説明

情報処理装置、接続方法、およびプログラム

【課題】情報処理装置に新たなコネクタを追加することなく、未実装のインターフェースを追加する。
【解決手段】情報処理装置は、第1機器が装着されると、第1検出端子を含む端子列を介して機器に接続される第1制御装置と、第2制御装置と、第2機器が装着されると、第1検出端子を介して第2機器の第1検出信号を検出し、第1検出信号に基づいて第2機器を前記第2制御装置に接続する接続制御装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と機器との接続に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ等は、種々の機器を装着するためのインターフェースを有する。このようなインターフェースは、通常、装着部、コネクタ、および制御部を含む。装着部は、ベイ、あるいはスロットとも呼ばれ、機器を装着する空間を提供する。情報処理装置側のコネクタは、ホスト側コネクタとも呼ばれ、相手方となる機器側コネクタと接続される。接続されたコネクタを通じて情報処理装置と機器との間で電気信号、あるいは電力等が入出力される。インターフェースに含まれる制御部は、情報処理装置のCentral Processing Unit(CPU)等の管理下で、コネクタを介し
て入出力される電気信号により、装着部に装着された機器を制御する。このようなインターフェースとしては、ベイインターフェースを例示できる。以下、ベイインターフェースに接続される機器をベイデバイスと呼ぶ。また、ベイデバイスを装着する装着部をベイ構造という。
【0003】
図1、図2に、従来のベイインターフェースの構成を例示する。図1は、従来のベイ構造を有するノート型のパーソナルコンピュータとベイデバイスを例示する図である。また、図2は、従来のベイインターフェースの構成を例示する図である。以下、パーソナルコンピュータをPCと呼ぶ。
【0004】
図1、図2に示すように、PC350はベイ構造301を有する。ベイ構造301に挿抜できるベイデバイスとして、光ドライブ、ハードディスク、バッテリ等を例示できる。以下、図1、図2に例示されるこれらのデバイスをベイドライブ302、ベイハードディスク303、ベイバッテリ304と称する。ベイ構造301は、装着部とも呼ばれ、複数種類のベイデバイスの中から選択的に1個のベイデバイスを装着可能である。
【0005】
ベイドライブ302とベイハードディスク303はSerial Advanced Technology Attachment(SATA、シリアルエーティーエーとも呼ぶ)規格のインターフェースを有する
。そして、ベイドライブ302とベイハードディスク303には、SATA規格コネクタ305が実装されている。以下、SATA規格コネクタを単にSATAコネクタという。ベイドライブ302とベイハードディスク303は、SATAコネクタ305により、PC350に接続され、図2のようにインターフェース信号309を授受する。また、ベイバッテリ304にはバッテリ規格コネクタ306が実装されている。以下、バッテリ規格コネクタを単にバッテリコネクタという。ベイバッテリ304は、バッテリコネクタ306により、PC350に接続され、図2のインターフェース信号311を授受する。
【0006】
一方、ベイドライブ302、ベイハードディスク303、ベイバッテリ304に対応するPC350は、本体内部にメインボード307を有する。メインボード307には、第1のコネクタとしてSATAコネクタ305が、第2のコネクタとしてバッテリコネクタ306がそれぞれ実装されている。したがって、ベイ構造301にベイドライブ302、もしくはベイハードディスク303が挿入された場合には、ベイドライブ302、もしくはベイハードディスク303はSATAコネクタ305経由でメインボード307上のSATAコントローラ308と接続を確立し、信号、あるいは電力の授受が可能となる。また、ベイ構造301にベイバッテリ304が挿入された場合には、ベイバッテリ304は、バッテリコネクタ306経由でメインボード307上のバッテリコントローラ310と接続を確立し、信号、あるいは電力の授受が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−309771号公報
【特許文献2】特開平9−237141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、ベイ構造等、情報処理装置のスロットに、SATA等の種々のインターフェースの規格にしたがったコネクタを設けていた。そして、対応するコネクタを有する機器をスロットに装着することにより、種々の機器が情報処理装置に接続され、利用されていた。
【0009】
しかし、従来の技術では、情報処理装置に、未実装のインターフェースをサポートする場合、新たなコネクタを追加することになる。そして、新たなコネクタの追加により、例えば、情報処理装置の寸法、コストの上昇、新たなコネクタを実装することによる設計の手間等、種々の問題が生じる。開示の技術の課題は、情報処理装置に新たなコネクタ等、端子を追加することなく、未実装のインターフェースをサポートできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示の技術の一側面は、情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、第1機器が装着されると、第1検出端子を含む端子列を介して機器に接続される第1制御装置と、第2制御装置と、第2機器が装着されると、第1検出端子を介して第2機器の第1検出信号を検出し、第1検出信号に基づいて第2機器を前記第2制御装置に接続する接続制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本情報処理装置によれば、情報処理装置に新たな端子を追加することなく、未実装のインターフェースを追加できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ベイ構造を有するノート型のパーソナルコンピュータとベイデバイスを例示する図である。
【図2】ベイインターフェースの構成を例示する図である。
【図3】情報処理装置と情報処理装置に接続可能な機器の外観構成を例示する図である。
【図4】情報処理装置と機器とのインターフェースを例示する図である。
【図5】情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
【図6】ベイ構造にSATAデバイスを装着する場合と、USBインターフェース、デバイス検出信号および輝度制御信号を有するデバイスを装着する場合におけるSATAコネクタの信号経路を例示する図である。
【図7】ベイ構造にバッテリを装着する場合と、USBインターフェース、デバイス検出信号および輝度制御信号を有するデバイスを装着する場合におけるバッテリコネクタの信号経路を例示する図である。
【図8】バッテリコントローラの内部回路の構成を例示する図である。
【図9】SATAデバイスを接続した場合の情報処理装置の処理を例示する図である。
【図10】ベイプロジェクタを接続した場合の情報処理装置の処理を例示する図である。
【図11】ベイバッテリを接続した場合の情報処理装置の処理を例示する図である。
【図12】変形例1に係る情報処理装置と機器とのインターフェースの構成を例示する図である。
【図13】変形例2に係る情報処理装置と機器とのインターフェースの構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、一実施形態に係る情報処理装置について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本情報処理装置は実施形態の構成には限定されない。
【実施例1】
【0014】
図3から図11の図面を参照して、実施例1に係る情報処理装置を説明する。図3は、実施例1に係る情報処理装置50と情報処理装置50に接続可能な機器の外観構成を例示する図である。図3において、情報処理装置50は、ノート型のPCで例示されている。しかしながら、情報処理装置50がノート型のPCに限定される訳ではなく、例えば、携帯情報端末、タブレット型PC、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、
スマートフォン、デスクトップPC、サーバ等でもよい。
【0015】
情報処理装置50は、筐体の内部にメインボード7と、メインボード7に接続される機器を装着可能なベイ構造1を有する。メインボード7は、例えば、種々の情報処理を実行し、情報処理装置の機能を提供する。また、メインボード7は、各種機器へのインターフェース等を搭載する。一方、ベイ構造1は、装着部とも呼ばれ、複数種類の機器の中から選択的に1個の機器を装着可能である。ただし、ベイ構造1内に、複数個の機器を装着可能としてもよい。
【0016】
図3では、選択可能な機器として、ベイドライブ2、ベイハードディスク3、ベイバッテリ4、およびベイプロジェクタ12が例示されている。例えば、ベイドライブ2は光ディスクドライブ、ベイハードディスク3はハードディスクドライブ、ベイバッテリ4はバッテリパック、およびベイプロジェクタ12はプロジェクタである。ベイドライブ2、ベイハードディスク3、ベイバッテリ4の筐体寸法は、ほぼ同一で、ベイ構造1に装着可能な寸法となっている。また、ベイプロジェクタ12は、ベイ構造1に装着される第1の筐体12Aと、第1の筐体12Aとヒンジ部によって傾き調整可能に接続される第2の筐体12Bとを有する。以下、ベイ構造1内に装着可能な機器をベイデバイスという。ベイバッテリ4が第1機器の一例である。ベイプロジェクタ12が第2機器の一例である。
