説明

情報処理装置および情報処理方法

【課題】 メタデータが付加された電子データ群から、ユーザ所望の電子データを容易に取得できるようにする。
【解決手段】 本体データにメタデータが付加された複数の電子データを処理する情報処理装置であって、前記複数の電子データに含まれる各メタデータの値(601、602)をメタデータの項目別に配列して表示するとともに、該配列して表示した各メタデータの値ごとに、固有の表示領域であるメタデータ領域(603〜606、607〜611)を規定する規定手段と、前記メタデータが付加された本体データのうち、前記規定手段により配列して表示されたメタデータの値が付加されている本体データに関連付けられたアイコン(612、613等)を、それぞれ対応する前記メタデータ領域に表示するアイコン表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタデータが付加された電子データを処理するための情報処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ハードディスクレコーダ等といった、電子データの生成や蓄積が可能な機器が広く普及してきている。これに伴い、これらの機器で生成・蓄積された膨大かつ多種多様な電子データを取り扱う機会が増えてきている。
【0003】
このような膨大かつ多種多様な電子データを有効に活用するためには、情報処理を行うシステムが、必要な電子データを必要なときに取得し、再利用できるように構成されていることが不可欠である。
【0004】
このようなシステムを実現するための一手段として、それぞれの電子データに対し、関連する補助的な電子データを付加する方法が考えられる(一般に、このような補助的な電子データを「メタデータ」と呼ぶ)。
【0005】
これらのメタデータを電子データに付加しておくことで、利用者は該付加された電子データ(以下、メタデータが付加された電子データを特に「本体データ」と称す)を必要に応じて様々な条件で検索し、取得することが可能となる。また、取得した本体データに付加されたメタデータに基づいて、本体データからは直接読み取ることができないような情報(例えば、本体データ生成時の情報等)を取得したりすることが可能となる。
【0006】
このようにメタデータを付加することで、本体データを効率的かつ有効に再利用することができるため、最近では、多くの電子データに、種々のメタデータが付加されるようになってきている。
【0007】
ここで、本体データを再利用するための電子データの表示方法としては、各電子データに付加されたメタデータを表形式で表示する表示方法が一般的に知られている。
【0008】
更に、電子データ群を時間軸と所定の分類軸とを用いて三次元表示し、電子データを直視的に把握できるようにすることで、本体データを再利用しやすくする手法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−187743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示方法の場合、分類軸の設定によっては、同一の電子データが、異なる複数の位置に表示されることがある。しかし、その場合でも、当該表示方法によれば、当該電子データ相互の関係が明示されることはない。このため、ユーザは、それらの電子データをそれぞれ開いてみるまで、同一の電子データを示す表示であることを認識することができず、所望の電子データを取得する際の操作性に問題がある。
【0010】
更に、当該表示方法の場合、分類情報は分類軸上に一次元に配列されるにすぎないため、ユーザは分類情報間の相互の関係を認識することができず、分類軸の設定によっては、かえって電子データの取得に時間がかかってしまうといった問題もある。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、メタデータが付加された電子データ群から、ユーザ所望の電子データを容易に取得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明に係る情報処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
本体データにメタデータが付加された複数の電子データを処理する情報処理装置であって、
前記複数の電子データに含まれる各メタデータの値をメタデータの項目別に配列して表示するとともに、該配列して表示した各メタデータの値ごとに、固有の表示領域であるメタデータ領域を規定する規定手段と、
前記メタデータが付加された本体データのうち、前記規定手段により配列して表示されたメタデータの値が付加されている本体データに関連付けられたアイコンを、それぞれ対応する前記メタデータ領域に表示するアイコン表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メタデータが付加された電子データ群から、ユーザ所望の電子データを容易に取得することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の各実施形態を詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
