説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、および情報処理装置の制御プログラム

【課題】ユーザにとって利便性の高い印刷を実行することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】変更操作に応じて印刷設定画面における設定項目を更新して表示する(ステップS32)。印刷設定が初期状態から変更された状態かどうかを判断する(ステップS34)。印刷設定が初期状態から変更された状態であると判断された場合には、テスト用印刷ボタンを表示する(ステップS40)。印刷設定が初期状態から変更された状態ではないと判断された場合には、本番用印刷ボタンを表示する(ステップS42)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフト(ワープロなど)などからの出力情報を印刷するための情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷システムでは、コンピュータの二次記憶装置などに保存されている画像データ(アプリケーションで作成されたデータファイル)を印刷する場合、ユーザは次のような手順で印刷を実行していた。
【0003】
たとえば、コンピュータの基本ソフトウェア(OS)としてウインドウズ(R)を用いる場合について述べる。この基本ソフトウェア上では、印刷対象となるデータはファイルデータという形式で保存されている。
【0004】
ユーザは印刷対象のファイルデータを見つけて、そしてそのファイルデータを作成したアプリケーション(たとえば、文書編集アプリケーションであるワープロソフト、表計算ソフトなど)を実行して、印刷対象となるファイルデータをオープンする。
【0005】
そして、そのアプリケーションのサービスとして備えられている印刷命令を実行することで、印刷を行なうことができる。
【0006】
より具体的には、コンピュータにおける印刷の処理は、コンピュータ上で文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷処理を行なわせる。
【0007】
印刷処理が実行されると、文書編集アプリケーションがコンピュータ上のOSの管理下の中間モジュール(GDI(Graphical Device Interface))によってプリンタドライバを呼出し、呼出されたプリンタドライバは印刷を行なう画像形成装置のコントローラが解釈できるPDL(ページ記述言語)を作成する。
【0008】
ユーザが文書編集アプリケーション上で処理をしている際に、印刷メニューをクリックすると、印刷に関する印刷設定のためのユーザーインターフェイスが表示される。
【0009】
具体的には、印刷設定に関する項目として、用紙サイズ、解像度、用紙方向および印刷部数等のように種々の項目を設定することが可能である。
【0010】
一方、近年においては、複写処理作業における効率化や高品質化を図るために、大量に印刷処理を実行する場合には、いきなり本番印刷を実行せず、実験的に1枚のみ印刷するテスト印刷を実行する機能が設けられている。そして、テスト印刷の結果を確認し、所望の品質であるかを確認した後、よければ必要量だけのコピーを実行するものであり、この点に関して、特開平8−95436号公報においては、画像形成装置のインターフェース画面としてテスト印刷後に、印刷設定を微調整する方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−95436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一方で、テスト印刷を実行する場合には、省資源や視認性の向上等を考慮して、本番印刷の印刷設定として設定される規定のフォーマットとは異なる印刷設定をする可能性がある。例えば、集約処理として2イン1を実行したり、あるいは、カラー印刷をモノクロ印刷にしたり等する可能性があり、仮に、印刷設定を変更した場合には、本番印刷を実行するために元の規定のフォーマットに従う印刷設定に戻す必要があったが、どの項目を変更したか否かを把握しておく必要があり、煩雑であるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ユーザにとって利便性の高い印刷を実行することが可能な情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のある局面に従う情報処理装置は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置であって、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す所定の印刷設定情報が設定された印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、印刷設定画面におけるユーザ操作に従って所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付ける印刷設定変更受付手段と、印刷情報受付手段により所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けた場合に更新された印刷設定画面を表示する印刷設定画面更新手段とを備える。印刷設定画面更新手段は、所定の印刷設定情報を設定するための印刷設定画面に表示されていた本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンに変更する。
【0015】
好ましくは、印刷設定画面更新手段は、本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンとともに表示する。
【0016】
好ましくは、印刷設定画面には、ユーザ操作に従って所定の印刷設定情報の変更が可能な複数の設定選択項目が表示される。印刷設定画面更新手段は、印刷設定変更受付手段により変更が受け付けられた設定選択項目の表示を変更する。
【0017】
好ましくは、ユーザ操作に従って印刷設定画面においてテスト印刷ボタンの実行が指示された場合に、画像データに対してテスト用の印刷であることを示す画像データを合成する画像データ合成手段と、画像データ合成手段により合成された画像データを含む印刷ジョブを画像形成装置に転送する印刷ジョブ転送手段とをさらに備える。
【0018】
好ましくは、ユーザ操作に従って印刷設定画面においてテスト印刷ボタンの実行が指示された場合に印刷設定画面を再表示する印刷設定画面再表示手段をさらに備える。
【0019】
特に、ユーザ操作に従って印刷設定画面においてテスト印刷ボタンの実行が指示された場合に画像形成装置におけるテスト用の印刷の完了を検知する印刷完了検知手段と、印刷設定画面再表示手段は、印刷完了検知手段により画像形成装置におけるテスト用の印刷の完了が検知された場合に、印刷設定画面を再表示する。
【0020】
好ましくは、印刷設定画面再表示手段は、テスト印刷ボタンの実行が指示された場合に設定されていた印刷設定画面を再表示する。
【0021】