【0017】
第1の筐体12Aには、例えば、光源の輝度等を調整するプロジェクタ制御部と、プロジェクタ制御部を情報処理装置50のメインボード7に接続するコネクタ等が内蔵される。一方、第2の筐体12Bには、ベイプロジェクタ12の光源、レンズ等を含む光学系が内蔵される。
【0018】
図4に、情報処理装置50と各種機器とのインターフェースの構成を例示する。情報処理装置50のメインボード7には、SATAコントローラ8、バッテリコントローラ10、Universal Serial Bus(USB)コントローラ14等の各種コントローラが搭載されている。バッテリコントローラ10が第1制御装置の一例である。また、USBコントローラ14が第2制御装置の一例である。さらに、SATAコントローラ8が第3制御装置の一例である。
【0019】
また、メインボード7には、ホスト側のSATAコネクタ5A、ホスト側のバッテリコネクタ6Aが搭載されている。さらに、メインボード7上には、General Purpose Input/Output(GPIO、汎用入出力)コントローラ18、GPIOコントローラ18によって接続を制御されるスイッチ13が設けられている。GPIOコントローラ18が接続制御
装置の一例である。そして、スイッチ13は、GPIOコントローラ18の制御信号にしたがいホスト側のSATAコネクタ5Aの各端子をSATAコントローラ8およびUSBコントローラ14のいずれかに接続する。
【0020】
また、ホスト側のバッテリコネクタ6Aの端子列は、バッテリコントローラ10に接続されている。ただし、ホスト側のバッテリコネクタ6Aの1つの端子に接続されるバッテリ信号線兼用のベイプロジェクタ信号線(以下、単に信号線)17Bは、分岐してバッテリコントローラ10とGPIOコントローラ18に接続される。すなわち、信号線17Bから分岐した一方の分岐線がバッテリコントローラ10に接続されている。また、信号線17Bから分岐した他方の分岐線がGPIOコントローラ18に接続される。すなわち、ホスト側のバッテリコネクタ6Aの1つの端子に接続される信号線17Bは、バッテリコントローラ10用のインターフェース信号を伝送する役割と、GPIOコントローラ18用のインターフェース信号を伝送する役割を有する。
【0021】
GPIOコントローラ18には、信号線17Bからの分岐線を通じて、ベイ構造1にベイプロジェクタ12が装着されたか否かを示すベイプロジェクタ検出信号16が伝送される。なお、ベイプロジェクタ検出信号16は、ベイプロジェクタ12から機器側のバッテリコネクタ6Bを通じて出力される信号である(一点鎖線L15−2)。GPIOコントローラ18は、ベイプロジェクタ検出信号16が通知され、ベイプロジェクタ12が装着されたと認識した場合には、スイッチ13によって、SATAコネクタ5の端子列のうち、ベイプロジェクタ12用に流用される端子をUSBコントローラ14に接続する(一点鎖線L15−1、L15−3)。
【0022】
一方、ベイ構造1にベイドライブ2、ベイハードディスク3が装着された場合には、ベイプロジェクタ検出信号16が通知されない。この場合、実施例1の情報処理装置50では、GPIOコントローラ18が、さらに、SATAデバイス検出信号(L9−2)により、SATAデバイスの接続を認識すると、GPIOコントローラ18は、スイッチ13によって、SATAコネクタ5Aの端子列をそのままSATAコントローラ8に接続する(破線L9−1、L9−3)。以下、ベイドライブ2、ベイハードディスク3のように、SATAで情報処理装置50に接続される機器をSATAデバイスと呼ぶ。SATAデバイスが第3機器の一例である。
【0023】
さらに、GPIOコントローラ18がベイプロジェクタ12、およびSATAデバイスの両方を認識できない場合には、GPIOコントローラ18は、スイッチ13を遮断とする。
【0024】
GPIOコントローラ18によるスイッチの13の切替の詳細は、以下の通りである。すなわち、ベイドライブ2、ベイハードディスク3には、機器側のSATAコネクタ5Bが設けられている。さらに、ベイバッテリ4には、機器側のバッテリコネクタ6Bが設けられている。
【0025】
したがって、ベイドライブ2、あるいはベイハードディスク3をベイ構造1に装着すると、機器側のSATAコネクタ5Bがホスト側のSATAコネクタ5Aに結合され、機器側のSATAコネクタ5B内の端子列と、ホスト側のSATAコネクタ5A内の端子列とが電気信号を授受可能に接続される。以下、ホスト側のSATAコネクタ5Aと、機器側のSATAコネクタ5Bとを総称する場合には、SATAコネクタ5という。ホスト側のSATAコネクタ5Aが第2コネクタの一例である。また、機器側のSATAコネクタ5Bが第3機器コネクタの一例である。SATAコネクタ5が第3機器を第3制御装置に接続するコネクタの一例である。
【0026】
同様に、ベイバッテリ4をベイ構造1に装着すると、機器側のバッテリコネクタ6Bがホスト側のバッテリコネクタ6Aに結合され、機器側のバッテリコネクタ6B内の端子列と、ホスト側のバッテリコネクタ6A内の端子列とが電気信号を授受可能に接続される。以下、ホスト側のバッテリコネクタ6Aと、機器側のバッテリコネクタ6Bとを総称する場合には、バッテリコネクタ6という。ホスト側のバッテリコネクタ6Aが第1コネクタの一例である。また、機器側のバッテリコネクタ6Bが第1機器コネクタの一例である。
【0027】
さらに、ベイプロジェクタ12には、機器側のSATAコネクタ5Bと、機器側のバッテリコネクタ6Bとが設けられている。したがって、ベイプロジェクタ12の第1の筐体12Aをベイ構造1に装着すると、機器側のSATAコネクタ5Bがホスト側のSATAコネクタ5Aに結合されるとともに、機器側のバッテリコネクタ6Bがホスト側のバッテリコネクタ6Aに結合される。すなわち、ベイプロジェクタ12は、機器側のSATAコネクタ5Bと機器側のバッテリコネクタ6Bとによって、ホスト側のSATAコネクタ5Aとホスト側のバッテリコネクタ6Aの両方に接続可能である。ベイプロジェクタ12に設けられる機器側のSATAコネクタ5Bが第4機器コネクタの一例である。ベイプロジェクタ12に設けられる機器側のバッテリコネクタ6Bが第2機器コネクタの一例である。
【0028】
そして、ベイプロジェクタ12は、機器側のSATAコネクタ5B、ホスト側のSATAコネクタ5A、およびスイッチ13を通じて、USBコントローラ14に接続される。その際、GPIOコントローラ18は、機器側のバッテリコネクタ6B、ホスト側のバッテリコネクタ6A、および信号線17Bから分岐した分岐線を通じて、ベイプロジェクタ検出信号16を検出する。信号線17Bが分岐してGPIOコントローラ18に接続する分岐線は、ベイプロジェクタ12がベイ構造1に装着されたときに使用される。なお、信号線17Bが分岐してバッテリコントローラ10に接続する分岐線は、バッテリコントローラ10がベイバッテリを制御するときに使用される。
【0029】
GPIOコントローラ18は、ベイプロジェクタ検出信号16が通知されると、スイッチ13を制御し、ホスト側のSATAコネクタ5Aの端子列のうち、ベイプロジェクタ12に流用される端子をUSBコントローラ14に接続する(一点鎖線L15−1、L15−3)。
【0030】
ベイ構造1に、ベイドライブ2、あるいはベイハードディスク3等のSATAデバイスが装着されている場合には、ホスト側のバッテリコネクタ6Aには、機器側のコネクタが接続されない。このため、GPIOコントローラ18は、ベイプロジェクタ検出信号16を検出せず、ベイプロジェクタ12の接続を認識しない。しかしながら、SATAデバイスからのSATAデバイス検出信号(破線L9−2)がSATAコネクタ5Aを介して、GPIOコントローラ18に通知される。その結果、GPIOコントローラ18は、SATAデバイスの接続を認識する。そこで、GPIOコントローラ18は、スイッチ13により、ホスト側のSATAコネクタ5Aのすべての端子をそのままSATAコントローラ8に接続する(L9−1、L9−3)。
【0031】
また、ベイ構造1に、ベイバッテリ4が装着された場合には、ホスト側のSATAコネクタ5Aには、機器側のSATAコネクタ5Bが接続されない。この場合、ホスト側のSATAコネクタ5Aは、開放状態となる。したがって、GPIOコントローラ18は、ホスト側のSATAコネクタ5Aの開放状態に基づき、スイッチ13を遮断する。また、ベイバッテリ4が装着された場合には、SATAデバイス検出信号およびベイプロジェクタ検出信号16のいずれも、GPIOコントローラ18に通知されない。この場合、実施例1では、スイッチ13は、遮断状態となる。一方、バッテリコネクタ6は、バッテリコントローラ10と接続される(点線L11−1、L11−2)。なお、実線17AはSAT
A信号線兼用のベイプロジェクタ信号線を示す。また、実線17Bは、バッテリ信号線兼用のベイプロジェクタ信号線を示す。
【0032】