1.情報処理装置のハードウェア構成
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる情報処理装置(100)のハードウェア構成を示す図である。
【0016】
同図において、101はROM102に格納されている制御プログラムに従って情報処理装置100全体の制御を行うCPUである。
【0017】
102はCPU101が実行する後述するコンテンツ表示処理の制御プログラム等を格納するROMである。
【0018】
103は電子データ等を一時的に記憶するRAMである。104はコンテンツ表示処理の処理対象となる電子データ(コンテンツ)が複数格納された磁気ディスク等の外部記憶装置である。105はコンテンツ表示処理の実行結果を表示するディスプレイ、106はマウス等のポインティングデバイスである。
【0019】
なお、本実施形態にかかるコンテンツ表示処理は汎用的なコンピュータによっても実行可能である。その場合、媒体等により提供される制御プログラムを外部記憶装置104に記憶し、オペレータの指示等により該制御プログラムをCPU101で実行させることで、コンテンツ表示処理を実行することとなる。
【0020】
107はネットワークインタフェースである。情報処理装置100は、ネットワークインタフェース107を介して、図示しない遠隔地に存在する装置と通信し、制御プログラムや電子データ等の読み書きを行うことができる。
【0021】
なお、外部記憶装置104やディスプレイ105等は、ネットワークインタフェース107を介して通信可能に接続されていてもよい。
【0022】
2.電子データ(コンテンツ)の構成
図2は、コンテンツ表示処理の処理対象となる、メタデータが付加された電子データ(コンテンツ200)の一例を示す図である。
【0023】
201は本体データ(コンテンツ本体)である。なお、コンテンツ200内にはコンテンツ本体が1つのみ含まれていても複数含まれていても良い。
【0024】
202はコンテンツ本体201に付加されたメタデータである。メタデータは、メタデータ項目203と、その値(メタデータ値)204とが対で存在する。
【0025】
たとえば、メタデータ項目203−1“会議名”に対応して、メタデータ値204−1“運営定例”が存在する。同様に、メタデータ項目203−2、203−3、・・・203−10に対応して、メタデータ値204−2、204−3、・・・204−10が存在する。
【0026】
なお、コンテンツ200は、メタデータ項目203に含まれる各メタデータ項目に対して、主従関係を規定することができるように構成されているものとする。図2の例では、メタデータ項目203−3の“サブテーマ”は、メタデータ項目203−2の“会議テーマ”との間に主従関係が規定されている。
【0027】
このように主従関係が規定されたメタデータ項目のうち、メタデータ項目203−2を以下では主分類メタデータ項目と称し、メタデータ項目203−3を以下では従分類メタデータ項目と称することとする。
【0028】
なお、主従関係が規定されるメタデータ項目は、1つに限られず、1つの主分類メタデータ項目に対して、複数の従分類メタデータ項目を規定し、それぞれに異なるメタデータ値が設定されていてもよい。図2の例では、主分類メタデータ項目203−2の“会議テーマ”に対して、2つの従分類メタデータ項目203−3、203−4(いずれも“サブテーマ”)を規定している。そして、メタデータ値として、“卒業演奏企画”(204−3)と“運営委員会”(204−4)が設定されている。
【0029】
3.コンテンツ表示処理の流れ
次に情報処理装置100におけるコンテンツ表示処理の流れについて、図4乃至図7の表示例を参照しながら、図3を用いて説明する。なお、以下では、外部記憶装置104に格納された複数のコンテンツを処理対象としてコンテンツ表示処理を行うものとして説明する。なお、処理対象となるコンテンツには、図2に示すコンテンツ200も含まれているものとする。
【0030】
ステップS301では、コンテンツ表示処理の処理結果を表示するためのウィンドウを表示する。
【0031】
図4は、コンテンツ表示処理の処理結果を表示するためのウィンドウの一例を示す図である。図4に示すようにウィンドウ400には、タブが付加されており、当該タブには、ウィンドウ400内において縦方向に配列して表示すべきメタデータ値が設定されたメタデータ項目であって、予め定義されたメタデータ項目が表示される。図4の例では、タブ401にメタデータ項目“会議テーマ”が、タブ402にメタデータ項目“参加者”がそれぞれタブ表示されている。
【0032】
