説明

情報処理装置および情報処理プログラム

【課題】事前に設定することなく、入力項目への入力の要否を作業者に認識させる。
【解決手段】開示の情報処理装置は、入力項目の過去の入力状況を記憶した入力履歴テーブルを記憶したメモリと、入力項目の表示依頼情報を受信すると、該入力項目の過去の入力状況を前記入力履歴テーブルから読み出し、読み出した前記過去の入力状況から入力率を算出し、算出した前記入力率に応じて前記入力項目の表示形態を決定し、前記入力項目が決定した前記表示形態で表示されるように出力するプロセッサとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示のシステムは、入力項目に入力された情報をデータベースに記憶する情報処理装置および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
官公庁では、官庁会計システムを使用し、予算の執行管理業務が行われている。例えば、支払いにおいては官庁会計システムを使用することで、事業者、個人などの債主に対して、振込みなどの処理が行われる。官庁会計システムにより適切かつ正確な財政の運営が行われている。「公共調達の適正化について」「予算執行の情報開示についての指針」などで、「公共調達情報の開示や契約に関する統計資料の作成」が要求されている。しかし、官庁会計システムが管理する情報のみでは、統計資料を作成することはできない。
【0003】
そこで、官庁会計システムに連携し、官庁会計システムでは管理されていない情報を管理することが可能な予算管理ソフトウェアがある。
【0004】
予算管理ソフトウェアは、ユーザと官庁会計システムとが管理するデータを管理するように動作する。ユーザは予算管理ソフトウェアを操作してデータ入力などをおこなう。予算管理ソフトウェアは、入力されたデータの中から官庁会計システムで管理すべきデータを官庁会計システムに送信する。
【0005】
官庁会計システムが管理する入力項目は法律、規則、指針等により入力が必須であると定められた項目である(以下、法定項目とする)。予算管理ソフトウェアは、官庁会計システムの法定項目に加え任意に設定可能な項目(以下、任意項目とする)を管理することが可能である。よって、予算管理ソフトウェアが管理する入力項目には、入力が必須である法定項目と、入力が任意である任意項目とがある。
【0006】
予算管理ソフトウェアが管理する任意項目を頻繁に登録あるいは削除する設定をすることは、作業者にとって手間である。そこで、任意項目は予め多めの項目を管理するように設定されている。例えば、将来統計情報として使用することが決定した任意項目は、決定した以降、運用上では入力が必須になる。入力が必須となる任意項目のデータ収集期間は短期間(例えば年度毎)で変更になる場合もある。また、複数の異なる部門で、それぞれ必要項目が異なる場合がある。したがって、任意項目の中には、統計のために入力が必要な項目と、情報の入力は必要ではない項目とが存在する。
【0007】
法定項目への入力は必須であり、任意項目への入力は任意であるため、入力が必要か否かを視認可能となるように表示を明確に区別しておきたい。したがって、全ての入力項目を一様に表示にすることは望ましくない。一方で、任意項目の内、入力が必要である項目については、入力が必要な項目であることを画面に表示させておきたい。
【0008】
データの入力担当者がデータ収集期間中に変更になった場合、従来の方式では、任意項目は法定項目とは別の表示形態で一様に表示されているため、新しい担当者は、任意項目のどの項目への入力が必要なのかが分からない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平08−69365号公報
【特許文献2】特開2002−278587号公報
【特許文献3】特開平06−208586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
開示のシステムは、事前に設定することなく、入力項目への入力の要否を作業者に認識させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の情報処理装置は、入力項目の過去の入力状況を記憶した入力履歴テーブルを記憶したメモリと、入力項目の表示依頼情報を受信すると、該入力項目の過去の入力状況を前記入力履歴テーブルから読み出し、読み出した前記過去の入力状況から入力率を算出し、算出した前記入力率に応じて前記入力項目の表示形態を決定し、前記入力項目が決定した前記表示形態で表示されるように出力するプロセッサとを有する。
【発明の効果】
【0012】
開示のシステムは、事前に設定することなく、入力項目への入力の要否を作業者に認識させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本実施例のデータ管理システムの機能ブロック図である。
【図2】図2は、画面表示の処理のフローチャートである。
【図3】図3は、画面情報記憶テーブル20のデータ構成である。
【図4】図4は関係テーブル17のデータ構成である。
【図5】図5は依存関係情報の登録画面例である。
【図6】図6は、入力履歴テーブル18のデータ構成である。
【図7】図7は、トリガテーブル16のデータ構成である。
【図8】図8はトリガ情報の設定画面例である。
【図9】図9は、画面の一例である。
【図10】図10は、入力履歴テーブル18−1である。
【図11】図11は、画面の例である。
【図12】図12は、図11の画面の「項目○」に「あいう」、「項目B」に「かきく」が入力された状態の画面の例である。
【図13】図13は、図12の入力に沿って更新された入力履歴テーブル18−2である。
【図14】図14は、次回に表示される画面IDが「G123」である画面の例である。
【図15】図15は、図14の画面の「項目○」に「あいう」、「項目B」に「Xかきく」が入力された状態の画面の例である。
【図16】図16は、表示形態決定部13が図15の画面に対して依存先項目の表示形態を決定する処理を行った後の画面である。