図5に、情報処理装置50のハードウェア構成を例示する。情報処理装置50は、筐体内のメインボード7上に、CPU71、メモリ72、表示部73、記憶部74、ROM(Read Only Memory)等のBasic Input/Output System(BIOS)記憶部75、ベイデバイス電源制御回路76を有する。さらに、情報処理装置50は、メインボード7上のチップセットに、SATAコントローラ8、USBコントローラ14、およびGPIOコントローラ18を有する。さらに、情報処理装置50は、メインボード7上に、バッテリコントローラ10、スイッチ13、ホスト側のSATAコネクタ5Aおよびホスト側のバッテリコネクタ6Aを有する。また、図5では、機器側のSATAコネクタ5Bおよび機器側のバッテリコネクタ6Bを有するベイデバイスが例示されている。
【0033】
CPU71は、RAM等のメモリ72上に実行可能にロードされたコンピュータプログラム、あるいはBIOS記憶部75に記憶されたBIOSを実行し、情報処理装置50の機能を提供する。
【0034】
メモリ72は、主記憶装置とも呼ばれ、CPU71で実行されるコンピュータプログラム、あるいは、CPU71が処理するデータ等を記憶する。表示部73は、チップセットを通じてCPU71から制御信号を受け、図示しない表示装置上にデータを表示する。記憶部74は、外部記憶装置とも呼ばれ、例えば、ハードディスクとハードディスク駆動装置を含む。ただし、記憶部74は、SSD(Solid State Device)等であってもよい。
【0035】
BIOSは、情報処理装置50の周辺機器を制御するための基本的なプログラムの集合をいう。BIOSは、OS(Operating System)あるいはアプリケーションプログラム等に、周辺機器への入出力機能を提供する。
【0036】
チップセット内のSATAコントローラ8は、スイッチ13およびSATAコネクタ5(5A、5B)を通じて接続されるベイデバイス、例えば、図3、図4のベイドライブ2、ベイハードディスク3等のSATAで接続される機器を制御する。
【0037】
また、バッテリコントローラ10は、バッテリコネクタ6(6A、6B)を通じて図3、図4に示したベイバッテリ4を制御する。バッテリコントローラ10は、例えば、バッテリコネクタ6を通じてベイバッテリ4が接続されているか否かを判定する。そして、バッテリコントローラ10は、ベイバッテリ4の充放電、情報処理装置50への電源供給を制御する。
【0038】
一方、USBコントローラ14は、一般的には、USBで接続される機器を制御する。以下、USBインターフェースを利用する機器をUSBデバイスという。ただし、実施例1の情報処理装置50では、USBコントローラ14は、スイッチ13およびSATAコネクタ5(5A、5B)を通じてベイデバイス、例えば、図3、図4のベイプロジェクタ12その他の機器と接続される。
【0039】
GPIOコントローラ18は、SATAコネクタ5、バッテリコネクタ6を通じて接続されるベイデバイス、スイッチ13等を制御する。GPIOコントローラ18は、例えば、SATAコネクタ5、あるいはバッテリコネクタ6を通じて取得する信号から、ベイデバイスとして接続されている機器の種類を判定する。GPIOコントローラ18は、例えば、SATAコネクタ5に接続されるデバイスがSATAデバイスの場合に、SATAコネクタ5の信号線からSATAデバイス検出信号を取得し、SATAデバイス接続の有無を判定する。同様に、GPIOコントローラ18は、例えば、バッテリコネクタ6の信号
線からベイプロジェクタ検出信号16を取得した場合に、ベイデバイスとしてベイプロジェクタ12が接続されていることを判定する。なお、ベイプロジェクタ12以外のUSBデバイスについても、GPIOコントローラ18は、ベイプロジェクタ検出信号16により、接続の有無を判定してもよい。したがって、ベイプロジェクタ検出信号16をUSBデバイス検出信号と呼んでもよい。
【0040】
そして、ベイデバイスとして、ベイドライブ2、ベイハードディスク3等のSATAデバイスが接続されている場合には、GPIOコントローラ18は、スイッチ13により、SATAコネクタ5をSATAコントローラ8に接続する。また、ベイデバイスとして、ベイプロジェクタ12等のUSBデバイスが接続されている場合には、GPIOコントローラ18は、スイッチ13により、SATAコネクタ5の端子列のうち、USBとして流用される端子をUSBコントローラ14に接続する。したがって、バッテリコネクタ6を通じたベイデバイスの検知とスイッチ13の切替により、GPIOコントローラ18は、SATAコネクタ5およびバッテリコネクタ6の組み合わせをUSBコネクタとして機能させる。
【0041】
さらに、GPIOコントローラ18は、電源制御GPIO信号により、ベイデバイス電源制御回路76を制御し、SATAコネクタ5を通じてベイデバイスに電源供給を行う。
【0042】
メインボード7と、SATAデバイス(ベイドライブ2、ベイハードディスク3等)とは、ホスト側のSATAコネクタ5Aと機器側のSATAコネクタ5Bとを通じて接続される。また、メインボード7と、ベイバッテリ4とは、ホスト側のバッテリコネクタ6Aと機器側のバッテリコネクタ6Bとを通じて接続される。さらに、実施例1においては、SATAデバイス、およびベイバッテリに加えて、新たなベイデバイスを既存のSATAコネクタ5およびバッテリコネクタ6を用いて接続する。新たなベイデバイスとしては、USBデバイスを例示できる。USBデバイスの典型例としては、図3、図4に例示するベイプロジェクタ12を挙げることができる。ただし、新たに接続するベイデバイスは、ベイプロジェクタ12に限定される訳ではない。例えば、新たなベイデバイスとして、空気清浄機、テンキー、タッチパッド、無線通信インターフェース等を例示できる。
【0043】
図6に、ベイ構造1にSATAデバイスを装着する場合と、USBインターフェース、デバイス検出信号および輝度制御信号を有するデバイスを装着する場合におけるSATAコネクタ5の信号経路を例示する。
【0044】
図6では、ホスト側のSATAコネクタ5Aを例に、端子列に含まれる端子の種類が明示されている。図6の例では、SATAコネクタ5は、13個の端子を有する。このうち、S1−S7で示される端子は、信号セグメントと呼ばれ、主として、電気信号の授受に用いられる。S1端子−S7端子のうち、S1端子、S4端子およびS7端子は接地端子である。また、S2端子とS3端子は、例えば、ホスト側(例えば、SATAコントローラ8)から機器側(例えば、ベイドライブ2)に送信される送信用差動信号のペア線の端子対である。逆に、S5端子とS6端子は、例えば、機器側からホスト側に送信される受信用差動信号のペア線の端子対である。図6の接続例では、S2端子、S3端子、S5端子、S6端子は、通常の接続仕様にしたがって、SATAコントローラ8に接続される。
【0045】
また、ホスト側のSATAコネクタ5Aの13個の端子のうち、P1−P6で示される端子は、電源セグメントと呼ばれ、SATAの仕様では主として、電源供給に用いられる。P1端子−P6端子のうち、P5端子、P6端子は、接地端子である。また、P2端子、P3端子は、電源供給端子(PW)であり、例えば、+5vの電源がベイ電源23から供給される。
【0046】
また、P1端子は、DP端子と呼ばれ、SATAの仕様では主として、デバイス検出に用いられる。すなわち、P1端子には、SATAデバイスが接続されているか否かを示すSATAデバイス検出信号24が機器側(例えば、ベイドライブ2)から供給される。すなわち、P1端子は、GPIOコントローラ18のSATAデバイス検出端子24Aに接続され、SATAデバイス検出信号24をGPIOコントローラ18に通知する。さらに、P4端子は、MD端子と呼ばれ、SATAの仕様では主として、製品出荷時の診断用に用いられる。
【0047】
実施例1において、ホスト側のSATAコネクタ5AをUSBコントローラ14に接続する場合には、例えば、S7端子(接地端子)をUSB+(図6の破線19)、すなわちUSB仕様の差動信号の正側端子に用いる。また、P4端子(MD端子)をUSB−(図6の破線20)、すなわちUSB仕様の差動信号の負側端子に用いる。すなわち、S7端子は、スイッチ13によって、接地電位とUSBコントローラ14のUSB+との間で切り替えて接続される。また、P4端子(MD端子)は、スイッチ13によって、SATAコントローラ8の端子と、USBコントローラ14のUSB−との間で切り替えて接続される。
【0048】
スイッチ13の切替は、ベイ構造1に、ベイドライブ2等のSATAデバイスが装着されているか、ベイプロジェクタ12等のUSBデバイスが装着されているか否かで判定される。なお、ベイ構造1に、ベイドライブ2等のSATAデバイスが装着されているか、ベイプロジェクタ12等のUSBデバイスが装着されているか否かの判定は、図7を用いて後述する。
【0049】
さらに、S1端子(接地端子)は、GPIOコントローラ18からベイプロジェクタ12への輝度制御GPIO信号21の伝達に使用される。すなわち、図6の例では、ベイプロジェクタ12等の機器側のSATAコネクタ5Bがホスト側のSATAコネクタ5Aに接続される場合には、S1端子がGPIOコントローラ18用に流用される。一方、S7端子(接地端子)およびP4(MD端子)が、USBコントローラ14用に流用される。
【0050】
