憶する手段と、記憶してある情報を用いた演算を行なう手段とを備える情報処理装置における情報処理方法において、
論理回路を用いて構成され、トリガの入力により相異なる信号処理を実行するように構成される複数の処理手段を用い、前記信号処理の内の1つ又は複数と、各々に対応する前記処理手段へトリガを入力するトリガ入力条件との組み合わせからなる処理予約を生成し、生成した処理予約のリストを記憶し、情報の受信、記憶してある情報の更新、演算結果の出力を含むイベントを検知した場合、検知したイベントに応じて前記生成手段により更に処理予約を生成し、検知したイベントが、前記リスト中のいずれかの処理予約に係るトリガ入力条件を満たすか否かを判断し、満たすと判断した場合、満たされたトリガ入力条件に組み合わされている1つ又は複数の信号処理に対応する前記処理手段へトリガを入力することを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る情報処理システムは、情報を送受信する複数の通信装置と、該複数の通信装置と接続され、前記複数の通信装置との間で情報を送受信する手段、受信した情報を記憶する手段、及び記憶してある情報を用いた演算を行なう手段を備える情報処理装置とを含む通信システムにおいて、前記複数の通信装置は、情報の送信要求を送信する手段を備え、前記情報処理装置は、論理回路を用いて構成され、トリガの入力により相異なる信号処理を実行するように構成される複数の処理手段と、前記信号処理の内の1つ又は複数と、各々に対応する前記処理手段へトリガを入力するトリガ入力条件との組み合わせからなる処理予約を生成する生成手段と、該生成手段が生成した処理予約のリストを記憶する手段と、情報の受信、記憶してある情報の更新、演算結果の出力、又は一定時間の経過を含むイベントを検知する手段と、検知したイベントに応じて前記生成手段により更に処理予約を生成する手段と、検知したイベントが前記情報の送信要求である場合、前記情報の送信要求に基づき処理予約を生成する手段と、検知したイベントが前記リスト中のいずれかの処理予約に係るトリガ入力条件を満たすか否かを判断する判断手段と、該判断手段が満たすと判断した場合、満たされたトリガ入力条件に組み合わされている1つ又は複数の信号処理に対応する前記処理手段へトリガを入力する入力手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
第1発明、及び第4発明では、論理回路を用いてハードウェア的に所定の処理を実行する処理手段へトリガを入力するトリガ入力条件と、前記処理の処理の内の一又は複数との組み合わせからなる処理予約を、動的に生成し、生成された処理予約のリストが記憶される。前記条件が満たされるまで、条件に係るイベントの発生が検知される。前記イベントは例えば、情報の受信、記憶してある情報の更新、記憶してある情報を用いた演算結果の出力、一定時間の経過などである。イベントの発生が検知された場合、検知されたイベントに応じて新たに処理予約を生成すると共に、イベントが処理予約の条件のいずれかを満たすか否かが判断され、満たすと判断された場合に、前記条件と組み合わされている処理がハードウェアにより実行される。
【0017】
これにより、各種処理はハードウェア的に実行されるので高速処理が可能となると共に、動的に生成される処理予約のリストにて、条件と前記所定の処理とを適宜自由に組み合わせること、1つのトリガ入力条件に対し複数の所定の処理を組み合わせることも可能となる。更に、処理手段による処理結果をもイベントとして処理予約を新たに生成するなどのソフトウェア的な動作も可能となる。また、各処理が実行されるのは、適宜発生するイベントに応じたタイミングである。適宜発生するイベントに対して、条件を満たすか否かが判断されてから処理が実行されるので柔軟に変更することが可能な条件に基づいて動作させることが可能となる。
【0018】
第2発明では、リストに含まれる処理予約に係る処理が実行された場合、当該処理予約は削除されるので、一度決められた処理を固定的に継続的に実行するのみならず、一時的に必要となった処理を一度だけ実行するなど、ハードウェアにより処理を行なう構成でも、柔軟に動作させることが可能となる。
【0019】
