説明

情報処理装置、画像形成システム、情報処理装置の制御方法及びプログラム

【課題】指定されたフォントの文字列の画像が実際に画像形成装置で形成される場合にどのような文字デザインで出力できるのかを簡便に且つ柔軟に確認することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】コンピュータ(情報処理装置)1は、文書データに含まれる文字についてコンピュータ搭載フォントをプリンタ搭載フォントに置き換える手段と、置き換えの対象となっているフォントについてフォントの置き換え情報を保持する手段と、フォントの置き換え情報を含むようにコンピュータ搭載フォントの一覧及びプリンタ搭載フォントの一覧を画面に表示させる手段と、一覧に表示された置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定する手段と、サンプル出力対象のフォントについて、置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像を出力する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター等の画像形成装置で処理可能な画像形成用データを生成して画像形成装置に送信することができる情報処理装置、画像形成システム、情報処理装置の制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の情報処理装置として、ワードプロセッサなどの応用ソフトから文字列を含む文書を印刷する場合、その情報処理装置に搭載された複数のフォント又はプリンタ(画像形成装置)に搭載された複数のフォントを利用して印刷データ(画像形成用データ)を生成するプログラムであるプリンタドライバが組み込まれたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1のプリンティングシステムでは、フォント名、代替フォント名、および各フォントの使用頻度を表すフォントテーブルを記憶保持する機能をプリンタに持たせ、フォントテーブルの情報をコンピュータ上に表示させたり、プリンタドライバからプリンタに対して出力指示を出すことによりフォントテーブルの情報を印刷させたりすることができる。このため、ユーザは必要に応じてフォントの登録状況や使用頻度を確認して、望む出力結果が得られるようにフォントの設定を行うことができる。
【0004】
また、特許文献2の文書処理装置では、フォント置換機能自体をオン/オフすることなくフォント毎にフォント置換利用の有無を切り替えることができるとともに、フォント置換レポート部を備え、プリンタドライバからの指示により置換可能フォントリストの内容を印字できる。この文書処理装置で印字するレポートには、置き換え後のフォントで印字例が印刷されるため、ユーザはフォント置換を利用するか否かを選択することができる。
【0005】
また、特許文献3の出力制御システムでは、ホスト(画像処理装置)側のプリンタドライバの情報と、プリンタ側の印刷制御情報とを、それぞれ個々に把握しているだけではわかりづらかった各種印刷情報を、ホスト側とプリンタ側の双方をあわせて1枚のステータスプリントに、印字することができる。このため、フォントリストの情報を含め、出力制御システム全体の印刷制御情報を一目で把握することができる。
【0006】
また、特許文献4のプリンタドライバでは、フォントの置き換えが行われた文字を、応用ソフト上で指定されたフォント・文字サイズ・印字位置のまま印刷することができる。従って、実際にプリンタで文字の印刷を行ったときに、どの文字が応用ソフト上で指定されたフォントのまま印刷されたのか、あるいは、どの文字が応用ソフト上で指定されたフォントと異なるフォントに置き換えられて、どのようなデザインのフォントで印刷されたのかを、印刷物を並べてみるだけで直感的に把握することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プリンタで印刷される印刷物に使用されるフォントの品質や文字デザインに重点が置かれる業務をする場合、多くのフォントがコンピュータやプリンタに登録されるが、同じ名称でウェイトのみ異なるフォントが登録されたり、コンピュータとプリンタの双方に全く同一名称のフォントが登録されたりすることがある。このような場合、プリンタに比較すると解像度の低い画面表示装置では、フォントごとに各文字の微妙なデザインの違いがはっきりせず、実際にプリンタで印字してみないと判断がつかないことがあった。また、どの文字をコンピュータ搭載フォントで印字させ、どの文字をプリンタフォントで印字させるかの判断も必要である。
【0008】
しかしながら、特許文献1のプリンティングシステムや特許文献3の出力制御システムでは、フォントテーブルの情報を印刷することができるが、印刷されるのは「どのフォント名のフォントがどのフォント名のフォントに置き換えられるのか」というリストである。そのため、フォントを置き換えるかどうかの設定をフォント名のみで判断しなければならず、また、文字のデザインを確認するには別の手段が必要であった。