【図17】図17は、図16の入力に沿って更新された入力履歴テーブル18−3である。
【図18】図18は、依存関係のある場合の表示形態の決定処理のフローチャートである。
【図19】図19は、S10およびS27の入力率の算出処理のフローチャートである。
【図20】図20は、本実施例の情報処理装置100のハードウェア構成の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[機能ブロック図]
図1は、本実施例のデータ管理システムの機能ブロック図である。本実施例のデータ管理システム1は、会計、予算等のデータを管理する。法定管理システム2は、例えば、官公庁で行われる予算の執行管理業務を補助するためのシステムである。例えば、官公庁から事業者あるいは個人等の債主に対して振込みなどの処理を行う場合、法定管理システム2は予算の執行のためのデータを官公庁の作業者から入力されることで、振込みなどの処理を実行する。法定管理システム2は複数のデータ項目を管理する。なお、本実施例の法定管理システム2が管理する複数のデータ項目は、予算の執行管理業務を行う上で、全て入力されなければならない項目であるとする。以下、本実施例の法定管理システム2が管理する複数のデータ項目を法定項目とする。
【0015】
データ管理システム1は、入力されたデータを法定管理システム2に出力する。法定管理システム2は、データ管理システム1から出力されたデータを受信すると、データベースへの格納、帳票の出力等の処理を実行する。例えば、「公共事業の適正化について」、「予算執行の情報開示についての指針」などで定められている「公共到達情報の開示や契約に関する統計資料の作成」において、法定管理システム2が管理の対象とする法定項目のみでは、定められた統計資料を作成することはできない。
【0016】
そこで、データ管理システム1は、法定管理システム1が管理する複数の法定項目に加えて、統計資料の作成に使用する複数のデータ項目を管理する。このデータ管理システム1が管理する項目を任意項目とする。しかし、任意項目は、法律上定められた法定項目とは異なる。よって、任意項目と法定項目とは判別可能な状態で表示されることが望ましい。
【0017】
入力装置3は、作業者が操作することによって情報が入力される装置である。入力装置3は入力された情報をデータ管理システム1に送信する。なお、図1では、入力装置3は一つであるが、複数あってもよい。入力装置3が複数ある場合、作業者が複数存在してもよく、各作業者は各作業者に割り当てられたデータを入力する。
【0018】
データ管理システム1は、入力部11、画面決定部12、表示形態決定部13、出力部14を有する。また、データ管理システム1は、情報記憶テーブル15、トリガテーブル16、関係テーブル17、入力履歴テーブル18および処理部19を有する。
【0019】
入力部11は、入力装置3が送信した情報を受信する。情報は、入力画面情報、データを含む。画面決定部12は、入力部11が受信した入力画面情報に対応する画面情報を出力し、ディスプレイ4は画面情報を表示する。表示形態決定部13は、現在の入力状況に応じて、画面の表示形態を決定する。表示形態は、入力項目の枠線の色、幅、入力項目の領域内の色、入力率の数値の画面表示などがある。出力部14は、表示形態決定部13により決定された画面の表示形態に応じた画面情報をディスプレイ4に出力する。また、出力部14は、法定管理システム2で管理するように設定されている情報を法定管理システム2に出力する。処理部19は、入力部11が受信した情報およびデータの抽出、抽出したデータの各テーブルへの格納などのデータ管理システム1の全体の処理を実行する。処理部19は、入力部11が受信する情報の内、法定管理システム2が管理する項目について、例えば画面情報記憶テーブル20の法定項目IDに基づき特定する。処理部19は特定した法定項目IDに入力された情報を法定管理システム2に出力部14を介して出力する。
【0020】
情報記憶テーブル15は、入力部11が受信したデータを記憶する。データとは、データ管理システム1および法定管理システム2で管理、記憶されるべき情報である。トリガテーブル16は、入力項目の表示形態を変更するか否かを判定するためのトリガ情報を記憶する。関係テーブル17は、入力項目の表示形態が他の入力項目に入力されたデータに依存することを定義した関係情報を記憶する。入力履歴テーブル18は、入力項目の過去に入力された履歴情報を記憶する。画面情報記憶テーブル20は画面情報を記憶する。一つの画面に複数の入力項目が含まれる場合がある。このような場合、画面情報は複数の入力項目情報を関連付けて記憶される。なお、本実施例のデータ管理システムは、複数の画面情報を管理するものとする。
【0021】
ディスプレイ4は、画面決定部12および表示形態決定部13により決定され、出力部14により出力された画面情報を表示する。作業者は、ディスプレイ4に表示された画面情報を視認することにより、入力装置3を用いてデータの入力などを行う。
[処理フロー]
図2は、画面表示の処理のフローチャートである。
【0022】
まず、入力装置3は作業者により入力された情報をデータ管理システム1の入力部11に送信する。なお、本フローチャートでの入力された情報は、画面表示要求情報であるとする。例えば、複数の異なる画面情報があるとする。作業者は、一つの画面情報に含まれる入力項目への入力が完了した後、次の画面に遷移させる指示情報を入力装置3に入力する。入力された「次の画面に遷移させる指示情報」は、画面表示要求情報の一つである。なお、画面表示要求情報は、表示させる対象となる画面情報を特定するための画面ID情報を含むものとする。
【0023】
作業者は、ディスプレイ4に表示された入力画面の表示ボタンを、入力装置3を操作することにより押下する。入力部11は入力装置3から送信された画面表示要求情報を受信すると(S01)、画面決定部12は画面IDを特定する(S02)。
表示形態決定部13は、S02で特定された画面IDに対応する画面情報に含まれる入力項目を画面情報記憶テーブル20から読みだす(S03)。
【0024】