第3発明及び第5発明では、情報処理装置に接続される通信装置からの情報の送信要求に応じて処理予約が動的に生成され、当該処理予約に基づいて処理が実行されるので、ハードウェア的に処理を行なう構成でも、予め決めてあるシーケンシャルな処理のみならず、外部からの要求に応じて適宜柔軟に動作させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による場合、トリガを入力する条件と一又は複数の所定の処理との適宜自由な組み合わせからなる処理予約を動的に生成して記憶しておき、遂次発生するイベントが前記条件を満たす場合に、ハードウェアにより構成される処理手段により処理を実行させるので、ハードウェアにより処理を実行させつつ、シーケンシャルな処理に限らず、処理内容を動的に変更すること、遂次適切なタイミングで動作させることなどを可能とし、柔軟な処理と高速な処理とを共に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1における中継装置を含む車載通信システムの構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1におけるToDoリストの内容例を示す説明図である。
【図4】実施の形態1における中継装置の判断部により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における中継装置にて実現される動作を概念的に示す説明図である。
【図6】実施の形態2における中継装置及びECUによって実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下に示す実施の形態では、複数の車載ECU間におけるデータの送受信を中継する中継装置(ゲートウェイ装置)に適用した例を挙げて説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における中継装置を含む車載通信システムの構成を示す構成図である。車載通信システムは、データを送受信する通信装置である複数のECU1a,…,1b,…,1c,…と、ECU1a,…,1b,…,1c,…を群毎に接続する通信線2a,2b,2cと、通信線2a,2b,2cが夫々接続しており、各ECU1a,…,1b,…,1c,…間のデータの送受信を中継する中継装置3a,3b,3cと、中継装置3a,3b,3cを接続している通信線4とを含む。
【0024】
実施の形態1における車載通信システムは、幹線となる通信線4により接続される中継装置3a,3b,3c夫々に、ECU1a,…,1b,…,1c,…が、支線となる通信線2a,2b,2cを介して接続される幹線型の車載ネットワークを構成している。以下、説明を明瞭とするため、通信線2a,2b,2cを支線2a,2b,2cと呼び、通信線4を幹線4と呼ぶ。
【0025】
中継装置3a,3b,3cは、幹線4を介してリング型に接続されている。そしてECU1a,…,1b,…,1c,…は夫々、支線2a,2b,2cにバス型に接続している。実施の形態1におけるECU1a,…,1b,…,1c,…は、CAN(Controller Area Network)のプロトコルに準じてデータを送受信する。なお、支線2a,2b,2cがデータを送受信するプロトコルはLIN、FlexRayでもよいし、接続形態はスター型、ディジーチェーン型などでもよい。
【0026】
中継装置3a,3b,3cはメモリを備えて、データベース(DB:Data Base)31a,31b,31cとして使用する。中継装置3a,3b,3cは基本的に夫々、支線2a,2b,2cを介して接続しているECU1a,…,1b,…,1c,…から送信されたデータを受信してデータベース31a,31b,31cに記憶させ、データベース31a,31b,31cから読み出したデータを夫々自身に接続しているECU1a,…,1b,…,1c,…へ分配するように送信する。
【0027】
ECU1a,…,1b,…,1c,…は、測定値、計算値、制御値等の各種物理量の数値情報を含むデータの送信、又は、エンジン、ブレーキ等のマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)による制御が可能な装置である。たとえば一のECU1aは、ABS(Antilock Brake System)として機能し、車輪の回転速度(車輪速)を検知する図示しないセンサと接続され、車両の制動時にセンサを介して検知した車輪速の測定値に基づいてブレーキを制御すると共に、車輪速の測定値を含むデータを中継装置3aへ送信する。
【0028】