【0009】
また、特許文献2の文書処理装置では、置換可能フォントリストの内容を、置換後のフォントを用いてレポートにサンプル印字させることができるが、印字例は特定の文字に限定されてしまい、特に文字毎に特徴的なデザインを確認する場合や、ユーザが確認したい任意の文字のデザインを確認することができなかった。
【0010】
また、特許文献4のプリンタドライバでは、特定の文書を印刷したときに1文字毎にフォントの置き換え状況を把握できるが、任意のフォントや任意の文字列がどのようなデザインで印刷されるのかを事前に把握することができなかった。
【0011】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、指定されたフォントの文字列の画像が実際に画像形成装置で形成される場合にどのような文字デザインで出力できるのかを簡便に且つ柔軟に確認することができる情報処理装置、画像形成システム、情報処理装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、フォントが指定された文字を含む文書データに基づいて、画像形成装置で処理可能な画像形成用データを生成し、該画像形成装置に該画像形成用データを送信することにより該画像形成装置で画像形成処理を実行させることができる情報処理装置であって、前記文書データに含まれる文字について、当該情報処理装置に搭載された所定のフォントを前記画像形成装置に搭載されたフォントに置き換える手段と、前記置き換えの対象となっているフォントについて、該フォントの置き換え情報を保持する手段と、前記フォントの置き換え情報を含むように、当該情報処理装置に搭載されたフォントの一覧及び前記画像形成装置に搭載されたフォントの一覧を画面に表示させる手段と、前記一覧に表示された前記置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定する手段と、前記サンプル出力対象のフォントについて、前記置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と前記置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像を出力する手段と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の情報処理装置において、前記サンプル画像は、前記置き換え前のフォントを使って前記文字列が描画された文字画像を更に含むことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の情報処理装置において、前記文字画像として描画される前記文字列のフォントのサイズ及びスタイルの少なくとも一方を選択する手段を、更に備えることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの情報処理装置において、文字列を入力する手段を、更に備え、前記サンプル画像に含まれる前記文字列は、前記入力された文字列であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの情報処理装置において、前記サンプル画像に含まれる前記文字列は、前記置き換え前後の各フォントの情報を示す文字列であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの情報処理装置において、前記サンプル画像の出力は、前記画像形成装置によって該サンプル画像を媒体上に形成させることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれかの情報処理装置において、前記サンプル画像の出力は、該サンプル画像を印刷画像として画面に表示することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかの情報処理装置において、前記置き換え前後のフォントをそれぞれ指定する手段を更に備え、前記指定された置き換え前後のフォントに基づいて、前記文書データに含まれる文字についてのフォント置き換えを行うことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、画像形成システムであって、請求項1乃至8のいずれかの情報処理装置と、該情報処理装置から受信した画像形成用データに基づいて画像形成処理を実行する画像形成装置と、を備える。