本発明のある局面に従う情報処理装置の制御方法は、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の制御方法であって、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す所定の印刷設定情報が設定された印刷設定画面を表示するステップと、印刷設定画面におけるユーザ操作に従って所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けるステップと、設定の変更を受け付けるステップにより所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けた場合に更新された印刷設定画面を表示するステップとを備え、更新された印刷設定画面を表示するステップは、所定の印刷設定情報を設定するための印刷設定画面に表示されていた本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンに変更する。
【0022】
本発明のある局面に従う情報処理装置の制御プログラムは、コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置のコンピュータに、画像データの印刷を実行する際に、画像データに関連づけられて転送される、画像データの画像形成装置における印刷の態様を示す所定の印刷設定情報が設定された印刷設定画面を表示するステップと、印刷設定画面におけるユーザ操作に従って所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けるステップと、設定の変更を受け付けるステップにより所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けた場合に更新された印刷設定画面を表示するステップとの処理を実行させ、更新された印刷設定画面を表示するステップは、所定の印刷設定情報を設定するための印刷設定画面に表示されていた本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンに変更する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のある局面に従う情報処理装置は、所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けた場合に更新された印刷設定画面を表示する印刷設定画面更新手段を設ける。印刷設定画面更新手段は、所定の印刷設定情報を設定するための印刷設定画面に表示されていた本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンに変更する。したがって、所定の印刷設定情報から変更操作された場合には、印刷設定画面において、印刷ボタンがテスト印刷ボタンに変更されるため容易にテスト印刷の印刷設定であることを把握することが可能となりユーザにとって利便性の高い印刷を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1に従う印刷システムの構成について説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従う画像形成装置10の概略ブロック図について説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従うPCの概略ブロック図について説明する図である。
【図4】図3で示したPC100の本体部2000における印刷機能に係る処理構成を説明する機能ブロック図について説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従うドライバGUIの処理手順について説明する図である。
【図6】ドライバGUI2100の設定表示部2210によってディスプレイ部250に表示される印刷設定画面40を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従う印刷設定画面の更新表示処理について説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面について説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態1の変形例1に従う印刷設定画面の更新表示処理について説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態1の変形例1に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面について説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態1の変形例2に従う印刷設定画面の更新表示処理について説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態1の変形例2に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面について説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態2に従う本番印刷とテスト印刷における印刷処理について説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態3に従う印刷設定画面の再表示の処理について説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態3に従うテスト印刷における印刷設定画面の再表示について説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態3の変形例に従う印刷設定画面の再表示の処理について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0026】
(実施の形態1)
図1を用いて、本発明の実施の形態1に従う印刷システムの構成について説明する。
【0027】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う情報処理システムは、画像形成装置10と、LAN60(Local Area Network)等のネットワークを介して接続された情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以下、単にPCとも称する)100,102とで構成される。各PC100,102と画像形成装置10とはLAN60を介して互いにデータの授受が可能なように接続されており、本発明においては各PC100,102上で実行されるアプリケーション上で作成された画像データを印刷ジョブとして画像形成装置10に出力する。画像形成装置10は、各PC100,102から送信された印刷ジョブを受信して印刷処理を実行する場合について説明する。
【0028】
なお、ここでは、情報処理装置として2台のPCがLAN60に接続されている構成について説明するが、これらの数は3個に限定されるものではなく、少なくとも1個以上あればよい。また、LANに限らずWAN(Wide Area Network)等であってもよい。
【0029】
図2を用いて、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置10の概略ブロック図について説明する。
【0030】
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置10は、画像入力部11と、画像出力部12と、画像メモリ部13と、操作/表示部14と、圧縮/復号部15と、メーラ16と、制御部17と、ROM18と、RAM19と、通信部20と、外部インターフェース部21と、ファイル変換部22と、内部バス24とを含む。