ステップS302では、ユーザによるメタデータ項目の指示を受け付ける。メタデータ項目の指示は、ユーザがポインティングデバイス等を使って、ウィンドウ400に付加されたタブのうち、所望のタブを指定することにより行われる。
【0033】
なお、以下では、メタデータ項目としてタブ401の“会議テーマ”がユーザにより指示されたものとして説明を行う。
【0034】
ステップS303では、指示されたメタデータ項目が主従関係を規定されたメタデータ項目であるか否かを判定する。ステップS302において、主従関係を規定されたメタデータ項目であると判定された場合(指示されたメタデータ項目が、主分類メタデータ項目であると判定された場合)には、ステップS304に進む。
【0035】
ステップS304では、当該主分類メタデータ項目に対応するメタデータ値をウィンドウ上に一覧表示する。図5Aは主分類メタデータ項目“会議テーマ”に対応するメタデータ値を一覧表示した様子を示す図である。なお、指示されなかったタブ402はグレーアウトされる。
【0036】
図5Aに示すように、ウィンドウ400には、外部記憶装置104に格納されているコンテンツに付加されたメタデータのうち、メタデータ項目“会議テーマ”に対応するメタデータ値が縦方向に一覧表示される。
【0037】
図5Aの例では、メタデータ値一覧501として、“文化祭”(503)、“定期演奏会”(504)、“夏合宿”(505)、“新入生歓迎”(506)、“Springコンサート”(507)が縦方向に一覧表示されている。
【0038】
なお、図5Aに示すように、縦方向に一覧表示されたメタデータ値一覧501は、同列に配置されるのではなく、メタデータ値一覧501の中央位置に表示されるメタデータ(図5Aの例では、“夏合宿”(505))が最前面に表示される。また、メタデータ値一覧501の中央位置から遠ざかるにつれ、メタデータ値は一段ずつ後面に表示される。
【0039】
なお、表示されたメタデータ値一覧501は、ユーザの指示に基づいて、表示位置がリング状に移動するように構成されているものとする。
【0040】
図5Bは、ユーザがポインティングデバイス106を用いて、メタデータ値一覧501の表示位置をリング状に移動させた様子を示す図である。ポインティングデバイス106を、点線矢印502のように、リングを回転させるように縦方向に動かすことで、メタデータ値一覧501の各メタデータ値の表示位置は、リング状に移動される。
【0041】
図5Bの例では、メタデータ値503〜506がその配列を維持しながらそれぞれ縦方向に一段ずつ移動し、最下段(縦方向の終端)に表示されていたメタデータ値“Springコンサート”(507)が、最上段(縦方向の始端)に表示される。また、縦方向に一段ずつ移動した結果、メタデータ値一覧501の中央位置に移動したメタデータ値“定期演奏会”(504)は、最前面に表示される。
【0042】
図3に戻る。ステップS305では、主分類メタデータ項目“会議テーマ”に対応する各メタデータ値(503〜507)の中から、ユーザが指示したメタデータ値を受け付ける。具体的には図5Aのメタデータ値一覧501の中から、ユーザにより指示された1つのメタデータ値を受け付ける。
【0043】
なお、メタデータ値の指示は、図5Bに示すように、ユーザ所望のメタデータ値を、メタデータ値一覧501の縦方向中央位置に移動させた後、ポインティングデバイス106で決定指示を出すことで行われる。決定指示はメタデータ値の表示位置部分をクリックすることにより行ってもよいし、図示しない決定ボタンを押すことで行ってもよい。また、メタデータ値一覧501の中央位置にないメタデータ値をダブルクリックすることで、該メタデータ値に対する中央位置への移動指示及び決定指示とを同時に与えるようにしてもよい。
【0044】
ステップS306では、指示されたメタデータ値が設定された主分類メタデータ項目と主従関係にあるメタデータ項目である従分類メタデータ項目に対応するメタデータ値を縦方向に配列して表示する。これにより、メタデータ値がメタデータ項目別に配列して表示される。また、配列して表示した各メタデータの値ごとに、固有の表示領域であるメタデータ領域を規定する。
【0045】
図6Aは主分類メタデータ項目“会議データ”の従分類メタデータ項目である“サブテーマ”に対応するメタデータ値を縦方向に配列して表示した表示例を示す図である。
【0046】
601は主分類メタデータ項目“会議テーマ”に対応するメタデータ値として“定期演奏会”を持つコンテンツに付加されたメタデータ値のうち、従分類メタデータ項目“サブテーマ”に対応するメタデータ値の一覧である。
【0047】
図6Aに示すように、従分類メタデータ項目のメタデータ値一覧601は、主分類メタデータ項目“会議テーマ”に対応するメタデータ値“定期演奏会”より枝分かれするツリー表示を介して表示される。ライン603、604、605、606は、当該ツリー表示を表わすとともに、従分類メタデータ項目に対応する各メタデータ値ごとの固有の表示領域(メタデータ領域)を規定している。
【0048】