また、請求項10の発明は、フォントが指定された文字を含む文書データに基づいて、画像形成装置で処理可能な画像形成用データを生成し、該画像形成装置に該画像形成用データを送信することにより該画像形成装置で画像形成処理を実行させることができる情報処理装置の制御方法であって、前記文書データに含まれる文字について、当該情報処理装置に搭載された所定のフォントを前記画像形成装置に搭載されたフォントに置き換える工程と、前記置き換えの対象となっているフォントについて、該フォントの置き換え情報を保持する工程と、前記フォントの置き換え情報を含むように、当該情報処理装置に搭載されたフォントの一覧及び前記画像形成装置に搭載されたフォントの一覧を画面に表示させる工程と、前記一覧に表示された前記置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定する工程と、前記サンプル出力対象のフォントについて、前記置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と前記置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像を出力する工程と、を含むことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、フォントが指定された文字を含む文書データに基づいて、画像形成装置で処理可能な画像形成用データを生成し、該画像形成装置に該画像形成用データを送信することにより該画像形成装置で画像形成処理を実行させることができる情報処理装置に読み出されて実行されるプログラムであって、前記文書データに含まれる文字について、当該情報処理装置に搭載された所定のフォントを前記画像形成装置に搭載されたフォントに置き換える手順と、前記置き換えの対象となっているフォントについて、該フォントの置き換え情報を保持する手順と、前記フォントの置き換え情報を含むように、当該情報処理装置に搭載されたフォントの一覧及び前記画像形成装置に搭載されたフォントの一覧を画面に表示させる手順と、前記一覧に表示された前記置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定する手順と、前記サンプル出力対象のフォントについて、前記置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と前記置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像を出力する手順と、を実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フォントの置き換え情報を含むように、情報処理装置に搭載されたフォントの一覧及び画像形成装置に搭載されたフォントの一覧を画面に表示させることにより、ユーザは、その一覧に表示された置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定することができる。そして、その指定されたサンプル出力対象のフォントについて、置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像が出力されるので、ユーザは、出力されたサンプル画像を確認することにより、指定されたフォントの文字列の画像が実際に画像形成装置で形成される場合にどのような文字デザインで出力できるのかを簡便に且つ柔軟に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び画像形成装置におけるプログラム及び各種データの関係を示すブロック図。
【図2】「フォントの印刷方法」のユーザインタフェース画面の説明図。
【図3】「フォント置き換えテーブル」のユーザインタフェース画面の説明図。
【図4】本実施形態に係るプリンタドライバによるフォントサンプル画像の印刷処理の一例を示すフローチャート。
【図5】フォントサンプル画像の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び画像形成装置におけるプログラム及び各種データの関係を示すブロック図である。情報処理装置としてのコンピュータ1には、基本ソフト110、応用ソフト120、及び、画像形成装置としてのプリンタ2を用いて印刷を行うためのドライバソフトのプログラム(以下「プリンタドライバ」という。)130が組み込まれている。コンピュータ1は、記憶装置に保存されている基本ソフト110、応用ソフト120及びプリンタドライバ130を所定のタイミングで読み出して実行することにより、各種処理を実行することができる。
【0016】
プリンタドライバ130は、応用ソフト120で作成された文書データ140を、基本ソフト110と連携してプリンタ2で処理することができる画像形成処理用データとしての印刷データ150に変換する。印刷データ150は、通信手段3によりプリンタ2に送信され、これにより、応用ソフト120で作成された文書データ140の画像がプリンタ2で印刷される。
【0017】