ECU1a,…,1b,…,1c,…は、夫々異なる機能を有しているが、同じ支線2a,2b,2cに接続されている各群のECU1a,…,1b,…,1c,…が、群毎に同一の系統の機能を有しているとは限らない。例えば、車載ECUはその機能から、エンジン、ブレーキなどの運転機能の制御を行なう制御系、ドアロック又はライトなどの制御を行なうボディ系、エアバッグ、衝突回避装置などの制御を行なう安全系、ナビゲーションシステム、カーステレオなどの制御を行なう情報系などに分けることができる。同一の系統の機能を実現するECUが各群を構成し、同一の中継装置に接続される構成とした場合、ECU間のデータの送受信で完結して異なる群のECUとの間でデータを送受信する必要が減少することにより通信効率が向上する。しかしながら、車両内で設置される場所が近いか否か等の物理的な理由で同一の支線2a,2b,2cに接続されるECU1a,…,1b,…,1c,…が決定される場合がある。
【0029】
例えば、同じボディ系のキーロックに関するECUでも、リモートキーを検知する機能を有するECU1aと、キーのロック/アンロックを制御するECU1cとは、物理的に距離が離れているために異なる支線2aと2cとに接続される場合がる。このECU1aとECU1cとが、同一のデータを共有して処理を行なう必要があるとき、中継装置3a,3b,3cを介して中継されなければならない。
【0030】
したがって、ECU1a,1a,…に接続しており、ECU1a,1a,…から送信されるデータをデータベース31aに記憶する中継装置3aは、データを受信する都度、データベース31aを更新するが、他の中継装置3b,3cに接続しているECU1b,…,1c,…でも使用することを可能とするために、実施の形態1における中継装置3a,3b,3c相互にデータベース31a,31b,31cのデータを送受信し合う同期通信を実行する。
【0031】
図2は、実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置3aの内部構成を示すブロック図である。中継装置3b,3cの内部構成は中継装置3aの内部構成と同様であるので図示及び詳細な説明を省略する。
【0032】
中継装置3aは、データベース31aと、支線2aに接続されている支線通信部32aと、幹線4に接続されている幹線通信部33aと、各種異なる処理をハードウェア的に実行する処理部34aと、処理部34aにおける処理を実行するための条件を判断する判断部35aと、処理部34aにおける処理予約のリストであるToDoリスト36aとを備える。
【0033】
データベース31aは、フラッシュメモリ、又はSRAM(Static Random Access Memory)若しくはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のRAMを用いて構成され、判断部35a、処理部34aによりデータの読み出し、及び書き込みが可能である。
【0034】
支線通信部32aは、ネットワークコントローラ及びトランシーバを用いて構成され、支線2aを介して接続されているECU1a,1a,…とのデータの送受信を実現する。支線通信部32aは、支線2aを介してECU1a,1a,…のいずれかからデータが送信された場合、判断部35aへ通知する。実施の形態1においては、支線2aにおいてECU1a,1a,…はCANプロトコルにてデータの送受信を行なう構成とするので、CANコントローラ及びCANトランシーバを用いる。
【0035】
幹線通信部33aは、ネットワークコントローラ及びトランシーバを用いて構成され、幹線4を介して接続される他の中継装置3b,3cとのデータの送受信を実現する。幹線4における通信プロトコルは特に限定されない。Ethernet(登録商標)を用いてもよいし、CANを利用してもよいし、その他のプロトコルを用いてもよい。なお、実施の形態1における中継装置3aでは、幹線通信部33aがチャネルを複数備えることにより、中継装置3aが中継装置3bと中継装置3cと同時的にデータの送受信を行なうことが可能な構成とする。
【0036】
処理部34aは、各種論理回路を含むハードウェアにより構成され、異なる所定の処理を夫々行なう第1処理部341a、第2処理部342a、…、第N処理部34Naを含む。第1処理部341a、第2処理部342a、…、第N処理部34Naは夫々、処理部に備えられている各種論理回路を組み合わせた複数の処理単位を更に組み合わせることにより、夫々異なる所定の処理を実行するように構成されている。そして第1処理部341a、第2処理部342a、…、第N処理部34Naは夫々、所定のトリガが入力される都度に、処理単位を実行することにより動作するようにしてある。具体的には、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途集積回路)を用いても、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成してもよい。特定のLSI(Large Scale Integration)により実現してもよい。ここで所定の処理(アクション)としては、以下のような例が挙げられる。