例えば、ライン603は従分類メタデータ項目“サブテーマ”に対応するメタデータ値“パートリーダー定例会議”のメタデータ領域を規定している。
【0049】
再び、図3に戻る。ステップS303において、主従関係が規定されていないと判定された場合には、ステップS310に進む。ステップS310では、ステップS302において指示されたメタデータ項目に対応するメタデータ値を縦方向に配列して表示する。なお、ステップS310におけるメタデータ値の一覧表示は、基本的にステップS306における従分類メタデータ項目に対応するメタデータ値の一覧表示と同様であるため、ここでは説明は省略する。
【0050】
ただし、ステップS310の場合は、主従関係が規定されていない。このため、ステップS306における従分類メタデータ項目に対応するメタデータ値の表示の場合とは異なり、主分類メタデータ項目に対応するメタデータ値より枝分かれするツリー表示を介して表示されることはない。単に、各メタデータ値と、メタデータ領域を規定するラインとが表示されるだけである。
【0051】
ステップS307では、メタデータ値一覧601として縦方向に表示されたメタデータ値が設定されたメタデータ項目以外のメタデータ項目に対応するメタデータ値を横方向に表示する。
【0052】
ここでは、主分類メタデータ項目“会議テーマ”、従分類メタデータ項目“サブテーマ”以外のメタデータ項目として、“会議日”が、横方向に表示すべきメタデータ項目として定義されているものとする。
【0053】
図6Bは、横方向に表示すべきメタデータ項目として定義された“会議日”に対応するメタデータ値を配列して表示した様子を示している。図6Bに示すように、ウィンドウ400には、外部記憶装置104に格納されているコンテンツのうち、メタデータ項目が“会議日”に対応するメタデータ値が横方向に一覧表示される(602参照)。
【0054】
また、メタデータ値一覧602の各メタデータ値ごとに規定されたメタデータ領域がライン607〜611として表示される。
【0055】
例えば、ライン607はメタデータ項目“会議日”に対応するメタデータ値“7/26”に規定されたメタデータ領域を示している。
【0056】
ステップS308では、メタデータ領域であるライン603〜606とライン607〜611とが交差する領域に、対応するメタデータ値(縦及び横方向に配列して表示された両方のメタデータ値)が付加されたコンテンツのアイコンを表示する。
【0057】
図6Cは、メタデータ領域上の対応する位置にそれぞれアイコン表示した様子を示す図である。同図において、612は図2のコンテンツ200と関連付けられたアイコンである。コンテンツ200の従分類メタデータ項目“サブテーマ”に対応するメタデータ値は“卒業演奏企画”であり、メタデータ項目“会議日”に対応するメタデータ値は“8/2”である。したがって、アイコン612はライン604とライン611との交差領域に表示される。
【0058】
このように、縦方向および横方向にそれぞれ配列して表示されたメタデータ値に対応するラインが互いに交差した領域は、それら2つのメタデータ値が付加されていることを意味している。つまり、コンテンツ200に付加されたメタデータ値が可視化されているといえる。
【0059】
なお、コンテンツ200はメタデータ項目“サブテーマ”に対応するメタデータ値として“運営委員会”も付加されている。そのため、従分類メタデータ項目“サブテーマ”に対応するメタデータ値“運営委員会”に対応するライン605とライン611との交差領域にもコンテンツ200に関連付けられたアイコン613が表示される。
【0060】
つまり、アイコン612と613は同一のコンテンツ200を意味している。このように、同一の従分類メタデータ項目に、複数の異なるメタデータ値が設定されたメタデータ項目が付加された1つのコンテンツが、複数箇所に表示されることとなる。このため、ステップS309では、それらが同一のコンテンツであることを示すためのライン614(関連表示)を表示する。
【0061】
図6Dは、異なる位置に表示されたアイコンに関連付けられたコンテンツ間の関連を表示した様子を示している。図6Dに示すように、2つのアイコン612と613が、ライン614を用いて結合されることで、これら2つのアイコン612と613とが同一のコンテンツであることが示される。
【0062】
4.その他の処理
図3のコンテンツ表示処理が完了し、ウィンドウ400上に図6Dに示す処理結果が表示された状態では、更に、以下の操作を行うことが出来る。
【0063】
4.1 縦方向に配列して表示されたメタデータ値の表示位置の変更
ウィンドウ400上に縦方向に配列して表示された従分類メタデータ項目に対応するメタデータ値一覧601ならびに対応するライン603〜606は、ユーザの指示により表示位置をリング状に移動させることができるように構成されている。
【0064】
図7Aは、ユーザがポインティングデバイス106を用いて、メタデータ値一覧601の各メタデータ値の表示位置及び対応するラインを移動させる様子を示している。ポインティングデバイス106でラインを点線矢印701方向に動かすことで、メタデータ値一覧601の各メタデータ値の表示位置及び対応するラインの表示位置が、その配列を維持しながらリング状に移動する。