図3は、画面情報記憶テーブル20のデータ構成である。画面情報記憶テーブル20は、画面情報を識別する画面ID、画面情報に含まれる入力項目を識別する入力項目ID、入力項目が法定項目であることを示す法廷項目IDを含む。一つの画面IDに複数の入力項目IDが関連付けられる場合もある。画面情報記憶テーブル20は、入力項目や画面に表示すべき文字や図などの情報のレイアウト情報を含む。図3では、画面IDは「G001」、「G002」、「G005」であり、入力項目IDは「N001」、「N007」、「N002」、「N011」等であり、法定項目IDは「N002」、「N003」、「N004」、「N007」である。
【0025】
次に、表示形態決定部13は、画面情報に関連付けられたそれぞれの入力項目に対して、S04からS12までの処理を実行する。表示形態決定部13は、現在の処理対象の入力項目IDを特定し、特定した入力項目IDと画面情報記憶テーブル20から読み出した法定項目IDとを比較することで、処理の対象の入力項目が法定項目か否かを判別する(S04)。
【0026】
表示形態決定部13は、入力項目が法定項目である場合(S04:Yes)、初期設定で入力項目の表示形態を決定する(S05)。なお、法定項目の初期設定と任意項目の初期設定とは設定値が異なる。法定項目の初期設定については、システム管理者が、作業者が法定項目であることを視認可能なように、画面の設定時から表示形態を特定して設定しておく。また、法定項目の場合、入力必須であるため、データ管理システム1は法定項目に何らかの情報が入力されなければ、次の処理に遷移しない構成にしておくことも可能である。
【0027】
表示形態決定部13は、入力項目が法定項目ではない場合(S04:No)、入力項目に依存関係が設定されているか否かを判別する(S06)。S06において、入力項目は法定項目ではないため、任意項目である。表示形態決定部13は関係テーブル17の該当するデータを検索する。
【0028】
図4は関係テーブル17のデータ構成である。関係テーブル17は、画面情報を識別する画面ID,依存先となる入力項目(以下、依存先項目とする)を識別する依存先項目ID、依存元となる入力項目(以後、依存元項目とする)を識別する依存元項目ID、依存関係が成立する際の依存元項目に入力される情報を示す条件情報、依存先項目と依存元項目の依存関係の種類を識別する依存パターンとを含む。
【0029】
関係テーブル17は、例えば、親となる依存元項目に入力された情報に応じて、子となる依存先項目の表示形態を変更する場合に適用される。依存元項目IDに対応する依存元項目に、条件情報を含む情報が入力される場合に依存先項目IDに対応する依存先項目の表示形態を決定する処理を実行する。依存パターンは、依存関係の登録順に、番号を1から付されて格納されているものとする。なお、本実施例の法定項目については、どのような条件情報であっても、入力する必要があるため、法定項目について依存関係を設定する必要はない。なお、法定項目が依存元項目に相当することはある。
【0030】
図5は依存関係情報の登録画面例である。処理部19は、入力部11が入力装置3からの依存関係情報の設定画面の表示指示を受信すると依存関係情報の設定画面をディスプレイ4に出力する。依存関係情報の設定画面は、「閉じる」、「保存」などのボタン領域、「依存関係設定」の文字列、依存関係情報を入力する依存関係入力テーブルなどを含む。依存関係入力テーブルは、依存関係情報を識別するために付される番号を表示する項目として「No.」、依存先の入力項目を識別する依存先項目IDを入力するための項目として「依存先項目ID」、依存元の入力項目を識別する依存元項目IDを入力するための項目として「依存元項目ID」、依存元項目に入力された場合に依存関係が成立する情報として入力する項目として「条件情報」を含む。
【0031】
作業者は、入力装置3を介して、依存関係入力テーブルに依存関係情報を登録する。例えば、依存関係の一例として、依存先項目が「随意契約の理由」であり、依存元項目が「契約の種類」であるとする。また条件情報は「随意契約」であるとする。この場合、「随意契約の理由」は、「契約種類」において「随意契約」が含まれる情報が選択あるいは入力された場合にのみ、入力されるべき項目である。すなわち、「随意契約の理由」は「契約種類に随意契約が含まれる場合」に依存する。依存関係は、依存元項目に入力される情報が特定の条件を満たす場合に、依存先項目に情報が入力されることが重要になる。そこで、依存先項目の入力率は、「依存元項目に条件情報を含む情報が入力された場合」と「依存元項目に条件情報を含まない情報が入力された場合」とを別々に回数を数える。
【0032】
図2のフローの説明に戻る。表示形態決定部13は、依存関係が設定されている場合(S06:Yes)、依存先項目表示処理を実行する(S14)。依存先項目表示処理は、画面情報に含まれる依存関係を有する入力項目についての表示形態を決定する処理である。なお依存先項目表示処理の詳細については後述する。表示形態決定部13は、依存関係が設定されていない場合(S06:No)、画面IDに対応する過去の入力履歴を入力履歴テーブル18から読み出す。
【0033】
図6は、入力履歴テーブル18のデータ構成である。入力履歴テーブル18は、画面情報を識別する画面ID、画面情報に含まれる少なくとも一つ以上の入力項目への入力が確定した回数、画面情報に含まれる入力項目を識別する入力項目ID、入力項目IDへの入力が確定した回数を示す項目入力回数、および関係テーブル17の依存パターンに対応する依存パターンを含む。依存パターンの値「0」は、画面情報内の全ての入力項目間で依存関係がない場合を示す。
【0034】
表示形態決定部13は、画面IDに対応するトリガ情報をトリガテーブル16から読み出す(S08)。
【0035】
図7は、トリガテーブル16のデータ構成である。トリガテーブル16は、画面情報を識別する「画面ID」情報、第一のトリガ情報として「入力件数」情報、第二のトリガ情報として「入力期限」情報とを有する。第一のトリガ情報は、入力率を算出するか否かを入力回数で決定するための情報であり、画面情報のいずれかの入力項目に過去にデータが入力され、情報記憶テーブルに記憶された回数を示す。表示形態決定部13は当該入力件数を超えた場合に入力率の算出を行う。第二のトリガ情報の「入力期限」は、入力率を算出するか否かを時間で決定するための情報であり、入力率を算出するか否かを決定する期限を示す。表示形態決定部13は当該入力期限以降に入力率の算出を行う。