A1.データベース31aから指定のデータを読み出して支線通信部32aにより送信する。
A2.データベース31aから指定のデータを読み出して幹線通信部33aにより送信する。
A3.データベース31a内の指定のデータに対し所定の演算処理を実行する。
A4.データベース31aを更新する。
A5.タイマを起動する。
A6.A1乃至A5のいずれかの組み合わせ。
【0037】
判断部35aは、データを受信したことを支線通信部32a若しくは幹線通信部33aから通知を受けた場合、又はデータベース31aのデータを監視してデータの内容が変化した場合などの各種イベントの発生を検知し、イベントが所定の条件(トリガ入力条件)を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たす場合は、処理部34aで夫々処理を実行している第1処理部341a、第2処理部342a、…、第N処理部34Naのいずれにトリガを入力するかを判断する。判断部35aは具体的には、ASIC、FPGA又はLSIなどのハードウェアにより構成されてもよいし、マイコンを利用してソフトウェアに基づき処理を実行するようにしてもよい。
【0038】
判断部35aで検知されるイベントの例としては、上述のようにデータの受信、データベース31aの更新通知、演算結果の出力又は処理部34aでアクションとして起動されているタイマから時間経過の通知の受信が挙げられる。判断部35aから第1処理部341a、第2処理部342a、…、第N処理部34Naのいずれかへトリガが入力される条件(トリガ入力条件)としては、以下のような例が挙げられる。
T1.幹線通信部33aから受信したデータが特定のデータを含む。
T2.支線通信部32aよりデータを受信した。
T3.支線通信部32aより受信したデータによりデータベース31aが更新された。
T4.更新されたデータベース31a内の特定のデータが所定の閾値を超えている。
T5.更新されたデータベース31a内の特定のデータが所定の閾値以下である。
T6.データベース31a内の特定のデータの変化が所定の条件を満たす。
T7.受信したデータとデータベース31a内の対応するデータの内容が所定の条件を満たす。
T8.タイマから所定時間経過の通知を受けた。
T9.支線通信部32aにより受信したデータ以外でデータベース31aが更新された。
T10.T4の条件がN回連続して満たされた。
【0039】
T1〜T10に示すように、処理部34aにおける第1処理部341a、第2処理部342a、…、第N処理部34Naのいずれかによる処理自体も、イベントを発生させ、トリガとなり得る。
【0040】
ToDoリスト36aは、フラッシュメモリ、又はSRAM若しくはDRAM等のRAMを用いて構成され、判断部35a、処理部34aにより読み出し又は書き込みが可能である。ToDoリスト36aには、上述のT1〜T10に例示したトリガ入力条件と、処理A1〜A6のいずれかとの組み合わせがリストアップされたものが記憶される。なおToDoリスト36aの内容は、判断部35aが生成して記憶する。ToDoリスト36aは初期的に所定のリストが生成されて記憶されている状態とし、その後、実行される処理に応じて判断部35aが生成する。予め図示しないROM(Read Only Memory)に、ToDoリスト36aの生成タイミングと、生成する内容を設定しておき、判断部35aが参照可能な構成としてもよい。
【0041】
また、処理A1〜A6は、ハードウェア的な処理を実行するため、予め定められた処理、即ちハードウェアによって実行される処理の組み合わせからなる処理として判断部35aが生成する。処理A1〜A6が予めROMに記憶されており、判断部35aがいずれかを選択するようにしてもよい。トリガ入力条件は判断部35a自身が適宜生成するようにしてもよいし、処理同様に予めROMに記憶されているトリガ入力条件から選択するようにしえてもよい。
【0042】