【0031】
画像入力部11は、図示しない載荷台にセットされた原稿を図示しないスキャナにより読取って画像データを取得する。
【0032】
画像出力部12は、画像データを所定の用紙に印刷する。画像メモリ部13は、画像出力部12に出力する画像データを一時的に保持する。
【0033】
操作/表示部14は、ユーザによる種々の操作入力を受け付けるとともに、種々の設定情報を表示する。
【0034】
圧縮/復号部15は、画像データの圧縮/復号を行なう。メーラ16は、電子メールの送受信を実行する。
【0035】
制御部17は、画像形成装置10全体を制御し、各部に対して必要な指示を出力する。
ROM18(Read Only Memory)は、画像形成装置10における所定の機能を実現するためのプログラム等を格納する。
【0036】
RAM19(Random Access Memory)は、ワークエリアとして利用される。通信部20は、LAN60と接続され、外部との間でデータの授受を実行する。
【0037】
本例においては、通信部20を介してPC100,102からの印刷ジョブを受信する。外部インターフェース部21は、外部装置との間での接続を実行する。ファイル変換部22は、画像データのファイル形式および電子メールのファイル形式等の種々のファイル形式の変換を実行する。
【0038】
PC100,102から送信された印刷ジョブは、LAN60を介して通信部19において受信される。そして、受信された印刷ジョブは、RAM19に保存される。そして、RAM19に保存された印刷ジョブに含まれる印刷データ(描画データ)は、画像メモリ部13に展開されて、所定の用紙に印刷データが印刷されることになる。なお、ここで言う印刷データは、各PC100,102上で実行されるアプリケーション上で作成された画像データをPDL(ページ記述言語)に変換したものである。
【0039】
図3を用いて本発明の実施の形態1に従うPCの概略ブロック図について説明する。
図3を参照して、本発明の実施の形態に従うPC100は、本体部2000と、表示手段であるディスプレイ部250と、入力手段として、キー入力手段であるキーボード260と、ポインティングデバイスであるマウス270とで構成される。これら、本体部2000と、ディスプレイ部250、入力手段として、キーボード260およびマウス270は、別体で構成されている場合について説明するが、各々が本体部2000と一体で構成されていても良い。
【0040】
なお、ディスプレイ部250は、液晶表示装置であっても良いし、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置であっても良いし、プラズマディスプレイ装置であっても良いし、表示することが可能な装置であれば何でも良い。
【0041】
本体部2000は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)201と、CPU201のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM212と、CPU201で実行されるプログラムやデータを不揮発的に記憶するハードディスク部(HDD:Hard Disk Drive)211と、CPU201で実行されるプログラムが予め格納されたROM213とを含む。ROM213あるいはHDD211には、予め基本ソフトウェア(OS)が格納されており、当該OSを実行することにより各種アプリケーションが実行されるものとする。
【0042】
また、HDD211には、画像形成装置10に対して印刷ジョブを送信するためのソフトウェアプログラムであるプリンタドライバが記憶されており、当該プリンタドライバをCPU201が読込むことにより後述する機能が実現される。
【0043】
このようなプログラムは、FDドライブ217あるいはCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)ドライブ215によってそれぞれフレキシブルディスク217aまたはCD−ROM215aなどから読取られる。そして、読取られたプログラムは、HDD211に格納されて利用されるものとする。なお、本例においては、フレキシブルディスク217aまたはCD−ROM215aなどから読取られる場合について説明したが、特に、これらフレキシブルディスク217aまたはCD−ROM215aなどから読取られる場合に限らず、LAN60を介してプリンタドラバが格納されている図示しないサーバからダウンロードすることも可能である。また、本例においては、入力手段として、キーボード260、マウス270を例に挙げて説明するが、タッチパネルを設けてタッチパネルを介して入力を実行するようにしても良い。
【0044】
CPU201は、キーボード260あるいはマウス270と接続される入力制御部209を介してキーボード260あるいはマウス270の操作によるユーザからの指示を受取るとともにプログラムの実行によって生成される画面出力をディスプレイ制御部205に出力する。
【0045】
ディスプレイ制御部205は、画面出力をディスプレイ部250に出力する。
また、CPU201は、LANカード等からなるネットワークインターフェイスカード(NIC)207を介してLAN60(あるいはWAN等)に接続された画像形成装置10に対して印刷ジョブを送信する。
【0046】
また、上述の各部は内部バス203を介して相互データを授受する。
なお、PC100,102の各々の構成については同様であるのでその詳細な説明は繰返さない。
【0047】
図4を用いて、図3で示したPC100の本体部2000における印刷機能に係る処理構成を説明する機能ブロック図について説明する。
【0048】
図4を参照して、矩形の破線上にOSと記されているのは、矩形内の各構成要素が基本ソフトウェア(以下、OSと称する(例えば、ウインドウズ(R)))の構成要素であることを意味するものではなく、矩形内の構成要素がOS上で動作するものであるという意味で記したものである。
【0049】
上述したようにPC100の本体部2000には、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270と、表示手段としてのディスプレイ部250とが接続され、これにより1つのコンピュータシステムが実現されている。
【0050】
本体部2000は、ウインドウズ(R)等のOSの下で動作しているものとする。
本体部2000について、本発明に関する機能的な部分にのみ着目して、OS上での機能を大きく分類すると起動されたアプリケーションソフト2010、OSの一部であるグラフィックデバイスインターフェイス(以後、GDI)2020と、プリンタドライバ2030と、プリンタドライバ2030により生成されたデータを一時的に格納するプリントスプーラ2040とに分類される。
【0051】
なお、OSによってはこれらの名称や機能的な枠組は若干異なる場合があるが、たとえばGDIプリンタドライバと呼ばれるモジュールの名称はウインドウズ等の固有の名称であり、他のOSにおける同等の機能は、たとえば、グラフィックカーネルやプリントフィルタなどと呼ばれるモジュールで実現されている。また、プリントスプーラ2040においてもプリントキューと呼ばれるモジュールに処理を組込むことによって実現することが可能である。
【0052】
なお、一般的にこれらの構成要素からなる本体部2000は、図2に示したCPU201、HDD211、RAM212、ROM213等のハードウェアの下で基本ソフトと呼ばれるソフトウェア(BIOS)がその制御を司り、その基本ソフトの下で応用ソフト(アプリケーションソフト)が動作するような構成になっている。