なお、USBデバイスのインターフェースは、一般的には、接地端子(GND)、電源端子(PW)、USB+端子、USB−端子を有する。実施例1のベイプロジェクタ12は、上記USBインターフェースに加えて、さらに、輝度制御GPIO信号21用の端子、およびベイプロジェクタ検出信号を出力するための端子を有している。実施例1において、ベイプロジェクタ12は、USBのインターフェースである接地端子(GND)、電源端子(PW)、USB+端子、およびUSB−端子として、SATAコネクタのP5,P6端子(接地端子)、P2端子(PW)、S7端子(接地端子)、およびP4端子(MD端子)を流用する。さらに、ベイプロジェクタ12は、輝度制御GPIO信号21の端子として、SATAコネクタのS1端子(接地端子)を流用する。なお、図7で説明するように、ベイプロジェクタ12は、ベイプロジェクタ検出信号を出力するための端子として、バッテリコネクタ6のSC#/T−端子を流用する。
【0051】
ただし、情報処理装置50において、ホスト側のSATAコネクタ5Aと、USBコントローラ14との接続がこのような接続に限定される訳ではない。すなわち、ホスト側のSATAコネクタ5Aの他の端子を流用して、USB+と、USB−に接続するようにしてもよい。
【0052】
図7に、ベイ構造1に、ベイバッテリ4を装着する場合と、USBインターフェース、デバイス検出信号および輝度制御信号を有するデバイスを装着する場合におけるバッテリコネクタ6の信号経路を例示する。
【0053】
図7では、ホスト側のバッテリコネクタ6Aを例に、バッテリコネクタ6の端子の種類が明示されている。図7の例では、バッテリコネクタ6は、8個の端子を有する。図7において、バッテリコネクタ6Aの第1の端子は、Battで示されている。Batt端子は、情報処理装置50とベイバッテリ4との間の電源供給端子である。第2の端子であるVS端子は、ベイバッテリ4が過放電か否かを判別する信号の出力端子である。第3の端子であるSW/T+端子は、ベイバッテリ4の検出信号端子である。例えば、ホスト側のバッテリコネクタ6Aにベイバッテリ4側のバッテリコネクタ6Bを通じてベイバッテリ4が接続されると、SW/T+端子は、情報処理装置50に対して、所定のベイバッテリ検出信号30、例えば、低電位L(基準値以下の低電位)または高電位H(基準値以上の高電位)を出力する。図7のように、ベイバッテリ検出信号30は、バッテリコネクタ6のSW/T+端子を通じて、バッテリコントローラ10のベイバッテリ検出端子30Aに出力される。
【0054】
第4の端子である端子Powerは、ベイバッテリ4内ROM用への電源供給端子である。第5の端子であるClock端子は、ベイバッテリ4内ROMとバッテリコントローラ10間のCLK(Clock、クロック)信号端子である。第6の端子であるData端子は、バッテリ内ROMとバッテリコントローラ10と間で種々のデータを授受するDATA信号の端子である。第7の端子であるSC#/T−端子は、ベイバッテリ4に対して充放電可否を指令する制御信号端子である。第8の端子であるGND端子は、情報処理装置50側で接地され、接地電位をベイバッテリ4に供給する端子である。
【0055】
ところで、ベイプロジェクタ12はベイドライブ2やベイハードディスク3と比較して大きな電流を用いる。さらに、ベイプロジェクタ12内にはVideo Graphics Array(VGA)コントローラやVideo Random Access Memory(VRAM)が実装されている。このために、ベイプロジェクタ12は多くの高速信号やクロックを使用しており、不要輻射の大きなノイズ源でもある。この大きなノイズを低減させるためには、ベイプロジェクタ12の接地電位となるフレームを情報処理装置50側の接地電位に固定することが望ましい。しかし、ベイデバイスという挿抜が要求される構造の制約があり、ベイプロジェクタ12のフレームを情報処理装置50にネジ止めしたりするような接地経路の強化方法は妥当でない。
【0056】
SATAコネクタ5経由でのベイプロジェクタ12への接続では、SATAコネクタ5の接地端子分の接地経路は確保できる。しかし、SATAコネクタ5の接地端子分の接地経路のコンダクタンスはベイプロジェクタ12のようなデバイスには十分でない場合もあり得る。
【0057】
そこで、図7に示すように、ベイプロジェクタ12にSATAコネクタ5に加え、バッテリコネクタ6を設けることで接地経路のコンダクタンスの向上を図ることができる。バッテリコネクタ6の接地経路が第1コネクタの接地伝導路に相当する。バッテリコネクタ6のGND端子をベイプロジェクタ12内部でベイプロジェクタ12のフレームGNDに接触させればよい。もともとバッテリコネクタのGND端子は大電流を想定して設計されているものであり、接地電位としては十分に安定している。そこで、バッテリコネクタ6のGND端子をベイプロジェクタ12内部でベイプロジェクタ12のフレームGNDに接触させることにより、ベイプロジェクタ12動作時の輻射ノイズをフレームGNDおよびバッテリコネクタ6のGND端子経由で情報処理装置50のメインボード7側に逃がすことができる。その結果、ベイプロジェクタ12で発生した輻射ノイズを接地電位に逃がしやすくできる。したがって、ベイプロジェクタ12に、接地電位への経路のコンダクタンスの大きいコネクタであるバッテリコネクタ6を用いることにより、SATAコネクタ5以外に、さらに安定した接地電位につながる経路を確保できる。このため、より安定した接地電位を供給することができる。
【0058】
実施例1では、7番のSC#/T−端子に接続される信号線17Bは、分岐して、バッテリコントローラ10のSC#/T−信号端子26Aと、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aとに接続される。
【0059】
このうち、バッテリコントローラ10のSC#/T−信号端子26Aは、バッテリコネクタ6(6A、6B)のSW/T+端子を通じて、バッテリの接続が検知されると、SC#/T−信号を出力する。SC#/T−信号は、ベイバッテリ12を制御する信号である(図7の点線26)。一方、バッテリコネクタ6(6A、6B)のSW/T+端子を通じてバッテリの接続が検知されないとき、バッテリコントローラ10のSC#/T−信号端子26Aは、高電位Hとなる。
【0060】
一方、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aは、外付けのプルアップ抵抗27を介して電源にプルアップされている。さらに、ベイプロジェクタ検出信号端子16Aは、スイッチとして機能するトランジスタ28T、およびダイオード28Dを通じて、信号線17Bの分岐線に接続されている。図7では、トランジスタ28Tとしては、バイポーラトランジスタが例示されている。
【0061】
トランジスタ28Tのベース端子には、バッテリコントローラ10から出力されるベイバッテリ検出信号22が出力される。バッテリコントローラ10は、バッテリコネクタ6のSW/T+端子を通じて、ベイバッテリ12の接続が検知されると、ベイバッテリ検出信号22を低電位(例えば、接地電位)にする。したがって、ベイバッテリ12の接続が検知されると、トランジスタ28Tは、遮断状態となる。その結果、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aには、外付けのプルアップ抵抗27を通じて、高電位Hが入力される。高電位Hは、情報処理装置50内のデジタル回路において処理される2値信号のうち、所定の基準値より高い電位の信号であり、例えば、電源電位でもよい。
【0062】
一方、バッテリコントローラ10は、バッテリコネクタ6のSW/T+端子を通じて、ベイバッテリ12の未接続が検知されると、ベイバッテリ検出信号22を高電位(例えば、電源電位)にする。すると、トランジスタ28Tがオンとなり、ダイオード28D、SC#/T−端子を通じて、ベイプロジェクタ検出信号16がGPIOコントローラ18に入力可能となる。
【0063】
バッテリコネクタ6BのSC#/T−端子に接続されるベイプロジェクタ12内の回路は、プルダウン抵抗を通じて、接地電位にプルダウンされている。したがって、ベイ構造1に、ベイプロジェクタ12が装着され、ホスト側のバッテリコネクタ6Aに、ベイプロジェクタ12のバッテリコネクタ6Bが接続されると、トランジスタ28T、ダイオード28Dを通じて、GPIOコントローラ18に、プルダウンされた電位の信号が通知される。すなわち、バッテリコネクタ6のSC#/T−端子から、ベイプロジェクタ12内のプルダウン電位がベイプロジェクタ検出信号端子16Aに入力される。したがって、ベイプロジェクタ検出信号端子16Aには、プルアップ抵抗27を通じた高電位から、SC#/T−端子を通じたプルダウン電位に変化する信号が、ベイプロジェクタ検出信号16として入力される。ベイプロジェクタ検出信号16が第1検出信号の一例である。また、バッテリコネクタ6のSC#/T−端子が、第1検出端子の一例である。
【0064】
このベイプロジェクタ検出信号16により、GPIOコントローラ18は、ベイプロジェクタ12のベイ構造1への装着、およびSATAコネクタ5とバッテリコネクタ6を含むベイプロジェクタ12のインターフェースの接続を検知する。そして、GPIOコントローラ18は、図6に示したスイッチ制御GPIO信号25により、スイッチ13を切り
替えて、SATAコネクタ5のS7の接地端子とP4のMD端子をそれぞれUSBコントローラ14のUSB+とUSB−に接続する。また、GPIOコントローラ18は、S1端子(本来の接地端子)を通じて、輝度制御GPIO信号21をSATAコネクタ5からベイプロジェクタ12に出力する。
【0065】