【0036】
表示形態決定部13は、第一のトリガ情報を満たす場合、第二のトリガ情報を満たす場合、あるいは第一と第二のトリガ情報を満たす場合に、入力率算出の条件を満たすと判定する。すなわち、表示形態決定部13は、いずれか一つのトリガ情報か、両方のトリガ情報を満たした場合に入力率算出の条件を満たすと判定する。本実施例のトリガ情報は、データ管理システム1に予め設定されてあるものとする。
【0037】
図8はトリガ情報の設定画面例である。処理部19は、入力部11が入力装置3からのトリガ情報の設定画面の表示指示を受信するとトリガ情報の設定画面をディスプレイ4に出力する。トリガ情報の設定画面は、「閉じる」、「保存」などのボタン領域、「入力率算出トリガ設定」の文字列、トリガ情報を入力するトリガ入力テーブルなどを含む。トリガ入力テーブルは、トリガ情報を識別するために付される番号を表示する項目として「No.」、画面情報を識別する画面IDを入力するための項目として「画面」、トリガ情報を入力するための項目として「入力件数」、「入力期限」を含む。なお、トリガ入力テーブルの項目「画面」は、「○○画面」等のように画面のタイトルを作業者に選択させることで入力させてもよいし、画面IDを作業者に選択させることで入力させてもよい。
【0038】
図8のトリガ入力テーブルの「No.1」のトリガ情報は、「入力件数が500件」、「入力期限が2011年4月30日」が登録されている。本実施例のトリガ情報は、画面情報を基準に設定されているが、入力項目毎に設定することも可能である。入力項目毎に設定する場合は、トリガテーブル16には、入力項目を識別する入力項目ID、依存パターンを識別する依存パターン情報を追加して記憶する。
【0039】
表示形態決定部13は、S08で読み出したトリガ情報を処理対象の入力項目が満たすか否かにより、入力率算出条件を満たすか否かを判別する(S09)。例えば、入力履歴テーブル18の画面情報の画面入力回数がトリガテーブル16の入力件数以上である場合、表示形態決定部13は入力率算出条件を満たすと判定する。また、本処理の実行日時が、第二のトリガ情報の入力期限以降である場合、表示形態決定部13は入力率算出条件を満たすと判定する。
【0040】
表示形態決定部13は、S09の入力率算出条件を満たさない場合(S09:No)、初期設定で入力項目の表示形態を決定する(S05)。過去の入力回数が少ない場合、入力の有無によって表示のばらつきが大きくなる。この結果、作業者にとって、入力が必要な項目か否かが判り難くなる。例えば、画面情報の画面入力回数が10回に対して入力項目Aの入力回数が8回の場合と、画面情報の画面入力回数が1000回に対して入力項目Aの入力回数が800回の場合とでは、入力率はともに80%である。しかし、後者は、前者に比べて母数が大きく、算出した入力率の信頼性が高い。
【0041】
そこで、データ管理システム1は、一定数以上の入力の実績あるいは一定以上の期間などのトリガ情報を設けることにより、ある程度の入力回数を事前に取得可能にする。この構成により、ある程度の入力回数を事前に取得するため、信頼性の高い表示が可能になる。本実施例の表示形態決定部13は、一定数以上の入力の実績あるいは一定以上の期間において、初期設定で入力項目を表示するように決定する。
【0042】
表示形態決定部13は、S09の入力率算出条件を満たす場合(S09:Yes)、入力率算出処理を実行する(S10)。なお、トリガ情報が入力期限の場合、表示形態決定部13は、システムが管理する現在日時情報を取得し、当該入力期限情報を超えているか否かを判定する。S10の入力率算出処理の詳細は後述する。
【0043】
表示形態決定部13は、S10で算出した入力率に応じて、入力項目の表示形態を決定する(S11)。たとえば、表示する画面情報の任意項目の背景色の初期設定は「オレンジ色」となるように設定されているとする。表示形態決定部13は、入力率が下がるにつれて透過率が上がるようにする。
【0044】
この構成により、当初は、画面情報内に含まれる全ての任意項目の背景色が「オレンジ色」に表示される。法定項目の背景色が任意項目の背景色と同様に「オレンジ色」であるとすると、入力率により表示形態を決定するまでは、法定項目と任意項目とは同じ背景色となるため、作業者に入力を促すことになる。任意項目は、入力が必須ではないため、作業者によって、入力の有無のばらつきが生じる。各作業者の作業により入力の必要あるいは不要の判断がなされる結果、入力率によって表示形態が決定される頃になると、入力が必須な任意項目について、着色されることになる。
【0045】
表示形態決定部13は、任意項目の背景色を決定する際、入力率に合わせて「オレンジ色」と「透明」の透過率を変更する。例えば、入力率が80%の場合、入力項目の背景色はオレンジ色であり、その透過率は20%(「20=(1−80/100)*100[%]」により算出)になる。この場合、表示形態決定部13が入力率により表示形態の決定をするまでは、どの項目が重要であるのかが不明であるが、入力率により表示形態が変更されるようになると、過去に入力がされている入力項目の背景色が変わるため、作業者は重要な項目であるのか否かを容易に見分けることが可能になる。
【0046】
なお、表示形態決定部13は、例えば、「透過率=1−入力率」により入力項目の透過率を算出するようにしてもよい。表示形態決定部13は、入力項目が100%のときに表示される入力項目の背景色と、算出した透過率とから、入力項目の背景色を決定する。
【0047】