コンピュータ1には複数のフォント160が組み込まれており、フォント名称・文字の高さ・文字の幅・文字の太さ・文字の傾き・文字集合など、それぞれのフォントごとに固有の属性を持っている。
【0018】
また、プリンタ2にも複数のフォント210が組み込まれており、フォント名称、文字の高さ、文字の幅、文字の太さ、文字の傾き、文字集合など、それぞれのフォントごとに固有の属性を持っている。プリンタ2に対応したプリンタドライバ130には、プリンタ搭載フォント210に関するフォント名称、文字の高さ、文字の幅、文字の太さ、文字の傾き、文字集合などのフォント情報170があらかじめ組み込まれている。
【0019】
コンピュータ1に組み込まれているフォント160の種類及び各フォントの属性情報、プリンタ2に搭載されているフォント210の種類とフォント属性情報、それぞれに関する情報を応用ソフト120が取得するには、基本ソフト110を経由して行う。印刷で使用することができるフォントの種類と属性情報に関する取得要求を、応用ソフト120が基本ソフト110にすると、基本ソフト110はプリンタドライバ130を呼び出す。プリンタドライバ130は、プリンタ2のフォント情報170を参照して、プリンタ2に搭載されているフォント210の種類や属性情報を基本ソフト110に渡し、さらに基本ソフト110はプリンタ2に搭載されているフォント210の種類やフォント属性情報とともにコンピュータ1に組み込まれているフォント160の種類や属性情報を応用ソフト120に返す。
【0020】
プリンタドライバ130は、フォントの印刷方法を指定するユーザインタフェース180と、フォント置き換えテーブルのユーザインターフェース190とを備えている。これらのユーザインターフェース180、190により、コンピュータ1に搭載されているフォント160をそれぞれどのプリンタ搭載フォント210に置き換えて印刷させるのかを指定することができる。ユーザによって指定された置き換え前のプリンタ搭載フォントとと置き換え後のプリンタ搭載フォントとの対応関係を含むフォントの置き換え情報は、コンピュータ1の記憶装置(図示せず)に保持される。
【0021】
図2に示す「フォントの印刷方法」のユーザインタフェース画面181は、例えばコンピュータ1のディスプレイ画面に表示される。「フォントの印刷方法」のユーザインタフェース画面181では、「ソフトフォントとしてダウンロード」182及び「フォント置き換えテーブルを使用」183のいずれかをユーザが選択して、応用ソフト120の文書データ140で使用されているフォントを、プリンタ2でどのように印刷するのかを指定することができる。
【0022】
図3に示す「フォント置き換えテーブル」のユーザインタフェース画面191は、例えばコンピュータ1のディスプレイ画面に表示される。この「フォント置き換えテーブル」のユーザインタフェース画面191では、基本ソフト110を経由して取得されたフォント160の情報に基づいて、コンピュータに搭載されているフォントのリストを「コンピュータ搭載フォント」の欄192に表示する。「コンピュータ搭載フォント」の欄192の各フォントの行にはチェックボックス192aが設けられ、フォントサンプル画像の印字対象に含めるか含めないかをフォントごとに指定することができる。また、「すべて選択」のボタン193aですべてのフォントを選択したり、「すべて解除」のボタン193bですべてのフォントの選択を解除したりすることもできる。
【0023】
また、「フォント置き換えテーブル」のユーザインタフェース画面191では、プリンタのフォント情報170に基づいて、プリンタ2に搭載されているフォント210のリストが「プリンタ搭載フォント」の欄194に表示される。この「プリンタ搭載フォント」の欄194の各フォントの行にもチェックボックス194aが設けられ、フォントサンプル画像の印字対象に含めるか含めないかをフォントごとに指定することができる。また、「すべて選択」のボタン195aですべてのフォントを選択したり、「すべて解除」のボタン195bですべてのフォントの選択を解除したりすることもできる。
【0024】
ここで、「コンピュータ搭載フォント」の欄192のリストからフォント名を選択し、選択されたフォントをどのプリンタ搭載フォントに置き換えて印刷するのかを、「プリンタ搭載フォント」の欄194のリストから選択することができる。置換するプリンタ搭載フォントが指定された場合には、「コンピュータ搭載フォント」の欄192の当該フォント名の末尾に括弧付きでプリンタ搭載フォント名が表示される。このとき「プリンタ搭載フォント」の欄194に表示される「ソフトフォントとしてダウンロード」の項目195cは、プリンタ搭載フォントへの置き換えはしないでコンピュータ搭載フォントのまま印刷することを意味する。上記「コンピュータ搭載フォント」の欄192におけるフォント名末尾のプリンタ搭載フォント名は、コンピュータ1の記憶装置に保持されている上記フォントの置き換え情報に基づいて表示される。
【0025】