【0053】
プリンタドライバ2030等もこの応用ソフトの1つとして位置付けられるものである。
【0054】
アプリケーションソフト2010は、たとえば、ワープロや表計算等の機能を実行するためのソフトウェアであり、基本ソフトウェア上で動作する応用ソフトウェアを指すものである。
【0055】
また、アプリケーションソフト2010は、任意のタイミングで複数起動することが可能でありこれらをアプリ2060として図示してある。
【0056】
次に、アプリケーションソフト2010として、任意の文章編集アプリケーションを使用した場合を例に説明する。
【0057】
アプリケーションソフト2010により文章あるいは図形等のイメージの編集作業を中心に行ない、そのイメージを印刷する場合には、ディスプレイ部250上に表示される印刷メニューをマウス270等によって選択して、印刷を実行することができる。
【0058】
次に、アプリケーションソフト2010は、基本ソフトの一部の機能であるGDI2020をコールする。このGDI2020は、画像表示や印刷出力等の表示デバイスや印刷デバイスを司る基本関数群であり、各社各様のアプリケーションソフトウェアはこの基本関数群を利用することで、機種(ハードウェア)に依存する部分を意識することなくアプリケーションソフトウェアを動作させることが可能である。
【0059】
そして、このGDI2020では、それぞれの印刷装置の機種に依存する情報を管理するプリンタドライバ2030から印刷デバイス(この場合は画像形成装置10)の持つ描画能力や印刷解像度などの情報を取込み、アプリケーションソフト2010からコールされたAPI(Application Program Interface)関数を処理し、その処理内容に応じてプリンタドライバ2030がGDI2020に対して提供する関数をコールする。
【0060】
この関数は予め決められたインターフェイス(Device Driver Interface(DDI))になっており、プリンタドライバの作成者は、このインターフェイスから実際の印刷装置へデータを出力するためのデータ変換を中心にしてプリンタドライバを作成することとなる。
【0061】
プリンタドライバ2030は、プリンタドライバ全体を統括するドライバコア2090と、ドライバGUI2100と、印刷データ生成部2070と、プリンタ制御コマンド生成部2080とで構成される。
【0062】
ドライバGUI2100は、設定表示部2110と、機能設定部2130との各モジュールにより構成される。
【0063】
設定表示部2110は、印刷環境設定をユーザに表示するための印刷設定画面を表示手段としてのディスプレイ部250に対して出力する。機能設定部2130は、印刷設定画面が表示された場合に、入力手段としてのキーボード260やポインティングデバイスとしてのマウス270からのユーザからの入力指示に従って印刷環境設定(単に印刷設定とも称される)を実行する。
【0064】
また、プリンタドライバ2030は、GDI2020から受取ったDDI情報と、ドライバGUI(Graphical User Interface)2100によって設定された印刷環境設定をもとに、印刷データ生成部2070において画像データに基づいて印刷データ(描画データ)の生成処理を実行するとともに、プリンタ制御コマンド生成部2080において、プリンタ制御コマンドの生成処理を行なう。
【0065】
そして、印刷実行指示に従い生成された印刷データ(描画データ)やプリンタ制御コマンドを印刷ジョブとしてプリントスプーラ2040に対して出力する。
【0066】
そして、これら印刷データやプリンタ制御コマンドで構成される印刷ジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。
【0067】
そして、画像形成装置10において、印刷ジョブに含まれるプリンタ制御コマンドに従う所定の処理が実行され、例えば印刷データが記録用紙に印刷されることになる。
【0068】
図5を用いて本発明の実施の形態1に従うドライバGUIの処理手順について説明する。
【0069】
図5を参照して、まず、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示があるかどうかを判断する(ステップS2)。
【0070】
具体的には、文書編集アプリケーションを起動し、新規文書を作成したり、保存されている文書ファイルを開いて編集したりする等の処理を行なった後、文書編集アプリケーションの備えている印刷処理機能を起動させて、印刷環境設定を実行するための印刷設定画面の起動指示入力があるかどうかを判断する。なお、印刷設定の起動指示については、起動ボタンを設けてユーザの操作により起動させたり、あるいは、文書編集アプリケーションの起動に合わせて起動させることも可能であり、当該起動方法については限定されない。
【0071】
そして、ステップS2において、ドライバコア2090は、印刷設定の起動指示が実行された場合、ドライバGUI2100の設定表示部2210に指示し、印刷初期設定画面を表示する(ステップS4)。なお、印刷設定の起動指示が実行された場合には、本例においては、予めプリセットされている初期設定情報が読み込まれ、当該初期設定情報に基づいて印刷初期設定画面が表示されるものとする。あるいは、前回時において、印刷処理が実行されていた場合には、当該印刷処理を実行した際の印刷設定情報を例えばHDD211等に保存しておいて、当該保存された印刷設定情報に基づいて印刷初期設定画面を表示するようにすることも可能である。
【0072】
図6を用いて、ドライバGUI2100の設定表示部2210によってディスプレイ部250に表示される印刷設定画面40を説明する。
【0073】
図6を参照して、印刷設定画面40においては、印刷環境設定に係る各種複数の設定項目を設定することが可能であり、具体的には、例えば、上部に設けられた設定項目毎に分類された複数のタブをポインティングデバイスであるマウス270あるいはキーボード260等により指定することにより各種の印刷環境に係る設定を実行することができる。
【0074】
各種タブあるいは設定項目等をマウス270等により指定することにより、たとえば印刷用紙の選択や画像品質あるいは印刷部数等を設定することが可能である。
【0075】
本例においては、一例として画像データの配置に関する「レイアウト」のタブが指定された場合の各種設定項目が表示されている。
【0076】
例えば、一例として、印刷種類の設定に関する項目ボタン116が示されており、ユーザは、当該項目ボタン116を指定することにより、例えばプルダウンメニューにより「片面」、「両面」等の設定を変更操作することが可能であるものとする。
【0077】
そして、モード設定の項目ボタン110が設けられており、当該モード設定の項目ボタン110において「ユーザ設定」モードが指定されている場合が示されている。したがって、後述するが、当該印刷設定画面40は、ユーザ設定モードにおける印刷設定画面に相当する。
【0078】
本実施の形態1においては、ポインティングデバイスであるマウス270を用いて当該モード設定の項目ボタン110を操作して、「ユーザ設定」モードに設定した場合について説明する。
【0079】
「ユーザ設定」モードは、デフォルトで定められた初期設定モードとは異なり、ユーザが独自に設定した規定のフォーマットに従う印刷設定が実行されたものである。本例においては、ユーザ操作により、予め「ユーザ設定」モードとして、規定のフォーマットとして印刷設定情報がHDD211等に格納されている場合を想定している。