図8に、SC#/T−信号端子26Aに接続されるバッテリコントローラ10の内部回路の構成を例示する。図8の内部回路は、例えば、NチャンネルのField Effect Transistor(FET、電界効果トランジスタ)30と、FET30のドレインをプルアップする
内蔵プルアップ回路31と、FET30のゲートを制御するロジック出力回路28とを有している。そして、SC#/T−信号端子26Aは、FET30のドレインに接続されている。
【0066】
内蔵プルアップ回路31は、電源電圧からFET30に順方向に接続されるダイオードとプルダウン抵抗とを直列に接続した構成である。ダイオードとプルダウン抵抗の接続順に限定はない。
【0067】
ロジック出力回路28は、ベイバッテリ充放電制御信号29により、SC#/T−信号を生成する。すなわち、ロジック出力回路28は、ベイバッテリ12が充電もしくは放電してもよい場合に、ベイバッテリ充放電制御信号29として高電位Hを出力する。高電位Hは、例えば、電源電位あるいはFET30をオンにする電位である。一方、ロジック出力回路28は、ベイバッテリ12が充電してはいけない場合、もしくは放電してはいけない場合に、ベイバッテリ充放電制御信号29として低電位Lを出力する。低電位Lは、例えば、接地電位あるいはFET30をオフにする電位である。
【0068】
FET30のソースは接地されているため、FET30がオンになると、SC#/T−信号端子26Aは、L(または接地電位)信号を出力する。このL信号により、バッテリコントローラ10は、バッテリコネクタ6を介してベイバッテリ12に、充電もしくは放電してもよい場合であることを通知する。
【0069】
一方、FETがオフになると、内蔵プルアップ回路31により、SC#/T−信号端子26Aは、H(または電源電位)信号を出力する。このH信号により、バッテリコントローラ10は、バッテリコネクタ6を介してベイバッテリ12に、充電してはいけない場合もしくは放電してはいけない場合であることを通知する。
【0070】
なお、バッテリコントローラ10は、図7に示したSW/T+端子を通じてバッテリコントローラ10のベイバッテリ検出端子30Aに通知されるベイバッテリ検出信号30がベイバッテリ未接続を通知している場合も、ロジック出力回路28が低電位Lを出力するように制御すればよい。つまり、ベイバッテリ4がベイ構造1に装着されていない場合も、FET30をオフするようにすればよい。
【0071】
すると、上述のように、SC#/T−信号端子26Aは、内蔵プルアップ回路31によって、順方向のダイオードおよび抵抗を通じて高電位Hとなる。しかし、内蔵プルアップ回路31のプルアップ抵抗および外付けのプルアップ抵抗27の各抵抗定数が、ベイプロジェクタ12内部のプルダウン抵抗の抵抗定数に比べて十分に大きいため、ベイプロジェクタ12がベイ構造1に装着された場合は、ベイプロジェクタ12内部のプルダウン抵抗が内蔵プルアップ回路31および外付けのプルアップ抵抗27に打ち勝つ。その結果、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aは、図7に示したように、プルアップ抵抗27およびバッテリコントローラ10の内蔵プルアップ回路31(図8)を通じた高電位から、SC#/T−端子を通じたプルダウン電位に変化する信号を検知することができる。
【0072】
図9に、ベイ構造1により、SATAデバイスを接続した場合の情報処理装置50の処理を例示する。図9の処理は、情報処理装置50のCPU71が、メモリ72に実行可能に展開されたコンピュータプログラム、あるいは、ROM等に記憶されたBIOS等によって実行する。以下の説明では、CPU71がBIOSによって処理する場合には、単に、「BIOSが処理する」という。
【0073】
図9において、ST0は処理開始前の情報処理装置50の状態を示す。図9の例では、情報処理装置50には、ベイデバイスが未接続であると仮定する。
したがって、SATAデバイス検出信号を出力するDP端子は、開放状態である。ここで、DP端子に接続されるGPIOコントローラ18のSATAデバイス検出端子24A(図6参照)が、図7に示したベイプロジェクタ検出信号端子16Aと同様に、プルアップ回路でプルアップされているとする。すると、DP端子が開放状態であるとき、GPIOコントローラ18のSATAデバイス検出端子24Aは、高電位Hとなる。
【0074】
同様に、ベイバッテリを検出するバッテリコネクタ6のSW/T+端子は開放状態である。ここで、バッテリコネクタ6のSW/T+端子が接続されるバッテリコントローラ10のベイバッテリ検出端子30A(図7参照)が、図7に示したベイプロジェクタ検出信号端子16Aと同様に、プルアップ回路でプルアップされているとする。すると、SW/T+端子が開放状態であるとき、バッテリコントローラ10のベイバッテリ検出端子30Aは、高電位Hとなる。
【0075】
バッテリコネクタ6のSW/T+端子が高電位Hであるので、バッテリコントローラ10から出力されるベイバッテリ検出信号22は、高電位Hとなる。したがって、図7のトランジスタ28Tはオンになるが、ホスト側のバッテリコネクタ6Aは開放状態である。したがって、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aには、外付けのプルアップ抵抗27を通じて、高電位Hが入力される。このとき、GPIOコントローラ18は、輝度制御GPIO信号21を低電位Lにする。また、GPIOコントローラ18は、スイッチ制御GPIO信号25によりスイッチ13をOFF(遮断状態)とする。
【0076】
以上の状態で、ユーザがベイ構造1にSATAデバイス、例えば、ベイドライブ2、ベイハードディスク3等を挿入したと想定する(ST1)。すると、SATAコネクタ5を通じて、ベイデバイスと情報処理装置50との間の信号授受および電源供給が可能となる。その結果、SATAデバイス内のプルダウン回路によりSATAデバイス検出信号(DP端子)が高電位Hから低電位Lに変化する。すると、SATAコントローラ8からCPU71への通知信号により、BIOSがSATAデバイスの接続を認識する(ST2)。
【0077】
次に、BIOSがスイッチ制御GPIO信号25によりスイッチ13をSATAコントローラ側に接続する(ST3)。その結果、ホスト側のSATAコネクタ5AのS7の接地端子は、通常通り接地される。また、P4のMD端子は、通常通りSATAコントローラ8に接続される。次に、BIOSがSATAコネクタ5のP2、P3の電源供給端子(PW)を通じて、ベイ電源を投入する(ST4)。すると、情報処理装置50とSATAデバイスとの間で認識処理が開始する。より具体的には、S2、S3のSATA+端子、S5、S6のSATA−端子を通じて、情報処理装置50とSATAデバイスとの間で情報が授受される。その結果、ユーザは、SATAデバイスを使用できるようになる(ST5)。
【0078】
次に、ユーザがSATAデバイスをベイ構造1から抜いた場合を想定する(ST6)。すると、SATAデバイス内のプルダウン回路への接続がなくなることによりSATAデ
バイス検出信号が低電位Lから高電位Hに変化する。その結果、BIOSがSATAデバイスの未接続を認識する(ST7)。すると、BIOSがスイッチ制御GPIO信号25によりスイッチをOFF(遮断状態)にする(ST8)。さらに、BIOSがベイ電源の供給をOFFにする(ST9)。その結果、情報処理装置50は、ST0の状態に復帰する。
【0079】
図10に、ベイ構造1により、ベイプロジェクタ12を接続した場合の情報処理装置50の処理を例示する。図10のS0の状態は、図9の場合と同様である。この状態で、ユーザがベイ構造1にベイプロジェクタ12を挿入したと想定する。すると、SATAコネクタ5およびバッテリコネクタ6を通じて、ベイプロジェクタ12と情報処理装置50とが接続される(ST11)。すなわち、ベイプロジェクタ12と情報処理装置50との間で信号授受および電源供給が可能となる。ただし、ベイバッテリ4からのバッテリ検出信号を出力するSW/T+端子のベイバッテリ検出信号はHのまま維持される(ST12)。すなわち、ベイバッテリ検出信号は、ベイバッテリ4が未接続であることを示す。したがって、バッテリコントローラ10のベイバッテリ検出信号22は電位Hのまま維持され、トランジスタ28Tのコレクタ・エミッタ間は接続状態のまま維持される。また、ベイプロジェクタ12内のプルダウン回路が、バッテリコネクタ6のSC#/T−信号端子、信号線17Bの分岐部を通じて、ベイプロジェクタ検出信号16を高電位Hから低電位L
に変化させ、GPIOコントローラ18にベイプロジェクタ12の接続を伝達する。その結果、BIOSがベイプロジェクタ12の接続を認識する(ST13)。なお、ベイバッテリ4からのバッテリ検出信号を出力するSW/T+端子のベイバッテリ検出信号が高電位Hのとき、バッテリコントローラ10のSC#/T−信号端子26Aは、内蔵プルアップ回路31により高電位H状態となる。ここでは、ベイバッテリ検出信号が高電位Hのとき、図8のロジック出力回路28が低電位Lを出力するとする。したがって、ベイバッテリ4が未接続の場合には、SC#/T−信号端子26Aは、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aに入力されるベイプロジェクタ検出信号16に影響を与えない。
【0080】