フォントサンプル画像に印字する文字列は、「文字列指定方法」の選択ボックス196aと「文字列」のエディットボックス196bで指定することができる。「文字列指定方法」の選択ボックス196aの選択項目としては、例えば、「文字列を指定する」、「全文字を印刷する」、「英数字のみ印刷する」、「記号のみ印刷する」などの選択項目を設けることができる。「文字列」のエディットボックス196bは、「文字列指定方法」の選択ボックス196aで「文字列を指定する」が選択されたときに入力可能になり、ユーザが印字確認したい文字列を任意に入力することができる。「文字列指定方法」の選択ボックス196aの選択項目には、例えば「文字コードを指定する」などの選択項目を追加して、「Shift JIS」、「Unicode」などの文字コードを直接入力することができる入力手段を設けてもよい。
【0026】
また、フォントサンプル画像に印字させるフォントのスタイル(標準・太字・斜体などの組み合わせ)と印字させるフォントの文字サイズとはそれぞれ、「スタイル」の選択ボックス196cと「サイズ」の選択ボックス196dで指定することができる。「置き換え前のフォントも印刷する」のチェックボックス197をオンにすると、置き換え後のプリンタ搭載フォントでのサンプル印字だけではなく、応用ソフト120で指定された置き換え前のコンピュータ搭載フォントでの印字サンプルも同時に出力することができる。
【0027】
上記「フォントの印刷方法」のユーザインターフェース画面181の設定は、コンピュータ1の記憶装置(図示せず)に保持される。また、上記「コンピュータ搭載フォント」の欄192のリストの情報、コンピュータ搭載フォントの置き換え指定およびチェックボックス192aのオン/オフ状態の情報、「プリンタ搭載フォント」の欄194のリストおよびチェックボックス194aのオン/オフ状態の情報、「文字列指定方法」の選択ボックス196aの選択情報、「文字列」のエディットボックス196bで入力された文字列の情報、フォントの「スタイル」及び「サイズ」の各選択ボックス196c,196dにおける選択情報、「置き換え前のフォントも印刷する」のチェックボックス197のオン/オフ状態などの、「フォント置き換えテーブル」のユーザインターフェース画面191の設定も、コンピュータ1の記憶装置(図示せず)に保持される。
【0028】
フォントサンプル画像の印字をプリンタドライバ130に指示するには、「フォント置き換えテーブル」のユーザインターフェース画面191の「フォントサンプルの印字」のボタン198をクリックする。
【0029】
また、本実施形態のコンピュータ1において、応用ソフト120がフォント属性・文字コード・印字位置をそれぞれ指定して基本ソフト110に印刷を要求すると、基本ソフト110はプリンタ2に対応したプリンタドライバ130を呼び出す。
【0030】
上記「フォントの印刷方法」のユーザインタフェース画面181で「ソフトフォントとしてダウンロード」182が指定された場合、プリンタドライバ130は、文字コードに対応した文字のグリフデータを、基本ソフト110経由でフォント160から取り出し、プリンタ2が処理できる印刷データ150に変換する。プリンタドライバ130が生成する印刷データ150の中に各文字のグリフデータが含まれるため、通信手段3を用いて印刷データ150をプリンタ2に送信すると、応用ソフト120で指定された印字位置に、コンピュータに搭載されたフォント160で文字が印刷される。
【0031】
一方、上記「フォントの印刷方法」のユーザインタフェース画面181で「フォント置き換えテーブルを使用」183が指定された場合、プリンタドライバ130は「フォント置き換えテーブル」のユーザインターフェース画面191での設定にしたがって動作する。
例えば、「フォント置き換えテーブル」のユーザインターフェース画面191で、「ソフトフォントとしてダウンロード」195cが指定されているフォントについては、上記「フォントの印刷方法」のユーザインタフェース画面181で「ソフトフォントとしてダウンロード」182が指定された場合と同じ動作をする。つまり、プリンタドライバ130は、文字コードに対応した文字のグリフデータを、基本ソフト110経由でフォント160から取り出し、プリンタ2が処理できる印刷データ150に変換する。
また、「フォント置き換えテーブル」のユーザインターフェース画面191で、置き換えるプリンタ搭載フォントが指定されているコンピュータ搭載フォントについては、プリンタドライバ130は、フォント属性・文字コード・印字位置それぞれの指定をプリンタ2が処理できる印刷データ150に変換するとともに、プリンタのフォント情報170を参照してプリンタ搭載フォントを指定するコマンドを生成して印刷データ150に付加する。このとき文字コードに対応した文字のグリフデータは、プリンタ2のフォント210に格納されているため印刷データ150には含まれない。この印刷データ150を通信手段3経由で受信したプリンタ2は、フォント指定コマンドおよびフォント属性に合致するフォント210の中から、文字コードに対応した文字のグリフデータを取り出し、指定された位置に文字を印字する。