図3は、実施の形態1におけるToDoリスト36aの内容例を示す説明図である。図3に示すように、ToDo36aは、トリガ入力条件と処理(アクション)との組み合わせからなる為すべき処理を示す処理予約のリストである。夫々を識別するための情報として、トリガ入力条件と処理との組み合わせには番号が付与されている。
【0043】
判断部35aは、ToDoリスト36aに記憶されているトリガ入力条件の内のいずれかが満たされるか否かを判断し、満たされると判断した場合に、満たされるトリガ入力条件に組み合わせられている処理A1〜A6のいずれかに対応する第1処理部341a、第2処理部342a、…、第N処理部34Naへ、トリガを入力する。
【0044】
図3に示す例では、ToDoリスト36aの「1」番目に、トリガ入力条件T8と処理A2との組み合わせからなる処理予約が含まれている。当該処理予約により、トリガ入力条件T8が満たされたと判断部35aが判断した場合には、処理A2を実行する処理部34a中の対応する第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれかへ判断部35aがトリガを出力し、処理A2を実行させる。つまり、判断部35aは、タイマからの通知というイベントを検知し、当該通知が所定時間が経過したことを示すと判断した場合、トリガ入力条件T8を満たすから、データベース31aから指定のデータを読み出して幹線通信部33aにより他の中継装置3b,3cへ送信するという処理A2を実行させる。これにより、定期的に実行する同期通信の処理がこれにより実現される。判断部35aが処理部34a中の対応する第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれか(例えば第2処理部342a)へ、データの指定を行ない、第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれかがデータベース31aから指定のデータを読み出す。
【0045】
更に、図3に示す例では、ToDoリスト36aの「2」番目に、トリガ入力条件T1と処理A1との組み合わせからなる処理予約が含まれている。また、「3」番目にも、トリガ入力条件T1と処理A4との組み合わせからなる処理予約が含まれている。当該処理予約により、トリガ入力条件T1が満たされたと判断部35aが判断した場合には、処理A1と処理A4とを夫々実行する処理部34a中の対応する第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれか(例えば第1処理部341aと第4処理部)へ判断部35aがトリガを出力し、処理A1と処理A4とを実行させる。つまり、判断部35aは、幹線通信部33aによるデータ受信のイベントの発生を検知し、且つ受信したデータが特定のデータを含む場合に、、トリガ入力条件T1が満たされたと判断する。判断部35aは、ToDoリスト36aにてトリガ入力条件T1に対応するデータベース31aから指定のデータを読み出して送信する処理A1と、データベース31aを更新させる処理A4とを実行させる。
【0046】
そして、判断部35a又は各処理を実行した第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれかは、実行された処理に係る処理予約をToDoリスト36aから削除する。これにより、実行すべきタイミングの都度、ToDoリスト36aが生成されて記憶(更新)されるので、一度決められた処理を継続的に実行するのみならず、一時的に必要となった処理を一度だけ実行するなど、ハードウェア的に処理を行なう構成でも、柔軟に動作させることが可能となる。
【0047】
図4は、実施の形態1における中継装置3aの判断部35aにより実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0048】
判断部35aは、イベント発生を検知したか否かを判定し(ステップS1)、イベント発生を検知していない場合(S1:NO)、処理をステップS1へ戻してイベント発生を検知するまで待機する。判断部35aはイベント発生を検知した場合(S1:YES)、検知したイベントが、ToDoリスト36aに記憶されているトリガ入力条件のいずれかを満たすか否かを判断する(ステップS2)。
【0049】
判断部35aは、ステップS2においてトリガ入力条件をいずれも満たさないと判断した場合(S2:NO)、処理をステップS1へ戻す。判断部35aは、トリガ入力条件のいずれかを満たすと判断した場合(S2:YES)、満たされるトリガ入力条件に対応する処理へのトリガを、前記処理に対応する処理部のいずれかへ入力し(ステップS3)、前記処理の処理予約をToDoリスト36aから削除し(ステップS4)、処理を終了する。