【0080】
ここで、印刷設定画面40において、モード設定の追加の項目ボタン112と、モード設定の編集の項目ボタン114とが設けられている。例えば、ユーザがポインティングデバイスであるマウス270等によりモード設定の追加の項目ボタン112を指定することにより新たなモードを規定することが可能であるものとする。また、ユーザがポインティングデバイスであるマウス270等によりモード設定の編集の項目ボタン114を指定することにより、指定されているモード(ここでは「ユーザ設定」モード)の印刷設定情報を編集することが可能である。したがって、規定のフォーマットとして設定された「ユーザ設定」モードの印刷設定情報を変更したい場合には、当該編集の項目ボタン114とを指定することにより変更することが可能であるものとする。
【0081】
そして、印刷設定画面40の下領域において、印刷の実行を指示する印刷ボタン120が設けられている。ユーザがポインティングデバイスであるマウス270等により印刷ボタン120を指定することにより、印刷処理が実行される。
【0082】
本実施の形態1においては、ユーザが印刷設定画面40において、ユーザ設定モードに指定した場合における処理について説明するためその他のモード例えば通常のデフォルトで定められている設定モード等に設定されている場合の処理については省略する。
【0083】
再び、図5を参照して、次に、ドライバコア2090は、ユーザ設定モードの指示があったかどうかを判断する(ステップS6)。
【0084】
ステップS6において、ユーザ設定モードの指示が有った場合には、ユーザ設定モードにおける印刷設定画面を表示する(ステップS8)。具体的には、ドライバコア2090は、マウス270等の入力によるユーザ設定モードの指示の入力に従って、ドライバGUI2100に指示し、ドライバGUI2100の設定表示部2110は、予め格納されているユーザ設定モードにおける格納された印刷設定情報に基づいてユーザ設定モードにおける印刷設定画面を表示する。
【0085】
次に、ドライバコア2090は、ユーザによる印刷設定画面における印刷設定の変更操作の入力があるかどうかを判断する(ステップS10)。
【0086】
たとえば、図6で説明した印刷設定画面40において、ユーザがポインティングデバイスであるマウス270等で指定入力して、一例として、印刷種類の設定に関する項目ボタン116を指定することにより、例えばプルダウンメニューにより「片面」から「両面」に設定を変更操作することが可能であるものとする。
【0087】
そして、ステップS10において、変更操作が無いと判断された場合には、ステップS14にスキップする(ステップS10においてNO)。
【0088】
一方、ドライバコア2090は、マウス等あるいはキーボード等を指定入力することによって印刷設定の項目に関して変更操作が行なわれたと判断した場合には(ステップS10においてYES)、ドライバGUI2100の設定表示部2210に指示し、印刷設定画面の更新表示処理を実行する(ステップS12)。
【0089】
図7を用いて、本発明の実施の形態1に従う印刷設定画面の更新表示処理について説明する。
【0090】
図7を参照して、変更操作に応じて印刷設定画面における設定項目を更新して表示する(ステップS32)。
【0091】
具体的には、ドライバコア2090は、マウス270等の入力に従って、ドライバGUI2100に指示し、ドライバGUI2100の設定表示部2110は、指示された変更操作された設定項目を更新して印刷設定画面を表示する。また、ドライバGUI2100の機能設定部2130は、ドライバコア2090から指示された変更操作された設定項目に関する印刷設定情報に基づいて印刷に係る環境設定を実行する。
【0092】
次に、印刷設定が初期状態から変更された状態かどうかを判断する(ステップS34)。具体的には、機能設定部2130は、ユーザ設定モードにおける印刷設定情報と、変更操作された設定項目に関する印刷設定情報とを比較して、印刷設定が初期状態から変更された状態かどうかを判断する。そして、印刷設定が初期状態から変更された状態であると判断された場合には、テスト用印刷ボタンを表示する(ステップS40)。
【0093】
一方、印刷設定が初期状態から変更された状態ではないと判断された場合には、本番用印刷ボタンを表示する(ステップS42)。具体的には、機能設定部2130は、比較結果を設定表示部2110に出力し、設定表示部2110は、テスト用印刷ボタンあるいは本番用印刷ボタンを印刷設定画面に表示する。
【0094】
そして、再び、図5の処理に戻る(リターン)。
図8を用いて、本発明の実施の形態1に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面について説明する。
【0095】
図8を参照して、印刷設定画面40#は、図6で説明した印刷設定画面40と比較して、印刷種類の設定項目が「両面」に変更されている点が異なる。そして、印刷ボタン120がテスト印刷ボタン130に変更表示されている点が異なる。
【0096】
したがって、当該画面において、ユーザは、変更操作により、印刷ボタン120がテスト印刷ボタン130に変更表示されているため、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態ではなく、変更操作により初期状態から変更された印刷設定であることを視覚的に認識することが可能である。
【0097】
再び図5を参照して、印刷設定画面の更新表示処理の後(ステップS12の後)、ドライバコア2090は、テスト印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS16)。
【0098】
具体的には、テスト印刷実行指示は、例えば、印刷設定画面40#において、ユーザがテスト印刷ボタン130をマウス270等により指定したか否かで判断することが可能である。
【0099】
そして、ステップS16において、テスト印刷実行指示があったと判断された場合には、ドライバGUI2100における処理を終了する(エンド)。具体的には、印刷設定画面40#の表示を終了する。
【0100】
一方、ステップS16において、テスト印刷実行指示が無かったと判断された場合には、本番印刷実行指示が有るかどうかを判断する(ステップS20)。具体的には、本番印刷実行指示は、例えば、印刷設定画面40において、ユーザが印刷ボタン120をマウス270等により指定したか否かで判断することが可能である。
【0101】
そして、ステップS16において、テスト印刷実行指示があったと判断された場合には、ドライバGUI2100における処理を終了する(エンド)。具体的には、印刷設定画面40の表示を終了する。
【0102】
そして、上記のテストあるいは本番印刷実行指示が有った場合、ドライバコア2090は、設定された印刷設定情報および画像データを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力し、上述したように印刷ジョブとして、プリントスプーラ2040に対して出力される。そして、印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080で生成された印刷データやプリンタ制御コマンドで構成される印刷ジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において印刷処理が実行される。