たとえば、表示する画面情報の任意項目の背景色の初期設定は「透明」であるとし、入力率が100%の場合に「オレンジ色」となるように設定されているとする。表示形態決定部13は、任意項目の背景色を決定する際、入力率に合わせて「オレンジ色」と「透明」の透過率を変更する。例えば、入力率が80%の場合、入力項目の背景色はオレンジ色であり、その透過率は20%(「20=(1−80/100)*100[%]」により算出)になる。この場合、表示形態決定部13が入力率により表示形態の決定をするまでは、どの項目が重要であるのかが不明であるが、入力率により表示形態が変更されるようになると、過去に入力がされている入力項目の背景色が変わるため、作業者は重要な項目であるのか否かを容易に見分けることが可能になる。なお、任意項目の初期の背景色と法定項目の初期の背景色は同じでもよいし、異なる色でも良い。
【0048】
表示形態決定部13は、画面情報に含まれる全ての入力項目について、表示形態を決定したか否かを判別する(S12)。全ての入力項目について判別が完了していない場合(S12:No)、表示形態決定部13は、次の処理対象の入力項目についてS03以降の処理を行う。全ての入力項目について判別が完了した場合(S12:Yes)、出力部14は、決定した画面情報をディスプレイ4に出力する(S13)。ディスプレイ4は出力部14から出力された画面情報を受信すると、当該画面情報に応じて画面を表示する。なお、画面情報に、「入力項目の色の濃さは、入力率の高さを表しています。必要に応じて入力をお願いします。」などのメッセージを表示させることにより、作業者の入力作業への注意を確実にすることも可能である。上記メッセージは、入力項目の色を入力率によって変更させる場合にのみ表示させることも可能である。例えば、S10の入力率の算出処理を行った場合には、画面情報に上記のメッセージを表示させることを決定する。
【0049】
画面情報を表示した後、処理部19は、作業者による入力装置3への情報の入力を、入力部11を介して受信する。処理部19は、各入力項目に入力された情報の内容をチェックする。処理部19は、情報の内容を情報記憶テーブル15に格納する。処理部19は、入力装置3および入力部11を介して、画面に表示された複数の入力項目の内、入力すべき入力項目への作業者による入力の完了を示す情報を検出すると、入力履歴テーブル18の内容を画面情報に含まれる各入力項目への入力状態に応じて更新する(S14)。入力の完了を示す情報は、例えば、画面の遷移要求であり、また、データ保存の指示情報である。なお、本実施例の処理部19は、画面の全項目への入力が完了した時点で、入力履歴テーブル18内の対応するレコードに「1」を加算するものとする。
【0050】
処理部19は、各入力項目に対する入力回数、および、画面情報に対する画面入力回数を入力履歴テーブル18に格納する。具体的には、処理部19は、情報の入力を検出したそれぞれの入力項目の入力回数にそれぞれ「1」を加算すると共に、画面入力回数に「1」を加算する。処理部19は、依存関係がある依存先項目への情報の入力を検出した場合、依存先項目に情報が入力された場合でかつ依存元項目に条件情報を含む情報が入力された場合のみ、入力履歴テーブル18内の対応する依存先項目の入力回数に「1」を加算すると共に依存元項目に条件情報を含む情報が入力された回数(依存元項目の入力回数)に「1」を加算する。
【0051】
また、処理部19は、依存先項目に対応する入力項目に対する入力回数、および、画面情報に対する画面入力回数を入力履歴テーブル18に格納する。具体的には、処理部19は、情報の入力を検出した依存先項目に対応する入力項目の入力回数に「1」を加算すると共に、画面入力回数に「1」を加算する。なお、処理部19は、依存関係のある場合、依存関係に関するレコードに関して加算処理を行うだけでなく、依存関係が定義されていないレコードについても加算処理を行うものとする。
【0052】
[処理の一例]
ここで、入力回数の加算処理および表示形態の決定処理の一例を説明する。
【0053】
図9は、図6の入力履歴テーブル18、図7のトリガテーブル16の情報に基づき、ディスプレイ4に表示された画面の一例である。図9の画面では、「○○画面」のタイトルを示すメッセージ、データを保存する指示を入力するための「保存」ボタン、「項目○」、「項目A」、「項目B」の入力項目を示すメッセージ、「項目○」、「項目A」、「項目B」の情報が入力される領域となる入力項目、「入力項目の色の濃さは、入力率の高さを表しています。必要に応じて入力をお願いします。」と作業者に注意を促すためのメッセージを含む。なお、図9の画面の画面IDは「G123」である。なお、「項目○」は法定項目、「項目A」および「項目B」は任意項目であるとする。「項目A」の項目IDは「N10A」であり、「項目B」の項目IDは「N10B」である。図9は、「項目○」に「あいう」、「項目B」に「かきく」、「項目A」に「さしす」なる情報が作業者により入力されている状態を示している。図9の画面を表示させた時点は、トリガテーブル16の入力期限「2011/4/30」以前であるものとする。
【0054】
表示形態決定部13は、図7のトリガテーブル16から画面IDが「G123」であるレコードを検索し、トリガ情報を読み出す。
【0055】
画面IDが「G123」であるトリガ情報は、入力件数が「100」であり、入力期限が「2011/4/30」である。一方、図6の入力履歴テーブル18の「G123」のレコードは、画面入力回数が「99」であり、トリガ情報を満たしていない。このため、表示形態決定部13は、初期表示状態で入力項目を表示する。なお、図9では、初期状態が「透明」である例を示すが、初期状態が法定項目と同様の色であっても良い。
【0056】
処理部19は、図9の画面の各入力項目に入力された情報を取得すると、当該情報を情報記憶テーブル15に格納するとともに、入力履歴テーブル18の入力回数を更新する。
【0057】
図10は、図9の入力に沿って更新された入力履歴テーブル18−1である。今回入力された情報は依存関係を含まないため、処理部19は、入力履歴テーブル18の画面IDが「G123」、依存パターンが「0」のレコードについて更新する。処理部19は、該当レコードの画面入力回数、入力項目IDが「N10A」、入力項目IDが「N10B」の入力項目の入力回数に「1」を加算する。加算の結果、入力履歴テーブル18−1は、入力履歴テーブル18の画面入力回数が「99」から「100」に、N10Aの項目入力回数が「30」から「31」に、N10Bの項目入力回数が「70」から「71」に、それぞれ更新される。