【0032】
図4は、本実施形態に係るプリンタドライバによるフォントサンプル画像の印刷処理の一例を示すフローチャートである。上記「フォント置き換えテーブル」のユーザインタフェース画面191で「フォントサンプルの印字」ボタン198がクリックされると(ステップ101)、まずプリンタドライバ130は、「コンピュータ搭載フォント」の欄192のリストの印刷処理を開始し(ステップ102)、「コンピュータ搭載フォント」の欄192のリストで各フォントが印刷対象のフォントであるかどうかをチェックする(ステップ103)。印刷対象でなければ(ステップ103でNo)、次のフォントが印刷対象であるかどうかをチェックし(ステップ108)、印刷対象であれば(ステップ103でYes)、そのコンピュータ搭載フォントがプリンタ搭載フォントに置き換えるように指定されているかどうかをチェックする(ステップ104)。
【0033】
プリンタ搭載フォントに置き換えない場合(ステップ104でNo)、つまり、「ソフトフォントとしてダウンロード」195cが指定されている場合、プリンタドライバ130は、印刷条件(文字列指定方法、文字列、フォントスタイルおよびフォントサイズの設定条件)にしたがって、文字コードに対応した文字のグリフデータを、基本ソフト110経由でフォント160から1文字ごとに取り出し、プリンタ2が処理できる印刷データ150に変換する(ステップ107)。
【0034】
一方、プリンタ搭載フォントに置き換える場合(ステップ104でYes)、つまり、コンピュータ搭載フォントの当該フォント名の末尾に括弧付きでプリンタ搭載フォント名が表示されている場合、プリンタドライバ130は、印刷条件(文字列指定方法、文字列、フォントスタイルおよびフォントサイズの設定条件)にしたがって、フォント属性・文字コードそれぞれの指定を印刷データ150に変換するとともに、プリンタのフォント情報170を参照してプリンタ搭載フォントを指定するコマンドを生成して印刷データ150に付加する(ステップ105)。また、「置き換え前のフォントも印刷する」のチェックボックス197を確認し(ステップ106)、チェックボックス197がオンの場合(ステップ106でYes)、プリンタドライバ130は、印刷条件(文字列指定方法、文字列、フォントスタイル及びフォントサイズの設定条件)にしたがって、文字コードに対応した文字のグリフデータを、基本ソフト110経由でフォント160から1文字ごとに取り出し、プリンタ2が処理できる印刷データ150に変換する(ステップ107)。一方、チェックボックス197がオフの場合(ステップ106でNo)は、次のフォントが印刷対象であるかどうかのチェック(ステップ108)を行う。
【0035】
「コンピュータ搭載フォント」の欄192のリストに存在するすべてのフォントについて以上の処理を行い、すべてのフォントのチェックが終了する(ステップ108でYes)と、プリンタドライバ130は、「プリンタ搭載フォント」の欄194のリストの印刷処理を開始し(ステップ109)、「プリンタ搭載フォント」の欄194のリストで各フォントが印刷対象のフォントであるかどうかをチェックする(ステップ110)。印刷対象でなければ(ステップ110でNo)、次のフォントが印刷対象であるかどうかをチェックする(ステップ112)。また、印刷対象であれば(ステップ110でYes)、プリンタドライバ130は、印刷条件(文字列指定方法、文字列、フォントスタイルおよびフォントサイズの設定条件)にしたがって、フォント属性・文字コードそれぞれの指定を印刷データ150に変換するとともに、プリンタのフォント情報170を参照してプリンタ搭載フォントを指定するコマンドを生成して印刷データ150に付加する(ステップ111)。その後、次のフォントについて印刷対象であるかどうかのチェックを行う(ステップ112)。
【0036】
プリンタ搭載フォント194のリストに存在するすべてのフォントについて以上の処理を行い、すべてのフォントのチェックが終了すると(ステップ112でYes)、プリンタドライバ130により生成された印刷データ150は、通信手段3を用いてプリンタ2に送信される。プリンタ2は、コンピュータ1から受信した印刷データ150により、図5に示す一例のようなフォントサンプル画像を印字する。
【0037】
以上、本実施形態によれば、フォントの置き換え情報を含むように、コンピュータ(情報処理装置)1に搭載されたフォント160の一覧及びプリンタ(画像形成装置)2に搭載されたフォント210の一覧を画面に表示させることにより、ユーザは、その一覧に表示された置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定することができる。そして、その指定されたサンプル出力対象のフォントについて、置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像が出力されるので、ユーザは、出力された印刷媒体上のサンプル画像を確認することにより、コンピュータ1で指定されたフォントの文字列の画像が実際にプリンタ2で印刷される場合にどのような文字デザインで出力できるのかを簡便に且つ柔軟に確認することができる。