【0103】
一方、ステップS20において、本番印刷実行指示が無いと判断された場合(ステップS20においてNO)には、再び、ステップS10に戻り、ユーザの変更操作の入力が有るかどうかが判断される。
【0104】
そして、上述の処理を繰り返す。
したがって、上述したようにユーザ設定モードにおける印刷設定画面40において、ユーザが印刷に係る環境設定を変更操作した場合に、例えば一例として、変更操作に従って印刷設定画面40#に更新され、印刷ボタン120は、テスト印刷ボタン130に変更表示される。それゆえ、ユーザは、印刷ボタン120がテスト印刷ボタン130に変更表示されているため、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態ではなく、変更操作により初期状態から変更された印刷設定であることを視覚的に認識することが可能である。
【0105】
また、再び、ユーザが印刷設定画面40#において、ユーザが印刷に係る環境設定を変更操作した場合に、例えば一例として、印刷種類の設定項目を「両面」から「片面」に変更した場合に、変更操作に従って印刷設定画面40に更新され、テスト印刷ボタン130は、印刷ボタン120に変更表示される。それゆえ、ユーザは、テスト印刷ボタン130が印刷ボタン120に変更表示されることにより、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態である印刷設定であることを視覚的に認識することが可能である。
【0106】
したがって、ユーザは、ユーザ設定モードからの変更操作を容易に把握することが可能であり、簡易な仕方でテスト印刷あるいは本番印刷を実行することが可能となりユーザにとって利便性の高い印刷を実行することができる。
【0107】
(実施の形態1の変形例1)
本発明の実施の形態1の変形例1においては、印刷設定画面の更新表示処理の別の例について説明する。なお、その他の点については、実施の形態1で説明したのと同様である。
【0108】
図9を用いて、本発明の実施の形態1の変形例1に従う印刷設定画面の更新表示処理について説明する。
【0109】
図9を参照して、図7の処理と比較して異なる点は、ステップS40をステップS40#に変更した点が異なる。
【0110】
ステップS40#において、、印刷設定が初期状態から変更された状態かどうかが判断されて、印刷設定が初期状態から変更された状態であると判断された場合には、本番用印刷ボタンとテスト用印刷ボタンとを表示する(ステップS40#)。そして、再び、図5の処理に戻る(リターン)。
【0111】
図10を用いて本発明の実施の形態1の変形例1に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面について説明する。
【0112】
図10を参照して、本発明の実施の形態1の変形例1に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面40#aは、図8で説明した印刷設定画面40#と比較して、下欄領域にテスト印刷ボタン135と、印刷ボタン120とが共に表示されている場合が異なる。その他の点については、図8で説明したのと同様である。
【0113】
したがって、上述したようにユーザ設定モードにおける印刷設定画面40において、ユーザが印刷に係る環境設定を変更操作した場合に、例えば一例として、変更操作に従って印刷設定画面40#aに更新され、印刷ボタン120とともに、テスト印刷ボタン135が表示される。それゆえ、ユーザは、テスト印刷ボタン135が表示されているため、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態ではなく、変更操作により初期状態から変更された印刷設定であることを視覚的に認識することが可能である。
【0114】
また、再び、ユーザが印刷設定画面40#aにおいて、ユーザが印刷に係る環境設定を変更操作した場合に、例えば一例として、印刷種類の設定項目を「両面」から「片面」に変更した場合に、変更操作に従って印刷設定画面40に更新され、印刷ボタン120のみが表示される。それゆえ、ユーザは、印刷ボタン120のみが表示されることにより、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態である印刷設定であることを視覚的に認識することが可能である。
【0115】
したがって、ユーザは、ユーザ設定モードからの変更操作を容易に把握することが可能であり、簡易な仕方でテスト印刷あるいは本番印刷を実行することが可能となりユーザにとって利便性の高い印刷を実行することができる。
【0116】
(実施の形態1の変形例2)
本発明の実施の形態1の変形例2においては、印刷設定画面の更新表示処理のさらに別の例について説明する。なお、その他の点については、実施の形態1で説明したのと同様である。
【0117】
図11を用いて、本発明の実施の形態1の変形例2に従う印刷設定画面の更新表示処理について説明する。
【0118】
図11を参照して、図7の処理と比較して異なる点は、ステップS40の後に、さらにステップS44を追加した点が異なる。
【0119】
ステップS40においてテスト用印刷ボタンが表示された後、次に、変更された設定項目ボタンについて、着色表示処理を実行する(ステップS44)。そして、再び、図5の処理に戻る(リターン)。
【0120】
図12を用いて本発明の実施の形態1の変形例2に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面について説明する。
【0121】
図12を参照して、本発明の実施の形態1の変形例2に従うユーザ設定モードにおける更新表示処理された印刷設定画面40#bは、図8で説明した印刷設定画面40#と比較して、印刷種類に関する設定の項目ボタン116が項目ボタン116#に変更されている場合が示されている。具体的には、他の項目ボタンと異なる色(例えば、青色、緑色等)に変更されている場合が示されている。
【0122】
その他の点については、図8で説明したのと同様である。
したがって、上述したようにユーザ設定モードにおける印刷設定画面40において、ユーザが印刷に係る環境設定を変更操作した場合に、例えば一例として、変更操作に従って印刷設定画面40#bに更新され、テスト印刷ボタン135が表示される。それゆえ、ユーザは、テスト印刷ボタン135が表示されているため、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態ではなく、変更操作により初期状態から変更された印刷設定であることを視覚的に認識することが可能である。
【0123】
また、その際、変更されている項目ボタンに色が着色されるため、変更されている箇所を視覚的に容易に認識することが可能である。
【0124】
また、再び、ユーザが印刷設定画面40#bにおいて、ユーザが印刷に係る環境設定を変更操作した場合に、例えば一例として、印刷種類の設定項目を「両面」から「片面」に変更した場合に、変更操作に従って印刷設定画面40に更新され、印刷ボタン120のみが表示される。それゆえ、ユーザは、印刷ボタン120のみが表示されることにより、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態である印刷設定であることを視覚的に認識することが可能である。
【0125】
したがって、ユーザは、ユーザ設定モードからの変更操作を容易に把握することが可能であり、簡易な仕方でテスト印刷あるいは本番印刷を実行することが可能となりユーザにとって利便性の高い印刷を実行することができる。