【0065】
図7Aの例では、メタデータ値“パートリーダー定例会議”、“卒業演奏企画”、“運営委員会”がそれぞれ縦方向に一段ずつ移動し、最下段(縦方向の終端)に表示されていたメタデータ値“予算委員会”が最上段(縦方向の始端)に表示される。また、対応するライン603〜605がそれぞれ縦方向に一段ずつ移動し、最下段に表示されていたライン606が最上段に表示される。
【0066】
4.2 横方向に配列して表示されたメタデータ値の表示位置の変更
ウィンドウ400上に横方向に配列して表示されたメタデータ値一覧602の各メタデータ値の表示位置ならびに対応するライン607〜611は、ユーザのスクロール指示により表示位置を変更させることができるよう構成されている。
【0067】
図7Bは、ユーザがポインティングデバイス106を用いて、メタデータ値一覧602の各メタデータ値の表示位置及びラインを移動させる様子を示している。図7Bに示すように、図6Dでは“会議日”に対応するメタデータ値として“7/26”〜“8/2”まで表示されていたものが、点線矢印702に沿ってスクロールさせることでそれらが移動し、表示範囲が“7/29”〜“8/4”に変更されることとなる。
【0068】
4.3 コンテンツ本体の表示
情報処理装置100では、コンテンツ表示処理の結果表示された各アイコンを、図示しない他のコンテンツ本体表示プログラムもしくは編集プログラムにドラッグアンドドロップすることでコンテンツ本体を呼び出すことができるよう構成されている。
【0069】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、メタデータが付加された電子データ群を表示するにあたり、メタデータ値を可視化することが可能となる。また、その際、複数箇所に表示された同一の電子データについては、それらが同一であることを示す表示を行うことが可能となる。
【0070】
更に、主従関係が規定されたメタデータ項目に対応するメタデータ値の表示に際しては、主分類メタデータ項目に対応するメタデータ値より枝分かれするツリー表示を介して表示することで、当該主従関係を明示することが可能となる。
【0071】
この結果、メタデータが付加された電子データ群から、ユーザ所望の電子データを容易に取得することができるようになる。
【0072】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、1つのメタデータ項目に対応するメタデータ値のみを横方向に配列して表示することとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメタデータ項目に対応するメタデータ値をそれぞれ分けて配列して表示するようにしてもよい。
【0073】
図8は、上記第1の実施形態において説明した図6Dの表示例に、更に、横方向にメタデータ項目“会議名”に対応するメタデータ値“予算編成会議”(803)、“役員引継式”(802)、“運営定例”(801)を配列して表示した様子を示している。
【0074】
このように、横方向に複数のメタデータ項目に対応するメタデータ値を配列して表示することで、より多くのメタデータ値を可視化することが可能となる。
【0075】
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、横方向または縦方向に配列して表示されたメタデータ値以外のメタデータ値については、可視化されなかったが、本発明はこれに限定されず、かかるメタデータ値を可視化するように構成してもよい。
【0076】
また、上記第1及び第2の実施形態では、メタデータ値のみを可視化する構成としたが、本発明はこれに限定されず、コンテンツ本体についてもサムネイル表示を行うことで可視化してもよい。
【0077】
図9はコンテンツに付加されたメタデータ値のうち、縦方向及び横方向に配列して表示されたメタデータ値以外のメタデータ値を一時表示した様子を示している。同図に示すように、アイコン613にポインティングデバイス106を近づけると、吹き出し901がポップアップ表示される。吹き出し901には、メタデータ値一覧601、602に表示されたメタデータ値以外のメタデータ値が、該メタデータ値が設定されたメタデータ項目とともに表示される。
【0078】
また、図9に示すように、アイコン613にポインティングデバイス106を近づけると、アイコン613に関連付けられたコンテンツのコンテンツ本体がサムネイル902として表示される。
【0079】
以上のことから明らかなように、本実施形態によれば、ユーザが指示したコンテンツのみについて詳細な情報を表示するよう構成したことにより、ユーザが多量の情報に混乱することなく容易に電子データの詳細情報を閲覧することができるようになる。
【0080】