【0058】
図11は、次回に表示される画面IDが「G123」である画面の例である。処理部19によって画面入力件数が更新されたため、入力履歴テーブル18−1の画面入力件数「100」は、トリガ情報の入力件数「100」以上になった。このため、表示形態決定部13は、画面IDが「G123」である画面を表示する際、入力率に基づき各入力項目の表示形態を決定して出力する。図11の画面は、図9に対して、「項目B」および「項目A」の領域の表示が変わっている。表示形態決定部13は、入力項目IDが「N10B」の入力項目の領域の透過率を(1−71(N10Bの入力回数)/100(画面入力回数))*100=29%と算出する。表示形態決定部13は、入力項目IDが「N10A」の入力項目の領域の透過率を(1−31(N10Aの入力回数)/100(画面入力回数))*100=69%と算出する。
【0059】
図12は、図11の画面の「項目○」に「あいう」、「項目B」に「かきく」が入力された状態である。図12では、「項目A」には何も入力されていない。
【0060】
図13は、図12の入力に沿って更新された入力履歴テーブル18−2である。今回入力された情報は依存関係を含まないため、処理部19は、入力履歴テーブル18の画面IDが「G123」、依存パターンが「0」のレコードについて更新する。処理部19は、該当レコードの画面入力回数、入力項目IDが「N10B」の入力項目の入力回数に「1」を加算する。加算の結果、入力履歴テーブル18−2は、入力履歴テーブル18の画面入力回数が「100」から「101」に、N10Bの項目入力回数が「71」から「72」に、それぞれ更新される。
【0061】
図14は、次回に表示される画面IDが「G123」である画面の例である。表示形態決定部13は、入力項目IDが「N10B」の入力項目の領域の透過率を(1−72(N10Bの入力回数)/100(画面入力回数))*100=28%と算出する。表示形態決定部13は、入力項目IDが「N10A」の入力項目の領域の透過率を(1−31(N10Aの入力回数)/100(画面入力回数))*100=69%と算出する。
【0062】
図15は、図14の画面の「項目○」に「あいう」、「項目B」に「Xかきく」が入力された状態である。「項目B」に入力された「Xかきく」なる情報は、情報内に「X」を含む。図4の関係テーブル17には、画面IDが「G123」であり、依存元項目IDが「N10B」であり、条件情報が「X」であるレコードがある。なお、このレコードの依存パターンは「1」である。
【0063】
表示形態決定部13は、項目Bに入力された情報は依存関係を有するため、依存先項目の表示形態を決定する処理を行う。
【0064】
図16は、表示形態決定部13が図15の画面に対して依存先項目の表示形態を決定する処理を行った後の画面である。図16では、図15に対して、項目Bに対する依存先項目に該当する項目Aの表示形態が変更されている。表示形態決定部13は、関係テーブル17から依存パターンを特定する。表示形態決定部13は、入力履歴テーブル18−2の画面ID、依存パターンが一致するレコード、すなわち画面IDが「G123」、依存パターンが「1」であるレコードを読み出す。読み出されたレコードは、画面入力回数が「30」であり、入力項目IDが「N10A」の項目入力回数は「28」である。表示形態決定部13は、読み出したレコードに基づき、入力項目IDが「N10A」の入力項目の領域の透過率を(1−29(N10Aの入力回数)/30(画面入力回数))*100=3%と算出する。この結果、図16の項目Aの領域は、透過率が3%の状態で表示される。また、図16では、項目Aに「さしす」なる情報が入力されている。
【0065】
図17は、図16の入力に沿って更新された入力履歴テーブル18−3である。今回入力された情報は依存関係を含むため、処理部19は、入力履歴テーブル18−2の画面IDが「G123」であり依存パターンが「0」のレコード、画面IDが「G123」であり依存パターンが「1」のレコードについて更新する。処理部19は、依存パターンが「0」のレコードの画面入力回数、入力項目IDが「N10B」、「N10A」の入力項目の入力回数に「1」を加算する。また、処理部19は、依存パターンが「1」のレコードの画面入力回数、入力項目IDが「N10A」の入力項目の入力回数に「1」を加算する。加算の結果、入力履歴テーブル18−3は、入力履歴テーブル18−2の画面IDが「G123」であり依存パターンが「0」のレコードについて、画面入力回数が「101」から「102」に、N10Bの項目入力回数が「72」から「73」に、N10Aの項目入力回数が「31」から「32」に、それぞれ更新される。また、入力履歴テーブル18−3は、入力履歴テーブル18−2の画面IDが「G123」であり依存パターンが「1」のレコードについて、画面入力回数が「30」から「31」に、N10Aの項目入力回数が「28」から「29」に、それぞれ更新される。
【0066】
データ管理システム1から出力された画面情報に基づき、ディスプレイ4はこれら画面を表示する。入力装置3は、作業者からの情報の入力を検出する。処理部19は、入力装置3が出力し入力部11が受信した情報をディスプレイ4に出力することで、ディスプレイ4は入力された情報を表示する。
【0067】
[依存先項目決定処理]
図18は、依存関係のある場合の表示形態の決定処理のフローチャートである。本処理は、S14の依存先項目決定処理に対応する。図18の依存先項目決定処理は、例えば、データ管理システム1は、ディスプレイ4に出力された画面情報に含まれる入力項目に、入力装置3により情報が入力されたことを検出する毎に実行される。
【0068】
入力部11は、入力装置3から作業者により入力項目に入力された情報を受信することで、入力項目への入力を検出する(S21)。本実施例の処理部19は、画面情報に含まれるどの入力項目に入力された情報であるかを検出可能であるとする。本実施例の表示形態決定部13は、検出された情報および情報が入力された入力項目の入力項目IDを特定する。