【0126】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては、印刷設定画面において、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態か否かを判別する方式について説明したが、実際のテスト印刷と本番印刷とが区別可能であれば、いずれの印刷であるかを容易に判断することが可能であり、ユーザにとって利便性が高い。
【0127】
図13を用いて、本発明の実施の形態2に従う本番印刷とテスト印刷における印刷処理について説明する。
【0128】
図13を参照して、ここでは、PC100から画像形成装置10に対して印刷ジョブを送信した場合に印刷処理される本番印刷とテスト印刷の一例が示されている。
【0129】
具体的には、PC100から印刷ジョブに含まれる印刷データ1001が送信された場合に、本番印刷において印刷処理された印刷物1002と、テスト印刷において印刷データ1001が2イン1により印刷処理された印刷物1003とが示されている。
【0130】
そして、本例においては、印刷物1003において「TESTPRINT」と表示される画像データが合成された表示で印刷された場合が示されている。
【0131】
具体的には、テスト印刷実行指示が有った場合、ドライバコア2090は、設定された印刷設定情報および画像データを印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080に出力する。本発明の実施の形態2に従う方式においては、印刷データ生成部2070は、テスト印刷実行指示が有った場合には、アプリケーション上で作成された画像データに対してテスト用の印刷であることを示す画像データを合成した合成データに対して印刷データを生成するものとする。
【0132】
そして、上述したように印刷ジョブとして、プリントスプーラ2040に対して出力される。そして、印刷データ生成部2070、プリンタ制御コマンド生成部2080で生成された印刷データやプリンタ制御コマンドで構成される印刷ジョブは、プリントスプーラ2040からNIC207を介して画像形成装置10へと出力される。画像形成装置10において上記で説明した印刷処理が実行されるものとする。
【0133】
当該テスト印刷において、印刷物にテスト用の画像データが付加されて印刷処理されることにより、ユーザは容易にテスト印刷であることを把握することが可能であり、ユーザにとって利便性の高い印刷を実行することができる。
【0134】
(実施の形態3)
上記の実施の形態1においては、印刷設定画面において、現在の印刷設定がユーザ設定モードにおける初期状態か否かを判別する方式について説明したが、テスト印刷実行指示後、再度、印刷設定画面を表示する方式について説明する。
【0135】
図14を用いて、本発明の実施の形態3に従う印刷設定画面の再表示の処理について説明する。
【0136】
図14を参照して、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有ったかどうかを判断する(ステップS52)。ステップS52において、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有ったと判断された場合には、ドライバGUI2100の設定表示部2110に指示し印刷設定画面の表示を終了する、すなわち、印刷設定画面を非表示にする(ステップS54)。
【0137】
そして、次に、ドライバコア2090は、印刷実行指示がテスト印刷の実行であるかどうかを判断する(ステップS56)。ステップS56において、ドライバコア2090は、印刷実行指示がテスト印刷の実行であると判断した場合には、ドライバGUI2100の設定表示部2110に指示し、印刷設定画面を再表示する(ステップS58)。そして、処理を終了する(エンド)。一方、ステップS56において、印刷実行指示がテスト印刷の実行ではなく、本番印刷の実行指示である場合には、そのまま処理を終了する(エンド)。
【0138】
なお、本例においては、一例として、再表示される印刷設定画面は、テスト印刷の際に設定されていた印刷設定情報に基づく印刷設定画面であるものとする。
【0139】
図15を用いて、本発明の実施の形態3に従うテスト印刷における印刷設定画面の再表示について説明する。
【0140】
図15を参照して、ここでは、PC100において、印刷設定画面1500がテスト用印刷の開始後、非表示となる場合が示されている。そして、再び、印刷設定画面1510が再表示される場合が示されている。
【0141】
当該処理により、テスト印刷実行指示後には、本番印刷あるいは再度、テスト印刷を実行することになるため印刷設定画面が再表示されることにより、ユーザは、再度、印刷設定の起動を指示して印刷設定画面を立ち上げる処理を省くことが可能となり、ユーザにとって利便性が高い。
【0142】
また、一度、印刷設定画面が非表示となることにより、印刷の実行指示がなされたことをユーザは容易に把握することが可能であり、ユーザにとって利便性の高い印刷を実行することができる。
【0143】
(実施の形態3の変形例)
図16を用いて、本発明の実施の形態3の変形例に従う印刷設定画面の再表示の処理について説明する。
【0144】
図16を参照して、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有ったかどうかを判断する(ステップS52)。ステップS52において、ドライバコア2090は、印刷実行指示が有ったと判断された場合には、ドライバGUI2100の設定表示部2110に指示し印刷設定画面の表示を終了する、すなわち、印刷設定画面を非表示にする(ステップS54)。
【0145】
そして、次に、ドライバコア2090は、印刷実行指示がテスト印刷の実行であるかどうかを判断する(ステップS56)。ステップS56において、印刷実行指示がテスト印刷の実行であると判断した場合には、次に、テスト印刷が正常終了したかどうかを判断する(ステップS57)。
【0146】
具体的には、PC100から印刷ジョブが画像形成装置10に送信され、画像形成装置10は、印刷ジョブの印刷処理が当該装置において正常に終了した、あるいはエラー処理で終了した場合には、PC100に対して印刷処理が正常あるいはエラー処理で終了したことを通知する。
【0147】
PC100は、画像形成装置10から送信される印刷処理が終了したことを示す通知信号を検知する。
【0148】
ドライバコア2090は、画像形成装置10から送信された通知信号に従って、テスト印刷が正常終了したと判断された場合には、ドライバコア2090は、ドライバGUI2100の設定表示部2110に指示し、印刷設定画面を再表示する(ステップS58)。そして、処理を終了する(エンド)。また、ステップS57においてテスト印刷が正常終了しなかった場合には、処理を終了する(エンド)。
【0149】
一方、ステップS56において、印刷実行指示がテスト印刷の実行ではなく、本番印刷の実行指示である場合には、そのまま処理を終了する(エンド)。
【0150】
当該処理により、テスト印刷実行指示後には、本番印刷あるいは再度、テスト印刷を実行することになるため印刷設定画面が再表示されることにより、ユーザは、再度、印刷設定の起動を指示して印刷設定画面を立ち上げる処理を省くことが可能となり、ユーザにとって利便性が高い。
【0151】