また、応用ソフト120で指定したフォント名のフォントが実際にプリンタで印字したときに、どのような文字デザインで印刷されるのかを任意の文字毎に簡単に確認することができる。
また、プリンタ2の導入時に、コンピュータ1上に登録されているフォント160とプリンタ2に登録されているフォント210とを任意に組み合わせて印刷確認することができるので、例えば、OCR(光学式文字読取装置)で読み取りを行う文字列の印刷と読み取り評価に活用することもできる。さらに、用途に応じて印刷したフォントサンプルを顧客に提示しながら、ユーザごと・業務ごとにプリンタドライバのフォント設定をカスタマイズするといった、プリンタ導入支援業務にも活用できる。
【0038】
また、本実施形態によれば、上記プリンタ2から出力されたサンプル画像は、置き換え前のフォントを使った記文字列が描画された文字画像を含むので、上記置き換え後のフォントを使った文字列について、置き換え前のフォントを使った場合の文字デザインも確認することができる。
また、本実施形態によれば、上記サンプル画像において文字画像として描画される文字列のフォントのサイズ及びスタイルの少なくとも一方を選択することができるので、ユーザが希望するサイズ及びスタイルからなる文字列で、実際にプリンタ2で印刷される場合にどのような文字デザインで出力できるのかを確認することができる。
また、本実施形態によれば、上記サンプル画像として印刷する文字列をユーザが入力できるので、ユーザが希望する任意の文字列で、実際にプリンタ2で印刷される場合にどのような文字デザインで出力できるのかを確認することができる。
また、本実施形態によれば、コンピュータ1上で実行する応用ソフト120により前記置き換え前後のフォントをそれぞれ指定することができる。
【0039】
なお、上記実施形態において、上記サンプル画像に含まれる文字列は、置き換え前後の各フォントの情報を示す文字列であってもよい。この場合は、ユーザによる文字列の入力作業の手間を省くことができる。また、上記実施形態において、上記サンプル画像を印刷画像としてコンピュータ1のディスプレイ画面に表示してもよい。この場合は、サンプル画像をより速やかに確認することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 コンピュータ
2 プリンタ
3 通信手段
110 基本ソフト
120 応用ソフト
130 プリンタドライバ
140 文書データ
150 印刷データ
160 コンピュータ搭載フォント
170 プリンタのフォント情報
180 「フォントの印刷方法」のユーザインターフェース
181 「フォントの印刷方法」のユーザインターフェース画面
190 「フォント置き換えテーブル」のユーザインターフェース
191 「フォント置き換えテーブル」のユーザインターフェース画面
210 プリンタ搭載フォント
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開平11−259250号公報
【特許文献2】特開平10−171791号公報
【特許文献3】特開平9−179699号公報
【特許文献4】特開2004−252791号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォントが指定された文字を含む文書データに基づいて、画像形成装置で処理可能な画像形成用データを生成し、該画像形成装置に該画像形成用データを送信することにより該画像形成装置で画像形成処理を実行させることができる情報処理装置であって、
前記文書データに含まれる文字について、当該情報処理装置に搭載された所定のフォントを前記画像形成装置に搭載されたフォントに置き換える手段と、
前記置き換えの対象となっているフォントについて、該フォントの置き換え情報を保持する手段と、
前記フォントの置き換え情報を含むように、当該情報処理装置に搭載されたフォントの一覧及び前記画像形成装置に搭載されたフォントの一覧を画面に表示させる手段と、
前記一覧に表示された前記置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定する手段と、
前記サンプル出力対象のフォントについて、前記置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と前記置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像を出力する手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1の情報処理装置において、