【0069】
表示形態決定部13は、特定した入力項目IDが依頼元項目か否かを判定する(S22)。表示形態決定部13は、ディスプレイ4に表示中の画面情報に対応する画面IDおよび特定した入力項目IDが合致する画面IDおよび依存先項目IDのレコードを関係テーブル17から抽出する。
【0070】
特定した入力項目が依頼元項目ではない場合(S22:No)、表示形態決定部13は、現在設定されている表示形態を維持する(S29)。特定した入力項目が依頼元項目である場合(S22:Yes)、表示形態決定部13は、特定した入力項目に入力された情報がS22で抽出したレコードに含まれる条件情報に一致するか否かを判定する(S23)なお、表示形態決定部13は、複数のレコードを抽出した場合には、それぞれのレコードについて判定する。なお、一致するとは、入力された情報と条件情報とが完全に一致する場合のみではなく、一部のみ一致する場合も含む。また、入力項目に入力された情報が条件情報を全て含む場合に、表示形態決定部13は、両者は一致すると判定するようにしてもよい。
データ管理システム1は、このような、完全一致、部分一致などの条件を入力項目毎に保持しても良い。
【0071】
入力項目に入力された情報が条件情報に一致しない場合(S23:No)、表示形態決定部13は、現在設定されている表示形態を維持する(S29)。
【0072】
入力項目に入力された情報が条件情報に一致する場合(S23:Yes)、表示形態決定部13は、画面IDに対応する過去の入力履歴を読み出す(S24)。表示形態決定部13は、一致する条件情報を含む関係テーブル17のレコードの依存パターンを抽出する。表示形態決定部13は、ディスプレイ4に表示中の画面情報の画面IDおよび抽出した依存パターンに合致する画面IDおよび依存パターンを含むレコードを入力履歴テーブル18から読み出す。
【0073】
表示形態決定部13は、トリガテーブル16からディスプレイ4に表示中の画面情報の画面IDに対応するトリガ情報を読み出す(S25)。本実施例のトリガ情報は入力件数であるとする。
【0074】
表示形態決定部13は、入力率算出条件を満たすかを判定する(S26)。なお、入力項目毎に依存関係を加味して入力率を算出させる構成とすると、画面上の他の入力項目については、入力率に応じた表示がされているにも関わらず、依存関係のある入力項目については、表示形態が初期値となる。この結果、入力項目が初期値の表示形態で表示されるため、作業者は入力が必要な項目に気づかないおそれがある。
【0075】
そこで、本実施例では、表示形態決定部13は、入力履歴テーブル18の依存関係が定義されていないレコードの画面入力回数に基づき、入力率を算出するか否かについて判定する。入力率算出条件を満たさない場合(S26:No)、表示形態決定部13は、現在の入力項目の表示形態を維持すると決定する(S29)。
【0076】
入力率算出条件を満たす場合(S26:Yes)、表示形態決定部13は、依存先項目の入力率の算出処理を実行する(S27)。表示形態決定部13は、S27で算出した入力率に応じて、依存先項目の表示形態を決定する(S28)。
【0077】
表示形態決定部13は、決定した表示形態に沿って画面情報を作成し、出力部14は、作成された画面情報をディスプレイ4に出力する(S30)。
【0078】
[入力率の算出処理]
図19は、S10およびS27の入力率の算出処理のフローチャートである。本実施例の表示形態決定部13は、入力率を、処理対象の入力項目を含む画面情報に含まれる何れかの入力項目に情報が入力され、当該画面情報に含まれる何れかの入力項目に入力された情報が情報記憶テーブル15に過去に格納された回数に対する処理対象の入力項目に入力された情報が情報記憶テーブル15に過去に格納された回数の割合により算出する。
【0079】
表示形態決定部13は、処理対象の入力履歴テーブル18から該当するレコードを読み出す(S31)。表示形態決定部13は、処理対象の画面情報の画面ID、処理対象の入力項目の入力項目ID、依存パターンの値とからレコードを特定する。依存関係のない入力項目の場合依存パターンの値は「0」である。
【0080】
表示形態決定部13は、決定したレコードの画面入力回数に対する処理対象の入力項目の入力回数の割合から入力率を算出する(S32)。
【0081】
表示形態決定部13は、入力項目の入力率を「(入力項目への入力回数)/(画面の何れかの入力項目への入力回数)×100%」により算出する。本実施例のシステムは、画面単位で情報を情報データベースに格納するものとする。本実施例の入力回数は、情報データベースに入力された回数であるとする。
【0082】
表示形態決定部13は、依存先項目の入力率を「(依存元項目に入力された条件情報が依存関係を満たすときの依存先項目への入力回数)/(依存元項目に入力された条件情報が依存関係を満たすときの画面の何れかの入力項目への入力回数)×100%」により算出する。
【0083】
以上の処理により、本実施例のデータ管理システム1は、入力が任意の入力項目であっても入力項目の重要度を視覚的に変更して表示することが可能になるため、作業者に統計、資料の作成に必要な情報を確実に入力させることが可能になり、この結果、情報の信頼性を向上させることが可能になる。例えば、ある期間のみ、入力項目Aへの入力を行うことを部署内で決定したとする。決定したことを聞いていた作業者は、当該期間、入力項目Aへの情報の入力を行う。しかし、当該期間の途中に異動してきた作業者がいる場合に、当該作業者への連絡が不十分であると、入力項目Aへの入力がされないことになる。しかし、本実施例のデータ管理システム1は、過去の入力率に応じて、入力項目Aの表示形態が変更されるため、途中から異動してきた作業者であっても、入力項目Aに関して、注意するようになる。この結果、データ管理システム1は漏れのない情報の取得が可能になる。
【0084】
表示形態決定部13は、S32で算出した入力率を出力する(S33)。
【0085】
[ハードウェア構成]
図20は、本実施例の情報処理装置100のハードウェア構成の一例である。
【0086】