【0050】
図5は、実施の形態1における中継装置3aにて実現される動作を概念的に示す説明図である。図5中の楕円形は判断部35aによる処理、各矩形は、ハードウェアにより処理を行なう処理部34aの第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれかを含む中継装置3の各構成部により実行される処理の一部を模式的に示す。また、破線の矢印は実行される各処理により発生するイベント、実線の矢印は各処理を行なう処理部34aへ入力されるトリガ、白抜きの矢印はデータの流れを模式的に示す。
【0051】
支線通信部32a又は幹線通信部33aによりデータが受信された場合、判断部35aへ通知するため、判断部35aはこれをイベントとして検知する。判断部35aはイベントを検知した場合、トリガ入力条件を満たすか否かを判断する処理、検知したイベントに応じた処理予約の生成処理を行なう。判断部35aは、検知したイベントが支線通信部32aによるデータの受信であった場合、例えば図3の例に示した「6」番目の処理予約のトリガ入力条件T2を満たすから、処理A5のタイマを起動させるべく、対応する第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれかに起動トリガを入力する。これにより、タイマによる計時処理が処理部34aにより独立に実行され、判断部34aはイベント発生待機状態となる。
【0052】
タイマの処理により所定時間経過の通知がされた場合、判断部34aはこれをイベントとして検知し、所定時間経過の通知を受けたことをトリガ入力条件とする処理予約の処理を行なうべく、対応する第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれかにトリガを入力する。つまりこのとき、タイマによる所定時間経過の計測処理というアクションそのものがイベントを発生させる。そして、例えば、図3の例に示した「1」番目の処理予約のトリガ入力条件T1を満たすと判断部35aが判断した場合、処理A2のデータを送信すべく、対応する第1処理部341aから第N処理部34Naのいずれかに送信トリガを入力する。これにより、指定されるデータを読み出して幹線通信部33aを用いて送信する処理が、処理部34aにより独立に実行され、判断部34aはイベント発生待機状態となる。
【0053】
その他、処理部34aによる幹線通信部33aを用いたデータの送信、処理部34aによる演算処理結果の出力、データベース31aにおけるデータの書込、データの内容変化などの判断部35aへの通知もいずれもイベントとなり、イベントの発生をきっかけとして適宜、トリガ入力条件が満たされる否かが判断され、トリガ入力条件が満たされる場合には、送信、演算要求などのトリガが処理部34aへ入力される。
【0054】
このように、実施の形態1における中継装置3では、処理部34aにおける処理によって発生するイベントを、予め定められたシーケンスで各機能を実現する処理部34aへ直接的にトリガとして入力し、イベントが発生した場合には固定的に所定の処理が行なわれる構成とせず、判断部35aで、イベント発生に対応して、現在ToDoリスト36aに記憶されている処理予約のいずれかトリガ入力条件を満たすか否かを判断する構成とする。判断部35aで、各時点におけるToDoリスト36aのリストに応じた処理予約に係る処理のみを実行するよう判断することにより、ハードウェア的に処理が実行される構成でありながら、トリガ入力条件と処理との適宜自由な組み合わせからなるToDoリスト36aに基づき、柔軟な動作を実現することができる。また中継装置3a自身による処理自体をも、実行すべき他の処理のトリガとすることができるなど、柔軟で複雑な動作をハードウェアにより実現することが可能となる。
【0055】
実施の形態1における中継装置3aでは、データベース31aから読み出されるデータの同期通信、データベース31aから読み出されるデータのECU1a,1a,…の送信等を高速に処理する必要がある。一方で、どのような内容の処理をどのような条件で行なうかは、動的に変更することが可能な構成としたい場合がある。このような場合でも、中継装置3aに本発明に係る情報処理装置の構成を適用することにより、高速処理と柔軟に変更可能な処理とを共に実現することができる。
【0056】