前記サンプル画像は、前記置き換え前のフォントを使って前記文字列が描画された文字画像を更に含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2の情報処理装置において、
前記文字画像として描画される前記文字列のフォントのサイズ及びスタイルの少なくとも一方を選択する手段を、更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの情報処理装置において、
文字列を入力する手段を、更に備え、
前記サンプル画像に含まれる前記文字列は、前記入力された文字列であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかの情報処理装置において、
前記サンプル画像に含まれる前記文字列は、前記置き換え前後の各フォントの情報を示す文字列であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの情報処理装置において、
前記サンプル画像の出力は、前記画像形成装置によって該サンプル画像を媒体上に形成させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかの情報処理装置において、
前記サンプル画像の出力は、該サンプル画像を印刷画像として画面に表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかの情報処理装置において、
前記置き換え前後のフォントをそれぞれ指定する手段を更に備え、
前記指定された置き換え前後のフォントに基づいて、前記文書データに含まれる文字についてのフォント置き換えを行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかの情報処理装置と、該情報処理装置から受信した画像形成用データに基づいて画像形成処理を実行する画像形成装置と、を備えた画像形成システム。
【請求項10】
フォントが指定された文字を含む文書データに基づいて、画像形成装置で処理可能な画像形成用データを生成し、該画像形成装置に該画像形成用データを送信することにより該画像形成装置で画像形成処理を実行させることができる情報処理装置の制御方法であって、
前記文書データに含まれる文字について、当該情報処理装置に搭載された所定のフォントを前記画像形成装置に搭載されたフォントに置き換える工程と、
前記置き換えの対象となっているフォントについて、該フォントの置き換え情報を保持する工程と、
前記フォントの置き換え情報を含むように、当該情報処理装置に搭載されたフォントの一覧及び前記画像形成装置に搭載されたフォントの一覧を画面に表示させる工程と、
前記一覧に表示された前記置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定する工程と、
前記サンプル出力対象のフォントについて、前記置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と前記置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像を出力する工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
フォントが指定された文字を含む文書データに基づいて、画像形成装置で処理可能な画像形成用データを生成し、該画像形成装置に該画像形成用データを送信することにより該画像形成装置で画像形成処理を実行させることができる情報処理装置に読み出されて実行されるプログラムであって、
前記文書データに含まれる文字について、当該情報処理装置に搭載された所定のフォントを前記画像形成装置に搭載されたフォントに置き換える手順と、
前記置き換えの対象となっているフォントについて、該フォントの置き換え情報を保持する手順と、
前記フォントの置き換え情報を含むように、当該情報処理装置に搭載されたフォントの一覧及び前記画像形成装置に搭載されたフォントの一覧を画面に表示させる手順と、
前記一覧に表示された前記置き換えの対象のフォントのうちサンプル出力対象にするフォントを指定する手順と、
前記サンプル出力対象のフォントについて、前記置き換え後のフォントを使って所定の文字列が描画された文字画像と前記置き換え前後の各フォントの情報とを含むサンプル画像を出力する手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−211533(P2010−211533A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57136(P2009−57136)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】