ベイプロジェクタ12の接続を認識すると、BIOSは、スイッチ制御GPIO信号25によりスイッチ13をUSBコントローラ19側に接続する(ST14)。その結果、SATAコネクタ5のS7端子(接地端子)がUSBコントローラ14のUSB+に、また、P4端子(MD端子)がUSB−に接続される。さらに、BIOSがベイ電源を投入する(ST15)。
【0081】
すると、情報処理装置50とベイプロジェクタ12との間で認識処理が開始する。情報処理装置50とベイプロジェクタ12との間で認識処理がなされると、情報処理装置50は、SATAコネクタ5を通じて、ベイプロジェクタ12を接続する。より具体的には、CPU71は、USBコントローラ14のUSB+およびUSB−により、スイッチ13およびSATAコネクタ5を通じてベイプロジェクタへのデータ送信が可能となる。また、CPU71は、S1の端子を通じて、GPIOコントローラ18の輝度制御GPIO信号21をベイプロジェクタ12に出力し、輝度の制御が可能となる。その結果、ユーザは、ベイプロジェクタ12を使用できるようになる(ST16)。
【0082】
次に、ユーザがベイプロジェクタ12をベイ構造1から抜いた場合を想定する(ST17)。ベイプロジェクタ12内のプルダウン回路への接続がなくなることにより、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aには、外付けのプルアップ抵抗27を通じて、高電位Hが入力される。すなわち、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号16が低電位Lから高電位Hに変化する。その結果、BIOSがベイプロジェクタ12の未接続を認識する(ST18)。すると、BIOSがスイッチ制御GPIO25によりスイッチ13をOFF(遮断状態)にする(ST19)。さらに、BI
OSがベイ電源をOFFにする(ST1A)。その結果、情報処理装置50は、ST0の状態に復帰する。
【0083】
図11に、ベイ構造1により、ベイバッテリ4を接続した場合の情報処理装置50の処理を例示する。図11のST0の状態は、図9、図10の場合と同様である。この状態で、ベイバッテリ4を情報処理装置50に接続するため、ユーザがベイ構造1にベイバッテリ4を挿入したと想定する。すると、バッテリコネクタ6を通じて、ベイバッテリ4と情報処理装置50とが接続される(ST21)。すると、ベイバッテリ4内のプルダウン回路により、SW/T+端子のベイバッテリ検出信号が高電位Hから低電位Lに変化する。すると、バッテリコントローラ10は、ベイバッテリ検出信号22を低電位Lにする。すると、トランジスタ28Tのコレクタ・エミッタ間は未接続となる。したがって、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aでは、外付けのプルアップ抵抗27を通じて、高電位Hが維持され、ベイプロジェクタ検出信号16はHのままとなる(ST22)。一方、バッテリコントローラ10とベイバッテリ4との間の接続が確立し、情報処理装置50とベイバッテリ4との間で認識処理が開始する。ベイバッテリの使用、例えば、ベイバッテリ4から情報処理装置50への電源供給ができるようになる(ST23)。
【0084】
次に、ユーザがベイバッテリ4を抜いた場合を想定する(ST24)。すると、SW/T+端子のベイバッテリ検出信号が高電位Hから低電位Lに変化する。したがって、バッテリコントローラ10は、ベイバッテリ検出信号22を高電位Hにするので、トランジスタ28Tのコレクタ・エミッタ間は接続状態となる。ただし、ベイプロジェクタ12も未接続なのでベイプロジェクタ検出信号16は、外付けのプルアップ抵抗27を通じて、高電位Hが維持される(ST25)。その結果、情報処理装置50は、ST0の状態に復帰する。
【0085】
図10にしたがって説明したように、ベイバッテリ4を接続可能なバッテリコネクタ6を有する情報処理装置50において、バッテリコネクタ6のSW/T+端子によって、ベイバッテリ4が未接続である結果として、バッテリコントローラ10は、ベイバッテリ検出信号22を高電位Hにする。すると、トランジスタ28Tがオンとなる。その結果、ベイプロジェクタ12内のプルダウン回路からバッテリコネクタ6のSC#/T−端子を通じて、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aには、外付け抵抗でプルアップされた高電位Hの状態から低電位Lへのベイプロジェクタ検出信号16が入力される。したがって、GPIOコントローラ18は、ベイバッテリ4ではなく、ベイプロジェクタ12の接続を検出することができる。この場合に、本来、バッテリコネクタ6のSC#/T−端子には、バッテリコントローラ10のSC#/T−信号端子26Aが分岐部を介して接続されている。しかしながら、図8に示したように、バッテリコントローラ10のSC#/T−信号端子26Aは、ベイバッテリ未接続の状態では、高電位H状態となる。しかし、内蔵プルアップ回路31のプルアップ抵抗および外付けプルアップ抵抗27の各抵抗定数が、ベイプロジェクタ12内部のプルダウン抵抗の抵抗定数に比べて十分に大きいため、ベイプロジェクタ12がベイ構造1に装着された場合は、ベイプロジェクタ12内部のプルダウン抵抗が内蔵プルアップ回路31および外付けのプルアップ抵抗27に打ち勝つ。
【0086】
さらに、GPIOコントローラ18の検出結果は、CPU71を通じて、BIOSに伝達される。すると、BIOSは、スイッチ制御GPIO信号25により、スイッチ13を切り替えて、SATAコネクタ5のS7の端子およびP4の端子をUSBコントローラのUSB+およびUSB−に接続する。したがって、ベイプロジェクタ12に、ホスト側のSATAコネクタ5Aに接続可能なベイプロジェクタ12側のSATAコネクタ5Bを設けることで、SATAコネクタ5とUSBコントローラ14とを通じて、情報処理装置5
0とベイプロジェクタ12とのデータの授受が可能となる。さらに、ベイプロジェクタ12側のSATAコネクタ5BのS1の端子をベイプロジェクタ12内で輝度制御GPIO信号21の受信回路に接続することで、SATAコネクタ5を通じて、GPIOコントローラ18の輝度制御GPIO信号21をベイプロジェクタ12に伝達できる。
【0087】
以上のように、実施例1の情報処理装置50によれば、バッテリコネクタ6を有するベイ構造1において、バッテリコントローラ10がバッテリコネクタ6を通じてベイバッテリ4を検出できない状態で、ベイバッテリ検出信号22をHにすることを利用し、トランジスタ28Tのようなスイッチにより、ベイバッテリ4以外の機器、すなわち、ベイプロジェクタ12の検出が可能となる。ただし、検出対象がベイプロジェクタ12に限定される訳ではない。
【0088】
また、上記では、SW/T+端子を通じたプルダウンの有無によって、バッテリコントローラ10は、ベイバッテリ4の接続と未接続を検出した。すなわち、ベイプロジェクタ検出信号16を生成するため、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aを外付け抵抗でプルアップし、一方、ベイプロジェクタ12内に、バッテリコネクタ6のSW/T+端子を通じて接続されるプルダウン回路を設けた。しかし、情報処理装置50の処理において、ベイプロジェクタ12の接続と未接続がプルダウンによる信号に限定される訳ではない。例えば、逆に、プルアップ回路からの信号によって、GPIOコントローラ18は、ベイプロジェクタ12の接続と未接続を検出してもよい。その場合に、GPIOコントローラ18のベイプロジェクタ検出信号端子16Aを外付け抵抗でプルダウンしておけばよい。
【0089】
また、上記では、バッテリコントローラ10がバッテリコネクタ6を通じたベイバッテリ4未検出状態で、ベイバッテリ検出信号22をHにすることを利用し、トランジスタ28Tにより、ベイプロジェクタ12の検出を可能とした。この場合、トランジスタ28Tとしては、NPN型のバイポーラトランジスタを例示できる。また、NPN型のバイポーラトランジスタに代えて、NチャンネルMOSトランジスタを用いてもよい。
【0090】
しかし、情報処理装置50の処理において、バッテリコントローラ10がバッテリコネクタ6を通じたベイバッテリ4未検出状態で、ベイバッテリ検出信号22をLにするようにしてもよい。この場合、トランジスタ28Tとしては、PNP型のバイポーラを例示できる。また、PNP型のバイポーラトランジスタに代えて、PチャンネルMOSトランジスタを用いてもよい。
【0091】
また、以上のように、実施例1の情報処理装置50によれば、SATAコネクタ5と、バッテリコネクタ6とを有するベイ構造1において、いずれかのデバイス未接続信号、例えば、バッテリコネクタ6のSW/T+端子を通じたプルダウンの有無によって、バッテリコントローラ10は、ベイバッテリ4の接続と未接続を検出した。そして、その検出結果にしたがって、例えば、BIOSのようなインターフェース制御部が、GPIOコントローラ18のような接続制御装置を用いて、スイッチ制御GPIO信号25によりスイッチ13を切り替えた。すなわち、GPIOコントローラ18は、バッテリコネクタ6のSW/T+端子から、ベイプロジェクタ12の接続が検出されると、スイッチ13によって、SATAコネクタ5のうち、流用可能なS7の端子と、P4のMD端子をUSBコントローラ14のUSB+とUSB−に接続した。一方、GPIOコントローラ18は、SATAコネクタ5から、DP端子を通じて、SATAデバイスの接続を認識すると、スイッチ13によって、SATAコネクタ5の端子列をSATAコントローラ8に接続した。