[第4の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態では、主分類メタデータ項目に対応するメタデータ値を一覧表示することとしたが(図5の501参照)、本発明はこれに限定されず、ユーザが指示する1つのメタデータ値のみを表示するようにしてもよい。
【0081】
図10は主分類メタデータ項目に対応するメタデータ値をリストボックス1001で表示した様子を示す図である。ここでユーザがリストボックス1001をスクロールし、主分類メタデータ項目に対応するメタデータ値のうち、1つのメタデータ値を選択した後は、図10のリストボックス1001に表示された他のメタデータ値は非表示になる。
【0082】
このように、情報処理装置100のもつUI機能を利用することで、情報処理装置100のスペックがあまり高くない場合であっても、電子データ閲覧時の利便性を失うことなく電子データ群を表示させることが可能となる。
【0083】
[他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0084】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給するよう構成することによっても達成されることはいうまでもない。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにより、上記機能が実現されることとなる。なお、この場合、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0085】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0086】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限られない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0087】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。つまり、プログラムコードがメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる情報処理装置(100)のハードウェア構成を示す図である。
【図2】コンテンツ表示処理の処理対象となる、メタデータが付加された電子データ(コンテンツ200)の一例を示す図である。
【図3】情報処理装置100におけるコンテンツ表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】コンテンツ表示処理の処理結果を表示するためのウィンドウの一例を示す図である。
【図5A】主分類メタデータ項目“会議テーマ”のメタデータ値を一覧表示した様子を示す図である。
【図5B】ユーザがポインティングデバイス106を用いて、メタデータ値一覧501の表示位置をリング状に移動させた様子を示す図である。
【図6A】主分類メタデータ項目“会議データ”の従分類メタデータ項目である“サブテーマ”に対応するメタデータ値を縦方向に配列して表示した表示例を示す図である。
【図6B】横方向に表示すべきメタデータ項目として定義された“会議日”に対応するメタデータ値が配列して表示した様子を示す図である。
【図6C】メタデータ領域上の対応する位置にそれぞれアイコン表示した様子を示す図である。
【図6D】異なる位置に表示されたアイコンに関連付けられたコンテンツ間の関連を表示した様子を示す図である。
【図7A】ユーザがポインティングデバイス106を用いて、メタデータ値一覧601の各メタデータ値の表示位置及び対応するラインを移動させる様子を示す図である。
【図7B】ユーザがポインティングデバイス106を用いて、メタデータ値一覧602の各メタデータ値の表示位置及びラインを移動させる様子を示す図である。
【図8】上記第1の実施形態において説明した図6Dの表示例に、更に、横方向にメタデータ項目“会議名”に対応するメタデータ値“予算編成会議”(803)、“役員引継式”(802)、“運営定例”(801)を配列して表示した様子を示す図である。
【図9】コンテンツに付加されたメタデータ値のうち、縦方向及び横方向に配列して表示されたメタデータ値以外のメタデータ値を一時表示した様子を示す図である。
【図10】主分類メタデータ項目に対応するメタデータ値をリストボックス1001で表示した様子を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体データにメタデータが付加された複数の電子データを処理する情報処理装置であって、
前記複数の電子データに含まれる各メタデータの値をメタデータの項目別に配列して表示するとともに、該配列して表示した各メタデータの値ごとに、固有の表示領域であるメタデータ領域を規定する規定手段と、