(実施の形態2)
実施の形態1における中継装置3aは、自身が備える構成部における処理に伴い発生するイベントを元にしてToDoリスト36aを生成する構成とした。実施の形態2では、更にECU1a,…,1b,…,1c,…からの処理要求に応じてToDoリスト36aを生成する構成とする。
【0057】
ECU1a,…,1b,…,1c,…はCANのプロトコルに基づき、リモートフレームと呼ばれる送信要求を送信する。リモートフレームは、ECU1a,…,1b,…,1c,…が必要とするデータのIDを示す。実施の形態2では、ECU1a,…,1b,…,1c,…はリモートフレームを送信するように、自身の制御機能に必要なデータのID、及び送信タイミング(送信条件)を含むリクエストメッセージ(通知)を送信する構成とする。勿論、リクエストメッセージでなく、必要なデータのIDのみ示すリモートフレームを送信するのみの構成としてもよい。
【0058】
中継装置3a,3b,3cは夫々、図4のフローチャートに示した処理手順を実行する一方で、ECU1a,…,1b,…,1c,…が送信するリクエストメッセージに応じて、中継装置3aが動的に処理予約を生成し、ToDoリスト36aに記憶する。
【0059】
実施の形態2における車載通信システムの構成、及び中継装置3a,3b,3cのハードウェア的な構成は、実施の形態1と同様である。したがって、同一の符号を付して各構成部についての詳細な説明は省略し、以下に、中継装置3aが自身に接続されているECU1a,1a,…からのリクエストメッセージに応じて処理予約を生成して記憶する場合の処理について説明する。
【0060】
図6は、実施の形態2における中継装置3a及びECU1aによって実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。中継装置3aは、判断部35a又は処理部34aの一部の機能により、以下の処理を実行する。なお、他の中継装置3b及びECU1b間、並びに中継装置3c及びECU1c間の送受信も同様であるから図示及び詳細な説明を省略する。
【0061】
ECU1aは、マイコンの制御により、自身の制御機能に必要なデータのID情報を含むリクエストメッセージを生成し(ステップS21)、生成したリクエストメッセージを自身が接続されている中継装置3aへ送信する(ステップS22)。ECU1a,1a,…では、ステップS21及びS22によるリクエストメッセージの送信を、定期的に行なうようにしてある。必要なデータ毎に異なる周期で適宜必要なタイミングでリクエストメッセージを生成して送信してもよい。
【0062】
中継装置3aでは、ECU1a,1a,…のいずれかからリクエストメッセージを受信したか否かを判断し(ステップS23)、受信していない場合(S23:NO)、処理をステップS23へ戻して、リクエストメッセージを受信するまで待機する。
【0063】
中継装置3aでは、ECU1a,1a,…のいずれかからリクエストメッセージを受信した場合(S23:YES)、受信したリクエストメッセージに含まれるECU1a,1a,…が必要とするデータのID、送信タイミングなどに基づき、どのような条件が満たされた場合に処理が行なわれるべきかの処理予約を生成する(ステップS24)。中継装置3aでは、生成した処理予約をToDoリスト36aとして記憶し(ステップS25)、処理を終了する。
【0064】
これにより、ECU1a,…,1b,…,1c,…は必要となったデータについて動的に通知を行なうことができ、中継装置3a,3b,3cは、ECU1a,…,1b,…,1c,…が必要とするデータを知ることができ、柔軟に対応が可能である。ハードウェア的に処理を行なう構成でも、予め決めてあるシーケンシャルな処理のみならず、外部からの要求に応じて適宜柔軟に動作させることが可能となる点で優れた効果を奏する。
【0065】
実施の形態1及び2では、本発明に係る情報処理装置の構成を中継装置3a,3b,3cに適用する構成としたが、ECU1a,…,1b,…,1c,…に適用してもよい。
【0066】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1a,1b,1c ECU(通信装置)
3a,3b,3c 中継装置(情報処理装置)
31a,31b,31c データベース
34a,34b,34c 処理部
341a,342a,…34Na 第1処理部、第2処理部、…、第N処理部(処理手段)
35a,35b,35c 判断部