情報処理装置100は、CPU(中央処理装置)101、RAM(Ramdom Accsess Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、I/F(インターフェース)104、および記憶装置107を有し、それぞれバスを介してデータ通信を行う。情報処理装置100は、ディスプレイ105および入力装置106に接続する。ROM103には、CPU101が実行する情報処理プログラムが記憶されている。CPU101は、ROM103に記憶された情報処理プログラムを読み込みながら処理を行うことで、情報処理装置100としての各種処理を行う。RAM102は、CPU101の情報処理プログラム実行の際の一時データを格納する。また、このRAM102は、後述する入力装置106で取得した各種情報などが格納される。また、各テーブルの情報を記憶することも可能である。CPU101が、データを取得・記憶する記載がある場合、実際には、RAM102に一時的に該データを記憶させているものとする。I/F(インターフェース)104は、外部装置との通信を行うものである。ディスプレイ105は、画面情報を表示する。入力装置106は、作業者からの各種の情報を取得するものである。例えば、ディスプレイ105はディスプレイ4、入力装置106は入力装置3、CPU101、RAM102、ROM103、記憶装置107などはデータ管理システム1および法定管理システムにそれぞれ対応しており、ハードウェアが動作することでそれぞれの機能を実現する。
【0087】
なお、本実施例の他のバリエーションとして、複数の作業者が存在する場合、作業者毎に表示形態の変更の有無を切り替えるようにしてもよい。この場合、作業者を識別する作業者IDと、表示形態の変更の有無を判別するためのフラグ情報とを関連付けたテーブルを作成しておく。入力装置3から作業者により入力された作業者IDを取得すると、表示形態決定部13は、上記テーブルのフラグ情報を参照し、表示をするか否かを判別する。この構成により、例えばベテランの作業者は、任意項目の内、入力が必要な入力項目を熟知しているため、従来どおりの表示にしておき、新人作業者に対しては、入力が必要な入力項目を別の表示形態で表示させることができる。この結果、データ管理システム1は、作業者のデータの効率的な入力を支援することが可能になる。
【0088】
また、表示形態を変更する場合に、予め期間を定めておき、当該期間内の場合にのみ表示形態を決定することも可能である。例えば、入力履歴テーブル18の履歴情報を情報が入力された入力年月の情報と関連付けて記憶しておく。
【0089】
表示形態決定部13は、例えば、最近の半年、3ヶ月などの期間に情報が入力された履歴に基づき入力項目の表示形態を決定する。この構成であれば、入力が不要になった入力項目について、期間が経過すると表示形態の変更がされなくなるため、作業者の入力の手間が減少する効果がある。この結果、データ管理システム1は、作業者のデータの効率的な入力を支援することが可能になる。
【符号の説明】
【0090】
1 データ管理システム
11 入力部
19 処理部
12 画面決定部
13 表示形態決定部
14 出力部
15 情報記憶テーブル
20 画面情報記憶テーブル
16 トリガテーブル
17 関係テーブル
18 入力履歴テーブル
2 法定管理システム
3 入力装置
4 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力項目の過去の入力状況を記憶した入力履歴テーブルを記憶したコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
該コンピュータに、
入力項目の表示依頼情報を受信すると、該入力項目の過去の入力状況を前記入力履歴テーブルから読み出し、
読み出した前記過去の入力状況から入力率を算出し、
算出した前記入力率に応じて前記入力項目の表示形態を決定し、
前記入力項目が決定した前記表示形態で表示されるように出力する
処理を実行させる情報処理プログラム。
【請求項2】
前記入力項目の領域内の背景色の透過率を過去の入力率に応じて決定することで該表示形態を決定する処理を該コンピュータに実行させる請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
一つの画面に複数の入力項目が含まれており、該複数の入力項目のそれぞれの入力状況に基づき、該複数の入力項目の表示形態をそれぞれ決定する処理を該コンピュータに実行させる請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記表示形態に含まれる任意の入力項目に過去に入力された回数と、入力状況の算出対象の入力項目に過去に入力された回数との割合から、該入力状況の算出対象の入力項目の前記入力率を算出する処理を該コンピュータに実行させる請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
画面情報に含まれる任意の入力項目に過去に入力された回数が所定数以上の場合に、前記入力率を算出する処理を該コンピュータに実行させる請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
複数の作業者から前記入力項目に入力された情報をデータベースに記憶する処理を該コンピュータに更に実行させる請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
入力項目の過去の入力状況を記憶した入力履歴テーブルを記憶したメモリと、
入力項目の表示依頼情報を受信すると、該入力項目の過去の入力状況を前記入力履歴テーブルから読み出し、読み出した前記過去の入力状況から入力率を算出し、算出した前記入力率に応じて前記入力項目の表示形態を決定し、前記入力項目が決定した前記表示形態で表示されるように出力するプロセッサと
を有することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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