【0092】
このような接続と制御によって、SATAコネクタ5を介したベイプロジェクタ12と情報処理装置50との間でUSBインターフェースと同様に機能するインターフェースを
実現できる。すなわち、ベイ構造1に既存のSATAコネクタ5およびバッテリコネクタ6の組み合わせにより、新たに、USBと同等のインターフェースを提供できる。あるいは、上記実施例1の例では、既存のSATAコネクタ5およびバッテリコネクタ6の組み合わせにより、USBインターフェース、輝度制御GPIO信号25、および、デバイス検出信号を含む新たなインターフェースを実現」できる。ここで、デバイス検出信号は、例えば、ベイプロジェクタ検出信号16である。
【0093】
また、ベイプロジェクタ12のような新たなインターフェースにて接続される機器に、ベイ構造1に既存のコネクタであるSATAコネクタ5Bとバッテリコネクタ6Bを設けることによって、ベイ構造1の既存のコネクタを利用できる。
【0094】
<変形例1>
上記実施例1では、SATAコネクタ5とバッテリコネクタ6とによって、ベイプロジェクタ12を接続する例を示した。しかし、情報処理装置50の構成は、SATAコネクタ5、バッテリコネクタ6の組み合わせに限定される訳ではない。また、SATAデバイスとベイバッテリ4に換えて接続される新たな機器が、ベイプロジェクタ12に限定される訳ではない。
【0095】
図12に、変形例1に係る情報処理装置51の構成を例示する。図12の情報処理装置51は、スロット101と、第1コントローラ110と、第2コントローラ114と、第3コントローラ108と、スイッチ113と、接続制御装置118とを有する。
【0096】
スロット101内には、第1コネクタ106と、第2コネクタ105とが設けられている。第1コネクタには、第1検出端子126Bと、第1機器接続状態端子130Bとを含む端子列が設けられている。第1検出端子126Bに接続される伝導路は、分岐して第1コントローラの端子126Aと、接続制御装置118の第2機器検出端子116Aとに接続される。一方、第1機器接続状態端子130Bは、導電路によって第1コントローラの端子130Aに接続される。
【0097】
スロット101に第1機器が接続されると、第1機器接続状態端子130Bには、第1機器から検出信号が出力される。第1機器接続状態端子130Bの検出信号は、端子130Aを通じて、第1コントローラに入力される。第1機器接続状態端子130Bからの検出信号により、第1機器のスロット101への装着を認識すると、第1コントローラは、第1コネクタ106を介して、端子126Aから出力される制御信号126等を含む制御信号を第1機器との間で授受し、第1機器を制御する。
【0098】
また、スロット101に第2機器が装着されると、第1機器接続状態端子130Bには、第1機器から検出信号が出力されない。あるいは、第1コントローラ110は、第1機器の接続を認識できない。第1コントローラ110は、第1機器の接続を認識できないと、端子126Aを高電位状態にする。今、端子126A、および第2機器検出端子116Aの電位状態に抗して、第2機器が第1検出端子126Bに低電位を出力可能であるとする。例えば、端子126Aおよび第2機器検出端子116Aがそれぞれプルアップ抵抗でプルアップされており、かつ、2つのプルアップ抵抗の並列抵抗値よりも低い抵抗値のプルダウン抵抗で第2機器が第1検出端子126Bをプルダウンする場合に、第1検出端子126Bから低電位の信号が出力可能となる。すると、接続制御装置118は、第2機器検出端子116Aを通じて、第1検出端子126Bからの信号(低電位)を取得するようになる。したがって、第2機器が出力する第2機器の検出信号は、接続制御装置118に伝達され、接続制御装置118は、第2機器の接続を認識する。なお、上記では、端子126Aおよび第2機器検出端子116Aがプルアップ抵抗でプルアップされており、一方、第2機器が第1検出端子126Bをプルダウンする場合を例示した。しかし、プルダウ
ンとプルアップが逆であってもよい。
【0099】
第2機器は、第1コネクタ106に受容される第2機器コネクタと、第2コネクタに受容される第4機器コネクタを有する。スロット101に装着されると、第2機器は、第1コネクタおよび第2コネクタを通じて、情報処理装置51と接続される。
【0100】
接続制御装置118は、第2機器の接続を認識すると、スイッチ113を制御し、第2コネクタの端子列中の少なくとも一部を第2コントローラ114に接続する。その結果、第2コントローラ114は、スイッチ113および第2コネクタを通じて、第2機器と接続される。したがって、第2コントローラ114は、第2機器を制御できる。
【0101】
一方、第2コネクタには、第2検出端子124Bを含む端子列が設けられている。第2検出端子124Bは、導電路により接続制御装置118の第3機器検出端子124Aに接続される。第1機器および第2機器に換えて第3機器がスロット101に装着されると、第2検出端子124Bを通じて、検出信号が接続制御装置118の第3機器検出端子124Aに伝達される。第3機器検出端子124Aに入力される検出信号から、接続制御装置118は、第3機器の接続を認識する。
【0102】
接続制御装置118は、第3機器の接続を認識すると、スイッチ113を制御し、第2コネクタを第3コントローラ108に接続する。その結果、第3コントローラ108は、スイッチ113および第2コネクタを通じて、第3機器と接続される。したがって、第3コントローラ108は、第3機器を制御できる。
【0103】
すなわち、ベイ構造101のようなスロットにすでに、1または複数種類のコネクタが設けられ、1または複数の種類のインターフェースが提供される場合に、上記実施例1と同様の構成を適用できる。
【0104】
以上のような構成によって、スロット101内の第1機器接続用の第1コネクタ106、第3機器接続用の第2コネクタ105を用いて、追加のデバイスである第2機器を利用できるようになる。
【0105】
<変形例2>
上記実施例1では、SATAコネクタ5とバッテリコネクタ6とによって、ベイプロジェクタ12を接続する例を示した。しかし、情報処理装置50の構成は、SATAコネクタ5、バッテリコネクタ6の組み合わせに限定される訳ではない。
【0106】
図13に、変形例2に係る情報処理装置52の構成を例示する。図13の情報処理装置52は、スロット201と、第1コントローラ110と、第2コントローラ114と、スイッチ113と、接続制御装置118とを有する。
【0107】
スロット201内には、第1検出端子126Bと、第1機器接続状態端子130Bとを含む端子列が設けられている。第1検出端子126Bに接続される伝導路は、分岐して第1コントローラ110の端子126Aと、接続制御装置118の第2機器検出端子116Aとに接続される。一方、第1機器接続状態端子130Bは、導電路によって第1コントローラ110の端子130Aに接続される。
【0108】
スロット201に第1機器が接続されると、第1機器接続状態端子130Bには、第1機器から検出信号が出力される。第1機器接続状態端子130Bの検出信号は、端子130Aを通じて、第1コントローラ110に入力される。第1機器接続状態端子130Bからの検出信号により、第1機器のスロット201への装着を認識すると、第1コントロー
ラ110は、端子126Aから出力される制御信号126等を含む制御信号を第1機器との間で授受し、第1機器を制御する。
【0109】
また、スロット201に第2機器が装着されると、第1機器接続状態端子130Bには、第1機器から検出信号が出力されない。あるいは、第1コントローラ110は、第1機器の接続を認識できない。第1コントローラ110は、第1機器の接続を認識できないと、端子126Aを高電位状態にする。したがって、変形例1と同様に、接続制御装置118は、第2機器検出端子116Aを通じて、第1検出端子126Bからの信号を取得する。すなわち、第2機器が出力する第2機器を認識させるための検出信号は、接続制御装置118に伝達され、接続制御装置118は、第2機器の接続を認識する。
【0110】
第2機器がスロット201に装着されると、第2機器は第1検出端子126Bを含む端子を通じて、情報処理装置52と接続される。接続制御装置118は、第2機器の接続を認識すると、スイッチ113を制御し、スロット201内の端子列中の少なくとも一部を第2コントローラ114に接続する。その結果、第2コントローラ114は、スイッチ113およびスロット201を通じて、第2機器と接続される。したがって、第2コントローラ114は、第2機器を制御できる。
【0111】
以上のような構成によって、スロット201内の第1機器接続の接続に使用される第1検出端子126Bを用いて、追加のデバイスである第2機器のスロット201への装着を認識し、第2機器を第2コントローラに接続できる。
【0112】
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0113】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【0114】
《その他》
上記実施の形態は、以下の態様(付記という)を開示する。それぞれの付記に含まれる構成要素は、他の付記に含まれる構成要素と組み合わせてもよい。
【0115】
(付記1)
第1機器が装着されると、第1検出端子を含む端子列を介して前記第1機器に接続される第1制御装置と、
第2制御装置と、