36a,36b,36c ToDoリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した情報を記憶する手段と、記憶してある情報を用いた演算を行なう手段とを備える情報処理装置において、
論理回路を用いて構成され、トリガの入力により相異なる信号処理を実行するように構成される複数の処理手段と、
前記信号処理の内の1つ又は複数と、各々に対応する前記処理手段へトリガを入力するトリガ入力条件との組み合わせからなる処理予約を生成する生成手段と、
該生成手段が生成した処理予約のリストを記憶する手段と、
情報の受信、記憶してある情報の更新、演算結果の出力、又は一定時間の経過を含むイベントを検知する手段と、
検知したイベントに応じて前記生成手段により更に処理予約を生成する手段と、
検知したイベントが、前記リスト中のいずれかの処理予約に係るトリガ入力条件を満たすか否かを判断する判断手段と、
該判断手段が満たすと判断した場合、満たされたトリガ入力条件に組み合わされている1つ又は複数の信号処理に対応する前記処理手段へトリガを入力する入力手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力手段によりトリガを入力した場合、対応する処理予約を前記リストから削除する手段を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報の送信要求を受信する手段を備え、
前記生成手段は、前記送信要求の受信をイベントとして検知し、受信した送信要求に基づいて処理予約を生成し、前記リストに追加するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
受信した情報を記憶する手段と、記憶してある情報を用いた演算を行なう手段とを備える情報処理装置における情報処理方法において、
論理回路を用いて構成され、トリガの入力により相異なる信号処理を実行するように構成される複数の処理手段を用い、
前記信号処理の内の1つ又は複数と、各々に対応する前記処理手段へトリガを入力するトリガ入力条件との組み合わせからなる処理予約を生成し、
生成した処理予約のリストを記憶し、
情報の受信、記憶してある情報の更新、演算結果の出力を含むイベントを検知した場合、
検知したイベントに応じて前記生成手段により更に処理予約を生成し、
検知したイベントが、前記リスト中のいずれかの処理予約に係るトリガ入力条件を満たすか否かを判断し、
満たすと判断した場合、満たされたトリガ入力条件に組み合わされている1つ又は複数の信号処理に対応する前記処理手段へトリガを入力する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
情報を送受信する複数の通信装置と、該複数の通信装置と接続され、前記複数の通信装置との間で情報を送受信する手段、受信した情報を記憶する手段、及び記憶してある情報を用いた演算を行なう手段を備える情報処理装置とを含む通信システムにおいて、
前記複数の通信装置は、情報の送信要求を送信する手段を備え、
前記情報処理装置は、
論理回路を用いて構成され、トリガの入力により相異なる信号処理を実行するように構成される複数の処理手段と、
前記信号処理の内の1つ又は複数と、各々に対応する前記処理手段へトリガを入力するトリガ入力条件との組み合わせからなる処理予約を生成する生成手段と、
該生成手段が生成した処理予約のリストを記憶する手段と、
情報の受信、記憶してある情報の更新、演算結果の出力、又は一定時間の経過を含むイベントを検知する手段と、
検知したイベントに応じて前記生成手段により更に処理予約を生成する手段と、
検知したイベントが前記情報の送信要求である場合、前記情報の送信要求に基づき処理予約を生成する手段と、
検知したイベントが前記リスト中のいずれかの処理予約に係るトリガ入力条件を満たすか否かを判断する判断手段と、
該判断手段が満たすと判断した場合、満たされたトリガ入力条件に組み合わされている1つ又は複数の信号処理に対応する前記処理手段へトリガを入力する入力手段と
を備えることを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−191536(P2010−191536A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33014(P2009−33014)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)