そして、本例の場合には、印刷設定画面の再表示処理により、テスト印刷が正常終了したことを容易に把握することが可能であり、ユーザにとって利便性の高い印刷を実行することができる。
【0152】
なお、上記においては、一例として、再表示される印刷設定画面は、テスト印刷の際に設定されていた印刷設定情報に基づく印刷設定画面である場合について説明したが、再表示される印刷設定画面を本番印刷の際の規定のフォーマットとして設定される印刷設定情報に基づいて表示させるようにすることも可能である。
【0153】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0154】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0155】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0156】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0157】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0158】
10 画像形成装置、11 画像入力部、12 画像出力部、13 画像メモリ部、15 操作/表示部、16 メーラ、17 制御部、18,213 ROM、19,212 RAM、20 通信部、21 外部インターフェース部、22 ファイル変換部、60 LAN、100,102 PC、201 CPU、203 内部バス、205 ディスプレイ制御部、207 NIC、209 入力制御部、211 HDD、215 CD−ROMドライブ、217 FDDドライブ、250 ディスプレイ部、260 キーボード、270 マウス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置であって、
前記画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す所定の印刷設定情報が設定された印刷設定画面を表示する印刷設定画面表示手段と、
前記印刷設定画面におけるユーザ操作に従って前記所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付ける印刷設定変更受付手段と、
前記印刷情報受付手段により前記所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けた場合に更新された前記印刷設定画面を表示する印刷設定画面更新手段とを備え、
前記印刷設定画面更新手段は、前記所定の印刷設定情報を設定するための印刷設定画面に表示されていた本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンに変更する、情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷設定画面更新手段は、前記本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンとともに表示する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定画面には、ユーザ操作に従って前記所定の印刷設定情報の変更が可能な複数の設定選択項目が表示され、
前記印刷設定画面更新手段は、前記印刷設定変更受付手段により変更が受け付けられた設定選択項目の表示を変更する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザ操作に従って前記印刷設定画面において前記テスト印刷ボタンの実行が指示された場合に、前記画像データに対してテスト用の印刷であることを示す画像データを合成する画像データ合成手段と、
前記画像データ合成手段により合成された画像データを含む印刷ジョブを前記画像形成装置に転送する印刷ジョブ転送手段とをさらに備える、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザ操作に従って前記印刷設定画面において前記テスト印刷ボタンの実行が指示された場合に印刷設定画面を再表示する印刷設定画面再表示手段をさらに備える、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ操作に従って前記印刷設定画面において前記テスト印刷ボタンの実行が指示された場合に前記画像形成装置における前記テスト用の印刷の完了を検知する印刷完了検知手段と、
前記印刷設定画面再表示手段は、前記印刷完了検知手段により前記画像形成装置における前記テスト用の印刷の完了が検知された場合に、前記印刷設定画面を再表示する、請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記印刷設定画面再表示手段は、前記テスト印刷ボタンの実行が指示された場合に設定されていた前記印刷設定画面を再表示する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の制御方法であって、
前記画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す所定の印刷設定情報が設定された印刷設定画面を表示するステップと、
前記印刷設定画面におけるユーザ操作に従って前記所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けるステップと、
前記設定の変更を受け付けるステップにより前記所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けた場合に更新された前記印刷設定画面を表示するステップとを備え、
前記更新された印刷設定画面を表示するステップは、前記所定の印刷設定情報を設定するための印刷設定画面に表示されていた本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンに変更する、情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像データを印刷するために画像形成装置へ転送する情報処理装置の前記コンピュータに、
前記画像データの印刷を実行する際に、前記画像データに関連づけられて転送される、前記画像データの前記画像形成装置における印刷の態様を示す所定の印刷設定情報が設定された印刷設定画面を表示するステップと、
前記印刷設定画面におけるユーザ操作に従って前記所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けるステップと、
前記設定の変更を受け付けるステップにより前記所定の印刷設定情報の設定の変更を受け付けた場合に更新された前記印刷設定画面を表示するステップとの処理を実行させ、
前記更新された印刷設定画面を表示するステップは、前記所定の印刷設定情報を設定するための印刷設定画面に表示されていた本番用の印刷の実行を指示する印刷ボタンをテスト用の印刷を実行するテスト印刷ボタンに変更する、処理を実行させる、情報処理装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−218342(P2010−218342A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65512(P2009−65512)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】