第2機器が装着されると、前記第1検出端子を介して前記第2機器の第1検出信号を検出し、前記第1検出信号に基づいて前記第2機器を前記第2制御装置に接続する接続制御装置と、を備える情報処理装置。
【0116】
(付記2)
前記第1機器が前記第1制御装置に接続されていないときに、前記第1制御装置は、前
記第1検出端子に高電位状態で接続される回路を有する付記1に記載の情報処理装置。
【0117】
(付記3)
前記第1検出端子を含み、前記第1制御装置に接続されるとともに、前記第1機器に設けられる第1機器コネクタを受容する第1コネクタと、
第3機器に設けられる第3機器コネクタを受容する第2コネクタと、
前記第2コネクタを介して前記第3機器と接続される第3制御装置と、
前記第2コネクタの少なくとも一部の端子の接続先を前記第2制御装置と前記第3制御装置との間で切り替えるスイッチと、をさらに備える付記2に記載の情報処理装置。
【0118】
(付記4)
前記第2機器には、前記第1コネクタに受容可能な第2機器コネクタと前記第2コネクタに受容可能な第4機器コネクタとが設けられ、前記第2機器が装着されたときに、前記第1コネクタが前記第2機器コネクタを受容するとともに、前記第2コネクタが前記第4機器コネクタを受容する付記3に記載の情報処理装置。
【0119】
(付記5)
前記第2コネクタ(5A)は、前記第3機器コネクタを受容したときに前記第3機器からの検出信号が出力される第2検出端子を有し、
前記接続制御装置は、前記第1検出端子が前記第2機器からの前記第1検出信号を出力しているときには、前記スイッチを介して前記第2コネクタの前記少なくとも一部の端子を前記第2制御装置に接続し、前記第2検出端子が前記第3機器からの検出信号を出力しているときには、前記スイッチを介して前記第2コネクタを前記第3制御装置に接続する付記3または4に記載の情報処理装置。
【0120】
(付記6)
前記第1コネクタの接地導電路は、前記第2コネクタの接地導電路よりもコンダクタンスが大きい付記3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0121】
(付記7)
コンピュータが、
第1機器の第1制御装置への接続に用いられる端子列に含まれる第1検出端子を介して、前記コンピュータに装着される第2機器の検出信号を検出するステップと、
前記検出信号に基づいて前記第2機器を第2制御装置に接続するステップと、を実行する機器の接続方法。
【0122】
(付記8)
前記第1機器が前記第1制御装置に接続されていないときに、前記第1検出端子に接続される前記第1制御装置の回路を高電位にするステップをさらに実行する付記7に記載の接続方法。
【0123】
(付記9)
前記コンピュータは、第3機器を第3制御装置に接続するコネクタをさらに備え、
前記コネクタの第2検出端子を介して前記第3機器の検出信号を検出するステップと、
前記第1検出端子が前記第2機器からの検出信号を出力しているときには、前記コネクタの少なくとも一部の端子を前記第2制御装置に接続するステップと、
前記第2検出端子が前記第3機器からの検出信号を出力しているときには、前記コネクタのすべての端子を前記第3制御装置に接続するステップと、を実行する付記7または8に記載の接続方法。
【0124】
(付記10)
コンピュータに、
第1機器の第1制御装置への接続に用いられる端子列に含まれる第1検出端子を介して、前記コンピュータに装着される第2機器の検出信号を検出するステップと、
前記検出信号に基づいて前記第2機器を第2制御装置に接続するステップと、を実行させるためのプログラム。
【0125】
(付記11)
前記第1機器が前記第1制御装置に接続されていないときに、前記第1検出端子に接続される前記第1制御装置の回路を高電位状態にするステップをさらに実行させるための付記10に記載のプログラム。
【0126】
(付記12)
前記コンピュータは、第3機器を第3制御装置に接続するコネクタをさらに備え、
前記コネクタの第2検出端子を介して前記第3機器の検出信号を検出するステップと、
前記第1検出端子が前記第2機器からの検出信号を出力しているときには、前記コネクタの少なくとも一部の端子を前記第2制御装置に接続するステップと、
前記第2検出端子が前記第3機器からの検出信号を出力しているときには、前記コネクタのすべての端子を前記第3制御装置に接続するステップと、を実行するための付記10または11に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0127】
2 ベイドライブ
3 ベイハードディスク
4 ベイバッテリ
5 SATAコネクタ
6 バッテリコネクタ
7 メインボード
8 SATAコントローラ
L9−1、L9−2 SATAのインターフェースの信号
10 バッテリコントローラ
L11−1、L11−2 バッテリのインターフェースの信号
12 ベイプロジェクタ
13 スイッチ
14 USBコントローラ
L15−1、L15−2、L15−3 ベイプロジェクタインターフェースの信号
16 ベイプロジェクタ検出信号
17A SATA信号線兼用のベイプロジェクタ信号線
17B バッテリ信号線兼用のベイプロジェクタ信号線
18 GPIOコントローラ
19 USB+
20 USB−
21 輝度制御GPIO
22 ベイバッテリ検出信号
23 ベイ電源
24 SATAデバイス検出信号
25 スイッチ制御GPIO
26 SC#/T−信号
26A SC#/T−信号端子
27 外付けのプルアップ
28 ロジック出力回路
28T トランジスタ
29 ベイバッテリ充放電制御信号
30 FET
31 内蔵プルアップ
50 情報処理装置
101、201 スロット
105 第2コネクタ
106 第1コネクタ
108 第3コントローラ
110 第1コントローラ
113 スイッチ
114 第2コンローラ
118 接続制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1機器が装着されると、第1検出端子を含む端子列を介して前記第1機器に接続される第1制御装置と、
第2制御装置と、
第2機器が装着されると、前記第1検出端子を介して前記第2機器の第1検出信号を検出し、前記第1検出信号に基づいて前記第2機器を前記第2制御装置に接続する接続制御装置と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1機器が前記第1制御装置に接続されていないときに、前記第1制御装置は、前記第1検出端子に高電位状態で接続される回路を有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1検出端子を含み、前記第1制御装置に接続されるとともに、前記第1機器に設けられる第1機器コネクタを受容する第1コネクタと、
第3機器に設けられる第3機器コネクタを受容する第2コネクタと、
前記第2コネクタを介して前記第3機器と接続される第3制御装置と、
前記第2コネクタの少なくとも一部の端子の接続先を前記第2制御装置と前記第3制御装置との間で切り替えるスイッチと、をさらに備える請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2機器には、前記第1コネクタに受容可能な第2機器コネクタと前記第2コネクタに受容可能な第4機器コネクタとが設けられ、前記第2機器が装着されたときに、前記第1コネクタが前記第2機器コネクタを受容するとともに、前記第2コネクタが前記第4機器コネクタを受容する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2コネクタは、前記第3機器コネクタを受容したときに前記第3機器からの検出信号が出力される第2検出端子を有し、
前記接続制御装置は、前記第1検出端子が前記第2機器からの前記第1検出信号を出力しているときには、前記スイッチを介して前記第2コネクタの前記少なくとも一部の端子を前記第2制御装置に接続し、前記第2検出端子が前記第3機器からの検出信号を出力しているときには、前記スイッチを介して前記第2コネクタを前記第3制御装置に接続する請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1コネクタの接地導電路は、前記第2コネクタの接地導電路よりもコンダクタンスが大きい請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
第1機器の第1制御装置への接続に用いられる端子列に含まれる第1検出端子を介して、前記コンピュータに装着される第2機器の検出信号を検出するステップと、
前記検出信号に基づいて前記第2機器を第2制御装置に接続するステップと、を実行する機器の接続方法。
【請求項8】
コンピュータに、
第1機器の第1制御装置への接続に用いられる端子列に含まれる第1検出端子を介して、前記コンピュータに装着される第2機器の検出信号を検出するステップと、
前記検出信号に基づいて前記第2機器を第2制御装置に接続するステップと、を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−221258(P2012−221258A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86793(P2011−86793)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】