前記メタデータが付加された本体データのうち、前記規定手段により配列して表示されたメタデータの値が付加されている本体データに関連付けられたアイコンを、それぞれ対応する前記メタデータ領域に表示するアイコン表示手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記規定手段は、
前記メタデータの値をメタデータの項目別に第1の方向または、該第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ配列して表示し、
前記アイコン表示手段は、
前記第1の方向に配列して表示された各メタデータの値ごとに規定されたメタデータ領域と、前記第2の方向に配列して表示された各メタデータの値ごとに規定されたメタデータ領域とが交差する領域に、該第1の方向に配列して表示されたメタデータの値と、該第2の方向に配列して表示されたメタデータの値の両方が付加されている本体データと関連付けられたアイコンを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記メタデータの項目には、互いの主従関係が規定された主分類メタデータの項目と従分類メタデータの項目とが含まれており、
前記規定手段は、
前記従分類メタデータの項目に対応するメタデータの値を、前記主分類メタデータの項目に対応するメタデータの値より枝分かれするツリー表示を介して表示することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記規定手段により配列して表示された前記主分類メタデータの項目に対応するメタデータの値のうち、1のメタデータの値を選択する第1の選択手段を更に備え、
前記アイコン表示手段は、
少なくとも、前記第1の選択手段により選択されたメタデータの値と、該選択されたメタデータの値より枝分かれするツリー表示を介して表示されたメタデータの値とが付加されている本体データと関連付けられたアイコンを、対応する前記メタデータ領域に表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アイコン表示手段により異なる表示領域に表示された複数のアイコンが、同一の本体データに関連付けられたアイコンであった場合に、該複数のアイコンが同一の本体データに関連付けられたアイコンであることを示す表示を行う関連表示手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
予め定められたメタデータの項目を、ウィンドウに付されたタブに表示するタブ表示手段と、
前記タブ表示手段によりメタデータの項目が表示されたタブを指定することにより、該メタデータの項目を選択する第2の選択手段と、を更に備え、
前記規定手段は、前記ウィンドウ上において、前記第2の選択手段により選択されたメタデータの項目に対応するメタデータの値を、前記第1の方向に配列して表示することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記規定手段は、前記ウィンドウ上において、前記第2の選択手段により選択されたメタデータの項目以外のメタデータの項目に対応するメタデータの値を、前記第2の方向に配列して表示することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定されている間、前記規定手段により配列して表示されたメタデータの値に対応するメタデータの項目以外の項目、ならびに該メタデータの項目以外の項目に対応するメタデータの値を表示する一時表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定されている間、該アイコンに関連付けられた本体データを、サムネイル表示するサムネイル表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
本体データにメタデータが付加された複数の電子データを処理する情報処理装置における情報処理方法であって、
前記複数の電子データに含まれる各メタデータの値をメタデータの項目別に配列して表示するとともに、該配列して表示した各メタデータの値ごとに、固有の表示領域であるメタデータ領域を規定する規定工程と、
前記メタデータが付加された本体データのうち、前記規定工程により配列して表示されたメタデータの値が付加されている本体データに関連付けられたアイコンを、それぞれ対応する前記メタデータ領域に表示するアイコン表示工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法をコンピュータによって実行させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−242847(P2008−242847A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82746(P2007−82746)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】